>>33 シェルディアでの説得
ミスト「こんな星、守る価値なんかない! 俺はもう地球人のために戦いたくない!」
「戦うなら勝手にやってくれ! 俺は艦を降りる!」
シェルディア「…それじゃあボクも降りる…」
ミスト「えっ?」
シェルディア「ボクはミストと一緒に居られればそれでいいんだよ!」
「ボクには帰る所が無いから地球やこの部隊を第2の故郷だと思って頑張ろうと
してたけど…」
「ミストが居ないならこんな所に居ても意味がないもん!」
ミスト「でも…お前まで付き合う必要は…」
シェルディア「ミストが、地球人を嫌いになるならボクも嫌いになれるように頑張る!」
「アークエンジェルや大空魔竜のみんなだって、嫌いに…嫌いになれるように…」
ミスト「ちょっと待てよ…俺は別にこの部隊のみんなの事は嫌いじゃないぞ…」
シェルディア「だって、この部隊を…故郷を捨てなきゃ
ミストと一緒に居られないんでしょ?」
「だったら嫌いになった方がいいよ…。その方がつらくないもん…」
ミスト「お前…そこまで俺の事を頼りに…?」
シェルディア「だって、全てを失ったと思ってたらやっと取り戻した心の支えだもん…」
「このまま会えなくなる方が嫌だよ…」
ミスト「………」
シェルディア「でも、やっぱり寂しいのはごまかせないや…」
「ボク、アークエンジェルや大空魔竜のみんなが嫌いになれない…。
地球人も嫌いになれないよ…」
「地球と別れるのも、ミストと別れるのもどっちも嫌…」
「ごめん、ミスト。ギューッてして…?」
ミスト「……ダメだ……」
シェルディア「……?」
ミスト「俺もだ…俺もお前と同じだよ…。地球と別れるなんて嫌だ…」
シェルディア「地球人も大好き…?」
ミスト「…でも、俺はやっぱり…」
シェルディア「大好きなのに、殺し合いを見て、裏切られた気がした…?
だから、悲しかったの?」
ミスト「お、俺は…地球人が…醜い心を持ってるなんて…思いたく…う、ううっ…」
「どうしても…認めたくなくて…ううっ…」
シェルディア「いいんだよ、ミスト。悲しい時は泣いてもいいんだよ…」
ミスト「う、うっ…うああ…」
シェルディア「でもね、ミスト。認めなきゃ…」
「地球人の心がどうだとかじゃなくて、今回の事が自分の身勝手だって事実をさ…」
「聞いたよ? 自分の理想を無理矢理押し付けるのは独善なんでしょ…?」
ミスト「ああ…」
シェルディア「もし、未来でも地球人が今のまま戦争を続けてて、
もっともっとどうしようもなくなってたら…」
「きっと、この艦を降りた後のミストは地球人を滅ぼそうとか思っちゃうよ。
ボクにはわかる」
ミスト「…そうかも…しれない…」