そういえば誰かの叫び声を聞いた気がする。
孤児院のみんなと似たような声だったな。じゃあ俺より年下か。
きっと怖くて術を使ったんだろうな。声が凄く張り詰めてたような記憶がある。
まだあどけなさを持つ金髪の少年、カイルは先程の出来事を思い出していた。
この洞窟、今は普通の洞窟とはいえ、何となく湿っぽい。
気持ちまで湿っぽくなるような気がしたが、今はそんな時じゃないと自分に言い聞かせた。
そして無理矢理にでも別の考えに持っていく。
後ろは自分が歩いてきた道だから、崖下に繋がっている筈だ。
潮風が流れ込んでくるからかな、と思ったが、海に繋がる出口は自分が開けたばかり。
なら最初からか、という到って平凡かつ短絡的な答えに落ち着いた。
彼はランタンを片手に歩き続けた。
どうやら自分が倒れていた場所は別れ道のすぐ近くだったようで、歩いてすぐ道が二手に分かれていた。
しかしカイルはそのまま真っ直ぐ進んでいた。
今いる場所は、また更に二手に道が別れている場所…スタン達が拠点に使っていた部屋から、少し奥にある小部屋近くの通路だ。
途中、何かが燃えたような跡と僅かな臭いがあったが、別段気にかけなかった。
更にカイルは部屋に入り南下していく。
そして中央部の部屋に入った途端──
轟音が響いた。
地は震え、衝撃の大きさを物語っている。
天井にぶらさがっている鍾乳洞特有の岩は小さくピシピシと音を立てていた。
他に誰かいる…自分を襲った子か、それとも他の誰かか。
揺れが収まるのと引き換えに、カイルの身に一気に警戒が走る。
慎重に歩いていき、中央部を越えて少ししたとき、彼は思わず壁に身を寄せ、息を潜めた。
(…人がいるっ!?)
人の声がしたのだ。
念のためランタンの明かりを消し、声が聞こえる耳を澄ませる。
男…それも二人。
しかし何故だろう、どことなく聞き覚えがあるのは。
カイルはゆっくりと、音を立てぬように身を乗り出し顔を覗かせる。
見えてきた光景は、まさしく驚愕と予想外だった。
ドレッドの赤い髪に、がっちりとした体格によく似合っている斧。
長く青い髪に、柱を思わせるような太く巨大で刃のついた兵器。
彼の脳裏に音速の勢いで男達の名が浮かぶ。
(バルバトスに…最初に人を殺してた、確かマグニス! しかも凄い武器持ってる…)
まさかこんな所にいるなんて。
バルバトスとあの男が組んでるなんて…!
今まで幸運に恵まれてきた自分の運を、初めて呪った。
この先はどうやら行き止まりのようで、今は止まっている相手も、いずれこちらに向かって歩いて来るだろう。
このまま行けば鉢合わせになることは確実だ。
正直言って、今の状態で勝てる自信はない。武器という武器もなく、せめてなりそうなのは、この鍋のフタのみ。
それに比べて、相手は斧に兵器。得意な武器かは分からないが、あのバルバトスのこと、
きっと使いこなしてくる筈だ。
逃げるか、どうする…どうする!?
