RPGに登場する古代・中世・近世の実在武器・防具・魔術・魔法その他について考察したい。
神話や聖書、伝承、演義に登場するものの話題もあり。
何が実在するのか?また、その強さの順列や用途は?
歴史的な変遷は?現在でも入手・会得可能か?など。
>>2-30あたりに、とりあえず参考程度の刀剣の説明を置く。
■刀剣類
刀剣類のブレードを大きく分けると、主に6種存在する。
短剣/小剣/長剣/両手剣/湾曲剣/突刺剣
(1)短剣(knives,dagger)について
短いもので10cm以下、長くて30cmに届かない程度の片手の武器。少し詳しく説明したい。
・サクラマサクス(scramasax)
暗黒時代の北欧に用いられた、大きな広刃のナイフ。サックスscaxとも言う。
アーサー王伝説に登場するエクスカリバーが属していたのはサックスだとする説がある。
・チンクエディア(cinquedea)
14c頃のイタリアで流行。広刃についた数線の溝が特徴的で、逆扇形を為す。
装飾の多様さが特徴的で、ファッション性が当時は重視された。片手剣のタイプも存在する。
・バゼラード(baselard)
14c頃のイギリスで主用された。ダークのように多岐に渡る使用法があり、
屋外活動で広く愛用された。ピアシングや払いに有効。
・ダーク(dirk)
15c以降に発達した。スコットランドの高地民に愛用され、後に大英帝国正規軍に採用された。
日常生活にはナイフとして利用され、狩りから工作、そして戦闘までに用いる事が出来た。
時代を経ると共に装飾が豪華になる傾向にある。
・ロンデルダガー(roundel dagger)
15c頃のヨーロッパで用いられた。ロンデル(ラウンデル)とは、グリップの上下に施された
補強具であり、握りやすさ、滑りにくさを向上させた。鎧を貫通させる実用性のあるタイプも
存在するが、刃の形状自体は一般的にエッジブレードである。
むしろグリップ部の形状の特殊性が重要視される。
・スティレット(stylet)
16c以降に活躍したヨーロッパの短剣。携帯性に長け、市民生活にも浸透したが、
それ故に刃傷事件が多発し、携帯の禁止等の措置が取られる。主に突刺を目的としている。
・マンゴーシュ(main-gauche)
16c以降の西伊で用いられたパリィングタガー。フェンシングの
受け流して攻撃するスタイルを用いるため、相手の刀剣を引き折るための櫛が付いており、
それ故にソード・ブレイカーとも呼ばれる。刀剣の携帯に伴い、防御の必要性が発生し、
日常生活における携帯性に欠ける武器破壊用の盾という形態を取らず、こちらが普及した。
・ペシュカド(カルド)(pesh kabz、karud)
15c〜19cにペルシャやトルコ、インドで用いられた、S字型湾曲剣。
縦から見るとT字型の剣影のため、突刺に向いている。
(2)小剣(short sword)について
30cm以上で、ロングソードに比べ短い両刃剣。歩兵向きのものが多い。
様々な種類があり、ブランドによっても大きく形状が異なる。
古代にはグラディウス(gladius)が有名。紀元前7世紀頃から1000年近くに渡って
用いられたもので、突刺に用いられやすく、ローマにおける密集戦法で活躍した。
また、グラディウスと似た作りで、同時期のローマで作られたスパタ(spatha)という剣もある。
こちらは騎乗用であり、グラディウスより幾分か長い。
(3)長剣(long sword)について
斬・刺・払といったソードマンシップに適した、だいたい70cmより大きい剣の総称。
また、同程度の長さのもので、広刃のものをブロードソード(blode sword)という。
こちらは剣重による振り下ろしで攻撃するものが多い。
また、長剣は5c以降に登場したヴァイキングソード(viking sword)からの派生系が多い。
ヴァイキングソードは、勿論ヴァイキングが愛用したものだが、鋳造技術が未発達だったため、
