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禁断の名無しさん:
ただ、今回のすこたん企画の主張には、これまで多くのゲイ・リブ
団体がメディアに対して「ホモやおかまではなくゲイと呼べ」と主張
してきたときの
「かつてアメリカでは「ゲイ」という言葉は差別語として使われて
きたが、70年代以後の同性愛者達は、この言葉を自分たちがプライド
を持って使える自称として主体的に引き受けた。だからメディアも、
私たちのアイデンティティを尊重するなら、「ホモ」のように外から
貼り付けられた呼称ではなく、自分たちが選び取った「ゲイ」という
言葉を使ってほしい」
という説明と矛盾してしまうのではないか、という危惧を持ちました。
その伝で行けば、「おかま」という語だって、政党まで作って同性愛
解放運動を展開してきた日本のアクティヴィストの先駆けが「誇りを
持って」選び取った自称なわけですから。
伊藤さん世代やそれより上の男性同性愛者には「ゲイ」という言葉に
かつてのゲイボーイのニュアンスを感じてこの言葉を嫌い、あえて
「ホモ」と自称してきた人々も少なくないようです。そういう人たちに
対して伊藤さんはどう応えるのでしょう。伊藤さんも自分が同性愛者の
総意を代表する存在などとは思っていないはずなのに、今回は「私が
傷ついた」という個人的事実を「男性同性愛者の痛み」へと昇華する
ような議論になってしまった。それはまずいよね、というのが私の
感想です。
まあ、今回の問題が「男性同性愛者は決して一枚岩な存在ではないし、
それぞれが傷つく言葉や好ましい自称にもいろいろと種類がある」と
いうごく当然の事実を世間の人々に知ってもらうためのきっかけに
なればいいなって思います。私は東郷さんも伊藤さんも凄い人だと
思ってますから。