SRPGバトルロワイヤル3

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1助けて!名無しさん!
ルールなどは>>2-
詳しくはまとめwikiをどうぞ。


【まとめwiki】
http://www36.atwiki.jp/srpgbr/
【したらば】(作品の修正スレ・仮投下スレ・死者スレなどはこちら)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9552/

【過去スレ】
SRPGバトルロワイアル企画スレ
http://game12.2ch.net/test/read.cgi/gamesrpg/1164191107/
SRPGバトルロワイヤル1
http://game14.2ch.net/test/read.cgi/gamesrpg/1178981646/
SRPGバトルロワイヤル2
http://game14.2ch.net/test/read.cgi/gamesrpg/1193849696/
2助けて!名無しさん!:2008/03/16(日) 19:21:25 ID:de1igTQi
ルール

■重要項目
・死んだキャラを生き返らせるのは禁止
・原則的に主催者を動かすのは禁止
・いきなり自殺させる等、それまでのストーリーを無視した行動をとらせるのは禁止
・致命的な矛盾があるものはNG

■マップ
http://www36.atwiki.jp/srpgbr/?plugin=ref&serial=1で固定
マップは8*8の64エリア。

■支給品
参加者の武器防具は没収。
共通の支給品
〔地図、食料(二日分)、飲料水(ペットボトル二本)、時計、方位磁石、参加者名簿〕
と、アイテムがランダムに二つ支給される。

【ランダムアイテム関連】
武器とアイテムが一つずつ支給される。 著しくバランスを崩すようなものは禁止。
各キャラの最初の作者が支給品の説明を書くのが望ましい。

・意志を持つ武器について
自発的な行動は喋ることしかできない。
自力での行動、攻撃は不可。
装備することによる所持者への能力付加は、特に制限されない。

・生物について
単体攻撃のみで、『制限』に反さなければ良い。
3助けて!名無しさん!:2008/03/16(日) 19:22:02 ID:de1igTQi
■制限
特殊能力は全般的に消耗が激しくなる。弱い魔法も連発は相当消耗。
蘇生・即死・時間移動・遠距離瞬間移動・地形が変化するほどの大規模魔法(天変地異)は不可。
状態異常系魔法や技は効果、成功率の低下。

【首輪関連】
ゲーム開始前からプレイヤーは首輪が装着されている。
外そうとすると爆発。会場から一定以上はなれても爆発する。
二四時間の間に死亡キャラがいない場合、全員の首輪が爆発する。
【召喚関連】
一度に一体しか出せない。
一度能力を使ったら消える。
一度出したらしばらくは召喚できない。
【回復関連】
浅い傷・打撲→傷は直せるが血は戻らないし痛みもそう消えない
深い傷・骨折→回復魔法が得意ならなんとか塞いだり接合したりできるが完治はしない
千切れる・複雑骨折→直せない
状態異常回復魔法は制限なし。
【ゾンビ生成】
生成には数時間必要な上、一度に作って操れるのは一体だけ。
作ったゾンビが消滅するまで次のゾンビを生成できない。
ゾンビは、頭を潰すか聖なる能力で浄化すれば倒せる。

■初期装備
服(普段着)のみ。小道具無し。
義手など身体と一体化している物は可。
ただし、内蔵武器・能力などは全て没収&使用禁止。

■放送
放送内容は死亡者、禁止エリアの発表。
放送は一日二回、6:00、18:00に行う。

【禁止エリア】
侵入すると首輪が爆発して死亡する。
定時放送で連絡し、三箇所を指定する。指定されたエリアは放送の一時間後に禁止エリアとなる。
4助けて!名無しさん!:2008/03/16(日) 19:22:30 ID:de1igTQi
■作品投下
一度ID有りトリップ有りの状態で投下を宣言。その後、宣言時のトリップを用い、必ずsageで投稿。
トリップのないもの、宣言のない作品は無効となる。
また、SSの最後に以下のテンプレを書くこと。

【エリア/現在地/何日目・時刻】
【○○○@○○○○○】
[状態]:
[装備]:
[道具]:
[思考]:


【E-2/城内/一日目・未明】
【ビラク@紋章の謎】
[状態]:左腕に切り傷(処置済み)頭部に軽い打撲、永久ヘイスト、バサークの杖による混乱
[装備]:エクスカリバー@FFT
[道具]:拡声器、支給品一式
[思考]1:うほっ!いいおとこ
    2:殺 ら な い か?

【ギュスタヴ@FFT 死亡】
【残り50人】


時間表記
未明:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
 朝:6〜8
午前:8〜10
 昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
 夜:18〜20
夜中:20〜22
深夜:22〜24

ゲーム開始時刻は06:00
5助けて!名無しさん!:2008/03/16(日) 19:23:22 ID:de1igTQi
■参加者リスト

6/6【ファイアーエムブレム 暁の女神】 
 ○アイク/○ミカヤ/○サナキ/○漆黒の騎士/○シノン/○ネサラ
6/6【ファイアーエムブレム 紋章の謎】 
 ○マルス/○チキ/○シーダ/○オグマ/○ハーディン/○ナバール
6/6【サモンナイト3】 
 ○アティ/○ベルフラウ/○アズリア/○ソノラ/○イスラ/○ビジュ
6/6【サモンナイト2】 
 ○マグナ/○レシィ/○パッフェル/○ネスティ/○ルヴァイド/○アメル
7/7【ファイナルファンタジータクティクス】 
 ○ラムザ/○アグリアス/○アルガス/○ムスタディオ/○ガフガリオン/○アルマ/○ウィーグラフ
6/6【魔界戦記ディスガイア】 
 ○ラハール/○フロン/○中ボス/○エトナ/○ゴードン/○カーチス
7/7【ティアリングサーガ】 
 ○リュナン/○ホームズ/○レンツェンハイマー/○ティーエ/○リチャード/○カトリ/○オイゲン
7/7【タクティクスオウガ】 
 ○デニム/○カチュア/○タルタロス/○ヴァイス/○ハミルトン/○オリビア/○ニバス

【51名】


現在の参加者の状況は>1のwikiをご参照ください。
6助けて!名無しさん!:2008/03/16(日) 19:24:13 ID:de1igTQi
■あらすじサイト
【ファイアーエムブレム 暁の女神】
ttp://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/827.html

【ファイアーエムブレム 紋章の謎】
ttp://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/290.html

【サモンナイト2】
ttp://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/277.html

【サモンナイト3】
ttp://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/132.html

【FINAL FANTASY TACTICS】
ttp://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/514.html

【魔界戦記ディスガイア】
ttp://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/652.html

【ティアリングサーガ】
ttp://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/474.html

【タクティクスオウガ】
ttp://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/125.html
7助けて!名無しさん!:2008/03/16(日) 19:37:34 ID:L4Ruargj
     ___
   /    ヽ\
  │       │
   へ-  ─ヾ  │
    ─  ─   ∂ \
  |  し 丶 √ │││
  | ト-=ヽ  │ ││
   \    /  │ │
  / ゝ── /ノ  丿
  ( \__ /   /│

*「 わたしは そうりょリフ ちからにはなれませんが >>1乙とはいえます
   第三スレ到達おめでとうございます。

8助けて!名無しさん!:2008/03/16(日) 19:54:36 ID:0j+TCzq4
>>1
乙であります!
9助けて!名無しさん!:2008/03/17(月) 21:38:13 ID:yvEJ1lni
       _||_
     〃 .| | ヽ
    =liニニニニニニ>
     ゝ | | ノ
        ∨

  ゝ~"~<
  ,ロ=lノ==l∩   >1乙
 レヽゝ,、,,ノ /   天!!
  /   ヾ
  |     l
 ノ,、,、,、,、,、l
   i_/ -'

      ∧
   .   | |
  ゝ~"~<_| |_ 
 ,ζノ=lノ=∩ ガシッ!
 レ、d ゚ ロ゚ノ/
  /ミミ彡ヾ)
  |∪ l=l_|~ヽ
 ノ___r~~_二lゝ
   /_/~~~~~


    ゝ~"~<   空!!
   ,ζノ=lノ=l〉 ││││
   レ、d ゚ ロ゚ノ  ││││
 \ ̄ ̄i/コつ=liニニニニニニ>
   ヽ./,、>  
    θiノ 
10箱庭会議 ◇b1F.xBfpx2 代理投下:2008/03/18(火) 21:43:37 ID:qI0IFjUY
パッフェルがいなくなってから暫くの間、時間が止まったかのように誰も動かずに彼女の走り去っていった方角を見つめていた。
合流したイスラとの会話でネスティという人物の名前が出た途端、急に顔色を変えてその人物と接触したという森に向かって駆け出し
あっという間に見えなくなってしまったのだ。
その突然の出来事に誰も言葉を発せなかったが、後方でその様子を見ていたオグマが硬直を断ち切った。

「おい、パッフェルを追いかけなくてもいいのか?」

彼の言葉に二人は一瞬驚いたが、すぐに振り向き彼を見るとイスラが答えを返した。

「・・・確かにヘイゼルの言った事が本当なら、追いかけた方がいいのかもしれない。でもこの殺し合いの場で
 迂闊に他人の言葉を信じて行動するのは最も危険な事だよ。ましてや暗殺者だったやつの話を信じるなんてね。」

「イスラ!」

弟の発言に、アズリアは少し声を荒げる。

「でも本当の事だよ。この殺し合いに乗ってる奴の中には、嘘をばら撒いてかき乱そうとするやつがいると思う。
 ……まあ、あのヘイゼルの目は嘘を言ってるようには見えなかったけど。それ以前に、僕やネスティさんがいた
 森は、かなり危険な場所だったからね。まともな武器も殆ど無しで、会えるかどうかわからない人物を助けに行くために
 殺人鬼だらけの森に行くかと聞かれたら、答えはいいえだよ。それに、仮に本当だった場合、集団で行くよりも
 単独行動が得意な者が一人で行く方が危険も少ないし成功率も高いよ。」

「確かにな。一人の人間を救出するのに集団行動は個々の動きが鈍り適さない。しかも戦いになった際
 武器のないアズリアが足手まといになりかねん。それなら視覚や足の速さに優れたパッフェル一人で行った方が
 安全に目的を達成できるというわけだな。」

イスラの意見を理解したオグマが簡潔に纏める。
まあそういう事だねと言って、イスラは一息つく。そして再び口を開いた。
11箱庭会議 ◇b1F.xBfpx2 代理投下:2008/03/18(火) 21:45:27 ID:qI0IFjUY
「…僕は正直言って、ヘイゼルを完全に信用する事はできない。彼女が姉さん達と行動している時も、姉さん達を
 利用しようとするために演技をしていたんじゃないかと思ってる。無色と接触していた時から彼女の事を知っていたからね。」

彼のその言葉を聞いて、アズリアが話し始める。

「…私にはパッフェルが嘘を言っているとは思えない。最初に会った時はもしかしたらヘイゼルなのかもしれない、
 彼女がもしヘイゼルならば、彼女が殺しをするのであれば全力で止めなくてはと思っていた。しかし、彼女は自分が
 ヘイゼルであると明かしたときに私に謝罪をしてくれた。あの時の彼女の言葉は心からのものだと私は思うんだ。
 だから…私はパッフェルを信じたい。」

アズリアに続きオグマも口を開く。

「俺はパッフェルの過去も事情も知らんし、興味も持たん。しかし、アズリアに謝罪をした時の彼女は
 俺も心から悪かったと思っているように見えたがな。」

そんな二人の言葉を聞いて、イスラは仕方がないなとでも言うように苦笑し溜め息を一つ吐く。
(まったく…二人とも甘いんだから。これじゃまるで僕が間違っているみたいじゃないか…。
 姉さんも随分とアティに感化されたんじゃないかな…?)
そうイスラが考えているとふいにオグマが話を切り出した。

「…こんなところでいつまでも話していても仕方がない。一旦休める場所を見つけて話を纏めた方が良いんじゃないか?」

確かにその通りである。辺りに誰もいないとはいえ、こんな見晴らしの良い平地でいつまでも留まるのは良いとは言えない。
それを理解した二人も早速自分の荷物から地図を取り出し現在位置の確認を始める。

「僕がここに来るまでに通った道から考えると、今いる場所はちょうどE-6の街道辺りだね。ここから一番近くて
 長時間留まる最適な場所となると…G-5にある町が丁度いいみたいだ。」

イスラが自分の居た場所から現在位置、最寄の町と順々に指でなぞり、他の二人も目で追っていく。

「町か…他の参加者にも出くわす可能性が高いな。流石に殺し合いに乗っているかどうかまではわからないから、用心した方がいいだろう。」

「まあ人がいるなら情報が集めやすいし、そいつがサモナイト石を持っているなら何とか交渉して手に入れればいいし、
 いないならいないで当初の目的通り留まって話し合うなり、町の中で利用できそうなものを探すなりできるからね。」

「よし、それでは目的地はG-6の町でいいな?ここからなら夕方までには到着するだろう。出発するぞ。」
12箱庭会議 ◇b1F.xBfpx2 代理投下:2008/03/18(火) 21:47:38 ID:qI0IFjUY
そして3人は南西の町に向けて歩き出した。その間イスラとオグマが互いに簡単な自己紹介をしたり、
先ほどのイスラ達の会話でよくわからなかった部分を話せる範囲で解説した。ディエルゴや融機人に関して話す時に、
機械の知識や技術のない世界出身のオグマが融機人をカラクリと人間を合わせた存在と解釈したり、
ディエルゴを邪神のようなものかと言われて神のいないリインバウム出身のイスラ達が困惑するなど色々合ったが、
オグマに解説するにあたってイスラにとってもアズリアの話すディエルゴの情報は有益だったし、
主催者に聞かれたら危険な事がないかを再確認する良い機会になった。
多分参加者の中に脱出を考えたり、首輪の解除方法を探す者が出てくることは主催の予想の範囲内のことだろう。
ましてやディエルゴが関わっていると言う事は融機人の能力も把握してるに違いない……

「…そういえば、イスラ?」

イスラが思考を廻らせていると、ふいに声がかかった。考え事の最中だった為気持ちがもやもやしてしまったが、顔に出さずに答える。

「何、姉さん。」

「お前…体の方は大丈夫なのか?」

「ああ…うん、大丈夫だよ。病魔の呪いは僕が死ぬ直前に解かれたからもう蝕まれてないし、逆に
 今までよりずっと体の調子は良いみたい。」

「そうか……」

アズリアはイスラの体の事を心配していたらしい。彼の死の状況を理解している彼女であれば、それは無理もない事だった。
病魔の呪いを解呪された反動で、体中から血を噴出し死んだ筈の弟が、まるで最初から何もなかったかのように自分の隣にいるのだから…。

「どういうことだそれは?」

イスラの言葉を聞いたオグマが自分の耳を疑ったかのような表情で声を上げる。
先ほどの言葉が聞き間違いでないなら、彼は一度死んで生き返ったことになる。

「そうか、オグマ殿にはまだ話していなかったな。本当は私自身も今の状況が信じられないのだが…。
 イスラは…一度私の目の前で死んでいるんだ。」

オグマの言葉を察し、アズリアが答える。そしてそれに続くようにイスラも話し出した。

「そう、確かに僕は死んだ…それは僕自身一番よくわかっているんだ。でも僕は今生きている。
 最初は死後の体験とかいうやつなのかと思ったけど、自分の心臓の音を聞いたり、風を肌で感じたりして確信したんだ。
 そして同時に思ったんだ。主催者達がこの殺し合いに参加させる為に、僕を生き返らせたんじゃないかって。」

オグマは最初彼女達の言葉を信じられなかったが、ここに着いた時に推測した事を思い出し考えを改めた。
やはり主催者達には死者を蘇らせる力があったということか。今までの事を考えれば当然かもしれない。
イスラが脱出の糸口になるであろう話をした際に言った『ここにいる参加者やアイテムはリィンバウム外のものも含まれる。』
という言葉には、参加者を管理する主催者達にも当てはまる。つまり、主催者側にもオームの杖のようなアイテムや
異世界の蘇生技術があるということになる。

「お前達の言う事は理解した。俺も参加者の中に死人が混じっているのを知って推測ぐらいはしていたからな。」

「オグマさんの知り合いにもいたのか…。ならなおさら話を纏めるために急いだ方が良さそうだね。」

その言葉にオグマも頷き、3人は歩く速度を速めて町へと向かった。
13助けて!名無しさん!:2008/03/18(火) 21:51:19 ID:krColk9Y
支援
14箱庭会議 ◇b1F.xBfpx2 代理投下 :2008/03/18(火) 21:56:10 ID:qI0IFjUY
太陽が大分西へと傾いてきた頃、ようやく目的の町へと着いた。幸か不幸か、道中他の参加者に会うこともなかった。
まずは、他の参加者が町の中にいないか注意深く周囲を見回しながら進んでいく。
ちなみに今は先頭にイスラ、続いてアズリア、最後尾にオグマの縦一列の隊列を組んでいる。

「…外には誰もいないようだな。」

「民家の中に潜んでいる可能性もあるけど、多分この様子じゃそれも薄そうだね。仮にいたとしても、獲物が警戒している間は
 絶対に姿を現さないと思うよ。」

小さな路地や屋根の上に注意を払いながら言葉を交わす。

「それにしても、この街には人気どころか誰かが生活していた雰囲気すら感じられないな。
 まるで人形の箱庭のような作り物の世界にいるようだ…。」

「あながち間違ってはいないだろう。主催共にとって、俺達は殺戮劇の操り人形のようなものなのだろうからな。」

アズリアの呟きにオグマが皮肉まじりに返す。
異世界の者達を一つの場所に集結させて血生臭い殺戮劇を繰り広げさせる…これほどまで悪趣味な遊戯はないだろう。
改めて主催者達への怒りが湧き起こる。
もう町の大半は見回っただろうという頃に、先頭を歩いていたイスラが前方にあるやや大きめの屋敷を指差し振り向く。

「どうやら町の中には誰もいないみたいだし、一旦あの屋敷で今後の事を話し合おうよ。」

彼と彼の指差す方向に佇む屋敷を交互に見て、二人が頷いた。
15箱庭会議 ◇b1F.xBfpx2 代理投下:2008/03/18(火) 21:58:41 ID:qI0IFjUY
屋敷の中はしんと静まり返っており、全部の部屋を見て回ったが誰かが居た形跡すらなかった。生活用具等は一通り揃っていたが、
人が生活をしていた様子はなく、まるで舞台のセットのような印象を受ける。
3人とも昼間から余り食事を取らずに歩いてきたので、少し早い夕食を取りながら話を纏める事にした。

「一応聞いておくけど、姉さんもオグマさんもこの殺し合いに乗る気はないんだよね?」

「ああ」
「無論だ」

今更だが重要な事なので改めて聞いてみて、望んだ答えが返ってきたことに安心する。
まずは参加者の中にいる自分達の仲間や知っている人物の確認と、その中で対主催となる人物や
殺し合いに乗る可能性のある危険人物の特定を始めることにした。

「アティやベルフラウ、ソノラは乗らないだろうな。特にアティは積極的に止めさせようとするに違いない。
 ディエルゴが絡んでいるのであれば余計にだ。可能性があるとするなら、ビジュぐらいだが…。」

「あいつの考えからして殺し合いに乗るとは思うけど、表立って行動することはあまりないだろうね。
 どちらかというと奇襲をかけたり他の参加者の機嫌を取って生き残るタイプだから。」

ふとアズリアは島での出来事を思い出す。自分達が剣奪還の為にアティ達と戦い、お互いが疲労していた時に、部隊を離れ
自分の命令を無視して彼女等に砲撃を仕掛けたことを。奴なら十分に考えられる事だ、と考えてしまう自分が情けない…。

「…姉さん?」

「ん…いや、何でもない。とりあえずビジュには警戒しておく方向で置いておくとして、オグマ殿の方はどうなのだ?」

また考え込んでしまった事をはぐらかしてオグマに聞く。オグマもアズリアの様子に少し眉をひそめながらも答える。

「マルス王子とシーダ王女がこのようなことに乗るのはまずない。チキは竜石がなければ戦闘能力は皆無だ。むしろ保護
 してやらねばなるまい。ナバールも信頼できる男だが、喧嘩っ早いやつだからな…余計な誤解を受けている可能性もある。
 ハーディンは…奴が俺の知っているハーディンだとするなら、ほぼ確実に殺し合いに乗っているだろう。最期の時まで心を闇に翻弄されていたからな…。」

「それでは現時点で警戒すべき相手は、ビジュとハーディンという者と、イスラ達を襲った二人ということだな?」

「まあそんなところだね。一応外見や背格好は道中話したけど、女の子の方は大型の目立つ自動弓を持っていたし、
 武器を手放していない限り分かると思うよ。」
16箱庭会議 ◇b1F.xBfpx2 代理投下:2008/03/18(火) 22:00:07 ID:qI0IFjUY
そう言い終えると、一息ついてイスラは少し考え込んだ。
主催者達には死者を蘇らせる力があるとすると、やつらがしそうなことが予想できる。
イスラはおもむろに自分の荷物の入った袋を引き寄せ中を漁り始める。

「ど……」

いきなり何かを探し始めたイスラを見てアズリアが声をかけようとするが、人差し指を口元に添えて声を出さないように指示をしてきたので口をつぐむ。
彼が袋から取り出したもの、それは分厚い本とペンだった。部屋を回った時に手に入れたのだろう。彼が本を自分達に見えるように目の前に置き表紙を開く。
中には何も書かれておらず、白紙に等間隔にラインが引かれてあるだけ…どうやら日記帳のようだ。
すると彼が何かを書き、それを二人に見せる。

『今から話すことは主催者達に聞かれるとまずいことを含んでくるから、全部筆談で話すことにする。二人もそれに合わせて欲しい。』

二人は書かれた文章を読み終えると、了承の意味をこめて頷く。イスラもその反応に軽く笑みを浮かべ次の言葉を書く。

『まず昼間も話したけど、主催者達は死者を蘇らせる力を持っているかその方法を知っていると思う。ここまではいいよね?』

『名簿に載ってるビジュ達も、多分僕達の知ってる彼等と同一人物だと思う。そして死んだ筈の彼等自身だけじゃなく、
 他の参加者の中にも彼等に接触する等の方法でこのことに気が付くやつが必ず出てくる。それが主催者達の狙いなんだ。』

アズリアもオグマもじっと日記に書かれた文章を見つめている。イスラは一息ついて次の言葉を綴る。

『恐らく主催者達は死亡者の放送でこう言ってくる筈だ。「優勝者に与える褒章として、死んだ者達を生き返らせる事も可能だ」とね。』

その言葉を読み、アズリアがペンを走らせる

『この殺し合いに参加している人間が、皆平常心を保てているとは限らない。大切な仲間が死んだ事に絶望する者も出てくるはず。
 そこへ救いの手を差し伸べるかのように「全員蘇生」という餌をちらつかせれば、それ目当てで殺しを始めようとするやつが出てくるということか。』

まあ殺し合いをさせるには考えられる事だ。しかし、そう都合よくいくのだろうか?

『確かにイスラの言いたいことは理解した。だが俺は主催者のそんな当てにならないもので心を踊らされたりはしないし、
 他の参加者もそう簡単に心変わりするとは思えん。それに、この話に聞かれてはまずいという部分があるとは思えんのだが?』

オグマの問いに対し、イスラも返事を返す。
17箱庭会議 ◇b1F.xBfpx2 代理投下:2008/03/18(火) 22:01:52 ID:qI0IFjUY
『さっきも言ったけど、どんなに強い心の持ち主だって、大切な仲間が死んだら必ず動揺する。オグマさんは
 仲間が死んでも絶対に大丈夫だという保障はあるの?』

その文章にオグマも言葉が詰まる。

『心を持っている限り、誰だって付け入られる隙は出来る。でも活路さえあれば、付け入られずに逆に利用することもできる。
 そのことに気がついたことを知られると、主催者達に対策を寝られる可能性があるからこうして話すんだ。』

『予め主催者達が餌をちらつかせてくる事がわかっていれば、それに対して冷静に対処することができる。
 それに主催者達に死者を蘇生させる力があるのであれば、ここから脱出してやつらを倒して奪えばいい。
 多くの異世界の人間を召喚しているんだから、各世界の知識や技術、アイテムなんかを所持していても不思議じゃないからね。』

イスラの文章にオグマもアズリアも驚きを通り越して感心してしまう。このいつ誰が死ぬかわからない場所でここまで冷静に分析が
できる人間はそうはいない。こんな考えが出来るのも、彼が死から蘇っているからなのだろうか…。

『まあ蘇生方法を手に入れるにしても、主催者達に会うにはここから脱出しなくちゃならないんだけどね。
 その為にも、まずはサモナイト石を手に入れて、ここがリインバウムなのかどうかを確認することが先決だ。
 それともし次の放送で僕の考え通りに餌が出なくても、自分達の仲間が誰か死亡した場合、他の仲間を見つけても用心しておいた方がいい。
 錯乱して無差別殺人を犯そうとしている可能性もあるからね。』

そう書き終えて一息つくイスラと今後の目的と行動の仕方が決まって荷物の整理を始めようとするオグマを交互に見ながら、アズリアは考え事を始める。
最初にイスラの話を聞いていた時の考えを話すべきだろうか…?しかしこれはまだ推論とも思い込みとも言えるところを漂っている。
折角一段落したところをそんなことでまた蒸し返すのも良くない気がする。もう少し情報が手に入ってから話しても遅くはないのではないか…?

彼女がそんなことを考えている時、奇しくもイスラも同じ事を考えていた。彼はその事はまだ話さないことにし、代わりに別の問題にぶつかっていた。
姉が話してくれたディエルゴの事が本当なら、やつは世界の全てを憎み、支配し滅ぼそうとするような存在だ。
そんなやつが何故50人程度の人間を集めて殺し合いをさせるなどということをするのか。そんなことをするくらいなら、自らの力で全て消してしまえばいい。
姉の話におかしな箇所はない…となるとディエルゴは復活したばかりで力が足りないか…?それともそもそもディエルゴが主催というのはヴォルマルフの嘘で
彼一人の行いなのか…これも情報が少なすぎる…こちらも保留にするしかないか。

そして二人とは別に、オグマもまた荷物の整理や窓から外の様子を見ながら思考を廻らせていた。
否定はしてみたものの、もし彼の話を聞かずに仲間達を失い、主催者の蘇生という美味い餌を見せられていたら、
自分は同じ事が言えたのだろうか。仕える主を失い絶望しきっている中、誘惑に負け目の前の二人に刃を向けることは
ないと言い切れたのだろうか…。そう考えると、彼の話を聞いて本当に良かったと思う。
同時にこの閉ざされた世界を抜け出す為の鍵を握るであろう二人を自分が守らねばと決心を固める。


それぞれが考え悩み決意する中、静寂の町に死者の名を告げる最初の鐘の音が鳴り響いた…。
18箱庭会議 ◇b1F.xBfpx2 代理投下:2008/03/18(火) 22:02:58 ID:qI0IFjUY
【G-5・町・屋敷内/夕方】
【オグマ@紋章の謎】
[状態]:健康
[装備]:ライトセイバー@魔界戦記ディスガイア
[道具]:万能薬@FFT
[思考]
1:仲間達は無事でいるだろうか…。
2:アズリアとイスラを守り、脱出・首輪解除の方法を探す。
3:ナバールにはある種の心配とある種の信頼。ハーディンに対しては疑問。
4:仲間たちと合流。だが、放送で仲間の誰かが死んだ場合、接触には用心する。
備考:サモンナイト世界及びディエルゴとアズリア達の仲間の情報を得ました。
   イスラ達との会議で主催者側に蘇生技術があると考えています。


【アズリア@サモンナイト3】
[状態]:健康
[装備]:ハマーンの杖@紋章の謎
[道具]:傷薬@紋章の謎
[思考]
1:自分の考えを話すべきか…?
2:オグマとイスラと協力しこの状況から脱出するための手段、方法を探す。
3:サモナイト石を探し、ここがリインバウムであるかを確かめる。
4:自分やオグマの仲間達と合流したい。(放送の内容によって、接触には用心する)
備考:オグマの仲間の情報を得ました。
   イスラ達との会議で主催者側に蘇生技術があると考えています。
   ディエルゴが島の中にいるのではないかと考えていますが、情報が少ないため二人に話すかは保留中です。

【イスラ@サモンナイト3】
[状態]:健康
[装備]:チェンソウ@サモンナイト2、メイメイの手紙@サモンナイト3
[道具]:支給品一式、筆記用具(日記帳とペン)
[思考]
1:ディエルゴは本当に主催側にいるのか…?
2:アズリアを守る。
3:サモナイト石を探し、ここがリインバウムであるかを確かめる。
4:対主催者or参加拒否者と協力する。(接触には知り合いであっても細心の注意を払う)
5:自分や仲間を害する者、ゲームに乗る者は躊躇せず殺す。
備考:オグマの仲間達の情報を得ました。
   主催者側に蘇生技術があると考えています。
   ディエルゴの存在に疑問を持っています。
   パッフェルの事は半信半疑状態なので、ネスティの力はあまりあてにしていません。
   アルマとデニム(共に名前を知らない)を警戒しています。
19助けて!名無しさん!:2008/03/18(火) 22:07:29 ID:66PsRWov
代理お疲れ様でした。
20助けて!名無しさん!:2008/03/19(水) 00:12:16 ID:AC1HHpf5
代理お疲れ様です。
自分も完全につなぎ、というかつなぎというのもおこがましいやつなら
ルヴァイド組とハミルトンさんでいけると思います。
……手抜きすぎだし少し加筆しようかな。

ところで、古都が落ちる直前だとすればハミルトンさんが使えて
不思議でない魔法ってどんなのがあるんでしょうか?
21助けて!名無しさん!:2008/03/19(水) 00:44:15 ID:sf2R+z3D
基本はクレリックと同じだった気がする。
攻略本持ってたけどなくしたからなぁ。
だから、ヒーリングは間違いなく使える。
クリアランスも大丈夫だとは思うが。

ヒーリングプラスとかも大丈夫な気がするが、
すでに支給品としても存在する魔法を使わせるのは流石に嫌。
第一、ヒーリングプラスが手に入る頃には
ランスロットさん別行動とっているから手に取ったことがないかもしれないし。
22助けて!名無しさん!:2008/03/19(水) 22:54:27 ID:nslXTqZl
前スレ>>836
もう書き込めないのでこちらに。
聖石にしても抜剣覚醒にしても結局は書き手任せになるのかな。
死者復活とかのルール違反は御法度なのはもちろんだけど
完全回復のほうが盛り上がると書き手が判断すればそれでいいと思うし
ボロボロの状態で抜剣覚醒状態で戦うのもいいかもしれないし
今決めて選択肢を狭めるよりはその時の書き手の判断に任せるのが一番かと。

繋ぎSS投下します。
23鷹と竜と聖騎士と ◆637opSQfIo :2008/03/19(水) 22:56:13 ID:nslXTqZl
朦朧とした意識。濁った水の中を漂うようにはっきりしない。
何かが目の前を横切っていった。
きちんと視認することはできなかったがそれが何かはわかった。

デニム君。ヴァイス君。
彼らの首だ。

朦朧とした意識のまま、呆然としている自分を自覚する。
彼らを殺したのは誰だ?
考えるまでもない、彼らが戦っているはずの敵は…
私を捕えている暗黒騎士団だ。

私は彼らを許さない。そう思った矢先に再び何かが目の前を横切っていった。

カチュアの首だ。

これがローディスのやり方か?
利用するだけ利用し、利用価値がなくなれば斬り捨てるというのか?

意識は未だに朦朧としている。
それでも身を焦がすような怒りがふつふつと湧き上がっていた。
そこへ、再三、何かが目の前を横切る。

隻眼の男、見知った敵の首。
それが暗黒騎士ランスロットの首だと理解するのに要した時間は
デニムやカチュア達のそれの倍はあっただろう。

暗黒騎士団の仕業ではないというのか!?では誰の仕業だというのか?

その答えは目の前にあった。
白馬に跨った男が、血塗れの槍を片手に高笑いをしていた。
すぐ近くには4つの首のない人間の身体が横たわっている。

高笑いがピタリとやんだ。
24鷹と竜と聖騎士と ◆637opSQfIo :2008/03/19(水) 22:57:00 ID:nslXTqZl
――暗黒皇帝自らの手で葬られることを誇りに思うがいい。
―――安心しろ。貴様の知り合い全てをすぐそちらへ送ってやる。

そう言って、暗黒皇帝は悪寒の走る笑みを浮かべ手に持った槍をこちらへと投擲し――――




「………気がついたようだな」

「きっ…貴公は……グッ…!!?」

「よかった、目が覚めたんですね!まだ起き上がってはだめです」

漆黒の鎧を纏った騎士とそれに寄り添う少女。
朦朧とした意識の中でそれを理解したハミルトンに
まるで背骨をかんなにかけられたような強烈な悪寒が襲った。
しかし気付けには丁度良かったのかもしれない。
反射的に間を取ろうとして動いたために右足とあばらに走った痛みも相まって
少しずつ思考がクリアになっていった。

暗黒騎士ランスロットとカチュアではない。

それを理解するのにそう時間はかからなかった。
空を見れば既に薄暗くなりつつある。

結構な時間気絶していたようだ。
彼らは私を殺そうとしていたのだろうか?
いや…右足に応急処置が施してある。
確か砂浜で気を失ったはずだが…今私が寝かされている場所も柔らかな草の上だ。
彼らの様子を見る限りでは私を見つけてからそれなりに時間が経っているのだろう。
25鷹と竜と聖騎士と ◆637opSQfIo :2008/03/19(水) 22:59:31 ID:nslXTqZl
周りの様子を伺っているハミルトンを見て
意識がはっきりしてきたのが傍にいる黒衣の騎士にもわかったのだろう、
仰向けのハミルトンの横で立っていた彼が口を開いた。

「さて、目が覚めて早々で悪いが…俺の質問に答えてもらうとしよう」

「…先に言っておくが、私は無闇に人を傷つけようとは思わない」

「お前がこのゲームに乗っているかどうかはその怪我ではあまり関係ない。
 この参加者名簿の中でお前が知っている人物がいれば詳細を教えろ。
 危険人物かどうか、を特に知りたい。
 それにそんな怪我を負うに至った経緯もだ」

この威圧感にこの佇まい。目の前の黒衣の騎士が手練であるのは明らかだ。
もしこの騎士がこの殺し合いに積極的な人物ならば
――情報を引き出せば自分は間違いなく殺されるだろう。
そうならば死んでも自身の知る情報を渡すわけにもいかない。
デニム達に余計な負担を強いることになるのだけは避けたい。

そう考えた結果、ハミルトンがした返事は簡潔なものだった。

「貴公らを信用することができない。だから話すことはできない」

「…そうか。参加者に友好的な人物がいるならばその判断は賢明だろうな。
 ではどうすれば俺達を信用――」

「ルヴァイドさん」

順調に尋問していたこの黒衣の騎士の名なのだろう、ルヴァイドさん、
と弱々しいながらも話に割って入ったのは、赤い長髪が印象的なシスター風の少女だ。
雰囲気も柔らかく、この殺し合いの場にはいるべきではないような清楚な人だった。
26鷹と竜と聖騎士と ◆637opSQfIo :2008/03/19(水) 23:00:04 ID:nslXTqZl
「この人はかなりひどい怪我をしています。話を聞くのは後からでもいいでしょう?
 騎士様。右足がひどく腫れ上がっています。程度は分かりませんがおそらく骨折でしょう。
 当て木で応急処置はしましたがちゃんと治療しないと歩くこともままならないと思います。
 他に傷む箇所はありませんか?
 私ができる範囲なら手当てしますから遠慮なく言ってください」

そう、この少女は本当に心配そうに尋ねてくるのである。

「確かに、傷の治療を優先すべきだったな。済まなかった。
 こんな状況だ、お互い初対面で信用しろというのは無理かもしれないが
 俺達を信用して欲しい」

そう言ってこちらを見てくる実直とも誠実ともいえる瞳。
ハミルトンは黒衣の騎士とこの少女が危険人物ではないかと疑っていたことを恥じた。
先程、豹変した男に殺されかけたのだから初対面の人間を疑って当然といえば当然ではあったが
この少女は、この騎士は信用してもいいかもしれない。

情報を聞き出せばすぐ殺される可能性はないとは言えないが
こんな男のために当て木を用意したり心配をしてくれる人達を信用して殺されたならば
もうそれは仕方ないだろう。

「治療はこれで十分だ、ありがとう。
 そのお礼だ…私の知っていることを話そう。
 まず私の名前は…ランスロット=ハミルトンだ」




「つまり…ランスロット=タルタロスとハーディンは危険ということか」

簡単な自己紹介の後、ハミルトンは知っている情報を話した。
特に、危険と思われる人物についてだ。
27鷹と竜と聖騎士と ◆637opSQfIo :2008/03/19(水) 23:01:09 ID:nslXTqZl
「ああ。ただタルタロスに関して言えば、冷酷ではあるが殺人狂ではない。
 死ぬつもりはないだろうしそう易々と優勝できるとも考えてないだろう。
 この島からの脱出の道のりを模索している可能性もあると思う。
 しかしハーディンは本当に危険だ。あの目は常人の目ではなかった。
 馬を持っている以上逃げることもできない。出会えば交戦する他ない」

「デニムとヴァイスという二人については分からない、と?」

「彼らと別れてから時間が経っている。戦時中ということもあり情報が錯綜していたし
 彼らが大虐殺をしたという噂もあれば英雄として戦っているという話もあった。
 基本的に彼らは信用してもいいとは思うが…
 私の知らないところで何か考えが変わった可能性もある」

「そして、カチュアという人物については……」

「…全く分からない。彼女はデニム君の姉でヴァイス君とも幼馴染だったはずなんだが…」

暗黒騎士団に捕らわれいたときに訪れたランスロット=タルタロス。
彼が明かしたカチュアに関する衝撃の事実。
ランスロットに付き従い、意味深…いや、危険なことを言っていたカチュア。

彼女がどう動くのかは全く予想ができなかった。

「お前の知り合いも一筋縄ではいかないようだな」

知り合いや遭遇者全員が安全と言い難いとは…改めて考えると恐ろしいことだ。
ルヴァイドが漏らしたため息が耳に届く。
ハミルトンはまだ知らないことだが
カトリとルヴァイドは知り合いに危険人物がいないことから
殺し合いに乗る人数については多少楽観視していた感があった。
28鷹と竜と聖騎士と ◆637opSQfIo :2008/03/19(水) 23:01:40 ID:nslXTqZl
「私の知っていることはこんなところだ。
 もしよければ貴公らの知っていることも教えてもらいたいのだが…」

ハミルトンのその言葉に、カトリがルヴァイドの顔を覗き込んだ。
彼女は既にハミルトンを信用し、話してしまいたいようだが
一応はルヴァイドの顔色を伺っているようだ。

「そうだな、お前は悪人ではなさそうだ。俺達の知り合いのことは話しておこう。
 だがそろそろ日が暮れてきて気温も下がりつつある。
 そんな鎧を着込んでその怪我でここまで逃れてきたというのだから
 消耗も相当激しいはずだ。身体も冷えているんじゃないのか?
 どこか屋内…とまではいかなくともせめて風が防げる場所に移動しよう。
 肩を貸せば歩けるな?」

「すまない、少し待ってくれ。………ヒーリング!」

ハミルトンは精神を集中させ、朗々とした声で回復魔法を唱えた。
手をかざした先の、青黒く腫れ上がった右足が淡い光に包まれる。

「ほぅ…道具を用いず傷の治療ができるのか」

「ああ。ヒーリングという魔法なのだが…知らないのか?」

「ふむ。お前が目覚めるまでの間、カトリの世界の話も聞いてみたのだが
 彼女の世界では回復魔法を使うにはそれ専用の杖が必要らしい」

カトリのほうを見るとこくこくと首を上下に振っていた。

「俺の世界でも特定の"サモナイト石"という鉱物が必要だ。
 ……ごく一部に、そういったものを必要としない人物もいたが。
 どうやらお前も異世界の人間のようだな」
29鷹と竜と聖騎士と ◆637opSQfIo :2008/03/19(水) 23:02:20 ID:nslXTqZl
"異世界"という馴染みない単語に、ハミルトンは眉をしかめる。

「異世界の人間…?」

「傷の治療一つをとっても、それぞれで形態が違う。間違いないだろう。
 お前達にはピンとこないかもしれんが俺のいた世界は異世界と身近な世界だからな。
 このゲームの参加者とやらは異世界の人間が多数いるようだ」

にわかには信じ難い話だが…どうやら彼は本気らしい。

「怪我は少し回復したようだがそれで動けるのか?」

彼の中では"異世界"の話は『推測』という内容ではなく『確定』のようだった。
何事もなかったかのように話を元に戻してきた。

しかし、そう尋ねられて初めて気付く。

「いや…どういうことだ。ヒーリングの効果が落ちている…?」

本来なら、自由に動ける…とまではいかなくとも完全に腫れがひく程度にまでは
回復しているはずの治療箇所は、少し腫れがひいただけ。
これではまだ独力で立ち上がることすらできない。

「少しでも円滑に殺し合いが進行するために、
 回復術の効果を落としているのかもしれん。
 憑依召喚術というわけでもなさそうだが……どういう原理なんだろうな」

「全員を一度にこの得体の知れない島に転送したり魔力に制限をかけたり――
 人智を超えているな」

恐怖心。
暗黒騎士団の拷問で精神が弱っていたのだろうか。
そんな感情が自身の中から沸き上がるのが感じられた。
30鷹と竜と聖騎士と ◆637opSQfIo :2008/03/19(水) 23:04:04 ID:nslXTqZl
「ともかく、移動だ。治癒魔法が使えるのは結構だが、
 そのヒーリングとやらで戦える程度には回復しそうか?」

「歩ける程度ならなんとかなるとは思うが…戦闘できるほどどころか
 走れるまで回復するかすら分からない。やるだけやってみよう」

再びヒーリングをかけるために右足に手をかざしたとき。


忌々しき声が辺りに響いた。



―――時刻、18時。


【D-4/岸辺/1日目・昼】

【ランスロット・ハミルトン@タクティクスオウガ】
[状態]:重傷(肋骨と右足を骨折、現在治療中)・体力消耗(大)・右足に当て木・歩行困難
[装備]:無し
[道具]:無し
[思考]0:ゲームの破壊、脱出
1:せめて移動できる程度まで身体を回復させたい
2:ルヴァイド達との情報交換
3:カチュアを警戒。できればデニムと合流したい。
  しかしこの怪我では足手纏いにしかならないか…?
【備考】
参戦時期は地下牢でランスロットとカチュアに出会ってから
廃人化するまでの間です。
31鷹と竜と聖騎士と ◆637opSQfIo :2008/03/19(水) 23:04:32 ID:nslXTqZl
【カトリ@ティアリングサーガ】
[状態]:健康
[装備]:ゾンビの杖@ティアリングサーガ
[道具]:火竜石@紋章の謎、支給品一式
[思考] 0:みんなで生還
1:ホームズ達と合流する
2:ランスロットさんとお話をする
3:あまりゾンビの杖を振り過ぎないようにする

【ルヴァイド@サモンナイト2】
[状態]:ドンアク、レベル+1
[装備]:バルダーソード@タクティクスオウガ
[道具]:首輪探知機、支給品一式
[思考] 0:主催者の打倒
1:腕の重みが取れるまで休みつつハミルトンと情報交換
2:自分とカトリの知り合いと合流する
3:赤髪の女性(アティ)、金髪の青年(ラムザ)を探す
4:信用できる人物を探す
5:戦いを挑んでくる相手には容赦はしない
【備考】
ハミルトンのクリアランスでドンアクが解消するかもしれません。
時間経過のためそろそろドンアクが自然治癒してもおかしくない頃合です。

【共通備考】
回復魔法の効果が落ちていることを確認しました。
各々が異世界の住民の可能性が高いという話を聞きました。
どこに移動するかはまだ決めていません。
32 ◆637opSQfIo :2008/03/19(水) 23:08:31 ID:nslXTqZl
投下完了です。気がついたところがあれば指摘お願いします。
特にハミルトンさんについては自信ないので…。

首輪探知機がなければこのままC−3の村に移動という手もあったが
さすがに収集がつかなくなるか。
>>21
おかげで助かりました。
○深い傷・骨折→回復魔法が得意ならなんとか塞いだり接合したりできるが完治はしない
これに則ると接合は難しいのかな…得意というほどでもないだろうし。
33助けて!名無しさん!:2008/03/20(木) 01:14:07 ID:S2B+UOR8
投下お疲れ様です。
時間かけて重ねがけすればある程度まで治ってもいいんじゃないかな?
まあそれまで無事でいられる保障はないけどw

そういえば前スレで話題に上がっていたけど、適格者の条件ってどんなのだっけ?
参加者に英雄クラスの人間も多いから、資格のあるキャラ結構いそうだが……。
34助けて!名無しさん!:2008/03/20(木) 07:32:47 ID:bjW+VVZ+
投下お疲れ様でした。
ハミルトンが超危険村の漆黒の騎士、ヴァイス、ハーディンの
いずれかと再会した場合には何を思うのだろうかと気になって仕方ありません。
35助けて!名無しさん!:2008/03/20(木) 13:05:31 ID:A/sEF+iV
激しく乙!
知り合いに安全な人物がいないTO勢w

状態表の時間が昼になってるけど夕方の間違いだよね?
36助けて!名無しさん!:2008/03/20(木) 23:40:07 ID:MgqQ2/Eb
投下お疲れ様です!
ちょっとルヴァイドの口数が多かったような気がするけど、
説明する必要のあることが多いから仕方ないのか。

>>33
適格者の条件は、核織(ハイネル)に似た魂を持っていること。
自分の命を顧みずに他人を守ろうとする強い意志があるかどうかだったかと。
サモンナイト3プレイしたのが結構前なんで自信なくてスマンです。
37助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 00:00:43 ID:YO74IYOh
他人の命も、自らの命さえも省みない虚無感に満ちた人間はアウトですか?
イスラはまさに破滅願望持ちだったが。
38助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 00:36:30 ID:EC7RJ2DB
強い心と自己犠牲となんでも笑顔で覆い隠しちゃう人だった気が。
なんというかディス勢は無理だなw
39助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 00:43:13 ID:xc/myVcW
>>38
ディス勢ならフロンはその条件全部満たしてますよ?
特に大天使とのやり取りはそうでしたから。

強い心と自己犠牲(というか自己概念の限りなき低さ)なら漆黒でも大丈夫そうだけど、
彼の心からの笑顔なんて最期の一度ぐらいしか浮かべたことがなさそうなのでそこでアウトか。
40 ◆637opSQfIo :2008/03/21(金) 01:03:40 ID:utwaACQ4
>>35
うお、ミスです。夕方です。

>>36
異世界の概念説明にはサモン勢が一番やりやすいので…
そこらは容赦ということで。

>>39
『笑顔』というのはある意味ではヨタ話だし、鉄仮面で覆い隠してる漆黒ならいけるかも。
適格者に関しては説明しにくいというか…
イスラルートをやるのが一番いいんでしょうけど。
"ishlar summon night3"で検索すればイスラルート会話集出てくるかな…。
41助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 02:11:58 ID:r1hFd6Cw
漆黒が適格者として“生きる意味”を見出せば……
42助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 08:00:01 ID:xc/myVcW
>>41
正直、剣の腕を上げたことを証明するために師匠ぶち殺しにいったり、
(しかもそのあと平然とその息子の命使って師匠を脅迫している。)
自分の主の警護と確実な勝利よりも「完全な状態の師匠との再戦」を
望んで一騎討ちに興じたりなど、どうしようもない個人主義者だから
不特定多数の他人を守ろうとする為に生きるというのは結構苦しい。
特定個人には正反対にどこまでも尽くすタイプだと思うが。

感情を鉄仮面で覆い隠すことは抜群にうまいのだが。
ベグニオンとデインの二大国の人間を生涯に渡り欺き続けたし、
ミカヤにすら「触れたところで心を一切読ませない」程のレベルだし。
43助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 12:08:34 ID:082Vr8a/
結局適格者として認められそうなのは既存の3人とフロンぐらいか。
まあ適格者が複数いること自体珍しいことなんだろうから、少なくても当然かもな。
44助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 12:27:28 ID:xc/myVcW
聖石のルカヴィに選ばれるのもそうそうあることではないのだが。
まあ、あれは万人に選ばれる『可能性』だけならありそうだけど。
ラムザ(アルマ?)やラファでさえ発動させたのだから。
45助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 20:15:44 ID:XJqmkkWK
最近wikiが大量更新されまくっててうれしい。激しく乙

第一回放送までの死者のページ見て思ったけど、
タルタロス、ガフガリオン、デニム、カチュア、ニバス、フロンのスタンスって
ステルスまたは奉仕のマーダーなのか危険対主催なのかわからんw

逆に無差別はハーディン、ヴァイス、アルマでわかりやすいんだがw
46助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 21:31:31 ID:utwaACQ4
昨日全メンバーのスタンスをまとめたものを作ろうとして挫折した自分が通ります。
タルタロス・ガフは『日和見派ステルス』
デニム・カチュアは『奉仕系』
ネサラは『日和見派消極的対主催』...etc.
ネサラの分類が自分でも意味不明すぎて途中でやめたとさ…。

ところで、うまくできるかどうかはわからないですが
ニバス・アイク・リチャードあたりで予約したいと思います。
47助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 22:40:59 ID:LzfUZK4/
原作やったことないんだけど、フロンの堕天使化って一時的なもの?それともなりっぱなし?
>>46
予約期待。ニバス先生そっちに行くのか…アルガス・エトナ組にぶつけてみたかったけど
まだまだ時間はあるし大丈夫かな?
48助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 22:47:01 ID:xc/myVcW
>>47
正確には1のエンディング(Goodのみ)からなりっ放し。
適格者フロンかぁ…。駄目だ、想像するだけで笑いが込み上げてきた。
49助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 23:19:13 ID:j9U0TLPr
女性が抜剣するとウサミミが生えるんだったっけ
ケモミミ天然天使幼女
バックには光のわっか…うーん属性過多
50助けて!名無しさん!:2008/03/21(金) 23:25:18 ID:xc/myVcW
>>49
体格がちょこっとよくなっているよ。
あと背中に後光のようなものが指す。

フロンのツルペタの胸も少しはマシになr
51 ◆j893VYBPfU :2008/03/22(土) 00:16:41 ID:LnEiyZGe
すいません。前回の予約、どうもプロットが
まとまりそうにないので取り消します。
やっぱり、ティアサガもプレイするしかないのかなぁ…。
52助けて!名無しさん!:2008/03/22(土) 07:10:03 ID:D43C2chi
「スターティアラでゾンビ化したオリビアは消滅するとみんなネタにしているが、ちょっと待って欲しい。
 FFには『せいすい』というアイテムが登場する。」
「それがどうかしたのか?」
「せいすいにはある効果がある。」
「ゾンビ化の回復のことか。」
「そのとおり。ところでお前は、FFをプレイ中に操作ミスをしたことはないか?
 それもせいすいに関わる操作ミスを。」
「ああ。ゾンビを直そうとせいすいを使用しようとしたら、間違って敵に使ってしまったな。」
「そのとき何が起こった?」
「せいすいを敵に使ったら当然不死が消滅……!?も、もしかして!?」
「うむ、せいすいの効果は“不死が消滅"。つまりTOの☆冠と同様(違)の効果だ。」
「……『☆冠』…か…」
「そうだ。つまり…

    ,ィィr--  ..__、j
   ル! {       `ヽ,       ∧
  N { l `    ,、   i _|\/ ∨ ∨
  ゝヽ   _,,ィjjハ、   | \ ☆ 冠 こ そ が
  `ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ   > ゾ ン ビ 化 を と く ア イ テ ム
     {___,リ ヽ二´ノ  }ソ ∠ だ っ た ん だ !!
    '、 `,-_-ュ  u /|   ∠
      ヽ`┴ ' //l\  |/\∧  /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ /  |`ー ..__   `´
    く__レ1;';';';>、  / __ |  ,=、 ___
   「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
   |  |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,|  , -,
    ! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | |   | | .l / 〃 ))
    l |:.:.:.:l;';';'/.:.:.:.:| ! ヽ \!‐=:l/ `:lj  7
    | |:.:.:.:.l;'/.:.:.:.:.:.! ヽ:::\::  ::::|  ::l /
53助けて!名無しさん!:2008/03/22(土) 12:16:26 ID:ajQnEEP6
タイミングと条件が揃えばだけど名前挙がってない奴適格者にするつもり
いずれにせよ勝手に先を制限するような書き込みは止せということ
54助けて!名無しさん!:2008/03/22(土) 12:58:56 ID:vU/Es0Z7
>52

ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!
 cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・
   ゝ~"~<     ,-、,' "⌒ヽ
  ,ζノ=lノ=l〉   l .((;;ミ_(゙_))   , ´"⌒ヽ
  レ、d;゚ ロ゚ノゞ  ノノハd;゚ ロ゚ノ  ムiソノlノリノ)ゝ
   /,--┬'^つ     /ミミ彡つ   从ll;゚ ロ゚ノ( 
   |∪===|~ヽ     ∪」 l_|    (( /)i笹l!つ`)
  ノ___r T !  ゝ     7i ~l」       Ul_l〉
    i_/、」 ~~     i_/ J      .し'ノ

書き手さんにも予想に反逆したがる方もいらっしょるので
展開予想はしたらばに
ネタばれ注意、パクリ推奨等の注意書きを付けて、
展開予想・プロット公開スレを立ててやってくださいな。
55 ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:40:46 ID:29ysoDAW
理屈さえ通っていれば予想は合っていようがはずれていようが無視しちゃえと思う自分。
ああ、いい意味で予想を裏切る展開を書いてみたい。
では投下します。
56獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:41:28 ID:29ysoDAW
アイクが鴉王ことネサラを困惑と苛立ちを込めた視線で
見送り終える前に、既に事は始まっていた。

「貴様っ!!」

空に飛び去るネサラ向かって顔を上げているとすぐ近くから声がした。
視界を水平にまで落とすと先程まで話をしていたリチャードが
こちらに寄ってきていた。

「アンタか。さっきのがアンタが言っていた魔物だろう?
 アンタは鴉王を魔物だと思ったらしいがああ見えて――」

言い終える前にアイクは横っ飛びに跳躍していた。
先程までアイクがいた空間にはリチャードの繰り出した槍が存在している。
ネサラの不審すぎる言動ですっかりペースが乱され不意打ちを許してしまった
アイクだったが、着地した先で前転しそのまま起き上がり
いつの間にかエタルドを鞘から抜き去っていた。

「何の真似だ、危ないだろう」

どう見ても殺すつもりで攻撃を仕掛けてきた相手に言うには滑稽な台詞ではあったが
落ち着いた様子で剣を構えリチャードを見据えるアイクからは
動揺も何も感じられない。
感じられるのはただただ、剣気のみ。

「邪神なんてものはロクなやつがおらん。
 邪神の使徒なんぞは俺様が始末しておいてやろう!!」

言い終わるや否や、リチャードの左足が力強く地を蹴った。

二つの銀光が閃き、高い金属音が辺りに響く。
57獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:41:59 ID:29ysoDAW
音が減衰する頃には二人の立ち位置は入れ替わっていた。
二人の衣服を風が揺らす。

風が、槍により切り離されたバンダナの一部を運んでいった。
風が、剣により散らされたウェーブのかかった緑の髪を舞わせていった。

「首を狙ったんだが…よく反応できたな。おまけに反撃つきか。
 思ったよりやるようだ」

振り返りながら、ヴォルケイトスの柄を握り直す。

「アンタは話を聞く気はないらしいな。
 それなら俺もそれ相応の対応はさせてもらうぞ」

振り返りながら、柄を掴んでいる右手に力を込める。

「手応えがなくてはつまらんからな。
 やれるなら後悔しないように全力を出すんだな」

「そのつもりだ」

かたや剣を握るアイク。
かたや槍を構えるリチャード。
これが軍を率いる状態、彼らが将軍だったならばお互い、
もう少し対話の必要性に気付いたかもしれない。
鴉の罠にはめられていることにも気付いたかもしれないが――――

不幸なことに、そこにいるのは二人の戦士だった。


槍の利点はリーチの長さに尽きる。
自分のレンジを制することは戦いでの勝敗を決するのだから、
槍よりもリーチの短い剣を持つ相手は、自分のレンジに敵を取り込む前に
自分が敵のレンジに取り込まれてしまうため、圧倒的に不利。
58獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:43:18 ID:29ysoDAW
騎乗での戦いが専門といえど、リチャードは白兵戦でもかなりの強者だ。
アイクといえど、この"すくみ"を破ることができる相手であろうか?


二つの刃が奏でるリズムが鳴り響く。
リチャードが薙ぎ払うように槍を振るった。
エタルドで受け止め、後方に流しつつアイクは敵との間合いを詰める。
しかしリチャードは後方に跳びながら槍を引き戻し返しの刃で首を狙う。
アイクは横にステップし回避。肩当てを刃がかすめた。
追うように槍の先端が軌道を変えアイクへと向かってくる。
後方へ跳び槍のレンジの外へ出ることにより回避。
アイクが後方に跳ぶと同時にリチャードも間合いを詰め
先程の攻撃の威力を殺さないように槍を半回転させ薙ぎ払うが
さらにアイクが後方に跳躍したため空振った。

既に数分の時間が経過した。
リチャードは未だ無傷。
アイクはところどころ服が裂け、鎧にも深い傷がついていたが
致命傷に至るような傷はなくかすり傷のみ。

最初の撃ち合いでアイクの力量を認めたリチャードは自分の間合いを制することに
重点を置き、アイクの間合いには決して踏み込まない戦法をとっている。
結果として相手を間合いの中に完全に引き込む前に攻撃を仕掛けるため一撃の威力は低く
リチャードはもちろんアイクも深い傷を負ってないが
アイクの消耗のほうが確実に大きく、このままでは勝敗は火を見るよりも明らかだ。

戦術的に退くのも一つの手だ。
一騎打ちならまだしも、不意打ちしてくるような相手に背を向ける分には
それほど抵抗はない。――――全くないかと聞かれると別ではあるが。

だが、本心は…退く気はない。
槍が得物だとはいえ滅多に戦うことができないような猛者だ。
既にアイクの闘争心には火がついていた。
この点に関してはネサラの読み通りだったということだ。
59獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:43:50 ID:29ysoDAW
しかしこのままいたずらに体力を消耗するわけにもいかない。
大技を出しても今のままではかわされる。天空でも同じことだろう。

さて、どう切り崩すか………?


(邪神の下僕の分際でやるものだ)

戦いは有利に進めつつも、リチャードはアイクの実力に内心で舌を巻いていた。
並の相手なら、これだけの時間で10人は仕留めれただろう。
だが、未だに致命傷1つとして負わせられない。
目の前の剣士は傭兵王テムジンと互角以上の強さと認めざるを得なかった。

再び、剣士がこちらへと切り込んできた。
リチャードは後方へ跳躍。牽制として反撃の突きを繰り出す。
相手はその突きを紙一重で避け――――なかった。
アイクの左肩にヴォルケイトスが突き刺ささる。
しかし、アイクの顔に苦痛の表情はない。
むしろ『予定通りだ』といわんばかりだ。
すぐさまエタルドを持つアイクの右腕が振り上げられた。
だが回避するまでもない。アイクの身体に槍が刺さっている以上、
その槍を手に持っているリチャードは剣の間合いの外なのだ。

このまま左肩に刺さっている槍を抜くことなく薙ぎ払えばいい。
心臓、大動脈、……標的はよりどりみどりだ。
リチャードはそう考え、槍を持つ両手に力を込める。

アイクがエタルドを渾身の力で振り下ろす。
リチャードに当たるはずのない、その一撃を。
――――二人の間に位置する、ソレに。

「っ!!?しまっ―――」
60獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:44:47 ID:29ysoDAW
リチャードがアイクの意図に気付いたときにはもう遅かった。
エタルドによる一撃がヴォルケイトスの柄を打ち砕いたのはその一瞬後だった。

リチャードは未だ無傷ながらも、武器を失った。
勝敗は決したのだ。

「俺の勝ちだ」

どこか満足げに、アイクが言った。

「……真性の馬鹿か、貴様は」

神剣エタルドの耐久性に賭け勝利したアイクであったが代償は小さくなかった。
リチャードは目の前の光景に呆然を通り越え呆れ返るしかない。
アイクは自分の左肩に突き刺さっている槍に渾身の剣戟を叩き込んだのだ。
どうなるかは想像に難くない。
突き刺さった槍はその衝撃でアイクの肉をえぐり、左肩は鮮血に塗れていた。
肉を斬らせて骨を断つ――――そういえば聞こえはいい。
リチャードも大切なものの命運を賭けた戦いの勝利のためなら怪我どころか
自分の命を捨てるような男であるので、馬鹿呼ばわりできる立場でもないが。

「しかし、負けは負けだ…邪神の手先に一度ならず二度までも…殺せ!」

そういうと、ドカっと地面にあぐらを掻き腕を組みアイクを睨みつけた。

「別にアンタを殺すつもりはない。利点もないしな」

睨まれたアイクのほうは、その眼光にひるむことなくリチャードを見つつも
エタルドを鞘の中へと納めた。

「利点がないだと?貴様が邪神の使徒というならば
 俺は女神ミラドナに借りがあるから、貴様の敵だ。
 敵を生かすことにこそ利点がないだろう」
61獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:45:43 ID:29ysoDAW
「邪神の使徒というのは誤解だ。確かに俺はユンヌの加護の下戦ったし
 ユンヌは邪神と伝えられていたがユンヌが邪神というのは迷信だ」

「じゃあ、さっきの魔物はどう説明する!?
 あんな魔物と親しそうに話していたが、あの魔物も邪神の使徒ではないというのか!?」

「ああ。世界の人全てを石化させようとした神と戦ったときの仲間だ。
 聞いたところだと、アンタから鴉王に攻撃を仕掛けたらしいな。
 鴉王は面倒事は好きじゃない。
 手を出さなければ攻撃してくるようなことはなかったはずだ」

「……クソッ。全て俺の早とちりだったということか…!」

アイクの言葉を聞き、リチャードはあぐらを掻いたまま忌々しげに呟いた。

「そのようだな。アンタはこんなゲームに乗る気はないんだろう?
 なら、俺もアンタをこんなところで殺すよりも一緒に行動したほうが都合がいい」

リチャードはアイクの瞳を見た。
何を考えているかはよく分からなかったが哀れみなどの感情は一切ない。
この男は、自分を同情で生かそうとしてるのではないことだけは分かった。

「………。貴様が正しい。今回の件については貸しにしておいてやる」

ぞんざいな口調ながらもばつの悪そうな顔でリチャードはそう言った。
そして、リチャードが立ち上がった瞬間――――

二つの乾いた音が森に響いた。



「アイク、貴様は…無事か?」

「右腕をかすめた…!だが、まだ剣は振れる。
 リチャード、アンタは……。っ!?」
62獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:46:25 ID:29ysoDAW
左肩の怪我も右腕の怪我も無視してエタルドを構えたアイクが
立ち上がろうとして倒れたリチャードに目を遣ると、
彼の右太股を中心として、衣服がじわじわと赤黒く変色しているところだった。
命に別状はないだろうが立ち上がるのすら困難なのは予想のつく怪我だ。

「この程度はかすり傷だ」

近くに転がっていた折れたヴォルケイトスを杖代わりに立ち上がるも
虚勢なのは目に見えていた。

距離にして50mほどか。
木々の間を生気ない足取りで歩んでくる襲撃者。
くすんだ金髪を後ろで束ね、手に金属製の何かを持っている。
服は血塗れ。あの血がその襲撃者の血なのだとすれば、
確実に失血死しているような量だ。
では、あれは他人の血ということなら――既に誰かを殺しているということだ。
この男が危険な相手だということは理解できた。

彼の手の中の金属製の何かが火を吹き、再び乾いた音がした。
身の危険を察知しアイクは横に跳んだ。
目にも留まらぬ超高速でアイクがいた場所を何かが通過し、
後方の木に着弾。木の皮が弾け飛び、小さな穴ができていた。

(ボウガンのようなものか)

タネさえ分かれば、距離が離れている間なら避けるには問題ないだろう。
が、足を怪我しているリチャードは別だ。
距離を詰められる前に先に打って出て無力化するのが得策と判断し
アイクは襲撃者向かって駆け出したが。

「アイク、落ち着け。罠だ」
63獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:47:35 ID:29ysoDAW
リチャードのその言葉で足を止めた。

「お前も感じるだろう、この殺気。出てきたらどうだ?」

襲撃者の足も止まり、森を静寂が包んだ。

「よく、気付きましたねぇ。あまり私自身では
 表立って戦闘をしたくなかったのですが致し方ないようです。
 あなた方もよい素体になりそうですしねぇ」

木々の隙間から出てきたのは初老の男だった。
薄気味悪い。そんな禍々しい雰囲気。
佇まいから只者でないことは分かるが実力は未知数だ。

「…退くべきだな」

「俺も同感だ」

実力未知の相手二人に対し、こちらは手負いの二人。
ここで戦うのは無謀すぎる。
足を怪我したリチャードをどう庇いながら撤退するかをアイクが考えていると、

「アイク、貴様は一人で逃げろ。俺がしんがりを務めてやる」

リチャードがとんでもないことを言い出した。

「俺はこのザマだ、走ることすらかなわん」

「それぐらい分かっている。だがここは森の中だ。
 走ることができなくとも撒くことぐらいは―――」
64獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:49:07 ID:29ysoDAW
「できそうな相手に見えるか?」

襲い掛かってきたときとは打って変わって、クールなリチャード。
その様子を見て、アイクは理解した。
現状に諦めたわけでもなく悲観したわけでもなく、
単純に受け入れた結果、足を怪我した彼は逃げることができないと結論したのだと。

「アンタが残るなら俺も残ろう。勝てない相手ではないだろう」

勝てない相手なら、情に流されることなく一人での撤退を受け入れただろうが
戦って勝てば二人とも生き延びることができる。
なら、それに賭けるのは悪くはないだろう―――

「それもいいかもしれんな。………腕の感覚がまともにあるなら、だが」

「……」

リチャードの攻撃とその後の無茶で出血が未だ止まらない左肩。
いくら痛みには慣れてるとはいえ、左腕の感覚がまともかといわれれば…否だ。
先程攻撃を受けた右腕も、左よりは軽傷だが同じく。
どちらも処置すればまだ十分動くだろうが、処置する時間は与えられないだろう。

では、十分に動かないであろう腕をもってこの戦いに挑めば?
―――待つのは全滅だろう。

「癇に障るが、貴様は俺に勝った。勝者は得をすべきだ」

「…分かった。ここは頼む」

ようやく、アイクが折れた。
それに対し、不敵な笑み。勝ち誇った表情。
そういう形容が相応しいであろう表情のリチャードが言った言葉は。
65獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:49:47 ID:29ysoDAW
「また会おう」

それを聞き終えると同時に、アイクは剣を握ったまま駆け出した。

「逃がしませんよ」

初老の男がそう言い、付き従う生気のない男に目配せした。
男――ムスタディオが撃鉄を上げ引き金を引きリムファイアーが火を吹く。

はずれた。
リムファイアーは小型の銃であるので有効射程はそれほど広くない。

「グラナダの小僧の手弓のほうがよほどマシだな」

アイクのほうに注意がいっていたので、ニバスは気付かなかったが
リチャードはまともに動かない片足を引きずり、
ムスタディオとの間合いを詰めていた。
その距離、約30m。

「右足の礼だ。遠距離攻撃というものの見本を見せてやろう!」

ほとんど動かないはずの右足で地を蹴る。
太股から苦痛と血が吹き出すがリチャードは意に介さない。
左足を力強く踏み込み折れたヴォルケイトスを超速で投擲した。

水平40度の角度で飛び出したそれは木々の隙間をくぐりぬけ―――
正確無比にムスタディオの心臓を打ち抜いた。
貫かれた衝撃そのままに、ドミノが倒れるようにゆっくりと、後方にのけぞり。
仰向けになってムスタディオは倒れた。

「おやおや…失敗作とはいえ作るのには
 それなりの手間がかかったんですけどねぇ…。
 仕方がありません、あなたを使わせて頂くとしましょう」
66獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:51:32 ID:29ysoDAW
リチャードの右足は既に真紅に染まり、それは地面へと広がっていっている。
太股から未だ血は吹き出ているのだ。消耗しているのは目に見えていた。
もはや彼の手には武器もない。
魔法を使うだけ魔力の損と考えたのだろう。
ニバスはビーストキラーを構え悠然とリチャードへと歩いてきた。

リチャードも逃げるつもりは毛頭ないようだった。
あれだけの出血をしているのだ。立っているだけで精一杯だったのかもしれない。

「あなたの死体は我が研究の礎となるのです。
 "有効活用"して差し上げますので安心してください」

既に、二人の間は手を伸ばせば届くほどに近づいていた。

「では、お別れです。死んでください」

一歩踏み出し、ニバスはリチャードの胸へとビーストキラーを突き立てようとして――

キィンッ!!

