86 :
名無し名人:
(;SZ[19]EV[第15回三星財産杯準決勝戦三番碁第二局]DT[2010-11-03]PC[韓国大田]KM[6.5]US[棋聖道場]SO[weiqi.tom.com]
BR[九段]WR[七段]PB[古力]PW[金志錫]C[
http://weiqi.tom.com 棋聖道場-->精彩時局
北京時間10:00開始,毎方2時間,60秒秒読み5次,正午不休息
藍烈編訳
睦鎮碩九段解説]RE[B+0.5]
;B[pd]C[第1手:皆さんよろしく,私是睦鎮碩九段。
プロ棋士達対古力の評価まずはじめに是“力量大”*),その次是布石非常に好し。
彼の布石一般非常に簡明,
相手に従って善に従うこと流れるがごとし、しかし簡単に主動権をなくしてしまうことはない。
(訳注:*)力量大=力が強いという意味だろう。];W[dd];B[qp];W[dq]
;B[oq];W[co];B[pj];W[nc];B[pf];W[jd];B[cf];W[be];B[hc]
C[第13手:金志錫も力量強大な棋士,彼は“力量第二位”というのは苦しいでしょう。*)
準決勝戦第一局,金志錫直面する古力老錬な盤面経営,感覚全く力を発揮できなかった。
現在古力打込み,打ち方非常に積極的。
別の一盤許映皓対朴廷桓,近来許映皓状態非常に佳い,気勢天を衝く。
彼の棋風非常に柔和,趙漢乗九段と相い類似,只是あえて比較すればというところ。
現在私はソウルで解説,私の身辺約10名の棋士がいて現在今日の碁を研究中。
(訳注:*)彼は“力量第二位”とは言えない(第一位に匹敵)というのだろう。)];W[fc];B[he];W[if]LB[ie:a]
C[第16手:金志錫一手圧迫に進む,古力もしここで突き出し断り*)なら,一場肉弾戦は免れ難い。
(訳注:*)aのことだろう。)]
;B[ee]C[第17手:この一手非常に妙,私は全然想い到っていない。
第17手:私なら,次の一手1秒も考えずに突き出し断り...古力何か隠している必殺技があるのか?
金志錫長考で、いかにも非常に慎重に見える。];W[de]
C[第18手:果たして通り突き出し断り。もしこの種場合突き出し断りをしないならば,男ではない。]
;B[hf]C[第19手:古力前の一手是“妙”,またこの一手“驚”いた。双方是想い到るのは容易ではない歩調。];W[df];B[ig];W[jf]
C[第22手:白は左上で突出し,感覚相当悪くない。];B[fb];W[eb];B[jg];W[kg]
C[第26手:盤面次第に燃え上がってきた。
第26手:現在双方相手に切りのチャンスを与える,
互いに大声を上げ“来い,速く切って来い!”と叫んでいるようだ];B[kf]
;W[id];B[gc]C[第29手:第一局と異なっている,双方現在序盤でねじり合いになる。];W[fd];B[hg]
C[第31手:白の上辺頗る処理が難しい,
黒の切りのこの一子例えば魚の骨が喉に刺さったようだ,
呑むこともできず吐くこともできず。];W[oe]
C[第32手:ノゾキ。
黒切りの一子を狙っている,同時に機を伺う突き出し右上隅。
次の一手,古力がどのように打つかを見る。]
;B[pe]LB[lg:a]C[第33手:古力の判断やはり速い。
古力,黒一子たとえ逃げられなくても,白は自身の味非常に悪いと考える。
次の一手白はa横伸び,黒一子基本は取られだが,
当然,この一子依然として魚の骨,白は依然として味非常に悪い。]
;W[lf]C[第34手:白のケイマのぞき,辺角でまずはじめに損をした。
現在,白のこの一手当り成立するかどうか? ];B[ke];W[kd]
C[第36手:白のこの一手もし黒一子を取って治まることができるならば,結果善しといえる。
只是...黒は真に動き出しの方法がないかどうか? ]
;B[le];W[mf];B[me];W[ne]C[第40手:結局誰かが読み間違っている? 現在すでに“進路変更不可”... ];B[md]
C[第41手:両人互いに首を絞め合い断崖上で争う。
検討室内,白の悪い変化図更に多い。
第41手:白二線コスミの一手はどうか? 不成立か!...
第41手:現在是白の危機。
第41手:別の一局,許映皓占据優勢。実利多いだけでなく,全局弱石無し。 ];W[oc];B[lg];W[kh];B[lh]
C[第45手:窮途のあげく,白はの選択捨石作戦,しかし是古力許さず,継続肉を切る。];W[mc];B[ki];W[qc]
87 :
名無し名人:2010/11/14(日) 15:59:05 ID:bEHY6F2V
C[第48手:あ!...これ只妥協の妥協というしか方法無し。]
;B[jp]C[第49手:現在黒の中腹雄壮無比。];W[ql];B[qj];W[qo];B[pp]
C[第53手:以下,金志錫は只撹乱するしかないでしょう?
