【やるのが】ストーリーを教えてもらうスレpart24【面倒】
●未解決分 ≪Part24の8までの時点でのリスト≫
※複数の機種で出ているものも、便宜上、一つの機種の欄にのみ書かれています
■PS2 ・悪代官2 ・インゴット79 ・エヴァーグレイス2 ・X−FIRE
over the monochrome rainbow ・オペレーターズサイド
カウボーイビバップ追憶の夜曲 ・仮面ライダー正義の系譜 ・玻璃ノ薔薇 ・ガンバード1&2
機甲兵団J-PHENIXコバルト小隊篇 ・機動新撰組 萌えよ剣 ・九怨
グレゴリーホラーショー ・紅忍 血河の舞 ・ゲームになったよ!ドクロちゃん ・決戦3 ・喧嘩番長
GENJI ・絢爛舞踏祭 ・ゴッド・オブ・ウォー ・五分後の世界 ・サーヴィランス 監視者 ・桜坂消防隊
「ザ・ナイトメア・オブ・ドルアーガ」(EXダンジョン以降) ・ジェネレーションオブカオス3,4
ジルオール∞ ・ステラデウス ・スペクトラルフォースクロニクル
スペクトラルフォースラジカルエレメンツ ・ディノクライシス(ガンサバ、3) ・天空断罪スケルターヘブン
ナノブレイカー ・ハードラック ・バイオハザードOB2
バイオハザード4のエイダ編 ・バウンサー ・鋼の錬金術師(翔べない天使、3神を継ぐ少女)
爆炎覚醒 ネバーランド戦記 ZERO ・初めてのRPG伝説の継承者
バルダーズゲートダークアライアンス2 ・半熟英雄4 ・ヴァンパイアナイト ・フェイズパラドックス
不思議の海のナディア ・ベルセルク 千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇 聖魔戦記の章
ヘルミーナとクルス~リリーのアトリエ もう一つの物語~ ・亡国のイージス 2035 ウォーシップガンナー
ポポロクロイス 月の掟の冒険 ・ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット ・魔術士オーフェン ・michigan
ミスト3エグザイル ・ミッシングパーツ ・メダルオブオナー(1、ヨーロッパ強襲)
メタルギアソリッド2サブスタンス(SNAKE TALESの部分) ・メタルサーガ砂塵の鎖 ・ライゼリート
ラ・ピュセル 光の聖女伝説 二周目はじめました。(大魔王エンディング) ・Remember11 ・龍が如く
RULE of ROSE ・レイジングブレス ・ロックマンX7
■PS ・…いる! ・エースコンバット ・エクサフォーム ・カウボーイビバップ ・火星物語
学校のコワイうわさ花子さんがきた! ・GUNばれ!ゲーム天国 ・機動警察パトレイバーゲームエディション
ギルティ・ギア ・黒い瞳のノア ・クロス探偵物語 ・黒ノ十三 ・クロノトリガー(追加部分のみ)
慶応遊撃隊外伝蘭末ちゃんの大江戸すごろく ・ゲゲゲの鬼太郎(バンダイ) ・ゲッターロボ大決戦 ・ゲッPーX
幻想水滸外伝1&2 ・公開されなかった手記 ・サーカディア ・サイバーボッツ ・ザルツブルグの魔女 ・シュレディンガーの猫
すべてがFになる ・聖霊機ライブレード ・蒼魔灯 ・ダークメサイア ・黄昏のオード ・チョコボの不思議なダンジョン2
TILK-青い海から来た少女- ・デバイスレイン ・天使同盟
東京ミュウミュウ 登場新ミュウミュウ!〜みんなでいっしょにご奉仕するにゃん〜 ・ドラゴンシーズ ・トルネコの大冒険2
トワイライトシンドローム ・ナイトアンドベイビー ・バイオハザード(GC版との相違点を) ・バルディッシュ
BAROQUE▲SYNDROME ・ひみつ戦隊メタモルV ・forget me not パレット ・BLACK/MATRIX 00
プラネットライカ(既出部分からの続き) ・ポポローグ ・ポポロクロイス物語(1、2) ・マーメノイド ・マール王国の人形姫
ミスティックアークまぼろし劇場 ・ミスティックドラグーン ・MediEvil(メディーバル)甦ったガロメアの勇者
厄 友情談義 ・厄痛 呪いのゲーム ・夜想曲 ・夜想曲2 ・夕闇通り探検隊 ・聖刻1092 操兵伝 ・立体忍者活劇天誅弐
竜機伝承 ・リングオブサイアス ・レガイア伝説
■PSP ・ギャラリーフェイク ・新天魔界〜GOCWアナザサイド〜
新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ -another cases-(隠しシナリオも含めた各シナリオをエンディングまで)
■64&GC ・キラー7 ・シャドウゲイト64 ・バイオハザード0 ・ファイアーエムブレム蒼炎
PHANTASY STAR ONLINE EPISODE III C.A.R.D. Revolution
■SFC ・エルナード ・ガデュリン ・機動戦士ガンダムF91 ・GS美神除霊師はナイスバディ ・ざくろの味
Secret of Evermore(SNESソフト。日本未発売) ・シャドウラン ・少年忍者サスケ
セプテントリオン ・ソウルアンドソード ・大貝獣物語2 ・幕末降臨伝ONI ・バズー!魔法世界
ファイナルファイトタフ ・ファイナルファイト2 ・ブレスオブファイア
マグナブラバン(
http://ichi5c2.mint.aisnet.jp/game/magtop.htmでの中断箇所以降を)
負けるな!魔剣道 ・魔女たちの眠り ・ラストバイブル3 ・らんま1/2朱猫団的秘宝
■FC&ディスクシステム ・エスパードリーム(1、2) ・えりかとさとるの夢冒険 ・美味しんぼ ・亀の恩返し
京都財テク殺人事件 ・ゲゲゲの鬼太郎2 ・御存知弥次喜多珍道中 ・さんまの名探偵 ・新・里見八犬伝
スウィートホーム ・ゼビウス ・ゼルダの伝説 ・道(TAO) ・百鬼夜行 ・ヘラクレスの栄光(1,2) ・まじかるドロピー
マドゥーラの翼 ・魔法のプリンセスミンキーモモ ・名門多古西応援団 ・メタルギア
メタルスレイダーグローリー ・メトロイド ・魍魎戦記MADARA ・リンクの冒険
■DS&GBA ・あらしのよるに ・降魔霊符伝イヅナ ・ザ・アーブズ・シムズ・イン・ザ・シティ ・サバイバルキッズLost in Blue
真女神転生デビルチルドレン(光、闇、炎、氷、メシアライザー) ・スーパープリンセスピーチ
スーパーロボット大戦OG2 ・聖剣伝説チルドレンオブマナ ・聖剣伝説DS ・ゼノサーガ1・2(変更・追加部分のみ)
Z.O.E 2173 TESTAMENT ・探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件 ・ディープラビリンス
ドラゴンクエストモンスターズキャラバンハート ・Vマスタークロス ・ブラックマトリクスゼロ ・マジカルバケーション
メタルサーガ鋼の季節 ・ルナジェネシス ・ロンドニアンゴシックス〜迷宮のロリィタ〜
■GB&GBC ・アレサ1〜3 ・エストポリス伝記よみがえる伝説 ・ONI1,2 ・サバイバルキッズ(1、2)
真女神転生デビルチルドレン 赤の書 ・ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド
ビタミーナ王国物語 ・メタルギアソリッドゴーストバベル(おまけドラマも) ・メトロイド2
■XBOX&XBOX360 ・eM ・GUNVALKYRIE ・THE HOUSE OF THE DEAD 3 ・真女神転生NINE
ディノクライシス3 ・NINETY-NINE NIGHTS(N3) ・NINJA GAIDEN ・ファントム・クラッシュ ・FATALFLAME(追加部分)
■DC ・斑鳩 ・ゴーレムのまいご ・THE HOUSE OF THE DEAD2 ・ルーマニア♯203
ベルセルク 千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇 喪失花の章 ・リアルサウンド〜風のリグレット
■SS ・R?MJ ザ・ミステリー・ホスピタル ・ガングリフォン2(ミッション間ラジオも) ・グランディア1詳しい方の続き ・慶応遊撃隊活劇編
サイバードール ・ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド ・シャイニングザホーリィアーク
シャイニングフォース3(シナリオ1〜3) ・新世紀エヴァンゲリオン ・ソニック3Dフリッキーアイランド
大冒険セントエルモスの奇跡 ・ファイナルファイトリベンジ ・ファンタシースターコレクション ・RAMPO
リグロードサーガ2 ・リンクルリバーストーリー ・LUNAR2 エターナルブルー ・ロンド〜輪舞曲〜
■MD&MCD&GG ・うる星やつらディアマイフレンズ ・エイリアンソルジャー ・機動警察パトレイバー98式起動せよ!
慶応遊撃隊 ・新世紀ラグナセンティ ・スプラッターハウス(2、3) ・ソニック・ザ・ヘッジホッグCD ・バトルマニア(1、大吟醸)
ファンタシースター(1、2、千年紀) ・夢見館の物語 ・ラングリッサー2 ・らんま1/2白蘭愛歌 ・LUNAR ザ シルバースター
■PCE&CD-ROM2&PC-FX ・青いブリンク ・イース1・2 ・GS美神 ・虚空漂流ニルゲンツ
コズミックファンタジー ・こみっくろーど ・ソードマスター ・てきぱきワーキンラブ ・天外魔境ZIRIA
不思議の海のナディア ・らんま1/2とらわれの花嫁
■MSX ・メタルギア2
■WS&WSC ・ラストスタンド
■ネオジオポケット ・KOF R-1
■PCゲー ・アークトゥルス ・アリスインナイトメア ・アンタリア創世紀
Wizardry(#1 狂王の試練場、#2 ダイヤモンドの騎士、#3 リルガミンの遺産)
ウィル(スクウェア) ・ガラージュ ・偽典女神転生
コマンド&コンカー ・サイキックディテクティブ(1、2、3、4、5、ファイナル) ・ジェネシス(スクウェア)
The Elder Scrolls2 Daggerfall ・シュバルツシルト(F以降?) ・ダイナソア 〜リザレクション〜
テイルズ オブ エターニア オンライン(ロレッタとレニイの関わるストーリー核心部分だけでも)
忘れえぬ炎 ・英雄伝説X 海の檻歌
■アーケード ・ストリートファイターZEROシリーズ ・旋光の輪舞 ・鉄拳シリーズ ・ドルフィンブルー
ビーストバスターズセカンドナイトメア ・ラジルギ ・わくわく7
■携帯電話アプリ ・新世紀エヴァンゲリオン外伝 〜真夏の夜の夢〜 ・新世紀エヴァンゲリオン外伝 〜人形達の宴〜
ゼノサーガパイドパイパー ・テイルズオブコモンズ ・テイルズオブブレイカー ・ナノデビル ・BC-FF7- ・ふしぎの海のナディア
夢魔の天蓋 ・REAL〜零〜 ・ルート16ターボ ・ロックマンエグゼファントムオブネットワーク
琥珀色の遺言 ・瑠璃色の睡蓮 ・亜鉛の匣舟 ・泪色の雫
■同人ゲーム ・FF3.5 ・コープス・パーティ ・シルエットノート ・シルフェイド見聞録 ・STARDUST BLUE
SACRED BLUE ・洞窟物語 ・雪道
■体感ゲーム ・剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣
●途中
ゼノサーガEP3[7月] ・パワプロクンポケット[7月] ・seraphicblue[7月] ・SIREN2[7月] ・ペルソナ3[7月]
マリオストーリー[7月] ・ANUBIS[7月] ・大神[6月] ・ぼくのなつやすみ2[6月]
キングダムハーツ2(以前のが簡潔だったので詳細版)[5月] ・.hack//G.U Vol.1 再誕[5月] ・バテン・カイトス[5月]
コード・エイジ・コマンダーズ[5月] ・FF12[4月] ・絶体絶命都市[4月] ・ダメフロンティア[4月]
●執筆予告がある物
forget me not パレット[7月] ・シルフェイド見聞録[7月] ・バイオ4エイダ編[7月]
「Age of Mythology」の拡張版「Titans Expansion」の 一人用シナリオ[7月] ・幕末降臨伝ONI[7月]
ナムコ×カプコン[5月] ・おさわり探偵 小沢里奈[4月] ・コンタクト[4月]
.hack//悪性変異Vol.2の既出部分の続き(.hack//侵食汚染Vol.3や.hack//絶対包囲Vol.4も?)[4月]
白中探検部[4月] ・スペクトラルフォースクロニクル[4月]
8 :
桜坂消防隊:2006/08/01(火) 23:22:50 ID:ILUwVgT2
ついでだから桜坂消防隊を投下。
【主要人物】
・本条大地:桜坂消防署の若きエース。三年前、自動車事故で両親を亡くす。
・本条雄一郎:大地の兄。両親を亡くしてからは父母の代わりとして大地を育ててきた。
・菊原千鶴:桜坂消防隊救急隊員。ヒロイン的存在。
・土井順平:桜坂消防署の新米。
・朝倉沙耶:大地とは消防学校の同期。
・中津川和也:桜坂消防署消防副士長。
・嶋龍司:桜坂消防隊員。声がゾロ。
・緒方俊作:桜坂消防隊員。
・堀越隆雄:桜坂消防署消防指令補。
・三木京介:桜坂消防署消防士長。
・河崎琢磨:桜坂警察署警部補。
・一ノ瀬翔:桜坂警察署刑事。
9 :
桜坂消防隊:2006/08/01(火) 23:23:22 ID:ILUwVgT2
【ストーリー】
満開の桜が咲き誇る地で有名な、桜坂。
本条大地は、桜の花びらが舞う景色を眺めていた。
思い出すのは、一年前のあの事件のことである。
4月15日
桜坂消防署に火災指令が入る。
場所は島崎工業桜坂製作所。
この場所は既に閉鎖され、業者によって解体作業が行われている最中だった。
現場に向かう大地と雄一郎、土井、中津川。
4人はそれぞれ消火作業に当たっていた。
「本条消防士・・・邪魔なんだよ。」
「邪魔者は始末しないとな。」
邪悪な影が密かに忍び寄っていることに、誰も気がつきはしなかった。
消火作業に当たってから数時間後、消防無線から鎮火の知らせが届く。
この後は、雄一郎が残りの消火作業に当たるらしい。
大地も兄と共に残ると言うが、雄一郎は突然声を荒げた。
「ダメだ!お前は早く戻れ!これがただの火災なら・・・。」
兄の言葉を訝しげに思いつつ、大地は現場を離れた。
一人、ボイラー室に残って残火処理をする雄一郎。
遠くにはその様子を見つめている黒い影。
手に持っている爆弾のスイッチを押した瞬間、巨大な高炉が雄一郎の真上に落ちてきた。
翌日、桜坂消防署に河崎警部補と一ノ瀬刑事が訪れる。
雄一郎の遺体が見つかったボイラー室でもう一人の遺体が見つかったらしい。
警察では身元の確認を急いでいるとのこと。
更に、あの火災は爆弾を使った放火によるものと断定された。
5月1日
桜坂消防署に火災指令が入る。
場所は花村ビルディング。
オフィス街の中にあるこのビルは、『関貿易商事』が居を構えていた。
現場に向かう大地、土井、嶋。
ここでも、暗躍している怪しい影の存在があった。
ある一室から千鶴の悲鳴が聞こえた。
大地が駆けつけ、千鶴の指差す方向に眼を向けると、男が首を吊っていた。
急いで助け降ろすとまだ息がある。
大地は、後は千鶴に任せ、他の部屋の消火作業に戻った。
翌日、刑事の河崎と一ノ瀬が訪れた。
4月15日の火災で見つかった遺体の身元が判明したらしい。
被害者は真鍋剛、桜坂総合病院の医者である。
何故、あの工場にいたのかはまだ不明。
少なくとも、火災前に既に殺されていたことが分かっていた。
本庁は殺人として捜査し始めていた。
また、今回の火災で救出された首吊りの男はその会社の社長・関泰三だった。
一命は取り留めたものの、彼は生命維持装置で生きてゆく運命となった。
警察の調べによると、関は、裏では麻薬の密輸を行っていたらしい。
遺書も発見されていることから、警察では自殺として片付けた。
しかし、大地は納得がいかなかった。
自殺と放火が同時に重なるなんて、あまりにも出来すぎている。
関が発見された時、彼はまだ息があり、首を吊ってから5分は経っていない様子だった。
ということは、火災が起こっている最中に首を吊ったことになる。
火災が起きているのに、わざわざ首を吊って自殺を図るだろうか。
警察側は今回の火災も同一の放火犯によるものと断定。
実際に現場では、大地が爆弾を発見していた。
5月9日
桜坂消防署に火災指令が入る。
場所はラグーンヒルズ並木。
お洒落な外観と手ごろな価格で人気のマンションである。
現場に向かう大地、中津川と雄一郎の代わりに補充された朝倉。
ここに住んでいる河崎を発見する。
彼は後ろからクロロホルムのようなものを嗅がされ、意識を失って倒れていたらしい。
当然今回の火災も一連の放火犯によるものだった。
警察側も大地も、逆恨みで犯人が河崎を狙ったのだろうと考えた。
8月20日
桜坂消防署に火災指令が入る。
場所は大門セントラルパーキング。
地下駐車場もある、桜坂では大きな駐車場である。
原因はトラックが横転して爆発し、駐車場に停めてある車に次々と引火していったものらしい。
ドライバーは野次馬に助け出され、救急車に運ばれている。
大地は横転したトラックのフロントガラスに小さな穴があるのを発見し、それを警察に報告していた。
警察側によると、その穴は銃による弾痕と断定したらしい。
大地は、一連の放火事件に関係があるのではと尋ねたが、
河崎は事件とは無関係の抗争に巻き込まれただけだと一蹴した。
助け出されたトラックドライバーは、坂口豊。
幸運にも弾は当たっていなかった。
しかし重度の火傷のショックにより、彼は失言症となってしまった。
ちなみに、このステージでは、朝倉に認められようと土井がハッスルし大怪我して入院となる。
さらに、雄一郎のデスクを片付けていると、専用のパソコンに気になるものが。
「レッド・ドッグ」なる人物と雄一郎のメールのやり取りが残されていた。
読んでみると、どうも今回起こっている放火事件についてのことらしい。
雄一郎の卓上カレンダーには、放火が起きた日付に印が付いていた。
もしや、雄一郎も放火犯の仲間だったのでは、と疑わざるを得ない・・・。
12 :
桜坂消防隊:2006/08/01(火) 23:26:59 ID:ILUwVgT2
10月28日
桜坂消防署に火災指令が入る。
場所は、土井も入院している桜坂総合病院。
大地たちは直ちに現場に向かった。
燃え盛る病院内に、一人の怪しい影が動いていた。
白衣の男はパソコンに向かっている。
どうやら、患者のリストを消去している。
「これで医療ミスはなかったことになるんだ・・・。」
その時、後ろから男の声がした。
白衣の男は銃を衝きつけられている。
「何が目的なんだ・・・!?金か!?女か!?」
「正義の味方が金をせびるかよ。」
男はそう言い放つと、引き金を引いた。
あらかた消火作業が片付いた頃、堀越隊長から無線が入る。
「菊原君の姿が見えない。」
大地は扉が開かなかった部屋を思い出し、その部屋に向かった。
部屋に入ると、千鶴と白衣の男が倒れていた。
千鶴に事情を聞くと、千鶴が来たとき既に倒れていたらしい。
胸には、銃で撃たれた痕がある。
急いで彼を連れ、病院を後にした。
翌日、河崎警部補と一之瀬刑事が消防署を訪れる。
倒れていた男は総合病院院長の高原厚。
高原は意識不明のままで、詳しい事情は聞けないという。
雄一郎のパソコンを使って、レッド・ドッグなる人物とメールをしていた千鶴。
実は、「10月28日に桜坂総合病院の院長室でパーティがある」というメールが届いていた。
千鶴はそれを確かめるために院長室に一人で向かっていたらしい。
13 :
桜坂消防隊:2006/08/01(火) 23:27:31 ID:ILUwVgT2
11月13日
政治家・徳野清蔵の贈収賄路事件のニュースが世間を騒がせていた。
徳野の秘書が自殺をしている。
しかし、徳野自身は今回の件には無関係だと主張。
全ては秘書がやったことだと公言している。
大地たちもその話題で盛り上がっていた頃、桜坂消防署に火災指令が入る。
場所は徳野清蔵の自宅。
中には逃げ遅れた徳野もいるらしい。
現場に向かう大地、中津川、朝倉と土井の代わりに補充された緒方。
消火作業も概ね終わり、とある部屋で、倒れている徳野を発見した。
首を絞められたような痕がある。
大地が助け起こした瞬間、後ろから声がした。
「そいつだよ、お前の両親の車にぶつかったのは。」
驚いて振り返ると、そこには一ノ瀬刑事が立っていた。
「なんだって!?あの事故は、親父の居眠り運転が原因だったはず・・・!」
真実を語り始める一ノ瀬。
徳野は居眠り運転で、大地の両親の車と衝突した。
しかし、徳野はその事故を揉み消した。
大地の両親が、勝手に居眠り運転によって事故を起こしたことにしていたのだという。
徳野はこの他にも、自分の地位を利用して事件を揉み消しているらしい。
「今回の放火事件は全て一之瀬刑事が!?」
「俺は貿易商事の関に恨みがあった。」
関は裏で麻薬の密輸をしていた。
一之瀬の妹が関と出会い、麻薬を始めてしまった。
その後、麻薬に溺れ妹は死んでしまった。
関のバックには徳野が付いていたので、簡単に逮捕もできなかったらしい。
「なぜ兄貴を殺した!仲間だったんだろう!?」
「仲間じゃないさ。」
一之瀬が雄一郎を殺したのは、雄一郎が一人、真実を突き止めようとしていたかららしい。
危険を感じた一之瀬が、事故を装って雄一郎を殺害したのだという。
「だがな、俺も裁かれるんだ。それで許せ、大地・・・。」
一之瀬は窓際に立っていた。
「裁かれる?何を言って・・・」
言いかけた瞬間、一之瀬の胸に銃弾が飛び込んできた。
一之瀬に駆け寄る大地。
心臓を貫かれた一之瀬は即死だった。
14 :
桜坂消防隊:2006/08/01(火) 23:28:09 ID:ILUwVgT2
翌日。
徳野は全てを話し、政治家生命を絶たれた。
さらに、河崎警部補が警察署内にある高性能ライフルを盗み、行方を暗ませているらしい。
これは、叔父が警察署長である千鶴からの情報だった。
これで、この一連の放火事件は一之瀬と河崎が絡んでいたことが分かった。
その時一之瀬を撃ったのも、河崎だったのだろう。
1月1日。
この日は、桜坂タワーリングホテルで警察署内の祝賀会と署長・菊原英悟の誕生日会が開かれているらしい。
桜坂消防署に火災指令が入る。
場所は、桜坂タワーリングホテル。
河崎の狙いは菊原だということを予感し、大地たちは直ちに現場に向かった。
あらかた消火作業も終わりに近づいていたが、河崎の姿は見えなかった。
そして、菊原英悟の姿も。
大地に堀越隊長から無線で連絡が入り、千鶴の姿が見えないらしい。
大地は一縷の望みをかけて、もう一度ホテル最上階へ向かった。
最上階には、千鶴とその叔父英悟がいた。
二人を直ちに避難させるが、何かを予感していた千鶴は大地と真実を突き止めに奥へと進んだ。
奥に行くと、河崎警部補とそして三木副隊長がいた。
河崎も三木も、今回の事件の犯人だったらしい。
15 :
桜坂消防隊:2006/08/01(火) 23:29:08 ID:ILUwVgT2
事件の真相はこうだ。
現場に火を放っていたのは、トラックドライバーの坂口豊だった。
坂口はこの事件の前から、たびたび放火をしていたらしい。
その犯人を突き止めた河崎と一之瀬は、逮捕しない代わりに放火事件を起こせと取引を始めた。
一之瀬は妹に麻薬を売った関泰三を。
河崎は医療ミスで妻を亡くし、そのミスを揉み消した医者の真鍋剛と院長の高原厚を。
三木は徳野の最初の秘書であった弟の恨みを晴らすべく徳野清蔵を。
最近自殺した徳野の秘書は二人目の秘書で、一人目の秘書も徳野の罪を被り自殺していたらしい。
一之瀬、河崎、三木は、雄一郎を殺すつもりはなかった。
ただ、大怪我をして入院していて欲しかっただけらしい。
とにかく、雄一郎の防火服を手に入れた三木は、それを河崎や一之瀬に着せて現場に進入させていた。
火事現場に消防隊員がいると怪しまれないからだ。
最終的には、署長の菊原英悟を殺そうとしていた。
力で事件の真実を追究しようとしない警察署内を一新させたかったらしい。
河崎と三木は、ホテルの最上階に爆弾を仕掛け、自殺しようとしていた。
しかし、爆弾は全て大地が解除してしまった。
「河崎、面倒をかけるな。」
「なぁに、お年玉だ、受け取ってくれ。」
それでも死のうとする河崎と三木。
河崎は三木に銃口を突きつけた。
引き金が引かれる瞬間、河崎が吹っ飛んだ。
なんと、堀越隊長が放水して河崎を吹っ飛ばしたのだ。
「お前らがどうなろうと知ったこっちゃねぇけどなぁ。
どの面下げて会うんだよ!逝っちまった家族に!」
その言葉に、三木はガックリと崩れ落ちた。
河崎も観念したようだ。
以上です。
エンディングはABCの三種類です。
Aが↑の内容で、BCは犯人が突き止められなかった場合の内容なので省きました。
ちなみに、三木が共犯者と分かった理由は
レッド・ドッグ(犯人側)のメールのなかに、雄一郎のことを「兄ぃ」と書いていたから。
雄一郎を「兄ぃ」と呼ぶのは、三木だけだったという、なんともマヌケ。
17 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/01(火) 23:41:22 ID:vfJxBGH4
マジかよwww
とりあえず桜坂消防隊は乙。
これを本スレにコピペした後、このスレの削除依頼するべし
サラ「以前のわたしは、僧侶になるために修行して…
困っている人のために寺院で働けたら、それだけで幸せだった。
それが、わたしにとっての夢で生きる目的になるはずだったの。
でもそれっておかしな話よね。
生きているっていう事が、どこかで誰かを助けている。
僧侶なんてならなくても、こんな迷宮の奥底でも
誰かを助ける事ができる。
わたし達は決して一人では生きていけないもの……」
サラは脳裏に去来するさまざまな出来事に思いを寄せた。
皆との最初の出会い…
無数の魔物達との戦いに…
待ち受けていた信じられないような事件の数々…
思い出が浮かんでは消えていく。
サラ「もし…もしもこのまま魂が消えうせても……
悔いはない…」
こちらを向き直った時のサラは晴れやかな顔をしていた。
サラ「神様に叱られるかもしれないけどもし未練がまだあるとしたら
閃光の前にあなたと出会いたかった事かしら。
ありがとう、楽しい時を」
ルイ「ほんと神様もシャレた事をするわよね。
えっ、なんの事か、ですって?」
ルイは、人差し指を主人公の前に突き出した。
ルイ「キミの事に決まってるじゃない。
もしキミが現れなければ、わたしたちみんな…
今も終わりなき闇夜の中を、歩いていたわけでしょ?
こう見えても、わたしすごく感謝しているんだ。
たぶん街の人達も、ね。
だから、もしこの戦いで魂が消え失せたとしても安心して。
このルイねえさんが、こっそりとキミの分だけは
天国行きの切符を神様からくすねてあげるから」
そう言ってルイは悪戯っぽくウィンクした。
ルイ「さてと、最後の御勤めだ!
盗むは神の命ただ一つ。
気合い入れていくわよ!」
ミシェル「今、初めてわかる。
わたし達がどんなに大切な日々を過ごしていたのかを…
心温まる楽しかった日々、決してかなう事のない夢や、
辛かった事でさえ
もう二度と取り戻す事は出来ない…。
おかしな物ですね。
その時は感謝の思いもなにも感じなかったのに
今となっては、どの思い出も光り輝いて見えるのだから。
行きましょう。
わたし達から全てを奪い去ったあの忌まわしき者に
人々の思い出の代価を支払ってもらわなければ」
やっと新スレたったかー
何度かたてようとしたけどこのホストじゃ無理って言われてずっと待ってたよ
容量には気をつけたほうがいいよね
前スレも前々スレも容量オーバーで誘導すらできなかったんじゃなかったっけ?確か。
>>1乙
いつも「やるのが」で検索する俺はここが重複な事に気付かず、過疎ってると思ってた
ごめん、間違えて前スレ埋めちゃった。
次スレはここでいいんだよね?
いいんじゃない?
1のまとめサイトに無かったので、書き込みさせて頂きます。
J.B.ハロルドの事件簿「マーダー・クラブ」
の内容についてご存じの方居ましたら、ストーリーを教えてくださいm(__)m
30 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/09/03(日) 09:43:20 ID:nLYgKstgO
まぎらわしいけど、次スレが立たない以上ここ再利用する以外しょうがないね。
この板はBBS_THREAD_TATESUGIの値が256もあって立てにくいんだよなー。
削除依頼スレに取り消しカキコした人乙です。
しかし前々スレもサイズ制限で止まったんだよなあ。
テンプレにサイズ制限に関する警告も付け加えた方がいいんじゃない?
かちゅ使いなんだけど容量が表示されないんだよね。
ソースの方を直接いじらないと設定変えられないから面倒でメル欄表示しかいじってない。
(主人公選択→香山)
8月15日 16:40
真っ先に三日月館に訪れていた香山は、ケマルーア彦田の占いに従って供養の準備を整えていた。
ケマルーア彦田によるとやはり三日月館は呪われており、そのせいで夏美は成仏できない。
その呪いを解くには相当面倒くさいことをしなければならないのだ。
ややこしい説明だが、簡潔に書くとこうなる。
・五芒星を描くように水晶玉を二階の部屋に配置。
・宿泊者たちの部屋割りはケマルーア彦田が陰陽道を元に生年月日などから決めてある。
・宿泊者のいる部屋の左右の部屋には鶴と亀の置物を配置。
・使わない部屋は施錠し、お札を貼り付けておく。
・この通りにしないと1年前のように災いが起きる。
部屋割りと供養グッズなどの配置は以下の通り。
倉庫(水晶)
1号室(鶴)
2号室 啓子
3号室 春子
4号室(亀)
5号室(水晶)
6号室(鶴)
7号室 可奈子
8号室 美樹本
9号室(亀)
ロビー前(水晶)
10号室(鶴)
11号室 真理
12号室 俊夫
13号室(亀)
14号室(水晶)
15号室(鶴)
16号室 透
17号室 なし
18号室(亀)
19号室(水晶)
どう見ても透が悲惨です、本当にありが(ry
*香山は1階の管理室を自室として使用。
それらの準備を全て整えると、香山は部屋を間違えることがないよう管理室の壁にかかっている
鍵のうちいらないものを取り去り、押入れの金庫に入れてデタラメにダイヤルを回した。
残ったのは香山の部屋でもある管理室の鍵1つと宿泊室の鍵7つ、それからマスターキーが1つ。
鍵をしまい終わった丁度そのとき、管理室のドアをノックする音がした。
開けるとそこには懐かしい顔、春子の姿があった。わざわざご苦労と労いの言葉もそこそこに、
3号室の部屋の鍵を手渡しながら早速料理の準備を頼む。
流石に別れた女房にこんなことを頼むのは香山も心苦しいらしく、何度か「すまんな」という
言葉を口にしたが、春子は怒ってはいないようだ。
しばらくしてから、香山は祈祷の準備に入るために春子に他の宿泊客の出迎えを頼んだ。
部屋割りメモを渡しながら、絶対に勝手に部屋を替えぬよう言い含める。
祈祷している間は話しかけないようにと言い残し、香山は自室に戻った。
半袈裟を肩に掛け、頭には鉢巻を巻いて真っ赤なロウソクを4本差し込む。
そして御幣を握って管理室の和室部分に鎮座してある祭壇の前に正座した。
丁度目の前に飾ってある夏美の遺影を見て、香山は在りし日の思い出に浸る。
夏美と出会ってから会社の業績はぐんぐんと伸びていった。長年患っていた腰痛も完治し、
身長が3センチ伸び、頭には黒いものが復活しはじめた。
追い風を受けて順風満帆に人生を爆走していたというのに、1年前、この場所で夏美は……。
香山は泣きそうになるのを必死にこらえて、あらん限りの声を張り上げながら御幣を振り回した。
「夏美ィ!!!」
19:05
夕食の席で、香山は集まった一同に今回の供養について説明した。
さらに香山は館の修復がいかに大変であったかを語った。
〜三日月館の復活に挑んだ男たち〜
わしは、夏美の魂を成仏させる為、
館の修復に取りかかった――
しかしそれは、
思った以上に大変な作業で、あった――
設計図もない。建築写真もない。
テレビもない。ディスコもない。
わしゃこんな島嫌だ。
わしは、諦めなかった――
美樹本くんが、
スナップ写真を提供してくれた――
修復工事を請け負った、業者は、言った――
「ウン千万円はかかります」と――
わしは、言った――
「なんぼまでまかる?」と――
誰も料理に夢中で聞いてません。どうもありが(ry
「……君ら、わしの話聞いてないやろ」
(一斉に振り向いて)「聞いてますよ」
「嘘つけ!」(デドー)
一通りの説明を終えて皆の様子を窺うと、よく元通りに復元できたと感心される。
建物自体の基礎がほとんど問題なく、内装は美樹本が多く写真を撮っていたために
きれいに再現できたのだ。
食堂の暖炉は装飾用とはいえ造りがしっかりしていたので手をつけなかったが、
シャンデリアはウン十万ふっかけられていた。
一晩泊まるだけなのにそこまでした理由は、元々お盆というものは死んだ人間が戻ってくる
時期であり、生前のままの方がそうしやすいからだろうということだ。
ついでに透から札の質問をされたので、説明しつつ絶対はがすなと念を押しておく。
可奈子が部屋から降りてこなかったことに関して心配したり、春子の料理について透に
余計なことを言われたり、春子の手料理を数えるほどしか食べていないことを暴露されたり
していると、香山は俊夫がほとんど料理に手をつけていないことに気がついた。
みどりのことで気を重くしているのだとわかった香山は夏美のことを思い出してしんみりする。
俊夫はふいに透に何故あの事故があった晩にみどりが買いだしに行くことになったのか
覚えているかを問う。地下室というヒントを出したが、透にはわからなかった。
代わりに透はシュプールの地下室で見つけた例の岸猿家の紋章の入った鍵を取り出した。
途端に話は伊右衛門の財宝の話に移っていく。
今度は啓子が部屋の鍵を無くしてしまったと言い出した。
予備の鍵は金がかかるから作っていない。祈祷のために部屋を変えるわけにもいかない。
ならば、啓子にマスターキーを使ってもらうしかないのだが、春子はそれを止めようとした。
何しろマスターキーは1つしかないのだ。
しかし香山は透ならともかく女の子の啓子なら別にマスターキーを持っていても大丈夫だと言い、
文句が出ないのでそれで決定となった。
春子が各人の希望を聞いて食後のお茶を用意する。香山は夏美が好きなカモミールティーを淹れて
もらい、夏美の写真と線香立てをその隣に並べた。
辛気臭いのもどうかと思ったため、食後のティータイムに談笑しながら夏美の追善という趣向だ。
一同は代わる代わる席を立って線香を上げる。
香山はBGMがわりに自慢の喉を披露した。
わしが香山や
……男の大往生……
セリフ「わしの会社は実力主義や」
セリフ「そやから、不況なんかはどこ吹く風や」
セリフ「そやけど、なあ夏美……わしも、わしも、ほんまはさみしいんや」
セリフ「男の大往生、今夜は歌詞を新しくしてお届けいたします……」
夜中に 独り寝は つらいけど
毎晩 夢に見る おまえの姿
浪速で咲いた 一輪の華
先に散るとは 思いもよらぬ
今度 死ぬ時ゃ 次に 往く時ゃあ
おまえと 畳の上で 大往生
〜夏美に捧ぐ〜
厳かな雰囲気に包まれながら、とどこおりなく焼香が終わった。
真理の提案で食後の片づけを全部透に押し付けもとい任せると、一同は解散した。
香山は自室に戻ると、マールアビ小竹……じゃなかった、ケマルーア彦田に電話をして
本当に財宝があるかどうかを占ってもらった。
占いの結果、財宝はあるらしい。だが、近づいてはならんとも出ているようだ。
しぶしぶ諦め供養に専念することにした香山だったが、一応透に貰った鍵がどこのかを
訊いてみることにした。
占いでは地面の下。どうやら東のつきあたりの地下室の鍵らしい。香山はそれをメモした。
電話を切ると啓子が鍵を貰いに部屋を訪れた。「マスター」のタグがついている鍵を持っていく
よう言った後、透に鍵についての言伝を頼む。地下室の鍵のようだから探すのを手伝え、と。
鍵を見つけたのは透だから透にも権利はある。いざ宝が見つかったら6:4、いや7:3くらい
の率で香山の方が多いわけだが。
啓子が帰った後、今度は春子がやってきた。部屋割りに拘ることに関して多少の苦言を言いつつ
祭壇の桔梗の造花に目をつける。桔梗は夏美が好きだった花なのだ。
唐突に春子は桔梗の花言葉を知っているかと訊いてきた。夏美から聞いた覚えもないし見当も
つかなかったので当てずっぽうに「永遠の愛」と答えたら、どうやら当たったらしい。
「永遠の愛。変わらぬ愛……。あなたはそれを叶えようとしてるのね」
そう言って春子は静かに部屋の外に出て行った。
香山はなんとなくこの場所で春子と会話したのが悪かった気がして夏美の遺影に手を合わせる。
写真の中の夏美は、気にしてないと香山に語りかけた。
香山は春子のことについて、そして夏美に対する供養のことについて夏美と語り合った。
それから壁に掛けてある懐中電灯を手に取り、食堂や応接室とは反対側にある地下室へと向かう。
様々な機械が唸る地下室の部屋の隅に、畳半畳ぐらいの四角く仕切ってある床があった。
よく見ると取っ手らしきものとその近くに鍵穴も見える。
丁度いいタイミングでやってきた透と共に鍵を開け取っ手を掴んで床扉を持ち上げると、
中には鉄梯子がありその下には広い空間が広がっていた。
互いに譲り合いつつ、まずは透が下に降りていく。香山も続いた。
カビくさい空気がよどむ上に寒い通路を進んでいくと、鉄扉があった。
それを開けると錆びたパイプなどが転がる小さな部屋があり、さらに奥にも扉があった。
しかし、その扉は押しても引いても開く気配はない。
破ろうかと考えたとき、香山のケータイが突如鳴り響いた。祈祷の時間を知らせるアラームだった。
若いのにケータイの機能に詳しくない透に感心されつつ、宝探しを中断して引き返す。
香山は内心ほっとしていた。どうにも地下室に入ってから胸がむかむかする気分になったし、
それに誰かに見られているような気配も感じていたからだ。
地下室の鍵をズボンのポケットにしまい、またあとでと透と別れて部屋に戻る。
再び半袈裟とロウソクを身に着け、祈祷の最中に電話がかかってきたら台無しだと受話器を外し
天気予報案内に繋いだままにしておく。
すると、電話の脇のメモ帳に赤いマジックのようなもので字が書きなぐってあるのが見えた。
手にとって読んでみると、「ネノコクマデニ ココカラタチサレ」と書かれていた。
ふん。まったくしょうもないことをしよる。
わしがお宝を独り占めするつもりやと誰かが勘違いしとるんやろう。
わしはそこまでがめつくない。
素直にほしいといったら8:2、いや9:1ぐらいの比率で分けてやるのに。
そんなことより祈祷、とメモを電話の向こうに放り投げ、祭壇の前に正座する。
御幣を手に取ったそのとき……。
20:55――
この時、ぼくたちは、香山さんの身に何が起こったのか知る由もなかった。
今回はこの香山編終了までです。
……新スレはここでよろしかったんですよね?
乙
乙
かま3の人乙です
早く、早く続きを!
前スレ
>>418からこのスレの
>>39までの間に書き込まれたストーリーをまとめWikiに収録しました。
また、未解決リストも
>>39までの分に更新しました。
【注意事項】
スレの容量が500KBを超えると書き込めなくなります。
450KBを超えたら次スレが立つまで書き込みを控えてください。
とかテンプレの頭に加えましょか
ポポロ1→15レス分。
ポポロはじまり→3レス分・・・
これはひどい。はじまり知らないけど、そんなにスカスカなんだ。
それは本気で言って(ry
書き手によってはどれほど内容が濃いストーリーでも
三行で終わるぞw
逆に内容スカスカでも書き手によっては面白かったりする
>>43 いや、結構詳しく書いたって言ってたしさ>はじまり
携帯アプリの歪みの国のアリス制覇したけど需要ありますか?
>>45 なんか結構おもしろいらしいね。
俺の携帯じゃ出来ないんでキボンヌ。
それじゃあ今から歪みの国のアリス投下します
できたら本当は一章ずついきたいところだけど
一章が他の章の倍以上の長さあるから、一章は三回にわけて投下します
本来は分岐選択式なので、細かい話は変わってくるけれど話の大筋は変わらないので
そこの所はよろしくお願いします
第一章「終わらない放課後」
主人公の葛木亜莉子(カツラギアリコ)は、親友の雪乃と高校の自習室でテスト勉強をしていた。
が、いつに間にか亜莉子は眠ってしまっていたらしく、ようやく目が覚めた時には外からはオレンジ色の夕日が自習室の中を照らす時間になってしまっていた。
現実と夢の境界線がはっきりとしないまま、亜莉子が顔を上げると彼女の目の前には大きな口が浮かんでいた。鋭い歯が剥き出しになっているそれは、ニンマリと月の形を描いている。
赤ずきんに出てくる狼の口を思い出させるような大きな口だ。
それが灰色のフードの中から、ただひとつぽっかりと不気味に覗いて見える。
奇妙な格好をした、不審者にしか見えないような人物が亜莉子の目の前の机の上に座り込んでいた。
驚いた亜莉子は思わず反射的に体を引いて、そしてある事実に気付いた。
自習室には誰も居ない。本来居るはずの人間も、親友の雪乃も。
ただ、目の前に居る大きな口だけが見える不気味な人物と二人きりだ。
いったい、雪乃は何処へ行ったんだろう。亜莉子がそんな事を考えていると、
不意に目の前のそれが、ユキノはいないよ、とそう呟いた。声は低く、どうやら男なのだろうとうかがえる。
とにかく不審な人物であることに間違いはないので、亜莉子は先生にこの事を知らせないといけないと思い、
恐る恐る立ち上がり自習室の扉から外へ出ようとした。
が、好奇心に似た恐怖からか、扉を開ける瞬間に後ろを振り返ってしまう。
そこには、さっきまで机に上に座っていたはずの男がいつの間にかぴったりと体を近くまで寄せて
立っていた。
亜莉子は驚いて、思わず腰を抜かしてしまう。
あなたは誰ですか、私に何か御用ですかと怯えながら尋ねる亜莉子を見下ろしながら、
男は自分はチェシャ猫だと名乗った。そして続けて、
「さあアリス、シロウサギを追いかけよう」
何の脈絡もなしにそう言った。先程から見えるのは大きな口だけで、表情は読みとれない。
突然ウサギを追いかけよう、などと言われても亜莉子の頭は混乱するばかりだ。
そもそも、自分の名前はアリスではなく亜莉子。
そして、亜莉子はこのチェシャ猫という怪しい男は人違いをしているんじゃないだろうかという考えに辿り着いた。それなら話が通らないのも理解できる。
そこで亜莉子は、自分がアリスではないとチェシャ猫に説明した。
しかしチェシャ猫は、ぼくらはアリスを間違わない、君はアリスだと言うばかりだ。
そこで亜莉子も必死になって、自分は日本人だし英語は出来ないしとにかくアリスではない、と叫ぶ。
それを聞くとチェシャ猫は黙り込んでしまった。
ようやく納得してくれたかと亜莉子がほっとするのも束の間、チェシャ猫は変わらずにんまり笑ってこう言った。
「さあアリス、シロウサギを追いかけよう」
駄目だ、全く人の話を聞いていないと肩を落とす亜莉子に向けて、すうっとチェシャ猫の手が伸びてきた。
恐怖を感じた亜莉子は、とっさに扉を開けて自習室の外へ飛び出す。
が、飛び出すと同時に足が止まった。
廊下に、果てが無いのだ。学校の廊下は長く長く、先が見えない位に遠くへと延びている。
おまけに階段までなくなっている。あるのは白い壁だけだ。
異様な光景に唖然として立ち尽くしていると、どうかしたかいアリス、とチェシャ猫の声が聞こえた。
亜莉子はなんでもないです、と叫ぶとその声から逃げるように果ての無い廊下を勢いよく駆けだした。
自習室の扉がだいぶ小さく見えるようになるまで走って、亜莉子はそこでようやく足を止めた。
チェシャ猫は追いかけてくる訳でもなく、ただその場に立っている。
それを確認してから、戻る訳にもいかない亜莉子はまた果ての無い廊下を歩きだした。
途中で大声を上げてみても誰からも返事は返ってこない。
窓からは街が見下ろせるが、街にも人の姿は見当たらない。車も自転車も通らなかった。
左には教室が並んでいるが、クラス番号が書いてあるはずのプレートには何も書かれていない。
わらにも縋る思いで、ひとつひとつ教室を確かめていく。
そして、いくつ目かの教室のドアを開けた時、亜莉子はふと足を止めた。
教室の真ん中で、ぽつりと佇む後ろ姿。人を見つけ、亜莉子は嬉しくなって駆け寄ろうとした。
しかし、次の瞬間再びその歩みは止まり、亜莉子は目を見開いた。
白いワイシャツとスラックス姿は、ぱっと見はまるでサラリーマンのようにも見える。
しかし、その頭からは二本の白い耳が伸びていた。
ウサギの着ぐるみだろうか、と亜莉子は一瞬思ったが、それにしてはよく出来すぎている。
おそるおそる正面に回って、そして亜莉子ははっと息を飲んだ。
ふかふかの白い毛に覆われた白い毛に覆われた顔や手、前に突き出た赤い鼻。
これは決して着ぐるみなんかではないと、一目で理解できる。
しかしそれ以上に亜莉子を驚かせたのが、その右手だった。
ウサギの右手は、べっとりと、赤い血で染まっていた。
同様に、赤く濡れた胸には人形が抱かれている。人間の赤ちゃんほどの大きさの人形だ。
しかしそれには手も、足も、頭もない。そんな胴体だけの人形を、ウサギは大事そうに抱いていた。
そして、あやすような歌声が聞こえてきた。
ウデ ウデ ウデ♪ ウデはどこだろ♪
ウデがなくっちゃ♪ 僕にふれてもらえない♪
亜莉子は、ウサギの腕から滴り落ちる血の雫から目が離せないでいた。
新鮮な血だ。ウサギのものでなければ、まるでつい今しがた、誰かを殺してきたような。
そんな事を考えていると、不意に歌声が止んで、代わりに呟く声が聞こえた。
「足 り な い な あ」
とりあえず今日はここまでです
一章の三分の一くらい結構打ったのに、思ったより短かった・・・
一章終わったら、次からは章ごとに投下しますね
乙です。
雰囲気ある文章でGood
ゾクッとくるね
おお、こわ〜
続き期待してます
(主人公選択→透 以降香山には白い三角巾が)
8月15日 17:25
真理は今日子が好きだったというバラとかすみ草の花束を海へと投げ、手を合わせる。
結局小林夫妻の遺体は見つからなかったため、「シュプール」近くに建てた墓は空だった。
透は最後に見た2人の姿を脳裡に浮かべながら冥福を祈ると同時に真理のことを報告する。
――安らかに、安らかに眠って下さい。
真理は「シュプール」を継いで、一生懸命頑張っています。
ぼくも、今は半人前ですが、必ず――
真理に何を話していたのか聞かれたが透は適当にごまかし、2人で三日月館へと向かった。
去年のことで気が重くなりつつも館に到着すると、春子が2人を出迎える。
春子に案内されて管理室へと向かい、それぞれの部屋の鍵をもらう。
透は真理の隣が俊夫であることに不服を感じてごねたが、結局は指示通りの部屋に納まった。
そのとき管理室の奥の部屋から奇声と何かを振り回すような音が聞こえたため腰を抜かしそうに
なったが、あれが祈祷だと聞かされて透は香山がおかしな宗教にでもはまってるんじゃ、と思った。
2階ロビーは1年前となんら変わっていなかった。階段を上がってすぐのところに札が貼られている
こと以外には。
透は近づいてその札をよく見てみたが、そこに書かれた文字の意味はまったくわからなかった。
壁にしっかりと貼り付けてあるらしく、ちょっと引っ張ったくらいでは外れない。
使われていない部屋のドアに貼られているその札は大きく、部屋番号が隠れてしまっていた。
真理は春子に頼まれて夕食の配膳の手伝いに行くため、11号室前で別れる。
透はその隣の12号室をうらめしく思いながらその札の貼ってある空室3つを通り過ぎ、16号室に
向かう。湾曲した長い廊下を歩いているうちにどれくらいの距離を進んだのかがわからなくなってきた。
何とか16号室にたどり着き、鍵を開けて中に入る。
去年の透の部屋は4号室に相当するので部屋は違うが、ほとんど変わりがない。
津波の被害は主に1階部分だったので、2階はドアと鍵以外は手が入っていないようだ。
ベッドに寝転がると長旅の疲れのせいで眠気が襲ってきたが、香山の奇声もとい祈祷で起こされた。
それがまるで死者の恨みの声にも聞こえ、去年の記憶が蘇り、心細くなった透は寝ている間に誰かが
到着しているのではと1階の応接室に降りてみることにした。
応接室は1階の西側であり、食堂はそのつきあたり。管理人室はその逆の東側で、厨房はその奥だ。
応接室に入ると美樹本と啓子、俊夫の姿があった。可奈子がいないことを不審に思うが、
気分が悪くて部屋で休んでいると、啓子に訊いたつもりが何故か美樹本に教えられた。
置時計が7時を告げると同時に香山が応接室に現れ、食堂へと移動する。
香山が供養の経緯などを説明し始めたが、ほぼ全員春子の作った精進料理に夢中になっていたため
誰も聞いてはいなかった。
春子に料理についての質問をしながら食べていると、ふいに香山が言った。
「……君ら、わしの話聞いてないやろ」
(心外だ、という口ぶりで)「聞いてますよ」×6
「嘘つけ!」
香山のくどくどした説明が終り、俊夫がよく元通りに復元できたと感心すると今度は
復元についての説明を始めた。
たった一晩のためにウン十万のシャンデリアを買ったことにもったいないと思った透は
香山にいらなくなったら譲ってくれ……と言いかけて、真理の目を気にしてやめた。
一晩泊まるだけなのにそこまでしなくても、という問いに対しては、元々お盆というものは死んだ人間が
戻ってくる時期であり、生前のままの方がそうしやすいからだろうと返ってきた。
透が気になっていた札の質問をすると、絶対にはがすなと念を押された上で島の呪いを解くため云々
という説明を聞かされた。
春子含め誰も信じていないようだったが、一風変わった香山なりの供養なのだろうということで
誰も異議を唱えなかったらしい。
可奈子が部屋から降りてこなかったことに関して心配したり、可奈子が美樹本のアシスタントに
なっていることを知ったり、香山が結婚していたときは毎日のように春子の手料理を食べていた
ことをうらやましがって余計なことを言うなと真理に脇腹を肘でどつかれたり、それに対して
春子が香山は手料理を数えるほどしか食べていないことを暴露したりしていると、照れ臭くなった
のか香山が話をそらすように俊夫に声をかけた。
そこで透たちは初めて俊夫がほとんど料理に手をつけていないことに気がついた。
みどりのことで気を重くしている俊夫に、みんな無意識に明るく振舞っていたらしく一転して
重苦しい空気に変わってしまった。香山も夏美のことを思い出し、「もし、ああならなかったら」と
俊夫と一緒になって口にしだす。
俊夫はふいに透に何故あの事故があった晩にみどりが買いだしに行くことになったのか覚えているか
と問うてきた。そんなことを言われても何のことだかわからない。
地下室というヒントに、透は答えではなく地下室で見つけた例の岸猿家の紋章の入った鍵のこと
を思い出した。取り出して香山に見せると、伊右衛門の財宝の鍵かもしれないという話が出る。
透は最初は宝に興味を持っていたが、宝を探しにいって帰ってきた者はいないという話を聞き、
急に怖くなって宝を探す気をなくしてしまい、鍵をそのまま香山に預けた。
どこの鍵かどうかは後で業者にでも電話して聞いてみるという。
前は電話は使えなかったが、管理室にひいた電話か丘の上まで行ってケータイを使えばかかるらしい。
今度は啓子が部屋の鍵を無くしてしまったと言い出した。
予備の鍵はないし、祈祷のために部屋を変えるわけにもいかない。
1つしかないマスターキーを啓子に渡すことに春子は反対の意を示したが、香山は透ならともかく
女の子の啓子なら別にマスターキーを持っていても大丈夫だと言った。
どういう意味だ、と透は思ったが、文句が出ないのでそれで決定となった。
春子が各人の希望を聞いて食後のお茶を用意する。香山は夏美が好きなカモミールティーを淹れて
もらい、夏美の写真と線香立てをその隣に並べた。
一瞬それが去年の河村亜希の遺影を見たときの光景を髣髴とさせてぞっとしたが、香山は特に
何も感じていないようだ。
「わしが香山や! 男の大往生!!」
突如香山が熱唱し始めた。
「わしの会社は実力主義や」
「そやから、不況なんかはどこ吹く風や」
「そやけど、なあ夏美……わしも、わしも、ほんまはさみしいんや」
「男の大往生、今夜は歌詞を新しくしてお届けいたします……」
「よぉ〜なかぁにぃ……」
下手ではないがだからといってどうというわけでもない。皆、それはちょっとと言い出したくても
言い出せない複雑な表情のまま、とどこおりなく焼香を終えた。
片付けは皆で、という香山に、シュプールでの洗い物の日々が蘇る。
今日こそは解放されたいと思ったが、真理の余計な一言で修行になるからと押し付けられてしまった。
春子と卒業したらどうするのか、という話をしながら洗い物をする。
透としては「シュプール」で働きたいのだが、真理は自分のしたいことをしてくれと断っている。
だが、透のしたいことは真理を幸せにすることに他ならない。
春子との会話で吹っ切れた透は真理にはっきりとあの事を話そう、と真理の部屋に向かった。
しかしノックしても返事はなく、隣の俊夫の部屋から真理の声が聞こえてきた。
聞き耳を立てると、どうやら真理は「シュプール」で再度働くように勧誘しているらしい。
『……透くんがどう思うかな』
『今は透のことはどうでもいいの。私、俊夫さんのこと本気で――』
その言葉にショックを受けた透は、慌ててそこから離れた。
透がいくら頼んでも就職させてくれないのに、俊夫ならいいのか?
みどりが刑務所に入っている間に2人はそういう関係に……?
ふらふらと歩いてロビーまで来ると、啓子に声をかけられた。
あの鍵は地下室の鍵だから調べるのを手伝ってくれ、という香山からの伝言を聞いても
どこか生返事になってしまう。
1年前とまったく変わっていない地下室に行くと、香山が床にしゃがみこんでいた。
台所の収納みたいに床の一部が扉になっており、取っ手らしきものとその近くに鍵穴も見える。
鍵を差し込んで回すとカチリと音がした。ここの鍵で間違いなかったようだが、何故シュプールの
床に落ちていたのだろうか? 今日子が持ってきたのか?
色々と考えているとなぜか不吉な気配を感じ、身震いした。
取っ手を掴んで床扉を持ち上げると、中には鉄梯子と広い空間が広がっていた。
互いに譲り合いつつ、懐中電灯で照らしながらまずは透が下に降りていく。香山も続いた。
カビくさい空気がよどむ上に寒い通路を進んでいくと、鉄扉があった。
それを開けると錆びたパイプなどが転がる小さな部屋があり、さらに奥にも扉があった。
しかし、その扉は押しても引いても開く気配はない。
破ろうかと考えたとき、香山のケータイが突如鳴り響いた。こんなところでケータイがつながるのか
と驚いた透だったが、それは祈祷の時間を知らせるアラームだった。
若いのにケータイの機能に詳しくない透は妙に感心しつつ、宝探しを中断して引き返す。
またあとで、と香山と別れ2階に上がると、ロビーで啓子と俊夫がスナック菓子を食べていた。
先程の真理と俊夫の会話を思い出し逃げ出したくなるも間に合わずに二言三言交わすと、
俊夫が香山がどこにいるか訊いてきた。部屋だ、と答えると祈祷中だから入れてもらえないと
言う暇もなくさっさと下へと降りていってしまう。
透は啓子に真理の居場所を聞き、真理の部屋へと向かった。
しかし真理は、しばらく1人にしてくれとさっさとドアを閉めてしまった。
俊夫に就職を断られ、落ち込んでいるのか? そんなに俊夫がいいのか?
どうしてぼくじゃ駄目なんだ?
急に息苦しく感じ、外の空気が吸いたくなった透は2階に2つだけ窓のある部屋があったことを
思い出し、廊下を戻って西側の奥にある物置部屋に向かった。
物置小屋の前には春子が立っていた。春子も同じ目的のようだったが、鍵がかかっていて入れない
のだという。透もドアを開けようとしてみたが、しっかりと施錠されていた。
ふいに、どこからか食堂で焚いた線香の匂いが漂ってきた。匂いが服に染み付いているのだろうか?
嗅いでみると、そうであるような気もするしそうでないような気もした。
ふと目を上げると文字通り目と鼻の先に春子の横顔が迫っていてどきっとする。
つい見とれてしまった透は、冷たいお茶を入れるから一緒にどうかといわれ、別に春子とどうこうなる
などということは思ってもいないが、少しだけ真理に仕返ししたような気分になった。
廊下を戻る途中、ふと何かひっかかるものを感じて透は立ち止まった。物音や人の気配を感じたわけ
ではないのだが……。
(透が立ち止まったのは札が貼られている部屋の前。物置部屋を振り返ると。札が貼られた部屋のドアが
2つ(1つは物置部屋)が見える)
2階ロビーには相変わらず啓子がいた。春子が啓子に声をかけ、何やら話をしているうちに1階から
俊夫が上がってくる。どうも、香山が部屋にいないらしい。
祈祷をすると言っていたから部屋にいるはずだ。だが祈祷の声は聞こえず、ノックの返事もないらしい。
中を覗こうにも鍵がかかっていた。
何かあったんじゃないか、――悪いことが。
そんな嫌な空気に包まれ、啓子が「まさか……ね」と呟く。
そこで透は啓子がマスターキーを持っていることを思い出し、それで開けてみることを提案した。
単純に寝てしまったなどという理由で何事もなければまた閉めておけばいいだけの話だ。
普段の場所ならこんな提案はしないが、三日月館は普通の場所ではない。
何か起きたとき、「ああしてれば」と後悔はしたくなかった。
4人で急いで香山の部屋へと向かう。念のためノックをして呼びかけるも返事はやはりない。
啓子が差し出したマスターキーを鍵穴に差し込んだが、なぜか回らなかった。
もしかしたら管理人室だけはマスターキーでは開かないのかもしれない。
俊夫はドアを破ろうと提案したが、去年それが出来たのは扉がちゃちなスライド錠だったからだ。
透は1階東にある物置に行き、古びたツルハシを手にとって戻ってきた。
それを受け取り、俊夫がドアノブ近くにツルハシを叩きつける。二度、三度と叩きつけて漸く
板がボロボロになり、開いた穴に手を突っこんで掛け金を外すことができた。
開いたドアから中に入りざっと見回したが、香山の姿はない。
部屋の奥の和室部分を仕切っている襖の隙間から光が揺らめいている。
不吉な気分にとらわれながら、透と俊夫は同時に襖を開けた。
香山が祭壇の前で横たわっている。髪の薄い後頭部から赤黒いものが流れ出しており、傍らには
血がべっとりとついたクリスタルの大きな灰皿が転がっていた。春子がひいっ、と声を上げる。
透は声をかけたり揺さぶったり脈を取ったりしてみたが、反応はない。
死んでいるみたいです、と透が言うと、春子はびっくりするほどの力で透を押しのけ、香山の
身体を揺さぶった。
とにかく警察を、と思ったが、俊夫が取り上げた部屋の電話は通じなかった。
嫌な予感がしてテーブルの下に潜り込み、電話線をたぐり寄せるとやはり先が切れていた。
ケータイは丘の上に行かねば使えない。俊夫は透に全員に事件を知らせるように言うと、
ケータイをかけに外へと向かっていった。
2階に上がるとロビーに美樹本がいた。美樹本に事情を説明し、可奈子を呼んできてもらう。
美樹本は西側の廊下に向かい、透は真理に知らせるべく東側の廊下に向かった。
真理たちを連れて1階のロビーに戻ると、啓子と春子……そしてなぜか俊夫もいた。
もう警察に連絡したのか……と思ったが、そうではない。玄関が開かないのだ。
何とか開けようと全員で押してみるも、びくともしない。犯人が逃げるときに細工したのだろうか。
となると後は2階の角部屋の窓だけだが、窓の下の剣山の存在があるために止められる。
香山が何者かに殺されたと聞いた可奈子は、だからこんな島には来たくなかったんだと叫び
上に上がっていってしまった。慌てて美樹本も後を追う。
犯人がうろついているかもしれないのに無闇に動き回るなんて、と俊夫が舌打ちをする。
犯人が逃げた可能性もあるが、とにかく明るくなるまで身の安全を確保する必要がある。
俊夫は館の中を調べることを提案したが、真理は危険だと首を振った。
真理の青ざめた顔を見て、透は決意を固める。香山のような犠牲者をこれ以上増やさない為にも、
犯人を探さなければならない。少なくとも、この館に犯人がいるかどうかを確かめなければ。
誰が……誰が一体こんなことをやったのか……。
微妙に中途半端ですが今回はここまで。
推理のヒントになる部分とそうでない部分をあれこれ織り交ぜているので、
どうしても長くなってしまいます。
第1回透編はあと2回ぐらいに分けて投下予定。
かま3乙!
乙ーーーー!
ああもう、早くぅ!!w
コード・エイジの続き投下します。
今回とあと一回で終わり……にできるといいなあ。
ジェラルド篇ステージ8
決戦! 黒躍る舞台! C.A.0099.12.24 アルフェッカ島
とうとうサリヴァンと対峙したジェラルド。
彼は結論をサリヴァンに示す。
自分を救ったように、サリヴァンが世界を救うのだと信じていた。
だが、今、人一人救ってない奴に人類すべてが救えるとは思えない。
かつて人々は生きるため未来を信じて方舟に乗った。今でもその目的と思いは同じなはす。
敵だ、排除する対象だとサリヴァンが言う存在がいるが、
「もし敵がいるとしたら、それはお前自身が作り出したものだ!」
サリヴァンは問う。私が間違っているというのがお前の結論かと。
そうだ、と返すジェラルドに、サリヴァンは叫ぶ。
「バカな、そんなはずはない、記憶の通りにやったのだ。私じゃない、私じゃあない!
間違っているのは、貴様だ!」
そして、ジェラルドは自らの正しさを示すため、一人、サリヴァンと戦うのだった。
勝利したジェラルドに、サリヴァンは「やはり偽者は偽者か」と謎のつぶやきを呟き、
「強者が弱者の記憶を請け負う。黒の群の掟だ」と自らの記憶を吸うことを要求する。
要らねえよと突っぱねるジェラルドに、
「いいから吸え、吸えば分かる」と強要。
結局サリヴァンの薦め通り彼の記憶を吸収する。
そして明かされた事実は……。
世界に絶望しきったとあるWHは、ある日WHになったサリヴァン博士と出会いました。
彼はこの世界もこの体もどれもこれもくそったれだと散々サリヴァン博士に愚痴り、
そして顔を見て、この人こそ方舟計画関係者のサリヴァン博士だと気付きました。
責任取ってくれるのかと、責める彼。こいつらが立てた計画に乗ったから自分がこんな目にあってるわけで。
サリヴァン博士は、たしかに私たちに責任はあるとも言えるが、
今この世界で、こんな体で彼にしてやれることはそれほど多くないがと、諭します。
まあそんなことは彼も分かっていました。
でもせめてオレが味わった絶望くらいは味わせてやりたいよ、とぼやきます。
それを聞いて、それならできるとサリヴァン博士は申し出ました。
彼の記憶コードをサリヴァン博士が吸収すれば、それができるそうです。
そう真面目に言われて戸惑う彼。それじゃ一方的に吸収されるんじゃないかと。
なら私の記憶も持っていけ、何かの役には立つかもしれないとサリヴァン博士は言いました。
同じ記憶を共有した二人。どちらが死んでもどちらの思いも生き残る。
それが、これからのWHの流儀なのだとサリヴァン博士は言います。
互いの栄えある未来を願って、人の次なるステップへ……。
二人はお互いの記憶を吸収しあいました。
ところが。
吸収した後サリヴァン博士はつぶやきます。
あんまり変わった気はしないが、ちょっと面白えと。
まさか……あんたオレの記憶を……と彼はびっくりします。
ちょっとは救われた気分にもなったし、こうやって仲間を増やしていくつもりなんだろう?