赤い、閃光のような障壁に弾かれた。

「ッ!!?」

「知らないのならいい機会だ、教えておいてやろう」

予想外の出来事に、ニバスの動きが一瞬だが硬直した。
そしてそれを見逃すリチャードではない。
ニバスが突き出したままの手に素早く手刀を落とす。

「――がはっ…!」

ニバスの手が握っていたビーストキラーが地へと落ちる頃には
背負い投げによって彼の老体は木の幹に叩きつけられていた。
肺の空気が無意識に押し出され、苦痛の呻きが森にこだまする。

「王たる騎士、キングスナイトは貴様のような下衆が触れられぬよう
 障壁を張る術『大盾』を習得しているのだ」

地面に落ちたビーストキラーを拾いつつ、悠然とリチャードが言った。
立っているだけで精一杯?とんでもなかった。
獅子の目は、死んでいない。
片足を射抜かれた程度では、獅子は猫にはならない。
ニバスは、手負いの獅子を完全に甘く見ていたのだ。
67獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:52:06 ID:29ysoDAW
だが、相手が失血により消耗しているのは間違いない。
ニバスもこのままやられるほど諦めはよくない。

「大いなるゾショネルの加護により炎の精霊に命ず…ごッ!!?」

ファイアストームの詠唱は強制的に中断させられた。
リチャードが思い切りニバスの腹を蹴り上げたのだ。

「まだ悪あがきをするか。炎の精霊…森に火を放ちドサクサで逃げるつもりだったのか?
 それとも俺に放つつもりだったのか?どちらにせよ……」

ベキッ!!

獅子王がもう一度、屍術師の横っ腹を強烈に蹴り上げた。
骨の折れる音が響いた。

「俺の死体を"有効活用"だと?俺の死体は豪奢な墓に入れる以外の活用は認めん。
 ふざけたことをほざいた落とし前はつけさせてもらう」

手の中でビーストキラーを鮮やかに回しつつ、獅子は死刑宣告をする。

「私は…まだやらねばならぬことがあるというのに……」

「知るか。くたばれ」

獅子の判決が下り、ビーストキラーが横たわる老人へと振り下ろされた。



「な…んだと…!?」

わき腹が、背中が熱い。
そこに攻撃を受けたとリチャードが理解するのにそれほど時間は必要なかった。
乾いた銃声が三発、聞こえたのだから。
68獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:53:10 ID:29ysoDAW
苦労して斜め後方を見遣ると、心臓を貫かれたはずの男が胸にヴォルケイトスを刺し
横たわったまま、こちらに金属製の武器を構えていた。
その先端から立ち上る煙が何か恐ろしいもののように見えた。
三点射。一発ははずれたようだがダメージとしては十分だった。

「……化け物め」

そう吐き捨てるのが限界だった。
元々右足の感覚は消えかかっていた。そこに更なるダメージ。
痛みと失血に耐えかね、ついに獅子王は地面に倒れこんだ。

「やれやれ、今回は本当にダメかと思いましたねぇ」

立ち上がりながら、衣服についた埃を払う老人。
完全に形勢は逆転してしまった。

「あの失敗作には感謝すべきですかねぇ。それに、銃という武器についても
 認識を改めたほうがよいかもしれません」

「……あの男は…なんなんだ…」

「私が作り出したデスナイト――俗に言うゾンビです。まぁ出来損ないですがね。
 あなたも今からああなるのですよ」

「……死んで…も…ごめんだ」

リチャードの声が弱々しくなっていく。背中に受けた銃弾がどこか重要な器官に
被害を与えたようだった。

「死んでからこうなるのですよ。さて、もう反撃できるとは思えませんが
 今度は魔法を使わせていただくとしましょうか」
69獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:53:54 ID:29ysoDAW
視界が暗くなってきた。
痛みももう感じなくなってきた。
一度死を経験したからこそ分かる。自分は死ぬのだと。
目の前の男の行動によってそれが10秒後になろうともはや関係なかった。

「心冷たき王妃の吐息よ…」

残念だが、獅子王リチャードもこれまでだな…
許せ、レダの民よ。まだ復興も中途だというのに間抜けにも王は力尽きる。
目の前に浮かんできたのは俺が惚れた女、ティーエの顔。
届くかどうかは分からないが、もう一度言おう。
―――戦え、最後まで。

「氷の刃となりて大地を切り刻め…」

アイクは無事離脱しただろうか。
できればこのじじいを打ち滅ぼして欲しいところだが。
とにもかくにもこれであいつへの借りは返せただろう。
―――貸し借りなしだ。

「アイスブラスト!」

最後に浮かんできたのは…グラナダの小僧。
そういえばこいつへの借りもまだ返していなかったが…まぁ構わんか。
そんなことより死ぬ直前に見るのが貴様の生意気な顔だとは死んでも死に切れん。
失せろ。二度と顔も見たくない。だから……

「せいぜい生き延びろ、ホームズ」

魂も凍て凝る冷気が辺りを包み込み、一人の獅子が散った。




「新たな素体が手に入ったのはいいのですが随分と痛めつけられてしまいました。
 治療と研究、並行してやったほうがよさそうですねぇ」
70獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:54:32 ID:29ysoDAW
近くに落ちていた支給品の入った袋と自らの短剣を回収しつつ屍術師ニバスはぼやいた。
そして目の前で氷漬けにした男を触り、術を施そうとした瞬間に
違和感がニバスの身体を走った。

「……最初に魔法を使った時点で感じてはいましたが…なるほど、力の制限ですか。
 この首輪に呪いでもこめられているのか……それとも別の要因か。
 しかし、私の研究にまで制限がかかるとなると
 この空間は思った以上に不便ですねぇ」

そして、目の前の男と離れた場所で倒れている従者を交互に見る。

「どちらにせよ、これで材料不足も少しは解消されるでしょう。
 さて、どちらをベースにしましょうかねぇ?」

【G-6/森/一日目/午後】
【ニバス@タクティクスオウガ】
[状態]:肋骨骨折・背中を強打
[装備]:ビーストキラー@暁の女神
[道具]:支給品一式×3、拡声器、不明アイテム、光の結界@暁の女神
[思考]1:保身を優先、隙あらば殺人
    2:実験材料(死体)の確保
    3:手に入れた材料を用いて実験再開
    4:傷の治療

【ムスタディオ@FFT】
[状態]:アンデッド
[装備]:リムファイアー@タクティクスオウガ(7発消費・残弾不明)
[道具]:空のザック
[思考]:ニバスを守り、他の参加者を殺す

【備考】
折れたヴォルケイトスの柄・折れたヴォルケイトスの先端が転がっています。

【リチャード@ティアリングサーガ 死亡】
【残り46人】
71獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:55:09 ID:29ysoDAW
「…あ」

アイクが素っ頓狂な声をあげた。
近くの森に逃げ込み、マントやバンダナを用いて止血を施したところで
ふと、あることを思い出したのだった。

「鴉王に言われたあの石化した少女、置いてきてしまったな…」

右腕の怪我はやはり軽傷だった。すでに血も止まっている。
だが、左肩の怪我はあまり思わしくなかった。かろうじて血は止まったが
傷の付き方が悪く放っておくと化膿するかもしれない。
利き手である右が無事な以上、戦うことに関しては当面問題はないが
シスターに治療を受けるなりちゃんと消毒するなりする必要がありそうだ。

「放っておくのも気が引けるが……正式に依頼を引き受けたわけではない。
 暗くなる前に肩の治療をしてしまったほうが都合がいいな」

リチャードは無事だろうか?
………十中八九、無事では済んでないだろう。
応急処置は施したし今からでも向かうべきかもしれないが……
彼の意志を無碍にする結果にだけはしたくなかった。

「まずは、傷の手当ができる人物ないし薬を探そう。あと肉だ」

【F-7/森/一日目/午後】
【アイク@暁の女神】
[状態]:全身にかすり傷・左肩にえぐれた刺し傷・右腕に切り傷(全て応急処置済み)
    貧血(軽度)・疲労(小)
[装備]:エタルド@暁の女神
[道具]:支給品一式(アイテム不明)
[思考] 1:こちらからは仕掛けないが、向かってくる相手には容赦しない
     2:左肩の傷をちゃんと手当したい、あと肉
    3:リチャードの安否が気になる
     4:ラグネルを探す
     5:4が出来次第、漆黒の騎士を探す
     6:仲間達との合流
    7:ゲームの破壊
    8:あの石化した少女……まぁいいか
72獅子王リチャード ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:56:46 ID:29ysoDAW
幸か不幸かはさておき、ニバスは石化した少女に気付いていないのか
それとも全く興味がないのか目に入っていないのか。
ニバスならば石化の解除もできるだろうが…解除されたとしても
その後、紳士的に扱ってもらえるような展開にはならないだろう。
そう考えれば、ソノラにとってはやはり幸運だったのだろうか。

ソノラが石化してからもうすぐ10時間が経過しようとしているが
未だに彼女の思考は停止したまま――。

【G-6/森/一日目/午後】
【ソノラ@サモンナイト3】
[状態]:石化中
[装備]:石化銃@FFT(弾数6/6)
[道具]:支給品一式、弾丸(24/24、他の銃に利用可能かどうかは不明)
[思考]:……
[備考]:石化しているため、一切の思考・行動を行えません。
73 ◆637opSQfIo :2008/03/23(日) 19:58:23 ID:29ysoDAW
投下完了です。
誤字脱字など何か問題があれば指摘お願いします。

彼らしいと感じていただけたなら幸いです。
74助けて!名無しさん!:2008/03/23(日) 20:28:24 ID:+hXtuuFx
乙!
ムスタディオとソノラがらしいと思った
75助けて!名無しさん!:2008/03/23(日) 21:29:20 ID:hD7zOiFT
乙です。
リムファイアーは残り11発かな。以外と消耗するものだなぁ……。
それにしても久々に死人が出たね。リチャードかっこよかった!
76助けて!名無しさん!:2008/03/23(日) 23:23:42 ID:voQR02MJ
お疲れです!
リチャードかっこよかった…
77助けて!名無しさん!:2008/03/23(日) 23:26:12 ID:xFCCuXO2
おおう。なるほどニバスをそう動かしたか。
しかし最後まで読むまで全く展開が予想できなかった。
予想は裏切り、期待は裏切らない。
最後までいい仕事をする◆637opSQfIo氏に嫉妬しますw
78助けて!名無しさん!:2008/03/23(日) 23:39:06 ID:6rvUm+iy
激しく乙!
シリアスでかっこいい話だったのに
不覚にも最後の肉に吹いてしまったw
79助けて!名無しさん!:2008/03/24(月) 01:32:33 ID:pJAKq76z
参加者達が主催者対策に筆記で会話したりする場合もあるようだが
そういえば主催者一味の中にディスガイア世界の力を持ってル奴がいた場合は遠距離の人物の行動を確認できたりする力がある可能性もあるのかね?
ラミントン様が魔界生活のフロンの様子を天界から伺ってたりしたし。
まあ主催者側は普通動かんだろうから遠距離覗き見ができたところであまり関係ないかね。
80助けて!名無しさん!:2008/03/24(月) 07:23:43 ID:DcYYCpDb
そのためのプリニーっす。
81助けて!名無しさん!:2008/03/24(月) 21:57:34 ID:Fj//qfV7
放送までに描写必須っぽいキャラって

まだ昼のアルマ、
戦闘中のナバール、デニム、カチュア 、
一触即発のリュナン、ラハール、ラムザ、

逆に放送直前まで書かれててもう書けないのは

漆黒の騎士、ハーディン、アティ、ヴァイス、チキ、レンツェンハイマー、
オグマ、アズリア、イスラ、
ルヴァイド、カトリ、ハミルトン

そろそろ放送案が必要な時期かもしれない
82助けて!名無しさん!:2008/03/25(火) 20:00:01 ID:+dEGQvEQ
死者スレ乙w
サモナイキャラがネタキャラと化しとるw
83 ◆6xmg9r73RU :2008/03/25(火) 20:04:28 ID:HmrhjY5b
実生活がえらい事(リストラ〜w byリュウタロス)になってしまって
宣言してたハミルトンさんは見事にボツったw
でも再就職先も決まって落ち着いてきたので放送前に誰かを動かそうと思います。

本来ならば、したらばに載せるべき事なんですけど編集時の画像認証を消しました。
というより、こんなのが今まであったことにすら気づいていませんでした…すいませんorz
管理人の堕落中に編集された方々には感謝に耐えません。
これからもご協力をお願いします。
84 ◆6xmg9r73RU :2008/03/25(火) 20:06:44 ID:HmrhjY5b
>>編集時の画像認証を消しました。
wikiの事です。
言葉足らずでしたorz
85助けて!名無しさん!:2008/03/25(火) 20:17:45 ID:+dEGQvEQ
管理人さんが返ってキター!!
何かあったと思ってたがそんな大変なことがあったとは・・・
wiki修正激しくお疲れ様です
無理せずに頑張ってください。
86助けて!名無しさん!:2008/03/25(火) 21:05:40 ID:YV3PmXtm
>>73
乙!ニバスたんがもう死んじまうのかとハラハラしたがそう来たか。

>>74
書き手が少ないんだから、そういう感想はやめようぜ。

>>81
放送案の争点といえば
・放送をする人(ヴォルマルフ等)
・ご褒美(存在をほのめかす・死者蘇生・願いを叶える等)
・伝え方(テレパシー・拡声器放送等)
以外に何があったっけ。


管理人さんおかえりなさい!次回作にwktkしてますが無理しない程度に・・・。
画像認証の件、ないとは思いますが荒らしには気をつけて。

87助けて!名無しさん!:2008/03/25(火) 22:57:20 ID:EvMcybGP
>>86
放送案の争点はそれぐらいだったと思う。

カーチス等の切れるキャラがヴォルマルフの一方的な放送から
逆に釣り出して会話に引きずり出して何らかの駆け引きを行うというのも
面白そうだけど、やりすぎると収集つかなくなりそう。
むしろ誰かこういうネタをやってくれという感じ。
上で言ってたスレッド、誰かしたらばで建ててくれないかな?
88助けて!名無しさん!:2008/03/26(水) 20:03:53 ID:DayVIcF7
>86>87
志村ー!禁止エリア、禁止エリア!!

個人的な意見としては
禁止エリアは密集している拠点の分散とか、
プレッシャーを与えたり考察ネタに使えるので入れてほしいところ。
放送をする人は把握でキャラを増やさないためにもヴォルマルフのみか出てもプリニーくらいで、
ご褒美は無理に決めなくとも、真偽はともかく死者蘇生等の願いを叶えることをほのめかすくらいで、
伝え方はどこからともなく聞こえるでもなんでもいいと思う。

>87 上で言ってたスレッドってこんな感じ?

スレタイ:展開予想・プロット公開スレ

【注意!】
ここは展開予想をしたり、展開は思いつくけど筆力が無いため書けない等でプロットを公開するスレです。
ネタばれ等が嫌な方はご遠慮ください。
このスレから本投下SSが出ても叩かないこと。

【書き手殿へ】
ネタに困った場合にこのスレのネタを参考にしていただけると幸いです。
89助けて!名無しさん!:2008/03/26(水) 22:20:29 ID:PFXY03xm
>88
まさにそんな感じでお願いします。
まあ話しの展開で人が絡み易い場所に誘導するために
禁止エリアを設定するのも悪くないけど。
多分、C-3の村が禁止エリア筆頭候補になりそう。
まだまだ一度も使っていない施設が沢山あるから
そっちに誘導したいし。
90助けて!名無しさん!:2008/03/26(水) 22:27:38 ID:6jezbKN9
禁止エリアで思い出したけど、このロワでは禁止エリアに入ったら即首輪爆発のルール?
AAAロワや漫画ロワでは禁止エリアに入ってもカウントが入ってすぐに爆発はしないみたいだけど
そこらへんも決めた方がいいんじゃないか?
91助けて!名無しさん!:2008/03/27(木) 00:38:04 ID:5Z7UmAyD
いきなり施設を禁止エリアにするのはもったいないと思うよ。
村ならB-4とか周りを禁止エリアにしてプレッシャーを与えるとか。
92助けて!名無しさん!:2008/03/28(金) 18:23:52 ID:lPtrCrOf
すいません。ナバール&デニム&カチュアを予約していいですかね?
プロットは決まっているものの、少し時間はかかりそうなので。
93助けて!名無しさん!:2008/03/28(金) 20:13:22 ID:zmvnhtyR
+   +
  ∧_∧  +
 (0゜・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゜∪ ∪ +        
 と__)__) +
94助けて!名無しさん!:2008/03/29(土) 19:59:49 ID:Prr1zk12
暗黒書き手バルバス
「待っていたぜ、読み手!! この作品に凄まじい指摘で攻めてくるとはいい度胸だ!

読み手
「そう言って、他の書き手の作品は没になったぞ!

暗黒書き手バルバス
「生意気な読み手だ! ・・・おまえにいいものを見せてやろう。
 これがなんだかわかるか?
 これは『禁止エリア』と呼ばれるシステムでな、中に入ると死ぬんだとよ。

暗黒書き手バルバス(禁止エリア設定把握ミス時)
「くそッ、やっぱりこんなものはだめだ!
 おい、貴様ッ! 貴様が場所を設定しろッ!

暗黒書き手バルバス
「書き手は熱血展開で戦えということだな! いくぞ、読み手!!


バルバスが鬱展開作品を投下したのを聞いたのは、
それから2日後のことだった…
95助けて!名無しさん!:2008/03/29(土) 20:53:03 ID:POICVaeK
個人的には
・アナウンスはヴォルマルフ。
・殺しが少ないという理由で、ご褒美があることをほのめかす程度でいいのでは。
・禁止エリアは個人的にはB-3 B-6 E-3 E-7 F-6 G-2 G-4あたりがオススメかと。
 まだ移動に関してあまり弊害にはならないほうがいいであろうと思うので。
 施設は残しておいたほうがいいのかな。1つくらいは潰してもいいかもしれないけど。
・新作楽しみにしています。
・死者スレGJすぎる。
・爆発描写に関しては、最初の描写した書き手任せ?
 自分が描写できるなら1分程度の余裕を作ろうかと思いますが。
96助けて!名無しさん!:2008/03/29(土) 21:17:04 ID:ArQVPDec
まあゲームを盛り上げる案としては
・非力な人間への救済措置、あるいはご褒美を裏付ける「手付金」としての「貢献者」への支給品の投下。
(本来バールの所持品のMAPへの投下、または会場に召喚した際に没収した所持品のランダム投下)
・死亡者が出なかった場合のタイムリミットの短縮(24→12時間)への短縮。
 つまり、この場合は放送時から次の放送時までに死者が出なければ全員死ぬことになる。
 死者を一人でも作り出しているものは安心できるが、引きこもっているものは不利になる。 

こういうのは、本来キャラクターの側から主催側に提案させた方が面白いのだが、
それを喜々としてやりそうなキャラクターが今回のロワでは絶無だから。
97助けて!名無しさん!:2008/03/29(土) 21:35:03 ID:NF0m66Nu
ttp://www36.atwiki.jp/srpgbr/pages/170.html

まだ作成途中ですが、こんなものでいいでしょうか?
98助けて!名無しさん!:2008/03/29(土) 22:03:38 ID:7g/Ilo1q
>97
激しくGJ、支給品一覧へのリンクがあればもっといいかも。
「個別支給品表」のページは「メニュー」か「支給品一覧」内ページにリンクを作ればいいと思うよ


他ロワみたいに3か所禁止するならここがいいかな
自分も施設は潰さない方がいいと思う

B-3:村組へのプレッシャー
F-5、F-6:死に拠点のH-7の城へ誘導

爆発描写は他ロワみたいに禁止エリア入ったら警告音が出て1分で爆発でいいと思うよ
99助けて!名無しさん!:2008/03/29(土) 22:37:48 ID:ArQVPDec
あと気になったのは、カーチスって一応「機械」が7割も
混じった人間だけど、ネスティはそれに「アクセス」できるのかな?
もしカーチスが先に死んだ場合、それまでの記憶媒体全てに触れることが
できるのかなとは思ったけど。
あと、カーチスにとって「ボディ・スナッチ」は恐ろしいほどのメリットがある。
他人の身体と交換すれば、体の約七割が機械の「おたから」を手に入れることも可能だから。
交換された人間の魂は、まあ合掌ということになるから使いどころは難しいのだが。
100助けて!名無しさん!:2008/03/29(土) 23:22:35 ID:Vcug/sjL
>>99
生身の部分も混じった機械魔にアクセスして爆破を止めようとする描写が本編にあるから、
純機械じゃなくてもアクセスできると思う。
ところで「ボディ・スナッチ」って具体的にどういう技なんだ?場合によっちゃ能力制限に引っかかってる
可能性もあるかもしれないし…。

それとは別に思ったんだけど、このロワ内でレシィの審眼って使用可能?一応メトラルの魔眼の方は
使えるみたいだけど、これも一撃死に分類されるかな?
101助けて!名無しさん!:2008/03/30(日) 00:13:11 ID:EdFdrtfP
>>99
カーチスって電脳化しているの?
身体は機械でも脳は生来のものだと思うんだけど……。
102助けて!名無しさん!:2008/03/30(日) 00:30:42 ID:nJYiWQxR
ボディスナッチに関しては、まさしく身体を入れ替えるという認識でいいのだろうか?
SRPGバトルロワイヤル1 で、誰かが冗談で『超展開は止まらない』を投下してたけど
あんな感じなのかな?

身体交換→そいつを倒す→部品入手という流れなんだろうか?

>>101
身体のどこかに記憶をメモリにコピーしてる可能性もあるし、
そこはあまり気にしなくてもいいんじゃ?
なんかカーチスの死亡フラグがゴロゴロ転がってるなぁ。
103助けて!名無しさん!:2008/03/30(日) 00:45:30 ID:P6mDgOF/
あの作品はガチだと思ってたな。
まあ、本当に体入れ替えてる技だよ。
力とか体力は相手のもの、精神力とかは自分のもの。
104助けて!名無しさん!:2008/03/30(日) 07:11:01 ID:DWz1Zcvw
>>103
あの作品とカーチスで馬鹿な超展開ネタ思いついた。
採用される可能性はかぎりなく0に近いが、
想像すると笑いが込みあげてきたので書いておく。
105助けて!名無しさん!:2008/03/30(日) 12:02:40 ID:dVHydyQ4
>104
したらばの展開予想・プロット公開スレの>4に吹いたわw
それまでの過程が何とかなり、一定時間で元に戻る制限とか付けたら採用されるかもしれんw
106助けて!名無しさん!:2008/04/01(火) 02:25:54 ID:MUNhNgXJ
 リュナン「ラハールとラムザ。君たち、餃子になってもらうよ」
 ラハール「やめろ!早まるなリュナン!!」
 ラムザ「そうだ。やめろ。こんな馬鹿な真似!」
 必死にリュナンから逃れようとするが、
 彼らはすでに餃子の皮の中だった!

 次回、「餃子の味はウェットティッシュ」
 お楽しみに!

エトナの音声でお楽しみ下さいby新・いきなり次回予告 保守。
107助けて!名無しさん!:2008/04/02(水) 10:55:17 ID:7io1yzns
あー、ふと思ったんだけど。
ふと思ったんだけど、カトリって一応は竜だから
竜玉石で交信してしまう可能性ってアリになりますか?

あと、聖石ヴァルゴにふさわしい肉体は、
やはりアルマ一人のみってことでいいですかね?
108助けて!名無しさん!:2008/04/02(水) 12:44:03 ID:iJtmI7W4
両親共に人間だしカトリが竜ってのは違うと思うが、交信できても不思議はないとは思う。

ヴァルゴにふさわしい肉体はアルマのみなのは間違いないが
ラムザは本編終了後から参戦だし、聖天使とアルマは分離済みと解釈することも可能で
話の流れ次第ではアルマを介さなくとも出てくると思う。
聖石の奇跡は心の綺麗な人ならば実現できるかもしれないが。
109助けて!名無しさん!:2008/04/02(水) 19:23:54 ID:f4oa78S8
なんとなくNo.063 獅子王リチャード までの
他参加者との遭遇人数Best3

1位 ヴァイス:11人
アグリアス、フロン、カトリ、ルヴァイド、エトナ、アルガス、漆黒の騎士、ハーディン、アティ、レンツェンハイマー、チキ

2位 デニム:8人
アルマ、ティーエ、ネスティ、イスラ、マルス、カチュア、ベルフラウ、ナバール

3位 イスラ:7人
アルマ、ティーエ、ネスティ、デニム、オグマ、アズリア、パッフェル

こんだけ会ってるのに同作品キャラと全く会ってないヴァイススゲーw


ちなみにワースト

中ボス、ウィーグラフ:1人
110助けて!名無しさん!:2008/04/02(水) 19:36:12 ID:87LxLCso
>>107-108
というか竜玉石って近くにいないと意味がないよ。
交信っていっても、あれは人語を話せないドラゴンと意思疎通できるだけだから。
111助けて!名無しさん!:2008/04/02(水) 19:47:07 ID:iJtmI7W4
そうなのか、ナバールさんの勘違いが多くの人間に感染してるな。

ヴァイスはTOの人間に会ったらそれだけで死亡フラグになりかねんな。
つーかあれだけ書かれてそれだけ会ってよく12時間生き残ったもんだ。
112助けて!名無しさん!:2008/04/02(水) 20:18:34 ID:7io1yzns
>>111
なんかヴァイスに生存者全員と合わせたくなってきた。
ただでさえ全生存者中で一番酷い状態表がさらに面白いことになりそう。
113助けて!名無しさん!:2008/04/02(水) 20:23:40 ID:7io1yzns
あ、よく考えてみればビジュも死体で遭遇している。
114助けて!名無しさん!:2008/04/03(木) 14:13:14 ID:k1vnTkV3
禁止エリアは一つぐらい誰かが留まってるエリアを入れたいな。

あと、殺しの速度がゆっくり目なのでなんとかしたいかな。
現在、マーダーかそれに近いスタンスのキャラをジョーカーにしてみたり
ご褒美システム導入してみたり
旅の扉システムで一旦バラバラにし直したりとか(これは新しく地図もいるから面倒だけど)
中ボス組とか新しい風をいれなきゃどうにもならんしなw
115助けて!名無しさん!:2008/04/03(木) 19:02:43 ID:F4BNqdhB
拠点以外でとどまってる所は
フロン組かネスティのいるところぐらいか

旅の扉システムで一旦バラバラにするなら次のマップは
・サモンナイト2のワールドマップ
・サモンナイト3のワールドマップ
・FE紋章の謎の第1部第1章
ぐらいがいいかも

他は適度な大きさのマップがない
ティアサガはやってないのでわからんが

飛ぶ方法はいきなりデジョンか、
ディスガイアのアイテム界みたいなゲートがいいかも

ご褒美システムはあっても乗りそうなキャラがもういないから、
ジョーカー化の方が現実的かなぁ
116助けて!名無しさん!:2008/04/03(木) 20:07:55 ID:baW1Y0uw
次の放送で“望むままの褒賞”が死人を生き返らせることも不老不死も可能だという言葉を添えるぐらいでいいんじゃないかい?
フラグもあるのにマップを変える意味はない。書き手が書きにくくなるだけだ。
死亡ペース減少の対策はジョーカーが現実的だが、まだ序盤の段階でそれを出してしまうと後半行き詰まる可能性もあるからなぁ……。
117助けて!名無しさん!:2008/04/03(木) 20:19:57 ID:k1vnTkV3
人外のディス組にがんばって欲しいけど、ラハールは手綱を握られてるしなwエトナに期待
放送で揺らぐキャラは誰だろう。
アメルでマグナぐらつかないかなーとは考えてる。
サモン2の人間関係はマグナ中心すぎるからw
118助けて!名無しさん!:2008/04/03(木) 22:25:04 ID:mdBQ4q9v
マグナが死んで自分を保ててそうなのがルヴァイドしかいないもんな。<サモン2勢
まあ今のところネスティが死亡するか、アクセスできないみたいな展開にならない限り
タルタロスに殺される心配はないけど。
119助けて!名無しさん!:2008/04/03(木) 23:17:16 ID:W6TWakkX
まあジョーカー候補というか、内通者や狂言回し作りに何人かのマーダーに接触図る展開は面白いかもしれん。
思うより死傷者の少なさに進行役の焦りも出せる。
まあ追加支給品を各施設に投下するのもいいかも。必然的に人が群がる事になるから。
120助けて!名無しさん!:2008/04/03(木) 23:36:46 ID:W6TWakkX
まあ逆に言えばタルタロスにとってマグナに利用価値がなくなれば即座に死亡フラグがたつのだが。
例えばジョーカー化してマグナと組む意味がなくなるとか。

ラハールにしたところで、リュナンに非道を働けば即座にタッグ解消の可能性もある。
ロワの人間関係が安定化し過ぎている感があるから、誰か精神的支柱を奪うなりコンビ解消したほうがいいかも。

ネスティの役割もカーチスが引き継ぐことは出来るし、彼の機械と融合した体はカーチスにとって
「おたから」たりえる可能性もある。
121助けて!名無しさん!:2008/04/03(木) 23:59:25 ID:/jjvMTqA
リュナン・ラムザを書いているがタッグ変化に関しては少し考えている。
というかラハールを仕留めようと思ったが展開が浮かばなかったのは内緒。
ただ、放送後にちょっと人がちゃんと集まるかどうかは分からないが
ちょっと書いてみたい話はあったりする。

放送の内容次第では情勢が変わるから、今はコレでいいか、とか思って書いてるんだがどうだろうか。
122助けて!名無しさん!:2008/04/04(金) 00:16:27 ID:MeDf/tw1
どこかでカレーの悲劇をやりたいが毒は出てないんだっけ。
ドラクエの皆殺しの剣みたいなお手軽マーダー作成アイテムがひとつ欲しい所。

放送行くには、あとどの組を書けばいいんだろう?
まだたくさんいるなw
123助けて!名無しさん!:2008/04/04(金) 00:24:27 ID:9nUNm4KZ
                   /! _ ト、
                ,r‐ '/l「!ト、!:::\  ヨンダカ?
                !l::::::!:.!:l,!:::!::::::::l
                !!:::::l:.l:::!::::!::::::::!|
                 'l|ト、ヽ:::::/:::::::;' !         _ __
     (⌒`⌒⌒')     .)ヽニVニイ!r'´!       , ´i `、 ヽ
     |       |.    ィr(:::ヽ::::::! !:::ノ:ヾ!:::!..... │ ./(ソ仝ノi ,, \
     |_l_l___|.    \ミト、r‐'┴―‐::/ ..... │ レリ ゚д゚;从ヽ、j ヨンデナイヨンデナイ
     ノ i ノ三))〉       [| ̄ ̄ ̄ ̄ |]    ├⊂ !⌒允^⌒ヽ
    ルriリlll゚д゚ノl.       .|        |.     │ ./《! .个 |ト l
    /.イフ∪Xじ  ヽニフ  |____|  ヽニフ く//ソ----|| j
   ノ とiく_/__)__| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|~~~し'し'~~~
   ━┳━┳━..||~~~~~~~~~~~~~ ||~~~~~~~~~~~~~~||━┳━┳━
     ┃  ┃  ||            ||          ||  ┃  ┃
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

SRPGロワなんかでカレーつくったら毒は出ないけど
しっこくはわいて出てくるかもしれない。
124助けて!名無しさん!:2008/04/04(金) 19:09:41 ID:D79zZ7gl
>>122
毒はアイテム扱いでいいんじゃないだろうか。
というかカレーの悲劇は別に毒にこだわらなくてもいいと思うが。
お手軽マーダーアイテムはゴロゴロ転がってるぞ。
オリビアとかハーディンとか。

ナバール組もラムザ組も書いている人がいるのなら、
とりあえず放送に入ってもなんとかなると思う。
時間が昼で止まっているアルマや、
日中のネスティ・ホームズ組・タルタロス組・アグ姐組は描写が欲しいけど。
125助けて!名無しさん!:2008/04/04(金) 19:20:43 ID:FOf5mV88
>123
基本支給品の食料のしっこくカレーとサモナイト石で誓約したら
しっこくが召喚できるわけですね、わかります

>122
自分は>81のキャラが書かれればいいかなと思ってる
他は時間経過しても何とかなりそうだし
126助けて!名無しさん!:2008/04/04(金) 20:33:52 ID:WsN2ajT6
それ以前にカレーの悲劇そのものに拘る必要はないと思う。
あれはステルスが集団に潜んでいるからこそ活きる部分もあるし、
材料の制限もあるこのロワじゃ難しい筈。

それにしても地図見た限りだと、オリビアが完全に孤立してるな。誰か向かわせてあげないと
誰にも知られずに塔が禁止エリアになって死ぬぞw
127助けて!名無しさん!:2008/04/04(金) 21:45:40 ID:9nUNm4KZ
>>125
こんな感じ?

ベルフラウ「でてらっしゃい!」

No.459 鬼属性    召喚辞典

MAGIC        MPCost
漆黒の騎士
 A月光         100
 Sしっこくハウス    170 

※Sは市街戦でしか使えません。

メイメイさんの幸せ改名相談で「印付」または「親無」と
入力すると消費MPが1.2倍になります。
本名を入れると、「まんざらでもないらしい」と出て威力が強化されます。
128助けて!名無しさん!:2008/04/04(金) 22:08:31 ID:FOf5mV88
>127
吹いたwしかししっこくハウスが地味に使えないw
無限回廊でもラスボス戦でも使えないしw
属性は何でもいけそうw
129 ◆637opSQfIo :2008/04/05(土) 16:08:32 ID:OCplkZcm
ちょっと仮投下スレに投下してみました。
顔写真つきの名簿とそうでない名簿が過去SSの中に点在してたので
ちょっとそこらへんのムリヤリ気味の解釈を。

リュナンの心情描写などもまだ中途で肉付けも削りもやってないのですが、
名簿や竪琴の効果の話が無理があるかなーとか自分で思ったり。
130助けて!名無しさん!:2008/04/05(土) 17:14:07 ID:FWEKRZyh
>129 激しくGJ!
最後のあれにはビビった。あれがあんな形でまた活用されるとは・・・

各参加者の共通の支給品(特に食糧)の詳細な内訳は早い者勝ちだけど
名簿って、ミカヤの名簿は写真付きで参加者の情報付きだから
共通の支給品とは別の、アイテムの支給品扱いだけど、
他に写真付きってあったっけ?

別に部下のプリニーの怠けで写真付きも混ざってたでもいいけどw
131助けて!名無しさん!:2008/04/06(日) 02:49:41 ID:q59PvXY9
ラムザとラハールが見てるのは顔写真がついてるっぽいかな。
他あったような気がしたが気のせいだったのだろうか。
そこらへんも考慮して書き直すとします。

雑用させてたプリニーの手違いでラムザのだけは顔写真付きだった、それいいかも(笑)
132助けて!名無しさん!:2008/04/06(日) 08:20:15 ID:Zyx/7qht
食糧かあ。それぞれの原典に関係ありそうなものならこんな感じか。

・ビルネの実数十個(これで二日分)
・豆スープ二日分(ヴォルマルフの手作り♪作り方は元部下から聞いて再現。)
・ジェニファーの手作り弁当二日分
・暗黒まんじゅう二日分
・たこ尽くし(ゆでたこ、たこ刺、たこ焼き)
・ケーキ詰め合わせ
・魚類詰め合わせ(小魚、うなぎ、にゃん魚等…。保冷されてます)

だめだ、異常なまでに栄養分が偏り過ぎている。
133 ◆637opSQfIo :2008/04/06(日) 22:42:40 ID:q59PvXY9
では、投下します。
自身の決断は間違ってはいなかった。
城の監視に見切りをつけて街道沿いに移動してみようと考え、
リュナンは街道に出て歩き始めた。そして大した距離を移動することなく
名簿を覗きながら座り込んで話をしている二人(人か?)組を見つけた。

しかし、あろうことか街道の真上に座り込んで話をしているのである。
よほど実力に自信があるか、それとも現状を把握できていない者か。

近づいてみると分かったが少なくとも後者ではなさそうだ。
雰囲気。
現実逃避をして開き直っているわけでもない。
ましてやピクニック気分で森を眺めているわけでもない。
"こういった"場に慣れている者特有の何かを、
リュナン自身もそうだからこそ感じる。

そう、感じるのだ。余計なモノも一緒に。
こちらに気付いた少年が、笑顔を浮かべて鳥?に何かを言っている。
そして鳥っぽいほうはその少年に何か言い返している。
声はよくは聞こえないが焦っているような口調であることは察せた。
それに対して20%UPの輝きを放つ笑顔で何かを語っている少年。
呆然とその話を聞き、はっと気付いたように
その少年の肩を掴み説得らしきものをしている鳥。
鳥の手?を払い除け、こちらに更に20%UPの笑顔を見せる少年。

友好的な笑顔?とんでもない。確かに清々しい輝きを放つ笑顔だ。
邪悪さとか凶悪さとかを通り越しての清々しさ、であったが。
笑顔が似合うはずの歳に見える彼のその表情は海賊ガロの笑顔並に迫力があった。
早い話が殺気がこもっているのである。しかも非常に濃い目の。
135毒はただただ回っていく ◆637opSQfIo :2008/04/06(日) 22:45:23 ID:q59PvXY9
再び鳥のほうが手振りを交えて諭すような感じで少年に語りかけ始めている。
そこでふと気付いたが、その説得されていると思しき少年には見覚えがあった。
最初の広間でヴォルマルフという騎士に文句を言おうとして、
殺されてしまった巨人に吹っ飛ばされた"自称"魔王の少年だ。
あの巨人に吹っ飛ばされてすぐに立ち上がっていたところを見る限り
本当に魔王かどうかは分からないが只者ではない。
魔王と聞いて、よい印象を抱く人は…普通いないだろう。
仲間を求めて前へと歩んでみたはいいがとんでもない参加者と遭遇したものだ。

選択肢は2つ。

@このまま接触
少なくとも彼はヴォルマルフを快くは思っていない。それは間違いないだろう。
そして、彼の連れである鳥は先程の挙動を見る限り
好んで争いをしようというわけではないようだ。
もしあの少年が殺し合いに乗っている人物なら
殺し合いをするつもりがない鳥と一緒に行動する理由はないのでは。
ということは仲間となれるのではないだろうか?

A逃げる
三十六計逃げるに如かず。
もしかしたら自分の考え付かないような協力体制が
彼らの間で築かれている可能性もある。
現に、少年はこちらと闘る気マンマンな気がしてならない。
手持ちの武器は……使い方がイマイチ分からないので鈍器代わりにしかならない金属だけだ。


冷静に二つの選択肢を吟味。
そして結論を出そうとしたまさにその時、展開が動いた。
鳥が非常に不満そうな少年を残し一羽でこちらへと歩いてきた。
リュナンは警戒し、体勢を整えつついつでも逃げれるよう周囲をうかがう。
その雰囲気を敏感に察したのか、その鳥が声を発した。

「大丈夫です。僕はこの通り手ぶら。危害は加えません。
 僕たちには………いや、少なくとも僕は平和的な解決を望んでいますから」

鳥が発したのは穏やかな青年の声だ。そして、聞き覚えがある。
136毒はただただ回っていく ◆637opSQfIo :2008/04/06(日) 22:46:04 ID:q59PvXY9
「その声は…広間でヴォルマルフと直に言い争った…」

「ああ、この着ぐるみを着ていては姿が見えませんね。
 初対面の方に挨拶をするときぐらいはこれを脱ぎましょうか」

そういって、鳥の背後から『ジ〜〜〜』という音がし、出てきたのは。

「はじめまして。確か、リュナンさんでしたよね?
 僕はラムザ=ベオブルです」

「確かに、私の名はリュナンだ。だが……」

着ぐるみの中に入ってたからか、汗で金髪がちょっと張り付いている青年のその言葉に
リュナンは戸惑った。

(………なぜ初対面の私の名前を知っているんだ?)


最初のヴォルマルフの説明で、
参加者名簿が各々に配られていることは知らされていた。
そして、自分の名簿を見た参加者は疑うことなく、
他の参加者も同じ名簿が配られていると思うだろう。
しかしこれはヴォルマルフが因縁のラムザへと意図的に仕掛けた罠なのか。
それとも単なる手違いだったのか。ラムザの持っている参加者名簿は
リュナンのそれとは少し仕様が異なるものだった。
名前と共に顔写真が添付されていたのである。

ラムザは迷うことなく初対面のリュナンに名前で呼びかけた。
先程、ラハールと一緒に顔写真付き名簿に目を通していたので
初対面だがリュナンの顔と名前が一致したのだ。

ここが問題だった。
"参加者名簿が全て同じものか"という疑問をラムザは抱かなかった。
137毒はただただ回っていく ◆637opSQfIo :2008/04/06(日) 22:46:36 ID:q59PvXY9
所持している参加者名簿が名前のみのリュナンは
自身の名前を知るはずもない相手に名前で呼ばれた。
謀らずも、これはリュナンが情報的劣勢に立たされているということを彼に知らしめる。
戦場において敵か味方か分からない相手が自分の情報を、
自分が把握していないところで入手している。
これは、非常に危険な兆候だ。
顔や名前以外の重要な情報をあとどれほど持っているかも定かではないのだ。
リュナンが警戒を強めたのは至極当然だった。


殺気満々の自称魔王に、出所不明の情報を握る青年。
結果、押すか引くかを決めかねていたリュナンの腹の内は決まった。

(今の状況で彼らと接触するのは危険だ)

そう結論付けると、リュナンは踵を返して駆け出した。
自身が不運と深読みにより求めていた仲間を見つける機会を放棄したとは知らず。
ラムザが背中に言葉が投げかけられるが聞かないようにした。




「ほぅれ見ろ!話をすることもなく逃げたぞ!
 血の臭いもさせていたし、俺様の敵に違いない!追うぞ!!」

厄介なことになりそうだなぁ、などと頭の片隅で思いつつ
ラムザはラハールのやけに嬉しそうな声が耳に入ってくるのを感じた。

「はぁ……次に会ったときはもう一度僕が話をして"説得"、"勧誘"を試みますから…
 荒事は起こさないようにしましょうよラハールさん…」

「甘いぞ!あんみつを食べながらしるこをすする並に甘い!!
 世の中先手必勝だ!疑わしきは滅せよだ!」

そんな過激な言葉ありません。
なんてツッコミが喉まで出てきたが飲み込み、別の言葉を紡ぐ。
138助けて!名無しさん!:2008/04/06(日) 22:47:00 ID:bI4twm9M
 
139毒はただただ回っていく ◆637opSQfIo :2008/04/06(日) 22:47:08 ID:q59PvXY9
「リュナンさんがなぜ逃げたのか分かりません。
 彼が善良な人間かどうかも知りませんし、
 ここで追ったとしてトラップや待ち伏せの可能性もあります。
 追いかけるなら慎重を期すに越したことはありませんよ」

「安心しろ。俺様がそんな小細工は叩き壊してやる」

(………ストレス発散のための修羅場を欲してるんですね)

場の危険性を訴えるのは火に油ですかそうですか。
がっくし、という効果音と共にラムザの両肩と頭が重力に任せ垂れ下がった。

実際のところ、リュナンが逃げたのはラハールに恐怖してではないだろうかと
思うが、それをいうとこの魔王はさらに喜びそうなのでやめておく。

「俺様と貴様は一蓮托生だと言ったのはラムザ、お前のほうだ。
 さぁて、追いかけるぞ♪」

「………分かりました。僕も巻き込まれますよええ巻き込まれますとも」

半ばヤケ気味に言い放つ。
いっそのこと、これまでの経緯や技術者を捜すという目的を一から懇切丁寧に
ダーラボン先生の真似をしつつ説明、つまり話術『ダーラボンのまね』によって
ラハールを眠らそうかとかプリニースーツを着つつ本気で考え始めたラムザであった。



私は何をしているんだ?
私一人では無力だ。
人を救うどころか、自分の身を守ることすらおぼつかない。
そう思ったからこそ他の参加者と会うために歩み始めたはずだった。
140毒はただただ回っていく ◆637opSQfIo :2008/04/06(日) 22:47:52 ID:q59PvXY9
それなのに、私は何をしているんだ?
確かに彼らは安全とは言い難かったかもしれない。
しかし、会話することもなく逃げたのは間違いではなかったのだろうか。
オイゲンがいたら苦言を呈すだろうか?
自身の決断は間違ってはいなかったのだろうか?
分からない。今からでも戻るべきか?
分からない。今からでも進むべきか?
そもそも、私の考えは正しいのか?
この島を脱出し、エンテやホームズ達と冒険を。私がそれを望んでいるのは間違いない。
だからこそ…オイゲン達ももちろんだが、私やホームズがここで死ぬわけにはいかない。
では、危険を冒して仲間を探してどうする?
もし危険な相手に声をかけてしまったら?
逃げるのか?説得するのか?倒されるのか?倒してしまうのか?

仲間を見つけなければいけない。
死ぬわけにはいかない。
私はどうすればいいんだ?
分からない…
分からない……


走るリュナン。
街道を走っているはずなのにまるで迷宮をあてもなく駆けているような錯覚。
ラムザ達から逃げ出してから、自分の思考が全くまとまらないことに彼は焦っていた。
彼の上下運動に合わせ、彼の髪が、鎧が、マントが、荷物が揺れる。
その振動により袋の中の荷物ががっちゃがっちゃと音を立てる。

走っている彼が雑音の中に紛れる音色に気付かなかったのは仕方なかったのかもしれない。
振動に身を任せ弦を揺らす楽器。
ラミアの竪琴からわずかに漏れる魔性の音は
リュナンの精神を、理性を、少しずつだが確実に侵食していく。

【F-3/平原/1日目・夕方】
【ラムザ@FFT】
[状態]: 健康、後頭部にたんこぶ
[装備]: プリニースーツ@ディスガイア
[道具]: 支給品一式(食料1.5食分消費)、ゾディアックストーン・サーペンタリウス@FFT、
     サモナイト石詰め合わせセット@サモンナイト3
[思考]1:ヴォルマルフ、ディエルゴの打倒
    2:白い帽子の女性(アティ)と接触しディエルゴについての情報を得る
    3:ゲームに乗った相手に容赦はしない
    4:ラハールの暴走を抑える
    5:とりあえずリュナンを追いかけよう
[備考]:現在プリニースーツを身に付けているため外見からではラムザだとわかりません。
    ジョブはシーフ、アビリティには現在、話術・格闘・潜伏をセットしています。
    ジョブチェンジやアビリティの付け替えは十分ほど集中しなければなりません
    自分の魔法に関することに空白のようなものを感じている。(主に白魔術)
141毒はただただ回っていく ◆637opSQfIo :2008/04/06(日) 22:48:28 ID:q59PvXY9
【ラハール@ディスガイア】
[状態]: 健康
[装備]: フォイアルディア@サモンナイト3(鞘つき)
[道具]: 支給品一式(食料0.5食分消費)
[思考]: 1:さぁ敵を追いかけるぞ!
     2:自分を虚仮にした主催者どもを叩き潰す
     3:そのためなら手段は選ばない
     4:何とかして首輪をはずしたい
     5:とりあえず今の状態を打開するまではラムザに同行



【リュナン@TS】
[状態]:脇腹に打撲、肩に軽い痛み(痛みは大分引いている)、焦燥・軽い混乱
[装備]:ロマンダ銃(残弾0/1)@FFT
[道具]:潰れた合成肉ハンバーグ@TO ラミアの竪琴@FFT、不明道具(シーダのもの)
    支給品一式、食料2人分
[思考]:1:私はどうしたらいいのか、分からない…。
    2:ホームズ達他、仲間を探す
    3:レンツェンは見つけ次第抹殺
    4:出来ればヴォルマルフを倒したい
142 ◆637opSQfIo :2008/04/06(日) 22:50:44 ID:q59PvXY9
支援ありがとうございます、投下完了です。
このメンツ相手だと正統派主人公のリュナンは影が薄そうなのでちょっといじってみました。
何かありましたら指摘お願いします。

題名を途中で気に食わなくなって急遽変えたとか言えない。
143助けて!名無しさん!:2008/04/06(日) 23:00:57 ID:bI4twm9M
GJ
リュナン・・・そのまま話し合えば手下という名の仲間になれたのにw
144助けて!名無しさん!:2008/04/06(日) 23:15:32 ID:Zyx/7qht
まあラムザとラハールが濃すぎるからなぁ。
いろんな意味で。
145助けて!名無しさん!:2008/04/06(日) 23:15:56 ID:wki05m2D
激しく乙!
音と匂いのダブルパンチだな
不明も含めればもっとすごいことになるかも知れないw
146助けて!名無しさん!:2008/04/07(月) 00:22:47 ID:kAzd3lcU
リュナンって一人称私だっけ?
147助けて!名無しさん!:2008/04/07(月) 09:11:42 ID:LzVTwKTs
普段は僕、改まった場では私、ですね。
また後で修正しておこうと思います。
148助けて!名無しさん!:2008/04/08(火) 20:47:45 ID:RET6FI+U
保守代りに現在の予約状況

>92氏
ナバール&デニム&カチュア

予約か微妙だけど
>47氏
ニバス・アルガス・エトナ組


予約制度もないし、全然取り消さなくていいのですが、
1週間過ぎたら状況くらいは教えて欲しい今日この頃
14992:2008/04/08(火) 21:48:20 ID:8AxdHr58
お待たせして申し訳ない。
状況としては展開がかなり派手にいくので、矛盾が出ないよう推敲で煮詰まってきてます。
正直なところもうしばらく時間が欲しいです。

出来れば最後まで仕上げたいが、かなり待たせてるので他に書きたいひとがいれば譲ります。
150助けて!名無しさん!:2008/04/08(火) 22:09:23 ID:ICVKaZFo
いえいえ、待ってます!
楽しみにしていますー
151助けて!名無しさん!:2008/04/08(火) 22:16:33 ID:RET6FI+U
>92
催促したみたいですいません
他ロワで予約嵐というものがあった事例がありましたもので・・・
貴重なバトル書き手殿、無理せず頑張ってください
152助けて!名無しさん!:2008/04/11(金) 09:33:55 ID:VbK10Vig
保守。
あとwiki編集のみならず「僕」への変換感謝です。
wikiに載れば修正しようかと思っていましたが申し訳ない。
>149
ワクワクしながら待ってます!
153 ◆ejQgvbRQiA :2008/04/12(土) 00:41:57 ID:dUw7rJ5M
投下します。
154 ◆ejQgvbRQiA :2008/04/12(土) 00:43:04 ID:dUw7rJ5M
声が聞こえた。
誰かが叫んでいる。そして響く剣の音。
どうやら近くで戦闘が行われているらしい。
アルマは、漁夫の利を得ようとその音の方向へと走っていく。

「あれは……」

アルマは少女が走ってくるのを見つけた。
見通しがいい場所だったが、少女は後方ばかりを気にしていてアルマに気がついた様子はない。
これは、チャンスだ。
アルマは、ガストラフェテスを構えて――


           +           +         +

(私は、何もできないんですの……)

ベルフラウは走っていた。
安全なところへ。ナバールの邪魔にならないように。

ベルフラウは無力だった。
分かっていてもナバールを置いて、逃げるしかなかったことが悔しいかった。

戦えると思った。
だって、自分はあの島でたくさんの戦いを乗り越えてきた。
それは自惚れに過ぎないと実感したのだけど。

確かに同年代の少年少女達に比べれば、ベルフラウは経験も度胸もあるだろう。
だが、それはあくまで子供のレベルに過ぎない。
歴戦の戦士と比べれば、どうしても劣ってしまう。
ベルフラウは人を殺したことがない。覚悟がない。
そこでも差が出てしまう。

死体を見た。
ベルフラウは、死体を見るのは初めてではない。
でも、怖かった。まだ暖かい、先ほどまで生きていたであろう人。

(ナバールさん……)

二人の敵は、明らかにベルフラウより強そうだった。
いくらナバールが強くても、数の不利は無視できない。
せめて、武器があれば。
剣などは扱えないかもしれない。
でも、サモナイト石があれば。銃があれば。弓があれば。
そうすれば、援護が出来るのに。
武器さえあれば、私だって……。

思考に没頭していると、ふと目の端に人影が映った。
ベルフラウは、慌てて意識を集中させる。

(弓……?)
155 ◆ejQgvbRQiA :2008/04/12(土) 00:43:57 ID:dUw7rJ5M
矢が放たれるより、ベルフラウが気がつくほうが一瞬早かった。
ギリギリでベルフラウは回避する。

「外しちゃったわ」

残念そうに話す人物は、少し年上ぐらいの少女。
温和そうな声のわりに、話している内容はとても物騒だ。
手にはガストラフェテス――弓だ。
ベルフラウの求めていたものが、そこにはあった。

「あなた……」

言葉にしなくてもベルフラウには分かった。
少女から発せられているのは殺気のみ。
先ほどの戸惑いのない攻撃――確実に少女は殺し合いに乗っている。
事実、ベルフラウの思考を肯定する言葉が少女から放たれる。

「ラムザ兄さんのために、……死んで!」

アルマは弓を仕舞い、地を蹴った。

(私は……)

襲い掛かってくる少女。
しかし、ベルフラウには抗う術がない。
逃げれば、助かる可能性があったのかもしれない。
だが、背後にはナバール達が戦っている。
もし、少女がナバール達の所へ行ってしまったら、更に戦闘は不利になってしまう。
ベルフラウの、その僅かな戸惑いは――大きな隙を生んだ。

ガッ!
斧が振り落とされる。

(……え?)

しかし、痛みはない。
というより、斧はベルフラウの数センチ横に刺さっている。
外した?そんな訳は……?

「どういうつもりですの?」

馬乗りになられて、ベルフラウは身動きが取れない。
ベルフラウの生死は、アルマの手の中だ。
しかし、ベルフラウは無様な姿は晒したくはなかった。
だから、気持ちだけでもと震えそうな体を抑えて気丈に少女を睨む。

(先生、私は――)

アルマはレイピアを、ベルフラウの心臓目掛けて突き刺した。


           +           +         +
156 ◆ejQgvbRQiA :2008/04/12(土) 00:45:22 ID:dUw7rJ5M
アルマは立っていた。
ここは、とても海が見える。

アルマの足元には、外傷がほとんどない綺麗な少女の死体が横たわっていた。
もちろん心臓付近は血だらけであるのだが。

少女はたいした抵抗をしてこなかった。
支給品を調べてみたら、まったく武器をもっていなかったから仕方ないのかもしれないけど。
矢を無駄にしたかしら、とアルマは思った。
そういえば、ここに来てから殺しているのは女ばかりだ。

アルマが、このようにベルフラウを殺したのには訳があった。
アメルの支給品の中身を思い出したのだ。
罠につかえるかもしれない。
そう思い、優しく殺したのだ。

眠っているような死体の脇には、既に中身を取り出したディバックを置いた。
支給品目当ての奴も罠に引っ掛けるためだ。

アメルの支給品だったアイテムは――感知式爆弾だった。
感知式爆弾など、使い方が限られ役に立たないと思っていたのだが思わぬ形で利用できた。
仕掛けはすんだ。
ベルフラウの死体、または支給品を目的に近づいてきた参加者がいれば――どかん!だ。

この辺りにはラムザ兄さんはいない。
だから、安心して仕掛けられる。

戦いの音は聞こえなくなっていた。
アルマは、既にそれから興味を失くし別の方向に向かうことにした。
走る。早く無事を確認したい。

彼女の瞳に移っているのは、ただ一人――兄の姿だけだった。


【E-5/平原/一日目・午後】

【アルマ@FFT】
[状態]:健康
[装備]:手斧@紋章の謎 死霊の指輪@TO 希望のローブ@サモンナイト2
[道具]:支給品一式、食料一式×4、水×3人分、折れ曲がったレイピア@紋章の謎、ガストラフェテス@FFT、
    ガストラフェテスの矢(残り2本)、アメルの首輪
    筆記用具、竜玉石@タクティクスオウガ 、ヒーリングプラス @タクティクスオウガ
    キャンディ詰め合わせ(袋つき)@サモンナイトシリーズ
    (イチゴキャンディ×2、メロンキャンディ×2、パインキャンディ×1
     モカキャンディ×1、ミルクキャンディ×1) 
[思考]1:ラムザ兄さんが生きていることを確認したい
   2:ラムザ兄さんを優勝させるため、ゲームに乗る
   

【C-5/平原/1日目・日中】
【ベルフラウ@サモンナイト3 死亡】

C-5にベルフラウの死体が放置されています。
近づくと感知式爆弾が爆発します(威力は次の書き手にお任せします)
157 ◆ejQgvbRQiA :2008/04/12(土) 00:48:43 ID:dUw7rJ5M
初投下です。
タイトル「少女の罠」
勝手が分からずに、空気が読めてなかったらすみません。

こんなのゆるせねえ!等の意見があったら、遠慮なくNGにしちゃってください。
まずは仮投下スレに投下すればよかったOrz
158助けて!名無しさん!:2008/04/12(土) 08:29:57 ID:tln39a01
殺しや罠についてはとりあえず問題ないかと思うのですが、
(欲を言えばもう少しベルフラウに悪あがきしてもらってから死んでほしい)
支給品がどの原典にもないものだから、その辺がちょっと気になります。

第一、FFTは中世イヴァリース世界なんだし、
ムスタディオならなんとか使い方もわかるかもしれませんが、
中世的考え方にどっぷりなアルマではマニュアル渡されても
感知と言われてもピンとこないし、疑問符だらけで使おうともしないと思われるし。

それならそれぞれの原典で一番近い支給品に変えた方がいいと思います。
感知式爆弾に近い形なら、FEシリーズのフレイボムかな?あれは地雷に近いし。
まあ地雷ならふんづけただけでは起爆しないから、
ベルフラウの死体で下敷きにすればそういう使い方もできるか。
でも暁の女神にはフレイボムあったかな?

自分もその支給品の都合で矛盾が生じて「さあどうすんべ」と
一週間以上煮詰まって思考停止している身としてはどうにも
ひっかかったものですから。
15992:2008/04/12(土) 09:34:50 ID:tln39a01
すいません。一つだけいいですか?
支給品って、特に書かれていなければ道具袋に入ってあるものであっても、
「いつの間にか身につけていた」ということにしてしまってもよろしいですか?

数分の空きがあれば十分に身につけられるアイテムであれば
特に描写がなければ矛盾しないってことでいいですかね?
160助けて!名無しさん!:2008/04/12(土) 10:47:05 ID:DwVmcIz8
投下乙です!
同じく、もう少しベルフラウらしく口で抵抗してほしかったかもしれないけど
描写とか何も問題ないです。

>158
アイテムじゃないけど、支給品にFFTの『トラップ』という手も……ない…?
どうせなら仮投下して意見を聞いてみるってのも手かと。

ガフおじいさんが不明支給品の鎧を最初から着ていたということになっていると
綺麗に切り替えしていたから流れ次第では問題ないかと。
数分で身に付けられるんだったらほんの少し、場面転換を混ぜるだけでも十分でしょうし。
161助けて!名無しさん!:2008/04/12(土) 11:01:41 ID:SglhKvEf
GJです

LSロワに続いてこっちでも少女に殺されたベルフラウ
そして女性の殺害数を着々と増やすアルマこれぞロワというもの

無理に他作品の支給品にしなくとも
パッフェルの支給品みたいな現実支給品でもいいと思います
その場合は他の人でも描写できるような説明が不可欠だけど
162助けて!名無しさん!:2008/04/12(土) 15:35:23 ID:eCaeuQDk
ロワ内屈指の実力を誇るディスガイア組やハーディン、そしてマーダー作品TOキャラ最強のタルタロスさえ
まだ一人も殺していないというのに、ジョブの性能上非力なアルマが一番殺してるとか・・・。
これでラムザが死んだらどうなるのか見てみたい気もする。
163 ◆ejQgvbRQiA :2008/04/12(土) 15:57:57 ID:dUw7rJ5M
指摘ありがとうございます。
ベルフラウの抵抗、爆弾の詳細を加筆した修正版を修正スレに投下しました。
よろしければチェックお願いします。
164助けて!名無しさん!:2008/04/12(土) 16:46:38 ID:SglhKvEf
大変乙です

しかし逃がしたばかりに逆に危険にさらしたナバール涙目だなw
165助けて!名無しさん!:2008/04/12(土) 18:03:22 ID:/oC4Mp+k
だがちょっと待って欲しい。
マルスに加えてベルフラウ死亡……。
これは絶望マーダーフラグではないだろうか?
166助けて!名無しさん!:2008/04/12(土) 18:45:59 ID:EZ6BxuXR
書き直すなら参考までに。
ベルフラウはとても諦めが悪いから、マウントポジション取られても
筆記用具でアルマの太股刺すか相討ち狙いで顔に頭突き喰らわせる位はしそう。
あるいはイスラにしたかのように容赦なく罵倒するか。
あとアルマは綺麗な死体が欲しいのだから馬乗りになった体勢からなら、
レイピアで刺すより頸を絞めるなり折るなりした方がいいと思います。
それが無理なら血が出ないよう殴殺するか、鈍器で撲殺するか。
出血の匂いで死んでいる事が遠目でもわかるのでは、罠にならないから。
普通殺された人間から支給品を奪わていないのは不自然に見えるから、気づかれる恐れがあるし。
167助けて!名無しさん!:2008/04/12(土) 19:29:00 ID:CJgTrM0S
臨時投下スレへ投下乙 書くの早くて凄いw
エトナとレシィに吹いたw
人間じゃなくてよかったなwレシィw
168助けて!名無しさん!:2008/04/12(土) 20:20:16 ID:X+aINOe8
アルガス放置っすかww

あと誰が書かれれば放送?
169助けて!名無しさん!:2008/04/13(日) 03:08:10 ID:KdUhK1vU
投下乙です
エトナのゴーイングマイウェイっぷりにw

>168 あとはこれくらいかなぁ

・必須
ナバール&デニム&カチュア

・できれば
パッフェル
カーチス
サナキ&ホームズ&プリニー
マグナ&タルタロス
ネサラ
ネスティ

・寝てるから問題ない?w
アグリアス&フロン
170助けて!名無しさん!:2008/04/13(日) 03:13:35 ID:qJY9FsHI
ゴードンが参加してるのをつい最近知った。
影薄すぎるだろ…
171助けて!名無しさん!:2008/04/13(日) 09:46:22 ID:xLOK3IxD
まあ2話しか登場してないし、ミカヤ、オリビアと同じく最速で夕方まで時間が飛んだからなあ・・・。
172助けて!名無しさん!:2008/04/13(日) 11:39:16 ID:AB/CKEb5
仮投下GJ!アルガス放置吹いた。
初期の637氏に勝る投下速度すげぇ。

ナバール&デニム&カチュアは予約の>92氏に任せるとして。
そういえば放送を書く人決定はやはり予約?
禁止エリアとか諸々、>>86-96もそろそろ本格的に考えるべきか…ってまだ早い?
173助けて!名無しさん!:2008/04/13(日) 11:56:32 ID:NT37pFw9
早くはないと思うよ
放送の内容で後から変わるのは死者だけだし
もう仮投下に書いちゃってもいいかも
174助けて!名無しさん!:2008/04/14(月) 19:56:00 ID:InwRZV2d
本投下までうぃき更新待ってます
ちなみに前転載した自分は規制中orz
175 ◆6xmg9r73RU :2008/04/15(火) 18:48:51 ID:ZIPOpIjs
お久しぶりです。
したらばにタルタロス・マグナ組で投下したいと思います。
一部の状態表は省略しているのですいません。
176助けて!名無しさん!:2008/04/15(火) 20:01:17 ID:FAW151s3
>>175
問題はないかと思います。このまま放送行けるか……?

