囲碁棋譜保存スレ・第7局

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94名無し名人
>>88-93 訂正を入れて、あっぷし直します。

(;FF[3]GM[1]AP[PocketGoban Ver 0.999]
SZ[19]PB[小林覚]BR[九段]PW[張栩]WR[九段]
DT[2005-11-09]
PC[日本静岡]EV[第30期日本名人戦決勝戦第七局]RE[W+R]
SO[http://weiqi.tom.com/qipu/200511/30jp-ming-f-7asgf.htm 王磊八段解説
http://weiqi.sports.tom.com/qipu/200511/30jp-ming-f-7sgf.htm 曹大元九段解説
http://www.net-kiin.com/ 酒井猛九段 ネット棋院 プロの碁
http://www.asahi.com/igo/meijin30/7ban07/ 朝日囲碁サイト 松浦孝仁 観戦記(12/20)
月刊碁ワールド2006.1月号 四天王誌上解説会・張栩名人 (秋山賢司) ]US[棋聖道場]KM[6.5]
C[王磊八段解説、曹大元九段解説、酒井九段解説、朝日 松浦孝仁 観戦記、碁ワールド2006.1月号張栩コメントの4つを合成。
 なお、朝日 松浦孝仁 観戦記と碁ワールド記事は抜粋。詳しくは、朝日サイトおよび雑誌をご参照。]
;B[pd]C[(王磊)三連勝後三連敗,決勝局対張栩にとって是巨大な試練。
本局より見るに,張栩読み正確、進退に節度有り,充分そのレベルを発揮した,
小林覚挑戦者に何らの可乗ずる機も与えず,
張栩心理素質の強さに,感心させられる。]
;W[dd];B[pp];W[dp]C[(曹)至4,双方とも二連星で始まる。]
;B[cf];W[fc];B[dj]C[(王磊)黒5、7是張栩歓喜の造型,現在小林覚がこう打ったのは,策略として恐らく問題有りでしょう!]
;W[cl]C[(曹)白8是積極応戦の手法。]
;LB[fq:a]B[pj]C[(王磊)黒9は改aが佳い,これを打ってこそ是此局部の要点。

(曹)黒9で先にaにカカリ,白の意向を読み取って,より普通,
実戦黒9構成三連星,局面の掌握易くない。

(朝日)
序盤から動き回っていた今シリーズの流れそのままに、黒5、7から9に構える。
実利に辛い名人に対し、あえて地に甘い三連星を選択。これが小林の気合なのだろう。]
;W[nq]C[(曹)白10隅へのカカリ当然]
;B[lq]C[(曹)黒11挟撃決して弱みを見せない]
;W[lp]C[(王磊)白10、12の選択に当り是左辺の配合を考慮した](
;B[kq]C[(朝日)
片岡聡九段変化図
左下白が勢力か薄みか。
これが当面の焦点だ。]
;W[no];B[pn];W[kp];B[jp];W[mq];LB[qq:A][qp:B][cn:C]B[iq]C[(朝日)
黒11のハサミに白がAの三々入りを嫌ったのはうなずける。
黒B以下の定石で封鎖されると、黒Cが脅威になる。そこで白12、14の抵抗だ。
しかし黒19までの姿は黒に弾力があり、少し白が窮屈。
黒持ちの意見が多い。 ]
;LB[jo:D][hp:E]W[jr]C[(朝日)
白20を決めたのも、はたして利かしといえるかどうか。白はDのハネと、白Eから迫る手段に迫力をなくしている。 ]
;B[jq](;W[pr]C[(王磊)至白22是旧定石。

(酒井)
変化図1

(朝日)
変化図2]
;B[fq]C[(曹)至23,双方とも打ち方穏やかで余裕有り。
(酒井)
ここまで、黒の走りが良く見える。
その原因として白22が如何なものか?
黒23の掛かりを打たれては、白20の覗きも悪手化し、布石に遅れた感がある。
(白22の変化図参照)

(張栩)
黒23とカカらせたのが白の苦戦の原因ではないかとの説があったそうです。
私としてはやむを得なかったのですが、あるいは当たっているかも知れません。]
95名無し名人:2006/01/01(日) 07:21:24 ID:l57QRbG/
;LB[dq:a][ck:b][bl:c]W[fp]C[(王磊)白24是肝要の一手!
例えば(本譜が正解で悪い方の変化のとき)普通aなら,対黒5、7の圧力非常にに小さい!
黒はb、cの俗手を打つことは考えられない。

(曹)白24ツケ是局部好手]
;B[ep](;W[eo];LB[gp:A]B[eq]C[(曹)黒25、27割込み接ぎ是正着。

(朝日)
黒23のカカリに白24は、黒A、白27を理想としたもの。
小林が注文に乗るはずはなく、黒25にハネ込んで左下隅に侵食していく。]
;LB[dq:a]W[do]C[(曹)白28只接ぐくらい,
例えば(本譜が正解で悪い方の変化のとき)aにさえぎる,将に黒28に断られる。]
;LB[fr:B]B[dq]C[(朝日)
白26で27、黒26、白29は、黒Bと正面から受け止められ、この戦いは白がきつい。
白28なら黒29の一手。]
;W[cq];B[ck];W[dl];B[bl];W[bm];LB[nc:a]B[qq]C[(曹)黒35隅のコスミと36(a)隅へのカカリ是見合点,
黒方どう取舍するか,各々利害得失があり互に長短有り,大変躊躇する。
(酒井)
白24に25〜33と機敏に決めて、35に戻り、黒一本技ありの感がある。