とサリヴァン博士は、彼に言います。
彼はおののきながらも、起こった事態の真実を告げることをためらい、
「俺はジェラルド。サリヴァン、あんたに協力するぜ!」
と朗らかに宣言するサリヴァン博士の発言をそのまま受け入れたのでした。
そこで本物のWHジェラルドは、自分がサリヴァン博士に成り代わり、
博士の考えた「コードを共有すること」という計画で仲間を増やし、黒の群を組織していった。
でもかつてジェラルドだったWHは、自らの持つサリヴァン博士の記憶の中で、
世界を救う方法だけ分からなかった。
分かるのは、……ただ未来を信じるという、根拠のない自信だけ。
だから彼は記憶を取り戻した時点で質問する。サリヴァン博士は、どうやって世界を救うつもりだったのかと。
その答えは、
「分かんねえ。考えてなかった。ただ、生きて、そんで仲間がいりゃ、何とかなるだろうってな」
それを聞いて「やはり貴様が本物だ、最強のコードだよ」と大笑いする。
あまりにも清々しいその笑い声に何なんだとジェラルドは肩をすくめる。
その頃ランドスケイプは「セントラルコードに我々のコードをたたき込む計画」を発動。
セントラルコードは再構成され、世界の危機を回避した。
空で行われたその壮大な計画をジェラルドとサリヴァンは感慨深げに見つめるのだった。
エピローグ
ギョームは婚約者とWHの研究をすることに。
ティボルトとヒルダは、世界復興の一環として結成の動きがある自警団に参加することに。
どちらもジェラルドをそれとなく誘うも、それには直答せず、
ジェラルドはジュネにお前はどうするんだと問う。
言いよどむジュネ。ジェラルドはジュネに一緒に来ないかと誘い、
ジュネとサリヴァンと三人で旅に出かけることに。
行き先は分からない。でも生きていればどこかでみんな再会できるはず。
ジェラルド隊は一時解散、各自休暇。だけど招集があり次第、集合すること。
それを言ってジェラルド達は別れた。
別れても彼らの絆は変わらない。
「新世界と旧世界の狭間
この時代は不安に満ち溢れていました。
不安という暗闇の中
ある者は同志を集め
自らの持つ小さな希望の灯を
より大きなものへと継いでいこうと仲間と歩き出し、
またある者は ただ生き残りたい、
それだけのために他者を踏みにじり
地上にさらなる暗雲を投げかける──」
補足説明
・要するに記憶交換の時にサリヴァン博士が「自分はジェラルド」と勘違いしてしまい、
その上、本物のジェラルドはとって変わろうとした結果
それ以降はサリヴァン博士はジェラルドとして、
ジェラルドはサリヴァンとして、生きていくことになったわけです。
最初にコードを共有した相手とはいえ、
やたらサリヴァンが単なる一戦士であるジェラルドを異様なくらいに気に掛けていた理由はこれです。
サリヴァン博士は、方舟計画に終盤から参加した若手の研究者(公式年表)で、担当は駆動系
というキャラだった模様。
「これはジェラルドとサリヴァンが記憶を共にした数日前の出来事。
ここにも方舟の落下で生き残った一人の女性兵士がいました。
名は──フィオナ」
フィオナ篇
萌芽 C.A.0019.08.31
方舟乗船者だったフィオナが放り出された世界は、希望に満ちあふれた新世界ではなく、
荒廃した世界だった。
フィオナはその事実に絶望する。新しい世界に望みを託して私は方舟に乗ったのに。
そこに現れたWHギネヴィアは、することがないのなら、
私に力を貸してくれないかと頼み、フィオナの体をWHとする。
ギネヴィアがいうには、この世界は病んだ子どものような存在で、間違った存在。
ギネヴィアは世界に皆で生き残っていくために力を必要としているようだ。
リボーンによる滅びは世界の必然だと思っていたフィオナにとって
その考えは目から鱗が落ちるようなものだった。
助けてくれた上に生きる目的までも与えてくれた恩返しとして、
フィオナはギネヴィアに忠誠を誓うのであった。
そして、ギネヴィアはフィオナの体をWHとする。
「この力、ギネヴィア様のために!」
フィオナ篇ステージ1
戦線 C.A.0099.11.02 アルヘナ砂漠
アルヘナ砂漠で黒の群と交戦中の白の群アグアル隊。
現在、フィオナはこの一隊に所属している兵士だった。
隊長であるWHアグアルの他のメンバーは、
WHヴィエント、WHシエロ、WHベルーダと、総計五人のメンバー。
今の戦況はどうも白の群側が押され気味。
苦戦中のアグアル隊長を遠くから冷ややかに眺めるフィオナ。
その態度をたしなめる同僚ヴィエント。
フィオナは無能なアグアルにもこのくらい役に立ってもらわないとと言い放つ。
しかし、どうもこれ以上は放っておいたら戦況が危ないと見て取るなり、
その瞬間、フィオナたちは「いくぞ、黒どもを殲滅する!」と出撃。
その勢いでアルヘナ砂漠にたむろする黒群たちを殲滅。
アグアルはよくも自分を囮にしたなと怒るものの、
ご立派な戦いぶり、この戦いの一番の戦功者は隊長、ギネヴィア様もお喜びになるでしょうと
心にもない誉め言葉で言い負かそうとする。
複雑な顔でそれをのみながら次は許さんぞとアグアルは負け惜しみ。
ヴィエントは隊長の言うことももっともだ。
フィオナの囮を使うような戦法は正直好かない、
お前にはそういうことをしてほしくないんだと文句を垂れるも、
フィオナはギネヴィアの勝利のためなら何でもすると息巻く。
その時、一隊にもたらされたのは、ギネヴィアが危ないとの知らせ。
そこでフィオナは慌ててギネヴィアの元に走ることに。
フィオナ篇ステージ2
疑雲 C.A.0099.11.04 ムフリッド宮殿
白の群の、ムフリッド宮殿への大侵攻計画は失敗し、撤退することになった。
(ちなみに侵攻失敗の経緯は、ジェラルド篇3を参照のこと。
時系列的にはジェラルドがダイノコーデット撃退した後)
しかし首領のギネヴィアはまだ宮殿近くに切り込んだまま行方がよく分からないという不安な状況。
そういうわけで、ヴィエントには退路を確保してもらい、フィオナは単身ギネヴィアの救出に向かう。
宮殿近くまで踏み込み、無事にギネヴィアを発見・保護し撤退する一行。
だが、黒の群はその撤退を見逃すわけもなく、ギネヴィアに向かって砲撃する。
その砲撃に対して、さすがのフィオナも周りのWHたちもそれを阻止できそうもなく焦るのだが、
そんな中一人冷静にギネヴィアは側にいたヴィエントを容赦なく盾にし、砲撃をかわして難を逃れる。
その行動は当然ながらアグアル隊の面々を戦慄させたが、気にもかけずにギネヴィアは撤退を進める。
重傷を負ったヴィエントは、動揺するフィオナに、俺はギネヴィア様に恩義があるから悔いははないと言い残す。
そんなヴィエントを不憫に思ったフィオナは「せめて私くらいはお前のことを覚えてやらないとな」、と
白の群の掟、<仲間のコードを吸収してはならない>という掟をやぶり、アグアル隊長が止めるのにも拘わらず、
彼の記憶コードを吸収することに。
その時に得たヴィエントとギネヴィアの出会いの記憶は、フィオナとギネヴィアの出会いと、
完全に同じものだった。日時も、会話の内容も。
つまり、フィオナの持っていた記憶は……
フィオナ篇ステージ3
離心 C.A.0099.11.11 エルナトパワープラント
ギネヴィアと共に重要拠点エルナトパワープラントに戻ったアグアル隊。
全く無能な部下ばかりだと吐き捨てるように留守番役たちにギネヴィアが愚痴っている場に現れるフィオナ。
「貴方に命を救われた記憶は偽物なのですか」と激しく問いつめる。
その発言でギネヴィアはフィオナが掟を破ったことを知る。そしてギネヴィアはその問いを否定しない。
フィオナたちは、命の恩人であるギネヴィアのためだと思ったから手を血に染めてきたのに、
それが全部嘘だと!
「どこの馬の骨ともしれぬ下郎を駒として使ってやったのだからむしろ感謝して欲しいものだな」
ギネヴィアの態度はふてぶてしい。
そこでフィオナはぶち切れるも、ギネヴィア親衛隊の人々に阻まれる。
記憶を操作されてたって事実を聞いてたのに。と驚いていると、
彼らは、「それがどうした?」、「ギネヴィア様のためならばその程度のこと何でもないわ!」と狂信的な発言を投げつける。
居たたまれなくなったフィオナはその場から去る。追うかとした親衛隊を、ギネヴィアはどうせ何もできんと留めるのだった。
立ちつくすフィオナに、アグアル隊長は、黒の群が責めてきたから迎撃しろと命じる。
フィオナはアグアルに、群を抜けると表明。ギネヴィアとの記憶が偽物ならこの戦争は茶番でしかないから。
ヴィエントの記憶を見たからそんな結論に達したのと気付いたアグアルに、
群に入ったきっかけはなにかと問う。それもまた、フィオナと同じだった。
フィオナにアグアルは問いかける。なぜ黙って脱走しなかったのかと。それを聞いて拘束するとは考えないのかと。
フィオナは誰かに聞いておいて欲しかった。拘束されるならその時はその時だと答え、
隊長、色々とご迷惑をおかけしましたと謝辞を述べ、去っていく。
この撃退が白群兵士として戦う最後の闘いだなと感慨を持つも、
フィオナはアグアル隊と共に黒群を撃退。そのままフィオナはエルナトパワープラントを出て行こうとする。
そんな彼女を待っていたのはアグアル隊の面々だった。
どうも彼らも白の群を抜けることにしたらしい。
どこに行くのか、という問いかけがアグアルの罠ではないと知りフィオナは答える。
キーパーズに参加しようと思っていますと。
それは白群黒群両方を敵に回す道。
この戦争には「ギネヴィア様が中心となり世界を救うという」大義があると思っていた。
しかしそれは幻想だった。記憶を弄って駒とする者が世界を救うなんて絶対にありえない!
ならばフィオナのやらねばならないことはひとつ。……この無意味な戦争を止めること。
それが戦争に荷担した者としてのせめてもの罪滅ぼし。
それを聞いて、
迷惑でなければ、群を抜けたものの行く当てのない隊のみんなも同行させてくれと、
罪滅ぼしをさせてくれとアグアルは頼む。
「わかりました……一緒に行きましょう隊長」
「うむ、よろしく頼む」
と請け負ったものの、そして、もう自分は隊長ではないから呼び捨てで構わんぞと。
それを聞いてフィオナは応じる。「そうですね、そっちの呼び方の方が慣れています」
フィオナ篇ステージ4
奇幻 C.A.0099.11.16 レグルス市街
キーパーズの本拠があるという噂を頼りにレグルス市街に来たものの、キーパーズの姿は見えず。
そこへ白の群からの刺客一団が登場。それを率いる者の姿は、死んだはずのヴィエントだった。
彼はギネヴィアの命令により、フィオナを始末しに来たと言う。
私はお前と戦いたくない、頼む見逃してくれと訴えるフィオナ達。
しかしヴィエントは裏切り者の言うことなんてきくかよと話は通用せず、
問答無用とばかりに手勢を率いて襲いかかってくるのだった。
襲撃されたからには必死でアグアル隊の面々は追っ手に反撃し、ヴィエントをも倒すが、
ヴィエントはこれで終わったと思うなよとばりばりに悪役ライバルな捨てぜりふを吐いて離脱。
結局レグルスではキーパーズに会えずじまい。
手がかりもないしどうしよう、と困るものの、
フィオナは倒した追っ手の記憶コードを吸収して、ケイド・クレーターでキーパーズが目撃されたことを知る。
次はケイド・クレーターに行くことに。
記憶コード 援護 C.A.0099.10.12
ケイド・クレーターでの戦いに参加しようと馳せ参じた白の群の兵士二人。
しかし戦闘はとうに終わっていた。着くのが遅れた。こりゃ下手したら厳罰物だなと頭を抱える兵士。
そして彼らは人間の娘(※ジーンの姉アリーズ)を連れたキーパーズのヘイズを見かける。
それを見た一人の兵士は、俺は群辞める。今まで迷惑かけたなと言い出す。
何で俺たちは戦争をしているのだろう。世界を救うのが目的なのに。
これはおかしいと頭の中でもう一人の自分が言ってるような違和感があるのだと。
キーパーズになりにいく、と離脱するのだった。
フィオナ篇ステージ5
同志 C.A.0099.11.27 ケイド・クレーター
ケイド・クレーターで待ちかまえていたのは、またもヴィエント。
今回は大量に戦闘員を連れてきて相当な物量作戦でアグアル隊を全滅させるつもりのようだ。
連戦に次ぐ連戦の中、助太刀するぞ! と空から巨大ゴーレム(ジェラルド篇でのランドスケイプの使者)が参戦。
そしてフィオナはヴィエントの手勢を全て倒し、ヴィエントをも倒す。
死ぬ直前にヴィエントはかつての記憶と意識を取り戻す。ムフリッド宮殿で撃たれた後、
ギネヴィアに治療された際にさらに洗脳されて追っ手にされたらしい。
そして「死ぬなよ、フィオナ」と言い残して死ぬ。
これからどうするのかと問われるフィオナ。彼女はランドスケイプの手助けをすることを決意する。
フィオナ篇ステージ6
決意 C.A.0099.12.12 ミルザム島
ランドスケイプに連れてこられたのはミルザム島。
ランドスケイプにはジーンという息子がいて、彼と連絡したいのだが通信用アンテナが壊されたのでそれができないらしい。
そこで修理する間、ゴーレムを護衛して欲しいのだと依頼され、フィオナは島を襲撃する手勢を全滅させる。
ようやく息子と連絡を取れたランドスケイプ。
彼はフィオナに、予想はしていたが息子が人間ではなくなってたことに動揺してたのだと漏らす。
※アンテナ破壊はジェラルド篇ステージ4。
再度ミルザム島に行った時に修理されてたのは、ランドスケイプがここで修理したから。
ここでの通信がジーン篇ステージ7ラストの通信。
フィオナ篇ステージ7
乱戦 C.A.0099.12.22 アルフェッカ島
アルフェッカ島に到着したアグアル隊。そこでようやくランドスケイプの本体とご対面。
ランドスケイプに対面したフィオナは、彼があのアルヴィン博士なのだと理解する。
しかし計画の肝心かなめだった彼の子どもたちは逃亡したらしい。それは深刻だと考えるフィオナに、
残っていたミームは、「大丈夫きっと帰ってくるから」と励ます。
その表情は、実は不安でもある自らを励まし、
かつフィオナにもジーン達の帰還を信じてほしいという、真摯な表情だった。
その思いを汲み取り、フィオナもジーン達が帰還することを信じることにする。
アルヴィンは、ジーン達が戻ってくるまでここを守ってほしい。
今のところアルヴィン博士の協力者はミームの他にも、元黒の群・ジェラルドと元キーパーズ・ヘイズがいるらしいが。
無茶な話だから強制はしないとアルヴィン博士は言うものの、
「今さら私が命を惜しむ理由はありません」と言い切るフィオナ。
白の群・黒の群共に大襲撃を受けるアルフェッカ島。
リコード計画が行われるまで、フィオナはアグアル隊とミームと共に襲撃者を撃退することに。
「やれやれ……こうなったらやるしかないな」とぼやくアグアル。
アルヴィン博士はいいのかと問うも、
「ワシは……あいつを死なせたくないんでな」
ときっぱり宣言するのだった。
フィオナ篇ステージ8
終局 C.A.0099.12.24 アルフェッカ島
襲撃の最中、フィオナはギネヴィアと遭遇する。
ギネヴィアは自らが新世界の神となるために、アルヴィン博士の計画が邪魔なのだと知ったフィオナは、
アルヴィンの元に行くのなら私を倒してからにしろと挑発し、ギネヴィアと対決。
ギネヴィアは強い。だが彼女の最強のコードは自分の力ではなく今まで他者を利用し、踏みにじってきた結果。
だから、フィオナは負けるわけにはいかない。
ギネヴィアを殺し、フィオナはリコードが無事行われ、アルフェッカ島に青空が広がるのを見とどける。
これで本当に世界は救われたのか? と内心不安なものを持つものの、
多くの人々の血が流れた。だからきっと良くなるさと亡きヴィエントに語るように自分に言い聞かせ
今はしばし、休もうと一時の眠りにつくのだった。
エピローグ
シエロとベルーダは風のいくまま気のむくままな旅に
二人行くことにし、アグアルにお別れを言う。
そんなアグアルは
白黒両群の残党狩りだなんて旅に出ようとするフィオナは危なっかしい、
ワシのようなしっかり者がついてないと、と付いていくことに。
足手まといになったらすぐ捨てるからと冷たく言うフィオナ。
だが、最後には、
「では、行きましょうか、アグアル」
そう言って二人は、旅立っていった。
「多くの人々が己の流儀(コード)に従い
走り続けたこの時代
彼らの足跡を追うことは
あたかもこの砂塵の地を吹き抜ける
ひとおりの風を追うに等しいことでした。
ヒトでありヒトでなくなった者たちは
皆何も語らずとも
共に歩んだ者の意志を継ぎ、
また思いを継がれてゆきました。
未来の灯を絶やさぬように」
補足
・シエロとベルーダは影薄い。折角存在してるのにあんまり喋らない。
・要するに白の群はギネヴィア様至上主義、すべてギネヴィア様のために(という洗脳をされた)WHだらけの組織なので、
黒の群とぶつかり、その結果黒の群もまた対抗していくうちに
本来の目的とずれた武力主義、威圧的組織になって世界で戦争したわけです。
そんな中、人間の保護のために戦争回避を目的とするWHの有志による組織の必要性も出てきて、
結果キーパーズが結成されたらしい。というのがここまでの三人の話で断片的に語られた組織の真相。
ではなぜ、キーパーズは人間を保護しようとするのか。その話は最後の物語、ヘイズ篇にて。
「黒の群を終わらせたジェラルド、白の群を終わらせたフィオナ。
その影で……」
ヘイズ篇
ヘイズ篇ステージ1
The Riverhead
C.A.0075.3.12
その日、キーパーズのヘイズ・ヒーリー達はデュオカリオンに迫った。
「コードを渡せ! アッシュ!」
だが、アッシュ=デュオカリオンは拒否し、抵抗する。
「オレの記憶(コード)は渡さない!」
アッシュはキーパーズのメンバー数人を自らの特殊能力コード転写
(自らを全部コード情報として強引に他者に転写してそのコードを乗っ取るという超卑怯くさい特殊能力。
ちなみにこんな特殊能力持ってるのはアッシュだけ。理由は後で判明する)や自らのアームで殺害し、
ヘイズはキーパーズのリーダー・ハヴェルに攻撃許可を求め、アッシュを攻撃するも
アッシュは「無駄だよヘイズ」とせせら笑い、
キーパーズからの脱退と、
「引き金はおまえらが引いたんだからな、オレはおまえら(ウォーヘッド)を喰らいつくす!」
とを宣言してその場を去っていく。ヘイズたちはその姿を黙って見送るしかできなかった。
それから数十年。C.A.0099.10.11。
ヘイズは未だアッシュのコードを入手できていなかった。
分かっているのは各地でアッシュがWHを殺して回っているということ。
アッシュのコード奪取がヘイズの本当の任務。
ハヴェルは言う。アッシュの成長は計画のリスクに比例するからこれ以上の放置はまずいと。
もっともヘイズの持つ外務記憶装置さえ無事ならヘイズの行動にはそれなりに自由を認めてはいる。
だが方舟が全て落下した今、キーパーズの目的として生存者の保護をせねばならない。
そのためヘイズは派遣された、ケイド市街にあるスタジアム跡に生存者がいないか探索しろと。
スタジアム内を全て探索したものの、生存者は居ず愚痴るヘイズ。そこで走ってくる人間の影。
そこには人間の若い娘がいた。驚くヘイズ。しかしそれを追って現れたのはデュオカリオンであるアッシュ。
反撃体制を取ろうとするヘイズに、
突然現れたハヴェルはこの娘を連れて里に行けと、アッシュの前に立ちはだかる。
自分で連れて行けよ、と思うヘイズに、
「実の弟だ。あいつに喧嘩負けしたことはないよ」とハヴェルは言い放ち、
二人を逃がすのだった。
※ジーンの元からアリーズを連れ去ったハヴェルは、そこをデュオカリオンに襲撃され、
アリーズの安全のためにヘイズに預けましたと。
ヘイズ篇ステージ2
Changes C.A.0099.10.12 ケイド・クレーター
人間の娘の名前はアリーズ。
かつて自らが住んでいた地ケイド市のなれの果てケイド・クレーターにて戦い続ける黒と白のコーデッドを見て、
世界が変わっても人間ってやることは同じね。と言うアリーズ。
「目的は同じでも、やり方で揉める」ヘイズは冷静にそう述べる。
「でも人間の姿は変わったのねと、次世代種かと思ったわ」と関心するアリーズ。WHの体は相当頑丈そう。
これならジーンも大丈夫かな、とアリーズはオテロの方に歩いていって、ウォーヘッドになろうとするがヘイズは阻止する。
この世界には人間が暮らしている隠れ里というのがあって、
そこに連れて行くのが今の所のヘイズの任務なのだから。
彼女は生き別れた弟以外に父親もどうしているのか気になっているようだ。
方舟では家族は基本的に同じ区画に乗ってるものなのにと訝しむヘイズに、
「お父さん、方舟関係者だったから」と応える。それでヘイズは気付いた。
「アンタ、アルヴィン博士の娘か」
アルヴィン博士は方舟計画の提唱者で責任者であるから超有名人。知らないのは地上人ぐらいのものらしい。
そしてヘイズ本人は昔、ちょっとアルヴィン博士と仕事でつきあいがあったようだ。
ヘイズの記憶では、かつてアルヴィン博士はしばらくハヴェルたちと旅をしていたが、
ある日姿を消し、それ以来行方が知れない。
それが百年くらい前の話だと聞いてアリーズはがっくりするものの、
WHの寿命は長いからとヘイズはフォローする。
アルヴィン博士も、どうも生きてはいるらしいし、方舟が落ちたことは地上のどこからでも分かるから、
あちらも探すつもりがあればいつかは出会えるだろうと。そんな風に励ますのだった。
ヘイズ篇ステージ3
Water Crown C.A.0099.11.05 ムフリッド宮殿
ムフリッド宮殿を通りがかった二人。何故か宮殿は襲撃を受けており騒々しい。そんなの記憶になかったのだがと。
「ちょっと弔っていく」とヘイズは言い出す。
「ウォーヘッドってのは、往生際が悪くてな、死んでも、記憶をコード化して残すんだ」
コードというのはセントラルコードが司る二十三の要素。全てはその組み合わせによって存在する。
アリーズは博士の娘なので子守歌代わりにその知識を身につけていた。
……アルヴィン博士はそんな話しかできなかった人だったのだ。
そのコードを回収する行為を、ヘイズは弔うと表現する。
しかし、こんな時代だから、情報収集とか自身の成長とかそんな自分勝手な都合で回収するのだが。
絶命したWHたちの記憶コードを回収するヘイズ。
ヘイズは回収したコードを身につけている外務記憶装置(コーディングユニット)に保存する。
これは集合墓地みたいなものだと。
普通のWHは脳に記憶コードを取り込むのだと説明すると、
記憶を記憶するなんて混乱しそうねとアリーズは疑問をつぶやくが、
ヘイズはその意見には同意しつつも、
「事象は刺激に、刺激は言語化されて記憶に、記憶は編集されてひとつの物語へ。
その物語からのリアクションが自我なら、脳にとっては記憶に自分も他人もない
ってハヴェルが言ってたぜ」と。なにか危うい感じはあるが、
自分という縛りも、セントラルコードの縛りもない。ただひたすらに流れるところに、
そこにWHの強さの秘密があるのではないかとヘイズは考えていた。
ヘイズ篇ステージ4
Drift from Drift C.A.0099.11.22 コル・ヒドラエ遺跡
たどり着いた隠れ里はとうにWHの襲撃を受けており、全滅していた。
そこで携帯電話でハヴェルに通信連絡取るも、なかなか繋がらず。
仕方がないので、キーパーズの会合があるレグルスに行くことに。
ようやく電話が繋がった時に、受け取ったのは何故か別人。
アッシュ似の声である彼は、ハヴェルに対して何らかの苛立ちを持っているようだ。。
相手の会話を聞いて、「ジーン、私よ!」とアリーズが割り込む。
アリーズは、これからヘイズとレグルスに行くということを言ってしまう。
ヘイズは警戒して誰がハヴェルの携帯電話を拾ったのか問いつめるも、
電話相手は「今は言えない」と言うため、じゃあ話は終わりだ!とさっさと通信を切る。
弟なのにと食い下がるアリーズに、
もしかしたらジーンの記憶とかジーンの声の情報のコードを持った他人かもしれない。
だから信用はできないとヘイズは言い放つ。
ヘイズ篇ステージ5
Back Current C.A.0099.11.23 ミンダカ渓谷
前の通信ぶつ切れ事件でアリーズの苛立ちは最高潮に達していた。
WHにもなれず、弟にも会えずじまい。
キーパーズが人間をWHとならないように保護するのは、数が少ないから。
この世界で人間を見たか?と言うヘイズを、
「人を絶滅危惧種みたいに言うなあ!」と崖の上から突き落とすアリーズ。
不意をつかれ、ヘイズは崖から転落。崖の下の河でずぶぬれになりながら、ヘイズはぼやいた。
「そりゃ、俺たちだっての」
WHは子孫を残す能力が無いから、
いくら寿命が長くても人間と違って間違いなくいつかは絶滅する種族なのだ。
ややこしいことに、この地は白の群の拠点の一つであり白の群の兵士がうようよしている。
そんな二人を妙に楽しそうに遠くからデュオカリオン……アッシュは眺めていた。
アリーズは苛立ったまま、ヘイズに「構わないで!」言い放ちそこらをのし歩く。
仕方なく、ヘイズはこの地にいる白の群兵士を絶滅させることに。
憤りながら一人歩くアリーズだったが、アッシュ=デュオカリオンがいきなり出現し、
やたらなれなれしく話しかけてくるのには足を止める。アッシュはどうやらアリーズをよく見知っている模様。
「誰よ、あんたなんか知らないわ」とアリーズは突っぱねるも、
「だろうね」とアッシュは平然と返す。そこへアリーズを探しにきたヘイズと対面する。
アッシュはヘイズに協力を求める。
この世界は間違っている。
世界を綺麗に掃除して、WHは皆殺しにしちゃって、きれいさっぱりになってリボーンを迎えようぜと。
そんな誘いは当然ながらヘイズは断固として断る。
そんな会話の中、一度も攻撃してこない、いや攻撃のそぶりさえ見せない彼に驚嘆し、
「アンタ、弱点作ったよ」と冷酷に言い放ってアッシュは去っていく。
ヘイズ篇ステージ6
Calm after the Storm C.A.0099.12.02 レグルス市街
ハヴェルは表向き科学者だったが、裏では秩序維持軍の管理もしていた。
そのメンバーは方舟乗船権を餌に集められた辺境出身者。
辺境出身のヘイズもまたその一人だった。
そしてハヴェルの弟アッシュは何故だか
世界の秩序を提唱するがその実は過激テロ組織・ガーディアンズの一員であり、
前の世界ではアッシュとヘイズはよく衝突していた。
だが、ヘイズはアッシュのことは嫌いというわけではなく、キーパーズにいた頃は仲間として共に背中を預けたこともあった。
そういう思い出話をしながらもレグルス市街に到着した二人。
前の通信聞いたジーンは、多分レグルスに現れるだろうから、そこまではつき合ってもらうと言うヘイズに頷くアリーズ。
しかしハヴェルを探しに入ったレグルス市街で二人が見たのは、
散乱するキーパーズメンバーの死体と、
ハヴェルの死体を抱きかかえるジーン。
「オレがやったんじゃない!」とジーンは訴える。
髪型除けばアッシュに声も顔立ちもそっくりなジーンの面影にアッシュを見たヘイズは動揺し、
アリーズは何故か脈が激しくなり、共に即答ができない。
そうこうしているうちに、キルロイと揉めたジーンは、ミームに引っ張られてレグルスを去る。
説明しようとするキルロイに、コードを見れば分かると、ヘイズはハヴェルから記憶コードを吸収。
キーパーズを、ハヴェルを殺したのはアッシュだった。
まさか、キーパーズやハヴェルの方が自分より先に逝ってしまうとは。
ヘイズは決意する。
アッシュを、弔うと。それが彼の果たすべき任務だったのだから。
※ジーン篇説明では割愛したが、いくら人類を滅びから救う計画だといえど、
人口と物量の問題で、世界に住む人々全員が方舟に乗れたわけではない。
乗船権利は都市住民を優先して与えられ、辺境に住む者にとって乗船権は特権的に与えられたもので、
全員が乗れたわけではなかった。信条等から乗船権を持ちながら乗らなかった者もいた。
その事実をガーディアンズは方舟計画反対の口実にし、計画関係者を殺傷するようなテロ活動を行っていた。
ハヴェルやサリヴァンなど若手研究者が登用されたのも、殺傷によってできた穴を埋めなければならなかったのがきっかけ。
ヘイズ篇ステージ7
Streams Join C.A.0099.12.15エルナト・パワープラント
キルロイというWHは、世界を救うための計画を実行しようとしている。
全くそれには興味がないヘイズだが、
デュオカリオンはWHが多くいる所に現れるんだろ、まずは移動手段を得なければという
キルロイの言葉に乗って、一行はエルナトパワープラントにやってきた。
そこで行動するための足である飛空船を強奪することに。
奇しくもアッシュはこの場所を襲撃中であった。
飛空船に乗ろうとした一行を襲うアッシュ。
キルロイは船の行き先をプログラムしたあと、「ランドスケイプに会え!」と
言い残してアッシュを一人迎え撃つため、空に躍り出る。
だが、アッシュはあっさりとその体を踏み、船に飛び移り、
キルロイは一人大地へと落下していった。
……もはやアッシュとの戦いは避けられないようだ。
(続く)
伝令基地壊滅の一件で感謝されるランディウス一行。
とは言え連邦だけでなくカコンシス王のご機嫌取りにまで気を裂かねばならぬウィラー
提督は、この場にいながら思ったことを瞬時に前線に伝えられれば便利だろうと思わず
こぼす。それを受け、そういえば聞いたことあるぜとマクレーン。
彼の案内で、思ったことを相手の鏡に映し出すという伝意の鏡を探しに秘宝の眠る
古代遺跡目指して連邦領内へ侵入することとなる。
そのころ連邦王城では辺境警備に出ていたバルク将軍が帰還。戦場に出るランフォード
将軍はバルクに引継ぎ報告をせねばならないのだが、バルクを貴族嫌いの偏見持ちと
こぼし、気使いから平民出身の副官エミリーに報告書を届けさせる。
そしてランフォードのことを悪し様に言うバルク。話はアルダン将軍の平民を見下した
言動にまで及ぶのだが、ランフォード様に限って言えばそれは無いとエミリー。貴族同士
で庇っても説得力は無いと続けるバルクにエミリーは自分の出自を打ち明ける。
自分は洪水で滅んだ小さな村の出身で、洪水に巻き込まれ母は死別、父と弟は行方不明。
そして孤児院で育ったのだと。これはランフォード様も知らないことだが能力さえあれば
差別などしない方だと語るエミリーにバルクは素直に非を認めるのだった。
一方、アルダンの失脚に気を良くしたギザロフ元帥は軍部はもはや掌握したと新たに
政治的権力を求め、ローゼンシル姫と己の息子クルーガーとの婚姻を企てる。
2万の兵を1万で破ったのは、俺が地の利のある懐深く引き寄せたからだと大笑する
カコンシス王。次もこの手で行くぞと言う王に、提督はさすがに同じ手には乗らない
でしょうと進言するのだが王は聞く耳を待たず。
そして連邦軍のとった策とは国境付近に位置するカコンシス最大の港町フィジットの
占拠だった。アルダンの失策−伸びきった補給線の確保に兵力を取られすぎた先の戦を
踏まえ、敵地に深くは踏み込まず連邦領から直接補給を受けることも可能なカコンシス
の海洋貿易の拠点フィジットに留まり経済の混乱を招く。この作戦によりわずか半月で
何の策も講じない国に対する民衆の不満は爆発寸前だった。平民など放っておけという
王だったが、カコンシス王妃から領地を奪われて黙っている様な王に貴族達は付いては
こない。それどころか自衛のために敵方に付くかも知れないとの助言を受けようやく重い
腰を上げると提督達に出撃命令を下すのだった。
そこへおりよくランディウス一行帰還。連邦領内を巡回中のバルク隊と遭遇、カコンシス
王女が同行していたためすぐに身元が明らかになりに追い回さもしたが、何とか敵を
退け鏡を持ち帰ることに成功する。二枚一組で音と風景を伝え合うこの鏡を手に入れた
ことにより作戦の幅も広るとランディウスに鏡を一枚預け遊撃隊とし、フィジット
目指して進軍を開始する。
本隊を山脈沿いに移動させる提督。これをワザと発見させることにより連邦軍は防御に
不利な港町を捨て、より優位な戦場を求めて移動するはず。今回も2万の兵を揃えて
来た連邦軍相手に、フィジットを戦場にした方が有利なのだが民間に被害を出したく
ないという提督の苦肉の策だった。
連邦軍を率いるランフォードとは旧知の仲、彼が民間人を巻き込まないだろうとの読みは
当たりフィジットを離れる連邦軍。北西と東に部隊を分け挟撃を図ろうとする連邦に
対し、敵将ランフォードの存在を確認出来た北西の部隊を本隊で叩き、東は遊撃隊で
足止めを図ることとなる。もちろんまともにぶつかれば少数の遊撃隊が相手になる
はずもないが、敵の斥候部隊を見つけ全滅させれば後続隊は用心して進軍速度を落とす
はず。半日稼げれば北西のランフォード隊を討つことも可能。いや、これしか手は
無いと作戦が決行された。
遊撃隊は無事任務を果たすと後続隊の監視任務に入る。そしてこの戦いで東方部隊の
斥候部隊を率いていたアルダン元将軍は死亡するのだった。
地の利を生かし先に有利な地形を押え優勢に戦いを進めるカコンシス本隊。そこへ
遊撃隊から連絡が入る。後続隊の監視任務に付きおよそ半日、しかしその後続隊が
一向に姿を表さないというのだった。偵察も出したが一万の部隊が隠れて進軍出来る
はずもないと言うランディウスに斥候は囮、東方部隊はそのまま南下し一路カコンシス城
へ攻め込もうとしていると睨んだ提督は高速部隊を編成、セレナ将軍に預けると
南下部隊の後ろを突けるかもと出撃させ、遊撃隊にも急ぎ城への帰還を命じる。
ランフォードの策に唸る提督だが、しかし私にも信頼できる仲間がいると不敵な笑みを
浮かべるのだった。
クレオネス大王私室。病のため床に伏しがちな大王と彼を励ます息子達。大王も
ローゼンシルの花嫁姿を見るまでは死ねないと気勢を張る。そこへアルダン戦死の報が
入り、悲しみのあまり部屋を飛び出すローゼンシル。大王も衝撃を受け容態が急変する。
その戦死の報はギザロフ元帥やバルク将軍の耳にも入り、姫の悲しみを察するバルク。
だが、クルーガー将軍はこれを機に傷心のローゼンシルに優しい言葉をかけ急接近
するのだった。
南下する部隊より一足早く城へ帰還したランディウス達遊撃隊。そこへセレナ将軍から
の伝令の早馬が到着する。南下部隊に追いつける見込みが無いため補給線を断ちに
回るとのこと。お蔭で勝機の見えてきたランディウス達は篭城戦に徹することで城を
守り抜くことに成功する。しかしランフォード将軍は攻城戦に失敗したときのことも考え、そのときは戻ってくる南下部隊と彼の隊とでカコンシス本隊を挟撃するよう指示を
与えていたのだった。だがその時ランフォードの元へ早馬が駆けて来る。なんと
リヴァース前元帥の死とその処罰に反感を抱く者達がリヴァース前元帥の息子アレックス
の下に集い、クーデターも時間の問題という緊迫した状況になっていると言うのだ。
前元帥邸といえば国境にも近く、もしクーデターが起これば退路が断たれることに。
この挟撃作戦の前にもはや戦局は見えたとランフォードは指揮を配下の者に任せて
クーデターを止めるためアレックスの下へと1人馬を走らせる。
北上する南下部隊を追撃する遊撃隊。このままいけば本隊が挟撃されることになるのは
見えているのだが、こちらに敵を叩くだけの戦力は無く、ウィラー提督と連絡を取る
ことに。まもなくイグナス渓谷に差しかかろうとしているのを知った提督より策を授け
られる一行。道幅の狭い渓谷では部隊が細く長く伸び、どこを攻めても援軍はすぐに
来れない。おりしも天候は崩れ今にも嵐になりそう。となれば以前、山賊退治に使って
いた今は無人の砦を今夜の野営地に使うはず、と。そして嵐にまぎれ敵の本陣を
ピンポイントで叩く遊撃隊。その活躍で敵部隊は混乱をきたし挟撃は阻止される。
背後の憂いを断った提督の本隊は眼前の敵を無事敗走させるのだった。
2度に渡り倍の兵を退けたカコンシス軍。嵐が味方したということもあり、この頃から
カコンシス王は自らを天に選ばれし者と思い込むようになる。
一方、前元帥邸。父の仇、とギザロフに憎しみを募らせるアレックスにランフォードは
ギザロフを討てば貴方の気は済むかもしれないがあなたに付いていった貴族や兵士達は
どうなる、と情に訴える。そして、リヴァース様の恩に報いるためなら命など、と息巻く
周囲の者を静めると、ギザロフの不正を暴き無念を晴らしてくれと言い残し責任は全て
私にあるとアレックスは自決するのだった。
アレックスのためにも事件の真相をと屋敷を後にするランフォード。そこへランフォード
隊敗北の報が届けられる。残存兵力は1万と数千。もはやカコンシス攻略は不可能と知る
のだった。
クーデターを未然に防いだ功績により、今回の敗北の懲罰は不問に問われる。
代わってクルーガー・バルクの両将軍が動き出す。今度は海路より2万、陸路より1万の
戦力が用意され、さらに陸路を行くバルク隊の補給物資もクルーガーの船団で運ぶことで
行軍速度・兵数も削がれることなく進軍が可能である。
だが、ギザロフを快く思わないものはなにもアレックス達だけではなかった。
婚約者候補である息子ラッセルを差し置いて姫に近づくクルーガーと、その背後で糸を
引いているであろうギザロフを危険視づる宰相は、同じくギザロフに害意を持つと言う
魔族を従えた謎の魔術師フェアラートと手を組んで、影でカコンシス侵攻を妨害して
いたのだった。今回の渓谷を襲った嵐もその一つ。そして天候すら自在に操るフェアラート
の魔力が再びクルーガーの率いる船団に襲い掛かるのであった。
連邦の船団を発見したカコンシス軍。カコンシスの高い操船技術を持ってすればこれは
逆に打って出るチャンス。上陸前に海上で始末しようと出撃許可を求める提督だったが
カコンシス軍にはそもそも軍船が2隻しかなく、船団を組むとなると民間から船を買い
上げる必要があり金がかかると王に却下される。そこへ局地的な嵐により連邦船団の大半が沈んだと報告が入る。俺は初めからこれを知っていたのだ、と吹かすカコンシス王に
より手持ちの船で敵艦を拿捕して来いと命じられる。
さすがに旗艦は頑丈に出来ており、これをランディウス達が、その他の小型艦はブルーノ
将軍が当たることに。そして提督は敗北を重ねた連邦が船団だけでは甘すぎると陸路
からの進軍を予想し出撃する。
戦艦拿捕に成功し港町フィジットに寄港したランフォード一行。
アンジェリナ姫と2人きりになった時、ビコースの森で迷子になったことない?と
訊ねられる。実はアンジェリナは子供の頃、森で迷子になり同じく迷子のランディウス
に励まされ一緒に森を抜けたという過去があったのだ。その時ランディウスが落として
いったペンダントは今でも大事にしまってあるとアンジェリナ。洪水で命を落とした
母の形見だからいずれは返してくれとランディウスに言われるが、本当は肌身離さず
身に付けていたのだった。
ランフォード将軍の元にクルーガー将軍帰還の報。しかしバルク将軍の元にはクルーガー
退却の報は伝わってないという。ギザロフ元帥の専横を食い止めたいランフォードは
バルクの力を必要としていた。だが、貴族嫌いのあの男が自分が助けに行って喜ぶの
かと悩む。そんな時、副官エミリーにそんなことにこだわっている場合ではないでしょう、と諭され物資もなく取り残されたバルクを救出のため出撃する。
陸路攻めを読まれ退却を余儀なくされるバルク。ここで逃がすまいと包囲網を引いた
提督は、ランフォードの遊撃隊にバルク隊との直接対決を依頼する。
そして遊撃隊により、あと一歩のところまで追い詰められるのだがランフォード隊が
救援に現われる。何故貴族のお前が、と難色を示すバルクにエミリーが貴族、貴族と
階級にとらわれているのは将軍の方ですと諭すと、おぬしのお蔭で目が醒めたとバルク。
ともあれ間一髪のところで包囲網から抜け出すことに成功する。
こうしてランフォードとバルクの誤解は解け友情が深まることに。そしてその立役者
とも言うべきエミリーに話が移ると、バルクは先ほどのカコンシスの司令官(ランディウス)
を見ているとエミリーとだぶると言い出す。もしやエミリーの生き別れの弟なのでは、と。
この話はランフォードにとっては初耳なのだが、以前彼と洪水で親を失ったとの話を
聞いたことを思い出す。このことは事実関係がハッキリするまで秘密にしておこうと
いう事になり、それまではエミリー達が戦うことのないよう手を廻すこととなる。
カコンシス攻略の第3陣を全滅こそ出来なかったものの大打撃を与えたことに気を
良くした王は遂に連邦攻めを宣言する。無茶だと王女達が止めるに女子供は黙りなさいと
1人の男が現われる。いつの間に雇ったのか自ら天才軍師と称するこの男アイヴァーの
入れ知恵によりすっかり乗り気な王により連邦攻めは強行される。しかも俺が指揮を
とると言い出し進軍にまで付いてくるという。
そのころ宰相の執務室へと押し入ってくるギザロフ。軍部機密を漏洩したと詰め寄り
親子共々極刑にしようとする。すでに宰相の放った密偵も捕らえられており言い逃れも
出来ずこれまでかと覚悟を決めるのだったが、ギザロフに付き従う女魔術師ジェシカが
ギザロフ様の出世を妬む者が多いのも事実、ここで宰相親子を極刑にすれば返って敵が
増えるだけ、ここは流刑で十分かと、と取り成し宰相親子はかろうじて一命を取り留める。
婚約者候補のアルダンが戦死、ラッセルは流刑となり、クレオネス大王はもはや生きてる
うちにローゼンシルの花嫁姿を見ることは適わぬかと落胆する。だが、ローゼンシルは
その願いは近いうちに叶えられますわ、とささやくのだった。
斥候としてランディウスの遊撃隊を先頭に、次いでブルーノ将軍隊、殿にセレナ将軍隊の
布陣で連邦領内を進軍するカコンシス軍は山越えで連邦王城を目指す。
(ウィラー提督・カコンシス王・軍師アイヴァーはセレナ隊に同行)
先行する遊撃隊が山脈越えの難所と呼ばれた渓谷に差し掛かったときクルーガー将軍の
部隊に待ち伏せを受ける。さらに後方からも敵が現われ厳しい戦いとなるも何とか敵を
退かせることに成功するのだが後ろからはブルーノ隊が来ているのに敵部隊に後ろに
回りこまれるものなのかと疑問に思う一行。そして戦闘は結構長引いたはずなだが
後続隊は影も形も見えず、なにかあったのではと山道を戻ることに。
しかし、いくら戻ってもブルーノ隊の姿は見えず、遂にセレナ隊に遭遇するまで戻って
きてしまう。いや、そこには隊と呼べる程のものはすでに無く、バルク将軍隊の襲撃に
より王の命すら風前の灯であった。間一髪の差で間に割って入る遊撃隊。さらには
ランフォード将軍隊も現われ激しい戦いとなるも最後まで残ったのはカコンシス軍だった。
戦闘中は怯えてい王だが、安全になったと見るや天に認められたこの俺が死ぬわけ
無いと息巻いてはみるものの軍師は戦闘中真っ先に逃走、ブルーノ隊は消えうせ、
セレナ隊は壊滅。となればもはや王も退却を認めざるを得なかった。
そして提督はこの度の遠征で多数の兵を失ったこともあり再三求めていたランディウス
達の正規軍入りをここでも王に嘆願する。提督の要望としてはランディウスを将軍と
して迎え、部隊を失ったセレナを補佐に付けるというものだったが、そこはこれまでも
どこの馬の骨とも知れぬ、と取り合わなかった王のこと。正規軍入りは認めたものの
奴が勝ってこれたのは俺の娘がいたからだ、とシェルファニール姫を将軍にと言い出す。
姫は内心では実際の指揮はランディウスやセレナやに任せればよい、と場を納める
ためにも将軍となるのを了承する。
そのころ連邦王都ではクルーガー将軍とローゼンシル姫の婚礼の式典が行われ、お前の
花嫁姿を見れてもう思い残すことはない、とクレオネス大王は逝去するのだった。
一方、カコンシス軍の予想進路上にて迎撃の兵をまとめるランフォード。
時間の合間に士官学校で同期だったウィラーのことを思い返す。教官達はウィラーの
用兵を奇策、奇策と認めなかったが固定概念にとらわれない全く新しい発想に
ランフォードは注目していた。とはいえウィラーの策には大きな問題点もあった、
それは彼の策を理解し実行する実働部隊がいないということ。だが、ランディウス達の
出現でそれもクリアした現在、決して侮れないと、もしもの場合も考えバルクには港へ
回ってもらい、会わせまいと思いつつなにかとランディウスとめぐり会ってしまう副官
エミリーにはギザロフ元帥の監視をと王城への帰還を命じる。
しかしそこへ退却中のカコンシス軍が現われると、機会を逸したエミリー共々戦闘に入る。
が、連邦王城より駆けつけた早馬により事態は急変する。早馬よりの知らせはなんと
大王が崩御。そして次の大王位は姫の婿に譲ると書き記された大王の遺言状を持ち出して
きたギザロフにより正統後継者と目されたフレデリック王子を差し置いてクルーガーが
新たなる大王に即位したと言うのだ。さらに此度の件に異を唱える王子派がギザロフに
対し武力行使に出たのだ。こうしてはいられぬとエミリーを連れランフォードは王都へ
帰還。指揮の乱れた隙を突かれたランフォード隊はカコンシス軍に撃破されるのだった。
ギザロフの追撃を逃れ落ち延びる王子派の面々。そこへランフォードが馳せ参じる。
もとよりギザロフをリヴァース前元帥を陥れた黒幕と身辺を探っていたランフォードは
思いを同じくしていた王子に忠誠を近い、軍部の実権を握るギザロフに対し半ギザロフ
勢力を取りまとめ対抗しましょうと提案する。バルク将軍、クーデターに失敗した
ものの前元帥を信奉する貴族達、さらには流刑中の宰相親子。彼らの協力を取り付ける
ことが出来れば何とか対等に戦えるはずと。
夜陰にまぎれ森の中をひっそりと進むカコンシス軍残党。
こんな惨めなマネはもう嫌だとカコンシス王が騒ぎ立て、海路で帰ると言い出す。未だ
連邦領内にもかかわらず我が国の操船技術は大陸一、連邦の船に負けはせん、と。
海上にも網が張られているはず、カコンシスの船乗りはおろか軍船も手配できないと
ウィラー提督が諭すのだが頑として意見を変えない王にこれ以上騒がれたら敵に
見つかりかねないと諦めて海路で帰ることになる。
最寄の漁村。アンジェリナ姫が1人になったときランフォード将軍の副官エミリーが
現われる。身構えるアンジェリナに戦いに来たのではないと告げるエミリーはペンダント
を取り出して、これに見覚えはないかと聞いてくる。慌てて自分の持つペンダントを
取り出すアンジェリナは今も身に付けているの確認して安心する。それを見たエミリーは
さらに問いかける。これは私の両親がおそろいで作った父の形見、貴方はそれをどこで
手に入れたの?と。これまでの数度に渡る戦いの中、時には剣を交えた2人だったが
そのときアンジェリナの胸元からこぼれたペンダントを見てもう一度確認しにきた
エミリーだった。それじゃあ貴方と彼は、と漏らすアンジェリナ。それを聞き、やっぱり
誰かにもらったのね、教えて、私の生き別れの弟かもしれないの、と激しく問うてくる
エミリーにランディウスの名を告げる。今まで何度も戦ってきたカコンシスの司令官の
名を挙げられショックを受けるエミリーは、このことは2人の秘密にしてと言い残し
去ってゆくのだった。
カコンシス残党が近くの漁村で数隻の小船を購入したと報告を受けるバルク将軍。
カコンシスとの戦争中に覇権争いを繰り広げるフレデリック王子とギザロフ元帥に
呆れながらもギザロフを快く思っていなかったバルクは王子側につくことを決意する。
後顧の憂いを断つためにもカコンシスとの戦いに終止符を討とうと出撃する。
複数の小船に分断されたランディウス達は、海に空にと兵を繰り出すバルクの攻撃に
翻弄され続ける。だがそこへお困りのようだね、とフェアラートと名乗る魔術師が
テレポートしてくる。今までも影ながらカコンシスに助力してきたというこの魔術師は
配下の魔物の一団を残し去って行く。そして魔物の力によりバルクは退けられる。
なぜ、魔物がカコンシスに味方を?それはバルク、カコンシス軍共に疑問に思うところ
であった。
そしてカコンシス王は、俺の命を守るためなら魔物ですら助けにくる、それがこの世界
を統べるこの俺への当然の義務だと1人大笑するのであった。
フレデリック王子の元へ続々と集まる反ギザロフ勢力。その中には宰相親子もいた。
話は聞いているなとランフォード。遺言状の筆跡も署名も確かに父上のものだったと
未だ信じられない様子の王子に、宰相はギザロフの後ろにさらなる黒幕の存在を感じると
告げる。さらにギザロフに付き従う怪しげな女魔術師の存在も報告する。
その後、席を外した宰相親子はクルーガー大王を倒し、ローゼンシルを奪い返そうと
密談をする。戦力的には未だこちらが不利、ランフォードだけに任せず何か策をと
知恵を絞っているところへ来客が訪れる。それは以前宰相の元へ出入りしていたあの
フェアラートであった。兵が足りないと言うなら奴等の敵を味方につければいいという
フェアラート。言いたいことは分かるが我々が行ったところで信用するかどうかと苦い
顔をする宰相に、殿下に同盟の件を伝えておいてくれとフェアラート自らが交渉に赴く。
だが、クルーガー率いる検問部隊に発見され戦闘になり、付き従える女魔族リスティル
を今度は失敗するなよ、とその魔力で突破口を作り先行させるとクルーガー隊と激戦を
繰り広げるのだった。
何とかカコンシス城への帰還を果たしたカコンシス残党。そこへ消えたはずのブルーノ
将軍が出迎える。彼が言うには進軍中、連邦軍が戦力不在のこの城に向かって進撃して
いるとの情報を得て急いで戻ってきたというのだ。伝令は送ったというが届いておらず、
その話が本当なら敵に倒されたかと推測する。実際、城を空にしての行軍は危険だったの
だとのウィラー提督の言葉に当初は怒りをあらわにした王だったが何とか納まり、疲れた
寝所の用意をと言ってブルーノを引きつれ城に入る。真偽の程は定かではないがブルーノ
の部隊が無事だったのは大きいと提督。そしてランディウス達にも休息を勧めるのだった。
今後の方針を決めるため提督達を集め軍儀を始めるカコンシス王。そこへ女魔族
リスティルが急ぎの用と押し入ってくる。リスティルの持ってきた連邦との同盟話に
驚くカコンシスの面々。それは和平を結ぶということ?と問うセレナ将軍に現在の
連邦の情勢を語るリスティル。王位争いにより軍部を押えたギザロフ元帥派と正統後継者
たるフレデリック王子派が争い、戦力の劣る王子派がカコンシスに同盟を申し込む。
ようやく話が見えた王は、王子派が勝利すれば戦争もなくなると同盟に乗り気に。
いや、彼だけでなく全員が同盟締結には賛成だった。ただ1人、軍儀に同席していた
ランディウスを除いては。魔族を使っているような国と組むなんて考えられないと
同盟に反対するランディウスに皆は同盟を組むことの優位性を挙げて説得しようと
するのだが同盟の必要性は分かるが魔族がいるのは納得できない、と意見を曲げない
彼に、この国の未来を台無しにする気か、と王は激怒し別の作戦をやれと、手近な
ギザロフ派の砦制圧に出されることになる。しかもそれはランディウス・義弟リッキー・
マクレーンの3人だけで、さらに義妹レイチェルはランディウス達が逃げないよう保険
として城に取り残されるのだった。売り言葉に買い言葉、やればいいんでしょ、と
飛び出すランディウス。
そして王は俺に歯向かうとどうなるか教えてやると言って、ランディウス達が連邦と
戦っているところを後ろから襲って殺してしまえと命令を出すのだった。
nintendoDSの「もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド」を教えてください。
コードエイジとラングリッサーの人乙です
何か掃除してたらギャラリーフェイク出てきた…
つまらなかった覚えがあるけど、FF3クリアしたら脳内保管ついでに投稿しよか?
誰かPCかPS2のファンタシースターユニバースのオフのシナリオお願いできますか?
どうかお願いします。
SEEDのボス(マガシ)を倒した!
ミレイの仇を討ったぞ!やった!カレン、君を守るよ!
END
FF3ぜひぜひキボンヌ できれば要約スレにもキボンヌ
>>92 ギャラリーフェイク気になってます
よろしくお願いします
97 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/09/05(火) 20:51:48 ID:5wmiNW8z0
>>94 サンクス
今頑張ってクリアしてきた
エンディング後のあの語りは嫌味以外のなんでもないなw
第一章「終わらない放課後」その二
ウサギの視線はずっと人形に向いている。亜莉子には気付いていないように見える。
いや、そもそも亜莉子の存在に気付いてすらいないのかもしれない。
だめだめ、足りない。
急がなきゃ、そう言ってウサギはふらりと歩き出した。
透けたウサギは机や椅子をすり抜けていく。
そして扉をすり抜ける瞬間、亜莉子の耳に微かにウサギの声が届いた。
アリス、とそう呼ぶ声を。
ウサギが消えた後、亜莉子は呆然と立ち尽くしていた。
さっきからずっと、おかしな事ばかり起きて何がどうなっているのか、頭が追いつかない。
ふと、ウサギがさっきまで立っていた場所を見るとそこには鮮やかな血だまりが出来ていた。
そこからぽつりぽつりと、血の跡が扉の方へと続いている。そして、長い長い廊下へと。
亜莉子は鮮やかなその色に誘われるように、血の跡を追って歩いていった。
どこまでもどこまでも、もうどれ位歩いたのかわからなくなる位、亜莉子は廊下を歩いた。
既に恐怖心よりも、疲れの方が上回っている。
それでも歩き続けることしか出来ない亜莉子は歩き続け、そしてようやく視界に廊下の端が映った。
ずっと変わり映えのなかった景色に現れた変化に亜莉子は喜び、重かった足取りも軽くなる。
しかしある程度近付いてみてから、ひどく亜莉子は落胆した。
近付けば近付くほど、長い廊下の端はただの壁に見える。行き止まり、だ。
ここまで来て、と亜莉子は肩を落とす。
しかし近付いて壁をよく見ると、壁には小さな扉がひとつ付いていた。
高さは20センチくらいだろうか。小さいのに、細部までよく作られている。
指でドアをつまんでひねると、ドアはカチャリと開いた。
亜莉子がドアの向こうを見ようと覗き込むと、向こうにはこちらと同じような廊下が広がっている。
しかし、ひとつだけこちらには無い物があった。階段だ。
亜莉子はこのドアの向こうに行けば階段から外に出られるかもしれない、と嬉しくなって、そしてすぐに泣きたくなった。
こんな小さなドアでは、とても向こうに行く事なんか出来やしない。
ドアを壊せても、周りの壁を壊す事は不可能だろう。
亜莉子はいよいよ、映画のようにカーテンでロープを作って四階の窓から外に出る、という最終手段を考えついた。
自分の運動神経にやや不安があったが、最早これしか脱出方法はないらしい。
そうして亜莉子は、一番近くの教室にカーテンを取りに入った。
教室に入った瞬間亜莉子の目に付いたのは、ピンクのペーパーフラワーや、色とりどりの折り紙で作られた鎖だった。
この教室だけ雰囲気が明らかに違う。まるで小学校のお別れ会やお誕生会のようだ。
黒板にはチョークで、色々な絵が描かれている。
その中でも目を惹くのは、その中央に光る、赤く濡れた字。
お か え り
僕 ら の ア リ ス
まるでたった今書かれたかのように、それは赤く光る。
アリス、と亜莉子は小さく呟いた。
なんだか今日はよく聞く名前だ。でも、自分とは関係ない。
視線をそらすと、黒板手前の教壇の上に、少し大きめのバスケットが置いてあるのに亜莉子は気付いた。
近寄って見ると、バスケットの上には
【 私を食べて 】
と書かれた紙が置いてある。
バスケットと言えば、サンドイッチやクッキーなんかが入っているものだ。
何気なく、亜莉子はそのバスケットの蓋に手を掛けた。
中に入っていたのは、サンドイッチでも、クッキーでもなかった。
甘い甘いレモネードでもなかった。
亜莉子はバスケットを置いて、その場から逃げるように走り出した。
バスケットの中に入っていたのは、肘から切断された人間の腕だった。
息が切れるまで走って、亜莉子はへたり込むように廊下に崩れ落ちた。
子供のような大きさの腕だった。
思い出すだけで吐き気が込み上げてきて、亜莉子は口を押さえる。
そうして床にうずくまっていると、廊下は走らないんだよ、と突然声が誰もいない廊下に響いた。
亜莉子は驚いて声が聞こえた方に振り返る。
そして見上げると、廊下の掃除用具の上に人がうずくまっているのに気付いた。
灰色のフード。大きく、にんまりと吊り上がった口。
自習室で会った、チェシャ猫だ。
その光景があまりにも怪しいものだから、怖がるより先に逆に亜莉子の力はすっかり抜けてしまった。
そんな所で何をしているんですか、と訊ねるとチェシャ猫は掃除用具入れの上からするりと飛び降りてきた。
逃げようかとも思ったが、結局逃げてもこの状況ではどうすることも出来ない。
亜莉子はチェシャ猫に、どうして廊下が伸びているのか、どうして誰も居ないのか。どうしてこんな事になっているのかを訊ねた。
しかし、チェシャ猫はにんまりと笑うだけで何も答えない。段々と苛立ちばかりが募っていく。
帰りたい。なのにやっと見つけたドアは小さくて通れない。どうしろっていうの!
自棄になった亜莉子が叫ぶと、そこでようやくチェシャ猫は反応を見せた。
小さいドアを通りたいんだね、と呟いた後、おいで、と言ってチェシャ猫は亜莉子に背中を向けて歩き出した。
ついていって良いものかと亜莉子は悩んだが、ひとりこの場所に置いていかれるのも怖くて結局後をついていくことにした。
しかし、無言で歩いているとどうしても目の前の男の異様な雰囲気に不安を覚えてしまう。
そこで亜莉子は少しでも気を紛らわせるために、色々な考え事をしながら歩いた。
そうしている内に、チェシャ猫が突然立ち止まる。あの、腕のあった教室の前だった。
中へ入ろうとするチェシャ猫の腕を、亜莉子は必死で引っ張って止めようとする。そこには人間の腕があるんです、と声を上げた。
それでもチェシャ猫は大丈夫だよアリス、と亜莉子の制止を聞かず教室の中へと入っていってしまった。
亜莉子はその後は追わず、教室に黙って背を向けた。
先程の光景を思い出しただけで吐き気がするのだ。もう一度あの光景を見ろ、と言われても無理な話だ。
教室から離れようと思い、亜莉子が足を踏み出そうとすると突然腕を掴まれた。チェシャ猫だ。
そして亜莉子の目の前に、この教室にあったものだろう、血に濡れた人間の腕を突き出してきた。
目と鼻の先にあるそれに亜莉子は吐き気を覚え、その場にうずくまった。涙がにじみ、胃液が逆流しそうになる。
吐く、そう思った瞬間にぽん、と亜莉子の背中にチェシャ猫の手が置かれた。
その手が熱を帯びたような気がして、それと同時にふっと吐き気は消え失せた。
不思議だと思いながらも亜莉子は床に顔を付けたまま、それを隠せとわめいた。吐き気は消えても腕は消えない。
「お食べ」
唐突にチェシャ猫の口から零れた言葉に、亜莉子は思わずはい?と顔を上げてしまった。
そして突きつけられる、切断面から赤い汁のしたたる青白い腕。
チェシャ猫は再びお食べ、と笑いながら腕を突きつけた。
くらり、と今度はめまいが亜莉子を襲う。
この場から逃げなければいけない、そう思っても足が震えて力が入らない亜莉子は、さあ、と腕を突きつけてくるチェシャ猫に向かって恐怖を叫ぶことと、必死で目を瞑り相手を叩いて抵抗することしか出来なかった。
何考えてるの、人間の腕を食べるなんて!そう亜莉子が叫んだ時、チェシャ猫は言った。
ニンゲンじゃないよ、パンの腕だよ、と。
その言葉に亜莉子は思わずチェシャ猫を叩いていた手を止め、おそるおそる目を開けた。
ふっくりとした腕の関節にはしわがあり、手相もある。指先には爪もしっかりとある。相変わらずしっかりと赤い雫も滴っている。
どこからどう見ても、やはりそれは人間の腕だった。
が、亜莉子はその腕におかしな所を見つけて首を傾げる。腕の断面には、骨が無かった。中は小さな気泡がぎっしり詰まっている。
ただひたすらに赤い液体には黒いつぶつぶが混じっている。血ではなくて、それはジャムだった。
そこでようやくそれが本当にパンだということを亜莉子は理解した。
それでも、こんな気味の悪い物はとてもじゃないが食べられない。
亜莉子がパンを食べるのを嫌がるとチェシャ猫は腕のパンをちぎり、むりやり亜莉子の口に詰め込み、そして片手で鼻と口を塞いだ。
呼吸が出来なくなり苦しくなった亜莉子は、ついに腕のパンを飲み込んでしまう。
亜莉子がパンを飲み込んでしまったのを確認した後、チェシャ猫は腕を放した。
すると突然亜莉子の視界はぐるぐると回りはじめ、いつの間にか視界がまっくらになっていた。意識はきちんとある。
上から布のようなもので押さえつけられている感覚がして、そしてそれ以上に体に亜莉子は違和感を感じた。
亜莉子は何故か、服を着ていなかった。
思わず叫び、チェシャ猫の声が頭上から聞こえるとそのまま目を瞑るように叫び、亜莉子はどうしてこういう状況になったのかチェシャ猫に説明を求めた。
チェシャ猫が言うには、先程ストロベリーパンを食べたせいで体が縮んだということ。
あれを食べると、どういう仕組みかは解らないがとにかく体が縮むらしい。きちんとした説明は得られなかった。
服は消えたのではなく、亜莉子の体が縮んだせいでサイズが合わなくなってしまったのだ。
仕方なく亜莉子は、すっかり大きくなった自分の服のセーラー服の中からスカーフを物色し、体に巻き付けた。
どうして私がこんな目に遭わないといけないんだろう、そう考えながら亜莉子はすっかり巨大になったチェシャ猫の背中を眺めた。
元はと言えば、この異変が始まったのもチェシャ猫に会ってからだった。そう考えて、再び不安が亜莉子を襲う。
この人と一緒にいると、きっとこれからもよくない事ばかり起こるんじゃないか。後ろを向いている今の内に、逃げた方がいいのではないか。
小さかった扉も、今の亜莉子には普通の大きさの扉に見える。亜莉子にだけは通れるサイズだ。
逃げ出すには今しかない。向こう側に行けば、階段もある。このおかしな学校の外に出られるかもしれない。
今の体には大きなバスタオル程もある大きさのスカーフの裾をたくし上げて、亜莉子は扉に手をかけた。
歪みの国、今日はここまでです。次でやっと一章が終わります
アリスが小さくなるまでの過程は話上あまり省けないので、長くなってしまいました
これ以降はあまり関係ない部分は簡単に書いていこうと思います
乙!
面白いけど、これ家庭用じゃ絶対無理だなw
乙です。
長くても面白いから問題ないです。むしろ読み応えがあります
アリス乙すー これは長期戦になるな
読み応えがあって(・∀・)イイ!
レイディアントシルバーガンの内容の中に
TRESUREのファンサイトから丸々コピペされているというご指摘をファンサイトのサイトの管理人さんから受け、
調べてみると32-38の書き込みがほとんど一致していることがわかりました
「うちから転載したものに一部手を加えたものである」ということだけは、何らかの形ではっきりさせてください。」
とのことですので、当項目末尾に引用元としてサイトのHPを掲載させていただくことにしました
もし他にもこういう事例があった場合は衝突を防ぐためにお気軽に報告お願い致します
>106
お疲れ様です。
そんな事があったとは・・・
>>96 了解。
何故かクラーケンが倒せないから、先にギャラリーフェイクをやるよorz
期待せず待っててくれ。
>>106 お疲れ様です。いつもありがとうございます。
112 :
侍道2:2006/09/06(水) 20:37:51 ID:YrczTtHR0
予約します
第一章「終わらない放課後・三」
亜莉子は扉の向こう側へ抜けると、そのまま扉を背にしてずるずると座り込んだ。
チェシャ猫が怖くてこうして逃げてきたものの、こんな小さな体では階段を移動するのも一苦労だろう。
これからどうしよう、そうぼんやりと思いながら亜莉子が目を瞑った時だった。
どうしましたあ、お嬢さん? 何泣いてるんですかあ?
そんな間の延びた声が聞こえてきて、亜莉子が再び顔を上げるとそこにクマのような動物がいた。
せっかく不気味なチェシャ猫から逃げてきたのに、このままじゃこのクマに食べられてしまうんじゃないか。
亜莉子はぶるぶると震えながら、あなたは誰ですか、クマなんですかと訊ねた。
すると目の前の動物は、ぶるぶると激しく首を横に振りながら僕はハリネズミですと答えた。
細く突き出た鼻先、黒くつぶらな瞳、ごましおの固そうな体。エプロンを一枚、腹にかけている。
なるほど、言われてみればそれはハリネズミだった。取りあえず亜莉子はほっと胸を撫で下ろす。
しかしなぜ学校にハリネズミが居るのか、なぜハリネズミが日本語を話せるのか。
亜莉子は不思議に思ってハリネズミに訊ねてみたが、やはり聞かれたハリネズミ本人が悩み始めてしまったので、結局質問は打ち切った。
そして今度は逆に、亜莉子がハリネズミから質問を受ける。
なぜかハリネズミは亜莉子に至近距離まで顔を近付けてくるため、少しずつ後ずさりながら話をした。
あのー、お嬢さんひょっとして。アリスじゃないですかあ?
