・HOSHIGAMIとは
マス目で区切られた、高低差の概念を持つステージ上で、自軍ユニット一人一人を操作して
敵軍と戦うオーソドックスなタイプのシミュレーションRPG。キャラクターデザインはたかみち氏。
タクティクスオウガに似ていると言われ、発売前にはささやかな話題となった。
年単位の延期を経て発売、定価4800円。経営状態が心配されるメーカー、マックスファイブ(株)は
パイングロウ(有)と名を変え、現在も沈黙を守る。
本作品を特徴付けるのはセッションとラップシステムの二つ。
セッションとは、セッション待機状態で配置した味方を経由して、セッション攻撃で突き飛ばした相手を
ビリヤードのようにお手玉する攻撃方法で、大ダメージを与えるほかにボーナスももらえる。
ターン制に代わるラップシステムは、敵味方の区別なくユニットの行動を支配する、
ゲーム内での時間とでも言うべき役割りを果たす。キャラクターごとにこのラップを消費して行動を起こし、
一定値を使い切るまでは何度でも移動や攻撃などが行える。ラップが尽きると次のキャラクターに行動権が移るが、
その消費量を抑えて行動終了し、再び行動できるまで待つ順番を短縮するなどの調整も可能。
似たシステムを持つゲームは他にもあるが、
この二つが組み合わさったときの面白さはまだ見るべきものがあると言えるだろう。
・欠点
ストーリー。大変凝った世界設定も、話がああ陳腐では必要なかったかも知れない。
サウンド。単調なBGM、ぱっとしない効果音、操作するときの耳障りな音。
ボイスも無いので基本的にミュートになる。
カメラワーク。不自由、不親切。マップによっては、敵の行動範囲などがどうやっても目で確認できないことがある。
操作性。同時押しなども使ってコマンドをボタンに割り当てていれば、繁雑な操作も快適にできたはず。
中断ができない。致命的。
そして、ゲームバランス。
・悪夢
このゲームにおける、最も効率的かつ合理的な攻略法はおそらくこうだ。
まず開始直後、トレーニングが行えるステージに篭もり、味方同士でひたすらなぐりあう。
そうして圧倒的にレベルが高いキャラクターができたら、その一人で攻略を開始する。
終盤あるいは中盤に差しかかったら、コインという攻撃手段の強化を図る。その後はすぐに終わる。
細かい要点を省けばこんなところだ。つまり力押しのゲームなのだ。
気に入ったキャラクターを好きなように成長させ、思うまま活躍させると言うのは
SRPGの醍醐味の一つだが、本作ではそれをやればやるほどつまらなくなる。
前述したこのゲーム独自の面白さを味わえるのは、せいぜいほんの序盤だけである。もったいない話だ。
この結論に至る理由を一から説明するのは長くなるので止めておく。そういうゲームなのだ。
故にかいつまんで話すと、無論敵の強さの設定や諸々の構成の失敗もあるが、
それすら些細に思えるほど各種数値の計算式があまりにいい加減だと言うことがある。
一つだけ例を示そう。一度の行動が、初めは3歩進んで攻撃するだけで精一杯なのに、
最後にはマップの端から端まで一気に歩いてしまう。もはや戦術など成り立たない。そういうゲームなのだ。
テストプレイヤーは本当にバグを探しただけなのかもしれない。しかしそれにしては
フリーズしたと言う話をよく聞く。彼らも投げ出したのかもしれない。そういうゲームなのだ。