1 :
それも名無しだ:
2 :
それも名無しだ:2008/02/13(水) 15:44:12 ID:+j/idPyr
テンプレ
【原則】
乗り換えのルールはこれが鉄板です、変更は出来ません。(詳しくは初代議論感想スレを参照の事)
前の人の話やフラグを無視して続きを書くのは止めましょう。
また、現在位置と時間、状況と方針は忘れないで下さい。
投下前に見直しする事を怠らないで下さい、家に帰るまでが遠足です。
投下後のフォローも忘れないようにしましょう。
全体の話を把握してから投下して下さい。
【ルール】
基本的に初期の機体で戦うことになりますが以下は特例として乗り換え可能です。
・機体の持ち主を殺害後、その機体を使う場合
・機体の持ち主が既に別の機体に乗り換えていた場合
・機体の持ち主が既に殺害されていて、機体の損傷が運用に支障無しの場合
・弾薬は放送と同時に補給されます。
【備考】
作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
おやつは三百円までです、バナナは含まれません。
スパロボでしか知らない人も居るので場合によっては説明書きを添えて下さい。
水筒の中身は自由です、がクスハ汁は勘弁してつかぁさい。
これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
初めての方はノリで投下して下さい、結果は後から付いてくる物です。
作品の保存はマメにしておきましょう、イデはいつ発動するかわかりません。
投下の際は支援と乙を。
◆「死亡者編」(残り7名、「限られた永遠の中で」まで)
・『死亡者名(搭乗機)/殺害者名(搭乗機)』キャラ辞典より抜粋&コメント
・アラド・バランガ(ガンダムエピオン)/アムロ(サザビー)
ゼロシステムでファンネルを切り払うもビームトマホークでコックピットを攻撃され死亡する。
ゼオラがアラド依存症なせいで、死んだ後の方が名前が良く出てくる。
・アルマナ・ティクヴァー (VF-1Aバルキリー)/ウルベ(グルンガスト)
戦う意思は無く、この戦いを止めようとしていた。ウルベの攻撃により出血多量で死亡。
イキマを善人属性に導いた立役者。遺体は最終的にトウマとクォヴレーが埋葬した。
・一色 真(シズラー黒)/フェルナンド(ズワウス)
ズワウスにダメージを与える事が出来ずに機体は真っ二つ、彼はバラバラの肉片となってしまう。
なお、彼は最後までミサイルの雨でズワウスを倒していたと思い込んでいた。
・柿崎 速雄(なし)/ユーゼス(??)
オープニングで登場、ユーゼスに野次を飛ばしていたら目をつけられて見せしめにされる。
なおフォッカーは彼の仇討ちを真剣に考えてくれている。「柿崎ぃぃぃぃぃっ!」
・カツ・コバヤシ(ビッグモス)/ゼオラ(ゼオライマー)
アムロを探すため奔走していたが、ゼオラの不意打ちを受け死亡する。
・シュウ・シラカワ(ファイヤーバルキリー)/マサキ(強化型レイズナー)
一瞬の油断を突かれ木原マサキ乗るレイズナーのVーMAXに機体ごとバラバラにされる。
ファイヤーバルキリーを支給されたが、最期まで歌うことはなかった。
・ジャック・キング(ウォーカーギャリア)/セレーナ(アーバレスト)
優勝すべく動き出すが、同じくマーダーとなったセレーナにコクピットを潰され死亡する。
・テンザン・ナカジマ (ヴァルシオン改)/リョウト(ウイングゼロカスタム)
ゲームを楽しむべく、近くにいたアラドやリョウトを追い詰めるが、ゼロシステムを発動させた
リョウトに返り討ちに会う。
・B・D(ボン太君スーツ)/ベターマン・ラミア(ザーメ・ザウ)
元々の自機を発見し、運が向いてきたかと思いきや、ラミアの変身したベターマン・フォルテに惨殺。
首の飛ぶグロい死に様を晒したが、彼の残した首輪は後に重要な鍵となってゆく。
・フェルナンド・アルバーグ(ズワウス)/ゼンガー(サーバイン)
フォルカを探し、狂気に包まれたままハイパー化してゼンガーに襲い掛かったが、返り討ちに。
・三輪防人(EVA初号機)/東方不敗(零影)
アキト(νガンダム)をボロボロにするも取り逃がし、アスカ(ダイモス)との交戦では
ケーブルを切られ逃走する。その後、東方不敗の超級覇王電影弾によって爆発!!!する。
・ラージ・モントーヤ(ヒュッケバインMk-V・L)/リオ(デスサイズヘルカスタム)
リョウトな為にマーダー化したリオに、ビームシーザスでコクピットごと蒸発させられる。
なおリオに強奪されたトロニウムは現在セレーナが所持。
<<第一回目の放送で上記12名の死亡が伝達>>
・ハイネル(ヤマタノオロチ)/アムロ(サザビー)
ギレンと手を組むが、その後アムロの襲撃を受け、ファンネルによる内部からの攻撃により死亡。
・司馬宙(ベミドバン)/アムロ(サザビー)
ギレンに仲間に引きずり込まれるが、ハイネルの攻撃で隙が出来たところへ、アムロに襲撃され
サザビーの攻撃がコックピットへ直撃し死亡する。
・バラン・ドバン(獅子王争覇グランドガンダム)/東方不敗(零影)
アルマナの死を知り、不甲斐ない自分も死のうと東方不敗に決闘を挑む。
東方不敗も全てを察し、石破天驚拳をもって笑みを浮かべながらアルマナの元へ逝く。
最期までDG細胞に取り込まれなかったところは、流石バルマー屈指の武人であろう。
・バグ・ニューマン(ボール)/ヴィンデル(ジャスティスガンダム)
ブライガーとワルキューレを奪おうとするが見事に撒かれてしまう。
その後、ジャスティスにプチッと潰されこのロワ屈指の間抜けな死に方をする。
・ハマーン・カーン(アッガイ)/ヤザン(竜王機)
ヤザンに機体ごと噛み千切られ死亡した。
彼女の幼馴染が戦いはMS性能で決まる物では…、と言っていたが、実際はやっぱり重要なものだ。
・ハチロー(ジャイアントロボ)/ヤザン(竜王機)
奇襲して来たヤザンに燃やされ死亡。
ネタキャラとしての参戦のようだったが、ロワの無常さを表す良い例になってしまった。
・ゼンガー・ゾンボルト(サーバイン)/ラッセル(マジンカイザー)
フェルナンドを気合でオーラソードを斬艦刀とし倒すも気絶。発狂したラッセルに襲われる
シンジのピンチに目覚め、ファイアーブラスターを防ぐが機体が耐えられず爆発、死亡する。
・ラッセル・バーグマン(マジンカイザー)/シンジ(大雷凰)
目の前でゼンガーを死なされ、殺意を持ったシンジにカイザーパイルダーを踏み砕かれ死亡する。
原型がないほど発狂していたが、それはそれで個性となった。魔神皇帝は現在ヴィンデルが搭乗。
・アキト(νガンダム)/アムロ(サザビー)
序盤に三輪長官のエヴァにボロボロにされ逃走してしまう。襲撃してきたアムロのファンネルで
コックピットを攻撃され死亡。ニュータイプでない為、ファンネルは使えなかった。
・ルリ(スカイグラスパー)/マサキ(強化型レイズナー)
アキトを殺され悲しみにくれている中、本性を表したマサキに首輪を入手のために首を絞められ
死んでしまう。遺体はマサキによって頭部を切断されてしまった。
・ボス(ダイターン3)/ヤザン(竜王機)
空中にて鉄也共々襲撃され、鉄也が落下した為、孤軍奮闘するも終盤にEN切れを起こし倒される。
戦線復帰が遅れた鉄也に恨み言一つ言わず、希望を託し死亡した。
・ラウ・ル・クルーゼ(ディスアストラナガン)/セレーナ(アーバレスト)
ヤザンと遭遇し、互角の戦いを見せるが、身体を維持する薬の禁断症状で戦闘から離脱。その後、
セレーナとの戦闘、ディスレヴに取り込まれ力を引き出し始めるも、ラムダドライバによって倒される。
<<第二回目放送に上記12名の死亡が伝達>>
・ギレン・ザビ(RX-7ナウシカ・フライングユニット装備)/リョウト(ウイングゼロ)
自分を警戒する副長を墜落しに見せかけて始末したつもりが、懐柔しようとしていたリョウトに
あっさり見抜かれバスターライフルで撃ち殺される。葛藤していたリョウトを自分で後押しした形となった。
・ラトゥーニ・スゥボータ(V2アサルトバスターガンダム)/ゼオラ(セオライマー)
メイオウ攻撃からリョウトを守り損傷した所をキラに攻撃され半壊し墜落。瀕死の走馬灯状態の中、
駆けつけたゼオラに抱き起こされトドメを刺された。直接描写は少ないが、かなりスプラッタ状態。
ゼオラが持ってたのは流石にヤバ過ぎ。その後、遺体はシロッコが埋葬したようだ。ナムナム。
・相良宗介(ブリッツガンダム)
竜王機に殴り飛ばされたウルベが死亡したと誤認、代わりにグルンガストに搭乗しようとした瞬間
ペナルティが発動、首輪が爆発して死亡してしまう。歴戦の傭兵であったが、ガンダムファイターという
戦場の常識を逸脱した存在によって判断ミスを犯すという皮肉な結果となった。
・ウルベ・イシカワ(グルンガスト)/ヤザン(竜王機)
芝居を打とうとコクピットを離れたところを竜王機に殴り飛ばされるも超人的な身体能力で復活。
なんと生身で竜王機と渡り合うが、最終的には倒れたグルンガストの下敷きとなってあえなく死亡。
・ハヤミブンタ(ドッゴーラ)/アムロ(サザビー)
奇襲を仕掛けてきたアムロに対し果敢に応戦。ミオを安全な場所に逃がすことに成功する。
その後も奮戦するが一歩及ばず、コクピットをビームに射抜かれて死亡した。
・アムロ・レイ(サザビー)/ミオ(ボスボロット)
ブンタのドッゴーラと交戦、これを撃破するも、ミオの存在に気付いておらずボロットパンチで潰される。
ニュータイプの能力に頼りすぎたのが仇になるという形となった。
・プレシア・ゼノサキス(グランゾン)/木原マサキ(強化型レイズナー)
チーフとルリの治療に入った病院で、マサキによって塩素ガスの充満した集中治療室に閉じ込められる。
最期は兄の名を呼びながら、苦悶の果てに酸鼻極まる死を遂げた。合掌。
・ゼオラ・シュバイツァー(ゼオライマー)/剣鉄也(ガイキング後期型)
戦闘中に突如乱入してきたガイキングのハイドロブレイザーが三発連続で直撃し、爆散。
最期の瞬間まで、彼女が自らの内の狂気から解き放たれることは無かった。
・キラ・ヤマト(ゴッドガンダム)/剣鉄也(ガイキング後期型)
乱入してきた鉄也のガイキングに頭部を握り潰され、腹部を破壊されて死亡した。
かつてキラは混乱から鉄也に攻撃を仕掛けたが、それがこのような結末に繋がるとは皮肉である。
・イングラム・プリスケン(メガデウス・ビッグオー)
ラミア・ラヴレスとの交戦において致命傷を負い、最後の力を振り絞ってファイナルステージを発動。
ヘルモーズに一撃を放つも通じず、首輪を爆破され、まだ見ぬ勇者達に希望を託して壮絶に散る。
しかし彼の遺志は、同じ思いを抱く参加者達によって確実に受け継がれる事となる――
・イッシー・ハッター(アフォームド・ザ・ハッター)/剣鉄也(ガイキング後期型)
火車カッターで竜馬を襲うガイキングに限界速度での突撃を敢行、自らの身を案じることもせずに散っていった。
彼のVコンバーターはチーフが引き継ぎ、テムジン747Jとなって戦場を駆ける。
・流竜馬(ダイテツジン)
戦闘中にゲッター線の介入を受け、永遠の闘争の世界であるゲッター宇宙へ飛ばされてしまう。
この時周囲に撒き散らされたゲッター線が、ロワ全体の流れを大きく変えていく。
・リオ・メイロン(ガンダムデスサイズヘルカスタム)/剣鉄也(ガイキング後期型)
デスサイズが爆散した際にコクピットから投げ出されて全身を強打、見るも無残な姿となってしまう。
最終的に遺体はリュウセイの核攻撃により消滅。
<<第三回目放送に上記13名の死亡が伝達>>
・アクセル・アルマー(クロスボーンガンダムX1)/マシュマー・セロ(ディス・アストラナガン)
絶体絶命の窮地に追い込まれたヴィンデルの前に割って入り、身代わりとなって死亡。
最期に彼の頭をよぎったのは、このゲームでの初めての仲間、テンカワ・アキトの姿だった。
・碇シンジ(大雷凰)
正気を失ったアスカに全否定され暴走、神雷によりダイモスを破壊する。
アスカ殺害直後にシステムLIOHの反動により死亡。
・イサム・ダイソン(ドラグナー3型)/木原マサキ(強化型レイズナー)
マサキを守るべくヤザンと交戦中、突如背後から撃たれ死亡。
最期までマサキの身を案じていた。撃ったのがそのマサキ本人であることを知ることもなく。
・ガルド・ゴア・ボーマン(エステバリスC)/木原マサキ(強化型レイズナー)
イサムの仇であるマサキを確保し、睡眠中の隙を狙いマサキの殺害を試みる。
圧倒的な体格差を武器にマサキを圧倒するも、首輪の爆発に巻き込まれ死亡。
・司馬遷次郎(スカーレットモビル)
基地内部で首輪の解析を行っていたが、解析装置の中に仕組まれた罠が発動し、彼の人格部分は機能停止してしまう。
残ったボディの内部の解析装置は、現在マサキが利用しようと画策中。
・ジョシュア・ラドクリフ(ガンダム試作2号機)/リョウト・ヒカワ(ジャイアントロボ)
オートガード機能の発動したジャイアントロボの全弾発射によって命を落とす。
なお、遺された核はリュウセイの手によって『天上天下一撃必殺砲』の名の下に発射された。
・惣流・アスカ・ラングレー(ダイモス)/碇シンジ(大雷鳳)
原作後半の精神不安定状態であり、シンジを抹殺しようとする。
ついにシンジを発見。攻撃を仕掛けるも、暴走大雷鳳により優しさと夢の源へ帰ってしまう。
・セレーナ・レシタール(アーバレスト)/リョウト・ヒカワ(ジャイアントロボ)
指示に反抗しようとするリョウトを説得するも攻撃を受ける。
そしてジャイアントロボの攻撃で虫の息になっているところを同時運用のルール確認の実験台にさせられ死亡。
・タシロ・タツミ(ヒュッケバインmk-3ガンナー)/剣鉄也(ガイキング後期型)
デビルガンダムを止めるためにヴィンデルとマシュマーついていく。
最後は鉄也乗るガイキングに自爆攻撃を仕掛け、副長と共に散る。
・チーフ(テムジン747J)/リョウト・ヒカワ(ジャイアントロボ)
リオの死を聞き暴走するリョウトを追うが、彼の暴走を止める事は出来なかった。
その後、GRの自爆からリュウセイ達を救うために疾走。核の輝きの中に散っていった。
・剣鉄也(ガイキング後期型)/マシュマー・セロ(ディス・アストラナガン)
ロワ勝利のためデビルガンダムを利用しようとする。そしてデビルガンダムを止めんとするマシュマー達と戦闘。
