AAAキャラバトルロワイアルpart4

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469 ◆Mf/../UJt6 :2008/09/24(水) 01:33:43 ID:Z/Nuld9W0
たちまちロキは空中で跳ね飛ばされ、一気に地面目指して急降下を始める。
だがそのまま地面に激突を許すほど、ブラムスの拳は生温いものではない。
まるで瞬間移動でも行ったのではないかと錯覚するほどの超高速で、
ブラムスはロキの速度を超えるほどの勢いで急降下――足の下で闘気を練り固め、
その練り固めた闘気を足場として、一気に地面に降り立ったのだ。
なす術もなく落下してくるロキのどてっ腹に、二撃目のアッパーを見舞う。
ロキは最初の一撃を受けた時に倍加するほどの衝撃を受け、再度天に舞い上がる。
もしロキが結界を張ることを放棄していたなら、ロキの腹にブラムスの拳が槍のように突き刺さり貫通していただろう。
再度ブラムスもロキに合わせ、天に向けての跳躍。
打ち上げられたロキの体が最高点まで跳ね飛ばされた瞬間を見計らい、下段への掌打。
ロキは倍速で地面に吸い寄せられるが、その着地点にやはり先回りしていたブラムスは、
そこから三発目のアッパーカット。
宙に舞い上がったロキに向け、ブラムスは更に地上から追い打ちのアッパーカット。
吹き上がる緋色の闘気が、ロキの肉体をズタズタに引き裂いてゆく。
(奥義――!!)
ロキはこの瞬間、死を確信した。
次に来るであろうフィニッシュブローが炸裂すれば、この肉体に残されたDMEは僅かも残さずに削り落とされる。
そうなれば、待つのは死……おそらくは、魂すらも砕かれる!
ブラムスは右手に全ての闘気を集結させる。
渦巻く鮮血の瘴気がブラムスの周囲の植生を次々と枯死させ、そのただならぬ力の昂ぶりを示す。
フェイトは、エルネストは、この一撃の成功を祈り、目の前で大暴れする謎の怪人を見つめ続ける。
(カツラが――光っ……!!!)
魔界のそれを思わせる瘴気が間欠泉のように炸裂。
怪人の着けたヅラが、禍々しく輝く瘴気を受けてきらめくのを、ロキは見続ける羽目になる。
ロキの視界が、鮮血の闘気で埋め尽くされたその刹那――。
怪人は、突如転身。
このまま振り抜けば完全勝利は確定だったはずの拳を止め、ロキに背を向け走り出した。
(!!?)
ロキは混濁しかける意識の中、怪人の行いに驚愕し一瞬限りその脳裏に空白を作る羽目になる。
だがロキは、怪人の行った本来ならばありえない奇行(そもそもこの怪人ことヅラムスは、
本来ありえない奇行ばかりやってるじゃないか、というツッコミはこの際無視する)の理由を、すぐさまに理解する。
なるほど、確かにこれでは自身に叩き込もうとした、そのフィニッシュブローを止めざるを得ないわけだ、と。
空の一点から、迸る閃光。
そこから一気に広がる、渦巻く爆炎。
怪人は、その爆炎の中心点の真下にまで一気に走り込み、そこで本来ならばロキに炸裂させるはずだった、
フィニッシュブローを繰り出す。
緋色の闘気の間欠泉が、大地から吹き上がり、荒れ狂う。
本来ならばこの闘気の間欠泉に相手を巻き込むことで、怪人ことブラムスの奥義は完成するが、
ブラムスはそれでは足りないと即座に判断。
何とブラムスは自らが発生させた闘気の間欠泉に飛び込み、その噴出の勢いに自らの脚力を追加。
地上に残像を残すほどの疾風迅雷の跳躍と共に、全エネルギーを集約させたその右手で、渾身のアッパーカット!
「――ブラッディカリス!!!」
「スピキュゥゥゥゥゥゥゥル!!!」
地上から吹き上がった、闇の闘気。
天空より猛襲する、爆炎の流星。
二者は天と地の狭間で炸裂し、閃光が夜闇を引き裂く。
二者の衝突が巻き起こした烈風が周囲に広がり、轟音と衝撃波が沖木島の夜を揺らした。

   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇

辺り一面の林は、先の闇と炎の正面衝突で、更地の一歩手前にまで荒れ果てていた。
瘴気に触れた木は枯れ果て、熱気に晒された木は炭化した。
今この林を上空から見れる者がいたのなら、彼または彼女は林の一角が抉り取られ、
さながらクレーターのようになっていることに否応なく気が付くだろう。
「……まったく、随分と無茶苦茶な伐採作業もあったもんだな」
言うエルネストは先の爆風に巻き込まれるも、幸いにも後頭部などの急所を打つ事はなかった。
幸か不幸かロキが結び付けた縄のお陰で、爆風の巻き添えでどこかに吹き飛ばされることなく助かったのだ。
そしてそれは、フェイトにとっても同じこと。
「同感です、エルネストさん」
もしロキの縄が彼らの身を木の幹に繋ぎ止める事がなかったならば、今の爆風の拍子に死傷していたかも知れない。
470 ◆Mf/../UJt6 :2008/09/24(水) 01:34:56 ID:Z/Nuld9W0
先にそれに気付いたのは、フェイト。
(! そうだ……あれさえあれば!)
フェイトは尺取り虫よろしく、胴体を縮め、伸ばし、また縮め、で刃の欠片に近寄る。
エルネストもフェイトのその動きをもって、ストライクアクスの欠片の存在と、フェイトの意図を同時に呑み込んだ。
「なるほど、これはありがたいな……!」
あの刃で縄さえ切り落とせば、この身は晴れて自由。
しかもエルネストにとっては最高にありがたいことに、切り落とした縄をそのまま武器と出来る。
考古学者である彼の得意武器は、考古学者らしく鞭。
もちろんただの縄に武器としての品質を求めるのは誤った判断だが、それでも鞭として振るえる縄は、
あれば丸腰の何倍も心強い。
フェイトが、ストライクアクスの欠片にたどり着く。
同時に、フェイトとエルネストの耳を、聞き覚えのある怒声が強打。
「てめえ……俺様をナメてやがんのか!?」
という声が、ほんの数秒前にブラムスとロキの輪に乱入を仕掛けた男から発される。
灼熱をその武器としてまとう十賢者が一角……ミカエルが、その男の名前。
対するは……ヅラと仮面と袈裟と浣腸が印象的な、謎の不審者王。
仮面を着けたまま名乗ることなく、突如として彼らの前に現れたこの男の名は、
ブラムスであるなどとは露ほども知らぬフェイトとエルネストとミカエルは、「怪人」だの「変態仮面」だの、
彼を思い思いの仮名で呼ぶほか、選択肢を持っていない。
そして不審者王……ことブラムスは、闖入を仕掛けた第三者であるミカエルに、静謐な言質で応じる。
「愚問だな――我はひとたび戦場に立ったならば、たとえ我が敵が赤子であっても油断はしない……
我が貴様を侮る理由は、どこにもない」
「そういうことを言ってんじゃねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
ミカエルは怒りの余り、炎をまとった拳を地面に叩き付ける。
叩き付けた地面はたちまち赤熱し、飴状のガラスに変質。
フェイトとエルネストは、いかにミカエルが執拗な追跡をかけてきた自身らの敵であると認識はしても、
今回ばかりはミカエルに同意せねばなるまい、と各々の脳裏で考えた。
「だいたい何なんだてめえは!?
てめえは俺様が不意打ちでブチかましたスピキュールを真正面から受け止めて、
それでほとんど無傷だった、ってだけで十分いけ好かねえが――」
「あれで不意打ちを標榜するだと? 愚劣な。
あれほどにあからさまな殺気を撒き散らしての不意打ちなど、ただの無策の突撃も同然。
こうまで稚拙な攻め手では、仕留められる獲物にも逃げられるのが関の山だと――」
「うるせぇんだよこの野郎がぁぁぁぁ!!」
自らの意図せぬところで図星を突いてしまったブラムスに、ミカエルは激昂して拳を振るった。
不死者であるブラムスにとって、炎は可能であれば回避したい攻撃――聖属性に続き、二番目に苦手とする攻撃。
ましてやそれがミカエルほどの実力者から放たれるものであれば、直撃を受けることは出来ない。
だがブラムスにとって不幸なことに、ミカエルの拳は回避を試みるには余りに速過ぎた。
仏像の仮面に守られたブラムスの顔面に、ミカエルの正拳突きが炸裂!
「口ほどにもねえ野郎だった――あ?」
だがミカエルの拳が巻き起こした炎波が闇に溶け去った時、そこにブラムスの姿は無い。
代わって彼の姿は何と――
「……どこを見ている? 我はここだ」
虚空に突き出されたミカエルの拳の上に、見慣れぬ古ぼけた革製の靴が乗っている。
その上に立つ者は両目から赤い光を放ち、ミカエルを睥睨していた。
言うまでもなく、変態仮面その人……ブラムスである。
ミカエルの正拳の上に乗ったブラムスの靴が、蝶のように華麗に舞った。
続いて、ブラムスのその足はたちまち蹴撃を繰り出し、蜂のように苛烈にミカエルの顎を刺す。
ミカエルはたまらずにのけ反り、一方のブラムスは中空でその身を宙返りさせながら、軽やかに着地。
相手の出方を見ながら対応できる――そして望めば一瞬で0に詰め拳の間合いに出来る絶妙な距離をとり、
隙なくその拳を構え、ミカエルを見据える。
「てめえ……今何をしやがった!?」
口元からこぼれた血を拭いつつ、ミカエルは血走った目つきで目前の変態仮面を睨みつける。
ブラムスの答えは、実にそっけないものであった。
「貴様は今まで、聞けば手の内を教えてくれる愚か者としか戦ったことがないのか? 底の浅さが露呈するぞ、下郎め」
ぷつん、と何かが切れる音が、ミカエルから聞こえた。
2人の戦いを見守りながら、縄の切断作業を試みるフェイトは、一瞬そんな錯覚に捕らわれたような気がした。
「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 01:35:15 ID:V8pX6rxZ0
支援
472 ◆Mf/../UJt6 :2008/09/24(水) 01:38:15 ID:B0VrH3cZO
ケータイより失礼します。