(朝日)
検討室で立会人の淡路修三九段が「おおっ」と声を上げたのが黒31だ。白32と換わり、白を強くして部分的には損。
しかし、白CやDの打ち込みを黒33のハネ一本で緩和して35にまわると、黒は地でも戦いでもやれる態勢なのに気がつく。

片岡「黒31、33は間に合わせで、小林さんの棋風には似合わない気もします。
ただ、左下白は28とツイでもう攻めは狙えない。だったら固めてしまえとの判断です」 ]
;W[nc]C[(朝日)
黒35で右下白が心細くなったが、白36の大場を譲るわけにはいかない。](
;B[pf]C[(朝日)
参考図]
;LB[nm:A][qh:B][ph:C][qg:D]W[kd]C[(朝日)
小林は少考ののち、堂々と黒37の一間に受ける。
ここで検討室はちょっとした騒ぎになった。白38に展開され、右辺は守りようがないというのだ。
黒Aにはすぐに白Bが成立。黒Cと逃げ道を断っても白Dでとても退治できない。]
;LB[bd:a][nd:b]B[ef]C[(王磊)黒39と白aの交換損,
応(こう打つべき(本譜が明らかに悪いとき、正しい手を示す))考慮にaにケイマ。

(曹)黒39では単bにツケの気分有り。]
;W[bd]C[(王磊)ここまでで正午休息,13:00継続
(酒井)
白38,黒39は、上辺のバランスで相場。

ここで、黒の小考だが、どこから進めるか難しい判断である。
焦点は右辺の黒模様のまとめだが、問題は、如何に働いてまとめていくかである。]
;B[ce];W[cd]C[(曹)黒39、41と白40、42の交換は,黒方実利巨大損。

(朝日)
小林はいったん黒39と左辺黒の補強に向かい、様子をうかがう。
張は右辺黒の欠陥を見透かすように白40で手を渡す。
「黒は困ったんじゃないか」と検討陣。
小林はドライに黒41を決めたまま、長考に沈んだ。
(黒37片岡参考図参照)]
;B[nd]C[(酒井)
黒41の決めは、早くてビックリですね。
黒の構想は、上辺は入りませんと言う宣言であり、黒43からに関連します。]
;W[md];B[oc]C[(朝日)
片岡解説者は黒43を名手と呼ぶ。
黒45にオサエ込んでの実利の確保と、右辺の守りから、さらには模様化までを視野に入れている。 ]
96名無し名人:2006/01/01(日) 07:21:58 ID:l57QRbG/
;W[ne];B[od];W[nb];B[me](;LB[ld:a]W[mf]C[(王磊)白50この一手は小林覚がかつて張栩への対処に用いたことがある,
ここでは,張栩は学ぶのが非常に優れている,
白50で例えば(本譜が正解で悪い方の変化のとき)a,黒は50に伸び,白は次の一手に好手がない。

(朝日)
張に動揺があったか。白50は参考図の50だったとの感想を残している。]
;B[le];W[ld]C[(曹)白先50当りを打つ,それから52接ぎ是石の調子。](
;B[lf];LB[mg:A][kf:B]W[lg]C[(王磊)白54は重要で,この手筋を見ていなければ,白50には打てない。

(朝日)
白50からアテて、調子で白52へ備えるのはテクニックの一つ。
ただ、黒53に対して中央をどうさばくかが難しい。
白54は続いて黒Aなら白Bからシボる狙いを持っているものの、それでも黒はやれそうというのだから白は苦しい。]
;LB[nf:a]B[je]C[(王磊)黒55当然,締め付けを打たれるのは考えられない。

(曹)黒53、55正面応戦是必然。
(注:ここは良く分からない。素人目にはaの両当たりが目に付くがダメか?
(えーと、ここは白54の朝日コメントが参考になるね。))]
;W[ng](;LB[mh:a][nh:b][mg:c][kg:d]B[jf]C[(曹)黒57は手順錯誤!
この時応(こう打つべき(本譜が明らかに悪いとき、正しい手を示す))先aにノゾキ,
以下変化例:
白例えばbに押し出,黒はcの切りを打つことができて,それからdに当りを打つ,黒方戦い有利
;変化二:
白cに接ぎ,黒それから57にタケフ,白の石の形重く滞る,黒方また実戦に優る。

(酒井)
変化図
(注:曹の意見と酒井の意見は、ほぼ一致。)]
;W[ob];B[qc];W[ic]C[(酒井)
黒53はこの碁では当然であり、以下60まで、流れとしては必然ですが、黒は中央の覗きが打てたかどうかの重要なところはありました。

白は、上辺がかなりの地で固まりましたし、中央の覗きが決まってないので中の捌きが楽な面があり、
黒としては、右辺と言うよりも中央でかなりの活躍が必要です。
黒の構想は、全体的でスケールが大きいですが、中に掛けた危険もあり、ここ数手がこの碁の大きな勝負所です。

