【B(igな)M(uneは)】ゼオラたん萌えスレ8【俺好み】

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397断ち切れぬ絆
森林が多く自然豊かな広野…ここは今、機動兵器が多数飛び交う戦場と化していた。
青い空を突き抜けるビーム、風を切って振り降ろされるブレード…あちこちで互いにぶつかり合うもの達。
連邦軍所属のハガネ、ヒリュウ改らの隊とシャドウミラーと呼ばれる平行世界に存在する軍との戦いだった。

そんな中、疾風の如き動きと軽やかな回避を見せる機がいた。
青と白の機体色が目立つPTX-016Rビルトファルケンとそのパイロット、ゼオラ・シュバイツァー。
そして、その近くには似たようなカラーリングを施されたPTX-015Rビルトビルガーを駆るアラド・バランガの姿があった。
「ゼオラ!あまり前に出すぎるなよ!俺に任せとけ!」
ファルケンの機内通信スピーカーを通し聞き慣れた声が飛んでくる。
それを聞いてすぐさま手動で返信状態に切り替え返した。
「私は大丈夫だからアラドはそっちを片付けて!」
ゼオラはそう言ってファルケンのブーストをかけ、ライフルを引き抜く。
「オクスタン・ライフル、Bモード!」
髪を振り兵装系統の操作をするゼオラは声を張り上げ、さっき抜いたライフルの攻撃モードを切り替える。
飛距離はたった今までセットしていたEモードに比べると落ちるが…威力は格段に上だった。
自分を補足し向かってくるエルアインスにターゲットサイトを素早くロックしライフルを構える。
398断ち切れぬ絆:05/03/03 09:44:06 ID:+pCvzV+J
前傾姿勢のまま、バルカン砲を連射しながら構わず突っ込んでくるエルアインス。
ゼオラは疎らに飛んでくる敵弾を難なく避けつつも、ライフルのロックは解除せずにいる。
「これくらい…どうって事ないわよ!」
そして、エルアインスの攻撃後反動で見せた挙動の僅かな隙を突きライフルのトリガーを手にかけ…。
「一撃で決めてみせるわ…行きなさい!」
しっかりとロックされたエルアインスを見据えトリガーを引いた。
ライフルが火を吹き、銃口からは敵を求めてスパークするビーム弾が発射される。
一瞬の時の後………それは見事に全弾命中した。
ある弾は装甲を貫き、またとある弾は腕部で爆散しその二の腕を奪う。
「これで止めね…」
呟き、続けざまライフルをEモードに移行させ銃口を再びエルアインスに向ける。
エルアインスは多く被弾しバランスを失いがちになっており、狙って下さいと言っているようなものだった。
「流石、ゼオラだよな…俺も負けてられねぇ」
その様子をちらりと見ていたアラドは自分も別のエルアインスを撃墜しながら感心していた。
だが、しかし…。
ゼオラから致命的とも言える攻撃を受け、最早後は撃墜されるのを待つだけのエルアインス内のコクピットでは…。
「機体損傷率90%突破…任務続行不可…」
ぶつぶつと言葉を並べるのは奇妙な出で立ちをしたパイロット。
容姿は人間なのだがそれは機械質な面があり何処か異質だった。
399断ち切れぬ絆:05/03/03 10:16:43 ID:+pCvzV+J
「敵機は如何な手段であろうと…撃墜する」
一言だけぼそりと洩らし、ブースト・ドライブの起動レバーを引く。
背部のブースターが光を発し、バインダーが広域展開される。
「目標補足」
途端に落ちかけていたエルアインスが急加速し、こちらに突っ込んできた。
煙を吹き始め機体のあちこちで小さな爆発が起きていた手負いのエルアインスが見せた動きにゼオラは驚愕する。
「えっ…!?」
速度を緩める事なく突撃してくるエルアインスは両手を広げ……甲高い機体同士が擦れ合う音と共にファルケンに組み付いた。
「きゃあっ!」
その衝撃で激しく震動する。
ゼオラは悲鳴を上げ、揺さぶりをかけられてふらついた。
「ゼオラッ!」
そこにアラドが猛スピードで駆けつけてくる。
そして、組み付くエルアインスを引き剥がそうとそちらに行こうとする。
「このっ!ファルケンから離れろ!」
ビルガーの手を伸ばしかけたその時。
「敵機2機、範囲内補足………ATA実行」
エルアインスの奇妙なパイロットはそれだけを言うと…。

ズガゴォォォォォォォン!!

突然エルアインスが爆発し、至近距離にいたファルケンとビルガーがそれに巻き込まれた。
「きゃあああああ……」
「うわぁぁぁ…」
その爆発の範囲は広く両機を裕に引き込んだ。
2人の絶叫をもかき消す程の勢いで轟く爆発音…。
エルアインスは跡形もなくなり両機はずたずたとなり凄惨な状態だった。
爆発によって損傷した部分が、すぐに大破し崩れていく。
それから両機は黒煙を纏い無惨な姿で、すぐ下の森へと墜落していった…。