その時、カイルの視界に何かが入った。
それは地に横になり、ぴくりとも動かず倒れている少年の姿だった。
ぴくりとも動かず…
倒れている少年の姿…
た
おれ
て
いるしょ
う
ねん
の
すが
た。
「お前らーーーーーッ!!!」
気付けば、走り出していた。
武器も何もないのに、死んでいる少年の姿を見た途端、自分の中で何かが切れた。
立ち向かうための武器があるかないかなんて関係なかった。
「ん…っ!?」
いきなり前方から叫び突撃してくる少年の姿を見て、マグニスが声を挙げる。
また新たな獲物が来た、と邪悪な笑みを浮かべながら。
「貴様…カイル・デュナミス! これは面白い」バルバトスも同様に声を挙げる。
自らの渇きを潤してくれる戦士が現れた、と心沸き上がる笑みを浮かべながら。
カイルは盾を前に二人の男に突撃した。難なく二人は避ける。
体勢を崩すことなくブレーキをかけ、カイルは少年の前に立つ。
ちらりと一瞥する。少年の額からは血が流れ、血の気は失せていた。
前方の男をキッと睨みつける。
「お前らが…お前らがこの子を殺したのかッ!!?」
激昂するカイルとは対照的に、二人とも静かだった。
そしてマグニスは言う。
「だからどうした?」
カイルは後ろにあった手頃で鋭利な石柱を取り、再び向かっていく。
所々に赤いものが付着していたが、気にしなかった。
立ちはだかるのは、やはりバルバトス。
手に持つ大きな兵器を難なく振るい、一降りでカイルの持つ石を簡単に砕く。
そしてそのまま刃の装着された銃剣をカイルへと突き出す。
カイルは体を反らし避けるが、腹部の出る服が微かに裂け、更に突き飛ばされる。
壁に叩きつけられ全身が痛む。露出している腹部に傷を負わなかったのがせめてもの幸いか。
素早く立ち上がり、余裕釈々なバルバトスを見つめる。
マグニスは相手をバルバトスに任せたのか、後方で笑みを殺しつつ高みの見物を決め込んでいる。
その前に立っているのがバルバトスである。
「ロクな武器も持たず丸腰で来るとはな。武器もなくこの俺に勝てると思うか?」
「くっ…!」
憎き敵の言葉は真実だった。
状況は圧倒的にこちらが不利。相手は二人、備える実力も高い。
状況を覆すようなアイテムもない。
じりじりと後退りをすれば、バルバトスもじりじりと前へ進む。
後ろに存在するのは銀髪の少年の亡骸と壁。逃げ場は、ない。
その時、自分の足に何かがぶつかった。カイルは首を捻りそれを見る。
当然その隙をバルバトスを見逃さない!
「ぶるあぁぁぁぁあッ!!!」
榴弾砲を振るうバルバトスの存在に気付いたカイルは、咄嗟に「何か」を拾い、通路側に避ける。
縦に振られた榴弾砲はカイルという存在を捉らえることが出来ず、その代わり少年の死体という存在を捉らえる。
バキッという音と、グチャッという音が聞こえた。
カイルは思わず顔を沈痛に染める。しかしそれも一瞬、彼は直ぐ自分が手にした「何か」を確認する。
それは妙に軽い支給品袋(多分少年の物だろう)と、禍々しい形状のケンダマだった。
とことん運に見放されたらしい。
今更、敵に向かっていった勇気に、誇りと後悔を抱いた。
だが、今後ろの通路に逃げ込んだらどうなる?
バルバトスは晶術も使える。背を見せて逃げるなんて危険過ぎる。
カイルは眼光を強くし、袋を首から肩にかけ、右手に鍋のフタを、左手にケンダマ…魔玩ビシャスコアを構えた。
「ケンダマに鍋蓋だと…? 笑わせてくれる!」
バルバトスやマグニスは笑っているが、カイル本人は至って真剣だった。
この武器なら、油断を突くことだって出来る。上手くいけば逃げるチャンスも作れる。
失敗すればこいつらのこと、待っているのは確実に死だ。
生か死か、まさしく紙一重の攻防。
カイルは走った。狙いはかつて父の命を奪った、バルバトス・ゲーティアただ一人。
相手も武器を構え、戦おうとする少年に向かって走り出す。
両者は激突──する筈だった。
なぜなら、元々カイルは一発で終わらせるつもりだったからである。
バルバトスが得意とするのは斧。
今はその斧はなく兵器を手にしているが、何の遜色もなく使いこなしている。
だが、考えてみれば基本斧は大振りする…つまりは威力が高い分、一発の隙が大きいのだ。
それは武器が変わったとしても、今の大柄な榴弾砲では変わらない。
それに比べればケンダマは軽く小回りが利く。技術も必要だが、それは玉を使った攻撃の場合。
カイルが手にするビシャスコアは、玉が本来ある場所には嵌められてなかった。
バルバトスの横薙ぎを飛躍し避けると、カイルは逆手にケンダマを持ち変え、バルバトスへと迫る!
「これでも…喰らえぇッ!!」
ビシャスコアの、本来玉が嵌められている先を向ける。
ビシャスコアの先は元々鋭い。おまけに命中能力を鈍らせる力があるとはいえ、至近距離なら上げるも下げるもない。
まさか本当にケンダマで攻撃してくると思わなかったのか、バルバトスは瞬時の判断が遅れ、視界に剣先が迫る。
そして──
「ぐあぁッ!!!」
バルバトスの右目にビシャスコアが突き刺さる!
流石の彼も痛みの叫びを挙げ、吠える。
カイルはすぐにビシャスコアを抜き、バルバトスの動きが止まっている隙に後ろの通路へと逃げ込む。
──逃げるなら今しかない!