(朝日)
白56のカケツギには黒57で、周囲は黒石ばかりだ。
加えて地合いの均衡を保つため、白60も省けない。
絶体絶命のピンチといっても大げさではないだろう。
小林、一歩リードだ。]
;LB[jh:a]B[mh]C[(王磊)黒61何が何でも大損だった!
応(こう打つべき(本譜が明らかに悪いとき、正しい手を示す))aに打つ。

(曹)実戦黒61ノゾキ時既に遅し]
;W[nh]C[(曹)白62押し好手。](
;LB[mg:a][mi:b]B[ph]C[(曹)この時黒例えば(本譜が正解で悪い方の変化のとき)aに断りなら,
白bにハネ反して打たれ,
当初の黒57と白60の交換是黒は我慢できないところ。

(朝日)
(変化図1参照)

(張栩)
黒61は当然のノゾキ。
白は、死んでもツグわけにはいかない。
黒63はノータイム。
予定の行動だったのでしょう。
(変化図2参照)]
97名無し名人:2006/01/01(日) 07:22:32 ID:l57QRbG/
;W[mi]C[(王磊)白62、64基本的に活き,黒戦い失敗。]
;LB[mg:A]B[jh]C[(朝日)
小林、9分読んで61のノゾキ。白を重くして攻めようとの狙いだ。
白Aのツギと換わって黒65なら理想的。これは白、耐えられない。

張、26分の考慮で、当然のように白62と反発。
以下黒65までノータイムの進行となった。

どうも小林は、初めから実戦の図を思い描いていたようだ。
しかし、ノゾいた所を切って何がいけないのだろう。
そう、黒63で単刀直入にAを決行したら?
(黒63の変化図参照) ]
;W[ki]C[(曹)白64、66と大手を振って逃げ出す,黒は予定の結果を獲得していない。
(酒井)
黒はここで61の覗きであり慎重である。
上方の黒が固まった以上、白62は当然だが、そこで黒63の守り。白を重くしないといけないという意味である。
しかし、白も64、66で好形で眼が厚い。

(朝日)
確かに、実戦でも黒は悪くない。
しかし、白66で局面が落ちつきつつあるのも否めない事実だ。
この直後、形勢は振り出しに戻る。](
;B[nm]C[(朝日)(張栩)
変化図]
;W[qr];B[ji];W[nk]C[(朝日)
朝青龍の取組を見ていたら、白70をふと思い出した。
踏み込みの鋭さという点では横綱といい勝負だろう。
上下の白を裂いて絶好点に映る黒67が、とたんに疑問手と化している。](
;LB[pl:a][ol:b]B[rr]C[(王磊)黒71冷静不足!
黒71では応(こう打つべき(本譜が明らかに悪いとき、正しい手を示す))aで長期戦を計るべき。

(曹)黒67、69、71の進攻歩調いくらか乱れ有り。

(朝日)
黒は受けようがない。
黒aでは完全な利かされだし、黒72(b)も働きに乏しくへこたれている。
こんな手で負けたら一生悔いが残るだろう。
小林はやむなく黒71と下辺白に照準を定めた。

(張栩)
ここで黒は悩ましい。
(変化図参照)]
;W[ol];B[nn];W[ql]LB[mg:B]C[(王磊)白72、74と凶暴な大地破りを打たれ,黒又対下辺に何も大して好い攻撃手段なし,形勢急速悪化。

(曹)白72、74進入黒右辺後,白の実利上の優勢明瞭。
(酒井)
そこで、黒は67、69で右辺を固めながら中央左方の盛り上げと、上下の白へのへの寄りつきだが、白70〜74の踏み込みが厳しい。
黒は、下辺の白を脅しながら、かなりのより返しがあるかどうかが勝負所。

(朝日)
片岡「白72も当然とはいえ厳しい踏み込みでした。
白74で右辺が割れて、黒には地合いの心配も出てきた。
少なくとも、黒持ちのムードは吹き飛びました」

黒後退の原因は、やはり前譜で黒Bの切りを逃したことにつきる。
中央白が一息ついたため、反撃の糸口を与えた。
(黒63、黒67変化図参照)]
98名無し名人:2006/01/01(日) 07:23:10 ID:l57QRbG/
;B[op];W[lr];B[kr];W[ls](;B[ns];W[nr];B[ks];W[os]LB[oq:A][or:B][ms:C][mr:D][qs:E]C[(朝日)
黒75は眼形の急所。
白76から82までは約束された手順で、下辺白はAの眼形確保と中央への脱出を見合いにしている。
部分的には黒A、白B、黒C、白D、黒Eで二眼はできない。]
;B[qk]C[(酒井)
黒79,80は、逃げる前の一稼ぎだが、これ自体がカライ手であることから、ここで黒は、一呼吸おいて、黒83のコスミツケ。

この手は、前図のダイレクトな狙い筋は無理と判断した、ワンランク下げた狙い筋である。
白がまともに応じると怖い手が待っている。(白84の変化図)](
;W[kk]C[(酒井)
黒の妥協により、白は74と83の交換が大きな利かしになったことから、白84の整形で、白の踏み込み成功と判断できる。

ここで、黒から何らかのポイントを上げられなければ、黒の形勢は容易でないと判断する。]
;B[kl]LB[oq:a][or:b][ms:c][mr:d][qs:e]C[(酒井)
やはり、黒は厳しい85のツケを用意していた。
これは、下辺の白が、黒a〜eで一眼であることから、中の眼をとれば、白を潰せることにある。