それと今更ですが、「少女の罠」修正版でちょっと気になったことを。
ディバック→デイパック(day pack)の間違い
爆弾の感知範囲が不明
177助けて!名無しさん!:2008/04/15(火) 21:15:33 ID:/lklGVlf
>175 メイン2人と一匹・サブ3人の話 激しく乙!
ユンヌのけん制がいい感じw

>176
爆弾の感知範囲は次の書き手まかせでいいと思われ
178助けて!名無しさん!:2008/04/15(火) 23:43:10 ID:GuikkqOE
GJ
マグナは支給品当たりだよなぁ。

4月に入ってからたくさん投下あって嬉しいw
179助けて!名無しさん!:2008/04/16(水) 11:55:53 ID:XoQlY2K6
投下GJです。
問題ないと思います。
本投下の時に感想を…投下待ってます!

確かに今月はナバール組の投下もありそうだし楽しみだw
180誤解パラダイス ◆ejQgvbRQiA :2008/04/16(水) 17:25:42 ID:klg3uG+S
現在、アルガスは絶対絶命の危機に陥っていた。
しかし、その本人はというとそんなこと露知らず敵を求めて辺りを捜索している。
森を抜けてからしばらく経つが、誰とも会わない。
飽きっぽい悪魔エトナは暇だった。
(あー、なんかめんどくさくなってきたわ。殺しちゃおうかな)

前を歩く、多少エトナのことを警戒しながらも復讐?に余念がない男――アルガス。
こう、さくっと殺してしまえそうな位置関係である。
手斧をくるくると振り回しながら、エトナは欠伸をかみ殺した。
すると、じろり、とアルガスが振り向いた。
しかし、エトナは気にしない。
アルガスは再び敵を探し始め、エトナはそれについていくだけだ。
エトナは別に、人殺しが好きな訳ではない。
つまんないと思ったら殺さないし、快楽殺人鬼とは訳が違う。
ただ、特に他人の死に何も感じないだけだ。
悪魔の倫理観とは所詮そんなものである。

優勝を目指すのはあの主催者のいいなりみたいで嫌だ。
主催者を倒す?あのバールをぶっ飛ばした奴を?めんどくさそうだ。
誰かが殺るのを見るのは楽しそうなんだけど。

「ここに隠れたか……」
歩いているうちに、城の前に来てしまった。
アルガスは確信した。敵はここにいる、と。
森を抜けて、見通しのいい場所を通ったのに誰とも会わなかったのだ。
隠れる場所はここしかない。

「ふーん。なかなか立派な城じゃん」
魔王城に住んでいるエトナは、城には見慣れている。
少しの懐かしさが沸いてきたが、すぐにそれは消え去った。

「じゃあ、先に行け。俺は後ろを警戒している」
「……」
アルガスは武器を持っていない。
万が一にもエトナが不覚を取られることはないだろう。
エトナは堂々と城の扉を開けて、――叫んだ。

「誰かいるー?」

               + + + + + +
181誤解パラダイス ◆ejQgvbRQiA :2008/04/16(水) 17:26:41 ID:klg3uG+S
「ガ、ガフおじいさん……!」

エトナの声は、高らかに城内に響き渡っていた。
これからの方針を考えていたガフガリオンとレシィは、お互いの顔をみる。
声は段々と大きさを増していく。近づいてきているらしい。
誰もいないのー?おーい!隠れてんならでてきなさーい!出てこないならぶっ殺すわよー!と可愛らしい声で物騒な言葉が紡がれる。

「ど、どうしましょう」
距離はまだ離れている。逃げるのにも、迎え撃つにも早く決めなければならない。
ガフガリオンは考えた。
声は一つ。足音も、よく聞けば一人分しかない。
年若い少女の声は、どう判断するか。
この殺し合いという状況を理解していない馬鹿か、それとも相当腕に自信があるのか。
生き延びるために判断を間違えてはならない。

「逃げるぞ、レシィ」
「は、はい!」

レシィは慌てて荷物を纏める。
ガフガリオンは慎重を選んだ。
前者なら、これ以上の足手まといを増やしたくない。
後者なら、自分が負けるとは思えないがレシィもいる。生き残るために怪我などを負うことは避けたかった。

ここは城の一階だ。
扉からでなく、窓から外に出ることは可能だ。
ガフガリオンは窓を開け、先頭を切って脱出する。
「レシィ、急げ!」
「今、行きま――ぁ」

窓の外で待っていたガフガリオンの視界から、レシィが消えた。
それと同時に、部屋と廊下を繋いでいた扉が開かれる。

「見いーつけた♪」

赤い、悪魔がそこに立っていた。

               + + + + + +
182誤解パラダイス ◆ejQgvbRQiA :2008/04/16(水) 17:27:52 ID:klg3uG+S
アルガスは城の外、扉の前で立っていた。
エトナに襲われて逃げてきた敵を閉じ込める為である。
誰かが居た痕跡が残っていた。まだ潜んでいる可能性は高い。
アルガスは武器がないので、この役目を選んだ。
押さえているので、すぐには開かないだろう。

ほとんどはエトナにやらせるとしても、アルガスは多少は戦うつもりだったのだが、素手では厳しい。
エトナに武器を貸してくれ、と頼んではみたがあっけなく断られてしまった。

まあ、あの悪魔は強い。
任せておけば、何人かは殺してくれるだろう。
アルガスは笑みを浮かべながら、エトナの帰りを待っていた。

【E-2/城前/1日目・午後】

【アルガス@FFT】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品×2 (1/2食消費)
[思考]1:エトナを待つ。
    2:隙を見て逃亡。殺せるようなら殺してアイテムを奪う
    3:リュナンとレシィとあの男(ヴァイス)に復讐
    4:ラムザとディリータを殺す
183誤解パラダイス ◆ejQgvbRQiA :2008/04/16(水) 17:28:38 ID:klg3uG+S
               + + + + + +

(後者だったか……)

ガフガリオンは一人、北に向かって走っていた。
レシィのことは残念だが、あれは自業自得としかいいようがない。
よりにもよってあの場面で、どうして躓くのだろうか。
一応助けようとしても、城の外と中。大きな壁に阻まれてしまえば難しい。
壁を登り、窓から助けに入ってもよかったが大きな隙が出来てしまう。
そこまでしてやる義理はガフガリオンにはなかった。
レシィをうっとおしいと感じ始めていたところだったのだ。
丁度よい機会だったのかもしれない。
武器も手に入った。

赤い髪をした少女だった。
見た目とは裏腹に、得体のしれないものを感じた。
手に武器を持ち、場にそぐわない余裕な笑みを浮かべていた少女。
勝てないとは思わなかったが、今は戦うときではない。
わざわざ不利な状態で、勝負することはないのだ。
(ご主人様の剣か……)

城が見えなくなっていく。
あの部屋はきっと死体がひとつ転がっているのだろう。
(マグナ、か)
もし会うことがあるのならレシィのことを伝えてやるか。

【D-2/草原/1日目・午後】

【ガフ・ガフガリオン@FFT】
[状態]:健康
[装備]:(血塗れの)マダレムジエン@FFT、ゲルゲの吹き矢@TO、絶対勇者剣@SN2 天使の鎧@TO
[道具]:支給品一式×2(1/2食消費) 生肉少量 アルコール度の高い酒のボトル一本
[思考]:1:(どんな事をしてでも)生き延びる
    2:とりあえず走る。
    3:マグナに会ったらレシィのことを伝えてやってもいい。
    4:アグリアスには会いたくない。
    

                 + + + + + +
184誤解パラダイス ◆ejQgvbRQiA :2008/04/16(水) 17:29:20 ID:klg3uG+S
「あれー?あのじいさん逃げちゃったよ、どうする?」
「あ、ああああ、あ」

僕は頭がパニックでした。逃げようと思ったら、転んじゃって女の人に捕まってしまいました。
床にぶつけた頭が痛いです。
でも、それどころじゃありません。ガフおじいさんは逃げてしまったそうです。
ショックでした。でも、僕のせいです。
僕が転ばなければ、今頃はガフおじいさんと逃げれていたのに。
だけど、僕はあきらめません。ご主人様と会うためにも、ここで死ぬわけにはいきません。
僕は魔眼を使おうとしたら、女の人が首を傾げました。

「ん?何?ってあんた、魔物?」

女の人は、僕を見ると不思議そうな顔をしました。
気がついたら、あんなに怖かったとげとげしい空気は消えています。
僕は眼を使うのをやめました。今は大丈夫だと思ったからです。
僕はやっと、女の人を見ることが出来ました。
赤い髪に、寒そうな服、そして――悪魔みたいな尻尾が女の人に合わせて動いています。あ、羽もついていました。

「あ、悪魔?」

女の人は、ご主人様がたまに召喚する悪魔に似ています。
女の人は笑っています。

「そうよー。殿下達以外にも悪魔が紛れてるなんてね。しかも格下だし。プリニーがいなくて困ってた所だったのよ」
「ぼ、僕は悪魔じゃありません!メイトルパのメトラル族の護衛獣です!」
「メトラル族?魔獣族の仲間?まーそんなことはどうでもいい」

女の人は、楽しそうに笑っています。でも、僕は楽しくありません。
いやな予感がします。

「今日からあんた、あたしの家来ね」

                 + + + + + +
「家来!?だめです。僕にはご主人様がいます!」
「ご主人様?んー殿下のこと?」

あたしは城の中で同族を発見した。
アルガスって奴よりは素直そうで扱いやすそうだ。
ちゃんと武器も持っているみたいだし。
人間を家来にするよりは、頑丈そうだ。
しかも、悪魔だっていうのに殿下に忠誠を誓っているらしい。
魔界の悪魔なんて、ほとんどは魔王なんかに従わずに好き勝手やっているのに。

エトナはいまどき珍しいタイプの魔物だ、と関心しつつ言葉を発する。
プリニーが常に側にいることが当たり前だったエトナは、そろそろ下僕が恋しくなったのだ。

「大丈夫大丈夫。あたしはまあ、癪だけど殿下の家来だから。つまり、殿下の家来はあたしの家来って事」
「え?ご主人様の?」

第三者が聞いたら、話がかみ合ってないことに気がついただろう。
だが、エトナは自分の都合の良いように解釈するタイプでレシィは未だ混乱から完全に抜け出しては居ない。
レシィは家来、という言い方を不思議に思ったもののマグナにはたくさんの契約した召喚獣がいる。
鬼、竜、獣人、悪魔、天使、機人。
目の前の女の人もその一人ではないかと思った。
レシィがおとなしくなったのを見て、エトナは忘れていた目的のひとつを思い出した。

「そうだ、なんか武器もってない?槍とかさ。贅沢はいわないけど」
「武器ですか?」
185誤解パラダイス ◆ejQgvbRQiA :2008/04/16(水) 17:29:58 ID:klg3uG+S
いつの間にか二人は座り込んで話していた。人ではないという共通点があったからかもしれない。
まずレシィが取り出したのは、碧の賢帝(シャルトス)
抜けないということを話すと、エトナは興味を失くしたようだった。

「あとはご主人様の剣なんですが――あ」
「なによ」
「ガ、ガフおじいさんに貸したまま……です」

思い出して顔を真っ青にするのはレシィ。
ご主人様の剣がーと今にも泣きそうだ。
男からせっかく取り返したのに、またはぐれてしまった!

エトナは興味なさそうに聞いていたが――あれ、とレシィの言葉を思い返す。

(殿下の剣って――魔剣良鋼!?)

「……あのじいさん、だから!」

人間が、仲間だったらしいレシィをあんなに早く見捨てたのには違和感があったのだ。
魔剣良鋼は、魔界でも他の追随を許さないほどの最高峰の剣だ。
その攻撃力は、地を割り戦艦を切り裂き他次元の魔王をぶっ殺し……などなど。
あの人間は、魔剣良鋼を手に入れることを優先したのだ。

「じいさんを追うわよ、えーと」
「レシィです!」
「オッケー。あたしはエトナ。エトナ様でいいわよ」
「え!え、えーとエトナさん?」
「……ま、いっか」

悪魔と護衛獣は、窓枠を乗り越えて外に出た。
人の姿はどこにも見当たらない。

「どっちに逃げたのかしらね、あのくそじじい」

【E-2/城の裏側/1日目・午後】

【レシィ@サモンナイト2】
[状態]: 健康
[装備]: サモナイト石[無](誓約済・何と誓約したものかなど詳細は不明)@SN2or3
[道具]: 支給品一式(1/2食消費) 碧の賢帝(シャルトス)@SN3 死者の指輪@TO 生肉少量
[思考]1:ガフおじいさんを探す。
   2:マグナ達と合流する。
   3:マグナにガフおじいさんに貸している剣を渡す。
   4:殺し合いには参加せず、極力争いごとは避ける。

【エトナ@魔界戦記ディスガイア】
[状態]:健康
[装備]:手斧@暁の女神、クレシェンテ@タクティクスオウガ、エクスカリバー@紋章の謎
[道具]:支給品一式(1/2食消費)(道具・確認済み)
[思考]1: 魔剣良鋼が欲しい。
    2:適当に弱そうな奴から装備を奪う。出来れば槍か斧が良いが贅沢は敵だ
    3:優勝でも主催者打倒でも人助けでも、面白そうなこと優先
    4:ラハールや中ボスが気になるが、特に会いたいとも思っていない
    5:レシィを家来にする。家来を増やすのもいいかもしれない。
186誤解パラダイス ◆ejQgvbRQiA :2008/04/16(水) 17:32:22 ID:klg3uG+S
投下終了です。
遅くなって申し訳ありません。

>>176
指摘感謝します。
修正しておきます。
爆弾の感知範囲も威力も次の書き手にお任せします。ここも修正しておきます。
187助けて!名無しさん!:2008/04/16(水) 17:37:14 ID:z7zZIVMG
両者投下乙です。加速してきてワクワクが止まらない!

>>176
ラムザ達に見つからずにリュナンを追うということは迂回しないといけないので
そのまま放送にいけなくもない……かも?

なんとなくですが第一放送案を仮投下スレに投下しておきます。
短いので没でも別に問題ないのですが気が向けば覗いてみてください。
188 ◆GQyAJurGEw :2008/04/16(水) 18:33:21 ID:7mE1k29K
投下します。
189アルガスの受難 2 ◆GQyAJurGEw :2008/04/16(水) 18:34:20 ID:7mE1k29K
「……遅い」
 あれから十分以上も経っている。そろそろ戻ってきてもいいだろうに、何の音沙汰もない。
 おかしい。おかしすぎる。
 エトナの大声がやんでからは戦闘が始まったのかとも思ったが、それにしては不気味なほど静かだ。
 悲鳴も、戦闘音も何もないのだ。
 いい加減、城門を押さえている腕も疲れてきたので、アルガスは痺れを切らして門扉から離れた。
 エトナには戻ってくるまでこうしていると伝えていたが、さすがにこうなっては状況の確認をしたい。
 アルガスは門扉を開け、城内に足を踏み入れようとしたところで、ようやく背後から声をかけられた。
 遅すぎる帰還に、苛立ちながら振り返る。

「おいッ、“ヤル”のにどんだけかかってんだ――」

 アルガスの表情が凍りついた。今更気づいても遅いが、声は男のものだった。
 そしてそこにいるのは声の主一人だけではなかった。
 その両隣には少女とペンギン(?)が、男とともに不審の目を向けていた。
 アルガスは引きつった笑みを浮かべながら、あの憎き悪魔を呪った。


【E-2/城前/1日目・夕方】

【アルガス@FFT】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品×2
[思考]1:あの悪魔めッ!
    2:隙を見て逃亡。殺せるようなら殺してアイテムを奪う
    3:リュナンとレシィとあの男(ヴァイス)に復讐
    4:ラムザとディリータを殺す




190アルガスの受難 2 ◆GQyAJurGEw :2008/04/16(水) 18:34:51 ID:7mE1k29K
【ホームズ@TS】
[状態]:健康
[装備]:プリニー@魔界戦記ディスガイア
[道具]:支給品一式(ちょっと潰れている)、不明(未確認)
[思考]1:“殺る”?
    2:あのおっさん(ヴォルマルフ)はぶっ飛ばす
    3:リュナン、カトリ、ネスティと合流したい
    4:弓か剣が欲しい
備考:ラハールたちを見過ごしたのち、城へ来ました。

【サナキ@FE暁の女神】
[状態]:健康
[装備]:リブローの杖@FE
[道具]:支給品一式、手編みのマフラー@サモンナイト3
[思考]1:帝国が心配
    2:皆で脱出
    3:アイクや姉上が心配

【プリニー@魔界戦記ディスガイア】
[状態]:ボッコボコ(行動にはそれほど支障なし)
[装備]:なし
[道具]:リュックサックのみ(水と食料も支給されていません)
[思考]1:とりあえずホームズに従う
    2:あのおっさんから給料貰ってはいるけど黙っとこう
    3:この主人マジで怖いっす
191 ◆GQyAJurGEw :2008/04/16(水) 18:39:02 ID:7mE1k29K
投下完了。
アルガスはやればできる子です、多分。
192助けて!名無しさん!:2008/04/16(水) 19:30:33 ID:l/Yr7xJc
両者とも激しく乙!

「ヤル」とかカタカナで書かれてるから
アッー!のことかとおもってs(ry
193助けて!名無しさん!:2008/04/16(水) 20:49:56 ID:XoQlY2K6
アwwルwガwスwww
これは良いw
19492:2008/04/16(水) 23:18:20 ID:igfQ9+TR
とりあえず、宣言してから二週間と、
余りにも待たせ過ぎてあれなので、
完成している前半部分を借投下します。
どうにもテンポが悪いというか、
読みづらさを感じるかもしれませんが、
未完成品であるゆえ、今のうちにいかんなき意見を頂ければ
修正も楽になるので有り難いです。
内容そのものは変わりませんので、

この先に控えるクライマックスが煮詰まって正直
没にしようかとも悩んでいる状態ですが。
195助けて!名無しさん!:2008/04/16(水) 23:57:46 ID:l/Yr7xJc
>194 激しく乙です!!
これだけのバトルを没にするのはもったいなさすぎる
このまま状態表にしてもいいくらいいい出来だと思います。
そしてデニムの不明だった支給品については問題ないと思います。

デニムの必殺技の説明もあるといいかもしれません。
wiki編集的に例の支給品は元シノンのか最初からデニムのものか明らかにしてほしかったりw
196助けて!名無しさん!:2008/04/17(木) 01:01:49 ID:42zHyo6Q
とりあえず見つけた誤字を。

×対象的 ○対照的
×淡淡 ○淡々

そして「恐怖効果」についてですが、ちょっと効果が強すぎる気もします。
というのもナバールは性格的にカオス寄りだと思うからです。
(恐怖効果はアライメントLには効果が大きく、アライメントCには効果がない)
197助けて!名無しさん!:2008/04/17(木) 07:04:08 ID:D4GZRwHa
おお、なんという力作!
GJ!
続き楽しみにしています。
198 ◆6xmg9r73RU :2008/04/17(木) 07:32:00 ID:zAVTrdoB
微修正が完了したので投下します。
やっぱり、ラハールたちの状態表は省略w
199 ◆6xmg9r73RU :2008/04/17(木) 07:32:43 ID:zAVTrdoB
ランスロット・タルタロスは自身を取り巻くの環境の変化が
予想以上に遅々として進まない事にイラつきを感じていた。
半日やそこらでの劇的な変化こそ期待してはいなかったが、
先程のホームズとかいう青年達との遭遇は彼にとって、
少なくとも自分の存在に敵意を感じる者を作ってしまったという
不都合な部分ばかりを残し、彼が今後行動を起こす際の障害の一つに
なる可能性すらある。
更に自分の傍らにいる男、マグナの能天気振りがそのイラつきに拍車をかける。

(いっそ、殺してしまおうか?)

そう考えた事は既に数え切れない程である。
だが、彼は結局その手を下す事をしなかった。

(マグナには利用価値がある。)

マグナが語った「ネスティ」という特殊な人間の存在。
それは彼の今後の身の振り方を決める重要な可能性を持っていると言うのである。
自分の首に纏わりつく忌々しい物体…首輪。
あのヴォルマルフという男の演出は際だっていた、自身より遥かに大きな怪物を
一瞬の下に葬り去る圧倒的な破壊力を最初に見せ付ける事で、
逆らう事はできないと自分達の脳裏に刷り込んでいるのである。
その首輪を解除する事ができるかもしれないと言われれば、
ただ指を咥えて待っているほど彼は愚かではない。
放っておけば他の者によって殺害される可能性もある。
出来るだけ早期に自分の手元に置いておくに越した事はないのである。

もし、その「ネスティ」という男を確保できなかったときは、
そのときこそマグナを殺してしまっても構わないだろう。

…だが、

彼は傍らで先程ホームズ達と合流できなかった事を
蒸し返して愚痴っているマグナを横目で見る。

(やはり、こちらを見るか。)

彼がマグナを殺そうとはしないもう一つの理由。
マグナの肩に止まる小さな一羽の鳥の存在。
この小鳥は自分がマグナに殺意を感じたときに、
決まってこちらを覗き込んでいる。
物理的な妨害ではないが、何故か其処に酷くやり難さを感じてしまう。
小鳥にまるで自分を咎める様な意思を感じてしまうのである。
(…いや、咎めるのとは少し違うな。
あれはまるで私に「本当に殺すのか?」と純粋に質問しているかのようだ。
どちらにせよ、この私が小鳥程度に屈服しているとはな。)

自嘲めいて彼が自分の口元を微かに歪ませたときだった。

「あっ!ちょ、あれ!?」

マグナが素っ頓狂な声を上げた。
マグナが声を上げた理由を説明しようとするよりも早く、
マグナの言わんとしていた事は前方を注視した際に理解できた。

「…人だな。」

ここからでは遠くてまだ細かい判別は難しいが、
どうやら少年と鳥らしきものを前方に確認できる。

「よ〜し、今度こそ俺が説得してみせる。」

「…待て。」

マグナが息巻いて声をかけようとしていたが、即座に止める。

「私達より先行しているはずのホームズたちの姿が見当たらない。
…という事は彼らはあの少年達をわざわざやり過ごした事になる。
それをどう思う?」

「それは、え〜っと…」

「あの少年達が私達の予想以上に危険な存在なのかもしれない、
という事だ。」

冷静に状況から判断した事をマグナに伝える。
いくら馬鹿でもこれくらいは理解できるだろうと思ったが、
こちらが説明を終えた時の彼の顔は明らかに不満一色だった。
「…それだって、偶々ホームズたちが
通り過ぎちゃっただけかもしれないじゃないか。」

この男の頭の中にはお花畑でも生えているのか?と本気で疑いたくなったが
それは一先ず置いておき簡潔に返す。

「あの様に目立つ者達をか?」

「うっ!!」

そう目立つのである。
街道の真ん中に君臨するかのように陣取るその姿は
「見つけてください」と言っているようなものである。
それをするということはよほど自分達に自信があるものか愚か者のどちらかである。
…若しくは両者なのかもしれないが。
ホームズ達はあの少年達を前者と捉えた上で、
何かあの少年達に関する情報を持っていたからやり過ごしたのであろう。

(ここは、やり過ごすべきだな。)

そう彼が判断したとき、彼の視界にまた別な人物が飛び込んできた。
茶髪の青年、見覚えは無い。
マグナに振り返るが彼も流石に察したのか首を振ることで、
やはり見覚えは無い事をこちらに伝える。

「どうする、アルフォンス?」

やり過ごすつもりだったが、この状況は使えるかもしれない。
どう転ぶにせよ、あの者達の動向を探るには十分である。
敵意がありそうな者達ならやはりやり過ごす。
利用できそうならマグナ以外の「駒」を確保する。

「…様子を見よう。」

この回答に直ぐにでも自分もあの輪に参加したかったのであろうマグナが
またしても不満顔を見せているが渋々でも同意させる。
マグナを先程のように送り込んだとしても利は全くなさそうだったからである。
傍目から見た少年達の状況は酷く奇妙なものであった。
マフラーの少年はどうやら好戦的な様子であり、後から来た茶髪の青年を
挑発している様子が目に映る。
逆に、先程まで鳥だと思っていた者の中から金髪の少年が出てきて、
こちらは茶髪の青年を説得しようとしていた。
自分からこの二人に接触しようとした茶髪の青年は金髪の少年に
何か声を掛けられると酷く困惑したようであり、
直ぐに踵を返し少年達から離れていった。

「ど、どうする、アルフォンス!?」

傍らでマグナが一人焦っている。
それを放っておき、考えを纏める。

一通りの状況から見て大体の状況は理解できた。
あのマフラーの少年はどうやら利用するのは難しそうだ、
好戦的な輩は何をしでかすか分からない。
あのバルバスの様にこちらの寝首をかこうとする可能性もある、
やり過ごすに越した事はない。
それにあの金髪の少年、彼はあのヴォルマルフに面識があるようだったが、
どうやら頭の切れる人物のようでもある。
どこからホームズのようにこちらに敵意を持たれてしまうか分からない、
やはりやり過ごすべきだ。
ならば、あの茶髪の青年。
あの青年が一番理解し難かった、
まるで自分の行動が自分でも理解できていない。
そんな印象を受けた。
だが、それは私にとっては好都合だ。
混乱している人物ほど利用しやすくなる者はいない。
自分の本当の境遇を知らされ、混乱したカチュアも自分の義理の弟に
歪んだ愛情を抱き、こちらの都合の良い様に動いてくれた。
人など所詮誰かに与えられなければ考える事も
まともに出来ない愚者ばかりなのだから。

「追うぞ!」

「駒」を増やす機会をみすみす逃すべきではない。
迅速に行動を開始する。

「ど、どっちを?」

だが、如何してこの男は私の琴線を刺激するのだろうか?

「…貴公はその場に留まる者と離れていく者、
どちらに追うという言葉を使うのだ?」

わざと慇懃無礼に返す、
今はこの程度で我慢するしかないのだから。

「あ、あぁ、分かったよ。
…何だよ、そんな言い方しなくたっていいじゃないか、ネスみたいな奴だな。」

「不満は後で聞く、あの人物を見逃すべきではないのでね。」

横目でマグナの肩に止まる小鳥を確認する。
小鳥は真っ直ぐに自分を直視している。

忌々しい、そう思った。
【F-3/平原/1日目・夕方】
【マグナ@サモンナイト2】
[状態]:健康 衣服に赤いワインが付着
[装備]:割れたワインボトル
[道具]:支給品一式(食料を1食分消費しています) 浄化の杖@TO
[思考]1:仲間を探す(ネスティ優先)
    2:皆とともにゲームを脱出したい
[備考]:ユンヌ@暁の女神 が肩に止まっています

【ランスロット・タルタロス@タクティクスオウガ】
[状態]:健康
[装備]:ロンバルディア@TO
[道具]:支給品一式(食料を1食分消費しています) ドラゴンアイズ@TO外伝
[思考]1:生存を最優先
    2:参加者と接触し情報収集
    3:ネスティとの接触
    4:脱出が不可能な場合は優勝をする
    5:茶髪の青年(リュナン)を「駒」にできるか確かめる
204 ◆6xmg9r73RU :2008/04/17(木) 07:40:53 ID:zAVTrdoB
投下完了です。

>>189
投下GJですw
まさか、マグナの方が正しい事を言っていたとはw
自分でも「これはホームズたちの行動を限定しちゃうなぁ。」と
思っていたので助かりましたw
205助けて!名無しさん!:2008/04/17(木) 10:48:34 ID:BI312Quc
そういえば、ホームズ達御一行って名簿を確認しましたっけ?
サナキは漆黒の騎士の名を見て何も感じないはずはないし、
プリニーもカーチスの存在を知ると「生意気で無愛想な緑の後輩」として
新たなるパシリとしてホームズに紹介するかもしれないし。
206助けて!名無しさん!:2008/04/17(木) 20:06:14 ID:ORNTdS5L
投下激しく乙です

臨時投下スレの>110にも放送案も投下されてるし、
あとは禁止エリア決めてナバール組が本投下されればすぐにでも放送いけそうだ

禁止エリアは>98の案に一票
207助けて!名無しさん!:2008/04/17(木) 20:12:53 ID:oGC3DRJ4
あとカーチスとアイクぐらいか。
昼過ぎから動いてないのは。

放送内容で禁止エリア以外に決める事ってありますか?

208助けて!名無しさん!:2008/04/17(木) 22:30:57 ID:IYCSwgeh
主催者からごほうびの話とか思わせぶりな発言とかかな
209助けて!名無しさん!:2008/04/17(木) 22:33:31 ID:BI312Quc
>>208
ああ、それそれ。そういうの。
あと支給品が足りないからいっそバールの支給袋とか投下しようかとか、
そういう話も以前にあったと思う。
配りすぎはよくないが、確かに少し少ない。

今にして思えば武器一つ、防具一つ、アイテム一つ
ぐらいがちょうど良かったかもしれない。
210助けて!名無しさん!:2008/04/17(木) 23:10:36 ID:sfHb2u80
むしろそれぞれ一つずつより完全ランダムでよかったんじゃないか?
全部回復アイテムとかでも、武器調達の為にマーダーになるとかできるし。
つか回復魔法が武器扱いされてる時点で武器と道具一つずつって崩れてる気がする。
211助けて!名無しさん!:2008/04/17(木) 23:24:39 ID:ORNTdS5L
支給品少ないならいっそ放送毎か最初の放送のみ支給品1つずつ増やしたりする?
突然宝箱が降ってくるとかw
支給品からみで話作りやすくなるかもしれないし
212助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 00:13:38 ID:pkAP83NR
それだと萎えるから、どうせやるならバールの支給品を多めに詰めてマップに投下するとか、
城にある開かずの部屋にアイテムを入れておくとか…何にせよ簡単に増やすのは良くない。

ところで、そろそろ第1放送間近だけど、マーダー全員無事で対主催キャラの一歩的敗北ばかり
なのもどうかね。マーダー死亡確率が基本的に低いせいでTO組はピンピンしてるし、ディスガイア組も
殺しにくいせいか全員生存。対して紋章の謎はナバール死ぬと生存キャラはオグマとチキだけ。
せめて相打ちでもいいから1人くらいマーダー死んでもいいんじゃないか?
213助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 00:15:17 ID:pkAP83NR
上訂正。ハーディンがいたな。つかそれでもマーダーだからやっぱり対主催が弱くなる…。
214助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 00:33:28 ID:FeVgAff/
>>212
それ実は以前から考えていた。
他ロワにあった博物館みたいなの。
全参加者から没収した武器とアイテムが置いてあるが、
一人一つしか持ち出せないというやつ。
城ならさしずめ修道院とか武器庫になるのだろうな。

マーダーについては、比率が唯でさえ少ないのに、
積極的にゲームに乗るメンツが少ないから
書き手的に殺しにくいというのがある。
さて、どうしたもんだか。
215助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 00:54:41 ID:FwqD1kPa
>>214
比率低いか?他のロワも同じかんじだろ。意欲も時間が経てば
対主催でもマーダー相手に殺しをしたり、誤解や事故で他者を殺すこともできる。

とりあえず、生存者がマーダーのみにならないことを祈るか。
216助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 00:57:43 ID:+qEBWvnx
マーダーが少ないから殺せないんだよな
217助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 01:14:48 ID:XU3GWKy1
積極的マーダーが電波姉&虐殺弟、エトナとC−3のメンツとニバス・アルマか。
”両方”スタンスがタルタロスとガフおじいさん。
比率だけでいえばそれほど多くはないな。
リュナンがマーダー化して剣手に入れればちょっとは面白いかも。

ランスロットにあえなく仕留められそうだ。
218助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 02:08:12 ID:+qEBWvnx
アルマは今まで倒してるキャラが皆非力キャラばっかだからそれなりに見えてるだけで、ちょっと強いやつと出会ったら終わるかもな
ディス勢が無双しないかなと思ってるが、エトナぐらいなんだよな。
殿下を逆ギレイライラに持っていければ・・・うむむ

サモンはネスとマグナが鍵かな
219助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 07:25:38 ID:FeVgAff/
ディスガイア勢もこのロワだからこそ生じる致命的弱点もあるんだけどね。
実戦経験豊富な人間も多いし、交戦して生き残ればそれに気付く面子もあると思う。
実際他のロワでも死んでるディスガイア勢のキャラいるみたいだし、無敵だとは限らない。

構想は以前からあるんだけど、いつの機会になることやら。
220助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 09:40:13 ID:XU3GWKy1
仮投下スレの放送案みて今更気付いたけど
「望むままの褒賞」ってオープニングでヴォルマルフ言ってたんだな。
それに釣られるやつがいないせいか、全く気付かなかった。
221助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 09:40:38 ID:FwqD1kPa
今まとめ見たらフロンがマーダー扱いされてるけど、次登場する時には
憑依解けてるだろうし対主催に戻してもいいんじゃね?一応基本思考は殺し合い反対だろうし。
22292 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 11:23:41 ID:FeVgAff/
おっけい。
後半部分がとりあえず完了したからしたらばに仮投下します。
ここから全部文章の誤字脱字のチェックと最後の調整に入りますので、
本投下はもう少しだけ待ってください。

>>196
ナバールはカオスというよりもニュートラルの印象があるのですが?
個人主義者に見えてなんだかんだいって協調性はあるし、
一時の感情に溺れたり、耽美的な趣味や独自の美学のようなものも
特になさそうだから。

スカルマスクの生み出したわずかの差が勝敗を捻じ曲げた、っていうのを
やりたかったわけだけど、演出がどう見ても禍々しすぎるかな?
その辺、すこし手直ししてみます。
223助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 13:21:27 ID:ezS7G7QA
追加支給品で思いついたが、残りのゾディアックストーンも同時配布という事でいいかな?
ヴォルマルフとしては寧ろこちらが主目的だろうし、他の武器等の支給品がカモフラージュになる。
でも残りの黄道十二宮全部でいいかな?
ヴァルゴ、ジェミニ、スコーピオンだけがいいかな?
224助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 19:27:38 ID:6nXMffGL
>222
激しく乙!
最後のあれでカチュアを全回復させるかと思ったw
ルガウィ化は常に魔人の姿をしなくともよいから
少し性格が残酷になるくらいでいいかもしれない。
このまま2人で行動していたら対主催に鞍替えしそうだったからちょうどいいかも
もしルガウィ化したらFFT原作での能力の詳細は欲しいかな

>223
オリジナルのルガウィはきついから、出ても
FFT原作で登場したルガウィの聖石くらいでないと
まあ全部揃えたら脱出できるとかのフラグがあってもいいかもしれんが
225助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 19:51:00 ID:WnHUc1YJ
>>222
デイバッグ→デイパック

FFT未プレイのため聖石関連は分かりませんが、それ以外は大丈夫だと思いますよ。
22692 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:06:00 ID:FeVgAff/
とりあえず、FFTと世界観がつながっている
FF12から星座と対応しているであろうと思われる
ルカヴィ達13体を検索かけて引っ張ってきました。

魔人べリアス(牡羊座)
背徳の皇帝マティウス(魚座)
憤怒の霊帝アドラメレク(山羊座)
死の天使ザルエラ(双子座)
統制者ハシュマリム(獅子座)
密告者シュミハザ(射手座)
不浄王キュクレイン(蠍座)
審判の霊樹エクスデス(天秤座)
断罪の暴君ゼロムス(蟹座)
暗黒の雲ファムフリート(水瓶座)
輪廻王カオス(牡牛座)
聖天使アルテマ(乙女座)
戒律王ゾディアーク(蛇遣座)

このうちFFTで登場したのは

不浄王キュクレイン、魔人べリアス、死の天使ザルエラ
憤怒の霊帝アドラメレク、統制者ハシュマリム、聖天使アルテマ。

あとはおまけで戒律王ゾディアーク(ただし、FFTでは戒律王の名では呼ばれていない。)

あとの未知なる6体が登場するか否か、これはヴォルマルフ次第でしょうかね?

というか、オープニング見る限り聖石ばらまかないと野望達成できないし、
ディエルゴと共同戦線張る必要性もなくなるから最低でも上で挙げた
7体分の聖石は必要だと思うのですが。
22792 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:13:51 ID:FeVgAff/
あと、憤怒の霊帝アドラメレクはアビリティとして「全魔法」が使用できます。
ゲーム上ではデータは入ってませんが、設定上を考えれば白魔法も制限なく
全て使用できると考えてますから契約を果たせばカチュアは助かることでしょう。

ルカヴィ化すれば完全に親主催側の立ち位置になるため、
奇妙な制限はほとんどない状態で魔法も使えるのでしょうかね?
あの世界、アレイズも戦闘不能状態を治療しているだけであって、
完全に死んだ人間を蘇生している訳じゃないから大丈夫だろうとは思いますが。

では、したらばの投下に特に問題なければこちらに修正した本編改めて投下しますが、
よろしいですか?
22892 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:37:33 ID:FeVgAff/
しばらく立っても特に反論もないようですので、投下開始します。
では、スタート。
229無様な剣芸92 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:39:27 ID:FeVgAff/
先に逃がした赤き少女を守る為、朱色の竜殺しの剣を手にした紅の剣士が走る。
ヴァレリアの女王を守るため、まさにその為の名を冠した青き剣を携える少年が猛る。

青々と生い茂る草々を踏みしだきながら、二人の剣士は剣を交えていた。
二人の握る剣の軌跡が幾度ともなく蒼と緋の残像を生みだし、
二人の間に火花という名の危険な毒花を咲き散らせていた。

二人の剣が地表をかすめただけで周囲の草々は刈り取られ、
斬撃の為に踏み抜いた地面は無残にえぐり抜かれている。
そう、それはまさに台風が駆け抜けた後というに相応しい光景であり、
叙事詩に謳われる英雄達の戦いの再現であった。


互いのデイバッグは、既に傍らに捨て置かれていた。
そう、実力が伯仲するからこそ、紙一重の差が勝敗を決することになるのだ。
ならば、少しでも動きの妨げになるものはいち早く放棄するに限る。
二人にとって、この勝負とはそれほど余裕のないものである。


――だが、この無造作に放置されたデイバッグが勝敗までも決定するとは、
この時は誰一人想像だにしなかった。


          ◇          ◇


ナバールはこれまでの僅かなやり取りから、この姉弟の人間性と戦力を冷静に値踏んでいた。

弟は、実戦において相当の場数を踏んでいるかと思われる。
それは先ほどの剣を姉の代わりに受け止めた技量から考えても明らかだ。
230無様な剣芸92 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:40:24 ID:FeVgAff/
剣を受け止めるという行為は、口で言うほどに簡単なものではない。
ただ避けるだけであれば、その動体視力と運動神経にものを言わせればよい。
だが向かってくる刃を防御し、正面から受け止めるとなればそれに見合う技量と、
その力のベクトルに拮抗するだけの相反する力を生みだす事が必要となる。

全体重を乗せた必殺の剣なら、なおさらだ。

安定感のない構えでは剣ごと弾き飛ばされ、あるいは切り捨てられてしまう。
微弱な備えが台風がごとき暴威には為すすべもなく飲まれ、蹂躙されるは道理。

技量差があれば、鍔迫り合いにさえ至ることはないのだ。

果たして、目の前の少年はその防御を見事にやってのけた。
それも自らではなく、他人を守るという困難をも上乗せした形で。
少なくとも、こちらに互するだけの力はあると考えた方がよい。

ただし、年相応に駆け引きには疎く、偽攻や奇襲のような剣は知らないようだ。
愚直なまでに真っ直ぐに過ぎる、ただし何よりも力強く勢いに満ちた若き剣。

先程の発言からある程度の想像はついたが、
その剣までもが精神を表わすかのように純粋で素直すぎるのだ。

だからこそ状況の変化に柔軟に対処することができず、
ここに呼び出された際はに心が砕け、殺人鬼になり果てたのだろう。
出会う時と場所さえ違えば、あるいは共に剣を語る朋友となりえたかもしれない。
だが、もはやその機会は永久に失われた。

何より、アカネイアの希望の芽を摘み、さらなる悲しみの芽を
振り撒くものどもを生かしておくつもりはない。
231無様な剣芸92 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:40:59 ID:FeVgAff/
一方、姉の方は弟と異なり相当の曲者と踏んだほうがよい。
現に今もなおこちらの『潜在的脅威』となろうと、
優位に遠距離から攻撃できる場所取りに奔走している。

それもこちらの集中力をかき乱すべく、その姿を視界の片隅に
わざと捉えられるように動くあたり、その計算高さも中々のものだ。
魔法を乱用しないのも、無駄な消耗を抑えるためと、
自らの回復の時間を稼ぐためでもあるのだろう。

二人の返り血の乾き具合の差から考えて、
あの姉が先ほどマルス王子を直接殺害したことは間違いないようだ。
殺害状況は正確に急所を一突き。ほぼ即死の状態であろう。

その手際の良さから察するに、刃物の扱いには相当手慣れている。
マルス王子とて一線級の剣士には及ばぬものの、数々の竜さえも屠り続けた人物である。
不意でも討たねば、そう易々と殺される人間ではない。

―――察するに、人を欺く才に長け、数多ある魔法を使いこなし、尚且つ剣に覚えのある才女。
つまり目の前の黒い司祭は、ある程度剣の手ほどきを受けた魔法剣士と呼ばれる稀有な人種なのだろう。

だが、純粋に剣の腕だけなら先ほどの反応から考えて、弟には遠く及ばないようだ。
魔法や剣による単なる力押しを厭い、臨機応変に対処してその狡猾さで確実に勝利を拾うタイプ。

そういった点から考えても、この姉弟は実に対照的だ。


二人はあらゆる意味で互いに欠けた部分を補う、それは理想的な組み合わせなのだろう。


―――ならば。


少年にはその経験の差というものを、女には本当の老獪さというものを教えてやろう。
対価は、当然その生命だ。

ナバールは不敵に笑みを浮かべると、構えを取り直した。
232無様な剣芸92 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:42:19 ID:FeVgAff/


          ◇          ◇


さらに何合か剣を打ち合わせ、お互いの立ち位置が何度となく入れ替わる。
そして、その中で僕は気づいた。

目の前の剣士の立ち位置が、僕と姉さんに挟み込まれた形となっていることに。
しかも、姉さんが剣士の背後という絶好の位置を取っていることに。

そう、絶好の挟み打ちのポジションだ。
僕が目の前の剣士との戦いに全力を尽くしている間に、
姉さんはその背後から好きに攻撃することができる。
では、魔法で仕留めてもらおうか?

――いや、今それは難しい。

これ以上の光の矢の乱用は姉さんの疲弊具合からも考えても厳しい。
意識を失うまで使用するならあと数発だが、実践であることを考えれば、残りあと一発。
精神の衰弱と息の上がり具合から考えて、これ以上は走ることさえも困難になる。

しかも、もし回避されてしまった場合、二対一のメリットがなくなるどころか
満足に動けぬ人間を抱えることになり、圧倒的に不利となってしまう。
第一、この位置関係だと万一目の前の男に避けられると自分に直撃する恐れさえある。
数々のリスクから考えて、魔法は諦めた方がいい。

――ならば、剣はどうだ?

そう、まだ姉さんは目の前の剣士にはその腕前は披露していない。
無論、目の前の剣士には遠く及ばないが、正規の訓練を受けた人間のそれを凌駕するほどの腕はある。
そう、油断した、あるいは身動きのとれない人間からたった一撃で急所を正確に刺し貫く程度には。

目の前の剣士が魔法しか使えぬと考えているなら、しめたもの。

僕が全力で目の前の剣士に立ち向かい、集中力を奪う。
そして呼吸を合わせて前後から刺し貫く。

もし仮に僕達の動きを察知していたとしても、
目の前の剣士に腕は二本しかついておらず、
そして斬撃を防ぐことができる剣は一本しか持ち合わせていない。
233無様な剣芸92 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:43:20 ID:FeVgAff/
そう、殺し合いとは常に民主的なのだ。悪貨が良貨を駆逐する。
数の暴力が、その質・正当性に関わりなく勝利を収めるのが道理。
ましてや、その質においてもこちらは一人だけで既に目の前の剣士とほぼ等価。
敗れる要素など何一つない。

僕は姉さんとその手に持つナイフに目くばせを行うと、姉さんは無言でコクリとうなづいた。
こちらの意図を読んでくれたようだ。
このあたりは、長年連れ添ってきた姉さんとの以心伝心というところか。


僕は出来るだけ目の前の剣士の意識がこちらに集中するように、大上段から構えゆっくりと近づく。
実力が等しいもの同士、防御を捨ててしまえば相討ちになる可能性が極めて高い。

これで、あいつもこれで自分から立ち向かうことはさけるだろう。
事実、あいつは剣を脇に構えたきり、向こうからは何も手を出そうとはしない。

僕の動きに合わせて、姉さんも音を立てることなく、摺り足で目の前の剣士との幅を縮める。
こちらの思うつぼだ。後は呼吸を揃え、一気に前後から刺し貫く。それで全てが終わる。

やがて、僕と姉さんの二人が、一挙動で目の前の剣士に致命傷を
負わせることができる距離まであと一歩の所まで近づいた時…。



――目の前の剣士が爆ぜるするように動きだした!



左足を軸に右回転しつつ、円形を描くように剣を一閃!
それは旋風すら巻き起こし、剣先が僕の腹と姉さんの胸をかすめる。
傷こそ負わなかったが、今まさに踏み込もうとした僕と姉さんの攻め気を挫き、
動きをわずかの間その場に縫いとめるには十分な動きだった。
呼吸を合わせた攻撃ほど、その機を逃せば再構築は難しくなる。
…仕方あるまい。僕達は揃って後ろに引き、間合いを取り直す。
234無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:44:34 ID:FeVgAff/
気付いていたのか。ここまでは見事だ、と言いたいところだが…。
惜しかったなッ!起死回生の反撃も、当たらなければ何の意味もないッ!

――ほんの一時、こちらの動きを止めた程度で何になるッ!

衝撃から立ち直るのは、姉さんより僕のほうが早かった。
僕は構えを直すと、そのまま目の前の剣士の動きを抑えるべく牽制に――。


な、なんだとッ!


目の前の剣士は脇構えの姿勢を崩さず、
僕を追うようにさらに大きく踏み込んでくるではないかッ!


いけないッ!このままでは本当に相討ちになるッ!
せめて一人だけでも道連れにしようとでも言うのかッ!


この男の剣は、腕の力だけで到底止められるものではない。
ましてや、背後からの攻撃を知りつつ捨て身の攻撃を取るというのだ。
その最期の剣の威力は推して知るべしだろう。
僕は慌てて腰を落として両足を踏ん張り、防御に専念する姿勢を取る。
その体に即応性と柔軟性は完全に失われるが、
これから向かう決死の刃への防御にはこれが最善となる。

お前の道連れなど御免だッ!

そう、この一撃さえ完全に抑え込めれば、後は今立ち直った姉さんが、
こいつの無防備な背を刺し貫くことになる。
235無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:46:06 ID:FeVgAff/
だが、剣士はこの僕に斬撃を加えようとはせず、目の前で後足を軸に急速に反転。
こちらに背を見せた際、目の前の剣士の口元がニヤリと冷笑に歪むのを僕ははっきりと見た。

…まさかッ?!

今度こそ、後ろの魔法剣士にカウンターを取る形での、『必殺の一撃』が放たれる。
その斬撃の軌跡の先には、今まさにナイフで背後から剣士を刺し貫こうとした
姉さんが驚愕の表情で為す術もなく立ちすくんでいた…。



しまったッ!これではすぐに止められないッ!
あいつの狙いは、初めから姉さんだったというのかッ…?!


          ◇          ◇


思えば、最初からあまりにも事が上手く運び過ぎていた。
相手はこれまでの動きや死体の状況からこちらの戦力を冷静に分析した後、
それを逆手に取るように動いていたのだ。

そう、わざと挟み打ちにされやすいようにあの剣士が動いており、
こちらは最初から罠にはめられていたのだ。

二対一という本来は不利な状況をあえて利用し、
撒き餌を仕掛けて自らの望む未来に敵二人を手繰り寄せ、
その真意を悟られぬままに場の主導権を掌握する。
236無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:47:26 ID:FeVgAff/
おそらくは、自由に動き回られて魔法で援護された時こそ厄介であると判断し、
姉さんが「多少剣を使える」という事実を利用して、
その腕を頼りとしたくなるようにこの斬撃の届く危険地帯に引きずり出したのだろう。


――己の身一つを餌にして。


姉さんの消耗具合から、魔法の乱発をできれば避けたいという心理まで逆手に取り。
この位置関係では、この防御に固まりきった姿勢では、僕は姉さんを守る事はできない。

なんという老獪さだ。
おそらく、この目の前の剣士は僕達とは比較にならぬほどの修羅場を生き抜いてきたのだろう。
そして最後の冷笑さえも、おそらくは計算の中で行動されたものの一つ。
戦闘とは、腕が互角であるほどに些細な差が勝敗を決定づける。
己の愚策で最愛の者を失うという失態を思い知らせ、
こちらの剣をさらに鈍らせるための。

その剣は姉さんをあやたまらずに斬り捨て、そして返す刀で僕に向かうだろう。
その姉さんの返り血に染まった凶刃を防ぐ自信は、僕にはない。
なんという、なんという浅はかさだ…。


――姉さんッ!

僕は思考に追いつかない身体にこれほどもどかしく、
呪わしく感じたことはなかった。


          ◇          ◇


ナバールは独楽のように旋回し、今度こそ秘めた必殺の剣を振るう。
目の前には、まさに背後から腎臓あたりを一突きにせんと短剣を構え
足を踏み出した女が驚愕に目を見開いていた。
237無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:48:34 ID:FeVgAff/
――まずは一人。

先程目の前の少年に向けた嘲笑とは裏腹に、ナバールの心は冷静の極地にあった。
全ては己の手で手繰り寄せ、敵を思い通りに操作する。
そして導き出した当然の帰結に従い、淡々と作業を行うのみ。


そこには何の感慨も湧かず、
ましてや主君の仇に対しての憎悪や、
状況を覆した勝利への歓喜さえもない。
いわゆる剣を極めた者だけが持ち得る、
明鏡止水の心境に至っていた。


目の前の女を逆袈裟に切り裂き、ついで背後の少年からは首筋を頂く。
弩から放たれた弓矢がごとく、今度こそ爆ぜる勢いの「必殺の一撃」が放たれようとした時―――。

ッ?!

ナバールは己の力が抜け、体全体が地面に縫いつけられる錯覚を感じた。
いや、これは錯覚ではなく、幻覚でもなければ、冷厳なる事実。
それも、よりおぞましい形での。

目の前の女の足元――。
少年が捨て置いたデイバッグの中身から、無数の悪霊どもが泉のごとく湧き出し、
それが何時の間にかこちらの足元から全身に纏わりついていたのだ。

怨嗟に塗れた、声なき声をその顎から震わせながら。
生者への羨望と嫉妬、憎悪に満ちた視線で。
こちらの動きを呪縛し、冥府へと引きずり込まんとばかりに。
238無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:49:17 ID:FeVgAff/
急速に意志が萎える。
全身から悪寒が走り、正常に立つことさえ困難に感じられる。
足からは躍動性が消え、腕からは瞬時にその力が失われる。
まるで身体が鉛の質量を得たかのように。
歯の根が噛み合わない。
体温が奪われる。
目の前の、今まさに命を奪わんとしている無力な女が、
たちまち畏怖すべき、おぞましき鬼女にさえ見えだした。

無論、これが女が持つ威厳によるものでなく、
何らかの支給品の超自然の力によるものは明白だ。
戦闘によって一度たりとも折れることのなかった意志が、自らにそう告げる。
それはこちらの感情と意志を横合いからへし折り、
戦闘の条理さえも捻じ曲げんとする、まさに超自然による不条理。

――だが。

そんな作りものが押しつける紛い物の感情に、この紅の剣士が容易く屈すると思うな!

ナバールは精彩を欠いた身体を無理やり振るいたたせると、
震える腕の力だけで目の前の女を斬り裂いた。

だが、硬い。肉を斬り裂くにしては、手応えが異常なまでに硬い。
強い力で押し戻されるような感触に、こちらの踏み足さえも乱れる。
どうしたというのだ、この違和感は?

刃が女の左腰から右胸へと駆け抜けて、少し遅れて服が裂け血が溢れ出す。
その二度裂けたその黒い衣装の隙間からは、二つに割れた銀色に輝く楯が覗いていた。

おそらくはその支給品を手に入れた際、手に持てば邪魔になると判断し、
予め鎧代わりにと胸板にでも仕込んでおいたのだろう。
そして、それは遺憾なくその効果を発揮し、その役割を全うし終えた。
239無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:52:32 ID:FeVgAff/
――そういうことか。

両断するつもりの一撃であった。
乾坤一擲の一撃であった。
だが、怨霊どもと装備に阻まれ、致命傷を与えることさえ叶わなかった。
決して傷は浅くはないが、この手ごたえでは少なくとも即死には至らぬだろう。


本来はここからさらに追撃に入り、止めを刺したい。
だが、これ以上目の前の少年に背を見せ続けるわけにはいかないだろう。

ナバールは膝から崩れ落ちる女の状態を横目で見ながら、
さらにそのままの勢いに任せて半回転を行い、少年の喉を狙う。

一方、少年は目の前で姉が切り裂かれたことによる動揺と、
それ以上に激昂に身をゆだねていた。


うおおおおおおおおぉぉぉぉッ!!!


獣の咆哮。まさにそう呼ぶにふさわしい雄叫びを、
だが獣には似つかわしくない人間の悲憤の涙を浮かべ、
大上段から、今度こそ紛れもない保身なき一撃を見舞わんとする。
それはまさにこれまでに無い、ナバールの剣と等しき必殺の剣。
だが、悲しいかな。その復讐の刃はほんのわずかに出遅れていた。

普段のナバールなら、そのまま少年の狂乱の剣がその体に達する直前に
その首を叩き落していただろう。

――だが、しかし。

バッグから染み出した亡霊達は未だナバールの全身を蝕み、
その全身を腐肉に群がる蛆のごとく群がったままであった。
それが、少年のものであった僅かな出遅れを、
まるで剣士のものであるかのように変えるほど条理を捻じ曲げる。

剣士に纏わりつく亡霊どもが、今まさに新たな同胞を得られるという
至上の瞬間の歓喜に、その落ち窪んだ眼窩の炎を爛々と輝かせる!
240無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:53:28 ID:FeVgAff/
「…いくぞッ!! 神鳴明王剣ッ!!」

少年が余計な消耗を避けるためにこれまで封印していた、
死者の宮殿から亡者より学びとった奥義を今まさに解き放つ。
離れた剣先より、疾風…いや具風とも言うべき刃が駆ける。

繰り返す。
戦闘とは、腕が互角であるほどに些細な差が勝敗を決定づける。

その結果。
ナバールの剣が首筋を捉える直前に、
少年の剣が袈裟切りにナバールを捉えていた。


二度めの、盛大な血飛沫があがる。


ナバールの剣が虚しく空を斬り、未練のようにデニムの首の皮一枚をかすめる。
その体は先程の旋回する勢いを残したまま仰向けに地に伏せた。
ナバールの傷は目の前の女に対して付けた傷よりもなお一層深く、
そして胸板から噴き上げる血潮の量はその倍にして余りある。

それは、誰が見ても一目で分かる致命傷のそれであった。



          ◇          ◇

「――俺が敗れた、か。」

目の前の少年の首筋を斬る感触よりも先に
胸板から下腹部まで駆け抜けた灼熱の感覚で、
ナバールは己が敗北した事を悟った。
241無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:54:17 ID:FeVgAff/
その四肢はおろか、指先さえもがぴくりとも動かない。
肺から溢れる血で、口を動かすことすらままならない。
僅かに下へ動く目線で傷の状態を確認するが、
下腹部からわずかに内臓らしきものがはみ出している。

即死しなかったことが不思議なほどだ。

これでは、せっかく頂いた貴重な飴も意味を為さぬであろう。
いや、もはや取り出す気力さえも残されてはいないが。

――視界が、急速に暗くなる。

口から溢れる鉄錆の味が
こちらに駆け寄る少年の足音が
己の身体から吹き出す血潮の匂いが
呼吸をするたびに肺に走る激痛が
地面に背を付けた冷たい感触が

――世界と己との繋がりを示す、五つある感覚の一切が途絶える。


どうやら、俺はこれまでのようだ。


だが、目の前の姉弟も傷の治療で暫くはベルフラウを追うことは叶わぬだろう。
なんとか、あの勝気な小娘をしばらく守ることだけは成功したということか。
ならば、いい。










…いや、よくはないか。
242無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:56:00 ID:FeVgAff/
いずれあの小娘も放送で俺の死を知らされた時、
またしても顔を紅潮させて大粒の涙を浮かべながら

「どうして、どうして貴方は何もかも勝手に決めて、
 勝手に死んで、私の意思を何一つ尊重しませんの!
 最期まで、ほとんど名を呼んでくださりませんでしたし!
 散々淑女をないがしろにして、あげくエスコート一つ満足に出来ない、
 顔だけが取り柄の殿方だなんて、本っっっ当に最低ですわ!」

と物言わぬ俺に声を限りに抗議する様が目に浮かびそうだ。
アティという彼女の師も、この我儘娘をあやすのにさぞ骨を折ることだろう。
あの小娘は、死んだ後でさえこの俺を悩ませる気か?
なんという世話の焼ける小娘だ。

苦笑が漏れた。
…馬鹿な話だ。

今、こうして死ぬ時までもが女がらみとはな。

思えば、女に振り回された人生であった。
本来俺は、雇い主の主義主張さえも問わぬ孤高の傭兵であるはずだった。

それが、数年前に修道女を見逃してから、全ては変わってしまった。

女天馬騎士には裏切りを唆され、何時の間にか救国の英雄と呼ばれていた。
数年後には姦しい女に付きまとわれて二度盗賊団を裏切ることになり、
望みもしないのに二度アカネイアの歴史に名を残す事になる。
そしてこの異国の地ではさらに幼い小娘の御守と来た。
さらにはここでは決め事をも破って女を斬ることになり、
とどめにはまだ出会ったこともない小娘自慢の師の気苦労に同情している。

これではまるで、孤高どころか女の尻ばかり追いかけているようではないか?
…ああ、本当に馬鹿な話だな。
243無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:56:44 ID:FeVgAff/
思わず苦笑が漏れる。だが、悪くもない。
少なくともこの俺を斬った少年のように、
己を見失い殺人鬼に堕すことだけはなかったのだから。
俺が俺であり続けたままで、生涯を全うする。


――ならば、それで充分だ。


マルス王子は守れなかったが、あの小娘はひとまず守ることができた。
この救いのない異郷の地で、ささやかなものであっても守れたなら本望だ。
いや、『ささやか』と評すればまたあの小娘が声を限りに抗議しそうだが。


「フッ…、馬鹿な話だ…。」


ナバールは最期にそう唇を動かすと、
その意識を完全に、二度と醒めぬ暗闇に委ねた。


          ◇          ◇


地に足を付けるは、ただ一人。
だがしかし、その者が勝利に酔うことはなく、
この場にいる三人の誰よりも覇気に欠け、
生気に欠けた死人の顔のそれであった。

デイバックから覗く、悪魔のしゃれこうべで造られた兜から漏れ出した怨霊達が、
此度の勝利者を祝福し、または嘲笑うかのようにデニムの周囲を舞う。
244無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:57:33 ID:FeVgAff/
その禍々しき兜の名は、「スカルマスク」。
伝説のオウガバトルにも謳われた、暗黒魔道器の一つ。
効果の程は一度手にした事もあるためデニム達も知り抜いていたが、
あまりにも外見が禍々しすぎるため対人交渉に支障が生じると判断し、
最初から所持していたが今まで装備しなかった曰くつきの兜だ。

その主にさえ疎まれ手に取られる事のなかった不遇の兜が、
今まさに忠義を尽くさんと本来の主を守り抜いた。
    ・・  
これから仲間を迎え入れられる歓喜に、その身を打ち震わせながら。


結局のところ、この三者の人間による腹の探り合い、騙し合いを尽くした
時にして数分も立たぬこの戦闘は、まるで人知の及ばぬ不条理により、
勝利者にさえ想像もつかぬ形で決着を迎えた。


          ◇          ◇


「姉さああんッ!」


僕は目の前の男の亡骸を大きく跨いで姉さんの元に駆け寄る。
もはや、一分一秒の時が惜しい。

斬り裂かれた胸部の傷を、改めて確認する。
姉さんは既に意識が朦朧としているのか、何度か呼びかけてみたが返事がない。
幸い、あらかじめ仕込んであった楯のおかげか、傷は内臓までは達してはいない。
ただし、どこかの動脈が切断されており、出血はおびただしい。
すぐにでも魔法か何かで縫合処置を施さないと、その命はないだろう。
245無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:58:30 ID:FeVgAff/
それでも、必死の呼びかけが功を奏したのか。
姉さんが、ヴァレリアの希望の象徴が、うっすらと目を開ける。

「良かった。貴方は、無事だったのね…。」
「…姉さんッ!」

心からの安堵を浮かべ、姉さんは痛みなど一切感じぬように微笑みを返す。
敵には一切の容赦がない冷酷無比な女王だが、
愛する者に対しては、どこまでも慈愛豊かな聖母となる。

実父に贈られた形見のネックレスに封じられたような
女神イシュタルの動的な愛憎を象徴する、
姉さんはまさにそんな情念に生きる女性だ。

ただしその視点は一向に定まらず、どこか夢見るように陶然としている。
姉さんは、からかうように、僕を試す様に冗談めかしながら、口を開いた。

「姉さん、ね。女王とは呼ばないのね?」
「…失言でした。以後は慎みましょう。ベルサリア女王。」

そうであった。いかに姉弟といえども君臣の関係であることには変わりない。
お互いの立場を考えるのであれば、むしろこれまでのほうが馴れ馴れすぎたのだろう。
そのような“ベルサリア女王”の訓戒に態度を改めるが、
その態度に“姉さん”はくすりと笑い勘違いを指摘してきた。

「…違うわよ。二度とそんな堅苦しく呼ばないで。
 第一、ここではたった二人っきりなのに。
 むしろカチュア、と呼んでくれないかしら。」
「なっ…。」
246無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 20:59:17 ID:FeVgAff/
“姉さん”ではなく、ましてや“ベルサリア女王”でもなく、 
 親しき間柄の者が“カチュア”と、敬称もなく呼び捨ての名でそう呼ぶこと。
 それが一体何を意味するか。そう呼んでしまう事の危うさを僕は知っていた。
 だが、それが姉さんの望みであるなら、そうも呼ぼう。

「失敗しちゃったわ。もしかすると、もう駄目かもしれないわね。」
「何を言っているんだ、カチュアッ!直ぐに手当をするから弱気な発言はやめてくれッ!」

そうは言ってみたが、状況は絶望的だ。
僕にはここまでの傷を癒す魔法は使えない。
そして本格的な応急措置を行おうにも、止血や消毒、傷口を縫合する道具がない。
近くの施設を捜索して調達するしかないのだが、圧倒的に時間が足りない。

「でもね。こんな時だからこそ、一つだけ聞いておきたいことがあるの。
 今を逃せば、もう二度と聞けそうにないから。」
「…なんだい、カチュア。」

カチュア、という違和感と危険さを含んだ呼び方に自分でも声が震える。

「ついさっき、貴方は『私を愛している』と言っていたけど、
 それはどのような形で愛しているの?………教えて。
 “掛け替えのない家族”として?それとも、…“女”として?」

――予想はしていたことだ。
だが、答えてはならない。その期待には答えられない。
どのように答えても、結局は傷つけることになる。

「…そういう質問より、傷の手当が先だよ。カチュア。」

僕はあくまでも愛する家族の要望に応えて“カチュア”と呼んでいるのだと、
言外に意味を含ませて強調する。直接の発言で、最愛の姉を傷つけぬように。
247無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 21:02:14 ID:FeVgAff/
だが、目の前の女性は『ほおら、やっぱり予想通りの答えが来た。』とばかりに苦笑し、
強張った僕の顔を優しく撫でる。あなたの顔で考えていることなんて丸わかりよ、と言いたげに。

初心で融通の利かない弟をからかうような
それでいて期待に答えぬ事に落胆するような
あるいは関係が壊れなかった事を安堵したような

様々な思いが混じり合った複雑な表情を、その紙のように白くなった顔に浮かべながら。

「…やっぱり、それには答えてはくれないのね?
 でも、いいわ。
 貴方が私を必要としているであれば、どんな形でも構わない。
 女王としてでも、家族としてでも。そして、女としてでも。
 第一、血はつながっていないから遠慮する必要はなかったのに、ね?」

もう、これ以上何も答えてはならない。
姉さんを心より思いやるのであれば。

「姉さん…。」

「あら。もう“姉さん”に戻ったの?…つまらないわね。
“カチュア”って呼ばれた時は、満更でもなかったのに。」

姉さんは冗談めかして笑顔で僕に話しかける。
しかし、僕は姉さんの隠された本心に気づいてしまった。
だが、それには決して答えるわけにはいかない。

あくまでも、姉さんはヴァレリアの女王だ。
そのような関係を持っていいはずがない。
姉さんは民族融和の新しい象徴として、バクラム人以外と…。

たとえば、そう。
非道の殺人鬼を正しく導いた、誰よりのこの姉を想うウォルスタ人の真の英雄と結ばれるべきなのだ。
248無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 21:04:41 ID:FeVgAff/
「姉さん、もうそれ以上しゃべっちゃダメだ。体力を失う。」
「…そうね。流石に少し疲れたわ。でも最期に一つ、お願いがあるの。」

人の話しを聞かないところがある姉さんにしては、嫌に大人しく引き下がる。
そこに違和感を感じたが、願いというのであれば聞かなくてはならない。
これが、姉としての最期のものとなるかもしれないのであれば。

「なんでも聞くよ。姉さん。」
「じゃあ、唇にキスして。」

ああ、やっぱりこういう事か。
姉さんは思いつめれば、いつもとんでもない事を言い出す。

「…なっ、何を言い出すんだッ!姉さんッ!」
「あら?今までだって普通に頬にキスくらいはしてたわよ?
 それに最期の我儘だから、何も言わずに黙って聞いて。お願い…。」


思い悩む時間はない。それで、姉が満足していけるのであれば。
僕は、意を決して姉の震える唇に自分のものを重ねた。
家族として頬に唇を付けたことは何度となくあるが、今回は違う。
それは情愛を帯びた、男と女の関係のものがする口付け。

しかし、その滑りを帯びた鉄錆を含んだ初めての接吻は
決して甘いものではなく、濃厚な死の匂いだけがした。

「これでよかったかい?姉さん。でもこれで最期にはしないから、今は休んで。」
「ありがとう、デニム。愛してるわ。」

「…………カチュア。」

…僕は姉さんの、カチュアという女性の想いに答えられたのだろうか?
249無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 21:06:06 ID:FeVgAff/
愛している。そう言い残して、カチュアはその意識を手放した。
確かにまだ息はある。だが、この出血の勢いではそう長くは持たないだろう。
姉さんを抱き抱え、近くのC−6の城に赴くころには、姉さんは確実に息絶えてしまう…。



そして、今の僕にはそれを防ぐ術は、姉さんを助ける術は、


――何一つ、ない。



周囲を漂う悪霊たちは、その事を熟知しているのだ。
ここを漂う者どもは勝ち誇り、残された生者の絶望と悲嘆を肴に、
哄笑しながら新たな同胞の来訪を待ち受ける。
掛け替えのない生命が、その身体から抜け落ちる瞬間を。
これから『二人目』の魂を、冥府に引き摺り込むために。


思えば、この戦闘に本当の意味で勝利したのは僕ではなく、
この目の前の、名前すら知らぬ剣士ではなかったのだろうか?