猿ったので続きは避難所に投下しておきます。
どなたか転載を引き受けてくだされば幸いです。
473代理投下:2008/09/24(水) 01:51:52 ID:V8pX6rxZ0
ミカエルは再度、ブラムスに躍りかかる。
拳対拳の、零距離も同然の激戦。
双方が双方の拳を受け、脚を止め、肘を払い、膝をいなすそのたびに、いくつもの炸裂音と閃光が迸る。
「てめえはぜってぇブチ殺してやる! それが終わったら残りの3人もまとめて皆殺しだぁ!!
覚悟しやがれこのコスプレ変態仮面野郎!!!」
「温い――真の戦士であれば『殺す』などと発言する前に、相手を『殺して』いなければならん。
『殺す』などと吠える前にな」
ブラムスはミカエルの渾身の突きを受け止め、その反動で一気に間合いを取る。
基本の構えを崩すことなく、ブラムスは静かにこの乱入者の分析を行っていた。
(なるほど――どうやら我が先ほど用いた小細工の正体には気付いていないようだな。
小技でかき乱せば、決して渡り合えぬ相手ではないか)
ブラムスが先ほどミカエルの初撃をかわした際に用いた小細工……その正体は『分身(レヴェリー)』と呼ばれる、
戦士にのみ使用を許された秘技である。
闘気によって練り上げた分身を身にまとい、分身にその動きをトレースさせることで、
一撃で二撃分の攻撃を敵に与えるこの技は、使おうと思えばこのような小細工にも使えるのだ。
すなわちブラムスは、先ほど闘気で練り上げた分身をミカエルの前面に展開し、
ミカエルの拳がその分身にヒットした隙に、がら空きになったミカエルの上空に跳躍。
そのままミカエルの拳の上に着地し、挨拶代わりの蹴りを彼の顔面に見舞ってやった――
これが、彼が行った小細工の全容となる。
もちろん、ブラムスはその真相をミカエルに講釈してやるつもりはなど、未来永劫微塵もないのだが。
(とはいえ、第三者がここに闖入してくるなどという事態は、我にも予想外だ。
ましてやこの男は、本来の実力は我とそう大きく変わるものではない――いささか危うい状況と言わざるを得まい)
ブラムスはミカエルの放った炎波の軌道を見切り、それを紙一重でかわし可能な限り隙を作らぬよう努める。
ブラムスの背後で、顎の外れた褐色の肌の青年が涙目になりながら、
そのとばっちりから必死で逃れようとズタボロの肉体を引きずるが、ブラムスはそれに必要最低限の注意のみを払う。
(だが我の考えの至らなさを省みるのは後からいくらでも出来よう。
今なすべきは、この状況の俯瞰と、選び取るべき次なる一手の吟味だ。
ひとまずこの局面、我にとって最悪の事態は、この男とロキが結託し結果的に二対一の戦いを強いられる事だが、
『残る3人も皆殺し』と言ったこの男の姿勢から、それはまずあり得ぬ事態だろう)
ミカエルの言っていた「3人」の内訳は、言うまでもなくエルネスト、フェイト、ロキのこと。
もちろんこの宣言がブラムスの読みを狂わせるために放たれたブラフ、という可能性も皆無ではないが、
この男の性格からしてそれはあり得ない、とブラムスは読み解く。
すなわち、この男はクラースの存在には気付いていない。
(――しかし、結託をされずとも結果的に挟み撃ちにされる可能性は十分に存在する。
ロキもいつまで沈黙しているか分からぬ。消耗を避けるという意味でも、可能な限り短期決戦を図るべきだろう)
ロキに止めを刺すことさえできれば、一気に戦局は自身に有利なものとなる。それにはあと、拳打の一撃で十分。
だが残念なことに、この男ほどの手練を前にしては、その一撃を与える隙すら作り出すのは至難の業。
下手に背を向ければ、その瞬間大火力の正拳突きが自らの背に炸裂するだろう。
ロキに止めの一撃を与えることを牽制されるこの局面、結果的にミカエルはロキを防衛し、
そしてロキに回復の時間を与えているという構図になる。
474代理投下:2008/09/24(水) 01:52:25 ID:V8pX6rxZ0
この状態でロキがその顎を再度嵌め終え、魔術の詠唱を再び可能としたなら……
そしてそのタイミングが、上手いことミカエルの攻撃と同期してしまったなら……
いかに夜の帳が己の力を後押ししているとは言え、その挟撃で窮地に立たされる危険性は極めて高い。
そしてロキの側はミカエルの攻撃と魔術を同期させることくらい、やって来ない方がおかしいだろう。
たとえミカエルと急ごしらえの同盟を結ぶことはないとは言え、
漁夫の利に対する目ざとさに関して、ロキほど優れた者はなかなかいない。
敵の敵は味方ではないが、敵の敵を味方として利用することなら、いくらでも可能なのだ。
(……となると、クラースなるあの男が、どこまで機転を利かせて動いてくれるかが勝負か。
それがもし当てに出来ぬ事態となったならば――)
最悪の場合、撤退も計算に入れねばならない。ブラムスはそう状況を読む。
もちろん、クラースとの約束はエルネストとフェイトの救助。それと引き換えに、自身は情報を得ることが出来る。
しかしそれにこだわり過ぎて自身が命を落とすようなことになれば、元も子もない。
その場合は遠慮なくクラースとの約束を反故にし、この場は撤退する。
この判断を冷酷非情と糾弾することはもちろん可能だが、必要に応じてその冷酷非情な判断を容赦なく下せない者に、
王の座に着く資格は無い。
それは人間の王であれ、不死者の王であれ、変わらぬ真理である。
ブラムスはその帝王学にのっとって、遥かなる過去から現代まで、ただの一度も下克上の憂き目に遭うことなく、
己の居城の玉座を守り続けてきたのだ。
ミカエルの繰り出した三連続のジャブをいなしたブラムスは、攻撃をかわしざまにしゃがみ込みながらの足払い。
それが虚空しか切れなかったの感じたブラムスは、瞬間後方宙返りで一気に転身。
あと一瞬後方宙返りが遅れていたなら、ミカエルの繰り出した烈火で全身を包まれていただろう。
ブラムスはミカエルの拳の軌道を回避行動と並行して分析。この男の癖を伺うことにする。
(さて、どうしてくれたものか――)
沖木島の夜を、再度闇と炎が禍々しく彩った。
ついでに、淋しく光るブラムスのヅラも。
475代理投下:2008/09/24(水) 01:53:54 ID:V8pX6rxZ0
【D−2/夜中】
【クラース・F・レスター】[MP残量:70%]
[状態:正常]
[装備:ダイヤモンド@TOP]
[道具:薬草エキスDX@RS、自転車@現実世界、デッキブラシ@TOP、荷物一式]
[行動方針:生き残る(手段は選ばない)]
[思考1:目前の乱戦に対応(召喚術を使う? 先にフェイトとエルネストを助ける? それとも……)]
[思考2:ゲームから脱出する方法を探す]
[思考3:脱出が無理ならゲームに勝つ]
[現在位置:D-2北部、道から少し外れた森の中]