マシュマーの放ったアイン・ソフ・オウルにより消滅する。
・東方不敗マスターアジア/トウマ・カノウ(ワルキューレ)
アルジャーノンに取り込まれ、生身で大暴走。魂を燃やし尽くし、完全な殺意の塊となる。
そんな彼に最後のとどめを刺したのは、ベーゴマとバイクの爆発だった。
・トウマ・カノウ(ワルキューレ)
基地へ単独先行したばっかりに、死にかけ寸前の暴走師匠と遭遇するハメに。
闘志を振り絞って撃退するも、その際の爆発に巻き込まれ死亡。
・ヒイロ・ユイ(M9ガーンズバック)/碇シンジ(大雷鳳)
基地内部でワームホールによって飛ばされていたダイモスと接触、交戦しつつ地上へ誘き出す。
その後大雷鳳に攻撃を仕掛けるダイモスに銃撃を浴びせるも、逆に錯乱したシンジによって機体ごと潰されてしまった。
・副長(AMガンナー)/剣鉄也(ガイキング後期型)
デビルガンダムを止めるためにヴィンデルとマシュマーについていく。
最後は鉄也乗るガイキングに自爆攻撃を仕掛け、タシロ艦長と共に散る。
・ベターマン・ラミア(機体なし)
デビルガンダムに地球単位の危険を察知。
闘いを切り上げ現場に急行するが、案の定取り込まれてしまう。
・マシュマー・セロ(ディス・アストラナガン)
ヴィンデル達の力を借りてDGからミオを救出する。
その後、生きていた鉄也の攻撃によりダメージを負うも、アイン・ソフ・オウルにより鉄也を倒し『月』に穴を開ける。
マシュマー自身は一輪のバラの花を残し消滅。
・ヤザン・ゲーブル(アルテリオン)/東方不敗マスターアジア
ガルドと東方不敗に戦闘を仕掛け、東方不敗の零影を撃破。
しかし、生身の東方不敗の超級覇王電影弾を受け、アルテリオンと共に散る。
・リュウセイ・ダテ(メガデウス・ビッグオー)
激戦の末、ついにマイをユーゼスの呪縛から救い出した。
そしてビッグオーと共に、静かに眠りにつく。
・リョウト・ヒカワ(ジャイアントロボ)/−(BIG−O)
リュウセイの発射した核でリオの遺体を失い、完全に暴走。
補給ポイントでマイを攻撃するも、アーバレストに乗り換えたリュウセイに破れ、GRの自爆もチーフに阻止される。
執念でBIG−Oに乗り込んだものの、BIG−Oに拒絶されコードに潰される。
・ロイ・フォッカー(アルテリオン)/ヤザン・ケーブル(無し)
誰もいないはずの解析室からの声を受信、司馬遷次郎だと思い急行する。
しかし、それはヤザンのトラップだった。鉄パイプで頭を強打され死亡。
<<第四回放送に上記21名(+ミオ・サスガ)の死亡が伝達>>
・ヴィンデル・マウザー(マジンカイザー)/クォヴレー・ゴードン(ブライガー)
ミオと共にクォヴレー、シロッコと接触。だが仲間の死を聞き錯乱したクォヴレーと戦闘に。
最後までクォヴレーの説得を続けたが、遂に力尽き死亡。
・マイ・コバヤシ(R-1)
突如現れたユーゼスの駆るジュデッカと戦闘に。限界を超えた念動力でジュデッカのシステムを破壊する。
残骸の世界にてフォルカの身体を繋ぎ止め消滅する。だが、彼女の力はフォルカと共にあり続ける。
<<第四回放送より後、更に2名が死亡。計60名(残り7名、「それぞれの『意思』」まで)
『生存者編』(「それぞれの『意思』」まで)
●(最新エピソード時の場所:時刻)
・『生存者名(★は殺害数、◎は所持している首輪の数):搭乗機:タイプ分け』備考&一口コメント
●超神vs冥王(08:30 D-6 アースクレイドル内部)
このゲームを引き起こす男。しかし彼もまた、追い詰められ始めていた。
彼の前に立ちはだかるのは、神の掌を離れた冥王。最期の神託のため、ヴァルシオンが起動する。
・ユーゼス・ゴッツォ(ヘルモーズ)主催者
意地でもゼストを完成させるべく、ゲームを通じて負の感情を集め続ける。
ついに、神の揺り籠へ進入したマサキに自分の本体を晒す。ラグナロクは近い。
野望はひとつ。神をも超えた、ウルトラマンとなるために。
・木原マサキ(首輪無し)★★★★★★◎◎◎(グランゾン)策士型
天上天下唯我独尊。全てを嘲笑しつつ利用する稀代のステルスマーダー。
遂に首輪の取り外しに成功。さらに、自分の造物主とも言えるユーゼスを倒すため、
グランゾンの真の力をその手に握り、ユーゼスの前に立つ。
●欠陥品のバルシェム(08:50 D-6)
記憶を無くし、仲間を失い……もはや彼はクォヴレーでもアインでもない、欠陥品のバルシェム。
・クォヴレー・ゴードン★(ブライガー)対マーダー、協力暴走型
ディス・アストラナガンと共に、ゲーム破壊の鍵を握る。が、仲間の死と疑心により彼の精神は崩壊寸前。
ただ一人残った仲間イキマのために、他の全ての人間を殺そうと考える。
●最後の仲間 (9:20未明 D−5)
クォヴレーに残された最後の仲間。このゲームの鍵を握るクォヴレーへ彼の愛機とともに走る。
・イキマ(ディス・アストラナガン)自衛協力型
他の参加者達に感化されて善人化絶賛進行中の邪魔大王国幹部。
シロッコにより首輪を外され、ディス・アストラナガンをミオに託される。
彼の行動がこの戦いを左右する大きな要因であることは間違いない。
●少女と大人たち(10:00 E-5)
ついに、一つとなった反逆者たち。目指すはユーゼスの救済。
・ミオ・サスガ★(ディス・アストラナガン)自衛協力型
ゲッター線との接触で全てを知り、さらに首輪の呪縛から解き放たれた。
ヘルモーズで換装し、再度ブラックサレナへ。胸には薔薇、拳に剣を掲げて、皆のために。
・パプテマス・シロッコ◎(ジ・O)策士型
死んだフリ・いないフリに長けた策略家にして強力なコーヒー・紅茶愛好家。立ちションすらも思いのまま。
死んだフリにてクォヴレーをやり過ごす。ヘルモーズにて未来の愛機を確保。
さらにミオとフォルカと合流し、最後決戦へ走る。
果たして『ユウキ・ジェグナン厳選・最高級紅茶』を賞味するための優雅な時間は取れるのか?
首輪解析装置という重要なアイテムの持ち主でもあるが、首輪はもうクォヴレー以外誰もつけてない。
・フォルカ・アルバーグ(ソウルゲイン)自衛協力型
争いの無い世界を望む若き修羅王。その実力は折り紙付き。
ソウルゲインという力を手に入れ、ラミアの説得に加え戦闘戦闘戦闘の大活躍。
参加者最強戦闘能力は伊達じゃない。
●『人間』(10:00 E-5)
ついに自分の意思が持つことを認めた元ジョーカー。彼女の心はどう揺れるのか。
・ラミア・ラヴレス(首輪無し)(ラーゼフォン)自衛型
機体もパイロットも一線級だが、ミオたちとは行動をともにせず。
ユーゼスと話をするため、単身アースクレイドルへ。
<<生存者7名(「それぞれの『意思』」まで) >>
9 :
それも名無しだ:2008/02/13(水) 16:07:58 ID:V+o2iSKo
スレ建て、講座、乙!
10 :
それも名無しだ:2008/02/14(木) 01:23:58 ID:O35lCbXD
バーッと講座見た感想は、アムロとガイキングすげぇ
11 :
それも名無しだ:2008/02/14(木) 01:51:12 ID:fqY3fpGt
オナニースレを発見したぞなもし!!
直ちに爆撃行為に移るにょろ〜〜ん☆
トゥトゥルー(^ω^)
12 :
それも名無しだ:2008/02/14(木) 01:53:07 ID:JWkTUdz4
糞スレアゲんなよ…
13 :
それも名無しだ:2008/02/14(木) 03:41:37 ID:aPZ5sVyV
>>1乙!
でも
>>8のミオのとこが黒百合じゃなくてディストラのまんまなんだぜ
14 :
それも名無しだ:2008/02/20(水) 20:43:41 ID:PzyNzhnk
スパヒロ厨の自演が目立つがどうなってるの
15 :
それも名無しだ:2008/02/20(水) 23:31:55 ID:JkAiKcGi
それは違います!思い込まないでください!
16 :
それも名無しだ:2008/02/25(月) 03:30:02 ID:tK18o2yk
イングラムが複製体なのも相克関係なのもSHOネタだし
SHO設定抜きのユなんてそれも私だしか特徴ないよな
17 :
それも名無しだ:2008/02/28(木) 19:30:54 ID:aiOj0kRP
じゃあスーパーヒーロー作戦バトロワでも立てればといいたくなるんだよな
いい加減αシリーズのユーゼスにして欲しいわ
18 :
それも名無しだ:2008/02/29(金) 16:10:59 ID:7vLQYRc2
何という今更な事を・・・・・・。
19 :
それも名無しだ:2008/03/01(土) 08:16:30 ID:CKv4LG1K
今の所ラスボスとは生身で対峙するの?それともロボ戦をやるの?
20 :
それも名無しだ:2008/03/01(土) 11:50:19 ID:+JIn6E1q
ゼストをロボと捉えるかどうかは微妙だが、ロボ戦だろう。
最後のとどめは生身って演出ならまあアリかな。
21 :
それも名無しだ:2008/03/01(土) 19:21:20 ID:puHzYR8+
いや、そもそもゼストがラスボスになるとは限らんぜ
じゃあ誰になるのかというと返答に困るが
それこそネオグラ冥王くらいしか……
22 :
それも名無しだ:2008/03/01(土) 19:39:12 ID:lP8iKY07
ネオグランゾンの力は一度だけ使えるという話だから縮退砲一回でも使うとグランゾンに戻っちゃうんだぜ?
23 :
それも名無しだ:2008/03/01(土) 23:03:01 ID:+JIn6E1q
ん?一度ってワンアクションのみって意味だったのか?
24 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 00:07:38 ID:qUbfMg1X
え、一回って戦闘一度分だとおもってたんだが?
25 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 00:34:12 ID:vT3ZQpEE
ネオグラは制限時間つきとかエネルギーが切れるまでみたいな感じじゃないか?
>>21 ディストラもラスボス候補だな。久保がアレだしユーゼスに奪われるかもしれんし。
マサキも『ウィスパードとの接触で得た知識をもってすれば造作もないことです。』
ができるようになってしまったのでディストラに目を付けるかもしれんし。
他のパイロット候補はイングラム憑きのミオか?状況次第で神にも悪魔にもなる。
26 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 01:08:52 ID:P06dy042
ゲッターエンペラーで
27 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 01:32:56 ID:EhXj1bqR
勝てる気がしねぇwww
28 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 02:00:25 ID:0tnLMlem
>>25 ディストラは久保が乗ることで初めて安定するんであって、ユーゼスやマサキが乗っても制御できないんじゃね?
ユーゼスは乗り込むんじゃなくて何らかの形で転移機能だけ使うつもりとか
一応生き残ってるやつの中にももう一人ラスボスを務めた人がいることを忘れないで・・・ヴァルシオンはもうないけど
29 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 02:15:54 ID:CbNMOqtf
ユーゼスはオリジネイターだから制御できてもおかしくないかも
30 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 03:40:43 ID:0tnLMlem
どうだろ?ディストラの前身のアストラナガンはイングラムの半身って言えるらしいから、拒絶されそうな気がする。
じゃあイングラムならいけるかと思うが、久保が選ばれたのは人形の状態から生きるという強い意思を確立したから・・・だと思うんだよな
そのへんが死霊を動力にするディスレヴに取り込まれない絶対条件っていうか
31 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 11:39:30 ID:pb2fNAiR
>>28 そんなこと言うから死に際にユーゼスの精神をコーヒー紅茶ワールドに引き込むコーヒーを幻視してしまったではないか
32 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 20:40:11 ID:2szweSDE
>>25 イキマも数に入れてやってくれー
ダイナミック系のキャラとディストラってビジュアル的な相性がいいと思うんだが
カイザーや真ゲのイメージのせいだろうか
では投下します
34 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:21:52 ID:duD6kurQ
35 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:22:13 ID:76tXz73w
36 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:22:16 ID:S5yFseDe
巨大な隔壁が閉じて、ドームは再び閉ざされた空間となる。
その空間に存在するものの中で人間と呼べるものは――その定義には諸説あるだろうが――二つだけ。
青き魔神グランゾンを駆る木原マサキと、それとは対照的な赤いボディの究極ロボ、ヴァルシオンに乗るユーゼス・ゴッツォ。
「貴様がここまでやるとは意外だったぞ……木原マサキ」
「……いいたいことはそれだけか。ならばさっさと死んでもらおうか!」
グランゾンがその力で虚空に穴を開け、そこから青白く輝く大剣を掴み出す。
その切っ先をヴァルシオンへとかざし、マサキは鋭い殺気と共に言葉を叩きつけた。
だがユーゼスはそれに対して、尊大な態度をまったく崩すことなく応じる。
「お前がシュウ・シラカワを倒した時には、正直少なからず驚いたものだが…….
