ちなみにアルド、エレナは、バルド、へイムのダブル直系で
神剣ファルシオン装備可能
そう言ってレインに鏡を手渡してもらい、自分の顔を見る。その額には母セーナにも見られた聖痕がじわりと浮き出ている。
「これって、もしかして、ナーガの聖痕?」
ふと思い当って腕も見る。するとそこには別の聖痕も浮き上がっていた。
「こっちがバルド、の聖痕?ってことは・・・。」
「ついに血が覚醒されたということです!」
己のダインの聖痕を見せながら言うデーヴィドに、エレナはまだキョトンとしていた。
聖十二戦士、ユグドラルに伝わり、
暗黒竜ロプトウスを打ち倒した聖戦士を指すが、
その血筋は今もなお継承されている。
十二聖戦士リーダー格の聖戦士バルド、
神聖魔法ナーガを継承する聖者ヘイム、
風使いセティ、
三者の直系の血が交わるエレナは母、
兄アルドと同じようにバルド、ヘイムの末裔に選ばれたようだ。
つまりは神剣ファルシオンを扱うことができる神君マルスの血を継いだことをも示すことになる。
この時、エレナは19になったばかりである。
思えば母セーナもリーベリアに渡った19の時に二つの血を覚醒させていた。
ここまで母と娘で似ているとは思わなかったが、
これもまた血の因果というものなのだろう。
すでに父ライトからの魔力を受け継いでいるエレナだが、
ここからセーナの晩成の血が開花することになれば末恐ろしいものになろう。