【ブラムス】[MP残量:75%]
[状態:変態仮面ヅラムスに進化。本人はこの上なく真剣に扮装を敢行中]
[装備:波平のヅラ@現実世界、トライエンプレム@SO、袈裟@沖木島、仏像の仮面@沖木島]
[道具:バブルローション入りイチジク浣腸(ちょっと中身が漏れた)@現実世界+SO2
ソフィアのメモ、荷物一式×2、和式の棺桶@沖木島]
[行動方針:情報収集(夜間は積極的に行動)]
[思考1:鎌石村に向かい、他の参加者と情報交換しながらレナス達の到着を待つ]
[思考2:敵対的な参加者は容赦なく殺す]
[思考3:直射日光下での戦闘は出来れば避ける]
[思考4:フレイを倒した者と戦ってみたい(夜間限定)]
[思考5:クラースの機転を期待しロキと目の前の男(ミカエル)に対処。あわよくば撃破する]
[思考6:最悪の場合、クラースとの『取り引き』を反故にし撤退する]
[現在位置:D-2北部、道から少し外れた森の中]
[備考:スキル『レヴェリー』で作られたブラムスの分身は破壊されました。
この戦闘が決着するまで、再度分身を生み出すことは出来ません]


【フェイト・ラインゴッド】[MP残量:80%]
[状態:左足火傷(戦闘にやや支障有り。ゆっくり歩く分には問題無し)ザイルで拘束中 気絶中]
[装備:無し]
[道具:ストライクアクスの欠片@TOP?]
[行動方針:仲間と合流を目指しつつ、脱出方法を考える]
[思考1:ルシファーのいる場所とこの島を繋ぐリンクを探す]
[思考2:確証が得られるまで推論は極力口に出さない]
[思考3:縄を切り、自由を得る]
[現在位置:D-2北部、道から少し外れた森の中]
[備考:参加者のブレアは偽物ではないかと考えています(あくまで予測)]

【エルネスト・レヴィード】[MP残量:100%]
[状態:両腕に軽い火傷(戦闘に支障無し、治療済み)ザイルで拘束中 気絶中]
[装備:無し]
[道具:無し]
[行動方針:打倒主催者]
[思考1:仲間と合流]
[思考2:炎のモンスターを警戒]
[思考3:縄を切り、自由を得る]
[現在位置:D-2北部、道から少し外れた森の中]

[備考]: フェイト、エルネストの装備と支給品はその場に放置されてます。
476代理投下:2008/09/24(水) 01:54:22 ID:V8pX6rxZ0
【ロキ】[MP残量:90%]
[状態:正常・自転車マスターLv4(ドリフトをマスター)
顔面が作画崩壊 顎関節脱臼 再起不能(リタイア)寸前 神生終了のお知らせ]
[装備:グーングニル3@TOP]
[道具:10フォル@SO、ファルシオン@VP2、空き瓶@RS、スタンガン、ザイル@現実世界、
首輪、荷物一式×2]
[行動方針:ゲームの破壊]
[思考1:レナス、ブラムスの捜索]
[思考2:見つけ次第ルシオの殺害]
[思考3:首輪を外す方法を考える]
[思考4:一応ドラゴンオーブを探してみる(有るとは思っていない)]
[思考5:痛みに耐えて顎を嵌め直す]
[思考6:この状況に対応する]
[現在位置:D-2北部、道から少し外れた森の中]
[備考1:現在顎が外れているため、これを整復するまで会話や呪文詠唱などはほぼ不可能です]
[備考2:なおロキは自分をフルボッコにした相手がブラムスだとは、今のところ気付いていません
(ただしブラムスの決め技「ブラッディカリス」を目撃して気付いた可能性もあります)]

【ミカエル】[MP残量:20%]
[状態:頭部に傷(戦闘に支障無し)、図星を突かれて逆ギレ]
[装備:ウッドシールド@SO2、ダークウィップ@SO2(ウッドシールドを体に固定するのに使用)]
[道具:魔杖サターンアイズ、荷物一式]
[行動方針:最後まで生き残り、ゲームに勝利]
[思考1:どんな相手でも油断せず確実に殺す]
[思考2:目の前の変態仮面野郎をブチ殺す]
[思考3:それが終わったら残りの3人(フェイト、エルネスト、ロキ)もまとめて皆殺し]
[思考4:狩場を鎌石村に変更]
[思考5:使える防具が欲しい]
[現在位置:D-2北部、道から少し外れた森の中]
[備考:デコッパゲ(チェスター)は死んだと思っています。]

