186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/07(火) 11:11:50 ID:Nq01AIYN
千草ママン( ´Д`)ハァハァ/ヽア x186
202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/21(火) 07:28:54 ID:WmcWPUmA
ちょw何この馬鹿らしい妄想スレwww
見ててテラカワイソスwwww
203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/21(火) 13:40:11 ID:nLXPrsmW
やっぱりそう思うか…
204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/22(水) 20:04:24 ID:XClIkV24
だがそれがいい
205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/23(木) 15:17:45 ID:/Cahl6sP
マジっすか
206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/23(木) 23:17:02 ID:U+xm9KX/
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ミ ´( _____ ....(( )lノ `ヽ
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{(り"′ `¨´"/` 「´ l )ノ やれやれだぜ
シヽヾ) l l
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「……も、もう一回やってみましょう、シャナちゃん。時間はまだあるんだし、ね?」
悠二の母、千草がキッチンカウンター一杯に広がる惨状に若干目を逸らしつつ、傍らの少女に励ましの言葉を掛ける。
「・・・分かってる、千種」
シャナはムスッとした声を上げつつも、再び作業に取り掛かった。カウンターに散らばるそれは・・・何だろうか、
黒く焦げた何かの塊の様に見える。少なくとも、その物体の原材料がチョコレートだと答えられる者は一人として
いないだろう。子は親に似ると言うべきか、彼女、シャナもまた絶望的と言ってよい程に料理は不得手だ。しかし、
(負けない。吉田一美には……絶対に、負けない!)
ライバルへの対抗意識が彼女を後押ししする。昨日聞いた悠二の話によれば当然、吉田一美はチョコを作ってく
るだろう。もし自分が何も作らなければ、吉田一美に一歩も二歩も引けを取る事になる。そうなれば……
(・・・悠二は絶対に、渡さない!)
一瞬思い浮かべた光景を振り払う様に、包丁でチョコを力任せに刻んでいく。彼女は昔(と言っても半年程前)の様
に、悠二への感情を隠そうとはしなかった。吉田一美にも宣戦布告は当に済ませてある。
真っ向から立ち向かうしかない。
「あ、シャナちゃん。そこはちゃんとかき混ぜないと、ダマになっちゃうわよ」
千草が、やや気負い過ぎの少女を優しく嗜める。
「うん・・・」
シャナはやや目を伏せつつ小さく頷き、千草の説明に耳を傾けた。
「・・・出来上がりでありますな」
ヴィルヘルミナは満足げに言葉を漏らす。その緩んだ視線は、いびつではあるが紛れも無い一つのチョコの姿を捉え
ていた。深夜もとうに過ぎ、やっと出来上がった第一号の成果だ。何の工夫も施されてはいないが、作り手の深い愛
情を受けたそれは、きっと少女も気に入ってくれるだろう。ヴィルヘルミナは少し弾んだ心持ちで、そのチョコを綺
麗にラッピングしていく。
そうして手際よくリボンを巻きながら、ふと気が付いた。
「少し余りが有る様でありますな」
テーブルの一角を眺めつつ端的に言い表す。自分の腕を考慮して大量に買い揃えていたチョコは、若干ではあるが残り
がある。作ろうと思えば、一人分ぐらいは出来るだろう。
ヴィルヘルミナは数分思案し、
「――誰が、あいつなんかに・・・」
思い浮かべた一人の少年を即座に否定する。そして、
「とにかく、あの方に贈る事が出来れば・・・」
一言洩らし、作業を淡々と進めていった。
太陽が南天に高く昇り、暖かな陽気が地を照らす昼下がり。普段よりもどこか騒がしい教室で、悠二はいつもの
面子と共に昼食を取っていた。
「さ、坂井君・・・これ、どうぞ」
「うん。いつもありがとう吉田さん」
吉田が悠二に手作りの弁当を手渡す。これはもはや日常と言ってもいい程に見慣れた光景だが、
(何だろう。吉田さん、少し顔が赤くなってるみたいだけど)
今日の彼女の様子はどこか、奇妙だった。伏せた目をこちらを窺う様に走らせ、時折小刻みに喉を震わせている。
悠二には無論、心当たりは無いが……
(まあ・・・考えても仕方が無いし、とりあえずご飯を食べよう)
ほんの数秒思索し、そう結論付けた。そして、受け取った茶巾の包みの紐を緩めていくが、
「あれ――吉田さん、これって・・・」
その中には見慣れた弁当箱の他に、真紅のリボンに包まれた透明なセロハンの包みがあった。悠二はそれを
掴み上げ、まじまじと注視する。それは―
(チョコ?あ、そうか今日は・・・)
趣向を凝らした手製のチョコレートだった。丸く整えられたチョコの甘い香りと、柑橘系の爽やかな匂いが、悠二
の鼻腔を優しく擽る。そこまで考える内に、自分の顔が一気に赤くなっていくのが感じ取れた。
(ん?何だ、吉田さんも案外大胆なんだな)
コンビニの弁当を摘みつつ、池は心中で言葉を紡ぐ。横目で眺め見た二人の顔は耳まで朱に染まり、お互いに何か
言いたげに視線を交じわせている。以前ほど自分を頼らなくなった彼女に、どうしても寂しさと共に喪失感を
抱いてしまうが……
(ふうっ。それは喜ぶべき事なんじゃないのか?)