これで、黒が中を先手でぴったり止めることが出来れば黒もやれそうである。

(朝日)
黒は上方白と下辺のカラミ攻めに持ち込めれば理想的。
黒83は右辺を固めながら白の追い出しを目指している。
黒85は鋭いツケ。](
;W[lk]C[(王磊)ここまでで初日打掛け

(酒井)
白86の自重は相場である。
(変化図1参照)
次に、直ぐかどうかは別として、黒は当然中を止めて先手を得ることが出来る。

しかし、白としても、右辺の大きな踏み込みに成功したことから、形勢は十分にやれる。

振り返ると、やはり、黒の覗きを後から決めに行ったことが疑問視される。

(朝日)
白86は30分の長考。1日目午後5時を過ぎた。
(変化図2参照)
小林もつられるように読み続け、32分後、そのまま封じ手となった。](
;B[mj]C[(王磊)黒85、87でなんとかからみつこうとするが,しかし白は大収獲有り。

(曹)黒87勝負手。

(酒井)
黒87のツケが封じ手ですが、さすがに厳しいですね。
黒として、このまま白を楽にさせては形勢に自信が持てないですから。

この手は、白の受け方次第では、下辺の白を潰しますよ、という凄い手です。](
;W[mk]C[(王磊)白86、88と只冷静に下辺安全確保され,黒手の打ちようがない。

(張栩)
案の定、黒87でした。
この対策が神経質です。
(変化図参照)]
;LB[np:a][li:b]B[lm]C[(曹)黒89是段取り上の緩手。
この時まだ白aが来ていないうちに,先に中腹bの当りを打てば局面いくらか紛糾。]
99名無し名人:2006/01/01(日) 07:23:50 ID:l57QRbG/
;W[np]LB[ml:A]C[(朝日)
両者の思考が完全に一致していた。今期七番勝負の一大名場面と思う。

黒87は下辺白をもにらんでいる。
早い話、黒87ではAでも白は90と手を入れるくらい。
それから黒87にツケれば白88となる。
そのとき、黒石がAにあるか、89にあるかの違いだ。
もちろん、後者のほうが、今後の働きを考えても数段まさる。]
;B[li];W[ni];B[lh]C[(酒井)
白88の譲歩を得て黒も89で譲歩し、91から93の厚い眼取りに満足しました。

(朝日)
黒91、93でのみ込まれていた一子も復活し、白の眼形が薄くなっていく。

片岡「数目の白地が、今では黒地が見込めるまでになっている。黒87の働きは絶大です」]
;W[ik];B[kh]LB[jk:B]C[(王磊)黒95何をやっているのか分からない*),黒の歩調混乱。
(注:*)ここは、黒101の酒井コメント参照)

(朝日)
黒95で、黒Bの割り込みからの切断も生じた。
安泰と思われた中央白に食らいつき、黒は右辺を割られたマイナスポイントを取り戻しつつある。

ただし、白88は最善の受け。張はこれを前夜のうちに見つけていた。]
;W[pk];B[qj];W[pm];B[qn](;W[oj]LB[kn:a]C[(朝日)
白96、98は眼形を意識したもの。
白100は手厚い備えに映るが、実は最善を逃している。
片岡解説者の研究で判明した。

103(a)の地点にいるべき白石が100にある。
この差は勝敗を分けても不思議ではない。
(変化図参照)]
;B[rl]C[(酒井)
更に、白94に黒95が何とも良いセンスです。
この手は、必要はないのですが、白を揺さぶり、白96からの備えを待って101まで地を稼ぎました。黒の見事な寄りつきです。]
;W[jl]C[(王磊)白102愉快!

(曹)白102カケツギ後,黒は既に失う攻撃目標。](
;B[kn]C[(酒井)
変化図1参照

(朝日)
小林、8分で103に。「相手の打ちたいところに打て」という古くからの教えに沿ったコスミだ。
見るからに形がいい。
しかし、これが敗着になる。

(張栩)
そして、黒103が小林先生の敗着。
先手と勘違いされたのでしょう。
(変化図2参照)
黒103は半手くらいの損。
白104から108が先手になったのだからこたえられず、ここで優勢を意識しました。]
;LB[mm:a]W[mn]C[(曹)白104ハネ是好手,黒例えばaに接ぎ,白下辺既に先手活。]
100名無し名人:2006/01/01(日) 07:24:45 ID:l57QRbG/
;B[mo];W[on]C[(王磊)104、106また是小巧手筋,現在黒はかえって連絡問題出現。

(酒井)
白102に対する黒103が失着でした。白104に黒105の眼取りは当然として、白106の割り込みから黒が遮断されて薄くしてしまいました。

(朝日)
黒103は下辺白に手入れを催促している。
先手で決まるはずだからと、小林も検討陣もその先を考えていた。

張の着手は早かった。白104、黒105の交換から106の割り込みへ。
モニターテレビに映っている小林の姿に変化が表れた。
体をねじって前かがみになっている。

「黒に打つ手がないよ、これ。まいったか?」](
;B[in];W[om]C[(曹)白106、108連絡後,黒は敗勢。]
;B[qm];W[gp]LB[jo:a][rm:A][oo:B][oq:C]C[(朝日)
黒107は図(黒107変化図)の白104(a)に対する備え。
白Aにハネ出すコウが残るため、白108に黒109も省けない。
先手は白に渡り110へ。
つまり、黒103はまったくの空振りに終わった。
下辺白はBの連絡とCの眼形確保が見合いになっている。](
;B[mm]LB[gq:B][hl:C]C[(酒井)
変化図