68 : ◆Mf/../UJt6:2008/09/24(水) 01:44:16 ID:SsOv3JnA
以上で、本編の投下は終了です。

ちなみにこのSSのタイトルは
「今夜の沖木島は所により一時棺桶、その後に炎が降るでしょう。ご注意下さい」です。
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 01:59:57 ID:V8pX6rxZ0
代理投下終了

>>472
GJ
祝ヅラムス初戦闘。ロキざまーw
個人的にはミカエルに頑張ってほしいがMPが少ないからなぁ。
478名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 06:39:47 ID:BvtIKV8p0
>>472
投下GJ!
ヅラムスタオパイパイ式移動方する出来るとは…おそろしい子

それにレザードのやつなんてことをヅラムスに吹き込んでんだw
479名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 20:33:15 ID:rH4yRsx+0
>>472
投下GJ!
本文のネタも秀逸だが、ロキの状態とか題名がまた秀逸でお腹がよじれるかとwwwww
そしてついにヅラ、初戦闘
腐っても不死者王、体力を温存していた事を差し引いても恐ろしい事だ

それと1点ほど突っ込みどころを
フェイトとエルネストの状態表に気絶とあったけど、既に気絶状態から復活しているような……
480 ◆Mf/../UJt6 :2008/09/24(水) 21:15:19 ID:B0VrH3cZO
再度失礼します。今作の作者です。

>>479
ご指摘ありがとうございます。
実を言いますと、これ以外にも訂正すべき箇所を発見してしまいましたので、
時間が出来次第迅速にそれらの修正を行いたいと思います。
せっかくのSSを不適切な形で投下してしまいすいませんでした。
481 ◆Mf/../UJt6 :2008/09/25(木) 00:59:56 ID:zgNtVd920
お待たせしました。これらが修正点です。

@.>>468>>469の間に、以下の5行の文を追加。

超高密度の余り、鮮血と見間違えんばかりのつややかな緋色を帯びた闘気が現出し、ブラムスの右手を覆う。
ブラムスはその右手を、容赦なくロキの胴体に叩き込む。
ロキはまだ辛うじて途切れてはいない意識で、詠唱なしで展開可能な急ごしらえの魔力防壁を生み出すが、
そんなものは彼の身を守るためには、何の役目も果たしていないも同然。
ロキの結界を軽々突き破り、ブラムスの拳はロキにクリーンヒット。

A.>>469>>470の間に、以下の4行の文を追加。

フェイトはその可能性を想像し、ぞっとしない思いに駆られた。
彼らの近くで、小さな光。
ロキがブラムスに奇襲されたとき、取り落としたと思しきストライクアクスの欠片。
すでにその刃に熱はなく、すでにただの白刃に成り果てている。
482 ◆Mf/../UJt6 :2008/09/25(木) 01:06:45 ID:zgNtVd920
B.フェイト、エルネスト、ロキの状態表を以下のように修正。

【フェイト・ラインゴッド】[MP残量:80%]
[状態:左足火傷(戦闘にやや支障有り。ゆっくり歩く分には問題無し)ザイルで拘束中]
[装備:無し]
[道具:ストライクアクスの欠片@TOP?]
[行動方針:仲間と合流を目指しつつ、脱出方法を考える]
[思考1:ルシファーのいる場所とこの島を繋ぐリンクを探す]
[思考2:確証が得られるまで推論は極力口に出さない]
[思考3:縄を切り、自由を得る]
[現在位置:D-2北部、道から少し外れた森の中]
[備考:参加者のブレアは偽物ではないかと考えています(あくまで予測)]

【エルネスト・レヴィード】[MP残量:100%]
[状態:両腕に軽い火傷(戦闘に支障無し、治療済み)ザイルで拘束中]
[装備:無し]
[道具:無し]
[行動方針:打倒主催者]
[思考1:仲間と合流]
[思考2:炎のモンスターを警戒]
[思考3:縄を切り、自由を得る]
[現在位置:D-2北部、道から少し外れた森の中]

[備考]: フェイト、エルネストの装備と支給品はその場に放置されてます。

【ロキ】[MP残量:90%]
[状態:自転車マスターLv4(ドリフトをマスター)
顔面が作画崩壊 顎関節脱臼 再起不能(リタイア)寸前 神生終了のお知らせ]
[装備:グーングニル3@TOP]
[道具:10フォル@SO、ファルシオン@VP2、空き瓶@RS、スタンガン、ザイル@現実世界、
首輪、荷物一式×2]
[行動方針:ゲームの破壊]
[思考1:レナス、ブラムスの捜索]
[思考2:見つけ次第ルシオの殺害]
[思考3:首輪を外す方法を考える]
[思考4:一応ドラゴンオーブを探してみる(有るとは思っていない)]
[思考5:痛みに耐えて顎を嵌め直す]
[思考6:この状況に対応する]
[現在位置:D-2北部、道から少し外れた森の中]
[備考1:現在顎が外れているため、これを整復するまで会話や呪文詠唱などはほぼ不可能です]
[備考2:なおロキは自分をフルボッコにした相手がブラムスだとは、今のところ気付いていません
(ただしブラムスの決め技「ブラッディカリス」を目撃して気付いた可能性もあります)]


以上です。
それでは。
483名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 11:47:27 ID:hiFsaGOz0
空気王ブラムスの初戦闘・・・ktkr!!!!!!!!!
ロキは冷静になればさすがに気づきそうなもんだがどうなるかな
484名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 21:01:38 ID:au1GG8X/0
>>483
奴は空気じゃないと思うんだ……(姿的な意味で
彼を空気といったら、みんな空気になってしまう/(^o^)\
485名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 22:00:42 ID:EhKKo3QYO
VP組は大好きだから死なないでほしい!

あー楽しい♪♪♪
今後も楽しみすぎる♪♪♪
486名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 00:05:29 ID:Tk1GCFNe0
◆Mf/../UJt6氏の軌跡
1.27話にて本ロワ初投下。ご存知みんなのアイドルヅラムスを生み出す。

2.長き沈黙の果てに90話にてヅラムスを変体仮面ヅラムスに進化させる。

3.101話3作目にしてヅラムス以外を初めて書く。更に本編中にネタを散りばめながらのヅラムスの大活躍を描く。

クオリティー高すぐるw

487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 17:12:47 ID:w8zJd2g00
101話の作者こと◆Mf/../UJt6氏に業務連絡です
Wikiに話を収録しようとしたところ分割しないと収まりきらなくなってます
どこで分割をご希望かのご連絡をお待ちしております
488 ◆Mf/../UJt6 :2008/09/26(金) 17:31:10 ID:dZS+A4osO
それでは、もう一度だけ登場します。

>>487さん
それでは、>>469のスピキュールとブラッディカリスがかち合って大爆発! のシーンを境に、
前後編への分割を希望します。

wikiの編集、どうもお疲れさまです。それでは。

PS それから話は変わりますが、
そろそろスレの容量もキツキツになってきたみたいなので、
次スレへの引き継ぎを検討してもいい時期かもしれません。
489487:2008/09/26(金) 18:33:03 ID:w8zJd2g00
>>488
すみま……せん_| ̄|○
できる限り容量を減らしたのですが、前半部分が後2KB弱多いと怒られてしまいました
区切り候補点をもう1度お願いします

