プリンセス・ボニータ☆秋田書店総合スレ7

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662プレ月姫

月は青く,星々を飲むように明るい.
私たちは憑かれたように歩いている.
私も俺もその光景を知っていたからに他ならない.


その姿を知っている.
永遠に網膜に焼き付けられた光景.
決して忘れえぬ月下の姿.
私を純粋ではなくした魔.

白い月の庭園で,白痴のように,ただ―――


―――――ただ,美しすぎたその姿を.


そこには全てがあった.
私が求めていたものを凌駕する全てが.
だが若い私は頑なで,
それを受け入れる事も,
理解する事もできず.

ただ,憎しみだけを武装した.

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