(張栩)
白110に手を抜いての黒111は必死の勝負手。
白112でBに押さえる強手がないわけではないけれど、黒Cの取り掛けがこわい。
このあたりは、自重気味です。
しかし楽に逃げ切れるほどではなく、堅実にと安全にとの境が難しいですね。]
;W[im];B[jm];W[hm]LB[gq:a][hl:D]C[(酒井)
更に、111のツナギも疑問です。
この際どいときに決めに行ったことから、白112に113よりなく、白114の好形での止めを許してしまいました。

(朝日)
黒111は開き直りか。白115(a)なら黒Dで中央白を取りにいくつもりだ。
張は冷静。白112、114で応じ、黒の勝負手を許さない。]
;B[gq];W[hp]C[(王磊)白112、116は全て黒の眼形の要点に来ている,黒は非常に難しくなった。]
;B[jo]C[(王磊)黒117しかたなく単なるヨセの連絡]
;W[hq];B[hr];W[dr];B[er];W[gr]C[(王磊)白120、122再度手筋を放つ,小林覚この一段真に是苦しく堪えられないと言える。]
;B[gs];W[es]C[(朝日)
検討室の評は一気に白勝勢に傾いた。
下辺白124までの決めも気持ちよく、白の勝ちは動かないと。
しかし、検討陣はもう一度驚かされる。]
;B[fr]C[(王磊)ここまでで正午休息,12:00継続

(酒井)
白は102から備え、以下125まで機敏に利かして午前の終わりです。
それでも、形勢は、僅かに黒がよいかと思いましたが、何とも言えませんね。次の白の手が好着のようです。](
101名無し名人:2006/01/01(日) 07:25:24 ID:l57QRbG/
;W[bh]C[(王磊)白126このように狭い方面まだ打込み,仰天させられる!
しかし細細見たところ,実戦進行基本変化なく,張栩すでにこの方面非常に明晰に読みきっているようだ。

(曹)以下白に又112、126等好手が出た,
碁盤既に完全に白の表演の舞台に成ってしまった。

(酒井)
白126の置き筋は凄い手ですが、中央が厚くなったので、なるほどと感心しました。
また、黒からの上辺ツケを牽制している意味もあります。

(朝日)
名人位がかかる最終局、しかも優勢の局面でここまで踏み込むとは。
まるで勝負手の白126は張の自信の一着だった。

「1日目、左辺の形が決まったときから考えていました。
周囲の白が厚くなったらやれるかと」](
;B[hn]C[(張栩)
変化図参照]
;W[gm];B[bg];W[dg];B[ed];W[cg];B[eg];W[bf];B[be];W[ag];B[ae]
;W[eh](;B[dh]C[(酒井)
白138に黒139からの絞りが決定的な敗着と思います。]
;W[di];B[ei]LB[ej:a][fj:b][dk:A][cj:B]C[(朝日)
ずっと狙っていた自信作なのは分かる。
分かるけれど、怖くはないのか。
白126で146(a)、黒141、白A、黒B、白149(b)なら手堅いとの説もあった。

張「それでは勝ちきるまでが大変でしょう。
流れは白よしですが、大差でいいわけではない。
白126こそ、もっとも安全で確実な道と思います」

もつれるかもとみていた検討室。
あれこれ図を作るが、どうやっても黒がよくならない。
実戦もほぼ予想通りの進行で、ついに名人防衛当確の声があがった。]
;W[ch];B[fh];W[ee];B[fe];W[ej];B[dh];W[ci](;B[fj]C[(朝日)
変化の余地があったとすれば、黒149のときだ。
(変化図1参照)

(張栩)
変化図2]
;W[ek];B[ec];W[de];B[jc];W[jd];B[hc];W[fd]C[(酒井)
以下、150まですっぽり取られては大きすぎていけません。
上辺も、白144の割り込みを活かした156の切りがあることから、見た目ほどの成果が期待できないからです。]
;B[eb];W[fb];B[cb];W[ge];B[ff];LB[df:b][hd:A][db:a]W[fa]C[(王磊)白162下がり,又一つの左右見合いの鮮やかな手筋!

(張栩)
最後は、白162、168(a)でしっかり決めました。
白162で167(b)と取り急ぐと、Aにノビられて手を焼くことになります。]
;B[id];W[ib];B[gd];W[hb];B[df];W[db];B[bc];W[dc];B[ad];W[cr]
;B[fk];W[fl];B[af];W[cj]C[(王磊)W+R、白176後盤面更に争う処無し,黒の大敗。
このような形で名人のタイトルを防衛し,張栩の気分どんなに愉快か分からない。
張栩成功名人タイトル防衛])(
102名無し名人:2006/01/01(日) 07:26:03 ID:l57QRbG/
;B[ec]C[変化図1]
;W[de];B[df];W[fd];B[db];W[cb];B[fb];W[ge];B[ff];W[gb];B[hb]
;W[hc];B[ga];W[gc];B[bc];W[cc];B[bb];W[da];B[ad];W[ea];B[eb]
;W[ba];B[aa];W[ab];B[ac]C[(朝日)
参考図の黒149と出て、153、155が粘り強い。
黒は159、161で手数を稼ぎ、171、173でコウの形にはなる。
ただし、コウとはいっても黒の不利な一手ヨセコウだ。