まさか貴様のようなクローン如きがここまでの性能を見せ付けてくれるとはな。
造物主として鼻が高いよ……ククククク」
挑発のための意図的な嘲りの笑い。
動きを止めていた無人機たちがざわざわと蠢き始めた。
グランゾンを取り囲むODEシステムの尖兵たるバルトール、そしてミロンガ。
それらが規則正しい編隊を組んで、隙のない包囲網を完成させた。
だがそれだけだ。仕掛けてくる様子はない。
ユーゼスにとっては、このアースクレイドルの中核にあたるこの場所で戦闘を行うのは本意ではない。
いまだに「卵」とって必要なエネルギーは、わずかではあるが不足している。
そのエネルギー収集のためにも、ここでダイダルゲートを含む重要施設に損傷を受けることは、できる限り避けたいのだ。
「秋津マサトに吸収された貴様の人格を、わざわざ蘇らせた甲斐があったというものだ。
貴様は実によく働いてくれたよ、木原マサキ。私の人形としてな」
ゆえにここでユーゼスは真実を暴露した。
木原マサキという名の哀れな人形のアイデンティティを突き崩し、絶望を与え、歯向かう気力を奪いつくす。
そしてあわよくば自分の新たな手駒として、フォルカ達にぶつけてやろうと考えていた。
ラミアを人形と見下し、すべての人間をクズだと断じた男が、結局はユーゼスの操り人形に過ぎなかったという、残酷な現実。
己の全てを否定され、それを突きつけられて、まだ己を保っていられるものか。
ユーゼスの中に、心ならずも下卑た優越感が湧き上がる。
さあ、どんな反応を見せてくれるのか。
「な――ん、だと?」
呆けたように問い返すマサキの声を聞いて、ユーゼスは仮面の奥、その両眼を細める。
そうだ、驚いたか?貴様は私の手のひらから飛び出すことなどできないのだ。
絶望したか?お前の命は誕生したときから、私の為のみに存在していたのだ。
だが、マサキのその声はユーゼスに向けて発せられたものではなかった。
それはユーゼスのあずかり知らぬことではあったが、シュウによってすでにマサキの正体は知らされていたのだ。
その上でユーゼスを、造物主を殺すと決めた。
理不尽で不可避な己の運命に、己の手で決着をつけるために。
奇しくも同じ運命を背負ったラミア・ラヴレスとは真逆の方法で。
全世界すら己の下に位置づけるほどの圧倒的なエゴイズムは、元から人形と呼べるようなものではなかったのだ。
そしてマサキにはそのとき、全く別の声が聞こえていた。
心の中に響くのは、悲しげで儚く、そしてどこか哀れみが混じった女の声だ。
――聞こえますか、木原マサキ……この……声が…………
遠いような近いような、鐘のように海鳴りのように、誰かの声が感覚全体に染み渡るような不思議な感覚がマサキを包む。
その声に対し、心の中でマサキは問い返した。
お前は何だ、と。
38 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:22:54 ID:Xm9Xa63c
答えはない。
代わりに返ってきた膨大な情報の奔流がマサキの感覚を支配、いや埋め尽くした。
ダイダルゲート。
マサキの次元連結システムすら、その一角に過ぎないほどの、膨大なオーバーテクノロジーの集合体である。
そしてそれはユーゼスの悲願でもある「ゼスト」へ送り込む「魂」を収集するための装置であり、このフィールドを閉鎖し、外部から隔絶された空間を作り出すためのものでもあった。
だがその莫大なエネルギーは、ほんの僅かに制御を誤るだけで、あっさりと星をも砕くほどの暴走を生み出す諸刃の剣だ。
それをを制御するためにユーゼスが目をつけたのが、Omni Dendro Encephalon System ――通称、ODEシステム。
この世界において最も優秀なCPUは何か?と問われれば、それは人間の脳であると言えるだろう。
銀河の半分を席巻する科学力を誇るバルマー帝国ですら人間を兵士として、いまだに戦争の兵器として用いている。
つまりそのスペックは、最先端の高性能AIと比べても見るべきものがあるということなのだ。
木原マサキにも理解不可能なテクノロジーを持つ者たちも認める性能を誇る演算ユニット。
それを生体ユニットとして組み込んだODEシステム。
そしてこのシステムを考案した地球よりも、はるかに進んだ異星人の技術で組み上げられたのが、このアースクレイドルそのものなのだ。
その最高のCPUが、それぞれにエネルギー出力調整のための演算を行い、その結果及びデータをコアユニットを通じてそれぞれの端末、イコール生体ユニット更新。
そのデータを各自でさらにリロードしていく。
その際におけるコアユニットの負担はほかのユニットとは段違いだ。
全てのデータを統括、チェック、リロード、そのデータを端末へと送信。その繰り返し。
その負担に耐えるには、並みの「サンプル」ではお話にならない。
そこでユーゼスが目をつけたのが「ウィスパード」。
理解不能なまでのオーバーテクノロジーを理屈抜きにして実現させる。
その原理はユーゼスにも不明だが利用価値は十分だ。
計算するまでもなく解はそこにある。
これはユーゼスの仮説だが、アカシックレコードにつながることができる、ある種のサイコドライバー。
それがウィスパードなのかもしれない。
その名を千鳥かなめ。
「ぐ……あぁ……!」
マサキの中を無機質な情報が暴れまわる。
ラムダ・ドライバ。トロニウム・エンジン。カルケリア・パルス・ティルゲム。
次元連結システム。AI1.死海文書。ターミナスエンジン。
ダイダルゲート。クロスゲート・パラダイム・システム。オーラ力。ビムラー。
ゲッター線。マジンパワー。ディス・レヴ。T-LINKシステム。エトセトラ、エトセトラ。
たとえば脆弱なビニール袋に許容以上のものを詰め込めばどうなるか。
いわずもがな、歪む。限界を超えれば破れ、元の形に戻ることはない。
眼前のユーゼスが何か言っている。
だがわからない。何もわからない。
自分に何が起こっているのか。
自分が何なのか。
自分が誰なのか。
自分とは、一体何を、どこまでを自分というのか。
まるで深海の淵へと腐り落ちていく水死体のようだ。
圧倒的質量の情報の海水に押し潰され、その中へ中へと埋没していく。
肉が解け、剥がれ落ち、ゆっくりとさらに深く沈む。
とても、とても息が苦しい。
40 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:23:13 ID:Zk4A+uCv
41 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:23:21 ID:BUW8xxnJ
42 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:23:23 ID:M+RJvsdc
支援
43 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:23:34 ID:S5yFseDe
44 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:23:45 ID:Xm9Xa63c
45 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:23:46 ID:Zk4A+uCv
あらゆる方向から自分が侵食され、自分の中が「それ」でいっぱいになる。
――何かいる。
見えはしない。だが得体の知れない何かを感じる。
何だ!手をかざし、足を振っても、振ろうとしても意のままに体は動かず、結局何も回答は得られない。
水よりもさらに粘質の何かが自分の全てを溶かしていく。
それで身軽になった体はそれでもまだ沈み続ける。
木原マサキは沈み続ける。動けぬままに。
急に浮上する。
あれだけゆっくりと沈んできたのにそれは一瞬だった。
目の前が開けた。
水面?の上に顔を出したマサキを、あの柱の中の女が見下ろしている。
その目には、先程見たような奈落の如き虚ろは存在せず、確固たる意思を込めた人としての輝きがあった。
――あんたに……託すわ。
なんだと?
――あんたの「罪」は許されることじゃない。でもね……それでもあんたはユーゼスの……
ああ、そうか。
情報の海から、秩序なき濁流ではない「解」が組みあがっていき、それが思考の中に伝わっていく。
ダイダルゲートの内部構造が頭の中で確かな立体となってイメージされていく。
ユーゼス以外でそれを知るものなど、まさしくシステム自身である彼女だけしかいないだろう。
ドームの壁面の奥の、いくつかの重要なエネルギーバイバスの座標……そしてコアユニット。
理解した。つまりはそういうことか。
いいだろう、やってやる。お前の望みのとおりに。
だが、何だ。その目は。
その目が何故か――気に食わない。
◆ ◆ ◆
このバトルロワイアルが始まってから、ずっと戦ってきた。
この柱の中で誰の助けも得られず、デビルガンダムに取り込まれたミオ・サスガのように。
ミオよりも長い時間、自身が救われる可能性などゼロに等しい地獄の中で。
バトルロワイアルは進行し、次々と人間が死ぬ。
負の思い、または気高き意思を抱いて、それでも次々と人が死ぬ。
その思念を「卵」へ送り続ける中で、データの海に、負の意思に、かき消されそうになる自我をさらに削りとられる。
やがてもう駄目かと諦めかけた時、わずかな反撃の機会が訪れる。
ゲッター線だ。
ダイダルゲートはフィールドにばら撒かれたゲッター線の意思をも吸収していた。
だからそれを通じてアカシックレコードが、魂の力が、自分に力を与えてくれた。
ほんの少し、わずかだけ。
ミオを守るためにその力を使った。
47 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:24:26 ID:S5yFseDe
48 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:24:32 ID:Zk4A+uCv
自分と同じくゲッター線を浴びた、まつろわぬ魂を彼女の元へと。
それはミオの解放、ゼストの卵を半壊させるという予想以上の戦果を産む。
だがそれによって解放された魂が、闘鬼転生をユーゼスに利用されるという形で今ふたたび囚われてしまった。
ユーゼスの目的の成就。それだけは絶対に許してはならない。
だからシュウ・シラカワが手繰り寄せてくれた最後のチャンスをここで生かす。
ゲッター線、つまりアカシックレコードとは、ビムラーやイデもそうだが、とどのつまりは意志の力だ。
だから強く願う。この力が後押ししてくれたあたしたちの思いが通じてくれと、強く強く強く――――。
そしてそれは何とか成功した。
シュウの魂を通じて、このゲートを破壊するために必要な情報を彼の心に送り込むことができた。
この木原マサキという人もユーゼスの犠牲者なんだ。
だからきっとやってくれると信じる。
ミオも、フォルカだっている。
きっと、きっと大丈夫。
そして自分はここで終わり。
もう元の世界に戻ることはできない。
もう生きてると言えるのかさえわからない。。
一人で歩くことすら、体を動かすことすらもうできない。
悲しい。寂しい。辛い。もう会えない。
だけど。
やっぱり。
あいつはこのままにはしておいちゃいけないから。
◆ ◆ ◆
女が泣いている。
だがそんなことは知ったことではない。
俺は俺の為にしか動かない。
利用価値があるのなら、それに乗ってやる。
ただそれだけのこと。
だが、気に食わないことがひとつだけある。
お前は――何故、そんな目で俺を見る?
その目だ。その目をやめろ。
シュウ・シラカワ。
ホシノ・ルリ。
イサム・ダイソン。
プレシア・ゼノサキス。
ガルド・ゴア・ボーマン。
何故、お前たちがここにいる。
何故、いつのまにそこにいたんだ?
女、貴様の仕業か?
何のつもりだ!
お前たちは俺に殺されたんだぞ?
なのに何だ、その目は!
消えろ!
50 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:24:45 ID:76tXz73w
51 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:25:04 ID:BUW8xxnJ
52 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:25:06 ID:S5yFseDe
53 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:25:14 ID:Zk4A+uCv
クズどもの分際で、俺を、この木原マサキを……!
「哀れみの目で、俺を、見るなあああああああああああああああああああああああああ!!!!」
◆ ◆ ◆
景色が切り替わった。
意識はいつもどおり。
妙な感覚に支配されることもなく、これは自分の体。
それを確かめるために拳を強く握り締めた。
強く、強く、強く、怒りのままに。
目の前に奴がいる。
その間に立ちふさがる人形など物の数ではない。
「…………木原マサキ。私に従え。今なら悪いようにはせん。お前の性格は熟知しているぞ。
私に忠誠を尽くせなどとは言わん。お前は自分に利があれば、そこに傾く……それでいい」
ユーゼスが滔滔と繰言を吐き出している。
そんなものははじめからどうでもいい。
消してやる。何もかも。
女。
望みどおりだ。
貴様も、その後ろのクズどもも、人形も、ユーゼスも――――消えてなくなれ。
カバラシステム起動。
データ入力。
ワームホールを指定したポイント17ヶ所に同時展開。
計算終了。
ブラックホールエンジン、オーバードライブ。
胸部装甲解放。
重力操作、開始。
「愚かな……」
グランゾンが戦闘体制をとったのを見て、ヴァルシオンも動く。
その腕ををかざし、同時に無人機が陣形を組みなおす。
ヴァルシオンの腕が振り下ろされれば、周りのミロンガやバルトールが襲い掛かるだろう。
だが今のマサキには脅しにすらなりはしない。
ユーゼスの侮蔑の言葉にも、もはや何も感じない。
55 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:25:29 ID:duD6kurQ
56 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:25:40 ID:Zk4A+uCv
57 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:25:54 ID:ACBimkiz
怒りだけがマサキの心を占めていた。
「撃て」
ユーゼスの号令とともに360°からミサイルの一斉射撃が襲い掛かった。
それを重力フィールド全開で防御する。
「どうした?そのまま亀のように固まっているだけか?」
今のうちに好きにほざけ。
もうすでに手は打った。
あの女がよこした、このダイダルゲートのデータ。
内部構造を把握し膨大なエネルギーを通すバイパスの重要な部分。
ここを攻撃すれば、このドーム全体を丸ごと破壊、いやこのエネルギー量ならフィールド全てを跡形もなく破壊するだろう。
もちろん普通の攻撃では頑丈な壁に阻まれ、攻撃は届かない。
だがこのグランゾンならば話は別だ。
空間の座標さえ判明すれば、そこにワームホールを展開するだけでいい。
次元孔が開き、そしてそこにあらかじめあった質量は、穴に吸い込まれて消え失せる。
つまりそこに大穴が開く。
ひとつの世界を閉鎖し、魂のエネルギーを収集する、その膨大なエネルギーの流れにだ。
施設の規模からすれば、小さな穴をいくつか開けたに過ぎない。
だが巨大なダムは、ほんの僅かな穴から決壊する。
だから――、
◆ ◆ ◆
爆発。
ドームの天井から、壁から、ありとあらゆるところから次々と爆風が噴出した。
その爆風に巻き込まれて無人機の陣形が崩れていく。
さらに崩落した壁や天井の瓦礫が追い討ちをかける。
「なんだ!一体――――何をしたぁッ!!」
もはやさっきまでの余裕はどこかに吹き飛んだ。
ユーゼスはヴァルシオンの腕部にある高出力のビーム砲、クロスマッシャーをマサキの駆るグランゾンへ向ける。
だが、遅い。
「――死ねぇぇぇぇぇぇええええぇぇぇぇえええええ!!」
マサキとグランゾンはすでに先手を取っていた。
乱れた無人機の陣形をフルブーストで駆け抜けていく。
59 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:26:03 ID:S5yFseDe
60 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:26:06 ID:BUW8xxnJ
61 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:26:09 ID:Xm9Xa63c
62 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:26:13 ID:Zk4A+uCv
63 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:26:27 ID:ACBimkiz
そして青白い大剣――グランワームソードを振り上げ、ヴァルシオンに迫る。
「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおぉぉおおお!!?」
ギィンッ!という甲高い衝撃音が空間を引き裂くように響く。
とっさに防いだヴァルシオンの左腕が、クロスマッシャーの砲身ごと切り取られる。
だが、CPSによって処置を施されたこの機体は、そこにある、という歪められた因果律によって瞬く間に再生を果たす。
「この程度でぇぇぇぇえええ!!」
そのままヴァルシオンの後方に駆け抜けたグランゾンを追って、ユーゼスは機体を旋回させる。
だがそこに間髪入れずの第二撃。
「グラビトロンカノンッ!発射ッ!!」
グランゾンの解放された胸部装甲から放たれた、超重力の黒い光が真上に上昇していく。
そしてそれはドームの頂点で分裂、拡散。
あとは破壊の雨が降り注ぐだけだ。
容赦なく、慈悲なく、満遍なく、破壊を生む重力弾の雨が。
「ハハハハハハハハハハ!!アーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!」
連続する爆発音の嵐の中で、マサキの哄笑が響きわたった。
ミロンガが、バルトールが、まるで蚊トンボのように叩き潰されていく。
その間もドームは崩れ、ヴァルシオンの周囲は瓦礫と無人機の残骸、爆風がミックスされた煙幕に包まれる。
そしてグランゾンの姿は見えぬまま、マサキの哄笑だけがユーゼスの耳に、やけに響く。
「おのれ!おのれッ!……メェガ・グラビトン・ウェーブッ!!」
もはやヴァルシオンの視界と共に、ユーゼスの心から余裕は失われていた。
味方であるはずの無人機を巻き添えにするのもいとわず、全方位に向けて重力波の竜巻を解き放った。
凄まじいまでの重力の暴風に吹き飛ばされる。圧壊、そして爆発。
次々と巻き込まれ、重力の嵐にひき潰されていく無人機たち。
「どうだ!この力!死ね!私にたてついた報いを受けろ!…………何ッ!?」
やがてその圧倒的なパワーに酔っていたユーゼスも気付くことになる。
すでにマサキとグランゾンは、先程のグラビトロンカノンで、ユーゼスや無人機と一緒に、外へ通じる隔壁をすでに破壊していたことを。
そしてもうこの場はユーゼスしかいないということを。
この場にはすでにいないマサキの嘲笑が聞こえてくる気がして、ユーゼスは怒りに身を震わせた。
「木原マサキ……人形如きがやってくれたなぁ……!だが……まだだっ!まだ手はある!」
ディス・アストラナガン。
このバトルロワイアルにおいて、撃破されても再生するという、明らかに規格外の機体。
この機体には今のユーゼスにとって、二つの利用法がある。
65 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:26:58 ID:Zk4A+uCv
66 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:27:07 ID:duD6kurQ
ひとつはディス・レヴそのものが「魂」を集め、動力源とするシステムだということ。
それをとりこめば、残りわずかのゼストに注ぎ込むためのエネルギーも補える。
そして、もうひとつ。
平行世界の番人たる者の乗機として、次元転移が可能だということだ。
脱出の術だったはずのCPSが破損し、ダイダルゲートもまもなく崩壊するだろう。
このままではこの世界とともに、全てが次元の狭間に飲み込まれて終わってしまう。
今はユーゼスにとっても猶予はほとんどないのだ。
ディス・レヴを取り込み、ゼストを復活させ、そして新たなる世界へ転移する。
「その世界で私は忌まわしい因果より解き放たれ、新たなる銀河の調停者となる!誰にも阻ませはせん……誰にもな……!」
ユーゼスの声は怒りに震えていた。
ゲートを開き、空間転移で崩壊が進むドームよりヴァルシオンは姿を消す。
爆発はさらに激しくなり、無人機は瓦礫に、爆風に吹き飛ばされて消えていく。
そしてODEシステムもそれらと同じ運命をたどる。
運命を弄んだ者が作り出した、魂の牢獄の崩壊だ。
そこに囚われた者たちは、その牢獄の崩壊、つまり自らの死を持ってそこから開放される。
やがて最後に残されたもの、千鳥かなめ。
彼女が囚われた中心部の柱にひびが入った。
大きな爆発がさらにそれを拡大していく。
崩れ落ちる。
炎が全てを埋め尽くす。
そして、最後の大きな爆発がとどめとなった。
これで終わり、あたしの本当の終わり。
やれることは全てやった。
託すべきものは全て託した。
最後まで見守ることはできないけど、きっと勝てると信じている。
……あいつの魂は今、あの卵の中にいるのだろうか。
ごめんね。
いつも守ってくれたのにごめんね。
死なせてしまってごめんね。
助けられなくてごめんね。
待ってるから。
きっと勝って、みんなが解放されて、全部がハッピーエンドとはいかないけれど、やっぱり最後には勝つんだって。
信じて待つよ。
ずっと待ってる。
ずっとずっと待ってるからね…………ソースケ。
【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:ヴァルシオン(CPS強化)
パイロット状況:激しい怒り
機体状況:良好
現在位置:??? CPSにより転移中
第一行動方針:ディス・アストラナガンをゼストに取り込み、この世界より脱出
最終行動方針:ゼストの完成】
※アースクレイドルはダイダルゲートごと崩壊中です。
※まもなく閉鎖空間が解除され、エネルギーの暴走によってフィールドは崩壊します。
◆ ◆ ◆
断続的に爆発が続くアースクレイドルを振り返ることなく、暗い通路を地上へ向けて進むグランゾン。
そのコックピットの中で、ロボットの操縦をこなしながらマサキは思考する。
68 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:27:31 ID:Zk4A+uCv
69 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:27:31 ID:BUW8xxnJ
70 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:27:43 ID:S5yFseDe
71 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:27:57 ID:duD6kurQ
72 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:27:58 ID:76tXz73w
73 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:27:59 ID:ACBimkiz
74 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:28:03 ID:Xm9Xa63c
75 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:28:04 ID:Zk4A+uCv
この殺し合いに参加させられてから、もはや数えることも馬鹿らしいほどに繰り返された行為だ。
マサキがあそこでユーゼスと決着をつける事を避けたのには理由があった。
奴は自分に似ている。
首輪を解析したときに出た、ユーゼスのメッセージに端を発したその思いは、今になってますます強くなっている。
ユーゼスの計画したバトルロワイアル。
これは――そう、木原マサキ自身が計画した『冥王計画』に、実によく似ている。
自分の用意した舞台で、様々な仕掛けを用意し、その中でもがくクズどもの運命を弄ぶ。
「ならば……まだカードを隠し持っているんだよなあ……?ユーゼス……」
木原マサキが作り上げた究極兵器ゼオライマー。
凄まじいほどのその力に誰もが目を奪われた。
誰もがそれを最後の切り札、全ての鍵を握る存在だと思い込んだ。
だが違った。
ゼオライマーの他にも保険はいくつもあった。
だからユーゼス自身が何の策も無くのこのこ出てくるなど、何か保険がなければ考えられないと木原マサキは思ったのだ。
「さて……結末はどうなるか。面白いゲームになってきたな……」
◆ ◆ ◆
探し物が見つからない。
どんなに探しても見つからない。
大事なものなのに、失くしてはいけないものなのに、どこを探しても見つからない。
もう、どこにもなくて、跡形もなく消えて失せて、探すだけ無駄なのではないか。
そんな考えを少しでも抱くのが怖くて、無理やりに押さえ込む。
だって失くしたものがもう戻らないとわかったら、自分の全てがそこで終わってしまうのだ。
狭い通路だと思ったのはそこだけで、一旦抜けてしまえば広々とした人工の通路が奈落に向かって伸びていく。
銀河旋風の名を冠した巨大なロボットが、底のない闇に向かって落ちていく。
その機体を操るクォヴレー・ゴードンは無言。
時折、何かの反応がないかとレーダーに目をやる他は、ただ永遠に続くかと思われる底なしの闇を睨みつけている。
結局、どんなにクレーターの周囲を探しても無駄だった。
だからといって、クレーターの中心を探すことは躊躇われた。
そこにイキマの、最後の仲間の死を証明するものが存在していたら?