突然ハリネズミの口から出た、耳がうんざりする程に聞いた名前を亜莉子は全力で否定した。
するとハリネズミが、アリスじゃないんですか・・・と見ている方が可哀想になるくらいに落ち込んでしまったので、亜莉子はなんだか申し訳ない気分になってしまった。
自分はアリスではないが、チェシャ猫という人にはアリスに間違えられた。
亜莉子がそう言った瞬間にハリネズミは突然勢いよく顔を上げ、僕らのアリス、お帰りなさい!と嬉しそうに声を上げ亜莉子に抱きついた。
自分はアリスではない、と必死で説明しても最早ハリネズミは人の話を聞いていなかった。
僕は若いからアリスに会ったことはなかったんです、会えるなんて感激ですとひとり熱く語り始める。
そして、うちにはアリスの服があるからぜひうちの店に来てほしいと力強く亜莉子の手を引っ張った。
私はお金を持っていないから、と亜莉子が困り顔をすると、お金なんて要らないからと亜莉子はそのまま半ば強制的にハリネズミに連れ去られてしまった。
亜莉子がハリネズミに連れられてやってきたのは、一階のとある教室だった。
ここって被服室じゃない?と亜莉子が訊ねると、いいえここは仕立て屋ですよおとハリネズミが扉を指さした。
四階にあったのと同じ小さな扉のすぐ脇に、
『したてや・服お作りしマス』
という看板が立っていた。そしてハリネズミに促されて、亜莉子は中へ足を運ぶ。
被服室の中は大小さまざまな洋服がばらばらに吊され、作業机には床からハシゴが掛けられていた。
ハリネズミに続いてハシゴを登りきった途端、威勢のいい声が飛んできて亜莉子は首をすくめる。
机に広げられた生地に型紙がついていて、その布の前で男が仁王立ちになっていた。
男は顔も体も大量の絆創膏に埋め尽くされていた。その手には何本も、巨大なまち針を握っている。
チェシャ猫、ハリネズミに続いて今度は絆創膏男か、と亜莉子は軽く頭を押さえる。
絆創膏男はハリネズミの親方らしく、ハリネズミがなかなか戻って来なかったことにぶつぶつと文句を言いながら、ハリネズミから針を引き抜くと型紙を布に縫い止めていった。
それからようやく亜莉子の姿に気が付くと、嬢ちゃん誰だと亜莉子の方に顔を向けた。
そうです親方!とハリネズミが飛び跳ねるとハリネズミの針がぶっすりと親方の手に刺さる。
親方の体中が絆創膏だらけなのは、こういう訳らしい。
ハリネズミを怒鳴りながらも、ハリネズミが亜莉子を指しこちらアリスなんですよお、と意気揚々と言うと親方は突然ふらりとよろめき、そして叫んだ。
お帰りッ、俺たちのアリスーーー!!
そう叫びながら、絆創膏まみれの親方は両手を広げ亜莉子に向かって突進してきた。
亜莉子は驚き、思わず、ひょいと横に避けてしまった。
そして親方は、勢い余って机から床へと華麗にダイブした。
必死で謝る亜莉子を親方は気前よく笑って許してくれた。
それから、アリスの服を取ってくるから待っててくれよと、ハリネズミを連れて準備室へと姿を消した。
あまりにも歓迎されてしまったため、今更アリスではないとは言いづらかった。
それからしばらくして二人は大きな白い箱を運び出してきた。
今の亜莉子から見て、敷き布団ふたつくらいの箱だ。
蓋を開けると中にはシックな赤色の服と、白い布と黒い靴が入っていた。
どうやら子供服サイズのようだがどれも今の亜莉子には大きすぎる。
絶対大きいってば、という亜莉子の主張はきれいに聞き流されそれらは試着室へと運ばれた。
試着室へ押し込まれ、亜莉子は困り顔で大きな服を見つめた。
こうして見ると三、四歳くらいの子ならちょうどよさそうな大きさのかわいいワンピースだ。
袖だけで体がすっぽり入りそうなそれに冗談で袖を通す。
するとぶかぶかだった袖がひゅっと縮まり、亜莉子の腕にフィットした。
驚きながらも亜莉子は服を着てみると、次々に服は縮み最終的にはサイズはぴったりになった。
箱の中からは下着も出てきて、苦笑いしつつも亜莉子は用意された服を身に着けた。
鏡を見ると、緋色のエプロンドレス姿が映った。服というよりは衣装に近い。
試着室の外に出ると、親方もハリネズミもうっとりしながら、とてもよく似合うと亜莉子を誉めてくれた。
それであの、お代の方は、と亜莉子はおずおずと聞いた。
ハリネズミは代金なんか要らないと言っていたが、生地も仕立てもしっかりしていて普通に買えばそれなりの値段がしそうな洋服だった。
お代なんかいいんですよう!なぜか口ごもる親方を押しのけてハリネズミが前に出てくる。
お代はいいんですけどォ、その代わり・・・そう言って小さな手をすり合わせる。
その代わり、一本もらえたらなって思って。ハリネズミは言った。
亜莉子は今、何も持っていない。そう言うとハリネズミはやだなあ持ってるじゃないですかとはしゃいだ。
持ってるものならいいけど、何を一本欲しいの?
亜莉子が訊ねると、ハリネズミはにこやかに笑う。
「腕、一本ください」
二本もあるんだから一本くらい、いいでしょう?
呆然とする亜莉子の右腕を掴んで、ハリネズミは言った。
アリスの肉は甘くてとろける、この世にひとつの極上の肉。
親方とハリネズミの目はらんらんと輝き、それが冗談ではないことを示していた。
この場から逃げだそうとした亜莉子の体を親方が床に引き倒す。
大丈夫ですよおアリス、すぐ済みますから。
その言葉と同時に亜莉子の頭上でシャキン、と軽やかな音がした。
ハリネズミが、巨大な断裁バサミを構えている。その刃を、亜莉子の肩口に当てた。
亜莉子は思わず気を失いそうになるが、ここで気を失ってしまったら、次に目覚めた時は腕が無いだろう。
亜莉子は目をつむって、思いきり、めちゃくちゃに暴れた。
すると、ぐえっ!ぎゃあっ!と悲痛な声が響く。
うめき声は亜莉子の膝蹴りが腹に入った親方のものだ。すると、もうひとつの悲鳴は?
亜莉子がおそるおそる目を開けると、ハリネズミがハサミを構えたまま固まっていた。
その頭には、親方が持っていたまち針がぷっすりと刺さっている。亜莉子の膝蹴りが入った時にうっかり刺さってしまったらしい。
みるみる内にハリネズミの瞳が潤んでいく。親方が慌ててなだめようとするが、ハリネズミはぶるぶると震えだし、ついに体中のトゲがしゃきんと逆立った。嫌な予感が亜莉子の脳裏をよぎった。
親方は脱兎のごとく逃げだし、ハリネズミはぶるぶる震えたまま。亜莉子は未だショックで立ち上がれない。
そして亜莉子の予想通り、盛大な鳴き声と同時に全身の針が放たれた。
亜莉子はとっさに目をつむり、腕で顔をかばう。が、なぜか体も腕もちくりとも痛まなかった。
おそるおそる亜莉子が目を開けると、そこには全身串刺しで血まみれになった親方の姿があった。
もしかして、私をかばってくれたのかな。
亜莉子は一瞬そう思ったが、しかしそうではないことがすぐに判った。親方の足はぷらぷらと宙に浮いている。
親方の頭は指につまみあげられていて、その後ろには巨大なチェシャ猫のにんまり顔があった。
盾として利用した親方をぽいと投げ捨てると、親方は全身から血を流しながらわなわなと震えた。
そして、いつの間にか我に返っていた、逃げだそうとするハリネズミを怒鳴りながら追いかけていった。
亜莉子はチェシャ猫とふたり、机の上に残される。
「さあアリス、シロウサギを追いかけよう」
やだ、追いかけないと亜莉子がそっぽを向くとチェシャ猫はぐるぐる喉を鳴らした。
皆、アリスが好きだからね。ひとりでいると――食われるよ。
それは嫌だった。食材として、好かれたくなんかはない。
一緒に行く、と亜莉子は素早く前言を撤回する。
いい子だねアリス、とチェシャ猫は満足そうに頷いた。
アリスじゃないんだけどな・・・と亜莉子は呟くが、やはりその呟きはきれいにスルーされた。
チェシャ猫は確かに気味は悪いが、亜莉子を助けてくれたのだ、誰かに食べられる危険がある場所をひとりでうろつくよりはずっとよかった。
亜莉子がふと上を見上げると、チェシャ猫の大きな口が視界に映る。
今にもぱっくりと開いて、亜莉子を飲み込んでしまいそうだ。
私はおいしくないよ、だから食べないでと亜莉子が言うと、僕はアリスを食べないよとチェシャ猫は相変わらずのにんまり顔を見せた。やはり、灰色のフードに隠れて目は見えない。
「おいしそうだけどね」
チェシャ猫は亜莉子を掌の上に拾い上げる。やっぱり油断ならない、と亜莉子は思った。
第二章、狂騒のホテル・ブランリエーブルへ続く
これで第一章は終わりです
まとめづらいと思うので、次の第二章からは章ごとにまとめて投下しようと思っています
ちなみに全七章なので、終わるまで結構時間がかかりそうです
ちょっと話が長くなりすぎかなと思っていたので、読み応えあると言ってもらえてかなり助かりました
そして
>>106、お疲れさまでした
今回も乙!
一章の最後くらいはほのぼのかと思ったら、いきなり黒くなって笑ったw
乙でした
そして続きが待ちきれなくてアプリとってしまった俺乙
wikiが見れないのだけど、そういうのはここでいいのかな?
ギャラリーフェイクの人です。
とりあえず1話からやり直してるものの、めちゃくちゃ大変だな('A`)
まだ1話の1/3位なのに、結構な文章量だわ…
時間かかるのは間違いないので、一話ずつまとまり次第投下して行きますね。
122 :
SIREN2:2006/09/07(木) 01:55:01 ID:Xo0D5JwM0
四鳴山の林道を歩く阿部と喜代田。阿部が多川柳子との思い出を語りだす。
「あいつ時々わけわかんねーくらい暴れだしたりしてさ・・・」
そこまで語ると言葉につまり、俯く阿部。
阿部に寄り添う章子。二人が顔を上げたとき、信じられないものを見る。
目の前にそびえたつ廃鉄塔。その上空にはもう一本の鉄塔が宙吊りに浮いている。
そうではない。夜見島上空にはまるで鏡に映りこんだかのように、もうひとつ夜見島が存在していた。
「何かに呼ばれている気がするの。そこまで連れってくれないかな。」
そう阿部にいい、廃墟の港湾施設を探索する章子。そこここで立ち止まっては過去の映像を見ている。
「アレ?これは・・?」「どういうことなの?」「・・・そうか」「・・・もう少し・・・もう少しよ・・・」
「・・・灯台へ行きましょう」そう阿部に告げる章子。
「・・ほら、がんばって・・」「もう少し、あともう少しよ・・」
灯台前の橋にたどり着いた二人。だが橋は崩落している。しかし章子は穴に向かってフラフラと歩いていく。
「ホラ・・・もう少しよ・・・がんばって・・・・・しゅう」
「おい!あぶねぇ!」
穴に落ちそうになる章子の腕をつかむ阿部。章子はそのまま倒れこむのだった。
疲れ果て、道沿いの石の上に腰を落とす二人。
「はっぴばーすでぃとぅゆー♪」
突然歌いだし、ポケットから拾った金のアクセサリーを章子に手渡す阿部。
「今日誕生日だったろ?免許書で見たんだよ。」
戸惑いながらも表情を緩める章子。俯いて寝息を立てだした阿部に寄り添い、しばしの平穏を味わうのだった。
プレイステーションの「ベアルファレス」とDSの「超操縦メカMG」をお願いします。
かま3ってあの犯人編やるのかな?
というかサバイバルルートはないのかなぁ。
あれめっさ怖かったんだけども。
>>125 やりますよ。
本当の意味の最短ではなく普通にプレイした上での最短を書くつもりなので、
サバイバルルートも普通に突入します。ただし透編のみ。
予定としては真相編→番外編(ピンクシナリオ)→バッドエンド集→犯人編
→金の栞後追加分の順の投下になります。
美樹本が1人で1階に戻ってきた。可奈子は部屋に閉じこもってしまったようだ。
1人で2階に残すことは躊躇われたが、香山の部屋に行くまでは啓子が、行った直後からは美樹本が
それぞれずっと2階のロビーにいたため、不審人物は2階にはいないはずだった。
となると、犯人は1階にいることになる。
すると俊夫が、最初に1人で香山の部屋に向かった際に反対側の西側の廊下へ向かう人影を見たと
言い出した。気のせいかもしれないが、『かまいたちの夜』に出てくる田中みたいだったという。
念のために調べてみようという話になり、女性陣を玄関前に残して男3人だけで行くことにする。
武器になるものは俊夫の折り畳みナイフぐらい。美樹本は素手で構わないという。
透は武器がなかったため(中学のときに通信講座で空手をやってはいたが)、何かないかと
探したが生憎見つからない。犯人が武器を持っていないことを信じるしかなかった。
3人で西側に向かい、1つずつ確認していく。受付室、応接室、空き部屋3つ……。
応接室以外には2階の空室同様に札が貼ってあった。
念のため唯一使っている応接室を開けてみたが、誰の姿も隠れている気配もなかった。
空き部屋には鍵がかかっており、札を剥がした様子もなかったので部屋の出入りはないと証明された。
食堂も調べてみたが、なにも見つからなかった。
と、そのときロビーから悲鳴が上がる。まさか!?
……と思ったが、啓子がヤモリに驚いただけだった。
俊夫が人影を見た後に1度2階まで来ていることから、その間に東側にいった可能性を考慮して
今度は東側を捜しに行く。
女性陣には可奈子を説得して一緒に応接室で鍵をかけて待っているように指示しておいた。
何故か美樹本は可奈子の説得役を啓子ではなく真理に頼んでいたが。
真理が可奈子の部屋に向かい、啓子と春子が応接室へ入るのをちゃんと見届けてから、男性陣は
東側の廊下へと向かう。
洗面所、空き部屋3つ、管理人室、厨房、物置スペース……そして、地下室。
透は香山と見つけたあの秘密の地下室を思い出し、2人に告げた。
管理人室から懐中電灯を拝借し、地下室を探る。異常は何もなかったため、例の開かない扉まで
探索を続けることにした。
鍵穴も何もない開かない扉の前に来たとき、俊夫はきょろきょろとその周囲を見回し始め、
何かに目を留めた。天井からぶら下がった錆び付いた鉄のチェーンだ。
俊夫が無造作に手をかけてそれを引っ張ると、扉の向こうから何かが動く低い音が聞こえた。
もしかしたら、と美樹本が扉に近寄り、押し開ける。
湿った空気と何かの腐ったような臭気が奥から流れ出してきた。下水道に通じていたらしい。
左側にはほとんど水のない水路。正面の壁に、「湖」と刻まれた文字。床には「海」だ。
透は1年前の事件で館を水没させるために使われた仕掛けを思い出した。
おそらくこれらは丘の上の湖から中庭の泉に通じる水路なのだろう。仕掛けを動かすと
「湖」から水が、「海」から海水が流れ込んでくるのだ。
俊夫が小さく唸る。ここが閉じられているから泉の水が涸れていたのだと。
美樹本がここから出られるのではと言い出した。湖や海側は無理だが、中庭になら……。
左側の水路は中庭の泉に続いているかもしれない。3人は調べてみることにした。
しかし、すぐに鉄格子の柵に阻まれ、それ以上向こうには進めなくなってしまう。
これまで辿ってきた経路から位置や角度とかを考えると、この先で中庭の泉に使っているのは
間違いないはずだ。
鉄格子に人の通れる隙間はないかと近づこうとしたとき、ふいに透は誰かがいることに気がついた。
……そこにいたのは、ガイコツだった。
俊夫はポケットからペンライトを取り出し、ガイコツの周囲のゴミをどけ始める。
そして死体の傍らに膝を突き、仔細に眺め始めた。どうやら相当昔のものらしい。
ガイコツの片足がくるぶしのところでぽっきりと折れている。殺されてここに捨てられたのか?
だが今回の事件には関係なさそうだ。水路を調べても何もないため、3人は戻ることにした。
香山の部屋の前まで戻ってきたとき、俊夫が少しでも手がかりを探そうと言い出した。
美樹本も確認したいことがあると管理人室へ入っていく。先程1回調べに来た際に透から
マスターキーでは鍵が開かずに仕方がなくぶち破ったことを聞いていた美樹本は、管理人室の
鍵が置いてあるかどうかを確かめたかったのだ。
管理人室の鍵は壁にかかっていた。ということは、外から鍵はかけられなかったことになる。
死体発見後に犯人がこっそり戻したのかと思ったが、1階のどこにも犯人がいない以上は無理だ。
管理人室の鍵がすり替わっていた可能性も、壊れた扉のロックバーが出たことから否定された。
そもそも鍵本体とタグを繋ぐチェーンはかなり固く、ペンチでもないと簡単には外せそうにない。
マスターキーで開けられないのなら、この鍵を使うしかないのだが……。
美樹本は他殺を疑い、自殺や事故ではないかと言い出した。俊夫はそれに対しこの部屋に抜け穴
でもあるのではと言い出したが、そんなものはどこにもない。
と、そのとき俊夫があるものに気がついた。それは赤いマジックで文字が書かれた紙切れだった。
ネノコクマデニ ミナシヌ
ココカラ タチサルコトハ
デキヌ
意訳:今夜12時までに皆あぼーん
現在、午後10時15分……子の刻、12時まで2時間足らず。
誰がこんなものを書いたのか? 香山のはずはない、となると犯人しかいないが……。
俊夫はもう少し詳しく調べようと主張し、美樹本は館を出る方法を探すことを主張する。
どちらの言っていることも理解できる透はそんなことで口論している場合ではないとたしなめ、
これ以上この部屋で得るものはなさそうだと俊夫を説得した。
地下室の扉のように、玄関の扉にも同じ仕掛けがあるかもしれない。
しぶしぶ同意した俊夫と共に玄関周りに仕掛けがないか探したが、見つからない。
3人がかりで扉を開けようとしても無理だった。
美樹本はついに窓からロープか何かを使って外に出る方法を考え出したが、透は危険だと止めた。
一刻も早くこの場所から出て行きたいという美樹本に対し、俊夫も透に同意する。
電話は繋がらない。地下室は行き止まり。玄関も開かない。1年前と同じように館に閉じ込められたのだ。
とりあえず待っている女性陣に結果報告をしようと戻ろうとしたところで、美樹本は例の紙切れの
ことは黙っておいてくれと2人に頼み込んだ。可奈子をこれ以上不安にさせたくはないのだ。
2人は了解し、応接室に戻る。
誰もいなかったし、逃げられもしなかった。そう告げると、真理が犯人が逃げられず見つからない
のではまだこの館のどこかにいるのか、と訊いてきた。
犯人がまだいるのはあの紙切れが証明しているが、それを言わずに説明する術が思いつかない。
「この中の誰かが殺したのかな……」
啓子がポツリと怖いことを言ったので、全員が顔を見合わせる。
俊夫は啓子に本当にずっと2階ロビーにいたのかどうかを確認すると、この中の誰かが犯人とは
考えられないと断定した。透と別れ、俊夫が部屋を訪れるまでの短い間には皆アリバイがある。
だが美樹本は、透と俊夫なら香山を殺すことができると言い出した。鍵の一件もある以上2人が
犯人とは言い切れない。ただ、アリバイは証明できないだけだと。
結局あの密室の謎が解けない限り、アリバイを証明しても無駄なのだ。
透はそこで背筋が凍った。もし、密室の謎が解けたら……アリバイという消去法で考えれば、
犯人は俊夫しかいない!
透は俊夫の反応が見たくて、1つの推理を話してみた。
香山は部屋の外で殴られ、中に逃げて鍵をかけた。その後息絶えたのなら密室の謎は解ける。
だが、俊夫は顔色も変えずにどうして凶器の灰皿が香山の傍に転がっていたのかと訊いてきた。
苦しい説明だと思いながらも、透は犯人がドアを閉める寸前に投げつけたのではと言った。
しかし、その後香山がわざわざ灰皿の傍まで歩いていってから倒れたのは無理があると否定された。
確かにそうなのだが、疑わしき人物から否定されても何だか釈然としない。
例のアレのこともある、という俊夫の言葉に、この推理ではあのメッセージの説明がつかなくなる
と考え、もう1度事件をはじめから考え直してみることにした。
思い返せば気になることはいくらでもあった。何か重要な手がかりのような、そうでないような
数々の記憶の断片、その中で最も透が気になっているのは……。
なぜ、香山の部屋はマスターキーで開けられなかったのか、ということだ。
マスターキーであそこが開きさえすれば謎でもなんでもない、と俊夫が呟く。
啓子はどういう意味だと表情をこわばらせて聞き返した。
簡単なことだ、マスターキーの持ち主が犯人ということだ、と俊夫。
啓子は自分の鍵では開かなかったことは俊夫も透も春子も確認しているじゃないか、と反論。
確かにそうだが、透は引っ掛かりを覚えた。そもそも開けられない扉があるなんてマスターキー
と言えるのだろうか?
透は啓子の鍵について考えてみた。
・啓子は元々2号室の鍵を持っていたが紛失。未だ見つからず。
・代わりに香山からマスターキーを受け取った。
・その鍵で啓子は自分の部屋に出入りできる。
・だが、その鍵では管理人室は開けられなかった。
・管理人室に出入りできるのはマスターキーと管理人室の鍵だけ。
・管理人室の鍵は部屋の中の鍵掛けにあった。
これらから考えると、啓子の鍵は2号室の鍵ともマスターキーとも言えない。
となると……。
*1
(やろうと思えばここで推理を展開できますが、まず初回プレイでは気付きません)
啓子は本当に2号室の鍵を無くしたのか?
啓子はマスターキーと2号室の鍵の両方を持っていたのではないか。
香山殺害には本物のマスターキーを使い、殺害後にタグを入れ替えておく。
それならば管理人室の鍵が開けられなくても不思議ではない。
これが間違っていなければ犯人は啓子なのだが……。
マスターキーで開けられない鍵があるなんてマスターキーと言えるのか、と真理が不思議そうに
呟く。それを受けて俊夫は鍵に細工をしたのではと言い出した。
疑うなら調べろ、と啓子は俊夫に鍵を突き出した。どうやら細工はないようだ。
透は提案した。啓子の持っている鍵で啓子の部屋を開けられるかどうか、確かめてみようと。
試すのは別の人に、という俊夫の提案で春子に鍵を渡し、開けてもらう。
固唾を呑んで見守ると、鍵はちゃんと開いた。
……間違いない、「マスター」のタグがついたのは2号室の鍵だ。
透がその推理を展開しようとすると、俊夫はまだだ、と言い出した。
マスターキーの証明には、別の部屋のドアを開ける必要がある。例えば、その隣の部屋の。
春子は少しもたつきながら、隣の部屋の鍵穴に鍵を差し込んだ。
ロックの外れる音がし、春子は札が剥がれないよう注意しながら少しだけドアを開けて見せた。
では、マスターキーは本物? どこで推理を間違えたのか……。
少し面白がった口調で納得したか、と訊く啓子に、俊夫はその鍵がマスターキーであることは
認めたが、マスターキーの分疑わしかったのがみんなと同じになっただけだと言った。
真理は犯人はもう逃げてしまったのではと口にする。だが、あの予告状がある限りは犯人がどこかで
皆殺しの機会を虎視眈々と狙っているかもしれないのだ。
このままあの予告状のことを隠しておいていいのだろうか。そう思っていると、俊夫はもう隠して
おくわけにはいかないと美樹本の制止を聞かずに例の紙切れを全員に見せた。
隠しておいたことを全て話すと、可奈子がこの島は呪われているんだ、と頭を抱えて叫んだ。
美樹本は可奈子をそっと抱き寄せながら、この島や館には忌まわしいものを呼び寄せる力が
あるのかもしれないと言う。ここでたくさんの血が流されたという事実が人を惑わせるのでは、と。
予言の自己成就。例えば占いを妄信する人間が占い師に何か悪いことが起きると言われたとして、
不安や恐れを過剰に抱くあまりに物事を悪い方向へ押しやり、予言されなければ起きなかったはずの
ことが起きて結果的に予言が的中してしまう、そういう現象。
血塗られた歴史を持つ島に、また誰かが殺されるのでは……そう誰かが強く思っていたことが、
今回、あるいは去年の事件の根っこにあるのかもしれない。
呪いとどう違う、と吐き捨てると俊夫に、美樹本は続ける。オカルトとは違うのだと。
思いや言葉の力は強い。この島にまた来ることに誰もが不安を感じていたはずだ。
全員がそうならば不安は増幅し、その中の繊細な誰かが殺されるのは自分だと――
夏美のことで逆恨みした香山に殺されるのではと思い込んだとしたら?
この中の誰もが去年の事件で傷つき、罪の意識を抱えている。だから、そう感じたとしても
おかしくはない……。
俊夫は、今日子も村上も、小林も死んだのだから、自分たちが罪の意識を感じる必要はないと
怒ったように言い返す。
だが美樹本は、事件を食い止められなかっただけでも多少は後悔する。今日子と親しければ尚更だ。
それに、すべての元凶であるみどりの夫である俊夫なら、特に――
俊夫は顔を真っ赤にして怒り出した。俺が罪悪感を感じているなんて冗談じゃない。みどりだって、
去年の事件の責任までとる必要なんかない。どうして俺が香山さんに……。
「分からないって言うのか?」
美樹本は目を細め、静かで冷たい口調で続けた。
俊夫はみどりが河村亜希をはねたあの夜も、その後もずっと一緒にいたなのに何一つ知らないで彼女と
つきあっていた。
もしかしたら俊夫はみんなを救えたかもしれない。みどりの異変に気づき、すべて聞き出して自首を
勧めていれば、夏美や今日子、それにみどり自身も。
「そんなふうに後悔したことが一度もないんだとしたら、君にはおよそ想像力というものがないと
いうことになるんじゃないか?」
そんな言い方って酷すぎる、と真理が珍しく怒鳴りつける。
突然、俊夫はわけのわからない喚き声をあげながら美樹本の顔を殴りつけた。
美樹本は2、3歩よろめき踏みとどまると、続いての大振りのパンチを簡単によけ、ふところに
潜り込んで腹に重い一撃を食らわせた。勝負は一瞬でつき、俊夫は崩れ落ちた。
大丈夫? と真理が俊夫に駆け寄る。可奈子は美樹本にしがみつき、美樹本の顔の傷と腹を抱えて
うずくうまった俊夫を交互に見ていた。
俊夫の嗚咽が聞こえる。痛みだけのせいではないだろう。
ちょっとは薬になるだろう、と美樹本はうそぶいた。
女の子にはきつい光景に、気持ち悪いと口を押さえる可奈子を連れ、美樹本は部屋に戻っていった。
念のために朝まで1人になるのは避けろ、と言い残して。
透は俊夫に駆け寄り、大丈夫かと声をかけたがほっといてくれと言われてしまう。
確かにこんな屈辱的な場面では自分でも1人にしてもらいたいと思うだろう。
それに、俊夫なら1人でも大丈夫かもしれない。
きまずい雰囲気を取り繕うとしたのか、春子が紅茶でも飲まないかと言ってきた。
真理がその手伝いに行き、透と啓子が応接室に向かう。
黙っているのも変だとおもい、透は啓子に話しかけた。美樹本は格闘技でもやっているのか、
という透の言葉に、啓子はボクシングをやってたことがあるみたいだと返す。
慌てて口元を押さえ、うつむいたきり口をつぐんでしまった啓子に、漸く透は啓子と可奈子の様子が
ずっとおかしい理由に思い当たった。
啓子は可奈子が付き合っている美樹本のことを好きになってしまったのだ。あるいは、美樹本を
巡って2人の間でいさかいがあったのかもしれない。時折啓子が可奈子と美樹本の2人を見る目つきに
暗い影を感じるのも納得がいく。べたべたしている2人を見るのはさぞつらかったことだろう。
突然啓子は立ち上がり、可奈子の様子を見に行くといって2階へと上がっていった。
友達だから可奈子が気になるのか、それとも美樹本と2人っきりにしたくないのか……。
応接室の置時計が23:00を告げる。あと、1時間……。
1人でいるうちに不安になってきた透だったが、丁度そこに真理がやってきた。
春子は香山のところに行ったらしい。啓子もいなくなったので、2人っきりだ。
2人で紅茶を飲んでいると、俊夫が応接室にやってきた。少し照れた様子で黙って腰を下ろす。
みっともないとこを見せた、という俊夫に、真理はあんなことを言われたら誰だって怒る、と
妙に俊夫を庇う。だが俊夫は、あいつの言ってることは間違ってなかったと言った。
「そんなこと言い出したら、私たち、世の中で起きる悪いこと全部に責任を取らなきゃならなくなる!」
その真理の言葉に、俊夫はありがとう、と微笑んだ。それで漸く透も安心する。
しばらくして俊夫はもう1回見て回ると立ち上がった。何か見落としているかもしれない。
透はこのままでは落ち着かないからと一緒に行こうとしたが、真理が1人になるからと断った。
自分は1人でも大丈夫だ、美樹本が相手なら無理だが、と自嘲して。
俊夫が出て行き、真理と2人きりになる。俊夫とのことを聞こうかどうか迷った。
さりげなく聞き出すために俊夫のことをどう思うか、と問うたが、真理は取り違えたらしい。
すっかり荒んだ感じになったことを心配している。やっぱり、離婚のせいなのかと。
離婚ってと訊こうとしたとき、廊下を走る足音が聞こえたかと思うと、応接室の扉が開いた。
俊夫だった。
「美樹本が……美樹本さんが……死んでるんだ」
今回はここまで。次で第1回透編は終わります。
かまいたちの人乙ー。
文うまいな。続きすげー気になる!
×この先で中庭の泉に使っているのは 間違いないはずだ。
○この先で中庭の泉に繋がっているのは 間違いないはずだ。
です。申し訳ない……。
うおおおおおおおお
かま3の人乙!
すごい引き込まれた。
でも
>意訳:今夜12時までに皆あぼーん
で吹いた。真剣に読んでたからなおさらだった。
かま3の人乙です
137 :
侍道2:2006/09/08(金) 03:19:37 ID:v2NiPK9Y0
では、プロローグから、
原作に無い部分は、攻略本、公式サイト、小説、自己補完、勘違い・妄想、
のいずれかと思ってください。あと、サブイベントは省略します。
時は幕末。黒船の襲来にこの国が大きく揺れていた時代。
江戸から遠く離れたここ「天原」は、唯一南蛮との貿易が許され、豪華な町並みを誇っていた、
しかし、その見かけと裏腹に、任侠組織「青門組」と「天原奉行所」、
この二つの組織により内状は乱れつつあった。
青門組の変貌は、この町を率いていた青門組組長が崩御した事にある。
組長亡き後、実質のNO.2であった「高沼の半左衛門」の手により、
強きを挫き弱きを助ける青門組は、血に飢えた狂犬「陰沼京二郎」を初めとする、ならず者の集団となってしまった。
前組長の娘「天原のかすみ」の訴えもあるものの、依存性の高い麻薬「素魔」の密売など、
事実上、青門組は半左衛門の支配下となる。
また、天原の利益に目をつけた幕府が、この地を直轄地にしようと企み、
その口実を探そうとしている事を知った天原奉行「黒羽三河守義隆」は天原を守るため、
いかなる悪も逃さずと、その右腕「武藤郷四郎」に徹底的な取締りを行わせた。
しかし、これは逆に、人々を守る奉行所を常に監視の目を光らせる恐怖の象徴と変えてしまったのだ。
二つの組織は互いに小競り合いを繰り返し、それに巻き込まれ死亡する町民も後を絶たない。
しかし、青門組は奉行所に対抗出来るだけの力をいまだ蓄えておらず、
奉行所は青門組の資金源である素魔の製造元を突き止めるまでは大っぴらな手出しは出来ない。
互いに決め手を欠いたまま、被害ばかりが増すという膠着状態の中、
一人の侍が、ここ天原にやってきた。
138 :
侍道2:2006/09/08(金) 04:19:35 ID:v2NiPK9Y0
天原にやって来た名も無き侍は、空腹で倒れてる所を一人の幼い少女に救われた。
彼女にもらったおにぎりを食べながら、礼を言う侍。
少女は微笑を返し、侍に手を振って去っていった。
しかし、少女はその途中、この町でも札付きのチンピラ三兄弟にぶつかってしまう。
これ幸いとばかりに少女に絡み、少女の養い元である遊郭へ集りを始めようとする三人組み。
侍は黙って少女に近寄り、少女を背に庇う。
当然のごとく、三人は侍に標的を変え、襲いかかって来た。
しかし、修羅場をくぐった侍にとって、ごろつき等取るに足らない。
あっという間に叩きのめし、三人組みは負け犬の遠吠えを上げて逃げ出した。
助けられた事に、頭を下げる少女。
と、その時眼鏡をかけた女性が現れ、少女は満面の笑みで彼女に近づいていった。
彼女の名は千代。町外れで医者の手伝いをしているらしい。
そこで侍は、少女が口をきけず、天原のななしっ子と呼ばれている事と、
少女が、自分が下働きをしている遊郭「天風」に連れて行こうとしていることを知る。
侍に当てはない。少女の言うままに、町の中心にある遊郭へと侍は向かう。
遊郭「天風」で、先ほど助けた少女は、そこで雑事を仕切っている団八と言う男に侍の面倒をみて欲しいとせがむ。
そこに、遊郭NO・1である花魁、舞風が現れ、侍を助けて仕事を怠った少女と侍に厳しい言葉を放つ。
「ここ天原では、役立たずに生きる道は無い」。
しかし、それは誰より他人を大切に思う、それゆえの厳しい言葉。
結局、当面の住居と引き換えに用心棒を引き受けた侍に、団八は舞風の手伝いで町外れに行った少女の様子を見てきて欲しいと頼んだ。
町外れに行った侍は、そこの庵で先ほどの千代と、気難しそうな壮年の男、弦庵と出会う。
弦庵はここ天原で、損益を無視して人を助ける評判の高い名医であった。
しかし、それ故、人を殺す刀を持ち歩く侍を大層嫌い、侍に侮蔑の視線を向ける。
その時だった。急患の報が届き、弦庵は飛び出していく、千代も侍に留守番を頼みともに出て行った。
ところが、留守番中、少女が腹痛で苦しむ男を連れ、診療所に飛び込んできた。
男は苦しそうに悲鳴を上げるが、侍はどうする事も出来ず、少女も口が利けないため、症状を伝える事が出来ない。
しかし、その場は戻ってきた弦庵の手により収まる。
弦庵は、何も出来なかった侍をあざ笑いつつ、男を無視しなかった侍に少し感嘆した様であり、
色々と少女について話をしてくれる。
少女が文字でも覚えられれば、今の境遇も変わるのだが、と嘆く弦庵に、
「俺が文字を教えよう」と。侍は言った。
早速、少女に文字を教える許可を取るため、舞風に会った侍は、そこで痛烈な拒絶をされる。
舞風は侍を信用してはおらず、文字教えも暇つぶしのお遊びとしか見ていないのだ
そこで、舞風は字を教えたいのならばあの子の時間を1000文で買え、と提案する。決して安い金額ではない。
侍は黙ったまま、遊郭を後にした。なんとしてでも、1000文を稼ぐ為に。
様々な依頼を受けつつ、1000文を稼いだ侍は、再び舞風に会い、少女の時間を買う。
少女は砂地が水を吸うが如く、みるみる字を覚えていき、
そして、侍に「さよ」と書かれた二文字の言葉を見せた。
とうとう少女は自分の名前を伝える事が出来たのだ。
侍のひざで甘える少女を見ながら、舞風は物陰で涙を流す。
字を覚えたさよは、弦庵の仕事も次々と覚え、難しい仕事も任されるようになっていった。
そんなある日、侍の下にさよは一枚の紙を持って訪れる。
「まつり いく」、侍はもちろん快く承諾した。
そして、天原名物の夏祭りの日。途中で、チンピラ三兄弟がボッタクろうとするトラブルもあったものの、
概ね、二人は祭りを楽しんでいた。
しかし、その時、突然の悲鳴が祭りの賑わいをかき消す。
青門組がお忍びで祭り見物をしている黒羽奉行を暗殺しようと、凶行に及んだのだ。
手当たりしだい、皆殺しにしようとする青門組、
震えるさよを背に、侍は刀を抜いた。さよに決して凶刃を届かせぬ為に。
結局、青門組は奉行の暗殺に失敗し、その場から立ち去っていった。
礼を言う黒羽奉行と、その右腕の郷四郎に対し、侍はさよを連れて去っていく。
その背に向けて奉行は告げる。武士とは大儀を成し遂げる事のみに生きるものだと。
狂った祭りの一夜が明けて、侍は弦庵の庵が燃えていると聞く。
急ぎ駆けつけた侍が見たものは、郷四郎の手によって斬られる弦庵の姿だった。
郷四郎は、天原に仇為す者は斬ると言い残し、その場を去る。
弦庵はさよと侍に、自分が素魔に関わっていた事、
そして、いつかこうなることは分かっていたと残し逝った。
憔悴した侍達が遊郭に戻ると、またしても驚くべき事実が待っていた。
天原の富豪、紅屋角兵衛がさよの才能に眼をつけ、養子に欲しいと言い出したのだ。
願ってもない話に喜ぶ舞風、しかし、さよの顔は晴れない。何か言いたげに侍の手を握る。
その時、聞きなれた三馬鹿の声が外から聞こえてきた。しかも、その目的は驚いた事にさよの身柄であった。
蹴散らした三馬鹿から、遊郭の花魁の一人、奈美が、青門組の高沼の半左衛門と組んで
さよを欲している事を知る。このままではさよの身があぶない。
さよを守るため、侍は単身、青門組へと殴りこむ。
血と、断末魔の叫びが止まぬ中、侍は半左衛門の部屋までたどり着いた。
極長の居合い刀を駆使する半左衛門に苦戦しながらも、
その動きを巧みに見切り、侍は半左衛門も打ち倒す。
そして、残った奈美から、ここ天原にはびこる麻薬、素魔は弦庵が作り出したものであり、
さよはその調合法を偶然に知ってしまった事を聞きだした。
悪い予感を覚えながら、遊郭に戻ると、舞風はさよが奉行所に連れて行かれたと告げる、
悪を許さじとする奉行所は、素魔の製造法ごと、さよを葬り去るつもりなのだ。
刀を備えなおし、遊郭から出て行こうとする侍を、慌てて団八と舞風は止める。
相手が悪すぎる。敵はやくざ組織では無く奉行所なのだと。
しかし、侍は、これから死戦に出向こうとは思えないほど穏やかな笑みを浮かべ、
ただ一言、言葉を残し、歩みだした。
奉行所を固める岡引や同心を薙ぎ払い、
奥に奥にと向かう、侍の前に、郷四郎が現れる。
一人は大儀の為、一人は守るべき者のため、相容れぬ信念同士が今、ぶつかり合う。
その決着は、郷四郎の敗北によって着いた。
何故、ここまでしてあの子を守ろうとする、と問う郷四郎。
侍はさよと最初に出会った時を思い返し、言った。
おにぎりを一個もらったのだ、と。
郷四郎は、一瞬呆気にとられ、そして、高らかに笑い出した。
侍の信念が自らの信念を上回った、その理由を悟って。
そして、郷四郎はさよがまだ生きている事、
自分が心酔する御奉行の命であっても、さよの命を奪う事だけはどうしても出来なかったと。
大儀と感情の狭間で苦しまねばならぬ、侍の哀しみを言い残し、散る。
牢で俯いていたさよは、ふと物音を聞き、顔を上げた。
初めは現実とは思えなかった。しかし、自分が最も会いたかったその人物は、
鍵を開け、そして自分に向けて手を差し伸べてくれた。
さよは、言葉にならぬ声を上げ、侍にすがりつく。
そんなさよを、優しく受け入れ、侍はさよの頭をなで続けた。
奉行所を出ようとする侍に、黒羽奉行が声をかける。
自分は大義を曲げるつもりはない、素魔を消し去る為、何度でもさよを狙うだろうと、
大の為に小を切る、それが黒羽奉行の信念。
だが、侍はそれに従う気はない。侍にとって重要な事は、
絶対に曲げられない信念に殉じて、戦い続ける事だけ。
それこそが、侍の道なのだから。
奉行所で暴れた主人公は、天原から去る覚悟を決めた。
舞風は真実を知りながら、さよを今まで通り遊郭で養うと約束する、
そして、別れの日。しかし、侍との別れが辛いのだろう、そこにさよの姿は無かった。
遊郭の前で別れを惜しむ団八と舞風に背を向け、侍は歩き出した。
天原の入り口、出会いと別れの場となる、巨大な門の前で、侍は足を止める。
そこにはさよがいた。最初に会った時と、全く同じようにして。
そして、侍の前でさよは地面に何かを書いていく。
そこに書かれたのはさよの想い、そのものだった。
話す事もできず、文字も知らなかったさよ。
そのさよが侍に向けた眼差しを受けて、侍は、さよに手を差し伸べる。
そして、二人は共に手をつなぎ、天原から去っていった。
あたしも いく
地面に書かれた、さよの音無き言葉のみを残して、
いい話や
侍道2の人乙です
かま3と侍2の人乙
いい話だなぁ。ちょっとジーンときた。
実によい
俊夫を追って食堂へとたどり着くと、テーブルの1番向こう側に横たわっている脚が見えた。
テーブルを回り込んで近づき、美樹本の全身を見た瞬間……血の気が引いた。
美樹本の胸が一面赤黒く染まり、その染みの中心には刃物を刺したような跡。
その傍には――風切り鎌。
どう見ても死んでいる。1年前の正岡のことが一瞬にして脳裡を駆け巡った。
あれは今日子の犯行だったが、今日子はもういない。なのにこれは一体?
館の呪いなのか、それとも「予言の自己成就」に動かされた誰かが……?
まさか俊夫が、と思ったが、俊夫は否定した。さっきの驚きも演技ではなさそうだし、とりあえず
透は俊夫を信じることにする。
それにしても2階にいたはずの美樹本は一体いつ食堂に来たのだろうか。食堂には応接室の前を
通らなければいけないから、誰かが通ったらすぐ透が気付くはずなのに。
とにかくみんなに知らせなければ。俊夫をこの場に残し、透と真理はまず管理室に向かった。
ここには春子がいるはずだったが、誰もいない。諦めて2階に向かい、まずは可奈子の部屋に行く。
恐ろしい事実を伝えることに一瞬躊躇った2人だったが、誰かが言わなくてはいけないのだ。
そんな役目を真理にさせるわけにはいかない、と透は可奈子に美樹本が殺されたことを告げた。
嘘よ、と叫んで可奈子は真理の制止を振り切り1階へと走っていく。
やり場のない憤りがこみ上げてくる。どうして美樹本は1人で行動したのか……。
透は春子の部屋をノックしながら通り過ぎ、隣の啓子の部屋をノックする。
そして2つの部屋の真ん中に立って呼びかけた。ほとんど同時に両方のドアが開く。
美樹本が殺されたことを告げられると、啓子はショックで血の気が失せた顔をした。
1人でいるのは危ない、と部屋にしっかりと鍵をかけて1階へと歩き出す。
透は彼女たちを追う前に、不審なところがないかとあちこち見回した。
と、廊下の板張りの隙間に何か挟まっているのが目に入った。鍵のようだ。
すぐ横の扉の上には2号室のプレート。ということは啓子のなくした2号室の鍵だろうか。
自分の部屋の前に落ちているのに、なんで気がつかなかったのだろう。
つまみ出して確かめようにも隙間は細く、今は美樹本のことの方が大事だと食堂へと向かった。
食堂には全員が集まっていた。可奈子は美樹本の亡骸にすがって泣いている。
春子は可奈子に何か声をかけながら、うまく彼女を亡骸から引き離した。
それを見てみんなは食堂から出て行こうとする。
確かに、こんなところにいつまでもいるわけにはいかない。
*2
一同は可奈子を護送するように応接室に向かった。
誰がこんなことをやったのか、と可奈子が呟く。そしてはっとしたように俊夫を睨んだ。
あなたがやったんでしょ、と声を張り上げるが、俊夫は否定した。
信じないかもしれないが、俊夫は美樹本にちょっと感謝してるくらいだった。
美樹本の言葉で少し目が覚めたのだ。自分はずっと逃げ続けてたのかもしれないと。
唐突すぎる独白めいた台詞に毒気を抜かれた可奈子は二の句が継げず、もう誰も信用できないと
制止の声も聞かずに応接室を出て行ってしまった。
それを見た啓子も、1人の方が安心だと部屋に戻っていってしまう。
2人ともショックが大きかったのだ、という真理に、啓子も美樹本が好きだったから、と透。
そこで俊夫や春子は初めて啓子と可奈子がぎくしゃくしていた原因に気がついたようだった。
ふと時計に目をやると、11時40分。……あと、20分。
流石に20分で皆殺しなんて無理だ。……この中に犯人がいなければ。
そんな透の呟きに、みんなの視線が集まる。透は慌てて言った。
別に自分たちの中に犯人がいるなんて本気で考えてはいない。だが、わからないのだ。
犯人が本気で皆殺しを考えているのなら、あんな予告状めいたメッセージは残さないはずだ。
警戒するようになってしまうから。
だから、あの予告状は単に怖がらせるためのハッタリだったのだろう。
……ならば、なぜ犯人は美樹本を殺したのか。あれがただの脅しなら、美樹本を殺す必要はない。
もしかしたら、警戒させることでかえって自分から注意をそらそうとしている誰かがいるのでは?
それに対し真理は、美樹本が犯人の手がかりを見つけたのでは、と口にする。
それで犯人に接触して殺されたのだとしたら、美樹本の部屋に手がかりがあるかもしれない。
透、俊夫、真理、それに春子も連れて4人で美樹本の部屋に行く。鍵はかかっていなかった。
ベッドの上には1年前の写真がぶちまけられており、サイドテーブルには三日月館の見取り図が
写った2枚の写真が置かれていた。片方は1階、もう片方は2階のものだ。
何故これだけ別になっているのか? 透は2階の見取り図をよく見てみたが、わからなかった。
その後も念入りに部屋中や手荷物を見たが手がかりになるようなものはない。
真理は何となく気になるから、と見取り図の写真を借りることにした。
やがて春子も疲れたから休みたい、と美樹本の部屋を後にする。
残された3人は2階ロビーに戻り、誰かが廊下を行き来したり部屋を出入りしたりするのを
見張ることにした。万全ではないが、ある程度犯人の行動は押えられるだろう。
ふと真理は2階の見取り図を指差した。その指は2階ロビーを指している。
その南側に、細い区切りがあった。真理が気になったのはこれだったのだろう。
丁度その見取り図の位置、階段を上がってすぐの壁に、扉のようなものがあった。
来たときは壁に札が貼られていたのだと思ったが、そこに扉があったのだ。
よく見ると札は扉の上の壁にだけ貼り付いていてそこからぶら下がっているだけだった。
もしかしたら外に出られるかも、と俊夫が扉を開ける。鍵はかかっていなかった。
中は窓もない狭い空間で、大きなチェーンがぶら下がっている。
透も俊夫もそのチェーンによく似たものを見たばかりだ。あの地下で。
1年前、今日子の動かした仕掛けにより館の中庭は水没したが、内部には一滴も浸入していない。
おそらくあの玄関には、両開きの外側に防水壁が用意されているのだ。
玄関が開かなかったのは防水壁のせいで、それを上げれば扉を開けられるのだろう。
ひょっとすると、外に出られるかもしれない。
だが同時に透は、地下室のときにチェーンを引いたのは俊夫だということを思い出した。
もしかしたら、あの地下室もこの小部屋のことも最初から知っていたんじゃないだろうか……?
俊夫は透たちの返事を待たずにチェーンを引いた。これで防水壁が開いたはずだ。
3人で玄関に向かったが、それでも扉は開かなかった。
押したり引いたりしてみても、開かない。
……そして、応接室の置時計が、12回鳴った。
午前0時。
子の刻になったのだ。
だが、3人とも生きている、やはりあのメッセージはハッタリだったのだ……。
と、その時、金属の軋むような音が聞こえた。玄関扉からだった。
扉の隙間から水が染み出してきた。扉が軋み隙間ができるにつれ、どんどん溢れてくる。
「逃げろ!」
扉に背を向けて走り出した次の瞬間、爆発音のような音と共に扉が吹き飛んだ。
あと数歩で階段にたどり着く、と思ったとき、巨大な水の固まりがぶつかってきた。
闇雲に伸ばした透の片方の手は階段の手すりを掴み、――もう片方は、真理と繋がっていた。
走り出した瞬間から握っていたらしい手は、握り返す力も感じられず、すっぽ抜けてしまいそうだ。
透は手すりを掴んだ手に力を込めて踏ん張った。その腕を俊夫が両手で支え、引っ張ろうとする。
ぼくを助けようとしているのか?
このままでは、俊夫さんも水に呑まれてしまうかも知れないのに。
……そんな不安にとらわれたとき、片手から――真理を掴んでいた手から、ふっと感触が消えた。
濁流に流されていく真理の姿は、しかし一瞬で見えなくなってしまった。
透は手すりを放して真理を追いかけようとしたが、俊夫がその腕を放さない。
離してくれ、と叫ぶも、馬鹿なことをいうなと叫び返される。透は躊躇った。
そして透は、俊夫の差し伸べた手をしっかりと掴んだ。引き上げられると、2人で踊場に避難する。
透は呆然として真理が消えた方角を見つめた。
ぼくは、真理を、見捨てた……。
真理を、守れなかった。
ぼくは真理を見殺しにしたんだ。
どうしてこんなことに。なんで水が。なんで人が死ぬんだ。なんでぼくは真理を……。
「何で真理を助けてくれなかったんだよ!」
ぼくじゃなくて真理を助けてくれれば、ぼくを行かせてくれてたら……。
透はやり場のない気持ちを俊夫にぶつけるしかなかった。
別に選んで助けたわけじゃない、と怒鳴る俊夫。
その俊夫が逸早く階段の半分まで逃げていたことに、水が流れてくると知ってたんじゃないか、と透。
だから自分だけ早く階段に戻れていたんじゃ、と。
だったらどうして透を助けるんだ。いい加減にしろ。大体真理が流されたのは透が手を放したせいだ。
彼女を守ってやれなかったのはお前の責任だろう。俺なら、守ると決めたら最後まで守り通す。
……その通りだっただけに、そんなことをいう俊夫が憎くて憎くて仕方がなかった。
「……その守る相手から捨てられたくせに」
どういう意味だ、と俊夫は顔色を変え、透の胸倉を強く掴む。
みどりとは離婚したんだろう、真理が言ってた。……そう答えると、俊夫の力が緩んだ。
俊夫は離婚のことは誰にも話していなかったのだ。
透はもう1度真理が流された方を見た。なぜ真理が離婚のことを知っていたのか……?
そのとき、少し緩やかになった流れに乗り、何かが玄関から入ってきた。
人だ。
一瞬真理かと思ったが、それは男だった。死んでから長い時間が経っているようには思えない。
それは最近、いや、ついさっきかも……。
2人は流れてゆく男の死体を呆然と見送った。
水かさが上がる勢いは止まらず、踊場も水浸しになりそうだったので、2人は2階へ避難した。
1階が完全に水没してしまう。透はそれを絶望的な思いで見ていた。
真理がまだ生きていたとしても、溺れ死ぬのは時間の問題だ。
しかし、透に出来ることは何もなかったのだ……。
突然、館が闇に包まれた。
水でどこかショートした結果、停電になってしまったのだ。
俊夫は地下水路でも使っていたペンライトをつけた。
ささやかな光ではあるが、わずかな希望を示してくれているようにも思える。
それにしても、他の皆はどうしたのだろうか。
何かあったのかもしれない。行ってみるにしても武器もなしで行くのは危険だ。
そう透がいうと、俊夫は何もないよりはマシだと折り畳みナイフを手渡した。
俊夫はペンライト以外には何も持っていない。何とかなるから気にするな、と。
おそらく俊夫は犯人ではないのだ。彼が犯人だったら、暗闇に紛れていつでも透を刺せた。
そして逆に、透を疑っていたらナイフを持たせて後ろを歩かせたりはしないだろう。
俊夫が信じてくれるということが、透に俊夫を信じさせた。
あるのは頼りない光とちっぽけなナイフ。だからこそ、信じ合わなければ生き残れない。
生き延びて、真理を助け出したい。もし真理がすでに死んでいるのなら……惨劇の張本人を殺してやる。
そんな暗い決意と共に、足を前へと進めていく。
まずは7号室、可奈子の部屋。鍵はかかっていない上、声をかけても返事はなかった。
部屋の中を照らすと、空中に浮かんでいる何かをライトが捉えた。
ゆっくりと上に動かすと……透たちよりも頭一つ高い位置に、可奈子の顔があった。
足は宙に浮かんでいて、椅子が横倒しに倒れている。
……自殺?
美樹本の後を追ったのだろうか。だとしたら……。
急いで部屋を飛び出し、啓子のいる2号室に向かう。嫌な予感がした。
……予感は、的中した。
まるでさっきの繰り返しを見ているかのようだった。
全身の力が抜け、その場に崩れおれる。
美樹本を追った2人と、真理を追わなかった透。どっちが正しいのだろう。
わからない。けれど、生きていて欲しかった。みんなに、生きて……。
俊夫が透の肩に手を載せる。
そう、まだ春子が残っている。その生死を確かめなければならない。
3号室の前。俊夫がナイフを持っているか小声で聞いてくる。
最後に残った春子は、犯人の可能性が高い――!
透がナイフを握り締めるのを確認してから、俊夫は扉を開けた。
……誰もいない。いったいどこに行ったのか?
2人はドアを閉め、耳を澄ませる。2階のロビーの方から水の流れる音が聞こえるだけだ。
だがそのとき、廊下の奥の方から扉が開く音が聞こえた。
それと同時に、何かをしたたらせる音と共に誰かの歩く音が聞こえてくる。
俊夫が廊下の奥にライトを向け、透はナイフを強く握り締め、構えた。
よろよろと歩く人影が2人の目に映った。
もし、春子さんだったら?
警戒しながら相手が近づくのを待ち構える。
それは……真理だった。
透は真理の名を呼ぶとナイフを放り出して真理の元へかけだした。
透の名を呟いて倒れこむ真理の身体を抱きとめる。
その身体はびしょぬれで、ひどく冷え切っていた。
真理はか細い声でなにかを言ったが、聞き取れない。
真理は震えながらゆっくりと腕を上げ、手を開く。その手には2階の見取り図の写真がのっていた。
「物置……」
物置がどうかしたのか、と聞き返すと、
「……春子さん……」
そういった瞬間、真理の首が透の胸にもたれかかった。身体全体がずしりと重みを増したようだ。
真理の名を繰り返し呼んでもぴくりともしない。
だが、わずかな呼吸が感じられた。死んだわけではないようだ。
一体どうやって、真理はあの浸水から生き延びたのだろうか……?
真理のぬれた身体を拭くものはないかと辺りを見回したとき、いつの間にか俊夫の明かりが、
俊夫自身がいなくなっていることに気がついた。
俊夫の名を呼ぶが、返事はない。
闇の中、誰かが目の前に立っているのがわかった。
……俊夫じゃない。
「あんた……なんで生きてるんだ……」
透はそれだけしか口にできなかった。
コートを着た人影は風切り鎌を持っていた。
透はそれをただ呆然と眺めていた。
ゆっくりとその鎌が振り上げられ、
そして――風を切る音が聞こえた。
終
No.36 なぜ生きてるんだ?
第1回透編終了。
ちなみに前回の*1と今回の*2は第2回以降の透編を始めるポイントなので今は気になさらずに。
そして今更ながらにどうでもいい訂正。
19号室(前回の正岡部屋)は角部屋で番号はついていません。
かま3の人早ーーーーー
乙です超乙です
パワポケ8をお願いします、
最新作なので正史ルートがどれかはわかりませんが
出来れば正史と白瀬芙喜子ルートお願いします
すげぇ難しすぎる('A`)
FF3のは執筆予約済みって事かな?
FC版、DS版両方書けるけど。
ペルソナ3、前の人がよければ書いてみたいと思う。
>119
同士よ乙。
三章まで進めたけど、二章の展開テラワロス。
ギャラリーフェイクの人ですが、とりあえず1話の半分が出来たのでそこまで投下します。
やりながらメモしてるので時間かかる上にわかりにくいことを先にお詫びしますorz
Chapter1 日陰に咲くひまわり
ある一室でゴッホの代表作「ひまわり」を前に会話する男女二人。
しかしその「ひまわり」は素人目には判断出来ないほど見事な贋作であった。
男から「館長さん」と呼ばれる女性は、贋作である「ひまわり」のタッチに心当たりがあった…
ある日のこと、知り合いである三田村館長の勤務する高田美術館で盗難事件が発生したことを新聞で知る。
どうやら海外の美術館に作品を貸し出したところ、返却後に贋作にすり替えられたらしい。
何を盗まれたのかは新聞では知ることができなかった。
その時、ギャラリーに高倉刑事が訪れる。
高田美術館がらみで来たと予想するフジタ、逆に情報を引き出そうとする。
強引に署まで連行しようとする高倉。
しかし逮捕状が無いと民間人を逮捕することは出来ないと拒否するフジタ、逆に逮捕しようとした理由を聞き出そうとする。
どうやら今回の盗難事件にフジタが関わっていると思っているようだ。
朝刊に記事が載る前からこの事を知っているんじゃないかと言う高倉に、事件は今朝の朝刊で初めて知ったと言い返す。
そのまま会話を続けるうちに、高倉の話から盗品の正体がゴッホの「ひまわり」であることに気がつく。
どうやらすり替えられた贋作は、最近までギャラリーフェイクに置いてあったものだった。
とりあえず高倉のメンツを守るために警察に任意同行と言う事で向かうことにする。
舞台は警察署へ。
そこで贋作の「ひまわり」を確認することに。
やはり「ひまわり」はギャラリーフェイクで扱っていたものであった。
その贋作「ひまわり」は世界的に有名な贋作家のものであった。
贋作「ひまわり」の作者の贋作展を開いた際に展示し、終了後に売り払ったはずのものが何故ここにあるのか。
思案する中、高倉から質問を受けることに。
贋作展終了後ギャラリーから高田美術展に直接移ったんじゃないかと聞かれたものの、すぐに売ったと説明する。
贋作を売ったのは2週間前だと教えると、「ひまわり」が近代美術館から戻ってきたのが1週間前だと聞くことが出来た。
続いて贋作を売った相手について質問され、売った相手は海外のバイヤーだったと返答する。
夜遅くまで事情聴取は続き、今晩はここに泊まれと言う高倉。
拒否するものの、無実の確証が無いフジタを帰す訳には行かないと言われる。
そこで今までの情報から、自分が無実だと証明することに。
まず、時間的に無関係だと言う証明をすることに。
贋作を売ったのが2週間前で、真作が海外から戻ってきたのが1週間前。
日本にいるフジタにはすり替えに介入することが出来ないはず。
また、贋作は海外のバイヤーに売ったのだから日本ですり替えを行うのは不可能だと説明する。
つまり、時間的にも場所的にもフジタにはすり替えは不可能だと言うことである。
フジタと犯人がグルじゃないのかと勘ぐる高倉に、自分の店に置いてあった有名な贋作家の作品であり、高田美術館の館長を騙せる筈が無いと断言する。
すると高倉は個人的に信用したとして、心当たりがあったら連絡することを条件に帰る事を認めてくれるのであった。
ギャラリーに戻るなり、サラに顧客名簿を用意してくれと頼むフジタ。
すると、サラからお客さんがギャラリーで待っていると言われる。
ギャラリーに向かうと、高田美術館館長の三田村小夜子がいた。
どうやら三田村も今回の事件でフジタに聞きたいことがあったらしい。
そこで今回の事件の鍵である「ひまわり」の贋作の作者について話をする。
贋作者の名はオット・ヴァッカー、1927年にドイツの展覧会に出展された一枚のゴッホ。
その真贋についてひょっとしたことから疑問が生まれた。
そのゴッホの出展者こそオット・ヴァッカー…このひょっとした疑問から彼の扱った35点のゴッホの真贋が問われることに。
その中に美術界の権威の鑑定書のついた作品まであったりもする。
捜査するうちに、ヴァッカーの弟の家から書きかけのゴッホが発見された。
この事でヴァッカーは贋作業に関わっていたことが明らかになったものの、彼の作品の真贋は科学調査されるまで結論がつかなかったらしい。
今回の事件ですり替えに使用された贋作「ひまわり」、それもヴァッカーの作品の一枚であった。
ヴァッカーの作品は絵の具を早く乾燥させるために樹脂を多用するため、絵の具が剥離しやすい。
すり替えられた贋作「ひまわり」の絵の具も剥離しており、その修復をしたのはフジタでは無いかと質問する三田村。
フジタは修復したことは認めるものの、事件とは無関係だと説明し情報を聞き出そうとする。
盗まれた「ひまわり」は、3ヶ月前からニューヨークの近代美術館に貸し出されていた。
先週「ひまわり」が返却されたのだが、その時にはすでにすり替えられていたようだ。
また、貸し出し時には何も異常がなかったということも確認できた。
再度、事件に関係してないか聞いてくる三田村だが、彼女はこの事件に関してフジタは無関係だと思っているようだ。
フジタは「ひまわり」を悪用はしないと断言する三田村の言葉に、サラは昔のことを思い出す…
それはサラがギャラリーフェイクで働き始めるよりずっと前の出来事。
突然の戦争にサラは全てを失い、たった一枚の絵を持って祖国を脱出することに。
その絵とはゴッホの「ひまわり」…贋作ではあったが、サラにとっては心の支えであった。
しかし、その絵は傷ついたサラを看病してくれた人に騙し取られどこかに売られてしまった。
しばらくして、サラはその「ひまわり」と高田美術館で再会することになる。
その時、その「ひまわり」の前でサラとフジタは初めて出会ったらしい。
嘘の来歴で塗り固められ、真作として高田美術館に売り払われていたサラの贋作の「ひまわり」。
フジタは真作の「ひまわり」を調達し、サラの贋作のひまわりを取り戻してくれたらしい。
心の支えを取り戻してくれたフジタに恩返しするために、サラはギャラリーフェイクで働くことにした…
時間も遅くなり、そろそろ美術館に戻らなきゃならないと言う三田村。
疑っていたことを詫びると共に、フジタの情報網をあてにさせてくれとお願いする三田村に快く返答するフジタ。
高慢な三田村があそこまで消沈している姿を見て協力する気になったらしい。
その後は自分の「ひまわり」の話をフジタに聞くサラと、サラの話を聞かずに色々思案するフジタの漫才を見ながら次のシーンへ…
とりあえず今回はここまでです。
仕事がえらく忙しくなって今も会社からの投稿ですが、
何とか最後までやりきるのでお付き合いをどうぞよろしく・・・
そういやキャラ紹介ってあったほうがいいのかな?
真夜中、突然ビル街に現れる光の玉。
「ふうー何度やっても時間をさかのぼるのはつらいなあ。」
煙とともに姿を現す主人公。
山田(パワポケ4、日の出島に登場するメガネ一族)のチラシを見た
主人公は、野球がしたいという理由で和桐製作所に入社する。
野球チーム和桐バブルスの青野、智林吾郎、村上、三船、
製作所の彩ちゃん、大島さんといった人たちと出会い、
新入社員として振舞う主人公。
だが彼の正体は、時空犯罪者から歴史を守るため、未来から派遣されてきた
タイムパトロール隊員だった!
町工場社会人野球編 未来から来た男
いきなりフローラル金融の取立てや、ジローから借金の取立てをうける和桐製作所。
同じくフローラル金融の黒松は、主人公を
野球の才能をいかせる外国にいかないかと誘う。
島に行っても強制労働させられるのがオチというジローの言葉に驚きながらも
主人公はその話を断る。
タイムマシンが発明されて以来、過去の改変を目論む輩が後を絶たない。
元々歴史はそう簡単に変わらないのだが、時折例外が起きる。
その例外を防ぐために生まれたのがタイムパトロールだ。
後に和桐製作所の開発する小型バッテリーが歴史を変えることになるのだが、
時空犯罪者の手によって、和桐製作所はつぶれてしまうらしい。
タイムマシンは大まかな時間しか移動できず、この時代の和桐製作所の資料はほとんどない。
その上、いろんなことをかなえてくれる未来の道具も
時代への悪影響を考え、使用することができない主人公は、
一個人として工場を潰れないように努力し、阻止に来る犯人を捕まえるしかないのだった。
だが、和桐の親会社大帝国金融はコストダウンのために
外国産に切り替え、和桐との契約を打ち切ってしまう。
和桐製作所いきなり大ピンチ!