畜生、あと少しだったのに……ッ!
490 ◆Mf/../UJt6 :2008/09/26(金) 20:05:00 ID:dZS+A4osO
>>489
では、>>467の、クラースが上空から急襲するミカエル(のスピキュール)を目撃したシーンで、
区切りをお願いします。
491487:2008/09/26(金) 22:31:37 ID:fdLdS0h60
ID変わっちまいましたが……

何とか編集できました、お騒がせしてすみませんでした
とりあえずこれで名無しに戻ります
492名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 16:56:21 ID:PjhbSzG0O
やっと書き込めた……何だよタンパンマンって……


>>472
投下GJ!
ヅラムスつええええええ!!
力任せじゃない辺りにも格を感じるなあ……
ギャグとバトルを同時にこなすとかチートっていうレベルじゃねーぞ!
カツラがカレーよろしく光った時はたまらず吹いた
しかし文章力がすごい……
ただただGJと言わざるを得ない
493 ◆wKs3a28q6Q :2008/09/28(日) 17:22:53 ID:PjhbSzG0O
どうも、レナス組とガウェインを予約していた者です。
今回首輪考察ネタを書いていたのですが、推敲時に致命的ミスが発覚いたしました。
何とかならないかなと頑張ってみたもののちょっと厳しそうなので、とっくに期限は切れてしまっていますが、改めてレナス・レザード・ソフィア・クリフ・ガウェインの予約を破棄させていただきます。
長期に渡るキャラの拘束および度重なる破棄申し訳ありませんでした。



何度も読み返したのに見落とすとか何やってんだろうね俺……
そしてふと思ったんだけど、wikiにルシファー関係で明らかになったことをまとめたりしていいだろうか?
レオン組・レザード組が平行して行ってるし、あると便利かなあと思うんですが。
494名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:53:13 ID:KPaGv6+PO
ウボアーっっ!ショック!!
変態御一行楽しみにしてたのになぁ泣
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 00:44:35 ID:JzjwPByo0
>>493そうですか、予約破棄は残念です。次回作に期待。

まとめはあれば便利といえば便利ですね。最近あったのだと首輪の中身とか、フェ、マリ、ソフィの制限とかでしょうか。
496 ◆Zp1p5F0JNw :2008/09/29(月) 22:16:31 ID:xfN6se7e0
予約期限すぎてしまいましたが投下します。
お待たせしてスイマセン。
497くそむしテクニック ◆Zp1p5F0JNw :2008/09/29(月) 22:17:24 ID:xfN6se7e0
「いつまで泣いてやがんだよ!」
ガブリエルとの戦いが終わっても泣き止む気配の無いプリシスにアルベルは苛立つ。
とりあえずいつまでも外にいるのは危険と判断し、引き摺るように民家へ連れて行ったのではあるがこの有様である。
アリューゼ、ディアス、そして無人くんと仲間が目の前で死んだのだから悲しいのは分かるが…。
(仲間が死んで、ね…。ケッ、くだらん)
思い浮かんだ感情を自ら打ち消す。
このまま泣かせっぱなしでは埒が明かない。プリシスにはさっさと首輪解除の為に働いてもらいたいのだが。
しかし口を開けば罵詈雑言が飛び出すアルベルには、プリシスを上手く慰める事は不可能に近かった。
事実先程からアルベルなりに泣き止ませようとはしていたのだが全く効果が無い。
(やれやれ、やってられん)
現時点でプリシスを何とかするのは困難と判断したアルベルは腰を上げ、民家の外へ出ようとする。
その時今まで泣いてばかりだったプリシスから声がかかった。
「…どこ行くの?」
少し不安そうな口調。こんな凶悪な男でもいなくなると寂しいものなのか。
「あいつらそのままにしとくのも気分が悪いだろ」
その問いに対し、アルベルは振り返らずに答えて民家を出て行った。



アルベルが向かったのは先程ガブリエルと戦った場所だった。
そこにはあるのは瓦礫の山に埋もれたままのディアスの遺体。
「ったくよ、偉そうにしてた割にはこのザマかよ」
悪態付きながら瓦礫をどけ、ディアスの遺体を背負って引っ張り出す。
「ま、あの訳の分からん翼野郎を倒せたのはお前の功績もあるからな。こんくれーはしてやるよ」
瓦礫から離れ、地面が土になっている場所まで来ると一旦遺体を降ろす。
「剛魔掌!」
左手にオーラを纏わせて地面を殴りつけると、1m程の深さの穴が開いた。
同時に負傷していた左腕に痛みが走るがこの程度問題無い。
無残な状態となった背中を隠すように、ディアスを仰向けにその穴の中へと入れた。
「精々、成仏しろや。ま、それは無理か」
上から土を被せて穴を塞ぐ。
ここにディアスの使っていた剣でも突き刺しておけば墓らしくなるだろうが、剣はこの状況においては非常に有用な武器だ。
言い方は悪いが剣を無駄遣いするという事は避けたい。
埋葬してやっただけでもありがたく思えよ、とアルベルは土の下のディアスに言った。
「ん…?」
ふと足元を見ると、短剣が一本転がっている。
そういえばディアスの奴が短剣を一本持っていた。恐らくそれだろう。
「こりゃあ…確かあの野郎も」
やけに見覚えがあると思い拾い上げてみると、その短剣は以前ネルが使っていた短剣だった。
「まあんな事は関係無いが…こいつも貰っておくぜ」
別にお前らの分まで戦ってやるって訳じゃねえ。使えそうだから貰っておくだけだ。文句あるか?
ディアスの埋葬を終えたアルベルは、もう一人の戦死者の所へと向かう。
その男アリューゼは十数本もの矢をその身に受けながらも、今もその場に立ち続けていた。
「てめえは気に入らねえ奴だったが中々の腕っ節だったな。それに免じてちったあ弔ってやるか」
そう言ってアリューゼに刺さったままの弓を引き抜く。
全て引き抜いた後、アルベルはあえてアリューゼをそのままにしておいた。
立ち往生したその姿に、同じ武人としての誇りや気迫を感じて。
…まあ、彼の持っていた支給品はちゃっかり頂戴しておいたが。
498くそむしテクニック ◆Zp1p5F0JNw :2008/09/29(月) 22:18:20 ID:xfN6se7e0
プリシスの待つ民家へ戻りながら、アルベルは心に沸いた疑問について考えていた。
思えばこの場に連れて来られてから、彼はある種の違和感を感じていた。
最初に感じたのは、ラブレターなどというふざけた支給品を掴まされた時…では無く。
氷川村へ向かう途中、女性の死体を発見した時だ。
――俺は戦場で死んだ奴に情けをかけるような奴だったか?
以前の自分ならそんな物には目もくれ無かった筈だ。
なのにあの時といい、今といい。死者を弔うという摩訶不思議な行動に自分は出ている。
それだけでは無い。
放送でネルやロジャー、スフレといった面々の名前が呼ばれた時に感じた怒り。
連中は知り合いとはいえ利害の一致で共闘したまで。ネルに至っては元々敵対関係にあった人物だし、共に行動している間も互いにいがみ合ってばかりだった。
何故そんな奴らが死んだだけで自分は憤りを感じたのだろうか?
戦場で頼れるのは自身の力のみ。他者と助け合ったり馴れ合ったりなんぞ、力の無いクソ虫共がやる事だと思っていた。
しかしフェイト達と戦い、この殺し合いでもディアス達と行動していた今の自分は、かつて自分が弱いと思っていた人間そのものだ。
ならば自分は弱くなったのだろうか?
それでもフェイト達と会う前の自分が、今の自分よりも強いとは到底思えなかった。
その矛盾がアルベルの苛立ちを余計に大きくさせる。
(くそっ、むかつくぜ。ここらで一暴れしてえ所だが…)
だが今のアルベルにはもう一つやらなければならない事があった。
プリシスがいる民家のドアを乱暴に開けると、未だ座り込んだままのプリシスに声をかける。
「おい、ガキ」
プリシスの体が少し動いたような気がするが、明かりも点いていない夜の屋内では目の前の人物の様子もよく見えない。
「俺は今からレオンとレナっつー奴らを探す。見つけたら連れて戻って来るから、てめえはこの建物にいろよ」
「レナと…レオン……」
「そうだ。ディアスの話だと東に向かってるらしい。今から追って連れ戻してくる」
それだけ言って、アルベルは再び建物を後にする。
早いとこ二人を連れ帰って、そいつらにプリシスを叱咤激励させて首輪の解析を進めてもらわなければならない。
(あくまで、俺の首輪を外して怪我を治療してもらう為だ。ディアスの為でも、ガキ共が心配な訳じゃねえし、ましてや早くメイド服が見たいからでもねえ)
誰に言っているのか分からないが心の中でのみ呟く。
そして、東へ向かおうと数歩歩き出した時だった。