彼の野性のカンがそう告げていた。
彼は全速力で駆ける。
もうどこに進んでいるかなんて気にしていなかった。
しかし、彼の逃走は突如遮られた。
何もない地からマグマが噴き上げてきたのだ。
(この技…いや術は…ッ!?)
体が空中に放り出される。
その先にあるのは、天井の鍾乳石だ。
(このままじゃ…串刺しになる!!)
何とかカイルは直撃を免れようと体を捻らせる。
しかしここは空中、地に立っている時よりも遥かに難しい。
それでも何とか動かす。右腕に鍾乳石が突き刺さった。
「うあぁぁぁぁあッ!!!」
激しい痛みに叫びを挙げる。声量がバルバトスより大きく聞こえたのは、強く痛みからか、通路で反響するからか。
ずぷっという音と共に腕は鍾乳石から離れ、体はやっと落ちていく。
右腕が使えないため、受身も取れずもろに打ち付けられた。
しかし胴に突き刺さっていたら、間違いなく致命傷だっただろう。
死ななかっただけまだ幸運かもしれない。
足もマグマによる火傷で動かすだけで痛んだ。
「…つぅッ!!」
あらゆる所からの痛みに思わず声を挙げる。
後方から聞こえるは重なった足音。
逃げなきゃ、逃げるんだ。追い着かれたら…!
痛む体を起こし、奥へと行こうとする。
──だが、
「弱い…弱いぞ。誰も俺を満足させる奴はいないのか!?」
声がすぐ近くから聞こえた。もう追い着かれているのだ。
先程の術、それは見兼ねたマグニスが発動した炎系中級魔術・イラプションだった。
術はある程度、目標が認識できる位の距離にいなくてはならない。
いくらカイルが脱兎の如く走り去ったとはいえ、二人もすぐ追い掛けていたのである。
カイルは振り返った。
そこには、右目から血が流れているのにも関わらず、不敵に笑っているバルバトスがいた。
後方からはマグニスも歩いてきていた。
カイルの澄んだ碧眼は微かな絶望に染まる。
「英雄スタン・エルロンも俺の前から消えた…親子二代、俺から逃げ敗れるとはな!」
押さえる右腕から垂れる血のポタポタという音が、やけに静かな洞窟内に行き渡っていた中、
それを破るバルバトスの言葉はカイルを更に追い詰めた。
ここに父がいたという事実。
「敗れた」という信じられない話。
自然とカイルを焦らせ、口調を早口にしていた。
「父さん…父さんと戦ったのか!? 父さんはどこに!」
バルバトスは手を肩へと持っていく。
親指を立て、マグニスしかいない後方に向ける。
口元に笑みを浮かべて。
どういう意味だ、とカイルは小さく呟く。
バルバトスの指す後ろ…ここからは一本道だったから、さっきまで戦っていた場所を示しているのだろうか、
そこは確かに行き止まりだった。
しかし自分やバルバトス達、倒れていた少年以外には誰もいなかった。
そういえば、あの部屋には不自然に崩れた場所があったような気がする──…
少年に1つの仮説が生まれる。
それは彼のある記憶が証拠となって、確かなものとなっていく。
途中で聞こえた轟音。
もし、あの音がバルバトスの持つ兵器によるもので、あれで壁が崩されて、あの下に父がいるとしたら…?
出来過ぎた仮説だった。出来過ぎた故に、真実味を持っていた。
「嘘だ…嘘だ。嘘だッ!!」
カイルは狼狽した。
それを見てバルバトスは楽しむように笑った。
「貴様の目は節穴か? 真実から目を背けるなどは、弱者のすること」
そう言うと銃剣をカイルへと向ける。
元々これは榴弾砲に両断したグラディウスを装着したもの。
威力の高さは先刻彼も目にしている、今は亡き少年ジーニアス・セイジの仲間…藤林しいなの体を吹き飛ばしたことと、
洞窟の岩壁を砕き崩したことで証明されている。
それがカイルに向けられている。
絶望に染まった彼の瞳には、それは写っていなかった。
──父さんは死んだ。死んだ、死んだ…
「…誰が…」
…嘘だッ!!
父さんがそんな簡単に死ぬもんか!!
