【スリル】短編リレー小説【サスペソス】

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「二人とも遅いよ。どうしたんだ?」裕一の問いかけに二人は口ごもっていると
坊主のイケメンは悪戯っぽく言った。
「バルタンタン。社会の窓が開いてまちゅよ!」
「えっ!マジ?うそっ?」慌てて少年は確認したがチャックはしっかり閉じている。
「優一。こいつカワイイ顔して結構積極的だったろ?普段大人しいくせに
好きな奴の前だとスゲー積極的になって。ま、そんなところがまたカワイイんだけどな!」
イケメンは少年の頭をグリングリンと撫でながらからかう。
「うるさい!変態和尚!!・・せっかくいいとこだったのにぃ・・」
真っ赤になった少年は恥ずかしいのかわざと乱暴に答えた。
その答え方が妙に男っぽくて優一は笑ってしまった。男の子が男になる瞬間。
そんなとき優一は可笑しさと同時に甘酸っぱい気持ちになる。
可愛らしい少年がふいに見せた男らしさはまさに『あいつのドキッとした瞬間』だ。