しかし社長を含めて従業員は全員あきらめムード。
和桐社長の娘、沙耶もじたばたしてもしょうがないという始末。
その言葉で心に火がついた主人公は、任務を超え、絶対に工場を潰れさせないことを決意する。
自分の身を賭け、フローラル金融に対し野球勝負を申し込む主人公。
黒松はその熱意に打たれ、自分たちのチームに勝てたら借金の返済を3ヶ月待つことを伝える。
負ければ主人公はしあわせ島という島で強制労働だ。
主人公に感謝する社長。
主人公と社長は最後のチャンスをつかむことを誓うのだった。
警察官の守田を審判に呼び、準備は万端。
試合の日。フローラルは助っ人として元大リーガー、アルベルトを連れてくる。
が、やっぱり怪我をして出場はしなかった。
和桐バブルスは大差でフローラル金融に勝利する。
その噂を聞きつけたフローラルの親会社の社長、木岡のラッキーフラワーズと
試合をすることになる和桐バブルス。
この試合にも勝った和桐製作所は一年間返済を待ってもらえることになった。
試合がやりたくなった守田、予知能力を持つゆうま、
世界征服を企む無職こと智林昭雄を仲間に加え、
工場の先輩、インド人のカビンダ、発火能力者漁火。
「ほーむらんをうつけどひっともうつよ」
怪しすぎる謎の生命体、ほるひすと出会いながら仕事に励む主人公。
(ほるひすの姿は凄すぎて、本当に謎の生命体としか言えないため、文面で説明することはできない。
筆者は初めて見たとき、あまりのインパクトにGBAを落としかけた。
とにかく一見の価値あり。
ちなみにほるひすと漁火はコロコロコミックの公募キャラ。
スタッフのツボにはまって登場することになった。)
必要な資金を得た和桐は、新工場のラインを開設することになったのだが、
今度は役所の許可が下りない。
黒松が密かに違反を役所に連絡していたのだ。
役所が相手ではどうにもならない・・・
と思った矢先、またまた野球対決で決着をつけることになってしまった。
頭を抱える黒松。
だが、今回は時空犯罪者が下剤入り弁当を仕組んできた。
無事なのは山田と主人公だけという、苦しい状況だったがなんとか勝利。
いよいよ製品販売に向けて動き出す工場。
しかし、そんな時に大帝国工業の川村が現れる。
川村は塗装機会の特許権利をすべて買いにきたのだ。
宣伝や販売の経験がない和桐が機械を売るよりも、
確実に借金を返すための資金を得たほうがよいという川村。
社長は「わたしはモノづくりにこだわりたい」と断固拒否。
だが、川村はすでに機械に必要な部品を独占していた。
部品を抑えられてはどうにもならない。
愕然とする主人公に山田は前向きに考えれば、これで工場はつぶれないと言うのだった。
釈然としない主人公は偶然通りかかった黒松にすべてを打ち明ける。
主人公をガキだと笑い、うまくやられたのが悔しくても、こらえるのが大人だという黒松。
しかし、黒松は野球勝負を申し込めとアドバイスする。
黒松は高校時代野球をやっていた。しかし、妬んだ先輩からの嫌がらせに耐えられずに
逃げ出してしまったことをいまでも後悔している、と主人公に打ち明ける。
「世の中ってのはな、弱いものいじめで成り立ってるようなものだ。
そいつをすねてみても何も変わらん。
何もしなけりゃ状況は永久に変わらず、損をするのは弱いやつなんだ。
それが嫌なら、みっともなくてもあがいてみなきゃいけないんじゃないのか?」
主人公は馬鹿なことと思いつつ、野球勝負をしかけにいくのだった。
しかし、大帝国工業は何と主人公の提案を受け入れた。
和桐が負ければ、ただで特許を渡してもらい、勝てば部品の独占を解く。
なぜこんな勝負を受けたのか疑問に思う主人公に対し、川村の様子がおかしい。
実は密かに黒松が、大帝国のスキャンダルを種に脅しをかけ、野球勝負を受けるように仕向けていたのだ。
そして、いよいよ決戦の日。
相手の大帝国キラーズは金に任せて強い選手を集めた強敵だ!
両チームの実力は互角。
5対5のまま、8回表を迎えた。
しかし、ここから敵の打線が大爆発。
和桐は最後の最後で、野球勝負に敗れてしまった!
特許をただで譲り渡し、倒産が確実となる和桐製作所。
そして主人公は、任務の失敗よりも「しあわせ島」なる強制労働施設に送られる
自分の身を心配しなければならなくなるのだった………。
遥か遠い未来から
やって来たのに
島送り・・・
島の名前は
「しあわせ島」
本当の幸せ
どこにある?
む〜ん
む〜ん
パワ
ポケ
謎の「しあわせ島」編に続く。
パワポケ6乙、ほるひすってどんな姿してんのかな?
検索したが見つかんなかった
ルーンファクトリー ―新牧場物語―を予約します。
今月いっぱいまでには書きます。
おにぎりをくれた少女を素っ気無く追い払い、侍はあても無く天原の中心部へ向かう。
その途中、道の真ん中で談笑していたチンピラ三人組が侍に目を留め、絡んできた。
邪魔だとばかりにあしらう侍に腹を立て、向かってくる三人。
だが、侍の剣技によって倒されると、途端にみっともなく命乞いを始めた。
しかし、侍は冷たくその頼みを拒絶する。蒼白となり、慌てて逃げようとする三人。
そこに痩身の女性がフラリと現れた。
彼女は、助けを求める三人に刀を突きつけて黙らせると、自らを陰沼京二郎と名乗る。
そして、侍の血を望む性と凍りつくような瞳が自分と同じだと、興味を示し、
ここ天原で最も血の匂いが濃い場所は青門組だと言い残して立ち去った。
言われるままに、青門組へやってきた侍は媚びへつらう三人組に屋敷内へと通される。
奥座敷に向かう途中、再び京二郎が現れ、ここ天原がいずれ地獄へ変わると予言する。
そして、その最後に侍との殺し合いを望む京二郎、
しかし、『今は』味方だと、この場では手を出さず外へ出て行く。
その後、侍は半左衛門と面会し、青門組が奉行所と抗争状態にあり、
厄介な一部を抑え込む為、縄張り争いを続けていると教えられる。
そして、その話ついでに先代の娘「かすみ」を連れて来るようにと依頼された。
早速、かすみの家がある町へときた侍は、三人組みが無理やりかすみを連れて行こうとしている場面に出くわす。
その強引なやり方に侍が文句をつけると、性懲りもせず三人組は襲い掛かってくる。
先程と同じように叩きのめして追っ払うと、かすみは感服した様子で侍に話しかけてきた。
しかし、侍が半左衛門の用心棒である事を知ると、途端に侍に敵意を向けるかすみ。
半左衛門に会う事は約束してくれるが、彼女との間に溝が出来てしまう。
青門組屋敷に侍が戻ると、そこでは半左衛門とかすみがもめていた。
麻薬の密売を始め、先代組長の喪中でありながら跡目のように振舞う半左衛門を責め、
周囲に同意を得ようとするかすみ。しかし、腐敗した組員達から返ってくるのは失笑と冷笑だった。
青門組の退廃を目の当たりにし、情けなさを禁じえないかすみは、通りかかった侍に八つ当たりし、青門組を後にする。
ここ青門組に、最早、彼女の居場所はどこにもないのだ。
青門組のうさん臭い依頼をこなす毎日を送る侍は、
そんなある日、特殊な依頼を扱うチンピラから、組に逆らう者の暗殺を依頼される。
用心棒の抵抗もあったものの、侍は問題なく依頼を遂行し、標的を殺害した。
その後現れた京二郎に、侍の剣は善悪無しの人殺しの剣だと評される。
彼女にとっての侍とは、戦い、殺し続ける事によって存在意義を獲得するもの。
そして、侍はまるでそれを象徴してるようだと、京二郎は禍々しく笑う。
次に依頼されたのは、素魔の薬代の取立てだった。
相手は侍くずれで、禁断症状を起こし斬りかかって来るが、侍の敵ではない。
しかしその時、奉行所の同心が現れ、戦いを止めて相手を逃がしてしまう。
だが、その同心は半左衛門とつるむ悪徳同心だった。
ああいった輩は殺すより、もっと生かして搾り取れと侍を嘲笑う
名を問う侍に、同心は「保野暮右衛門」と名乗り、侍を見下して去っていった。
依頼を達成できず、仕方なしに他の町を歩く侍、
そこに、またしても三人組が町人に絡む姿が目に入った。
やがて、町人に暴行を加え始めた三人を、侍は制止する。
お約束のように向かってくる三馬鹿をいなし、町人を助ける侍。
その光景を見て、侍に話しかけてきた人物が一人いた。天原のかすみである。
力を求めるかすみは、侍に問う。今は武士など、こうしたやくざ組織しか必要とされない、
そんな侍は人の為に生きることは出来ないのか、と。
侍は答えられない。しかし、かすみは侍が完全な悪ではない、それだけでもよいと微笑んだ。
後日、今度は「お富」と言う女性の薬代を取立てるよう、依頼される侍、
しかし、その住居で侍が見たものは、禁断症状に苦しむお富を捨て身で励ますかすみの姿だった。
彼女は、かすみの母代わりであった人間であり、数少ないかすみの味方であったのだ。
侍の姿を見届けると、かすみは素魔を叩き返し、自分を信じてくれる人間を守りきれぬ、自らの無力を嘆く。
半左衛門とかすみ、双方の人格、目指すものを見てきた侍は、どちらにつくか思案する。
そして、天原名物、夏祭りの日。青門組に悪徳同心の保野が駆け込んできた。
保野の話では、奉行が一人で祭りに出かけたと言う。邪魔者を始末する千載一遇のチャンス。
侍は、京二郎と共に祭りが行われている天原神社へと向かう。
一足先に祭り会場に来た侍は、そこで屋台をしているかすみに出会う。
侍に名物の南蛮そばを奢り、かすみは昔話を始める。
人々の笑顔、亡き父との思い出、誰もが幸せに暮らせた天原。
しかし、今の天原にその思い出の片鱗は見えない。
天原は変わってしまった、その事をかすみは憂う。
その時、奉行を探していた京二郎がついにその姿を捕らえた。
奉行の死がもたらす、混沌と争乱、
地獄へと変わる天原の未来を想い描きつつ、京二郎は刀を抜き、斬りかかる。
そこに、この騒ぎを聞きつけた郷四郎もやってくる。
殺し合いという名の、血祭りが始まろうとしていた。
黒羽奉行は、老年ながら一撃必殺の突きを得意とする凄腕。
しかし、そこに弱点があった。突きのあまりの威力に、刀がついてこれないのだ。
侍はたくみに突きをさばき、奉行の刀を疲労させる。
刀の折れた武士など、敵ではない。奉行、そして郷四郎は無念の言葉を残して斬られた。
戦いの後、そこに残るのは巻き込まれて命を散らした、何の罪も無い人々の躯だった。
酷い、余りにも酷いその有様に、かすみはある決意をする。
そこに半左衛門がやってくる。もはや、天原に敵は無い、高笑いする半左衛門。
その時、かすみが半左衛門に斬りかかった。しかし、その一撃はかわされる。
外道と、半左衛門をののしるかすみに、半左衛門はある事実を語る。
先代組長の生温いやり方では組を大きくは出来ない。だから自分が先代を殺したのだと。
息を呑むかすみを半左衛門はあざ笑い、
そして、利用価値の無くなったかすみを殺す前に楽しもうと、その手を伸ばした。
その時、奉行亡き今、天原の主とも言える半左衛門に、侍は待ったをかけた。
自分にたてつく侍に、半左衛門は憤る、
しかし、最早侍一匹が吼えた所で、自分の立場は変わらない。そう思いなおすと、
馬鹿な侍をあざ笑いながら、半左衛門は屋敷へと引き返していく。
勝ち誇った半左衛門の後ろ姿に、かすみも悔しげにその場を後にした。
かすみの様子を見に言った侍は、部屋で泣いているかすみを見つける。
一番情けなかったのは、半左衛門が怖くて何もできず、
天原が変えられていくのを見ている事しか出来なかった自分自身だと
自らの情けなさと無力さに涙を流すかすみ。侍は、そんなかすみの力とならんとする。
しかし、この戦いはあまりに不利な戦いであり、勝てる見込みも無い。
かすみは侍を、巻き込む気は無いと冷たく突き放す。
だが、侍は帰らない。ただ、黙ってかすみに手を差し出す。
かすみは、それでも力を貸そうとする侍に、覚悟を決める。
守るための戦いを始める覚悟、そして、力を貸してくれる侍にふさわしい自分となる覚悟を。
深夜、かすみはただ一人侍の元へやってきた。
侍の前で着物を解き、背中を見せるかすみ。そこには彫られたばかりの刺青があった。
大切な者を守るために、かすみは女ではなく修羅として生きる事を決めたのだ。
最後に、自らの弱い女の部分を侍に貰って欲しいと、かすみは乞う。
戦いの前、侍と共に過ごしたその一夜が、かすみが女でいられた最後の時であった。
次の日、青門組では賑やかな騒ぎを嫌う京二郎を除いて、襲名式の前祝が行われていた。
保野や奈美と共に宴会を繰り広げ、我が世の春を謳歌する半左衛門。
そこに、突然悲鳴が聞こえ、かすみと侍が乱入してきた。
狼狽する半左衛門の前で、かすみは半左衛門の悪行を謳い上げ、刀を突きつける。
ついに、たった二人の、守るための戦いが始まったのだ。
並み居る雑魚を斬り倒し、残るは半左衛門ただ一人。
侍はもう手は出さない。これはかすみだけの戦いである。
かすみと半左衛門の戦いは、実力だけならば半左衛門のほうが上であった。
しかし、気迫においてかすみは半左衛門を上回り、素早い動きで着実に傷を負わせていく。
そして、とうとう、かすみは因縁深き戦いにケリをつけ半左衛門を討ち果たした。
残る組員達を一喝し、かすみは正式に跡目として名乗りを上げる。
戦いから一夜が明け、青門組では正式にかすみの襲名式が行われていた。
任侠道を貫き、組を立て直そうとするかすみを見ながら、侍は屋敷を後にする。
まだ、自分にはやる事が残っている。あの戦いで姿の見えなかった京二郎。
混乱と破滅を望む奴が、このまま大人しく引き下がるとは思えない。
天原をしらみつぶしに探す侍、しかし、組員も探しているにも関わらず、その姿は見当たらない。
そこで、ふと思い当たり、侍は青門組屋敷へと戻る。
屋敷の中庭で、侍は足を止めた。気配は消せても、長年染み付いた血の匂いだけは消せない。
侍の感をほめながら、京二郎は物陰から姿を現した。天原を、人の道で導こうとするかすみの破滅を望む京二郎。
誰も知らぬ、誰にも語られぬ、最後の戦いが始まる。
京二郎を倒し、かすみの様子を見に行く侍。そこで、かすみはしっかり、組長役を務めていた。
これで自分が、彼女の為にできる事はない。その時、ふと侍は思う。
このまま彼女と共に生き、天原を建て直していく道もあるのだ、と。
だが、侍は軽く笑ってその想像を払い、天原から旅立っていった。
侍は流れて生きる流浪人。平和な町に居場所は無く、
争いのある荒野を求めてさすらうのみ。そして、侍は流れていく。
また、当てもない旅が始まったのだ。
ギルティギアゼクスとイグゼクスのストーリーモードをリクエストします。
ギャラリーフェイク、パワプロポケット6、侍道2の人乙です。
女魔族リスティルの要請により彼女の主であり同盟の正式な使者、魔術師フェアラート
を救出に出るカコンシス軍。先ずは同盟の締結をとランディウスの討伐は後回しになり、
その間に王の機嫌も直ればいいのだがとウィラー提督。この救出作戦は成功に終わり
無事同盟が結ばれる。
ギザロフ派の砦の一つへ向かうランディウス一行。巻き込んですまないと謝るランディウス
だったが、リッキーもマクレーンも水臭いこをと逆に励ましてくる。そしてピスコンシー
川に差し掛かったとき、魔物を連れたリスティルが立ちはだかる。さっきはよくもコケに
してくれたね、とリスティル。野放しにしておくと後々面倒なことになりそうだと襲い
掛かってくる。しかし魔族が人間を下等生物の様に見下した態度を取るのも周知の事実。
魔族を信頼できないというのは決して不自然な発言でもなかった。
そしてリスティルを返り討ちに。もう俺たちの邪魔をするなと立ち去るランディウスに、
このところ失敗続きのリスティルは、このまま帰ったら殺される、あたいも一緒に
連れてっておくれよと懇願し、仏心を出したリッキーの口添えもあってリスティルと
その配下、人面蛇身の魔族ナールは以後、ランディウス達と行動を共にする。
これ以降、ランディウスはおりに触れリスティルに人間の習慣を教えていく。
連邦王城。そこには不遜にも玉座に座る元帥ギザロフの姿があった。そしてカコンシス
を見限りギザロフに取り入る天才軍師アイヴァー。アイヴァーの口上をそのまま信じた
わけではないが、優秀な人材を欲するのはどこも同じ。とりあえずチャンスをと戦略価値
は低いものの砦を一つ預けるギザロフ。だが、程なくしてランディウス一行に攻め落と
されることとなる。ギザロフの叱責を恐れるアイヴァーは、王城に帰るに帰れず野を
彷徨っていたのが、そんな彼に接近する一つの影があった。その名は闇の王子ボーゼル。
だが、その姿は宰相に協力するあの男、魔術師フェアラートその人であった。
そして王城に帰ったアイヴァーはギザロフより城から放逐されかかるも、女魔術師
ジェシカをカコンシスのスパイと吹き込み、半信半疑の様子ながらギザロフから
かろうじて許しを得るのだった。
ウィラー提督が何かと理由を付け引き伸ばしてはいるランディウス討伐命。、そう
いつまでもは持たないだろうと動揺を隠せないアンジェリナ姫。ランディウスこそが
いつだったか妹が話していた初恋の少年だと察したシェルファニール姫は妹を城内から
逃がす決意をする。姉の好意に甘え城を出るアンジェリナ。レイチェルも一緒にと
誘うのだが、儀兄の立場を考える彼女は城に残るという。
一方、カコンシス王の元にギザロフより同盟申し入れの書状が届けられる。そこには
カコンシス王の力を高く評価し、勝利の暁には倍の領土を約束すると書き記されていた。
とはいえすでにフレデリック王子派と同盟を結んだ身。ほいほいとギザロフに付く
わけにもいかず、さりとて領土は惜しい。ならば、とブルーノ将軍の提案で王子派に
この書状をぶつけ、彼等にも誠意を見せてもらおうということになるが、これが原因で
王子派とは決別、ギザロフと手を組むこととなる。
王子の護衛に副官エミリーを残し、進撃するランフォード将軍隊。バルク将軍隊を正面
から攻めさせ、その隙に側面から挟撃を図る。あえて不利な地形を進む戦いの定石から
は外れた策だったのだが、ギザロフ派はその策を読み切り待ち伏せをしていたのだった。
自らランフォード隊を退けたクルーガー大王はさらにバルク隊が川沿いに進軍している
と知ると川に毒を流す。そして川の水を飲用水に利用していたバルク隊はこれにより
戦線離脱を余儀なくされる程の被害を負う。
砦を攻略し、なんとか同盟を破棄させようと帰路を急ぐランディウス一行。
だがそこにはシェルファニール姫将軍率いるカコンシス軍が待ち構えていた。王に
裏切られたことを知るランディウス達。そこへ一足遅れでアンジェリナ姫もやってくる。
必死に姉を止めるアンジェリナだが、お父様を見捨てることが出来ない、とシェルファ
ニールはランディウス達に襲い掛かり、アンジェリナはお父様の命令とは言え
間違ってる者に従えないとランディウス側に付くことに。そして、シェルファニール
隊を打ち破るランディウス。
実はシェルファニールがこうまでしてランディウス達と争った裏にはウィラー提督の
謎の失踪があったのだ。提督なき今、王を守ろうと必死になるシェルファニールに
君だって王の命令が理不尽なのは分かっているだろ、と説得するランディウスだが
シェルファニールは逆に、同盟反対の理由に魔族と協力できないと言ったはずが今では
魔族を仲間にしていることをなじって来る。自分の責任のような言われ方をしてムッと
した女魔族リスティルは、あんた等最初から魔族と協力していたじゃないか、と言い返す。
なんと、彼女の言を信じるならブルーノ将軍は魔族だというのだ。だとしたら一体何故?
これは一刻も早く王の耳にとシェルファニールはセレナ将軍を連れ慌てて城へと帰還する。
だが、ブルーノが魔族と分かったのはランディウス達のお蔭といわんばかりのシェルファ
ニールの言葉に怒りをあらわにする王。奴等が言ったのならウソに決まっていると
再出撃の命を下す。しかし、その一方でブルーノの身辺も探らせるのだが、そのことが
ブルーノに露見するとギザロフに送り込まれたスパイだったブルーノは、知られた以上は
と王を殺害する。その魔の手はシェルファニール達にも及び、ブルーノ配下の魔物の
群れに襲われるのだったが、放っては置けないと後を追ってきたランディウス一行に
救出される。
そして王の死により結果的に和解したランディウス一行にシェルファニールを預け
セレナ将軍は提督の行方を追うべく別行動を取る。
フレデリック王子派を圧倒するギザロフ元帥。そこへもはや勝敗は見えたと女魔術師
ジェシカが現われる。実はジェシカは邪神により天界から奪われた賢者の水晶を回収する
ためにこの地を訪れた使者だったのだ。アレは200年前の災いを封じたもの、人の世に
あってはならないと詰め寄るジェシカだったが、ギザロフの拒絶により実力行使にでる。
しかし、戦闘中テレポートで割って入った軍師アイヴァーが一瞬の隙をついてギザロフ
より水晶を奪い逃走し、水晶が奪われた今ここにはもう用はないとばかりにジェシカも
テレポートで消え去り、1人残されたギザロフは激怒するのだった。
闇の王子ボーゼルの甘言により密かに魔族側へと付いていたアイヴァーはまんまと水晶を
ボーゼルの元へと持ち帰ることに成功。水晶の正体、それは魔剣アルハザードと聖剣
ラングリッサーの結びついたものだった。200年前の光輝(ひかり)の末裔との戦いに
より魔族の象徴であるアルハザードは奪われ、アルハザードに対抗する力を与えられた
ラングリッサーの力で封印され天界に保管されていたはずだったがどういう経緯でか
地上に現われ、遂に魔剣の主ボーぜルの手へと戻ってくる。アルハザードを手にした今
ボーゼルの魔力は数倍に膨れ上がり、その力を持って魔族が仕えし混沌の王カオス降臨の
儀式を執り行う。そして魔族の世界を創生せんと地上には魔物の群れがあふれ出るのだった。
一度はクルーガー大王に退けられたランフォード将軍隊。だが後続部隊と合流すると
再進撃を開始する。だが既にバルク将軍隊が戦わずして破れたことを知らないラン
フォード隊は窮地に陥る。が、そこへアイヴァー率いる魔物の群れが乱入。その混乱に
乗じて戦場を離脱することには成功するものの双方共に大きな被害を受ける。
これ以上の戦闘は不可能と判断したランフォードは部隊を帰し、ギザロフを暗殺せんと
単身連邦王城へ乗り込むのだった。
カコンシス王城で待ち構えるブルーノ将軍とそれを打ち破らんとするランディウス一行。
追い詰められたブルーノは王妃を人質に取り、王女達にランディウス達を攻撃するよう
脅しをかける。まさか王女達を討つわけにもいかず窮地に追い込まれたランディウス
だったが、そこへジェシカが現われる。ギザロフと敵対する者と名乗る彼女の助力に
よりブルーノは動きを封じられ、その隙に王妃を奪還。ブルーノを撃退する。
また、ジェシカからの情報により義妹レイチェルがギザロフの手に落ちたことを知る。
ブルーノの王殺しによって同盟は事実上瓦解。新たに女王として立ったシェルファニール
の元、ギザロフとの決戦に向け決意を新たにするカコンシス王国だった。
裏切りの報いをとブルーノに敵意を燃やすアンジェリナ姫。国民への示しもあり、
ギザロフ元帥討伐に先駆けカコンシス軍はブルーノを狙う。
そしてホーフェン砦にブルーノの姿ありとの情報を得、砦へ攻め入るランディウス隊。
時同じくしてウィラー提督の行方を追っていたセレナ将軍も姿を現す。実は提督は戦争の
責任の一端は僕にもあると、孤児院へ個人的援助を行い戦災孤児達を養っていた。それを
知ったギザロフ派の手により孤児はさらわれ、彼等を人質に提督を自軍の軍師として
招きいれたというのだ。ランディウス達は知らないことだが、フレデリック王子派からの
カコンシス切り取りもランフォード将軍隊の迎撃も全ては提督の策だった。そして孤児の
行方を突き止めたセレナは捕虜収容所を兼ねたこの砦へとやって来たのだった。
協力して砦を落としたランディウス達に死にゆくブルーノは最後の力を振り絞り、
カコンシス王殺害の秘密を語る。彼の話によると、経緯は不明だがギザロフは魔族を
従えており、魔人グラーズなる魔物をブルーノに取り付かせたという。王を殺めたのも
魔物に操られてのこと。そしてグラーズは今、フレデリック王子殺害の命を受け宰相に
取り付いているという。女魔族リスティルからの情報によると、グラーズとは邪神
ゲンドラシルに仕える魔族で、人の影に入って人を操る能力を持ち、その主のゲンドラ
シルは邪神の末席に位置する死者の魂を喰らう神で、彼女たちの崇拝する混沌神カオスを
倒し、より高位の神になろうと企てているとのこと。だが、グラーズのことが気になる
ものの王子派との同盟は既に失われ連絡の取りようもなかった。
連邦王城に忍び込んだランフォードはギザロフと対峙する。王子はすでに死んだと
ギザロフは告げ、もはや戦う理由はなしと己の元に戻って来いと言う。
その言葉どおり、宰相に手により副官エミリーの目の前で王子は殺害されていた。
騒ぎを聞きつけてやってきた宰相の息子ラッセルは父が連行されていくのを見て、
ここには居られないと1人姿を消すのだった。
王子派との決着をつけたギザロフは王子派の残存兵力を吸収。カコンシスとの同盟を
一方的に破棄し侵攻を再開する。ついにカコンシスへの侵攻が始まったと悩むウィラー
提督だったが、そこへ伝意の鏡によりランディウスから連絡が入る。人質が開放された
ことを知った提督は密かに連邦王城を抜け出す。
一方、ホーフェン砦を落とされたクルーガー大王を、貴様も所詮人形かとなじるギザロフ。
失敗が続くクルーガーを見限り、その出生の秘密−人の腹から生まれたのではなく人工的
に生み出されたことを明かす。ショックを隠せないクルーガーは逃げるようにその場を
去り、ギザロフはその背中にお前に親など居ない、いや魔導研究所の装置がお前の親だ
と嘲笑と共に追い討ちの言葉をかけるのだった。
魔族をも従えるギザロフの底知れない野望を阻もうとカコンシス城をセレナ将軍に任せ
進軍を続けるランディウス隊は立ちはだかるバルク将軍を激闘の末、遂に討ち果たす。
もはや彼等を阻むものなしとなったとき、ようやく魔族のことを考える余裕が生まれる。
リステティルがせっついた事もあり、ギザロフより魔族の方が急を要すると判断し闇の
王子ボーゼルの居城へと進路を変更する。
地下祭壇に潜む混沌の王カオス。カオスを封じることが出来るのは聖剣ラングリッサー
のみ。聖剣を扱えるのは光輝の末裔だけと余裕を見せるカオスだったが、リスティルや
救援に駆けつけたジェシカにあなたなら使いこなせるかもと言われたランディウスは
その言葉を信じ、魔族には触れることすら適わぬゆえ祭壇に安置されていたラング
リッサーを奪い、見事カオスを封じることに成功するのだった。さらにボーゼルを倒す
ものの魔剣アルハザードを奪われまいと死の間際にアルハザードを空の彼方へと飛ばして
しまう。ラングリッサーをランディウスに預けジェシカは魔剣を捜しに、ランディウス
隊は再びギザロフを目指し進軍する。
バルク戦死の報を受けるランフォード将軍。連邦領内にそれだけのカコンシスの勢力が
入ったのならば、カコンシス城の守りは手薄になっているはずと直接カコンシス城を
目指す。しかしセレナ将軍の采配により城の首尾は固められ膠着状態に陥るランフォード隊。
気付けば側面攻撃を仕掛けるはずの副官エミリーの部隊が戦果を上げておらず、聞けば
エミリーが行方をくらまし指揮系統が混乱していると言うではないか。さらに北東より
敵の大群が押し寄せてきたため、このまま挟撃されてはたまらぬと撤退を決意する。
だが、この大群は連邦より帰還したウィラー提督が馬に木を引かせて砂塵を巻き上げ
させただけのまやかしだった。ランフォードの撤退をチャンスと見た提督により追撃
作戦が開始され、挟撃のためランディウス隊にも連絡が飛ぶ。
撤退するランフォード隊だったが、前方に魔物の群れに追われるエミリーを発見する。
否、その魔物は宰相の影を抜けエミリーに取り付いた魔神グラーズの配下だった。
未だフレデリック王子の死に疑いを持つランフォードを邪魔に思ったギザロフの命により
一時は暗殺を謀ったもののエミリーの必死の抵抗により体の自由が利かず、業を
煮やしたグラーズは魔物を使った力づくの作戦に出たのだ。だがそこへランディウス
隊が現わる。女魔族リスティルによりエミリーの正体は暴かれ聖剣ラングリッサーの
力によりグラーズは滅び去る。そして王子殺害の真相をランフォードも知ることとなり、
ランディウス達に共闘を申し出る。疲弊したランフォード隊の兵をエミリーに預け先へ
進もうとするランフォード達だったが、ここでエミリーから自分はランディウスの
実の姉だと告げられる。赤ん坊のころに生き別れたランディウスにとって姉が居たこと
すら初耳だったが。ともかく姉弟が仲良く暮らせる世界をつくるためにもギザロフを
倒さねばとランフォード。
水槽に浮かぶ無数の人影。ギザロフ元帥の言葉に従い魔導研究所にやってきたクルーガー
大王はその光景を見てまたも衝撃を受ける。そこへ語りかけてくる邪神ゲンドラシル。
ギザロフがここまでのし上がってこれた裏には邪神の助力があったのだ。だが、己の力を
過信して自分をないがしろにするようになったギザロフを面白く思わないゲンドラシル。
とはいえ実体を持たず闇の水晶という姿を取る彼はまさに手も足も出せず苦い思いを
していたのだ。クルーガーをギザロフのクローンだと明かし、逆に言えばギザロフ本人とも
言えると吹き込み、ギザロフに取って代わるべくそそのかすゲンドラシル。絶望状態
だったクルーガーはその申し出を受け闇の水晶を奪い研究所を後にする。
ジェシカには不可能だったが魔剣アルハザードの追尾に成功していたゲンドラシルに
よりクルーガーはいち早くアルハザードを見つけ出す。だがそれはゲンドラシルの罠。
アルハザードの魔力を用いクルーガーの肉体を乗っ取る形でゲンドラシルは実体化する。
もとより不死への執着が強かったギザロフに複製の技術を与えたのはこのため。
そして、クルーガーの生前の希望通りギザロフを血祭りに上げるべく行動を開始する。
しかしギザロフも古代文明の遺産、魔動巨兵ガイフレームを復活させていたのだった。
自ら与えた知識によりゲンドラシルは破れ、その魔力ごとギザロフに吸収されてしまう。
連邦王城に辿り着くランディウス隊だったが、城はもぬけの空。ギザロフを求め一行は
国内最大の魔動研究所へ。そこにはギザロフとガイフレームが待ち構えていた。
しかもガイフレームにはさらわれたランディウスの義妹レイチェルが魔力の供給源として
乗り込まされていた。一体何のためにここまでする。そう問いかけるランディウスに
ギザロフは人間の可能性への挑戦だと答える。強大な魔力で寿命をも延ばす。歴史に名を
残すなどとは言わぬ、ワシが歴史そのものを作り上げるのだ、と。
だが、ギザロフは破れる。皮肉にも自分の可能性を信じた戦士達によって。
力を得て他人を利用しようとしたギザロフ。対して仲間を得て力としたランディウス達。
その違いは何だったのか・・・
おわり
以上。
ゲームは途中ABCと3分岐するんだけどこれはC分岐。
なんか攻略サイトみるとA分岐が正規ストーリーらしいんだけど
今回まとめたC分岐の方がラングリ5に繋がるらしいんでこっちにしといた。
あと、ラングリッサーシリーズって伝統的に操作キャラのその後ってのが
エンディングロールに流れるんでそれも紹介しとくね。
○ランディウス
連邦との誤解も解けたし戦争が終わればエミリーともいつでも会えるとカコンシスに残る。
カコンシスの外交使節の一員となって連邦王国の復興に大活躍。
○リッキー
カコンシスの最年少将軍になって勝利をもたらし続ける。シエルファニール王女のために。
(ランディウスがシェルファニールにいっぱい嫌われればリッキーとくっつくらしい。)
○レイチェル
ガイフレームから無事引きずり出された後、連邦の復興に尽力する。そのうち連邦で
伝染病が猛威を振るうけど新薬の開発に成功。近代医学の母と呼ばれる。
○マクレーン
記憶喪失の原因は魔力で人為的にブロックされてたからなんだけど、それを直して
くれたジェシカに惚れたらしい。ラングリッサーとアルハザードもってエルサリア
大陸(1〜3の舞台)に帰ったジェシカを追いかけて大陸に渡る。
○シェルファニール
女王になって間もない内にカコンシス黄金期って呼ばれるくらい繁栄させる。
んで、偉大な女王として名が残る。
○アンジェリナ
将軍になって近隣諸国から戦いの女神と一目置かれる。ある日、野盗に襲われる一団を
助けたら小国の王子発見。恋に落ちて電撃結婚。
○ランフォード
連邦からの独立を狙う小国を平定しまくる。安定したころ寿命で死ぬ。
(つうか活躍してないキャラは死ぬようになってるんだけど(リッキーの
自信過剰なところが鼻に付いて戦闘中後ろから味方に切られるみたいな)
最終戦直前に仲間になったからこれは失敗版だと思う)
○リスティル
魔族嫌いのランディウスからまさかの告白。森の中の小さな家で花嫁修業中。
(告白イベントってのがあってリスティルに告白した場合。普通に考えれば
アンジェリナがヒロインだけどw ちなみにリスティルは角と羽と緑の肌以外は
人間型。クラスチェンジ次第ではゴーレムや半人半蛇の魔物にも出来る)
○ナール
何カアッタライツデモ呼ベ、と言い残して山に消える。
A分岐簡易まとめ
>>89の王子派が同盟を求めてきたときに賛成する→魔術師フェアラートを助けに行く
→その間にブルーノ将軍がカコンシス王殺害→目撃者のウィラー提督が追い掛け回される
→帰ってきたランディウス隊と鉢合わせてブルーノ退散→同盟するのに王がいないのも
格好つかないからシェルファニール姫が女王に→フレデリック王子派本拠地へ
→提督に全軍指揮権が与えられる→手の空いたランフォード将軍がランディウス隊に参加
→本隊が正面から攻撃してる間にランディウス隊が秘密の洞窟を使って連邦王城に迫る
→そのまま城を攻め落とすけどギザロフ親子には逃げられる→ローゼンシル姫発見。
クレオネル大王崩御後軟禁されていたらしくほとんど何も知らない→王子が玉座につく
→落し物の賢者の水晶発見→逃げ送れた?女魔術師ジェシカが連れてこられる
→フェアラートもやってくる→2人とも賢者の水晶を欲しがる→水晶を渡せ、渡すなの
言いあいが始まってどっちを信じるかという話になる→ジェシカを信じる
→気を悪くしたフェアラート帰る→でもギザロフ配下だったジェシカは牢に
→水晶は宝物庫へ→宰相がしまう役→フェアラートやってくる→もともと水晶は
自分のものと宰相を殺害する→それを見ていた軍師アイヴァーが自分を売り込みに
やってくる(成功)→水晶というか魔剣アルハザードを取り戻したフェアラートの
手により混沌の王カオス復活→各地で魔物の被害→ジェシカに話し聞く
→フェアラートの正体が闇の王子ボーゼルで魔物被害の原因だと知る
→カオス討伐命令が出る→レイチェル行方不明→それは置いといて魔族の居城で戦闘
リスティル、ナール、アイヴァーぶち殺す→それが鍵になってカオスの元へ繋がる階段出現
→そのころ死者の魂食べて実体化した邪神ゲンドラシルがカオスに戦いを挑む
→頑張ったけど返り討ちに→代わりにランディウスがボーゼル共々ぶち殺す
→アルハザードは普通に回収できる→ギザロフのところでゲンドラシルが水晶に戻る
→密かに狙ってた邪神の力を弱った隙に吸い取るギザロフ→吸い取りきれない魔力は
さらってきたレイチェルと魔動巨兵ガイフレームに受け流す→ギザロフのところで
レイチェルを見たとの報告あり→ギザロフ退治に出発→ブルーノがいたのでぶち殺す
→ギザロフ親子もぶち殺す→おわり
B分岐簡易まとめ
A分岐のフェアラートとジェシカの言い争いでフェアラートを信じると言う
→賢者の水晶奪うとこらまでは一緒→フェアラートが逃げる前にランディウス達を
誘いにくる→この世界は停滞してる、ほっとけば澱み腐ってしまう。救えるのは
カオスの混沌の力による破壊と再生の力のみ、みたいなことをいって丸め込まれる
→フェアラート改めボーゼルと一緒に行くランディウス、リッキー、マクレーン
→ギザロフが賢者の水晶を取り返しにガイフレームを差し向ける→破壊してレイチェルを救出
→洗脳されてたのでボーゼルが直すと称して逆洗脳→ギザロフぶち殺しにいく
→ギザロフは殺せたけど闇の水晶を持ってクルーガーが逃げる
→帰り道、提督、セレナ、ランフォード、エミリー、バルクが襲ってきたので皆殺しに
→シェルファニール、アンジェリナ、ジェシカがボーゼルの居城まで攻めてきたのでやっぱり皆殺し
→ジェシカが死の間際レイチェルの洗脳を解く→魔族に付いたことなじるレイチェルも殺す
→カオス降臨→世界は破壊され始める→再生のことは次回の講釈で→おわり
A分岐はC分岐に較べて、
王子とバルク将軍が生きてる。ローゼンシルが確認できる。
出番ないけどラッセルが逃げてない。エミリーが姉なのをランディウスだけ知らない。
あたりが違うだけだね。
B分岐は頑張ればリッキーも殺せるみたい。
こっちのその後は全員魔将軍になる。アイヴァーだけは役立たずと魔軍追放された後、
酔っ払いに刺し殺されたけども。
>>159 原作知らないんで、あった方がありがたいな。
>>161 最後の試合って勝てないの?勝ったらどうなるの?
ラングリッサー4乙!
Cルートで選んだ相手に吹いたw
ヒロイン選ばなかったのかよ!
ラングリッサー4の人乙です
怖っ・・・
人いないんで上げ
携帯アプリの「真・女神転生-20XX」をお願いします。
184 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/09/13(水) 04:12:18 ID:QcHOsnYKO
プレステの「2999年のゲーム・キッズ」のストーリーを教えてください。
よろしくお願いします。
XBOX360「CONDEMNED PSYCHO CRIME」をお願いします。
>>177 あくまで職人が正史ルートを書いてるだけであって勝てる
勝った後は覚えてないが、しあわせ島に行っても結局無事に帰還、和桐製作所再生だから
あまりシナリオに変更がない
しあわせ島には歴代キャラクターが登場する
バテンカイトス1のストーリーが途中になっているんだけど、
Part22の461さんがもし続きを書かないんだったら、書いてもいいだろうか。
べつにせかしたり横取りするつもりじゃないんで「や、これから書くよ」て言うんならスンマソだけど。
一月くらい連絡なしに放っておかれたら勝手に続き書いちゃっていいんじゃない?
一月って期限に特に深い意味はないんだけど、何ならこの辺のルールも決めとく?
これが天麩羅に付け加えられるときの議論はpart22の566-582あたり。
ああ、もうルールあるのか
三ヶ月はちと長い気もするけど、
あるならそのルールに従えばいいんじゃないの
192 :
魔剣X:2006/09/14(木) 13:34:37 ID:cpUxYe6F0
父を取りもどすため、襲撃者を追うケイ。
行く手を阻む三業会の構成員を打ち倒し、ヘリポートにまでたどり着いた。
そこには先ほどの襲撃者、八卦アンドレイが待っていた。
ケイが来たことに気づくと、めんどくさそうに立ち上がり、地面につけていた膝の埃を払い落とすアンドレイ。
すばやく口からメスを乱射し、ケイに切りかかった。
しかし三業会の構成員のイマージュを喰らい、成長した魔剣の敵ではなかった。
切り伏せられ、その場に倒れる八卦アンドレイ。
ヘリポートからは今まさにヘリが離陸したところで、最早追うことは出来ない。
ヘリの中に父の姿を見たケイは、その場に倒れるのだった。
その後再び研究室内へと運ばれたケイ。アンとJ.J.ジョーンズの解析によって、
ケイのイマージュは魔剣のイマージュと同居した状態にあり、ケイの体の主導権が魔剣に握られていることを知る。
そこへ魔剣開発計画の出資者で、封剣士の長老である李護手(リー・フウショウ)から連絡が入る。
先ほどおきた騒動の顛末を護手に伝えると、そのもの達が現在の世界荒廃を裏から操る天尊流星の手下であり、魔剣が天尊流星打倒の切り札であることを告げる。
事情をうまく飲み込めないコウたち3人だが、護手は魔剣に相模博士奪還と、天尊流星を討つことを命じる。
反発する3人だったが、魔剣に取り込まれたケイの意思もあって、魔剣は行動を起こすことになる。
ロックマンZXをお願いします
194 :
魔剣X:2006/09/15(金) 03:18:48 ID:8+XHJPTG0
他者のイマージュを喰らい、脳を乗っ取る魔剣の力、ブレインジャック(以下BJ)。
護手は魔剣に八卦アンドレイの肉体を奪い、敵に関する情報を抽出するように命じる。
ケイのイマージュが魔剣と一体化していることから、BJに反対するアンだったが、ジョーンズは魔剣がケイの肉体から離れることで元に戻るのでは?と賛成する。
八卦アンドレイをBJする魔剣。太刀の形状をしていた魔剣はまばゆい閃光とともにその形状を巨大なメスへと変える。
それと同時に倒れるケイの体。アンとジョーンズは計器を見ていたが特に変化はなかった。
護手は魔剣に香港へと向かい、フェイの妹である李飛扇(リー・フェイシャン)と接触した後モスクワへ向かい、最強の封剣士にして封剣士長のカティと合流するように言われる。
魔剣はそのことを聞くと研究室の出口へと向かう。その背に向かって護手が語りかける。
「魔剣よ、汝の持つ力は世界を救うことも、破滅させることもできる。汝の魂が善なることを、期待する・・。」
魔剣は護手の手配した大型旅客機に乗り、香港へ向かうのだった。
プレイステーション2の「風のクロノア2 〜世界が望んだ忘れもの〜」と
ファミコンの「ラディア戦記」をお願いします。
196 :
187:2006/09/15(金) 04:58:05 ID:Hkz6GZ1K0
歪みのアリスの人、どうしちゃったんだろ・・・
続き期待してたのに
かま3はー?
かま3はあー?
199 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/09/15(金) 16:39:36 ID:tKYR/JZZ0
もぎたてチンクルのバラ色ルッピーランドのストーリー教えてくれ
>もぎチン
何か世界を救う話らしい
ちと変わったお願いをします。
ACE COMBAT IV shattered skiesなのですが、少年と酒場の娘は
クリア後どうなったのか知りたいです。
エンディングの最後に出てくる少年の家族の写真で少年が結婚してるのは
分かるけど、相手が酒場の娘なのかどっちなのか分からないので
知ってる人いたら教えてください。
(主人公選択→俊夫)
8月15日 18:00
前作の真相が明かされた場所である湖の小屋に俊夫は佇んでいた。
去年この場所で聞いた、みどりのひき逃げ事件の告白。
事故を起こした過去は変えられない、みどりはそう言っていた。
過去は変えられない、運命から逃れられない。
だが、運命と思っていたことが偶然の積み重ねで、偶然と思っていたことが偶然ではなかったら?
『みどりさんの交通事故は、不幸な偶然がいくつも重なって起きたものです』
電話をしてきた際の透の言葉。確かにいくつもの偶然が重ならなければあんなことにはならなかったのだ。
なぜ河村亜希は山ほどあるペンションの中からシュプールを選んだのか?
なぜ一人でシュプールに行こうとしたのか?
亜希は今日子が、母親がいることを知っていたのか、それとも誰かがシュプールに呼び出したのか……。
みどりの罪は変わらないが、何が偶然で何が必然だったのか、それがわかるだけでみどりの重荷は
少しは軽く出来るはずだ。それを調べることがみどりにできる最後の愛情表現だと俊夫は思った。
必ずこの謎を突き止めてやる――ポケットから取り出した結婚指輪に誓いを立てる。
と、涙に震えた指から指輪が滑り落ち、床扉の隙間へと転がり込んでしまう。
床扉の中を覗きこむと、鉄梯子が闇の中へと続いていた。
ペンライトを取り出して鉄梯子を降りると、ゴミのようなものが積み上げられた小部屋が広がっている。
奥には鉄扉があったが、押し引きしても微塵も動かなかった。
床に明かりを向けると、錆び付いた缶詰などのゴミに紛れた指輪が明かりに反射した。
それを拾い上げてシャツで汚れをぬぐい、上へと戻る。すると俊夫は送迎船の船長に声をかけられた。
去年は大変だったということ、館の再建についてのこと、館の宝のこと、伊右衛門の怨念のこと。
それらを勝手に喋ると、また悪いことが起きなければいいが、とぶつぶつ言いながら船長は去っていった。
……過去の事件もすべて怨念とやらの仕業だったとでも言いたいのか?
だったらどんなに気持ちが楽になることか。俊夫は小屋を出た。
ハーバーに戻ろうとした船長がコートを着た謎の人物と話しているのを見かけたが、単なる船長の知り合い
だろうと気にも留めずに館へと向かう。
同じ季節、同じ館、同じ玄関。隣にみどりがいるような錯覚が、玄関からキヨに化けた今日子が出て
来そうな気がする。
春子に出迎えられた俊夫は12号室の鍵をもらい、部屋へと向かう。
来たくもない場所に訪れたことに心身共に拒絶反応を示しているのか、妙に疲れていた。
俊夫はみどりのことを想う。みどりは懲役2年、場合によれば1年で出てこられるかもしれなかった。
10年でも20年でも俊夫は待つつもりでいた。だがみどりは離婚届を差し出して……。
「あなたが辛くなくても私が辛いのよ!」
罪を償うのは自分。俊夫にまでそれを背負わせたくはない。俊夫には幸せになってほしい――
みどりと別れて幸せになれるわけがない。だがみどりは、これ以上自分をひどい女にしないでという。
待たれるのが辛い。罪を負わせるのも、不幸にするのも……。
ポケモン不思議のダンジョン、シンプルなストーリーだがおもろくて
楽しませてもらってったんだが、いいとこで止まっちまったか・・・。
本体持ってないから是非頑張っていただきたい・・・。
……ここまで来たからには、必ず何かを掴むまでは帰れない。
俊夫はウイスキーのポケット瓶を取り出し、景気づけに一口口に含んだ。
もう一口飲みかけて、今は酔っている場合じゃないと下に降りる。
応接室には啓子がぽつんと座っていた。可奈子はと聞くが、2階にいるだけと告げられた。
特に話をする雰囲気でもなかったので、ソファにくつろいでみんなを待つことにした。
紅茶を持ってきた春子がもうすぐ夕食だというと、啓子はもうすっかりおなかペコペコだと口にした。
相変わらずの食い気だな……と言いかけたが黙っておくことにした。
美樹本が応接室にやってきた。可奈子はうねりが気分が悪くて休んでいるという。
美樹本は自家用の船(クルーザー)でやってきたと啓子から聞いていた俊夫は、
お前の操縦がヘタだからじゃないのか……と言いかけたが黙っておくことにした。
今日は不思議と美樹本に反感を覚えてしまう自分に俊夫は気付く。自分とあまりにも違うから……
じゃない、みどりがいないからだ。みどりがいないと自分はどんどんダメ人間になっていく。
いつの間にか立ち上がっていたついでにトイレに行き、冷たい水で顔を洗う。
さっぱりとした気分で応接室に戻ると、今度は透がやってきた。
可奈子がいないことに気付き訝しげな顔をし、部屋で休んでいるといわれて少し残念がっている透に、
真理だけでなく可奈子にも気があるのか……と言いかけたが黙っておくことにした。
置時計が7時を告げると同時に香山が応接室に現れ、食堂へと移動する。
香山が供養の経緯などを説明し始めたが、ほぼ全員春子の作った精進料理に夢中になっていたため
誰も聞いてはいなかった。
目の前にあるおいしそうな料理も、このところまったく食欲のない俊夫にはどうでもいいことでしかない。
説明にも料理にも興味を持てなかった俊夫は少しずつ食べる素振りを見せながらみんなの様子を観察する。
味覚がおかしくなってしまったのか、料理はうまいともまずいとも感じなかった。
だが、豆腐と海苔をうなぎに見立てた料理に関しては言われてみれば豆腐だと分かったので、味覚が完全に
失われたわけではないようだ。ただ、食べることの喜びがないだけで。
香山のくどくどした説明が終り、よく復元できたと感心すると今度はそれについての説明を始めた。
暖炉はそのまま使えたがシャンデリアはふっかけられただの、わざわざ元通りにしたのはお盆に死んだ
人間が返ってきやすいからだのと説明する香山は本気でオカルトを信じているようで、いよいよ頭が
おかしくなってしまったのではと俊夫は思った。
ドアの札の説明にしても、他のみんなも信じていないようで、自分の方がおかしいわけではないようだ。
可奈子が自分のアシスタントをしているということに何のアシスタントなんだかとむかついてみたり、
透が春子の料理に対して余計なことを言ったり、春子が香山を見る目つきが何だか妙なものに思えたり
していると、香山に食欲がないのかと話をふられた。
みどりのことを思い出し、口から勝手に言葉がついて出てくる。夏美を想う香山も同様だった。
考えても仕方のない可能性。巻き戻せない過去。でも、口にせずにはいられない――
俊夫は透に問う。みどりが買いだしに行くことになった理由はなんだったか覚えているか、と。
さあ、という無邪気な返答に殺意を覚える。元はといえば、買出しを頼まれていたのは俊夫だったのだ。
それが、興味本位で地下室を覗いた透が階段から落ちて捻挫。その世話をしていたため、みどりが……。
地下室、というヒントに透は何かを思い出したような顔をした。
……あの日のこと、ではなく、ワインセラーで拾った鍵について。
こいつ一体、何言ってんだ?
財宝がどうとかいう話に香山まで身を乗り出しているのを見て俊夫は怒りよりも呆れた。
あんな凄惨な事件の発端に関わる話よりもうさんくさい財宝話の方が大切だとでもいうのか?
どいつもこいつもまったく、とわめき散らしそうになったが、こらえた。わめいても過去は変わらない。
真理が電話についての質問をした。話を聞いてないのでなんでそんな話になったのかはわからない。
前は電話は使えなかったが、管理室にひいた電話か丘の上まで行ってケータイを使えばかかるらしい。
今度は啓子が部屋の鍵を無くしてしまったと言い出した。
予備の鍵はないし、祈祷のために部屋を変えるわけにもいかない。
1つしかないマスターキーを啓子に渡すことに春子は反対の意を示したが、香山は透ならともかく
女の子の啓子なら別にマスターキーを持っていても大丈夫だと言った。
俊夫としてもマスターキーを渡すならば部屋を替えろと想ったが、誰も文句を言わないので黙っている
ことにした。どのみち大したことではない。
春子が各人の希望を聞いて食後のお茶を用意する。香山は夏美が好きなカモミールティーを淹れて
もらい、夏美の写真と線香立てをその隣に並べた。
一瞬それが去年の河村亜希の遺影を見たときの光景を髣髴とさせてぞっとしたが、香山はまったく
意に介していないようだった。
食堂に香山の熱唱が響き渡る。
「わしの会社は実力主義や」
「そやから、不況なんかはどこ吹く風や」
「そやけど、なあ夏美……わしも、わしも、ほんまはさみしいんや」
俊夫はそこで真面目に聞くことをやめた。
食後の片付けは透がやることになり、俊夫はさっさと2階へと上がっていった。
館の陰鬱な空気に息苦しくなり部屋で飲み直そうと思ったが、かえって辛気くさくなりそうで躊躇われた。
少し外の空気でも吸って気分を変えた方がよさそうだと、少々遠回りになるが西の物置部屋へと向かう。
反対の角部屋には間違っても行く気にはなれない。
だが、物置部屋のドアにはお札が貼ってあった。ノブを回してみたが開かない。
ふいに、どこからか食堂で焚いた線香の匂いが漂ってきた。気分を滅入らせていたのはこの匂いか?
仕方なく部屋に戻りベッドに寝転がる。俊夫は透が見つけた鍵のことが気になった。
宝はどうでもいいが、岸猿家のものと思われる鍵がシュプールにあったことが引っ掛かる。
今日子さんが持っていたのだろうが、1年前の事件と何か関連があるのだろうか?
と、そこでノックの音がした。真理だ。
俊夫が仕事をしていないのであればシュプールを手伝ってくれないか、と真理。
透がいるじゃないかというと、透は夏休みが終わったら戻ってしまうから、と返ってくる。
「……透くんがどう思うかな」
「今は透のことはどうでもいいの。私、俊夫さんのこと本気で――本気で、心配してるんですよ」
そのとき、廊下から何か物音が聞こえたような気がした。外を見るが、誰もいない。
真理は、シュプールのことを考えておいてくれと言い残して部屋から出て行った。
親切で言ってくれているのは分かっていたが、そのおせっかいさに腹も立った。
自分は物乞いではないし、今は仕事だの金だのよりももっと大事なことがある。
俊夫は荷物の中からスクラップブックを取り出した。1年前の事件や三日月島に関連するものの記事だ。
その中に、『網曳村で行方不明。菱田喜代(70)。事件との関連を調査中』という記事があった。
菱田喜代と菱田キヨ。今日子は架空の老婆を創造したと言っていたが、実際は同じ名前の地元の老婆が
行方不明になっていた。今日子が菱田喜代を殺し、すり替わっていたのか?
だが、今日子が殺そうとしていたのは亜希をひき逃げしたみどりだけ。
結局関係ない2人の人間を殺害する羽目にはなったが、必要以上に殺人を犯そうとしたとは思えない。
今日子は嘘をついたのか? 亜希も今日子が呼んだのか?
……いや、呼び出すぐらいなら自分から会いに行くだろう。亜希を呼び出したのは、別の人物に違いない。
それは小林かもしれないし、村上かもしれない。この2人によるものなら、死んだ今は何も分からない。
しかし今回の宿泊者の誰かである可能性もある。……諦めるわけには行かない。
シュプールで見つかった岸猿家の鍵が、これらの謎を解く鍵にもなるのではないか? そんな期待をした。
鍵が気になった俊夫は香山を訪ねてみることにした。香山ならどこの鍵か見当もつくだろう。
だが、香山は留守だった。もう財宝を探しに行ったのかもしれない。
俊夫は2階に戻り、香山が帰ってくるのを待つことにした。
物思いにふけりながら2階ロビーで見取り図を眺めていると、お菓子を抱えた啓子に声をかけられた。
すすめられたお菓子をつまみながら二言三言言葉を交わしていると、香山と共に地下室に宝探しに
行っていたらしい透が1階から上がってきた。今なら香山が部屋にいると聞き、下へと向かう。
と、階段を降りるとき、1階西側の方でコートを着た人物が走っていくのが見えた。
こんな時期に館の中でコート? と思いながら人影が去った方角を見る。誰もいない。
香山だろうか、と突き当たりの食堂の扉を開けたが誰かがいるような気配はなく、思い過ごしかと
改めて香山の部屋へと向かった。
しかし、さっきと同じでドアには鍵がかかり、返事も何も返ってこなかった。
2階に戻るとロビーに啓子と透、さらに春子がいた。
香山の居場所に心当たりはないかと聞くが、春子は知らなかった。
祈祷をすると言っていたからには部屋にいるはずなのだが、と透。
まさか、去年と同じことが? ……そんな嫌な空気に包まれ、啓子が「まさか……ね」と呟く。
そこで透は啓子がマスターキーを持っていることを思い出し、それで開けてみることを提案した。
単純に寝てしまったなどという理由で何事もなければまた閉めておけばいいだけの話だと。
透は何か取り返しのつかないことが起きているのではないかと恐れているのだろう。
俊夫も同感だった。それに、もしかすると香山は重大な何かを見つけたかもしれない。
4人で急いで香山の部屋へと向かう。1階へと降りていくその様子を、美樹本が見ていた。
香山の部屋のドアの前で念のためノックをして呼びかけるも、返事はやはりない。
透が啓子が差し出したマスターキーを鍵穴に差し込んだが、なぜか回らなかった。
もしかしたら管理人室だけはマスターキーでは開かないのかもしれない。
俊夫はドアを破ろうとしたが、去年それが出来たのは扉がちゃちなスライド錠だったからだと
透に止められ、彼が物置に行って取ってきた古びたツルハシを使ってドアに穴を開けることにした。
ドアノブ近くにツルハシを二度、三度と叩きつけると板がボロボロになり、開いた穴に手を突っこんで
掛け金を外す。開いたドアから中に入りざっと見回したが、香山の姿はない。
透と俊夫は同時に襖を開けた。
香山が祭壇の前で横たわっている。髪の薄い後頭部から赤黒いものが流れ出しており、傍らには
血がべっとりとついたクリスタルの大きな灰皿が転がっていた。春子がひいっ、と声を上げる。
透は声をかけたり揺さぶったり脈を取ったりしてみたが、反応はない。
死んでいるみたいです、と透が言うと、春子は透を押しのけ、香山の身体を揺さぶった。
警察に連絡しようと取り上げた部屋の電話は通じなかった。ケータイも圏外だ。
丘の上ならケータイが使えると香山が言っていたことを思い出し、他のみんなへの連絡は透に任せて
玄関へと向かった。だが、玄関のノブを押しても扉はびくともしない。押しても引いても駄目だった。
下りてきたみんなに玄関のことを告げ、全員で押してみるもそれでもびくともしない。
犯人が逃げるときに細工したのだろうか?
となると後は2階の角部屋の窓だけだが、窓の下の剣山がそれを許してはくれない。
香山が何者かに殺されたと聞いた可奈子は、だからこんな島には来たくなかったんだと叫び
上に上がっていってしまった。慌てて美樹本も後を追う。
犯人がうろついているかもしれないのに無闇に動き回るなんて、一体何を考えているんだ。
犯人が逃げた可能性もあるが、とにかく明るくなるまで身の安全を確保する必要がある。
俊夫は館の中を調べることを提案したが、真理は危険だと首を振った。
だが、このまま犯人を見逃すつもりはない。香山のような犠牲者をこれ以上増やすわけにはいかないし、
なぜこんなことをしたのか問いたかった。
美樹本が1人で1階に戻ってきた。可奈子は部屋に閉じこもってしまったようだ。
また同じように事件が起きてしまったのだから無理はないが、1年前、みどりから目を離した隙に
みどりが危うく凍死しかけたことを思い出し、この状況で1人になるのは危険に思えた。
1人で2階に残すことは躊躇われたが、香山の部屋に行くまでは啓子が、行った直後からは美樹本が
それぞれずっと2階のロビーにいたため、不審人物は2階にはいないはずだった。
となると、犯人は1階にいることになる。……その言葉で俊夫は思い出した。
あのとき西側に走っていった人影――まるで『かまいたちの夜』に出てくる田中みたいだった
あの謎の人影のことを。
念のために調べてみようという話になり、女性陣を玄関前に残して男3人だけで行くことにする。
俊夫は折り畳みナイフを、美樹本は素手を武器にする。透は武器がない。
だが、透には武器や体力がなくても観察力や洞察力という能力を持っている。
俊夫はそのおかげで1年前にみどりの命が助かったことを、今でも感謝していた。
3人で西側に向かい、1つずつ確認していく。受付室、応接室、空き部屋3つ……。
応接室以外には2階の空室同様に札が貼ってあった。
念のため唯一使っている応接室を開けてみたが、誰の姿も隠れている気配もなかった。
空き部屋には鍵がかかっており、札を剥がした様子もなかったので部屋の出入りはないと証明された。
食堂も調べてみたが、なにも見つからなかった。あのときしっかり調べていれば……。
と、そのときロビーから悲鳴が上がる。まさか!?
……と思ったが、啓子がヤモリに驚いただけだった。女の子なので大目に見ておく。
俊夫が人影を見た後に1度2階まで来ていることから、その間に東側にいった可能性を考慮して
今度は東側を捜しに行く。
女性陣には可奈子を説得して一緒に応接室で鍵をかけて待っていることになった。
再び女性陣と別れ、男性陣は東側の廊下へと向かう。
洗面所、空き部屋3つ、管理人室、厨房、物置スペース……そして、地下室。
透は香山と見つけたあの秘密の地下室を思い出し、2人に告げた。
管理人室から懐中電灯を拝借し、地下室を探る。異常は何もなかったため、透と香山が見つけたという
開かない鉄扉の前まで探索していった。
何で開かないんだ、という美樹本の言葉に俊夫は思い出す。湖の小屋にも似たような地下室があったのを。
小屋の地下室同様に天井から錆び付いたチェーンがぶら下がっているのに気付いた俊夫は、
この鉄のチェーンに何か意味があるんじゃないかと思いっきり引っ張ってみた。
扉の向こうから何かが動く低い音が聞こえ、もしかしたらと美樹本が扉に近寄り、押し開ける。
湿った空気と腐敗臭が奥から流れ出してきた。どうやら下水道に通じていたらしい。
左側にはほとんど水のない水路。正面の壁に、「湖」と刻まれた文字。床には「海」だ。
透は1年前の事件で館を水没させるために使われた仕掛けのことを口にした。
おそらくこれらは丘の上の湖から中庭の泉に通じる水路で、仕掛けを動かすと「湖」から水が、
「海」から海水が流れ込んでくるのだろう。
俊夫は納得した。ここが閉じられているから泉の水が涸れていたのだと。
美樹本がここから出られるのではと言い出した。湖や海側は無理だが、中庭になら……。
左側の水路は中庭の泉に続いているかもしれない。3人は調べてみることにした。
しかし、すぐに鉄格子の柵に阻まれ、それ以上向こうには進めなくなってしまう。
鉄格子に人の通れる隙間はないかと近づこうとした透が、誰かがそこにいることに気がついた。
……それは、死体だった。ほとんど白骨化しており、においはそれほどきつくはない。
俊夫はポケットからペンライトを取り出し、周囲のゴミをどけて死体の全貌を眺める。。
服はボロ切れのようになっているが、着物のような感じ。髪の長さから見て女性だろう。
相当に小柄な女性だ。そして、死体の片足が折れていた。いずれにせよ相当昔のものらしい。
俊夫の頭に、例の記事が浮かぶ。菱田喜代。
喜代とキヨ。シュプールで見つかった鍵。絶対に何か関係があるはずだ。
その答えはコートの人物にあるのではないか?
この死体がもし菱田喜代のものだとしたら、あのコートの男は一体……?
常に誰かに見られているような気がするのは自分だけだろうか……。
ここから出る方法はない。他の場所を調べた方がいいと、3人は戻ることにした。
地上に戻るまで俊夫はずっと上の空だった。犯人がどこから逃げたのかということも、誰が香山を
殺したのかということも、どうでもいい。
ただ、この事件の謎を解けば、1年前の謎に近づくことが出来るのではないか……そんな予感がした。
(3人が去った後に地下室のバルブのある扉からコートの男が出てくる)
香山の部屋の前まで戻ってきたとき、俊夫は少しでも手がかりを探そうと言い出した。
美樹本も確認したいことがあると管理人室へ入っていく。先程1回調べに来た際に透から
マスターキーでは鍵が開かずに仕方がなくぶち破ったことを聞いていた美樹本は、管理人室の
鍵が置いてあるかどうかを確かめたかったのだ。
管理人室の鍵は壁にかかっていた。ということは、外から鍵はかけられなかったことになる。
死体発見後に犯人がこっそり戻したのかと思ったが、1階のどこにも犯人がいない以上は無理だ。
管理人室の鍵がすり替わっていた可能性も、壊れた扉のロックバーが出たことから否定された。
そもそも鍵本体とタグを繋ぐチェーンはかなり固く、ペンチでもないと簡単には外せそうにない。
マスターキーで開けられないのなら、この鍵を使うしかないのだが……。
美樹本は他殺を疑い、自殺や事故ではないかと言い出した。俊夫はそれに対しこの部屋に抜け穴
でもあるのではと言い出したが、そんなものはどこにもない。
抜け穴はない。そう確信したとき、俊夫は思いもよらないものを見つけた。
それは赤いマジックで文字が書かれた紙切れだった。
ネノコクマデニ ミナシヌ
ココカラ タチサルコトハ
デキヌ
意訳:今夜、12時、誰かどころか全員が死ぬ
これを書いたのは香山を殺した犯人だろう。犯人は皆殺しを企み、その最初の犠牲者が香山だった。
そのことをはっきりと示すための書置き……そんなところだろう。
だが、美樹本は香山が書いたのではなどと言い出した。流石にそれは撤回したものの、これ以上は
何もせずにここから出る方法を探ろうということだけは譲らない。
1年前、犯人を見つけようとして目をギラギラさせていたこいつはどこにいったんだ?