この男は自らは死にこそしたが、無事に仲間を逃がし、助けることに成功した。
僕は戦いに勝利こそしたが、こうしてかけがえのない最愛の姉と、
ヴァレリアの未来を同時に失おうとしている。
なんという、なんという無意味な勝利。

今この男の死に顔を見れば、苦悶とは縁がないばかりの満足な笑みを浮かべている。
いや、これは殺し合いには勝利したものの、「大切なものを守る」という戦いの目的さえも
達することができなかった僕を嘲笑ったものかもしれない。
250無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 21:07:21 ID:FeVgAff/
自分一人が生き残ったところで、何の意味さえもありはしないと言うのにッ!
自分が優勝したところで、何の価値さえもありはしないというのにッ!


――これが、守り切れた者と、守り切れなかった者の差とでも言うのかッ!


無力な僕には、もはや残された僅かな時間を祈り、無力な自分自身を呪う事しかできなかった。


何がゴリアテの英雄だッ!多くの無辜の人間を斬り殺戮の血にまみれた、ただの殺人鬼ではないかッ!
何が大義のための礎だッ!守るべきものを犠牲にしてまで、己のみがのうのうと生き延びているではないかッ!


愚かしいにも程があろうと言うものだ。


頼む。神…、いや悪魔でもいいッ!
そこで嘲笑う悪霊どもでも、一向に構わないッ!
姉さんを、カチュアを、今一度だけ助けてくれッ!
その代償となる魂を望むなら、たとえ何人でも生贄をささげようッ!
この僕の魂を望むなら、喜んで捧げてもいいッ!


だから、姉さんは…、カチュアだけは、どうか、どうか、助けてくれッ!


周囲を漂う悪霊どもはそのような願いは聞き届けられぬと、
薄ら笑いを浮かべながら首を大きく横に振る。
主にとってかけがえのない存在だからこそ、
有象無象の無数の魂より遥かに奪う価値があるのだと言わんばかりに。
251無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 21:08:10 ID:FeVgAff/
だが、捨てる神あれば、拾う神あり。
いや、それは違う。間違っても神と呼んではならない存在。
絶望、悲憤、憤怒…。あらゆる負の感情のみを是とし、
それを呼び水として呼び出される、忌まわしき存在。


その超越的存在が、かの少年の声を確かに聞き届けた。



使い方が分からぬからとお守り代わりに僕の胸元に入れていた
「祝福の聖石」にも似た奇妙なクリスタルが、静かに明滅を繰り返す。


それは独りでに僕の懐から離れ、
今度は目も眩む程の閃光を一度発し、
中宙に浮かび上がった。


      聖石を持つ者よ…


直接頭の内に響き渡るは、威厳と威圧感に満ちた、声なき声。


「…聖石が、喋った?」


状況を把握できず、僕は呆然とする。
何時の間にか、嘲笑する悪霊どもは全て退けられた。
周囲が暗闇に包まれ、僕と姉さん以外のものが一切の色を失う。
一体、何が起こっているというのだ?
252無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 21:09:28 ID:FeVgAff/
…まさか、この聖石が?

 
      聖石を持つ者よ…
      死に瀕する、掛け替えのないものを救いたいか?


「どういうことなんだ?一体…。」


      ならば、我と契約を結べ…


――そう、それはまさに奇跡。
いや、悪夢とでも言うべきか。


その自らの無力さへの憤怒と絶望による魂の慟哭が、
悪魔に魂を売り渡しでも姉を救いたいという渇望が、
次元の狭間に囚われていたルカヴィ、
“憤怒の霊帝”アドラメレクの耳元にまで届き、
その召喚に応じたのであった。



【D-6/平原/一日目・日中】
【デニム=モウン@タクティクスオウガ】
[状態]:プロテス(セイブザクィーンの効果)、失血による体力消耗(小)首筋にかすり傷、肩の傷は治療済みの為行動制限なし、
    全身が血塗れ、絶望と後悔による心神の喪失。
[装備]:セイブザクィーン@FFT  炎竜の剣@タクティクスオウガ、ゾディアックストーン・カプリコーン@FFT
[所持品]:支給品一式×2、壊れた槍、鋼の槍、シノンの首輪、スカルマスク@タクティクスオウガ
[思考]:1:…カチュア。
    2:その他参加者の排除
    3:脱出法の模索
    4:…聖石が、喋った?

【カチュア@タクティクスオウガ】
[状態]:全身が血塗れ、左腰から右胸にかけての刀傷(重体)、胸部動脈から出血中、体力消耗と意識不明により魔法の詠唱不可。
[装備]:魔月の短剣@サモンナイト3 、両断された銀の盾@ティアリングサーガ
[道具]:支給品一式、ガラスのカボチャ@タクティクスオウガ
[思考]:※意識不明の為、一切の思考を行えません。
253無様な剣芸 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 21:13:43 ID:FeVgAff/
[備考]
・デニムの現状への絶望と自分の無力さへの憤怒から、
 ゾディアックソトーン・カプリコーンが発動しました。
 デニム=モウンを新たなる“相応しい肉体”であると認めています。
 他の聖石もそれに呼応して、何らかの反応を示すかもしれません。
・ナバールのデイバッグが近くに落ちてます。
・カレーキャンディはナバールの懐にねじ込まれたままで、大量の血潮に塗れています。
・カチュアが胸に仕込んでいた銀の楯は衣装ごと完全に両断されています。

【スカルマスク@タクティクスオウガ】
頭部用防具。悪魔のしゃれこうべで造られた兜。暗黒魔道器のひとつ。
他の暗黒魔道器(ダグザハンマー・死神の甲冑・死霊の指輪)と同じく恐怖効果を持つ。
四種全てを揃えれば、物理・魔法防御力が飛躍的に上昇する効果も併せ持つ。

【ゾディアックストーン・カプリコーン@FFT
伝説の秘宝・ゾディアックストーンの一つ。
黄道十二宮の『磨羯宮(山羊座)』を司る聖石
狭間に囚われている“憤怒の霊帝”アドラメレクを召喚する触媒ともなる。


神鳴明王剣:少し離れた射程の相手にも到達する、死者の宮殿でロデリック王(故人)から教わったデニムの奥義。
剣でしか使用できない。技量がそのままダメージの値となり破壊力も大きいが、代償として体力の二割を消耗する。

【ナバール@紋章の謎 死亡】
【残り44人】
254助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 22:31:20 ID:5YtDv+Ef
>>226
投下乙です。

>オープニング見る限り聖石ばらまかないと野望達成できないし
明確な目的って判明してましたっけ?
過去スレで少し話が出てましたが、自分はヴォルマルフは
争いの最中に強靭な参加者の血を流し、魂を生贄とし、源罪を糧として
アルテマ復活を目論んでるんだと踏んでましたが。

FFTプレイ済みですが扱いの難しい聖石がゴロゴロ出ると書き手が戸惑うかと。
255 ◆j893VYBPfU :2008/04/18(金) 22:43:28 ID:FeVgAff/
>>254
ああ、なるほど。言われて初めて気がついた。
アルテマを始めとした仲間達の召喚ではなく、
あくまでもアルテマ一人に絞るということですか。
確かにあれも復活には多くの血をもう一度流す必要があるし。

それに、確かに考えなおしてみれば、
アルテマ一人さえ蘇生すれば他の仲間達召喚するのに
聖石にすら頼る必要はなくなってしまうなw
では、最低ヴァルゴ一つ追加でも問題ないって事か。
さらに追加したとしてもスコーピオとジェミニくらいで。

あと蛇足というか、駄文。
今回の題名「無様な剣芸」っていうのは三通りに意味があります。

一つはナバールの自嘲じみた意味で。
一つはデニムが完全に裏をかかれて無様を晒したという意味で。
一つは書き手が遅筆地獄の上に駄文で殺陣があまり上手くいっとらんという意味で。

まあどれを取るかは読み手の皆さんにお任せしますw

ところで、題名の元ネタみたいなコーナーってSRPGロワにはありましたっけ?
プラハを、じゃない。希望を着た悪魔、とか結構元ネタありそうな題名って
結構こちらもありそうな気はしますが。
256助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 22:59:58 ID:pkAP83NR
現段階では主催者側の目的は不明。進行役をヴォルマルフが担当し、
主催者はディエルゴ(ハイネルか源罪かすら不明。)ということになっている。

俺は邪魔者達の排除という部分で利害が一致してロワを主催。
ヴォルマルフの真の目的は>>254のような感じで、ディエルゴは既にメルギトスとしての意識が回復。
会場で常に溢れ続ける負の感情を取り込み自分の力をつけていた。ルカヴィやメダリオンも
自分の糧でしかなく、ヴォルマルフも自分の食事にしようとしている。境界線の要領で首輪から参加者の力も
吸い取っているので更に能力うp(術発動他の部分も細かく調整している)。
優勝しようが脱出を図ろうが適当に始末するからどっちでも構わないと考えている。
かなと思ってた。流石に無理矢理すぎるからないかもしれないけど…。
257助けて!名無しさん!:2008/04/18(金) 23:00:26 ID:5YtDv+Ef
あくまで自分はそう推定しているだけで
ヴォルマルフの目的がそれであるとは限りませんが…。

アルマもラムザも原作終了後からの参戦なので、アルテマは"彼女"から分離してても不思議ありませんし
ヴァルゴはヴォルマルフの手元にあったとしても問題はないのでは?
それこそ、原作のラムザじゃないけど海に捨てられたりラハールに破壊されたりするリスクも…

破壊されたヴァルゴが死者スレでアメルを(ry とか考えた俺は逝ってよし。

題名の3つ目が、ナバール並に自嘲気味ですがどっちにせよGJです!
元ネタがあるSSはそこそこありますがwikiにはないですね。
作るなら分かる範囲でなら手伝えますが。
258助けて!名無しさん!:2008/04/19(土) 01:17:18 ID:Ga0qtG7r
>>169 で上がっていた夕方の放送までに
一度は行動を起こしておいた方が良いキャラ。
残りはこれだけか。

デニム&カチュア
パッフェル
カーチス
ネサラ
ネスティ
アグリアス&フロン

では、もしまだ誰も書いてなかったならカーチス予約していいですか?
259助けて!名無しさん!:2008/04/19(土) 02:00:23 ID:u4IQFGXm
>>258
一応カーチスが出てくる話を書いている途中です。
とはいえ休日中に書き上げられるかどうかといったところですが。
260助けて!名無しさん!:2008/04/19(土) 06:37:30 ID:Kfjju8Dk
投下GJです。
あーナバール…お疲れ様。格好良かったよ
実は守れてないけどな!
両方報われてない感じがパロロワらしくて良いですね。
戦闘描写もこんな風に書けるようになりたいなぁ…
GJでした
261助けて!名無しさん!:2008/04/19(土) 07:25:56 ID:Ga0qtG7r
>>259
では、お任せいたします。がんがってください。
カーチス大好きなんだけど誰も書かないからね。
262 ◆6xmg9r73RU :2008/04/19(土) 22:15:52 ID:zT3NDhr/
皆さんにまかせっきりだった編集作業を久々に自分で更新してきました。
本当に申し訳ないorz

死亡者リストの殺害者のスタンスを一部変更してます。
アルマ:無差別→奉仕(ラムザ)
カチュア:ステルス→奉仕(デニム)

お互いに奉仕しようとしてる某姉弟、怖すぎw
263助けて!名無しさん!:2008/04/19(土) 22:30:41 ID:Ga0qtG7r
>>262
すでにAまでやっちゃっている熱い仲だからNE!
でも、デニムは転生すればさらにスタイルが変わるSA!
264助けて!名無しさん!:2008/04/22(火) 02:40:19 ID:m6xRbTwL
>非道の殺人鬼を正しく導いた、誰よりのこの姉を想うウォルスタ人の真の英雄

それはLルートヴァイスの事かw
残念ながらこのロワに参戦してるのはCルートヴァイス……ウォーリアーなんぞとは
比べ物にならない子悪党w
265助けて!名無しさん!:2008/04/22(火) 08:02:02 ID:IDL0qF0W
>>264
いえ〜す。Lルートヴァイス以外の何もでもありません。
ですが、ここで出会えばどうしようもない下衆野郎。
そのギャップが堪らない。

結構忘れ去られがちだけどね。
死者を蘇生させてロワに登場されているだけでなく、
同じ世界の異なる時間軸(いわゆる並行世界)からも
人間を自在に呼び寄せている事実も
主催側の力の一端を誇示するには十分なんだけど。

褒美もいいけど、こういう力の誇示とかも
放送で使えないかなとは思ったのだが。
作品と違って、何人かで放送案(というか放送内容そのもの)
出し合うのも悪くはないかなとは思ったけど、今さら遅いかな。
266助けて!名無しさん!:2008/04/22(火) 13:09:51 ID:B7lGuMiW
そんなことはないんじゃね?少なくとも、主催者が誇示しない限りは誰も
平行世界の存在は認識しないと思うし、それを聞いて参加者達が行動を変える可能性も出てくる。
267助けて!名無しさん!:2008/04/23(水) 15:02:32 ID:ctCt9PEX
>265
仮投下されてる放送案はあくまで案だし、
まだ放送内容も完全には固まってない試運転モノだから
案はあるに越したことはないかと。
268 ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:41:29 ID:T6+pgStG
予約なしでしたが投下します。
269誤解が育む愛もある ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:42:34 ID:T6+pgStG
「うぅ……」

額がズキズキ痛む。
身体がだるく、ひどく重い。
ついでに言うなら、自身に乗っかっている何かがそれなりに重い。

頭がはっきりしない。目覚めたばかりのようだ。冷静に、状況を整理しよう。
私は誰だ?

――アグリアス=オークス。
それは間違いなかった。私は錯乱もしていないし思考が鈍っているわけでもない。

ここはどこだ?

――詳細不明の孤島。
これも間違いない。詳細は一切不明だ。

なぜここにいる?

――ヴォルマルフの策略にまんまと引っかかったらしい。
情けないものだ。正直、悔しい。またしてもあいつらの掌の上に踊らされるとは。

何をしていた?
――男に襲撃されている少女を保護した。
そして、私が荷物の確認をしている間に奇妙な現象が起こり、
少女に変化が――――


「ッ!!」

記憶が奔流となって私の頭を駆け巡った。
自分の腹の上に視線を遣ると、不幸にも思ったとおり…
襲い掛かってきた黒き翼の天使がすやすやと眠っていた。二筋の鼻血をたらして。
私に乗っていたのは彼女だ。そして、身体がひどく重いのも彼女の攻撃のせいだ。
そうだ、私は逃げなければならない。
こんなところで間抜けにも、本当の意味で間抜けにも死ぬわけにはいかない。
270誤解が育む愛もある ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:43:14 ID:T6+pgStG
「…クッ…」

なんとか立ち上がろうとしたが、できなかった。
予想以上に身体に力が入らない。
仕方がないので、とりあえずは身体をを左側に傾け、乗っかっている天使を地面へと転げ落とした。
彼女が目を覚ます可能性があるがそんなことは言ってられない。
もう一度、挑戦。四つん這いの姿勢からどうにか二足歩行を試みる。
身体が、鎧が重い。俵を担いで立ち上がろうとしているような負荷がかかり
膝が震えているのを感じた。

それにも耐え、なんとか立ち上がることはできた。
思いっきり立ちくらみがしたが、なんとか踏みとどまり周囲を警戒する。

(人の気配は………ない、が。私たちの荷物がなくなっている)

まさか、全てが風に飛ばされたなんてことはないだろう。
ということは誰かが持ち去ったのだろうか?
それなら、荷物を奪い去るだけではなく
気絶している私達に対して何かしらの行動をしそうなものだが。
"殺し合いにのっておらず"かつ"親切心を持ち合わせていない"人物ということだろうか。
単純に、猿か何かが取っていった可能性もあるが。

(とにかく、武器どころか水すらない。幸いにもすぐ近くに川があるが…
 どこかで入れ物を調達しなければならないな。
 地図は頭に叩き込んであるから、ある程度の地理は分かる。
 E−2・G−5の拠点なら容器程度はあるだろう。…だが今の私では着く頃には日が暮れる。
 下手な相手と出くわせば……逃げることすらできまい。さて、どうしたものか…)

東の空がだんだんと暗くなっていく。
自身の顔は、おそらく青白いだろう。完全な貧血だ。
風が通り抜けていく。温かみが感じられない頬から、熱を奪っていく。
271誤解が育む愛もある ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:43:48 ID:T6+pgStG
冷える。

ラムザはどうしているだろうか。あいつのことだ。
ヴォルマルフ打倒に奮起して、何かしらの行動を起こしているだろう。
最初にヴォルマルフ相手に大立ち回りしたのだから、
ラムザとの接触を目指している参加者も多いだろう。

ムスタディオ。あいつは無事か?
殺し合いに乗るような奴ではない。だが、人が良すぎる。
そっと…ゆっくりと唇を右手でなぞった。
あいつからもらったティンカーリップはつけてはいない。
血色を失った唇は柔らかく、冷たい。

ガフガリオン。北天騎士団に内通しオヴェリア様を裏切った許し難い男。
極悪人というわけではないが注意は必要だ。あと一発ひっぱたきたい。
そして、なぜ奴が生きている。これもヴォルマルフ達の仕業なのか?

ウィーグラフ。もはや語るまでもない。悪魔・ルカヴィそのもの。
ラムザとの一騎打ちに破れ、その後に奴と同化していたベリアスも倒したはずだ。
ガフガリオンと同じく、なぜ奴の名前がここにあるのか。
分からないことが多すぎる。最初に目を通した名簿を含む、
ヴォルマルフからの情報の真偽についても考える必要があるだろう。

アルマ。ラムザの妹。
そして、ヴォルマルフに捕らわれていたはずだ。
兄達と違って修道院で暮らしていた期間が長く、戦闘はからきし。
わざわざ連れ回した人質を、こうもたやすく放出した理由はなんなのだろうか。

涼しい風が、髪を、頬を、肌を撫で付けていく。

冷える。

「………」

私は、自身の頭が回転していないことを再認識した。
鎧が不器用に剥がされ、胸元がはだけている格好なことに今気付いたのだ。
冷えて当然だろう。
さっさと着衣を整えようと思ったその時。
272誤解が育む愛もある ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:44:19 ID:T6+pgStG
「むにゅぅ……いやいや…こころゆくまでアニメを……かにみそぉ…」

自身の頭が回転していないということをもう一度認識することとなった。
思考の海を泳ぐ前に、森を歩くべきだったことになぜ気付かなかったのか。
吸血天使が目を覚まし身を起こしていた。



「なんだか鼻が痛いです……あれ?アグリアスさん。
 そんなところで立ってどうしたんですか?
 ほら、こっちにきて血を吸わせてくださいよ」

天使のモノではない黒い翼に、赤い瞳。
彼女に憑いた悪魔は、未だに彼女の肉体から出て行ってないようだった。

(逃げるしかない)

即座に決断した。まともに戦うほどの体力は残っていない。
なけなしの体力を振り絞り、死神の如き天使に背を向け走り出したが。

「おにごっこですか?待ってくださいアグリアスさん!」

「ッ!!」

おぼつかない足取りの私の速さではどうにもならない。
悪魔の翼をバッサバッサとはばたかせすぐに正面に回り込まれた。

「息が少し上がってますね。そんなアグリアスさんもおいしそうです…」

逃れれたはずの死刑宣告が再び突きつけられ、
気がつくと両肩は死刑執行人に掴まれていた。
払いのけようとしたが、彼女の両手は私の肩にくっついているように離れようとしない。
273誤解が育む愛もある ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:44:50 ID:T6+pgStG
向かい合う二人。一人の肩には手が置かれ、夕闇がムードを作り出す。
傍から見れば、ラブシーンの一幕に見えないこともないかもしれない。
だが、そんなことは私には関係なかった。

「アグリアスさん、いただきます…」

死刑執行。彼女は肩を掴んでいた右手1つで、私の両手を握った。
もちろん、頭突きも警戒している。同じ失敗をするつもりはないらしい。
反撃の自由を奪われた。
足掻いてみるが、見た目以上の筋力を保持している彼女の拘束からは逃れられない。

(無念…ッ)

私は覚悟を決め、固く眼を閉じた。

(ここまでか…ラムザ、ムスタディオ…すまない。
 オヴェリア様…申し訳ありません。ディリータ殿、オヴェリア様を頼みます)

瞼の向こうで、何か紫の光が煌いたがそれが一体何になるというのか。
私は、この残された僅かな時間で仲間とオヴェリア様の無事を祈ることしかできなかった。



まるで何かの夢から醒めたかのように、フロンは"青い瞳を"ぱちくりさせていた。
その背には、純白の天使の羽。先程の紫の光は、
ダークレギオンの憑依が時間経過により解けたための反応だったのだ。

それで、問題はこの状況だ。
向かい合う二人。胸をはだけさせたアグリアスは眼を閉じている。

きっちり3秒間、状況を考える。
ここで、この愛マニアが出す結論は一つ。
274誤解が育む愛もある ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:45:32 ID:T6+pgStG
(これは……ラブシーンですね!!)

しかも、相手が眼をつぶっているのである。

(これは……私がリードしろってことですね!!!)

フロンは左手の人差し指でアグリアスの頬をそっと撫で、そのまま指を顎へ。
指で顎を上下させフロンの顔の高さに合わせた角度にアグリアスの顔を調整する。

「アグリアスさん…」

そのまま、フロンの唇がアグリアスの唇へと―――――

「…ふみゅっ!?」

いかなかった。

「………正気に戻ったようだが……貴殿は何をしている?」

死を覚悟してから、攻撃されるまでにあまりに間が長いので薄目を開いたアグリアス。
悪魔の翼が天使の白い羽に戻っていたので、
彼女が正気に戻っていることを理解するのは容易かった。
もっとも、行動は正気とは思えなかったが。

「何をしている、ってそれはもちろん、愛に身を任せているんです。
 こんなシチュエーションがいつのまにか組まれているのに無碍にするなんて…
 そんな愛を冒涜するよな真似できないじゃないですか!」

アグリアスには彼女の言葉に色々と突っ込みたいところがあったが…
最も気になるのは『いつのまにか』という言葉。

「待て、貴殿は何をやったのか覚えてないのか?」

「…?なんだか、夢を見ていたような…私、何かやりましたか?」

「……本当に覚えてないんだな」
275誤解が育む愛もある ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:46:10 ID:T6+pgStG
ならば責めるに責めれないな、と苦々しい表情でアグリアスが呟いた。
ため息をつきながら鎧を着直す彼女を見ながら
フロンは自分が何をやったのか思い出そうとするが綺麗に記憶から抜けている。

(仕方がありません、状況から考えてみましょう
 胸がはだけたアグリアスさん。
 ラブシーン真っ最中。
 そういえばなんでか鼻血が出ていた私。
 これらのことから考え付くことは………もしかして!?)

フロンはとある結論に達した。

では、以下の会話をそのままお聞き頂きたい。

「もしかして…私はアグリアスさんを襲ったんですか!?(性的な意味で)」
「ああ…貴殿は何かに憑かれて正気を失っていたようだが…襲われた。(暴力的な意味で)」
「ということは…私は奪ってしまったんですか?(アグリアスさんを)」
「…激しく奪われたな。(血を)」
「は、激しく!?(そんなに情熱的に!?)」
「ああ、思いっきり吸われた。(おかげで貧血だ)」
「す、す、す…吸う!?そんなことまで!!?(ああ、なんで思い出せないんだろう!?)」
「………吸ったせいか?やけに顔が赤いぞ。(私の血を吸った分、血色がよくなっているのか?)」

当然であるが生真面目な騎士アグリアスが、
目の前の愛マニアが何を妄想しているのか分かるはずもなく。
頭上に数個の疑問符を浮かべながら、『きゃ〜』だのといって顔を手で覆っているフロンを
訝しげに眺めていた。


しかし、自分はなんでそんなことをしてしまったのだろうか?、とフロンは自問する。
アグリアスの持っていたあの宝石を受け取ったすぐ後からの記憶がない。
ということは、あの宝石が影響したのだということは予想がついた。

「この宝石はきっと、愛☆パワーを増大させる効果があるんですね!」

「…は?」
276誤解が育む愛もある ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:46:43 ID:T6+pgStG
地面に転がっていた宝石ことダークレギオンのサモナイト石を拾いあげながら
またしても何かをのたまうフロンと、更に疑問符を増やすアグリアス。

「私の溢れ出す愛☆パワーとこの宝石の力の相乗効果で
 私はあんな狼藉を働いてしまったんでしょう。
 でも…これをラハールさんやエトナさん、先程の男の方に使えば…
 愛に目覚め、愛の素晴らしさをもっと知ってもらえるかもしれません!!」

もはや、アグリアスにはツッコミを入れる気力すらなかった。

「…お前の愛☆パワーとやらはえらく迷惑だな…。
 とにかく、いつのまにか食料も道具も奪われてしまった」

「え…あ、ホントだ!?でも、ハンディカラオケは残ってますね。よかった」

ひょいと地面に転がっていたマイク型のハンディカラオケを拾い上げながら
嬉しそうにそんなことをいうフロンだったが、アグリアスは気が気でない。
武器もないまともに走れもしないこの状態で歌われでもしたらたまったものではない。
サモナイト石も、彼女に持たせておくのは危険だ。
また襲われでもしたら今度こそ死ぬ。そもそも、効果を勘違いしている節がある。

「没収だ。そのサモナイト石とやらも」

「ああ、そんなぁ!?」

アグリアスは静かに宣告し、素早くフロンから二つの支給品を取り上げた。

「すぐそこの川で水を飲んでから、食料がありそうな場所に向かおう。
 …済まないが、肩を貸してくれないか?」

「わ、私が激しくしたせいで歩くのも辛いんですか!?」

慌てた様子でフロンはアグリアスに肩を貸した。
鎧も合わせればそれなりに重量もあるが、
それだけの重さを支えても彼女の足取りは確かだった。
天使だから、ということかやはり見た目以上に力はあるようだ。
277誤解が育む愛もある ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:47:15 ID:T6+pgStG
「大丈夫だ。食事を摂って休めば支障がない程度には回復する」

そんなにすぐに回復するとも思わなかったが、先程の事故のことで
フロンを責める気はアグリアスにはなかった。
なら、泣き言を言っても仕方ない。そう思い、気丈に振る舞った。

「それにしても…済まない。私が貴殿を守るつもりだったのに、
 逆に足手纏いになってしまうとは」

「そんなことはありません。アグリアスさんがいなければ私は死んでいたでしょう。
 大丈夫です、アグリアスさんは私が責任をとって守り通します!」

「責任を……『とって』?」

再び頭上に数個の疑問符を浮かべるアグリアス。
『もって』ではなく『とって』。
何かこの言い回しに重要なことが隠されている気もしたが何も思い当たらない。
きっと、貧血のせいで頭が回ってないのだろうとちょっと諦め気味に考えることは一時停止した。

「さぁ、では行きましょうアグリアスさん!
 皆さんに愛を説いて、この争いをやめさせるのです!」

「……できる限り他の参加者との接触は避けよう。これ以上の面倒ごとは御免だ」

胃が痛い、アグリアスは心底そう思った。
278誤解が育む愛もある ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:47:48 ID:T6+pgStG
【F-4/森/一日目・夕方】
【フロン@魔界戦記ディスガイア】
[状態]:後頭部から軽い出血(血は止まっている) 顔面、腹部、胸部に打撲
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]1:アグリアスさんを責任をとって守る
   2:神の愛を説きつつ、人々の争いを止める
   3:協力者を集める。
   4:ラハールさんやエトナさん達にも協力して貰う
   5:主催者を打倒、もしくは神の教えに帰依させる
[備考]:ダークレギオンの効果を、『愛☆パワー増大』と勘違いしています。
    アグリアスと深い仲になったと一方的に勘違いしています。

【アグリアス@ファイナルファンタジータクティクス】
[状態]:重度の貧血
[装備]:サモナイト石(ダークレギオンと誓約済)
[道具]:マイク型ハンディカラオケ(スピーカー付き)
[思考]1:食料の調達
   2:武器類の調達
   3:ラムザたちと合流したい
   4:現状での見知らぬ相手との接触は避ける
   5:襲われやむを得ない場合は、自衛による殺人もありうる
[備考]:マイク型ハンディカラオケには、フロンがアグリアスを襲ってから
    エトナが再生ボタンを押すまでの音が雑音ありで録音されています。
    ダークレギオンの取扱いメモは一連のゴタゴタの間に風で飛ばされた様子で
    使い方・効果ともにちゃんとは把握していません。
279 ◆637opSQfIo :2008/04/26(土) 12:49:03 ID:T6+pgStG
投下完了です。問題点など指摘箇所があれば教えてくださると助かります。
ちょっとふざけすぎたかも、とかは思いますが…。
280助けて!名無しさん!:2008/04/26(土) 14:25:14 ID:CLiYQt/L
投下乙。
相変わらずフロンはいいキャラだなw
食料調達は城か街に行かなきゃダメっぽいけど、実は近くにアルガスの支給品が転がってるんだよな。
281助けて!名無しさん!:2008/04/26(土) 18:04:28 ID:VGDEhA8e
グッジョブ!
フロン面白いよフロンw
ギャグならやり過ぎじゃないと思います
むしろもっとやr(ry
282助けて!名無しさん!:2008/04/26(土) 18:17:39 ID:iGNL8Uqr
SRPGロワ初のカップル誕生が百合w
ヘタレ忍者相手でも襲われるとひとたまりもないので先行きが不安ですが。
283助けて!名無しさん!:2008/04/26(土) 23:13:34 ID:oHtYa1Pk
GJすぎるww
フロン…頑張って責任取ってくれ。
カラオケもあるしどんどん誤解が広がっていきそうで楽しみ
284助けて!名無しさん!:2008/04/28(月) 22:39:45 ID:5Vm/AafH
ああ、カーチスが待ち遠しい。
ところで、アルガスの受難2では時刻が夕方、
一方エトナとレシィの合流が昼過ぎだから、
アルガスは数時間近く放置プレイされていたことに
気がついていなかったってことでよかったでしょうか?

それでもうとっくにエトナ本人様はどこかへ行っちゃったってことで。
あと、ホームズ達の夕方までの行動補完する形で一つ書いてもよろしいでしょうか?
繋ぎ的内容で、食糧一つ減らしてもいいのなら一つ書いてみたいのですが。
285助けて!名無しさん!:2008/04/29(火) 00:28:51 ID:C4v55YyN
>284
気が付いていなかったでOKじゃないでしょうか。
>ホームズたちの補完
ぜひ頼みます
286助けて!名無しさん!:2008/04/29(火) 14:17:37 ID:PTefaeFO
>>284
「過信禁物」、「誤解パラダイス」の終了時点で夕方直前なら時間的に問題はないのでは?
287 ◆6xmg9r73RU :2008/04/30(水) 22:41:56 ID:YApYOio0
wikiの更新を考えてはいるが今一歩踏み出せない…
情報が足り無すぎるんだよね、タイトルの元ネタって…
という訳で、要望のあったタイトル元ネタ一覧はもう少し待ってください。
それと、キャラ紹介の空気四天王は的を得ていると思った。
一人だけ書いてないみたいでしたが、そこは流石空気ということでw

>>284
期待してますw
自分が初めに出したキャラなのに一番書き難いですw
288助けて!名無しさん!:2008/05/01(木) 01:02:00 ID:gRz0DJ8y
プリニーとサナキの人となりはおおよそ把握できるし、
やりたい小ネタもあるのだが、ホームズが…。
ロワとかわき茶あたりで大よそはわかりましたが、
やっぱり原作やってないでテキストだけ読んでいるのでは
見落としがないが不安で仕方ないです。

もう当分先の話ですが、もしSRPGロワ2ndがあったら
ディスガイア3のマオやじいやが暗躍するのだろうなと思うことしきり。
「こんなこともあろうかと…」で怪しい支給品を取り出す様が堂に入ってそうw
289助けて!名無しさん!:2008/05/01(木) 01:49:41 ID:RpWdsREo
>>287
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9552/1200664200/31-

とりあえず一覧を書き出してみた。
それぞれ分かるところを埋めていってみては?
290 ◆6xmg9r73RU :2008/05/01(木) 21:36:01 ID:gUOc3BQs
>>289
ご協力感謝します。
取り敢えず、自分の分かる範囲で埋めてきました。
少ねぇw

637氏に埋めてもらえれば、半分は片付く気がするっていうか片付くw
291助けて!名無しさん!:2008/05/01(木) 22:50:50 ID:lK2Ugrbl
携帯からなので編集が出来ないのでここで
誰か頼む

006 レンツェンハイマー……→TSのMAP37名『ジュリアス…』
014 紅の剣士→FE紋章第二部八章題名
026 一寸先は闇→同名の諺
032 そしてオレは駆け出した...→FFTのチャプター1終了時のラムザの台詞『そして僕は全てを捨てて逃げ出した……』
047 気付く者気付かない者→FFTのチャプター名『利用する者される者』?
050 誰がための戦い→ファイアーエムブレム封印の剣におけるゼフィール戦のBGM名
292 ◆637opSQfIo :2008/05/02(金) 01:13:41 ID:Jz/CDqio
>>290
やってきました。
結果、『特になし』が増えただけです(笑)

>>291
こちらもついでなんでやってきましたが…032分かる人がいるとは…。

しかし、wikiが段々と充実してきた…あとは本編での用語解説ぐらいですか?
って解説する程の用語数がないかな。
293 ◆4GyPDwM6vc :2008/05/03(土) 13:03:44 ID:tC1PVzeM
050はゼフィール戦のBGMのつもりでしたが、暁3章にも同名タイトルがありましたか。
なんてこったw
294 ◆j893VYBPfU :2008/05/03(土) 13:05:33 ID:tC1PVzeM
トリップ入力間違えです。
すいません。
295助けて!名無しさん!:2008/05/03(土) 17:18:14 ID:fpD97MFs
>>293
漆黒が出ているし、たぶん両方知っている人なら暁の章タイトルのほうが元ネタだと思うね。
296助けて!名無しさん!:2008/05/06(火) 11:00:49 ID:6oxMS2DE
そういえばWiki見たら残り人数が各SSで微妙に狂っているのですが、
どこで修正申請すればよろしいでしょうかね?

見た限りだとリチャードとナバールが死んだ時の
残り人数がおかしいようですが、探せばまだまだあるかもしれません。
297助けて!名無しさん!:2008/05/06(火) 15:36:15 ID:yVYbr9i/
>296
ここかしたらばの要望スレで報告して
1日かそこら経ったら修正してもいいじゃない?
298助けて!名無しさん!:2008/05/12(月) 07:46:06 ID:G8Z7E3l4
動きがないな…。
299助けて!名無しさん!:2008/05/13(火) 17:09:13 ID:yF5kwK26
質問。
人物登場時期ですが、外見に変化がなければエンディングから数年後とか
60年後とかでも大丈夫ですかね?
300助けて!名無しさん!:2008/05/13(火) 17:13:31 ID:yF5kwK26
質問。
人物登場時期ですがとくに外見上に全く変化がなければエンディングから数年後
とか60年後とかでも大丈夫ですかね?
301助けて!名無しさん!:2008/05/13(火) 19:44:55 ID:PuhbqhBp
把握がきついのでやめた方が無難。
302助けて!名無しさん!:2008/05/13(火) 19:50:00 ID:OpTmkM2B
単純に60歳とかそういうことだったりしてww
外見変わらないのに年齢増えるからな。
303助けて!名無しさん!:2008/05/13(火) 20:29:36 ID:yF5kwK26
じゃあやはり辞めとく。
ミカヤエンディングから80年後とか面白そうだとか思ったが、
やはり冒険し過ぎか。

ようはベオクの知り合いが誰一人いない。
国からは薄気味悪がられて追い出される。
ラグズからはリンチにこそ会わないものの無視される。
自分一人だけ変われず、孤独に取り残されて何処にも居場所がないのを
やりたかったけどなw
304助けて!名無しさん!:2008/05/17(土) 03:19:16 ID:ksOd2O1C
デニム・モウン(254歳)
ラムザ・ベオルブ(92歳)
305助けて!名無しさん!:2008/05/17(土) 14:02:52 ID:y5wMRGu+
ニバス・オブデロード(12歳)
306助けて!名無しさん!:2008/05/18(日) 18:34:41 ID:atNX9yxw
12歳でどうやって2人の子供を産めるんだよ
ニバスさん
307助けて!名無しさん!:2008/05/18(日) 22:22:59 ID:ntak6my4
256歳超えると0歳に戻るんだっけ?w
308助けて!名無しさん!:2008/05/21(水) 19:47:02 ID:hWW+sZk3
色々他のロワとかの作品を読み比べて思ったが、
このロワ、行動指針等に具体的な指針がないキャラが多いな。
あと、積極的に誰かに会おうとかそういうのがあまりないような気もする。
309助けて!名無しさん!:2008/05/21(水) 20:57:23 ID:uDETLAEd
あんまり具体性がありすぎてもリレーしにくくなるから
具体性なくてもいいんじゃない?
310助けて!名無しさん!:2008/05/21(水) 22:47:46 ID:hWW+sZk3
>>309
正直、一人一つぐらいでもいいから、
ものすごく具体性というか指針は一つぐらいはホスィ。
「ヴォルマルフぶっ殺す」だけじゃ困るよ、マジで。

首輪や主催の目的関連で考察する機会が
これまで少な過ぎたこともあるかもしれない。

MAPに色々ネタを仕込もうかとは思っているのだが…。
311助けて!名無しさん!:2008/05/21(水) 23:00:10 ID:ydyYiqfE
まだ一回も放送されてないしそんなもんだろ
というかある程度待っても書かれないパートはおいといても放送した方が色々動いて絡ませ易くなる気がするんだが
312助けて!名無しさん!:2008/05/21(水) 23:09:27 ID:hWW+sZk3
まあそんなもんかな。
この辺は書き手の仕事か。

しかしここのロワ、書き手は少ないが読み手は
比較的多いので質問だけはしやすいな。
313助けて!名無しさん!:2008/05/23(金) 17:58:27 ID:3DL8qqn8
もうそろそろ最終投下から一月経つね
現時間帯を掲示しておきます
日中が六人
(デニム&カチュア, パッフェル, カーチス, ネサラ, ネスティ)
午後が七人
(アイク, ニバス, (ソノラ), アルマ, エトナ&レシィ, ガフガリオン)
ほかの生存者は夕方から放送までの間の時間帯です。
書き込みを躊躇していたけどこの情報だけで書き込みをしていいのかな?
314助けて!名無しさん!:2008/05/23(金) 19:23:15 ID:XQkctxip
保守だけよりかは数億倍ましなので全然おk
ぶっちゃけこのまま放送いっても問題ないような気がする
315助けて!名無しさん!:2008/05/24(土) 00:27:24 ID:CmBa7zRv
【0 愚者 : 自由、天才/軽率、わがまま、落ちこぼれ】 
【T 魔術師 : 始まり、創造/混迷、消極性】
【U 女教皇 : 知性、平常心、洞察力/激情、無神経、ヒステリー】
【V 女帝 : 繁栄、豊穣、母性/挫折、軽率、虚栄心、怠惰】
【W 皇帝 : 支配、安定、達成、責任感/未熟、横暴、傲岸不遜、無責任】 
【X 教皇 : 慈悲、連帯・協調性、規律の遵守/守旧性、束縛、躊躇、お節介】
【Y 恋人 : 恋愛、趣味への没頭、試練の克服/誘惑、不道徳】
【Z 戦車 : 勝利、征服、独立/暴走、不注意、好戦的】
【[ 正義 : 公正、善行/不正、偏向】
【\ 隠者 : 経験則、助言、秘匿、単独行動/閉鎖性、陰湿、邪推】
【] 運命の輪 : 転換点、幸運の到来、定められた運命/情勢の急激な悪化、アクシデントの到来】
【]T 力 : 強固な意志、不撓不屈、持久戦/甘え、引っ込み思案】
【]U 吊された男 : 忍耐、奉仕、妥協/徒労、痩せ我慢、欲望に負ける】
【]V 死神 : 終末、破滅、離散、死/再スタート、挫折から立ち直る】
【]W 節制 : 調和、自制、献身/浪費、消耗】
【]X 悪魔 : 裏切り、拘束、堕落/回復、覚醒、新たな出会い】
【]Y 塔 : 崩壊、災害、悲劇/緊迫、突然のアクシデント、誤解】
【]Z 星 : 希望、ひらめき、願いが叶う/失望、無気力、高望み】
【][ 月 : 不安定、幻惑、現実逃避、親友の裏切り/軽微なミス、徐々に好転】
【]\ 太陽 : 成功、誕生、祝福/不調、落胆、衰退】
【]] 審判 : 復活、結果、発展/悔恨、行き詰まり、バッドニュース】
【]]T 世界 : 完全、総合/未完成、臨界点、調和の崩壊】

まあネタ代わりに。
某所であったロワの参加者をタロットにあてはめる奴を投下しときます。

したらばの雑談所でやったほうがよかったかもしれないが、
まあキャラのイメージ固める参考にもなるかもしれないので。
316助けて!名無しさん!:2008/05/24(土) 01:02:59 ID:U0EBHWqP
生きてる者のみで適当にやってみた
いろいろといない人がいるかもw

【0 愚者 : カーチス/レンツェン】 
【T 魔術師 : ヴォルマルフ/エトナ】
【U 女教皇 : ネスティ/カチュア】
【V 女帝 : アティ/アルガス】
【W 皇帝 : タルタロス/ラハール】
【X 教皇 : オグマ/ミカヤ】
【Y 恋人 : フロン/ヴァイス】
【Z 戦車 : 漆黒の騎士/ハーディン】
【[ 正義 : ハミルトン/ニバス】
【\ 隠者 : パッフェル/イスラ】
【] 運命の輪 : アズリア/ソノラ】
【]T 力 : デニム/カトリ】
【]U 吊された男 : ラムザ/ヴァイス】
【]V 死神 : ヴォルマルフ/ハミルトン】
【]W 節制 : アティ/ネスティ】
【]X 悪魔 : ネサラ/ゴードン】
【]Y 塔 : アルマ/アイク】
【]Z 星 : ガフガリオン/レンツェンハイマー】
【][ 月 : デニム/アグリアス】
【]\ 太陽 : アグリアス/レンツェンハイマー】
【]] 審判 : 漆黒の騎士/リュナン】
【]]T 世界 : 中ボス/ウィーグラフ】
317 ◆GQyAJurGEw :2008/05/24(土) 03:27:05 ID:ESrkkpPF
書き始めてから随分と経ってしまいましたが……投下します。
318二人の地球勇者 ◆GQyAJurGEw :2008/05/24(土) 03:28:33 ID:ESrkkpPF
 陽はもう沈もうとしていた。
 ミカヤという少女が目を覚ますまでかなり時間がかかってしまっていた。
 できるだけ早く、そして多くの参加者と接触を試みたかったのだが、彼女を置いておくことはできなかったので仕方がない。
 それでもただ無為に時間を過ごしていたわけではなかった。
 まずはミカヤの荷物を含めた支給品の確認。彼女の支給品の一つが、参加者についての情報であるのはありがたかった。
 ほぼ全員分のあらかたの情報は頭に入れておいた。交渉においても、戦闘においても有利に働くだろう。
 支給品の確認以外ではもう一つ重要なことがあった。
 自らの能力についての確認だ。
 初めの会場からワープして直後、ゴードンはすぐに身体の異常に気がついた。
 その違和感は首輪のような外から見える拘束によるものではなかった。
 魔法でもかけられているのか、力が思うようには出せないのだ。ゲームのバランス調整、といったところか。
 おそらくラハールや中ボスなどにも同様の施しがなされているだろう。それでも普通の人間には引けを取らないはずだが。

「もう少しだ。辛いかもしれないが頑張ってくれたまえ」

 傷は癒えたといっても失血と疲労は確実に少女の身体に負担を強いていた。
 ゴードンは草原の中に佇む塔を見やった。思っていたよりも幅は広い。これならしっかりと休みの取れる設備も期待できそうだ。
 とりあえず、何事もなければあそこで夜を明かすことにしよう――そんなことを考えていた時、ふと塔の付近で動くものに気づいた。

「あれは……」

 こちらから北東に見える影は草原を早足で動いていた。
 この距離ではその姿を明細に捉えることはできないが、どうやら塔を目指しているらしい。
 ゴードンは開きかけた口を閉じた。ここから叫んで相手に気づかせようと思ったのだが、得策ではないと踏みとどまったのだ。
 自分一人だけならば躊躇せずそうしたかもしれないが、今は隣に疲弊した仲間がいるのだ。
 あの影が殺人者だったとしたら、もしくはこの周囲に加害を企んで潜んでいる者がいるとしたら、それは大きな危機となる。

「どうしますか?」

 ミカヤも気づいたのか、静かな声で尋ねてきた。
 道中でも度々感じたことなのだが、この少女はどうも歳不相応な落ち着きを持っている。
 まあ、それはこちらとしては助かることであるが。
319助けて!名無しさん!:2008/05/24(土) 03:29:13 ID:ESrkkpPF
「少し足を速めたいが、大丈夫かね?」

 ミカヤが頷いたのを見て、ゴードンは彼女の前に出た。
 できるだけ早く他の参加者と接触をしたかったし、放送までにあの塔にたどり着いておきたい。
 時折、後方をちらりと見てスピードを調整しながらもゴードンはミカヤをリードしながら進む。
 あの影も目的地が同じため、自然と双方の距離も縮む。それにつれて向こうの姿もはっきりと見えるようになった。
 そして、その顔はゴードンのよく知るものだった。

「カーチス……っ!?」

 それは紛れもなく彼――人間の姿のカーチスだった。影の正体を認知するとともに、一つの疑問が湧いた。
 なぜこちらに気づかないのか。
 彼ほどの人間ならば周りにも気を配り、ふつうは塔へ向かう二人の人物を察知しているはずだ。
 何かの急ぎで眼前しか見えていないのか、それともわかっていても無視をしているのか。

「……先に行っても構わないかね?」

 どちらにしても確かめなければならない。話したいことも山ほどある。
 そう思いながらミカヤに尋ねると、彼女は全てを分かっているかのようにゆっくりと頷いた。

「ありがとう」

 カーチスはちょうど塔の中へ入っていくところだった。
 ここから塔までは僅かな距離だ。それまでに不意打ちを食らうという心配はしなくてもいいだろう。

 ――カーチス、どういうことだ?

 疑念を浮かべながらも、ゴードンは塔へと疾走を始めた。

   ◇
320助けて!名無しさん!:2008/05/24(土) 03:30:02 ID:ESrkkpPF
 石造りの塔の中は冷たく澄んだ空気で満ちていた。かすかな気流は感じるが風音はない。
 ゆえに本来は無音であるはずなのだが、今は何者かが階段を上る音が響いている。
 ゴードンは深呼吸をして息を整えてから高みを仰いだ。

「カーチス!」

 足音が止んだ。返事はない。
 静寂が空間を支配し、この塔は本来の姿を取り戻したように思われた。

「……ゴードンか」

 だがしばらくしてその一言が響き、再び足音が鳴り出した。
 こちらと接触するために階段を下りてきている――のではない。
 音は遠ざかっている。上り続けているのだ。

「カーチス! 何かあったのか!?」

 叫んでも己の声はむなしく響いただけだ。どうしようもないじれったさに、ゴードンは駆け出した。
 塔はどこまでも螺旋階段が続いている。
 この様子だと、どうやら頂点に広い部屋が一つあるだけのようなので、カーチスに撒かれるという心配はないだろう。
 そのことをわかっているのか、カーチス先程と変わらない速歩で上り続ける。
 とはいえ、もとより彼我には開きがある。カーチスに追いつくまでに彼は最上階に着いてしまうだろう。

 ――そこに何かあるのか?

 未だにカーチスの真意が掴めない。彼の足取りから緊急の事態ではないことがわかる。
 しかしそれではなぜ、こちらと接触を避けるような真似をするのか。
 長い螺旋階段をぐるぐると駆け上がりながら、ふと嫌な予感が湧き出てきた。
 頭を振ってそれを払う。今は彼を信じ、追いかけるのみ。

 ――さあ、すぐそこだ。
321助けて!名無しさん!:2008/05/24(土) 03:30:52 ID:ESrkkpPF
 無機質な扉がそこにあった。ゴードンは呼吸を整える間もなくドアノブに手をかけた。
 力を入れて勢いよく扉を開け放つ。
 室内は明かりがなく、微弱な光を放つランプが設置されていた塔の階段部分よりもさらに薄暗かった。
 それでも辺りに置かれている家具の様子をなんとか見取って、ゴードンはそばの壁を探った。
 塔の外見と違ってここは近代的な内装になっている。ということは、照明も考えているようなものである確率が高い。
 果たして、すぐにそれが手に触れた。全てのスイッチを入れてから、一瞬の遅延の後に蛍光灯の光が部屋全体を照らす。
 その光景に少しの間、意識を奪われた。
 目につくのは整然と連なる書架だ。ざっと見回しても、書架が置かれている場所の割合が部屋の半分以上を占めている。
 それ以外のところでは過美でないテーブルとソファが並び、ゆったりとした雰囲気を保っている。
 そう、まるで図書館のようだ。
 書架には本がぎっしりと詰まっている。その中に一つ見知った題のものが目に留まったが、ほとんどは聞いたこともないものだ。
 もしかすると、これらは――

 ――いや、先にすべきことがある。

 何かぶつかる物音が響いた。奥のほうからだ。続いて本が床に崩れ落ちる音。
 カーチス一人ではないようだ。誰かと争っているのか。だが、いずれにしてももたもたしている暇はない。
 ゴードンは音がするほうへ全速力で駆け出した。
 書架の間を通りながら、再び大きな物音が響くのを耳にする。そして一つの転倒音。

「終わりだ」

 無慈悲な勇者の言葉で、ゴードンは状況を確信した。
 それと同時に、足に限界以上の力を込める。
 書架を抜けた先に二人の人物がいた。状況は一目瞭然。
 ゴードンは荒い息のまま腹の底から叫んだ。

「カーチスッ!」
322二人の地球勇者 ◆GQyAJurGEw :2008/05/24(土) 03:31:54 ID:ESrkkpPF
 怒声ともいえる呼びかけに、カーチスの手が止まった。
 一瞬の隙――それでも少女が彼から逃れるには十分な時間だった。
 遅れて振り下ろされた剣が空を斬る。
 危機から脱した少女は短剣を構えながらこちらへ駆けてきた。
 しかしそれでも対応できるスピードだ。
 ゴードンは冷静に刺突をいなし、少女の腕を取って地に伏せた。
 彼女を逃すのは簡単だが、自由にさせてしまうとまた人を襲うかもしれない。
 少々荒っぽいが、今はこの場に留めておきたいのだ。

「ゴードン……」

 カーチスはゆっくりとこちらへ近づいてくる。
 ゴードンは足元の短剣を後ろへ、彼女の手が届かないように蹴った。
 そして背負っているデイパックの中からハンマーを取り出す。
 戦闘するつもりはないが、殺させはしないという意志表示だ。

「カーチス、説明してくれないか?」

 カーチスは立ち止まりこちらを無言で見つめる。
 細められたその目には、何か迷いのようなものが感じ取れた。
 しばらくして彼はおもむろに口を開いた。

「この部屋に入ってすぐに襲われた。だから排除しようとした――それだけだ」

「……お前なら彼女の様子がおかしいことに気づいたはずだ」

「薄暗いままだったからな。姿はよく見えなかった」

 おざなりとしか思えない答えに苛立ちが湧く。
 それから詰責しても返ってくるのは曖昧な言葉ばかりで、カーチスは本意を語ろうとはしない。
 ゴードンは眼光を鋭くして、思わず強い口調で口を開いた。

「カーチス! お前は――」

「――ゴードンさん!」
323二人の地球勇者 ◆GQyAJurGEw :2008/05/24(土) 03:32:56 ID:ESrkkpPF
 思いもよらぬ声に身体が一瞬硬直した。
 それが予想よりも早くここへ辿りついたミカヤの発したものだと気づいた時には、伏していた少女は動いていた。
 その身体に手を伸ばしたが、むなしく空を掴んだだけだ。
 少女は短剣を拾い上げるとそのまま脱出しようと入口へ駆け出した。
 今から追いかけても間に合わないだろう。ゴードンは扉付近にいるであろうミカヤに向かって声を張り上げた。

「避けろッ!」

 小さな悲鳴が聞こえた。ミカヤのものだ。
 ゴードンは不安を抱きながらも彼女の元へ急いだ。
 書架を抜けて見えてきたのは、尻餅をついているミカヤの姿だった。
 すぐに駆け寄り様子を確かめたが、どうやら傷は受けていないようだ。
 安堵のため息をついていると、後方を通る足音がした。

「待て、カーチス。あの少女を追うつもりなら力ずくでも止める」

 ゆっくりと立ち上がりながらハンマーを構える。
 カーチスは足を止め、目を閉じてそこに佇んでいた。
 やがて思慮を終えたのか、彼はやれやれと言うように肩をすくめた。

「安心しろ、あの女を追うつもりはない。アンタと敵対するほどバカじゃないさ」

 こちらを見つめるその瞳からは本心までは読み取れない。
 しかし今の言葉は嘘ではないとわかる。
 なんのために動いているのかは理解が及ばないが、少なくともゲームに乗っているわけではないことは確実だ。

「じゃあな、ゴードン。……死ぬなよ」

 そう言って彼は扉を開けた。引き止めはしなかった。
 ただその去り行く背中に「カーチス、お前も死ぬな」と声をかけただけだ。
 扉が閉まると、それを待っていたかのようにミカヤが口を開いた。

「さっきの言葉――嘘じゃないみたいです。どうやらこの状況を打破しようとしているみたいですが、すぐに行ってしまったので詳しいことはわかりませんでした」
324二人の地球勇者 ◆GQyAJurGEw :2008/05/24(土) 03:33:35 ID:ESrkkpPF
 まるで心の内を読んでいたかのように言う。

「……今はあの地球勇者を信じるだけだ」

 ゴードンはミカヤを振り返り、「それよりも」と気になっていたことを尋ねた。

「その様子だと、階段を駆け上がって来たのか?」

 ミカヤの額には汗がにじんでいた。比較的早くここまで追いついたということは、かなり急いだに違いない。
 少しばつが悪そうにミカヤは頷いた。

「ごめんなさい。別れ際、ゴードンさんが険しい顔をしていたのでつい」

 言われてみれば確かに、こちらがあんな様子だったせいで不安になるのは仕方がないとも思える。
 ゴードンは苦笑をしながら辺りを見回した。

「とりあえず身体を休めよう。テーブルとソファがちょうどあるから、食事も兼ねて話し合いもできる。そして――」

 放送が始まったらメモも取ろう、と続けようとしたところでヴォルマルフの声が響いた。



325二人の地球勇者 ◆GQyAJurGEw :2008/05/24(土) 03:34:33 ID:ESrkkpPF
【B-2/塔図書館/1日目・夜(18時)】
【ゴードン@魔界戦記ディスガイア】
[状態]:健康
[装備]:ダグザハンマー@TO
[道具]:支給品一式
     参加者詳細名簿(写真付き)@不明
[思考]1:ミカヤを守る
    2:休憩と今後の方針決め
    3:余裕ができればオリビアを救うために行動する
    4:打倒ヴォルマルフ

【ミカヤ@暁の女神】
[状態]:出血により貧血気味 精神的にも肉体的にも疲労(要休息) 服が血塗れている
[装備]:回復の杖@TO、スターティアラ@TO
[道具]:支給品一式、
[思考]1:ゴードンについていく
    2:休憩と今後の方針決め
    3:仲間と合流したい
    4:みんな一緒に生還を




【B-2/塔付近/1日目・夜(18時)】
【オリビア@TO】
[状態]:アンデッド化 手に血が付着
[装備]:バルダーダガー@TO 呪いの指輪@FFT
[道具]:支給品一式
[思考]:人間を殺して回る




【B-2/塔内部/1日目・夜(18時)】
【カーチス@魔界戦記ディスガイア】
[状態]:健康 (若干の性能劣化あり)
[装備]:オウガブレード@タクティクスオウガ
[道具]:支給品一式
    鍵@不明
[思考]1:なんとしてでも首輪を手に入れて、解析して取り外し方法を調べる。
   2:これからの所業は終わるまで人に知られなくない(特にアティとゴードンには)。
326 ◆GQyAJurGEw :2008/05/24(土) 03:39:10 ID:ESrkkpPF
投下完了。
ゴードン組・オリビアの放送前までの補完も含めてみました。
327助けて!名無しさん!:2008/05/24(土) 10:13:10 ID:U0EBHWqP
激しく乙
カーチスさん反対側に行けば死体と首輪がたくさんあったのにw
しかもビジュの首輪をスルーとかどんなけついてないんだw
このもどかしさが(・∀・)イイ!!
328助けて!名無しさん!:2008/05/24(土) 10:37:30 ID:E2/A0sjQ
GJ
カーチス……w
329助けて!名無しさん!:2008/05/25(日) 00:11:54 ID:M8DguUBm
投稿お疲れ様でした。
うむ。実在する感知式地雷とか調べてたらあっという間か。

しかし、ビジュはまあしかたがないとして
(時刻と方角的に漆黒とかち合ってしまうから)、
しかし最初に一番会いたくないと思っているゴードンと
出会ってしまうのが物悲しさを感じる・・・。
330助けて!名無しさん!:2008/05/25(日) 22:23:21 ID:M8DguUBm
>>313
適当なものでよければつなぎでいくつか練習代わりに書いてみます。
というか、こういう時こそ経験を積むチャンスだから。
331助けて!名無しさん!:2008/05/25(日) 22:43:12 ID:27HIw8qo
致命的な矛盾さえなければ大丈夫だからがんばれー
口調とか違ってても後でwikiか修正スレで修正すればいいさ
繋ぎなら短くても長くてもOKだし
332助けて!名無しさん!:2008/05/25(日) 23:15:09 ID:gAWR9MSm
わくわく期待して待ってます。カーチスの投下もGJ!

パッフェルを書こうと思っていたがいきなり忙しくなって一字も書いてない。
そもそもちょっとやそっとの連投ならまだしも
パッフェル三連投は流石に自粛しとこうとか思ったり。

経験かぁ…結局自分も力不足なままだなとか書き手さんの作品見てて思います。
余裕ができれば自分もどうにか書いてみよう。
333助けて!名無しさん!:2008/05/29(木) 02:11:25 ID:NL6L1Ic1
>>315のタロット、自分でもやってみた。
できるだけキャラが被らないように生者限定でやってみたが、
強引な解釈も多いのでなんとも…。


【0 愚者 : 自由、天才/軽率、わがまま、落ちこぼれ】  レンツェンハイマ―(正逆両方)
【T 魔術師 : 始まり、創造/混迷、消極性】  ミカヤ(正位置)/マグナ(逆位置)
【U 女教皇 : 知性、平常心、洞察力/激情、無神経、ヒステリー】 ホームズ(正逆両方)
【V 女帝 : 繁栄、豊穣、母性/挫折、軽率、虚栄心、怠惰】 カチュア(正逆両方)
【W 皇帝 : 支配、安定、達成、責任感/未熟、横暴、傲岸不遜、無責任】 ルヴァイド(正位置)/ラハール(逆位置)
【X 教皇 : 慈悲、連帯・協調性、規律の遵守/守旧性、束縛、躊躇、お節介】 アグリアス(正逆両方)
【Y 恋人 : 恋愛、趣味への没頭、試練の克服/誘惑、不道徳】 フロン(正位置)/エトナ(逆位置)
【Z 戦車 : 勝利、征服、独立/暴走、不注意、好戦的】 アイク(正逆両方)
【[ 正義 : 公正、善行/不正、偏向】  ゴードン(正位置)/アルマ・ベオルブ(逆位置)
【\ 隠者 : 経験則、助言、秘匿、単独行動/閉鎖性、陰湿、邪推】 カーチス(正位置)/ニバス・オブデロード(逆位置)
【] 運命の輪 : 転換点、幸運の到来、定められた運命/情勢の急激な悪化、アクシデントの到来】 アズリア(正位置)/アルガス・サダルファス(逆位置)
【]T 力 : 強固な意志、不撓不屈、持久戦/甘え、引っ込み思案】 ウィーグラフ(正位置)/レシィ(逆位置)
【]U 吊された男 : 忍耐、奉仕、妥協/徒労、痩せ我慢、欲望に負ける】 オグマ(正位置)/ヴァイス・ボゼック(逆位置)
【]V 死神 : 終末、破滅、離散、死/再スタート、挫折から立ち直る】 漆黒の騎士(正逆両方)
【]W 節制 : 調和、自制、献身/浪費、消耗】 ラムザ・ベオルブ(正逆両方)
【]X 悪魔 : 裏切り、拘束、堕落/回復、覚醒、新たな出会い】 デニム・モウン(正逆両方)
【]Y 塔 : 崩壊、災害、悲劇/緊迫、突然のアクシデント、誤解】 ハーディン(正位置)/ランスロット・ハミルトン(逆位置)
【]Z 星 : 希望、ひらめき、願いが叶う/失望、無気力、高望み】 イスラ(正位置)/ネスティ(逆位置)
【][ 月 : 不安定、幻惑、現実逃避、親友の裏切り/軽微なミス、徐々に好転】  リュナン(正位置)/カトリ(逆位置)
【]\ 太陽 : 成功、誕生、祝福/不調、落胆、衰退】 アティ(正逆両方)
【]] 審判 : 復活、結果、発展/悔恨、行き詰まり、バッドニュース】 ヴォルマルフ・ティンジェル(正逆両方)
【]]T 世界 : 完全、総合/未完成、臨界点、調和の崩壊】 ディエルゴ??(正逆両方)
334 ◆6xmg9r73RU :2008/05/31(土) 22:18:07 ID:bgTL1b4M
デニム組とネスティで1本書いてみようと思います。
被ってた場合はデニム2回目ですし、自重しますね。
335助けて!名無しさん!:2008/05/31(土) 22:19:28 ID:PicYJS5y
ワクテカして待ってますw
ネスティ逃げてー超逃げてーw
336 ◆6xmg9r73RU :2008/05/31(土) 22:20:13 ID:bgTL1b4M
sage忘れたorz
放送後でよければイスラ・オグマ・アズリアでも
書いてみたいですw
337助けて!名無しさん!:2008/05/31(土) 22:24:00 ID:PM411s9j
ところで、アルマが爆弾仕掛けたのは袋の中じゃなければ元から目立つ対人指向性地雷でもなく、
仕掛けた場所も見晴らしのいい平原でなおかつ近寄って注意深く調べないと全くわからん場所で宜しいのですね?

あと、このロワはグロも一応大丈夫ですね?
338助けて!名無しさん!:2008/05/31(土) 22:39:52 ID:2u/AiAOr
ネスティは投下予約される度に死亡フラグが立つなw
期待半分不安(生死が)半分といったところでしょうか。
339助けて!名無しさん!:2008/05/31(土) 22:48:08 ID:bpG50YAZ
>>337
殺し合いゲームなんだし、けっこう描写が生々しくてもOKだと思うよ。
ただしエロ(レイプとか)はあんまりやり過ぎないほうがいいかも。
まあ「よぉし、この女はおまえたちにくれてやる。好きにしろッ!」とかTOで出てくるから、間接描写ならOKかもしれんけどw
340助けて!名無しさん!:2008/05/31(土) 23:03:46 ID:PicYJS5y
>336
放送後をやるんなら放送を投下しないといけないからなぁ・・・
先に放送案をにキャラ名とエリア記述して投下した方がいいかもしれない。
放送がネックで行き詰まり感がヒシヒシとw
放送までの描写必須そうなキャラもいないし

>337
グロは注意書きさえすればいいと思うよ
テイルズロワでも某天才キャラであったしw
341助けて!名無しさん!:2008/05/31(土) 23:06:29 ID:C/h3eqMx
>>339
レイプって言われたところで、
今の状態でレイプされそうなキャラ、ホントにいるかなあ?