鋼ではなく強化金属が用いられ、剣が折れ曲がってしまう事が屡あったとされる。
・ファルシオン(falchion)
10c以降に登場した、片刃の剣。だいたい70〜90cmのもので、大きさから長剣に分類されるが、
片刃という点が特殊。こういったタイプの剣はサックスからの進化によって齎されたとする説が強い。
・ワルーン・ソード(walloon sword)
16c頃のベルギーで多様された。二分された鍔の下からポメルまでを護挙が構成し、
鍔の上部には親指を引掻けて微妙な剣の軌道を変えたり、力を加える際に用いられる環状の突起が存在する。
・カッツバルゲル(katzbalger)
16c頃のドイツ近隣で用いられたブロードソードの一種。
鍔がS字型螺旋構造になっているのが特徴。重く、ブラントに適している。
・バスタードソード(Bastard Sword)
15c頃に西欧で使われた。両手剣と長剣の中間に位置するような長さ・重さ・刀身の形状であり、
そのため「どっちつかず」という意味合いを込めて「バスタード」と呼んだ。
ただ、片手・両手でそれぞれ剣術が存在し、幅広い扱い方があるのは事実で、有用性はあった。
(4)両手剣(two-handed-sword)について
2m近い大剣を、両手で支えるもの。13cのドイツにおいて登場し、スイスなど広範に渡り
使用される事となるが、ドイツでは独自に形状が進化し、ツヴァイハンダー(zweihander)と呼ばれる
刀身と鍔の間に刃のついていない部分が存在する特殊な両手剣が開発された。
ツヴァイハンダーはそのまま両手剣という意味だが、英語圏でも敢てそのままの固有名詞として
呼称されている。更に16cになると、鎧が無効化し、重量より切れ味が重視されるようになり、
スコットランドでクレイモアという大剣が作られる。
(5)湾曲剣について
刀身が湾曲、S字型湾曲・波状湾曲しているもの。特殊な形状のものが多い。
・ファルカタ(falcata)
紀元前6c頃からローマで使われた、湾曲の内側に刃のついた剣。
起源が明確でないが、装飾などから古代ローマの様式を知る事が出来る。
・ハルペー(harpe)
紀元前4c頃のギリシャで用いられた、小型のフック状の剣。
ペルセウスがメデューサを倒した際に用いた。
・シャムシール(Shamshir)
13c以降のペルシャで用いられた直刀が進化したもの。サーベルの起源。
英語名はシミター(shamshir)。柄の先が傘のように曲がっているのが特徴。全体で小文字のfのような剣影を持つ。
・サイフ(sayf)
13cのアラビアなどで用いられた。護挙が付いており、広めの刀身がやや大きめに湾曲している。
先端が両刃となっているが、それより下は片刃。
・カットラス(cutlass)
15c以降の西欧において、船乗りが用いた湾曲した刀剣。サーベルやハンガーと同じ系統のものだが、
海上戦における混戦・集団戦・塩による耐久低下などを考慮して作られた。フック船長の剣。
・ハンガー(hanger)
16c以降の西欧で出現。名前の通り、「相手に引掻けて引き切る」事を目的としている。
サーベルやカットラスと同じ種類だが、狩りなどに使われる事が多かった。
・シャスク(キャスカ)(chacheka)
チェルケシアンの固有の剣。近代に使われた。緩やかにカーブを描く刀身が特徴。鍔がない。
・ショテル(shotel)
近代のエチオピアで用いられた、フック状の剣。大きく曲がっているため敵の盾を避けて攻撃出来るが、
鞘に納まらず、重心も不安定で扱いづらいため、熟練が必要。
(6)突刺剣について
細めの刀身を持つ、名の通り突刺を目的とした剣。
・エストック(estoc)
13c以降のフランスなどで用いられた、敵の鎧を貫くための剣。
レイピア以前の突刺剣の主流として、タックなどとも呼ばれた。(エストックはフランス語)
軽騎兵が主に用いたが、鋳造技術の進化から鎧が鋼製になってくると、衰退した。