そうなれば最早、自分の心は耐え切れない。
それが無意識のうちにわかっていた。
クォヴレーの記憶は、このバトルロワイアルの記憶だけが全て。
ゆえにそこで出会った仲間は、彼の記憶の全て、精神の全てとも言えるほどの容量を占めている。
77 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:28:39 ID:ACBimkiz
78 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:28:44 ID:BUW8xxnJ
例えば、自分にとって大事な隣人が死んだ時、心にぽっかり穴が開いたように感じるという話がある。
大切な人間との出会い、思い出。
それらが自分の心の中で大きなウェートを占めているならば、そうであるほどにその人間が亡くなった時に生じる喪失感は大きい。
そしてこのバトルロワイアルが始まってから、ずっと行動を共にしてきた男、トウマが死んだ。
クォヴレーにとっては、まさに半身をもぎ取られたに等しい喪失感だった。
一般論ならば、その喪失感を埋めるために様々な方法があるだろう。
ゆっくりと少しずつ、時間をかけて、様々な方法でその喪失感を埋めればいい。
だがここはバトルロワイアルの舞台。そんな猶予をクォヴレーに与えてはくれなかった。
だから激しい怒りと狂気で心の穴を埋めた。
そうしなければ前へ進めなかったから。
そこにとどまって悲しみに浸ることを状況が許してくれなかったから。
軋む心を怒りで無理矢理繋ぎとめ、悲鳴をあげる本能を狂気で押さえ込む。
だがそれはいつまでも続くものではない。そんな無茶に耐えられなくなるときがやってくる。
トウマに続きイキマを失えば、それは決定的となる。
だからクォヴレーは無意味とも思える捜索を今まで続けていたのだ。
しかしこのままでは結局のところ堂々巡りだ。
理性が働きかける。前へ進めと。
本能が拒否する。進みたくないと。
その葛藤の果てに――――クォヴレーは前へ進むことを選んだ。
轟音。
ブライガーが目指す先の闇から、大きな振動と共にそれはやってきた。
「――――ッ!?」
何かの爆発か。
一旦、そこで止まって様子を見る。
さらに爆発。また連続で爆発。
その音が暗闇から聞こえてくる。
揺れも心なしか大きくなってきている。
「何が起こっている……!イキマに何かあったのか!?」
焦りが狂気と怯えを増幅する。
ぎしぎしと頭の中で嫌な音がする。
視界が狭くなる。
心臓の鼓動が大きくなり、それがうるさくてたまらず、さらに神経を磨耗させる。
80 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:28:52 ID:S5yFseDe
81 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:28:53 ID:Zk4A+uCv
82 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:29:01 ID:ACBimkiz
その時、ブライガーのレーダーが反応した。
「……熱源1?近づいてくる……イキマ……か……それとも……?」
クォヴレーは気づくはずもないが、それはこの爆発を起こした張本人。
そしてその爆発から逃れるべく地上へ向かってグランゾンを進ませる木原マサキの反応だった。
二機の接触まで、あとわずか。
【木原マサキ 搭乗機体:グランゾン(スーパーロボット大戦OG)
機体状況:内部機器類、(レーダーやバリアなど)に加え通信機も異常。照準のズレ修正済み(精密射撃に僅かな支障)。
右腕に損傷、左足の動きが悪い。EN2/3ほど消費(徐々に回復中)。グラビトロンカノン残弾0/2
シュウの魂とカバラシステムを併用することで一度だけネオグランゾンの力を使うことができます。
パイロット状態:激しい怒り、疲労、睡眠不足 、胸部と左腕打撲 、右腕出血(操縦には支障なし)
現在位置:D-6 アースクレイドルと地上を結ぶ通路を上昇中
第一行動方針:ユーゼスを殺す。そのために奴の保険を全て暴く手段を考える。
最終行動方針:ユーゼスを殺す
備考:グランゾンのブラックボックスを解析(特異点についてはまだ把握していません)。
首輪を取り外しました。
首輪3つ保有。首輪100%解析済み。 クォヴレーの失われた記憶に興味を抱いています。
機体と首輪のGPS機能が念動力によって作動していると知りました。ダイダルゲートの仕組みを知りました。
ユーゼスの目的を知りました。】
【クォヴレー・ゴードン 搭乗機体:ブライガー(銀河旋風ブライガー)
パイロット状態:錯乱状態。極度の疑心暗鬼。精神崩壊寸前。全てに対する重度の迷い。
これ以上の仲間喪失に対する恐怖。不安、焦燥。正常な判断能力の喪失?
記憶に混乱が。更に、記憶を取り戻すことに対し恐怖。
機体状況:右手首損失。ブライカノン装着。コズモワインダー損失。オイルで血塗れ。EN中消費。
現在位置: D―6地下。アースクレイドルに通じる通路を下降中。
第一行動方針:イキマを見付ける。彼を絶対に死なせない(けど、もしかしたら……)
第二行動指針:デビルガンダム(ディス・アストラナガン)の抹殺
第三行動方針:マサキ、ラミアの抹殺
第四行動方針:マーダーの全滅(イキマ以外、全員がマーダーに見えている?)
第五行動方針:なんとか記憶を……しかし……?
最終行動方針:ユーゼス、及び生存中のマーダーの全滅。これ以上、仲間を絶対に失わせない。
備考:本来4人乗りのブライガーを単独で操縦するため、性能を100%引き出すのは困難。
主に攻撃面に支障。ブライシンクロンのタイムリミット、あと7時間前後
トロニウムエンジン所持。
ディス・アストラナガンと接触することにより、失われた記憶に影響が……?
マサキ、ラミアを敵視。シロッコは死亡したと誤認。
ディス・アストラナガンをデビルガンダム(または同質の存在)だと思い込んでいる
空間操作装置の存在を認識。D−3、E−7の地下に設置されていると推測
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測
ラミア・ラヴレスがジョーカーであることを認識】
84 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:29:43 ID:ACBimkiz
85 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:29:54 ID:BUW8xxnJ
◆ ◆ ◆
燃えている。
この閉ざされた空間から見える空には、いつも巨大戦艦ヘルモーズの姿があった。
それが燃えている。
落ちるか。
ついにユーゼスの牙城が。
「……見ているか、お前たち」
その光景を見てイキマは呟く。
この戦いの中で散っていった仲間たち。
この戦いが無ければ手を握ることは無かったであろう、人間たちに向かって。
あと少し。
かならずやユーゼスを倒し、お前たちの無念を晴らす。
急ぐ身ではあるが、ほんのわずかな時間だけ。
仲間たちの顔を思い浮かべ、目を閉じた。
「……む?」
そしてやがて異変に気付く。
このフィールドの周囲を囲む光の壁がわずかずつ色を失っていく。
それはダイダルゲートが閉鎖空間を形成する機能を失い始めた証だ。
もちろんそれをイキマが知る術は無い。
そしてディス・アストラナガンで空を飛んでいるから気付かない。
大地が震えていることに。
世界が終わりを告げていることに。
「……急ぐか。嫌な予感がする」
だが虫の知らせとでも言おうか。
例えようもないおぼろげな感覚がイキマの心にさざ波を立てていた。
加速するディス・アストラナガン。
グランゾンとラーゼフォンが生み出した巨大なクレーターが、みるみるうちに大きくなっていた。
【イキマ 搭乗機体: ディス・アストラナガン(第3次スーパーロボット大戦α)
パイロット状況:戦闘でのダメージあり(応急手当済み)
マサキを警戒。ゲームが終わっていないと判断
機体状況:両腕、および左足大腿部以下消滅 少しずつ再生中。
故障した推進機器も、移動に支障が無い程度に回復。
イングラムの魂が融合。現在は休眠状態。
現在位置:D−6
第一行動方針:クォヴレーを説得し、ディス・アストラナガンに乗せる
最終行動方針:ゲームをどうにかして終わらせる
備考:デビルガンダム関係の意識はミオとの遭遇で一新されました。
空間操作装置の存在を認識。D−3、E−7の地下に設置されていると推測
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測 】
【三日目 9:50】
87 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:29:59 ID:c3rKD6Dd
かなめだったのか…
ウィスパード+ODEは唐突過ぎるだろJK
88 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:30:00 ID:S5yFseDe
89 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:30:20 ID:duD6kurQ
90 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:30:26 ID:76tXz73w
投下終了です。大量の支援、ありがとうございました。
92 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:32:24 ID:S5yFseDe
93 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:33:31 ID:c3rKD6Dd
っていうかせまるニックオブタイム読んでウィスパード登場させました臭がプンプンするんだよなあ…
今までかなめであるというフラグは?っていうか木原マサキってウィスパードだったっけ?
色々おかしいんじゃないの?
フラグ無視してるし破棄破棄
94 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:35:12 ID:S5yFseDe
投下乙!
マサキVSユーゼスの戦闘描写が秀逸!
まさかのODEシステムの犠牲者は千鳥!
意外な展開と手に汗を握る展開が交差して、興奮しました。
GJ!
95 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:36:04 ID:c3rKD6Dd
チドリも参加者…なのか?
96 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:36:56 ID:c3rKD6Dd
NTってOTとは交信できないよな?
ウィスパードと非ウィスパードとは無理なわけだし…しかもODEシステムって別にウィスパード必要とはしないしな…
自己リレー?
97 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:42:23 ID:CbNMOqtf
スパロボJでマサキもウィスパードだったからじゃね?
唐突感は否めないが
98 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:44:17 ID:c3rKD6Dd
>>97 それはそれ これはこれ
スパヒロ厨の次は改変厨かよ・・・スパ厨らしいといえばスパ厨らしいが
99 :
それも名無しだ:2008/03/02(日) 23:46:00 ID:Xm9Xa63c
投下お疲れ様です
マサキ対ユーゼス、グランゾン対ヴァルシオンの、ある種反則とも言えるレベルでの対決が熱かった
凄く物語に引き込まれました
反則というレベルじゃねーぞ
>>96 話読む限り木原マサキに情報流したのはウィパードの力じゃなくてかなめがロワの過程で触れた
アカシックレコードの力じゃ?
チェンジゲッターの竜馬や漫画の真ゲに取り込まれた人間が知った情報みたいに
別にウィスパードである必要はないけどODEシステムに要求される処理能力で選出してるんなら
ウィスパードであることは十分条件じゃない?
>>101 作者がID変えして反論か。
唐突過ぎてどうしようも無いのよ。
アカレコで誤魔化してるけど設定変換厨としかイイ様が無い品。
フルメタっぽい書き方で誤魔化そうとしてるんだろうよ。
つーか、むしろリミピッドチャンネルだろ。
>>98 改変って言ってもこのマサキは原作のマサキじゃなかったわけだしJの設定を持っていてもいいだろう
千鳥本人が出場してたらこげに揉めはせんかったろうにのう。
外野からの干渉はゲッター線とゾフィーとこれで三つ目か?
……文句があるなら避難所に投下された時に言えばいいのに。
ともあれ投下乙です。GJ!
>>104 そんなこと言ったら参加者同士でもっと知り合いとかいたことになるだろ
原作での設定以外はなしってのが基本的なルール
んじゃ破棄って事で
別にJ設定ってわけじゃないだろう、受け取り方次第でそう考えることも出来るかもしれんが
結局お約束のゲッター線とかそっちのほうが動いた結果みたいだし
まあこれまでにも何度かあった展開だしw今となってはたいした問題でもないなぁ
それにしてもダイダルゲート破壊によって、
またミオのフラグ消化が他のキャラに先を越された罠w
ID変えてまでご苦労ですね 作者さん
リミピッドチャンネルを使った交信ということにすれば矛盾しないんじゃないか?