アルマは弱いけどむしろ体を使ってでも
相手を油断させたり篭絡して手駒にそうなタイプだし。
カトリにはルヴァイドがいる間は大丈夫。
チキやサナキは男の食指をそそるようなモノでもない。
カチュアはデニムがいるし、ミカヤはゴートンがいる。
アズリアはガードが二人もいるから言うに及ばず。
パッフェルも経験豊富だしそういう無理やりされて泣くって柄でもないからなあ。
むしろ隙を見て首かアティンティンをスパッとちょん切りそう。
アグたんとフロンは百合の花が咲いているから今のところ関係ない。
オリヴィアは今腐乱死体だし、普通に抱こうとも思わない。
エトナはむしろレシィが「ボクをたべないで(○的な意味で)」。
やっぱり、今一番れいーぷの危険がありまくりでヤヴァいのは、

アティてんてー?
342助けて!名無しさん!:2008/05/31(土) 23:09:20 ID:C/h3eqMx
まあまだまだ繋ぎを頑張ってみたいので
正直放送はもう少し待ってほしい。
というか書き手候補のみんな、
参加したいなら難易度の低い繋ぎがかける
今がチャンスだッ!
343助けて!名無しさん!:2008/05/31(土) 23:12:33 ID:2u/AiAOr
あの三人に関係してる人物で生死によって展開に違いが出そうなのは
パッフェル、ネスティ、ソノラか。オグマは放送後大ショックを受ける事はほぼ確定したようなものだし、
ソノラは破壊でもされない限り死なないと思うからここらへんは大丈夫だな。
残るはパッフェルとネスティだけど、今回の予約でネスティの状態が決まったら書けるんじゃないか?
パッフェルは移動中でマーダーが散ってる中死ぬのは殆どありえないから多分生存だな。

>>340
テイルズロワを出されるとグロの幅が広がりすぎるw
あそこは何気に頭脳キャラは全員末路が酷いんだよな。死亡時もそうだが死体の扱いとか…。
344助けて!名無しさん!:2008/05/31(土) 23:17:26 ID:C/h3eqMx
死体の扱いの酷さならギャルゲロワ2ndも忘れてはならぬ。
死体がぎょうさん食べられること食べられること。
破壊された死体もかなりの数に上るし。
345助けて!名無しさん!:2008/06/01(日) 00:33:46 ID:WqpSsBRE
>>341
しかしレイプに及びそうなのがヴァイスしかいないという罠。

がんばれヘタレ忍者! 俺は応援しているぞぉぉ!
346助けて!名無しさん!:2008/06/01(日) 01:10:04 ID:gwRFIVlc
パッHELLさんは地雷踏みそうで怖い怖い
347助けて!名無しさん!:2008/06/01(日) 15:48:55 ID:nLeArG7e
ベルフラウと顔見知りだし絶対近寄るだろw
通り道だしな。
誰か先にひっかかってない限りはやばいw
348助けて!名無しさん!:2008/06/01(日) 15:58:31 ID:noKef/YY
罠が仕掛けられてそうな場所に単独潜入で暗殺なんて任務やってたり
忍者にも引けをとらない潜入・隠密行動をしていた人が
ド素人の仕掛けた地雷に素直にひっかかるかどうか微妙なところだが…。
349 ◆6xmg9r73RU :2008/06/01(日) 16:10:40 ID:Ssm0a9f3
書いている最中、どうしても位置の関係上デニムと絡む前に
アルマをどうにかしなければならなくなり、
少しだけアルマを絡ませます。
他にアルマで書いている方がいたら何とか方向を変えてみたいと思います。

つくづくアルマ運の悪い男ネスティw
350助けて!名無しさん!:2008/06/01(日) 16:19:16 ID:nLeArG7e
ちょw
ネスティカワイソス
351助けて!名無しさん!:2008/06/01(日) 21:36:15 ID:3snn2TOl
>>348
ガフガリオン、ニバス、パッフェル、漆黒の騎士
俺の中でこの四人が小細工効かない四天王になってるな。
つかこのロワの参加者でアルマとアメル以外は殆ど戦地を潜り抜けてるから、
正気じゃないとかの要因がないかぎりほぼ引っかからないと思う。
強いて挙げるならカトリ、サナキ、ディスガイアメインキャラ組かな。

今は皆他作品のパートナーと組んでるからまだいいけど、ロワ内においては
ディスガイア勢はかなり死にやすいんじゃないかな。自分の力を過信してて、
他者を侮ってる面々が多いから単独行動してるとあっという間にやられそう。
352助けて!名無しさん!:2008/06/01(日) 22:10:09 ID:q/XUkOWC
問題は地雷などという存在を知っているかどうかだけどな。
ほとんどのキャラは存在自体知らない。まあトラップとしてよく似た存在はあるから、
本能的に死の匂いというか、嫌な感覚を事前に察知してしまうかもしれないが。

馬鹿一号二号をそろそろ活躍させないとな。
353助けて!名無しさん!:2008/06/01(日) 22:17:29 ID:QweWVsiC
知り合いが死んでたらびっくりしてうっかりもアリだと思うけど書き方次第だな。
先生は間違いなくひっかかるだろうがなw
354助けて!名無しさん!:2008/06/01(日) 23:08:30 ID:noKef/YY
>352
実はこっそりと七三のほうの馬鹿を目立たせようと下書きしてたり。
でも夕方で終わってるし、放送挟んでからのほうがいいかな…とか思ったり。
355助けて!名無しさん!:2008/06/02(月) 19:11:03 ID:i6tKaBHD
SRPGロワ用誤集は、まだいらないか。

ヘタレ忍者とかビジュナレフぐらいしかまだ用語がないし。
356 ◆6xmg9r73RU :2008/06/03(火) 15:07:14 ID:tKQDI8Pe
取り敢えず、前半部分のみしたらばに投下。
色々と詰め込むことになるので修正も兼ねたらもっと長くなるかもしれない、
といっても20kbとかまでは絶対にいかないだろうけどw

デニム無双にはならないとだけ言っておきますw
357助けて!名無しさん!:2008/06/03(火) 19:29:24 ID:c1++RwVs
おお、Wiki簡単に使えるようになってますね。
書くネタがなかなか思いつかないので、
知っている限りの誤字脱字の修正を今のうちに
サクサクやっておきますね。

ああ、こんなに簡単に編集できるんだったら
キャラクターもまとめて考えておこうかな。

>>356
前半からしてネイスくんどつぼすぎますねw
後半書き上がるのを楽しみにしてます。
358助けて!名無しさん!:2008/06/03(火) 23:31:49 ID:VQBt5Zpr
>356 激しく乙!
ネスティ逃げてー超逃げてー(何回目だw
しかし、取りつかれたとはいえデニムのキャラが違いすぎるような気がするかもしれない

>355
まだ少ないなら用語集専用ページでなくとも
wikiのその他本編情報のページ内にちょろっと作るのもいいかもよ
多くなったら改めて専用ページ作ればいいし
というかビジュナレフって用語初めて聞いたw
359助けて!名無しさん!:2008/06/04(水) 00:14:03 ID:6rqX+LWI
もうやめて!ネスティのアルマ耐性は0よ!
ここまで一人のマーダーに縁のあるキャラも珍しいな。アルガス異常に受難してると思う。
後半も期待大だな。まだ出てきてないカチュアのその後が知りたい。
360助けて!名無しさん!:2008/06/04(水) 00:55:58 ID:u80zL5JO
>>358
ウィーグラフの転生時とその後のラムザとの会話シーン見てもわかるけど、
人格そのものが完璧に融合してルカヴィ色に“染まる”からね。

はたしてどれだけ邪悪な言動が飛び出すか、
前に聖石が取り込んだダイスダーグの記憶も継承しているかどうか、
デニムの今後が楽しみで仕方ありません。
361助けて!名無しさん!:2008/06/04(水) 01:03:47 ID:u80zL5JO
とりあえず、用語にまとめたくなるような単語を羅列していきましょうか?

ヘタレ忍者
ビジュナレフ
ネスティ(は見た!)
空気四天王
アルガスの受難
小熊
死亡フラグの押し付け合い
名探偵(ホームズ)

こんなところか。
362助けて!名無しさん!:2008/06/04(水) 10:59:14 ID:nrLq0g/l
>>361
アル魔も追加よろしく。
363 ◆6xmg9r73RU :2008/06/05(木) 19:00:38 ID:R317Ja7a
後半の部分を投下してきました。

かなりの問題作です、破棄になってもしょうがないと感じるほどのw
地形に影響するようなものは禁止ですが、火をつけるのはどうなんでしょう?
それと好きです、ジ○ルとハ○ドとかディ○ボロとドッ○オみたいなのw

Q:一番の愚か者は誰ですか?

A:山羊さん。
364 ◆6xmg9r73RU :2008/06/05(木) 19:04:18 ID:R317Ja7a
補足:間違って同じ部分を2回投稿してしまっています。
お見苦しいところ、まことにスイマセンorz
365助けて!名無しさん!:2008/06/05(木) 19:06:40 ID:noQVbzUS
暫定で
ヘタレ忍者
空気四天王
死亡フラグの押し付け合い
超危険村

をアップしました。

あとは思いつき次第仕上げていきますが
できれば手伝ってほしいです…。
366助けて!名無しさん!:2008/06/05(木) 19:18:04 ID:noQVbzUS
あ、ちょうど入れ違っていたw

投下GJ。お疲れ様でした。

このまま二人とも気絶したままだと
せっかく手に入れた肉体焼いちまうぞ山羊さんw

それに、ネスティはよりにもよって
あの超危険村に侵入しようとしている。

本当に馬鹿ばっかりだw
367助けて!名無しさん!:2008/06/05(木) 19:20:59 ID:hyQ0CCST
GJww
地形はどうとでも理由はつけられるし大丈夫だと思いますよー
ネスティ……つぐつぐ不幸に襲われそうだw
氏の作品は安定感があって好きだなぁ
368助けて!名無しさん!:2008/06/05(木) 19:26:32 ID:noQVbzUS
あ、ひとつ忘れてました。
ルカヴィと融合・転生したとき、瀕死の重体であっても
全ての負傷状態が治療されますから、
状態表は一旦オールクリアしたほうがいいです。

ウィーグラフの時がまさにそうだったし、
ドラクロワ枢機卿(≒キュクレイン)も
転生のいきさつを考えれば、そう考えられる。

あとメダリオンもそうか。修正しとかないとな。
369 ◆6xmg9r73RU :2008/06/05(木) 20:19:27 ID:R317Ja7a
>>366
アル魔とアルガスの受難を追加しときましたw

>>368
なるほど、忘れてました。
そうじゃないとウィーグラフは助かりませんもんねw

Q:そういえば電波姉は如何したの?

A:放置。by山羊
370助けて!名無しさん!:2008/06/05(木) 20:40:59 ID:tuOXvRu4
少女の罠でアルマは午後にE-5にいます
問題がなければいいのですが
(少女の罠との矛盾があるかどうか)
371 ◆6xmg9r73RU :2008/06/05(木) 20:50:08 ID:R317Ja7a
>>370
…やってしまいました。
少女の罠を読ませていただき、海が見えるという部分と
ベルフラウの死体がC-5に放置という部分だけで
勝手にC-5の日中だと思い込んでましたorz

作者様の判断にお任せします。
破棄も考慮に入れていたのでその場合は仕方が無いですね。
372 ◆6xmg9r73RU :2008/06/05(木) 20:55:19 ID:R317Ja7a
前言撤回。
一旦、破棄し書き直しますw

今度は電波姉をもっと絡めていきます。
373助けて!名無しさん!:2008/06/05(木) 21:27:11 ID:noQVbzUS
>>372
がんがってください。期待してます。
アルマはE−5でベルフラウを殺害してからC−5の平原に
死体を置き去りにしたから、ちょうどC−5で工作活動にいそしんでる
アルマの様子を見てしまう可能性は高めなんですけどね。

その後気づかずにアルマがE−5に行ってしまうなら矛盾しないし。
374助けて!名無しさん!:2008/06/05(木) 21:47:22 ID:7EEGc7AX
>>373
いやベルフラウ殺したのはC-5でしょ?
その後アルマがE-5に移動しただけで。
375助けて!名無しさん!:2008/06/05(木) 22:02:12 ID:noQVbzUS
>>374
あ、そうか勘違いしてた。別に行って帰ってきたわけじゃないよな。
でも、剣の音が聞こえるくらいだから、
E−5にせよC−5にせよかなり遠くないか?

殺害現場はD−6、C−5まで死体を運び、E−5に移動したのか?
あれ、書き手さんがいたら一番いいのだけどな。
376助けて!名無しさん!:2008/06/06(金) 14:32:25 ID:wGY4BCwh
Wikiの各キャラクター名簿の支給品欄のみ更新しました。

ところでエトナとフロンの項目のみが開かないのですがこれはバグですか?
377助けて!名無しさん!:2008/06/06(金) 14:37:28 ID:uy+RGAQz
>>376
まだ書かれていないだけかもしれません。
378助けて!名無しさん!:2008/06/06(金) 17:56:08 ID:AUhJxxSO
少女の罠書き手ですー
トリップ忘れてしまったのでorz名無しで失礼します。
時間と場所を進めた方がいいかなーと無理に動かしてしまったので、問題があれば修正します。
379 ◆6xmg9r73RU :2008/06/06(金) 19:22:03 ID:oDJ6ET3a
今回の自分がろくに調べなかった所為で大変ご迷惑をお掛けしました。
アル魔関連の部分を修正し、何とか練り直しました。
細かい修正等もあるので今日は難しいかもしれませんが
明日は休みなので投下できると思います。

再度、ご迷惑をお掛けしました事をお詫びします。
380助けて!名無しさん!:2008/06/06(金) 19:45:32 ID:TWYoNlok
>>379
期待しています。
にしても速筆で羨ましいなぁ。
381 ◆6xmg9r73RU :2008/06/06(金) 23:35:25 ID:oDJ6ET3a
再投下。
具体的な変化はアメルの目撃はそのまま→でもスルーw
山羊さんが速いです。
ネイスが「君はバカか?」って言います。
姉がちょろっと出ます。
でも流れは変わりませんw

後、無駄に長いです。18kbだそうです、スイマセンorz
382助けて!名無しさん!:2008/06/07(土) 00:25:51 ID:BsbDEgQ/
修正お疲れ様です。
馬鹿チュアにもまさか羞恥心というものがあるとは思わなかったw
あ、よく考えれば衣装の裂け目から考えたら下乳まる見えますね。わお。
唇は気にしても、そっちは隠さなくてもいいのか?

しかし、これでもやはり一番の愚か者は山羊さんですねw

起き立てで上手く頭が回ってなかったのかな?
とはいえ、今後の暗躍に期待です。GJ!
383 ◆637opSQfIo :2008/06/08(日) 01:15:23 ID:VyH/OlhX
仮投下お疲れ様です。
誰か、ネスティにサモナイト石かデスロッドかアヴィスか頼りになる仲間をを渡してあげて!

自分もメドが立ちそうなのでアルガス・ホームズサナキプリニー・リュナンで予約したいと思います。
こうして見るとやっぱり自分は特に描写力が欠落してるな…。
384 ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:07:09 ID:ooqqyBi+
仮投下から1日置いて問題もなさそう?なので
投下します。
385 ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:08:36 ID:ooqqyBi+
往々にして、きっかけは些細な事から始まる。

逃げ出す事しか出来ずに辿りついた森の中、
次に自分が執るべき行動を決めかね、今まで隣にいた人物が居ないだけで
ここまで万事が上手くいかなくなるものなのかと解決の望みも薄い悩みを抱えて
ネスティは一人煩悶としていた。

「…そろそろ動くべきかな?だとしたら目標は村か?
だけど、さっきから僕の選んだ行動は全て裏目に出ている気もする…
クソッ!いつから僕はこうも煮え切らなくなってしまったんだ!」

焦燥と疲労でハッキリとしない自分の思考に更にイラつきを覚え、
半ば自棄糞に背もたれとしていた樹に拳を叩きつける。
だが、がむしゃらに振るった拳は当たり前だが
ただ自分の拳を痛めつけただけであって、彼の苛立ちを解消する事も
ましてや事態を解決する発想を彼に与える事も無い。

「ッ!…ハァ、一体何をしているんだ、僕は?」

ずるずると砕けるように座り込み、溜息をつく。
彼の苛立ちとは別に彼が隠れ潜んでいる森は絶対の静寂を保ち続けている。
この世界に“召喚”されてから気がついた事、
この島には自分達以外の生物が存在していない。
多分、ヴォルマルフ達が何らかの方法で“人払い”した後、
強力な結界を作り出し、他の生物を締め出しているんだろう。
どんな方法で奴らが“人払い”したかなんて事は吐き気を催すだけで考えたくも無いが。
386 ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:10:02 ID:ooqqyBi+
だが、今の自分にはこの静寂はありがたくもあった。
今の張り詰めた神経は些細な物音にも反応を持てるという自信はあるが、
いちいち小動物の立てる物音等にも注意を向けていては身体と精神が持たないだろう。

彼がそう考えていた端から嘲笑うかのように静寂は少女の怒声によって破られたのだが。

(近い!)

即座に立ち上がり、周囲を確認する。
声は南の方角から聞こえてきた。
そう遠くはない距離、そして聞いたことは無い声。
疲労感でろくに頭の働かないまま、
声に誘われるかのように森の出口付近まで歩き、彼は後悔した。

彼が目にした光景。
一人の少女の上に馬乗りになっている見覚えのある別な少女。
唯でさえ違和感のあるその光景に更に拍車をかけるものは
馬乗りになられている少女の胸に突きられ立てているレイピアの存在。
自分の命を狙っていた少女はゆっくりとした動作で立ち上がり、
感情を感じさせないままレイピアを引き抜くと何やら自分のデイバッグを
あさり何かを探しているようだった。

其処までの光景を目にし、あの少女に気づかれないように音を立てずに身を隠す。

(何処までついていないんだ僕は!よりにもよってあの女に又、出くわすなんて。)

以前とは違い、今は自分には魔力を封じる制限も無く、戦う事も出来なくはない。
だが、こちらが詠唱という魔法を行使する上での最大の制限を持っているのに対し、
向こうは自動弓という距離の差をも克服する強みを持っている。
まともに戦えばこちらの勝率の方がハッキリ言って薄い。
正直、同じ相手から何度も逃げる事は気に喰わないが、ここは避けるに掛けるべきだ。
其処まで考えて、一度相手の様子を窺う。
387 ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:12:01 ID:ooqqyBi+
少女は何かの作業を終えて海のほうを眺めて呆けていた様子だったが、
くるりと向きを直し、何処かへと走り去っていった。

(…如何やら、やり過ごせたみたいだな。)

ふぅっと溜息を吐くとそれまでの硬直が馬鹿馬鹿しくなり、
力を抜いて地面にへたり込む。

「疲れた…あの馬鹿は無事かな?」

脳裏に浮かぶのは友の顔。
緊張の糸が切れたとき、疲労感から
襲う睡魔に抗う事が出来ずに
気づいた時には目を瞑っていた。


……。

「ハッ!」

目が醒める。
自分が眠ってしまっていた時間が把握できない、
仰ぎ見た空はまだ昇ってはいるがもしかしたら夕刻もまじかかもしれない。

「ハァ…馬鹿か僕は?」

零れ出る溜息に(今日だけで何度目だ?)と自虐的な考えが浮かぶ。
だが、疲労感はある程度拭えている。
此の侭ここに留まっていても仕方が無い。
如何やらあの女は南の方角に向っていたようだし、
ここはC-4の橋を通りC-3の村へ行ってみるのが妥当かもしれない。
準備を整えて森を出ようとして、すぐに身を隠した。

388 ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:13:01 ID:ooqqyBi+
(今度はアイツか!)

剣を持った襲撃者がゆっくりとこちらに向って歩いてきたのが見えたからだ。
青年は崖の前に横たわる少女の死体に気づくと立ち止まり、
それを遠くからじっくりと眺めていたが、
すぐに興味を無くした様子で森の入り口の方まで向かってきた。

「…チッ!この辺りに潜んでいると思ったが、器は既に此処には居らぬか。
まぁいい、捜しモノとは別に鼠は捕らえられたようだからな。」

そう言い放つと青年は剣先をネスティが隠れていた場所に向けてきた。

「…何故、僕が此処にいると?」

隠れている場所が見抜かれているのでは意味は無い。
隠れるのを止め、ネスティは樹の後ろから歩み出ると
同時に今度はこちらから質問する。

「ふん、亜人如きが我に質問とはな…まぁ、いいだろう。
身を隠す前にその魔力も如何にかしておくべきだったな、
お前ほどの者なら気づかぬものでも在るまいに。」

青年は騎士剣を肩に当てながら億劫そうに答える。
青年の答えも熟練した魔力の使い手でもなければ出来そうにも無い答えだったが、
その前に発した言葉がネスティを酷く動揺させた。

「どうした亜人?『何故それを?』とでも言いたそうな顔だな。
如何だ、人間の真似事は楽しいか?」

青年が口端を吊り上げて醜悪な笑みを浮かべている。

「…僕はお前に如何して僕の事を知っているのか、なんて質問はしない。
唯、お前の物言いを許す事は出来ない!」

自分の事を馬鹿にされた怒りが湧き上がる。
状況は不利だが、此処で簡単に引き下がるわけにはいかない。
覚悟を決めて青年と対峙する。
389 ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:13:39 ID:ooqqyBi+
「…ククク。いいぞ、その表情。
お前らのその感情こそが我らにとっての至福。
次はその顔が恐怖で歪む様を我に見せてくれ!」

青年は身構えもせずに更にネスティを挑発する。

(あまり調子に乗るなよ!)

距離は十分にある上に青年は隙だらけ、
ネスティは魔力を集中させ詠唱を始める。

「漆黒の闇にうごめく悪霊を呼び寄せ、
汝の生命を奪い去らん…、ダークロア!」

悪霊は青年に向け、解き放たれた。

◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆
390愚者の集い ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:14:20 ID:ooqqyBi+
姉さんの命を救いたいのなら、契約を結べ。
全てが暗黒へと包まれた空間の中、その『何か』は僕にそう告げた。

…どうした?此の侭ではお前の姉の命の灯火は消え尽きる事になるぞ?

クリスタルから響き渡る声は僕を急かす。
確かに隣に横たわる姉さんの命は此の侭ではそう長くは持たない。

…だけど言われるまでも無い、答えなんか端から決まっている!
ヴァレリアの未来の為、姉さんの命の為なら例え僕がどうなったて構わない。

「…契約を、結ぶ!」

その瞬間、クリスタルから漏れ出していた光はより一層の輝きを放ちだした。

我が名は憤怒の霊帝アドラメルク……
汝の願いを聞き届けよう……

クリスタルから光が離れ、僕の身体に纏わりつき入り込んでくる。
強烈な光とは対称的にまるで温かみは感じられず、
逆に僕の身体から熱を奪い取っていくような感覚に襲われる。

光が入り込んでくるにつれ、僕の頭の中に見たことも無い光景が突如として現れる。
空を飛ぶ船、空に浮かぶ都市、見たことも無いような生物。
脳裏に現れたものは次の瞬間には滅び、腐れ果て、崩れ落ちていく。
見慣れぬ人の活気にあふれた都市、次の瞬間には其処は屍が溢れかえる静寂の廃墟。
現れては消えていく光景。
その全てが滅びで終わりを迎えている。
その中心で狂ったように嗤う怪物達。
その一人の姿は…僕!?
391愚者の集い ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:15:05 ID:ooqqyBi+
「ウワァァァァッ!!」

思わず絶叫を上げて、始めて光景が今までの暗黒から前の景色に戻っていることに気づいた。

「ハァハァ、今のは一体?…姉さん!」

隣で倒れている姉さんの姿。
何も変わってはいない。
此の侭では姉さんは…

「ッ!」

突如として襲う頭痛。
その頭痛が知らない筈の知識を僕に思い出させる。
ただ、無意識に僕は知らない筈の呪文を紡ぐ。

「…波動に揺れる大気、その風の腕で傷つける命を癒せ! ケアルジャ!」

優しい光が姉さんの身体を包み込んでいき、傷口へと入り込んでいく。
光が傷口を塞いでいき、まるで何事も無かったかのように横たわる姉さんの姿だけを残した。
失血した分は最早取り戻せはしないがこれなら一命は取り留められる。

「良かった、姉さん。」

今までの荒く短い呼吸から静かにだが、ゆっくりとした呼吸を取り戻す姉さんの姿に安堵する。

…これで思い残す事はないな?

「誰だっ!」

身構えて気づく、周りには僕と姉さん以外生きている者は誰もいない。

…忘れたのか?既に契約は為された。我は誰でもない、汝自身だ。

又、頭痛が襲ってきた。
知らない筈の知識が流れ込んでくる。
頭痛に耐え切れず、頭を押さえ込もうとして見た自分の手は異形と化している。
思わず、下を向き自分の影を覗き見る。

異形の怪物が戸惑う僕を嘲嗤っていた。

…その瞬間、僕は全てを理解し暗い闇へと堕ちた。
392愚者の集い ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:15:48 ID:ooqqyBi+
膝から崩れ落ちるように倒れたが、途中で体勢を立て直す。
まだ、上手く身体を動かす事ができない。
どうせ時間の問題だろう。
一つ問題があるとすれば、魂の融合が完全には果たせなかった事。
不完全な同化は一つの肉体に二つの魂を宿す結果となってしまった。
異世界の人間との融合は我々のいた世界のモノとは異なる本質を持つ魂との融合だ。
これくらいの不都合は起こってしまうものなのかもしれない。
だが、これもいずれは我に侵食され一つへとなるだろう。

ゆっくりと周りを見回す。
静寂を保たれた島に数少ない命の波動を感じる。

「…ハシュマリム、何を考えている?」

この人間と融合した時にここに来た経緯は知りえた。
だが、異空の牢獄に囚われていた我が身では彼が何を考えて
この祭典を催しているのかまでは理解できない。
まぁ、こちらの復活を知ればあちらから接触があるだろう。
今はただ、同胞が催した謝肉祭を存分に楽しむとしよう。

歩き出そうとして、隣で横たわる女の事を思い出した。
我の知識で癒された女は何も知らずに眠り込んでいる。

「…フン。」

片手で騎士剣を振り上げ、剣先を女の心臓に狙いを定めて振り下ろす。
だが、肉体に触れるかというところで剣は止まっている。
力を込めるがそれ以上は動く事はない。
今は我がこの肉体の主導権を握っていると思ったが、なかなか侮れんものだ。

「そういえば、この女を生かすことが契約だったな、暫しの間の生を喜べよ人間…ククク。」

女の事は諦める。
どうせ生贄は他にも用意されているのだろうから。
今は不十分な融合の所為で本来の力を引き出すことは出来ない。
必要なのは“血塗られた聖天使”。
彼の者の力さえあれば完全な力を取り戻す事など容易いのだから。
しかし、この者が我の器として選ばれた事は偶然ではなかったのかもしれない。
手繰り寄せた記憶の中にまさか“血塗られた聖天使”の器の姿があるとは思いもよらなかった。

「…ククク。」

思わず笑いが零れる。
案外、我が完全な力を取り戻すのはそう遠くない事なのかもしれないのだから。


◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆
393愚者の集い ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:16:31 ID:ooqqyBi+
「ひるがえりて来たれ、幾重にも その身を刻め・・・」

悪霊が青年に届かんとした時、青年は何かを呟くと一瞬にしてその姿を消した。
目標を見失った悪霊は青年が立っていた地面を空しく抉る。

「馬鹿な!」

ネスティがそれまでの間に垣間見た事。
青年が突如、目にもつかない様な速さで動き、
あっさりと『ダークロア』を回避した。

青年は抉られた地面をしげしげと眺め、嗤っている。

「なかなかの魔力だ。
やはり新たな肉体の能力を試すにはそれなりの力を持った者でないとな」

(新たな肉体?)

青年の発した一言がネスティに疑問を持たせる。
だが、その一瞬の隙を見逃す事は無く、青年が先程の高速の動きを持って
ネスティとの距離を一気に詰める。

「しまっ…!」

ネスティが体勢を整える前に青年によって殴り飛ばされる。
その体格とは比べ物にもならない腕力で飛ばされた身体が生い茂る樹に激突する。
衝撃で意識を持っていかれそうになるが、ここで意識を失えば嬲り殺されるだけだ。
ネスティは気力を振り絞り立ち上がる。
青年はその様子を楽しそうに眺めていたが、やはり突然姿を消すと
ネスティの首を掴み片手で持ち上げる。

(こ、こいつ、一体如何いう力をしているんだ!)

自分とそう見た目の変わらぬ青年に片手で持ち上げられた事に驚愕する。

「この程度か?そろそろ死ぬか?それとも無様に足掻いて我を楽しませてくれるか?」

ネスティを片手で持ち上げたまま、青年が嗤っている。
394愚者の集い ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:18:09 ID:ooqqyBi+
(…大体のからくりは解けてきた。なら、これで…)

追い詰められたネスティの頭脳は逆に此処に来て、冷静に発揮されている事にも気づかずに。
ネスティは青年の腕に何かを巻きつける。

「ほう、無様に足掻くか、面白い!」

青年がネスティを投げ捨てる。

「漆黒の闇にうごめく悪霊を呼び寄せ…」

地に伏せたまま、ネスティは詠唱を開始する。

「…またそれか、如何やら期待外れだったようだな。もういい、さっさと消えろ。」

青年が又、動こうとする。
だが、その動きは先程までとは違い普通の人間と大差の無いもの。

「何だ?」

青年が予期していなかった出来事に初めて動揺を見せた。
ネスティの予想は確信へと変わる。

「やはり思ったとおりか、何かの術によって高速移動を可能にしていたのは
理解できていた。なら、対処は簡単だ、それを封じてしまえばいい。」

青年が自分の腕を見る、巻きつけられているものは封魔の首飾り。
装備者に一切の魔法の影響を与えないが、自身もまた魔法を封じられるもの。
青年の形相が憤怒に歪む、だがすぐに表情を戻し嗤い出す。

「ククク…ハハハハハ!!この程度で勝ったつもりか。
確かにこれは我が魔力を封じるが、
同時に貴様の魔法から我が身を守るものでもあるのだぞ?」

「君はバカか?」

「…何だと?」

ネスティの返答が予想していたものと違う事、
同時に自分を侮辱するものである事に青年の眉が釣りあがる。
395愚者の集い ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:18:43 ID:ooqqyBi+
「そんなもの、いくらでも対処法はある!…汝の生命を奪い去らん…、ダークロア!」

悪霊が開放され青年へと飛んでいく。

「馬鹿が、無駄だというのに…ナニィ!?」

解き放たれた悪霊は青年に到達する直前にその方向を変えて、青年の足元に激突する。
地面を抉る威力はそのまま土砂を散弾としてばら撒き、青年を襲う。
無数の土砂は魔法ではなく物理的な手段として青年を弾き飛ばした。

「ハァ…ハァ…言っただろう、幾らでも手段はあるって?」

幾ら直撃ではないとはいえ、あの威力の土砂を食らえば唯ではすまないだろう。
ネスティが青年の様子を確かめようと倒れている青年に近づいたとき、

ゆらりと青年の指先がネスティのほうを向き

「…言霊の導きし邪気の真の姿なさん 汝自身なる恐怖を知れ! 失声!」

青年の声が響いたとき、ネスティはその声を失っていた。

(しまった、沈黙魔法!)

喉を押さえ、ネスティは顔色を変える。
青年は引きちぎった封魔の首飾りを投げ捨てると
起き上がり憤怒の形相を持ってこちらを睨みつけていた。

「やってくれたな、亜人風情が!」

唯一の手段すら封じられてしまった今となっては
取るべき手段は一つしか残されてはいない。
ネスティは踵を返すと脱兎のごとく駆け出した。

(悔しいが、今は逃げるしかない!森に逃げ込んでしまえば逃げ切る事も…)

ネスティは青年の動きを確認する。
青年は先程の位置から一歩も動かず嗤っていた。
396愚者の集い ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:19:21 ID:ooqqyBi+
「ククク…我が怒りに触れたこと、その身をもって償い消えうせろ!
…地に閉ざされし、内臓にたぎる火よ 人の罪を問え! ファイジャ!」

青年が何かの呪文を唱えた。
ネスティはすぐに自分が考え違いをしていたことを思い知らされる。
ネスティが自分の遥か上方に渦巻く劫火を目撃したときに。
自分が森の中という牢獄に逃げ込んでしまった事、それを青年が嘲笑っていたという事に。
後悔する間もなく劫火はネスティへと降り注いだ。


◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆



「ハハハハ!燃えろ、燃え尽きろ、亜人!その骨すら残さず灰燼と化せ!」

詠唱を終え、発動した我が魔法を見て絶望に歪む亜人の表情に心が躍る。
少しは気が晴れた。
ゆっくりと手を下ろし、亜人に絶対の死を与えんとしよう。
だが、それは急激な衰弱感によって中断させられる事になる。

「なんだ、これは?」

力が抜けて、身体を制御仕切れなくなってきている。
身体から魔力が消えていくのを感じる。

「…クソッ!不完全な融合の身で力を使い過ぎたか!」

既に自分の放った魔法もその制御を離れ、弱弱しくただ堕ちていく。

誤算。

己の力を過信しすぎていた。
不完全な状態では限度があったのだ。
397愚者の集い ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:20:31 ID:ooqqyBi+
「…まぁ、いいだろう。急ぐ事は無い。
先ずはこの肉体を完全に手に入れることが先だ。
今は唯、内へと篭り力を蓄える。
暫くはもう一人の我に動いてもらうとしよう。」

悪魔は地へと倒れふす。
制御を離れ、力の何割かを失ったとはいえそれでも十分な威力を持っていた劫火によって
燃え盛る森を満足そうに眺めながら。

◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆

目が醒めたとき、周りには誰もいなかった。
記憶を呼び起こす。
あの時、あの剣士に斬られた時に死を覚悟した。
だから、デニムにあんな願い事を…
唇に手を当てて、感触を思い出し、羞恥心で頭の中が朱に染まる。

「…そうだ、デニム!何処!」

確かに自分は重傷を負っていた筈だった。
実際、自分が流したと思われるかなりの量の血が衣服を染め上げている。
だが衣類の裂け目から見える自分の肌には一片の傷一つすらない。
ならば、あの時にデニムが何かをしてくれたお陰に違いない。
だとしたら、何故デニムは何処かに消えてしまったのだろうか?

「一人は…嫌よ、デニム。」

立ち上がろうとして、眩暈を起こし倒れる。
流した血の量は軽くなく、こればかりはどうしようもなかったのかも知れない。
貧血で頭がズキンズキンと痛む。
だけど、行かなければならない。
のろのろと立ち上がり一歩一歩をゆっくりと踏みしめる。
愛する弟を捜す為に。

やがて見えてきたものは前方で燃え盛る森とその前に倒れる弟の姿。

「デニム!」

駆け寄り、倒れる弟を抱きしめる。
気絶しているようだが、別段、傷は負ってはいない。

「あなたに何が起きたの?デニム…」

何も理解できぬまま、姉は自分の腕に抱かれる弟の顔を覗くだけであった。
398愚者の集い ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:21:57 ID:ooqqyBi+
【C-5/森の手前/1日目・午後】
【デニム=モウン@タクティクスオウガ】
[状態]:プロテス(セイブザクィーンの効果)、全身に打撲(軽症)、
    全身が血塗れ、気絶中。
[装備]:セイブザクィーン@FFT  炎竜の剣@タクティクスオウガ、ゾディアックストーン・カプリコーン@FFT
[所持品]:支給品一式×2、壊れた槍、鋼の槍、シノンの首輪、スカルマスク@タクティクスオウガ
[思考]:1:※意識不明の為、一切の思考を行えません。

【カチュア@タクティクスオウガ】
[状態]:全身が血塗れ、失血による貧血。左腰から右胸に掛けて衣装に裂け目。
[装備]:魔月の短剣@サモンナイト3
[道具]:支給品一式、ガラスのカボチャ@タクティクスオウガ
[思考]:1:兎に角、ここを離れないと。
    2:何があったのか知りたい。

[備考] ・デニムは“憤怒の霊帝”アドラメレクと契約しています。
    それによって徐々にルカヴィ化が進行していき、
    進行度合いに応じて、アドラメルクのスキルを使えるようになっていきます。
    現在はアドラメルクが完全に眠りについた為、憶えていたスキルも使えなくなっています。
    また、融合が不完全だった為、デニムとアドラメルク二つの人格が存在しています。
    これも、時間経過と共に統合されていきます。
399愚者の集い ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:24:10 ID:ooqqyBi+
黒煙の渦巻く森の中を抜け出す。

(助かったのか、僕は?)

あの時、急に劫火は方向を変え、あらぬ方向へと堕ちていった。
そのお陰で何とか即死だけは免れたが森の中を燃え広がる炎は回避する事が出来なかった。
あちこちに火傷は負ったが比較的軽いもので済んだ事はついていたとしか言いようが無い。

(…ここは、橋の手前か。)

まだ、青年に掛けられた呪文の効果は解けてはいない。
今は詠唱する事どころかまともに話す事すら出来ない。
この状態で次に誰かに遭遇したらどうなるかは分かったものではない。

(迷っている暇は無い、か。)

ここで立ち往生していれば、いずれあの青年に見つかってしまうだろう。
確実な死を待つより、別の可能性を信じるしかない。
それを越えた先に何が待つのか分からぬまま、ネスティは走り出した。

【C-4/橋/1日目・午後】
【ネスティ@サモンナイト2】
[状態]:全身に火傷(軽症)、沈黙
[装備]:ダークロア@TO
[道具]:支給品一式(食料1/2食分消費)
[思考]1:協力者を探す
    2:仲間たちとの接触も早めにしたい
    3:自分と仲間の身の安全を優先
400 ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 06:29:05 ID:ooqqyBi+
投下完了です。

>>382
カチュアに関してはわざとそのままにしてありますw
「キャッ!」みたいな展開は正直似合わないなぁと思ったのでw

>>383
期待してます。
馬鹿が更に囲まれてるしw
401助けて!名無しさん!:2008/06/08(日) 08:05:02 ID:0/8pxOVo
>>383
>頼りになる仲間をを渡してあげて

つ 漆黒の騎士
つ ハーディン
つ ヴァイス

あれ?なにか違うもの渡したかな?
402助けて!名無しさん!:2008/06/08(日) 11:46:50 ID:0/8pxOVo
あ、気がついた点が一点。
ナバールのデイバックとその中身(支給品一式、筆記用具)、
および懐の血糊がべったりとついたカレーキャンディは
放置でよろしかったでしょうか?

中身移し替えなら支給品一式は×3(デニム本人、シノン、ナバール)と、
筆記用具が加算されますが。
403助けて!名無しさん!:2008/06/08(日) 14:19:31 ID:THcKtPyg
マーダーだらけのカオス村へ向かうネスティを救う方法を考えてみた。
1、闇のオーブ他ヤバいアイテムの波動を感じて村から離れる。
2、村から退避した馬鹿1とチキに遭遇する。
3、漆黒を追いかけるアティ先生と遭遇する。
4、運良くパッフェルさんに発見されて保護される。

一番自然なのは2と4かな。3だと漆黒探しに同行してBADENDになりそう。
つか北と南で綺麗に対主催とマーダーが分かれすぎな気がする。
404助けて!名無しさん!:2008/06/08(日) 14:41:53 ID:0/8pxOVo
637opSQfIo氏が予約入れたので、補完話を正式に破棄します。
ホームズが、苦しい…。

まあプロットだけは大分前に完成していたからしたらばに投下しておきます。
参考までにどうぞ。結構嫌な感じの繋ぎになってます。
405助けて!名無しさん!:2008/06/08(日) 14:56:44 ID:VyH/OlhX
まさかのプリニージョーカー!

まぁ、自分が書いているものは前回の話、城到着後から直接続くため
問題ないといえばないのですが…。申し訳ない。
406助けて!名無しさん!:2008/06/08(日) 15:00:35 ID:0/8pxOVo
>>405
いえいえ、気になされずに。
というか代わりに誰か書いてホスィくらい。

プリニーは最初から状態表で「あのおっさんに雇われている」って
言っていたから、むしろ当然のなりゆきかも。
407助けて!名無しさん!:2008/06/08(日) 15:05:10 ID:9o74qKGB
書き手の皆様激しく乙です。

>400
ネスティ・・・、反対側に行けばパッフェルやアイクと会う可能性があったのにw

>401
ネスティ死亡フラグ強化ですねわかります

>402
中身移し替えか、放置ならカチュアに持たせるのが無難だと思う

>403
展開予想はしたらばのスレがいいかも
しかし、4の場合、同作品揃いの死亡フラグがw

>404
ED後参戦のサナキがアイクより漆黒を推薦するのは
ちょっと無理があるかも知れないが、ドロドロ具合がよかったw
408助けて!名無しさん!:2008/06/08(日) 15:38:04 ID:VyH/OlhX
【あのおっさんから給料貰ってはいるけど黙っとこう】
つまりは黙っておけ、と念を押されてはいない→単純に支給品として雇われただけ
と自分は踏んでましたが…確かに、深読みすればそれでも普通にいけますね…!

会話集を読むには読みましたが、サナキと漆黒の話は自分では手に負えないので
せっかくのプロットですが肝心の部分を吸収できそうもないです…。
409 ◆6xmg9r73RU :2008/06/08(日) 16:24:49 ID:ooqqyBi+
>>402
御指摘ありがとうございます。
再々修正になっちゃってますがデニム(アドラメルク)と
カチュアはそれぞれ興味が無かったのとそれどころではなかった
という理由でナバールとベルフラウの死体をそのまま放置しています。
…という事を追加しますorz

>>406
エッ!マジで!?
書いたものだけど其処まで考えて無かったw
だからリレーは面白いですねw
410助けて!名無しさん!:2008/06/10(火) 10:39:09 ID:mPXKtIAo
遅くなりました。投下ありがとうございます。
気になった点として封魔の首飾りが状態表から消えています
wikiの愚者の集いの備考に
封魔の首飾り@TOがC-5に落ちています。
と追加してもよろしいでしょうか
411 ◆637opSQfIo :2008/06/10(火) 21:21:10 ID:NqZwG8eq
仮投下してきました。
放送を聞き逃したことにして時間を夜にしたほうが時間に無理がないような気がしますが
それは可能なんでしょうか…?
あと、自分でやっときながらリュナンの扱いはこれで問題ないですかね…?
何かあれば指摘お願いします。
412助けて!名無しさん!:2008/06/10(火) 23:42:47 ID:85FV9e2v
>>411
乙!そしてライフカードに盛大に吹いたw

放送聞き逃しに関しては放送方法にもよると思う。FFDQロワのアルティミシア様降臨みたいな
大々的演出型やジャンプロワ1stのスピーカー利用のノーマル型、それ以外にも頭に直接響くタイプも
あるからそこらへんが確定するまでなんともいえないかと。
413助けて!名無しさん!:2008/06/10(火) 23:57:46 ID:oHhsYYhF
>>411
投下お疲れ様でした。
ところで素朴な質問ですが、ホームズのプリニーけっ飛ばしって
どういう意味がありましたっけ?

あと、放送なんですけど、やっぱりヴォルマルフが
マイクの前で話しているってことでいいのですか?
って、ことはスピーカーか何かがその島中に配置されている
と判断してよろしいのですか?
そこだけ島とはそぐわない変に近代的な物がこさえてあると。
イヴァリースとディスガイア世界以外の住民が聞いたら
「デ、デカルチャー!!(ふるっ)」となるわけですかいのうw

ホームズとリュナンのキャラの扱いについてはなんとも言えません。
テキスト飛ばし飛ばし読んではいるのですが。
ホームズは「古き良き時代にいそうな口は悪いが人情家のあんちゃん」
リュナンは「悩めるお人よしの優等生。歴代FEの主人公と性格が被る」
こんな感じで良かったかな?
414助けて!名無しさん!:2008/06/11(水) 00:03:58 ID:XO4CMjP7
放送の声は不思議パワーで島全体に響いている、でもいいと思うけど……。
そういえばニバス先生の所持している拡声機は首輪から聞こえるようになっているんだっけ。
415 ◆637opSQfIo :2008/06/11(水) 08:43:37 ID:kOhmZ+LW
>>413
罠や待ち伏せがあるかどうかを見極めるための生贄です。
サナキがいるので3人で行くわけにもいかず、プリニーとサナキだけを置いていくのも不安なので
プリニーを投下しました。
投げると爆発するので蹴っ飛ばした次第です。
もちろん、何かあればホームズ単独で助けに行くつもり…だったはず?

リュナンやホームズはそんな感じかと。

放送や拡声器に関してはまだ決まってないっぽいですね…
416 ◆6xmg9r73RU :2008/06/11(水) 09:16:42 ID:EtJCtPsu
>>411
乙です。
アルガスは何処までいってもアルガスだw
てか、素でシチサン呼ばわりされてるしw
>>410
自分としては封魔の首飾りは山羊に引きちぎられて
壊れてしまった扱いだったので状態表から削除していました。
C-5に破片が散らばっていると修正しておきます。
ご指摘ありがとうございます。…修正しすぎだ自分orz

放送案は投下していただきましたが放送形式は考えていませんでしたね、
そういえば。早めに決めないといけませんね。
417助けて!名無しさん!:2008/06/11(水) 15:24:12 ID:XO4CMjP7
>>416
封魔の首飾りは「ネックレス」ではなく「ペンダント」なので、
引きちぎっただけならまだ使える状態だと思います。
封魔効果があるのは黒真珠の部分でしょうしね。
418助けて!名無しさん!:2008/06/11(水) 17:31:07 ID:Zr1ArARd
>411
投下乙です。睡眠時間吹いたw

それにしても…TS×637氏が段々と不幸フラグに見えてきた(笑)
419助けて!名無しさん!:2008/06/13(金) 22:10:40 ID:yw1cz2Oa
ふと疑問に思ったんだけど、アラドメレクが使った魔法は威力制限受けないのか?
瀕死だったカチュアをケアルジャで一発回復(ルールに沿えば回復は全て最弱化)してるし、
森に放ったファイジャも中断したけど森を焼けるほどだったから、コスト以外の制限は受けないように見える。

ところで、今暇つぶしに放送直前の主催者側の話(軽い雑談)のようなものを書いてるんだが、
採用不採用関係なく投下する場合避難所の方がいいのか?
420 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:45:25 ID:r2y4Zoh7
逆に考えれば、制限を受けてなおその威力、という可能性も…
最上クラスの魔法とはいえ、流石にそれはきついのかな…

とりあえず本投下します。
421黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:46:20 ID:r2y4Zoh7
自分が何をしたかったのか既にわからなかった。
そもそも、そんなものがあったのかすらどうかも明確ではない。

周りに漏れない程度の音量で、毒の侵食は滞りなく進んでいく―――



情けない話だったが、今のアルガスは苦笑いするしかなかった。
城の入り口を塞ぐようにあの悪魔、エトナが帰ってくるのを待っていたのだが、
現れたのは幼女とペンギン(?)と男。
敵か味方かも知れない集団が突然現れたのだ、混乱するのは致し方なかった。
そこを混乱を通り越して苦笑いで済んだのは彼にとっては幸運だったのかもしれない。

「おい、"やる"ってのはどういうことだ?中に誰かいるのか?」

強張った様子もなく、睨みながらこちらを見てくる金髪の男。
手元は衣服の中に隠していて、素手かどうかは判別できない。
アルガスとて素人ではない。殺されかけた経験もあるし、実際に戦死したはずの男である。
冷静な思考の今の状況では、ここで突っ込むような真似はしなかった。

「…クソッ!!」

悪態をつき、扉を開けエトナがいるはずの城の中へと逃げ込む。
閉める余裕はないようで彼が守っていた扉は開け放たれたままだ。

「お、おい!ちょっと待て!」

ホームズの制止も聞かずアルガスは城の中へと逃げて行った。
彼の不審な言動に顔を見合わせるホームズとサナキ。

「どうするんじゃ、ホームズ殿?」

「んー…」
422黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:46:51 ID:r2y4Zoh7
ホームズ達が城を訪れた理由は、単純に何か使える物を求めて、だった。
城ともなれば剣や弓の1つぐらいあっても不思議ではないし、
隠し部屋探しやカギ開けはホームズの専門分野だ。
何かしらのアイテムがあるならば、発見できる自信があった。

めぼしいものがなかったとして、極端な話モップの1つでもあれば
ホームズの実力なら並の相手―――たとえばアルガス―――なら軽くあしらえる。

ちなみに途中の街道で例の『殿下』とやらと見たことない青年が
なにやら言い合っているのが見えたが、やけに好戦的な様子であったので
プリニーの『絶対にやめといたほうがいいっす』という意見も出たこともあり
スルーすることになった。

「随分と素直に逃げて行ったな…。
 罠かもしれねぇな…おい、プリニー。ちょっとこっちに来い」

「な…なんスか!?偵察とかはイヤっスよ…?」

気が向かない様子のプリニーをムリヤリ入口の前に立たせるホームズ。
不安げな様子のプリニーを見下ろし、ホームズは言い放った。

「歯、くいしばれ」

「え…げぎゃんっ!!?」

心地よい打撃音と蛙が踏みつぶされたような声と共に、猛スピードで床を転げつつ
プリニーは城の中へと消えていった。
城の前に残されたのは呆然とするサナキと、右足を思い切り振りぬいたポーズのホームズ。
なんてことはない。グラナダの勇者のローキックによりペンギンが吹っ飛んでいっただけの話だ。

わずかに聞こえていた何かが地面を擦る音が止まり、数秒経過。
城からはぐぅの音も聞こえてこない。
何かに納得したようにホームズだけが満足そうに頷く。
423黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:47:22 ID:r2y4Zoh7
「ホー……ム…ズ…殿?」

「とりあえず罠も待ち伏せもなさそうだな。入るぞ、サナキ」

事もなげに言い放ち、ホームズは扉をくぐった。



自分が何をしたかったのか、それが些細な問題であるような気がしてきた。
ここで出会った人の多くが、いきなり襲いかかってきたり敵意むき出しだったではないか。
みんな、そうなのだ。やはりここは殺し合いの場なのだ。
なぜ、自分はこのゲームの流れに逆らいみんなを守ろうとしているのだろう。
オイゲンは言った。「人がみなリュナン様のように強いわけではない」と。
好戦的なのは弱さからくる不安なのか?
そもそも、自分が強い人間であると?馬鹿げている。
このような場で何もできないどころか人を殺めただけではないか。
なぜ、こんな弱い人間が仲間を助けることができるのだろう。

わずかな量の毒。確実に、彼の心に蓄積されていく―――



(クソッ…クソッ…!)

「あの悪魔めッ!!」

忌々しい。そんな一言では言い表せないような憎悪が、アルガスの身体を満たしていた。
城内を一通り走り回った。だが響くのは自身の足音のみ。
戦っているどころか、誰かがいる様子すらありはしない。

とある一室に人のいた痕跡を見つけた。
真っ二つになった兜と丸机。血の跡はない。
誰かが争ったにしては妙な感じだ。
424黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:47:53 ID:r2y4Zoh7
また、別の部屋にも人のいた痕跡があった。
その部屋は窓が開け放たれ、窓のふちには真新しい足跡。
エトナの襲撃を察知した、ここにいた何者かがここから逃げた。
そして、逃亡する誰かを見つけたエトナはそれを追いかけた―――まぁそんなところだろう。

逃げたのは誰であったのかなどはわからない。あの緑のガキか、スカした男かもしれない。
エトナがそいつを殺したのかどうかもアルガスには知る由もない。
唯一分かることといえば、エトナがアルガスをコケにしたということぐらいだ。

「あの女…フザけやがって、クソッ!!」

絶叫と共に廊下を駆け抜け、その先の広い空間に出た。
そこは城の正面入り口のすぐ先にあるロビーだった。
つまり、走りに走って元の位置に戻ってきたのだ。

「お、さっきのお前か。そっちが仕掛けてこなけりゃ別に取って食ったりしねぇ。
 情報交換をしたい。逃げずにまぁそこに座ってくれ」

そして、そのロビーの備え付けの、2人座るスペースがある2対のソファの1つに
さっきの3人がいたのは別段不思議なことではない。
またしても自身の馬鹿っぷりを後悔したアルガスだが、反省は後回しである。

(どうする、アルガス?どうすんの!?)

アルガスの頭の中でイメージされたのは4枚のカードを持っている自分。

カード1枚目:【襲う】
やってやれなくはなさそうだが…金髪の男の妙な落着きと佇まい。手練なのは疑う余地もない。
武器もアイテムもない状況ではリスクの高いカードだろう。

カード2枚目:【人質を取る】
ちょうど、人質にはうってつけの幼女がいる。
隙をつけば……問題は金髪の男に隙がないことだが。
425黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:48:24 ID:r2y4Zoh7
カード3枚目:【逃亡】
相手の様子を見る限りあまり利点はなさそうだ。
情報交換をした後に用済みとして殺される――可能性はなくはないだろうが、
幼女とペット(?)を連れた極悪人なんぞ聞いたことはない。

カード4枚目:【情報交換】
相手が本当に殺し合う気がないのなら妥当な選択肢だろう。
こちらも情報が手に入るし、うまくいけば身の安全も高まるかもしれない。

「分かった。俺も武器は持っていない。お前らも両手を挙げてくれ」

「用心深いヤツだな。ほれ」

自ら両手を挙げ、敵意のないことの証明をしたアルガスの要請に、2人と1匹は従った。
アルガスはそれを確認し、ホームズの真向かいのソファに腰を降ろした。



そうだ。自分は弱い。何もできない。
グエンカオスを打ち破ったのは、自身の功績ではない。仲間がいたからこその功績だ。
その仲間すらいない自分は無力な存在だ。
だというのに、独りで何をしようとしていたのだろう。
今まで出会った人のように、理性に縛られず行動して何が悪いというのだろうか。
もう考えるのは辛い。苦しい。
何かも忘れて、衝動の赴くままに………

心に溜まり続けた毒は、既に致死量―――



さて、みんな腰を下ろしようやく本題という展開にはなった。
もっともプリニーはアルガス側に座るのを拒否されたので、不服そうに突っ立っている。

「先に言っておくが、俺はアンタらをまだ信用してない。
 情報を言うのは、そっちが先だッ!」

「別に構わねぇが…やけに緊張してないか、お前?人間不信か?」
426黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:48:56 ID:r2y4Zoh7
緊張と警戒と疑念を含んだ表情のアルガスを見て呟くホームズ。
ゴミを支給され、武器を奪われ、殴り倒され、裏切られ、殺されかけ、見捨てられたアルガスにとって
『用心深すぎる』というボーダーはもはや存在しない。
情報交換、そして近々あるはずであるゲームの進行状況を知らせるという放送のために
城から拝借したペンを指の中でくるくる回しつつ、
ばつが悪そうにアルガスはホームズから目を逸らした。

「ほっといてくれ。ほら、さっさと話せッ!早く!」

「わかったわかった、だからまくしたてるな。
 俺達はまずH-2の崖の上がスタート地点でな……ん?…隠れろ!」

「なんなんだ、一体ッ!!?」

話を途切れさせ、ソファから転げるように机に身を隠したホームズに
苛立ちを隠すことなくアルガスが言い放つ。
アルガスの機嫌など気にせずに、サナキを机の下へと引っ掴みながらホームズが答えた。

「いいから静かに隠れろ。誰かが城に入ってきたみたいだ。
 耳を澄ましてみろ、足音聞こえるだろ?」

こつこつこつこつ………
確かに、石畳の上を誰かが駆け足で進む音が聞こえてくる。
もう、耳を澄ます必要もないほどに大きな音となって。
慌ててアルガスもホームズに倣いソファに身を隠し、
プリニーはインテリアのマネをしているつもりか、その場に硬直した。
ぶん殴ってやりたい衝動がホームズを襲ったがそんな余裕はないので捨て置き、
城のロビーの入り口に意識を集中させる。

そして、その足音の主が姿を見せた。

「リュナン!」
「お、お前はあの時のッ!!?」
「リュナンって…ホームズ殿の親友のか?」
「どきどきして損したっす」
427黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:49:41 ID:r2y4Zoh7
その場に隠れていた面々が口を開き、ホームズはその人物へと駆け寄った。
サナキもホームズに続いて彼のもとへ行き、アルガスだけはソファ越しに警戒している。
ちなみにプリニーはホームズがいなくなって空いたソファーをすばやく奪い
『疲れたっす〜』とか言いつつ寝転んだ。

「無事だったんだな、安心したぜ」

ぽん。
そう言いながらリュナンの肩に手を置いた時、ホームズは違和感に気づいた。
あのリュナンが、自分と再会したにもかかわらず何の反応もない。
リュナンと別れてそれぞれ死線を掻い潜り再会、
そのたびにリュナンは好意的な反応を返してくれていた。
それが…名前を呼ぶことも、笑うことも、話しかけることも目を合わせることもしない。
顔を覗いてみると――そこにあるのは死んだ魚のような瞳の青年の顔だった。

―――――イヤな予感がする。

「サナキ!こっちに来る――」

ホームズが右手を後ろにやり、静止しようとしたとほぼ同時に。
リュナンの体が低く沈み、ホームズへと跳躍。

鈍い衝撃音とともに、体重を乗せた右の拳がホームズの腹部へめり込んだ。

「ぐはっ…げほっ、ぐ…リュ、ナン…!」

ホームズへの攻撃で残った突進力を殺さず、膝をつく彼の脇を駆け抜けるリュナン。
その先にいるのは―――

「サナっ、キ……逃げ―――」

「く…っ!」
428黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:50:45 ID:r2y4Zoh7
ホームズが声を上げようとしたが、一瞬遅かった。
魔力や身のこなし等に関してはそれなりに優秀なサナキだったが、いかんせん戦いの経験が少ない。
予想外の攻撃に回避が間に合わず、リュナンのローキックが左腕に直撃。
その衝撃で吹っ飛び、衣服が床に摩擦する音をたてながら床を滑り、
アルガスから少し離れたところまでいってようやく停止した。

なおもリュナンは止まらない。
そのままアルガスとサナキがいるソファの方へ向かって走る。

「クソッ、何度もやられると思うなッ!!」

アルガスの右手が振り抜かれた。
持っていたペンを、ダーツの要領でリュナンの顔面へと投げつけたのだ。
見えているのかいないのか、リュナンは怯む様子も避ける様子もなく走り続ける。

命中。
数時間前と違い、額にペンが突き刺さった鈍い音がした。
少し間が空いてペンが床に落ちた乾いた音がロビーに響く。

「…ヒィッ!!?」

しかし、怯んだのは攻撃を命中させたアルガスのほうだった。
額から流血している男が、焦点の合わない瞳をこちらに向け駆け寄ってくるのだ。
戦いに慣れている者ですら気後れするような迫力だ。

「くそ、来るなッ!!」

リュナンが数メートルの距離にまで迫ったところで、覚悟を決めてか反射的にか、
アルガスは迫りくる流血男の顔面めがけて右フックを繰り出した。

だが、拳はむなしく空を切った。
対するリュナンは体を半回転させ、攻撃の勢いを殺しきれないアルガスを背中に乗せ、
右フックを繰り出した腕を自身の右肩越しに左手でつかんだ。
429黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:51:18 ID:r2y4Zoh7
(しまっ…!)

次の瞬間、後悔先に立たず――アルガスの身体が宙を舞い、だんっ、と石畳の床に叩きつけられた。

「〜…ッ!」

条件反射で受け身は取ったものの、背負い投げによるダメージは大きかった。
全身に行き渡る衝撃で苦痛の呻きすら声にならない。

「く……そッ」

アルガスは気合いを入れてどうにか起き上がろうとしたが起き上がれなかった。
痛みで体が動かないからではない。リュナンがいつのまにか馬乗りになっているからだ。
慌てて右手で振り払おうとするが、既にそちらの腕は掴まれていて動かせなかった。
なら、左手で―――

ゴズッ!

石に固いものが当たる鈍い音が響いた。
考える暇しか与えられず、行動する前に容赦なくアルガスの顔面に拳が振り下ろされた。
殴打による打撃よりも、
石畳に後頭部をしたたかに打ちつけた衝撃で頭がクラクラする。
しかし無慈悲にも上に乗っかっている悪魔はさらに拳を振り上げる。

(俺はこんなところで終わるのか!?)

アルガスが覚悟にも似た嘆きとともに固く眼を閉じたと同時に、

「何やってやがんだリュナン!!」

ごすっ、という音をさせリュナンが吹っ飛ばされた。

「サナキ、大丈夫か!?
 お前も立てるか、えーっと……シチサンだったか?」
430黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:51:49 ID:r2y4Zoh7
「大丈夫じゃ、大した怪我ではない…!」

「…俺はアルガスだ、よく覚えておけ」

リュナンをぶん殴った右手とは逆の左手を仰向けに倒れていたアルガスに
差し出したホームズだったがその手は払いのけられ、
アルガスは口の端の血を拭いながらふらふらと立ち上がった。
どうにか立ち上がったサナキもこちらに寄ってきている。
蹴られた左腕が痛むようでそこを抑えながらではあるが、足取りはしっかりしていた。

「生意気な奴だな、俺はホームズだ」

「わたしは、サナキじゃ」

「で、お前らはどうするんだ?俺はあいつに好き勝手やられた上に
 今日一日で起こったことでかなりイラついている。
 あの茶髪野郎を殺すのなら喜んで共闘してやる」

状況を考えれば、ベストではないにせよベターではあるアルガスの提案であったが。

「ふざけんな!リュナンは俺が殺させねぇ!!」

情に厚いホームズが、その提案を呑むことはありえない。
本当ならゴリ押ししてでもリュナンを殺したいアルガスであったが
ここでホームズと敵対してしまうのはあまり好ましくない、
というか独力で殺すことは現状では困難なので
とりあえずはホームズの意見を尊重することにした。

「じゃあ逃げるのか?」

「いや、それもできない相談だ。サナキの足じゃリュナンを撒けない。
 何より…魔法だか錯乱だか知らんが正気じゃねぇリュナンを放っとけねぇ」

「はぁ?じゃあどうするつもりなんだ?
 お前、カウンセリングが得意だったり治療魔法が使えたりするのか?」
431黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:52:21 ID:r2y4Zoh7
やれやれ、と言いたげなポーズで呆れた風にホームズを見るアルガスだったが、
次のホームズの言葉で本当に呆れることとなる。

「いいか、正気じゃないヤツはぶん殴ればいいって相場は決まってるんだよ!!」

そう吠え、海獅子は親友に一撃見舞ってやるために跳躍した。

【E-2/城内ロビー/1日目・夕方(放送前後)】

【ホームズ@TS】
[状態]:腹部に鈍痛(ダメージは軽度)
[装備]:プリニー@魔界戦記ディスガイア
[道具]:支給品一式(ちょっと潰れている)、不明(未確認)
[思考]1:リュナンをぶん殴って正気に戻す
    2:あのおっさん(ヴォルマルフ)はぶっ飛ばす
    3:カトリ、ネスティと合流したい
    4:弓か剣が欲しい
[備考]荷物はすぐ近くのソファ近くに放置

【リュナン@TS】
[状態]:脇腹に打撲、肩に軽い痛み(痛みは大分引いている)、混乱
[装備]:ロマンダ銃(残弾0/1)@FFT
[道具]:潰れた合成肉ハンバーグ@TO ラミアの竪琴@FFT、不明道具(シーダのもの)
    支給品一式、食料2人分
[思考]:1:思考停止、暴れる
[備考]
混乱はラミアの竪琴の音を長時間聞いたため。
解消法:HPダメージ、時間経過、エスナや万能薬などの解除法
432黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:52:52 ID:r2y4Zoh7
わざわざ殴り合いに介入する必要はない。
もしホームズが負けるようなことになればこのサナキとかいうガキを囮にして逃げよう、
そう決めていつでも逃げれるよう自分の荷物を確保するために
ソファのほうに向かったアルガス。
どさくさ紛れでホームズ達の荷物に手を出してもよかったが、
どうやらロクな武器は持ち合わせていないようだし
最悪敵を増やすだけの結果になりかねないのでそこは自重しておいた。

「ぐごーすぴーきゅるきゅるくかー」

荷物を持ち、さて戦いの観戦でもしようかと思った時にすぐ近くから異音が発せられた。
心拍数を跳ね上げながら音源に目を遣ると、
ぬいぐるみなんだか何なんだか分からない物体がソファの上で高いびきを掻いている。

がすっ。

不遜な態度と緊迫感の欠片もない行動と一日の心労の影響か、
無性に腹が立ったのでとりあえずアルガスは蹴っ飛ばしといた。

「な、何するんすかー!?」

ソファから転げ落ちたプリニーは当然の如く文句を言うが
アルガスとてそんなこと知ったこっちゃない。

「うるさい、家畜に睡眠時間はないッ!!」

「えぇ!?殿下ですらそこまで鬼じゃなかったっすよ!?」

「なんだ、文句があるっていうのか?
 文句あるならかかってこいよ!家畜は所詮家畜だってことを教えてやるッ!!」

「殺してやるっす、殺してやるーっすッ!!……と言わないといけない気がしたっす」

「こらこら、そなたら…いさかいをしている場合じゃないじゃろう!
 ホームズ殿を手助けする方法を考えるんじゃ!」
433黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:53:40 ID:r2y4Zoh7
そこにようやく助け舟、サナキの仲介が入りケンカ?は中断された。
不快さを隠さず舌打ちし、サナキのほうを見た瞬間、アルガスはふと閃いた。

(こいつ…人質に使えるんじゃないのか?)