・レイピア(rapier)
16c頃からヨーロッパ全土に普及し、現在でもスポーツフェンシングに用いられる剣。
ソードマンシップとしてのフェインシングでは、基本的に相手の攻撃を受け流しカウンターを行なう。
これは重火器の発達により、鎧が無効化されてきたため、軽身で防御面も補強する必要があった為。
ドレスソード(儀礼用の剣)としての形態もある。後期はそうした色の方が強く、実戦もさながら、貴族剣としても知られる。
・タウンソード(town sword)
レイピアが進化し、一般市民が携帯するための歩行剣(ウォーキングソード)として開発されたもの。
街中で一般成人男性がネクタイのように常に装着していたため、タウンソードと呼ばれている。
レイピアに比べ小振りで、扱いやすい。柄の部分が敵の刃を引き折る、マンゴーシュのような役割を持つタイプがある。
・サーベル
突刺に限らず、全般的な用途に合わせて長いもの、湾曲させたものなどが存在するが、
基本的にはやはり突刺剣。16〜20cまで使われ、近代的兵器を使うようになっても、兵士の接近戦で用いられた。
日本においても軍事・警察共にサーベルを広く使った。
・フルーレ(fleuret)
17c頃、実戦に用いるために作られた形状だが、当時の騎士の嗜みとして剣術が勿論あったため、
その練習に真剣を用いる事での怪我を避けるために剣先を丸めたもの。それ以降練習用として使用された。
更に、フルーレが大型化し、実戦用に再度進化したものをエペ(epee)と呼ぶ。
・パラッシュ(pallasch)
17c以降に使われた、騎乗兵士の突刺剣。パラッシュとはドイツ語で、他の西欧諸国では
パラーズ(palasz)、パロス(pallos)などとも呼ばれる。この頃はチェインメイル全盛期で、
突刺剣の重要性が高まり、各国に普及していった。
・フランベルジェ(Flamberg)
17c頃から、レイピアにファッション性を持たせたものが普及した。
平時が多く、騎士の携帯する剣が体の一部として認識されていた事もあり、
そういった流れは必然であったが、特にこの剣は刀身が波を描いている点が特徴的だった。
更に、フランベルジェという、波状の頂点がとがり、鋸状となった残虐極まりないものもある。
以上
すばらしい
日本刀とか連弩、ハルバードとかどうなんですかね?
つーか魔法って実在するのあるの?
漏れはメラミまでなら使える。
メラゾーマになると、2級以上の人でないと難しいよ。
>>11 自分の知りうる限りの全ての武器を書いていったら、
いつまで経っても終わらないので参考にはヨーロッパ近辺の刀剣に絞った資料を載せました。
勿論、日本刀、クロスボウ、ボウガン、ポール、スピアなどといった種類も、
このスレで扱っていただけると幸いです。
さて、魔法についてですが、我々が普段使っている衣服の製造も、
魔法・魔術によって行なわれていますね。そう、化学は錬金術の派生、という有名な理がありますね。
アルケミスト以外でも、魔法や魔道書・魔術伝承などは各地に現存します。
ただ、古代や中世においては魔術、といったものはあまり認識されておらず、
学問的な見地と宗教的なものの考え方が合致して、やや今からすると
オカルティズムに傾倒しているような研究がなされてきました。
それが近代(16、17c〜)にうつると、印刷技術の向上により、魔道書というものが記されるようになる。
これは反キリスト的な動きもそうですが、科学や哲学が宗教倫理から離れ始めた証拠ですね。
コペルニクスなどは有名なところです。科学の進歩が、迷信を迷信だと気付かせた訳です。
その中で未だ従来の宗教的学問を追求するものは、次第にそれが「魔術」といった
オカルトな存在である事を自覚しはじめたわけです。ですから、古代や中世には魔術・魔法と
いったものはほとんど見られません。ここらへんは、キリスト教の功罪にも絡んできますね。
なぜ世界がキリスト教文化圏中心としか考えられないのですか?
