囲碁棋譜保存スレ・第5局

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256名無し名人
(;SZ[19]EV[第30期日本碁聖戦決勝戦第三局]DT[2005-07-26]KM[6.5]PC[日本鹿児島]US[棋聖道場]
SO[http://weiqi.sports.tom.com/qipu/200507/30jp-xqs-3sgf.htm 曹大元解説
http://weiqi.sports.tom.com/qipu/200507/30jp-xqs-3asgf.htm 馬暁春九段解説
http://sports.sina.com.cn/go/p/2005-07-27/10331689158.shtml 新浪囲碁 馬暁春九段解説原文]
PB[依田紀基]BR[九段]PW[結城聡]WR[九段]RE[B+R]C[棋聖道場の曹大元解説と馬暁春九段解説を合成]
;B[qd]C[(曹)日本第30期碁聖戦決勝戦の第三局,
タイトル防衛者依田紀基が黒番で迎戦挑戦者結城聡九段,
前二局是依田九段2対0リード。];W[qp];B[cp];W[cd]
C[(曹)近来小目開局流行の趨勢有り,しかし是本局では是両辺が同形で“真っ向から対決する”,ほとんどめったに見ない。
同形,恐らく是先に動手の方がいくらか有利でしょう。

(馬)黒1、3と白2、4完全一条線上にあり,比較的珍しい] ;B[oq];W[oc]
C[(馬)黒5、白6後形成“まね碁”];B[kd]C[(馬)しかし黒7この後白aにまねの選択はない。]LB[kp:a];W[pf]
C[(曹)白8採用大斜の手法

(馬)白8引き起こす“大斜定石”];B[od]C[(曹)黒9ツケ出,少しも弱みを見せない,双方進行激戦。

(馬)黒9ツケ出応戦,黒はシチョウ有利,感覚上戦いは白の不利。];W[pd];B[pe];W[pc];B[qe];W[oe];B[nd]
;W[qc] ;B[re]C[(馬)黒17好手,選択正確]
;W[rc];B[of]C[(馬)黒19断り後,黒7一子が作用を発揮するに到る。]
;W[ne];B[md]C[(曹)至21黒伸び,稍久遠の年代に,かつて定石の基本型とされ盛んに打たれた。]
;W[og]LB[le:a]C[(曹)白22当りを打つ手法あまり見ない,aに跳びノゾキがほぼ正着とされるため。];B[nf];W[me];B[le];W[mf]
;B[ng] ;W[nh];B[mg];W[lf];B[pg];W[kf];B[nb];W[ob];B[oh]LB[og:a]
C[(馬)白22至黒35,白は一子抜かれ,而白は又強力に黒を攻める手段がない,白は明瞭不利。
ただ,白22(a)で無論25に替える手や或はその他の手法全て好くない,
これは明白に当初の定石選択に問題有りといえる。]
;W[jd];B[jc];W[ke];B[id]LB[ld:a][ic:b]
C[(曹)接ぎを打たず黒39当りを打ったのは判断正確,
例えば(本譜が正解で悪い方の変化のとき)にaに接ぎ,白bにハネられ,黒方の碁形狭い。] ;W[ld];B[je];W[lc]
C[(曹)至白42の振り替り結果,局部ではもしかしたら互角と見ることができるか

(馬)白36以下至白42,黒は又ぽん抜き,黒大優勢];B[qn]LB[ec:a]
C[(曹)しかし是黒43と先を争い千金難買の好点を占めた,
そのうえ上辺aに隅へのカカリが黒方極佳の一手,全局黒方歩調快速,明瞭に優勢になった。]
;W[ec]LB[op:a][np:b][oo:c][pq:d][qo:e][pm:f][om:g]LB[gc:A][he:B]
C[(曹)白44何が何でも応(こう打つべき(本譜が明らかに悪いとき、正しい手を示す))aにツケ頭を出す,
以下黒bハネ,白c伸び,黒d,白eにタケフ,黒fにコスミ,白gにツケ……局面尚比較的変化(紛れ?)多く有り。

(馬)黒43と白44見合い,黒は43を選択した以上,白44では当然Aに迫るべきである,
次の一手狙いの手B位ケイマ攻め黒の“花”。
(注:“花”は、ぽん抜きのところと思われる)] ;B[po]
C[(曹)黒45コスミ封鎖後,黒方全局広い,(局面を)容易に掌握できる。];W[hq];B[jq];W[eq];B[dq];W[ep];B[cn]
C[(馬)黒45以下至黒51,黒は既にしっかりと全局主導権を掌握。]
;W[nk];B[lk]C[(馬)黒53発起攻撃只是調子で別の処を補強するため,急速に定型化しようとする。]
;W[pk];B[oj];W[pm];B[qm] ;W[nm];B[ok]C[(曹)黒59突き出し是急所。];W[pl]LB[ol:a][ql:b][qo:c][pn:d]TR[qp]
257名無し名人:2005/07/28(木) 09:21:57 ID:SmFg0ZXM
C[(曹)白60接ぎやむ無し,
例えば(本譜が正解で悪い方の変化のとき)aにさえぎる,黒b伸びの先手を打たれ,白▲1子の活動の余地を妨げることができる。
(注:ここはよく分からないが、後に実戦で出てくる変化で、
 白136(c)当て込みが利いて黒137(d)接ぎになるような利き筋のことを言っているのだろう。)]
;B[no];W[lm];B[ol];W[om];B[mn];W[mm] ;B[hp]
C[(馬)続く黒59突き出し,黒61補い,然後黒67ツケで進行絡み攻め,白は完全に只受身になってしまった。
更に恐ろしいのは,この時白は全盤の実利逆に不足になってしまった。]
;W[gq];B[ip];W[kl];B[fo]
C[(曹)黒67後,71ケイマ封鎖,是黒方のびのびとした絡み攻め。];W[dn];B[cm];W[jr];B[ir];W[iq];B[kr];W[jp];B[kq]
;W[hr];B[js];W[dr];B[cr];W[dp];B[cq];W[go];B[gp];W[fp];B[gn];W[ho];B[io];W[hn] ;B[in];W[hm];B[im];W[gm];B[hl]
C[(曹)黒91至97,非常に堅実。];W[kj];B[kk];W[jl];B[il];W[jk];B[em]C[(曹)黒103ノゾキがタイミング良く,白苦痛。