ホームズのほうを見ると、リュナンの攻撃を捌きながら
攻撃するタイミングを計っているように見えた。
こちらへの注意は最低限、隙を突くことはたやすい。

(…どうする、アルガス?どうすんの!?)

アルガスの頭の中でイメージされたのは4枚のカードを持っている自分。

カード1枚目:【加勢】
ホームズに加勢してリュナンをボッコボコにしてやる。
が、ホームズが黙っていないだろうし、無傷というわけにはいかないだろう。

カード2枚目:【観戦】
ホームズが勝てばよし、リュナンと呼ばれているあの不愉快な男が正気に戻れば
それはそれで改めて仕返しの機会をうかがえばよし、
ホームズが負ければサナキを囮に逃げればよし。

カード3枚目:【人質を取る】
相変わらず、人質にはうってつけの幼女がいる。
しかも邪魔するであろうホームズはリュナンの相手で手が離せない。
こいつの命を盾にリュナンに痛い思いをさせてやるのもいいかもしれない。

カード4枚目:【第4の選択】
よりベターな、ベストの選択を今からでも考える。
大丈夫、それが存在するというのなら俺が気付かないはずはない。
434黒の公子、金の勇者 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:54:14 ID:r2y4Zoh7
ライフカード(生き残るための選択)、続く―――

【E-2/城内ロビーのソファ付近/1日目・夕方(放送前後)】

【アルガス@FFT】
[状態]:顔面と後頭部に殴打による痛み
[装備]:なし
[道具]:支給品×2
[思考]1:どうするよ、俺?
    2:戦力、アイテムの確保
    3:リュナンとレシィとあの男(ヴァイス)に復讐
    4:ラムザとディリータを殺す

【サナキ@FE暁の女神】
[状態]:左腕に打撃による痛み
[装備]:リブローの杖@FE
[道具]:支給品一式、手編みのマフラー@サモンナイト3
[思考]1:ホームズとリュナンを助ける
    2:帝国が心配
    3:皆で脱出
    4:アイクや姉上が心配

【プリニー@魔界戦記ディスガイア】
[状態]:ボッコボコ(行動にはそれほど支障なし)
[装備]:なし
[道具]:リュックサックのみ(水と食料も支給されていません)
[思考]1:とりあえずホームズに従う
    2:あのおっさんから給料貰ってはいるけど黙っとこう
    3:この主人マジで怖いっす
435 ◆637opSQfIo :2008/06/13(金) 22:55:37 ID:r2y4Zoh7
投下完了です。
>>419
したらばのほうでいいんじゃないかと。
にしても、主催者側の話は今まで無かったので楽しみにしています!
436助けて!名無しさん!:2008/06/13(金) 23:01:36 ID:yw1cz2Oa
>>435
乙です。やっぱりライフカードはいつみても吹くw

でも殿下のテラファイアが使用不可能になってるからなあ…アラドメレクも制限を受けてる場合
テラファイアも放てそうな気がするんだが。それともルカヴィは制限緩いんだろうか?

了解しました。まあまだ数行しか書いてないんですけどね。
437助けて!名無しさん!:2008/06/13(金) 23:41:00 ID:hVbC37EJ
>>436
進行役がハシュマリムだから露骨に贔屓するだろうさ。
ルカヴィだけ制限なしとか。
ルールというものは、だ。周囲に守らせるためにあるものだが、
作った側は好き勝手無視していいものなのさ。
438助けて!名無しさん!:2008/06/14(土) 01:30:47 ID:d2Nq/Z1R
うおっと見逃した

>>419
色々実験されてみたいなら、したらばで仮投下でいいと思います。
それならここに落す前に修正いくらでも効きますし。
439助けて!名無しさん!:2008/06/14(土) 01:37:11 ID:1wQL9ysW
>>436
殿下は素の能力がチートすぎるからなぁ。ルカヴィは特殊条件をクリアしないと成れないというのもあるし。
>>419
「深い傷・骨折→回復魔法が得意ならなんとか塞いだり接合したりできるが完治はしない」とあるから微妙なところ。

まあ、作者さん待ちかな?


しかし負の感情(絶望や悲憤)を求める主催者と、それに乗じて目的を成そうとする進行役。
そしてそれに都合のいいアイテム多々(イービルスピア、メダリオン、闇のオーブなど)。
投票と流れで決まったはずなのに面白いほどうまく繋がっているなw
440 ◆6xmg9r73RU :2008/06/14(土) 06:30:12 ID:5KZlkLmv
>>419
その事に関してですが、今回わざと過剰にしてみました。
最初はケアルラ辺りの重ねがけ及び強くてもファイガにしといて
勝手に燃え広がった事にしようと思っていたんですが、
折角なのでそういった指摘が頂ける様に過剰にしています。
プロット段階では首輪に気づいたアドラメルクが制限を緩和する、という
流れもあったんですが序盤にチートが出て如何する!と思い、没にしています。
というか、この話自体没になってもしょうがないやっていうのを前提に書いちゃってますしw

本題としては一応あれで本人(山羊)気づいていませんが制限受けてます。
その所為で魔力消費が早い→行動休止に追い込まれた事にもまっっったく気づいていません。

カチュアに関しては聖石の関与が半分関わってるものと思っていただけると、
マラークが死亡したときのラファのような感情がルカヴィ以外の奇跡も呼んでいたという事で。
…後付ですがw

修正、及び破棄は受け付けますのでハッキリといっていただいて構いませんw
441助けて!名無しさん!:2008/06/15(日) 11:29:48 ID:gjyyiAYL
>>440
いえ。お気になさらず。
とりあえず、そのまま突っ走ってください。
適当につなぎ考えますので。
442助けて!名無しさん!:2008/06/18(水) 23:17:02 ID:TaCXcZXt
419氏の投下が完了したら、放送に入ったほうがいいのかねぇ。
443助けて!名無しさん!:2008/06/19(木) 00:41:36 ID:SYUXtToc
>>442
まだ放送までにあと1,2話必要なキャラがいたはずなのでそちらが
なんとかなり次第でよろしいかと…。

ちなみに今荒削りですが、順調に進んでおります。もう少ししたら仮投下できるかも…?
444 ◆b1F.xBfpx2 :2008/06/20(金) 00:00:20 ID:tPWmjZBR
一応出来上がったので、したらばの投下スレに投下しておきました。
でも正直ヴォルマルフの心情等がいまいち掴めていないので、修正する必要があると思ってます。
というか主催者の話が採用されるかすらまだわかりませんが…。
何かアドバイスや感想等あったら、聞かせていただけると幸いです。
445助けて!名無しさん!:2008/06/20(金) 01:02:57 ID:BgUYQhS5
サモンナイトは未プレイでわからないのですが、
よろしければレイム・メルギトスについて解説お願いできますか?
446助けて!名無しさん!:2008/06/20(金) 01:42:31 ID:fE77BXGZ
>>444
GJ!面白かったですよ。
気になった点は、ヴォルマルフがゲーム内でのルカヴィ復活にこだわっているかどうかですが。
アルテマの復活さえ成し遂げられれば、ゲーム内でのルカヴィ復活は余興でしょうし。

しかし…この主催者達の戦力を考えると、参加者が10人くらい脱出しても全滅しそうで困る。

>>445
したらばの雑談所に投下してみました。
数年前の記憶なのでメチャクチャですが。
447 ◆b1F.xBfpx2 :2008/06/20(金) 22:15:16 ID:tPWmjZBR
>>445
説明不足失礼しました。したらばの方に投下された>>446氏の説明で大体合っているので、
そちらを参考にしていただければ良いかと思います。付け加えるなら、メルギトス自体は虚言を司っていますが、
彼自身本編でも本当の事しか言っていません。後、三悪魔達は憑代とした召喚師と同じ属性の召喚術を使います。
ガレアノ:霊、ビーニャ:獣、キュラー:鬼

>>446
感想、解説共にありがとうございます。プレイしてないキャラを書くのは本当に大変です。
ルカヴィについてはあまりよくわからないのですが、アルテマが復活すれば他が未覚醒でも大丈夫なのでしょうか?
とりあえずそこのところも修正してみます。

それにしても地の文がうまく書けません…。同じ話すでも「語る」や「口を開く」等の使い分けや使いどころが
うまく理解できなくて悪戦苦闘してます。後名前で表す時と「彼」や「青年」等の呼び方で表す時とか…。

脱出後に主催者と戦うだろうなと思ったので配置したのですが…これぐらいしているからこその余裕という意味も
持たせているので丁度良いかなと。
でも書いた後よくよく考えてみたら、ディエルゴって境界線から魔力吸って半永久的に自己再生できるんだったなあと
気付いたりもしてます。
多分メイメイさんやラミントン辺りの外部勢力が助力してくれないとかなり危ないかもしれませんね。
448助けて!名無しさん!:2008/06/20(金) 22:40:50 ID:SGML2SND
>>447
自分の説明は相当拙いので、この外伝が採用されて(というか没にならんだろうけど)本投下されたら
参加者説明でメルギトスも作ったほうがいいかもしれませんね。
フロンとエトナも…。

これもちょっと記憶が曖昧なのですが、
聖天使アルテマが復活すれば異世界に閉じ込められている他のルカヴィが現世に現れるのは
聖石の力を借りずとも造作もないことらしいので。
支給品に聖石をいれたのはヴォルマルフの余興か、ゲーム進行を早めるためかあるいは…
ってプロット公開は自重したほうがいいですかね。

とにかく、自身の記憶に自信がないので他の方の意見も聞きたいところです。
449助けて!名無しさん!:2008/06/21(土) 00:37:32 ID:KMNHFAOm
アルマ自体が参加者として出ているから、聖石は死んじゃった時の保険とか。
450助けて!名無しさん!:2008/06/21(土) 19:07:59 ID:S/xKUywE
むしろ器が複数あると考えた方がいい。
一つの世界に一つぐらいの適正がある器があるとか。
451助けて!名無しさん!:2008/06/21(土) 23:19:08 ID:wt0O5hkO
あの主催者の面子でもディスガイア組を主砲にすればなんとかなるんじゃね?
それに名簿の説明でもスルーされてるけど、レシィの審眼もあるからとりあえず三悪魔は対処可能かも。
まあ完全健康状態でもハシュマリムや再生能力のあるメルギトスを相手にするのはきついだろうけどな。
452助けて!名無しさん!:2008/06/22(日) 12:15:50 ID:Wu/gUhjY
ディスガイア組と抜剣者組とレシィのなかで
何人生き残るかが重要っぽいな
453 ◆b1F.xBfpx2 :2008/06/24(火) 22:20:26 ID:XyadEIsS
したらばの作品修正スレに修正版を投下しておきました。
主な変更点はヴォルマルフの台詞と、地の文の加筆修正です。
あまり色々書きすぎて、他の方が本編を書きづらくなってしまうような事態にならないよう
注意して書いてみたつもりです。指摘などされば聞かせてもらえるとありがたいです。
454 ◆j893VYBPfU :2008/06/25(水) 19:52:52 ID:2xGpoNlt
>>453
お疲れ様です。いえいえ。今後の考察等に大いに参考にさせていただきます。
キャラの口調や性格等は特に問題ありません。
第一回の放送としては十分な密度の内容のものではないかと。
神殿騎士団がでてくるかどうかは第二回の放送次第でしょうかね?

とりあえず、こちらも第一回放送案を仮投下します。
こっちも色々と詰め込み過ぎですが、指摘等あれば聞かせてください。
455助けて!名無しさん!:2008/06/25(水) 21:34:30 ID:CP/ZUA6H
お二方、投下乙です。

>>453
何も問題ないと思います。流れも綺麗で見事です。
主催者のビジョンが少し見えてきたので逆に書きやすくなるかもしれませんね。

>>454
重要な点が綺麗にまとめられています。
ただ、やはり少し長いかと。削るところを選べと言われると難しいですがw
あくまで主観ですので他の方がどう思うか分かりませんので参考程度にお願いします。



あと放送までに描写が欲しいと言われたのは…タルタロス組とパッフェルさん?
456 ◆j893VYBPfU :2008/06/25(水) 21:46:06 ID:2xGpoNlt
>>455
やっぱり長かったですか。では半分くらい削ってみます。
進行役でなくて、キャラが気づきそうな部分は根こそぎ
カットしておきます。

描写がほしいのは、あとデニム&カチュアが最後の一回くらいと
昼過ぎで宙ぶらりんになってるガブガリオンとパッフェルかな?
457助けて!名無しさん!:2008/06/26(木) 00:16:24 ID:/GHJWLmU
放送は無駄に冗長にしないで簡潔にしたほうがいいかと。
なぜなら次からのSSで各参加者の放送に対する反応を描写しなくてはならないから。
あまりにセリフが長いとそれに対する描写も増えて、書き手の負担に繋がってしまう。
私自身書き手ですが、ほかの方のためにも申し訳ありませんがあまり長くならないようにお願いします。
458 ◆j893VYBPfU :2008/06/27(金) 00:59:09 ID:weoWdA/2
…駄目だorz
削ったらまた肉付けしたく誘惑に負けて、どうしても冗長になる。
まあこのまま闇に葬るのもちょっともったいないようなので、
さらに悪乗りした演説を没ネタ公開スレに投下しておきます。

あ、これは勿論没ネタなので、何か使えそうな部分が
あれば好きに改編して使ってくださって結構です。


――それにしてもこのヴォルマルフ、ノリノリである。
459 ◆b1F.xBfpx2 :2008/06/30(月) 17:15:04 ID:e3OhT1vr
>>458
放送でどれだけ詰め込むかとか考えると、どんどん長くなってしまうのは
仕方ないのでしょうね。個人的には、パラレルワールド部分は削ってもよいのではないかと思います。
参加者のほぼ全員に馴染みのない言葉ですし、第二放送の時でも遅くないと思うのですが…。

それとは別に修正した番外編を投下しておきます。アラドメレクの名前が色々ごちゃごちゃに
なってしまうのはどうにかならないものか…。
460ディエルゴの守護者 ◆b1F.xBfpx2 :2008/06/30(月) 17:15:43 ID:e3OhT1vr
そこが一体何処なのか…空よりも高い場所なのか、海よりも深い場所なのか…それすらも分からない。
分かっているのは、そこは殺し合いから外れた場所でありながら、ゲームの外ではない場所であるということ。

その部屋はとても広く、まるでSFファンタジーに出てくる宇宙船のブリッジのような形をしている。
光源は宙に浮かぶモニタ以外にないにも関わらず、それだけで全体を照らしていた。
そこで彼―――グレバドス教会の神殿騎士団団長にして『統制者ハシュマリム』、
そしてこの殺戮劇『バトルロワイヤル』の進行役――ヴォルマルフ・ティンジェルは傍観していた。

「…ほう、あの小娘は随分と健闘しているようだな。所詮は人間だと思っていたが、やはりアルテマの器
 だけのことはあるのか。いや、それともあの島に渦巻く狂気が力を与えたのか…。」

備え付けられた椅子の肘掛で頬杖を突きながら、彼は手前のモニタを見つめていた。
モニタにはゲームの参加者の顔写真が映されており、その下に現在位置が表示されている。
顔写真は皆煌々と光っているのだが、中には光が消えているものもある。参加者全員に着けられた
首輪から送られる生命反応が途切れ、死亡と判断された者達だ。

「えりあD-6ニテ参加者11なばーる、首輪カラノ生命反応途絶…死亡ト断定。」

「魔力せんさーニ反応アリ、座標確認……D-6と断定。すぴーかーカラノ音声ニヨル声紋チェック並ビニ魔力ノ質ヲらいぶらりカラ検索
 ……検索完了。憤怒ノ霊帝あどらめれくト断定。参加者45でにむ・もうんニ異常ナ生命反応。あどらめるくニヨル憑依ト判断。
 シカシ、完全ナル支配ニ至ラナカッタ模様。現在ヤヤ興奮状態。」

ブリッジ前方の装置を動かしている機械達が異常を分析し報告する。それを聞いたヴォルマルフが目を細め溜め息を吐いた。
待ち続けていた者に出会えた喜びと、ようやく来た相手に対する呆れを混ぜたような溜め息だ。

「ようやく一つ目覚めたか…いや、第一放送前なのだから早い方か?まったく人間一人満足に支配できぬとは、覚醒早々醜態をされしてくれたな。
 …しかし、これをきっかけにアルテマも覚醒してくれれば良いのだが…そううまくはいかぬか。…それにしても」

よくできた人形だと、報告を終えて持ち場に戻る機械を見つめながら呟いた。
461ディエルゴの守護者 ◆b1F.xBfpx2 :2008/06/30(月) 17:17:25 ID:e3OhT1vr

…いや、それは厳密には機械ではない。
それらは嘗て生物だったもの。調律者と呼ばれた男と機界の亜人によって創られた希望と罪の結晶―機械魔『ゲイル』―
あらゆる能力の強化と、感覚・感情等の余計な部分の削除によって機能停止まで命令されたプログラムを執行し続ける理想の生物兵器。
そして、祖先の犯した大罪を償おうとする超律者達によって全て破棄されたのだった…。
では何故破棄された筈の機械魔が存在しているのか…そして何故このバトルロワイヤルの管理を担っているのか…。

「ご機嫌如何かな、ヴォルマルフ殿?…それともハシュマリム殿と呼ぶべきですかな?」

突然の背後からの声。しかしヴォルマルフは驚く様子も見せず、声の主を振り向きもせず対応する。

「……貴様かキュラー。一体何の用だ?」

「ディエルゴ様からの伝達ですよ、ワタクシの仕事ですからね…。それと、少々雑談でも興じてみようかと…。」

キュラーと呼ばれた男は音もなくヴォルマルフの横に立ち、首だけを動かして彼を見る。
不気味な配色のローブに死人のような青白い肌、切れ長の目を更に細めながらクククと笑う姿は、まるで悪魔のようだ。
いや、彼の場合本物の悪魔なのだから、その言葉はおかしいのだろう。

「話だと…?ディエルゴの代弁者でしかない貴様が一体何を話すというのだ?」

ヴォルマルフは視線だけ動かし、まるで猛獣が威嚇するような目で彼を睨んだ。
しかしそんな威圧など何ともないかのように、キュラーは涼しい顔をしている。

「貴方がお一人では退屈かと思いましてね。ワタクシも貴公とお話をしてみたいところでしたので丁度良いでしょう?」

そう言うと彼の顔はブリッジ前方の巨大モニタを向く。モニタには島の全体図と、参加者の現在地を記す点が映し出されている。
他にも、ヴォルマルフの手前に表示されているものと同じ顔写真のウィンドウが開かれていたり、モニタの横に番号が分けられたスピーカーも設置されていた。
その中で光の消えている少女の顔を見つけて感嘆の声をあげた。

「おやおや…アルミネは早々と退場してしまいましたか。まあ目覚める以前の彼女ではあまり長生きしないとは思っていませんでしたが。
 他の方々はまだまだ健在のようですが、果たしていつまで持ちますかねぇ……ククククク。」

「あまり気にしていない様子だな。できれば自分の手で葬ってやりたかったのではないか?その小娘とは因縁があるのだろう?」

口の端を吊り上げながら問うが、彼は首を振った。
462ディエルゴの守護者 ◆b1F.xBfpx2 :2008/06/30(月) 17:18:17 ID:e3OhT1vr
「あの娘はアルミネであってアルミネではありません。それに彼女との因縁はディエルゴ様の方が強いのです。
 そう言う貴公の方こそ、あのラムザという青年と因縁があるようですが、どうなのですかな?」

キュラーの言葉に全く表情を変えずにヴォルマルフもモニタの写真達に目を向けながら答える。

「初めにも言ったが、私は奴等がどういう末路を迎えようが興味はない。私は私の望みが叶えばそれでいいのだ。
 こんなことに加担してやったのも、ただ利害が一致しただけに過ぎん。…さて、御喋りはこれくらいで十分だろう?さっさと用件を話せ。」

そう言うと、もう話すことなどないというような態度で、今度はキュラーの顔を真っ直ぐ見据えた。
キュラーは少し残念そうな素振りを見せながら、本来の用件を話し始める。

「では申し上げましょう…数時間後の第一放送で、参加者達に優勝賞品として死者の蘇生を行う事も可能であるということを伝えよ。
 次に禁止エリアに関しては、いきなり集団で固まっている所を指定するのではなく、まず固まりの周囲から消す事。
 最後に、見せしめで死亡した超魔王バールの支給品を、会場内の禁止エリア以外の場所に投下する事。投下する時間は貴公の判断に任せる。
 そして投下の前後には放送で参加者達にその存在を知らせるように。…以上です。」

「了解した、さあもう戻れ。私は貴様のその下卑た笑いが気に食わん。」

最早彼はキュラーから完全に視線を外している。酷い言われようですねと呟きながら、キュラーはその部屋から去ろうとしたが、
急に何かを思い出したようにヴォルマルフに振り向き…

「そうそう、わかっておられるとは思いますが、くれぐれも参加者達に手出しはしないようにとのことです。
 主催側はゲームに干渉しないのがルールですからね……ククククク。」

と言葉を残して部屋を後にした。そして再び進行役と機械魔だけの空間となったブリッジで、
彼は誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。


「ふん……ゲームか…下らんな。」


463ディエルゴの守護者 ◆b1F.xBfpx2 :2008/06/30(月) 17:19:56 ID:e3OhT1vr
「キュラー、ただいま戻りました。」

ヴォルマルフの元から帰ってきたキュラーは、部屋に入るとまず目の前の建造物のようなものに帰還の報告をする。
しかし彼を出迎えたのは建造物ではなく、年端も行かぬ少女の声だった。

「お帰りなさーいキュラーちゃん。ヴォルマルフちゃんのご機嫌はどうだった?」

声と共に現れた者はやはり少女だった。しかし彼女も…そして彼女と共に建造物に控えていた男も、
キュラーと同じく霊界の深層に住む悪魔である。

「ビーニャ!ディエルゴ様がお聞きになるのが先だろう!!」

はしゃぎながらキュラーに近づくビーニャを咎める様に男が声を張り上げた。
それに対し講義しようとビーニャが不満そうな顔で睨みつけようと振り向いた時…

「……構いませんよガレアノ。それに、私の事は以前のようにレイムと呼んで下さい。」

建造物から声が響いた。その声を聞いて、三人はその場で跪く。
そう…この建造物こそが、このバトルロワイアルというゲームの主催者であり、会場となっている島の意志と言える存在。
源罪のディエルゴ、レイム・メルギトスであった。

「…それで、彼の様子はどうでしたか?」

レイムの言葉に、キュラーが顔を上げた。

「はい、今のところ彼は順調に進行役を務めています。仰せつかった伝言も全て了承しました。
 この殺し合いについてはあまり興味がないような様子でしたが、気にする必要もないでしょう。」

キュラーの報告を横で聞いていたビーニャが甲高い声で笑い出した。

「キャハハハハハ、随分と素直なんだねえヴォルマルフちゃんって。てっきり裏でこそこそ何か企んでるのかと思ってたよ。」

「彼をからかうのはおよしなさいビーニャ。彼は利害の一致という理由で私達に協力をしてくれているのです。
 自分の望みが叶えられないということにならない限り、我々に反する理由がありません。それに貴方達が今
 こうしていられるのは、彼の助力のおかげでもあるのですよ?」

レイムの言葉を聞くと、ビーニャははーいと少し詰まらなそうに返事をした。
一息置き、ガレアノがレイムに話しかける。

「レイム様…本当に何もしなくてよろしいのですか?奴等の中には殺し合いに乗らず脱出を考えている者も出てきているのですよ?
 しかも脱出する術も残しておくなど…。」

「私達の目的はまず今すぐに彼等の負の感情を集める事。むしろここで私が手を下してしまうと、かえってそれがし辛くなってしまいます。
 脱出の鍵を残したのも、絶望を更に増幅するため。いざあの島から脱出できたとしても、彼等が真の意味で解放される為には
 主催者を討つしかない。決して不可能ですがね。尤も……」

そこで声が途切れると、目の前に光の粒子が現れ徐々に集まり人の形を成していく…

「脱出と首輪の解除までには幾つもの問題があります。そしてそれらは個々の人物だけでは絶対に解決することはできません。
 果たして彼等がそこへすら辿り着けるかどうか…私達で見届けてあげるとしましょう。」

やがて光が収まっていくと、それは一人の青年へと姿を変えた。三人はそれぞれ不気味な笑みを浮かべながら青年に礼をした。


464ディエルゴの守護者 ◆b1F.xBfpx2 :2008/06/30(月) 17:20:46 ID:e3OhT1vr
キュラーの伝言から数時間が経過し、時刻はまもなく夕刻から夜へ――第一放送の時間になろうとしている。
伝言を受けた後、島の状況は大きく動いていた。C-3の村での戦いがそれだ。
最初はアティとカーチス、そして漆黒の騎士しかいなかった(もう一名いたがすぐに死んだので数えなかった)その場所は、
今や狂気や怒り等の負の感情で満ち溢れていた。闇のオーブを手に入れた暗黒皇帝ハーディンと死神の甲冑を身に纏う愚者ヴァイス、
そして戦う相手を見つけた漆黒の騎士が一度に集結したからだった。

スピーカーから聞こえる嘆きや狂った叫びを聞きながら、ヴォルマルフは考えていた…。
今のところ覚醒しているのはアドラメレクのみ。アルテマさえ覚醒すれば他のルカヴィを覚醒させる事など造作もないが、
物事が順調に進むに越した事はない。暫くC-3は放っておくべきだろう…。
生徒が死んだ事を知れば、あの女も絶望に打ちひしがれ、丁度良い器になるかもしれない…。
機工士は無様な操り人形となり、聖騎士は天使と百合の花を咲かせ、堕ちた貴族は愚行に愚行を重ねている…。
自分の世界の人間共はなんと笑わせてくれることか…下らん催しだと思っていたが、まあまあだなと心の中で小さく呟いた。

「……時刻午後6時。ますたーう゛ぉるまるふ、第一放送ノオ時間デス。」

時刻管理担当の機械魔がその時をヴォルマルフに告げる。
この半日で多くの者達が散っていった。生存者達は不安や恐怖を抱きながら、または殺人の快楽に浸りながら島の中を彷徨っている。
放送を聴いた者達はどのような反応をするのだろう…どんな面白い事をしてくれるのだろう…。
その答えは、これを告げた後にわかることだ。
深く座った椅子から徐に立ち上がると、彼は手に持ったマイクから、その言葉を述べた。


「……18時だ。この"ゲーム"が始まってから12時間。諸君、今から第一放送を開始する」



【???/???/1日目・夕方】

【レイム・メルギトス@サモンナイト2(3)】
【ガレアノ@サモンナイト2】
【ビーニャ@サモンナイト2】
【キュラー@サモンナイト2】
【ヴォルマルフ・ティンジェル@FFT】


彼等の目的の多くは、未だ未知のまま……


【備考】:ブリッジにいる機械魔達は、入力されたプログラムにより基本的にヴォルマルフの命令にしか従いません。
     ガレアノ、ビーニャ、キュラーはレイムの命令にしか従いません。しかし、レイムが誰かに従え等の命令を下せば従うかもしれません。
     レイムは核識の力を使用している間、島の全ての事柄を知る事ができます。しかし、数時間ごとに休息を取る必要があります。
     負の感情の供給により、レイムが実体化して移動できるようになりました。
     ヴォルマルフはガレアノ達の存在を把握しており、彼等が悪魔である事も知っています。しかしレイムの事は「ディエルゴ」と名乗っている事以外知りません。
    
465 ◆b1F.xBfpx2 :2008/06/30(月) 17:40:02 ID:e3OhT1vr
遅くなりましたが投下終了。つか本当に自分サモンキャラばっか書いてるな…。
他の作品もやってみたいけど、難易度はどんな感じなんだろう…?
466助けて!名無しさん!:2008/06/30(月) 21:06:20 ID:QIug7Kre
投下お疲れ様です。
暁(ノーマル)、TO、FFT、ディスガイア、SN2・3の中で、(正攻法で)一番難しいのはTOだと思います。
クレリック法使うと一番楽になりますけどw
467助けて!名無しさん!:2008/06/30(月) 22:10:29 ID:B/jl2z4a
一騎打ちイベントはFFTの方が鬼門だったりするけど基本的にはTOが難しいかな?
468助けて!名無しさん!:2008/06/30(月) 23:27:22 ID:UGndf6Rm
FFTもTOも人間味がありすぎて難しい。
他の参加作品は漆黒みたいに難しいのもいるけど
基本的な性質は「よくいる」キャラって枠に入ると思う。
469助けて!名無しさん!:2008/07/01(火) 07:56:41 ID:bfTydHH3
FFTやTOは人物造形がしっかりしているから、難易度は高いがやりがいもある。
マーダーはみんな基本的に性格ねじくれた濃いいキャラばかりだし。
ハーディンもよくありそうでいて、内面掘り下げてみると非常に楽しい。
470 ◆6xmg9r73RU :2008/07/02(水) 22:14:08 ID:yUqyrJli
久しぶりにwiki更新しました。
書き手紹介(?)のページも作りましたので
紹介文などを作っていただけると励みになるのではないでしょうか?w
471助けて!名無しさん!:2008/07/02(水) 23:26:07 ID:MTYzjHF+
>>470
おお、広告が下のほうに下がっていますね。
乙です。
472助けて!名無しさん!:2008/07/08(火) 22:02:12 ID:o3YX+Xjr
したらばの方に連絡があったので保守。
つかこの静けさは皆規制にかかったわけじゃないよな?
473 ◆j893VYBPfU :2008/07/09(水) 00:02:16 ID:+TuGRpVF
携帯から。
取り敢えず、本スレが静かすぎるのでまだ推敲してないですが勢いのままに書いたものを
したらばに仮投下いたします。ご意見あれば幸いです。よろしくお願いいたします。

考えれば最初からこうしておけば…。
474助けて!名無しさん!:2008/07/09(水) 15:37:51 ID:zo8xJ0vi
>>473
タルタロスはローディスの人間だからゼテギネアではなくガリシア。
>だが、ゲームの破壊といった致命的なものとなれば話しは別だ。
「話し」ではなく「話」の誤字。

とりあえず見つけたのはこれくらいですかね。
作品は老練した傭兵としての描写がよくできていて面白かったです。
475助けて!名無しさん!:2008/07/09(水) 17:42:34 ID:jko4kYHU
ご指摘ありがとうございます。
まあガフならもう少し頭捻るだろうなあとか考えると不安になっていましたが。

あと、各キャラの名台詞を紹介に追加しておきましたので、皆さん参考にして下さい。

というか、手伝って…。
全員は無理ぽ。
476助けて!名無しさん!:2008/07/09(水) 19:54:26 ID:qTzMIfbx
>>475
仮投下おつかれさまです。
レシィもガフ恨んじゃないし、ガフじいさんは今のところ順調だなぁ。
シュールストレミングは吹いた。実際に経験した身としてはこれは武器だ。

迷台詞…主人公とかは難しいな…。
そしてオグマとか…そもそもセリフが…。
477助けて!名無しさん!:2008/07/10(木) 19:05:32 ID:bUSlCoVt
DSリメイク暗黒竜でセリフ増えるんじゃない?
478黒騎士と悪魔と人間と ◆j893VYBPfU :2008/07/11(金) 23:28:59 ID:9BAjuLG+
「さて、どうしたもンだかな?」

今では遠ざかり、ほとんど見えなくなった廃城を背に、
白亜の鎧を着た“黒騎士”は誰に語りかけるでもなく、
そうつぶやいた。

――黒騎士(Black Knight)
これは、本来特定の階級を指し示す言葉ではない。
一般的には決まった主君との明確な主従関係を持たぬ
自称騎士達、自由契約の傭兵を指す言葉である。

多くの騎士達は盾等に自身の出自を表す紋章が描かれており、
その象徴を何よりも誉としている。
だが、黒騎士の場合はそういった紋章を持たない、
あるいは持つ事が出来ない為黒く塗りつぶされている。

紋章を持つ意味が無い故に。
紋章を持つ事が許されぬ身分であるが故に。

さらに、そういった者達は手入れの簡略化の為、
鎧が錆びぬようその全身を黒く塗装を施すので
その出で立ちは必然的に全て黒へと変貌する。
まさに、なるべくして黒き騎士となるのである。
合理と機能の結果によって。

ただし、黒騎士とはその出で立ち以外の部分、
――たとえば精神性までもが黒く染まっているからこそ
そう呼ばれるのだと揶揄する者達も多い。
479黒騎士と悪魔と人間と ◆j893VYBPfU :2008/07/11(金) 23:30:16 ID:9BAjuLG+
「黒」という色彩自体が不吉であり、恐怖や絶望を象徴する色であるがゆえに。

そして大抵の場合、それは真実でもある。
彼等はその心にもその出で立ちに劣らぬ程の暗き陰が差し、
決して人には言えぬ過去を持つ者達が多い。

リーベリアの暗黒騎士ジークしかり。
アカネイアの黒騎士カミュしかり。
ガリシアの暗黒騎士ランスロットしかり。
リィンバウムの黒騎士ルヴァイドしかり。
テリウスの漆黒の騎士しかり。

彼らの中には、確かに主君に仕える者達も存在する。
但し、彼らにとっての真の主君であり、
何より優先するものは「己の信条」。

仮初の主君に仕える理由も、己の理想や野望の実現といった
目的の一致である場合がほとんどとなる。

そしてその真なる主、見えざる専制君主の命によっては
何の躊躇いもなく人倫にもとる暴虐を為し、
これまでの立場を容易に翻すことさえもありうる。
それが騎士道に反し、度し難い裏切りと見なし糾弾する者もあるが、
本人にすれば決してそうではない。
己の騎士道に、誰よりも、何よりも忠実に仕えた結果なのである。

「黒騎士」

黒は闇であり、静寂であり、停滞を意味する色。
そして全ての色を集めた色こそが黒であり、格の高さを示す色。

玄人(くろうと)の玄が元は黒から転じた言葉であるように、
黒はその世界への並ならぬ奥深さをも意味する色である。
480黒騎士と悪魔と人間と ◆j893VYBPfU :2008/07/11(金) 23:31:06 ID:9BAjuLG+
――だからこそ、

他者に染められる事はない。
他者に惑わされる事はない。
他者と主を共にする事はできない。
他者と思いを分かち合う事もできない。

その黒き防具に覆われた心の深淵は、
誰にも理解する術はない。
誰一人隣に並び立てるものがない、
――気高く悲しき、孤高の騎士。

人は揶揄だけでなく、その生き様に対して
畏敬の念さえも込めて彼らをこう呼ぶのだ。
「黒騎士」と。

そういった意味では、たとえ神々しき白亜の鎧を身に包もうとも、
ガフ・ガフガリオンはまさしく黒騎士と呼ぶに相応しい存在であった。

          ◇          ◇

まずは何よりも生存を優先する。
この先、しばらくは城に戻らぬほうがよいだろう。
あの赤毛の小娘が徘徊している可能性がある。

レシィという小僧からも、充分に情報は頂いた。
異世界と召喚の事を聞き出せただけでもまずは幸運だったと言えよう。

あの小僧から生命を賭してまで救ってやるほどの利用価値は、もはやない。
赤毛の小娘もいずれは倒すべき存在なのだろうが、それは後回しで構わない。
あの様子では、自信過剰ゆえにいずれ足元をすくわれるだろう。
他の参加者と噛み合わせ、消耗した後でじっくりと倒せばよい。
481黒騎士と悪魔と人間と ◆j893VYBPfU :2008/07/11(金) 23:31:54 ID:9BAjuLG+
やがて、城が完全に見えなくなったところで足を止める。
流石に、この年で重装備のまま全力疾走を続けるというのは少々堪えた。
周囲の安全を確認してから木陰で座り、ペットボトルの水を一口だけ含む。
呼吸が整い気分が落ちついてきたところで、思考を再開する。

さて、このゲームから生還するにはどの策を取るのが最善であるかだ。

1.出会った者達全てを打ち倒し積極的に優勝を狙う。
2.主催と敵対する達と手を組み、可能な限り仲間を集めてこの舞台からの脱出を図る。
3.人の寄り付かぬ所を探し、状況が安定するまで様子を伺う。

大きく分けて、この3つに分けられる。
一見全てが正しくもあり、そして全てがそのままでは論外でもある。

――まずは一番目。
脱出がほぼ不可能である以上、従順に優勝を狙うのが正しくも見える。
ただし、様々な異世界からこれだけの数の参加者を取り揃えているのである。
自分のような一度死んだ者達でさえ、わざわざ蘇らせてまで。

あの最初の見せしめとして死んだ超魔王バールとやらのように、
自分では手に負えなさそうな存在も中にはまだ存在することだろう。
そのような者達と正面切って争った場合、その生命は確実に潰えることになる。

第一、主催側にすれば褒章は元より帰還の約束など
気分次第でいつでも反故にしてしまっても構わない。
そこにこの策の致命的な欠陥がある。

それにこれだけの舞台と装備をも惜しげもなく全参加者にばらまくのだ。
このような贅を凝らした悪趣味な余興、今回だけで終わらせるとは思えない。
次回を予定しているのなら、優勝者を口封じに出る可能性もある。
この策を選ぶのは、他に手段がない場合のみと考えておいた方がいい。
482黒騎士と悪魔と人間と ◆j893VYBPfU :2008/07/11(金) 23:32:47 ID:9BAjuLG+
――そして二番目。
脱出が“ほぼ”不可能という意味では、
逆を言えばほんの僅かでもその可能性が存在するということだ。
この忌々しい首輪を取り外し、舞台から脱出できればそれに越したことはない。
自分が倒されるリスクを背負い、この殺戮劇に加担し続ける必要もないのだ。

だが、この策にも問題点はある。
首輪の除去に、舞台からの脱出に失敗した場合は、
まず確実に巻き添えを喰らい死亡する事になる。

主催はその合図一つで特定の参加者を死に至らしめることができるのだ。
確かに、主催側としても死んだ人間を蘇らせてまで殺し合いをさせたい以上、
多少の反抗なら多目に見るだろう。むしろ微笑でもって迎えるかもしれない。

だが、ゲームの破壊といった致命的な障害となれば話は別だ。
もはや存在自体が有害でしかなくなった存在に対して決して容赦はしない。
支配者という存在は決して狭量ではないが、また寛容でもあり得ないのだ。
それはイヴァリースの支配者のやり方から充分に学んでいる。

そしてその失敗は、己以外がかき集めた「無能な味方」の失態が原因となる場合もある。
戦場では、強大な敵よりも無能な味方こそが何よりも恐ろしい存在となる。
そして、このゲームの破壊を意図する連中――、
例えばラムザのようなお人良しは、喩え極限状況だからと言って
他人を「役立たずだから」という理由で冷徹に斬り捨てたりは決してできないだろう。

それは人間としては美点といえるのだが、戦場では悪徳でしかない。
これも安全が確保されない限り、安易に取るべき手段ではないだろう。
483黒騎士と悪魔と人間と ◆j893VYBPfU :2008/07/11(金) 23:33:40 ID:9BAjuLG+
――最後に三番目。
これが一見一番の上策のように思える。
自らは決して手を汚さず、戦いに乗る強者同士が
噛み合うのを高見の見物を決め込めばいい。
いかなる強者といえども、最後の一人になった頃には何らかの手傷を負う筈だ。
その最後の一人のみを、隙を付いて悠々と始末すればいい。
すでにその為の武装も一式は手にしてある。

あるいは、完全に脱出の目途がついたところで、
リスクを背負うことなく共に脱出すればいい。
失敗に巻き込まれなくてすむなら、それが最善だ。

だがこれは短期的に見ればともかく、長期的に見れば最も下策とも言えよう。
優勝狙いの場合、確かに残る参加者も手傷は負うかもしれない。
だが、それまでに打ち破った他の参加者からの装備を奪い、
さらに手に負えぬ存在になっている可能性もある。

そもそも、ゲームの終盤まで生き残る連中というのは、
生き残るべくして残っただけの実力を有したものとなる。
そんな連中から絶好の隙など、見いだすのは至難の業となる。
むしろこちらが隙を突かれる可能性すらありえる。

さらに、その辺りの行動も主催は想定しているのであろう。
傍観者が決して絶対の有利とはならないように。
殺し合いを奨励し、否応なく加速させる為に。
そうでなければ、皆が皆気付いた時点で同じ行動を取る事態となる。
それに、積極的なこのゲームへの貢献者には、
それなりの救済措置さえ用意するかもしれない。
484黒騎士と悪魔と人間と ◆j893VYBPfU :2008/07/11(金) 23:34:52 ID:9BAjuLG+
それに、もし支給品の中に負傷を完全に癒すような支給品が
配られていた場合(おそらくそれはありえることだろう)、
何らかの“救済措置”が積極的な貢献者達に行われた場合、
最後の一人がそれを手にすればこちらの命運は確実に尽きる。

それに、脱出が上手く行きそうな場合であったとしても。
その目途がついた頃を見計らっておめおめと姿を晒したところで、
その日和見を決め込んだ意図は参加者全員の察する事となる。

お前など一切信用できぬと周囲の不興を買うのは確実だ。
そうなれば、いかにラムザのようなお人良しでも周囲の不満を抑えきれないだろう。
よくて脱出の交換条件に追手からの殿という一番危険な場所に立たされるか、
最悪の場合は唯一人この舞台に置き去りにされる可能性も現れる。


――ならば、今しばらくはできるだけ多くの情報収集に徹し、状況を見極めることだ。


利用価値のない者は人知れず始末してその装備を奪い、
ゲームに関する貴重な情報を持つ者がいればそれを引き出す。
苦境に陥っているものがいれば、救助して恩を高値で売り付ける。
あとは人脈の一つにでもするか、最悪の場合矢避けの楯にでもすればいい。
露払いを前以て行っておけば対主催にすり寄る
無能な味方は減らせるだろうし、自らの強化にも繋がる。

対主催側に協力して脱出するにせよ、このゲームに乗り優勝を狙うにせよ、
生き延びるためにはこれが一番最適な手段となる。

だが、それができるのは序盤のみだ。
時間が立てば、弱者や愚者は真っ先に淘汰され
このゲームに乗った者達の力を増させることになる。
485黒騎士と悪魔と人間と ◆j893VYBPfU :2008/07/11(金) 23:35:40 ID:9BAjuLG+
そしてもし仮に生き延びた強者であっても、
時間が立てば状況に絶望して殺人鬼と堕し、
情報交換どころではなくなるものも増え続けるだろう。

そして本人は無能であっても世渡りに長けた者どもは、
利用価値のある存在と友好的な人間関係を素早く構築して
周囲に殺害されにくい立場を築き上げるだろう。
そうなれば間引きも至難の業となり、脱出の可能性も潰える。

――だからこそ、今この時こそが一番積極的に動く必要がある。

気が乗らないが、これが考えうる中でもっとも現実的な案である。
事を優位に運ぶには、常に何らかのリスクを背負わなければならない。
それが、序盤に可能な限り他の参加者に出会い、情報収集を行うのが、
将来的に見て最もリスクが少ないと判断しただけのこと。
先行投資とでも考えればいい。今は戦力と情報を蓄える時期だ。
三つのうちいずれの策を取るにせよ、状況を見極めてからでも遅くはない。

幸いにも、既に武器も手に入った。大抵の事は己の手で為せる。
まずは人の寄り集まりそうな所を優先しよう。
だが、必ずこちらが先に相手を発見する必要がある。
出会った人物がこのゲームに乗った殺人鬼であれば
厄介事が増えるだけなのだから。まずは見極めが必要だ。

そして、友好的であった場合も距離感の取り方も問題となる。
少なくとも頼られる程の好印象は与えておくべきだろうが、
いつでも別行動が取れる程度の関係にとどめておくべきだ。
下手な慣れ合いは、自由な行動を阻害する。

そのため、第一優先で探すべきはラムザの小僧と、
あとはあの白い帽子を被った赤毛の女か。
あの召喚された時の状況から考えて、あの二人は生き延びていれば
まず反主催側の中心人物となるだろう。主催側と因縁もあるようだから。

これらの二人からは、情報をなるべく多く仕入れる必要がある。
486黒騎士と悪魔と人間と ◆j893VYBPfU :2008/07/11(金) 23:36:21 ID:9BAjuLG+
それと、多少のリスクは伴うかもしれないが、もう一人候補がいる。
あのヴォルマルフと同じ金色の甲冑と、赤いマントを身につけた金髪の騎士、か。
あれは間違いなくミュロンド・グレバトス教会の神殿騎士団のみが身に付けるものだ。
あの場にいた時は後姿だけで確証は取れなかったが、体格と名簿から考えるに辺り、
“あの”元骸旅団の頭目ウィーグラフである可能性が極めて高い。

もしあの若造であれば、率いていた骸旅団が壊滅したが故に教会の庇護を求め、
神殿騎士団の傘下に加わっていた(あるいは未だ傘下にいる)と考えるべきなのだろう。
そして、ヴォルマルフの裏切りによって(あるいは内応して)
この舞台に参加者の一人として放逐されたということになる。

もしそうであれば、あの若造は元神殿騎士として
極めて有益な情報を所持している可能性がある。

むろん、あの進行役であるヴォルマルフとて愚かではない。
あえて数ある部下の中からあの若造を参加者として選んだ以上、
以前からさほど大した情報を与えていないか、あるいは露見する事を
逆手にとって出鱈目な情報ばかりあの若造に与えている可能性もある。

あるいはもっと酷く、ウィーグラフも裏切られたフリをして未だ内応している可能性もある。
もっとも、それは可能性としては極めて低いのだが0というわけではない。

だが、人間というものはまったくの虚構から嘘をつく事は出来ない。
精巧に作られた嘘であればあるほど、
ある程度の事実を下敷きにする場合が極めて多い。
こちらは充分に情報を引き出した上で、それを見極めればよい。

裏切りや騙し合いなら、こちらに一日の長がある。
五十年戦争の中で、あの男の事はよく知っている。
戦場で青臭い理想論ばかり吐いていた生真面目な若造が
にわか仕込みの虚言を労したところで、
そう易々とこちらが謀られるとは思えない。

もし、ウィーグラフが敵であるか役立たずであった場合は、
周囲に彼にとって不利となる情報をばらまき、
参加者同士を噛み合わせるといった使い道もある。
何しろ、マント以外はあのヴォルマルフと同じ出で立ちだ。
その気になれば悪評はいくらでも流せるし、
そうなればもはや言い訳のしようがないだろう。
487黒騎士と悪魔と人間と ◆j893VYBPfU :2008/07/11(金) 23:38:04 ID:9BAjuLG+
あの若造、個人的な戦闘力だけは折り紙付きと来ている。
窮地に陥れてやれば、さぞや人減らしに貢献してくれることだろう。
だが、これはカードの一つとして今は温存しておく。
なんにせよ、今後の対応を決めるのはあの若造次第だ。


――――さて、兎にも角にも情報収集と露払いが第一だ。


思考を纏めると、そのまま北上への移動を再開する。
すでに体力も十分に回復した。
勿論、目指すはC−3の村だ。
既に太陽も西に傾きつつあった。

おそらく、あの村には夜露を凌ぐべく多くの人が集まっていることだろう。
必然的に、他の参加者との遭遇率は跳ね上がる事になる。
それは好機でもあり、同時に危機でもある。
それをどう活かすかは、己の才覚次第だ。

――なんにせよ、用心だけはせねばならンな。


周囲から目撃される恐れのある見晴らしの良い場所は極力避け、
白亜の甲冑と同じ色をした花畑の中を選んで歩く。
やがて日がさらに大きく傾き、全てを赤く染めだした頃に、
ガフ・ガフガリオンは彼ら二人と出会った。

戦場の死体が腐乱した死臭とも異なる、形容しがたい猛烈な異臭と共に。


一人は前髪をも妙齢の女性のように伸ばし、
胸元を開いたいかにもな自惚れ屋っぽい優男。
そしてもう一人は、先ほど思考の中にあった
金色の甲冑に身を包んだ若造、ウィーグラフ・フォルズ。
488黒騎士と悪魔と人間と ◇j893VYBPfU氏の代理:2008/07/11(金) 23:58:50 ID:69gNWyPN
――ほう、早速見つかったか。速いもンだな。


その二人組はそろって鼻を摘みながら
顔面に何かの汁を盛大に滴らせ、
蓋が空き引っ繰り返った金属の小箱と
その下に内容物を盛大にぶちまけられた弁当を
複雑な感情が籠った視線で睨みつけていた。

手塩にかけて育てた我が子が目の前で失われたような絶望の瞳で。
あるいは自分を裏切った愛する者を見つめるような、暗い情念に満ちた視線で。

二人は金属の小箱が乗っかった弁当と
対面の相棒を交互に眺めながら何かを罵り合っている。
あの異臭の発生源も、あの金属の缶から来ているようだ。
状況から察するにあれは食事前の事故で、
二人は敵対関係ということはなさそうだ。

むしろ揃って食事を取ろうとしているから考えて、
有る程度の信頼関係にはあるのだろう。
このゲームに乗っているとは、今の所考えにくい。

緊張感に欠けること夥しいが、大方あの異臭が漂う
食糧に関することで揉めているのだろう。
残念ながら、会話は遠くて内容まではよく聞きとれない。
こういった場でなければああいう喧嘩も微笑ましいが、
放っておけば取り返しの付かない事態になる恐れもある。

歴史においては宴会でスープ一杯を出し惜しみした
恨みによって滅ぼされた国というのも存在するのだ。
喰い物の恨みは恐ろしいものがある。空腹時なら尚更であろう。

――まさかとは思うが、ヴォルマルフもこれを計算に入れた上で
ハズレの食糧をあいつらに仕込んだわけじゃあるまいな?
だとしたら、やり方はセコいが相当な曲者かもしれンぞ。
489黒騎士と悪魔と人間と◇j893VYBPfU氏の代理:2008/07/11(金) 23:59:54 ID:69gNWyPN
だが、この事態はこちらにしてみれば好機でもある。
下らない争いではあるが、うまく仲裁すれば二人の印象もよくなるだろうし、
何より労せずして貴重な情報が手に入るだろう。

よし、どう切り出すべきか。

ガフガリオンは慎重に頭の中で掛けるべき言葉を考えながら、
目の前の二人に近づいた。

【C-3・小山の麓/1日目・夕方(16〜18時)】
【ガフ・ガフガリオン@FFT】
[状態]:健康
[装備]:(血塗れの)マダレムジエン@FFT、ゲルゲの吹き矢@TO、絶対勇者剣@SN2 天使の鎧@TO
[道具]:支給品一式×2(1/2食消費) 生肉少量 アルコール度の高い酒のボトル一本
[思考]:1:どんな事をしてでも生き延びる。
    2:まずはラムザと赤毛の女(アティ)を探して情報収集。役立たずは人知れず間引く。
    3:マグナに会ったらレシィのことを伝えてやってもいい。
    4:アグリアスには会いたくない。
    5:…それにしても、この臭いはなんとかならンのか?

        
【シュールストレミングの缶詰@現実】
中ボスの食糧二食分としてに宛がわれていた缶詰。一食分で二個、合計四個与えられている。
スウェーデンで食されている缶詰で、ニシンを塩漬けにし、缶の中で発酵させた漬物の一種。
その強烈な臭いから、「世界一臭い缶詰」などと呼称されることもある。
具体的には、魚が腐った臭い、あるいは生ゴミを直射日光の下で数日間放置したような臭い。
しばしば下水に喩えられ、最悪の場合は失神することもありうるという。
スウェーデン語でスール(Sur)は、「酸っぱい」を、ストロミン (stromming) はバルト海のニシンを意味する。
現実世界とイヴァリースとは当然のように言語が異なる為、
正確には「発酵ニシンの缶詰」「すっぱいニシンの缶詰」とでも呼ぶべきなのだろう。

缶詰は内部で発生した発酵ガスによって缶自体が膨れており、気圧差で破裂する危険さえある。
開封する際にそのガスによって汁が勢いよく飛び出すため、屋内で開けない事が推奨されている。
中ボスとウィーグラフの二人はこれを不用意に開けてしまったが為に、その顔面に汁を浴びてしまった。

【ジェニファーの手作り弁当@魔界戦記ディスガイア】
ウィーグラフの食糧二食分として宛がわれていた大盛りの手作り弁当。二つ与えられている。
本来はジェニファー達が魔界のピクニックに出かけた際に作られたもので、
中ボスが盗み食いした為本来は彼の胃袋の中に収められているはずだが
こうして支給品一式の食糧扱いで配布されている。

単なる美味しい食糧扱いで別段際立った効果はないが、
関係者にはさぞや郷愁をそそるカホリをしていたのかもしれない。
ただし、そのうちの手作り弁当一つの上に蓋の空いた件の缶詰が
盛大に乗っかっているので、その素晴らしきカホリも今や台無しである。
490助けて!名無しさん!:2008/07/12(土) 00:02:51 ID:69gNWyPN
そしてj893VYBPfU氏投下お疲れ様です。
ゴードンがいたらなんと嘆くだろうかw
491 ◆j893VYBPfU :2008/07/12(土) 22:11:23 ID:XR33IQnp
すいません。作品に訂正事項がございます。
「黒騎士と悪魔と人間と」の題名ですが、
「Silent Survivor」に変更してください。

内容に比べて格好良すぎな気もしますが、
ガフガリオンの行動方針を考えれば
これが一番しっくり来そうだからです。

元ネタは「北斗の拳」のオープニング曲ですが、
ガフガリオンは徹底して冷酷な人(?)だから
歌詞とはあまり関係なさそうですね。
492助けて!名無しさん!:2008/07/13(日) 22:36:21 ID:bUTYE7ab
動きがなければ話題もないな…。
こう何か軽い質問とかでも小ネタでもないですかね?
493助けて!名無しさん!:2008/07/13(日) 23:29:25 ID:7g/Ork3X
放送までにあと一回くらい書いておく必要があるのは、
カトリ&ルヴァイド、ラムザ&ラハール、タルタロス&マグナ、パッフェル
これくらいかな?
百合コンビ(そのまま気絶)、アイク・ニバス(午後だが、双方重傷でろくに動けぬ)は放送直行で大丈夫そうだ。
494助けて!名無しさん!:2008/07/13(日) 23:31:45 ID:xgqaTiHZ
カトリ&ルヴァイドはもう放送まで着いてるよー。

パッフェルはどうとでも動かせることはできるが
やっぱりマグタロスは難しいな。
495助けて!名無しさん!:2008/07/13(日) 23:40:04 ID:bUTYE7ab
タルタルソースがその非道っぷりを遺憾なく発揮するには
ユンヌというリミッターをはずさないといけないからなぁw

その辺りの事情はラハールも同じだけど、
ラハールは別段取り立てて非道というわけでもないし。
メガネを見失ったパッフェルの顔に死相が
浮かびつつあるのは気のせいか?
496助けて!名無しさん!:2008/07/14(月) 11:48:18 ID:AtFt2GB+
>>493で出ていない午後より前の時間帯の人が
書いておく必要があるのかはわかりませんがまだいます
ネサラ,デニム&カチュア,ネスティ,アルマ,エトナ&レシィ
497助けて!名無しさん!:2008/07/16(水) 23:54:44 ID:pS4TE1rx
一応主催者側のSSが投下されたし、wikiの方に主催者紹介のページを作成した方がよいのだろうかね?
それとももう少し様子見をしてたほうがよいのかな?
498助けて!名無しさん!:2008/07/18(金) 23:50:54 ID:oUxpo6Ua
こうやって台詞を探してみると、サモンナイト関係は
あまり会話集というものがないですな。
自分でリプレイして書き起こせというのですかそうですかorz

本当は時間と人物把握が上手く出来れば
ロワ内で遭遇した人間関係一覧表みたいなのつけ足したいけど、
流石にそこまでする気力はないです…。
499助けて!名無しさん!:2008/07/19(土) 00:03:37 ID:kVEpMiJD
>>498
イスラはキャラ把握の際に必死こいて会話集探したら、
イスラ専用?会話集を見つけたのでそれを元に名(迷)セリフ書いたんですが…
サモンナイトは会話量が膨大ですからね。
500助けて!名無しさん!:2008/07/19(土) 00:36:37 ID:7DXxtNXB
台本が電話帳並みに分厚いらしいですからねw
501助けて!名無しさん!:2008/07/19(土) 15:58:51 ID:zTc4fp+i
暁やTO、FFTもストーリが長いだけにセリフが膨大だが、ほぼ網羅しているサイトがあるから助かる…
502助けて!名無しさん!:2008/07/21(月) 22:00:21 ID:vOG0OhXA
誰もいない。踊るなら今のうち?
503助けて!名無しさん!:2008/07/21(月) 22:21:20 ID:topTXStq
プリニーダンスを踊ってくれるのか?
504助けて!名無しさん!:2008/07/21(月) 22:32:48 ID:vOG0OhXA
えいっす。どりゃっす。とりゃっす。

プリニーで思い出しましたが、
放送後でいいならプリニー、サナキ、アルガスで
簡単なつなぎ一つ書いてみますよ?
あれって、どう見ても放送がいつの間にか終わって
聞いていない状態だから放送が話しの内容にからまないだろうし。

つーか、いるならなんとかしてこの状態orz
505助けて!名無しさん!:2008/07/22(火) 13:13:01 ID:i1Fxsixd
まず>>493-496をどうにかする必要があるな。
506助けて!名無しさん!:2008/07/23(水) 17:59:40 ID:uNQUR8l0
>>505
おk
じゃあそちらを優先で。
人はいるけど書き手が足りないのか。

ところでルールで気になっていた部分だが、
食糧ってルールでは二日分になってますけど、
もう二食分ってことでいいですよね?
507助けて!名無しさん!:2008/07/23(水) 18:56:48 ID:3aMLX2BF
>>506
それだと行動方針修正する必要あるからよくない気がする。
508助けて!名無しさん!:2008/07/24(木) 23:32:10 ID:5VVh0zO8
>>506
二食分にする意味が分からない。
509助けて!名無しさん!:2008/07/24(木) 23:53:05 ID:iMz4kWu2
>>508
意味が分からない、ってこちらが聞かれても…。
というかこちらがむしろ聞きたい。
てっきり最初から二食分かとばかり思ってた。
でもルール読んだら二日分。あれ?

過去作品読んでたら皆の支給品一式の食糧が何故
二日分でなくて二食分になっているんだが?
510助けて!名無しさん!:2008/07/25(金) 00:02:29 ID:D3fh/pS7
それは俺も気になった
いつの間にか二日分が二食分になってたんだよね
511助けて!名無しさん!:2008/07/25(金) 13:05:28 ID:fzxecYXI
ええ!?
具体的にどの作品?>二日分が二食分

ガフとレシィは「一食分の半分を取った」ってだけで、
「支給されたのが二食分」と描かれているわけじゃないし……。
512511:2008/07/25(金) 13:34:29 ID:fzxecYXI
とりあえず31話まで「食」で検索してきました。
結果、どの作品も「二食分」との表記はなし。
途中で誰かが勘違いしてしまったのか。
ついでに二食分にすると矛盾するのもでてきます。

031話「もつれあう現実」
>「分かりませんよ〜いらないと思っていたアイテムが超重要アイテムに変わるのは
> よくある話ですから。今ならあなたの支給されたアイテムと交換しますよ♪」
>「……………」
>「じゃあ、食料一日分!」
>「…………………………」
>「じゃ、じゃあ半日分でどうですか!?」
>「………………………………………」

このほかにも二食分だとすると、
少ない食料を気にせず平然と食事をするラムザたち、
などのおかしな点が出てきてしまいます。
513助けて!名無しさん!:2008/07/25(金) 14:07:14 ID:K2Q+2xz+
でもまあラムザ逹の食料表記もまた二食分だったりする。

どうしたものかな?
514助けて!名無しさん!:2008/07/26(土) 00:56:35 ID:lz/1030g
したらばでロワの出展作品ごとの雑感みたいなのがあったので、
暇な人がいたらこれで色々書いてみて。今後の参考になるから。
幾つか原典未把握でもロワで感じた事なら誰でも書けるだろうし。


ファイアーエムブレム 暁の女神
ファイアーエムブレム 紋章の謎
サモンナイト3
サモンナイト2
ファイナルファンタジータクティクス
魔界戦記ディスガイア
ティアリングサーガ
タクティクスオウガ
515助けて!名無しさん!:2008/07/27(日) 14:06:47 ID:JZd8bAkI
つかしたらば広告スレが放置してある(最近増えた)けど、管理してる人っているのかね?
516助けて!名無しさん!:2008/07/27(日) 16:43:16 ID:HHFW1NI8
>>515
報告ありがとうございます。
削除しておきました。
517助けて!名無しさん!:2008/07/27(日) 18:38:28 ID:ydXMc5c3
>>516
お疲れさまです。不在なのかと心配してました。

最近不参加キャラスレも過疎でなんか寂しいなあ・・・。
ネタとか作りにくいのかな?
518助けて!名無しさん!:2008/07/27(日) 23:31:20 ID:CQsmVcRJ
書こうとしてた不参加キャラが参加しちゃったから…
519助けて!名無しさん!:2008/07/27(日) 23:57:53 ID:ANaG1XbU
>>518
別にそれとは別に書けばいいじゃん。
特にネタなんだから前の人との整合性なんて気にする必要ないし。
520 ◆GQyAJurGEw :2008/07/30(水) 15:37:31 ID:2ulorzpO
投下します。
521焦らず急いで着実に ◆GQyAJurGEw :2008/07/30(水) 15:38:24 ID:2ulorzpO
『もう一つの目的はこれだ。筆談でしかできない会話をする時やメモを残すにはこういった物が必要だ』

 不思議だった。その長髪の男は苦悶の表情とは正反対の顔をしていた。
 袈裟懸けの強烈な一閃が致命傷だったと思われるが、即死だったとしてもこんな顔はできないだろう。
 自身の最期に自分なりの納得と満足を見出したのだろうか。
 ……今となっては、何も訊くことはできないが。

『まあ紙とペンさえあればどこでもよかったが、まだお互いの事を話し合えてなく
 支給品や目的を把握しきれていない状態で敵か見方かわからん奴等に立て続けに会っても行動し辛くなる』

 ここにある死体は一人分。
 察するに、ここで襲撃者に遭い、この男は「仲間」を逃して敵と対峙した。
 その「仲間」は戦力にならぬ者――戦闘技術を持たぬ一般人、あるいは戦うに十分な武具を持たぬ人間。
 死体の様子から、死後二時間程度といったところか。
 この男のものと思われるデイパックが装備やアイテムだけ抜き取られて放置されていることから、
 襲撃者は男を殺害した後、すぐさま「仲間」を追いかけていった可能性が高い。

『そこで紙とペンがありそうで身を潜めやすい場所…書斎に目をつけた』

 恐らくこの男と「仲間」はC-6の城、もしくはその周辺で邂逅したのだろう。
 そして城内にあるだろうと思われる書斎で情報交換をし、その後、城を出て南下し――

『無茶だよ。あの森には襲撃者が複数いたんだ。それに…』

 ――襲撃者に遭った。
 イスラの言うとおりだった。この周辺には危険人物が多い。
 ……どうして詳しい話を聞かずに駆け出してしまったのだろう。
 もう少し情報――襲撃者の容貌や武器、別れ際のネスティの状態や所持品――があれば、
 予測も組み立てやすかったはずだ。
522焦らず急いで着実に ◆GQyAJurGEw :2008/07/30(水) 15:39:58 ID:2ulorzpO
『上手く逃げおおせたと思うけど、まさか森には留まってるなんてことはないよ』

 そうは言っても、嘆いていても仕方がない。こうなってしまっては今ある情報から考えるしかない。

 ここではネスティが生存していることを前提とする。
 イスラとネスティはC-6の森で襲われた。それが午前のこと。
 ネスティは辛うじて襲撃者から逃れ、近くの城へ逃げ込んだ。
 その道中かあるいは城内で彼はこの男と出会い、同行することにした。
 そして書斎で情報交換。次いで城を出て南下。
 そこでまたしても襲撃者が現れる。その場を男に任せて、ネスティは逃げ行くことになる。

 では彼はどの方面に走るか。
 心情的に、これまでに行ったことのある場所は避けるだろう。
 そのまま南下したとすれば、既にここに来るまでに見つけられていたはずだ。
 考え得るは、村に続くC-4の橋へ、または湖に沿いに南西か。
 どちらにしても危険地帯たる島の北東部から離れる筋だ。

 ――妥当性は高い。

「…………あ」

 ちょっと待て、と考える。
 “ヤツら”はどんな方法で参加者を見張っているか正確にはわからないが、
 “盗聴”という手段は多いに考えられる。
 もしネスティたちがそのことを考え、“書斎”で“脱出”について“筆談”で考察を交わしたとしたら?
 もし脱出の見込みがあるとして、自分だったらどうする?