ギリシアやイスラムやインドや中国等の地域の文化や学問や宗教を
軽視していませんか?
>>14 >>1嫁
>
>>2-30あたりに、とりあえず参考程度の刀剣の説明を置く。
おまいさんがその方面も詳しく書いていけばいいことだろ。
>>14 密教やラマ、仏教、イスラム世界の呪術や魔術が一般的にRPGに大きく採用されているか、
というと疑問ではありますね。そのため、不勉強な点が大きいです。すいません。
キリスト教に比べて、文化や歴史を知るのに障壁が高いからかもしれません。
映画や、一般的なメディアでそういった知識は身に付きにくいですよね。
信者数では全く勝ってる筈なんだけど…。まあ、私も全くそちらには疎い訳です。
ですから、
>>15の言う様に、喉に突っかかるものがあれば
是非とも、長文じゃなくて宜しいですから、話題を振ってくれると嬉しいな、と。
で。話題振ってみますと、
実際心得のある人に伺いたいのがチベット密教の「チャクラ」について。
チャクラってどうよ?
…いや、どうよとか言われてもどうしようもねえだろうけどっつーか…
GOD(名前あってたっけ?)ってRPGありましたよね。タルルートの人がキャラデザの。
あれとか考証合ってるですかね。
あと、私は西欧〜インドまで武具以外はナンチャッテ知識なところが大きいので、
あまり魔法に関しては多く語れないっつーか…
武器防具専用スレじゃダメなの?
魔術魔法って言うと白魔術、黒魔術の事?
錬金術はいいとしても、RPGでいう「魔法」は実在しないでしょ?
>>17 召喚術や黒魔術(これはちょっと違うけど)は存在していた模様です。
ただ、実際にはお偉い教皇なんかに魔術を見せる際は、
「人の姿をして現れよ」みたいな事を言って仮装したアシスタントを出現させたり、
ペテンなものが多かったらしいですけど。
まあ、実際にそういうRPG的な方向性の研究は存在したんですね。
ネクロマンシーや、シーアルジーといったものは現実に魔道書や伝承が残っているんです。
というか、別に何々専用にする、という程スレ住民が混在している状態でもなく、
今は単なる過疎のクソスレなんで、語りたい事を随意に語って下さいませ。
19 :
かさかさお肌 ◆mtXBY.Qdiw :03/12/19 17:55 ID:g6xMmajB
398 :武器屋 ◆YcG3rcvSro :03/12/19 17:33 ID:u0tkISi3
宜しく御願い致します…
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【板名】 家庭用ゲームPRG
【スレのURL】
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1071755819/ 【名前】武器屋@itscom全板規制の代理レス
【メール欄】sage
【本文】
>>17 召喚術や黒魔術(これはちょっと違うけど)は存在していた模様です。
ただ、実際にはお偉い教皇なんかに魔術を見せる際は、
「人の姿をして現れよ」みたいな事を言って仮装したアシスタントを出現させたり、
ペテンなものが多かったらしいですけど。
まあ、実際にそういうRPG的な方向性の研究は存在したんですね。
ネクロマンシーや、シーアルジーといったものは現実に魔道書や伝承が残っているんです。
というか、別に何々専用にする、という程スレ住民が混在している状態でもなく、
今は単なる過疎のクソスレなんで、語りたい事を随意に語って下さいませ。
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>>19 おまいさん、結局同じ事書かれてんだから転載せんでエエよ。
リンク貼るだけでイイだろが。激しくウザイ。
21 :
武器屋 ◆YcG3rcvSro :03/12/23 11:04 ID:KlI0iK6n
うへえ、死にスレ具合がやばいっスー
といいつつネタ振りも出来ず空ageする根性のなさ
こういうのはサロンでやったほうが伸びる
サロンの「爪は武器としてどうなん」スレは興味深かった
何か歴史とか、神話板で同じようなのあったらリンク張っておいた方がいいと思う
つーか、探してきて張っておいてくんない?