2人の口論を見かねて割って入ってきた透の提案で玄関の扉に地下室のような仕掛けはないかと
探ってみたものの、何もない。3人がかりでもやはり扉は開かない。
美樹本はついに窓からロープか何かを使って外に出る方法を考え出したが、透は危険だと止めた。
皆殺しにされるのを待てというのか、という美樹本に対し、透を責めてどうすると俊夫は透に加勢する。
とりあえず待っている女性陣に結果報告をしようと戻ろうとしたところで、美樹本は例の紙切れの
ことは黙っておいてくれと2人に頼み込んだ。可奈子をこれ以上不安にさせたくはないのだ。
そういうことか、と俊夫は納得した。この館から逃れることにこだわるのも彼女のことを思っての
ことなのだろう。それに、可奈子が騒げば女性陣に伝染するかもしれない。2人は了解した。
誰もいなかったし、逃げられもしなかった。そう告げると、真理が犯人が逃げられず見つからない
のではまだこの館のどこかにいるのか、と訊いてきた。透がそれに答えようとするも、口ごもる。
あの紙切れのことを話さずに説明する言葉が見つからないのだろう。
「この中の誰かが殺したのかな……」
啓子がポツリと怖いことを言ったので、全員が顔を見合わせる。
俊夫は啓子に本当にずっと2階ロビーにいたのかどうかを確認すると、この中の誰かが犯人とは
考えられないと断定した。透と別れ、俊夫が部屋を訪れるまでの短い間には皆アリバイがある。
だが美樹本は、透と俊夫なら香山を殺すことができると言い出した。鍵の一件もある以上2人が
犯人とは言い切れない。ただ、アリバイは証明できないだけだと。
結局あの密室の謎が解けない限り、アリバイを証明しても無駄なのだ。
あの紙切れがある以上、どう考えても香山は誰かに殺された。ならばアリバイのない自分たちが
疑われるのは仕方がない。
もちろん俊夫自身は犯人ではない。だが、透は? もしあの人影が見間違いだったら、チャンスが
あるのは透だけだ。
しかし動機がない。どう考えても透が殺したとは思えない。
と、いきなり透が苦しい推理を披露し始めた。
香山は部屋の外で殴られ、中に逃げて鍵をかけた。その後息絶えたのなら密室の謎は解ける、と。
だが、ならばどうして凶器の灰皿が香山の傍に転がっていたというのだ。
透はその疑問に犯人がドアを閉める寸前に投げつけたのではと答えたが、それはその後香山がわざわざ
灰皿の傍まで歩いていってから倒れたことになるので無理がありすぎる。
自分に疑いが持たれないように必死になっている。……そんな風に思えた。
透が犯人だという確証はない。密室の謎が解けなければ誰が犯人ともいえないし、人影が見間違えと
決め付けるわけにもいかないのだ。
マスターキーであそこが開きさえすれば、謎でもなんでもないのだが……。
マスターキーで開けられない鍵があるなんてマスターキーと言えるのか、と真理が呟く。
俊夫は可能性の1つとして鍵の細工をあげたが、啓子はそんなことはしていないと怒り出した。
突きつけられたマスターキーを念入りに観察し、細工がないことを確認する。
すると透が、啓子の持っている鍵で啓子の部屋を開けられるかどうか、確かめてみようと提案した。
全員で啓子の部屋の前に行き、鍵を試す。扉を開けるときに細工をしないとも限らない、と他の者に
試してもらうことにし、鍵を受け取った春子が鍵を開けることになった。
鍵は開いたが、それだけではマスターキーの証明にはならない。別の部屋も開けられてこそのマスターだ。
春子は少しもたつきながら、隣の部屋の鍵穴に鍵を差し込んだ。
ロックの外れる音がし、春子は札が剥がれないよう注意しながら少しだけドアを開けて見せた。
(*3)
少し面白がった口調で納得したか、と訊く啓子に、俊夫はその鍵がマスターキーであることは
認めたが、マスターキーの分疑わしかったのがみんなと同じになっただけだと答えた。
真理は犯人はもう逃げてしまったのではと口にする。だが、あの予告状がある限りは犯人がどこかで
皆殺しの機会を虎視眈々と狙っているかもしれないのだ。
いつまでもごまかしきれるものではない。俊夫は美樹本の制止を聞かずに例の紙切れを全員に見せた。
隠しておいたことを全て話すと、可奈子がこの島は呪われているんだ、と頭を抱えて叫んだ。
美樹本は可奈子をそっと抱き寄せながら、この島や館には忌まわしいものを呼び寄せる力が
あるのかもしれないと言う。ここでたくさんの血が流されたという事実が人を惑わせるのではないか。
予言の自己成就。血塗られた歴史を持つ島に、また誰かが殺されるのでは……そう誰かが強く思っていた
ことが、今回、あるいは去年の事件の根っこにあるのかもしれない、と。
馬鹿馬鹿しい、呪いとどう違うんだ。偉そうな言葉遣いにむかむかした。こいつは一体何様のつもりだ?
吐き捨てる俊夫に、美樹本は続ける。オカルトとは違うのだと。
思いや言葉の力は強い。この島にまた来ることに誰もが不安を感じていたはずだ。
全員がそうならば不安は増幅し、その中の繊細な誰かが殺されるのは自分だと――
夏美のことで逆恨みした香山に殺されるのではと思い込んだとしたら?
この中の誰もが去年の事件で傷つき、罪の意識を抱えている。だから、そう感じたとしても
おかしくはない……。
なぜか、俊夫の胸がずきりと痛んだ。
今日子も村上も、小林も死んだのだから、自分たちが罪の意識を感じる必要はない。
だが美樹本は、事件を食い止められなかっただけでも多少は後悔する。今日子と親しければ尚更だ。
それに、すべての元凶であるみどりの夫である俊夫なら、特に――
俺が……罪悪感を……?
俊夫は目の前がさあっと赤くなるのを感じ、気がつくと声を張り上げていた。
俺が罪悪感を感じているなんて冗談じゃない。みどりだって、去年の事件の責任までとる必要なんかない。
どうして俺が香山さんに……。
「分からないって言うのか?」
美樹本は目を細め、冷酷な口調で続けた。。
俊夫はみどりが河村亜希をはねたあの夜も、その後もずっと一緒にいたなのに何一つ知らないで彼女と
つきあっていた。
もしかしたら俊夫はみんなを救えたかもしれない。みどりの異変に気づき、すべて聞き出して自首を
勧めていれば、夏美や今日子、それにみどり自身も。
「そんなふうに後悔したことが一度もないんだとしたら、君にはおよそ想像力というものがないと
いうことになるんじゃないか?」
……誰かが何かを言っていたが、俊夫には聞き取れなかった。
もうそれ以上黙って聞いていられなかった俊夫の右手が、美樹本の顔に向かって飛んでいた。
もう一発――と、殴りつけようとした美樹本の姿が一瞬消え、身体全体に衝撃が走る。
かと思うと、俊夫は床に四つんばいになっていた。腹を……殴られたのか?
真理らしき声を遠くに聞きながら、腹からこみ上げる苦痛と共に、美樹本の言葉が頭の中で繰り返される。
俺はみどりを救えた……俺はみどりを救えた……。
たまらなく、惨めだった。
大丈夫かという透の声で我に返る。
情けなくて、惨めで、そして――恥ずかしかった。
紅茶を淹れるという春子の声、手伝うという真理の声……足音と話し声が遠ざかるまで、俊夫はずっと
顔を背けていた。それらが聞こえなくなると壁ににじり寄り、天井を仰ぎ見る。
美樹本は何か格闘技でもやっていたのだろう。ああも簡単にやられるとは。
あまりにも情けない自分の姿を想像するとおかしくなり、しばらく笑い、涙を流した。
洗面所に立ち寄り、顔を洗い流す。必要もないのに抱え込んでいて重荷になっていた何かがなくなった
ような気分だった。
透たちがいるはずの応接室に行くと、そこには透と真理しかいなかった。
真理たちが淹れてくれた紅茶を飲みながら、しばし先程のことを話す。
カップの紅茶を半分ほど飲んだところで俊夫は立ち上がった。気分がよくなったことでじっとして
いられなくなったのだ。
もう1回見て回ろう。何か見落としているところがあるかもしれない。
俊夫はコートの男が気にかかり始めていた。あれはやっぱり見間違いではない気がする。
あれは館の中の誰かだったのか? それとも――
身体を動かしながら考える。トイレをもう一度覗き、そして食堂へ――
食堂の扉を開けると、奥に誰かがいるのが目に入った。テーブルの1番向こう、床の上で仰向けに
横たわっていたのは――美樹本だ。胸には、風切り鎌が突き立っている。
その身体にはまだぬくもりがあった。たった今、誰かが美樹本を殺したのだ。
はっとして食堂中を見渡すが、誰もいない。
と、美樹本の傍らに何か白いもの……二つ折りにした小さな紙切れが落ちていた。
開いてみると、赤いマジックのようなもので字が書きなぐってあった。
ツギハ オマエダ
それを見てすぐに思い浮かんだのは、あの紙切れだ。
美樹本と香山は同一犯か? 美樹本を殺す理由は? 美樹本は犯人と接触したのか?
俊夫は紙切れをポケットにしまった。この紙切れのことはまだ誰にも知らせない方がいいと思ったのだ。
とにかく今は美樹本が死んだことをみんなに伝えなければならない。
だが、凄惨な死体をこのままにしておくことは躊躇われたため、鎌を抜いておくことにした。
食堂を走り出し、応接室に飛び込む。そしてそこにいる2人に、美樹本の死を告げた。
死体を見た2人はまさか、と俊夫を疑う。確かにさっきのことがあるし、第1発見者だ。
だが、断じて自分ではないと否定した。
2人は可奈子のことが気になり、食堂を飛び出していく。
残された俊夫は、透が不思議そうに呟いていた言葉について考えていた。
ここには透がいる応接室の前を通らないと来れないのに、犯人も美樹本も、どうやってここに来たのか?
突然現れた美樹本の死体に、俊夫は去年の事件の河村亜希の遺影のことを思い出す。
短い停電の間で突然現れ、消えていた遺影……。
と、可奈子が食堂に飛び込んできた。美樹本の名を呼んで駆け寄り、すがりついて泣き始める。
俊夫はとても見ていられず、顔を背けた。
やがて啓子もやってきて、泣きじゃくる可奈子にそっと近寄る。今にも泣き出しそうな顔の啓子は、
可奈子には触れずに離れたところでじっと見守ることにしたようだ。
そこに真理と春子、透が戻ってくる。また全員が揃った。――1人は、死んでしまったが。
可奈子はともかく、他のみんなはいつまでもこんなところにいたくはないのだろう。
それぞれがゆっくりとした足取りで食堂から出て行こうとする。
しかし、俊夫はみんなを引き留めた。
話なら応接室で、という透に、できればここで確認しておきたいと告げる。
2階にいるはずの美樹本が1階の食堂で死んでいるのはどう考えてもおかしい。
何か謎を解く手がかりがあるはずだ。俊夫は美樹本の死体を見つめ、頭を働かせる。
もしかすると、香山と美樹本を殺した犯人がみどりの一件と何らかの関わりがあるんじゃないか。
そう直感的に思うからこそ、得意ではない考え事に集中する。
気のせいかもしれないし、単に自分がそう思いたいだけなのかもしれないが。
だが、そうでも思っていないとこの状況に潰されてしまいそうなのだ。
美樹本を見つめる俊夫の目に、あるものが重大な意味を持って飛び込んできた。
それは、テーブルの上に置いてある線香立てだ。
2階の物置部屋の前で嗅いだ線香の匂い。あれは食堂で焚いたのが服に染み付いたのではなく、
この食堂での匂いが上まで昇ってきていたのだ。
透も同じ匂いを嗅いでいたのを思い出したのか、はっとした表情を浮かべる。
食堂と真上の物置部屋は、どこかに秘密の通路のようなものがあって繋がっているのではないか?
1年前を思い出してみる。亜希の遺影やらミニカーを置いたのは村上だが、一瞬にして消えて
出てこなかったのはなぜか?
主の席の後ろにあるのは……暖炉。三日月館に煙突はなく、装飾用の暖炉だ。
だが、ただの飾りではなかったのだ。ミニカーや写真どころか、殺人鬼さえも隠してしまう空間が
そこには存在していた。犯人はそれを使って食堂と物置部屋を行き来していたのだ……。
可奈子が突然暖炉に向かって走り出し、飾りで置いてあった火掻き棒を手に暖炉の奥の壁を
叩き始めた。人が変わったかのように、人殺し、出てきなさいよ、と怒鳴りながら。
やがて四つんばいになり暖炉の中に頭を突っこみだした可奈子を啓子は止めたが、可奈子は
秘密の通路の入り口を発見したようだ。中に入ろうとする可奈子を慌てて全員で引っ張り出す。
俊夫が暖炉の中を覗くと、上の部分に可奈子が突いたせいでずれたのであろう板があった。
火掻き棒でそっとその板をずらしていくと、大人1人が十分通れるだけの隙間と梯子状に
埋め込まれた鉄の棒があった。
昇らないのか、という透に、可奈子があれだけ騒いだのだから隠れていても逃げていると答える。
じゃあ2階だ、と呼びかけるも、誰も返事をしない。相手は2人の人間を殺した殺人鬼なのだ。
わざわざ殺されに行く馬鹿はいない。
香山を殺した犯人を逃がしてもいいのか、という透の言葉に、春子が俯いて唇を噛む。
犯人を捕まえたいのは俊夫も同じだ。必ず捕まえなければならない理由もある。
こんな隠し通路の存在を知っているからには、岸猿家とあながち無関係ではないに違いない。
もしかしたら岸猿の血を引く今日子や村上からシュプールの事件について聞かされているかもしれない。
みどりと河村亜希を襲った偶発の事故、少しでもその真相に近づけるチャンスがあるからには……。
しかし、今不用意に2階に上がるのはあまりにも危険だ。美樹本が殺されてから大分経つ。
全員が2階に上がった隙に1階に降りてきているかもしれない。
玄関が開かなかったからには犯人だって逃げようがないと啓子は言うが、それが犯人によって仕組まれた
のであれば、もうすでに玄関から逃げ出しているかもしれない。
その時、ようやく逃げ道は玄関だけじゃないことに気がついた。
俊夫は全員に手振りで動かないように指示し、物音を立てないようにして素早く食堂を出た。
階段を駆け上がった俊夫は西側の廊下へと足を進める。
歪曲した通路の向こうまで見えるように外側の壁沿いに足を忍ばせた。
物置のドアに近づき、何の音も聞こえないことを確認すると、折り畳みナイフで札を剥がす。
ノブに手をかけてゆっくりと回すと、鍵はかかっていなかった。
素早くドアを開け放つと、暗い部屋の中に開け放たれた窓が月明かりに四角く浮かび上がっていた。
逃げられた……。
念のために物置部屋を調べると、スライド式の棚の裏側に隠し部屋を発見した。
そこから下に伸びる暗闇は、確かに1階の食堂まで繋がっているようだ。
食堂に戻り、俊夫は見たものを全て皆に伝えた。
コートの男は気になるが、逃げたのならもう危険はない。
……だが、それに対し透が独り言のように異を唱えた。
まだ犯人は、館の中にいるかもしれない。
透は香山の部屋が密室だったことが気になっているようだ。
密室なんてありっこない、何かからくりがあるはずだ。
もしかしたら犯人は犯行後に内側からロックをかけ、透たちがドアを破ったときもまだ部屋の中にいて、
透たちがいなくなった後にこっそりと外に出たのでは?
記憶が確かならば誰もいなかったはずだが、それなら密室の謎は解明できる。
全員で香山の部屋に向かい、これまでよりも入念にあたりを見回し調べていった。
しかし、何の手がかりもなく空振りに終わりそうな状況に、真理は本当に逃げたのかも、と呟いた。
警察が来るまでの間、透と俊夫は一緒にコートの男を館中探した。
あのコートの男を捕まえたら真相が分かるに違いない。
まだ隠されている事件の真実が浮かび上がるに違いない。
そんなことを思いながら躍起になって男を探したが、その痕跡さえも見つけられなかった。
後は警察に任せようという透の言葉で、俊夫たちは捜索を切り上げた。
この島に来てから自分たち以外で見た人物といえば、船長とあのコートの男だけだ。
警察は男を見つけだし、いつか俊夫はみどりと河村亜希に関わる秘密を聞き出すことができるのだろうか。
それまでの間、
俺とみどりは一体どうなるのだろう――
終
No.51 コートの男は?
以上で第1回俊夫編は終了です。なお、このルートではまだ啓子編が出現しません。
次は透編の*2から続きます。
>>198を見た後で急いで俊夫編の頭から書き始めたせいか上手く切れず、何度も本文
長すぎエラーが出る始末……。読み辛かったらすみません。
215 :
204:2006/09/16(土) 01:53:10 ID:ssB/20tN0
かま3さん乙ーーーーーーー
待ってた!超待ってた!
かま3きたこれ
かま3の人乙!
すごいなこれ
続きが待ちきれない
>>40から
>>218までの間に書き込まれたストーリーをまとめWikiに収録しました。
また、未解決リストも
>>218までの分に更新しました。
ぼくなつEDの他の種類ってどんなの?
かまいたち3の人乙です。
唐突なリクエストですが
1998年psで発売された「Serial experiments lain」なんですが
ストーリーがないに等しいゲームなのを承知の上で
どんな感じにゲームが進むのかを説明してくれる人がいればよろしくお願いします。
少女玲音のカウンセラー(プレイヤー)となってコンピューターにアクセスするという形で
玲音の姿の断片を、デジタルの記録という形で見ていって
最初は普通なんだけど段々壊れていって
鏡を割ったり父親を機械で作ろうとしたり?して
それを見てるカウンセラー自身が段々心を玲音に侵食されて発狂して
最終的には玲音自身も自殺して、その心がデジタルに取り込まれていって
最初に入力したプレイヤー自身の名前を超無機質な合成音声で呼ばれる(死ぬほどビビるらしい)
↓参考動画
ttp://tnpt.net/uploader/up25/src/up4927.mpg
224 :
魔剣X:2006/09/17(日) 03:46:59 ID:/COnPix+0
>>223 うわぁ。ナニコレ
楽しめねぇのはゲームじゃないって
BLACK/MATRIXOO 予約します
謎の「しあわせ」島編
大帝国キラーズに破れた主人公は、
薄暗い船の中で、他の負債者達と共に島に向かっていた。
着いた先は孤島「しあわせ島」だ。
そこに待っていたのは女所長のヘルガ、太った白人、副所長マコンデだった。
「しあわせ島にようこそ。
諸君は幸せだぞ。こんないいところで働けるんだからな。」
マコンデによるとこの島の収容者は、
ブラッドバタフライ、BB団なる組織に管理され、しあわせ草なる草を育てている畑、
兵器を作っている工場、鉱物を採っている鉱山の三ヶ所の場所で働くことになり、
その労働と引き換えにクーポン「ペラ」を得ることができる。
ペラは島の中でのみ通用する通貨で、これを借金分集めれば日本へ帰ることができるらしい。
また、主人公のような野球選手は10日ごとにある野球のテストや、
練習試合の結果によってもぺラを与えられる。
主人公の借金は1000ペラ。
元銀行員の江川の班に入ることが決まり、こうして主人公の島での生活が始まった。
主人公は山田にそっくりな落田、
5の主人公と入れ替わった元スター選手小杉優作、4に登場した顔がふぐりそっくりの布具理、
娘を医大に入れるために島に来た倉刈といったシリーズでお馴染み人達や、
酒が大好きな三谷、親の借金を背負ってきた渡辺と出会う。
リフレッシュ小屋でビデオを見たり、
さおりちゃん2号や、やぎのまさこさんとあんなことやこんなことをしながら、
気力を充実させて労働に励む主人公。
そして野球の試合の前日。
主人公はようやく野球ができるとよろこぶが、周囲の反応は冷たい。
相手のブラッドバタフライの一軍は、2軍の江川班よりもはるかに強く、
おまけに負けるとぺラを取られてしまうのだ。
主人公は活躍してみんなの心に火をつけようと決心する。
しかし、気合を入れすぎた主人公はマコンデに目を付けられ、ベンチに入れられてしまう。
おまけに試合はボロ負け。
出てもいないのにぺラを払う羽目になってしまった。
主人公は厳しい現実に耐えるのだった。
主人公は小杉から、兵士と話している女性がしあわせ島の所長であることを知る。
後日、偶然本を読んでいるヘルガに出会った主人公。
読んでいた冒険小説を貸してもらった主人公は、ヘルガから感想をいうように求められるのだった。
しあわせ島の収容者は野球以外にも何らかの競技を行い、ぺラをもらっている。
島に来てから始めた重量上げで150キロという記録を出した男に驚き、
どう考えても普通ではないことに疑念を抱く主人公。
草刈の作業中に島の原住民バオと出会う。
落田によると、彼らは旧日本軍と交流があったため日本語が話せるらしい。
島をBB団から解放したいというバオに、主人公は協力を申し出る。
主人公は兵士達の会話から、BB団の団長が島に来ていることを知る。
小杉によると団長は収集癖のあるマニアらしい。
「マニアに悪い奴はいない」という落田にあきれながらも、
何とかそのボスを倒せないかと考えるのだった。
一方、収容者の健康問題に悩む所長と副所長。
ヘルガは団長の指示を仰ごうとするが、団長は日本のゲームキャラグッズ集めに夢中らしい。
あきれるヘルガ。
しあわせ島はそれ自体が巨大な兵器工場だ。
主人公は作った武器を何処に売るのかを疑問に思う。
落田はBB団はミサイルや銃を安い値段で世界中の犯罪者や過激派テロリストに売り払っていると説明する。
どうやらBB団は兵器をばら撒くことが目的のようだ。
理解できないという主人公に、落田は工場の地下で巨大ロボットが作られていることを教える。
「悪の組織のロマンでやんすからね。」と語る落田に、主人公はやっぱり首を傾げるのだった。
テロ組織アルサハクが攻撃を受けているというニュースが流れてきた。
慌てるヘルガとマコンデ。
アルサハクはしあわせ島の武器の売買を仲介していた組織だったのだ。
「心配することないでやんす。」
影のように現れた団長は、こんなこともあろうかと他の販路を用意していた。
さらに団長はダブったガチャガチャを売るためだけに空港を作ると言い出す。
おいらは誰よりもマニアでいけないと言う団長。
以前借りた本の話題で盛り上がった主人公は、その時借りた本を所長室へ返しにきた。
また本への酷評で盛り上がるが主人公が残酷描写が過激すぎるといった途端、
ヘルガの態度が急変。
「地雷でバラバラになった死体を見たことはあるか?
大勢が無抵抗の人間をなぶり殺しにするところは?」
現実に起きていることに比べれば、作り物に過ぎないというヘルガに、
主人公は君は何を見てきたのかと尋ねる。
「紛争地域の平和維持活動だ。
知恵も理性もむき出しの憎悪と狂気の前にはあまりにも無力だ。」
後日、主人公は再びヘルガに会う。
ヘルガは神秘の世界は個人の手の届かないところにしか残っていない、
この島での行為が人類を救うを言い残し、戦艦の視察に行くのだった。
主人公をムチ打ちの刑にして…。
プレイルームでのチンチロリン、野球場での小杉、布具理との野球勝負、
定期的に行なわれる野球テストで主人公はぺラを稼いでいく。
班長に賄賂を渡すことで試合もスタメン出場。
2軍メンバーも1軍と互角の戦いができるようになってきた。
しかし、一方では収容者にストレスが溜まり、班の間で小競り合いが起きるようになってきた。
ヘルガにマコンデは班対抗の運動会を行なうことを進言する。
めずらしくマコンデが健全な提案をしてきたことに驚くヘルガ。
だがマコンデは疑惑の判定を行い、さらに対立を仰ごうとしていた。
あえなく拒否されるが、マコンデは収容者に団結されれば島の管理ができなくなると言う。
「ブルマでやんす!
(バンバン!)
運動会と言えばブルマと相場が決まっているでやんす!」
声高く叫ぶ団長。ヘルガに頼むがやっぱり断られるのだった。
運動会当日、野球によって結束した江川班は次々と競技で勝利。
主人公と小杉の力を借り、娘と電話ができた倉刈も奮起し短距離走で勝利。
他の班に勝利した江川班は大量のペラを得ることができた。
しかし、ヘルガは期待していたキャンプファイヤーやフォークダンスがなくてションボリする。
BB団の武器を買ったテロリストが見境なく通学バスを襲った。
そういうテロリストは貴重だからサービスしようと喜ぶヘルガに、
マコンデは国際世論を敵に回すと反論。
団長にBB団の目的は世界に恐怖と憎しみをばら撒くことだと言われ、引き下がるマコンデ。
団長はマコンデに罪の意識が生まれ始めたことに気付く。
奴には悪として自覚が足りないというヘルガに団長は言う。
「人間始める前は、誰しも覚悟はしているつもりなのでやんす。
ただ現実は常に予想の上を行くのでやんす。」
洞窟の奥で、日本軍最強の爆弾「25番」を発見するバオ。
主人公に相談を持ちかけるが、爆発が避けられないものだと教えられ断念。
バオは今度は古いノートを持ってくる。
主人公が読むと、どうやらこのノートは旧日本海軍の日誌らしい。
日誌にはこの島に生えていた草に高い肉体強化作用があったものの、
日本軍が研究に失敗したこと、日本人にしか効果が現れないこと、
副作用で犠牲者が出たことが書かれていた。
島のからくりに気付く主人公。
さらにバオは昔、島にいた日本軍が飼っていたトカゲが草を食べて大きくなったことと、
しあわせ草に生き物を大きくさせる効果があることを教える。
それを利用して反乱を起こそうとするバオだったが、
生き物は大きくなっても、比較的おとなしいのだった。
考え事をしている主人公の前に、ヘルガが現れた。
主人公はBB団は普通の犯罪組織ではないと考えていた。
普通の悪の組織なんてないと笑うヘルガに、主人公はこの組織には動機があると言う。
明らかに快適ではないしあわせ島で働いているBB団には、確実にそれを裏付ける強い信念があるのだ。
ヘルガは主人公にBB団の目的が人類を救うことであると説明する。
文明や科学の進歩により、人類は危機に直面しているというヘルガ。
核や環境汚染といった問題は滅亡にいたる方法にすぎず、
BB団が問題にしているのは、人類がそうなってしまう動機であった。
病気や飢餓、戦争。これらは問題ではあるが10年、20年前に比べどんどん改善されつつある。
やがて人類を脅かす外的要因はなくなるというヘルガ。
「そして人類は直面することになる、己自信の闇にな。」
戦うべき敵、問題がなくなれば、神秘など存在しないこの世界に
未来への希望がないことに人類は気付いてしまう。
ヘルガはそこにあるのは絶望だけだと言い放つ。
「人類には、憎み、戦い、打ち倒す、
自分達が不幸であることの言い訳となってくれるものが、
敵が必要なのだよ!」
「そのために世界中の犯罪者とテロを援助しているのか?
それは単に不幸な人を増やすだけだ!」
「その苦しみ一つが終わったとき、それ以外の人々がそれ以上の希望を得るさ。
これでしあわせになれる、とな」
悲劇と絶望なくして希望の種を育たんのだ。」
反論できない主人公は、
静かにそれは間違っているとつぶやくのだった。
裏野球大会なる大会の日が近づいてきた。
BB団は世界中の人々が集まるこの大会でデモンストレーションを行なおうとしていたが、
アメリカのチームに勝ってしまうと後々が怖い。
団長は決勝の試合のみ二軍のメンバーを使うことを決定した。
一方ドクターは島の裏側でしあわせ草の高濃度エキスを落としてしまっていた。
立ち去るドクターの背後で、そのエキスをなめる影…。
野球大会決勝に出場することに驚く江川班。
その裏でマコンデは通常の3倍の量の投薬するよう指示する。
そして裏野球大会決勝の日。
相手はメジャーリーガーだらけのバケモノチーム、USスーパーヒーローズだ。
ダメモトで頑張ろうという仲間たちに、ふざけるなという主人公。
主人公は相手であるアメリカがしあわせ島のことを知っていながら黙認していることを
説明しようとしたのだが、仲間は八百長のことと勘違いしてやる気を出す。
激戦の末、何とUSスーパーヒーローズに勝ってしまう二軍チーム。
200ぺラをもらい、意気揚々と島に帰る選手たち。
だが、マコンデが勝手に投薬量を増やしたことをしったヘルガは怒りを滾らせるのだった。
そして100日目。
ヘルガは祝辞を述べ、借金分ペラを貯めたかどうかを聞いてくる。
少し不足があったものの、ヘルガはブラッドバタフライ一軍の契約金として残りを補い日本に帰してくれるという。
主人公はしばらく黙った後に口を開いた。
「ひょっとして、日本に帰ってきても長生きできないんじゃないか?
しあわせ草なしだと。」
「いかにもそのとおりだ。しあわせ草は人体の肉体能力を強化する効果がある。
しかし、強い習慣性があって、いったん中毒になれば…」
「それをこの島の食事や、飲み水に混ぜていただろう!」
俺たちをみんな中毒をするために。この島は人体実験が目的なんだ!」
怒る主人公に島のことを黙っていればしあわせ草を届けさせると言うヘルガ。
強化された身体なら、スポーツ界で活躍できることは間違いない。
ヘルガは船が来るまでの時間を主人公に与えるのだった。
悩む主人公は島民に相談することを選んだ。
25番を使おうとするバオ。落田と話し合った結果、
管理所を爆破することが決まったが、輸送手段がない。
バオは以前話した巨大化したトカゲ、としおくんを使うことを提案する。
としおくんの下へと向かう主人公たち。
そこで見たとしおくんの姿はまるで怪獣。
これでコケしか食べないで大人しいなんて信じられないという落田。
しかし、としおくんの口からは人の足がはみ出ていた!
一目散に逃げだす3人。
(グギャァアアアアアン)
島の施設という施設を破壊しつくし、とうとう基地まで来てしまったとしお君。
島民、兵士、収容者が入り乱れて逃げまとい、大混乱に陥るしあわせ島。
「戦う………アレとか?
フフフ…あれと戦う?
アハハハハハ!」
おかしくなったように笑いながら兵器工場へ向かうヘルガ。
主人公も落田を置き、兵器工場へと走る!
工場の中で巨大ロボットを見つける主人公。
だが動かし方がわからない。
そこに駆けつけたヘルガは、パスワードがないと動かないことを教え、
怪獣をやっつけようとする主人公を一喝する。
「われらは、この地球に残された数少ない神秘に遭遇したのだ!
その意味に比べれば、人間の命などとるに足らんよ。」
「…そういう考え方だから、こんな組織を作ってしまうんだよ。」
「なんだと?」
「いいかよく聞くんだ!
この世界は、あと百年も経っても解明できない謎と神秘に満ちている。
人類は行き詰ってなどいない。
キミが、行き詰っていると思い込んでるだけなんだ。」
「こ、この・・・見てきたようなことを!」
その時、工場にとしお君が突入してきた!
天井が崩れ、その下敷きになるヘルガ。
ヘルガはパスワード「ラムセス」を教え、全てを主人公に託す。
操縦席に乗り、システムを起動させる主人公。
せり上がる操縦席とロボの顔面が交互に映る。
そして操縦席が頭部に着いた時、ガンダーロボの眼に火が点いた!
起動するガンダーロボ。
あまりにあっさりした操縦方法にびっくりしながら、主人公はとしお君を押し返す。
ガンダーロボを見て驚くマコンデ。
「アレが動いている…どこのバカだ!
基本兵装でバッテリーが3分しか持たんのだぞ!!」
距離を取る一匹と一機。
南海の大決戦。としお君対ガンダーロボ。
戦いのゴングが鳴った!
蛙とカブトムシとムカデが合体したような姿をしているとしお君は、様々な部分でガンダーロボに襲い掛かる。
一方ガンダーロボは時間だけでなく、ダメージを受けるたびにバッテリー残量が減っていく。
タマゴをバルカンで撃ち落し、体当たりをヒートソードで弾き返すガンダーロボ。
敵の隙を力づくで作り出し、最大の威力を誇る必殺のロケットパンチをぶち当てる!
戦いが進むに連れ、攻撃の手が激しくなる両者。
徐々に追い詰められていき体色が黄、赤へと変わるとしおくん。
ここぞとばかりに攻め立てる主人公。
激しい決戦を制し、最後に立っていたのは主人公の操るガンダーロボだった!
そのままガンダーロボによって収容者とBB団の兵士たちの立場は逆転。
収容者と島民が島を占拠した。
「オイラもあれとやりあうのは勘弁したいでやんすね。」
団長もデータを持ち、しあわせ島を脱出した。
事件から3ヵ月後、主人公は閉じ込められているヘルガと対面した。
島の収容者達が快方に向かっていることと、
自分の任務が終わったため、2度と会えないことを伝える主人公。
「それで、以前あの島で話したときに言ってなかったことを、
言っておこうと思ってね。
人類はまだまだ滅んだりしないよ。
ずっと、ずうっと長く続くんだ。」
去ろうとする主人公をヘルガは引き止める。
「最初に貸した本を覚えているか?
私はあの話が嫌いだ。
死んだヒロインがあっさりと結末でよみがえるからな。
死は絶対だ。
安易に打ち消されるようなものであってはならない。
そう思うんだ。」
処刑を免れる方法はないのか尋ねる主人公に、
ヘルガは誰かが責任を取らなければならないと答える。
主人公に死ぬことへの恐怖を語るヘルガ。
だが、その恐怖を楽しんでいるともいい、主人公に別れを告げるのだった。
落田を和桐に来ないかと誘う主人公。
落田は気が早いと笑いながらも、その誘いを受けるのだった。
「そこでオイラはなにをすればいいでやんすか?」
「未来を作るんだ。自分達の手で明るい未来をね。」
魔女とののしられながら、一方的に銃殺されるヘルガ。
島を離れた後、BB団を再結成し、演説を行う団長。
としおくんはB級映画として出たものの、すぐにブームが廃れてしまった。
だが主人公が倒したはずの死体はいつの間にか消えてしまっていた…。
それぞれの生活に戻るしあわせ島の仲間達。
そして日本に帰った主人公と落田は昔の仲間を集めて、
和桐製作所を再生。
長い歴史修正の任務を終わらせるのだった。
vs団長ルート
悩んだ末、主人公は仲間達と反乱を起こすことを決心する。
みんなにしあわせ島の真相を話す主人公。
島から逃げ出しただけでは中毒は治らない。主人公はBB団を倒す作戦をみんなに説明した。
夜明け前にドクターを襲い、しあわせ草のエキスを手に入れる主人公達。
それを使ってパワーアップした主人公達は、
次々と収容者を解放してはしあわせ草によるドーピングを行い、施設を占拠していく。
反撃を行おうとする兵士達。
だが、信じられないくらい力が強く、素早い動きで銃弾を避ける収容者達の前にはまるで歯が立たない。
ついに収容者達は所長室まで迫った。
銃弾を避け兵士をボコボコにする落田。主人公はマコンデを捕まえる。
「我々の開発したしあわせ草の威力を身を持って知ることになるとはな。」
逃げるヘルガ。地下へと続く階段を発見し、それを追いかける主人公と落田。
追い詰められたヘルガは、海から砲船が来ればこちらの勝ちだと笑う。
主人公がヘルガを捕らえようとしたその時、BB団の団長が現われた!
落田と瓜二つな姿に驚く二人。
団長は名乗りを上げる。
「オイラこそがブラッドバタフライの団長、メカ亀田でやんす!」
「・・・・」
「誰だよ、その亀田って。」
いきなり知らない奴の「メカ」が出てきてもなあ。」
「本物より先にニセモノが出てきても意味がないでやんす。」
本物を越える存在であると怒るメカ亀田だったが、本物を知らない主人公と落田には比較のしようがない。
その隙に不意打ちを食らわせる落田だったが、電磁バリアーに攻撃を防がれ返り討ちにあってしまった。
メカ亀田は主人公へと迫る!
「しあわせ草でパワーアップしたところで
しょせん人間などタンパク質とカルシウムのかたまりでやんす。
チタンとスチールで出来ているオイラに勝つことなど…
絶対に不可能なのでやんす!」
「そんなことやってみなくちゃわからないだろう!」
「この程度の予測も不可能とは・・・
やはり馬鹿な人間は皆殺しでやんす!」
主人公とメカ亀田、しあわせ島を巡る戦いが始まった!
クロー、そしてミサイルで主人公を追い詰めるメカ亀田。
対する主人公のバットは全く相手に届かない。
しかし、敵のエネルギーボールが跳ね返せることに気づいた主人公は一気に反撃に転じた!
主人公は敵の攻撃をかわし、エネルギーボールをぶつけてダメージを与えていく。
何とかメカ亀田に勝利する主人公。
塗装がはがれ、鉄のボディが露出するメカ亀田。
主人公はメカ亀田がサイボーグではなく、ロボットであることに気づく。
逃げるメカ亀田を追いかけた先にあったのは、
大量のグッズが玩具倉庫のように敷き詰められている部屋だった。
置き方に愛がないと驚く落田に、メカ亀田は愛などシラヌと答える。
メカ亀田は自分の境遇を語りだした。
組織、プロペラ団を裏切った男、亀田。
その亀田を捕らえ、嫌がらせをするために
メカ亀田は彼の思考、行動パターンを完璧にトレースして作られたのだった。
「ワタシはカメダが憎い。
作ったヤツラがニクイ。
勝手に作っておいて「こんなバカなものはイラナイ」と
捨てたヤツもニクイ。
だから。復じゅのため(ガガ)
ワタシをワタシガ(ザザッ)
時間をかけて改造してきたのだ。」
驚く主人公と落田。
世の中を恨んだメカ亀田は、復讐の手段としてBB団を結成。
さらにあらゆる点でオリジナルとりも優れようとしたメカ亀田は、
マニアにおいても亀田を越える、最強のマニアになることが存在理由になっていたのだ。
「そんなことをしてもそんなことをしても、お前はニセモノのままじゃないか!」
「モウジキ・・・ハツバイビ・・・」
メカ亀田は爆発した。
3ヵ月後、ヘルガと再開する主人公。
ヘルガは今でもBB団の正義を信じていた。
人は辛いことをすぐに忘れる。
しあわせ草の残したデータによる功績だけが残り、必ず後世の人間の役に立つ。
自分達の行ったことが肯定される日が来るというヘルガ。
しあわせ島にいたドクターの名を聞く主人公。
ジーラージェンキンス。
彼は主人公のいた未来でも、法則として名を残す偉人であった。
主人公は複雑な思いを抱きつつ、
和桐を再生させることを決意するのだった。
要望があったので、キラーズに買った後と
真犯人を捕まえるルートも書きました。
鈴音ルート
うんこだらけの道を爆走したり、ゴキブリとシューティングしたりする主人公。
(本当にそういうミニゲームがある。)
ある日、突然無人の車が和桐目掛けて突っ込んできた!
主人公の活躍で工場は何とか窮地を脱する。
さらに爆破テロ、山田を洗脳しての破壊工作をしかけられるが、
主人公の手により全て防がれる。
主人公は身を守る武器を作ることを考えはじめる。
和桐に勤め始めて3ヶ月くらいが経ったある日、
主人公は町で和服姿の女の子が困っているのを見かける。
主人公が肩に手を置くと、物凄い声を出されて、
二人のボディーガードにボコボコにされてしまった。
その後、鈴音からデートの誘いを受ける主人公。
箱入り娘として育った鈴音には外の全てが新鮮。
主人公は鈴音に携帯を渡し、二人は付き合いはじめる。
しかし、主人公は鈴音が木岡社長の娘であることを知る。
ボディーガードのイチとサブに拉致され、木岡の下まで連れてこられる主人公。
ヤクザの跡取りをきめる一人娘の鈴音を簡単には渡せない。
主人公にあきらめるように促したあと、家へ帰すのだった。
それにも関わらず主人公は鈴音に電話をかける。
驚く鈴音。鈴音はプロで野球をするにせよ、
バッテリー工場に勤めるにせよ、自分はマイナスにしかならないと主人公から身を引こうとする。
そんな鈴音を説得する主人公。
だが、いずれ未来に帰らなければならない主人公は、
鈴音を苦しめているだけなのではないかと悩むのだった。
木岡の独断で鈴音は木岡の腹心、菊野と結婚することが決まる。
木岡を問い詰める鈴音。
「お前はずっと外の世界と離して、オレが守って育ててきた。
だから誤解してんだろうが、世の中にゃ物語みたいな愛なんてない。
あるのは・・・欲望と打算だけだ。」
木岡は主人公の履歴が全て嘘であることを告げ、
何か思惑があって近づいたことを教える。
泣き崩れる鈴音。
しかし、鈴音は主人公を木岡の目の前に連れてきて添い遂げることを約束。
木岡は一旦引いたように見せながら、
誕生日の日、鈴音との待ち合わせに行った主人公を拉致する。
鈴音の母の話をした後、主人公に正体を告げるように迫る木岡。
主人公は素直に自分の正体がタイムパトロールであることを告げるが
全く信じてもらえない。
主人公を殺そうとする木岡だったが、寸前で鈴音に止められるのだった。
鈴音からプレゼントをもらう主人公。
大帝国キラーズに勝ち、塗装機会の売れ行きも順調。
本来がつぶれていた日も存続している和桐に
主人公は歴史の修正が終わったことを確認する。
このままいけば修正した歴史が定着するが、それを犯罪者が見逃すはずがない。
主人公は犯人との対決を予感する。
和桐に突然裏野球大会への招待状が届いた。
怪しげな大会だが、優勝すれば、「よくわからないが凄い宝」がもらえるらしい。
とりあえず出場することになるバブルスの面々。
ドーピングで肉体強化を行う老人軍団、光圀インローズ。
プロペラ団大会優勝の実績を持つ火星オクトパスを下す和桐バブルス。
どうやら優勝商品はプロペラ団の遺産らしい。
莫大な資金が手に入るという噂を聞き、興奮する主人公。
しあわせ島のチーム、ブラッドバタフライ一軍、ボンド率いるスパイ軍団、ブリティッシュピンキーズを倒した
和桐バブルス最後の相手は、アメリカ大統領率いるUSスーパーヒーローズだ。
どんな大会でもアメリカが負けることは許されないと、国家っぽい音楽と共に語る大統領は、
アメリカの全技術を注ぎ、このチームを作り上げたのだと語る。
スーパースターズのメンバーはスーパーやエックスなど偽名を使っているが、全てメジャーリーグのスター選手。
っていうかチーム全員パワーA以上でパワーヒッター持ち、
エースピッチャーは球速165kmでスタミナ250、おまけに他のピッチャーも
5つ変化球持ってたり、超特殊能力保持者がゴロゴロいるという、
考えた奴狂っているんじゃないかってくらい強い、
全パワポケパワプロの中でもかなり上位になるであろう凶悪な殺人チームだ。
(パワプロよくわからない人に説明すると、
松井よりかっ飛ばす奴が8人、松坂より凄いのが10人いるチームと思って。)
正攻法じゃまずかなわないが、3盗したりして頑張って優勝するバブルス。
大会の優勝商品はモザイクがかかってうねうねするもの(大人の玩具?)だった。
苦労した後に得たものが、本当に「よくわからないもの」だったというオチに
愕然とする主人公とプレイヤー。
大会も終わり、未来まで眠れる冷凍睡眠装置が送られてくる日が近づいてきた。
犯人を考える主人公。
主人公は鈴音を公園に呼び出す。
主人公は鈴音にどうして工場のことをバッテリー工場と呼んだのかを問う。
だが、鈴音が答えようとした瞬間、銃弾が放たれた!
とっさに鈴音をかばい、弾をかわす主人公。
鈴音を置き、主人公は時空犯罪者と対決する!
主人公の目の前に現われる、ボディーガードのイチ。
何故鈴音を疑わなかったのか問うイチに、
主人公は病的なまでに慎重だった奴が、こんな目立つ立場にいるはずがないと答える。
違う時代の人間だからどうしてもボロがでるが、鈴音の印象が強すぎて、ボディガードのことは誰も気に留めない、
おまけに反社会的なヤクザには歴史を変える手段はは山ほどある。
時空犯罪者としてはこれ以上ないポジションだったのだ。
「お話の時間はこれで終わりだ。
これでもくらえ!」
(パン)
「おまえがな」
主人公は銃弾を避け、その刹那後ろのサブに光線銃を放った!
鈴音の護衛は本来イチ一人だった。
しかし、サブは洗脳装置を使いもう一人の護衛に成りすましていたのだ。
洗脳が解けるイチ。
主人公は鈴音に全てを打ち明ける。
静かに怒る鈴音。
任務が終われば主人公は人工冬眠し、未来の世界へ帰るのだ。
もてあそばれたという言葉に驚く主人公。
「ええ、わかっています。あなたが悪い人ではないことが。
ですが・・・ともに最後まで同じ時間を過ごしていたかった。
さようなら。
本当にあなたのことが好きでした。」
和桐製作所をやめることを社長に伝える主人公。
工場のみんなは主人公のために送別会を開く。
主人公のことを忘れないでやんすと叫ぶ山田。
しかし、他のみんなはどうせすぐ帰ってくるだろうと淡白な反応。
だらだらと別れる仲間達。
これでいいのだろうかと悩む主人公。
だが彼は犯人と共に未来へ帰ることを選択した。
夜空を見上げ、主人公の顔を思い出す仲間達。
「あの人達が大昔に死んでしまっているなんて
どうしても信じられない。
不便で暴力的な時代だったけど、
もしもう一度みんなに会えるのなら、俺はなんでもするだろう。
・・・とても悲しいが、これがタイムパトロールの宿命だ。」
「こうして月を見るたび、あの方のことを思い出します。
・・・あの最後の日、どうしてもっとやさしい言葉をかけられなかったのか、
一生後悔して生きていくのですね。
・・・鈴音は強い女です。
決してあなたのことは忘れません。
そして、鈴音は弱い女です。
あなたのことは忘れられません。」
パワプロクンポケット6 完
6はこれでおしまいです。
予約はしないけど、気まぐれで他のシリーズを書いたりするかもしれません。
書き込みに何度も失敗して、名前欄が名無しになっちゃいました。
すいません。
あとvsとしおくんはまんまゴエモンインパクト戦。
スタッフの中にゴエモンのスタッフがいるらしい。
パワポケ6の人、乙です
話だけ見てると、野球の要素の部分が取ってつけたように思えるから怖い
うん、このスレ「ストーリーを教えて」だからストーリーだけ説明されてるし、
そういう風に思えがちだよね……。
パワポケ6はミニゲームがすごくおもしろいんだよね
野球関係ないけど・・・・
242 :
221:2006/09/18(月) 00:41:50 ID:L5BrYmmN0
>>223 即レス超感謝です。
lain関係でゲームの内容は知らなかったので助かりました。
>>224 こういうのが流行ってた頃があったんですよ、と。
243 :
SIREN2:2006/09/18(月) 02:05:33 ID://aGHVnB0
砲台跡で大の字になって寝転び、三沢は空を見上げていた。空にはもうひとつの夜見島があった。
「・・・あっち側は遠いなぁ・・・」そう呟く三沢。
その時、突然少女の叫び声が聞こえてきた。
すぐ近くで市子が闇人に襲われていたのだ。その叫び声を聞き、薄ら笑いを浮かべて武器を構える三沢。
市子は三沢に助けられ、無事に砲台跡から脱出する。そして三沢も市子の後を追うのだった・・・。
蒼ノ久集落に来た永井は少女の嗚咽と男の声を聞いた。
「あの女より生臭い。お前は何なんだ」そういい市子に銃を向ける三沢。
「わかんない・・わかんない・・・!!」そういい泣き叫ぶ市子。
「やめろーッ!!」そう叫び咄嗟に銃を構える永井。しかしその弾みで銃が暴発し、三沢を打ち抜いてしまう。
よろよろと永井の方に向き直る三沢。
「・・・・やるじゃない」そして永井に抱きかかり、最期の言葉を残すのだった。
「俺は先に目覚めちゃうけど・・・・・悪いな」
最後まで三沢の真意を理解できず、目の前の事実に呆然とする永井。
永井は市子を連れ、その場から逃げるのだった。
>>223 きもい
でもこういうのも嫌いじゃない
>>パワポケ6
乙です!
しかし、なんかヘルガが救われないなぁ・・・
パワポケ1でもスパイの女と幸せになるルートあったらしいからヘルガと
幸せになるルートがあってもよかったのに。
未来に帰るのやめて鈴音と添い遂げるルートとかもあればよかった。
ホラーゲームならきもいとかこわいとかは誉め言葉っすよ
>>244 未来に帰るかどうかは自分で選べるから鈴音と添い遂げるルートもあるよ
サイコホラーなんだから異常・理解不能という言葉は誉め言葉である。
ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド4はスレに書き込まれたことがありましたっけ?
Wikiにあったのですが、Janeの過去ログ検索には無反応でした。
>>249 直接wikiに書いてくれてるみたいですよ。
他には、ナムコ×カプコンも直接書き込んでくれているみたい。
PSPの『ブレイドダンサー 千年の約束』と
携帯アプリの『風ノ名前』を教えてください。
よろしくお願いします。
PCゲームの「人形の傷跡」のストーリーを教えてください
新牧場物語、投下します。
とりあえず、今回は登場人物とオープニングまで行きます。
登場人物
ラグナ(主人公):記憶喪失で、カルディアの町に辿り着いたところをミストに助けられる。
行く当ても無かったところを、ミストの勧めでこの町で牧場を開くことになる。
ヒロイン
ミスト:ラグナを助けた少女で、ラグナに空き家と牧場を貸してくれる。
天然が入った博識家で、ラグナに色々と助言をしてくれる。カブ好き。
タバサ:町一番の富豪、ジャコリヌス宅でメイドとして働いている。田舎出身のせいか
ビアンカにセンスがおかしいと言われている。
シャロン:この町に滞在している洞窟マニアで、この町に伝わるグリモア伝説を調べている。
神秘的な女性だが、町で親しい友人はメロディだけ。
ロゼッタ:雑貨屋マテリアルの娘で、ラグナが収穫した作物などを回収に来る。
頼りない父親とは逆にきびきびと店の手伝いをしている。
ミストとは幼馴染で、少々ミストをライバル視している。
フィル:カルディアの町長ゴドウィンの娘で、ノイマンの牧場の手伝いをしている。
1年ほど前から原因不明の病気を患っている。
トルテ:宿屋を経営しているアンの娘で、本好きの内向的な性格をしている。
夢見がちなところがあり、いつか王子様が現れると信じている。ザッハという兄がいる。
メロディ:温泉ギガントのゆを経営している少女。天涯孤独の身で同じような境遇のラグナを
心配している。なぜか魔法少女のような格好をしている。
ビアンカ:町一番の富豪、ジャコリヌスの一人娘。わがまま娘で、寂しがり屋。
話し相手も少なく、タバサにそのことを心配されている。尚、1日2食。
ラピス:カルディア教会のホワイト神父の娘で、エド医院でナースをしている。
めい(冥):宿屋に滞在しているくのいちで、誰とも親しくせずに過ごしている。
尚、ラグナより年上らしいが、その風貌は幼女にしか見えない。
他の登場人物
ゴドウィン:カルディアの町の町長。ラグナに洞窟への許可証を発行してくれる。
フィルの父親。
ジャコリヌス:町一番の富豪で、都会からこの町に引越ししてきた。ビアンカの父親。
食べることが何より好きで1日7食。この町で行われる多くのイベントの主催者。
レオ:この町で鍛冶屋をしており、ドワーフの師匠とある約束をしている。雨の日は働かない。
ジェフ:雑貨屋マテリアルの主人で頼りなそうに見える。
ラグナに作物の種を売ってくれたり、収穫物を出荷してくれたりしてくれる。
エド:この町で病院を開いている。かつてゼークス帝国に住んでいた。カミュの父親。
ホワイト:教会の神父で、ラピスの父親。この町で行われる結婚式はすべてこの教会で行われている。
セバスチャン:酒場スプリングラビットの主人。酒場なのに、料理の材料を売っている。
ノイマン:牧場を経営している。なぜか家の増築を請け負っている。
酒豪。雨の日には働かない人、第2弾。
カミュ:牧場を経営している。都会に夢見る青年でそのことで父親と口論することがある。
家畜を収容する小屋を建ててくれる。メロディに気がある。
ラッセル:カルディア図書館を経営している青年で、セシリアの父親代わり。
以前は傭兵で、そのときに戦災孤児だったセシリアを引き取り、長年の夢だった図書館を
開いた。
リュード:宿屋に滞在している吟遊詩人でプレイボーイ。ロゼッタに気がある。
尚、ストーリにも絡まない、アイテムをくれるでもなし、影が薄い。
ザッハ:アンの息子で、トルテの兄。シーフを目指して洞窟に篭もっている。ミストに気がある。
ニコル:サラの息子で、セシリアの遊び相手。父親が死んだわけでもないのにいないことを気にしている。
アン:宿屋レディ・アンを経営している未亡人。ザッハとトルテの母親。
サラ:海の家を経営している女主人。ニコルの母親。この町一番の酒豪を自負している。
セシリア:ハーフエルフの少女。ラッセルのことを本当の父親と思っている。
趣味は落し物を拾ったり、洞窟での鉱石集め。
イヴァン:祝日のみ来る行商人で包丁からダブルベッドまで売りに来る。剣には少々の自信がある
他説明
カルディアの町:ノーラッド王国とゼークス帝国の国境付近にある町で、ノーラッド王国領。
ゲーム開始時点で1組も夫婦がいない。
ノーラッド王国:ゼークス帝国に抵抗している数少ない国。強力な軍隊も持ってないが、
帝国の侵略を免れている。
ゼークス帝国:高度に発達したキカイ力をもって、世界のほとんどを支配している。
グリモア伝説:カルディアの町に伝わる伝説。神の使い、神そのものとも言われているが、
実態は明らかになっていない。その力を手にすれば、国一つ滅ぼせるらしい。
ギガント山に住んでいる、ドラゴンかもしれないというのが有力説。
1000年に一度生まれるという話もある。
神竜ネイティブドラゴン:地幻竜プロテグリード
水幻竜アクナビート、
火幻竜フレクザィード、
風幻竜セルザウィードの4匹。
伝説上の生き物だが、それに近い物の目撃情報がある。
カルディアの町外れのミストの家の前に一人青年が現れる。
水と食べ物を要求する彼に、ミストはクワとじょうろを渡すが、
流石に青年に「それはちょっと・・・」と言われ、普通の水とパンを渡す。
「なぜ、こんな状況に?」と尋ねると、
青年は、自分の名前、なぜここにいるのかも分からないと言う。
名前がないと不便なので、自分の名前を「ラグナ(デフォルト名)」という名前に決め、
お金も持ってなかった青年は、助けてもらったミストからの、
「自分が所有する空き家と畑を貸すから、記憶を取り戻すまでこの町で働いては?」
という誘われる。とりあえずミストと自分が住む家と畑の所へ向かう。
そこに突然モンスターが召喚され、ミストに襲い掛かってくる。
さっきもらったクワでなんとかモンスターを倒すことに成功するが、
モンスターを殺したことにショックを受けるラグナだが、ミストから、
「タミタヤの魔法」がかかっている武具や農具でモンスターを倒すと、
モンスターは本来いる場所「はじまりの森」に戻るらしい。
それを聞いて、ほっとするラグナ。しかし、ミストは、
こんな町の近くで、モンスターが現れたことはなかったと言う。
農作物を作ったり、モンスターを召喚したり、共に暮らす「アースマイト」、
その資質がラグナにあるのかもしれないと言うミスト。
先ほどのクワの使いぶりを見て、以前は農作物を作っていたのかもしれないし、
野菜などを育てていれば、記憶が戻るかもしれないと言われ、
お金もないし、どこに行けばいいかも分からないラグナはミストの提案を受け入れる。
こうして、ラグナのアースマイトとしての生活が始まるのであった。
最後のレスを訂正。
カルディアの町外れのミストの家の前に一人青年が現れる。
水と食べ物を要求する彼に、ミストはクワとじょうろを渡すが、
流石に青年に「それはちょっと・・・」と言われ、普通の水とパンを渡す。
「なぜ、こんな状況に?」と尋ねると、
青年は、自分の名前、なぜここにいるのかも分からないと言う。
名前がないと不便なので、自分の名前を「ラグナ(デフォルト名)」という名前に決め、
お金も持ってなかった青年は、助けてもらったミストから、
「自分が所有する空き家と畑を貸すから、記憶を取り戻すまでこの町で働いては?」
と誘われる。とりあえずミストと自分が住む家と畑の所へ向かう。
そこに突然モンスターが召喚され、ミストに襲い掛かってくる。
さっきもらったクワでなんとかモンスターを倒すことに成功するが、
モンスターを殺したことにショックを受けるラグナだが、ミストから、
「タミタヤの魔法」がかかっている武具や農具でモンスターを倒すと、
モンスターは本来いる場所「はじまりの森」に戻るらしいと言われ、、ほっとするラグナ。しかし、ミストは、
こんな町の近くで、モンスターが現れたことはなかったと言う。
農作物を作ったり、モンスターを召喚したり、共に暮らす「アースマイト」、
その資質がラグナにあるのかもしれないと言うミスト。
先ほどのクワの使いぶりを見て、以前は農作物を作っていたのかもしれないし、
野菜などを育てていれば、記憶が戻るかもと言われ、
お金もないし、どこに行けばいいかも分からないラグナはミストの提案を受け入れる。
こうして、ラグナのアースマイトとしての生活が始まるのであった。
DQ1、2、3を簡単にまとめました。
有名過ぎて知らない人もいないと思うけど一応
(DQ1)
舞台はアレフガルドという大陸。
大陸を治めるラダトーム城の王ラルス16世の娘ローラ姫が
世界征服をもくろむ竜王にさらわれてしまった。
さらに、かつて大魔王を倒し世界を救ったという伝説の勇者ロトの遺した
「光の玉」まで奪われてしまう。
勇者ロトの末裔である主人公はラルス王の命を受けてローラ救出と竜王征伐の旅にでる。
主人公はかつて勇者ロトが遺した武器防具を集めながら旅を続け、捕われた姫を救出して
竜王を倒し、光の玉を取り返した。
ラルス王は主人公にラダトームの王位を授けたいと申し出るが、主人公は
「もし自分が治める国があるなら、自分で探したい」と言ってこれを辞退。
同伴を申し出たローラ姫を伴い、新たな大陸へ旅立った。
260 :
DQ2:2006/09/19(火) 01:55:59 ID:fhq1uUd70
(DQ2)
1主人公とローラ姫は新たな大陸に国を築き、
後に国を3つに分けて自らの子供たちにそれぞれ治めさせた。
それから百数十年後、ロトの王国のひとつムーンブルグの城を魔物が襲撃し、
国王を始め住民は全滅してしまう。
魔物の首領は大神官ハーゴン。彼は世界征服をのために破壊神の復活を企んでいた。
かろうじて生き延びたムーンブルグの伝令は兄弟国ローレシアに異常事態を伝え、
父王の命を受けてローレシアの王子がハーゴン征伐に旅立つ。
ローレシアの王子はもうひとつの兄弟国であるサマルトリアの王子、
そして犬に姿を変えられて生き延びていたムーンブルグの王女を仲間に加えて旅を続け、
3人のロトの末裔は力を合わせてハーゴンを倒す。
さらにハーゴンが今際に召喚した破壊神シドーも倒して、世界に再び平和が訪れた。
3人はローレシアに凱旋し、ローレシア王子は父王から王位を譲られた。
261 :
DQ3:2006/09/19(火) 02:00:55 ID:fhq1uUd70
(DQ3)
主人公は、世界を脅かす魔王バラモスとの戦いで行方知れずになった勇者オルテガの息子。
主人公は16歳の誕生日にアリアハン王に呼び出され、父の後を継いで
魔王討伐の旅に出ることになる。
ルイーダの酒場で冒険の仲間を得た主人公はオルテガの足跡を追って旅を続け、
伝説の不死鳥ラーミアの力を借りて魔王バラモスの城へたどり着き、
ついにバラモスを倒す。
しかしバラモスは大魔王ゾーマのしもべのひとりにすぎなかった。
バラモスが滅びた後に大地に空いた不思議な大穴から落ちると、
そこはゾーマによって光を奪われたアレフガルドという闇の世界であった。
主人公はゾーマによって捕われていた創世神・精霊ルビスを解放し、ゾーマの居城へ赴く。
主人公はゾーマの城で、行方不明だった父、オルテガと再会。
オルテガはバラモスとの戦闘中にアレフガルドへ落ちていたのだった。
しかしオルテガはゾーマのしもべと相打ちになり命を落とす。
主人公は父の仇を討つため、世界に光を取り戻すため、
竜の女王から授かった「光の玉」を用いてゾーマを倒す。
ゾーマが倒されたことでアレフガルドに光が戻り平和が訪れた。
しかし故郷の世界とアレフガルドをつないでいた空の穴は塞がってしまい、
主人公たちは故郷へ帰れなくなってしまう。
主人公はラダトーム王ラルス1世から勇者「ロト」の称号を授けられ人々から称えられる。
しかし勇者ロトとその仲間を称える祝宴の最中、勇者ロトはこつ然と姿を消し、
以後その姿を見た者はいないという。
この数百年後にDQ1の物語が始まる。
以上です。。
新牧場とDQ乙です。
じ…自分の知ってる牧場と違うっ…!
職人さん達モツカレー
最近一度に複数頼む人が多いから追いつかないね…
とりあえず自分もゲームのストーリーメモっとくようにする。
用語説明、登場人物紹介いきます。
<天使>
「慟哭の555日戦争」に勝利し、地上の覇権を握る。
白い二枚の羽根を持つ者以外は、<規格外>と呼ばれ蔑視される。
その裏で天使の先祖返りと思われる、エンブリオンという白い化け物の存在を隠し続けている。
十審将と呼ばれる力のある天使を頂点に、ヒトと「プロデヴォン教団」を組織している。
<悪魔>
「慟哭の555日戦争」に敗北後、いずこへと身を隠す。
その凶暴性と、理性をなくしヒトの血と髄をすする「渇き」という病のため忌み嫌われている。
<ヒト>
羽根を持たない、力の弱い種族。
まれに「インセスト」という様々な想いを感じとる力を持つ者が存在し、なぜか教団に集められている。
<慟哭の555日戦争>の経緯
遥か昔、天使と悪魔が手を組んで、「倒立樹計画」を打ち立てた。
その計画はインセストを必要とし、最初のインセストであるグレイヘンが利用されることとなった。
グレイヘンの夫であった天使メフィストは異形化し、たびたび計画の邪魔をした。
「白い悪魔」による邪魔のせいで天使と悪魔は苛立ち、その感情が戦争の火種になった。
<ペインリング>
人間の本質部分・意志である「核神」を収める魂の器。
ゲームシステムのミソでもあり、いろいろな力を秘めている。
<世界樹>
大地を支えるのみならず強いエネルギーを持つ巨大な木で、世界の数ヶ所に生息している。
<登場人物>
カイン:主人公であるヒト。ヨハネに拾われるまでの記憶がない。破滅的な夢に悩まされている。
マティア:カインと暮らしている。グレイヘンの再来と言われるほど強い力を持つインセスト。
ヨハネ:カインとマティアの保護者。灰色の羽根と仮面をつけた天使。メフィストの友人。
アラギ:インセストを探す悪魔。禁じられたペインリングを持ち出したため、幼馴染であるルカとザイオンに追われている。
ルカ:悪魔その2。「渇き」に冒されつつあることは、ザイオン以外の仲間には知られていない。
ザイオン:悪魔その3。ルカが好き。
エクサル:反教会組織「サイファーパンク」の一員。
そのリーダーであり命の恩人でもある悪魔・ヴァルトスを尊敬しており、彼から預かった小刀を大事にしている。
ステイエン:僧兵。インセストである弟のために教団で働いている。
クレイス:ステイエンの上司。ヒトの身でありながらその力は強く、悪魔討伐隊を指揮する。
ベイル:六枚の羽を持つ十審将の一人。
カルディア:ベイルに使えている。ステイエンの姉。
シリア:四翼の天使。ベイルの妹であるが、インセストを犠牲とする実験に耐えられず離反中。
リリス:シリアを姉と慕うインセスト。教団に囚われている。
10章+6種のエンディングをまとめる予定です。
まとめやすくするために情報を前後させるところがあります。
DQ乙だけど要約スレ向きだったかも
と言うか昔のゲームは最終目的の途中に有るのが
お使いを長引かせる為のお使いだから○○へ行き○○を倒す、もしくは取ってくるの繰り返しで
今みたいに目的地に着いたらイベント発生して会話が有って進行とかじゃないから
ストーリーを分かりやすくしっかりと書くと文章量が減るってだけだな
無理やり伸ばすなら
アリアハンから次の大陸の行く為に途中の壁を壊す魔法の玉が必要でした
その玉を取る為には盗賊の鍵が必要だったので取りに行きました
無事に鍵を手に入れ魔法の玉も手に入れた
勇者は魔法の玉を使い壁を壊しロマリアへ向かいました
ロマリアでは王様がカンダタと言う盗賊に金の冠を盗まれ
困っていましたから取り返しました(無視してもゲームは進む)
一大イベントのラーミア復活のオーブ集めからバラモス打倒にしても
ジパングで洞窟でヤマタノオロチを倒したら
その正体は女王でしたが今度は完全ぶち殺してパープルオーブをゲットしました
レッドオーブは海賊のアジトの隠し部屋からかっぱらいました
グリーンオーブはバラモスに滅ぼされ夜だけしか生きれない村の住民の一人から貰いました
イエローオーブは村を発展させたいと言う老人に商人預けたら
村は発展したが調子に乗りすぎた商人は疎まれ牢にぶちこまれましたが
商人が隠しておいたイエローオーブの場所を教えてくれたんで持って行きました
ブルーオーブはランシールのダンジョンに安置されていましたが管理人が
一人で取って来いと言うので仕方なく一人で取ってきました
シルバーオーブが有るネクロゴントに行く為にガイアの剣が必要でしたが
それを手に入れる為に愛の思い出が必要でしたからそれを取りに幽霊船に行く羽目になりました
要約そろった6つのオーブでラーミア復活させバラモス城に飛んで行きバラモス葬ったら
ゾーマって奴が出てきました
こんな風に伸ばしても読みにくいし面白くないだろ
かと言って過程のお使い部分を主観であれこれ脚色して語っても問題が有る
>と言うか
まで読んだ
つかアンタ説明のためにどんだけ書いてんだよw
>>267 乙ww
何気に読んで面白いことに気づく。
そしてそろそろ
かっまいったち!
かっまいったち!
せかすのは控えとけー
あれだけの長文まとめるのけっこう骨だぞ。
ごめん
>>267 「勇者よ、なにゆえもがき生きるのか?」
とか書いてあったら読んでて燃えるじゃん
長いものを書く人はそういう読み物としての脚色をしてる
俺は短い方が好きだがな
>>272 かまいたち人気に何故かちょっぴり嫉妬。
携帯アプリの、J.B.ハロルドの事件簿「マーダー・クラブ」
教えてください。って、知名度低いのかなコレ(;´・ω・)
J.B.ハロルドはもはや古典に属するぐらいのものだからストーリーぐらい
ググればあるはず・・・と思ったけど、意外と見当たらないね。
推理もののストーリーをバラすのは粋じゃないってことなのかな
278 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/09/20(水) 03:06:00 ID:6EDI3ps7O
リメイクバイオ1のリサについて詳しく教えてください
よろしくお願いします
元から携帯アプリの達成確率は低いんじゃないか・・・?