片岡「やってみる価値はありますが、白はコウに負けてもどこかへ3手連打できる。
張さんも読んでいたと思います」])(
;B[ec]C[変化図2

(張栩)
黒149を決めずに、図の149と出たらどうかと控え室で検討されたそうです。
予想される劫争いのためにアテの劫材を残しておこうというのです。]
;W[de];B[df];W[fd];B[db];W[ge];B[ff];W[cb];B[fb];W[gb];B[hb]
;W[fa]C[(張栩)
黒159までを必然として、私は白160と当てるつもりでした。]
;B[ea];W[dc];B[ga];W[eb]C[(張栩)
黒161には白162、164とこちらを抜いて]
;B[hc];W[hd]C[(張栩)
黒の無条件生きは考えられず、中地もつかないので、はっきり白の勝ちです。
(注:この変化図も、朝日と微妙に違う。
 黒159までを必然として、朝日の白160が胡散臭いと思った。
 一つは、なんで一線に劫に当てないのか。
 二つには、ツギとしても、カケツギではなくカタツギだろう。
 まあ、朝日のライターが筋悪るということだろう。
 変化図一つでも大切にしないと、信用を無くすぜ。)]))(
;B[ei];W[fh];B[dh];W[bj];B[gi];W[gh];B[gf];W[fi];B[fj];W[gj]
;B[hi];W[fk];B[ej];W[ci];B[di];W[dk];B[hj];W[gk];B[ec]C[(酒井)
黒は139に頑張る一手と思います。
勢い、以下156までになりますが、そこで、黒は、中を取る手もありますが、157に出てしまうのが有力です。
中央が取られても実戦より大きいですが、それより上辺連打はかなりです。

また、白が中を取らずに上辺を譲歩すれば、少し利かして中を取れば、形勢は未だ分からないと思います。

覚九段には残念でしたが、内容が素晴らしく良いので、大タイトルの奪取復活は、今後大いに期待できるでしょう。]))(
;B[ci];W[ee];B[be];W[ff];B[eg];W[bk]C[(張栩)
図の127なら白128とコスミツケるつもりでした。
黒129とワタリを止めるのに、白130から132の切り。これも数字が出ます。]))(
;W[ej];B[gc];W[gb];B[fd];W[ec];B[gd];W[hc];B[fb];W[eb];B[ei]
;W[fj];B[dk];W[el];B[bk];W[br];B[am];W[bn];B[be]C[(酒井)
まず、白126が通常である。
すると、黒127のツケから132まで凹まされて中を止められてしまう。
以下143まで、この図は、少し黒が残りそうである。]))(
;B[gq]C[(酒井)
変化図]
;W[hp];B[jo];W[hq];B[hr];W[dr];B[er];W[gr];B[gs];W[es];LB[mm:a][im:b][gn:c][fn:A]B[fr]C[(酒井)
黒は、黙って111に受けていれば、白は、aに二子を取ることなど無いことから、後に黒aであれば、白bに黒cで良いわけです。

つまり、実戦は、黒111でaであったことから、白bに黒cであると、白111に打たれ、
黒は、Aの先手きりから中央の白を取りに行けません。
(注:酒井先生の原文にこの”A”が示されていない。考えたが分からなかった。
 いま、あらためて原文を読むと、Aの切りを言っているのかも。
 つまり、cがちょうどAに対するノゾキになっているが、白111に打たれるとcのノゾキ味がないということか。
 それでも文章がおかしいが、ともかく書いた本人でないと分からないことなので、この程度でご勘弁。)
そこで、やむを得ず、黒は、実戦で白bに辛い手を打たされてしまったわけです。

この図であれば、まだ、黒がはっきり良いと思います。
実戦は、前図と共に、黒は失着を連打してしまいました。]))(
103名無し名人:2006/01/01(日) 07:26:38 ID:l57QRbG/
;B[oo];W[om];B[mm];W[jo]LB[ko:a][jn:b]C[(朝日)
続いて黒は参考図の107と切りたい。
いや、切れなければおかしい理屈だ。
白に手を入れさせるために一手を費やしたのだから。
しかし、白108、黒109のあと、白110にハネ出されてどうにもならない。
黒aに白bで逆に取られてしまう。]))(
;B[qm]C[変化図1]
;W[dr];B[er];W[cr];B[gc];W[gb];B[fd];W[ec];B[gd];W[hc];B[hb]
;W[fb];B[fo]C[(酒井)
黒は103に備える一手でした。
これは白の眼も取り、黒が連絡で厚く、白、104,106に黒107からのツケが決まって、黒の勝勢と思います。])(
;B[qm]C[変化図2]
;W[dr];B[er];W[cr];B[fo]LB[gc:c][gp:a][gq:b]C[(張栩)
局後の検討では、図の黒103が正解という結論でした。
前譜以来の攻勢がこの程度で終わるところに不満があったのでしょうが、相場の気もします。
白は104、106に回り、黒107の切りとなって、すこし黒が残りそうです。
白104でa、黒bと決めるのはちょっともったいない気がします。
黒5のあとは上辺黒cがどうなるかと不確定な要素があり、数字は出せません。
(注:ここは酒井の変化図1と微妙に違うが、こちらが正しいように思う。)]))(
;W[jl];B[rl];W[kn]LB[on:a]C[(朝日)
「参考図の白100がまさったと思います。
黒は実戦と同じく101と渡るくらい。
そのとき白102が、aの割り込みをみて先手になります」(片岡)]))(
;W[nj];B[li];W[ni];B[ml];W[mk];B[oq]C[(張栩)白88なら、黒89から91のノゾキがくる。
そして、黒93と眼形を奪われると、おそらく生きがないでしょう。]))(
;B[oq];W[or];B[ms];W[mr];B[qs](;W[kn];B[ln];W[lo];B[mn];W[mo]
;B[np];W[mp];B[nl];W[pk];B[pm];W[qj];B[jm]C[(酒井)
封じ手ですが、ここでも黒は87から眼を奪い追い出すのが厳しいですね。

