囲碁棋譜保存スレ・第16局

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66名無し名人
(;SZ[19]EV[第12回農心杯三国勝抜き戦第二局]DT[2010-10-19]PC[北京]KM[6.5]US[棋聖道場]
SO[http://weiqi.tom.com]PB[李世石]BR[九段]PW[井山裕太]WR[九段]C[http://weiqi.tom.com
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洪旻杓七段解説(藍烈編訳)]RE[B+R]
;B[qd]C[第1手:皆さんよろしく,私是洪旻杓七段。
この一局李世石九段黒番。
李世石先鋒出戦宣布のため,ふたたび棋壇驚く。
サッカーのPK戦で,最初と最後の一将最も重要,囲碁ではどうか?];W[pp];B[dc];W[cp]
;B[ep];W[od];B[md];W[gq];B[pf];W[dn]
C[第10手:この局面いくらかまね碁的意味有り。
井山裕太拒絶普通の布石,独特の構想を出している。
井山は主将級の棋士,彼の早過ぎる出戦,良いか悪いか李世石の刺激を受けたか?];B[ci]
C[第11手:おそらく,明日は孔傑出陣か?
次の一手,白の選点いくらか難しい。];W[qc];B[rc];W[kc];B[mb]
C[第15手:布石の進行平易ではあるが,しかし総じて黒の意図体現の感有り。];W[gd]
C[第16手:白は普通の打ち方ではいくらか悪いと意識している,
軽く上からのぞむ手を打つ。]
;B[de];W[qn]C[第18手:白は手抜き,非常に大。
白は即刻動き出す主導権を失う可能性ありと感じるのだろう。];B[qj]
C[第19手;黒は只是冷静展開。
私は李世石が先制攻撃を展開すると考えた,
しかし是李世石いかにも非常に慎重に見える。];W[of];B[pg]
C[第21手:黒は簡単に伸び,白に利きを与えたくないと考えたのだろう。];W[og]
C[第22手:白は只引き続いて押しこの一手でしょう。
次の一手黒はハネでしょうか?];B[le]LB[oh:a]
C[第23手:黒は頭をハネず,上辺密かにコスミ頭を出す。
この様,白はO8(a)に継続伸びの一手必要。];W[ph];B[oh]
C[第25手:白はここをハネた,真に是強手だ!。
黒は当然切り。];W[pi]
;B[nh]C[第27手:今日の井山の打ち方非常に積極的。
以下白はしぼりができる,過程非常に痛快ではあるが,しかし収場少し難しいと思われる。]
;W[qe];B[pe];W[pd];B[rd];W[qg];B[qf];W[rf];B[re];W[oe];B[qe];W[mf];B[lh]
;W[lf];B[ke]C[第41手:黒はさえぎれない,軽く身をかわす一本道。
白は一時脱出出来た。];W[mi]
C[第42手:只白は上辺に孤立した石があり,この外の両大石とからまれると好くない。
現在白の意図は黒の継ぎで,コスミ出し。];B[mh];W[kg]LB[if:a]
C[第44手:黒はケイマI6(a)で,上辺白2子を丸呑みできる。];B[if];W[pj];B[mk];W[id];B[kf];W[lg]
C[第50手:今日の井山は戦う方針だが...
李世石の気持ちはどうか?
現在おそらく李世石は,すでに火炎三千丈でしょう。]
;B[ji]C[第51手:黒は攻撃を展開。白は上辺先行頭を出す必要あり,調子を求める。];W[ig]
C[第52手;白は只この一手。黒はあるいは伸びあるいはハネ。];B[hf];W[ii];B[ij]
C[第55手:現在主導権黒は手中にあり。
しかしもし斬る獲物がないならば,何も意義なし。];W[hi];B[jj]
C[第57手:黒は先に中腹を補う,是正着。
白がどうやって,両大石双方を単独で治まるのに成功できるか見る。]
;W[hj];B[hk]C[第59手:白は上辺を活きるのはそれほど忙しくない,先に中腹交換。];W[gk];B[hl]
C[第61手:この様にするのは利益有りか?
白はこのような交換自身損,しかし一手進めて自己を安定しようと考えているのだろう。]
67名無し名人:2010/10/31(日) 10:18:35 ID:YHEDCbBO
;W[jh]LB[kh:a]C[第62手:白は狙いの手ハネ出しの味残り,その上強行劫を始める手段。
黒はやはり当て込み*)一手が必要だろう。
(訳注:*)解説者の当て込みとは、aだろう。)]
;B[hg]LB[kh:a]C[第63手:この一手ある程度白の劫を始める可能性を消した。
問題は中腹,白はハネ出しをどのようにするか?