ちなみにゼノサーガパイドパイパーのあらすじは
ゼノサーガ3に書かれてるジギーの過去とほぼ同じと思われる。
>278
Googleで検索したほうが早くわかるよ。
テンプレの誘導まるで意味が無いな
ARPG,SRPGの様に主人公が居てバックストーリーが有ればRPGと言い張れなくも無いけど
未解決のとこの「・クロノトリガー(追加部分のみ)」いきます。
アニメとかたくさん追加されてるけどゲームのシーンをアニメで再現した物などで
ストーリー的にはなんら追加されていないのがほとんど。そういうのは割愛。
ストーリー上意味があると思われる2つの追加アニメのみを。
まず、ハッピーなバージョン
現代
たくさんの人々に見守られながら、クロノとマールの結婚式が始まる。
原始時代
宴が開かれている。エイラ、杯を飲み干すと笑いながら隣に居たキーノの手を取り指輪をはめる。
そしてキーノにもう一つ指輪を放る。あわてて受け取るキーノ。
エイラは自分の手を差し出し、促してにかっと笑う。
それを見てキーノも笑い、エイラの指に受け取った指輪を嵌めた。
歓声をあげてわき立つ人々。
中世
玉座の間。ガルディア王にひざまづいている緑色の髪の青年。
王は剣を掲げ、青年の両肩に剣の平を触れさせ、また剣を掲げなおす。
青年は立ち上がり、居並んだ兵士たちが掲げた剣のアーチの下を通って城の外へと出て行く。
彼が腰に提げている剣は、伝説の剣グランドリオン。
ふたたび、現代のクロノとマールの結婚式。
新郎と新婦の二人は教会の出口へ歩んでいく。
祝福する人々をかきわけてボッシュも現れ、二人に手を振る。
それに気づいて笑顔で手を振り返す二人。
協会の扉の外へ出ると、たくさんの民衆が祝福のために集まっていた。
二人は顔を見合わせて笑いあい、マールはブーケを投げあげる。
青空には祝いの花火が打ち上げられ、太陽に向かって風船が上がっていく・・・
ロボをミニチュアにしたような小型ロボットといっしょに森を散歩しているルッカ。
ルッカの周りをカシャカシャと歩き回るロボットを楽しそうに見ていたルッカだが、
少しはなれたところからの不思議な光を目にする。
近づいてみると、金色の髪の赤ん坊が木の根元に寝かされており、
その首にかけられたペンダントから光は発せられていた。
見覚えのあるペンダントを持った赤ん坊を見たルッカは微笑んで、
その赤ん坊を抱き上げて一緒に帰っていくのだった。
fin
続いて暗いバージョン
カッ、カッと音をたて、暗闇で振れる時計の振り子
赤と黄の地に黒でワイバーンが描かれたガルディアの紋章が付いている壁。
火の粉が舞う中、その壁に二人の兵士のシルエットが映る。
剣戟の末に片方がもう一人を切り倒してその場を去る。
「1005年、ガルディア王国崩壊」とテロップが出て炎があがり、
赤地に黒でグリフォンが描かれた旗が舞う。
カッ、カッと音をたてて暗闇で振れる時計の振り子
燃え上がる廃墟。横たわる人々の死体。地面に打ち立てられているグランドリオン。
「同年、聖剣グランドリオン消失」とテロップ。
何者かの手がグランドリオンの柄をつかみ、引き抜いて持ち去っていく。
カッ、カッと音をたてて暗闇で振れる時計の振り子
暗転
まとめwikiの「クロノクロス」のページに間違いがある気がする
318の
>ツクヨミ
>少女の道化師の格好をしているが、龍人による生体マシン「龍神」の一つ。常にヤマネコと共に行動している。龍神を復活させるのが目的。
とか
322の
>戦闘によってフェイトを破壊。キッドが再び仲間に。凍てついた炎を突如現れたツクヨミが持ち去ってしまう。
>各地でそれまでフェイトに抑圧されてきた龍神が蜂起。6龍とツクヨミを混ぜた7体が合体し、龍神の完全体(時を喰らうもの状態)となる。
>同時に、星の塔(ディノポリス)も浮上。
>ツクヨミは龍神の復活と人類への復讐のためにヤマネコやセルジュ達に助言協力をしていたのであった。
の部分がちょっとおかしい。
ツクヨミが龍神という部分は合っているけど、ツクヨミはフェイトの死と凍てついた炎の解放による
龍神の復活や人類への復讐(つまりセルジュとの戦い)はむしろ避けようとしているはず。
フェイトを倒してキッドを助けるために神の門へ入りたがるセルジュにツクヨミが
入る方法を教えてくれた後、どうしてあんなこと教えてしまうんだ、と夜に一人で泣いてるし。
凍てついた炎をキッドが開放してしまうときに
「お前の中に破壊を望む強い衝動がある事は知ってる。でもセルジュやみんなを巻き込むのはやめてくれ」
とか言ってたりもする。
その上その直後に「できる事ならあんた(セルジュ)とは戦いたくなかった」
とか言い残してから去る。
サブイベントでも、基本的にはセルジュに好意的。
時喰い(龍神)を鎮めるためのクロノクロスが生成できたのも
七番目の龍神(ツクヨミ)のおかげみたいだし。
あと212の部分の
>セルジュはあの日死ぬはずだったが哀れに思ったロボがクロノポリスに
>つれて来たせいでなんかに接触、セルジュが死んだ世界と死んでない世界の二つが出来上がる
というところも少し違う。
クロノポリスの管理システム「フェイト」にフェイト自身にも気づかれないように
仕込まれていた回路は「プロメテウス」であってロボ(プロメテス)とは別物。
ルッカの思想、理論に基づく回路をガッシュが仕組んだものだからロボに似通った思考をするものではあるんだろうけど。
嵐でクロノポリスに流れ着いたセルジュが凍てついた炎に接触した経緯もちょっと違う。
セルジュの泣き声に引かれたサラの影響による磁気嵐のせいでクロノポリスのシステムが10分ほどダウンし、
そのスキに、セルジュを連れて来いと凍てついた炎に呼びかけられたワヅキが炎のところまでセルジュを連れて行ったから。
プロメテウスがセルジュを哀れんでクロノポリスに連れてきて炎に接触させたというわけではない。
プロメテウスはセルジュが炎に接触したその後に、炎に認められた調停者セルジュ以外には炎にアクセスできないようにした。
セルジュが死んだ世界と死んでない世界の二つが出来上がったのもそのときじゃない。
セルジュが炎に接触したのは確かにそのときで本編から14年前だけど、
セルジュが死んだ世界と死んでない世界が出来たのはセルジュが海で溺れたときであって本編から10年前。
理解するにゃアルティマニア必須だよな>クロス
まとめwikiの「.hack//G.U. Vol.1 再誕」が、オープニングからのムービー部分だけで終わってるw
書いてた人はいないのかね?
(透編の*2の地点から再開。俊夫が応接室に行く前に全員を引き止めたため、透編の展開も変化。
ただし、物置部屋から犯人が逃げたらしいことが確認されるまでは俊夫編とほぼ一緒なので割愛)
俊夫が島に着いたばかりのときと香山が殺されたと思われる直後に見かけたというコートの男。
そのコートの男が犯人だという俊夫の推理は間違っていないと透は思う。
こんな酷いことをして平気でいられるような人物がこの中にいるとは、思えない。
しかし、何故か透はさっき2階で見つけた鍵が頭に引っ掛かった。そして、密室の謎も。
何かがおかしい。どこかで辻褄が合っていない。混沌とした思考が、ある一つの像を結び始める。
まさか――とは思ったが、どうしてもそれを確かめなくてはならないとも思った。
それは、みんなの鍵だ。透は犯人はまだこの館の中にいるかもしれないと洩らす。
全員に頼んでそれぞれの鍵を見せてもらう。……これではっきりした。
この中に、コートの男が香山を殺害するのを手助けした共犯者がいるのだ。
みんなそれぞれの鍵を持っている。でも、よく考えてみたらそれはおかしいのだ。鍵の数が合わない。
透は先程啓子の部屋の前で鍵を見つけたが拾うことが出来なかったことを話した。
どこの鍵かは確認できなかったが、おそらく啓子のなくした2号室の鍵なのだろう。
それを含め、今ここに全ての鍵が揃っている。
2号室の鍵→啓子の部屋の前の隙間?
3号室の鍵→春子
7号室の鍵→可奈子
8号室の鍵→美樹本
11号室の鍵→真理
12号室の鍵→俊夫
16号室の鍵→透
マスターの鍵→啓子
管理人室の鍵→管理人室の中にかかったまま
残りは全部香山がどこかに片付けてしまっていてない。
もし犯人が管理人室に出入りできる鍵を持っていたのなら密室の謎は解明されるが、ならばその鍵は
どこから手に入れたのか?
俊夫はあらかじめ合鍵を作っていたのではと口にするが、透はそれを否定する。
合鍵を作るには管理人室の鍵を手に入れなければならないし、それには館そのものの鍵が必要になるのだ。
コートの男はここにいる誰かから管理人室に出入りできる鍵を受け取ったとしか考えられない。
そしてその鍵を持ったまま犯人が逃げたとしたら、誰かの鍵がなくなっているはずだ。
だが、鍵は全部揃っている。つまり、コートの男はここにいる誰かにその鍵を返して逃走したのだ。
全員が全員の様子を窺い、透に強ばった表情を戻す。
春子、可奈子、啓子、俊夫、真理、それに透。この中で共犯者と思えるのは……。
透がその名前を告げる前に、俊夫が口を挟んできた。まだ透の推理に納得したわけではないのだ。
2階に落ちていた鍵、もしかしたらそれは犯人が落としたのではないだろうか。
透は啓子の鍵だと決め付けているが、はっきり確認したわけではない。犯人が香山殺しのときに使った鍵を
犯行後にうっかり落としたとも考えられる。
啓子の落とした鍵は知らないが、別の隙間にでも……と、そこまで言って俊夫は何かに気がついた。
あるいは、啓子が鍵を落としたのは嘘だったのかもしれない、と。
啓子が嘘をついて2号室の鍵とマスターキーを両方手に入れていたとしたら?
透が見つけた鍵も、啓子が証拠隠滅のために捨てたものかもしれない。
そんなの言いがかりだ、と啓子が言い返す。そもそもマスターキーでも管理人室は開けられなかった。
しかし俊夫はあのときすでにタグを付け替えていたからではと反論する。付け替えたのはコートの男だ。
マスターキーのタグが付いた2号室の鍵だったから、管理人室のドアが開けられなかったのではないか。
その後の鍵の証明時は、またタグを元に戻していたのだろう。
でたらめだと必死に啓子は叫ぶが、こう考えればすべての説明がつく。他になにか決定的な証拠なり
論証なりではな限り、第一容疑者は啓子なのだ。少なくとも香山の件は。
透は何も言えなかった。俊夫の言うとおり、共犯者に1番近いのは啓子だと思ったからだ。
啓子は反論を試みたが虚しい結果に終り、警察が来るまで地下室に閉じ込められることになった。
日が昇り帰りの船がくるまでの数時間、俊夫の提案で透と俊夫はコートの男を探してみた。
しかし、本当にそんな人物がいたのかどうか、その痕跡さえも見つけることはできなかった。
そういえば、シュプールで見つけたあの岸猿家の鍵も見当たらない。財宝は本当にあったのだろうか?
もしかするとコートの男は、あの鍵で財宝を見つけたのではないだろうか?
ぼくはいつまでもそんな妄想を振り払うことができなかった。
終
No.28 共犯者はどこへ?
(ここでやっと啓子編が出現)
(主人公選択→啓子)
8月15日 17:50
三日月館の様子は1年前と何も変わっていなかった。玄関の前に立つと去年可奈子と2人でここに来たときの
ことが昨日のことのように思い出せる。ただし、去年とは違い今年は啓子1人だ。
あの頃はまだ仲の良い友だちでいられた。でもあんなことがあった今では――
啓子は一夜の過ちで友だちを傷つけてしまったことを思い返し、唇を噛む。
でも、好きになってしまったんだから仕方ない。恋する気持ちは可奈子だってわかっているはず。
船着場から館まで歩いてきただけなのに足はがくがく、喉はカラカラ、全身はへとへとだ。
早速お菓子が食べたいと、玄関の中に入ってすぐにポケットのスナック菓子の小袋の封を切る。
あっというまに一袋食べ終り、喉が渇いた啓子は記憶を頼りに厨房へと向かった。
その厨房の手前の部屋のドアに、『祈祷中! 入室禁止、ノックも禁止』と貼り紙がされていた。
ドアの奥から聞こえる声がたまに調子が外れて声が裏返るのについ笑ってしまうと、誰かが啓子を呼び止める。
振り返るときらきらとしたバラの背景を背負った春子が立っていた。
もう結構なおばさんのはずなのに30手前といっても通りそうな春子に、啓子は羨望のまなざしを向ける。
神様も不公平なことをするもんだ。
春子に部屋の鍵をもらい、ついでに可奈子と美樹本の部屋番号を訪ねる。7号室と8号室、自分の部屋番号は
忘れてもこの部屋番号だけは忘れちゃいけない。
こんなところへわざわざ来たのも、あの2人に会ってちゃんと想いを伝えるためなのだ。
荷物を置いたら夕食の準備を手伝ってくれと春子に言われ、とにかく一旦部屋へと向かう。
水を貰い忘れたことと春子がどうしてここにいるのか聞き忘れたことに気付いたが、どうでもよかった。
2号室に行き荷物を置くと、ふと、もしかしたら可奈子は来ないんじゃないかと不安になる。
あんなことがあって、可奈子と美樹本が付き合い始めて、疎遠になって、1人蚊帳の外に追い払われて。
啓子がここにくると香山から聞いて、可奈子は啓子の前に姿を見せてはくれないんじゃないか。
でも、美樹本がくるなら――
胸の奥にちくりとした痛みを感じた啓子はバッグからお目当てのスナック菓子を取り出した。
包装を破った次の瞬間には胃の中に収まっていたそれにほんの少しだけ痛みが和らぐが、それでも
胃も心もまるで満たされない。今まで不安やストレスはお菓子を食べることで落ち着いていたのに。
とっておきの精神安定剤はその力を失ってしまったらしい。もっと、もっと食べなくちゃ。
チーズたっぷりのヘビークラストピザ、丼からはみ出すような天ぷらののった穴子天丼、
ふわふわ卵のオムライス、ドミグラスソースかけ。黒豚ロースカツ定食、ご飯とキャベツはお代わり自由。
あんかけチャーハンに小籠包。それからそれから、骨付きカルビにロースにユッケに石焼きビビンバでしょ、
ミルフィーユにガトーショコラにチョコレートフォンデュにブルーベリータルトにいちご大福に酒まんじゅう…
…。
めくるめくイメージの奔流に一瞬意識が遠くなり、偽りの幸福感の後に激しい空腹と絶望に襲われる。
本当に何か食べないとダメだ、とスナック菓子を両手に部屋の鍵を閉めて厨房へと向かおうとしたところで、
啓子は思いっきりすっ転んだ。うっかり落としそうになったお菓子の袋は両手で見事にキャッチする。
しかし、厨房に行っても空腹を満たせなかった。夕食の手伝いを頼まれていたのを忘れていたのだ。
ここ最近ぼんやりしすぎている。空腹のせいではないことはよくわかっているのだが、食べる以外に
そぞろな気持ちをなだめる手立ては思いつかず、かといってそれで満足するかというとそうではない。
かぼちゃに包丁の刃を当てて、なんともいえない気分になる。おいしそうで、憎らしい。
ふと、かぼちゃに美樹本の顔(ついでにピースサイン)が重なって見えた。いっそひと思いに――
と、そこに後ろの方から声が聞こえ、びくっとする。
振り返るときらきらとした背景(下の方に天使までいる)を背負った真理がいた。
男はみんなこの見た目に騙されるけど、啓子にはわかる。
(画面が下にスライド、下半分が黒の背景に小悪魔のしっぽがつき、ミニ透がすっ転んでる)
彼女は男を弄んで捨てる、魔性の女だ。透も可哀想に。
春子と真理の会話を聞きながら次第にネガティブな思考に陥っていく啓子は、気がつくと刻んだワケギを
真っ赤に染めてしまっていた。
(啓‘Д‘)ザクッ (゚∀゚;真)(゚A゚;春)<け、啓子ちゃん!
救急箱を取ってきた春子が絆創膏を巻いてくれた。ズキズキするのは、指だけじゃない。
本当、今までこんなことなかったのに……。
あとは2人でやるから休んでていいと言われ、啓子は2階へと上がった。
しかし、部屋の前まで来たとき鍵がないことに気がついた。ドアの周りを探しても見つからない。
ノブを掴んで回してみると鍵はしっかりとかかっているから、鍵をかけたのは確かだ。
どこかに落としたのかと注意深く足元に視線を巡らせながら廊下を戻ったが、それでも見つからなかった。
香山に相談しようにも祈祷中は声をかけられず、春子の料理の邪魔もしたくない。
仕方なく時間を潰そうと応接室に行くと、まもなく俊夫がやってきた。
俊夫のそっけない態度に腹がたった啓子は俊夫を無視してやることに決めたが、みどりのことで参っている
様子の俊夫は啓子など存在していないかのようにただただじっと虚空を見つめているだけだった。
気まずい雰囲気が流れたところで春子がお茶を持ってやってきた。美樹本が自分のクルーザーでやってきた
ことを聞いた啓子は、船の上で2人っきりというこの上ないシチュエーションを想像し気が滅入る。
そこに当の美樹本がやってきた。可奈子は気分が悪くてまだ部屋にいるという。
美樹本の声からは特に警戒心のようなものは感じられない。あのことを気にしていない、ということなのか。
それとも――
1人になった今こそチャンスじゃないだろうかと思ったが、まだ早すぎる気もした。心の準備も出来ていない。
焦っちゃダメだと、啓子は何気ない会話で少しずつ相手の心を解きほぐしていくことにした。
2階から誰かが降りてくる音が聞こえたときは可奈子ではないかと思ったが、違った。透だ。
本日何度目かわからないほどの「可奈子は?」という問いに、げっそりした気分になる。
美樹本が代わりに答え、啓子の様子を気遣ってか話題を香山のことに変えてくれた。
やがて透の背後からその香山がにゅっと顔を出す。食事の準備が出来たようだ。
食堂に運ばれてきた料理に、自然と口の中に唾液が広がる。供養の席だから精進料理であることは当然と
いえば当然だが、啓子はどちらかといえばもう少しこってりしたものを食べたい気分だった。
例えば……和牛霜降り肉の分厚いステーキ。とろとろに煮込んだ豚の角煮。とんこつラーメンに焼き餃子。
たっぷりバターを使ったサケのムニエル。濃厚なクリームのカルボナーラ。名古屋コーチンの手羽先唐揚げ。
そんなことを考えているとお腹が限界突破したので、お腹いっぱい食べられればなんでもいいやで落ち着いた。
香山がなにやら説明し始めたが、いざ食べ始めるとどうでもよくなりほとんど耳に入らなくなる。
大事なことは後で誰かに聞けばいい。啓子はとにかく食べることに集中した。
満腹になったところで香山のくどくどした説明が終わったようだ。休憩とばかりにみんなの話に耳を傾ける。
香山が供養のための呪いや魔法陣だなんだと言い出したときには、流石に啓子もついていけなかった。
というよりも、例のあのことで呪いも魔法陣も試してみてちっとも効果がなかったことを実証していた、
話は2階に降りてこなかった可奈子のことに移る。美樹本が可奈子のアシスタントをしていると説明すると、
胸にずきりと痛みが走った。もちろんそれだけの関係じゃないことはみんなも薄々わかっているだろう。
アシスタントだなんていっても可奈子にはまだ大したことなどできるわけがない。
そう、可奈子にできることと言ったら――啓子は頭から不快な想像を追い払った。
俊夫とみどりの話、香山と夏美の話が続く。みんな過去のことが忘れられずに、同じところをぐるぐる
回りながら苦しんでいるのだ。
ふいに俊夫は透にみどりが買いだしに行った理由を覚えているかと問う。が、記憶を呼び起こそうとしていた
透がそれとはまったく別の鍵の話をしだしたのでぽかんとした表情になった。
そして啓子は透の出してきた鍵を見て、肝心なことを思い出した。
(透・∀・)つ♂ (゚Д゚俊) (‘Д‘啓)<!
言うのは今しかないと、啓子は話に割り込んで鍵を無くしたことを切り出した。
予備の鍵はないし、部屋を替えるわけにもいかない。となると、マスターキーを啓子に貸すしかない。
これって……チャンス?
それを使って美樹本の部屋にこっそり入ることもできるってわけね、とついにやにやしそうになる。
――いやもちろん、そんな馬鹿な真似はしないけど。
春子が各人の希望を聞いて食後のお茶を用意する。香山は夏美が好きなカモミールティーを淹れて
もらい、夏美の写真と線香立てをその隣に並べた。
一瞬それが去年の河村亜希の遺影を見たときの光景を髣髴とさせてぞっとしたが、香山はにっこり
笑っていた。気付いていないらしい。
代わる代わる席を立ち、夏美の遺影に線香をあげる。食堂に香山の熱唱が響き渡った。
「わしが香山や! 男の大往生!!」
「わしの会社は実力主義や」
「そやから、不況なんかはどこ吹く風や」
「そやけど、なあ夏美……わしも、わしも、ほんまはさみしいんや」
啓子はその辺りで真面目に聞くのをやめた。
自分の名前をタイトルに入れているところが香山らしいというか、なんというか。
厳かとは到底言いがたい雰囲気の中、焼香はとどこおりなく終わった。
食後の後片付けがすんなり透に決まったことに啓子は安心する。今の状態ではまた怪我をしたりお皿を
割りかねない。それに、できるだけ誰とも一緒にいたくなかった。
管理人室を訪れ、香山に言われるがままにマスターとかかれた鍵を手に取る。
香山に一声かけて出て行こうとしたときに祭壇の夏美の写真に目が留まったので、ここでも一応手を合わせた。
香山から透への伝言を預かってから管理人室を出ると、そうめんを載せたトレーを持った春子と出くわした。
そうめんを見るとお腹いっぱいのはずなのに、また食べたくなる。
可奈子に軽いものを用意したから運んであげてくれないかといわれ、躊躇ってしまう。
でも特に断る理由もないし、むしろ友人の啓子が持っていくのは当然のような気がした。
階段を上りながら香山と夏美のことを考える。春子がちょっと不憫だが、やはり香山が愛しているのは夏美だ。
亡くなったとしてもそれは変わっていないのだろう。大切なものは、失ってからその価値がよりよく分かる
――そういうことなのかもしれない。
美樹本と可奈子が一緒に暮らし始めたと知り、啓子は人生の何もかもを奪われたような気分だった。
恋も友情も同時に失ったのだ。啓子もまた、香山や俊夫と同じかけがえのないものを失った仲間なのだ……。
そう思うと少し勇気が湧いてきた。啓子にはまだチャンスがある。まずは可奈子に会い、気持ちを伝えよう。
その先にどんな結末が待っていようとも……。
2階に上がると透がふらふらと歩いてきた。香山の伝言を伝えると気の抜けた返事をして去っていく。
啓子は可奈子の部屋の前に行くと、ややためらってからドアをノックした。
ずいぶん久しぶりに聞く懐かしい声が中から聞こえてくる。名乗ると、しばらく何の返事も返ってこなかった。
春子から夕食を預かってきたと告げると、あとで食べるから置いといてとそっけない答が返ってくる。
啓子は言い返す言葉もなくただじっとしていた。なんでこんなに嫌われるんだろう。
手を出したのはあたしの方が先で、そのあとフラフラと美樹本さんのところへ行ったのは可奈子の方なのに。
なんだか悔しくなって涙があふれてきた。
ふいに目の前のドアが開けられ、可奈子はぶすっとした顔でトレーを見て興味なさそうに手を差し出す。
啓子が可奈子にトレーを渡すと、すぐにドアは閉められた。
――やっぱり、そう簡単には分かってもらえそうにない。
啓子は自分の部屋に戻ると、またバッグからスナック菓子を取り出して食べ始めた。
とうしても食べずにはいられない。啓子の華燭はあの2人が付き合いだしてから急激にエスカレートしている。
昔はケンカしてもすぐに仲直りできていた。何度も「絶好」と言われても時間が経てば元通りに戻っていた。
いつだって2人一緒だったし、2人でいることが幸せだった。でもそれは、薄氷のようなものでしかなかった。
啓子は親友として可奈子の幸せを願っていても、そのくせ、2人のことを諸手を挙げて応援できない。
あたしはどうしたらいいのだろうか……。
気がつくとスナック菓子は空になっていた。次のスナック菓子に手を伸ばし、袋小路の自問自答をはじめる。
もう何が何だか分からなくなって頭が真っ白になったとき、ふと枕元に置いたケータイが目に留まる。
メールでなら言いにくいことも言えるし、話すきっかけにもなるかもしれない。
が、圏外だった。(デドー)
ベッドに横になってぼんやりと天井を眺めていると、誰かが廊下を歩いてくる足音が聞こえた。
もしかしたら可奈子が……そんな淡い期待を抱きつつ部屋を出る。
ノックの音。隣の部屋の前に春子がいた。春子は啓子に気付くと可奈子の様子を聞いてくる。
まともに答える気力がなくいい加減な返事をし、ふと思いついて訊ねてみた。部屋に遊びにいっていいかと。
しかし春子は一瞬ひどく困ったような顔をした。荷物の整理が終わっていないからと断り、部屋に入って
鍵をかけてしまう。
部屋にじっとしていたって何の進展もない。啓子は行動を起こすことにした。今度の相手は美樹本だ。
美樹本に告白する、啓子にとってこれ以上なく勇気が必要な行為。
こんな気持ちをとても分かってもらえるとは思えないけど、何も言わないで後悔することだけはしたくない。
しかし、美樹本はカメラのメンテナンス中だからと啓子の来訪を断った。食い下がろうとしても、こちらの
都合も考えてほしいといってドアを閉めてしまう。
きっと啓子が何を言おうとしているか分かって警戒しているのだろう。
突然あの夜のことを思い出し、狂おしい気持ちで部屋を離れた。
あのときは2人あんなに燃えあがったのに、どうしてこんなことに……?
このままでは恋も友情もどちらも元に戻りそうにない。
もっと頭を使わないと思いつつも、一方でもうどうだっていいやという諦めも感じた。このまま部屋に戻って
不貞寝でも決め込もうかと思う。ここ半年ほど悩まされている不眠症の対策の睡眠薬の準備もばっちりだ。
だけど、何のためにここにきたのか。いつまでも逃げていていいのか。……いいわけがない。
どうせ部屋に戻っても悶々とするだけだと、ポケットに突っ込んであったお菓子の袋を手に頭を冷やして
考えようと歩き回ることにした。
2階のロビーに行くと俊夫がいた。たまには誰かと口を利かないと考えがどんどん暗くなる。啓子は
俊夫と話して暇潰しをすることにした。一緒にお菓子を食べながらとりとめもない雑談をする。
と、階段を上がってくる足音が聞こえ、そちらを見ると透が昇ってきた。
香山の居場所を訊ねると、俊夫はさっさと1階に降りていってしまう。透は透で真理のことばかりだ。
透が真理の部屋に向かうと1人残された啓子は椅子に座って三日月館の見取り図を眺めていた。
ロビーに戻ってきた透は表情が暗く、そのまま啓子を一瞥して西側の廊下へと歩いていく。
しばらくして、透は春子を連れ立って戻ってきた。透は春子に会いにいったのだろうか?
もしかして透は真理にフラレでもしたのだろうか。それで春子に乗り換えようと?
そんなことを考えていた矢先に春子が冷たいお茶でもどうかと屈託なく話しかけてきたのでうろたえてしまう。
挙句につい関係ないことまで口走ってしまった。
「あたしの鍵って、どこの部屋にも入れるんですよね?」
春子は一瞬怖いくらい真剣な表情になった。
が、すぐにいつも通りの穏やかな表情に戻り、マスターキーだからそのはずだ、と返してくる。
と、そこへ俊夫が1階からあがってきた。香山がいない。部屋に鍵もかかっていて返事もない。
全員がしばし沈黙し、不安の色が浮かぶ。
「まさか……ね」
そう呟きながらも啓子は悪い予感が的中しているような気がしてならなかった。
香山は本当に死んでいるかもしれない……。
そこで透は啓子がマスターキーを持っていることを思い出し、それで開けてみることを提案した。
単純に寝てしまったなどという理由で何事もなければまた閉めておけばいいだけの話だと。俊夫も同調する。
4人で急いで1階へと降りていくその様子を、美樹本が2階からじっと見ていた。
香山の部屋のドアの前で念のためノックをして呼びかけるも、返事はやはりない。
透が啓子が差し出したマスターキーを鍵穴に差し込んだが、なぜか回らなかった。
もしかしたら管理人室だけはマスターキーでは開かないのかもしれない。
でも、そんな話は聞いたことがない。仮にそんなことがあるんだとしたら理由は一体なんだというのだ。
これはそもそもマスターキーじゃないからとか? でも、そうしたら啓子が自分の部屋に入れた説明が
つかなくなってしまう。啓子の部屋の鍵は確かになくしたんだから、マスターキー以外では開かないはずだ。
ドアをぶち破ろうとする俊夫を透が止め、物置から古びたツルハシを持ってきて俊夫に手渡した。
俊夫がドアノブ近くにツルハシを二度、三度と叩きつけると板がボロボロになり、開いた穴に手を突っこんで
掛け金を外す。開いたドアから俊夫と透が、そして啓子と春子も続いて中に入った。
透と俊夫が同時に襖を開ける。啓子は目の前の光景に息を詰まらせ、持っていたお菓子を落としてしまった。
香山が畳の上で横たわっている。髪のさびしい後頭部から赤黒いものが流れ出している。
春子が小さく悲鳴を上げ、透が香山に駆け寄ってゆさぶり、声をかける。反応はない。香山は死んでいた。
ああ……。
こんなことになってしまうのね……。
香山の死体を眺めながら、啓子は自分でも驚くほど冷静に思考を働かせていた。
これから朝まで慌しく時間が過ぎていき、啓子の来た目的はもう果たせないに違いない。
話し合っていられる状況じゃない。このどさくさでも通用する、もっと効果的なやり方を考えなければ――
香山にすがりついて泣き喚く春子を見ても、現実感があまり感じられない。テレビドラマを見ている気分だ。
警察に連絡しようとしても、案の定電話線が切れている。俊夫はケータイをかけに丘の上に行くため、
透は他のみんなを呼ぶために部屋の外へと飛び出していく。
懐中電灯が置きっぱなしになっているのを見て、俊夫は明かりも持たずにどうやって丘の上まで行くつもり
なのだろうと考えていた。
放心している春子を連れてロビーに行くと、丁度透が真理たちを連れて降りてきたところだった。
俊夫は玄関が開かないことを全員に告げ、香山が誰かに殺されたことが全員に知らされる。
可奈子はもうすでに真っ白な顔でわなわなと震えていた。
全員で玄関を押しても開かず、2階から出ることもできない。
突然可奈子がヒステリックに喚きだしたかと思うと、階段を駆け上がっていってしまった。美樹本も後を追う。
啓子も追いかけようと1歩踏み出したが、俊夫の怒鳴り声に躊躇して足を止めた。
無闇に動き回るなという俊夫の言葉にいちいち指示される筋合いはないと思ったが、言うことはもっともだ。
少なくとも窓から脱出を試みるにしても朝まではここにいなければならない。
この長い夜を、あたしはどうやって過ごすべきなんだろう。
ちょっとキリが悪いですが今回はここまでです。
あとちょっと訂正。俊夫編で美樹本がクルーザーで来たと言ったのはお茶を持ってきた春子でした。
乙!
俊夫編でサバイバルいかなくても啓子編でるんだね。
>>297 それどころか俊夫編を一切やらなくても啓子編は出現します。
これを書くに辺り再プレイしたところ、
終No.19(正解ルート)→終No.36(サバイバル)で啓子編の出現を確認しました。
おそらく正解ルート・第2の殺人後の共犯者探し・サバイバルのうち1つ経験で俊夫編、
2つ経験で啓子編のフラグが立つものだと思われます。
かまいたちキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
>>296 かまいたちの人乙です!
あなたの文章を読んでいると、かま3が猛烈にやりたくなります。金さえ有りゃなぁ・・・orz
啓子の恋心はどちらともとれておもろい
.hack無印はずっと執筆者居ないのか?
俺GIFT(全巻購入特典DVD)まで持ってるけど、
来週木曜にG.U.2が出るからなー…
2が終わっても誰も執筆者がいなかったら、
改めて予約しに来るよ。
♯書くと言い出しておきながら今更、けっこう記憶がウロなことに気がつきました。
セリフも大意のところがありますが、ご容赦ください。
地名補足
・空に浮かぶ五大陸(5つのエンドマグナスが封じられている)
【辺境サダルスウド】この物語の始まりにカラスが見つかった月騙しの森がある。
【帝国アルファルド】皇帝ゲルドブレイムが支配していた。機械化されている。住民は基本的にこころの翼を持たない。首都ミンタカはリュードの出身地。
【雲の国ディアデム】名君レイドカーンを戴く。漁村ナシラはギバリの出身地。
【虹の都アヌエヌエ】妖精導師コレルリが治める。どこからか流れてきたサヴィナが滝の村オプに住んでいた。
【幻影都市ミラ】カルブレン公が治める。幻影街バランソワールにカラス・フィーがゲオルグと共に暮らしていた。
・そのほかの国
【古の大地ドゥール】5大陸が浮かび上がったあとの大地に残っている。毒の泥雲で空の世界と隔離されている。ゲンマ村はミズチさまの故郷。
【氷の国ワズン】女王シェラが治める氷と雪の国。普段は外界との交流はない。
※スレPart22の461〜さんが書いたストーリーから続いています。
シェラは帝国要塞の独房に閉じこめられていた。
その時、カラスから離れてしまっていた精霊の声が聞こえた。
シェラは精霊を自分に憑かせ、その力で扉を破り独房の外に出た。
しばらく要塞内を彷徨ううちに大きな音が。要塞の壁を破壊して救助部隊がきたのだ。
シェラはアヌエヌエで、宮殿に待機しているコレルリ、レイドカーン、カルブレンに状況を報告した。
コレルリの話では、各大陸に奇妙な現象が起きているらしい。
どうやら次元の裂け目ができたためで、そこに行けば捕らわれた仲間たちがいるはず。
シェラは各大陸で住民の話から情報を収集し、次元の裂け目に向かった。
そこで邪神に使える暗黒の騎士を倒すことにより、アルファルドでリュード、ディアデムでギバリ、
ミラでミズチさま、アヌエヌエでサヴィナを解放した。
揃った仲間たちでいったんコレルリの宮殿に戻る。
5大陸の中央に、嵐の城コル・ヒドラエが出現していた。
(たしかこのあたりで出てきたと思います、違っていたらスマソ)
太古の戦いの際に神の眷属もろとも異次元に封印されていたはずだったのが、
エンドマグナス解放と同時にこの世界に復活したのだ。
だが破ることのできない強力な障壁がコル・ヒドラエを取り巻いており、進入は無理だ。
「伝説の氷の女神の力でも借りられたら」「しかし女神の国ワズンとは国交もない」
それでもシェラは氷の国に行くと答えた。
雪の大陸ワズンに降り立つ一行。
結界を解きながら、宙に浮かぶ街が見える場所までやってきたが、
足下には宙が広がるばかりでとても向こうには渡れない。
ふいにシェラが手を高く掲げると光が輝きだし、見る間にきらきらした氷の橋が出現した。
みんなは驚きつつも、雪の街クルサに足を踏み入れる。
クルサには城があった。かまわず入り込むシェラ。
「お帰りなさい、女王様」住人たちの言葉にさらに驚く仲間たち。
シェラこそが城の主、氷の国の女王だったのだ。
ワズンは他の大陸とは没交渉で独自に生活を営む国だったが、
外界の異変を察知した女王シェラは見過ごしていられず、国を飛び出した。
シェラの相談係?教育係?の婆様の妹である3人の魔女たちをあらかじめ偵察役として外界に派遣してあった。
シェラはゲルドブレイムの城にメイドとして潜入しているうちに、
かつて邪神を封じた3アイテムのひとつ「大地の玉」の首飾りを見つけて盗み出し逃げた。
そうこうするうち月騙しの森でカラスと出会ったのだ。
シェラはワズンにある、これも邪神を封じたアイテムのひとつで
本当の姿を映し出すという「海の鏡」を手に入れようとする。
そのためには、女王だけが受けられる試練をくぐり抜けなければならない。
試練の間での、氷の女神による試練をクリアするシェラ。
氷の女神(シェラの母親)に、この先のつらい定めも覚悟はしていると答える。
婆様の嘘を信じて「海の鏡」でカラスの心を元に戻せると意気込み、白竜に乗ってワズン港を立つのだった。
再び帝国要塞に乗り込む仲間たち。
要塞には今は座るもの無き玉座があった。
また、ゲルドブレイムの私室だったと思われる、妙な調度の部屋もあった。
行く手を阻む帝国軍人のファドロ。
神の力に触れて奇怪な姿に変身した彼を倒し、
やがて待ち受けるミローディアとカラスの前に迫るシェラたち。
ついに純白の羽でガラの悪い表情になったカラスと戦うことになる。
邪神の力でパワーアップしたカラスは強力だった。
「海の鏡」でカラスを照らし元に戻そうとするシェラだが、苦しむばかりのカラス。
「婆様は嘘を?」うろたえるシェラ。
「いちど神の力に触れた者はもとには戻らない」嘲笑うミローディア。
しかしカラスを思うシェラの心からの説得により、闇に捕らわれていたカラスの心が揺らぎ出す。
カラスは力を振り絞って、自らの羽をむしり取る。
驚くミローディアだったがそれでも優勢は変わらず、
「お前たち5人がそろったことで、マルペルシュロの復活が果たされる」と告げる。
封印を解かれたエンドマグナス、その5つにバラされた神の体をつなげるための
「強い信頼で結ばれたシェラたち5人の結束力」が必要だったのだと。
シェラたち5人の体から光が立ち上り、立ちこめた闇の霧のようなものの中から邪神マルペルシュロが出現した。
その強さにはとても歯がたたない。
もうだめかと思われたとき、突如邪神に立ちはだかるミズチさま。
ミズチさまに呼び出されたかのようにいくつかの人影が現れ、魔術でマルペルシュロを攻撃した。
怯んだミローディアとマルペルシュロは一時退却していったが「海の鏡」は割れてしまった。
カラスは復讐に我を忘れ闇に落ちたことを悔いて、仲間たちにまた共に戦って欲しいと頼んだ。
当然のように受け入れる仲間たち。
精霊も、シェラから抜け出して再びカラスに憑いた。
マルペルシュロを撃退した謎の人影の正体は土の民(の魔力)だった。
実はミズチさまは、かつてマルペルシュロを封印した魔導師・土の民の子孫のひとりだったのだ。
決してはずすことのない奇妙な仮面も、大地を覆う毒の雲を防ぐプロテクターなのだった。
彼らは汚染された大地から、エンドマグナス化した神の体を封印した5大陸が浮上したあとも
そこに残って監視を続ける役を受け持っていた。
土の民の国ドゥールは毒の泥雲の下にあり、普通の方法では行き来ができないはずだが
大丈夫というミズチさまの言葉に従って、覚悟を決めて上空から飛び降りる一行だった。
泥海の迷宮に降り立ち、迷路を抜けてミズチさまの故郷ゲンマ村にたどり着く。
村長大カムリのもとには折しもアルゴラブ村の村長クラムリがやってきていた。
これまでのように神を封印した民の子孫として、ドゥールで監視を続けるべきという大カムリと
いつまでもそんなことをせずに空の上の世界に出るべきだというクラムリと、意見が対立していた。
アルゴラブ村には、暗い泥雲の下に隔離された質素な暮らしに不満を持つ者が多かった。
またも話し合いは物別れに終わり、クラムリは不機嫌に帰っていった。
やっと村長に面会できたカラスたち。
そこでミズチが女の子と知って驚くカラスとギバリ。他の3人は気が付いていたようだが。
今では魔力が弱まってしまった一族の中で、ミズチだけは先祖に匹敵する力をもっているらしい。
帝国要塞で仲間(の魔力)を呼び出せたのも彼女ならではのことだった。
そんな彼女も両親の前ではただの子供扱いだった。
昔ドゥールにあった「大地の玉」が空から来たカルブレンの先祖に盗み出され
それがゲルドブレイムの手に渡っていたといういきさつも聞くことができた。
また、村長の家にいる語り部のような人たちの話によると、
マルペルシュロが神として存在していた太古、
ほかにも多くの神々がいて、鯨もその神のひとりだったという。
村長の勧めで、死の庭園カペラの社にある、邪神を封じたときに使った「天の剣」を取りに行くカラスたち。
だが、たどり着いてみるとその場に剣は無かった。
クラムリが持ち出したのだ。
彼の後を追って石の塔ゾズマに向かう。
いくつものからくりを解き、塔を守る阿吽を倒し屋上に出る。
剣を渡してマルペルシュロの側に付かせて貰うと言うクラムリ。
ところがマルペルシュロと現れたミローディアは、
「虫けらが神と取り引きするなんて」とクラムリを攻撃した。
カラスたちは応戦するも、やがてミローディアは神に逆らった者たちを滅ぼすため村に向けて飛び去った。
アルゴラブ村に行ってみると、人々は倒れ、家は燃えていた。
駆けつけた大カムリやミズチさまの両親たちは、自分たちが戦うから、世界の希望であるカラスたちは早く逃げるように、と言う。
いったんは逃げ出したカラスたちだが、
「村の人たちを見殺しにして、それで世界を救おうというのか」とのカラスの言葉に皆同意して引き返す。
しかしマルペルシュロの力は強く、押されるカラスたち。
突然ミズチさまの仮面が割れ、その下からは少女の素顔が現れた。
あふれる魔力。「これぞ太古の魔導師の力だ」驚嘆する大カムロたち。
なんとかマルペルシュロを撃退するも、「天の剣」も折られてしまった。
痛手を受けた土の民はアヌエヌエに避難することになった。
そんな折り、ラリクシからカラスに手紙が届いていた。
カラスは彼に会いに、サダルスウドに行くことにした。
精霊とふたりでこっそり行くつもりだったが、仲間たちにバレてしまった。
ケバルライ村でカラスはラリクシから自分の出生の秘密を聞く。
昔、ゲオルグとラリクシはゲルドブレイムの命令で、マグナスから優れた命を作り出す研究をしていた。
ゲオルグはその母親が神の力に触れる経験をしてしまったせいか「ものと話をする」ことができ
マグナスから人間を作り出した。それがカラスとフィーだった。
しかし子供たち、とくにフィーと接するうちにゲオルグは変わっていった。
研究は失敗したと皇帝を偽り、そのうえ研究室の爆発事故での死亡を装い逃亡、
ミラで密かに普通の祖父と孫のように暮らしていた。
やがてそれが皇帝の知るところとなって怒りを買い、
ジャコモ、エイメ、フォロンが連れ戻しにやってきた。
燃えさかる炎の中、刺される子供たちを目にしたゲオルグは自ら火の中に入っていった。
自分がマグナスから作られた存在であることにショックを受けながらも、
ゲオルグが彼に残したものがあるとラリクシから聞かされて、空中山脈に向かうカラスたち。
そこで見つけた小屋に足を踏み入れる。
「爺ちゃんが俺に残したものって?」
「俺も知りたい」振り返ると、戦艦ゴルドバもろとも自爆したはずのジャコモ、エイメ、フォロンがいた。
ジャコモは精霊を封じる装置を壁に投げつけた。
それが起こす振動波がカラスにダメージを与える。
精霊の助けなしにどこまで戦えるのか。
やがてジャコモの圧倒的な力に打ちのめされるカラスたち。
カラスの肩から転がり落ちた飛翔機を踏みつぶすジャコモ。
「爺ちゃんの作った飛翔機を…!」
その時暖炉の上の胸像が光を放ち砕け、中から新たな飛翔機が。
カラスは思い出す。(以下回想)
ミラの家で、爺ちゃんとフィーと自分と、テーブルを囲んでいる。
「どうして俺には片羽しかないの?」と尋ねるカラス。
「両羽だからといって、偉いわけではない。羽なしの方が羽のあるものより進化した姿かも知れない」
というゲオルグの返事に納得がいかない。
「どうして片方だけなのか知りたいんだ」
だがフィーは無邪気に「ぼくは両羽が無いけど平気だよ」
ゲオルグは、カラスに羽の代わりになる飛翔機を作ってやると言う。
そしてまたいつか困ったときに助けになる、別の飛翔機も作ると。
フィーはいつかふたりで伝説の生き物である鯨を探し出そう、ぼくは鯨に聞きたいことがあるんだと言う。
それなのにジャコモたちに襲われたあと、致命傷を負いながら逃げ込んだ精霊の杜ネクトンで、
「カラス兄ちゃんとの約束を果たせなくなった」とつぶやいて息絶えた。
弟の名を叫ぶカラス。彼もまた力尽きたと思われたその時。
フィーの体が輝く渦と化し、そのままカラスに吸い込まれていく。
カラスはフィーのマグナスを、命のマグナスを吸収することによって新たな命を得たのだった。
新しい飛翔機を身につけ、カラスに再び心の翼が羽ばたいた。
再びジャコモたちに戦いを挑み、ついに倒す。
「エイメ、フォロン、大丈夫か」床に横たわり、いまわの際に仲間を呼ぶジャコモ。
「お前たちはカラスと共に戦え。カラス、ミローディアとマルペルシュロを倒せ」
言い残し、ジャコモの命は尽きた。シェラの祈りの言葉とともに、その体は光となり消え去った。
「ジャコモはああ言っても、さっきの今で友達にはなれない」
「あたしたちはカラスにとってはフィーと爺の仇だ、
あたしたちはゲルドブレイムに金で買われゲオルグの実験に使われた孤児だった、
ゲオルグが死んでせいせいしているよ」フォロンとエイメは去っていった。
アヌエヌエのコレルリの宮殿に戻ったカラスたち。
ワズン3魔女のひとりコトランから各大陸に関する情報を聞く。
ディアデムでは、ナシラの近くで伝説の河の主が目撃された。
アヌエヌエには、禁断の魔道書があるらしい。
ミラにつながる魂の道に、ゴルドバそっくりの幽霊戦艦が出て、しかもリュードを呼ぶ声が聞こえる。
アスファルドでは、アザー村の人たちが砂漠でモンスターに包囲されていて、今のところは狂狼部隊が守っている。
土の民の中に、ミズチさまの両親も含めドゥールに戻っていった者たちがいるようだ。
(続きます)
バーテンさん乙
かまいたちの人乙です!
>>301 偶然だな
昨日、ちょうど.hackのストーリーを懐かしみながら読んでた。
途中までだったから続きも読みたかった。
ぜひ頼む
第一章 全ての始まり
カインたち三人はキボートス島で穏やかな日々を送っていた。
ニコやフリエ神父といった他の島民は、ヨハネ、メフィストのような<規格外>と関わることをよしとしなかったが、
それでもマティアは病気のメフィストのために歌を歌いに通っていた。
ある日、ふいにマティアの歌声が途切れたことを不審に思ったカインは、メフィストの元へ向かう。
そこにはマティアをさらおうとするアラギの姿があった。
様子を見に来たヨハネ、アラギを追うルカとザイオンの介入もあり、その場は無事に収まった。
「何かあったら教会へ行くように」と言い残し、ヨハネはアラギを追う。
しかし、その後マティアが熱に倒れてしまう。
言いつけどおり教会に連れて行こうとするところを、再びアラギに襲われマティアをさらわれてしまう。
ヨハネ不在の今、フリエ神父を頼るため、カインは再び教会へ向かうことにした。
一方アラギは、悪魔討伐の任務によりキボートス島に来たベイルに殺される。
マティアを保護したベイルは、彼女がインセストだと気づく。
ベイルはフリエ神父と、彼に会いに来たカインに、この娘を教団の保護下に置くこと、
他の悪魔を追っている天使が合流したら、一緒にこの島を発つということを告げた。
別れの挨拶をするようにとのフリエ神父の計らいで、カインは教会の裏口からマティアに会いに行く。
その途中、天使グリシナに傷を負わされ、身を隠していたルカに出会う。
ルカの手当てをしたカインはグリシナに見つかり、異端者としてその命を奪われる。
暗闇の中、カインはメフィストの声を聞く。そして―――
目を覚ましたカインの背中には、白い翼が生えていた。
周りには大勢の人が倒れており、その中にはあのフリエ神父の姿もあった。
何が起こったのか分からないカインに対し、ニコは「化け物、あの時死ねばよかったんだ」と罵る。
この惨状を見たグリシナは、カインが生きていたことに訝りつつも、再び彼を殺そうとする。
戻ってきたヨハネとカインはグリシナを倒し、その顔に傷をつける。
騒ぎを聞きつけたベイルは猛るグリシナをおさえ、マティアを連れ飛び去っていく。
その後、教会の追及を逃れるため、何よりマティアを救うため、カインとヨハネは旅に出た。
第二章 大陸にて
ヴェローナの街に着いたカインとヨハネは、反教会組織<サイファーパンク>のメンバーになり、情報を得ようとする。
しかし、正式なメンバーになるには三年はかかると言われ、仕方なくその場を去る。
もうすぐ教団の教えを書いた本が配布されるそうなので、教団関係者が集まるそのときに聞き込みをしようと目論む。
露骨に怪しい二人はステイエンに疑われるが、エクサルが間に入りその場を切り抜ける。
今この街は「渇き」に狂った悪魔の噂で持ちきりだということ。
そのために悪魔討伐部隊が出向いているということをエクサルから聞いていると、再びルカとザイオンに出会う。
カインとヨハネを追っていたステイエンは、悪魔二人と一緒にいる現場を見て問答無用で襲い掛かる。
彼女は倒したが、その後現れたクレイスの強さの前に、五人は逃げることを余儀なくされる。
エクサルはサイファーパンクについて、リーダー・ヴァルトスに認められればすぐに入団できると語り、その場を去った。
詳しく話をするためにエクサルを探すと、彼は任務のために地下空洞にいた。
噂の悪魔らしき人物を追っていると、この化け物がうじゃうじゃしている場所にたどり着いたらしい。
化け物は「インセストを探せ」という誰かの命令に従っていたという。
その話に反応するルカとザイオン。
彼らの話によると、あの化け物はパスカといい、悪魔の死体をもとに作られたらしい。
かつて彼らを使役したという<古の大悪魔>の力は今、ペインリングとなって残されている。
その禁じられたパスカのペインリングを奪っていったのがアラギである。
地下空洞の奥に現れたアラギに、「ペインリングを返せ」と襲い掛かるルカ達。しかしそれを一人の少年が阻む。
彼はカインと瓜二つの容貌と悪魔の翼を持ち、名前をアベルといった。
カインを知っており、メフィストのペインリングをその手に持つアベル。
何故かカインとヨハネ、マティアに激しい憎しみを表し、「お前はオレが殺す」とカインに告げ、アラギと共に去っていった。
二人が去った後、ヨハネはルカとザイオンにお互いの目的のため共同戦線を持ちかける。
カイン達はインセストであるマティアを救うため、ルカ達はインセストを追いアラギにたどり着くために。
情報の交換と最低限の協力を約束した後、カインは「翼が痛い」と言い残し、その場に倒れた。
第三章 少女の祈り
インセストを教会から奪い、アラギから保護しようと行動するカイン達だが、なかなかうまくいかない。
そんな折、教会を化け物が襲っているとの噂が流れる。
カイン達が向かったその先にいたのは、リリスを助けようとするシリアと、白い化け物だった。
健闘むなしく白い化け物<エンブリオン>に連れ去られるリリス。
怪我をしたシリアの代わりにそれを追うルカだったが、リリスを助け出したのはまたもやベイルだった。
リリスの言葉から囚人のようなインセストの扱いを聞き、憤るベイル。
怒りそのままに僧兵を殺そうとしたベイルを止めたのは、「誰にも代わりなんていない」というマティアの言葉だった。
ときおり強い残虐性に支配されるなど、「渇き」の発作に苦しむルカ。
そんなルカを心配するザイオンのところにアラギが現れる。
アラギはザイオンに、本人と<適合>するインセスト、リリスの血と髄があればルカの病気は治ると吹き込んだ。
ザイオンはそのときの会話から、アラギは<幽葬の地下通路>という、戦争のときに悪魔が利用した天然迷路にいるのではないかと断じる。
シリアを加えそこへ行くと、アベルとアラギの他に、アベルによって教団施設から助け出されたレアというインセストがいた。
一行に対しペインリングを発動させようとするアラギ。そこにアラギ復活の報を聞いたベイルが乱入する。
お互いの存在に驚くベイルとシリア。
ベイルは病気も貧困も一切の苦しみのない世界をインセストの犠牲で作り出す計画を立てており、
シリアはそれに耐えられずベイルのもとを離れたのだった。
決定的に袂を分かつ兄妹二人。その隙に逃げるアラギ。
カインは翼の痛みを感じ続けていた。
第四章 それぞれの決意
あるとき、ステイエンは天使兵に乱暴されそうなリリスを見咎める。
しかし、これは廃棄処分が決まったインセストであり、死を伴う最終実験の後解体されると告げられる。
「弟も実験が終われば帰される」と思っていたステイエンは、その事実に思わずリリスをつれて走り去る。
そこへ「少女を助けてほしい」という書き込みを見たカインたちが現れ、リリスを助けてくれたことに感謝される。
結果的に教団を裏切ることになってしまい、戸惑うステイエン。そんな彼女にクレイスが剣を向ける。
自分を打ち倒したステイエンをカイン達のもとに送り出すクレイス。
カインが見た書き込みは、教団の非道に罪悪感を感じたクレイスのものだった。
衰弱した状態から回復したリリスから、マティアを助けてほしいと頼まれる。
ヨハネ、ルカ、ザイオンをおとしにして残りのメンバーはマティアを探す。
マティアの想いを感じ取ったリリスの導きにより、カインはマティアのもとへ進んでいった。
その頃、マティアはリングにカインの無事を祈り続けていた。
優しい心を映せば癒しの力を、憎しみの心は破壊の力を。リングに映ったインセストの心によって力を得るという、そのリングに。
侵入者の知らせを聞き、以前ベイルに殺されそうになった僧兵がマティアを逃がす。
ようやく再会できた二人だったが、その間には鉄格子が横たわっていた。
カインは壊そうと奮闘しているところを、ベイルとクレイスに見つかり、弓兵に射殺すよう命を出される。
マティアはカインに願いをこめたリングを託し、一人兵士の前に立ちふさがろうとする。
ベイルはマティアを後ろに下がらせ鉄格子を壊し、直々にカインに戦いを挑んだ。
負傷したというヨハネ以外が合流し、ベイルを退けたとき、突然十審将・ホワイトフェイスが現れる。
<規格外>を嫌う彼は「何をしに来た」と問うベイルに対し、「汚れた血が絶えるのを見届けに来た」と告げ、
自分が<規格外>に行った猟奇的実験をほのめかしたりしてベイルを挑発する。
十審将同士が争えば、辺り一面焼け野原になる。
そのような事態を避けるため、クレイスはステイエンに緊急用の脱出路を教え、自分は二人を止めるためその場に残った。
「今手を出せばお前の処罰は免れない」とベイルをなだめるも、聞き入れられない。
妙な術を使いベイルを亡き者にしようとするホワイトフェイスだったが、そこに他の十審将が介入する。
禁じられた私闘を行ったため、ベイルはサンバルテルミに幽閉されることとなった。
第五章 砕ける心
ヨハネの負傷により、自分のことしか考えていなかったことを反省し、無力感を味わうカイン。
怪我をしているのにどこかへ消えたヨハネをみんなで探す最中、
ステイエンは留守番をしていたリリスに、「自分が戻ってこなかったら渡すように」と一通の手紙を預ける。
それはカルディアから弟の危機を知らせるものだった。
待ち合わせ場所に向かったステイエンだったが、わざとカルディアに弟の情報を流したグリシナに、人質として捕らえられる。
「ベイルと家族、どちらかを選べ。家族を選ぶならお前の命と引き換えに助けてやる」
ベイルを慕っていたグリシナは、自分なりのやり方で彼を守ろうと、傍で仕えるカルディアを試す。
手紙を受け取ったカイン達はカルディアから事情を聞き、かわりに取引場所へ向かう。
その広場では、ステイエンとその弟、グリシナ、十審将レッド・ムフロンが待ちうけていた。
グリシナが自分を憎んでいると知っているカインは、「自分を殺すかわりにみんなを助けてくれ」と持ちかける。
お言葉通りに嬲るレッド・ムフロン。
しかし、どこからかやって来たアベルが「オレが殺すまで死ぬな」とカインを癒し、他の皆はその隙に人質を取り返す。
退こうとするレッド・ムフロンの言葉を無視し、あくまでもカインを殺そうとするグリシナを打ち破る。
愛していたグリシナを殺されたレッド・ムフロンは、怒りで力を解放する。
そこにヴァルトスが現れ、マティアから託されたペインリングを使うように促す。
その力でレッド・ムフロンを退け、ヴァルトスにその力を<特例>として認められたカイン達は、
サイファーパンクの一員として改めてインセストを救出する任務に当たるのだった。
パスカの気配を感じ、ルカは一人でアラギのもとに赴く。
ル同胞を殺し、死を軽んじ、戦士の誇りを失い変わってしまったアラギを嘆くルカ。
そんなルカに対し、アラギは自分のところへ来い、俺達ならうまくやれると呼びかける。
言い合いを続ける二人の周りには、いつしか教会の兵士が集い始めていた。
ますます酷くなっていくルカの「渇き」に対し、何もできないことを歯がゆく思うザイオン。
ルカの病を治すしたい一心でリリスに手をかけようとするところを、エクサルに見られてしまう。
理由を求める一同に、「俺が渇きに狂った悪魔だから、自分が生きるためにリリスを殺そうとした」と告げ、どこかへと去ってしまう。
悪魔に殺された妹とリリスを重ねるエクサル。
リリスを殺そうとしたザイオンを、素直に許せないシリア。
こうして皆はバラバラになった。
とりあえず今はここまでです。
近いうちに続き書きます。
まだ執筆者がいないようなので、ファイアーエムブレム蒼炎予約します
>>166から分岐
近寄るんじゃない、と、手を伸ばす半左衛門から逃れようとするかすみ。
しかしその瞬間、侍が鳩尾に一撃を加え、かすみを昏倒させた。
侍のいる場所は青門組、そのトップである半左衛門こそ、侍の主なのだから。
これで全てが手に入った、月夜の天原神社に半左衛門の高笑いが響き渡る。
侍達は、青門組に戻り、襲名式の前祝を行っていた。
悪徳同心の保野や、性悪花魁の奈美とともに、宴を楽しむ半左衛門。
これからも働いてもらうと、侍に声をかけるが、侍は無言でその場を後にする。
そして侍がいなくなった途端、嫌悪感をあらわにする三人。力を持ちすぎる者は妬みの対象となる。
侍もそれは例外ではなく、半左衛門はそろそろ始末しようとしていたのだ。
一方、外に出た侍は京二郎と対面する。この町に強い敵はもういない。
殺し合う相手がいないのは退屈だろうと、陶酔する様に問いかける京二郎。
そして、最後に侍の為に面白い事を起こそうと、不気味な笑いと共に去っていった。
一夜が明け、侍は再び半左衛門に呼び出され、侍しか出来ない仕事と言うのを任される。
詳しい内容を伏せられ、訝しげに目的地へと向かう侍。
そこで待っていたものは、同心を連れた保野の姿だった。
問いかける間もなく、奉行暗殺の真犯人として詰め寄られた侍は、半左衛門に嵌められたことに気付く。
怒り心頭に達した侍は、その場にいる者を切り捨て、保野に迫る。
追い詰められた保野は震え上がり、命乞いをし始めた。その中で、保野は大本の半左衛門の暗殺を促す。
真に始末するべきは半左衛門。侍はそう判断し、保野と手を組む。
そして、その夜更け、侍の棲家に京二郎が現れた。
すでに分かっていた事だが、半左衛門は自分以上の力と技を持つ侍を邪魔に思っていて、
始末しようと考えていたことを京二郎は告げる。そして、その執行人が自分である事も。
夜更けに響きわたる剣劇の音、一進一退の攻防が続く中、保野が飛び込んで来た。
楽しみを邪魔され憤る京二郎に、保野は侍を首魁とする新たな青門組の野望を語る。
血で血を洗う新たな戦のヴィジョンに京二郎は興味を示し、侍側につく。
一方、侍はかすみが屋敷から逃亡したと聞き、その行方を捜す。
道場の裏に隠れていたかすみは、侍は他のゴロツキとは違うと信じていた。
しかし、結局同じだったと、侍に斬りかかる。
侍はそんなかすみを無情に斬る。いまや、侍の眼は青門組の支配者となることだけに向いているのだから。
力のみが物を言う、弱肉強食の社会において、人の道を語るかすみの死は、必然であったのかもしれない。
そして、襲名式当日、半左衛門は自らを親分と呼ばせ、まさに、幸福の絶頂にあった。
そんな中、保野がさりげなく侍の事について切り出す。
半左衛門は侍は自分を裏切った為、見せしめに始末したと嘯いた。
それを聞き、堪え切れないといった感じで京二郎が笑い出した。
訝しがる半左衛門に、京二郎は確認するように問う。裏切り者には死、これが半左衛門のやり方かと。
半左衛門が肯定すると、京二郎はとても楽しそうに、言った。
ならば死ぬのは、あんたの方だ。
狼狽する半左衛門に、今度は保野が語りだす。
今日の襲名式は半左衛門のものじゃないと、そして、その人物を呼び寄せる。
現れた侍の姿に驚く半左衛門、そしてその侍に半左衛門の部下は一斉に挨拶する。
「もっとも力あるものが支配するべき」「裏切り者には死」
半左衛門の道理によれば、今、天原を支配するべきは侍。そういうことである。
保野、京二郎、部下達。全てに見捨てられた半左衛門は、認められるはずもなく、
半ば自棄になりながら、侍に斬りかかる。しかし、最早、半左衛門の命運は尽きていた。
半左衛門は返り討ちにあい、最後まで自分の死を認められぬまま逝った。
こうして、青門組を受け継いだ侍の、裏の覇者ならんとする新たな戦いが始まった。
争乱の時代、いかなる犠牲を払おうと、おのれの野望を達成しようとする者達こそが、
あるいは、最も純粋に「侍」としての道を歩んでいるのかもしれない。
争いのある場所以外に、侍の道はないのだから……。
まさに外道!
侍の人乙。
同じく侍の人乙!!
全然違う話になるもんだねー
ブラマトの人乙ー!
侍の人も乙ー!
かま3さいこー!
侍道の人乙です。
こうやってみるとすんごい上手く作られてるんだな。
友達に勧められて買ったけど全然操作に慣れなくて
ごく序盤で投げ出しちゃってたのが残念になってきた。
侍の人乙!
いやはや全然違う話になるんだな。
でも面白い!