156話で存在自体は示されてるんだし。
ヴィジョンとして見えるのはウィスパードのみ…まさかネオグラにTAROSが?
>>ID:g+1jfk0m
うるさい。
>>113 ゲッターの力を持ってすれば造作もありません
さっきまでトライガン読んでたもんだからタイトル見てニヤニヤしちまった。
前スレ
>>726-727あたりでウィスパード設定はよくないと指摘あったのに変更しなかったのはやはり問題があると思うな。
外世界からの介入はスパロボという作品上ある意味必然だと思うが、既存のキャラに新設定加えるのはいかんだろ?
例えば何の脈絡もなく突然アキトがνガンのファンネル使えました。とか言われたらポカーンとなるだろ?
それと同じだ。特に今回はリピッドチャンネル等の代案も出てたんだし。一度修正してみれば?
>>117 修正後のはかなめからマサキへの情報の譲渡にウィスパードの関係してなくね?
アカレコ経由で送ってるように見えるんだが
もしかしたら細かい比喩とかの部分がフルメタの写しだったりするのか?
まあ、かなめの登場そのものが唐突な感はある。
そこだけでも何とか修正効かん物かな?
120 :
それも名無しだ:2008/03/04(火) 23:44:15 ID:iLxhfhd+ BE:599985555-2BP(30)
かなめという名前出さなければ多少変わるな。
そこは変える必要はないだろ。ODE登場自体が結構唐突なんだし。
ODEシステムの登場が唐突なんだから誰核にしても唐突なのは変わらなくないか?
ロワに宗介が参加してる分まだマシな方だと思うが
何はともあれこのロワにまだこれだけ議論する力が残ってて嬉しい。
てっきりもう過疎りまくってるかと思ったよ。
ユーゼスが複数の世界の超技術を基にしてゼストを造ろうとしていることとその技術の中にラムダドライバが入っていること。
この二つが以前から描写されてるからウィスパードの登場自体はそれ程問題じゃないんじゃない?
かなめ関連もこの一話で決着して後には持ち越さないわけだし。
予約知らずでぶち込んだ新人さんのでもよかったかなーって倦怠感が。
結局理屈が明言されていなくて、いくらでも矛盾しない理屈がつく以上問題無しでいいだろ。
そうか?つい最近理屈では可能なことを、サイズがどうこうと難癖つけられて
改悪することになった例をみたばかりだが?
しかも今回は改悪とはいえない内容だし。
>>127 何言ってるかわからないんだが、通しということに問題があるのか?
逆に何故粘着即レスしてまで養護してるのかわからんがな。
作者必死すぎwwwって煽ったほうがいいか?
正直「俺はこの展開が気に食わないから直せ」って言ってるようにしか見えんのだが
情報の受け渡しはゲッター線とグランゾン(ryのおかげじゃないのか?
宗介も参加してたしかなめが出てきても良いと思うんだが
一応理屈はついてるし、通しで良いと思うけど
細かいところ見たらと思うのは何も今回に限った話じゃないし
ゲッター炉心近くにあったっけ?
この会場ってゲッター線が降り注いでるって設定じゃなかったっけ?
んじゃヤバイ事になるないろいろと
竜馬がゲッター線召喚してそれをデビルガンダムが取り込んでさらにそれをゼストとダイダルゲートが取り込んで・・・じゃなかったか?
マサキへの情報の受け渡しもシュウが溶けたグランゾンが仲介した、で解釈できるしな
それと
>>117、問題にされてたのは「ささやく者」っていう設定であってウィスパードそのものじゃない。
まあマサキがウィスパードだからいけたってんならおかしいけどな
別に通しで良いじゃん、超展開が嫌なら2ndに行けや
別におまえがレスしなくても放っておけば通る話だろ。
一々おわった話を蒸し返すな。
そういえばこのロワ内のゲッター線は原作設定?
それともスパロボ補正付きの「アカレコの意思の一形態」って設定になるの?
竜馬が召喚?されたから原作じゃね?
終盤だけど新規って参加できる?
ルールを守るのならいつでもウェルカムなのがスパロワです
よし、じゃあイキマ、クォヴレー、マサキ、ユーゼス予約
トリップを付けるんだ!とアドバイスするのも私だ。
頑張ってくれ。
つけたいけど、今PCが規制されてて携帯でしかできないんだ
携帯でもトリップは付けられるぞ
146 :
♯2173:2008/03/13(木) 23:57:47 ID:oxzrlfTD
これでいい?
解除された?
テスト
お、ついに動くか?頑張れ
ああ、やばいよやばい
イキマに絶体絶命の死亡フラグがぁぁぁぁ
対主催展開でも欝展開でも、どういう展開になろうと死ぬような気がしてならねぇぇぇぇ
150 :
それも名無しだ:2008/03/14(金) 20:51:08 ID:geT8cOB5 BE:479988454-2BP(30)
スパヒロ厨以外ならおk
スパヒロはやったことないんであんまりないと思う…
なんか結構長文なんだけど大丈夫かな?
152 :
それも名無しだ:2008/03/14(金) 23:22:24 ID:geT8cOB5 BE:839979375-2BP(30)
悪い所は瞬殺でいきますからそのつもりで
SSスレで長文の何を恐れるのか
154 :
それも名無しだ:2008/03/15(土) 00:23:28 ID:4DHcy3OD BE:143997023-2BP(30)
SSスレの中でもダラダラとした長文と思わせるぐらいの長文なんだよ。
投稿限界ギリギリの
大丈夫、世の中には100レスに及ぶSSの投稿が有った企画だってあるんだから
今のところ51KBでこれから修正するんだけど、期限って二週間でいいんだっけ?
本スレに投下する前に一度避難所に投下して意見を聞いてみるのもいいんじゃなかろうか。
わかりました。避難所に明日投下してみます。
おおっ、一気に話が動く予感!
どうなるイキマの命運w
避難所に投下しました。ご意見ご感想お願いします
投下キター!!実にGJ!
ぱっと見では内容的には特に問題はないと思うけど、改行はしとくべきだと思う。
あとタイトルもよろしく。
それにしても、ついにクォヴレー始まったー!……ちっ(←待て)
162 :
それも名無しだ:2008/03/15(土) 20:24:57 ID:4DHcy3OD BE:239994252-2BP(30)
誰かコピペ頼む。
クォヴレーってシロッコが死んだと誤認してなかったっけ?
あと、ヴァルシオンがGPSで再生しなかったのも気になるかも。
まあどちらも、ある程度は説明つけられるんだけど。
だが何はともあれ、投下乙!
>>163 シロッコはイングラムの記憶を引き継いだため、ヴァルシオンは前話でCPSが破損しているのと
機体半分を再生するエネルギーを転移に回したためと考えてます。
>>161 すいません、読みにくかったですねorz
タイトルは「悪魔転生」です
GJ!!
イキマかっけえええええ!!!邪魔大王国にはジョセフがいたのかwwww
冥王はしぶといな。まだまだ色々やらかしそうだ
投下乙! GJ!
クォヴレー、遂に復活! イキマもかっけぇ!!
ただ、乗っていたのがイキマとはいえ、ディス・アストラナガンを思いの外
あっさりと受け入れましたね。後半の展開も含めて、仲間は偉大だということですね!
>>165に同じく、まさかのジョジョパロにワロたww
167 :
それも名無しだ:2008/03/15(土) 23:06:08 ID:4DHcy3OD BE:575985683-2BP(30)
コピペよろしく
もし特に問題がないようなら近日中にここに投下します。
が、自分でもアレかなと思うのがE-7を決戦の場所と定めたことと機体の追加なんです。
一応参加者には渡らないようフィールド内に隠してあったと考えてるんですが。
169 :
それも名無しだ:2008/03/15(土) 23:48:52 ID:4DHcy3OD BE:1727957489-2BP(30)
なぜ今やらないの?
170 :
それも名無しだ:2008/03/15(土) 23:49:39 ID:4DHcy3OD BE:1343967078-2BP(30)
決戦の場なら展開上移動できるだろ
>>168 別にそれ自体は問題ないと思う。
ただ、それは別として……E−7にある空間操作装置だけど、そもそも
空間操作装置=ダイダルゲート(破壊済)じゃなかったっけ?
ちょっとこの辺混乱してる、的外れな指摘だったらスマン。
>>171 ホントだorzイキマの推測と禁止エリア指定から空間操作装置とダイダルゲートは別物って考えてました
てか空間操作装置が無事ならそもそもフィールド崩壊しないですもんね・・・
E-7は緊急時のセーフハウスみたいな施設ってことに変更します
プリ助……死んでない連中という鬼札の存在をわざわざバラしおってからに。
あと対主催が確定してないのがラミアだけか。最終決戦は近い。
とはいえ残りも思惑は色々あるから一致団結とはいかないし、マシンに細工してある可能性もあるから油断できないな。特にディストラ。
>プリ助……死んでない連中という鬼札の存在をわざわざバラしおってからに。
ちょww教官www
さすがにコレばらしたらゾフィーなフォルカはまだしも
ミオは本気で存在意義なくなりかねんので、その辺ぼかすなりして修正したほうがいいのかもw
しかしこの娘、どんどん自分の持ってるフラグの消化を他人に先越されてるなw
ああ、つくづくカイザーブレードが惜しかった
そもそも支給機体はユーゼスが作った複製品って設定じゃなかったっけ?
少なくともPONは作中で言及してたから贋作のはず。
ディストラはディス・レヴの設定が特殊なんで、本物を盧獲したもんだと。
次元転移機能を必要とするとことか。
でもマジンカイザーのモードを見るに複製でも同等の力だと思ってます
ユーゼスならディス・レヴ込みで完全な形で複製できそうだからどちらでも問題ないでしょ
ぐは、鳥バレしとるorz
>>178 一応今の内に新トリ提示してもらえないでしょうか?
ID変わった後とかに貴方のふりして勝手に破棄宣言する輩がいないとは言い切れませんので。
/ ̄ ヽっ Γ ̄ ̄l
tf´ ゚ `ーt_つ l |
f\ `ー=、ミ __l l |
ヽ/>、 .>' ヽ r=z―rt 、_____r‐r=====ュ`‐┐
\ ヽ/,. tへ } ̄ ヽ ヾ彡|」__ \ |_VlV_/ \
\/ ( ___ | ̄| |  ̄ ̄ ̄ヽ<∨フ圀 \ \
} .{ l__」 ' ∨ ヘ \ \
人 r‐ュ\ {勿 '. l ∧ \
/: : :\__ へ V |
/\: : : : : : : : : : :> /⌒ヽ |
( <ゝL廴l_l__lノ / /`┬′
\/ ヽ \ ヽ / /l: : : :|
181 :
♯かっこう:2008/03/16(日) 02:52:52 ID:jdURM+sc
すいません誤爆しました
新鳥これでいきます
半角じゃないとダメなんですねorz
これで。連投ほんとすいません…
たまにあるあるw
昔はそれで本名晒しちゃった馬鹿もいたなぁ。ほんと昔で極稀だけど。
ユーゼスも追い詰められまくりだな。
グレートゼオライマーでも持ち出さん限りマサキにラスボスの座を乗っ取られそうだ。
そう言えばシロッコも旧スパロボでラスボスやったこともあったが。
>>185 そのくせ第2次Gじゃ増援でやってきたボスボロットに怯んで撤退するというヘタレっぷり
187 :
それも名無しだ:2008/03/16(日) 05:03:39 ID:U9DgJaO0 BE:1007975467-2BP(30)
ボスボロットは補給用だから地味に怖いだろ?
>>174 いちお、クォヴレーだけが計画を脅かす敵じゃなく反逆の意志があるやつがいるってことを強調したかったんです
マサキも計画を壊すキャラではあるけど、イングラムから見てもさすがに敵だろうし
とすると残ってて裏がない対主催ってのはその二人しかいなかったんです
あと追加機体は適当に選んだんで、他にいいのがあればそっちに変えるかもしれません。
そこそこ強いけど一点ものには届かないっていうレベルで考えてます
>>185 シロッコさんはデビルガンダムに搭乗した事もあるぜ
>>188 他にも反逆の意志がある奴は居るぞ、レベルでいいんじゃ無い?
ミオ特に素でユーゼスに死んでると思われてるキャラだし。
>>188 >あと追加機体は適当に選んだんで、他にいいのがあればそっちに変えるかもしれません。
その辺は適当にぼかして書いて他の人に任せるってのもありかと。
しかしシロッコはもう脱出するにはクォヴレー側に付くしかなくなったか?
もう欲を出しいてられる状況じゃない感じだしなあ。
・改行
・空間操作装置
・フォルカとミオの扱い
修正はこの辺りでよろしいでしょうか?
あとジョセフのセリフは悪ノリしすぎかと思ったんですが、大丈夫そうなんでジョジョ台詞もう少し追加します
>>192 あとは追加機体を適当にぼかしたら問題ないんじゃないか
>大丈夫そうなんでジョジョ台詞もう少し追加します
ちょwww追加するんかwww
まあほどほどになw
遅れてすまんがやっと読む時間が取れたので、もしまだ間に合うならツッコミいれさせて。
>>280の真ん中辺なんだが、冥王がディストラに乗ってるのがイキマだと
断定する根拠が少し弱い気がする。
戦闘音に気づいてやって来た他の生き残りの誰か、と判断する可能性の方が高いんじゃないか?
もし贅沢を言うならば、久保が精神崩壊寸前の割にはやや冷静な印象を受けたので、
ギリギリまであのボロボロ状態を丁寧に引っ張って書けたら、覚醒が活きてくると思う。
何はともあれ、超GJ!
鬱展開好きとしては個人的にちょっと惜しいが燃えたぜw
では修正して月曜夜9時くらいに本投下します。
見てる方いましたら支援お願いします
投下まだかな?
すいません、前の話読んでたらユーゼスがフォルカ生きてることを知ってたので修正してました。
投下します
「この反応…地下からか!?」
先程から爆発が続くアースクレイドル内部。
そこへ下る通路を進むブライガーのレーダーに、一つの光点が灯る。
このスピードなら接触は間近だ。散漫になっていた意識を集中する。
接近する機体に誰が乗っているかはわからない。
だが、今のクォヴレーにとって仲間と言える存在はイキマだけだ。
つまり誰が乗っているのであれ、彼にとっては敵であることに変わりはない。
素早く機体のコンディションをチェックする。
右手首及びコズモワインダー損失。
火器を失ったのは痛いが、広範囲にビームを放射できるブライソードがある。
頭部より発射されるソニックビーム、腰部より投擲されるブライブーメラン。
胸部より発射するドラムバズーカ、鎖分銅のついたブライスピア。
そしてブライカノン。発射する際に腕部で保持する必要がある以上、右手首を失った今、正確な照準はできない。
誰かがともに乗っていれば話は違ったのだが…。
脳裏に浮かぶ友の顔を振り払い、気を引き締める。
戦闘は可能。左腕にブライソードを構え、熱源を待ち受ける。
やがて、現れたのは・・・
□
「あの機体は…クォヴレー・ゴードンか」
ユーゼスとの戦闘から撤退したマサキが出会ったのは、かつて銀河を駆け抜けた正義の旋風。
しかし、乗っているのは本来のパイロットではない。
「ディス・レヴ…死者の魂を取り込んで力にする装置だったか」
あの女が伝えてきた情報の中には負の無限力に連なるディス・レヴの情報もあった。
全てを理解できた訳ではないが、ユーゼスは特に警戒していたのだろう。
そのディス・レヴを宿す機体、ディス・アストラナガンの情報は詳細に記録されていた。
並行世界を渡る虚空の使者。そしてそのパイロット。
マサキはユーゼスとイングラム、そしてクォヴレーの間にある因縁を知らない。
だがわざわざ記憶を奪った以上、虚空の使者とやらはユーゼスにとって何かしらの意味があるのだろう。
しかしクォヴレーが肝心のディス・アストラナガンに乗っていない今、その情報に価値はない。
マサキが出方を決め損ねている内に声が響く。
「貴様…木原マサキか!」
迸るような憎悪とともに名を呼ばれ、マサキは口を歪めた。
「クォヴレー・ゴードンか。こんなところで何をしている?あのイキマとかいうクズを探さなくていいのか?」
「それは貴様を殺してからだ…ッ!」
喋る間も惜しいのか、そのまま斬りかかってきた。
振り下ろされる剣をグランワームソードで弾き返す。
(チッ、この通路ではワームホールを使った機動はできんか…!)