眼下黒は断然優勢,
白の唯一の慰めは,碁盤まだ非常に広いこと。];W[po];B[oo];W[on];B[pn];W[no];B[op]
C[第59手:黒は/の掃掉白は/の下盤,不予喘息チャンス。 ];W[om]
;B[qn]C[第61手:もし白が根を下ろして活きるならば,この碁はゆっくりしてくる。];W[kn]
C[第62手:古力ややもすれば惻隠の情を見る...現在この手大ケイマ,目下この種場合の常用手段。
しなやか,いくらか更にしなやか...
相手に分割攻撃かあるいは全体攻撃かしっかり捕まえることができなくさせる。
現在,黒は明らかに優勢,しかしどのように攻撃の糸口を見つけるか悩ましい。];B[lp];W[lo];B[mp];W[ok];B[lm];W[mo]
C[第68手:黒は少し躊躇した一手,白は直ちに全部救う。
活きるだけでなく,そのうえまだいくらか稼がなければならない。
当然,この大石まだはっきりとした一眼もない,依然として非常に危険。];B[nl];W[ol];B[lk]
C[第71手:黒の攻撃急がず遅れず,ただ攻撃を通して中腹と下辺の実利を手中にしさえすれば充分と考える。
次の一手白はまずはじめに断りを補うべき,しかし緩い手を打っていじめられたくはない...受けが難しいあ!。]
;W[ml]C[第72手:白のこの一手,私の身辺の安祚永も予想出来た。
安祚永が古力の天敵である以上,少なくとも安祚永を信じるべきでしょう?];B[mk];W[mm];B[nk];W[nm];B[km];W[rm];B[ro];W[rk];B[rj]
C[第81手:白は依然として活きていない。];W[jm];B[eq]
C[第83手:古力この一手の勢い風を帯びる,少しも躊躇しない。]
;W[ep]C[第84手:現在黒の局面得意の極み。白の大石現在まだ活きていない。]
;B[fp];W[dp];B[fo];W[fq]
C[第88手:白は/の最大限度無理して持ちこたえる。
只実利リードをしてこそ大石死活に賭けることができる。
古力抜刀できるかどうか分からない。
第88手:金志錫は八強戦で対孔傑,ツケで大石単独で治まり最後逆転勝した。];B[er]
C[第89手:あ! 案の定この一手。
韓尚勲さきほどの並べて,言う“この一手下がりを打つことができるか?
行けないかも...”
この一手下がり,抜刀大石取り掛けになる。];W[fr]
C[第90手:次の一手黒がもし跳びならば,妥協した手];B[hq]C[第91手:現在見る,是黒は冷静な一手。];W[jo];B[gr]
C[第93手:結果より見る,古力やはり抜刀しなかった,第一局と同様戦わずに勝つというのか?]
;W[dr]C[第94手:現在黒は全局均衡だけでなく,そのうえ目に見えない厚みの含みがある。
某八段私身辺でつぶやく:“厚みが怖い!...”];B[kp];W[gm]
C[第96手:白がもし左辺に連絡できるならば,左辺白は更にいくらか目数を囲うことができる,];B[in]
C[第97手:こののぞき白は非常に受けが難しい。
第97手:白88断り2子取りで,白の実利は見える。
もし白の大石が活きる途中で割肉多くないならば,この対戦やはりまだ争える。]
;W[jn]C[第98手:進行より見る,黒は当然断然優勢とせねばならない,
しかし現在この優勢見たところそれほど明瞭ではない。];B[gq];W[es]
C[第100手:左中腹一帯定型完,この局面何も複雑なヨセ残っていない。];B[hl];W[hm];B[im];W[il]
C[第104手:白はこのように断り,事実上是又妥協した。]
;B[io];W[jl];B[kk];W[hj]
C[第108手:この一手痒いところにいった,金志錫形の急所を見つけた。];B[fl]
C[第109手:この一手是好手。];W[ii];B[gl];W[hk];B[jh]
C[第113手:白は棄2子を棄て左辺へ連絡しようとする。
白は...この2子を連れ出すスーパー強手を打つことはないでしょう?];W[ek];B[fm]
88 :
名無し名人:2010/11/14(日) 15:59:46 ID:bEHY6F2V
C[第115手:白は棄2子,左辺で根を下ろす
。
もし左辺で地を囲うことができるならば,白の実利は少なくない?