どなたかkiller7のストーリーをお願いします。
PS2の「リーヴェルファンタジア 〜マリエルと妖精物語〜」教えてください。
コード・エイジ・コマンダーズ投下してる者ですが、
現在の書き方表現(この書き方では時系列が分かりづらい等)に
限界を感じていたのと、諸処の理由とで
誠に勝手ながら、ここで投下してたのを一旦止めます。
本当にすみません。
のちに丸々全部書き直せたらいいんですけど、確約はできないです。
>>307からの続き
ディアデムの漁村ナシラに行ってみると、村はモンスターに襲われていた。
王の騎士団員たちに加勢し、モンスターを一掃する。騎士団員たちにも疲れの色が濃い。
「なあギバリ、どうしておまえは騎士団を抜けてしまったんだ? 今も腕は全然にぶっちゃいないようじゃないか」
騎士のひとりが問いかける。ギバリの父親は、レイドカーン王の剣の師匠だったのだ。
小さい頃から王と一緒に剣を習っていたギバリの腕はずばぬけていた。
「もう遠い昔の話だ。たいした理由なんか無い。それに俺は、人の上に立つような器じゃねえよ」答えるギバリ。
「なあ、本当になにもなかったのか?」騎士が立ち去った後尋ねるカラス。
「おまえはいくつだ?」「え、オレ? 19だけど?」
「そうか…。いいか、カラス。19の小僧に、これまでの自分の人生を語って聞かせるほど、
俺はまだ老いぼれちゃいねえ。今ここにいる俺と、これから俺が何をやろうとしてるか…、
それさえ分かってりゃそれで充分じゃねえか? ああ?」
「…ああ、そうだな。分かったよ、ギバリ」「上等だ。ま、いずれ話してやるよ、こいつが片づいたらな」
ところが村の老婆から、子供が熱を出し、熱冷ましに効果のあるペクサの海草を取るために、
幼なじみのアナとレブリスが危険な大天河に向かった事を聞いてギバリの顔色が変わる。
激しい流れの大天河の岸をたどっていくと、岩にもたれかかったレブリスを見つけた。
「大丈夫か? アナはどうした!?」先に進んだと聞いて、さらに追うギバリたち。
「アナ、無事だったか?」「ギバリ、来てくれたんだね!」しかし、河の流れを見て驚くギバリ。
後から駆けつけたレブリスも同様だった。
「こんなのは初めてだぜ」「ああ…天河があふれているのか?」
一面の水が全てを押し流すかのような急流、絶え間なく岸に砕け散る波しぶき。
これではペクサの海草が採れない。
「…釣る!」やにわに宣言するレブリス。ペクサを餌にしている魚を釣り上げて腹を捌けば、海草が手にはいる。
こうなると、ギバリとレブリスの間に、ナシラの男の意地が燃え上がった。ため息をつくアナ。
このふたりは昔からなにかとライバル意識が強くぶつかることも多かった。
特にアナがからむと、レブリスはすぐに熱くなるのだ。
波しぶきに洗われながら、丸太の釣り竿を垂れるふたり。
「のどかねえ…」「平和ねえ…」「静かねえ…」つぶやくアナ。後ろで見守るカラスたち。
頭上をのんきに鳴きながら鳥が横切っていく。
どのくらい時間が経ったかも分からないくらい待った頃、「来た」とレブリス。
得意そうに自慢するが、かなりの大物らしく引き上げられない。思わず力を貸すギバリ。
互いに憎まれ口を叩き合いながらも、息のあった引きでつり上げたのは巨大な怪魚。
その背中に刺さっているのは、伝説の漁師バルゴーラの櫂。まさにこれこそ伝説の河の主だった。
カラスたちが主を倒してみると、その口にペクサの海草が着いてた。
「ギバリ、おまえ、腕のたつ騎士だったっていうのは、本当だったんだな」とレブリス。
「…昔の話だ」「そうか…。だが、釣りの腕もなかなかのもんだぜ」「レブリス」
「もっとも、まだまだ俺の足下にも及ばねえがな!」「フ…いうじゃねえか、レブリス」
オヤジ臭さ全開で暑苦しい高笑いをするふたりを置いて、アナや仲間たちはとっとと村に帰ってしまった。
海草のおかげで子供の熱は下がった。
レブリスは、ギバリにバルゴーラの櫂を持って行くように言う。
「道具のハンデでもつけてやらなきゃな」「上等じゃねえか」「上等よ」
アナとレブリスに見送られ。一行はナシラを後にした。
アヌエヌエの禁断の魔道書を求めて、カラスたちは魔法学校の校長に会いに行った。
コレルリの命令でまさに解読中のその書物を見せてもらうと、いきなり強い光に包まれ、
いつの間にかいくつもの扉のある広間のような所に来ていた。
シェラは扉にあるのが、氷の国の古い紋章であることに気が付く。
この場所はワズンの王家に伝わる最強の魔法で守られていたのだ。
扉の封印をひとつ解くごとに、シェラの目には幼い頃の自分と母親の氷の女王の姿が浮かんでくるのだった。
女王は娘に、この国の女王としての試練のことを話して聞かせる。
女王となる者は、予言されている、世界を変えてしまう恐ろしい厄災を阻止するために
この国を出て外界を旅して回らなければならないことを。
自分の代で予言が成就すればシェラは普通の娘としての人生を送ることができるが
そうでなかった場合は、シェラの番だと言う。
我が一族は決してその運命から逃れることができない、と。
「はい、わたしもかあさまの娘、覚悟はできています」けなげに幼いシェラは答えた。
「氷の女王として海を守り、もし世界が生まれ変わるときが来たら、海を人に返しましょう」
シェラは仲間たちに、魔道書で釣っておびきよせられ、自分の決意が試されているのだと言う。
「決意って今更。ミローディアとマルペルシュロを止める決意なんかとっくに着いているだろう」
カラスに言われて黙り込むシェラ。それとはまた別の、彼女だけの決意があるのだ。
「事が成就した暁には、氷の女王はもうこの世にはいない。
私たちが世界に送ることのできる、最後の祈りであり祝福。
シェラ、あなたはあなたの道を行きなさい。ひとりぽっちでも決して後には退かず、
何も恐れずほほえみながら。海があなたと共にあるのだから。」
まだ幼かったシェラは真剣な表情でこの母親の言葉を聞いたのだ。
我に返ったシェラが進んだ先には、禁断の魔道書があった。
強い気を発しているその書物を解放すべくシェラが歩み寄ると、
突然あたりが暗転し、魔導師たちが現れた。
「よくぞ来た。そなたが最後の氷の女王か?」
「はい、おそらくは…」
「今が、その時なのか…? よかろう、ならばゆくぞ」
その場に出現した奇怪なモンスターと戦い、これを倒すと、
「世を…頼んだぞ」姿無き魔導師たちの声が聞こえた。
「はい、あなた方の遺志と希望、たしかにわたしが受け取りました。最後の氷の女王として…」
ミラへ続く魂の道。その流れるオーロラのような空間の中、羽ばたく白竜に追いすがる巨大な黒い影。
それは、爆破された戦艦ゴルドバにそっくりな幽霊船だった。
乗り込んでみると中は真っ暗で、蒼白く光る亡霊たちが彷徨っていた。
近寄ると亡霊たちは恨みがましい言葉と共に襲いかかってきた。
「リュー…、ド…祖国を裏切り…自分だけ助かるなんて…」「お前の未来に光は無いと思え…」
「くらいよ…せまいよ…だれか…たすけて…」「どうして…わたしを…いじめるの…」
「アザー掃討作戦…お前は反対しただけで…結局、止めようとはしなかったな」「お前は何もしなかったんだ…」
「ち、ちがう…、僕は、ぼくは…」つらそうにつぶやくリュード。
「リュード…大丈夫か?」カラスが声を掛ける。
「え、ええ…大丈夫です。先を急ぎましょう」
船室のひとつに入ると、暗闇がリュードを包む。
「ようやく、反逆者のご帰還か…」かつての上官の姿が浮かび上がった。
「見るがいい、きさまの裏切りのせいで、帝国がどうなったか…。みんな闇に呑み込まれてしまった…」
「違う…! 僕のせいじゃない!!」
「すべてがそうでないにしても、おまえは母国の滅亡の一端を担ったのだ…。
その刻印は、一生おまえから消えることはない…。
この先会う誰もが、お前の上にその刻印を見る…」
「だ…、だまれ…! だまれッ…、僕は国が滅ぶことなど望んでなんかいない!」
「おまえが何を望もうが、それはもう起きてしまったんだよ…」
「……!」言葉を失うリュード。
「おい、リュード、おまえ、さっきから何ひとりでブツブツ言ってるんだ?」
カラスの声に、上官の姿が消える。
「う…!? みんなには聞こえないのか、あの声が!?」
どうやらあの声も姿も、リュードにだけしか見えず、聞こえていないのだ。
「なんかここには、おかしな気がいっぱいうずまいているね…」とミズチさま。
また別の部屋に入ると、こんどは兄のスキードが現れた。
「リュード、おまえのおかげで、由緒あるわが一族もおしまいだよ…」
「に…、兄さん!?」兄の隣に、姉のヴァレイも並んだ。
「さぞかし本望でしょうね…。こうして私達に意趣返しができて…」
「姉さん…」「おまえは、心の底では、私達を…、一族を憎んでいたのよ…」
「そんな…! どうして、僕が姉さん達を…?」
「どうして、だと…? しらばっくれるな、リュード…。私達は、おまえを憎んでいた…いや、蔑んでいた…
それはおまえも、気づいていたろう…?」とスキード。
「気づいていなかったとは、言わせないわよ…」とヴァレイ。
「私達は、おまえのことなんか、これっぽっちも好きじゃなかった…」
「なぜなら…おまえには、愛される資格などこれっぽっちもなかったから…」
「そんな…!? 僕は…、僕は、あなた達に愛されたかった…! 愛されようと努力したんだ!」
「フ…、いいわけはたくさんだよ、リュード…」「そう、おまえのしてくれたことが、すべてを物語っているわ…」
「違う…! 違うんだ! 僕は、ほんとに…!!」悲痛に叫ぶリュード。「ああ、どうして、こんなことに…!?」
兄と姉の姿が消える。
「おい、リュード!? どうした!? おい、しっかりしろ!」
カラスの呼びかけに、我に返るリュード。頭を抱えて床に跪く。
仲間達はそんなリュードの様子を気遣いつつも、出口を探そうとする。
そのとき、またしても幻影が。それは、帝国を脱出するときリュードをかばって命を落とした、乳母のアルマードだった。
「ああ…、まさか、そんな…!? やめてくれ…、頼むから、もうやめてくれ!」
「リュード…、どうして私のことを助けてくれなかったの…? どうして、見捨てて逃げたの…?」
アルマードは悲しげな顔で責める。
「いつだって私は、あなたのことをかばい、ずっとそばにいて見守っていてあげたのに…」
「こんな…、もうイヤだ! 耐えられない…!!」叫ぶリュード。
「あなたは、助けてはくれないのね…? 愛してはくれないのね…、あなたのことを愛する者でさえ…」
「ち、ちがう…! ちがうッ…!!」
おまえには誰からも愛される資格はない…誰かを愛する資格もない…そうだろう、リュード?
「ああ、そうだ…、そのとおりだ…僕にはだれからも愛される資格はない…誰かを愛する資格もないんだ…!」
国を裏切り、家族を捨て、愛してくれる者さえ見殺しにして…おまえはどうやってこれから先
生きて行くというんだ、リュード? 何を望んで、いきてゆくんだ?
「僕は…僕には、もうわからない…! どうしたら、いいんだ…? この先どうやって、生きて行けばいいんだ…!?」
「私と一緒に…私達と一緒に来なさい…そうすれば、楽になれるわ…幸福になれるわ…
さあ、くるのよ、私達と一諸に…それがあなたの問いに対する、唯一の答えよ」
アルマードが差し出す手に、手を差し伸べかけるリュード。
そのとき、はっきりと優しい落ち着いた声が聞こえた。
リュード、答えというのは、人から与えられるものではないわ。自分で見つけ出すものよ。
「……!? この声は…!?」
そして正しい答えを得るためには、まず正しい問い」を見つけなくてはいけないの。
そのためには、つねにくもりなき目で物事を見るようにしないと…。
「くもりなき目で、物事を見る…」
そして、よい問い手というものは…
「そして、よい問い手というものは、問いを発するときには、もうちゃんと自分の中で答えを見出しているもの…」
ふいにリュードは明るく広い草原で、草の中に腰を下ろしていた。傍らにはアルマードが立っている。
「答えは、人から与えられるものではない…。そして、正しい問いを見つけること…正しい問い…」
リュードからは迷いが消えていた。微笑んで、アルマードを見上げる。
「ねえ、アルマード…、あなたは、僕の…?」
アルマードは寂しげにリュードを見つめ返した…。
ふたたび幽霊船の暗闇の中。
「そう…、はじめから、答えはそこにあったんだ…。おまえとは、行かない」
きっぱりと、目の前の偽物のアルマードに言い放つリュード。
「くッ…!? きさま…!!」それは醜い化け物の正体を現した。
「ハッ…!? いったいどうなってるんだ!? なんだ、こいつは…!?」とカラス。
「こいつ…、人の痛みを食べてるね!?」とミズチさま。
「僕のなかにある罪の意識…、負の感情を食い物にしていたのか…!」悟るリュード。
「精神寄生体…!? コル・ヒドラエにくっついて、異界から迷い込んだんだわ」とシェラ。
「いくよ!」とサヴィナ。
モンスターと戦い、うち破ると、光の中に上官、兄、姉、そしてアルマードの姿が浮かび上がり、消えていった。
「ありがとう…」いまはもう穏やかな心でつぶやくリュードだった。
突如、戦艦が激しく揺れ始める。
「さあ、とっとと引き上げようぜ、こんなところ」
カラスたちが白竜に乗って脱出するや、幽霊船はどこへともなく沈んで行った。
アルファルドの砂漠の村アザーからは、ショップ店員と機械屋以外の住民が姿を消していた。
村に続くニハル砂漠に入っていくと、砂の丘に入り口を開けた洞窟を狂狼部隊の兵士達が警備していた。
「死神だ! 死神が、帰ってきた!」
「サヴィナ!」そこにはかつての戦友のアズダーもいた。
「無事だったか…。間に合って、よかった」
「よく来てくれた! 助かったよ、サヴィナ。あの化け物どもの追跡をかわしながら、なんとかここまで逃げのびたんだが、
この先にグールどもの巣があってな、にっちもさっちもいかなくなっていたところだ。
おまえたちの加勢があれば、グールの巣を突破して、安全なところへ出られる」
「わかった。だが、どうして自分たちだけで逃げなかった? アザーの村の連中は、足手まといでしかあるまい。
かつて自分たちで襲撃した村の連中を、何故いまさら助ける?」
「さあ、どうしてだかな…? あの時は、任務だったからな。世界がこんなことになってしまって、
せめて自分たちで救える命だけはなんとかしてやりたい…、そんなところかもしれない。
自分自身、よくわからんよ。隊員のなかには、命惜しさにさっさと逃げ出した連中もいる。
まあ、それも仕方あるまい。おまえこそ、どうしてわざわざ戻ってきた?」
「……」「フッ…、変わったな、おまえ。先へ進むのは明日にして、まあ、きょうのところは休んでくれ」
「ああ、わかった」
一行がアズダーに案内されて洞窟の奥へ進みかけたとき、ひとりの少女が飛び出してきた。
「……!」サヴィナの表情が変わる。前にゲルドブレイムを追って火炎洞窟に入るためアザーを訪れたときに
「村から出てけ、人殺し!!」と彼女を罵った子供だったのだ。
少女は言葉にならない憤りを込めてサヴィナをにらみつけた。
暗くなった洞窟の外で、焚き火を囲んで座るカラスたち。
「フッ…、不思議なものだな…、私にとって今回のいざこざのはじまりであるアザー村の近くで、
村の連中と一緒にこうしているなんて…。それも、同じサイドに立つ者として…。
当時の私にこのことを話して聞かせても、到底信じられまい」
普段口数の少ないサヴィナが淡々と語るのを受けて、
「そいつは、俺たちみんな同じようなもんだよ。多かれ少なかれ、な。
先が見えねえから、人生はおもしろいんだ」とギバリ。
「そうかもしれんな。そもそも2年前…。アザー掃討作戦時に、私はミラで、ゲオルグ襲撃作戦に参加した。
しかし私には、ジャコモらがゲオルグの家に押し入るのを、外でじっと見てるしかできなかった。
敵には、依然とかわらず平気でたち向かえる。だがもう、非戦闘員に武器を向けることは私にはできなくなっていた…。
それを悟ったとき、それまでのすべてに背を向けて、私は脱走した…。
カラス…、あの夜、帝国の兵士としてあの場にいたというだけで、
私もまた間違いなくおまえの仇のうちのひとりだ…。
この一件のかたがついたら、遠慮はいらないいつでも討ちにこい」
「……」カラスは答えなかった。
「私は、子供の頃から戦うことだけを教え込まれ、育てられた。アズダーとはその頃からずっと一緒だった。
私のことを戦闘マシンと呼ぶ者もいたが、まさにそのとおりだった。
戦うこと以外は知らない。知らなかった…。だからあの夜、自分の一部が戦うことを拒否したとき、
どうしていいか、わからなかった…。なにもかも投げ捨てて、後先かまわず、ひたすら逃げ出すことしかできなかった…。
それから先は、以前アヌエヌエで話したとおりだ。
あちこちを転々とし、あのワズンの魔女のひとりと出会い、予言の言葉を得た。
私にはまだ、真の戦いが待っている、と…。だから、あそこで待っていた。
私の戦いが訪れるのを…。待つのは、苦手じゃない」
「サヴィナ、待っていたのは、戦いだけじゃあるまい? おまえは、自分の死を待ってたんかないか?
それまでずっと、自分の死に場所を探してたんだろ…?」とギバリ。
「フッ…。さあ…、どうかな…」サヴィナは滅多に見せない笑みを浮かべた。
「まあ、いいけどな。しかし今夜はいつになく饒舌だな?」
「ああ…、確かにな。おまえ達には話しておきたかった…。聞いておいてもらいたかったんだろう」
「……。そういう夜も、あるよね」シェラがぽつりと言う。
話し込む彼らをよそに、ミズチさまは横になってぐっすり眠っているようだった。
夜が明けて、まずアズダーの部隊が先発し、様子をみることになった。
「おまえたちは、ちょっと間をおいてから、安全を確認しながら後をついてきてくれ、サヴィナ。
村の人たちは、とりあえずここで待機だ。俺たちで脱出ルートを確認してから、呼びに戻る」
「了解だ。気をつけてな、アズダー」
「ああ、そう簡単にやられはしない。グールどもに、狂狼部隊の恐ろしさを思い知らせてやる」
洞窟で無邪気に駆け回るアザー村の子供たち。
だが話しかけると、アザー掃討のときに家族を殺された憎しみをカラスたちにぶつけてくる子もいた。
リュードが説明しようとしても、激しく拒まれてしまう。
大人たちもやはり帝国の仕打ちを恨みに思っており、狂狼部隊にも不信感を隠そうとはしなかった。
そんな殺伐とした空気の中、カラスたちもアズダーの後を追い出発した。
果てしない砂漠をどれくらい進んだか。
やがて砂の中に倒れているアズダーを発見した。
「く…、やられた…。気をつけろ、サヴィナ…」
地響きと共に、砂の中からとげとげの鉄球がついた武器を手にした巨大なグールが出現した。
戦闘がしばらく続き「もらった!!」サヴィナが決めようとしたとき、
「父さん!?」泣きそうな声が彼女の足を止めた。
「父さん…、どうして…!?」サヴィナを敵視していたあの少女だった。
奇怪な怪物の中に、男の姿が浮かび上がった。
「ちッ、まさか…!?」ためらうサヴィナを、容赦ないグールの打撃が襲う。
「作戦後、たしか死体はすべて火炎洞窟の底無し穴に投げ込まれたはず…。
そこで邪神のちからにふれて、異形化したか…!」
「サヴィナ!? なにやってるんだ!? 攻撃しろ!」カラスが叫ぶ。
グールが放った光がサヴィナを砂にたたきつけた。
グールは向きを変え、立ちつくす少女に歩み寄る。
「く…マズイ! 逃げろッ!!」
しかし子供は弱々しくうめくだけで、身動きできない。
グールが鉄球を大きく振り上げ、叩きおろした。
「あ…!?」間一髪で、アズダーが子供の前に立ちはだかり、グールの武器を受け止めた。
「アズダー!?」
「2年前は、すまないことをした…。許してくれ…。
しかし…、こいつはもう、きみの父さんではない…、わかるな…? こいつを眠らせてやろう…。いいな?」
アズダーの背後で、子供はこっくりした。
「よし…、えらいぞ」武器を押し返しながらアズダーは叫んだ。「サヴィナ…!」
サヴィナは頷き、グールに止めを刺した。
カラスたちと狂狼部隊は、村人たちを安全な場所に案内した。
「ありがとう、サヴィナ、おまえと友人たちのおかげだ」とアズダー。
「気にするな」
その時、助けられた子供がふたりに歩み寄った。
「あんな危ないところで、ひとりでついてきたりしちゃダメだぞ。ああ?」
「……」「どうした? なにか話でもあるのかい?」
少女がマグナスををサヴィナに差し出した。「…? これを、私に?」
「いくらやられても、手を出さなかった…。あの…、父さんの顔を盗んだ、あいつに…。ありがとう」
そう告げて駆け去る後ろ姿に「あ…、ありがとう!」口ごもりながら礼をいうサヴィナ。
「ほう、そいつはアザーでつくられた武器だな。なかなかの業物じゃないか。きっと、あの子の父親の…」
「……」思いをかみしめるようにサヴィナは立ちつくした。
そしてアズダーに別れを告げ、一行は砂漠を後にした。
ドゥールには、大カムリ、クラムリ、ミズチの両親、友達のキまでもがアヌエヌエから戻ってきていた。
彼らはミズチさまの力になろうと、太古の魔導師の輪を解放するため石の塔ゾズマに向かったという。
大カムリたちがゾズマの最下層で呪文を唱えると、炎にも似た輝きの中に古の魔導師の幻影が現れた。
「マルペルシュロを倒すために、あなたの星の輪を渡して欲しい」
「おまえたちはそれに値するのか?」衝撃が大カムリたちをなぎ倒した。
そこに飛び込んできたカラスたち。
「む、おまえは?」「ミズチさまはミズチさまね」ミズチは倒れたキに駆け寄る。
「どうしていつもみたく、ミズチさまがくるの、待たなかったね?」
「だって、ミズチは…もう一所懸命戦ってるじゃないか。
せめてミズチのために自分ができることをしたかったんだ」
「バカね…。そんなこと気にしなくていいよ、キ。ミズチさま、みんなの分までがんばるね」
「ううん、それじゃダメなんだよ」
ミズチは子供たちの中で、自分に「さま」をつけて呼ばせ、一番偉いんだと宣言し先頭に立った。
そうすることでモンスターたちの注意を引きつけ、おびえる子供たちをかばった。
でも、もうそうしなくてもいい。ぼくたちも戦うよ、誰もがみんなで精一杯やらなきゃ。
君はもうただのミズチでいいんだよ。
「うん、分かった。ちょっと休んでいて」
ミズチは幻影に対峙した。
「しからば、ゆくよ!! ミズチが、星の輪を受けとるね。ミズチにおまえがどこまでやれるか、見せてみるね!」
強まり広がった光の中から、古の魔導師が現れた。ミズチは単身立ち向かい、勝利する。
「受け取るがいい、星の輪を。お前になら使いこなせるだろう。幸運を祈る、我が末裔よ…」
ご先祖の幻影は消えていった。
「すごいや、ミズチ」喜ぶキに、「ううん、みんなのおかげね。でもやっぱり、ミズチさまはミズチさまね!」
「ミズチ!」調子に乗って両親にたしなめられるミズチさまだった。
いよいよコル・ヒドラエに乗り込むときが来た。
アヌエヌエのコレルリ達のもとへ向かう。
3魔女のひとりコーダーが、準備が整ったと告げる。
マルペルシュロ側がエンド・マグナスを解放するために使った五大陸の力を
コル・ヒドラエのシールドを破るために利用しようというのだ。
「むちゃな…!」と大カムロ。「各大陸は残されたちからでかろうじて空に浮いているような状態のはず…。
そのちからを吐き出してしまっては、大陸は…! 危険すぎます!」
「危険なのは、もとより承知のうえです」とレイドカーン。
「このままではいずれやられるのを待つばかり…。我々は、いちかばちかこの作戦にかけるしかないのです」とカルブレン。
「無論、となれば私のちからも必要だろう」そこに現れたのは、サダルスウドの領主ロドルフォだった。
「皆がちからを合わせる以上、わたしひとり逃げ隠れしているわけにもいかないしな」
本当のところはコトランたちに脅されて腰を上げたようだったが。
それでも皇帝亡き今アルファルドの助けは無しで、ほかの四大陸でやり遂げなくてはならない。
「しかし、わからないのですが…」とリュード。「ミローディアはどうにかしてマルペルシュロとこころを通わせているようすですね」
「ああ…、ゲルドブレイムを利用して五つのエンド・マグナスを解放させ、マルペルシュロの復活を手助けしてやったくらいだからな」とギバリ。
「最初は、おそらくミラのエンド・マグナスとのリンクだったんじゃないかしら」とシェラ。
「ええ、そう考えるのが妥当です。一方ジャコモの話だと、
ゲオルグ博士も火炎洞窟のエンド・マグナスの影響で特殊な能力を身につけていた、と…。
そして、カラスやフィーを生み出すまでは、まるで何かにとりつかれたように研究に没頭していたらしい…」
「…? それがどうかしたのか?」
「結局、ミローディアもゲオルグ博士も、どちらもマルペルシュロの意志によって動いていた、動かされていた…、
そんな気がするんですよ。当人がそのことに気づいていようと、いまいと…」
「ああ…。確かにそうだな」リュードの説に同意するギバリ。
「となると、なんだか妙じゃないですか? かたやエンド・マグナスを解放し、
世界をマルペルシュロの支配する暗黒の闇にしようとする、ミローディア側の意志…。
かたや、それを阻止して、マルペルシュロを倒す者を生み出そうとした、ゲオルグ博士の意志…。
同じマルペルシュロによって意図されたものなのに、どうして相反する二つの流れになるのでしょう?」
「むぅ…、言われてみりゃそうだな…。確かに、そいつはヘンだ」
「そもそも、ゲオルグ博士の研究は、生命のマグナスの創造です。
これは、いわば滅びであり、死のマグナスであるエンド・マグナスと。真っ向から対立するものです。
カラスがマルペルシュロと対決するのは、あらかじめ決められていたと言えるかもしれません。
そういった意味では、カラスはまさに、マルペルシュロにとっては
自身の死を予兆する、不吉な存在だったわけです」
「そういうものさ」サヴィナが言葉をはさんだ。
「え…?」
「…みんな、平気で矛盾したものを抱えて生きてる」後を続けるようにシェラが言った。
「他者に誠実でありたいという気持ち、何もかも投げ出してしまいたいような気持ち。
自由でありたい気持ち、絆を求める気持ち…。
大切な人を守ってあげたい気持ち、見捨ててしまいたい気持ち…。
生きたい気持ち、死にたい気持ち…。愛する気持ち、憎む気持ち…。
ミローディアとカラス…。あなたたちはそれぞれ、マルペルシュロのこの世界に対する呪いと祈りなのよ、きっと…」
「呪いと…、祈り…」カラスが繰り返す。
「ええ…、実際マルペルシュロが何を考え、何を望んだのか、わたしにはわからないけど…、でも、そんな気がする…」
「ミローディアとカラス…、ヤツらと俺たち…。どちらが勝かわからない、どっちが勝ってもいい…。
なんだかんだ言って、結局は神の気まぐれ…、ゲームってことなのか?
そいつに俺たちみんな、有無を言わさずのせられたっていうわけか?」
「いいや、違う…、遊びなんかじゃない」カラスはギバリの言葉を否定した。
「こいつは、マルペルシュロ自身の全てをかけた、ただ一度きりの決断…、意志なんだ。
千年前に葬り去られた神々の、最後の戦いなんだ。ヤツは、本気だ…」
そのころ、コル・ヒドラエの最奥で何をか思うミローディアがいた。
翌日、決戦前にカラスは自分の中の精霊に感謝の意を伝え、覚悟を新たにした。
仲間たちと、白竜に乗って飛び立つ。
五大陸が揺れ動き、それぞれコル・ヒドラエに向かい接近していった。
アルファルド以外の四大陸の力が光の柱となって、コル・ヒドラエを直撃するも、シールドは破れない。
しかもこんな時にもモンスターたちが容赦なく迫ってきた。
四大陸の力が危うく弱まりかけたとき、
「いや、まだだよ!」アルファルドから輝く力が立ち上った。
驚くコレルリたち。それは、エイメとフォロンだった。それに、アズダーたちがふたりを援護している。
皆が再び力を振り絞り、五大陸の力をシールドにぶつける。
やがてさしもの堅固なシールドもその力に破れ、カラスたちはコル・ヒドラエへの進入に成功した。
城に踏み込むと、蒼白い炎をまとった五体の黒い影が威圧するように現れ、消えた。
トウ・キョウ・ドウ・シュ・ソクの兄弟神の幻影だった。
五つに分岐した通路をたどって、カラスたちはそれぞれの先の部屋にいた幻影たちを倒し、さらに進んだ。
「ようこそ、みなさん、神々の玉座へ! もうすぐ神々の晩餐のじかんよ」
にこやかにミローディアが出迎えた。五つの台座に先ほどの兄弟神の幻影たちが腰掛けている。
「ミローディア…。迎えにきた。一緒に帰ろう、オレたちと」
しかし彼女にその言葉が届くはずもなかった。マルペルシュロが襲いかかってきた。
激しい攻防にやがてマルペルシュロが膝をつく。「やったか?」
「マルペルシュロ! 神々のちからが人に破れるなんて…そんな…バカな!?」
うろたえるミローディアの背後から声がかかった。
「神々の遺骸をツギハギにして、無理矢理いのちをつくりあげてみたところで、
所詮それは不完全でいびつな容れ物…いにしえの神々のちからを完全によみがえらすことなど、
人にできるわけがなかったのですよ」後を追ってきたコレルリだった。
「もういい…。終わったのだよ、ミローディア…。こんなことは、もうやめにしよう」カルブレンが歩み寄った。
「お爺さま…? やはりお爺さまも、わかってはくださらないのね…。
見て!! もう、以前の病弱な私とはちがう! ミラ大公家の正当な後継者として、
エンド・マグナスを受け継ぎ、いにしえの神々の力を手に入れたのよ!!」
「ちがう、ミローディア、おまえが神のちからを手に入れたのではない。神々の方で、おまえを取り戻したのだよ…」
「……!? いったい、なんの話、お爺さま?」「おまえは、じつは…」
幼い頃から体の弱かったミローディアは、9年前に亡くなっていたのだ。両親とともに流行り病に倒れて。
惨い現実に耐えることのできなかったカルブレンは、エンド・マグナスのちからを借りて孫娘を蘇らせた。
死から蘇った、闇に属する生き物。このマルペルシュロと同じように。
カルブレンはミローディアに、ともにちからを合わせ、再びマルペルシュロをマグナスに戻し封印しようと言う。
だが、自分の方が操られていたと知ったミローディアはひとしきり高笑いをしたあげく祖父をなじる。
「どうしてよみがえらせたりしたの…!? どうして死んだままにしておいてくれなかったの…!?」
彼女の体はマルペルシュロに融け込むように呑み込まれた。光り輝くマルペルシュロ。
「虚ろだった容れ物が、たましいを手に入れてしまった…!」
さらに兄弟神の幻影を吸収し、マルペルシュロは完全な姿を取り戻し力に満ちあふれて立ち上がっていた。
激しい攻撃が一同を見舞ったが、突如遮るように強い輝きが。
その中に、皆をかばうように立ちはだかる姿が見えた。「フィー…」
気をとりなおしたカラスたちは姿を消したマルペルシュロを追い石段を上っていく。
城の屋上、待ちかまえていたかのように立ちはだかるマルペルシュロ。
フィーのくれたいのちのちからとマルペルシュロの滅びのちからと、今度こそ決着をつけなければならない。
死闘が繰り広げられ、カラスたちはなんとか邪神の勢いを殺いでいった。
カラスはミズチさまに魔導師の力でマルペルシュロを縛るように頼み、
「ちょっと、行ってくるよ。あとは、よろしく頼む」
ミローディア、今闇の中から引っ張り上げてやる、と叫んで邪神の体内に飛び込んだ。
精霊の杜ネクトン、フィーの名を呼ぶカラス、光の渦と化していくフィー。
ミラの大公の館、ベッドに横たわるミローディア「…だれ?」起きあがって部屋を出ていく。
ネクトン、一人っきりで目が覚めるカラス、憎しみに燃え復讐を誓うカラス。
そこへやって来た人影。「あなたは誰? 欲しいのね、ちからが…?」ミローディアだった。
「いいわ、私があなたにちからをあげる…」にっこり微笑む。
「私があなたを導いてあげる。そのかわり…、これからは、なんでも私の言うことを聞いてくれなくてはダメよ、いい?」
カラスは彼女に従い、精霊に憑かれた。
そのあと帰宅したミローディア「血が」。侍女は喜び、彼女がカルブレン家の正当な後継者になったと言った。
が、ミローディアにはどこかの闇のなかでつぶやく声が聞こえた。「ならば、継ぐべきものを継がせてやろう、しかと……」
エンド・マグナスの解放、邪神の復活、それからの数々の企み、偽り、死、悲しみの影に、彼女の暗躍があった。
そして今、どことも知れぬ場所にひとりぽっちで腰掛ける彼女に、名を呼びかける声が。カラスだった。
「ミローディア、聞こえるか、ミローディア。言ったろう、迎えに気立って…。さあ、帰ろう、一緒に…。みんなのところへ…!」
だが、彼女に声は届かない。「おまえひとりだけ、こんなところに残してはいけない! いい加減、目を覚ませ!」
カラスは精霊に力を貸してくれるよう頼み、再びふたりで彼女に呼びかけた。
「…にいさん?」ミローディアの目が覚めた。
コル・ヒドラエ。立ちつくすマルペルシュロを前に、カラスを待って見守る仲間たち。
もうこれまでかと思われたとき、邪神の体から、ミローディアを抱えたカラスが飛び出してきた。
カルブレンが孫娘の名を呼び、抱きしめる。「…ごめんなさい」
「よし、マルペルシュロを眠らせてやろう! いい加減あいつを、千年の呪縛から解き放ってやらないと…!」
「でも、神器はみな砕けてしまっている…。いったい、どうすれば…」とシェラ。
「私が…」とミローディア。昔の魔導師たちは精霊を宿し、そのちからで神器も鍛えた。
彼女のエンド・マグナスとカラスのいのちのマグナス、そして精霊の力をひとつにすれば…。
3人のちからで神器を修復し、ワズン3魔女も魔力を放ち、シェラは祈った。
「光なき地にひかりを。救い亡き者に救いを。ひとり夜の底を行く我らを、海よ、いざないたまえ…」
強く光を放っていたマルペルシュロの体は、細かな粒子となって消えていった。
「苦しかったでしょう…? 哀しかっただでしょう…? ゴメン…、ゴメンね…」
シェラは跪き、手を差し伸べた。「海へ、おかえり…」
城が揺らぎ始めた。白竜と帝国の船が迎えに来た。一同が脱出するやいなや、コル・ヒドラエは再び異界に引き込まれていった。
白竜から見下ろすと泥雲がすっかり消え失せて、ひろびろとした大地が続いていた。
五大陸が地上めがけて下降を始めた。地上に五体の兄弟神が姿を表し、
それぞれ大陸を受け止めるとそのまま岩と化していった。
アヌエヌエの首都コモ・マイはお祭り騒ぎの真っ最中。
カラスは、指導者たちから感謝とねぎらいの言葉を受けていた。
カラスは、自分を信じてくれたみんなのおかげだという。
コレルリ、レイドカーン、ロドルフォたちはこれからも協力しあうことを約する。
カルブレンを見つけてミローディアのことを聞くカラス。孫娘を気に掛けるカルブレン。
そのあとカラスはミズチさまに、いつまでその面をつけているのかと尋ねる。
そう言われて面をはずしたはいいが、落ち着かないミズチさま。これからはあちこち大冒険をするのだと言う。
シェラは元気がない。なんだか気になる。
リュードはひとり離れたところで、リーダー無き祖国のこれからを憂えていた。
今までと違い他の国と協力しあえるし、なんならおまえが指導者になれと元気づけてやる。
サヴィナは、今までできなかった、してこなかったことを始めるのも悪くない、と言う。
そばで聞いていた滝の村の少女が、だったらお料理なんてどうかなと勧める。
こっそりコモ・マイを抜け出すシェラを追うカラス。カラスは前から気がついていたと言う。
シェラが彼とミローディアの企みをを月騙しの森で偶然知ってしまったこと、
そこに寄ってきたグレイソーンのミーマイに、意識を失い倒れたカラスをケバルライ村に運ばせ、
自分は初めて村で彼に出会ったふりをして、それから行動を共にするようになったことに。
「きみはいったい何者なんだ?」
千年前に五大陸が神との戦い後に地表を離れたとき、氷の国もクジラのちからで空に上がった。
その時、魔導師が当時の氷の女王の体内に海を封じ、地上が浄化されるまで代々引き継いで守るよう定めた。
今、最後の氷の女王シェラの中に、その海があるのだ。
シェラは自分と同様どこか違ったカラスのいのちの輝きに惹かれ、守ってあげたいと思っていたという。
「カラス、あなたに解放してもらいたいの、私の中の海を」
「…海を開放したら、シェラ…、その時、きみは…?」黙り込むシェラ。「ダメだ…! できない…、オレには!!」
だが、海を開放できるのは、同じ精霊を宿した彼とシェラと、精霊の3人だけだ。
シェラに説得され、ついに承知するカラス。3人で、祈りの言葉を唱える。「ありがとう」
その時。「まだ、だ! まだ、おまえたちの好き勝手にはさせんぞ!! この世界は、私のものだからなぁ!!」
地面が揺れる。ワズン魔女たちが駆けつける。
「カラス、見ぃーつけたぁ!!」ゲルドブレイムの声だ。
「神がなんだぁ!? いにしえのちからがなんだぁ!? みんな…みーんなくっちまったら面白いだろうなあ」
亡霊のようないくつもの白い顔が宙に浮かぶ。「私はもう、この世界そのものだぁ! 宇宙そのものになるんだぞぉ!!」
魔女たちは術を使うまもなく、体が地面に呑み込まれていく。
大地から小山のようなゲルドブレイムの頭部が盛り上がって、カラスとシェラを攻撃する。
ふたりでこれを退けたが、シェラは倒れる。抱き起こすカラス、見守る魔女たちとミーマイ。
どこからともなく、グレイソーンたちも集まってきた。
2年前、シェラが国を飛び出す原因となった夢、それは世界の破滅ではなかった、
暗い森で誰かを抱え、泣き叫んでいたカラスの姿だった、守ってあげたかった、と告げて力尽きるシェラ。
抱きしめるカラスの腕の中から、シェラは白い輝きとなって消えた。
雨が降ってきた。雨は傷ついた大地にも、五大陸にも、やむことなく降り続けた。塩辛い雨だった。
人々の背中にこころの翼が開き、そして消えていった。雨は見る見る大地を満たし、海となった。
やがてその中に氷の国ワズンが降りてきた。
すると、世界中からグレイソーンたちが引き寄せられるように集まり、ミーマイもそのなかに加わり、
大きな生き物、クジラとなった。クジラは一声鳴くと、水しぶきを上げて跳ねた。
皆が精霊の杜ネクトンに集まった。精霊と初めてであった時のことを思い起こすカラス。
ここで、別れよう、と精霊に告げる。精霊はカラスの体から離れていった。
子供たちが駆け寄ってきて、カラスに海岸で拾ったというシェラのペンダントを手渡す。
シェラの声が聞こえるんだという。耳に当てると、波の音がした。
と、ペンダントから水しぶきがあふれ出し、その中にシェラが立っていた。
「ただいま…」驚く一同。シェラを抱きしめるカラス。
「約束したでしょう…、どこにも行かないって…」
ミーマイたちクジラが、バラバラになって消えようとしていた彼女をひとつにしてくれたのだ。
シェラは精霊(プレイヤー)に、感謝と別れを告げた。ギバリ、リュード、ミズチさまサヴィナも。
そのほかのみんなもこちらに向かって手を振るのだった。
【エンドロール一枚絵】
レブリスとアナと、3人で釣りをするギバリ。
金槌?を片手に子供たちと話しているリュード。
子供たちを率いるミズチさま。
白いエプロンに、片手にフライパンのサヴィナ。
ふたり寄り添って笑顔のカラスとシェラ。
どこかの室内、棚に置かれている飛翔機に一枚の羽が舞い下りて、おわり。
・人名補足
【カラス】主人公。精霊憑き。生まれつき心の翼が片方しかない。実は人間ではなく、マグナスから作られた存在だった。
【シェラ】氷の国ワズンの女王。失われた海を体内に封じ込め守っていた。かぼちゃぱんつ。
【ギバリ】ディアデムの漁村ナシラの漁師。昔ディアデム騎士団に所属していたこともあり、剣の腕も飛び抜けている。
【リュード】アスファルド帝国の軍人だったが、砂漠の村アザー掃討に反対して閑職に追いやられた。
【サヴィナ】帝国「狂狼部隊」所属の死神と恐れられた戦士だった過去を持つ。
【ミズチさま】土の民。神を封印した古の魔導師の力を受け継いでいる。決して仮面をはずさない。
【ゲオルグ】皇帝ゲルドブレイムのもとでマグナスの研究をしていた科学者。マグナスから作ったカラスとフィーを育てた。ジャコモたちに襲われ死亡。
【フィー】カラスの弟。ジャコモたちに襲われ死亡。
【ラリクシ】ケバルライ村の医者。昔ゲオルグと共に研究をしていた。
【ジャコモ】帝国「暗黒部隊」の首領。ゲオルグの息子。力を追い求めている。
【エイメ】【フォロン】「暗黒部隊」幹部。ゲオルグの実験に使われた孤児だった。
【アルマード】リュードの乳母。彼を兄・姉とは違う優しい性格に育てた。実は生みの母だったらしい。
【アナ】【レブリス】ナシラに住むギバリの幼なじみ。
【コレルリ】永きに渡ってアヌエヌエを治めている妖精導師。永遠の17歳。
【レイドカーン】ディアデムを治める王。国民の信任を得ている。
【カルブレン】ミラを治める大公。ミローディアの祖父。
【ミローディア】いったん病死したがカルブレンがエンド・マグナスのちからで蘇らせたため、闇に落ちた。
三話と五話と六話は?
今容量どれくらいなんだろう
こっちの表示だと403kだな
450K超えたら立てよう。
普通のスレなら470Kや480Kだけど何スレにもわたる長文書き込み1つあると10〜20Kぐらい消費するし。
次スレはPART26な。
携帯のと同じかは知らないけど、PC-98の殺人倶楽部ならこんな話だった。
ロビンス商会の社長ビル・ロビンスが殺され、リバティタウン警察の刑事
J.B.ハロルドが捜査にあたることとなった。
ビルには多額の保険金がかけられていたり、過去の乱行で恨まれていたり
いろいろ動機をもっていそうな人物が出てくるが、それらは全てダミー。
20年ほど前、ビルの父のエドワード、映画館を経営しているマクベイン、
医師のレンデル、それにヘンリー・クレインという男たちが所属する
レッド・タイ・クラブという社交クラブがあった。
彼らは共謀して、まずヘンリー・クレインが銀行の金を横領、
捜査が進んでくると、別人の死体を使ってクレインが死んだと見せかけ
その為、横領事件は迷宮入りとなっていた。
そして現在、ふとしたことから横領事件のことを知ったビルは
執念深く調査を続けていき、クレインが今はジョー・キャリントンと名乗って
不動産屋を営んでいることを突き止めた。
キャリントンはビルの婚約者の父でもあった。
ビルは横領事件の犯人たちを集めて言った。
「レッド・タイ・クラブは殺人倶楽部だ…」
そして4人を強請るが、マクナリーによって殺されてしまう。
J.Bは横領事件の謎をとき、マクナリーの正体を暴いて捜査終了。
ちょっと訂正。
マクナリーになっているところは全てクレインで。
マクナリーってのは、身代わりにするために殺された男だった。
ゲームボーイの「ザードの伝説2」教えてください。
俺、前作やってないのでそういう人向けに。
とりあえず、町の人たちに挨拶をして、牧場を始めることになったラグナ。
そんな彼にゴドウィン町長は「カーマイト洞窟」への許可証をくれる。
カーマイト洞窟に入ると、奇妙な銅鐸みたいなキカイがあり、そこからモンスターがされている。
ラグナのことを心配して後をついてきたミストに聞いても、
最近までこんなキカイは無く、モンスターも出てこなかったらしい。
誰かが置いてるのだろうか?何のために?
とりあえず進むことに決めたラグナにミストは、
ダンジョン内にある畑で作物を作り、ルーン(大地の力)を結晶化させ、、
それを使って、RP(MP,疲労度みたいなの)を回復させながら、
進んで行けば危険が少ないとアドバイスをくれる。
洞窟の一番奥に行くと、そこには開かないドアがあり、
どうやらダンジョン内にあるすべてのキカイを破壊しなくてはいけないようだ。
すべてのキカイを破壊し、奥に進むと巨大なグレーターデーモンがいた。
後から付いてきたのか、ミストが現れ、
このモンスターもこのような場所にいるモンスターではない、
さらにこの子は無理矢理召喚され、苦しんでいるようだと言う。
「はじまりの森」に返すために、闘うラグナ。
なんとか倒して、「はじまりの森」に返すことに成功する。
町ではモンスターを生み出すキカイのことが話題になる中、
ゴドウィン町長は「トロス洞窟」への許可証をくれ、次の洞窟へと向かう。
やっぱり、モンスターを生み出すキカイが置かれており、それを破壊しながら、進むラグナ。
奥にはキメラがいた。後ろからザッハが現れ、
こんなの倒せないから、逃げようとラグナに言い、逃げてしまう。
しかし、ラグナはその忠告を聞かず、キメラと戦い、「はじまりの森」返すことに成功する。
戦闘が終わって、ザッハとミストが現れ、キメラを倒したことに感心するザッハ。
ミストは一人逃げたザッハを怒る。どうやらミスト→ザッハの好感度が下がったようだ。
上のレスを訂正。
とりあえず、町の人たちに挨拶をして、牧場を始めることになったラグナ。
そんな彼にゴドウィン町長は「カーマイト洞窟」への許可証をくれる。
カーマイト洞窟に入ると、奇妙な銅鐸みたいなキカイがあり、そこからモンスターが召喚されている。
ラグナのことを心配して後をついてきたミストに聞いても、
最近までこんなキカイは無く、モンスターも出てこなかったらしい。
誰かが置いてるのだろうか?何のために?
とりあえず進むことに決めたラグナにミストは、
ダンジョン内にある畑で作物を作り、ルーン(大地の力)を結晶化させ、、
それを使って、RP(MP,疲労度みたいなの)を回復させながら、
進んで行けば危険が少ないとアドバイスをくれる。
洞窟の一番奥に行くと、そこには開かないドアがあり、
どうやらダンジョン内にあるすべてのキカイを破壊しなくてはいけないようだ。
すべてのキカイを破壊し、奥に進むと巨大なグレーターデーモンがいた。
後から付いてきたのか、ミストが現れ、
このモンスターもこのような場所にいるモンスターではない、
さらにこの子は無理矢理召喚され、苦しんでいるようだと言う。
「はじまりの森」に返すために、闘うラグナ。
なんとか倒して、「はじまりの森」に返すことに成功する。
町ではモンスターを生み出すキカイのことが話題になる中、
ゴドウィン町長は「トロス洞窟」への許可証をくれ、次の洞窟へと向かう。
やっぱり、モンスターを生み出すキカイが置かれており、それを破壊しながら、進むラグナ。
奥には、キメラがいた。後ろからザッハが現れ、
こんなの倒せないから、逃げようとラグナに言い、逃げてしまう。
しかし、ラグナはその忠告を聞かず、キメラと戦い、「はじまりの森」返すことに成功する。
戦闘が終わって、ザッハとミストが現れ、キメラを倒したことに感心するザッハ。
ミストは一人逃げたザッハを怒る。どうやらミスト→ザッハの好感度が下がったようだ。
すいませんが、新牧場物語は今月までと言ってましたが、
来月いっぱいかかりそうです。orz
きにすんな
ダンジョン内で野菜つくるのかw
新しい試みだなw
ダンジョンに野菜つくらないとやってけないんだこれが。
武器とか魔法使うたびにポイントつかうんだがこれの減りがなかなか早くてなくなったら今度はHPが減っていく。
んでそのポイント回復させようと思ったら野菜作ってRP回復させていかないとあっさり死ぬ。
ブロックブロックで畑はあるのでうまく野菜作らないとボスのとこまでもいけない。
ちなみに次のダンジョンへいくための条件の1つに洞窟内の畑を90マス耕すとかもある
カオスシードをつくったネバーランドらしいシステムだ>ダンジョンで野菜
未解決一覧の「マール王国の人形姫」をやったことがあったので
ストーリーをまとめてみました。
◆主要人物◆
コルネット…人形と会話でき、ラッパを吹いて命を吹き込むこともできる。
王子様に憧れる夢見がちな少女だが、冒険を通じて成長する。
クルル…コルネットといつも一緒の人形。コルネットの力を介さなくても
話したり動いたり飛んだりできる。なにげに謎の存在。
エトワール…コルネットの幼馴染。高飛車お嬢様だけど根は友達思い。
戦闘にゲストとして加わるときはマシンガンをぶっ放す。
フェルディナンド王子(フェル王子)…マール王国の王子。国中の少女の憧れの的。
かっこよくて性格もいい。でもそのせいでキャラが薄い。
おじいさん…コルネットの祖父で謎の人形職人。人形が壊れると直してくれる。
ポリャンスキー…大賢者の塔に住む。古代の謎に詳しい。おじいさんを知っている。
◆敵◆
マージョリー…年増のセクシー魔女。古代から生きてるらしく魔力はすごい。
敵のボスなのだがちょっと抜けたところもある。
ミャオ…猫っぽい魔女。頭悪そう。
ガオ…狼っぽい魔女。女に見えない。
クロウディア…烏っぽい魔女。ナルシスト。
大臣…マール王国の大臣なのだが古代兵器を利用して戦争しようとしてるとか
黒い噂が絶えない。国民にまるで人気がないが、気付いてないみたい。
◆人形◆
コルネットの仲間になり戦闘に加わる人形の魂は、何がしかの願いや未練を持つ。
人形そのものの魂である場合と、生き物の魂が人形に宿っている場合がある。
願いを叶えてやるとその魂は昇天し、体(人形)をコルネットに残してゆく。
個々の人形のサブイベントはうろ覚えなので省略。補完できる人いたら頼む。
コルネットはいつか素敵な王子様と出会いたいと本気で思っていた。
あるときおじいさんにお使いを頼まれて森に行くと、猫っぽい魔女に遭遇。
襲われかけるが、そこに本物の王子様が来て魔女を撃退、コルネットを救う。
そのフェル王子に恋してしまったコルネットは料理作戦でアプローチ。
しかし忍び込んだ城で遭遇した大臣に料理を横取りされ不首尾に終わる。
そんなとき、マール城で大々的にミスコンが開かれる。
優勝するとフェル王子のお妃候補になれると知ったコルネットは出場を決意。
しかしコンテストには強敵エトワールも出場する。
エトワールは美人で超金持ち、都の人気者で、優勝候補の筆頭と目されていた。
紆余曲折ありつつコルネットは大健闘し、二人がともにグランプリに選ばれる。
コルネットは城のパーティに招かれ、フェル王子とイイカンジになるが、
魔女の親玉マージョリーが王子に報復にやってくる。マージョリーは王子に惚れ、
眠らせて攫おうとするが、間違えて石化の魔法をかけ元に戻せなくなってしまう。
とりあえずコルネットらを軽く撃退し、石化したままの王子を連れ去る。
コルネットは王子を取り戻すため旅立つ。
大賢者の塔へ行きポリャンスキーに相談。炎風水地雷の5つの心を集めることに。
実は石化をとく方法は、乙女の純真な愛のこもったキスなのだが、
マージョリーのキスでは王子の石化はとけないのであった。
心集めのイベントは順不同。
沈没船で化け物と戦ったら、それが実は生き残った者の自責の念の結晶だったり、
巨大ミミズの腹の中に閉じ込められ、エトワールと協力して脱出したりする。
また、それと知らずに火山を守るドラゴンを倒して火山を噴火させてしまったり、
カエルの国の王女ケロラインと愛し合い掟を破ったミカエルが殺されたりするが、
雷の心を手に入れる場面では、殺してでもうばいとるかどうか選ぶことができ
あきらめると雷の心の代わりに聖の心が手に入ったりする(うばいとってもよい)。
5つの心を集めて賢者の塔に行くとミャオが待ち伏せしている。
絶体絶命、だがクルルが不思議な力を発動してコルネットを助け、倒れる。
クルルと自分の隠された真実を知るため、コルネットは忘れ去った過去の世界へ。
―幼いコルネットは城への隠し通路に迷い込み、その奥に隠されていた
古代兵器に遭遇、古代兵器が動き出して幼いコルネットを襲う。
その時、コルネットのお母さんがクルルと同じ力で娘をかばい、死んでしまう。
だがコルネットが幸せになるのを見届けるまでは旅立てないと、
人形に魂を宿して娘を見守ることにした。それがクルルだったのだ―
彼女は古代兵器を作り出し使役して戦争したと言い伝えられる、古代人だった。
コルネットの人形と心を通わせる力も、古代兵器を操る古代人の力だったのだ。
コルネットは5つの祭壇に心を捧げ、空にあるマージョリーの城へワープ。
3人の手下魔女とマージョリーを倒すが、そこに大臣が登場。
隠し通路に古代兵器を隠していたのは彼で、その力を悪用しようとしており、
古代兵器復活のため古代の知識をもつ魔女と接触していたらしいがうろ覚え。
古代兵器を発動させる大臣。コルネットはエトワールと力を合わせこれを撃破。
キスの力で王子の石化もとかれる。旅の中で犯した過ちを悔いるコルネットに
王子は「それが君の罪だというなら二人で償っていこう」とプロポーズ。
負けを認めたマージョリーが大臣を懲らしめ、壊したマール城も直してくれる。
コルネットはこうして幸せを掴み取り、クルルに宿ったお母さんの魂は昇天する。
おしまい
スーパー特撮大戦を希望したいのだが。
マールはカエル王国のエピソードで欝になった
マール王国の人乙
タイトルと絵柄でほのぼのしたゲームだと思いこんでたけど
かるく鬱になりそうなストーリーだ
なんていうかマージョリーの部下がカワイソス
かなり主観入るかも知れんがNINJA GAIDEN書いても大丈夫だろうか
ニーズはなさげだがとりあえず書いてみる
龍の牙より削りだされた『龍剣』。絶大な力を秘めたこの刀を守護する忍びの一派『龍の一族』
その頭領の息子にして龍剣を受け継いだ男『リュウ・ハヤブサ』。
叔父にして超党派忍者集団『影一門』総帥である『ムライ』の手荒な歓待を受けながらも、
久しぶりに会う叔父と旧交を温めていたハヤブサはそこでムライ手飼いの忍び『あやね』から故郷、
龍の里が何者かに襲われているとの報せを受ける。
おっとり刀で駆けつけるハヤブサ。しかし時既に遅く龍の里は滅ぼされ、
一族が守護するもう一つの刀、魔刀『黒龍丸』を納めた社すらも炎に舐められていた。
魔刀を探すハヤブサ。その前に立ち塞がったのは――黒龍丸を手にした人ならざる異形の鎧武者。
彼に肉体はなく、怨念の如く蒼い炎が甲冑の下で燃え上がっていた。
黒龍丸を取り戻すべくハヤブサは鎧武者に挑むが一刀の下に切り捨てられてしまう。
倒れ伏すハヤブサ。その姿を、燃え上がる龍の里を、一羽の隼だけが冷たい視線で眺めていた。
数日後、ムライの屋敷に決意を胸に新たな忍者装束に身を包む若い男の姿があった。
そう、ハヤブサは生きていたのだ。危ういところでハヤブサを救ったのは背負っていた龍剣の鞘だった。
ムライはハヤブサに告げる。黒龍丸を奪った男の名はドーク。
魔神と呼ばれる化け物が跳梁跋扈するアジアの小国『ヴィゴル帝国』が誇る最強の魔神、重機卿が一人。
全ては振るう者を魔王なさしめる黒龍丸の力を狙ったヴィゴル帝国の王『神聖皇帝』の差し金だったのだ。
復讐と黒龍丸の奪還を胸に刻み、ハヤブサは旅立つ。一路ヴィゴル帝国へ。
ヴィゴル帝国へと向かう飛行船が臨検部隊とハヤブサの戦闘の余波で炎上墜落してしまう
といったトラブルに巻き込まれたものの、無事にヴィゴル帝国帝都『タイロン』への侵入を果たした
ハヤブサは使命を果たすための第一歩として情報収集に取り掛かかる。
腕利きの武器屋であるムラマサ老人から帝都における情報の一大拠点『ハンズ・バー』の
チケットを手に入れたハヤブサはさっそくバーに向かう。
そこでハヤブサが目にしたものは魔神(ヴェロキラプトルに角を生やして赤くしたような奴です)に襲われた
ハンズ・バーとその魔神を死神の鎌さながらの巨大なウォーハンマーの一撃で葬る美女の姿だった。
『魔人ハンター』レイチェルと名乗った女は自分のことをそう説明した。
妹を邪悪に染め、魔神に変えたドーク。奴と妹は自分の獲物だと言い残しレイチェルは
フックショットを使いハヤブサの前から去っていった。
「いい子だよ、彼女は」
レイチェルが姿を消すのを見計らっていたかのようなタイミングで男の声が響く。
いつのまにかハヤブサの背後に緑色のコートにソフトハットの男が立っていた。
ガモフ、そう名乗った男はレイチェルを追うことをハヤブサに勧めると忽然と消え去った。
男の言動に陰謀の臭いを嗅ぎつつも、手がかりを掴むためハヤブサはレイチェルを追うのだった。
強大なヴィゴル帝国軍、そして暗躍する謎の忍者達。レイチェルを探すハヤブサの前には
先程の魔神すらも群れを成して姿を現した。しかし、凶暴無比にして凶悪無残な魔神もも龍の忍者の前には
赤子の如し。
呆気ないほど簡単に最後の一匹を切り伏せたハヤブサを讃えるように拍手が響く。
古ぼけた僧院の高い外壁に腰掛ける美女――レイチェルは問うた。
「――あなた、何者なの?」
「ただの、人間だ」
レイチェルは答えない。魔神と化す可能性を秘めた古の血を引く自分ならばともかく、
普通の人間がこうもあっさりと魔神を滅せるはずがない。彼女の沈黙は雄弁にそう語っていた。
しかし、彼女にそれ以上を問うことはできなかった。
外壁の向こう、僧院の内部から現れた巨大な触手に攫われるレイチェル。
触手の主はそれだけでは飽き足らず外壁を突き破ってハヤブサの前に姿を現した。
一対の触腕を備えた巨大なイソギンチャクのような化物はレイチェルを飲み込むと
敵意も露わにハヤブサに襲い掛かる。ハヤブサはレイチェルを助けるべく龍剣を抜くのだった。
ハヤブサの技の前に脆くも化け物は倒れた。
しかし、助け出されたレイチェルは強いショックを受けていた。
彼女を襲ったのは魔神ハンターの彼女をもってしても未知の魔神だったからだ。
一体何が起きているのか、悩み迷う二人の前に現れたのはムライの部下、あやね。
ハヤブサを助けるべく送り込まれた彼女の報告によれば、神聖皇帝が黒竜丸を得たことで
魔神の活性化が始まったのだという。
自分の知らない陰謀の影を感じ取ったレイチェルは目の前の僧院に関する噂をハヤブサに教える。
神聖皇帝の居城である『ザルカン』とこの僧院は地下で繋がっているらしい――
ついに手がかりを得たハヤブサはレイチェルをあやねに任せると単身僧院へと忍び込むのだった。
謎の像を手に入れつつも僧院地下墓地を突き進むハヤブサ。しかし、地下洞窟はハヤブサと
魔神の激闘によって限界を迎えていた。亀裂が砕け溢れ出した水がハヤブサを押し流す。
僧院地下は水に満たされ、先に進むことは出来そうにない。
一旦僧院に戻ることを余儀なくされたハヤブサ、その彼を迎えたのは蝙蝠の羽を持つ紅い異形の魔神。
それはハヤブサの知るところではなかったが、彼女の名はアルマと云う。
ヴィゴル帝国が誇る重機卿の一人にして、レイチェルの妹。だが、彼らは殺しあうために対峙していた。
巨大な柱さえも飛ばす魔力に襲い掛かる鋭い爪。苦戦の末、ではあったがハヤブサは勝利を収めた。
だが傷ついたアルマは暴走し僧院もろともハヤブサを吹き飛ばしてしまう。
半壊した僧院、力を使い果たしたアルマ。
その間隙を縫って現れたレイチェルは止めを刺そうとするもあと僅かのところで取り逃がしてしまう。
結局、彼女に妹は殺せなかった――
吹き飛んだ僧院の屋根から広がる青空にはヘリが飛んでいた。
朝を迎えた帝都はヴィゴル帝国軍による厳重な警備下に置かれたのだ。
レイチェルにこの先は手を引くよう忠告しハヤブサはひとまず行動の
自由を確保するため軍供給基地に向かう。
一方、ほぼ廃墟と化した僧院に一人佇んでいたレイチェルは
彼女を生贄にすべく現れたドークによってさらわれてしまうのだった。
軍供給基地に潜入したハヤブサは電波塔を破壊し、ヴィゴル帝国軍の統制を乱すことに成功した。
さらにハヤブサは軍供給基地内にあった機関車を強奪し脱出する。
運悪く機関車は運行中の機関車と正面衝突を余儀なくされ、結果大爆発を引き起こすも、
これによってヴィゴル帝国軍は混乱の極みに叩き落された。
そんなヴィゴル帝国軍を嘲笑うが如く冷静に緑のコートとソフトハットの男、
ガモフが謎の男にハヤブサの行動を報告していた。
マントとマスクに身を包み、機会音声を発する謎の男『黒使大兄』は
ハヤブサの行動に満足すると更なる監視をガモフに命じる。
一方、ひとまず行動の自由を確保したハヤブサは地下水路からのザルカンへの侵入を試みていた。
地下水路、その更に地下の遺跡を踏破しザルカン外壁までたどり着くハヤブサ。
その姿を黒使大兄が眺めていたことをハヤブサは知る由もなかった。
ザルカン外壁を取り囲む堀で酸素ボンベを手に入れたハヤブサは外壁の穴から地下に侵入する。
果たせるかな、その先は地下墓地へと通じていた。地下墓地に溢れた水はここから流れ込んでいたのだ。
ついに僧院地下を突破したハヤブサ。その先で待ち構えていたのは
――レイチェルをその手に捕らえた怨敵、ドーク重鬼卿。
待ち望んだ敵を前に昂るハヤブサの剣。交わす刃は十合、二十合と重なり――
ついに、龍剣がドークを捉えた。倒れ伏すドーク。
倒れたまま、ドークは言い放った。龍の一族も魔神も同じ『古代神』の血を引く存在に過ぎない、と。
そして自らが死そうとも己の怨念を以ってアルマに『地獄の覚醒』を迎えさせる――そう、宣言すると
ドークの肉体はこの世から消え去った。
思うところがあったのか何も言わずその場を去るレイチェル。
目的の一つを果たしたハヤブサはもう一つの目的である黒龍丸の奪還を目指しザルカン宮殿に向かう。
だが固く閉ざされたザルカン正門は決して侵入者を中に入れようとはしない。
新たな道を探す必要に迫られたハヤブサの前にあやねからの言伝が届く。
一つはザルカン王宮付近の洞窟からザルカン内部に侵入できる可能性があること、
もう一つは武器屋のムラマサ老人がハヤブサの刀に興味を示していたということ。
一旦タイロン市街に戻ることにしたハヤブサはムラマサ老人から『龍剣』が
本来の力を失っていることを教えられる。
しかし現状では龍剣の力を取り戻す『勾玉』がどこにあるかは皆目わからず、
仕方なくそのままの状態であやねの情報に従いハヤブサは王宮付近の洞窟を目指すのだった。
結局、洞窟はザルカン内部には繋がっていなかった。しかしハヤブサはそこで石版の欠片を手に入れていた。
道中手に入れた欠片と合わせ、出来上がったのは一枚の石版。その意味はわからないが、
ハヤブサはこの石版がタイロン市街の『双蛇の広場』のモニュメントにはめ込むことが出来ることを思い出す。
一方その頃、問題の双蛇の広場に二人の男がいた。ガモフと黒使大兄である。
二人によれば龍剣は黒龍丸と対を成す剣であり龍剣が力を増せば黒龍丸もまた応ずるように力を増すのだという。
戦乱の気を吸い、完成を目前に向かえた黒龍丸、その力さえあれば……。
そんなこととは露知らず、ハヤブサは広場にたどり着く。早速石版を嵌め込むハヤブサ。
その瞬間、ハヤブサは光に包まれる。気がついたその時、目にした光景は懐かしい龍の里の姿だった。
地脈を通じ二箇所を結ぶ。それがモニュメントが秘めた力だったのだ。
遠く離れたタイロンと龍の里が結ばれていた。この事実に太古からの因縁を感じつつも
導かれるようにハヤブサが向かった先は先祖たちが眠る墓地。
そこでハヤブサは一つの墓にかけられた淡く光る勾玉を発見する。
ムラマサ老の指示に従い刀の柄に嵌め込んだ勾玉はぴたりと吸い付くように龍剣と一つとなった。
そう、この瞬間に龍剣は本来の力を取り戻したのだ!
……しかしそれは同時に黒龍丸もまた完成したことを意味することをハヤブサは知らない。
ハヤブサは龍の里と魔神の因縁を信じ、もう一つのストーンサークルに向かう。
果たせるかな、ハヤブサが飛び込んだその先はザルカン内部に通じていたのだった。
ザルカン最深部へと進むハヤブサ。その前に現れたのは巨大なピラミッド状の祭壇と磔にされたレイチェルの姿だった。
怨念の塊と化してこの世に残ったドークは、ルマに肉親を贄として地獄の覚醒を迎えよと言い放つ。
レイチェルを助けようとするハヤブサ。その前に立ちはだかったのはアルマ重鬼卿。
力を取り戻した龍剣に、更なる異形と化し挑むアルマ。再戦の火蓋が切って落とされようとしていた。
アルマ重鬼卿は難敵ではあったが、所詮力を取り戻した龍剣の敵ではなかった。
だが、既にドークはレイチェルを生贄として捧げるべく処刑の刀を掲げていた。
倒れるアルマを余所にレイチェルを救うべく駆けるハヤブサ。
けれど今一歩のところで及ばず刀は振り下ろされてしまう。
その窮地を救ったのは意外な人物……アルマ重鬼卿その人だった。
身を挺して姉を庇うアルマ。ドークの刀はアルマの核に突き刺さる。
その結果引き起こされたのは僧院と同じ、いやそれ以上かもしれない大爆発――
閃光の収まった祭壇の上で、レイチェルは一人の女性を抱いていた。
命を賭して姉を護った妹は皮肉にも死を迎えてようやく人の姿を取り戻したのだ。
失敗を悟り、忌々しげにザルカンの奥へと去ってゆくドーク。
今度こそ完全に滅ぼすためにドークを追うハヤブサ。神聖皇帝の住まう塔に続く広間、そこが決戦の地となった。
怨霊の姿となりながらも――いや、むしろ純粋な怨念の塊と化したことで生前よりも力を増したドーク。
かつてない激戦を制したのは幾多の戦いを乗り越えたハヤブサの業と龍剣の力だった。
ついに消滅の時を迎えるドーク。
だが、ドークが今際の際に残した呪いによってハヤブサは魔神と化してしまうのだった。
青い肌、赤い目。人ならざる魔神と化してもハヤブサの歩みは止まらない。
迷わず神聖皇帝の住まう異形の塔に挑むハヤブサ。
そこは地面に――火口に向かって聳え立つ通常の物理法則のきかない異界だった。
構わず突き進むハヤブサは塔を守護する魔神どもを片端から薙ぎ払ってゆく。
道中手に入れていた謎の像は捧げるたびにハヤブサの進むべき道を開いた。
そうした何度もの死闘の果て、ついにたどり着いた最上階。
だが、捧げるべき最後の像はハヤブサの手にはなかった。周囲を見渡すハヤブサ、
その目に映ったのは光を放つストーンサークル。
そこに飛び込んだハヤブサが見たものは魔界とその地を統べる魔王。
襲い掛かる魔王マルバスこそが最後の像の所持者だったのだ。これで全ての鍵は揃った。
最後の像を捧げるハヤブサ。すると石壇の上の岩扉が開き、存在しないはずの階段が姿を現した。
ハヤブサは勢い良く階段を駆け上った。しかし階段はハヤブサが頂上にたどり着く前に崩壊してしまう。
落ちてゆく階段とハヤブサ。だが次の瞬間、時計の逆回しのように両者は天頂へ――
奈落の底へと吸い込まれてゆくのだった。
ハヤブサがたどり着いたのは一面の花畑だった。静謐とさえいえる美しい光景の中心、
そこには端正な面立ちと巌のごとき肉体を備えた異形の石像。そして石像の頭上には――黒龍丸。
石像がゆっくりと立ち上がり、巨大化しながら花畑を灼熱の溶岩洞に変えてゆく。
石像、いや神聖皇帝は黒龍丸を得て邪神へとその姿を変えていた。
邪神に対抗すべく印字を切るハヤブサ。同時に地面が丸く抉られ、ハヤブサを宙に運ぶ。
龍の忍者と邪神。太古の決戦さながらの宿命の戦いが幕を開けようとしていた。
強大な邪神は一度は溶岩に呑まれようともその邪悪な本性をむき出しにしてハヤブサに襲い掛かった。
だが、さしもの強大な邪神も、太古の決戦と同じように龍の忍者の手によって敗れ去る。
今度こそ滅びる邪神。ハヤブサはこうしてついに黒龍丸を奪還した。
同時に、主たる神聖皇帝の死によってドークの呪いも消え去り、ハヤブサは人の姿を取り戻したのだった。
しかし、黒龍丸は手に入れたが溶岩洞――ザルカン王宮を支えていた火山は
黒龍丸と龍剣の激突の余波か噴火を目前にしていた。今更脱出する手段もない。
そんなハヤブサの前にレイチェルが現れる。彼女はフックショットで火口を降りてハヤブサを助けに来たのだ。
間一髪、レイチェルの手をとり脱出することに成功するハヤブサ。
しかし、噴煙に巻き込まれ黒龍丸を手放してしまう。
吹き飛ぶ黒龍丸、火口付近に突き刺さったその傍には待ち構えていたかのように佇む二人の男がいた。
火口を登りきった二人の前に現れる黒龍丸を手にした黒使大兄とガモフ。
ガモフは語る、この時を待っていたと。黒龍丸が完全な力を取り戻すのを待ち、完成したところで横から奪い取る。
それが彼らの計画だった。
黒龍丸を手にした黒使大兄は最早用済みとばかりにガモフを切り捨てるとついにその正体を現す。
外される仮面、その下から出てきたのは――ムライ。全ては、この男の野望に端を発していたのだ!