「誰がお前の言うことなんか信じるもんか!」
カイルの瞳に光が戻る。
彼の、父の生存を信じる心は決して挫かれなかった。
カイルは動く左手で鍋のフタを持ち、フリスビーのように投げつける。
行き先は、先程の鍾乳石。
地が揺れた時と今さっき刺さった時に、鍾乳石の根本が脆くなっていると気付いたのだ。
鍋のフタが根本に命中すると、予想通り鍾乳石は落下してきた。
少しでも目くらましになれ、と願いながらカイルは再び逃走を始めた。
薄暗いため、カイルが何を狙いに投げたか分からなかった二人は、突然天井から降ってきた鍾乳石に驚いた。
狙いが分かったとしても時既に遅し。
「ぐっ…小細工をォオ!!」
一降りで砕いた石の先には、既にカイルの姿はなかった。
バルバトスは叫んだ。
英雄というのも所詮は自称、例え英雄の息子であっても、親が腑抜けなら子も腑抜けか!
名声に溺れる愚かな奴らめが!
行き場のない怒りに、思わず壁に武器を叩きつけようとする…が、
「…い、あ…い…ぉ!」
声が聞こえたのだ。
くぐもってはいたが、それはきっと遠いからだろう。
よく見れば、自分が今いる場所は二手に分かれている。
声が聞こえてきたのはそのまま正面からだ。
「逃がさねぇ!!」
バルバトスは直ぐに走り出した。マグニスもそれを追い掛ける。
途中、支給品袋が落ちていた。やはりこちらに逃げたのか、とバルバトスは更に速度を上げる。
途中で道は水路となり、水を弾く音を立てて走り続けた。
そして行き着いた先は──
「海…だと!?」
そう、海だった。暗く果てしない海が、二人の目の前に広がっていた。
「はっ、ヤケになって飛び込んだのか?」
マグニスの言葉通り、ここにカイルはいない。
海に飛び込んだとしか考えられなかった。
海は暗い。見つけるのは困難だろう。
「……」
しかし、バルバトスはどこか腑に落ちなかった。
違和感があるのだ。
しかし霧に包まれたようなそれは見つかる筈もなく、胸に秘められたままだった。
仕方なく来た道を戻る。
冷えた水の通う水路を歩いている途中、唐突にバルバトスは違和感の正体に気付いた。
無言で駆け出す。訳の分からぬマグニスが追い掛け見たのは、支給品袋を漁るバルバトスの姿だった。
「やられた…ッ!!」
手に握れているのは人形…何かのフィギュアのようだった。
マグニスもそれを見てはっとする。
「おい、それは!」
「ああ…。この荷物は奴のじゃない。あの殺したガキのものだ」
二人はこのフィギュアに見覚えがあったのだ。
それはカイルが現れる前のこと。
スタン達にジェノサイドブレイバーを撃ち込んだ後、二人は死んだジーニアスの遺留品を確認したのだ。
しかし中に入っていた支給品は男の人形…アビシオンのフィギュアしか入ってなかった。
使い物にならない、と二人は食料品と水だけを抜き取り、残りは袋に入れたまま放置していたのである。
そこにカイルが現れ、袋を持ち逃走した。
その結果がこれである。
バルバトスはフィギュアの後ろにスイッチがあることに気付くと、押してみた。
『甘い、甘いぞぉ!』
先程聞こえた声の主だった。
声を聞いたのは初めてだったため、これに気付かなかった。
そしてバルバトスが抱いた違和感。
それは水の音だった。
自分達は海に行く途中、水路を通ってきた。
しかし水路に入る前に水を弾く音は聞こえてこなかったのである。
カイルが前方を走っているのなら、間違いなく水の音は聞こえた筈だ。
つまり──カイルは、この道を通っていない。
「カイル…逃げるだと? 親子揃ってこんなにも腑抜けだとはな…!」
フィギュアを握る手に力を込めると、バキッという音と共に、フィギュアは壊れた。
「はぁっ、はぁっ…」
カイルは痛みを堪え走り続け、ようやく外に出ることが出来た。
逃げる途中、少しでも行方をごまかそうとあの子の支給品袋を投げたが、上手くいっただろうか。
まさか投げた衝撃でフィギュアのスイッチが入ったなどと考えもせず、カイルはこう思った。
久し振りに外に出てきたが、気付けばもう真っ暗だ。
もう少し経てば逆に明るくなるのも近いんじゃないか、という時間帯だろう。
漆黒の空はカイルの心に再び不安を落とした。
「嘘だ…嘘だよね、父さん?」
バルバトスは父さんが…スタンがあの瓦礫の下にいると言っていた。
あんなのに潰されたら一たまりもない。
バルバトスの言葉が真実だとしたら…母さんだけじゃなく、父さんまで失うのか。
そんなの嫌だ。
せっかく会えると思ってたのに、一度も会えないで居なくなるなんて。
父さんと母さんが居なくなるなんて、俺は…。
──ふと、ある言葉を思い出した。
『ここであんたの両親が死ぬと、この後生まれてくるはずだったあんたも生まれない。つまり、消滅するってこと』
18年前のダイクロフトで聞いた、ハロルドの言葉だ。
あの時は父さん達が本来いないバルバトスに襲われていて、もし負けて歴史が変わるようなことがあったら…って。
…ちょっと待て。
俺がここに居るってことは、父さんは生きてるってことじゃないか!