そう判断し、牽制としてワームスマッシャーを放ち、ブライガーが後退する。
その隙にグランゾンは地上へと脱出すべく、全速力で上昇していった。
「待て、逃げるな!木原マサキッ!」
追いすがる声を嘲笑う。逃げる?この俺様が、貴様ごときクズを相手に?
「笑わせる…!ついて来いクォヴレー・ゴードン!仲間のもとへ送ってやる!」
たとえユーゼスが何を考えていようと関係ない。
むしろ奴の予想を潰せるかもしれないのだ、ここでクォヴレーを殺すことで。
マサキは愉悦を隠そうともせず、地上へと飛び出した。
□
「木原マサキッ!」
グランゾンを追って地上へ出たブライガー。焦りを抑えつけ敵影を探す。
「どこだ…、っく!?」
唐突に揺れる機体。着弾したようだ。
レーダーに目を走らせるも、周囲に反応はない。
その間にも敵弾は途切れず、クォヴレーは必死に回避行動を取る。
「自立兵器か…?いや、熱源はない。だとするなら…」
その時、体を氷柱が貫くような悪寒が走る。
その悪寒に突き動かされ、意識すらせず機体を振り向かせ、ブライソードを構える。
はたしてそこには、まるで転移してきたかのように現れたグランゾンが剣を振りかぶっていた。
「何ッ!?」
ぎりぎりで受け止めたものの、際どいタイミングだった。
一瞬でも反応が遅れていれば機体は両断されていただろう。
「ほう…中々やるじゃないか。さすがは虚空の使者といったところか?」
「虚空の使者・・・だと?どういうことだ」
「知る必要はないさ。どうせ貴様はここで死ぬのだからな!」
グランゾンが突進してくる。迎撃のドラムバズーカを放つ、だが。
「ッ!消えただと?」
当たるはずだったビームは何もない空間を貫く。
たった今までグランゾンはそこにいたのに。
「待て、転移してきたように…?まさかッ!」
慌てて機体を後退させると、やはり何もない場所から飛来した光弾が目前を駆け抜けた。
これで確信した。つまり奴は…!
「自機や砲弾を自在に転移させられるということか…ッ!」
それは圧倒的とも言えるアドバンテージだ。
敵に一方的に攻撃の主導権を握られるこの状況、ブライガーに対抗できる機能は…
「どうしたッ!何もできずに震えているだけか!?」
止まない砲撃を歯噛みし、耐える。
移動しながらの単発の砲撃では、ブライガーは落とせはしない。
勝負を決するために更なる一手を放ってくるだろう。
それを待つ。
「ここまでだ!死ねッ!」
業を煮やしたか、グランゾンが距離をとりチャージを開始する。
チャンスだが、まだだ。ここで焦ってもやつに辿り着くまでに攻撃が来る。
時間をかけている分、今までの攻撃とは比べ物にならないものが。
つまり、それさえ凌げば…!
「消し飛べ!ワームスマッシャー!」
グランゾンの胸部から連続して光弾が放たれる。
それは敵機の目前に開いたワームホールを通過し、こちらの至近距離で実体化、檻のように展開され、ピンボールのように荒れ狂う。
だが、
「この攻撃を…待っていたぞッ!」
クォヴレーは怯まず機体を旋回させる。
ブライソードビーム、広範囲に展開されるビームのカーテン。
巻き込まれたワームスマッシャーは誘爆し、後に残ったのは動きの止まったグランゾン。
「なんだとッ!?」
マサキは知らず、クォヴレー自身も記憶にはないことだが。
かつてクォヴレーが乗っていた機体には自立兵装が搭載されていた。
転移する砲弾ではないが、用途はほぼ同じなのだ。
どうすれば最大効率の攻撃ができるのかは体が覚えていた。
つまり、敵機を包囲しての十字砲火。
切られるカードがわかっているなら対応は容易い。
「もらったぞ、木原マサキッ!」
あれだけの攻撃だ、消費するエネルギーも少なくないだろう。
この隙に仕留める…!
□
「く…ッ!クズの分際で!」
あの攻撃を凌がれたのは痛い。
敵機を剣で切り払いつつ、マサキは思考を巡らせる。
今の攻撃でエネルギーはさらに減少した。
自動で回復するとしても、戦闘中にどれだけの効果が見込めるか。
ブラックホールクラスターは撃ててあと一撃、それもエネルギーを使い尽すリスクがある。
真の力を引き出せば容易くこのクズを殺せるのだろうが、それは論外だ。
スピードならこのグランゾンが圧倒している。
撤退を手段の一つと考えたとき、レーダーに新たな反応が現れた。
(この反応…ユーゼスか?いや、やつの目的を考えればこの戦闘に介入する理由はない。だとすれば…)
生き残っている参加者で、他者の戦闘に介入する可能性を持つ者。
ラミア・ラヴレス、もっともあり得るとすればユーゼスの犬たるこいつだ。
だが先の戦闘でユーゼスは彼女を出してこなかった、つまりこいつは今独自に行動している。
そして先ほどの戦いで一機では勝てないと悟ったはずだ。
ならば確実に自分を仕留めるために、参加者を扇動し集団で動くだろう。
(一人でノコノコとやってくるほど愚かでもないだろうしな)
パプティマス・シロッコ、奴はない。
奴からはどことなく自分と似た空気を感じる。
すなわち自らの手を汚さず他者を操り、弄び、利用することを躊躇わない者。
そんな奴が一人で行動?あり得ない。
なら残っている者は一人。
そう、目の前の男を仲間と呼び、ともに行動していた…。
「…クク、クハハッ。アーッハッハッハッハッハッハッハッハッ!」
マサキの哄笑が響く。
あのクズならば来るだろう。
この殺し合いの中で、「仲間」などという何の価値もないものに拘っているのだから!
まさに神は俺に味方している!
ワームスマッシャーを放つ。
敵機が後退、その一瞬の間隙を衝き、フルドライブ。
一気に空域を離脱する。
「何ッ・・・?何所へ行く、木原マサキッ!」
追いすがってくるクォヴレー。
そうだ、ついて来てもらわねば困る。
お楽しみはここからなのだから。
やがてグランゾンのモニターに一機のロボットが映る。なんと形容したものか、まさに悪魔のような機体だった。
(あの機体は…ディス・アストラナガンか。フン、偶然とはいえ皮肉なものだな?)
自らを追ってくる哀れな男に向けて嘲笑を送る。
今からお前は仲間と愛機、両方を失うのだ、と。
□
「あれは…戦闘しているのか?」
D-6エリアに辿り着いたイキマ。
彼が感知したものは戦闘とおぼしき反応。
「誰が戦っている…?ユーゼスか?」
もはや生き残っている参加者は少ない。
その可能性は十分考えられた、だが。
(違う…あれはユーゼスではない)
頭に唐突に響く声。
「ッ!?なんだ貴様は!?」
人間ではない彼も、さすがに驚いて声を上げる。
(俺は敵ではない…イングラム・プリスケン。ミオから聞いただろう)
こちらの問いにも答える。幻聴ではないようだ。
「イングラム?死亡した参加者のイングラム・プリスケンか?」
その名には聞き覚えがある。仲間の一人、リュウセイの教官にして戦友。反逆の牙を最初に掲げた男。
(そうだ…。今の俺の魂はこの機体とともにある。信じてくれ、敵ではない)
男の思念にはどこか焦っているような響きがあった。
あの戦闘が気になっているようだ。どのみち彼を疑うつもりはない。
仲間が信じたのだ、敵であろうはずがない。
「ユーゼスではない?なら誰だ?」
問い質したいことはいくらでもあるが、今は状況を確認する方が先決だ。
そう思い、必要なことのみを聞く。
(…あれは木原マサキだ。シュウ・シラカワの魂を感じる。グランゾンに憑依したのだろう)
彼もまた簡潔に答える。
信じてくれたことに対する感謝も後回しだ。今は…
「木原マサキだと!?生きていたのか…!なら誰と戦っている!?」
問うが、その答えは聞かずとも半ばわかっていた。
このエリアにいるはずの、唯一の仲間…!
(そうだ、クォヴレーだ…。俺と同じ、だが違う魂を持つ男…)
また気になることを言われたが、それも後だ。
クォヴレーとブライガーの戦闘力はたしかに高いが、相手はあの木原マサキ。
何をしてくるかわからない男。
戦闘に介入すべきか。
だが今のアストラナガンの状態は最悪、戦闘などできるはずはない。
が、仲間が戦っているのにただ見ているだけなどと…!
(イキマ!奴が来る!)
迷っているうちに警告が発される。
モニターを見やると、猛スピードでこちらに飛来するグランゾン。
発見されたようだ。
戦闘ができないなどと言える状況ではない…!
翼を広げ意識を集中する。
移動するだけなら支障はない。
せめてクォヴレーの足を引っ張ることは避けなければならない。
グランゾンの後方にブライガーを感知。
まずは呼びかけなければ。
「クォヴレー!俺だ!イキマだ!」
□
逃げ去るグランゾンを追ってこれば、戦場にはもう一機の機体がいた。
悪魔のようなシルエット。
記憶の底にこびり付く、心をざわつかせる機体。
「デビルガンダム…!」
木原マサキ、そしてデビルガンダム。
双方とも仲間を傷つけ、殺し合いを加速させる許せない敵。
距離が離れた今しかない。ブライカノンを…!
「クォヴレー!俺だ!イキマだ!」
響く声に手が止まる。イキマ、だと?
「応答しろ、クォヴレー!」
この声はまぎれもなくイキマだ。だが何故その機体に乗っている!?
「イキマ…なのか?」
見ればグランゾンも停止している。
成り行きを静観するということか?警戒は怠らずイキマに応える。
「俺だ!無事か、クォヴレー!?」
「…俺は大丈夫だ。だがその機体はなんだ?なぜお前がデビルガンダムに乗っている?」
「デビルガンダム?違う、この機体の名はディス・アストラナガンだ!そしてお前がこの機体の本当のパイロットだ!」
疑心も露わな声に戸惑いを感じたのか、強く訂正される。
俺が、あの機体のパイロット?
そしてディス・アストラナガンという名前。
鋭い痛みが頭を駆け抜け、それを押し殺し叫ぶ。
「何を言っている、イキマ!その機体は剣鉄也を助けたんだぞ!」
「剣鉄也!?ええい、奴は死んだ!関係ない!とにかくお前がこの機体の持ち主なんだ!」
剣鉄也が死んだ?いや、それよりも。
イキマの言葉、つい数時間前にもそれと同じ言葉を聞いた。
シロッコ、少女とともにいた男。
シロッコの攻撃により、奴と組んだ殺人者と断定した者たち。
少女を逃がすため囮となり抵抗らしい抵抗もせず、ただ自分を説得しようとしていた男。
あの男の言葉は信じられなかった。
だがイキマは。
彼が嘘をついている?
有り得ない。特に、戦闘中という予断を許さない状況では。
あれはデビルガンダムではない。
あの機体の名、ディス・アストラナガン。
その名を聞く度に、痛みとともに胸中でなにかがざわめく。
俺がそのパイロット、ということは。
「あの男が言っていたことは…正しかったと言うのか?」
つまり、自分は…殺人者ではない、いやむしろゲームに反逆する者を、仲間となれたかもしれない男を殺した?
その考えに至ったとき、心に罅が入ったような気がした。
「…俺、は」
体から力が抜ける。
この場には木原マサキがいることすら忘れ、絶望が全身を満たしていく。
「どうした、クォヴレー!?何があった!?」
イキマが叫んでいる声もどこか遠い。
記憶のないクォヴレーにとって、記憶そのものである仲間という存在。
その仲間を奪う殺人者、排除して然るべき外道。
今や己も――――その一人。
俺は殺人者。
木原マサキや剣鉄也と同じ、いやそれ以下の。
答えることもできず黙っていたそのとき、グランゾンが動いた。
対話に集中していたイキマは反応できず、剣を突き付けられる。
「お別れは済んだか?ならお遊びの時間だな」
「…木原、マサキッ!」
「動くなよ?お前の大切な「仲間」とやらを串刺しにされたくなければ」
加速しようとした機体を押し留める。
あの男はやると言ったらやるだろう。
震える心に蓋をして、今は敵機の一挙手一挙動を見逃すまいと集中する。
「クォヴレー、俺に…があッ!?」
「喋っていいとは言っていないぞ、クズが」
声を上げたイキマ、だがその瞬間ディス・アストラナガンの残った右脚が吹き飛ばされる。
「イキマッ!」
「そら、次はどこを吹き飛ばして欲しい?俺はどこでも構わんぞ?」
愉悦を噛み殺しもしないマサキの声。
イキマは今の衝撃でケガでもしたのか、うめき声すら聞こえない。
「…クッ」
ブライソードを手放す。
落下していくブライソードを一瞥し、マサキは嗤う。
「そうだ、それでいい。ワームスマッシャー!」
光弾がブライガーの左腕に集中し、吹き飛ばした。
これでブライソードはもう使えない。
ブライカノンも戦闘中には使えないだろう。
「ククッ…。クズどもが傷を舐め合うからこうなる。貴様一人ならなんとかなったかも知れんがなぁ?」
マサキの声にも応えられない。
武装を失い、腕部もないブライガーではグランゾンを止められない。
「さて…。そろそろ飽きてきたな。終わりにしようじゃないか」
こちらにもう脅威はないと判断したのか、グランゾンがディス・アストラナガンを片腕で掴み吊り上げる。
もう片方の腕には剣が握られ、引き絞られている。まるで限界まで引かれた弓矢のように。
「ま、待て…ッ!イキマッ!」
「貴様もすぐに送ってやるさ。こいつの後でな!」
声が届かず、剣が突き立てられ…
「そうはさせんよ、木原マサキ」
…なかった。
虚空から現れた剣がグランワームソードを受け止めていた。
重力震とともに新たな機体が現れる。
「貴様…ユーゼス!」
木原マサキの声。
ユーゼス?この殺し合いの主催者か?なぜ奴がイキマを助けた?
混乱するクォヴレー、彼を置き去りに状況は変わる。
「貴様と人形の争いになど興味はないが、この機体を破壊されては困るのでな」
人形…自分のことか。奴は俺のことを知っている。
だがそれも今となってはどうでもいい。
今はイキマが生きていてくれさえすれば…
「その機体をだと?ハッ、どうせ尻尾を巻いて逃げだす算段というところだろう」
「何とでも言うがいい。貴様の機体、大分消耗しているようだな?」
ディス・アストラナガンを放りだしユーゼスの機体に向き直るグランゾン。
傍目から見ても万全とは言い難い。
いくらグランゾンとはいえ、連戦に次ぐ連戦、激戦で堪えない訳がないのだ。
「ちょうど良い。ここで貴様を殺し後顧の憂いを断っておくとしよう」
ユーゼスの機体が剣を構え、グランゾンもそれに倣う。
どうやら自分は眼中にないようだ。
だったら…
「まとめて、消え去れ…ッ!」
二機が激突する瞬間を狙い、ブライカノンを撃つ。
どうせ自分はもう奴らと同じ穴のムジナだ。
不意打ちだろうとなんだろうと構いはしない。
せめてイキマだけでも生き残らせるために…!