「待って…」
民家のドアが開き、中からプリシスが姿を現す。
「あたしも行くよ。レナやレオンを探しに」
涙声では無くはっきりとした口調。まだ目に涙は残っていたが、頬にはもう流れていない。
「ああ?てめえなんぞ足手まといだ。そこで首輪についてもう少し調べてろ」
アルベルがそう言うと、プリシスはその言葉を予測していたのかメモ用紙を渡してきた。
「調べてみたけど、あたしにはよく分からないし…」
(あたしに調べられる事は調べた。これ以上の解析はレオンの協力が必要)
言葉とメモの内容の違い。恐らく盗聴器とやらを警戒しての行動だろうが、こうした事ができている辺り冷静な思考が出来るようになっているのかもしれない。
「それに、アルベルの言う通りだった。いつまでもこうしてる場合じゃないし」
「…いいのか、ホイホイ着いてきて?俺は殺し合いに乗ってない奴でも構わず喧嘩売っちまうような男なんだぜ?」
わざと意地が悪い事を言ってみる(勘違いされまくってる事も考慮してるので強ち意地悪でもないが)。
それにプリシスとアルベルが出会ったのは二時間も前の事では無いし、その出会いも最悪の形だった。安心して信頼できる、とはまだ言い難い。
「大丈夫よ。そしたらあたしが力づくでも止めてやるから!」
だが、プリシスはもう怯んでいない。力強いその答えにアルベルも僅かな笑みを浮かべた。どうやら立ち直ったようだ。
「けっ、好きにしな」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
499くそむしテクニック ◆Zp1p5F0JNw :2008/09/29(月) 22:19:43 ID:xfN6se7e0
時間を遡る事一時間、時間にして午後七時。
レナが目を覚ましたのは丁度その時刻だった。
ディアスに言われた通り、レナを背負ってレオンはI-07を横断していた。
「うぅん…あれ、私……ってえ!?レオン!?」
「あっレナ姉ちゃん、目覚めたんだね!」
「え、えっと、これはどーなってるの?私確か、レオンの治療をして…それで、ええと…」
「レナ姉ちゃん、僕を治療してくれたの?あ、いや今それは関係無いか…」
とりあえず、レオンはレナに降りてもらう事にした。正直彼女を背負って走るのは相当にキツい。
だがレナ姉ちゃん意外と体重あるんだね、筋肉質なの?などとはさすがに聞けない。
「ごめん。とにかく急いでるから、悪いけど走りながら話そう!」
レナを降ろすと、レオンはすぐに走り出す。レナもまだ意識が完全に覚めては無いものの彼に並走した。
「聞きたい事は沢山あると思うけど…まず何から…」
「えーっと…じゃあまず、その服は一体どうs」
「…これは聞かないで。自分でも分からないんだよ…」

走りながらレオンは伝えるべき事を簡単に伝えた。
どうやら自分は気絶していて、目が覚めたら目の前にディアスがいた事。
そのディアスに言われて、レナを背負って今東へ向かっている最中である事。
どうやら自分達が眠っていた場所の近くに危険人物がいたらしく、ディアスはそいつと戦う為に残った事。

そこまで話すと、急にレナは足を止めてしまった。

「レナ姉ちゃん、どうしたの?」
遅れてレオンも足を止めて振り返った。
レナは俯いておりその表情を見る事は出来ない。レオンは何かあったのかと、心配そうに彼女の顔を覗き込んだ。
「ごめん…」
ポツリと呟く。
それと同時にレナはレオンに背中を向けた。
「え…!?ま、待ってよレナ姉ちゃん!!」
レオンが慌ててレナの腕を掴み、そのスタートを止めさせた。

「どこ行くのさ!?今からI-08に向かうって言ったでしょ?」
「私、ディアスの所へ戻る」
「えええ!?」
「ディアスが戦ってるのに、私だけ逃げるなんてできない!」

自分の腕を掴んでいた手を振りほどき、レナは本来進むべき方向とは逆…西へ向かって走り出した。
「あ、ちょっと、おーい!」
レオンが叫ぶが、レナはそんな声は聞こえていないとばかりに無視して走り去っていってしまう。
自分もすぐに追おうとして…少し躊躇する。
時刻はもう午後8時過ぎ。あと1時間も経たない内にこのI-07は禁止エリアになってしまう。
このまま東へ向かえば9時までには余裕で突破できるだろう。
だが今からレナを追いかけた場合を考えると厳しい。最悪、戻れなくなる可能性もある。
レナを放ってこのまま東へ向かうか、危険覚悟で西に戻るか…。

「ああーっ!もう!!」

レオンは結局走り去るレナを追う事にした。
ディアスの考えには背く事になるが、彼からはレナを守るように言われている。
I-09へは行けなくなるかもしれないが、どうせ一人で向かった所でディアスの言う事は守れないのだ。
500くそむしテクニック ◆Zp1p5F0JNw :2008/09/29(月) 22:20:35 ID:xfN6se7e0
しかしレナを追おうと走り出したのはいいが、全く追いつく気配が無い。
それどころかどんどん差を広げられるばかりだ。
元来レオンはあまり運動が得意では無い。冒険でも専ら頭脳労働が担当だし、まだ身体的にも未発達。
加えて何故か着せられているこのスカートに慣れず上手く走る事ができなかった。

「レ゛ナ゜ね゛え゛ぢゃ〜ん……ま゛っでよ゛ぉぉぉ……」

結局レオンのスタミナはものの十数分で尽き、レナを連れ戻すのはほぼ不可能となってしまったのである。




(俺は重大な事を忘れていた…)
I-07のエリアを前に、アルベル達は立ち往生していた。
時刻は20時55分。あと僅か5分でこの先は禁止エリアとなってしまうのである。
第二回放送をあまりよく聞いていなかったせいですっかりその事が頭から抜けていた。
もしプリシスが同行していなかったら、彼女の制止を受ける事もなく、禁止エリア進入によって惨めに死んでいた事だろう。

