バトルロワイアルRPG 準備委員会 part.2

このエントリーをはてなブックマークに追加
790 ◆yBEncckFOU
その刀が草原に転がったのを見て、単純に拾い上げただけだった。
刀身に輝きが満ちていたのを感じて振り下ろす構えを取ったのであった。
「使えるな」
金髪と白いタイツ、そして身体から遊離した形のありえないスリットスカート。
その女性はどこか現実から離れている。
刀を握った姿は、額縁のなかにきらめいたひとつの絵画のようだった。


遠くから人影があらわれる。名のなき冒険者、種族は人間男。
名はアエクス。
「お、女だ。ラッキー」
アエクスは女のもとへ近づいていく。それがいけなかった。
あまりにも無防備だった。
「よう、俺と組んだりしないかい、おっ、おしゃれだねー、そのイヤリング
 名まえ教えてよ。俺アエクス、よろしく」
クロトは刀を後ろ手で握り、背に隠していた。
アエクスの笑顔が絶えないのはそのせいだ。
女はゆっくりと息を吐く。
「私はクロト。運命の糸を紡ぐものとして」

ギリシア神話につたわるモイライ三姉妹の長女が、この舞台で実体化したのである。
が、アエクスはそんなことは知らない。
クロトはお構いなしに二の句を告げる。
「おまえに相応しいものを与える」
刀がしなやかに空を裂いた。
それは死そのものであった。
791 ◆yBEncckFOU :2005/05/25(水) 21:52:33 ID:+kh7uoD/

「おまえの糸は既に切れている。尺を測ることはなく、鋏を使うまでもなく」
人間がその言葉を理解するのはむずかしいかもしれない。
現に目の前のアエクスは理解できなかった。
する暇もなかった。あまりにも速すぎたため。

「あ……」
アエクスががくりと膝をつき崩れ落ちる。
脳天を打ち砕かれ、血という血を吹きだして、あとは世界が終わるのを待つだけとなった。

クロトはアエクスの亡骸を後ろにして、立ち去る。
そして一言。
「まず一人。人とは弱い生き物だな」

彼女は神というが、ここでは悪魔である。

【クロト(真女神転生3】F-8 平原/一日目・08:25
状態:平常。スキルは???
装備:マサムネ(サガ2)
道具:支給品一式
思考:勝ち残る

【人間男(サガシリーズ) 死亡

人間男の支給品は放置状態。
【残り98人】