砲門は二門、目標も二機。これで全てが終わる、そう思った刹那。
「「邪魔だ…!」」
グランゾンはワームホール、ヴァルシオンはCPSを展開し、ブライカノンのエネルギーをどこかに転移させる。
当たっていない、そう気づいた時には二機から同時に放たれた光弾が機体に直撃し、制御できなくなっていた。
(俺は…死ぬのか…)
薄れゆく意識の中、悪魔が翼を広げこちらに向かってくる。
そんな光景が見えた気がした。
□
「クォヴレー!しっかりしろ、クォヴレー!」
グランゾンの攻撃により気絶していたイキマ。
意識を取り戻したとき、戦況はさらに変化していた。
見慣れぬ機体が自分への攻撃を止め、木原マサキと交戦に入ったのだ。
状況を掴めず逡巡していると、クォヴレーが二機に無謀な攻撃を仕掛けた。
不意を打ったといえば聞こえはいいが、二機を同時に刺激する、勝負を焦った一撃。
案の定その攻撃は防がれ、あまつさえ反撃を食らいブライガーは落ちていった。
どうやら二機は自分とクォヴレーに注意を払う余裕はないらしい。
落ちていくブライガーに体当たりをし、無理やり戦域を離脱する。手足があれば確保して地上に降りることもできるがこの状況ではどうしようもない。
とにかくあの二機から離れなければ。
そうする間も呼び掛けは止めない。
だがクォヴレーの反応はない。
気絶しているだけなら良いが、と焦りつつ機体を操縦していると。
(イキマ…あそこだ。地下への通路がある)
イングラムからの思念が届く。
「地下だと?大丈夫なのか?」
地下通路、つまり人口のもの。
ユーゼスの手の内と考えるべきだろう。
そんなところに突入するのはむしろ危険ではないのか?
(そこに行かなければならない…俺とクォヴレー、そしてこの機体が揃っている今しかないんだ)
答える声には明確な意図があるようだ。なら行ってみるか。
どの道あの二機の性能からすれば逃げ切れないだろう。
ここはイングラムに賭ける。
「わかった…多少手荒だが、我慢しろよクォヴレー!」
ブライガーを落とさぬよう、ディス・アストラナガンはさらに加速して縦穴に突っ込んでいった。
□
(俺は…死んだのか…)
クォヴレーが目を覚ますと、そこは暗闇の世界だった。
木原マサキとユーゼスに無謀な攻撃を仕掛け反撃を食らい、死んだ…はずだった。
(俺には…似合いの世界だな)
周りを見渡しても何もない、純粋な虚無。
殺人者たる自分に相応しい…そう思い、目を閉じ全てを忘れようとしたとき、不意に光が灯る。
(…?)
弱く、消えてしまいそうな光。なんとなく、手に取る。
すると、
(…トウマ)
そこに現れたのは掛け替えのない、…なかった仲間。
彼だけではない、いつの間にか辺りは小さな光で満たされていた。
衝動に抗えず、光に触れる。
光は次々に弾け、人の形を取る。
(…リュウセイ、ジョシュア、セレーナ、エルマ、リョウト、ガルド、ヒイロ…)
このゲームに放り込まれ出会った者たち。そして、
(アラド…そしてゼオラ)
会ったことなどない、だが知っているという確信がある。
紫の髪の少年と、銀髪の少女。
彼らは何も言わず、ただこちらを見つめている。
沈黙に耐えきれず、語りかけようとしたときもう一つ、光が生まれた。
ここで会った者はもういないはず…そう思い、触れる。
現れたのは…
(俺が…殺した男)
彼は本当は正しいことを言っていた。
なのに自分は聞かず、理解しようとせず、憎しみのままに殺した。
彼もまた、黙したまま自分を見据えている。
(そうか…俺に罰を与えに来たのか)
そう考えると不思議と気が楽になった。
自分に生きている資格などない、いくらでも責めてくれ…そう思った瞬間。
(お前はそれでいいのか)
声が聞こえた。
驚いて死者たちを見るが、彼らではない。
そう、この声は知っている。
記憶ではなく、魂が知っているというべきか?
(記憶を奪われ、友を奪われ…今また命すらも差し出すのか?)
聞こえてくる声には怒りと、それ以上の悲しみが感じられた。
(お前は…誰だ?)
(俺は…お前だ)
閃光が走る。
目を開いた時には死者たちは消え、代わりに一人の男が立っていた。
(…イングラム・プリスケン)
(そうだ、クォヴレー・ゴードン。俺の写し身よ)
□
地下通路を下り、あらかた崩壊したドームに辿り着いたイキマ。
開けた場所でブライガーを下ろし、クォヴレーをコクピットから引きずり出す。
彼は意識を失っており、まるで死んだかのような顔色をしていた。
介抱しようとしたところ、
(…待て、そのままアストラナガンに乗せろ)
イングラムがこう言いだしたのだ。
「このまま?起こさなくていいのか?」
(好都合だ。今のそいつはアストラナガンに乗ることを拒むだろう。なら意識がないままでいい、俺が接触する)
彼とクォヴレーには因縁がある。
そう判断したイキマは言われたとおりクォヴレーをディス・アストラナガンのコクピットに乗せる。
(よし…後は俺に任せろ。お前は警戒を頼む…)
遠ざかる声にイキマは言いようのない不安を感じ、言う。
「待て、イングラム。何をするつもりかは知らんが、クォヴレーに危険はないのだろうな?」
(危険…か。どうだろうな…。奴が使命を拒むのであれば…)
それきり、声は聞こえなくなる。
同時にコクピットも閉ざされ、手は出せなくなった。
「…クォヴレー」
今となっては彼にとっても最後の仲間。
種族こそ違えど、その絆に偽りはない。
心配する気持ちを抑え、気を取り直す。
イングラムが事を終えるまで、自分がすべきこと。
クォヴレーが乗っていた機体、こいつを使えるようにすることだろう。
「…使える武装は頭部のビームと腰のブーメラン、胸部のドラムバズーカか。左腕は損失、右腕も手首から先はない。ブライスピアとやらは使えんな」
ブライガーの調子は悪い。
戦闘は不可能ではないが、不可能ではないというだけだ。
それこそ無人機にすら苦戦するだろう。
「ブライカノン…こいつも厳しいな。使うとすれば固定砲台、そんなところか」
これではマサキかユーゼス、どちらが来たとしてもひとたまりもないだろう。
背にのしかかる諦念を振り払い、チェックを続ける。
「ん?これは…セレーナの持っていたエンジンか」
トロニウムエンジンといったか。
超高エネルギーを生み出すレアメタル。
だが今の状況ではその性能も無用の長物だった。
「使うなら爆弾として…か。まああまり使いたくはないが」
一通り調べたところでディス・アストラナガンを見やる。
クォヴレーが人を殺したということはあのミオという少女から聞いた。
殺された男は自分達と同じくこのゲームに抗っていたと。
それを知ったクォヴレーは心に深い傷を負ったろう。
記憶のない彼は仲間を何よりも大事に思い、殺人者を憎んでいた。
なのにその殺人者と同じことをしたのだ、アイデンティティの崩壊は無理からぬことだろう。
(だがな、クォヴレー…。それでも俺達は生きねばならん。散っていった者たちの想いを未来に繋げるためにも)
奴は必ず立ち上がる。
そう、トウマ・カノウやリュウセイ・ダテのような不屈の闘志とともに。
そう信じ、イキマは目を閉じた。
今は少しでも休息を取っておくべきだ。
どのみちクォヴレーが目覚めないことにはここを動けないのだから。
□
(写し身だと?)
イングラムの放った言葉。
己が存在の否定ともとれるそれは不思議と腑に落ちるものだった。
ユーゼスの言った人形という言葉、同じにして違う魂。
つまりそれは…
(俺はお前のコピー、なのか)
(そうだ。ユーゼス亡き後のバルマー帝国が俺を基に作った人造人間。それがお前だ)
人造人間。
なるほど、記憶がなかったのはそのためか。
俺は最初からトウマやジョシュアのような人間ではなかったのか。
不意に笑い出したい衝動に駆られる。
あるはずのない記憶を求め、仲間に縋っていた自分。
滑稽だ。まさしく道化ではないか。
(そうか、始めから俺には何もなかったのか…)
(………)
イングラムは答えない。
こちらの心情を窺っているようでもある。
(それで、そんな愚かな俺に何の用だ?まさかこの体を乗っ取りにきたか?)
諦めがついたのか、普段の自分からは考えられないほどの陽気な声。
(…お前の答え次第では、そうなる)
答えるイングラムの声は重い。
(なら、好きにしろ…持って行け。どうせ俺はもう何もできない。何をする資格もない)
投げやりに答える。
これで楽になれる、そんな気すらする。
お、投下中とはいいタイミング
支援する
すいません、規制されました。
避難所の投下スレに残りを投下しましたので、どなたか代理投下お願いします。
>>300からです。ホントすいません…
(本当に…そう思っているのか?)
だが、返ってきた答えは了承ではなかった。
(本当に、だと?何故偽る必要がある。記憶もない、仲間もいない俺に何をしろと言うんだ)
(記憶、仲間…。たしかにお前は作り出された命だ。だが、お前がここで得たもの、記憶を失う前に得たものは決して幻などではない)
(記憶を失う前…?どういうことだ。俺はこのゲームのために作られたのではないのか?)
(違う。お前は戦っていた。ここではない世界で、かつての俺の仲間たちとともに)
告げられた言葉はまたも大きなものだった。
人形たる自分が、仲間とともに戦っていた?
(それは…どういうことだ!?俺の記憶を知っているのか!?)
(そう、俺は知っている…なぜなら俺もまたお前とともにあったからだ)
(俺と、ともに…だと?)
ただのコピーではないというのか?
いや、そもそも何故この男は俺に語りかけている?
体を奪うつもりなら俺はおそらく抗えないだろう。なのに何故…?
(俺も最初はお前の体を奪うつもりだった)
迷っているうちに話を続けられる。
口を挟んではいけない、そう思った。
(この場所は負の意志が満ちている。だから俺もお前の魂に触れることができた。そしてお前の中に入り込み、お前を消去し、成りかわろうとした、だが)
光が瞬き、思わず目を閉じる。
次の瞬間、そこには先ほど消えたトウマたちが立っていた。
まるで自分をイングラムから守るように。
(お、お前たち…?)
(そう、彼らが俺を阻んだ。お前が消滅することを、彼らは許さなかった)
自分を助けた?人形を、作られた命を?
(いったい、何故…)
(わからないか?死してまで彼らがお前を守る理由が)
死してまで守る理由。
彼らを動かす理由。
自分もかつて持っていた理由。
(俺が…仲間だからか?)
(そうだ。作られた命など関係なく、お前という存在そのものを求めているからだ)
(俺、は…)
(これでもまだ、俺に体を明け渡す気か?)
言われ、言葉に詰まる。
自分は人を殺したのだ、同じ目的を持った同朋を。
許されていいはずがない、そう言おうとした。
(ッ!)
だが言葉は遮られた。
他でもない、己が殺したヴィンデル・マウザーその人によって。
彼はこちらを向いている。
その瞳に射竦められ、クォヴレーは顔を反らす。
逃げてはいけない、そう思いながらもその瞳に見つめられることが怖かったのだ。
彼がこちらへ一歩踏み出す。
クォヴレーは下がることもできなかった。
どのようなことをされても受け入れねばならない、そう覚悟したとき。
クォヴレーの肩を、力強い手が叩いた。
驚きとともにヴィンデルを見やる。
彼は微笑んでいた。
自分を殺したことなど恨んではいない、そんな顔で。
(…!何故だ?何故笑っている!?俺はお前を殺したんだぞ!?)
その笑顔に逆に恐怖を感じ叫ぶ。
だがヴィンデルは何も言わず、肩に置いた手をどけるそぶりもなかった。
(わかるだろう?彼の言いたいことが)
イングラムが告げる。
(俺を…許すというのか?)
(許すのではない。だが恨んでいるのでもない。託すと言っているんだ)
(託す、だと)
(そうだ。ユーゼスの企みを打ち砕き、囚われた魂を解放しろ。それが虚空の使者としての…いいや、このゲームに参加し、生き残ってきたお前の義務だ)
(俺の、義務…?)
(俺はお前の記憶を戻してやれる。だが、俺に取り込まれるならお前はその記憶を知らず、ここでその命を終えることになる。お前が選ぶんだ。俺に全てを引き渡し消えるか、それとも罪を背負い自らの命を全うするか)
(俺が選ぶ…消えるか、生きるか…?)
(もう時間はない。ユーゼスが近付いている。選べ、クォヴレー・ゴードン。イングラム・プリスケンのコピーとしてではなく、ただのクォヴレー・ゴードンとして!)
(俺は…俺は…ッ!)
□
「この反応、ユーゼスか!」
ブライガーのコクピットで待機していたイキマは、接近する反応を感知した。
未だディス・アストラナガンに動きはない。
自分が迎撃せねばならない。
ブライガーを起動させる。
どこまでやれるかはわからないが、黙ってやられるつもりはない。
「お前は死ぬなよ…クォヴレー」
言い置き、飛び立とうとする。
だがふと思い立ち、トロニウムエンジンをパージ、放棄する。
爆弾にでもと思ったが、これが爆発すれば優に1エリアは吹き飛ぶだろう。
半ば崩れかけているアースクレイドルは今度こそ崩壊、クォヴレーは生き埋め。
そんな事態は避けなければならない。
「さて、行くか」
ブライガーを発進させ、地上を目指す。
眠り続ける仲間、その覚醒を信じて。
□
「…ふん、手間取ったものだ。だが、これで邪魔者はいなくなった」
前方に見えるアースクレイドルを見据え、ユーゼスは呟く。
木原マサキとの交戦は、またも相手の撤退により勝負はつかなかった。
撃破したいところではあったが、今は転移手段たるディス・アストラナガンの確保が先決。
そう判断し、イキマとクォヴレーを追ってきたのだが…
「まさかここに逃げ込むとは、な。際どいところだったか」
マサキによってダイダルゲートが破壊された後、ゼストはE-7の地下に転移させた。
マサキと交戦している間にヘルモーズが墜ちたのは予想外だった。
バリアを突破されるとは思っておらず、たとえ突破されたとしてもあそこには所有していたバルシェムを全て配置していた。
参加者が群れをなして襲ってこようとも迎撃できるだけの戦力はあったはずだが…
さすがは修羅王、といったところか。
どうやって生きていたかはわからないが、W17に加え試作型のゼストまで投入したのだ。
奴に関してはもう考える必要はないだろう。
そして万が一ヘルモーズとアースクレイドルを失った時のための保険として用意しておいた整備施設、そこを当面の拠点としたのだが…
まさかマサキとディス・アストラナガンがいきなり出くわすとは。
慌てて介入し、なんとかディス・アストラナガンの破壊は防げたものの、随分と予定が狂ってしまった。
急がねばならない。
フィールドは間もなく崩壊する。
それまでにディス・レヴを確保し、ゼストを完全なものに…
とそこまで
考えたとき、アースクレイドルの上方に熱源を捉えた。
「あれは…ブライガーか。フン、人形の分際で私に牙を剥くとはな」
クォヴレー・ゴードン。
自らの写し身たるイングラムの、そのさらに写し身の存在。
イングラム亡き今、面白い駒ではあったのだが…
「もう遊びの時間は終わりだ。消えてもらおう」
告げる。
最後の言葉くらいは聞いてやろうと待っていると。
「遊びの時間は終わりだと?ふん、そんな余裕はないだけだろう」
聞こえてきた言葉はクォヴレーではなかった。
たしか、イキマ。邪魔大王国とかいう古代の国の民族。
特にこれといった能力もない、ただの参加者。
だが問題は奴ではない。
奴がブライガーに乗っているということは、ディス・アストラナガンに乗っているのはクォヴレーだということ。
まさかとは思うが万一記憶を取り戻されては面倒だ。
木原マサキ以上の脅威となり得る。
保険としてクォヴレーが乗っただけでは記憶は戻らないようにしてある。
奴と融合していたイングラムを引き剥がし、ディス・レヴに封じ込めた。
つまりクォヴレーだけではディス・レヴに干渉することはできないのだ。
「まあ、急ぐに越したことはないな。どけッ!」
苛立ちとともにクロスマッシャーを放つが、軌道を読まれていたのか避けられた。
「どうした?狙いが甘いぞ!」
ソニックビームが放たれる。
だが避けるまでもない、歪曲フィールドに弾かれる。
「これならどうだ!」
今度は胸部から高圧縮されたビームを放ってくる。
これはさすがにフィールドでは防げず回避行動を取る。
「もらったぞ、ユーゼス!」
回避した先には猛回転するブーメランがあった。
これを狙って、回避を誘導したということか。
「調子に乗るな、サンプルごときがッ!」
CPS起動。
因果律を書き換え、ブーメランを消失させる。
「何…うおッ!?」
避けられると思わなかったのか、動きの止まったブライガーに向けてクロスマッシャーを撃ち込む。
撃破までは至らなかったが、距離は開いた。
その隙にアースクレイドルへと向かう。
もう少しで通路に入るというところで、機体を左に加速。
閃光が傍らを駆け抜ける。
ブライカノン、惑星をも撃ち砕く一撃。
もちろん威力は制限しているが、受ければ危険であることに変わりはない。
「やれやれ…そんなに死に急ぐのかね?」
うんざりと言うユーゼス。
勝てないとはわかっているはずだが。
「行かせはせんぞ…!クォヴレーのところにはな!」
「ふん、見上げた心意気だ。だがな!」
機体を加速、敵機に肉薄する。
腕のないブライガーでは接近戦に対応できない。
剣を振りかぶり、叩きつける。
「く…ぐあぁッ!」
とっさにもう片方のブーメランを射出し、剣を受け止めようとする。
だが勢いに乗ったディバインアームはブライブーメランを切り裂き、ブライガーを吹き飛ばす。
地上に倒れたブライガーを踏みつける。
後回しにしようと思ったが、気が変わった。
こいつはここで殺そう。
引き金に指をかけ、囁く。
「さて、最後に何か言いたいことはあるかね?」
答えるとも思わなかったが、一応聞いておく。
「…では一つ忠告だ、ユーゼス・ゴッツォ」
荒い息をつきながらもしっかりした声音だ。
まだ諦めていないのか、この状況で?
