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それも名無しだ:
STORY
いまから100年ほどまえ、新たな紀年法として“星紀歴”(せいきれき)が制定されて間もないころ……。
旧世紀からの目覚しい文明の発達は、人類の宇宙都市での生活を可能にさせ、誰もが地球の未来に
希望を抱いていた。しかし、そのころより地球は長きに渡る戦乱の渦に巻き込まれることとなる。
50年まえの女王“妃魅禍(ひみか)”率いる“邪魔大王国(じゃまだいおうこく)”の出現や、
十数年まえに葵竜也博士によってその存在が警告されていた“擬態獣”の襲来、その影で散発していた
奇怪な消滅・失踪事件は、人類に危機感や見知らぬモノへの猜疑心を植えつけるには十分であった。
この数十年のあいだに、 遺伝子調整によって優れた能力を持った人類“コーディネイター”と
自然に生まれた人間“ナチュラル”との確執も、 社会的に無視できないレベルまで達していた。
50年まえにおける戦いでは、 突如現れた“ゾーン”と呼ばれる結界で邪魔大王国は九州ごと封印され、
擬態獣は5年まえの“巨神戦争”を最後にその姿を消した。
各都市も復興を遂げ、世界は平和を取り戻したかに思われた。だがその裏で、
かねてより険悪であった“ナチュラル”と“コーディネイター”の関係は、一触即発の事態にまで悪化していた。
ほどなくして双方の擁する軍隊“地球連合軍”、“ザフト”のあいだに戦争が勃発、
さらには密かに世界征服の準備を進めていた悪の科学者Dr.ヘルも動き出し、
戦争は主導者が倒れるまで2年近く続くこととなった。そして、戦争終結から半年が過ぎた星紀歴105年……。
戦禍の爪痕も癒えぬ中、人類はようやく手に入れた平和を噛み締めるため、穏やかな時間を大切に過ごしていた。
すぐ目の前に新たな恐怖が近づきつつあることも知らずに……。