【ken’s bar】平井堅023【どこであるのよ!】
誇大感に満ちた空想は現実感を失わせてゆきます。
たとえば、本当は自分が他人に嫉妬しているのに、他人が自分に嫉妬していると
思ったりします。
他人から批判されると、あれは私に嫉妬しているからだとなります。
こういう詭弁によって立場を逆転させるのです。
なにがなんでも自分が優位に立たなければなりません。自分が劣っていることを
認めることは、幼いころの痛々しいくらいに哀れで惨めな自分に結びついてしま
います。ですからどんな卑怯な手段を使ってでも、どんなにつじつまの合わない
妄想であろうと、自分を守るためにしがみつかざるを得ません。
他人から侮辱されたと思い込んだりした場合、自分を守るために、非常に激しく
怒ったりします。あまりにも自己中心的な怒り方なのですが、本人は必死です。
もし、妄想が崩れたら一気に鬱状態になったり、あるいはパニックになったり
しますが、少なくとも妄想にしがみついていられる間はこのような悲惨な状態
にはなりません。
しかし、現実というものがひたひたと足元に忍び寄ってきます。
砂の城は波によって崩されていきます。妄想という砂の城を維持するためには、
現実の脅威に対して妄想を補強し続けなければなりません。
やがて、妄想が維持できなくなったとき、悲惨な現実にうちのめされてしまうのです。
自己愛性人格障害
( Narcissistic Personality Disorder )