その屈折した情動を仕舞い込み、自嘲気味に虚しく笑う。池は自分の気持ちが何なのか、それを見定めない内は
友達として彼女を応援すると、悠二に宣告していたからだ。
友人の旅立ちは素直に喜ぶべき事だろう、と冷静に考える。
(とりあえず、今は僕が口出しすべき事でも無いし、静観しておこう)
そう静かに結論付け、再び弁当に視線を落として黙々と食べ始めた。
悠二が先か、吉田が先か、どちらが話し掛けるべきか互いに迷い、一時の静寂に場が包まれる。
―と、その時
「悠二!!」
「え?――わあッ!!」
悠二の隣に座るシャナが、何かを力一杯悠二の胸に突き付けた。その弾みで悠二の体が椅子ごと後ろに倒れ、耳に
響く騒音が床を低く鳴らす。
「シャ、シャナ、いきなり何を――」
「ゆかりちゃん!どう――」
「うるさいうるさいうるさい!!悠二、黙ってそれを食べなさい!」
口を開いた悠二と、抗議の声を上げかけた吉田を遮り、シャナが真っ赤に染まった頬を隠す様に俯きながら、
怒鳴り声を上げた。その言葉に悠二は、
(食べる?)
少女の言葉を反芻しつつ、胸元に目線を移す。それは、
「――――――何、これ?」
綺麗にラッピングされた黒焦げの、何か。他に形容すべき言葉は何も見当たらなかった。今日が何の日か知っていな
ければ、悠二にはそれが何なのか見当も付かなかっただろう。悠二は額に脂汗を浮かべつつ、シャナに一応訊き返す。
「・・これ、僕が食べるの・・・?」
「な、何よ!私は、悠二の為に・・・」
一転、汐らしく言葉を洩らし、潤んだ瞳で見詰めるシャナ。その、少女にそぐわない艶のある仕草に、悠二は
崖っ淵へと一気に追い込まれていく。
そして一回、咽喉を低く鳴らし、
「い、いただきます・・・」
引き攣った顔をぎこちなく動かして、そう呟いた。
「シャナ、先に帰っててよ。僕はカルメルさんの手伝いをしてくるから」
「え?悠二が行くなら、私も行く」
赤く焼けた陽が斜めに校舎を照らす中、校門前で悠二とシャナが言葉を交じわしている。悠二は一昨日ヴィルヘル
ミナと交わした約束を果たす為に、平井家へと向かう所だ。
「シャナが来ても、家電の配線なんかは分からないだろ?すぐに帰るから家で待っててよ」
「・・・うん、分かった悠二。早く帰って来てね?」
シャナは少し迷った後に、短く同意する。実際、自分が行った所で悠二の言う様に、役に立つ事はありそうに無い
からだ。こういう客観的に物事を見る事が出来る所は、少女の美点とも言える。
「うん。じゃあまたね、シャナ」
悠二は軽く手を振りながら、少女の小さな後姿を見送る。長い髪が緩く吹く風に戦ぎ、すぐに夕闇へと
その身を溶かして行った。そして、
「それにしても」
シャナの姿が見えなくなったのを確認した後に、
「あれは凄かったな・・・
舌に残る悪心に身震いしながら、悠二は苦笑混じりに言葉を洩らした。
「カルメルさん、こんばんは。手伝いに来ました」
「ミステス・・・何故、ここに」
呼び鈴を鳴らし、待つ事数分。悠二を出迎えたのは常変わらぬ仮面の様な表情……ではなく、やや呆気に取られた
様子を浮かべるヴィルヘルミナだった。
「何故って・・・一昨日言ったじゃないですか。手伝いに行くって」
「そ、そうでありますか・・・とりあえず、入るであります」
ヴィルヘルミナは、やや上ずった声を本来の調子に戻しつつ、悠二を家に招き入れる。部屋は暖房が効いている
のだろうか、暖かな陽気に満ち、上着を着ていては暑過ぎるほどだ。
悠二は制服の上着を脱ぎつつ、思い出した様に胸中で呟いた。
(そういえば一昨日のカルメルさん、聞いて無かったんだっけ)
今の彼女の様はその時の状態とやや似ている。どちらも、平常では絶対に見られないと言う点では。
「――ミステス。その前に、渡す物があるのであります」
「へ?あ、はい、分かりました、カルメルさん」
悠二は答えつつも内心首を傾げ、数秒思案する。
今まで彼女から何か貰った事など、一度としてない。彼女は無駄な事を一切する事も無い。
なら一体何を……
(ふぅっ。考えたってしょうがないや。分かるわけ無いんだし)
そう考え直し、黙って彼女に付いて行く事にした。リビングへと通された悠二に、
ヴィルヘルミナは滔滔と語りかける。
「これを、あの方に渡してほしいのであります」
「シャナに?これって……チョコですか」
ヴィルヘルミナが差し出したのは、群青のセロハンに、透き通った水色のリボンがよく映える、チョコレート
だった。やや無骨な作りだが、料理下手の彼女からしてみれば上々の出来だろう。悠二は軽く微笑みつつ、