「仕方ねえ。となるとここは避けるしかねえか…」
「でもこの北のエリアも既に禁止エリアになってるわ。向こう側に行くには、相当回り道しなきゃいけないよ?」
「…くっそ!ディアスの野郎、面倒くせえ所に逃がしやがって!」
「うーん…どうしようか?」
「迂回して行くしかねえだろ。ここに留まってたって何も進展しねえ」

二人がしぶしぶ北へ向かおうとすると。

「…今、何か聞こえなかった?」
後ろを歩いていたプリシスが足を止める。
「あ?何も聞こえねえぞ?」
「しーっ!ちょっと静かに!聞こえなくなるでしょ!」
何だとてめえ、とアルベルは言い返そうとしたのだが。

「……ね〜……ちゃ……」

微かだが、I-07の方から叫んでいるような声が聞こえる。
「ね!?今聞こえたでしょ!?」
「ま、まあ…な」
「誰かいるのかな…?」

暫く声がした方向を見ていると、やがて見覚えのある人物が見えてきた。

「あっ…!?」
「あのガキ!」

「はぁ……はぁ…レナ……ねえちゃ………おぉーい……ぜぇ…ぜぇ…」

そこに現れたのは、紛れもなくレオン・D・S・ゲースケ。
その顔は汗にまみれており、足取りもフラフラ。一応本人は走っているつもりらしいが、その速さは最早一般人の歩くスピードより遅い。
顔も上げていられないようで、こちらにも気付いていないようだ。

「お、おい!ここが禁止エリアになるまであと何分だ!?」
「え、えっと…」
プリシスが支給品袋から時計を取りだして時刻を確認する。

「あ、あと30秒…」
「……ちっ、クソッタレがぁっー!」

レオンに向かい、アルベルは疾走した。
501名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:22:23 ID:EqO/BFBw0
リアル投下ktkr!支援だ!
502くそむしテクニック ◆Zp1p5F0JNw :2008/09/29(月) 22:22:24 ID:xfN6se7e0
頭が揺れる。足がガクガクする。喉が渇いた。肺が痛い。
そんな状態になってもレオンは足と口を止めず、レナを追い続けていた。
「はぁ……はぁ…レナ……ねえちゃ………おぉーい……ぜぇ…ぜぇ…」
もうどの位走ったのか。さすがにI-07のエリアは抜けたと思う。
しかしレナの姿は見えてこない。年齢が違うとはいえ、仮にも男の自分が女の子に全く追いつけないとは…。
さすがのレオンも少し自分が情けなくなる…そこまで考えた時だった。

『禁止エリアに抵触しています』

(えええええ!?)
突如首輪から発生した音声にレオンは混乱する。
『首輪爆破まで後30秒』
(ちょ、ちょっと待って!?タンマタンマタンマ!そ、そうだ素数を…ってあと30秒!?そんな場合じゃないって!)
どうやらまだ自分はI-07にいたらしい。
これだけ走ってまだ1エリアも抜けられないとは情けない…が、そんな事を考えている余裕は無い。
あと30秒で首輪が爆発してしまう。一刻も早くこのエリアから脱出しなくては。
(走れ、動け、僕の足!火事場の馬鹿力を出すんだ!人間死ぬ気になれば何でも出来る!)
だが体は正直だ。いくらレオンが頭で命じても、その通りに動いてくれない。
『首輪爆破まで後20秒』
「くそおぉぉぉっ!」
歯を食いしばって前を向く。心なしか、少しだけまともに走れる気がした。
そして、前を向いた所で見たものは。

「ガキィィィッッッ!!!」

恐ろしい形相でこちらへ向かってくるヘソを出した男だった。


(うわぁっ!?あの人って、確か夕方会ったやばそうな人…!)
そうだ。確か気味の悪い笑みを浮かべながら自分に近づいてきた男。
何でこんな所に!?ここまで自分を追ってきたのか?
いや、でも今僕はセイクリッドティアを持ってないわけで…。

どちらにしろ今の状態では逃げる事は出来ない。
いや、逃げた所で首輪が爆発して死ぬだけだ。
ああ、自分の命もここまでか…。

「手を出せぇぇぇ!」

叫びながらヘソ出し男は手を延ばしてくる。掴まれ、という事だろうか?
レオンは一瞬考える。
首輪を爆破させられる。ヘソ出し男の手を掴む。どちらの方が生存率が高いか。
503くそむしテクニック ◆Zp1p5F0JNw :2008/09/29(月) 22:23:17 ID:xfN6se7e0
『首輪爆破まで後10秒』
(考えるまでも無いっ!)
レオンは突き出された手をしっかりと掴む。
首輪が爆発するのは恐らく100%だろうが、この男が自分を殺そうとしているかどうかは分からない。
「うおりゃあああっっっっ!!」
ヘソ出し男は声を上げながらレオンが掴んだ腕を思いっきり回し、放り投げた。
レオンの体は宙を舞い、そして地面に衝突する…。

「うわあっ!」
「きゃあっ!」
…いや、衝突したのは地面ではなく、人間。
衝突した人物を巻き込んで倒れ込む。結局地面に叩きつけられたのは同じだが、おかげで衝撃は多少和らげられた。
そしてぶつかったのは、やはりレオンが知っている人物で。

「プ、プリシス…!」
「いったぁ〜い……あ、へへ、久し振り、かな?」

首輪からの警告は、もう聞こえなかった。


レオンをぶん投げたヘソ出し男ことアルベルは、その後すかさず踵を返す。
視界に入るのはプリシスと衝突するレオンの姿。
(何とかあのガキは助かったようだが…)

今度は自分が危ない。I-06目掛けて全力疾走で向かう。
「アルベルー!急いでー!」
プリシスの声がする。
「言われなくても分かってんだよぉぉぉぉぉ!」
走る!走る!走る!
十数mも無い距離が異様に長く感じる。
「早くー!」
「があああああっっっっ!」

あと3秒。

2秒。

1秒。


504くそむしテクニック ◆Zp1p5F0JNw :2008/09/29(月) 22:24:09 ID:xfN6se7e0
アルベルの首は繋がっていた。
渾身のヘッドスライディングにより、彼は首輪が爆発するコンマ1秒前に上半身をI-07から出す事に成功したのである。

「ア、アルベル、大丈夫!?」
「…見りゃ分かんだろ。とりあえず生きてるようだぜ」
心配そうに駆け寄ってくるプリシスに答え、アルベルはよっと言いながら立ち上がる。
「プ、プリシス、この人味方なの?」
「うん。一応殺し合いには乗ってないみたいだし」
「けっ。二度も助けてやったのに、まだ俺が殺し合いをしてると思ってやがったのか」
面白く無さそうに言うアルベル。
「あ、ご、ごめんなさい。それと、ありがとうございます」
レオンは素直に謝る。思えばレオンが彼を警戒したのは、ただ単に「顔が恐かったから」の一点に尽きる。
根拠も無く外見で人を判断するなんて、何て失礼な事をしてしまったのだろうか、と。