この局面白は左辺で多少目数を囲ことができると見るべきようだ。
白は只一跳び,感覚軽く10目以上囲い出すことができる。]
;W[gh]C[第116手:黒は下辺約49目有り,右辺10目,中腹5目強。
この様黒は65目以外に,あと上辺の収束で利益をすくい取る権利がある。
白は:上辺約15目,左下隅17目,左上15目...この様白は左辺で15目前後囲うヨセを打った。
現在白は最大限度地囲い,大石も完全に逃げ出して来た。];B[ck]
C[第117手:現左辺で是勝負処。
黒のこの一手の目的,実際は上辺からの白の出断りに備えるため。];W[ci]
C[第118手:この一手冷静。要求黒一子に小さく戻るように要求する。
現在後から見ると黒49,下辺で地を囲った以外は,その他の利益は何もない。];B[cm]
C[第119手:白は抱残守缺((成)保守退嬰:役に立たない古いしきたりをいつまでも守る)で,途中ゆらゆらと崩壊しそうだったが,
しかし是結果より見る黒の中腹を消しただけでなく,そのうえ左辺で地を囲う。
この碁見たところ終盤に来たようだ。現在黒のこの一手跳び冷静。
見たところこの両人終に頭脳冷静になって来たようだ,
盤上で忍耐強く最良の着手を求めることを始めた。];W[cj];B[dk];W[ej]
C[第122手:白は冷静,黒に連絡するよう要求する。];B[ff];W[el];B[dn]
C[第125手:現右上隅が大きくなった。]
;W[re]C[第126手:この一手盤上最大。];B[qd];W[rc];B[lc]
C[第129手:この一帯確かに味がよくない。];W[ld];B[pc];W[pb];B[ob];W[qb];B[lb]
C[第135手:黒は中腹を締め付けようとしている。
白は非常に反撃が考えられる,
しかし是自身ダメ詰まりで,いくらか動きがとれない。];W[kb]
C[第136手:現在,黒は二つの選択有り。
一つは直接傷口を突く,
もう一つは左上で騒動を引き起こす。
(訳注:左上の具体的変化不明だが、劫にでもなれば劫立てになるということだろうか。)]
;B[nb];W[mb];B[nd]C[第141手:黒は直接傷口を突くことを選択。];W[od];B[nf];W[of];B[og];W[ma]
C[第144手:黒は接ぎあるいは抜き,非常に悩ましい。];B[ng];W[kc];B[fh]
C[第147手:双方処理は全て非常に簡明,現在形勢非常に微細。];W[fi]
;B[eg]LB[dg:a][ei:b]
C[第149手:確かに...この手非常に煩わしい,白がもしさえぎって*)うまく治まれば好いのだが...
第149手:古力9段,又投げる金志錫に一つの新課題**)
(訳注:*)白aにさえぎりだろう。**)新課題とは、黒bの切断の味だろう。)];W[en];B[eo];W[em];B[do];W[cn];B[dm]
C[第155手:この一帯処理すっきりと確かに好し];W[fn];B[gn];W[dg]LB[ei:b][dj:c][fj:d]
C[(訳注:このとき、黒bには白cで、黒dの切り味が無くなっている。)]
;B[ln];W[ko]
;B[ei];W[dj];B[gi];W[fj];B[jj];W[ij];B[gb]C[第166手:救活上辺一子相当大 ];W[fe];B[ge]C[第169手:予防白の先手割込み。];W[oj]
;B[rg];W[oi]
;B[pi];W[rf];B[qf];W[ea];B[rd];W[sd]
C[第178手:普通収束なら,かえって是白のいくらか勝ち。];B[bq];W[bp];B[bn];W[bo]
C[第181手:黒の意図,なんとか得をしようと。];B[an];W[ao]
C[第183手:黒のノゾキの勝負感,非常に出色(すばらしい)。]
;B[bl];W[sg];B[rh];W[hh];B[ai];W[bi];B[ak];W[ah];B[ef];W[ib];B[cr];W[ar];B[aq]
;W[br];B[bs];W[cq];B[as];W[br];B[ed];W[ec];B[cc];W[dc];B[aj];W[ch];B[gg];W[oh]
89 :
名無し名人:2010/11/14(日) 16:01:35 ID:bEHY6F2V
;B[ph]LB[ih:a]C[第211手:白はなぜ209を打たなかったのか?是(黒の)逆ヨセ2目半。
(訳注:ここ原文は、「白棋為什麼没有[才反)到這里[ロ尼)? 是逆収2目半。」となっている。([才反)と[ロ尼)は日本の漢字にない文字)
後の第259手コメント「白はいかなる時候にでも先に押え209」、総評「先に黒209を打てば,是白勝の碁だった」とあるので、黒209に言及したと解した。