 ――その場に紙を残す。一人にでも希望があることを伝えるために。

523焦らず急いで着実に ◆GQyAJurGEw :2008/07/30(水) 15:41:22 ID:2ulorzpO
「……さて」

 もしかしたらネスティの居場所を知る手がかりもあるかもしれない。城へ行ってみる価値はあるだろう。
 効率から考えて、当てがなかったら、その後は西――C-4の橋、そしてC-3の村――へ行けばいい。
 そうと決まれば善は急げ、だが――放送までに城で調査を終えて橋を出て村へ到達するのはかなり難しい。
 これまでかなりのスピードで移動してきた。疲労も溜まっている。小腹もすいている。
 何があるかわからないのだから、体調もある程度気遣いながら行動すべきだ。
 目的のネスティを見つけたとしても、そこで襲撃者に襲われて二人ともやられてしまったのでは話にならない。
 だからこそ、焦ってはならない。

「……餞別に頂いておきますね」

 わざわざ懐にしまっていたほどのものだ。ふつうの飴菓子ではないだろう。
 城で包丁でも見つかれば周りの血糊も削り取れる。一応、持っていって損はない。
 パッフェルはそれを自分の懐に入れると、デイパックを背負い、バスケットを手にしながら北へ歩き出した。


【D-6/平原/1日目・夕方】
【パッフェル@サモンナイト2】
[状態]:健康、多少の疲労と空腹
[装備]:弦除去済みエレキギター(フェンダー製ストラトキャスター)
[道具]:エレキギター弦x6、スタングレネードx5、血塗れのカレーキャンディ×1、支給品一式×2、支給品入れはバスケット&デイパック
[思考]1:城の書斎を調べて休息を取り、C-3村へとネスティを探す
    2:アティ・マグナを探す
    3:イスラ以外の知り合いを探す
    4:見知らぬ人間と遭遇時、基本的には馴れ合うことは無い
[備考]:ナバールの残った支給品を回収しました。
524 ◆GQyAJurGEw :2008/07/30(水) 15:43:36 ID:2ulorzpO
投下完了。
たまに無性に書きたくなることがありますよね。
指摘あればよろしくお願いします。
525助けて!名無しさん!:2008/07/30(水) 22:17:47 ID:NEfKnbow
投下お疲れ様です。ああ、本当に久しぶりです。

ただし、少し難を言うなら始まり方が少し唐突すぎたので
読んでいて状況がぱっと掴みにくかったかなと。
あと、パッフェルの心理描写がもう少し欲しいというか。

まあデニム達はとっくにその場を離れているのでしょうが、
パッフェルがナバール除いて一人分の大量の血溜まり(カチュアの分)
とか通りがかっているならベルフラウの血痕とかに気づいても
よさそうかなとは思いました。

あと、馬鹿山羊さんが盛大に放火した直後ですから
北一帯の景色が炎で赤く染まっているので、
その辺りの危険性も踏まえて行動するのではないかと。

一般人ならそれでも普通でしょうが、元暗殺者ですから洞察力とか
観察力はずば抜けているはずなのでその辺がちょっと気になりました。
526 ◆GQyAJurGEw :2008/07/30(水) 22:51:23 ID:2ulorzpO
カチュアの血痕については失念していました……。
こちらは後ほど修正しておきます。

そして城北西の森の火事について。
個人的には「遠すぎて見えなかった」ということで書いていました。
パッフェルがこの距離から気づいてしまうと、
No.072以前で村連中やらルヴァイド組やらが反応しないことに違和が出てしまうからです。

が、今書いていて思いましたが、
「主催者パワーで火事をすぐに収めた」ということにしたほうが
それ以前の辻褄合わせ的にも、今後の展開的にも楽かもしれませんね……。
527助けて!名無しさん!:2008/07/31(木) 20:55:17 ID:BnvSy6zr
主催パワー、かぁ。あんまり安易に出すと安っぽく感じてしまうから
単純に「遠いから見えなかった」でもいいような気がしてきた。
あんまり露骨すぎる干渉をするとあれだし。

まだ夕方だからいいものの、夜になればさぞ赤々と目立つことでしょうね。
山火事ですから。あと、他の書き手さんってやっぱり忙しいのかな?
Wikiの新項目作ったりMAD作るのに忙しい、とかだったら良いのに…。
528助けて!名無しさん!:2008/08/02(土) 11:01:16 ID:uLih6zzd
各作品の登場キャラへの雑感
【ファイアーエムブレム 暁の女神】
自分の恋愛フラグは折る癖に他人の死亡フラグは
遠慮なく立ててくる「いらんことしい」の傭兵アイク、
存在自体がある種のネタキャラだが、いろんな意味で「しっこく」な騎士、
煮ても焼いても喰えそうにないしたたかカラスなど個性的なメンツが多いはずだが、
今一つ全体的な印象が薄い。
サナキ以外、全体的な遭遇人数が少なく今一つ目立つ
機会がないというのも原因としてあるのだが。
個人的にはカラスとパッフェルの「喰わせ者コンビ」が結成されないかと
密かに期待していたりもする。

【ファイアーエムブレム 紋章の謎 】
最初の全滅作品となりかねない勢いで人が死んでいるのがこの紋章の謎。
生き残りは無差別マーダーことハーディンと、放送後に精神的大打撃で不安定化が懸念される傭兵オグマと、
先行きは実に暗い。その中で唯一の清涼剤となっているのはマムクートプリンセスことチキ王女。
ただし、彼女も変態奇行師の手の中にあり、様々な意味での危機が予測される。
チキ、おまいさんは頼る相手を間違えている…。

【サモンナイト3 】
物語のキーを握る二人の抜剣者、アティとイスラが今後の展開のカギを握るだろうと思われる。
愛弟子が死に、孤立無援の中マーダーに囲まれ、いつ死んでもおかしくない状態のアティと、
最愛の姉と再会し、順調に仲間を増やし、かなり核心を付いた考察を行うイスラは実に対称的。
ただし、イスラも仲間であるオグマが今後不安材料となりかねないため、油断は禁物である。
二人ともディエルゴとは因縁があるため、
どちらが残ってもロワに大きな影響を及ぼすのは間違いない。

【サモンナイト2 】
幸薄い面子がそろっている。
支給品がダメダメな上ステルスマーダーと同行しているマグナとレシィの主従コンビ。
狂気に浸食された美少女に追いかけまわされるメガネに、
追跡対象を見失った薄幸の元ヒットマン。
どの面子にもそこはかとなく死臭が漂いつつあるが、意外と粘ってくれる。
まともな対主催はルヴァイドくらいなものだが、彼とて元はタルタロス級の虐殺者。
忌まわしい過去が露見した場合、果たして付き従うものがいるのかどうか。
529助けて!名無しさん!:2008/08/02(土) 11:02:55 ID:uLih6zzd
【ファイナルファンタジータクティクス 】
やはりというか目下暗躍中のトップマーダー・アルマに目が離せない。
彼女の狂気に満ちた邪悪極まりない行動の数々はロワに鮮血の華を咲かせる。
これで聖石ヴァルゴまで発動すればどうなる事やら。
でも、女ばかり殺してロワを男くさくしてくれるのだけは簡便な。

だが、暗躍しているのは彼女だけでなく
彼女の崇拝対象である対主催の筆頭ことラムザと
書き手による執筆回数トップのいじられ馬鹿2号ことアルガス、
生き意地の汚さなら誰にも負けぬ傭兵ガフガリオン、
絶望の聖騎士ウィーグラフと物語的にも美味しいキャラは多い。
これからのそれぞれの暗躍に期待したい。

…暗躍?

【魔界戦記ディスガイア 】
「私の戦闘力は530000です。」
この圧倒的な台詞がもっともよく一番似合うのがディスガイア。
だが、今回は首輪による制限でもっとも割を食ってしまっている。
それでも戦闘力だけなら全作品でトップとなるのは間違いなし。
本当にこいつらとガチでやり合って倒せる奴らっているのか?

だが、肝心のラハール殿下はアホ毛持ちの見習いペンギンにあやされ、
見習い堕天使は聖騎士と見事なユリの花を咲かせている。
エトナも飽きっぽい性分なのかやる気があるのかないのかわからない。
ゴードンに至っては空気四天王の一角を占め、
面子の今後の動向にやや不安がある。

この中で一際目立つのは、中世ファンタジーなアナクロ連中の多い中、
マッドサイエンスにかけては誰にも負けないダーク・ヒーローのカーチスか?
戦闘力は勿論の事、考察、首輪解析など今後多彩な活躍が期待できる。

【ティアリングサーガ 】
しょっぱなから不幸オーラを漂わせる王子リュナンと、
洞察力においては非凡な才を見せつける古き良きアニキな名探偵ホームズ。
第一回放送前に三人もの人物が倒れ、先行きに不安を感じるものの
それぞれが物語の担い手としてのカリスマを持つに十分な力を秘めている。
今はまだ守られてばかりのカトリも、今後の一般人にしかなしえない活躍に期待したい。

…リチャードの散り様は実に熱かった。合唱。

【タクティクスオウガ】
参加者がほぼ全てマーダーというロワとしては美味しいが
碌でもない人格破綻者揃いなのがこちら。
各々が順調に殺害数を稼いでくれている。
だが、作品最強クラスであるはずの二人のランスロットが
足の骨折やユンヌという枷を嵌められているため今一つパッとしない。
彼らのリミッターを外せる日は来るのか?
530助けて!名無しさん!:2008/08/02(土) 11:04:14 ID:uLih6zzd
少し長くなりすぎましたが、各作品への雑感を投下しておきました。
なんらかの参考になれば幸いです。
531助けて!名無しさん!:2008/08/03(日) 01:24:32 ID:uTQ3qjZb
暁→しっこくのインパクトが強すぎる
紋章→いろんな意味で悲惨
SN3→ソノラって誰だっけ?
SN2→マグナしっかりしろ
FFT→アルマとアルガスがそれぞれ正反対のベクトルで頑張っている
ディスガイア→わりとそれぞれ運がいい
TS→レンツェンハイマー……
TO→マーダー天国
532助けて!名無しさん!:2008/08/03(日) 02:41:25 ID:2H2rHFy/
>>530
乙。
フリーザ軍団の誰かの命を虎視眈々と狙ってる自分がいます。
未プレイだから死に際と戦闘力がどんなもんか測りかねて実行できないが…。

俺の印象に残ってるのは
暁→しっこく、次点アイク
紋章→小熊、次点マルス
SN3→ヤンデレ弟、次点アティ
SN2→アルバイター、次点レシィ
FFT→アル魔、次点アホガス
ディスガイア→魔王様、次点エトナ
TS→ワカメ、次点天災軍師
TO→ヘタレ、次点ルカヴィ
533助けて!名無しさん!:2008/08/03(日) 13:18:48 ID:2Y/AdqUY
>>530
乙ですw
そろそろ書き手復帰したい今日この頃。
・・・ヤッテナイッスヨ、P4ト、ケントマホウトガクエンモノナンテヤッテナイッスヨ。

自分が印象に残っているのは
暁→肉なアイクとしっこく
紋章→ナバール頑張ったのに報われねぇ…
SN2→ルヴァイド以外まともな活躍がない気が…
SN3→アティ先生は貞操を守りきれるのでしょうか。
FFT→やっぱ、アル魔w
ディスガイア→ちょw百合は止めようぜw
TS→原作コナン・ドイル?
TO→ヴァイス頑張れ、超頑張れ
534助けて!名無しさん!:2008/08/04(月) 23:10:23 ID:rkmQHFDf
そういえば寸評書いて初めて気が付きましたけど、
このロワって珍しく感想スレがしたらばにないですね。

感想とか批評って見るのが正直怖いなぁw
でも、そういうのがないとどこをどう直したらいいのかも
さっぱりわからんし。
535助けて!名無しさん!:2008/08/04(月) 23:48:17 ID:fMxlh6mM
投下専用スレがないから本編に関係のあることはほとんどここを通される分、
ここを見てれば最低限必要な全ての情報が手に入るという利点も…。
536 ◆6xmg9r73RU :2008/08/08(金) 21:24:58 ID:WCNGD7Q3
そろそろ放送まで行っちゃわないとまずいですね…
取り敢えずですが、ラハール・ラムザ組で書いてみようかと思います。
かなり時間は掛かると思いますので投下される方がいたら、
そちらを優先していただいて結構ですので、よろしくお願いします。
537 ◆j893VYBPfU :2008/08/08(金) 22:06:01 ID:MpsNjjWg
>>536
>>536
すいません。もしあと期限一週間だけ待っていただけるなら
ラハール,ラムザ,マグナ,タルタロスの四人で予約入れていいですか?
今書きかけで出来るかどうか怪しいのですが、そこだけ待ってください。

538助けて!名無しさん!:2008/08/08(金) 23:02:03 ID:VFzoBt7Q
ここって時々本当に過疎になるよな。
539 ◆6xmg9r73RU :2008/08/09(土) 17:53:23 ID:hu3otGEl
>>537
了解しました。
こちらのことはお気になさらずw
540 ◆6xmg9r73RU :2008/08/12(火) 20:06:49 ID:O0KrM4Mo
残り組から、ニバス(&ソノラ)を予約します。
今のペースだと1週間くらい掛かりそうですが…
541助けて!名無しさん!:2008/08/14(木) 01:21:56 ID:LzSzkvP+
>>537
>>540
お二人とも楽しみに待っています。

あと名台詞など追加してくださった方ありがとう。
本当にサモンは会話集が少ないな…。
542 ◆6xmg9r73RU :2008/08/14(木) 10:07:46 ID:buRRFrwS
取り敢えず、したらばに仮投下してきました。
途中描写が無いので、読むのが面倒くさいかもしれませんが
よろしくお願いします。

時間は放送後まで直行します。
今回も状態表を省いちゃってて、スイマセン。
543助けて!名無しさん!:2008/08/15(金) 22:58:34 ID:0e8lydqS
遅れて申し訳ないが…仮投下GJ
ソノラにげて〜としか言いようがないw

知り合いが全くいないソノラと味方が全くいないニバスのコンビとは…
どう転んでもソノラは不幸を見そうだw

ソノラは荷物がないことに気付いて…ないのかな?
全体的に問題ないと思います。
544助けて!名無しさん!:2008/08/17(日) 20:39:17 ID:2mTrFxRY
PC
545542:2008/08/17(日) 20:47:55 ID:2mTrFxRY
PCが壊れてしまいましたorz
本投下は暫くできないとおもいます。
正直、仮投下してたからまだいいけど中身全部消えたのはキツすぎるorz
しかも、久しぶりに携帯で書きこんだので
ミスってしまった、すみません…
546 ◆GQyAJurGEw :2008/08/18(月) 09:05:38 ID:vIOLIPl7
やっと規制解除……。
遅ればせながら、修正スレに投下しておきました。
問題なければそのままWikiに掲載します。

>>545
昔、私も同じようなことがあってから下のサイトの執筆ツールを使っています。
ttp://syosetu.com/
書いたものはサーバーに保存されるので、他のパソコンからでも執筆できますよ。
ほかの方法では、外付けHDDに毎回バックアップ取るくらいかな。

でも、一度は誰もが通る道ですね……w
めげずに頑張ってください。期待しています。
547助けて!名無しさん!:2008/08/23(土) 13:22:14 ID:f7Myy7lz
保守っす。
548助けて!名無しさん!:2008/08/24(日) 00:40:54 ID:jBrWWjCa
ほとんどのキャラは放送直前まで行っているし、
そろそろ放送の投下してもいいんじゃない?
549助けて!名無しさん!:2008/08/24(日) 11:09:45 ID:Q/uhKFYW
したらばの死者スレのネタになってるビジュ他ロワ参加決定ってマジ?
もし本当だったらどこか知りたいんだが…。
550助けて!名無しさん!:2008/08/24(日) 18:24:55 ID:jBrWWjCa
>>549
「パロロワテスト用したらば」でググれば幸せになれる。
まあ、まだ開始には至ってないのですけどね。
551助けて!名無しさん!:2008/08/24(日) 18:59:02 ID:It2Cfy21
>>548
j893VYBPfU氏の投下を待って、その後で改めて意見を求めてみますか?
どっか足りないパートがあれば繋ぎ程度の短さであまり質を望まなければ
書くことぐらいならできるので…
552助けて!名無しさん!:2008/08/25(月) 22:00:52 ID:uFlM0gsv
>>550
サンクス。なんか名簿見て漲ってきた。そして同時に誰にも死んでほしくないときたもんだ…orz
553 ◆j893VYBPfU :2008/08/26(火) 14:54:23 ID:ZoK6IRAW
アクセス規制の上に矛盾発生や把握不足でやばいっす。
まだかかるけどよろしいですか?

あと、サモンナイト3番外編で確認。内容に大きく関わるので。
マグナは原罪のディエルゴを大人ベルフラウとともに倒しており、不滅の炎の抜剣は目撃している。

ただし、果てしなき蒼の存在やアティやソノラ、アズリアとは大人ベルフラウから話しに二三聞いただけで、直接合ったことは一切ない。
当然、イスラとビジュは故人という認識でよろしいですね?
554助けて!名無しさん!:2008/08/26(火) 15:16:10 ID:PFE+c8Fc
アティとソノラとは会ってるんじゃない?
3番外編のEDのときに海賊一家と共に外に治療に行った護人と先生と
パッフェルさんが再会するくだりがあったような。
あの状況でマグナが顔を出さないってのも不自然だろうし。
555助けて!名無しさん!:2008/08/26(火) 20:40:58 ID:ZoK6IRAW
つまりアティとソノラには直接出会ったシーンはないということですか。
パッフェルが古い恩人相手で水入らずで話ししたいと思って自発的に席を外した可能性もあるでいいかな?
あと、アティ先生「だけ」は護人と同じで魔剣から供給される共界線効果で年を取らないでいいのですね?
556助けて!名無しさん!:2008/08/26(火) 22:32:11 ID:J1mi9zj7
サモンナイト3番外編は基本的にサモン2のパートナーED、サモン3の生徒EDということで話が進んでいる。
番外編開始時の選択によってどちらのパートナーEDの話か決まるが、大抵アメルEDであり、
参加している2主がマグナの為、アメルEDである可能性が高い。

マグナ達は派閥の任務で島へ向かい、その際生徒(今回の場合ベルフラウ)と出会い、
任務に協力してもらうことになる。任務の内容は島の遺跡の調査であり、島の遺跡を探索中に
死人の影に出くわす。それをなんとか切り抜けた後、生徒から嘗ての島の事件を教えてもらう。
事件の内容を知った直後に島の各地で死人の影が出るようになり、マグナ達は核識の座のあった場所へ
向かう事になる。
向かった先で待ち構えていたのが核識のシステムに取り憑いた源罪、「源罪のディエルゴ」だった。
ディエルゴは完全復活のために共界線から魔力を吸って力を蓄えていた。それを倒そうとするマグナ達だったが、
倒す先から吸った魔力で復元していく。それをネスティのアクセスで共界線を遮断、アメルの力で浄化して封じ、
生徒と共にディエルゴを打ち倒す。
その後、マグナ達は島から発ち、パッフェルがマグナに自分の過去を明かす。それでも自分の見る目を変えない
マグナに対し、パッフェルは深い感謝の気持ちを抱擁で伝える。その直後、自分達の船に接近する船に出くわし
甲板に出てみると、懐かしい顔ぶれが…。
マグナ達が船があるであろう方向に手を振る一枚絵が出て、
「ありがとう。…色々ありましたけど、私は今…幸せですよ。」
というパッフェルの台詞が流れて番外編ED

まあ要するに、マグナは3本編の事件の事を大体は把握してて、不滅の炎の抜剣も目撃している。
アティやソノラにも恐らく会っているし、パッフェルさんのヘイゼル時代の話も知っている。
しかし果てしなき蒼の抜剣は見たことはないし、生徒ED前提の話なのでイスラとビジュは故人。
こんなところか?
557助けて!名無しさん!:2008/08/27(水) 21:55:03 ID:Av+Kawps
そろそろ主催者のページも作ったほうがいいと思うんだが、これって管理人しか作れないの?
558助けて!名無しさん!:2008/08/28(木) 00:14:26 ID:qIAsLkOw
ページの作成、編集、画像の添付もできるし、
基本的にページの削除・ページの名前変更以外は、誰でもできるよ
559助けて!名無しさん!:2008/08/28(木) 22:32:33 ID:pWryXp13
>>558
そうなのか?それじゃあちょっくら試してみようかな。
560助けて!名無しさん!:2008/08/28(木) 23:03:04 ID:pWryXp13
試しに作ってみたけど、あんなもんでいいかな?まだキャラの紹介文は書かれてない状態ですが…。
あと、一応レイムとディエルゴのキャラ項目を別々にしてみた。
561助けて!名無しさん!:2008/08/29(金) 00:39:40 ID:Rdg4/SfO
>>560
いいんじゃないかな?
ミスだと思うので、とりあえず作品名までリンクになっているのを修正しておきました。
562助けて!名無しさん!:2008/08/29(金) 23:57:26 ID:NMWtbFqk
>>561
ミス修正サンクス。サモン勢の紹介だけ簡単に書いておいた。

それにしても、設定が細かすぎてどこまで書けば良いのかイマイチわからなくて困るな。
563助けて!名無しさん!:2008/08/30(土) 13:02:12 ID:a8XbpVhz
ヴォルミーの紹介を追加しておきました。
ネタバレ部分はまた後程。
564助けて!名無しさん!:2008/09/01(月) 10:32:24 ID:+3+An13U
なんだかんだで一年くらい経つのに、まだ第一回放送まで辿り着いてないんだよなぁ…。
やっぱり書き手が少ないのが原因なのかな?
565助けて!名無しさん!:2008/09/01(月) 14:41:53 ID:0xXYpJ9c
放送自体はもうしても大丈夫なんだけれどね。
書いている人はいる?
いなければ、簡潔だけど書こうと思うけど……。
566助けて!名無しさん!:2008/09/01(月) 18:44:15 ID:TSnYuPOC
>564
正直なとこ初期からいて今も投下してくれてる管理人氏・GQ氏に
637氏とj893氏がいなかったらと思うとゾッとする。
把握が面倒なんだろうけど他の書き手さんも戻ってor新規参入してくれれば…。

そういえば本スレ内でもここのところ637氏を見かけないがまだいらっしゃるのだろうか。
567助けて!名無しさん!:2008/09/05(金) 11:06:13 ID:9YuPifz5
>>565
書いていいと思うよ。多分これから第一放送内の話書く人がいても、殺す確率は低そうだし、
死んでもその分名前挙げる時に増やせばいいだけ。
とにかく、今このスレに必要なのは燃料だから、投下してくれるだけでありがたいよ。
568助けて!名無しさん!:2008/09/05(金) 22:25:37 ID:7wrp2KX2
1レス程度の分量に納められて良かった……。
したらばに試験投下しました。
禁止エリアはとりあえず無難なところを。何か意見があればお願いします。
問題なければこちらに本投下しようかと。
569助けて!名無しさん!:2008/09/05(金) 23:44:23 ID:AW64vQID
悪くはないけど、少々事務的すぎる。もう少し冒険してみたほうがいいかも。
放送内容って生存者全員が必ず聞く内容だからその辺を逆手に使うのも面白い。
今後他の書き手さんが利用できそうな伏線を仕込んでくれると特に有難い。
鼻息荒そうな対主催への遠回しな意趣返し的内容を仕込むとか、
あとはマーダーに主催側(ジョーカー)への勧誘を仄めかすとか、
疑心暗鬼や参加者がすすんで殺しあいたくなる扇動をまあ入れてほしいかな?
やりすぎると長くなるけどね。
570助けて!名無しさん!:2008/09/06(土) 12:26:10 ID:/8g6w2Zl
>>566
いるにはいますが書くほどの余裕がないです。

放送案といえば、自分以外にもう1人の方が投下してくれたのがあったけど…
あれでいけるんではないでしょうか。
もちろん他の案がバシバシ出てくるのはスレとして大歓迎ですが!
571 ◆j893VYBPfU :2008/09/08(月) 20:23:53 ID:OHc+kytM
うはあ。皆様大変お待たせして申し訳ありませぬ。
ようやく前半終わりましたー。
と言いたいところですが、もう1ヶ月も待たせてるしキリがいいから後半はなしでこのあたりで止めます。
初期プロットでは放送直前に死亡者一名、重傷者一名+一羽がでて大惨事になるはずでしたが、
展開上の事情で総没となりました。
その後、展開は二転三転して書きたい部分はホントはこれからだったのですが、体力が続きませぬので。

とりあえずしたらばに仮投下いたします。
矛盾点や内容的にくどくなっている所とかあったら教えてください。
572助けて!名無しさん!:2008/09/08(月) 22:28:43 ID:OHc+kytM
あはははは、はぁ…。
また誤字脱字多いし一人称と三人称区別間違えてるよ自分。

さて修正するか。
しかし、我ながらなんか読みづらいな。どうにかならんものかね。

マグナとタルタロス(の少年時代)は彼女が天使だったり目の前で一度離別したり結構考えなしで生きてたりと、
意外と共通点や対比できる点があるので今回は無理でしたがいつかまた書きたいです。

あ、あと放送のもう一人ってもしかして自分のことですか?
流石に長くなったので自重して没スレに落としたたけど、ホントにあれでいいのですかあ?
573助けて!名無しさん!:2008/09/08(月) 22:39:43 ID:BqxdtJOq
>>571
乙。ついにディエルゴの話が来たか。番外編の出来事知ってるのマグナとパッフェルさん
だけだったからどうなるのかと思ったけど…。
それにしても、マグナ気付かずに危ない橋渡りすぎだwww
574助けて!名無しさん!:2008/09/08(月) 22:56:33 ID:BqxdtJOq
ついでなので、マグナの行動方針にあった着火装置と時計でできそうな物をリストアップしてみる。

超小型着火装置
機:フレイムナイト 鬼:グレンイズチ(防具)、火林刀(武器) 霊:ポワソ 獣:アニメ設定画 無:メリケンサック

異世界の時計
機:アーマーチャンプ 無:巨像の拳、メタルロッド

白金の懐中時計
獣:クロックラビィ

時の懐中時計
鬼:アニメ素材 霊:聖母プラーマ 獣:クロックラビィ 無:サモンマテリアル

目覚まし時計
機:錆びた剣 無:サモンマテリアル

まあ支給品でもない道具から作成するんだろうし、必ずしもこれのどれかができるとは限らないだろうけど。
575助けて!名無しさん!:2008/09/09(火) 15:24:36 ID:+JKcW3RB
つまらん質問だけど。
カラスって当然夜目利かないよね。
576助けて!名無しさん!:2008/09/09(火) 21:51:54 ID:/LkuXZl8
>>575
>トビやタカ等の猛禽類は人間の7〜8倍視力が良いとされているが、カラスもそこまでいかなくとも匹敵するくらいの視力はある。
>さらに紫外線に対する視覚細胞センサーも持つので、カラー範囲は人をはるかに凌駕する。
>人間の目には黒色羽であるが、顕微レベルでは鮮やかなレインボー反射しており、カラスの目には個体ごとの色識別も可能ではないかと予測している。
577助けて!名無しさん!:2008/09/10(水) 08:47:33 ID:zBBuwuv7
カラス、夜目が利くみたいですね。しかも普通の人間よりはるかに。
鷹や鷺みたいにネサラが鳥目で大変になることはないわけか。
というか、元々鳥目のリュシオンをエスコートしていたか。
578助けて!名無しさん!:2008/09/10(水) 09:09:42 ID:VGAGwX27
だが何故かニアルチは鳥目扱い……。
579助けて!名無しさん!:2008/09/10(水) 09:35:18 ID:zBBuwuv7
うむ。ニアルチは老眼か、鷹か鷺の血が混ざっているということにしておこう。
ネサラが鳥目だったら蒼炎が矛盾する。
まあ鷺といってもあっちの世界の鷺は果実しか食べないからカラスも別生物かもしれないが。
沼地で顔突っ込んで口回り泥塗れでドジョウ捕まえるリアーネなんて想像も付かねえ。
580 ◆j893VYBPfU :2008/09/11(木) 01:34:37 ID:ruXGLSFg
したらばの修正スレに投下完了。
タイトル元ネタはタクティクスオウガのBGMタイトルから。
ちなみに初期プロット時のタイトルはCatastrophe
でした。元ネタから内容は、まあ察してくださいw
内容自体は変わってませんが、表現不足な点は少々加筆しました。
アクセス規制で携帯からしか書き込めないので誰か代理投下してください。
581Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 09:37:17 ID:bCG+Q2Cd
鬱蒼とした草道を、私はマグナとともに駆け抜ける。
先程の茶髪の青年は、どうみても正常な判断力を失っているようであった。
服には僅かだが血糊が付着してあり、茫然自失とした状態から抜けきっていない。

こういった状態の者は、これまでに何度か見たことがある。
これまでの経験から照らし合わせて見れば、おそらくはこうだろう。
不慮の事故で他人に相当の深手を負わせたか、
あるいは殺害してしまった良心の呵責に苛まれて、心神喪失の状態にあるか。
その男の傍に、負傷した存在が傍にいないことからも考えて。

――良心の呵責?

ローディス教国の暗部の中枢を担う暗黒騎士団の団長にとっては、
それはまさに失笑すべき理由でしかない。
たかが一度や二度の殺人程度で砕ける精神の、なんたる脆弱な事か!

それが仮に無辜の人物であろうが、死して当然の人物であろうが、
己自身が決断した上の行為なら後に悔いる事などあまりにもおこがましい。
その罪も、露見するリスクも背負う事も出来ずして、何たる覚悟のなさだ。

だが、それにより生まれた心の空洞は、こちらにとって大いに利用できそうだ。

人は罪悪感を感じることのできる生き物だ。
そしてその苦しみから逃れようと躍起になり、
己が罪を正当化しようと理由を求めたがる、
救いきれないほどに業の深い生き物だ。
罪とリスクを背負う強さなど、彼を含め大部分の人間にはないのだ。

ならば、彼にとって幸せとなれる道をこちらが与えてやればいい。
その代償が「支配される」ということだが、
それで当人の気が狂わず、満ち足りる事ができれば素晴らしい事ではないか?


582Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 09:39:14 ID:bCG+Q2Cd
捕まえさえすれば、あとはどうとでもなる。

彼の心の傷を探し出し、抉り捻り潰す。

散々に苛んで既存の価値観を完全に破壊する。

そうして心が空洞となった所に、贖罪という名の希望の道を示せばよい。

新しくこちら側に喜んで奉仕したくなる、

目的の為ならいかなる犠牲も厭わない価値観を代わりに与えてやればよいのだ。

そうすれば、付き従ううだつの上がらない青年よりはよほどまともな手駒が出来上がる。

「狂信者」という名の、素晴らしい尖兵が。

私が抱いた茶髪の青年への印象は、概してそのようなものであった。
だからこそ、捕らえてみて利用価値がなさそうであれば、
その場で始末してしまっても構わない。
足手纏いは、一人でさえいらないものなのだから。

その場合、「殺さざるを得なくなった」理由は状況に応じて随意に作り出せばよい。

もし彼が既に脛に傷ある身(つまりは誰かを殺害している身)なら、
なんの支障もないだろう。目の前の能天気な男など、如何様にでも説得できる。

「彼は殺人者だ。殺さなければ、こちらの身が危険であった。
 君の為に彼を排除せざるを得なかったが、手加減ができなかった。」

そういう状況を演出すれば、後ろにつき従う青年も納得せざるをえないであろう。
先ほどの青年が正気を失っているのであれば、それも容易いことであろう。

ただし、これはあくまでも最後の手段だ。
できれば彼は優秀な手駒であってほしい。

この私にとっても。
目の前の青年にとっても。
そして茶髪の青年自身にとっても。
583Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 09:41:39 ID:bCG+Q2Cd
そうであるほうが、こちらも手を汚す事とそれに伴うリスクを背負わず、万事上手くまとまる。
私は皮肉げに口元を歪めると、全力でその足跡を追った。

          ◇          ◇          

茶髪の青年の疾走は、想像を遥かに超えるものであった。
まるで体力の限界など存在せぬかのように、
重装とは思えぬ程の狂った速度をその足は生みだしていた。
こちらが全力疾走して追いすがるのがようやくという程に。

あれは俊足などと言うレベルではない。明らかに常軌を逸している。
薬でも過剰に投与しているか、あるいはなんらかの魔法による
精神的影響を受け、体力の限界や疲労など忘れてしまっているか。
そうとしか考えられない。

だが、それならば効果が切れた時は一度にその反動が襲い来るだろう。
用心に越した事はないが、それなら視界に捉える程度であればよい。
幸い、相手はこちらが追跡していることにさえ気が付いていない。

私は追いかける内にこちらの息が少々荒くなるのを感じていたが、
あともうしばらくの辛抱であると自分に言い聞かせていた。

―――しかし。

「ま、待って、く…!アルフォ……ス!!そん……に、急がっ………、くれ…ッ!!」

息も切れ切れに、ただし前方の逃亡者からも聞こえるような声量で、
彼に同行していた青年はこちらの存在を知らせるべく大声を発した。

―――そう、こちらの存在を前方に知らせるべく。

無論、その大声は前方を走る茶髪の青年にまで届いてしまう。
標的はビクリと背筋を立たせると驚いたようにこちらを一度だけ振り返り、
足よ折れよと言わんばかりにさらに疾走する速度を上げ、
瞬く間に私の視界から消えてしまった。

これでは、追跡しようもない。

私は軽い失望のため息を付き、軽蔑の視線で背後を振り返る。


584Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 09:43:16 ID:bCG+Q2Cd
――またしても、この男か。

その両膝に手をつきながらひたすらに荒い息を吐き、
このどうしようもなく迂闊な青年は私の目の前で停止した。

――どこまでも勘に触る。その首を叩き落とされたいか?

無防備にそのうなじを見せつけるマグナに殺意が湧き上がる。
やはりというか、当然のようにその肩に止まる小鳥は、
忌々しくもこちらの顔色を伺っていた。

――すまないが、私の忍耐もそろそろ限度に達しつつある。
これからの悲劇を避けたいなら、小鳥よ。貴公も少し協力してはくれまいか?

私は心の中でそうひとりごちると、
目の前の青年に冷たく言い放った。

「…君は今の大声であの青年が逃げ出してしまったことに気づいているのか?」

「うっ…」

どうやら何一つ考えていなかったらしい。

――やはり、そんなところか。

元よりマグナに期待などしていなかった分、戦力外である事は止む無しと諦めていた。
ただし、こちらの足を引っ張られる事には我慢がならなかった。
マグナ本人については、既に利用価値などほとんどないと認識している。
問題は首輪解析の鍵を握るネスティという青年と親友である事だが、
この青年を人知れず殺害してから何食わぬ顔で身柄を確保しても構わないのだ。

無論、この青年がいなければネスティの懐柔が困難になることは確かだが、
厄介者を背負い続けるリスクがそれを上回るなら話しは別物となる。

あまりにも無能であれば、殺してしまってからその罪を別人、
―――たとえば、今追っている茶髪の青年辺りにでもなすりつけてしまってもいい。
こちらは守ろうとしたが、力が至らなかったとでも言いくるめばそれで充分だ。
死体は重石でも付けて海岸や沼などに沈めてしまえば、死因をとやかく調べられることもない。


585Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 09:46:18 ID:bCG+Q2Cd
私の思考は、今や「いつマグナを切り離すか」ということに傾きつつあった。

「君の方がこの私より若いというのに、不甲斐ない有様だな。
 君は思慮に欠けるだけでなく、体力にも欠けるのいうのか?
 それでよく剣が使えるなどとと言えたものだ。」

殺意は抑えていたはずだが、知らぬうちに言い方に険がこもる。

「うっ……。そ、それは単にアルフォンスが人間離れしているだけだってば。
 その装備であれだけ走ってほとんど息が上がってないって、一体どんな体力してるんだよ?」

ようやく呼吸が回復したのか、マグナがつまらぬ言い訳を始める。
このままでは先が思いやられる。
ゆえに、私はマグナという男の資質を一つ試してみることにした。

「一つ聞こう。…先程の青年を見失ったわけだが、
 君がもし彼の立場であったら次にどう動くと考える?」

無論、大した答えは期待していない。
ただし、それがあまりにも的を得ない回答であった場合は、
今この場で(文字通り)斬り捨ててしまってもいいだろう。

「あ。それなら、あの城辺りに逃げようとするな?」
「…ほう。では、それは何故そう考えるのだ?」

マグナは顎に手を当てながら、考える仕草を取る。

「それだけどな。さっきの変な二人組やアルフォンスみたいな
 おっかないのに大勢で追い掛け回されたら、俺だってまず隠れようとするよ。
 でも、数が多かったら万が一見つかった時の事も考えるだろ?
 なら、何か身を守るものをあの城で見つけてからの方がいいって思うな。
 あいつだって、鎧は着ていたけど丸腰みたいだったし。」
「ふむ。…悪くはない回答だ。」


――そう。悪くはない回答だ。

一応、ある程度の洞察力と判断力はあるらしい。
こちらの顔立ちを揶揄するのは余計な御世話だが、まあ堪えよう。

先程の青年には、今となってはさほど執着はしていない。
あくまでも「駒」となる可能性のある者を一時見失っただけのことだから。


586Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 09:50:18 ID:bCG+Q2Cd
城であの青年を確保できるなら儲けもの、
誰もいなかった所でなんらかの収穫はあるかもしれない。

万が一マグナに利用価値を見いだせなくなった場合でも、
あの城は人知れず安全に斬り捨てることができる場所だ。
城ならば飾り物の甲冑位は置いてあるだろう。
死体は鎧でも着せて外堀にでも投げ捨ててしまえば、
永久に浮かびあがることはない。

――どう転んでも、そう悪くはない回答だ。

「では、そちら向かうとするか。いくぞ、マグナ。」

そう言って身を翻し、古城前まで向かおうとしたところで。


――――マグナは右腕を大きく振り上げ、後ろに向かって再び大声を上げていた!!


「おおーい!こっちだ、こっち!お前たちもこっち来いよーー!」

こちらがマグナの口を塞ぐ暇さえもない。
口を塞ごうと近づいた頃にはすでに後ろを駆ける二人は我々の存在に気づき、
足早にこちらへと向かっていた。

「…どういうつもりだ?貴公にはあの二人は避けるよう言っておいたはずだが?」

再び煮え滾りだす、どす黒い悪意の塊を無理やりに抑え込む。
マグナの肩にいる小鳥は、今度こそ警戒心を露わにしていた。
ただし、知らぬは本人ばかりなり、といった調子であったが。

これが部下であれば、命令違反でただちに斬り捨てていたことだろう。
もっとも、ここまでこちらの空気が読めぬ男は我が騎士団には存在しないが。

――たとえ、あのバルバスであろうとも。
587Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 09:53:52 ID:bCG+Q2Cd
「…ああ。そのことだけどな、アルフォンス?
 やっぱり、あいつらには声掛けといたほうがいいと思うんだ。
 ほら、さっきのプリニーみたいな着ぐるみ着てたのいただろ?
 あいつ、着ぐるみ脱いだ時に妙な癖毛があったから気づいたけど…。
 確か、ヴォルマルフとやりあってたラムザってやつだぜ?」

「…それだけの理由で、君は彼らに声を掛けたというのか?」

ラムザという男が進行役と因縁がありそうだから安心。
その程度の安易な理由で、私の判断を一切仰がずに独断で声を掛けたということか?
私はその声がこの上なく冷え切ったものになっている事を自覚していた。

「そうそう。だから警戒する必要はないと思うな。
 さっきの奴を追いかけるなら、あいつらから事情を聞くなり、
 協力してもらうなりしてからのほうがいいと思うんだが。」

……もはや何も言うことはない。
私の不興を買っていることにさえ気づかぬとはな。
掛ける言葉を失うというのは、この事か。

この男には洞察力はあっても、
周囲の空気を読む能力が決定的に不足している。
あるいは、私自身が相当に舐められているということか。
これでは、たとえ能力があろうと一切関係がない。

――やはり、機会あらば始末してしまおう。

ネスティとの接触に対しては多少の困難が生じてしまうが、
私にとってはこの男といるほうがリスクが高すぎる。
この男と共にいることで余計な窮地に立たされるようでは、
利用価値以前の問題だ。

幸い、今の私に警戒の視線を送るのは幸いにもこの無力な小鳥のみ。

マグナの弁によればどうやら支給品とのことだが、
人語を発することさえ出来ぬ勘の鋭い小鳥など、
何をさえずろうが誰も取り合わぬ。
目障りなようなら、まとめて斬り捨てればればよいだけの事。
私の剣の腕なら、たとえ小さな標的でも全く問題はない。


588Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 09:56:11 ID:bCG+Q2Cd
幸い、今の私に警戒の視線を送るのは、幸いにもこの無力な小鳥のみ。

マグナの弁によればどうやら支給品とのことだが、
人語を発することさえ出来ぬ勘の鋭い小鳥など、
何をさえずろうが誰も取り合わぬ。
目障りなようなら、まとめて斬り捨てればればよいだけの事。
私の剣の腕なら、たとえ小さな標的でも全く問題はない。

だが、あの二人組には警戒されぬようにせねばならない。
異常なまでに勘が鋭いのは、何もあの小鳥だけとは限らないのだから。

丹田に力を入れ深呼吸をする事で心身を落ち着け、意識を切り替える。
己の感情を制御化に置き、マグナへの殺意を極限にまで抑圧してから、
私はペンギンの着ぐるみを着た青年とマフラーを首に巻いた
半裸の少年の二人組に向き直った。

          ◇          ◇          

「…うむ、二人とも出迎え御苦労。お前達、楽にしていいぞ。」
「わーッ!わーッ!初対面の人に何言い出すんですかラハールさんッ!」

やがて二人は私の前に辿り着き、立ちながらそれぞれ自己紹介を行った。
マグナは馴れ馴れしくにこやかな笑顔で二人に近づいていくが、私はそのままに放置する。

やはりというか、例の二人組の初見で感じた印象と大差がないようであった。
触覚のような前髪を二本垂らした半裸の少年はラハールといい、魔王を自称している。
平時であれば、状況で気が触れてしまった哀れな少年か、
控え目に見ても誇大妄想狂としか捉えなかっただろう。

だが、その燃え上がるように危険な瞳は強靭な意志の持ち主である事を示し、
その者が狂気の世界の住民であるという可能性を明確に否定している。
先ほどの茶髪の青年のような、魂の抜けた「支配される側」の存在ではない。

あれは、これまでに数々の困難を自力で潜り抜け、
己に絶対の自負を持つ者特有の輝きを持つ瞳だ。
自信過剰ではあっても、断じて空威張りや
虚勢といった類の中身のないものではない。
589Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 09:59:01 ID:bCG+Q2Cd
この者がたとえ魔王でなかろうとも只者ではないことは、
瞳を見ずともその気迫からも容易に察することができる。
だが、露骨なまでに人の上に立とうとするその言動は、
あまりにも非常識かつ無礼にすぎた。

おそらくは一度たりとも人に仕えたことがない。
だからこそ相手の空気を察することができず、
支配することに慣れきってしまっているからこそ、
周囲がこちらの命令に従うのが当然と考える。

典型的な生まれついての覇者であり、暴君である。
間違いがあっても、人の風下に立つ存在ではない。
そして、おそらくこの小覇王の機嫌を損なえば、
たとえ味方であろうと躊躇なく実力行使に出るであろう。
…これは、想像以上に危険な相手といえる。

バルバスのような餓えた獣のごとき存在であれば、
満腹しない程度に適当な獲物を与え続けておけば
ある程度行動を御することも可能である。
以前はこの私も、そうやってバルバスを従えてきた。

だが、あの少年相手ではそれも不可能だろう。
あのタイプは、厄介な事に傲慢ではあるが愚鈍ではないのだ。
こちらが体よく利用しようとした所で、いち早くその意図を察知する。
そうなれば、むしろその行為を許しがたい侮辱と判断し、
こちらに刃を向ける可能性さえある。

…これでは、駒として使い物にならぬ。
この者の傍にいるのは、どう考えても得策ではないだろう。
利用するどころか、こちらが下僕としていいように使われる危険性さえある。
うまくこの場を去ってもらうか、あるいは――。


590Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 10:01:45 ID:bCG+Q2Cd
一方で、ラムザという青年もその正気の沙汰とは思えない
出で立ちに似合わず相当の切れ者のようだ。

向こうから接近してきた際、この青年はラハールという少年を
私から小幅で十一、二歩の距離で静止させていた。

――小幅で十歩という距離が意味するもの。

それは腕の立つ剣士なら、一挙動で相手に攻撃を仕掛けられる限界の距離である。
こちらが二人連れで、内一人が先に無防備で馴れ馴れしく接してくるからといって、
決して無警戒であるわけではないのだ。まず素晴らしい用心深さだと言える。

試しに私の方ががさりげなく一歩だけ踏み出してみると、
向こうもさりげなくラハールの間に入ってみせた。
…ほう。身を呈してでも仲間を守ろうというのか?

しかも、こちらの気分を害さぬように、声や態度は決して荒立てることなく。
間に入られた当人にさえ、その意図に気づかれることなく。
こちらが友好的である可能性も踏まえているのだ。

――大したものだ。

しかもこの青年、ラハールとは対照的に徹底して低身低頭の態度を取り続けているが、
このあくまでも尊大な少年と釣り合いを取るためにあえてそうしている感がある。

尋問などでは優しい警吏、怖い警吏が二人組で事に当たり情報を引き出す場合がある。
このラムザという男はラハールに後者の役回りを演じさせ(本人に演じているつもりはないが)、
自らは徹底的に前者に徹することで好感を得ようと言うのだろう。
この実に御しがたい暴君相手に、己にとって最適の立ち回り方というものを実によく心得ている。

その手慣れた対応は、どこか獰猛極まる百獣の王を飼いならす猛獣使いを連想させた。
この場で一番尊大にふるまっているのはラハールという少年だが、
実質的なリーダーはこのラムザであると考えて間違いないだろう。
二人の気質は、僅かな立ち振る舞いと会話でおおよそは理解した。

私は情報交換の為、腰掛けながらの会話を提案する。

やはりというか、こちらが完全に腰掛けることを確認してから、
ラムザは地面の埃を払い、ラハールに腰掛ける場所を恭しく提示する。


591Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 10:04:29 ID:bCG+Q2Cd
こちらも相手の警戒心を緩めるため、
重心の移動が難しい正座の姿勢をあえて取り、
鞘ごと剣を腰から外して利き腕の側に置く。
ラムザはこれらの行為が意味することを理解し、
ようやく表情を緩めて最後に腰掛けることにした。

無論、少年をすぐにでも庇えるような、それでいて一歩引いた位置に。

――だが、まだ青いな。

逆腕だから?姿勢と重心が偏っているから?
だが、それが私にとっては何の支障となろう?
私はいかなる状態からでも、瞬く間に人を斬る術を使いこなせる。
目の前の傲慢な少年の首を、瞬く間に刎ね飛ばすことができる。
それは、少々私を見くびりすぎだというものだ。

だが、その剣は今抜かれるべきものではない。
…本当に命拾いをしているな、少年。

私は目の前にいる半裸の少年に心の底で冷笑しながらも、
これまでの出会いとあらましを説明することにした。

          ◇          ◇          

「――で、お前らはここに辿り着いたというわけか。」

「では、最初から丁度近くにいたってことですね?」

「…そうそう。ホームズ達に出会わなかったってことは、
 やっぱりホームズ達もあんた達見て警戒してたのか?」

「…あんた達“も”?」

“も”という表現に、ラハールは「ほう?」と小さな声を上げ、
ラムザは首をわずかに傾げる。
(とはいえ、ずん胴のペンギンの着ぐるみではそれは分かり辛いが)

――この男は、何時も余計な事ばかり言ってくれる。


592Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 10:07:25 ID:bCG+Q2Cd
(「私にはあの時ラハール殿が平常心を失っているように見えたのでね。
  時を空けてから、改めて声を掛けようと判断したのだが。」)
 
こう答えるのが一番無難なのだろうが、それでも目の前の自称魔王の
自尊心を傷つけるものになるのは違いない。巻き添えは御免こうむりたい。

私は目でマグナに合図をして、続きを促した。

この者の発言でラハールの機嫌を損ね、マグナが害されるならそれもまたよし。
全く止める理由はない。むしろこちらが手を下す手間が省けるというものだ。

「まあな。『あんた達が私達の予想以上に危険な存在なのかもしれない』 って
 アルフォンスが言っていたから、同じ事を考えていたかもしれないな。」

――アルフォンスが言っていた、か。

今すぐにでも隣に立つ愚かな青年を斬り捨てたいという
衝動に支配されそうになるのを、無理やり抑え込む。
元より殺気を消すことに専念していたからか、
ユンヌですら全く気付けぬほどにそれは上手くいった。

だが、殺意を完全に消し、気配を遮断し続けるという
作業は口で言うほどに容易いものではない。
絶えず己から漏れ出す感情に意識を集中し続ける分、
注意力がどうしても平常より散漫となる。
それに、こちらの忍耐にも限度というものがある。
この男の愚行の代償はいずれ償ってもらうにせよ、
これ以上の失言は避けてもらいたいのだが。

「ほう。このラハール様を“危険”だと、そうお前は言いたいのか?」

ラハールは立ち上がって腕を組み、さも嬉しそうにニタリと笑う。
それは自尊心を傷つけられて激怒するというよりは、
こちらの出方を改めて試すような、大胆不敵さが伺えた。

その熱い視線は、さながらに獲物の次の行動を窺う
血に飢えた肉食獣のものというのが相応しい。
理由などどうでもいい、戦闘に至る切っ掛けを欲しているかのように。


593Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 10:09:39 ID:bCG+Q2Cd
…だがその場合、死ぬのは貴様一人だけなのだが。
ロンバルディアの位置を、目線だけで再確認する。
この少年が不審な動きをすれば、すぐさまにその命を戴く。

立ち上がってくれているなら、むしろ好都合というものだ。
この者の呼吸と拍子は、既に掌握している。
こちらの肩より高い位置に首があるなら、硬い顎にその斬撃が阻まれる事はない。
利き腕で鞘を握ってから一挙動。瞬く間にこの首を刎ね飛ばすことができる。

この者がいかに強大な力を秘めていようが、発揮されなければ何の意味もない。
殺気は完全に消しているのだ。こちらの意図も察知されてはいない。

…勘違いしているようだな。狩人は私であり、獲物は貴様なのだ、少年。
貴様がこの私に敵意を向けた時が、その最期と知れ。

私は慎重に鞘を手にするその機を、少年の気を窺う。
私の気配は完全に消えたまま、溢れるラハールの闘気が緊張感を生み出す。

だが、二人の弛緩し切った声による横槍が、
私とラハールの殺意を根こそぎ奪い取った。

「…ラハールさん。今の態度、僕から見たって十分危険そうに見えますよ。
 だからさっきのリュナンさんだって逃げ出したんじゃないですか。
 もっと気をつけて下さい。」

「まあなあ。今のは俺から見てもちょっと怖そうだけどな。
 アルフォンス、実はお前もちょっとだけ怖かっただろ?」

半ば呆れた声で、ラムザはあやすようにこちらへの助け舟を出し、
マグナは私をからかいながら、適当に笑顔で相槌を打つ。
肩透かしをくらう形となり、本人以外全員一致の考えでは
さすがにこれ以上食い下がれぬと判断したのか、
ラハールは不機嫌そうに矛を収め、腰掛け直す。
…悪運が強いな、少年。

しかし、この状況は危険だが、同時に好機でもある。
この態度からするに、誰でもいいから鬱憤を晴らす場所が欲しいと見受けられる。
対象が私ならいい迷惑だが、その矛先をうまくマグナに向けることができれば、
こちらは労せずして邪魔者の排除ができそうだ。


594Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 10:11:40 ID:bCG+Q2Cd
「ところで、さっきから気になっていたことですが…。
 『アルフォンス・タルタロス』さんでよろしかったですね?」
「…ああ。」

穏やかな口調を崩さず、だが決して若干の緊張を隠しきれずにラムザは続ける。

「差し支えなければ教えていただきたいのですが、
 なぜ貴方は『ランスロット』ではなくそう名乗っているのですか?」
「!」

その質問自体は当然のものであった。名簿に「アルフォンス」という名前がない以上、
偽名を名乗るということは後ろめたいことがあるのではないかと警戒するのは道理である。
だが、断定には至らない。そこで確認に至ったということか。

そこには別段驚いていない。
マグナにもその名と理由を語っている以上、聞かれれば答える準備もあった。
…しかし、さっきの茶髪の青年の名は兎も角、
なぜこの私の名が「ランスロット」であると一見で特定できるのだ?

「…ほう、偽名とはな?…やはりこの男は怪しいぞ?」

喧嘩を売る理由が再び出来そうだと調子づく半裸の少年。
だが、助け舟は意外なところから来た。

「あ、それなら俺が説明するよ。『ランスロット』って名前、名簿に二つあるだろ?
 ランスロット・ハミルトンって人と、ランスロット・タルタロスって。
 ややこしくなるから『アルフォンス』って名乗ることにするってさ。
 悪ぃ悪ぃ、アルフォンスで馴染んじゃってたから俺も気がつかなかったよ。」

「そういうことでしたか。では、僕達もアルフォンスさんとお呼びしたほうがよろしいですね?」

私は無言で頷き、ラムザはそれで納得したようだった。
ラハールはフン、と面白くなさげに腕を組みながら明後日の方向を向く。
…だが、どうにも疑念が沸く。


595Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 10:13:16 ID:bCG+Q2Cd
ラムザ達のこれまでに出会った人物から考えて、
嘘など付かぬ限りはこちらの名を知ることなど出来ない。
こちらの名をを特定できる数少ない情報と言えば名簿くらいのものなのだろうが、
そこに名前付きの人相書きでもない以上、未見の人物を一回で特定することなどできない。

…人相書き、か。まさかとは思うが、念のため確認しておく必要があるな。

「君達、突然このような申し出をするのも不躾で申し訳ないが、
 お互いの荷物の内容を全て開示してはみないか?
 私の勘が正しければ、お互いに確認したほうが有益かもしれないのでね。」

その発言に半裸の少年はやや怪訝な顔をし、
ラムザは着ぐるみの中で眉をひそめた(ように感じた)。
それも当然のことであろう。支給品の内容を教えるということは、
こちらの戦力を教える、即ち命綱を見せるということである。

彼らにとって、我々はいまだ味方であるかどうかもわからないのだ。
それが役立たずの品であれば足元を見られ、
逆に貴重な品であればそれが原因で奪い合いになりかねない。

あっさりと人を信じてしまう、今隣にいる愚かで純朴な青年でなければ、
見せろと言われてそう気安く見せびらかすようなものではないだろう。
さすがに、この者達はマグナのような愚か者ではないらしい。

ゆえに、こちら側からの最大の譲歩と敵意がない事を示す。
まず自らのバッグを裏返して中身をすべて開示し、
続いてマグナに目線で促した。マグナも、あわててそれに従う。

目の前の半裸の少年は少しばかり首をひねった後
「おまえのよきにはからえ」といった表情でラムザに視線を送る。
ラムザは少しの間考えたものの、自らのバックの中身を広げ、
続いて断りを入れてからラハールのバックの中身を丁寧に開示した。

武器や道具より、共通と思われる支給品の確認を優先する。
ラハールが持っていた剣とラムザの持つ鉱石の組み合わせを見て
マグナは小さく驚きの声を上げたが、私は無言で手で制する。


596Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 10:15:31 ID:bCG+Q2Cd
彼らの支給品で、何か心当たりがあるらしい。

だが、たとえそれらに貴重な価値があろうと、
今支給品の事で問題を起こしては確認も取れなくなる。
発言は、少し控えていてもらおう。
そして、しばらくしてすべての支給品の確認を終える。

――やはり、そうか。

会場の地図、二日分の食糧、透明の水筒二本(ペットボトルと呼ぶらしい)、
時計、方位磁石、着火道具、参加者名簿に至るまで
共通の支給品においても、程度の差はあれその全てに差違が見受けられた。

確かに、命綱ともいえる武器や道具と違い、
こういった雑貨に近いものは誰も念入りに確認など取らない。
かくいう私自身も一通りの確認しか行わなかった。
だが、それこそが盲点なのだ。

そういった中にこそあえて差異を仕込み、不平等を作り出す。
目的は当然混乱を生み出しそれを広げること。

食料品などが一番わかりやすい。
たとえ二日分の食糧という意味では等価であっても、
その内容が粥二日分と王侯貴族が食する食事二日分では別物と言えよう。
集団で食事を取る際、この大きな格差は嫉妬や羨望を生み出し、
不和の種としては十分な効力を発揮する。

あのヴォルマルフという男は、それを狙っているのだろう。
せこくはあるが、それなりに有効な手段ではある。

幸か不幸か、私とマグナが取り出した支給品の食糧や水、
名簿については大きな差異がなかったため、
そこにまで気が回るということはなかったのだ。
私は己の安直さを深く恥じ入る。

特に、違いについてはラムザの参加者名簿が顕著であった。

結果は想像した通りだったので、さして驚くということはなかったが。


597Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 10:18:23 ID:bCG+Q2Cd
やはり、ラムザの参加者名簿だけはその姓名だけでなく
その精緻な肖像画(ラハール曰く、『顔写真』と言うものらしい)もはっきりと書かれていた。
これまでに出会った者達も、名乗った名と顔が一致していることを確認する。
(とはいえ、ルヴァイドと漆黒の騎士の顔だけは兜でその素顔が隠されており、
 二人の人相を推し量ることはできなかったが。)

私はネスティをはじめとする全員分の顔と名前が一致するよう、その記憶に刻みつけておく。

「そういうことか。君はこの名簿で、私の名と顔を最初から覚えていたということか。」
「ええ、そうです。ですが…。」

「君が見ての通り、我々の名簿には人相書きがない。」
「そうなると、先ほどリュナンさんの名前を呼んで警戒されたのは…。」

「…少なくとも、彼の名簿にも名前しか書かれていなかった。
 故に気安く名前を呼ばれた事で、かえって警戒されたといったところではないか?」
「…しまったッ!そういうことだったのか…。」

「…で、どうするんだ。もちろん、あいつの“狩り”は再開するんだろう。なあ?」
「ラハールさんッ!何度でも言いますが、まだ彼は敵だと決まったわけでは…。」

己のうかつな発言を悔やむラムザに、
先ほどの茶髪の青年の“狩り”を再開したいと主張するラハール。

…なるほど。この状況は大いに利用できるかもしれん。
あの少年は危険すぎる。駒として利用できないのであれば
隙を見て始末しようとも考えていた所だが、これは丁度良い機会だ。

「リュナンという男は手負いの獣であり、油断したラハールとマグナは逆に倒されてしまった。
 私はその敵を討ったが、彼らを助けることはかなわなかった。」との筋書きを描くこともできる。
 
どのみち、ネスティと接触するまでに最低一つの首輪は欲しかった所だ。
リュナンという男の使い道は、それで決まりそうだった。彼から首輪も頂く事にしよう。
駒の確保は出来なくなるが、それは止むをえまい。
代わりの駒など、探せばいくらでも調達できる。


598Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 10:21:13 ID:bCG+Q2Cd
「それを確認するためにも、一度彼とは接触を図るべきではないのか?
 そうであれば、あまりぐずぐずとはしておれないだろう。」

私は一同にリュナンという青年の捜索の再開を申し出る。
無論、真の目的は捜索などではなく、厄介者達の排除にこそあるのだが。

「ええ、確かにそのとおりなのですが、
 こうしてこちらの鍵を握るものがいると判明しているなら、
 まずそちらの確保を優先すべきではないでしょうか?」
 
ラムザはそうして無言で首輪を叩く。
この会話が何処かで聞かれていることを警戒してのことだ。
ただし、それはどちらかといえばリュナンとの接触を
出来るだけ避けたいのが本音のようにも感じられた。
 
「ええいっ!また待たされるのか?
 そんなものはカーチスにでも任せてしまえばいいだろっ!
 今は疑わしき敵を滅するのが最優先だっ!」

どうやら、この少年の形をした野獣は抑えが利かなくなりつつあるらしい。
だが、抑えが利かなくなったその時こそが運の尽きだということにも気づいていない。
牙がこちらに向かうなら、遠慮なく排除させてもらうだけのことだが。

…だが、首輪の話題で「カーチスに任せろ」か。
ネスティの他に首輪解除の鍵を握る者がいるかもしれないとはな。
これは意外な収穫かもしれん。

私はカーチスという男の名を記憶の片隅に入れて、
再びロンバルディアを目線で確認したところ、
意外なところから声が上がった。
ただし、今までの能天気すぎる調子とはまるで違った口調で。

「…ちょっと待った。
 そっちが両方とも大事なのはわかっているが、
 その前に一つ皆にどうしても話しておかなきゃいけない事があるんだ。
 ディエルゴって名前、今まですっかり忘れていたんだが…。
 ラハールの剣を見てようやく思い出した。
 それ、“不滅の炎(フォイアルディア)”だよな?」


599Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 10:22:57 ID:bCG+Q2Cd
「…この剣を、知っているのですか?」

そう言いだしたラムザは勿論の事、
私を含めてこの場にいる全員がマグナに注目する。
自分が腰に吊るしてある剣の事ゆえか、
あのラハールでさえもが驚きの顔で耳を傾けた。

「ああ、よく知っている。そいつの持ち主、“抜剣者”の事も。
 そいつによって、あの主催者のディエルゴって奴は二度倒されたはずなんだ。」

「…詳しく話しを聞かせては貰えまいか?」

主催者にまつわる情報と、それを倒した時に用いられた剣の事か。
どうしてそのような重要な事を今までこちらに話さなかったのかと
マグナを問い詰めたかったが、詰問は後回しにしておこう。
いずれ始末してしまうにせよ、貴重な情報は出来るだけ吐き出させるに限る。

マグナはいつになく張りつめた、苦渋に満ちた顔で、
皆の顔を窺いながら少しずつ語り始めた。

「…わかった。じゃあ話そう。少し長くなるが聞いてくれ。
 ディエルゴの事、抜剣者との出会いの事、俺とネスティ・アメルの三人の秘密、
 魔剣の事、聖王国とあの島で起こった全ての出来事を―――。」


【E-2/城前/1日目・夕方(放送直前)】
【ラムザ@FFT】
[状態]: 健康、後頭部にたんこぶ
[装備]: プリニースーツ@ディスガイア
[道具]: 支給品一式(食料1.5食分消費)、ゾディアックストーン・サーペンタリウス@FFT、
     サモナイト石詰め合わせセット@サモンナイト3
[思考]1:ヴォルマルフ、ディエルゴの打倒
    2:白い帽子の女性(アティ)と接触し、ディエルゴについての情報を得る
    3:ゲームに乗った相手は容赦はしない
    4:ラハールの暴走を抑える。
    5:リュナンについては保留。ネスティの確保を優先する。
    6:…マグナのディエルゴと魔剣に関する話しに大きな関心。
    7:全ての支給品において何らかの差異があることに興味。
    8:ランスロット・タルタロスという人物に対して若干の警戒心。
    
[備考]:現在プリニースーツを身に付けているため外見からではラムザだとわかりません。
    ジョブはシーフ、アビリティには現在、話術・格闘・潜伏をセットしています。
    ジョブチェンジやアビリティの付け替えは十分ほど集中しなければなりません
    自分の魔法に関することに空白のようなものを感じている。(主に白魔術)


600Limitation ◇j893VYBPfU代理:2008/09/11(木) 11:26:46 ID:bCG+Q2Cd
【ラハール@ディスガイア】
[状態]: 健康、若干の苛立ち
[装備]: フォイアルディア@サモンナイト3(鞘つき)
[道具]: 支給品一式(食料0.5食分消費)
[思考]: 1:…で、いつになったら暴れることができるんだ?
     2:俺様を虚仮にした主催者どもを叩き潰すぞ!そのためなら手段は選ばん!
     3:何とかして首輪は外せんのか?まあネスティという奴も一応は探してみるか。
     4:…抜剣者?もし出会ったとしても、この剣は渡さんぞ。俺様のものは俺様のものだ!
     5:小難しい事を考えるのは性に合わん。しばらくはラムザに任せるしかない、か…。     

【マグナ@サモンナイト2】
[状態]:健康 衣服に赤いワインが付着
[装備]:割れたワインボトル
[道具]:支給品一式(食料を1食分消費しています) 浄化の杖@TO
[思考]1:…どうして、今までディエルゴの事を思い出せなかったんだろ?
    2:さて、どこから最初に話したものかな?
    3:仲間を探す(ネスティと抜剣者達を優先したい)
    4:皆とともにゲームを脱出したい 。
    5:…着火装置と、時計か。サモナイト石もあることだし、何か呼び出せるかもしれないな。
[備考]:ユンヌ@暁の女神 が肩に止まっています。
    ユンヌはランスロット・タルタロスの気配が
    完全に消えていることを少し不思議に思っています。

【ランスロット・タルタロス@タクティクスオウガ】
[状態]:健康、殺気を極限にまで抑圧、気配を完全に遮断。
[装備]:ロンバルディア@TO
[道具]:支給品一式(食料を1食分消費しています) ドラゴンアイズ@TO外伝
[思考]1:生存を最優先
    2:ネスティとの接触を第一目的とする。
    3:ラハールを危険視。隙を見て暗殺して魔剣と首輪を奪う。
    4:抜剣者と魔剣が主催に対する切り札になるかどうか、マグナの話しから見極める。
    5:マグナを引き連れるほうが極めてリスクが高いと判断。
      決定的な殺意を抱いてはいるが、情報をある程度引き出すまでは保留。
    6:ラハールやマグナはなるべく目撃者を出さずに始末したい。
      首尾よく殺害できた場合、その罪はリュナン辺りに被せて殺害し首輪を奪う。
    7:ラムザに対して強い警戒感。なるべく距離は取り、目の前での不審な行動は慎む。
    8:『カーチス』という名に興味。ネスティと同じ立場にあるかもしれないと推測。
    9:脱出が不可能な場合は優勝を目指す。

[備考]:ゲーム全参加者の顔写真(タルタロスは精緻な肖像画と認識)と名前を丸暗記しました。
    ラハールやマグナに対する殺意を抑え込む事に意識を集中しているため、
    周囲に対する注意力がやや散漫になっています。
    また極限まで殺気を消している結果として「不自然なまでに気配そのものが消失している」為、
    勘の鋭い者ならそこから何かしらの違和感を感じるかもしれません。


601 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/11(木) 11:31:52 ID:bCG+Q2Cd
代理投下完了です。

ところで、本スレに投下してから大分経ってからで本当に申し訳ないのですが、
ディエルゴの守護者を加筆修正してもよろしいでしょうか?
今回の話で気付いたのですが、盗聴をしているヴォルマルフがアティやマグナの話を聞いているのに
ディエルゴの情報に食いつかない事に違和感を感じたので、そこの部分を修正したいのです。
以前の投下の時点で気付けばよかったのですが、どうやら抜けてしまっていたようでして…。
皆さんの意見をお聞かせ下さい。
602 ◆j893VYBPfU :2008/09/11(木) 11:48:32 ID:ruXGLSFg
おお、早速の代理投下有り難うございます。

加筆については、参加者が知るすべのないパートなので、後の内容に響かないからよいと思います。
むしろ読み応えのあるのガンガンやってほしいです。
603 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/11(木) 22:05:50 ID:bCG+Q2Cd
レスありがとうございます。早速したらばの修正スレの方に投下しておきました。
あまり文章は増えてないのでご期待には添えませんでしたが…。

それと、マグタロスがラムール組の写真つき名簿を見た時、マグナも写真を見たのでしょうか?
もし見たとしたら、ベルフラウやソノラが若い(子供)であることに気付いているのでしょうか?
604助けて!名無しさん!:2008/09/12(金) 09:41:20 ID:WrZMA/J0
名簿についてはタルタロスが注視しただけであって、マグナが横あいから覗いたかどうかは続きの書き手次第でいいと思います。
タルタロスにしたところで、魔剣の情報聞く前の段階だと後で殺すつもりの人間相手に色々教えるのは無駄骨だと判断するだろうし。
いずれにせよ状況が変わりつつあるので、タルタロスの突っ込み次第でマグナが名簿見なかっても違和感感じるかもしれません。

しかし、あの島にいる間って守護者じゃなくても老化は遅くなるのかな?
ミスミが妊娠したのが数百年前だとすると、親子揃って相当な歳になる。
ミスミは確か守護者と同じ立場のはずだからいいとしても。
まあ逆に島を出て生活をすればスバルやパナシェ見るかぎり普通に取るみたいだし、生徒の外見年齢も学校卒業後島に戻ればあれで納得行く。

正直三十路超えのソノラは想像たくねえ。
605助けて!名無しさん!:2008/09/12(金) 09:51:51 ID:iQPSZk54
あれは島の中だけ時間の流れが緩いっていう設定だから、老化も遅くなるというより、
外の世界で20年経っていても、島の中では数年しか経っていない状態のはず。
でも番外編に登場する島の住人がどれも人外だから、どれくらいの時間差があるかわからないんだよな。
唯一の判断材料が、オウキーニが髭が生えたぐらいであまり老けてなく、小さい子供がいるってことぐらいか?