双方地の囲い合いから始まって,現在是互いに地を破る。
(訳注:実戦黒63は、aより上辺黒強化に役立っているが、白ハネ出しの味残り)];W[ei];B[gl];W[ff];B[fg]
C[第67手;白は攻撃というよりも,もたれてさばくことを考えているようだ。
しかしこの一手非常に容易に悪手交換になる。]
;W[ef]C[第68手:白は勇猛果敢だ,意図は放された馬を呼び寄せて殺してしまおうとする。
(訳注:原文は、”意思是想殺棋尽管放馬過来”)
「過来」は、「人を呼ぶ」というような意味
なので、全体の意味としては、李世石の大石を放馬に見立てて、勇猛果敢にとってしまおうという意味だろうと思う。
(国際棋戦のライブ解説では、こういう文学的表現があり、なかなか意味が取れず時間がかかる。)];B[eg]
C[第69手:李世石は言う:好し,私はこれで取ってしまう。
(訳注:解説者が、李世石の心の内を想像して書いている。)];W[df];B[dg];W[cf]
;B[fk]LB[jf:a]C[第73手:見たところここで勝負が決まってしまうのようだ...。
井山の打つところは,是中腹でしょう?
(訳注:中腹のどこか明記がないが、解説者の意図は第62手で推奨のaの劫か)];W[gj];B[cg]LB[fl:a]
C[第75手:黒は継続跳びの一手で封鎖できないか?
黒は突然急ブレーキ。
上辺攻撃を何か考えているのか?
白はF12(a)断りが必要。];W[dj];B[fb]C[第77手:是李世石九段の謀を含んだ攻撃手段か?];W[fc];B[gb];W[cd];B[dd];W[cc]
C[第82手:次の一手,黒は好い選択がない。];B[ce]
;W[be];B[bd]C[第85手:おそらく白は左上を占据し,黒は上辺を取って治まる結果になるだろう。
(訳注:ここは、解説者より井山の読みが上回っている
 解説者は、「切った方を取れ」の格言を念頭においているようだが、井山はそうは打たない)];W[bg];B[bc]
C[第87手:井山全部救出する必要があるが,見るにやや無理がある。
感覚として好く収拾できないようだ。
(訳注:ここは、解説者より井山の読みが上回っている)];W[cb];B[bb];W[bh];B[di]
C[第91手:白両大石双方非常に薄い,たとえ活きても,大出血だろう。
(訳注:ここは、解説者より井山の読みが上回っている)];W[gg];B[gh];W[gf];B[hh]
;W[ih]LB[jf:a][kh:b][fh:c][fj:d]
C[(訳注:白92の割り込みから白96にツギになったことで、白bの利きから白aの劫でしのぐ手が出来ている。
(全体がつながっている劫なので、ソバコウが立つ)
 また、c切りを狙って実戦のようにdが利きで、しのぎの役に立つ)]
;B[hc]C[第97手:黒はもし白が接ぎならば,劫を始める時この交換利益有りと感じるのだろう。];W[hd]
C[第98手:白は考慮振り替り?];B[bi];W[fj];B[fh];W[ic];B[ek]
C[第103手:白は受けるべきではない,即刻劫を始めるべき。
(訳注:ここは、解説者より井山の読みが上回っている)];W[ej];B[cl];W[eb];B[db]
;W[hb];B[cn]LB[jf:a][ck:b]C[第109手:この一手いくらか曖昧。
黒は白大石を好く殺せないと考えるようである。
(訳注:aの劫のしのぎ味があり、上辺黒も活きていないので実戦のようにbコスミツケで脱出する手もあるからだろう)];W[ck];B[bk];W[dl];B[cm]
C[第113手:今日井山打ち方悪くない,とりわけ単独で治まるのが非常に得意である。
上辺の劫,黒に対して負担。];W[do];B[dm]
C[第115手:この部分の数手,白の連続悪手。
未だ連絡できないだけでなく,左下隅の味あり];W[em];B[en];W[eo];B[fn]
;W[bl];B[bj];W[qb];B[rg];W[nc];B[kb];W[jb];B[fo]LB[ld:a]
68名無し名人:2010/10/31(日) 10:19:16 ID:YHEDCbBO
C[第127手:黒は機に乗じていくらか劫材を造る。
白が遅遅として劫を始めないため,黒はこのチャンス有り。
(訳注:見えていると思うが、上辺白はaアテコミで黒2子を取ってしのぐ筋が残っている)]
;W[fp];B[eq];W[co];B[bm]
C[第131手黒はいかなる時でも全て劫を始められても良いように,当然炸薬を仕込んで左上戦闘をせねばならない。]
;W[bn];B[al];W[fm]C[第134手:この一手是何の意味か?];B[gn]
C[第135手:この交換,何も利益見えてこない!。];W[gm];B[hn]
C[第137手:白は直に突出し,自身是悪手,しかし是活きる幇助有り。];W[hm];B[im]
C[第139手:現左下隅で白は問題になる。];W[dk]