黒龍丸を手にし魔神と化した超忍、ムライ。
龍の忍者、リュウ・ハヤブサ。
黒龍丸を巡る最後の決戦が始まろうとしていた。
暗黒の力と忍びの技。最強と思われた組み合わせもまた、龍の忍者の手によって敗れ去った。
血を吐き、火口へと飲み込まれてゆくムライ。
ハヤブサは残された黒龍丸を一刀の下に粉砕するとレイチェルに背を向けた。
「邪悪は消えた」
討つべき邪悪が消えた今、ハヤブサがこの場に残る理由はどこにもない。
ハヤブサの背を見つめる女は二人。レイチェルと、あやね。
二人に一瞥もくれることなく印字を切るとハヤブサは文字通り隼の如く赤い夕暮に姿を消すのだった。
月に照らされた龍の里。小さな、名も無き墓の前に立ったハヤブサはそっと勾玉を外し墓に掛け直す。
過ぎたる力を封印したハヤブサは月に向かって跳躍する。龍の忍者の使命を帯びてハヤブサは駆け続けるのだ。
その後を追うように一羽の隼が月に向かって飛んでいった。
NINJA GAIDEN 完
忍者の人乙
DOAとはパラレル?あやねがなんか設定違う気ガするが。
デッドライジングお願いします
>>376 というか、そもそもハヤブサが出てきたのは、こっちの方が先だからね。
矛盾が出てもしょうがないと思われ。
幼馴染の巫女さんが省かれてるな。
序盤ですぐに殺されるから出番殆ど無いけど。
龍剣の宝石が下げられてるのが彼女の墓で、
最後に返しに来るところとかグッときた。
380 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/09/29(金) 01:08:08 ID:MDXgsBqa0
「プロジェクト シルフィード」と「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」お願いします。
TOD2お願いします
空腹で倒れていた侍は、お握りをくれた少女に軽く礼をいい天原の中心部へ向かう。
途中チンピラ三人組に絡まれ戦いになるも、時間を掛けた為か、騒ぎを聞いた同心達が駆けつけ、
怪しい者は捕らえよ、その奉行所の方針に従い侍を捕らえようとする。
抵抗する道もあったが、あえて侍は手を出さずお縄につく。
侍は牢に入れられるも、すぐに開放される。
解放したのは、オカマ言葉を使う風変わりな男だった。
男は厳しすぎる奉行の方針と、
青門組とお上によるお取り潰しの内患外憂に苦しみ、そうせざるを得ない今の天原の現状を憂い、
自分を中村宗助と名乗ると、腕の立ちそうな侍に手助けを求める。
早速、侍が奉行所へと向かうと、門前で九三郎と名乗る薬売りと出会う。
奉行所の恐ろしさをここぞと語る九三郎、そこに突然、同心の郷四郎が割り込んできた。
郷四郎は問答無用とばかりに刀を抜いて、九三郎と侍を捕らえようとする。
逃げる九三郎と迎え撃つ侍。しかし、そこに今度は宗助が割り込んできた。
宗助に諌められ、郷四郎は侍に警告を発し、いったんは引き下がる。
宗助は郷四郎は堅すぎるのが玉にキズだと苦笑しながら、
侍の強さを褒め、誘いを掛けて来た為、侍はいったん身を引く。
ともかく、宗助の計らいにより、侍は奉行所との繋がりを持つ事が出来たのであった。
奉行所のハイリスク・ハイリターンな依頼をこなす、そんなある日、侍はチンピラ三人組に絡まれる町人の姿を発見する。
止めようと近づこうとしたその時、一人の同心が止めに入った。
三人組は同心を保野の旦那と呼び、あしらおうとするが、逆に保野に脅され賄賂を取られる。
そして保野は三人組を追っ払った後、今度は助けた町人から銭を受け取った。
さすがに見ていられず、侍は苦言を呈する。対して保野は権力を振りかざして侍を脅しつけた。
しかし、侍は怯まず、保野は力づくで押さえつけようと斬りかかる。
二人が斬りあう中、騒ぎを聞きつけた郷四郎達が駆けつけて来た。
あやうく、全ての責を押し付けられようかと言うその時、九三郎の機転により、侍は難を逃れる。
詳しく事情を問う郷四郎を、保野は適当にはぐらかし、更に追求しようとする郷四郎を尻目にその場を後にした。
そして、天原名物、夏祭りの日がやってきた。
祭り見物に来た侍は、そこで、奉行と郷四郎に出会う。
侍を敵視する郷四郎は警戒するも、敵意を見せない侍に奉行は心を許し、
例えどれ程の敵であっても、例えどれ程の犠牲が出ようとも、今の美しき天原を命を掛けて護ると、自らの心の内を明かした。
そして奉行は、侍にもその気持ちがあるなら、手を貸して欲しいと頼み、一人、祭りの雑踏に消えていった。
残された郷四郎は、最早消えゆく侍の身であった自分に、護るべき大儀を与えてくれた奉行が、
必ず誇りある侍の道を作ってくれる、その為に自分は生きていると語りだす、そして、侍にも自分達と同じ道を歩んで欲しいとも。
侍は奉行と郷四郎、二人の気持ちに感じ入り手を貸す事を約束する。
その時、突然の悲鳴が聞こえてきた。一早く危険を感じ取り、郷四郎と侍は奉行の元へと駆け出していく。
予想通り、その原因は青門組の奇襲だった。侍と郷四郎はすぐさま、奉行を護る為刀を抜き、迎え撃つ。
無事に敵を追いやり息をつく侍達。だが何故、奉行がお忍びで祭りに来ているのが分かったのか。
その答えは向こうからやってきた。詳しく現場を見ようと保野の姿が見えたからである。
奉行の無事な姿に保野は慌てた様子を見せるも、その場は何とか取り繕い、奉行以下三人は奉行所へと戻っていく。
その際、郷四郎は侍にそっと告げた、後で奉行所の詰め所に来て欲しいと。
詰め所での話は、予想通り保野のことについてだった。
奉行を亡き者にしようとする保野を始末しようと憤る郷四郎。しかし、それを宗助が止める。
保野は腐っても幕府のお目付け役、同心である郷四郎が斬れば、その責は全て奉行に向く。
悔しがる郷四郎に、だが、しかし、と、宗助は続ける。
もし、奉行所と無関係な者が保野を斬ったとしたら?
郷四郎は驚き、宗助、そして侍を見る。そんな二人に、宗助はただの独り言と笑いながら、
保野は料亭にいると、言い残して去っていった。
その夜、料亭へとやってきた侍は、見張りをしていた三人組を追い払い、一人乗り込んでいった。
部屋では外の騒ぎも知らず、性悪花魁奈美と保野が侍の始末と江戸への帰還を企んでいた。
しかし、その侍の襲来に二人は震え上がり、侍を買収しようとするが、侍は金に興味を示そうとしない。
追い詰められた保野が次に出した手札は青門組の麻薬・素魔の秘密についてだった。幕府も素魔については興味を示していたのだ。
そこに、突如、郷四郎が現れ素魔の秘密を聞き出そうとする。
素魔の製造元が分かれば、後は青門組を潰すだけでいい。
取引に乗った郷四郎に保野が語りだした事実は驚くべきものだった。
この町で貧富の差無く患者を診る、立派な医者の弦庵こそが素魔を作り出しており、
その元は、弦庵が栽培している花である。そして、慎重な調査が必要な為その事は自分達しか知らないと。
しかし、保野が利益を自分だけの者にしようとしていた事は、郷四郎にも分かっている。
だが、秘密を知っている者が保野と奈美だけなのは好都合だった。
殺意を漲らせ、郷四郎は保野と奈美は始末しようと襲い掛かる。
戦い終わり、郷四郎は侍だけに汚れ仕事をさせようとした事を謝罪し、
そして、自らも奉行の為に陰となり、闇の仕事を受け持つ事を決意する。
その為に、まず、やらねばならない事があった。元凶の一つ、弦庵の処罰である。
夜が明けて、弦庵の庵にやってきた侍と郷四郎。あいにく留守であったが、
二人は裏門から続く道を見つけ、先に進んでいく。そこで見たものは、一面に咲き誇る素魔の花であった。
やはり、素魔の元凶は弦庵。郷四郎は弦庵の庵、そして、素魔畑に火を放つ。
遅れてやってきた弦庵は、大して驚いた風も見せず、燃え盛る素魔を眺める。
何故、優れた人間であり医者である弦庵が素魔を作り出したのか、問う郷四郎に、弦庵は逆に問い返す。
大勢の人間を救うものは一体何か。それは金である。と弦庵は続ける。貧しさ故に人は死ぬ。だからこそ、弦庵は金を求めた。
そんな弦庵に郷四郎は憤る。目の前の人間を救う為に、多くの人間を犠牲にするのかと。
弦庵のやり方は大儀を見失った愚者のやり方だと、郷四郎は弦庵を斬り倒す。
理想と現実の狭間で潰された弦庵。その姿に、郷四郎は自分は負けぬと、新たな決意を重ねる。
そして翌日、残す青門組を滅ぼさんと、奉行の命を受け、侍、郷四郎、宗助含む精鋭たちが青門組へと向かった。
保野と素魔を滅ぼした今、躊躇う必要はない。青門組と奉行所の因縁の戦いにケリをつけるときが来たのだ。
奥へと一人乗り込んだ侍は、京二郎、そして半左衛門を討ち果たす。
戦いに勝利し、侍が奉行所へと戻ると、喜び勇む郷四郎に呼びかけられる。
これで全てが終わり、天原は救われた。後は奉行と共に侍が誇り高く生きられる世界を共に作っていこうと。
これからのことを想い、二人は奉行の下へ報告に向かう。
しかし、そこで待っていたものは死に装束を着た奉行の姿だった。
驚く郷四郎に、奉行は今回の争乱の責任は全て自分にあると告げる。
確かに、天原から悪の芽は消え、幕府の介入も阻止した。しかし、その為に奉行は余りに血を流しすぎた。
だから、奉行は初めから決めていたのだ。全てを終わらせた後、その責を負って腹を切ると。
そう、あの祭りの日、「命を掛けて天原を守る」と言っていたように。
奉行が切腹した後、後を任された郷四郎は奉行の屍に縋り付き、
必ず天原を侍の誠によって治めてみせると、空に向かって吼えた。
奉行の意思は消えず、郷四郎へと受け継がれたのだ。
しかし、この時、時代を揺るがす一隻の黒船が日本へと向かっていた。
佐幕、勤皇、攘夷、動乱の時代が始まろうとする中、
この二人の侍が、如何にして生き、如何にして侍の道を貫いたか。
……それは、また別の物語である。
385 :
侍道2:2006/09/29(金) 02:19:14 ID:E5le8Bh10
と言うわけで、一通りグッドエンド書き終えました。
侍道2はストーリーが面白いので、興味沸いたらやってみて下さい。
システムはバカゲー臭いとよく言われてますが……
侍の人ご苦労さまです。バッドエンドはなしですか?w
戦闘が全然わからなくて序盤で投げてましたが、
ソフトはまだ手元にあるのでがんばってやってみようと思います。
387 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/09/29(金) 03:39:40 ID:AdhgL1KRO
これまで書かれたエンディングは全部誰かに一貫して協力してるルートだから、
バッドエンディングはいろんな人に八方美人的に協力するようなルートとか?
>>385 乙
自分もやったけど懐かしい。一撃死モードが実に良かった
館の中を調べることを主張する俊夫に真理が反対していると、美樹本が2階から降りてきた。
ああ見えてかなり気が小さい可奈子は、去年を思い出してまいってしまい、部屋に閉じこもってしまったのだ。
啓子が美樹本の方に目をやると、美樹本は啓子にだけわかるように小さく首を縦に振った。
可奈子は任せておけということだろうか。啓子は誰にもそんな風に心配してもらえない自分が寂しかった。
香山の部屋に向かうまでは啓子が、その直後からは美樹本がそれぞれずっと2階のロビーにいたことから、
犯人は1階にいるという話になり、俊夫はそういえばとばかりに香山の部屋に向かった際に反対側の西側の
廊下へ向かう人影を見たと言い出した。まるでそれは、『かまいたちの夜』に出てくる田中みたいだったと。
念のためにと、男3人は1階を捜索しに向かう。玄関前に残された女性陣は、じっとその帰りを待っていた。
一体これからどうなるのだろうとぼんやりと考えながら玄関扉に手を置くと、掌にやわらかい感触があった。
そっと手をどけると……啓子は喉がちぎれそうなほどに声を張り上げた。
ダメ。爬虫類はダメ。啓子にとって目の前のヤモリは犯人よりも嫌な存在だった。
啓子の声で駆けつけてきた男3人は西側では何も収穫がなかったことを告げると、自分達はこのまま東にも
行ってみるが、女性陣は応接室に集まっているようにと提案した。
美樹本は可奈子も説得してほしいと、啓子ではなく真理にその役を振る。美樹本が啓子を避けているのは
わかっているし、可奈子も真理の方が話しやすいだろうから当然だと啓子は思った。
真理が2階へ上がると、啓子は春子を連れて先に応接室に向かう。
何かの間違いよ、と憔悴しきる春子は、やっぱり香山のことを愛していたのだ。相手が他の誰かと一緒に
なろうが、自分の気持ちを吹っ切れない。この島に来たのも復縁の望みを抱いていたからかもしれない。
それなら自分と同じだ。でも、そんな春子にも予測できなかった事態が起きてしまった……。
啓子はみんなが絶対に犯人を捕まえてくれる、美樹本なんてボクシングをやっていたのだから、と励ました。
しばらくして真理が可奈子を連れて戻ってきた。おそるおそる具合はどうかと話しかけると、さっきはあまり
話す気分じゃなくてごめん、と返ってきた。目は逸らせ気味だが、少し冷たくしすぎたと反省したのだろう。
まるで1年前に戻っちゃったみたい、という可奈子の呟きに、全員が不安の表情を浮かべて顔を見合わせる。
春子以外は全員あの惨劇の場に居合わせた。たった1年で忘れられるようなことじゃない。
事件は1つだけですまないのかもしれない……。
可奈子は、この島は呪われてると重々しく言う。ここに来た人はみんな不幸になる。島から出ても駄目だ。
香山が供養するといったから呪いも解けるかと思ったけど、駄目だった。もう終わりだ……。
また始まってしまった、と啓子は思った。この1年間、可奈子をおかしな妄想から遠ざけるために啓子は
ずっと努力してきたというのに。
1年前の事件から1ヶ月も経たないうちに可奈子は会社に退職届を出してしまった。
辞める直前の可奈子はちょっと神経を病んでいてまともに仕事ができなかったから、遅かれ早かれだったろう。
同僚は可奈子の退職を惜しんだが、彼らは可奈子を精神的に追い込んだのは自分達だということに最後まで
気づくことはなかった。殺人事件の生存者となった加奈子に向けられる好奇の目。可奈子とは無関係の、
まったく別の部署の人間まで昼休みにやってきて指を指す。そして無神経な言葉の数々。
「怖かった?」「よく無事だったわね」「殺人犯ってどんな人?」「ねえ、死体って見たの?」……
朝礼でも昼休みでも勤務時間でも飲み会でも、場所変え人を変え、繰り返される同じ話。
元々交友関係が少なく愛想も悪い啓子はほとんど悩まされることはなかったが、可奈子は……。
一刻も忘れたい出来事なのに、周囲はそれを許さない。可奈子は次第にアパートに引き篭もりがちになり、
とうとう会社を辞め、人が変わったようにだらしない格好で昼間から酒を飲む生活。
近所の住人からも好奇の目と無神経な言葉を頂戴し、さらに自堕落な生活への誹謗が加わった。
親や親戚からすらも、同じだったらしい。可奈子の居場所はどんどんなくなっていた。
……それが、可奈子の「呪い」だ。
全てを引き払い、カードだけ持ってふらっと街に出た。全てを断ち切るために。そして、美樹本に出会った。
美樹本と一緒にいて、魂が呪縛から解放されていくのを可奈子は感じていた。美樹本が自分を守ってくれると
思ったからこそ、この島にもう1度来る勇気が出たのだ。
そこへ、男3人が調査を終えて戻ってきた。
誰もいなかったし、逃げられもしなかったとの報告に、真理が犯人が逃げられず見つからないのではまだ
この館のどこかにいるのか、と問う。何か言いたそうだったが、透は美樹本の視線を気にして口篭った。
「この中の誰かが殺したのかな……」
啓子がそう呟くと、全員がはっとした顔つきになる。
俊夫は啓子に本当にずっと2階ロビーにいたことを確認し、この中の誰かが犯人とは考えられないと断定する。
透と別れ、俊夫が部屋を訪れるまでの短い間には皆アリバイがある、と。
だが美樹本は、透と俊夫なら、と口にする。鍵のこともあるので犯人とは言い切れないが、アリバイは証明
できないだけ。結局あの密室の謎が解けない限り、アリバイを証明しても無駄だ。
やはり事故か自殺だったのではという美樹本にでも、と言いかけてまた口篭る透に、啓子はどうみても何かを
隠しているとして思えなかった。問い詰めてやろうかとも思ったが、それより前に透が口を開く。
香山は部屋の外で殴られ、中に逃げて鍵をかけた。その後息絶えたのなら密室の謎は解ける。
凶器の灰皿が香山の傍に転がっていたのは、犯人がドアを閉める寸前に投げつけたからだ。
いくらなんでもそれはないだろう、と啓子はふきだしそうになった。俊夫も尽く駄目だしをする。
例のアレのこともある、という俊夫の言葉に透は納得したらしい。啓子はその言葉が気になったが、黙って
いることにした。
マスターキーであそこが開きさえすれば謎でもなんでもない、と俊夫が啓子をちらりと見ながら呟く。
啓子はどういう意味だと睨み返した。
簡単なことだ、マスターキーの持ち主が犯人ということだ、としれっと答える俊夫に無性に腹が立つ。
啓子は自分の鍵では開かなかったことは俊夫も透も春子も確認しているじゃないか、と反論し、春子に同意を
求めたが香山のことで放心状態になっている春子からはどうでもいいような返事しか返ってこなかった。
マスターキーで開けられない鍵があるなんてマスターキーと言えるのか、と真理が不思議そうに呟く。
それを受けて俊夫がまた異論を挟んできたので、疑うなら調べろ、と啓子は鍵を突き出した。
鍵を眺め、何の細工もないと確認すると無言で啓子に返す。ようやく納得したみたいだ。
すると透が啓子の持っている鍵で啓子の部屋を開けられるかどうか、確かめてみようと提案した。
なんでこんなことまでしなきゃいけないのかとむかつきながらも、全員で啓子の部屋の前に向かう。
鍵を開けようとしたときに試すのは別の人に、と俊夫に提案され、これ以上疑われても腹が立つだけだと
春子に鍵を手渡して開けてもらう。固唾を呑んで見守ると、鍵はちゃんと開いた。
これでいいかと透たちを睨むと、俊夫はまだだ、と言い出した。
マスターキーの証明には、別の部屋のドアを開ける必要がある。例えば、その隣の部屋の。
これで開かなかったら、やっばり啓子が疑われる。その言葉に春子は大丈夫だと返した。
少しもたつきながら、隣の部屋の鍵穴に鍵を差し込む。ロックの外れる音がし、春子は札が剥がれないよう
注意しながら少しだけドアを開けて見せた。
(*4)
俊夫はその鍵がマスターキーであることは認めたが、マスターキーの分疑わしかったのがみんなと同じに
なっただけだと言う。まったく、この人は蛇みたいにしつこく絡んでくるから嫌だ。
真理は犯人は逃げてしまったのではと口にする。けど、犯人が逃げられるなら自分達だって逃げられるはずだ。
と、そこで俊夫が犯人はまだ館の中にいるしか思えないとポケットから何かを取り出した。
出た。啓子にはすぐに分かった。さっきから透が隠していたのはこれだったのだ。
美樹本は溜息をつき、ばつが悪そうに可奈子を見た。きっと可奈子を気遣って2人に口止めしていたのだろう。
そんなに可奈子が大事なの? あたしの気持ちなんて、全然わかってないんだろうな。
美樹本は皆に説明しているようだったが、啓子は上の空だった。
突然可奈子がこの島は呪われているんだ、と頭を抱えて叫んだ。
そんな2人を見ながら、啓子は可奈子の言うとおりならみんな呪われているってことなのかと思う。
美樹本はこの島や館には忌まわしいものを呼び寄せる力があるのかもしれないと言った。
予言の自己成就、香山への不審、去年の事件への罪の意識……それらが、事件の根本にあるのではないか。
俊夫は怒ったように言い返すが、美樹本はそんな彼に冷たい口調で、みどりの夫である俊夫ならみんなを
救えたかもしれないと後悔したことが一度もないんだとしたら、およそ想像力というものがないことになる
と言い放った。
そんな言い方って酷すぎる、と真理が珍しく怒鳴りつけた、次の瞬間。
(俊#゚Д゚)=◯)`Д美)・;'
俊夫が突進し、美樹本の顔を殴りつける。可奈子の悲鳴。間髪いれずに繰り出される俊夫の拳。
その大振りのパンチをいとも簡単に避け、美樹本はすっと俊夫に懐に潜り込んだ。腹に重たい一撃。
大丈夫? と真理が俊夫に駆け寄り、可奈子は美樹本にしがみついて美樹本の顔の傷と腹を抱えて蹲った
俊夫を交互に見ていた。俊夫の嗚咽は痛みだけのせいではないだろう。
ちょっとは薬になるだろう、と美樹本はうそぶいた。女の子にはきつい光景に、気持ち悪いと口を押さえる
可奈子を連れ、美樹本は部屋に戻っていく。
これはチャンスかもしれない、と啓子は思う。可奈子はこの異常事態に、またかつての不安定な精神状態に
戻りつつある。もう一押ししてやれば、彼女の心を粉々に砕いてやることができるだろう。
そして美樹本が気が変になった加奈子に愛想を尽かしてくれたら、そのときこそ心置きなく告白できる――
考え事をしている間に残りのみんなは応接室に退避することが決まったらしい。啓子もとりあえず同意した。
春子と真理が紅茶を淹れにいき、透と2人きりにされる。美樹本は格闘技でもやっているのだろうかとの
言葉に何気なくボクシングのことを口にしてしまったが、次の瞬間慌てて口を押えた。
透が周りにキラキラを出すぐらい好奇心ありありの目で見返してきていたからだ。妙に勘がよく、かつ詮索
好きな透に下手にちょっかいを出されたらこれからの行動が起こしづらくなりかねない。
透は動揺している啓子の様子を窺い、しばらく考えた後で納得がいった表情になった。
おそらく、親友である可奈子がつきあっている美樹本のことを啓子も好きになってしまった。べたべたしている
2人を見るのはさぞつらかったことだろう、と結論したに違いない。
啓子は可奈子の様子を見てくると立ち上がった。個人的なことを訊かれたくはないし、2人のことが気になる。
2階へ上がり可奈子の部屋をノックすると、出てきた美樹本に可奈子と話がしたいことを伝えた。
ちょっと間があり、可奈子は美樹本に外に出るように頼んだ。美樹本はロビーにいるから、と部屋を出て行く。
美樹本から可奈子を引き離す、ここまでは成功だ。
こんなときだけど、自分たちのことについて話をつけておきたい。その言葉に可奈子は大きく息を吐いた。
啓子が食い下がるのなら、ここではっきりとけじめをつけておこうと思ったのだろう。
可奈子は美樹本に啓子のことを話していないという。美樹本が啓子を敬遠しているようだったのは、可奈子が
啓子のことをよく思っていないのがわかっているからなのだろう。
美樹本が2人の友情を引き裂いたと思うのは仕方がないことだろう。だが、美樹本が現れる前から2人の
友情は終わっていた。啓子はそれを美樹本に伝え、啓子の想いを受け止めてもらうためにここに来たのだ。
これまであったことも全部美樹本に話すつもりだと告げると、可奈子はやめてと声を張り上げる。
こんな幸せな時間は初めてだから、奪わないでと。
可奈子の目に大粒の涙が浮かぶ。啓子がやろうとしていることが美樹本と可奈子の関係に少なからず変化を
もたらし、それが可奈子の幸せな時間を奪うことになるのはわかっている。でも……。
啓子は思い切り息を吸い込んでから、「わかった」と一言そう告げた。
努めて明るくあっけらかんと先を続ける。可奈子がそこまで思ってるなら、諦めると。
考えた末に啓子は可奈子にとって最も満足のいく答えを返した。……可奈子が目を丸くして啓子を見る。
……だって、可奈子の幸せはあたしの幸せだもん。
啓子は夕食のトレーが手付かずのままになっているのに気がついた。
――ちゃんと食べないとダメよ、ではないとあたしが食べちゃうぞ。
――いいよ、食べても。
――絶対ダメ。これ以上太らせるつもり?
口を尖らせると、可奈子は半ベソ顔を左右に不利ながらくすくすと笑った。
せめて水だけでも飲んだ方がいい、それが最低条件だと言うと、啓子は可奈子に背を向けてドアノブを握る。
――これからも、仲良くしてくれる?
――……うん。もちろん。
――……よかった。
――……ありがとうね、啓子。
啓子は部屋を出ると、早足でロビーへと向かった。
部屋に戻るとどっと疲れが押し寄せ、ベッドに倒れこむようにして横になる。
枕に顔をうずめ、こみ上げる感情のままに呟いた。
これで、よかったんだ。よかったの。いいのよこれで。だってあたしは間違ってない。
ノックの音がした後、透が廊下から呼ぶ声が聞こえた。出てみると、透と真理が青い顔で立っている。
美樹本が、殺されている。それを聞いた啓子はドア枠によりかかって身体を支えた。
美樹本さんが……殺された。その言葉はなんだかテレビの中の台詞のようにしか聞こえない。
食堂を覗くと、可奈子が美樹本の遺体にすがりついている光景が飛び込んできた。
それは何だかとても美しく、中世の宗教画のようでさえあった。
ああ、可奈子、可哀想な可奈子……。
啓子はそっとしておくことにし、少し離れた場所で可奈子を見守ることにした。
春子が可奈子を美樹本から引き剥がし、みんなで食堂を出て行こうとする。しかし俊夫がそれを引き止めた。
2階にいたはずの美樹本がここにいるのは変だ。何か謎を解く手がかりがあるはずだと。
俊夫は物置部屋の前で線香の匂いがしたことを思い出し、また1年前の事件で消えた写真とミニカーの件から
暖炉に物置部屋と繋がる隠し通路があることを突き止めた。
突然可奈子が火掻き棒を手に暖炉の奥の壁を叩き始め、四つんばいになり暖炉の中に頭を突っこみだした。
啓子がそれを止めようとしたが、秘密の通路の入り口を発見したらしい可奈子が中に入ろうとしたので
慌てて全員で引っ張り出す。
一旦食堂を出て行った俊夫により犯人に逃げられたことが発覚したが、透は全員に鍵を見せるように言うと、
この中に共犯者がいると言い出した。犯人が香山の部屋に鍵をかけたのなら犯人の分の鍵が存在することに
なるのに、ここには全ての鍵が揃っている。これでは鍵の数が足りない、と。
合鍵説は即座に否定される。この中に犯人に鍵を貸し、また返してもらった共犯者がいるのだ。
透が誰かを名指ししようとしたが、俊夫がそれに口を挟んだ。
啓子が鍵をなくしたというのは嘘で、啓子はマスターキーと2号室の鍵を両方持っているのではと。
管理人室の鍵を開けられなかったのは2つの鍵のタグを犯人が付け替えていたからで、その後の検証では
また戻していたのだろう、と。
どうしよう。このままではあたしが犯人にされてしまう。自分が犯人ではないことを証明しなければ……。
そもそも啓子へ嫌疑がかけられているのは2号室の鍵をなくしてしまったからだ。
そこから順に考えて、みんなが納得できる答えを示さなければならない。
・啓子は2号室の鍵をなくした。→本当。
・代わりにマスターキーを受け取った。→でも管理人室には入れなかった。
→本当にマスターキーなのか?
→じゃあ、どこの鍵だ。
→2号室を開けられたのだから2号室では? 隣が開けられたのは鍵穴が馬鹿になっていたのでは。
→だったら、最初の鍵はなんなんだ。あれでも2号室は開けられた。
→マスターキーは誰が持ってるんだ?
→犯人だ。犯人が事前に自身の部屋の鍵とマスターキーのタグを付け替えて管理人室にかけていたのだ。
→つまり、啓子は『マスター』のタグがついた犯人の部屋の鍵を手に入れている。
啓子はその考えを皆に話す。俊夫の言ったことは当たっている。ただし、半分だけ。
犯人は2号室の鍵とマスターキーをすり替えたのではなく、自分の部屋の鍵とすり替えていたのだ。
そこにいた全員が不可解そうに目を瞬かせた。
俊夫はすり替えられた犯人の部屋の鍵を持っていたのなら、自分の部屋には入れなくなると疑問を口にする。
まさか、犯人の部屋の鍵で犯人の部屋に出入りしていて、それに気づかずにいたというわけじゃあるまいし。
そのまさかだ、と啓子。すり替えられていたのは鍵だけじゃない。啓子の部屋もすり替えられていたのだ。
その犯人とは……(名前入力)
……春子だ。啓子の言葉に春子だけは驚かなかった。半ば諦めたように啓子を見つめ返している。
啓子の鍵の紛失は犯人の誤算だ。すでにマスターキーは3号室の鍵とすりかえてあったため、香山が
『マスター』のタグの付いた鍵を啓子に渡したことに慌てた犯人は、3号室を2号室に見せかけたのだ。
啓子が今いる部屋は本当は3号室。同じ部屋が並んでいて、しかも湾曲していたので気づかなかったのである。
(透編にて、春子と物置部屋の前から離れる際に振り返った場面参照。立ち止まった地点から振り返ると
札が貼られた部屋のドアが2つ(1つは物置部屋)見えている。1つは1号室であるので、立ち止まったのは
2号室の前だが、ここにも札が貼られている)
(また、啓子のマスターキー所持に真っ先に苦言をはいたのは春子)
では、何故鍵の検証のときに啓子の鍵で2号室も3号室も(本当は3号室と4号室)開けられたのか?
答えは簡単だ。春子は手の中で啓子の鍵とマスターキーを重ねていた。『マスター』のタグを手の外に出し、
あたかもその鍵を使うように見せかけて、手の中にタグを隠した本物のマスターキーで鍵を開けていたのだ。
春子はふっとため息をつくように笑いを漏らす。
やはり、啓子が鍵をなくしたときに中止するべきだったのかもしれない、と。
春子が美樹本を殺したのかととう可奈子に、美樹本まで、香山だって、殺す気などなかったと春子は答えた。
どうして、と青ざめた表情の真理が問うも、もういいじゃないかと言う。自分だけが2人を殺せたのだからと。
俊夫は声を荒らげ、あのコートの男は誰だったのか、本当のことを教えてくれと問う。
だが春子は、香山たちを殺したのは自分なのだとだけ、どこか安心しているような様子で言った。
「大丈夫です。わたしはきちんと全てをお話して。罪を償うつもりでいます。最初から、そうすべき
だったんです。最初から――」
本土からやってきた警察の船に乗り、啓子たちは三日月島を離れた。
逮捕された春子、そして香山と美樹本の遺体は別の船に乗せられて本土へ戻った。
口もきけないほど怯えきっている可奈子に寄り添い、遠ざかっていく島をぼんやりと眺める。
……また、つらい事件に巻き込まれてしまった……。
あたしたちは元の日常に戻ることができるのだろうか……。
1年前に島を去るときと同じ不安を感じながら、それでもあたしは――。
あたしは可奈子と2人、支え合って生きていこう。
これから先もずっと。
そう胸に誓うのだった。
終
No.77 元の日常へ
第1回啓子編終了。
俊夫編で隠し通路、透編で鍵の謎問題提起、啓子編で鍵の謎解明と共犯者発覚と、
これで推理の材料は揃いました。
次回からはやっと解決ルートに入ります。
396 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/09/30(土) 05:51:58 ID:Yt8O8gbqO
乙です
セガサターンの「月花霧幻譚」のストーリーをよろしくお願いします。
90年代板でたまに話題になって気になっているもので。
398 :
29+276:2006/09/30(土) 10:40:19 ID:xDCou/w1O
>345ー346さんありがとう!弟がぁゃιぃ…と素人判断してた自分w
でも実はビルが正義の人だったのは衝撃でした。
オチが気になったゲームだっただけに、レスが貰えず半ば諦めてたので、マジ嬉しいです。オチ教えてくれて感謝(*´∀`*)〜♪
>277そうみたい。だから検索するたび肩スカシでしたorz
別にビルが正しいというわけじゃない。
彼はエドワードの実子ではなく、死んだ商売敵の子を引き取った(理由は不明)で
それを知ってか、エドワードに反発するようになった。
その他のところでは、金目当てで女と付き合い、金が切れたらポイ捨てとか
浮気したりとか、やりたい放題。
あらすじ見る限りでも正義の人じゃないよな。
強請りやる奴を正義と言っちゃイカンよw
ビル…。(´;ω;`)ウッ・・・・そうなると一番後味悪い被害者は、何も知らない婚約者なのかorz
重ね重ねレスありがd。
アッー!強請り=ゆすり、なんですね。漢字読めなかったから強請り→しょっぱり(ショッピクみたいな刑事用語?)かなーと
確かに正義じゃないよね。馬鹿でゴメン
HU・JO・SHI!
HU・JO・SHI!
そろそろスレの容量がやばくなってきたころだな
かまいたち3の人、お疲れ。続きを楽しみにしています。
かま3さん乙でしたー
相変わらず面白いです
そろそろ次スレたてないと
407 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/10/01(日) 07:35:33 ID:6JKha4mE0
すすすす
まだあと40kある。
10レスぐらいは余裕。
余裕じゃないだろw
ラストバイブル3、止まっているようなので別で執筆予約しまつノシ
埋めがわりにフリーゲーム「雪道」いきます。ステストのでいいんだよね?
・説明しやすいように、情報を明らかにする順番が、ゲーム内と前後してます。ご了承ください。
・味も素っ気もない文章ですがご了承くd(ry
・多少、筆者の解釈が入ってます。ご了s(ry
・つかゲーム内の正確なストーリーが知りたいならゲームのdatファイル内のstoryN.txt(Nは00〜10の数字)見れ。
かつて、コルデコットという少女がいた。
彼女は幼い頃、事故により全身に酷い火傷を負いながらも命は助かった。
それ以来彼女は、自分を傷つけた火と熱とを憎むようになった。
コルデコットはやがて、水と冷気の魔法を身につけた。
そして彼女は火と、火のように形をとどめず移りゆくものを封じるため、惑星全体に冷気の魔法をかけた。
こうして世界は氷河期を迎えた。海は魚などの生物ごと凍りついた。大陸にはどこも雪が降るようになった。
氷河期がおとずれてから、三百年以上の後。
雪の中を一人の少女が歩いている。名はララアクスという。(これが主人公)
彼女はフリュエーデンと呼ばれる一族の出身だ。
フリュエーデンは氷河期以前から雪国に住んでおり、雪と心をかよわせることができる。
しかしララアクスだけは例外だった。どれだけ努力しても雪から拒まれ、雪を信じることができない彼女は、
一族の町を離れて、一人雪原をさまよっていた。
やがてララアクスは一軒の小屋にたどりつく。彼女は一晩の宿を求め、小屋の中に入れてもらった。
小屋にはクドウという若い男が一人きりで住んでいた。ララアクスはクドウに襲われる。
しかしその衝撃で、ララアクスは前世の記憶を取り戻した。(たぶんこの時のイヤボーンでクドウ死亡)
彼女は、何度も転生を繰り返していた。転生するたびに記憶は薄れ、ついには自分が何者であるのかを忘れた。
だが、クドウの件がきっかけで思い出した。
彼女は、炎の精霊または炎の女神とでも呼ぶべき存在の化身であったのだ。
それが人間の身に生まれたのは、氷河期を終わらせるため。
彼女は転生を繰り返して調査をし、氷河期の原因をさぐった。
雪から情報を得るためにフリュエーデンに生まれ変わったが、これはうまく行かなかった。
炎と雪では相性が悪くて当然だからだ。
自分の正体を思い出したララアクスは、今度は炎とコンタクトをとることにする。
≪炉≫と呼ばれる施設があった。内部に多数の炎の精霊を閉じ込め、
魔法によって熱だけを街に運ぶ、エネルギー源としての施設である。
ララアクスはここを訪れ、炎の精霊と会話をし、氷河期の原因すなわちコルデコットについての情報を得た。
そしてララアクスはコルデコットを殺し、目的を達した。
氷河期は終わり、世界は熱と温もりを取り戻したのだった。
[アナザーステージ]
コルデコット打倒の時点で、ある条件を満たしているとアナザーステージにいける。
ララアクスはまたも転生し、ララフレアとなって地獄におりたつ。地獄は暗く、溶岩が溢れている。
彼女は地獄にいた魔王を倒し、星の主となる。そして星の温度を上昇させ続けた。太陽のなりたちである。
(正直アナザーステージの話はよく分かんない。おまけなので深く考えない方がいいのかも)
416 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/10/03(火) 02:12:03 ID:UJONXuQ70
ドリームキャストのソニックアドベンチャー1,2をお願いします。
あとソニックヒーローズも教えて欲しいです。これはPS2とGCとXBOXで出てます。
MSXの「白と黒の伝説」をお願いします。
じゃー埋め代わりにひさびさ大神を。埋まったらそこで終わりな。
んじゃ行きます。
さて、無事に怪物赤カブトを倒し、フセ姫たちに見送られて風神宮を後にしたアマテラスですが……
意気揚々と社の外へと飛び出したその時、イッスンが不安げに問いかけます。
「アマ公、ちょっと待てよォ?先を急ぐったって……これからどうすりゃいいんだィ?」
先刻現れたあの黒い妖気……おそらく怪物ヤマタノオロチを何とかしなければ、
イッスンがこの旅を始めたそもそもの目的、
全ての筆業をゲットして面白おかしく暮らす計画は永遠に実現不可能なのです。
ついさっきスサノオの前に現れたオロチに飛びかかろうとしたアマテラスが
あっさり弾かれた事を思い出し、イッスンは本当にアマテラスが昔オロチを退治したのかと怪しみます。
「よっぽど相棒のイザナギが強かったか―――
それとも怪物を酔わせたって言う伝説の酒が相当強列だったんじゃ……」
そこでイッスンははたとある事を思いつきました。
もうすぐ年に一度の神木村の村祭りがやってきます。
村祭りに供えられるのは伝説の酒。
ヤマタノオロチを酔わせ、怪物退治の一助となったそれを手に入れれば、
もしかしたら何かご利益があるかもしれません。
「それにせっかくの祭り……楽しまなきゃ損だしなァ?
サクヤの姉ちゃんを酔わせたりしたら……ブフフフフ!」
不気味な笑みを漏らすイッスンを乗せて、アマテラスは神木村へ向かいました。
そうして神州平原まで戻ってきた二人ですが、黒雲に覆われた空は真っ暗、
辺りにはびょうびょうと風が吹き荒れて、せっかくの祭りを前に、嵐でも来そうなイヤな天気です。
ですが風が吹こうが嵐になろうが神木祭りはその位で中止になるようなヤワな祭りではないらしく、
イッスンはお神酒を飲み干されては大変とアマテラスをせかします。
けれど村の入り口まで戻ってきたその時、二人は更なる異常に気が付きました。
村はずれ、スサノオの家の前に村中の人が集まって、何やら騒いでいるのです。
事情を聞こうと駆け寄ると、赤カブト戦ののち村に帰ったスサノオが
コノハナさまのご神木に供えてあった伝説の酒、八塩折之酒(やしおりのさけ)を、
あろうことか一滴残らず飲み干してしまったという衝撃の事実が判明。
家の中に閉じこもったスサノオはカンペキべろんべろんになっていて、
今年はオロチ退治から丁度百年目の特別なお祭りなのにと怒り狂うミカン爺に、
「イザナギが何らぁ!!……ヒック!」
と、ろれつの回らぬ口調で怒鳴り返す始末です。
「な……何てこったァ……よりにもよって、あの酒を飲む事はねェのによォ!」
当てが外れて跳ねるのも忘れ、呆然としながらイッスンが呟きました。
「怪物退治の伝説に語られた八塩折之酒がなくなっちまうなんて……
ヤマタノオロチの影がチラついてる今……嫌な予感がするぜェ」
ところがそこでイッスンの言葉にスサノオが奇妙な反応を返しました。
びくりと身じろぎをしたらしく、ごとりと扉が音を立てます。
きょとんとそちらに目をやった一同の前で、いまだ閉じ篭ったままのスサノオはぼそぼそと語り始めました。
「ヤマタノオロチ……全部……全部我のせいなろらぁ……我が全部悪いろらぁ!」
やっと自分のしでかした事に気づいたかと怒りの拳を振り上げるミカン爺でしたが、そうではありませんでした。
酒の力を借りて、そして泥酔したがゆえに始まったスサノオの告白。
それはなにかにつけ引き合いに出されるイザナギの血筋に嫌気が差し、
ある夜十六夜の祠に出かけて「インチキ神話」の月呼の剣を抜いてしまった、
そうしたら神話は本当で封じ込められていた怪物が蘇り、ナカツクニ中に呪いが広がってしまったというのです。
余りの事に顎が外れんばかりに驚くミカン爺をはじめとした村一同。
更にスサノオの話は続きます。
恐ろしくなって村に逃げ帰り、村の入り口を大岩で塞いで家の地下にこもったこと。
その後もあちこち逃げ回った事。それなのに。
「神さまが……お天道さまが我をずっと見ているろら!お前を絶対許さらいって―――
オロチと戦って、退治するまで許さらいって、追って来るろらぁーっ!ウオォォォーン、オンオンオン!」
そう、お天道さま……アマテラスのこれまでの「手助け」は、
スサノオにとっては「神罰」以外の何物でもない仕打ちだったのです。
たまりかねてついに泣き出してしまったスサノオをよそに、ミカン爺は恐ろしげな面持ちで夜空を仰ぎました。
「宝剣が引き抜かれ、十六夜の祠が消えうせた事は聞いておったが……
もしもスサノオの話が本当ならば、あの怪物は……ヤマタノオロチは十五夜の満月が昇る頃―――」
いつの間にやら空を覆った嵐の気配はすっかり消えうせ、
そこに皓々と輝くは、息も止まるほどに美しい真円の月。
しかし嬉しい祭りの象徴であるはずのその月は、たった今皆が知るよりずっと前、
ツクヨミが引き抜かれたその瞬間、既に不吉な怪物の先触れに変わり果てていたのです。
皆の視線が満月に集まるのと時を同じくして、凄まじい憎悪の叫びが村中を揺さぶりました。
騒ぎをよそにただ一人、ムシカイの家の前、畑の隅で静かにうずくまっていた八犬士忠狗……
ハヤブサが、ハッとして首を天に向けます。
いち早く飛び出して小岩の上に四つ足を踏ん張り、威嚇の唸りを上げるアマテラス。
その後ろの橋の上に、狼狽しつつも集まった村人達。
いくつもの視線の先で、暗闇のはるか向こう、ちょうど十六夜の祠の方角に八つの光が次々とともります。
邪悪な光はぐるぐると渦を巻き、渦は一本の矢を生み出しました。
とみるや、弦も無いのに矢はひとりでに、まるで一杯に引き絞られた弓からぱっと放たれたような
凄まじい速度で空を走り、一直線にこちらへ向かって殺到します。
橋の上の村人たちはわっと慌てて左右に分かれ、逃げ遅れたムシカイを、すんでの所で
まっしぐらに駆けてきたハヤブサの牙がひっさらい、救いました。
身を起こしたクシナダは、無言で「それ」を見つめていました。
彼女の家の屋根の上、突き出た柱に深々と刺さったオロチの矢を。
「ヤマタノオロチは十五夜の満月が昇る頃……い……忌まわしき骨鏃(こつぞく)の破魔矢で
契りの贄(にえ)を選り出でむ……神話の通りじゃ……!」
震え声でミカン爺が呟きます。
あの矢で家を射抜かれた者は、オロチにその身を捧げねばならない。
「もしもそれに従わずば……む……村中の人間の命が……」
言って、がっくりとうなだれてしまうミカン爺の前で、なおもクシナダは無言のままでしたが、
やがてきりりと唇を引き結ぶと村外れのスサノオの家を振り返りました。
「スサノオ、あなたはそんな弱虫じゃない。神様が戦えって言うなら……それはあなたしか頼りがないからよ!
あなたなら出来る……だって私の事助けてくれたじゃない」
両の拳を振り上げ、長い袖を翻してクシナダは叫びます。
「私信じてるから。あなたが来てくれるって信じてるからね!」
「ク……クシナダ、お前!?」
日ごろのおっとりぶりからは思いも付かない大声に驚くミカン爺にも構わず、
クシナダはそう叫ぶや否や、だっとばかりに彼女の家へと駆け込みました。
しばらくして現れた白装束姿のクシナダは、手にした酒瓶、彼女自慢の銘酒、「雷撃酒」を高々と天に掲げます。
「イザナギさまは、オロチを酔わせて退治したって言うじゃない。
私が丹精込めて造ったお酒だって、オロチを酔わせる事くらい出来るわ!」
そう鼻息荒く言うなり、クシナダはすごい勢いで駆け出し、村を出て行ってしまいました。
ここの所ムシカイと遊んでくれずにずっとハヤブサが座り続けていたのは
あの矢からムシカイを守る為……やっとその事を悟ったムシカイが
千切れそうなほど尻尾を振るハヤブサを泣きながら抱きしめています。
そんな心温まる光景はさて置き、アマテラスとイッスンはこんな大騒ぎにもかかわらず
うんともすんとも言わないスサノオの家の側を通り過ぎ、大慌てでクシナダの後を追いかけました。
神州平原の入り口までやってくると、やはりあんな大瓶を細腕で担いでダッシュするのは
ここが限界だったのか、肩を揺らしながら座り込んでいるクシナダの姿が見えました。
心配するイッスンとアマテラスに、けれどもクシナダは止めないで、と息を切らしつつ気丈に言います。
オロチの生贄が逃げれば村の人間全員に災厄が降りかかる。
しかしそれだけがクシナダがオロチの元へ向かう理由ではありませんでした。
「皆が苦しみながら生きていく世の中は、もうたくさん。
私の生涯をかけたお酒で、悪い怪物をやっつけてやるんだから!」
純粋だけれどもそれ以上に無謀なこの発言に、イッスンが激怒します。
「バカ野郎ォ!!……相手がどんなに恐ろしい奴かも知らないで、ナマイキな事言ってんじゃねェ!
そんなチッポケな酒ぶら下げて勝てると思ってるのかよォ!」
叱咤されて、「……そうね、私バカよね」とクシナダはうな垂れましたが、
けれどそれでも彼女の決意は変わりません。
「でも、私にはこれしかないの……人に胸を張れるのはお酒だけなの!」
クシナダが決意を込めてすっくと立ち上がったその時、アマテラスが動きました。
白装束の裾を捕まえて、彼女をひょいと空中に放り上げ、くるくるまわすと
「ア……アマ公、お前……!?」驚くイッスンを尻目に、背中に背負ってしまいます。
「……チクショウ、お前ら勝てる見込みもねェのに気張りやがってェ!もう、どうなったって知らねェぞォ!」
ヤケクソ気味にイッスンは叫び、そして一行は十六夜の祠へ向かうのでした。
「やっぱり来たね、アマテラス君……生贄のお嬢さんとのランデヴー、楽しんだかな?」
やってきたアマテラスたちに背を向け祠の入り口に立ったウシワカは、こちらを振り返りもせずに言いました。
「このインチキ野郎、そんなのオイラたちの勝手だィ!」
言い返すイッスンは相変わらずシカトして、ウシワカはぱっと両腕を広げます。
とたんにぴんと辺りの空気が張り詰めました。
笛を眼前に立て、次いでくるりくるりと回しながら舞うように身を翻すと、
ウシワカは懐からアマテラスたちから奪ったあの「水晶のヘビイチゴ」を取り出します。
彼が腕を中空に差し伸べると、水晶細工は貼り付けられたかのようにぴたりとそこに静止しました。
更にウシワカは腰から抜き放った刀をうねらせながら水晶に突きつけ、その前の地面に刀を突き立てます。
仕上げとばかりにウシワカが竹笛を唇に当て、涼やかな調べが辺りを充たすと、
それまで祠に漂っていた妖気の壁がみるみるうちに水晶細工に吸い込まれ、
ちらりと小さな光が瞬いた後にはもう、妖気はおろか水晶細工までもが消え去っていました。
「さて、扉は開いたよ。アマテラス君……ユーの出番はもうおしまいだ」
刀を納めたウシワカが意味深に言い、その言葉に呼応するように地響きが起こります。
不安げに周りを見回すクシナダの前に立ちはだかって、低く唸るアマテラス。
再び濃くなった妖気の奥から猛烈な勢いで黒い何かが迫ってきて―――
ハッと背後を振り向いたウシワカが大きく跳躍して身をかわします。
飛び出してきた「何か」はアマテラスを難なく付きのけるとクシナダをくわえ、
現れたときと同じく凄まじい速さで祠の奥に姿を消してしまいました。
追いかけようと数歩進んだアマテラスの後ろで、なんとその時、突如妖気の壁が復活します。
ぴょんぴょん壁に体当たりして
「この野郎!これは一体どういうつもりだァ!」
イッスンが食って掛かるとウシワカは、
「ど……どういうって……ええと、そうだなぁ。"飛んで火に入る金玉虫"……?」
顎に手を当て、笛でのんきにぱしぱし肘を叩きつつ答えました。
「ユーたち勝手に入っちゃうんだもん。結界を解いて中に入れるのは、生贄を除いて一人だけなのになぁ。
あれ?……て事は、ゴムマリ君は勘定にも入ってないんだね、アハハハハ!」
あっけらんと笑うウシワカに
「ふざけるなァ、オイラたちをまたハメやがってェ!」
例の如く怒り狂うイッスンですが、ウシワカは
「……でも最初から、この祠に乗り込むつもりで来たんだろう?
それならユーの実力を見せてよ、アマテラス君……」
やっぱり例の如くあっさり受け流し、
「という訳で今回の予言の言葉は―――"月が出た出た月が出た"」
あヨイヨイ、と変な踊りを踊りました。
「フフフ、今回はあんまり面白くなかったかな?それじゃ……チャオ!」
まったく世界観とマッチしない別れの言葉を残してヒョーイと飛んでいってしまったウシワカに
「ケェッ、これくらい、どうって事ねェや。最初からオロチの野郎なんか、コツーンとやってやるつもりよォ!」
と聞こえるべくもない憎まれ口を叩いたイッスンは、
「アマ公、いつまでやってんだィ。さァ、行くぜェ!」
イヌっぽい仕草でカリカリと未練たらしく壁を引っかくアマテラスをどやしつけ、二人は祠の内部へ潜入します。
二人の影が祠の奥へと消えた後、物陰からそうっと立ち上がる影がひとつ。
その影は、木刀を背負って腕毛がモジャモジャ、逞しそうな外見をしています。
しかしはた目にもありありと分かるほど、ぶるぶる震えているのでありました。
ではまた次回!
『そう、あたしたちはこんなにも理不尽な世界に生きているのだらよ』
と
『ロストカラーズ』
と
『あの、素晴らしい をもう一度』
と
『空の浮動産』
をお願いします。
>>424 ここのゲームは過程が面白いのであってストーリーだけ聞いてもつまらないぞ。
『ロストカラーズ』
色が病気をもたらすとして結界を張って色を失くした世界。
たまに発生する色がついた人間を女子供かまわず虐殺し恐れられる主人公
功績を認められ王女と結婚することになるが、主人公自身が色つきになり追われる
それを助けたのは王女で、色を消す結界を解く協力を要請する。
旅の中で自分が行ってきた虐殺の無意味さを知り成長する主人公。
結界は破壊され世界に色が戻るが王女だけは白黒のまま。
実は色を消したのは生まれつき白黒な王女を守るためだったのだ。
主人公をはめた騎士仲間が王女と恋仲で彼女を守ろうとしていたことを知り
復讐をせず一人旅に出る主人公。復讐に来た子供の刃にわざと切られ満足死
埋め立て
すみません、どなたか23以降の過去ログをhtmlで持っている方、過去ログにアップお願いできますでしょうか?
JaneStyleだとdatでしか保存出来ませんので・・・
datの使い方が解らずすみません。
wiki見れない・・・。消えてませんか?
と思ったら見れるようになりました・・。
>>427 過去ログ置き場にpart24.htmlをアップしてみました。
ゲストログインだとアップは出来ても削除はできないみたいなので、
もし何か問題があったらお手数ですが削除をお願いします。
無駄早く立てる奴が居るとこうなるから困るな
クロノクロスだけど魔王は一応出てくるよ、序盤に登場する
仲間にするとマスクで正体隠してるし何か性格違うし船賃出さなきゃいかんし
崖登らされるしアレな奴になってるけどね
製作者は専用のイベントを用意したかったらしいけど
仲間キャラが40人に膨れ上がったせいでイベントの製作に取り掛かれなくて
設定と劇中何度か正体を匂わすだけに留まってるらしい
クロス自体が前作のその後のパラレルワールドみたい感じだから
魔王が変わらず魔王であったかも微妙なんで魔王と呼べないかもしれない
攻略本持ってて詳しい人間違ってたら訂正お願いします
>>433 アルフのことだろうけど、あいつは魔王じゃないよ。
元々クロスの前身であるラジカルドリーマーは、
セルジュが盗賊コンビのキッドとギルに出会って一緒にジャコツ館に
「凍てつく炎」を盗みに行く話しなんだけど、ここでのギルの正体が実は魔王だったりする。
セルジュとキッドがジャコツ館に「凍てつく炎」を盗みに行く話自体はクロスにもあるんだけど、
ここではセルジュとキッドだけ固定で後のメンバーは選択肢になってしまった。
この選べるメンバーのうち一人がアルフなんだけど、どうやら開発中はアルフ=ギル(魔王)だったらしく、
その名残が本編中にも残ってる。ただし、その後の開発過程でアルフ≠魔王になってしまった。
魔王だったら、選択肢に関係なく一緒に付いてくるだろうしね。
アルフがギルじゃなくなった理由は、他の仲間の開発が忙しかったというよりは、
まず前提として仲間キャラ多数というシステムにしたかったからこそ、
主人公でもヒロインでもない一人の仲間に重要度がありすぎるのはマズイってことで
魔王を削除したらしい。クロスのネタ自体がサラの救済なんで、
魔王がいたら話の中心になっちゃうからなんだろうね。
個人的には、サラの救済がテーマならなおさら魔王いないとダメだろって感じだが。
以上。ソースは攻略本のインタビューから。
とりあえず、公式としては、アルフ≠魔王は確定。
PSの「奏(騒)楽都市OSAKA」、短くても構わないのでお願いします
体験版だけプレイして、主人公に何か過去がありそうなのが気になったんですが
そこがいまだに気になってます
↑すみません次スレと間違えました
>>435 アレ尋常の努力では全イベント見るのが不可能臭い気がする。
>>433-434 ダッシュの動作が魔王っぽいんだよな、アルフ。
攻略本にあるけどアルフの素顔を見た占いババの
「このオババ、命が一時間ばかり縮んだわい……。」とか
アルフで凍てついた炎に触れたときの
「違う……、やめろ!俺は違う、そんな人物ではない。」
とかがアルフ=魔王だったころの名残か。
あのストーリーなら仲間増やすより魔王残す方が大事だろって思うよなぁ…
クロスは色々と失敗してる部分が多いからな。
……というかラジカルドリーマーを絡ませたのもトリガーからませたのも
すでに失敗と言うか、何したかったのか分からない……
むやみに仲間が増えてたりとか、全部何か一つに搾れば良かったのに……
もともとクロスって続編じゃなかったと聞いたことがあるが本当?
クロススレでもそういう批評がされてるな
各キャラの掘り下げがサガフロ以下って言われてるし
XBOXのPsychonautsをお願いします。日本じゃ発売されてませんけど。
クロスは単体として見れば面白い
単体としてみたらストーリーに意味不明な箇所が多すぎて
結局クソゲーじゃないか?
トリガーをやりこんだけど愛着ない人向け
ガルディア王国はトリガーの数年後に滅亡して、
クロノ・マール・ルッカは死亡済。
人間はラヴォスによって進化した、星からみたら異端の種で、
他の種族からは嫌われている。
今、人間が栄えている歴史は星からすれば「間違った歴史」で、
全て無にしてしまおう、と龍が動いている。
クロスの背景はこんな感じ。
トリガーでやったことをことごとく否定されるのは、
不愉快です。
一つ真実があるとすれば
このスレはトリガー信者とクロス信者用のしゃべり場じゃないということだな。
ただいま484kb
TOAの悪夢を忘れたのかい?
450 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/10/17(火) 17:38:54 ID:qx/pBebb0
パイロットウイングスのストーリー教えてくれ
サブカルチャースクールだと思ってハングライダーやスカイダイビングなどをエンジョイしていたら
実は空軍パイロット養成機関で、否応無しに戦争に巻き込まれるある民間人の戦いの物語
>>446 否定されるも何も、ゲーム内容としては
「それでもこれまでの歴史は通す!」って話じゃん。
453 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/10/17(火) 20:19:55 ID:qx/pBebb0
>>453 スカイダイビング等を楽しんでいたプレイヤー
気が付いたら戦闘ヘリを操縦してミサイルを乱発してました
パイロットウィングスでぐぐると幸せになれるんじゃね?
>>453 「あなたも鳥になってみませんか?」
軽い宣伝文句に騙されてフライトクラブに入った主人公。
・飛行機フルスピードで墜落
・高度1000mから地上まで自由落下
・ロケットベルトが爆発炎上
・ハングライダーで海に突っ込む
などでも死なない不死身性を見出され、鳥人間に改造されたり、
練習も無しにヘリコプターで軍事基地に突っ込まされたりします。
そしていつしか主人公は立派な軍隊の一員になっておりました。
>>435 すんげーうろ覚えだけど
主人公は昔、幼馴染とキスしました。その時、歯がぶつかってカチカチ鳴りました。
ごめん、これしか覚えてない。
>>457 それシリーズの別の小説で読んだことあるんだけど、奏(騒)楽都市でもでてくるの?
>>458 小説で出た奏(騒)楽都市OASAKAの一年だか二年後が舞台。小説キャラはほとんど出なかったと思う
質問スレでこちらに誘導されたのでこちらで
はじめまして 自分は事情があって、今、ゲームが全くできないのですが(子供のころは大好きでした)
「RPGで衝撃の走った名シーンってある?」スレでどうしても気になるレスがたくさんあります
どういうことなのか、これらのゲームのその部分の詳細をもし知ってるかたがいらっしゃったら教えてください
注(ネタばれにつき知りたくない人は読まないでください)
・>アークザラッド2の白い家を超えるシーンってある?
白い家とは?なんで衝撃を受けるのでしょう
・>スターオーシャン3の宇宙の正体を知ったときはビックリしておしっこ漏れた
宇宙の正体とはなんでしょうか
・>WA2のラスボス戦に突入した瞬間。これは当時マジで衝撃的だった
どんな演出なのでしょうか
・>スタート直後から衝撃の連続「星をみるひと」
例えばどんなところが衝撃的なのでしょうか
・>SO3試練の遺跡のサンタを越える衝撃シーンはない。VP2のセラゲも衝撃だった。
二つとも詳細を知りたいです
・>ゼノギアスの、肉食った後、それがなんの肉か知ったとき
なんの肉やねん
・ 衝撃の大きさでいったらファイアブランドの悲劇はガチ
サガフロ2の中で1、2を争うといっていい
どんなシーンなのですか?
・>スタオーセカンドのEDムービーは衝撃的だったな。
思わず目を疑った。まさかあんなに輪郭が…。
どういうことやねん
・>レジェンドオブドラグーンの黒き魔物の正体
これは絶対途中で気付かないだろ
正体はなんなのですか?
・ブレスオブファイア2の竜になるほうのEND
どんなEDなのですか?
・アルケミスティックでもう一人のティアの存在が明らかになるとこ
どんなシーンなのですか?
知ってる人よろしくお願いします
元のスレで聞くのが一番ではないのか。
まあ、googleや
>>1のまとめwikiで調べればほとんどは分かると思う。
462 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/10/20(金) 17:56:59 ID:1J7amC6NO
TOAのストーリー誰かたのむ。
PC フリーゲーム 「Cloud」をお願いします。
英語なんでストーリーがわかりません
>>461 元のスレで書いたらスレ違いっす
ぐぐることはすでにやりましたがわかりませんでした
そのスレのまとめwikiはできていません
ゲームに詳しいかた、どうかよろしくお願いいします
こういうアホはスルーが一番
すでに新スレに移行している(
>>375)ので、依頼とかはそっちで。
こっちはageないように。
>>464 いや、wikiってのはこのスレの。
>>1見て。
全部分かるかどうかは知らんが、いくつかは解決するって。
オレもきになって調べたらググったら分かったやつばっかだぞ
468 :
460:2006/10/20(金) 19:09:41 ID:AzDjOifW0
調べるのが面倒なんです。ふざけないでさっさと教えなさい。
>>468は俺じゃないw
もう一度ぐぐったりwiki見たりしてみますが
知ってるものだけでいいのでよかったら教えてください
そういう雰囲気じゃないけど
そういうためのID制
いずれにせよこのスレはもうすぐ終わる
例えばアークザラッド、研究機関の白い家に連れて行かれるキャラがいる、とか
ぐぐればそういうことはわかるんですが
なんで衝撃を受けるのかはピンと来ません
台詞集もないみたいですし
正直ゲームやってないと、衝撃受けないんじゃないのか?
>>471 アークの白い家に関しては、元レスした人に聞かないと、
何がどう衝撃的なのか分からん。
劇中に「白い家」というのは複数出てくるし、大抵劇的な
シーンの舞台になってる。
星をみるひは、この板にスレがあるからそこ読むこと。
ファイアブランドはwikiを見ること。
あとはシラネ。
ゲームやらずにそのシーンだけ聞いても、フーンとしか思わないな。
つかそこまで知りたいならゲーム買えよ。
ゲーム中の感動や衝撃まで人づてで聞きたがるのってすげー貧乏臭いなあ。
>>476 ほんとうに貧乏だったらかわいそうだろw
もうほっといてやれよw
あと8kも空きがあるし、グダグダと容量を潰すのも乙なもんよ。
>>474 SO3は実はみんなネトゲNPC
WA2は近親相姦兄妹が混ざり合ってラスボス
VP2は本編のパロ連発
ゼノギアスは人肉缶詰
これで満足か?
WA2は主人公が英雄に変身して炎の災厄と一人戦う所じゃね?
一言で言うなら「一人技じゃ勝てない、皆と一緒に戦ってこそ未来が開けるんだ」っつー演出か
アルケミスティックってRPGツクール3のゲームじゃん
どんなストーリーだったか忘れたけど
>>479 サンクス!はじめてなんで衝撃を受けるのかわかる説明を受けた気がします
SO3はメタフィクション的というかそういう落ちなわけですね
本編を茶化されたら一種の本編壊しだし
人肉カンズメにしても凡庸だけど、ショックは受けるかな やっぱり
>>480 dクス!
>>481 ありがとうございます
もうくんなよ
>>484 冷たくしないでよ
目と目が合ってドッキドキ
他のも教えてよねえねえ
・・・マジでよろしくお願いします
>>485 このスレはお前の好きに使っていい。
が、次スレには来るな。
>>486 ふふふ 全くお前って奴ァルール無用の残虐ファイターだな・・・
そんな自分に不利な契約を私が結ぶと思うのかね?
その提案乗った!
・・・すいません 調子こきました 失礼ソーリー
次スレには来ません
質問のゲームの内容だけ知ったら俺は満足なんでもしよければよろしく
このあつかましさやくだらん発言の連発、課内の糞関西人そっくりだ…
なにこのキモイ人……
オタクでも一番キモイ人って、こんな話し方と理論展開する。
オタクでも一番キモイ人ってか、単に空気読めない人で
なおかつ自分の世界に引きこもってる人かな?
不健全な感じー
敬礼コピペを思い出した。
いやヲタではありませんよ 結構今風
ゲームもアニメもあんまやんないし
ちょっとふざけただけっすよ
どうかよろしこ
もう死んで
いや、お願いだからシネよ。
すでに死んであの世からレスしている
/>
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// /( ´∀`(\
=∧⌒∧= (__)/ l |
/( ・∀・(\  ̄ | _/
(__)/ l | | ∩ |
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(__/ ヽ_) (_)(_)
っていうかぶっちゃけた話
あるゲームのシナリオ書いてるんですけど
忙しくてあんまゲームやる暇ないんですよ
シナリオの勉強するならゲームより映画見たり小説読んだほうがいいし
仕事しながら2ちゃんには来るけどw
なぜゲームの衝撃を受けたシーンが知りたいかも後学の為です
勉強なら、なおさら自分でやるもんだボケ
>>498 「ゲームもアニメもあんまやんない」のに
ゲームのシナリオ書いてるんだw ふーん。
昔は大好きでしたって最初のレスで書いたけど
まあ本意でゲーム会社に就職したわけじゃないけど
>>498 シナリオなら、映画・小説で学べばいいんじゃね?
ゲームの脚本・演出までやるなら、ゲームで先人の妙を勉強する必要出るけど
小説のシナリオでも、1クールのドラマになるし、2時間の映画にもなるさ
演出は変える必要出てくるけど
しかし、久々に高レベルな痛い奴が出てきたなw
頼まれてもないのに、自分語りするとことかww
スレ違いだから
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... ..:( )ゝ ( )ゝ( )ゝ( )ゝ無茶しやがって… ..........
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.. 三 | 三 | 三 | 三 | ... ............. ........... . .....
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三三 三三 三三 三三
三三 三三 三三 三三
どう考えてもこっちです。本当に(ry