つかここ最近随分過疎ってきたなあ…。
606助けて!名無しさん!:2008/09/12(金) 12:36:35 ID:WrZMA/J0
ではそろそろ恒例の「おっさんらの情事」の後のサブタイトル募集しますか。
607ディエルゴの守護者加筆修正版 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/12(金) 13:39:36 ID:iQPSZk54
そこが一体何処なのか…空よりも高い場所なのか、海よりも深い場所なのか…それすらも分からない。
分かっているのは、そこは殺し合いから外れた場所でありながら、ゲームの外ではない場所であるということ。

その部屋はとても広く、まるでSFに出てくる宇宙船のブリッジのような形をしている。
光源は宙に浮かぶモニタ以外にないにも関わらず、それだけで全体を照らしていた。
そこで彼―――グレバドス教会の神殿騎士団団長にして『統制者ハシュマリム』、
そしてこの殺戮劇『バトルロワイヤル』の進行役――ヴォルマルフ・ティンジェルは傍観していた。

「…ほう、あの小娘は随分と健闘しているようだな。所詮は脆弱な人間だと思っていたが、やはりアルテマの器
 だけのことはあるのか。いや、それともあの島に渦巻く狂気が力を与えたのか…。」

備え付けられた椅子の肘掛で頬杖を突きながら、彼は手前のモニタを見つめていた。
モニタにはゲームの参加者の顔写真が映されており、その下に現在位置が表示されている。
顔写真は皆煌々と光っているのだが、中には光が消えているものもある。参加者全員に着けられた
首輪から送られる生命反応が途切れ、死亡と判断された者達だ。

「えりあD-6ニテ参加者11なばーる、首輪カラノ生命反応途絶…死亡ト断定。」

「魔力せんさーニ反応アリ、座標確認……D-6と断定。すぴーかーカラノ音声ニヨル声紋チェック並ビニ魔力ノ波動ヲらいぶらりカラ検索
 ……検索完了。憤怒ノ霊帝あどらめれくト断定。参加者45でにむ・もうんニ異常ナ生命反応。あどらめるくニヨル憑依ト判断。
 シカシ、完全ナル支配ニ至ラナカッタ模様。現在ヤヤ興奮状態。」

ブリッジ前方の装置を動かしている機械達が異常を分析し報告する。それを聞いたヴォルマルフが目を細め溜め息を吐いた。
待ち続けていた者に出会えた喜びと、ようやく来た相手に対する呆れを混ぜたような溜め息だ。

「ようやく一つ目覚めたか…いや、第一放送前なのだから早い方か?まったく人間一人満足に支配できぬとは、覚醒早々醜態を晒してくれたな。
 …しかし、これをきっかけにアルテマも覚醒してくれれば良いのだが…そううまくはいかぬか。」
608ディエルゴの守護者加筆修正版 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/12(金) 13:41:17 ID:iQPSZk54
それにしてもよくできた人形だと、報告を終えて持ち場に戻る機械を見つめながら呟く。

…いや、それは厳密には機械ではない。
それらは嘗て生物だったもの。調律者と呼ばれた男と機界の亜人によって創られた希望と罪の結晶―機械魔『ゲイル』―
あらゆる能力の強化と、感覚・感情等の削除によって機能停止まで命令されたプログラムを執行し続ける正に理想の生物兵器。
しかしその哀れな兵器達は、祖先の犯した大罪を償おうとする超律者達によって全て破棄された筈だった…。
では何故破棄された筈の機械魔が存在しているのか…そして何故このバトルロワイヤルの管理を担っているのか…

「ご機嫌如何かな、ヴォルマルフ殿?…それともハシュマリム殿と呼ぶべきですかな?」

突然の背後からの声。しかしヴォルマルフは驚く様子も見せず、声の主を振り向きもせず対応する。

「……何の用だキュラー。」

「ディエルゴ様からの伝言を仰せつかったのですよ。それと、少々貴公と雑談でも興じてみようかと…。」

キュラーと呼ばれた男は音もなくヴォルマルフの横に立ち、首だけを動かして彼を見る。
不気味な配色のローブに死人のような青白い肌、切れ長の目を更に細めながらクククと笑う姿は、まるで悪魔のようだ…いや、彼の場合本物の悪魔なのだから、その比喩はおかしいのだろう。

「話だと…?ディエルゴの代弁者でしかない貴様が一体何を話すというのだ?」

ヴォルマルフは視線だけ動かし、まるで猛獣が威嚇するような目で彼を睨んだ。
しかしそんな威圧など何ともないかのように、キュラーは涼しい顔をしている。

「貴公お一人では退屈かと思いましてね。ワタクシも貴公とお話をしてみたいところでしたので丁度良いでしょう?」

そう言うと彼の顔はブリッジ前方の巨大モニタを向く。モニタには島の全体図と、参加者の現在地を記す点が映し出されている。
他にも、ヴォルマルフの手前に表示されているものと同じ顔写真のウィンドウが開かれていたり、モニタの横に番号が分けられたスピーカーも設置されていた。
その中で光の消えている少女の顔を見つけて感嘆の声をあげた。

「おやおや…アルミネは早々と退場してしまいましたか。まあ覚醒前の彼女ではあまり長持ちしないとは思っていましたが。
 他の方々はまだまだ健在のようですが、果たしていつまで持ちますかねぇ……ククククク。」

「あまり気にしていない様子だな。できれば自分の手で葬ってやりたかったのではないのか?その小娘とは因縁があるのだろう?」

口の端を吊り上げながら問うが、彼は首を振った。

「あの娘はワタクシ達の知るアルミネではありません。それに彼女との因縁はディエルゴ様の方が強いのです。
 そう言う貴公の方こそ、あのラムザという青年と因縁があるようですが、どうなのですかな?」

キュラーの言葉に全く表情を変えずにヴォルマルフもモニタの写真達に目を向けながら答える。

「初めにも言ったが、私は奴等がどういう末路を迎えようが興味はない。私は私の望みが叶えばそれでいいのだ。
 こんなことに加担してやったのも、ただ利害が一致しただけに過ぎん。…さて、御喋りはこれくらいで十分だろう?さっさと用件を話せ。」

そう言うと、今度はキュラーの顔を真っ直ぐ見据える。『これ以上下らん話を続けると言うのなら殺す』とでも言わんばかりの目だった。
キュラーは少し残念そうな素振りを見せながら、主の伝言を伝える。
609ディエルゴの守護者加筆修正版 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/12(金) 13:42:03 ID:iQPSZk54
「では申し上げましょう…数時間後の第一放送で、参加者達に優勝賞品として死者の蘇生を行う事も可能であるということを伝えよ。
 次に禁止エリアに関しては、いきなり集団で固まっている所を指定するのではなく、集団の周囲から消し焦りを誘う事。
 最後に、見せしめで死亡した超魔王バールの支給品を、会場内の禁止エリア以外の場所に投下する事。
 投下は放送と同時に行い、参加者達にその存在を知らせる事。何回目の放送に投下するかは貴方の判断に任せる、とのことです。」

「了解した、さあもう戻れ。私は貴様のその下卑た笑いが気に食わん。」

最早彼はキュラーから完全に視線を外している。酷い言われようですねと呟きながら、キュラーはその部屋から去ろうとしたが、
急に何かを思い出したようにヴォルマルフに振り向き…

「そうそう、わかっておられるとは思いますが、くれぐれも参加者達に手出しはしないようにとのことです。
 主催側はゲームに干渉しないのがルールですからね……ククククク。」

と言葉を残して部屋を後にした。そして再び進行役と機械魔だけの空間となったブリッジで、
彼は誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。


「ふん……ゲームか…下らんな。」



「キュラー、ただいま戻りました。」

ヴォルマルフの元から帰ってきたキュラーは、部屋に入るとまず己の主に帰還の報告をする。
しかし彼を出迎えたのは主の労いの言葉ではなく、少女の甲高い声だった。

「お帰りなさーいキュラーちゃん。ヴォルマルフちゃんのご機嫌はどうだった?」

声と共に現れた少女は両腕に球体のペンギンを抱きながら、青白い顔に不気味な笑みを浮かべていた。
彼女も、そして彼女と共に主の傍に控えていた男も、キュラーと同じく霊界の深層に住む大悪魔である。

「ビーニャ!ディエルゴ様がお聞きになるのが先だろう!!」

はしゃぎながらキュラーに近づくビーニャを咎める様に男が声を張り上げた。
それに対しビーニャが不満そうな顔で睨みつける。両腕に力が入り、ペンギンがピキューと苦しそうな顔をした。

「……構いませんよガレアノ。それに、私の事は以前のようにレイムと呼んで下さい。」

主である建造物から声が響いた。その声を聞いて、三悪魔達は声の方を向いた。
そう…彼こそが、このバトルロワイアルの主催者であり、会場となっている島の意志と言える存在。
源罪のディエルゴ、レイム・メルギトスであった。

610ディエルゴの守護者加筆修正版 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/12(金) 13:45:14 ID:iQPSZk54
「…それで、彼の様子はどうでしたか?」

レイムの言葉に、キュラーが報告を始める。

「はい、今のところ彼は順調に進行役を務めています。仰せつかった伝言も全て了承しました。
 このゲームにはあまり興味がない様子でしたが、さして気にする必要もないでしょう。」

キュラーの報告を横で聞いていたビーニャが甲高い声で笑い出した。

「キャハハハハハ、随分と素直なんだねえヴォルマルフちゃんって。てっきり裏でこそこそ何か企んでるのかと思ってたよ。ちょっとつまんなーい。」

「およしなさいビーニャ。彼は利害の一致という理由で私達に協力をしてくれているのです。自分の望みが叶えられないということにならない限り、
我々に反する理由がありません。それに貴方達が今こうしていられるのは、彼の助力のおかげでもあるのですよ?」

レイムの言葉を聞くと、ビーニャははーいと少し詰まらなそうに返事をした。両腕の力が緩み、ペンギンが息を吹き返す。

一息置き、ガレアノがレイムに話しかける。

「レイム様…本当に何もしなくてよろしいのですか?奴等の中には殺し合いに乗らず脱出を考えている者も出てきているのですよ?しかも脱出する術も残しておくなど…。」

「私達の目的はまず今すぐに彼等の負の感情を集める事。むしろここで私が手を下してしまうと、かえってそれがし辛くなってしまいます。
 脱出の鍵を残したのも、絶望を更に増幅するため。彼らはあの島から脱出した直後に私達と合間見え、その圧倒的な力の差の前に屈することとなる。
 その時の彼等の絶望は、このゲームの最後を締めくくるに相応しいものとなることでしょう。それに……」

そこで声が途切れると、目の前に黒い塊が現れ徐々に集まり人の形を成していく…

「脱出と首輪の解除までには幾つもの問題があります。そしてそれらは個々の人物だけでは絶対に解決することはできません。
 そして、辿り着けないなら辿り着けないで、それによる絶望が私達を満たす…どちらに転んでも、私達にとって益になるのです。
 さあ、果たして彼等が私達に絶望という名の美酒を振舞えるかどうか…この目で見届けてあげるとしましょう。」

黒い塊がその形を一人の青年へと姿を変えると、三悪魔達はそれぞれ不気味な笑みを浮かべながら彼に礼をした。


611ディエルゴの守護者加筆修正版 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/12(金) 13:50:40 ID:iQPSZk54
キュラーの伝言から数時間が経過し、時刻はまもなく夕刻から夜へ――第一放送の時間になろうとしている。
伝言を受けた後、島の状況は大きく動いていた。C-3の村での戦いがそれだ。
最初はアティとカーチス、そして漆黒の騎士しかいなかった(もう一名いたがすぐに死んだので数えなかった)その場所は、
今や狂気や怒り等の負の感情で満ち溢れていた。闇のオーブを手に入れた暗黒皇帝ハーディンと死神の甲冑を身に纏う愚者ヴァイス、
そして戦う相手を見つけた漆黒の騎士が一度に集結したからだった。

スピーカーから聞こえる嘆きや狂った叫びを聞きながら、ヴォルマルフは考えていた…。
今のところ覚醒しているのはアドラメレクのみ。アルテマさえ覚醒すれば他のルカヴィを覚醒させる事など造作もないが、
物事が順調に進むに越した事はない。暫くC-3は放っておくべきだろう…。
生徒が死んだ事を知れば、あの女も絶望に打ちひしがれ、丁度良い器になるかもしれない…。
機工士は無様な操り人形となり、聖騎士は天使と百合の花を咲かせ、堕ちた貴族は愚行に愚行を重ねている…。
自分の世界の人間共はなんと笑わせてくれることか…下らん催しだと思っていたが、まあまあだなと心の中で小さく呟いた。

しかし、一番自分の気を引いたのはやはり、二人の参加者から語られたディエルゴに関する話だ。
抜剣者の女性が語る「ハイネルのディエルゴ」と島にまつわる話、超律者の青年が語る「源罪のディエルゴ」と傀儡戦争や悪魔達の話。
それらはディエルゴについての知識に乏しい自分にとって、有意義な話であると言えるだろう。
利害の一致により協力体制を取っているものの、お互いの事についてはあまり深入りしないことになってはいる。
だが、第三者によって漏れる情報は別だ。それによって情報を得てしまうのは事故のようなものなのだから、とやかく言われることもない。
実際奴等は私とあの小僧の因縁についての情報を手に入れ、俺はディエルゴの情報を得ている。
そしてどちらも自主的に探りを入れたのではなく、小僧や女の話を「偶々」聞いてしまって得たものだ。お互い様なのだから、文句は言えまい…。

「……時刻午後6時。ますたーう゛ぉるまるふ、第一放送ノオ時間デス。」

時刻管理の機械魔がその時をヴォルマルフに告げた。
この半日で参加者達が大きく動いた。ある者は打倒主催者を志し、ある者は戦いに酔いしれ、またある者は愛しい者の為にその手を汚した。
そんな混沌渦巻く中に、死者の名と禁止エリアを告げる放送が流されようとしている。
果たしてそれを聴いた者達はどう動くのか、どれほど自分を楽しませてくれるのか。その答えは、告げた後にわかることだ。
深く座った椅子から徐に立ち上がると、彼は手に持ったマイクから、生存者達への言葉を述べた。


612ディエルゴの守護者加筆修正版 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/12(金) 13:51:42 ID:iQPSZk54
【???/???/1日目・夕方】



【レイム・メルギトス@サモンナイト2】(【源罪のディエルゴ@サモンナイト3】)
【ガレアノ@サモンナイト2】
【ビーニャ@サモンナイト2】
【キュラー@サモンナイト2】
【ヴォルマルフ・ティンジェル@FFT】




舞台裏を知る者は、まだ誰もいない……




【備考】:ブリッジにいる機械魔達は、ヴォルマルフの命令に従うようプログラムされています。
     三悪魔達はレイムの命令にしか従いませんが、レイムが間接的に命令を下せば従うかもしれません。
     レイムは核識の力を行使している間、島の全ての事柄を知る事ができます。
     しかし、連続して使う場合は数時間ごとに休息を取る必要があります。
     島からの負の感情の供給により、レイムが実体化して移動できるようになりました。
     ヴォルマルフは三悪魔達の存在を把握しており、彼等が悪魔である事も知っています。
     盗聴により、ヴォルマルフが二つのディエルゴとサモンナイト世界に関する情報を得ました。
613 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/12(金) 13:57:04 ID:iQPSZk54
とりあえず改めて加筆修正版投下完了です。
サモンナイト2の闇に潜み見つめるモノをBGMにするといい感じです。
本投下する前にうっかりwiki更新してしまったのは反省しています。すみませんでしたorz

>>606
そういえば投下した作者の方が未だ戻らずにタイトルなしのままなんだっけ?
614助けて!名無しさん!:2008/09/12(金) 21:37:58 ID:iQPSZk54
そういえば、したらばに投下されてたソノラとニバス先生の話って結局どうなったんだ?
状態表がないからそのまま記載するわけにもいかないし、かといって貴重なソノラ復活話だから
没にするのも勿体無いし…書いた人が何かしらの返事を送ってくれるとありがたいんだが。
615助けて!名無しさん!:2008/09/13(土) 00:29:50 ID:RW87U+CW
>>604
簡単に説明すると>>545です。
戻って来るまで、あと1〜2週間掛かりそうです…

携帯が面倒で手抜きですみません。
616615:2008/09/13(土) 08:28:54 ID:RW87U+CW
アンカー間違えてたOrz
>>604じゃなくて>>614です。
617助けて!名無しさん!:2008/09/13(土) 23:34:53 ID:EkHJsNgj
だいぶ溜まってきたので最新話までの各話まとめをしたらばに仮投下。
皆さんもどしどし意見出してください。

死者の立場で〜も復活させたいものですなあ。

ところで以前から食糧のストック何食分かで以前議論がありましたが、
2日分(六食分)でよろしかったでしょうか?
もしそれでよろしければ、それに合わせて手掛けた分の関連各話を修正しますが。
618助けて!名無しさん!:2008/09/14(日) 22:41:16 ID:hL54etob
あ、ネサラは鳥目か否かだけど、むしろ暗視が利くで良かった?
夕方以降のネサラの命運がこれで決まりかねないのだが。
619助けて!名無しさん!:2008/09/15(月) 00:36:31 ID:bxkyksNt
原作でそういう描写があるわけでもないし、作者判断で良いと思うな。
620 ◆9eoULupNJ. :2008/09/15(月) 22:29:34 ID:2cAPwz7f
ども、wikiの方の管理人です。
無事、予定よりも早くPCが戻ってきましたので
明日にはしたらばに仮投下していた分をきちんと仕上げたいと思います。
…トリ変わるの何回目だよ、自分orz
621助けて!名無しさん!:2008/09/16(火) 08:38:58 ID:8irrH+yK
貴重なソノラ復活話で突っ込み入れるのも申し訳ないのですが…。
ニバスって神聖系だけは使えなかったような…。
まあ水系で状態異常治しがあったような気がしないでもないですが。
貴重な支給品がクリアランスとかニバス涙目な展開も面白いと言えば面白いのですし、エリクサー数本でも問題なさそうですが。
622 ◆9eoULupNJ. :2008/09/16(火) 11:07:45 ID:QiH0gQER
確認しましたが、二バスは一応全魔法行使できるようです。
どっちかといえば職業柄、使わないだけのようですが…
でも、ご意見はありがとうございます。
参考にさせていただきます。
623助けて!名無しさん!:2008/09/16(火) 19:30:32 ID:7CLZas7S
ちなみに水系回復魔法でマーシーレイン(神聖魔法でないのでアンデッド系も回復可能)があったりします。
まあ消費MPがヒーリングの四倍以上と、とんでもなく消耗するんでおそらく使わないだろうけど……。
624助けて!名無しさん!:2008/09/17(水) 09:06:45 ID:8YVCx+Xg
支給品不足が響くなぁ。
まあ解消のネタは近く仕込むつもりだけど。
それも制限付きでマーダー有利という形で。

ところで、デニムは馬鹿山羊と融合したけど前の所持者(ダイスダーグ)も融合していることから
融合が進めばやつの記憶や知識を手に入れてもいいのかな?
625 ◆9eoULupNJ. :2008/09/17(水) 22:00:17 ID:LtVi4bMz
>>624
>ところで、デニムは馬鹿山羊と融合したけど前の所持者(ダイスダーグ)も融合していることから
そこの辺りは次の書き手の方にお任せしますが、投下したものとしてはありだと思います。

したらばにソノラ・ニバスの修正版を投下しました。
何か、ご意見・指摘等ありましたらお願いします。
626助けて!名無しさん!:2008/09/17(水) 22:35:41 ID:F0JIduvG
>>625
乙です。ニバス先生に捕まったソノラも哀れだけど、死体を徹底利用&すり潰されたムス太はもっと哀れだ…
SSはそれでも問題ないと思います。でも一応、ムス太の死体の事を備考辺りに書いてもらえると有り難いですね。

これであと動きがありそうなのは、ルカヴィが憑依したデニム姉弟と、エトナ&レシィの誤解コンビぐらいかな。
前者はパッフェルさんと接触する可能性があって、後者は時間的にまだ放送までに何かしらの行動を
とりそうだから1話ぐらい必要かも。
アイクやネスティも微妙なところだけど、放送後まで動かさなくても特に問題はなさそうだ。
627助けて!名無しさん!:2008/09/17(水) 23:26:56 ID:8YVCx+Xg
志村ー、ネサラ、ネサラー!

場所的にデニムブラザーズかパッフェルおばさん、あるいはアイクかネイスと出会う可能性がある。
もしネサラも鳥目だったとすればあまりちんたらしてられない。盲導犬代わりの相棒が必要になる。
628助けて!名無しさん!:2008/09/17(水) 23:46:26 ID:F0JIduvG
>>627
ちょ…お前殺されるぞ…

予約はしないけどパッフェルさんを放送後で動かしてみたいなと思ってるから、デニム達に動いてほしい。
…まあ放送まで気絶してて姉さんが看病してるでも大丈夫かもしれないけど。
629助けて!名無しさん!:2008/09/18(木) 20:22:53 ID:WPApwVr0
放送が終わったらこれまでの作品感想やら聞きたいものは多い。
MADは期待していいのかな?
630助けて!名無しさん!:2008/09/18(木) 21:12:40 ID:esCdUpGC
作中の台詞ばかりが表示されるMADなら
4月くらいに途中まで作った奴ならあるけど
放送行きそうで行かなかった期間が長かったから、
放置してた上にまだ全然できてない件w
631 ◆9eoULupNJ. :2008/09/19(金) 18:20:23 ID:UK5DjAXH
それでは投下させていただきます。

>>630
スッゴイみたいw
632屍術師の企て ◆9eoULupNJ. :2008/09/19(金) 18:21:44 ID:UK5DjAXH
「わが祈り、イシュタルの灯火となりて、汝の傷をいやさん…、ヒーリング!」

日も傾き、徐々にその深淵を深めていく森の中に木霊する声。
声の主である老人は己の身体に軽く手を触れて瞑想に耽る。
老人の傍に控えるのは二つの骸。
一つはその身を氷に閉ざされ、二度と醒める事のない眠りへと堕ちた者。
もう一つは、醒めるべきではない眠りを禁忌の邪法によって奪われた者。
死を奪われた者は誰の目から見ても致命傷を負っている筈の身体を
無理に動かし老人の傍に控えていた。

「…ふぅ、やはり消耗が激しいですネェ。」

老人は瞑想を止め、手を下ろした。
その額はうっすらと汗をかいている。

「困ったものですね、ここまでの消耗でも完治は難しいですか…」

実際、老人の身体は先程の戦いで深手を負っている。
それは回復魔法をもってしても完全に癒す事はできず、
老人自身にかなりの苦痛をもたらしている筈であるが
そのような素振りは一切見せずに飄々とした態度を保っている。

最早、異常としか言いようの無い精神力である。

「しかし、これでは今後が心配ですね。
肝心の護衛がこのざまでは次に期待するのは難しいでしょうしねぇ。」

老人が傍らに控える骸を見据える。
自らの命令に従い、損傷した身体で尚、主人の命を救った者である筈の骸を
見る目には何の感情すら感じる事はできない。
老人にとってそれは『当然の事』であるから。

「損傷が激しすぎますね、わざわざあなたを『修復』する為に魔力をこれ以上
消耗するのは避けたいのですよ。残念ですが『ここまで』ですね。
丁度、あなたの代わりも手に入りましたしね。。」

骸の体に触れて、何らかの言葉を呟く。
その瞬間、骸は死を許されて地に崩れ落ちた。

「大丈夫ですよ、あなたの身体は次の研究に存分に利用させて頂きますから。」

その場に老人以外の生きている者が居たら、
老人の本性を一瞬で理解できるであろう笑みを浮かべる。
その視線は既に次の『研究対象』に向けられていた。

だが、その視線が不意に外れる。
それは先程まで戦いが繰り広げられていた場所の奥に向けられていた。

「おやおや、私とした事が自分の事に夢中になりすぎていましたね。
あのような所に変わった『忘れ物』がある事に今まで気がつきませんでしたよ。」
633 ◆9eoULupNJ. :2008/09/19(金) 18:23:40 ID:UK5DjAXH
◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

「……ハッ!あ、あれ?あたし、確か…」

最後に憶えていた記憶。
その中では自分は確かまだ朝日が昇る森の中にいた筈である。
だが、周囲は完全な暗闇に包まれている。
ソノラは状況が理解できなかった。

(あたし、あのヴォルマルフとか言うおっさんにいきなり殺しあえとか言われて、
乗る気はさらさら無かったけど取り敢えず身を守る為に装備を確認してたら…)

「お目覚めですか?」

「ヒャッ!!だ、誰?」

突然の声に驚いて辺りを見回す、見れば自分の後方に焚き火を焚いた『二人』の人影が控えていた。

「これは失礼しました。私はニバス・オブデロードと申します。
この辺りを探索していたときに偶々石化されていたあなたを見かけましたので、
それを解かせて頂きました。」

ターバンを巻いた老人、ニバスが丁寧な口調で挨拶する。

「そうだ!あたし、自分のバッグの中に入ってた銃を取った瞬間、急に身体が動かなくなって…
えっと、そうなるとあたし、おじい…ニバスさんに助けてもらったんですよね?」

自分の状況を全て理解できたソノラがおずおずとニバスに質問する。

「まぁ、そういうことになりますかねェ。ですが、あまりお気になさらず。
私からもあなたにお願いしたい事がありますので。」

ニバスが軽く手招きし、焚き火の傍によるように促す。

「お願い?」

その招きに応え、焚き火の傍に腰掛ける。

「えぇ、実はあなたを見つける前に暴漢に襲われてしまいましてね。
その時にこの通り、深手を負ってしまいましてね…」

ニバスが軽く服をはだけて、自分の腹部周辺を晒す。

「ウワッ!酷い痣、これって骨にまでいってるんじゃ…って、平気なんですか!」

ニバスがあまりにも軽い口調で話しているので一瞬理解が遅れてしまったが
素人目で見ても確実に重傷である。
634 ◆9eoULupNJ. :2008/09/19(金) 18:24:45 ID:UK5DjAXH
「平気…とは言いがたいのが現状ですね。
私も職業柄、ある程度の治癒魔法も体得はしていたのですが困った事にこの首輪には
そういった作用を抑制するようなのですよ。」

衣装を正しながらニバスが軽く溜息をつく。

「じゃあ、お願いってもしかして…」

ソノラも段々とニバスが言いたい事が理解できて来た。

「おや、分かってしまいましたか?
お願いというのは簡単な事です。
暫く私は治療の為に動く事ができませんので、
その間、其処にいる『彼』と
一緒に護衛をお願いできませんでしょうか?」

一通り述べた後、そのまま深々と頭を下げる。
慌てて、ソノラは返事を返す。

「ちょ、頭を上げてニバスさん。
あたしはニバスさんに助けてもらったんだから、断るわけにもいかないって!
あたしにど〜んと任せておいて!」

立ち上がり、ぐっと拳を握り締める。
だが、不意にある事を思い出して自分の周囲を見回し、
側に置かれた自らのデイバッグを探り、青褪めた。

「あ、あはは…あたし、今、武器の類…何も持ってないや。
あのへんてこな銃も無いみたいだし。
…弾丸だけって、素手で撃てる訳ないじゃん。」

先程までの威勢とはうってかわって項垂れる。
だが、その反応を予期していたのかニバスはゆっくりとデイバッグの中を
探り、一つの小型拳銃を取り出した。

「あなたは如何やらこの銃というものを扱えるようですね。
私には手に余るもの、どうぞ、お使いください。
それと、あなたが持っていた銃は如何やら危険なもののようですし、
あなたの石化を解いた際にその場に捨てさせていただきました。」

「すみません」と謝りながらソノラに小型拳銃を渡す。

「そんなに謝んないでニバスさん、それはしょうがないって。
こっちこそ、お世話になりっ放しで申し訳無さ過ぎるんだから…
それにさっきからあたしばっかりニバスさん、ニバスさん言ってて
自己紹介してなかった、あたしソノラって言います。よろしく!」
635 ◆9eoULupNJ. :2008/09/19(金) 18:25:32 ID:UK5DjAXH
ぺこりと頭を下げるソノラ。
頭を上げ、それまで一言も発していなかった『青年』の方に向き直り、
手を差し出す。

「あなたもよろしく!」

だが、ゆっくりと立ち上がることはしたが青年はそれまでと同じように
一言も発しない。

「彼はリチャードと言います。残念ですが彼は暴漢に襲われた際に特殊な呪いを
受けてしまったようで話す事ができないのです。」

ニバスがリチャードと呼ばれた青年の代わりに応えた。
その言葉に反応するかのごとく、差し出された手を眺めていただけのリチャードが
ソノラの手を握り返す。

(冷たい…)

その手に触れた瞬間、ソノラが感じた事。
じっと、リチャードの顔を覗き込む。
整った顔立ち、だが生気が感じられない。

「…この人が受けた呪いって何なんですか?」

一抹の不安を感じたソノラがニバスに質問する。

「残念ながら、私にも分かりかねます。」

ニバスは本当に残念そうに頭を垂れている。
その表情は既に日が落ち、暗闇に包まれた中に弱弱しく灯る焚き火の光では
窺い知る事はできない。

「そうそう、あなたが眠っている間に『放送』というものがありました。
先ずはそこから整理しますか。」

頭を上げたニバスの表情は出会った時と何一つ変わりないものであった。

636 ◆9eoULupNJ. :2008/09/19(金) 18:26:01 ID:UK5DjAXH
ぺこりと頭を下げるソノラ。
頭を上げ、それまで一言も発していなかった『青年』の方に向き直り、
手を差し出す。

「あなたもよろしく!」

だが、ゆっくりと立ち上がることはしたが青年はそれまでと同じように
一言も発しない。

「彼はリチャードと言います。残念ですが彼は暴漢に襲われた際に特殊な呪いを
受けてしまったようで話す事ができないのです。」

ニバスがリチャードと呼ばれた青年の代わりに応えた。
その言葉に反応するかのごとく、差し出された手を眺めていただけのリチャードが
ソノラの手を握り返す。

(冷たい…)

その手に触れた瞬間、ソノラが感じた事。
じっと、リチャードの顔を覗き込む。
整った顔立ち、だが生気が感じられない。

「…この人が受けた呪いって何なんですか?」

一抹の不安を感じたソノラがニバスに質問する。

「残念ながら、私にも分かりかねます。」

ニバスは本当に残念そうに頭を垂れている。
その表情は既に日が落ち、暗闇に包まれた中に弱弱しく灯る焚き火の光では
窺い知る事はできない。

「そうそう、あなたが眠っている間に『放送』というものがありました。
先ずはそこから整理しますか。」

頭を上げたニバスの表情は出会った時と何一つ変わりないものであった。

637 ◆9eoULupNJ. :2008/09/19(金) 18:26:52 ID:UK5DjAXH
ここで時間をいったん遡り、ニバスがソノラを発見した直後まで戻ることにする。

当初、この屍術師は彼女の事も保存の利く素材の一つ程度としか考えてはおらず、
その為、彼女のことは放っておいて、リチャード(彼の名前はムスタディオを囮として
陰に潜んでいた際に聞いていた)を利用しての実験を優先していた。
屍術師はある疑問を解消しようとしたのである。。
そもそも、首輪による制限は一部の術の効果を極端に阻害するもののようだが
その制限はいったいどの程度まで及ぶものなのかということである。
その一環として自らの得意とする死霊を呼び出し、その意のままにする
『サモンダークネス』が現在は行使することが出来ない事に気がついた。
しかし、先ほどまで自分は骸を僕として使役できていた。
その為、いったんは開放した骸(ムスタディオ)に再度、術式を施し、
更にリチャードにも同様の事を行おうとしたが彼が動き出すことはなかった。
ここまでの流れで自らが使役することが出来るのは一体までの制限が
かけられていることに行き当たる。
これについて、戦闘後、すぐに術式を施そうとしたときの違和感で
ある程度は予想はついていたのではあるが、
今の屍術師にとっては死活問題である。
如何に強力な僕を手に入れようと当の本人が深手を負ったままでは
同様の危機に陥った際に次はまず助かる望みは薄いからである。

そこで、この屍術師は彼女を利用することを思いついた。
現在の状況でも彼女を戻すことは容易に出来る。
だが、自分の使役している骸の名前を放送で呼ばれれば元も子もない。
だから、彼女を起こすのは放送後、その間にリチャードの状態を万全のものにする。
彼の損傷した部分は最初の骸(ムスタディオ)のものを利用した。
その為、不自然に損傷した遺体が出来上がってしまったのだが、
それを『クラッグプレス』という大岩を呼び出す術により押しつぶし、隠滅した。
すべての準備を終えた後、屍術師は笑みを浮かべながら彼女を石より開放する。

今はまだ、全てはこの屍術師の掌の上の中。
638 ◆9eoULupNJ. :2008/09/19(金) 18:29:39 ID:UK5DjAXH
【G-6/森/一日目/夜(放送後)】
【ニバス@タクティクスオウガ】
[状態]:肋骨骨折・背中を強打(治療中)
[装備]:ビーストキラー@暁の女神
[道具]:支給品一式×3、拡声機、不明アイテム、光の結界@暁の女神
[思考]1:保身を優先、隙あらば殺人
    2:実験材料(死体)の確保
    3:制限について思案中
    4:ソノラには気づかれた時点で始末する

【ソノラ@サモンナイト3】
[状態]:健康
[装備]:リムファイアー(7発消費・残弾不明)
[道具]:支給品一式、弾丸(24/24、他の銃に利用可能かどうかは不明)
[思考]:1:ニバスさんは私が守る!
    2:リチャードって、この人なんか嫌だな…
    3:あれ?そういえば他にも何か持ってたような?

【リチャード@TS】
[状態]:アンデッド
[装備]:折れたヴォルケイトスの柄、先端@TO
[道具]:空のザック
[思考]:ニバスを守り、他の参加者を殺す

[備考]:G-5の位置に大岩ができ、その下にムスタディオの識別不明な死体があります。
    ソノラはヒスイの腕輪のことを忘れています。
639 ◆9eoULupNJ. :2008/09/19(金) 18:32:37 ID:UK5DjAXH
早速、間違えて2回同じ部分を投下してしまったorz
それと、修正し忘れていたのですが、

ソノラの道具:弾丸→石化銃の弾丸

に変更します。
640 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/19(金) 21:47:35 ID:QVyNYXy9
乙。そしてムスタディオもお疲れ様。今度こそ安らかに眠ってくれ。

ところで、密かに書いていたエトナ・レシィの放送までの繋ぎが書けたので、避難所の方に投下しておきます。
641助けて!名無しさん!:2008/09/20(土) 00:49:25 ID:NYjLqlDU
修正乙。
さんざん利用されたあげく挽き肉にされたムスタもお疲れ様でした。
ゾンビは2体作れないから生かされているとしか思えないソノラには気の毒にとしか言い様ありませんが。

しかし、超危険村がまた違った意味でデンジャラスなかほりを漂わせつつありますなあw
いいぞ、もっとやらかせ。
642助けて!名無しさん!:2008/09/21(日) 11:47:23 ID:Q3xkAus2
このロワってあんまり衣装替えがないね。
支給品枠が少ないから迂濶に出せないというのもあるが。
特に防御力が上がるわけでもなければ、ありそうな所にはまあ自由にだしていいかな?

サモンナイト3の帝国式制服とか、FFTの聖天使アルテマや暁の女神では故プラハ将軍のボンテージ衣装とか。
643助けて!名無しさん!:2008/09/21(日) 11:59:15 ID:uI6/I2Da
プリニーs(ry

まあ城あたりに何か衣装あってもいいかもしれないね。
644助けて!名無しさん!:2008/09/21(日) 12:39:56 ID:Q3xkAus2
プリニースーツは今ラムザが着てるッ!
まあ服がワインや土埃、自分の血で汚れたのがいれば、破れと返り血でぐずぐずの二人組もいる。

着せ替え候補は多いし、
今の内に色々と考えるのも面白いかも。
645助けて!名無しさん!:2008/09/21(日) 12:50:42 ID:kMne54CF
ある意味、半裸(てか、乳見えてる?)な電p…姉もいるしな。
それに一度もまともな戦闘をしていないのに激烈な臭いが漂ってる二人組みもいるしw

とりあえず女子勢は全員エトナ服に着替えろ。
646助けて!名無しさん!:2008/09/21(日) 13:03:56 ID:fOf2K7rm
現状で着替えが可能そうなのは、イスラ組と城に向かうパッフェルさんぐらいか。
…パッフェルさんにエトナ服着せたらそうとうな破壊力(良い意味で)をほこるな。
647助けて!名無しさん!:2008/09/21(日) 19:05:21 ID:Q3xkAus2
つまり本家本元はてんでダメだということですねわかります。

「…身体は悪くない。だが、惜しむらくは胸尻の貧相さか。」

どこの変態親父かよ。
648助けて!名無しさん!:2008/09/21(日) 21:43:04 ID:fOf2K7rm
とりあえず、避難所のエトナ・レシィ組を数に入れると、放送前で描写が必要なのは
電波姉弟とネサラだけになったか…。
どっちのキャラの作品もプレイしたことないから書ける自身ないんだけど、他の皆はどうなんだ?
649助けて!名無しさん!:2008/09/21(日) 22:00:53 ID:Q3xkAus2
取り敢えず両方とも把握しているからまとめてみたい気もするが、あと一週間はSS書ける環境じゃないからなあ。

まあ両方テキストがある作品だが、人物掘り下げたいならまずはプレイしてくれとしか言い様がない。
オウガはPS版であるし、テリウスなら最低でもGC持っているなら蒼炎から初めて損はしない。

ゲームとしても未だに話題になるほど面白いし、価格もかなり安くなっているはず。
650助けて!名無しさん!:2008/09/22(月) 07:42:29 ID:cIFpl76q
そういえばwikiのキャラ紹介とかで分からんことってあるかな?
原作やってなくても分かるぐらいが望ましいのだが、これ以上はしたらばがいいか。
651助けて!名無しさん!:2008/09/26(金) 16:19:40 ID:wd1ZDuP1
そういやバールの支給品投下時間って決まってた?
決まってなきゃ深夜9〜12時位がいいかと思うのだが
652助けて!名無しさん!:2008/09/26(金) 18:14:15 ID:RifLt0dc
>>651
ディエルゴの守護者で一応支給品投下は放送と同時に行うようにとキュラーが伝言してるけど、
何回目の放送で投下するかまでは自由に決められたはず。
まあヴォルマルフが命令無視したら意味のない話かもしれないけどな。

話は違うけど、他ロワとかでサモンが参加してても「サモンナイトはよく知らないけど〜」みたいな
コメントを見かけるたび少しへこむわ。SRPGとしてやキャラゲーとしては少しは有名だと思ってたんだが…。
653助けて!名無しさん!:2008/09/26(金) 19:02:24 ID:wd1ZDuP1
FEは息が長いが最新作の風当たりが強すぎる…。
古すぎる作品だと懐古厨扱いだし、封印・烈火が一番無難なのだろうなあ。
FEロワなんかあれば桃源郷なんだが。
654助けて!名無しさん!:2008/09/27(土) 14:37:12 ID:E/12sg0N
えいッス。おりゃッス。とりゃッス。

誰もいないので踊ってみたッス。
このロワ内だとサモンナイトとディスガイア知っている人が多くて、
逆にFEとTO知っている書き手や読み手が少ないかな?
655助けて!名無しさん!:2008/09/27(土) 18:34:44 ID:v1UeN2GJ
>>654
ニア持ち上げる
――――――――
ニア投げる

俺はディスガイアとFE(暁と蒼炎除く)、TOは経験済み。
でも、サモンナイトはクラフトソードしかやったことない…
656助けて!名無しさん!:2008/09/27(土) 21:55:31 ID:v1UeN2GJ
現在、過疎ロワチャットやってます。
興味があったらどうぞ。

ttp://yui.at/ch/chat1.cgi?parorowa
657助けて!名無しさん!:2008/09/27(土) 22:53:35 ID:LBggm0Io
>>654
つかんだガム

俺はサモンナイトは据え置きを全部プレイかつクリアして、最近PSPでディスガイアを買ってプレイしているところかな。
FEは今のところ暁が手に入らず苦戦中。TSにいたってはここに来るまで存在すら知らなかった…。
658助けて!名無しさん!:2008/09/29(月) 08:29:04 ID:Yvi4ysjF
身の程を弁えよッス。(声:間島淳司)

こうやって聞いてみると、暁の把握率がダントツに低くてヤバいです。
659助けて!名無しさん!:2008/09/29(月) 12:47:02 ID:UHgr6A1/
スレの雰囲気からFFTとTOは認知度高そうだなとは思ったけど、有名どころのFEが低いのは意外だったな。
ずっと先の話になりそうだけど、もし第2回とかあったら、印付き組とサモン4の境界種組を絡めてみたい。

それと、最近ディスガイア3の攻略本見たら、バールがキノコだったんですけど、もし首輪爆発したら傘だけ吹っ飛ぶんだろいか・・・。
660助けて!名無しさん!:2008/09/29(月) 17:39:31 ID:Yvi4ysjF
じゃあFE優先でキャラは掘り下げたほうがいいな。
バールは1準拠ではないかと。傘がぶっ飛んだバールなんて物凄く弱そうだし。

まあ全てがディスガイア世界に会わせる形だと漆黒の騎士やヴァイス、イスラなんかが大変なことになるし。

黒くて馬鹿デカイすかしたプリニー、ヘタレ顔した小悪党プリニー、生白い体色で鬱気味のシスコンプリニー…。
正直、付き合うアティやアズリアがフリーズすると思うが。
661 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/29(月) 21:33:17 ID:p0A7NsNk
仮投下から暫く音沙汰がなくて申し訳ありませんでした。
問題がなさそうなので、このまま本投下します。
「ほらほらー早くしなさいよー!」

城の外に広がる草原に立っているエトナは、窓から降りようとしているレシィを急かす。
彼女等は窓から逃げていったガフガリオンが持つ剣を手に入れる為に、後を追いかけることにしたのだ。

「ま…待ってください…よっと!」

軽い身のこなしで地面に降り、エトナの隣に発つ。周囲を見回しながらレシィの到着を確認したエトナは、
城から真っ直ぐ北の方角へ向けて指差した。

「さっあのじいさんから剣をふんだく…取り返すわよ!!」
「は…はいっ!」


ガフガリオン探索は、匂いを辿る事のできるレシィを先頭に進む事にした。メイトルパの亜人である彼には、
センサーを持つロレイラルの機械兵士や魔力を感じ取る事のできるサプレスの天使達のように、探索に適した能力がある。
しかし、歩けども歩けども目的の人物の姿は見えない。自分達の足はそんなに遅くない筈なのだが、どうやらあの老騎士の足は思いの外早いらしい。

「……匂いはそれほど薄くはなっていないのに、全然姿が見えませんね」
「はぁー…ったくあのじじいどんだけ足速いのよ。なんだかだれてきたなー」

エトナがいかにもだるそうに手に持った斧をぶらぶらさせながら、匂いを辿るレシィを見つめる。
(匂いで後を辿れるっていうからやってもらっちゃあいるけど、よくよく考えるとこれって結構キツイことやらせてるのかな?
じじいの加齢臭なんて嗅がせて犬のように使うとか…まああたしは別に心が痛むわけでもないし、プリニー共にやらせてることに比べたら
大したことないんだけどさぁ…つかこれってなんか主人と家来というか、警察犬と女刑事みたいな感じ?こういうのフロンちゃん好きかなー
…いや、フロンちゃんはもっと百合的なものの方がいいかな?例えば悪の女幹部に捕まった正義のヒロインがあんなことやこんなことされるのとか…)
エトナが色々と頭を回転させていると、彼女に対する恐怖心が和らいだのか、レシィが話を切り出してきた。

「…ところで、エトナさんってこの殺し合いに乗ってる…んですか?」
「んー?……んー」
レシィの質問に対して、気のなさそうな言葉を返しながらエトナが沈黙する。それほど長い時間ではなかったが、
レシィにすればとても長い時間に感じられた。…もし彼女が殺し合いに乗っていると言ったらどうしようかと。
自分と同じマグナの護衛獣である彼女を相手に戦わなくてはいけないのかと…。
そんな心配を他所にエトナが発した言葉は、彼の想像を脱していた。

「…まぁ、ぶっちゃけどうでもいいのよねー」
「え…?」

この殺し合いの舞台で出会った人物は、誰もが殺すか殺されるかの緊迫した状況に気を引き締めていたのに、
彼女の言葉と態度にはそんなものが微塵もなかった。まるで暇つぶしでやってるゲームに出てきた特に重要でもない選択肢
を選ぶかのようだった。

「あたしとしては死にたくないからゲームに乗るっていうのもありかなとは思うけど、あのおっさんの思い通りに動くのも癪だからさー…
 だから適当に流れに乗って、面白そうな方につくってことにしたわけ。」
「は…はぁ…。じゃっじゃあ面白ければ、殺し合いをしたりしないんですよね?」
「そーなるのかしらね。でもあたし自身殺されるとか嫌だから、どっか適当な奴から武器を貰って自衛でもできるようにしたいなと思ってさ。
 一応手に入れたはいいんだけど、どれもイマイチなのよねー。そこで、あのじじいの持ってった殿下の剣をゲットしようってわけよ。」

確かに、この殺し合いで生き残る為にはある程度の武器は必要だ。レシィのように格闘術に長けている人物なら武器なしでも多少はなんとかなるが、
参加者がどれも並の実力の持ち主ではないので、自身の強化の為に武器を求めるのは当然の考えだった。

「で…でも、僕はご主人様の剣はご主人様に返したいんです。ガフおじいさんにだって、ご主人様と会うまで貸すだけだったんですから。
 エトナさんにもあげるわけにはいきません。」
「はあ…あんたって本当に殿下にちゅーじつなのね。(ホントに悪魔かよコイツ…)でもあのじいさん返す気ないんじゃない?武器が手元にそれしかない以上、
 どんなことがあっても手に入れるでしょ?貸し借りの話だって適当に嘘いってんのよ。実際あんた置いてあたしから逃げたし。」
「うぅ……」
「まあ今はぐだぐだ言ってないで、とっととじいさんから剣取り返すのが先よ。ほら行くわよ!もう陽が沈みそうだしね!」

まだ色々と言いたかったレシィだったが、エトナに急かされたので再び匂いを辿る事にした。
しかし老騎士を見つからず、未だ誤解だらけの関係に気付く事はなかった。
時刻はまもなく午後6時。
第一回目の放送が始まると同時に、殺人級の悪臭にレシィが悲鳴を上げるのは、それから数分後の事であった…。

【C-3/平原/1日目・夕方】



【レシィ@サモンナイト2】
[状態]: 健康 、歩き続けによる疲労(小)、刺激臭で鼻が痛い
[装備]: サモナイト石[無](誓約済・何と誓約したものかなど詳細は不明)@SN2or3
[道具]: 支給品一式(1/2食消費) 碧の賢帝(シャルトス)@SN3 死者の指輪@TO 生肉少量
[思考]1:な…なんですかこの臭い!!
   2:ガフおじいさんを探す
   3:ガフおじいさんから剣を返してもらう
   4:殺し合いには参加せず、極力争いごとは避ける。



【エトナ@魔界戦記ディスガイア】
[状態]:健康 、歩き続けによる疲労(極小)
[装備]:手斧@暁の女神、クレシェンテ@タクティクスオウガ、エクスカリバー@紋章の謎
[道具]:支給品一式(1/2食消費)(道具・確認済み)
[思考]1:ん、どうかした?
   2:魔剣良鋼が欲しい。
   3:適当に弱そうな奴から装備を奪う。出来れば槍か斧が良いが贅沢は敵だ
   4:優勝でも主催者打倒でも人助けでも、面白そうなこと優先 (とりあえず暫くは主催打倒でいいかも…)
   5:ラハールや中ボスが気になるが、特に会いたいとも思っていない
   6:レシィを家来にする。家来を増やすのもいいかもしれない。
665 ◆b1F.xBfpx2 :2008/09/29(月) 21:47:56 ID:p0A7NsNk
投下終了です。じじいは可哀想なのでタイトルも変更しました。

それにしても、このロワって首輪取得率低いですよね。死体に出会ってるナバール組や、
そのナバールの死体を発見したパッフェルさん、そして死体収拾してるニバス先生も首輪取ってないし
ムス太の死体も首輪回収する前に潰したし…。ちゃんと回収してるのはアル魔くらいかな?
666助けて!名無しさん!:2008/09/29(月) 23:25:13 ID:Yvi4ysjF
デニムを忘れてますぜ、殿下。

あとはカーチスとタルタロスが首輪欲しがってます。
そのうち加速する事になると思うけど。

ともあれ乙です。じじい捜索隊の方がタイトル的には好きだったのですが…。
仕方ありませんなW

ただし、その剣をふんだくろうとしているじじいはただの加齢臭ただよわせてるじじいじゃない。
煮ても焼いても喰えそうにない、カラスと同レベルのしたたかじじいだ。
667助けて!名無しさん!:2008/09/30(火) 02:19:53 ID:eSeH7Uoq
>>665
投下乙。
それと、パッフェルさんやニバス先生は状況的に首輪回収不可能かと。
パッフェルさんは刃物持ってないし、ニバス先生はソノラがいるから持っていると怪しまれる。
668助けて!名無しさん!:2008/09/30(火) 19:27:48 ID:MLdGpitw
大丈夫かとは思いますが、アイクで予約入れます。一週間ほど待ってください。
669助けて!名無しさん!:2008/09/30(火) 22:23:26 ID:Fdidxbby
久しぶりの投下予約、期待していますw
自分としてはニバス先生は別に首輪の事は大して気にしていないって感じですね
670助けて!名無しさん!:2008/10/03(金) 23:23:31 ID:jFUQL+8t
現在位置確認で久々にMAP見たけど全然変ってません。
Wikiの更新はまだまだ先ですか?

ショボーン
671助けて!名無しさん!:2008/10/03(金) 23:41:41 ID:vah1gzG/
更新できる人がやればいいんだけど、いまいちマップの編集の仕方がよくわからないんだよな。
第一放送も近いし、参加者も結構移動してるからそろそろ更新が必要な時期ではあるんだけど…。
672wiki:2008/10/04(土) 08:34:53 ID:OdsTpgaF
ごめん、俺それのやり方がわからないんだ、ごめんねorz
前はマップ職人の方が度々更新してくれたんだけど、スキルが足りなすぎる…
673助けて!名無しさん!:2008/10/04(土) 12:40:43 ID:e2aecehr
ttp://www9.uploader.jp/user/yosuke/images/yosuke_uljp00016.png

結局一時間以上かかってしまった……。
Wikiにアップしようと思ったのですが、1M制限のためできず。
Wiki管理人様、よろしければFTP機能で代わりにアップしていただけないでしょうか?
674助けて!名無しさん!:2008/10/04(土) 19:26:26 ID:Rh94e8LS
編集お疲れさまです。
Wikiは感想付きにくいから、更新に虚しさ感じることも多いのですが、
こうして他にやってくれる人多いと有難いしやる気もわきます。
675wiki:2008/10/04(土) 20:51:33 ID:OdsTpgaF
ごめん、FTPまではあげれたんだけど(多分)、
そのあとがさっぱり理解できない。
あれをwikiに反映するのはどうやるか助けてくださいorz
676助けて!名無しさん!:2008/10/04(土) 22:16:55 ID:cbVJmnT3
アップロードファイルをもつページ一覧
ttp://www36.atwiki.jp/srpgbr/?cmd=upload&act=listpage
に無いから正常にUPされてないように思えるけど
FTPでUOされたファイルはやり方違うのかな?
677wiki:2008/10/04(土) 22:44:06 ID:OdsTpgaF
う〜ん、なんだかFFFTPだの一時保管だの意味が分からない。
ヘルプを見てるけど頭が痛くなってきた。
勉強不足だわ、本当orz
678助けて!名無しさん!:2008/10/05(日) 00:19:54 ID:/VFPtRd9
ttp://www36.atwiki.jp/srpgbr/pages/88.html
暫定的に直リンしてみましたが、見れます?
うpろだは自分で登録したものなので、問題なければこのままで。
679wiki:2008/10/05(日) 17:00:16 ID:UC7CxUFy
すいません、無事に見れるようです。
FTPの接続まではいったんだけど、
そのあとの操作がちんぷんかんぷんの状態です。
本当に助かりました、ありがとうございます。
680助けて!名無しさん!:2008/10/05(日) 18:01:08 ID:6QXiVxAQ
pngの画像ファイルは容量大きくなるから、
作成するときはpngでやって、UPするときはjpgにすると1M未満になるよ
681wiki:2008/10/05(日) 18:47:23 ID:UC7CxUFy
>>680
その方法でやれば180kbまで容量を減らせる事を確認しました。
…ですが、だからと言って>>678氏の好意を無駄にする事もできませんので
取りあえず現在地はあのままの形で残させてもらおうと思います。


…あと、


誰だ、俺の事をばらした奴はw
682助けて!名無しさん!:2008/10/05(日) 18:48:09 ID:sbw05831
ごめんなさい。
諸事情によりアイクの予約を破棄いたします。

ところで、アルマもまだ昼過ぎから動いてませんね…。
683助けて!名無しさん!:2008/10/06(月) 09:23:56 ID:NoTYwidX
そういえば、まだwikiで紹介が不十分なキャラって誰がいます?
生きてるのだとエトナとネサラ、あとはアルマくらいのものだが。

アルマってロワの行動だけしか知らなければ台詞読んでも多分「嘘だッ!」ってなりそう。
684助けて!名無しさん!:2008/10/06(月) 17:13:24 ID:PxVZdZCH
ロワでの行動が行動なだけにねぇ…魔改造されてんじゃないかってくらい変わってるよ。
まあ実際死霊の指輪だかで魔改造されてはいるけどな。

アルマって一応あの思考や行動は指輪に後押しされているってことでいいんだよな?
685助けて!名無しさん!:2008/10/06(月) 19:24:00 ID:NoTYwidX
元がアルテマの器だから、ダークサイドの素質はあったと思う。
日頃の修道院での生活で押さえつけられていただけで。
それが環境と指輪の力で大きく才能が開花されたと考えてます。
だから今更指輪外しても性格は元には戻らんと。


○チガイに刃物、でしょうなあ。聖石みたいなもので、あくまで触媒ではないかと。

しっこくにガウェインの剣技、ウィーグラフに聖石アリエス、イスラに紅の暴君みたいなもの。
686助けて!名無しさん!:2008/10/07(火) 12:02:08 ID:GqBw5gCD
なるほど。それじゃあロワの間ずっとあのままって事か…ラムザカワイソス。
現在位置からしてラムザかアグリアスに会う可能性もあるから、知り合いとの再開なるか?

ところで、そろそろ第一放送流してもいい気がするんだが。折角いくつか案も出てきてたんだし、
他のメンバーもそのまま放置でも問題ない気がする。マーダー姉弟は暫くあそこに留まってても
問題ないだろうし、ネサラやアルマも放送までそんなに大きな動きはないと思う。
まあ一番の理由は、自分が書けそうなキャラが全員放送直前に入ったから、早く続きを書きたいな
ということだけど…。

避難所にも書き込みがあったけど、プロット考えてて放送待ちの書き手って今どれくらいいるんだ?
687助けて!名無しさん!:2008/10/07(火) 13:56:52 ID:Fee+s6Ee
アルマはさらに酷くなってしまう可能性の方が高いからなあ。むしろどれだけ進化するかが楽しみでなりません。
アルマとアグか…。
今度は百合の華が二つ散るわけですねわかります。
688助けて!名無しさん!:2008/10/07(火) 15:23:21 ID:rHrwM8G1
ヤギ抜きでバッフェルさんと電波姉の女の対決を書こうと思っていた。


そう思っていた時期が俺にありました。

バッフェルさんをしらなすぎて書けねーーーー!!
689助けて!名無しさん!:2008/10/07(火) 17:06:34 ID:GqBw5gCD
>>687
天使×聖騎士×天使の清らかなる3Pですね。わかります。
もうアグ姐が百合キャラにしかならないという…。

>>688
「パ」ッフェルさんな?
何気にサモン勢で把握が面倒な部類のキャラだけど、書きにくいキャラではないと思うから
頑張ってみてはどうだい?

それにしても、放送後は一気に死亡フラグが立ちそうだな。戦場にいるアティ先生や
今にも殺されそうなマグナ、そしてマーダーなのに周囲の圧倒的な戦力差でヴァイス。
展開が加速するかもしれん。
690助けて!名無しさん!:2008/10/07(火) 17:38:44 ID:rHrwM8G1
>>689
ごめん、素でやってしまった…
ちょっと(嬉々として)お仕置き喰らってくるわ。
691助けて!名無しさん!:2008/10/07(火) 17:43:30 ID:Fee+s6Ee
電波姉とパッフェルさんのデニムを巡った百合対決もといキャットファイトですねわかります。
二人とも性格最悪だけと顔と体つきだけは最高だからな。

まあ微妙にアティてんてーに巻き込まれそうな堅物メガネやタルタロスに目をつけられたリュナンと慢心殿下もかなり危ない。

カーチスもゴードン組に誤解フラグだ立ちそうだし、安全地帯にいる者が一気に少なくなるのは良いことだ。
692助けて!名無しさん!:2008/10/07(火) 21:38:34 ID:GqBw5gCD
カチュアはともかくパッフェルさんは性格悪くないだろ。世渡りが上手なだけ。
パッフェルさんは行動方針的にカチュア達を見つけても接触はしないんじゃないかと思う。
カチュア側はマーダーだからどうだか知らないけど。

ネスティはアティ先生にというか、逃げてきたチキと馬鹿に見つかってそのままヴァイスを
引き寄せてしまいそうな気が…結局ピンチフラグだな。
殿下も実力はあるんだが相手がタルタロスかつ能力が大幅制限なのがきついな。
でもディスガイアの世界でメガファイアでも他作品では十分脅威となる威力は発揮するから
意外と大丈夫かも?ラムザもいるし。

今のところ一番安全なのはルヴァイド組、次いでイスラ組かな?前者は回復術持ちの聖騎士と
作中最強の前衛のいる固いチーム。後者は回復にやや難があるものの、全員接近戦を得意とする実力者揃いだから、
それなりになんとかなるかも。強いて問題を挙げるなら、戦闘能力が低いカトリがやや足手まといなのと、
放送後が不安なオグマ、そしてまともな武器がないアズリアくらいか?
693助けて!名無しさん!:2008/10/08(水) 19:23:59 ID:n2VxLcEe
Wikiを少しだけ更新しました。
あちらにカウンターってつけられないですかね?

実際に見られているかどうか不安です。
694助けて!名無しさん!:2008/10/08(水) 21:32:51 ID:6v8yR714
>>693
乙、紹介文増えて嬉しい限りですね。しかもTO勢だけ紹介文多くてワロタ。

カウンターに関してはわかりませんが、自分は結構頻繁に見てますよ。
695助けて!名無しさん!:2008/10/09(木) 08:42:54 ID:JNWoQAG5
>>694
書きづらい空気四天王をはじめとしてネサラも大分梃子入れしたのもお忘れなく。
とはいえ、歯抜けもまだまだ多いけど。アティは支給品枠だけがつい先日まで空欄になっていたのには笑った。

ティアサガは誰かやってください。
696wiki:2008/10/09(木) 08:49:08 ID:0/bCn4oU
…カウンター設置したよ。


携帯からwikiにアクセスした場合にトップページではなく
メニューに飛ぶように設定し直しました。
自分で使ってても面倒くさかったですからw
697wiki:2008/10/09(木) 08:53:43 ID:0/bCn4oU
統計少ねぇ〜!?って思うかもしれないけど
簡易カウンターだから設置してからのカウントになってるんでよろしく。

…だから凹んだりしないでね?
698 ◆b1F.xBfpx2 :2008/10/09(木) 22:59:40 ID:Lf6WmlI0
>>697
お疲れっス。まあ設置したてだから少ないのは仕方がありませんよね。
これからどんどんカウントが増えて、賑わっていくことに期待しましょう。

というわけで、放送までの繋ぎとしてアルマを予約します。
書き始めたばかりなので多少時間はかかると思いますが、なるべく早く書き上げられるように頑張ります。
699助けて!名無しさん!:2008/10/10(金) 07:45:56 ID:b9b1aQDZ
実は自分もアル魔考えてましたが、矛盾点が幾つかどうしても解決しなかったのでプロット公開に投下してきました。

つーか、パワフル過ぎるなこのアルマ…。
700 ◆ABrVpJavgg :2008/10/10(金) 13:45:18 ID:n72amyrk
ほとんどが放送前になりましたが、どうしましょうか?
このまま停滞しているのもアレなので、
以前試験投下した放送案ならすぐにこちらにも投下できますが……。
701助けて!名無しさん!:2008/10/10(金) 16:00:13 ID:iZPFiXAm
お願いします。そろそろ放送入れとかないと、他のキャラが全く動かせない状況ですからね。
多分過疎化の原因もこれだと思いますし…。
702第一回放送 ◆ABrVpJavgg :2008/10/10(金) 16:47:28 ID:n72amyrk
では、投下いたします。
703第一回放送 ◆ABrVpJavgg :2008/10/10(金) 16:48:32 ID:n72amyrk
 会場を照らす陽は沈み、夜が訪れた。生き延びた参加者たちにとっては、これからさらに厳しい状況となるだろう。
 いつ何時、殺人者に襲われるか分からない。闇は害意持つ者にとって絶好の潜伏場所だ。
 とくに単独で行動している者は常に周囲を警戒せねばならず、安んじて睡眠を取ることもできない。
 そして、参加者たちは他者と遭っても和を結ぶことが難しくなる。暗黒というものは往々にして人に不安と疑心を抱かせるのだ。
 時には、意志を同じくする者同士でもそれによって争いが生じてしまうこともある。
 だからこそ、面白いのだ。ヴォルマルフ口元を歪めて嗤いを漏らした。

『――諸君、これから第一回目の放送を始める』

 抑揚のない、非常に機械的な口調。
 ヴォルマルフは手元の文書に目を落としながら、淡々と放送事項を述べてゆく。

『まずは禁止エリアを発表する。

 ――B-4、E-4、F-8

 以上の三箇所だ。現在地が該当エリアの者は速やかに移動をせよ。
 ゲームを盛り上げるためにも、つまらん死に様は曝さなぬようにしてもらいたいのでな』

 一呼吸。これからが放送の“本命”だ。
 “脱落者”の名を聞いて、ある者は悲しみ、ある者は憤り、ある者は逆に意志を硬くするかもしれない。
 どうであろうと、感情の高まりはヴォルマルフの思うところだ。絶望に至る時の“落差”こそが重要なのだ。
 先と同じように平板な声色で、ヴォルマルフはゆっくりと口を開いた。

『続いて、ゲーム開始からこれまでの死者の発表をする。

 ――アメル、オイゲン、シーダ、シノン、ティーエ、ナバール、ビジュ、ベルフラウ、マルス、ムスタディオ、リチャード

 以上、11名。開始から12時間で約1/5の死者――なかなかだ。このペースでゲームに努めてもらいたい』

 絶望感こそ、己の野望への捷径。殺し、殺されよ。報い、報われよ。血で血を洗い負の気を精製するのだ。

『これにて第一回放送を終了する。さあ――殺し合いを再開せよ』
704 ◆ABrVpJavgg :2008/10/10(金) 16:53:44 ID:n72amyrk
投下完了。
放送後で展開の大きそうなのは戦闘継続中のC-3村組みとE-2城組みですかね。
とくに前者は血みどろ……。
705助けて!名無しさん!:2008/10/10(金) 17:02:25 ID:iZPFiXAm
投下乙。村組って状態が状態だけに放送聞く奴いないんじゃね?と思ってしまう。
そして城組は放送で隙だらけのマグナが殺されそうだ。

それしても、ディスガイア勢とTO勢は半日経っても死亡者0とかどんだけwww
706wiki
一昨日覗いてた人の数が4人だったのに今日は…
ちょっと、これだけでも嬉しいわw

放送入りましたし、投下も内容以外は自重せずにいきますかねw