C[第140手;黒は是接ぎで受けるのが更に好し。];B[in];W[ao]LB[am:a][bl:b]
C[第142手:白の打ち方真におもしろい,かえって注意すべきは是黒は尚活きていないこと。
(訳注:見えていると思うが、aの劫で黒にbと打たせれば黒は一眼)]
;B[am]C[第143手:この劫非常に大,黒は受けた。
(訳注:白142と黒143の交換は、白が利かしただろう)];W[dr]
C[第144手:現在黒の気持ちは、非常に右辺を打ちたいと考えられる。];B[jd]
C[第145手:黒は劫味と断られる味(訳注:第127手のa)を全部を取り除く必要がある。]
;W[ch];B[dh];W[lb];B[mc];W[nb]C[第150手:結果より見る,白はすべての石を救い活きに成功。];B[er];W[fq];B[cr]
;W[dq];B[ds];W[cq]C[第156手:黒はハネ後劫を始めることができる?];B[bq]
C[第157手:白はさっきコスミの一手がよかった。現在又混沌に成る。
(訳注:白156で157と打つべきというのだろう)];W[br];B[bs]
C[第159手:この対戦もし負けならば,白156是敗着。];W[cs];B[na]
C[第161手:白は受けるしかない。];W[ob]
C[第162手:次の一つの劫材,黒は好いのがない。];B[cr]
C[第163手:白はあと一つのそば劫あり,更にこの後一つの劫材,黒は受けないかもしれない。]
;W[ar];B[qm];W[fr]C[第166手:ちょうどいい劫材がないため,黒は右辺で利益を上げようとする。];B[pn]
C[第167手:黒は右辺で連打,白は非常に痛い。
白の右辺このように変わっては,黒必勝疑い無し。];W[ki]
C[第168手:これは白が一貫して凝視する手段。時期いくらか遅すぎるが,しかし依然として是煩わしい変化。]
;B[qo];W[kj]C[第170手:黒は受けない,気合。しかし是白に連打され,是非常に痛い。];B[nj]
C[第171手:黒は言う,中腹攻めを受ける石ではないと。];W[jl];B[il]
C[第173手:急所にのぞかれ,黒は好い受ではない。]
;W[kk]C[第174手:白は連絡後,黒攻撃の条件具備。];B[ln]
C[第175手:この一手是第一感の手。黒は薄味有りだが,しかし是見えてこない切実な攻撃手段。];W[pl]
C[第176手:白は右辺を救活するつもりである。
問題是白の救活,黒は相応の報償を得ることができる。];B[om];W[rn];B[po];W[pm]
C[第180手:まずはじめに白は単独で治まることが容易ではない,
更に単独で治まる代価に下辺を譲らされる,白は是劣勢。];B[rm];W[ol];B[qk]
C[第183手:白は出血ますます大。白は現在一子当たりを打つのが気合。];W[nm]
;B[pk]C[第185手:李世石は動かず,しっかり噛んだ肉を放さない。
以下黒は只単独で中腹で治まる必要があり碁は勝ち。
当然,中腹の黒は死ぬ石ではない。];W[lp];B[iq]
C[第187手:黒の打ち方更に強。無論どのようにしても,黒は死ぬ可能性はない。];W[jp];B[hq];W[gp]
C[第190手:是急所。];B[hp]C[第191手:左下隅まだ味残り,白は更に苦痛。];W[kn]C
[第192手;白は決然好く玉砕するつもりである。
劫味があるため,黒は更に死活問題なし。];B[es]
C[第193手:黒は先に接ぐ,劫材の利益のため。];W[cs]
C[第194手:李世石二連勝望みあり。明日中国は誰が出場するのか?謝赫?]
69名無し名人:2010/10/31(日) 10:19:56 ID:YHEDCbBO
;B[kr]C[第195手:過去の李世石と比較,現在の李世石更に成熟。
謝赫は李世石に対し依然として強勢だろうか?];W[mq];B[cr]
C[第197手:井山は投了するに忍びないのでしょう。
第156手...確実に是非常に遺憾の敗着。];W[ok];B[cs]
C[第199手:井山投了するだろう。
この対戦井山表演出色(すばらしい)の単独で治まる能力,しかし是秒読み後頻頻ミス*),結果第156手の敗着を打った。
(訳注:*)解説者のコメント、
第127手「黒は機に乗じていくらか劫材を造る。白が遅遅として劫を始めないため,黒はこのチャンス有り。」
第168手「これは白が一貫して凝視する手段。時期いくらか遅すぎるが」
などを見ると、白はもっと早く劫や168のハネダシを仕掛けるべきだったというのだろう。)
総評:序盤井山連続してやや明瞭無理な手を打ち,単独で治まる自信を表した,
そのうえ李世石に対し確かにからまれた両大石を救活。
形勢混沌,やや白好しかと思われた時,井山左下隅で簡単に応じて劫にならない場面で白156の敗着が出現した,
結果右辺を黒に連打され,形勢突然黒に向い傾斜した。
その後で白は中腹黒を攻めたが,しかしそれは無理で,最終李世石二連勝を取得した。
解説最後まで来た,また会いましょう。])