【赤面率89%】ハツカレ 桃森ミヨシ★ 2キュン目
自殺防止か景観か…金門橋にフェンス計画
米サンフランシスコのシンボル・金門橋は世界一の飛び込み自殺
の名所とも言われ、確認されているだけで自殺者は年平均約20人
に達している。昨年1年間のすべての飛び込みの瞬間を記録したドキュメント映
画が制作されたことをきっかけに、自殺防止フェンスを設置する計画が浮上している。
1937年に橋が開通して以来、遺体が収容されるなど
公式に確認された自殺は約1300件。実際には2000件を超えていると
見られている。昨年の確認数は19件で今年もすでに4件を数えている。
橋は自転車や歩行者も通行可能だ。
歩道の手すりは高さ約1・4メートルで、その気になれば乗り越えることが出来る。
橋を管理する金門橋高速道路交通管区のマリー・カリーさんは
「パトロール員が常時監視し、自殺を思いとどまらせる『命の電話』も設置している」と
説明するが、根本的な対策は取られてこなかった。
管理当局をあわてさせる事態が起きた。
「記念碑的な橋を記録したい」との名目で許可を取り、橋を見渡せる2か所にカメラを設置し、
昨年1年間24時間態勢で撮影した映画監督のエリック・スティール氏が、自殺の
記録映画として公開しようとしていることが発覚したのだ。
スティール氏は当局に対し「人間性を描く作品となる」と説明しているが、映画が公開
されれば、さらに自殺志願者を呼び寄せることが強く懸念されている。
このため飛び込み防止のフェンスを設置する計画が
急速に具体化し、2月25日に開催された同交通管区の公聴会で、検討を進める方針が決まった。
だが橋の姿を多少とも損なうことになるフェンス設置には地
元市民の間でも抵抗が強く、世論調査では反対が多数を占めている。
「『飛び込みたいのなら飛び込ませればいい。すべて自己責任』と考えている人が多い」
と指摘するのは、金門橋の自殺防止に取り組んできた地元精神科医のメル・ブロースタイン医師だ。
背景にあるのは米国流の「個人主義」らしい。
また金門橋の運営が巨額赤字に悩むなか、設計だけで200万ドル
(約2億800万円)、設置に2000万ドル(約20億8000万円)前後かかるとみ
られるフェンスには経済的理由からの反対意見も強い。
賛成・反対の議論が白熱するなか、同交通管区は3月11日にフェンス設置の是非について
一定の方向を打ち出す予定だ。
ブロースタイン医師は「橋の魅惑的な姿が自殺志願者を呼び寄せている」
と分析する一方で「金門橋での自殺のほとんどは発作的なもの。未遂に終わった人の追跡調査では
95%の人は二度と自殺など考えない。
また金門橋からの自殺は苦しんだうえの水死だということを知るべきだ」と語る。