囲碁棋譜保存スレ・第15局

このエントリーをはてなブックマークに追加
59名無し名人
(;SZ[19]EV[第11回農心杯三国勝抜き戦第九局]DT[2010-01-22]KM[6.5]US[棋聖道場]SO[http://weiqi.tom.com]
PC[釜山]PB[羽根直樹]BR[九段]PW[謝赫]WR[七段]C[http://weiqi.tom.com
棋聖道場-->大戦オンライン 13:00進行する
元晟湊九段解説 (藍烈編訳)]RE[B+R]
;B[qd]C[第1手:皆さんよろしく,私是元晟湊九段。この一局謝赫七段白番。
今日見るのは日本隊主将羽根直樹九段が日本囲碁の尊厳をまもれるかどうか,同時阻止謝赫の六連勝。];W[dd]
C[羽根直樹76年8月14日三重県に生れる,父親羽根泰正九段。
91年初段,00年九段(消費時間11年は日本大手合升段最短記録),96年第26期新鋭勝ち抜き戦優勝,
99年王冠戦優勝(第40、43-45、48-50七回),01年天元(第27-29三回),03年第4回春蘭杯第2,
04年棋聖(第28-29両回),阿含桐山杯優勝(第11、16両回),06年第53期NHK杯優勝,08年本因坊(第63-64両期),09年第28期NEC杯。
羽根直樹09年連続決勝戦で張栩を打ち破って奪い取る阿含桐山杯和NEC杯,ただ中日阿含桐山杯対抗戦中で孫騰宇四段に負];B[pp]
C[謝赫84年5月14日青島に生れる,曹大元九段門下,95年初段,07年七段。
02年第36回全国個人戦優勝,第1回霸王戦優勝,05年第5回理光杯優勝,08年第7回招商銀行杯優勝。]
;W[dp]C[2006年春蘭杯第二回戦謝赫かつて羽根直樹に辛勝];B[oc];W[qn];B[nq];W[rp];B[qm];W[pm];B[ql];W[pn];B[qq];W[pl]LB[rn:a][qk:b]
C[第14手:白は選択上ハネ。現在,序盤進行の相当速い。
次の一手黒がもしa底ハネならば,白はbハネ反し。]
;B[qj];W[qk];B[rk];W[pk];B[pj];W[rl];B[rm];W[sl];B[fc]LB[ri:a][sk:b]
C[第23手:黒は手抜きして直接掛かった。
黒は普通の定型はカケツギ。
羽根おそらく右辺で更に手をかけても何も利益なしと判断したのだろう。
実のところ黒のaにカケツギには,白はまだ即刻bに当ては打たない,初期劫に打つのは負担だから。
(訳注:「bに当て」と「初期劫に打つのは負担だから」の関係がよくわからない。
 ただ、白はbと打っても、黒は受けないので後手で、だから白もbは打たないということなのだろう)]
;W[cf];B[db];W[rj];B[ri];W[sk];B[fq]
C[第29手:右辺で,白は一手多く投資ではあるが,しかし是価値がある,白は黒に比較し更に打ち易い。
羽根は序盤で足早に布石。
羽根は実利に敏,均衡感良好の棋風,謝赫是石の運び堅実,読み正確な棋風,とりわけ韓国棋士との対戦が更に得意である。
謝赫は李昌鎬と朴永訓との対戦でやや弱い一面あり。 ];W[cn];B[dr];W[cq];B[iq]LB[hc:a]
C[第33手:白の次の一手おそらく左上でしょう?もし私ならば,直接aに迫る。 ];W[hc];B[cc]
;W[ec]C[第36手:黒は跳び出さず,直接コスミ三々。この様に打つのは,正に白の望む所。];B[eb];W[fd];B[fb];W[gd];B[dj]
C[第41手:現在,黒の布石を見るに非常に満足ではない。
ただ白がもしやや緩く打ったならば,実利不足。]
;W[cl]C[第42手:謝赫今日もし勝つならば,六連勝,農心杯最高連勝記録。 ];B[dg];W[cg];B[dh];W[gg];B[gi]