(例えば、白208の前に黒209を先手で打つなどだろう。)
なお、黒209で黒地は2目だが、aの当てが残ったので、逆ヨセ2目半としているのだろう。)]
;W[cs];B[mn];W[nn];B[jk];W[ik]
C[第216手:白は1目以上損をした。
(訳注:第211手コメント、209が「(黒の)逆ヨセ2目半」(出入り計算)として、現実の目数(絶対計算)はその半分で1目と1/4で、それを言っているのだろう。
分かっていると思うが、念のため。なお、絶対計算の話は下記ご参照。
http://www5.plala.or.jp/hasebehp/igka/igka_zettai.htm)];B[nj];W[gs];B[hs]
C[第219手:現検討室では白の半目勝ちと考える意見多数を占める。];W[nh];B[sh];W[se];B[mi]LB[ic:a][ih:b]
C[第223手:この時黒は2子当て*)が更にすっきりしていた,次の一手白は逆ヨセ*)この処非常に大。
(訳注:*)後の第259手コメント「226(a)で227(b)の処逆ヨセ,それで白勝の局面」とあるので、bを言っているのだろう。)]
;W[np];B[nq];W[ic];B[ih];W[hi]
C[第228手:白は上辺接ぎで簡単なミス。この様単に劫の勝負になった。
(訳注:第223手コメント参照。227の処逆ヨセを打つべきだったと。)];B[rn]
C[第229手:この一手劫材を取り除く好手。
金志錫もし上辺接ぎでなく,逆中腹ヨセを打っておけば,勝ちの碁だった。
(訳注:第223手コメント参照。227の処逆ヨセを打つべきだったと。)];W[gk];B[hn];W[sj];B[si];W[sk]
;B[sm]C[第235手:現在双方秒読み進入...右辺割込み有り。];W[dh];B[eh]
C[第237手:もし右辺割込みならば...白は奇怪に成る。
(訳注:ここの変化は、下記三村智保 囲碁blog 「コウの為のコウ」20101112の解説ご参照。
http://blog.goo.ne.jp/igokishi-mimu/e/9aff2d93f4874f00d0051ad22288d084?fm=rss )];W[dl];B[hb];W[ia];B[fs]
C[第241手:白はこの劫を持ちこたえることが必須。
(訳注:第237手コメントの三村智保 囲碁blogご参照。)];W[gp];B[go];W[gs];B[fa];W[ha]
;B[fs];W[cl];B[bk];W[gs]C[第249手:古力のヨセ,頑強だ!。];B[bd]
C[第251手:ここら一連全て是劫材か?
金志錫頑強劫解消。
もし劫材成立ならば,この碁どのみち負けと考える。];W[fs];B[bb];W[ac];B[bg];W[bh];B[ce];W[cd]
;B[bc]LB[bf:a][ab:b]C[白例えば(本譜が正解で悪い方の変化のとき、変化図中では一例)a,黒b即可
第259手:金志錫胸中きっと重傷を受けるでしょう。*)
苦しんで逆転した碁,ふたたび逆転された。
白はいかなる時候にでも先に押え209,226で227の処逆ヨセ,それで白勝の局面。
左上隅,局部是一手ヨセ劫。
(訳注:*)解説者睦鎮碩九段は、当然韓国棋士に感情移入しているようだ。)];W[af]LB[ab:a][ba:b][ca:c][cb:d][db:e][da:f]C[黒a白b,至白f劫有り];B[bf];W[ca];B[ae]
;W[ag];B[ba];W[ab];B[cb];W[fk];B[qk];W[rl];B[pl];W[pm];B[pk]C[第268手:現在,白はすでに負けだ。];W[qm];B[sn];W[sf]
;B[gd]C[第284手:黒の半目勝。];W[cg];B[be];W[db];B[mg];W[ad];B[aa];W[ac];B[kl];W[ad];B[ji]
C[第288手:この様な半目,是最痛の半目。];W[ab]
C[総評:この一局波瀾起伏。
序盤是黒の断然優勢,しかし是その後で黒の攻撃愉快ではあるが,しかし何も実利を稼いでいない,局面混沌に成る。
後半白はきれいに右辺処理後,白のやや余裕の局面。
黒179、189是収束の好手,黒は大歩で追いかける,しかし是白はいかなる時候にでも全て先に黒209を打てば,是白勝の碁だった。
黒229是容易に気づかない妙手,是勝着,
黒は劫材優勢を占めるだけでなく,逆に残っている黒271割込みの手段。
この様,古力三星杯決勝戦に進出した。解説最後まで来た,また会いましょう。
古力許映皓それぞれ2対0勝進み,進級三番碁決勝戦,予定12月7-10日在北京争冠])