白92は、黒93〜103まで、やはり白が危ないです。])(
;W[ln];B[ko];W[lo];B[np];W[mp];B[ll];W[jo];B[jn];W[kn];B[io]
;W[jm];B[in];W[jl];B[ml];W[km];B[mk];W[mj];B[jk];W[hl]C[(酒井)
そこで、白は92が筋で、以下110まで、これは容易な凌ぎで黒がいけないですね。

以上から、次の手は難しいところです。
黒も緩んでいてはいけない感じですので、次に厳しい手がないとすると形勢は黒が大変な感じがします。])))(
;W[jk]C[(変化図1)]
;B[oq];W[or];B[ms];W[mr];B[qs];W[kn];B[ln];W[lo];B[mn];W[mo]
;B[np];W[mp];B[pm];W[pl];B[jm]C[(酒井)
白は86が最強だが、これに対して、黒は87から91まで眼をとる。
そこで、白92であれば、黒93が急所で、白94がやむなく(省けば98の切断がある。)、以下101までこれは、白の潰れ形である。])(
;W[ll]C[(変化図2)]
;B[lk];W[lj];B[lm];W[mk];B[oq]LB[ln:a][kn:b][mm:c][lo:d]C[(朝日)
参考図白86の反発を待っている。
黒87、89の捨て石から91で下辺白が御用だ。
続いて白aには黒b、白c、黒dが用意されている。]))(
104名無し名人:2006/01/01(日) 07:27:54 ID:l57QRbG/
;W[rl];B[lm];W[qs];B[nj];W[mj];B[ok];W[nl];B[mk];W[oi];B[oj]LB[pi:a]C[(酒井)
白がまともに84に下がると、黒85で危険になる。
白86が省けず、そこで、黒87から91が成立する。
白92に黒93で、aからの切り筋を防御するのが83の意図である。]))(
;B[pk](;W[pl];B[nj];W[mj];B[mk];W[oj];B[ok];W[nl];B[oi];LB[mn:a][lm:b]W[ll]C[(酒井)
黒の狙い筋は79にある。
白が80の繋ぎであれば、黒81,83が関連する切断筋である。
直接は、白88でいけないが、黒a、あるいはb等がくれば、白84が成立しないことから、これは白の潰れになる。])(
;W[om];B[on];W[oi];B[pl];W[pi];B[qi];W[qh];B[qg];LB[mo:a][mp:b][np:c]W[pm]C[(酒井)
これに対して、白は80が凌ぎ筋になる。
黒81であれば、そこで、82〜86が手筋になる。黒87には白88で連絡である。

そこで、争点は、白80の利き如何にある。
黒は下辺の白を脅かして、黒a〜cが利けば、白80の凌ぎ筋が無くなる。

以上を背景に、下辺の白に対する攻防がある。])))(
;B[ol];W[oi];B[pi];W[qo]C[(張栩)
黒71とコスんで地を大切にするのは、白72、黒73から白74のノゾいて大幅に目減りする。この図はかなり細かいのでしょうね。]))(
;B[nn];W[mn];B[mm]LB[ji:a]C[(張栩)
(実戦の)黒67は、上下を裂いて当然のように見えますが、片岡先生が図の黒67、69のツケバネはどうかとうまいことを言われました。
これは厳しい。
黒aを含みに、本格的なカラミに入ろうというのです。
やはりこのあとの変化が作れないのですが、黒が悪くなりようがない気がします。
カラんで攻め、本当は右辺を地にしようというのだから始末が悪いです。
(実戦)黒67はちょっとゆるんでいるので、白68から70の余裕がある。]
;W[nm];B[on];W[nl];B[ln];W[mo];B[lm]C[(朝日)
片岡「白にゆとりがあるのですから(実戦の)黒67とフンワリ攻めるのではなく、参考図の67、69と忙しく立ち回りたかった。
白70、72の抵抗なら黒75までで上下の白はかなり苦しい。
相場は白70で73ですが、黒70にツイで右辺が味よくまとまります」]))(
;B[mg]C[(酒井)
(変化図1)]
;W[nf];B[ni];W[mi];B[lh];W[oi];B[nj];W[oj];B[ok];W[nk];B[mj]
;W[pk];B[ol];W[pi];B[qj];W[pl];B[om];W[qi];LB[ph:a]B[rj]C[(朝日)
片岡「参考図の黒63に白64のツギはありえません。
黒65から71の封鎖が成立して、しかも白に生きはない。
したがって、白は64で66と変化するしかなく、黒64、白67、黒aとなりそうです。
わたしは、黒はっきり優勢と思います」 ])(
;B[mg]C[(張栩)
(変化図2)]
;W[nf];B[ni];W[oi];B[nj];W[oj];B[ok];W[mi];B[lh];W[nk];B[mj]
;W[pk];B[ol];W[pl];B[om];W[pi];B[qj];W[qi];B[rj]C[(張栩)
変化図63と切ると、決戦になります。
白64とツゲば、黒65から69と押さえてしまう。
これは非常に具合が悪い。
あとはどこまで行っても、白にいい図はできず、全滅するしかありません。
では、黒63と切られたらどうすれば良いのか。
白70とアテて黒64と抜かせるのは腰が抜けたようで、とても打ち切れません。
私は、黒64と切られ、利きが残っている瞬間に白79とツケつような手を考えていました。
このあとの変化は作れませんが、どちらもこわい。