;W[ih];B[ee];W[ed];B[dl]LB[dm:a]C[第51手:白は普通aハネ。];W[dk]
;B[ck];W[ek];B[cm];W[bl]
;B[bm]LB[dm:a][el:b][bk:c][cj:d][fl:e][em:f][dn:g][fk:h][fp:i]
C[第57手:この一帯,大体一種妥協の結果を形成するだろう。
(訳注:おそらくa〜hまでを言っているのだろう。実戦は手順が少し違うが同じ結果になった。)]
;W[bk];B[cj];W[dm];B[el];W[fl];B[em];W[dn];B[fk]LB[fp:a][gq:b]
C[週刊碁 2010年2月8日号(羽根談)
謝さんは五連勝と絶好調でしたが、その勝った碁を見てみると、ほとんどの碁で相手に最低一度はチャンスが来ていることに気付きました。
なので僕は「必ず一度はチャンスが来るはずだから、それを逃さずモノにしよう」というゲームプランを持って対局に臨んだのです。
そのチャンスは、開始早々に訪れました。
白52のハネコミが謝さんの失着で、黒65まで、本来は弱かった左辺の黒が白二子を取って治まっては成功−黒が一本取りました。
元晟湊九段解説
第65手:白は下方aシチョウ当たりの一手を打つのはどうか。
白がもし直接ブッツケbならば,反撃に遭遇する。だからaが分別。 ];W[ld];B[ej];W[qf]
;B[pg]C[第69手:白は下辺で継続からみつく手を打たず,直接上辺を打つ,上辺更に大と考える。
この様な局面を形成,私は黒は悪くないと考える。 ]
60名無し名人:2010/02/13(土) 11:51:45 ID:PjNDgLtz
;W[pf];B[of];W[oe];B[pe];W[ne]LB[qe:a][og:b][nf:c][qg:d][ph:e][qh:f][qi:g][oh:h][pi:i][rh:j][pd:A][pc:B]
C[黒例えばa,白b、d当りを打つ,黒処理が難しい
(訳注:jまで処理が難しいということだろうが、jの後の変化も難しい。黒75の変化図ご参照。)
黒がもし単にb継ぎならば,白は星(A)に当りを打ち,上辺を遮る(訳注:白A、黒a、白Bだろう),この変化白は満足。 ]
;B[od]LB[qg:a][ph:b][qe:c][pd:d][qh:e][qi:f][rh:g][si:h][og:i][nf:j][oh:k][pi:l][mf:m][ng:n][mh:o]
C[白a押え,至g挟みまでとして,
黒例えばh渡り阻止なら,至白oまで黒行けない]
;W[qg]LB[ph:a][qe:b][pd:c][qh:d][nf:e][qi:f][me:g]C[黒a白b,至白f振り換り];B[nf];W[me]LB[qh:a][og:b][ph:c][ng:d]
C[第78手:この一手成立するかどうか?
もし成立なら,黒は危機に直面。
黒がもしaハネならば,白正に好くシチョウ取りにできる。
(訳注:黒aなら白dまでシチョウ)
現在,局面勝負処出現。 ]
;B[ph];W[qh]LB[qi:a][og:b][mf:c][oh:d][pi:e][rh:f][si:g][ni:h][qe:i][rf:j][sg:k][lf:l][mg:m][lg:n][mh:o][li:p]
C[第80手:黒の接aは,変化非常に複雑。
(訳注:a〜pまでだろう)]
;B[mf]C[第81手:黒は妥協を求める。 ];W[qi];B[lf]
C[第83手:妥協の結果,当然白は右上一帯で得点したというべきである。 ];W[mc]LB[ob:a]
C[白以後aにツケ可];B[je]C[第85手:現在やはり均衡保持の局面。];W[jc]
