抗HIV療法を受けている患者でも脳障害は進行する
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HAART療法中の患者でも脳白質の萎縮が進行が止まらないことが報告された。
2年間にわたる研究結果である。HIV患者とコントロールとで、月30回未満の
飲酒習慣群ともっと頻回・重度に飲酒する群で比較検討した。40代前半を
対象にしたアルコーリズム発現の解析の中間報告である。
脳白質の減少は、HIV 患者群で有意に進行しており(P < .0013)、
抗HIV療法を受けている患者では脳白質が一年毎に1%が減少、
ウイルス量も影響因子であった。感度以上のウイルス血症を示す
患者と感度以下に抑えられている患者管ででも有意差があり(P < .05)、
CD4細胞数低値も白質減少に相関していた (P < .02) 。
ただし、認識テストやelectroencephalogram誘発反応では、
HIV感染の有無で影響されなかった。HAARTはこの減少をくい止めることが
できず、Alzheimer病で認められるのと同様の減少のペースで進行して
いくという。Alzheimer病に適応をめざす新薬のHAART施行患者への応用や
長期治療には中枢神経に
まで効果のあるHAARTの開発が待たれる。
http://kkse-net.jp/newslog/40226.html