我々一般人が情報に右往左往され安いのは、その問題の全体像を知らないからです。
全体像さへ知っていれば、マスゴミの情報操作にそうそう引っ掛かるものではありません。
アルルの男ヒロシという人が「防空識別圏」の問題について書いています。
ただし、長いので私が重要な部分を引用し、意味を変えないように慎重にまとめました。
まとめの意味で2回に分けて載せます。
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尖閣諸島には米軍の射爆場があったというのはよく知られている。
そしてこの防空識別圏は沖縄を占領していた米軍が設定した。つまり、今の日本の防空識別圏は
アメリカが沖縄占領下に設定した空域を日本が引き継いだということである。
ここが重要で、中国がこの空域にオーバーラップする防空識別圏を設定したことは
サンフランシスコ体制を現状変更するということになりかねない。
http://livedoor.blogimg.jp/bilderberg54/imgs/3/2/3250401f.jpg ただ、防空識別圏の設定自体は、米国もそれほど目くじらを立てていない。米第7艦隊のトーマス司令官は、
「装備や能力が向上するにつれて、中国の演習の回数が増えるのは自然だ。
海自や米海軍が、彼らを指導しながら関われればいい」と余裕を見せた(朝日新聞報道)。
何よりも、米国にとって重要なのは、海域と空域における自由な行動であり、
米国は中国がチョークポイント(注:戦略的に重要となる海上水路)や海洋航行を妨害したときだけは本気で怒る。
しかし、それ以外の問題は米国にとっては主たる関心ではない。
中国は今後も軍事力を拡張するだろうが、その際に私達が注意すべきなのは、
中国がやっている行動を戦後の日本やかつてのソ連はやっていないのかという冷静に見極めることだ。
今回の防空識別圏の設定自体は主権国家であればある意味当然の話だから、
あまり過剰反応すべきではない。
メディアが過剰反応するのは安倍政権が軍事費を増やしたい思惑があったりするほか、
特定機密保護法の審議に有効に利用したいからに他ならない。
中国はアメリカとの本格的対立は避けたいのがホンネだ。一部の軍部には
意気軒昂な青年将校タイプもいるだろうが、軍幹部は米国の設定した 防空識別圏を侵して、
米国の海洋監視を厳しくすることにもなり、同時に中国と領土紛争をしている台湾、フィリピンなどの
ASEAN諸国との関係を悪化させることに繋がると理解している。
しかし、ナショナリズムに答えるという意味で、中国は同時に安倍政権の必要以上に挑発的な行動には対応せざるを得ない。
それが今回の防空識別圏の設定という行動につながった。
しかし、中国が見ているのはアメリカの属国日本ではなく、アメリカ空軍、海軍の動向なのだ。