C[第86手:現在,右上中腹の黒はいったい是外勢あるいは孤立した石か,この判断非常に重要だ。
私は孤立した石に近いと感じる。]
;B[lj]C[第87手:黒は真に沈着,現在黒の形勢このように楽観できるのか?現在実利白はすでにリード。 ];W[mp];B[mq]
;W[kp];B[cr]C[第91手:この一手隅に進入非常に考えられる手,先手の意味有り。
(訳注:白104の変化図ご参照)
週刊碁 2010年2月8日号(羽根談)
黒91の時点で、黒が明らかに優勢となっています。 ];W[nb];B[ob]
C[第93手:謝赫当然秒読みになった。序盤の消費時間,羽根に比し多い。 ];W[rd];B[rc]
C[第95手:謝赫右上の戦闘で得点したが,しかし是左辺で損失支払った,だから依然としてヨセ勝負の局面。 ];W[re];B[le]
C[第97手:黒は先に当て込み機敏。 ];W[mb];B[qb];W[if]LB[oj:a]
C[第100手:白は中腹一子断られるのを怖がる,だから補った。現在,是黒は左下を打つのチャンス。
もし黒の形勢好しならば,a非常に厚い。 ]
;B[ie];W[he];B[oj]C[第104手:見たところ羽根の眼には,左下それほど大きいとうつっていないようだ。 ]
;W[rq]LB[bp:a][bn:b][bq:c][bj:d]C[黒a置き可];B[lp]
C[第105手:私是左下非常に大と感じる。ただ...現在依然として微細な局面維持。 ];W[lo];B[lq];W[kn]
;B[jo];W[ko]C[第110手:現在,いったい左下大か,あるいは下辺大か,選択が必要。 ];B[jq]
C[第111手:現在,両人とも求める最も簡単な打ち方,双方自己が勝つと感じているようである。 ];W[lh]LB[mi:a]
C[第112手:この一帯,黒は確実に忌憚非常に多い。
(訳注:いろいろ味が悪いということだろう)
最簡単な打ち方は,aコスミ。 ];B[mi]LB[mh:a]
C[第113手:黒はやはり最も簡単な手を選択,もしaに打つならば,変化非常に複雑。
後半羽根堅持簡単平易の手段,謝赫乗じる機を与えないよう。 ];W[jf]
C[第114手:この様,ヨセの勝負になった。 ];B[jj]
C[第115手:左下非常に小さいのか?両人縁を打つのをいやがる? ];W[kk]
C[第116手:もし羽根この様な打ち方で勝つことができるなら,これは完勝だろう。
私は非常に微細勝負と感じる。 ]
;B[kj]C[第117手:現在左下を打つでしょう。 ];W[bj];B[bi];W[bh]C[第120手:この一手非常に鋭利。白のやや利益。 ];B[ai]
C[第121手:もし黒が先にハネの一手を打つなら,白は挟みで得の余地なし。 ];W[bq]LB[mn:a]
C[第122手:もし黒は形勢不利と感じるならば,aと打つことができる。変化複雑。 ];B[cd];W[de]
C[第124手:黒は下辺白を断ることができるようだ。黒はこれでこの勝負を争うべき。 ];B[mn];W[nn]
61名無し名人:2010/02/13(土) 11:52:35 ID:PjNDgLtz
;B[mo]C[第127手:謝赫在秒読み中,ずっとこの大石をどう打つか見ていたろう。さもなくば,この瞬間危機に直面。 ];W[mm]
C[第128手:現在更に形勢判断する必要がある。 ];B[no];W[lm]C[第130手:依然として非常に微細。
この対戦中盤よりずっと微細な局面を維持,
黒は一度緩手を打って実利欠損しているのだが。
(訳注:右上での攻防を言っているのだろう。黒83のコメントご参照。)];B[jh]
C[第131手:黒は下辺で利益を上げているので,全体やはり細微局面。
是この方面が大きいのか?