 小林先生が黒63と自重したのも分かります。
これでも黒が良いのですから。

(注:この図と朝日の変化図と結果はほとんど同じだが手順が違う。こちらの方が筋が良い。
おそらく朝日のライターが筋わるで手順を理解していないのだろう)]))(
;B[mh];W[nh];B[mg];W[nf];LB[jd:a]B[kg]C[(酒井)
黒は57に覗くべきではなかったか?
白はこれでも58に反発するが、以下61まで、この図は、右辺を荒らされるが、
何と言っても、中が厚く左辺からの幅もあり、そして、上辺aが残ることから、実戦より遙かに優ると思われる。]))(
105名無し名人:2006/01/01(日) 07:28:36 ID:l57QRbG/
;B[nf];W[ob];B[qc];W[ql];B[qj];W[ol];B[nn];LB[ke:a]W[mo]C[(酒井)
この碁で黒53は、aの利きがあることから、上辺がそのまま地になり、白の負担がないことから、白56に入られていけない。

実戦は、大きな打ち方で白の手抜きを許さないことに価値がある。]))(
;W[ld];B[mf];W[ob];B[qc]C[(朝日)
片岡「確かに実戦よりはいいと思います。
ですがこれは、小林さんの想定内。
黒51で右辺が谷の深い模様になります」 ]))(
;B[qf];W[kd];B[ef];W[bd];B[ce];W[cd];B[nm]C[(朝日)
片岡「黒37では参考図の37と構えたくなります。
実戦と同じ進行なら黒43で、右辺に白は突入しにくい。
これが最善と思っていました。
あんな名解答を見るまでは」 ]))(
;W[eq];B[eo];W[dq];B[fr];W[gp];B[do];W[fn];LB[hr:a]B[cp]C[(張栩)
黒25のハネ込みに対して、初めは図の26と下を切るつもりだったのです。
黒27に白28とツイでやれるはずと速断した。
ところが、シチョウにカカえてくれるような甘い手を打つはずがなく、黒29とサガられてこまるのです。
白30から32とカケてaを狙っても、黒33とハネられ、打ち切れない感じです。]))(
;W[gq];B[jn];W[pr](;B[qq];LB[kn:a]W[ln]C[(酒井)
白22が好点である。
黒23に、そこで、白24,26であれば、通常の進行と思う。

なお、黒23で24は、白aと先に飛ばれ、下辺の黒がひ弱でいけないでしょう。])(
;B[ln];W[nm];B[qq];W[pl];B[om];W[ol];B[nl];W[mm];B[nk];W[qo]
;B[po];W[pm];B[on];W[qn]C[(酒井)
また、黒が先に25の急所から27に頑張る手も考えられるが、それは白28に踏み込み、以下38まで黒が心配と思われる。]))(
;W[fq];B[kn];W[pr];LB[gq:a][cn:b]B[qq]C[(朝日)
白がこの展開(実戦35まで)を嫌うなら白22で参考図の22だ。
対して黒24なら白22で、下辺黒が薄い。小林の解答は黒23、25。白がつらいのではと、却下した。
片岡「黒23には気がつきませんでした。実戦の流れは白も仕方ないんですね」

(張栩)
白22では、ノゾキを生かして、変化図2の22にシマるのも考えました。
しかし、黒23のケイマが好手。
白24、黒25となって、まだ眼形に不安が残り却下せざるを得ませんでした。
黒23で24なら白23とトベて悪くないでしょう。
23の点が双方の急所なのです。
白22で,aの大ケイマは一番頑張っているけれど、薄すぎる気がします。
具体的にいうと、やはり黒23から白24、黒25となったあと、黒bの打ち込みがきつい。]))(
;B[kp];W[mp];B[or];W[kq];B[jq];W[kr];B[jp];W[jr];B[ir];W[iq]
;B[hr];W[lr];LB[gq:a][io:b][cn:C]B[hp]C[(朝日)
片岡聡九段
 「黒13で参考図の13、15と強く応じたくなりますが、これは白16から24までで、いま一つです」
 白aやbが利くので、黒は本譜のCを狙いにくい。]))