(馬)攻撃を通して,黒は将に碁盤をますます小さくする。黒103好手!]
;W[en]LB[fn:a][fr:b]LB[gl:A]C[(曹)白104例えば(本譜が正解で悪い方の変化のとき)aに抜き,
黒は以後104に先手突き出し有り,然後更にbに置きで白の眼を取る手段あり,白全局石の運び牽制を受ける。

(馬)白104は眼を確保するため,只黒Aを先手で打れることを我慢しなければならない] ;B[gl];W[fn];B[cf]
C[(曹)黒107いっぱいに詰める

(馬)黒107後非常に簡明に成る。];W[ee];B[dh]C[(曹)黒109とケイマに補った後,白は大勢既に去る。];W[ig]
C[(馬)白110是最後の頑張り];B[kh]
C[(曹)黒111以下どんどん勇敢に戦う

(馬)しかし黒111以下守るため攻めをもってする];W[lh];B[lg];W[kg];B[jh];W[ih] ;B[li];W[mh];B[qf];W[ki];B[ji];W[jj];B[ii];W[mj]
;B[jg]C[(馬)三子を捨て黒125の突き出しを獲得,黒の大勝。全局を通して見るに,白は右上の定石後からすでに是必敗の局勢。]
;W[jf];B[if];W[le];B[hf] ;W[pr];B[lb];W[mb];B[kc];W[mc];B[or];W[qo];B[pn];W[rr];B[pq];W[qq];B[ps];W[qr]
;B[hi];W[eg];B[eh];W[fg];B[be];W[bd];B[fb];W[dg];B[ch];W[eb];B[ro];W[rp];B[nl] ;W[mk];B[qj];W[pj];B[pi];W[dm]
;B[dl];W[el];B[ek];W[qk];B[rj];W[kb];B[jb];W[la]
C[(馬)見たところ,たとえプロ高手でも,“大斜定石”の選択は注意が必要のようだ!! ]
;B[gc]C[(曹)B+R、至黒169手白方負けを認める時,現在黒方盤面20目の優勢。
依田紀基3:0撃敗挑戦者結城聡九段,保持する碁聖桂冠。
本局挑戦者結城聡は少しも良いところが無く,是依田九段心地よくタイトル防衛の譜。 ])
258名無し名人:2005/07/28(木) 09:48:55 ID:SmFg0ZXM
>>256
>C[(曹)至21黒伸び,稍久遠の年代に,かつて定石の基本型とされ盛んに打たれた。]

昨日、買ってきた「実力五段囲碁読本 悪力対策」(誠文堂新光社)P51の「三間高ハサミ」の章に
「三間高ハサミは、昭和60年代に開発が進んだ手法」と書いてある。

P51図2が大斜の図なんだ。この後の変化の解説がないのがさびしいが。

19┏┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┓
18┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼☆┼┼┼┼┼┨★まで。
17┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○○○英┨碁聖戦決勝戦第三局とは、
16┠┼┼○┼┼┼┼┼╋●┼★●●○●┼┨左上隅が、星と小目の違い
15┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○○●●●┨以外に
14┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼●○┼┼┨碁聖戦では黒17の
13┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨2線愚形曲がりに
12┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨右上隅を白英と受けた
11┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨のに対し図では
10┠┼┼╋┼┼┼┼┼╋┼┼┼┼┼╋┼┼┨☆と上辺をケイマに
09┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨すべっている。
08┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
07┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨この図の方が実戦より
06┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨上辺黒を攻める楽しみ
05┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨があり良さそう。


昭和60年代か、確かに「稍久遠の年代」だな。(^^;
おれの生まれる前だし。(^^;

しかし、結城聡はもう生まれているんだろう。
当時の定石は知っていると思うんだけどね。
ただ、依田の方が年長だから、当時の定石を熟知しているといえるかも。(w
おれは、寡聞にしてここらの定石は知らないし、大斜は打たないから。

しかし、馬暁春「全局を通して見るに,白は右上の定石後からすでに是必敗の局勢」>>257と書いている。
素人ながら、馬暁春に全面賛成したい。