♪X'mas Dinner Show 2010@聖子を語ろう203♪
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陽気な名無しさん:
近年、地球上ではさまざまな環境問題が発生している。その原因として一番大きく問題視されているのは自動車である。
内燃機関を使用する自動車が排出する二酸化炭素は、地球温暖化の大きな原因である。さらに自動車は、
燃料の燃焼時に二酸化炭素とともに大量の窒素酸化物を排出している。窒素酸化物は物が燃える際に空気中の窒素が
酸素と結合して発生する。発電所や向上のボイラー、自動車エンジンなど高温燃焼の際に一酸化窒素が発生し、これは
また酸化されて安定な二酸化窒素となる。一般的に一酸化窒素と二酸化窒素とをあわせて窒素酸化物と呼ぶ。窒素酸化物は
人体に多大な悪影響を与える。また紫外線により光化学反応を起こし、オゾンなど光化学オキシダントを生成する。
光化学オキシダントは粘膜への刺激、呼吸への影響といった健康影響の他、農作物など植物へも影響を与える。
窒素酸化物による大気汚染を防止するため、大気汚染防止法等により対策が進められている。表1は日本における
窒素酸化物の排出源構成比を表している。 見て分かるように自動車は窒素酸化物を、全体の50%以上排出している。
これは重大な問題として捉え、早急に改善するべきである。そこでクリーンな移動手段として電気自動車が注目されている。
2002年までの電気自動車の普及台数は約5600台、電気自動車とハイブリッド車を合わせても96800台である。
表2のように1998年からのここ4年間で4倍近い増加量を見せている。( しかし自動車の登録台数と比べれば、まだ微々たる数である。
電気自動車が普及しない理由として考えられるのは、内燃機関車と比較して価格やランニングコストが高く、走行距離が
短いことが挙げられる。価格については近年安くなってきているが、内燃機関車と比較するとまだ割高感はある。ランニングコストが
高いのは電池交換費が高いためである。また、航続距離が短いのはバッテリー性能の問題である。す
なわちバッテリー開発の主なテーマはエネルギー密度と寿命の向上、価格の低減である。万が一充電が切れた場合の不安もある。
電気自動車の場合、内燃機関車の燃料のように自分で、しかも数分の間に補充するという訳には行かない。簡単に充電できる
方式の開発、充電できる場所の確保など、インフラ整備の点でもまだたくさんの問題点が残っており、これらが電気自動車の普及し
きれない要因であると考えられる。
これらの問題点を考えた時に、電気自動車の普及できる場面は長距離移動を目的としたものではなく、近距離移動を前提とした
手軽に乗れる小型のものではないかという結論に達した。現在小型電気自動車は数種類発売されているが価格等の面から
まだ一般的ではないと思われる。
また電気自動車だけでなく、交通システム全体の新しい試みとしてITS(Intelligent Transport Systems)が注目されている。
ITSとは最先端の情報通信技術を用いて、「人」「道路」「車両」を情報によって一体のシステムとして構築する社会システムである。
ITSはナビゲーションシステムの高度化、自動料金収受システム、安全運転の支援、交通管理の最適化、道路管理の効率化、
公共交通の支援、商用車の効率化、歩行者等の支援、緊急車車輌の運行支援、の9つの開発分野から構成されている。
の中で道路交通情報通信システム(VICS)やノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)など一部のITSサービスがすでに
運用開始されている。この中でも安全運転の支援という分野は、急速に進む高齢化に対応するために重要な技術課題の1つである。
高齢者にも容易かつ安全に運転できるようなシステムの開発が必要とされている。小型電気自動車をベースに高齢者の
安全運転支援を考えることは有用であると思われる。
我々の研究室では数年前から、山間部に住む高齢者が気軽に使用することができるための小型電気自動車の設計、
制御を行ってきた。しかし今まで製作したものは、乗り降りがしづらいものであった。そこで高齢者にも安心して扱え、
軽量かつ十分な強度を持った乗り降りしやすい構造の小型電気自動車を製作することを目的とした。また近距離用の
小型電気自動車の技術を確立することを目的としている。
高齢者の死亡事故率は1980年代からすでに増加傾向にあり、現状のままではその傾向が続くことは避けられないと考えられる。
これを踏まえて、70歳を越えた高齢運転者には免許更新の際に各都道府県の公安委員会が運転能力の検査と講習を実施している。
そこで問題があると判断された場合は自主的に免許の返納を促している。しかし免許を返納した後の移動手段に不安を感じる人が多く、
なかなかうまく行っていないのが現状である。もし普通免許を返納してしまうと、