カイルに一筋の希望が生まれる。
自分が生きていること。単純ではあるが、それが父が生存する何よりの証拠。
そうだ、父さんは生きてる。生きてるんだ!
──ひょっとしたら彼の父、スタンは今にも息絶えそうな状態なのかもしれないし、
そもそもこの理不尽かつ不合理な『バトル・ロワイアル』の中ではそのような存在の因果など無いのかもしれない。
しかしカイルにはそんな考えまでには至らなかった。
さて、これからどうしようか。
一気に希望に満ちた、いつもの心で考えた。
真っ先に考えたのは、父の安否。
今すぐにでも確認したいけど、近くにはバルバトスとマグニスがいる。
みすみす敵の近くに行く訳にはいかない…悔やまれるが、今は諦めることにした。
次に考えたのは、リアラとの再会。
崖から落ちる前、確かにリアラの姿を見た。
リアラは無事かな、俺を襲った奴と戦ってなきゃいいんだけど…。
カイルは大きく頷く。行き先は決まった。
リアラがいた崖に向かおう。
まだそこに居るとは思わないけど、何か痕跡があるかもしれない。
それにここにいても、いずれバルバトス達が追い着いてくる。
早く離れないと。そう思うとカイルの行動は早かった。
左手に握るケンダマを見る。
これはあの子の形見だ。大事にしないと。
自らの命を救ってくれた玩具を強く握り締めた。
ふらつき、痛む体でカイルは前に歩き出した。
凶の星のように暗い光をたたえる玉が繋がる、魔玩ビシャスコアをその手に握って…。
【カイル・デュナミス 生存確認】
状態:全身に打撲、擦り傷、足に火傷、右腕に刺し傷
所持品:魔玩ビシャスコア、フォースリング、ラビッドシンボル
第一行動方針:リアラとの再会
第二行動方針:父との再会
第三行動方針:仲間との合流
現在位置:G3 北西の平原からG2へ移動
【バルバトス 生存確認】
状態:TP中消費、右目負傷(視力に影響あり)
所持品:銃剣付き歩兵用対戦車榴弾砲(弾丸残り2発。一射ごとに要再装填) クローナシンボル エクスフィア
第一行動方針:マグニスと同盟を組み、残る参加者を全員抹殺する。特に「英雄」の抹殺を最優先
第二行動方針:マグニスと作戦会議、そして連係プレーの練習を行う。可能ならば「ユニゾン・アタック」を習得する。
現在位置:G3の洞窟内部 崖下に繋がる通路
【マグニス 生存確認】
状態:首筋に痛み 風の導術による裂傷 顔に切り傷(共に出血は停止。処置済み) 上半身に軽い火傷 TP消費(小)
所持品:オーガアクス ピヨチェック
第一行動方針:バルバトスと同盟を組み、残る参加者を全員抹殺する。
第二行動方針:バルバトスと作戦会議、そして連係プレーの練習を行う。可能ならば「ユニゾン・アタック」を習得する。
第三行動方針:バルバトスが興味深い
現在位置:G3の洞窟内部 崖下に繋がる通路
すみませんが訂正させて頂きますorz
「一歩先の未来 1」の最後の
途中、何かが燃えたような跡と僅かな臭いがあったが、別段気にかけなかった。
↓
途中、何かが燃えたような跡を見つけた。
先程のような煙い臭いも強く感じられ、これが発生源だと理解した。
ここに誰かがいた。もしかしたらまだ奥にいるかもしれない。
に修正お願いします。
以後気をつけます…。
連続で申し訳ありません。
「一歩先の未来」ですがかなりの矛盾が見つかったので、修正も投下しましたが無効でお願いします。
私の不注意から大量に容量を消費してしまい、本当に申し訳ありませんでした。