特に公表を禁ずるという文章もなく、私信ではないと判断して、
主要箇所のみですが転載させていただきます。
1.
2003年2月26日に「忍びのオンナ」が発売された後、3月10日にビブ
ロス社BE×BOY編集部よりBE×BOYコミックスの高嶋上総氏の作品「ワ
イルドロック」を香代乃氏が盗作しているのではないかという読者からの問い合
わせがきているとの電話連絡をいただきました。
Cheese!編集部で、当該作品「ワイルドロック」を購入し、確認を致し
ましたところ、ストーリーは全く違うものの、指摘された部分(「バタフライナ
イト」の「もう死ぬしかない」のコマから始まる4ページと「ワイルドロック」
の「自分が男じゃなけりゃ・・・」のコマから始まる5ページ)において、類似
した一連の流れがあることを理解しました。
そこで、直ちに香代乃氏に事実確認をしたところ、香代乃氏からは、
(1)「ワイルドロック」については、雑誌、コミックスともに読んだことがな
く、そのジャンルのコミック自体を読んだことがない。
(2)この作品のネーム(セリフ、コマ割、簡単な構図)は、当初70ページの
形で作成され、「ワイルドロック」が発表される以前の2001年春には
Cheese!編集部の前担当者に見せていた。
との回答がありました。
Cheese!編集部で確認したところ、
(1)香代乃氏は「ワイルドロック」のジャンルのコミックに関心を持っておら
ず、そのジャンルのコミック自体を読んだことがないとの香代乃氏の回答
は十分信頼できるものであること、
(2)2001年の春に70ページの形でネームが提出されたことがあり、当時
作品化することが見送られていたこと、
が確かめられました。
また、Cheese!編集部において、一連の流れの類似性や、一部のコマの
類似性について2作品を対比して検討しましたが、両者の類似性は偶然に生ずる
可能性のあるものと判断されました。
これらの検討結果からCheese!編集部として、「バタフライナイト」に
は著作権侵害などの問題はないと判断するに至りました。
2.
3月12日に、Cheese!編集部の担当者からBE×BOY編集部の担当
者に、上記検討経緯及び検討結果を電話にて説明させていただきました。
また、香代乃氏には、上記Cheese!編集部の判断とBE×BOY編集部
に電話で説明した旨を伝えました。
3.
5月末になり、香代乃氏のホームページにこの件に関する質問状が送られまし
たので、香代乃氏は、6月1日に、自らのホームページにおいて、「相手会社と
こちらの会社でお互いを認めるということで、すでに解決している」旨のコメン
トを発表しました。
これは上記のとおり、3月12日の時点でCheese!編集部からBE×B
OY編集部に電話説明がなされており、その後BE×BOY編集部から新たなご
連絡もなかったことから、香代乃氏としては、既に解決したものと考えていたこ
とによるものです。
4.
最後に「忍びのオンナ」かきおろしページに掲載されたイラストとカルバンク
ライン社のポスターについて、お答えいたします。
「忍びのオンナ」かきおろしページは、全体が雑誌「Cheese!」のパロ
ディとして、これを模した「Choose!」として26ページで構成されてい
ます。当該ページは、その中の雑誌広告を模したページとして、話題となってい
るカルバンクライン社のポスターを題材としたものであり、パロディとして描か
れたものです。
このようなかきおろしページがパロディとして法的に許容されるものであるか
については種々の見解がありうるところと思われますが、Cheese!編集部
としては、カルバンクライン社に悪意をもった利用ではないことをご説明し、ひ
とつのパロディとして理解していただきたいと考えております。
なお、付言させていただくとすれば、今般この回答をするに際し弊社の著作権
担当の弁護士にも事実関係を詳細に説明して見解を求めましたが、上記Chee
se!編集部の判断と同じ回答がなされております。
回答が遅くなりましたことをお詫びいたします。
2003年6月20日 小学館Cheese!編集部 編集長 XXXX