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名無し名人:
自殺の背景…日本棋院前理事長・利光松男氏
棋士と財界の板ばさみに
自殺した利光氏
自殺だったことが判明した元日本航空(現日本航空インターナショナル)社長で、日本棋院前理事長の利光松男
氏(80)。利光氏が今年4月に棋院の理事長を辞任した背景には、運営方針をめぐる理事会内の激しい対立が
あった。その板ばさみになった心労が癒えず、自殺につながったとの声もあり、波紋が広がっている。
警視庁成城署によると、8日午後11時ごろ、利光氏が世田谷区内の自宅で首をつっているのを家族が発見。
近くの病院に運ばれたが、約1時間半後、心不全で死亡した。
遺書はなく、自殺のはっきりとした理由は不明だが、ある日本棋院関係者は「心当たる原因とすれば、あの
“紛争”しかない」と明かす。
“紛争”とは、日本棋院が対局ソフトを開発する際の提供企業の選定をめぐって生じた理事会内の対立のことだ。
関係者によると、棋院側は昨年4月から、サーバー会社「パンダネット」(本社・東京)と交渉を進めていたが、
当時副理事長だった現理事長の加藤正夫九段が同年10月、理事会の承認を経ずに、契約金などの名目で
2億円を支払うと申し出た韓国の「世界サイバー棋院」を選定。パンダ側との交渉を一方的に打ち切った。
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名無し名人:04/11/12 22:50:39 ID:qzh66wJs
これに対し、JR東日本会長の松田昌士氏ら財界出身の理事が「選定経緯が不明朗だ」として猛反発。
法律関係者らでつくる外部監査委員会は「選定に問題はなかった」としたうえで、「棋院は(パンダ側に)
十分な説明をし、理解を得るよう努めるべき」と勧告した。
利光氏は勧告に従って事態を収拾しようとしたが、加藤九段はパンダ側に何も説明せず、理事会の分裂は
決定的に。利光氏が今年4月20日に辞意表明したのを皮切りに、松田氏ら財界理事が相次いで辞任する事態にまで発展したという。
「利光さんは辞任前から持病の不整脈に加え、不眠などを訴えていたようだ。棋士と財界人の間で板ばさみになり、
心身ともに疲れ切っていたに違いない。心労から立ち直れなかったのかもしれない」。関係者はこう語る。
利光氏は昔から囲碁好きで、平成11年に棋院理事長に就任。累積赤字で悩む棋院の財政を立て直すため、
コスト削減などを断行し、「囲碁界のカルロス・ゴーン」と呼ばれたこともあった。が、組織内の対立はどうしようもなかったようだ。
棋院は利光氏が主導していた創立80周年事業の一環として、今月15日に囲碁殿堂資料館をオープンする予定。職員の一人は、
利光氏の自殺について「利光さんが切り開いた改革路線が本格的に軌道に乗り出してきたのに。残念だ」と言葉を詰まらせた。
数年前から漫画「ヒカルの碁」(集英社刊)のヒットをきっかけに、若年層からの人気も伸びている囲碁界だが、利光氏の自殺が
問いかけるものはあまりにも大きい。
ZAKZAK 2004/11/12