「わ、分かりゃいいんだよ!フン!」

それだけ言ってアルベルはそっぽを向いてしまった。
やはりまだ少し怒っているんだろうか?
…心無しか顔が赤かった気がするが、それは多分気のせいだろう。
(ああ、そういえば…)
さっきまで色々あって忘れていたが、レオンにはまだ今の状況が飲み込めていないのだ。この際色々整理しておかなければ。
とりあえず、まず真っ先に聞いておきたい事があった。
「ところでプリシス…僕の格好を見てよ、こいつをどう思う?」


「何とも思わねえよクソ虫があっ!!!」
「ご、ごめんなさい!」

何故か聞かれてもいないアルベルが切れた。
そこでレオンは不意に思い出す。ディアスに会う前に残っている彼の最後の記憶は、アシュトンに会った時の記憶で…。

「プリシス…」
「ん?」
「僕さ、アシュトン兄ちゃんに会ったんだよ…そ、それで…」

そう、その時アシュトンから出た言葉。
『プリシスは……生き残るために、僕達を皆殺しにするつもりなんだって』
もし彼の言う事が正しいなら、プリシスは…。

「おい、ガキ。一緒にいた女はどうした」
アルベルの声でレオンの思考は中断された。
「え、あ、そうだ。プリシス、レナ姉ちゃん見なかった?」
「レナ?ううん、見てないけど…。レオン一緒じゃなかったの?」
「僕より先にこっちに向かってたと思うんだけど…」
「おい、とりあえず戻らねえか?その女も戻りながら探せばいいだろ」
こんな所で呑気に立ち話なんてしている場合では無い。
この二人にはさっさと首輪を外す方法を考察してもらいたいし、レナには腕の治療をさせなければならない。
それまでは出来るだけ効率良く事を運んで行きたい、というのがアルベルの考えだ。

「あー、そうだねえ。でもレナはどこ行ったんだろ?レオンは分からないの?」
「う〜ん…ディアスお兄ちゃんを助けに行く、みたいな事を言ってたんだけど…。そう言えば、二人はディアスお兄ちゃんに会った?」

レオンの言葉に、プリシスとアルベルの表情が僅かに曇る。
「…それについても移動しながら話す。とりあえず戻るぞ」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
505名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:24:24 ID:xXZtwhcRO
支援
506くそむしテクニック ◆Zp1p5F0JNw :2008/09/29(月) 22:26:10 ID:xfN6se7e0
嫌な予感が止まらない。
記憶を頼りに、レナはレオンを治療した場所のそばまで戻って来ていた。
「何…これ……」
見えてきたのは、無残にも崩れ落ちた民家と瓦礫の山。
その様子を見るに、恐らくここで何か尋常でない事態があったとしか思えない。
(まさか…この瓦礫の下に…)
そう思ったが、すぐにそんな訳は無いと首を振る。
これだけの倒壊を引き起こしたのだ、かなりの轟音が響くはず。だがレナがここに駆けつけるまでにそんな音は聞いていない。
周囲に人の気配は全く無いし、この民家が崩れてから結構時間が経っていると思われる。
だから、レナは瓦礫の下にディアスはいないと結論付けた。いや、いないと信じ込んだ。
もし彼が瓦礫の下敷きになっていたとしたら、もう助かっていないだろうから。

崩れた民家を後にして、レナはさらに走る。
足に疲労が溜まるが我慢する。ディアスが危ないかもしれないのだ。
先程の惨状を目の当りにして、彼女はさらに嫌な予感を膨らませていった。

「あ……!?」

それほど離れていない場所で、立っている人を見つける。背格好から男のようだがディアスでは無さそうだ。
少し離れて様子を伺うがその人物はこちらに気づく様子は無い。
いや…気づくどころか、動く気配すらなかった。

「えっと…すいません…」

意を決して、レナはその人物に声をかけてみたのだが返事は無い。
「…こ、この人……!?」
そこで気付いた。
その人物が、既に絶命している事に。
507くそむしテクニック ◆Zp1p5F0JNw :2008/09/29(月) 22:27:12 ID:xfN6se7e0
「ど、どうして…」
よく見れば、その男が立っている正面の民家が無残にも破壊されている。
先程の民家と違ってほぼ全壊だ。
レナの中で不安が加速度的に大きくなる。
(ディアス…ディアス……どこ?どこにいるの……!?)
ふらふらとした足取りで周辺を探る。膨らむ不安を抑える為、それだけを気力にして。

そして…とうとう見つけてしまう。

「ここの地面…」
全壊した民家のそばに、やけに不自然な地面がある。
まるで穴を掘った後、何かを埋めたような…。
「違うよね…違うよね?ディアス…!?」
震える声で、最悪の想定を打ち消そうとする。

「違わねえよ」

だがその望みは、背後から聞こえた声によって絶たれてしまった。
聞き覚えのある声にレナは振り返る。

「アルベル…さん…」

そこに立っていた三人の人物。
数時間前までディアスと共に行動していた青年、アルベル。
切断された左腕の治療を施した少年、レオン。
共に十賢者を倒した仲間で、この殺し合いでは初めて顔を会わせる少女、プリシス。

「アルベルさん…今の、違わないって…」
レオンはここに来る途中までに、自分がレナと逃げた後、合流したアルベル達4人でガブリエルと戦った所までの経緯を聞いた。
だが、そのガブリエル戦がどういう結果で終わったのかはまだ聞いていない。

「……どういう、事…ですか?」
レナもレオンと同じように問いかける。
…だが、もう二人共分かっていた。それでも問いかけたのは、まだ認めたく無かったからだろう。


「…ディアスは死んだ。ガブリエルを倒す為に…俺達を守る為にな」

アルベルがそう言うと、レナは糸が切れた人形のように膝から崩れ落ちた。
その目にはやがて涙が浮かんで、止め処なく流れ出す。

「ディアス……ディアス………う、うぅぅ…ディ……ア…」
「お兄ちゃん…あ…あぁぁ…」

つられるかのようにレオンもまた泣き出した。
アルベルとプリシスに二人の涙を止める手段は無く、ただその場に立ち尽くす事しかできなかった。


508名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:27:34 ID:xXZtwhcRO
 
509名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:30:09 ID:EqO/BFBw0
支援
510名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:34:49 ID:xXZtwhcRO
ん…?さるさん?
511名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:38:25 ID:EqO/BFBw0
……むしろ容量オーバー寸前の予感!(>>488
512 ◆Zp1p5F0JNw :2008/09/29(月) 22:38:36 ID:znd1E8GvO
すいません、容量が500越えるまでに投下しきれるか微妙&さるさん食らったので
あと少しだけなんですが続きはとりあえずしたらばに投下します。
どなたか、新スレお願いします…。自分では立てられなかったので。
見切り発車しないで次スレ待てば良かった…俺の馬鹿。
513名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:44:08 ID:EqO/BFBw0
試しに立ててくる
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:47:56 ID:EqO/BFBw0
すまんダメだった、誰か頼んだ
515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 22:58:12 ID:xXZtwhcRO
スレ建てできませんでした…orz
516名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:02:19 ID:r1yP6UWR0
>>515スレ立て行って来る
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 00:15:15 ID:IQs52KAQ0
テンプレ中だけど一応先に誘導しておく
AAAキャラバトルロワイアルpart5
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1222700688/

スレ立てしてくれた方に最大限の乙を
518名無しさん@お腹いっぱい。
立てました
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1222700688/
テンプレ生存者しかいじってないけどいいよね?