私は正に右下隅ハネ下がりの変化を考える。 ];W[kg]
C[第132手:この交換,非常に黒の利益というのは難しい。 ];B[rr];W[sr];B[qr];W[mk]
C[第136手:この一手先手ではない。只是自身非常に厚い。 ]
;B[ii]C[第137手:只是...黒のこの一手も非常に厚い。白は普通是該走黒のこの一手を打つべき。 ];W[oo]
C[第138手:黒の軟頭をたたく,是愉快。
現在盤面...黒は正に好く左中腹の実利が余る。];B[op]C[第139手:是黒はコミ比やや厚い局面。 ]
;W[qe];B[pd];W[be];B[bd];W[br]
C[第144手:この一手是盤上最大。謝赫ヨセ入る依然として沈着。
次の一手,黒は非常に考えられる上辺でケイマ入っていく。 ];B[fg];W[im];B[gf]
;W[hg]C[第148手:非常に理解が難しい、白はなぜ引きか?当然継ぐべきである。 ];B[kd];W[kc]
C[第150手:隔たり大きくないが,しかし現在確実に黒好し。];B[ib]
C[第151手:この様に打つのが更に好しか? ];W[gc];B[ef]
C[第153手:黒の優勢の局面。];W[ge];B[gb];W[hb];B[ha];W[gh]
C[第158手:この一手は勝負手か?もし劫ならば,いくらか頭が痛い。 ]
;B[mh]C[第159手:黒はさえぎりではない,引きでもない... ];W[hi]
C[第160手:白は勝負する必要がある。黒はうまく処理する手段があるか?
もし劫ならば,又複雑になる。 ];B[hj];W[gj]
C[第162手:白は直ちに黒の神経を逆なでする。 ];B[hh]C[第163手:謝赫の勝負感非常に好い。 ];W[pi];B[oi];W[hi];B[rh];W[rg];B[hh]
;W[kq];B[kr]C[第171手:この劫を打つべきではない,負けたらどうなるのか? 疑問だ。 ];W[hi];B[sj];W[si];B[hh];W[ch]
C[第176手:黒は幸な所左下の劫材白は全て応じる必要がある。 ]
;B[ci];W[hi];B[bn];W[bo];B[hh]
;W[ln]C[第182手:この劫材,良いか悪いか、小さかった?
当然,10目はあるが。 ];B[ig];W[np]LB[gq:a]
C[第182手:実のところ,白はaの様な劫材を求めることができた。 ];B[fh]
C[第184手:劫を通じて,白は10目の利益ではあるが,しかし依然として黒好しの局面。 ];W[hf];B[fo];W[hl];B[ce];W[df];B[bf]
C[第191手:現在黒は盤面10目前後。 ]
;W[gk];B[kb]C[第193手:黒はここまでの必要なしでしょう... ];W[jb];B[ja]
C[第195手:黒の先手,白の大石が死ぬことは考えられない。 ];W[ic];B[ia];W[ff];B[fj]
C[第199手:残りの打つべきヨセ,何も大して難しくない,だから逆転は非常に難しい。 ];W[ho];B[io];W[lr];B[jr]
C[第201手:今日羽根の打った碁を見ると,なぜ日本隊が現在まで意外にも一盤も勝っていないのが非常に理解が難しい? ]
;W[go];B[gp];W[hp];B[hq];W[er];B[eq];W[dq];B[fr];W[cs]
C[ 第207手:盤面10目の隔たり,依然として縮小しない。 ];B[qp]C[第212手:羽根この碁もし勝てば,是彼の名局。 ];W[qo];B[es]
;W[lk];B[gm];W[hm];B[ka];W[id];B[ok];W[jg];B[lg];W[kh]
C[第222手:もし羽根勝ならば...明日は朴永訓でしょう? ];B[ih];W[mj];B[li];W[ol]
;B[jl]LB[jk:a][ik:b][il:c][hn:d]C[第229手:このように激しいのは不必要でしょう?
白a黒b ,至黒dまで白行けないか];W[gn]C[第231手:正確な手順。 ];B[jm];W[in];B[fm];W[jn]C[第234手:現在隔たり大きくなった。 ];B[ik]
C[B+R
第235手:羽根中盤の打ち方悠然,而終盤でリードする情况下却ってゆるまずに打った,印象深くさせる。
日本囲碁の弱点は秒読み進入時容易に崩れる,今日羽根は非常に穏健な歩調で完勝取得。
謝赫は投了するしかなかった。
囲碁...真に悟るのは難しい...
(訳注:元晟湊九段には、羽根の打ち方が理解できなかったように思う。)
明日朴永訓九段に挑戦と予想する])