139 :
主人公:
この間、海賊島を散策してたんです。散策。
そしたらなんか船がめちゃくちゃいっぱいやってきて凄かったんです。
で、よく見たらなんかスノウも混じってて、奴が
「奴ら海賊共は氏んでもらうしかない」、とか言ってたです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、キカ様と手を組んだ俺らの敵じゃねーんだよ、ボケが。
ザコだよ、三下だよ。
なんか一目散に逃げてるし。お前、国に帰れると思ってるのか?おめでてーな。
「スノウ、俺たちはお前を許さない!もう二度とラズリルの地を踏ませない!」
とか言われてるの。もう見てらんない。
お前な、グレン団長が聞いたらぜってー嘆くぞ、と。
騎士ってのはな、常に人の前に立つべきなんだよ。
戦う力を持たない人達や大勢の部下達のためにいつ自分が汚れても構わない、
それでいて歩いてるだけで黄色い声が上がってくるのが当たり前っていう、
そんな風であるべきじゃねーか。それが分からねーなら、すっこんでろ。
で、あんまり可哀想なので見逃そうと思ったら、スノウの奴が、
「君のその良い奴ぶった態度が大嫌いだよ」、とか言ったんです。
そこでまたブチ切れですよ。
あのな、今の自分の立場分かってんのか、ボケが。
スカした顔しやがって、何が「大嫌い」だ。
それから俺のことどう思ってるのかを改めて問いたい、問い詰めたい、小1時間問い詰めたい。
お前、友達だと思ってた俺がヴァカみてーじゃねーか、と。
お前は俺に言ったじゃねーかよ、「こんな楽しい日がずっと続けば良いのに…」、ってよ。
だから俺たちは、こうして頑張って来れたんだよ。
だからまた生きて会える日が来た時には、こうやって手を伸ばして…
で、それで「仲間にならないか」、と。
だから漂流してるお前を見つけた時、思わず手を差し伸べたんだよ。
…しけた顔してんじゃねーよ、
まああの時は許せなかったけど、時が経てば許せるってこった。