「ほう、何だ。言ってみろ」
興味が湧き、聞いてみる
どうせイキマの運命は変わらないのだ、それくらいは許してやってもいい。
「…相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している。邪魔大王国に伝わる格言だ」
「………く、くははははははははッ!この状況で言うことがそれか!どうすればこの状況を覆せると言うのだ!?おめでたいやつめ!」
「フン、何とでも言え。お前は今にこの余裕を後悔することになる」
「覚えておこう。では、さらばだ」
クロスマッシャーのチャージを開始。ブライガーを破壊できる充分なエネルギーが集まる。
「死ね」
引き金を引こうとした瞬間―――――――――――――――――――――
黒い何かが、閃いた。
「!!なんだ、何が起こった!」
機体に衝撃。
左腕が爆発したようだ。
クロスマッシャーをチャージしていたため、そこに攻撃を受けて暴発したのだろう。
急上昇し、索敵を開始。
木原マサキか?いや、グランゾンの消耗は深い。
もうこの戦闘に介入する理由もないだろう。だったら第三者か?いや、このエリアにいるのは自分とイキマ、クォヴレーだけのはず…!
動体反応を感知。モニターに映っていたのは――――。
「ガンスレイヴ、だと!?」
黒い翼を持った蝙蝠。ディス・アストラナガンの備える自立兵装だ。
これがここにあるということは――――
アラートが響く。地下に凄まじいエネルギーの発生を感知。
「この反応は、ディス・レヴか…!?まさか、なぜ起動している!?」
□
(俺は…生きるッ!!)
イキマがユーゼスと戦闘を開始する、その少し前。
クォヴレーもまた、決断を下していた。
(俺は犯した罪は消えない。償う方法も知らない。…なら、その方法を探す。償えることではないのかもしれない)
一度決意すれば、言葉は考えるまでもなく形になった。
(だがそれでも諦める訳にはいかない。俺は…生きて、その答えを探し続けたい)
生きて、ユーゼスを倒す。
その後もずっと生き続ける。
いつでも、いつまでも、死に抗い続ける…!
(たとえ作られた命でも…俺は自分の信じられる道を歩いていきたいんだ)
(いいんだな?)
確認するように問うイングラム。
(生きるということは虚空の使者の運命を受け入れること。たとえここを生き延びても、お前にはともに生きる友はいない。永遠に孤独の中で生きることになるぞ)
(構わない。いいや、たとえ傍にいないとしても、俺がトウマやアラド達のことを忘れなければ俺達が仲間であることに変わりはない。その確信がある限り…俺は生きていける)
決意は揺るがない。心なしか、死者たちもみな笑っているような気がする。
(そうか…。ならば与えよう、お前の記憶を。虚空の使者の使命を)
答えるイングラムもどこか満足したような表情だ。
イングラムの輪郭がぼやけ、拡散する。
同時に死者たちも消え、世界は光に満たされる。
そして脳裏に流れ込んでくる情報の洪水。
αナンバーズ、SRXチーム、バルマー帝国、キャリコ・マクレディ、イルイ、霊帝ルアフ。
アルマナ・ティクヴァー、バラン・ドバン、ルリア・カイツ。
ガンエデン、ケイサル・エフェス、アカシックレコード、アポカリュプシス。
ベルグバウ、ディス・レヴ、そしてアラド・バランガとゼオラ・シュバイツァー。
(これが…俺の記憶。俺の生きた証。俺の…仲間たち)
かけがえのない、大切な仲間たち。
(すまない、アラド、ゼオラ。本当なら俺がお前たちを守らなければならなかったのに…)
彼らは失われてしまった。
自分の知る彼らではない、そうだとしてもアラドとゼオラなのだ。
なのに虚空の使者としてユーゼスの暴挙を止められず、利用されてすらいた。
結果、彼らの他にも多くの命が失われた。
トウマ、リュウセイ、セレーナ、ジョシュア、リョウト。
会うこともなかった多くの命。
悔やむ気持ちはある。
だが――――――
(すまない。今俺がすべきことは、イキマを助け、生き残った参加者と合流し、ユーゼスを倒すことだ。責めはあとでいくらでも受けよう…)
白む視界の中、見えたのはアラド、ゼオラ、トウマ、そしてヴィンデル。
彼らは微笑んでいた。
(あの仮面野郎に一発バーンとかましてやってくれよ、クォヴレー!)
(気をつけてね。あなたまでこっちに来ちゃダメよ?)
(俺の代わりにあの仮面に熱い闘志を叩きつけてくれよな!)
(死ぬなよ、クォヴレー。そして、ミオを頼んだ。必ずや、この狂った闘争の世界を破壊するのだ!)
彼らの声が聞こえた。
自分を受け入れてくれた者たち。
彼らの意思を受け取ったクォヴレーにもはや迷いはない。
(ああ。行ってくる…、戦いを終わらせる。俺と、アストラナガンが!)
そして、決意とともに鍵となる言葉を宣言する。
「テトラクテュス・グラマトン…!」
□
アースクレイドル地下。
四肢を失ったディス・アストラナガンに変化が起きる。
この場所をたゆたう負の意志が流れ込んでいるのだ。
ディス・レヴは輝きを放ち、やがてドーム全体を照らすほどになる。
(だが、まだだ…まだ足りん。再生し、全能力を解放するには、エネルギーが足りない…)
記憶をクォヴレーに渡したイングラムは、次にディス・アストラナガンの再生を行っていた。
だが、四肢の欠損というダメージを修復することは簡単ではない。
(なにか…そう、俺とクォヴレーが出会った時のように、触媒があれば…)
だが近くにあるのは大破した無人機の残骸のみ。
これでは吸収したところでエネルギーにはならない。
手詰まりか…そう思った時、目に映ったものは。
(あれは…トロニウムエンジンか?何故ここに…?)
自らも多少関わりのあるヒュッケバインMk-V、グルンガスト参式に搭載されているはずの機関。
このゲームにあの二機も支給されていたのか?
(…理由はどうあれここにあるか。なら、使わせてもらうのみ)
翼を広げ、トロニウムエンジンのところまで移動し、取り込む。
このエネルギーなら、機体は直に再生するだろう。
ディス・アストラナガンを暗い輝きが包む。
さながら繭のように。
(アストラナガン。俺と、お前の力…。だが、ここから先はお前が運命を斬り開くんだ)
あとはクォヴレーが目覚めるのを待つのみ。
彼が目覚めれば…
(俺の役目も終わり、か。やれることはやった。悔いはない…、)
本当にそうだろうか?
いや、もう一つやり残したことがあった。
誰でもない自分こそがやらねばならないこと。
それは―――――――
(ユーゼス。あの男に一矢報いねば、な)
今はイキマが抑えてくれているが、今のブライガーではそう長くは持たないだろう。
ここはもう自分がいなくても大丈夫だ。
ならば。
(待っていろ。今、貴様の喉笛に牙を突き立ててやる…!)
ガンスレイヴを一機、再生させる。
かつてガンファミリアに自分の疑似人格をコピーした要領で意識を移す。
(クォヴレー。俺の写し身。だがお前は俺ではない。お前の命、お前だけの戦いのために使え。道はお前の前に開かれている…)
そう想いを残し、地上へと急ぐ。
彼にとってもまた、イキマはかけがえのない仲間なのだから。
□
(残念だったな、ユーゼス。虚空の使者は転生を果たした)
「貴様…イングラム!なぜ貴様がそこにいる!?」
(シュウ・シラカワと同じだ。アストラナガンは俺の半身も同然、憑依は容易い)
飛びまわるガンスレイヴから思念が届く。
自らのコピーにして宿敵。彼が最も恐れる男。
「転生、だと!?」
(貴様がクォヴレーから奪った記憶、このゲームの目的。奴は全てを受け入れ、覚悟を決めた。虚空の使者として貴様を全ての次元から消し去るという、な)
「人形ごときが…!私を裁くというのか!?笑わせるな!」
そう、再生したのなら全て取り込むだけだ。
それによりゼストはさらに完全体に近づく―――!
(できるかな?敵はクォヴレーだけではないぞ)
「なんだと…ッ!?」
制御AIによる緊急回避。
眼下から砲撃。
ブライガー、あの死に損ないか。
(イキマだけではない。フォルカ・アルバーグ。彼もまた、貴様を止める意思を持つ者だ)
「フォルカ…だと!?まだ生きているというのか!」
(その通りだ。そう、お前がかつて求めた光の巨人の助力によってな)
イングラムの声に偽りの響きは感じられない。
光の巨人。
人知を超えた全能の力を持ちながらも、偽善の意志でその力を真の平和のために使おうとしない者たち。
完全に消滅したはずの修羅王がヘルモーズ内に転移したのは奴らの仕業か。
(またか…!また私の邪魔をするのか!またもその青臭い正義とやらで私の前に立ち塞がるのか!――――ならば、いいだろう。立ち塞がるなら今度こそ貴様らを撃ち砕いて見せよう!)
そのために、まずは。
「敵はここで、一人でも減らしておかねばなぁッ!」
ブライガーに向けて右腕のクロスマッシャーを発射する。
ブライガーは動けないだろうし、ガンスレイヴに阻むことはできない。
今度こそイキマを殺した――――そう確信した瞬間。
(ユーゼス、貴様は多くの命を弄び、神を気取った。だが)
イングラムの声は不気味なほどに落ち着いている。
その声が聞こえるのとほぼ同時に、地下から何かが飛び出した。
その何かがバリアを展開、クロスマッシャーを受け止める
あれは―――
(規格外の存在が集い、死の「運命」に抗い始めた今。はたして貴様は、滅びずにいられるかな―――――――?)
もはやイングラムの声に意識を向ける余裕もない。
黒い翼、長大な鎌、悪魔のようなフォルム。
銃神の心臓を宿し、悪魔王の名を冠した並行世界の番人。
「ディス・アストラナガン…!」
□
クォヴレーが目覚めたとき、そこは見慣れたコクピットだった。
そう、ともに銀河を、並行世界を駆け抜けた己が愛機。
完全な姿を取り戻し、ディス・レヴもかつてないほど安定している。
「…待たせたな、アストラナガン」
呟き、操縦桿に触れる。
ふと違和感を覚え、首元に手をやる。首輪がない。
「お前にいったん取り込まれたから、か?」
当然答えは返ってこないが、おそらくそうなのだろう。
これで己を縛る鎖は全て断ち切れた。
今自分がここにいられるのは心を繋いだ友の、仲間のおかげだ。ならば――――――
「ユーゼス・ゴッツォ、木原マサキ。奴らを倒し、仲間を守る。そう、それを成し遂げるのも――――」
翼を広げる。
ZOサイズをその手に携える。
もう死者たちの声は聞こえない、だがともにいるという確信がある。
俺は一人ではない―――――
「この俺だッ!」
叫んだ勢いのまま、一気に地上へと飛び立った。
□
「クォヴレー…なのか?」
ユーゼスより放たれた光弾。
どうやっても防ぐ手は考えられず、覚悟を決めた瞬間この機体は現れた。
悪魔とよぶに相応しき姿、だがどこか気高くもある。
「無事か、イキマ」
通信が入る。
やはりクォヴレーだ。
だが先ほどまでとはまるで別人のような印象を受ける、どころか髪の色まで変わっている。
銀色が鮮やかな青に。
「クォヴレーなのか。その機体、その髪…いや、記憶がもどったのか!?」
「ああ。今まで済まなかったな。ここからは俺に任せてくれ」
落ち着いた声で言い放ち、ユーゼスの元に飛翔していく。
あの様子ではたしかに任せてもよさそうだ。
彼と入れ替わるように一機の蝙蝠のような小型機が降下してくる
(遅くなってすまないな、イキマ…よく生きていてくれた)
イングラムの声が聞こえる。そうか、この小型機はやつか。
「構わんさ…あんたも約束を守ってくれたようだしな」
(フッ…そうだな。これで俺の役目も終わりだ…)
「なんだと?どういう意味だ、イングラム?」
(俺の魂はもう消える…クォヴレーに俺のすべてを引き渡した、その代償にな)
「なんだと…!待て、お前にはまだ聞きたいことが…!」
(俺の知識はすべてクォヴレーが引き継いだ。やつに聞け…)
「そういう問題ではない!勝手に消えるなと言っている!」
(すまないな…死ぬなよ、イキマ…俺の…仲・・・間・・・・・)
何かが消えるような感触、ガンスレイヴが地に落ちる。
…声はもう、聞こえない。
「…イングラム。お前のことは忘れんぞ」
また一人仲間を失った。
だが、これで最後だ。
もうユーゼスに、マサキに、奪わせはしない。
決意も新たに空を見上げ、呟く。
「そうだろう、クォヴレー…!」
今そこで戦っている、仲間に向けて。
【イキマ 搭乗機体: ブライガー(銀河旋風ブライガー)
パイロット状況:戦闘でのダメージあり(応急手当済み)
マサキを警戒。ゲームが終わっていないと判断
機体状況:全身の装甲に被弾。左腕部損失、右手首損失。ブライカノン装着。コズモワインダー損失。オイルで血塗れ。EN大消費、ブライブーメラン損失
現在位置:D−6
第一行動方針:クォヴレーとともにユーゼスを撃退する
第二行動方針:ミオ、フォルカらと合流する
最終行動方針:ゲームをどうにかして終わらせる
備考: 本来4人乗りのブライガーを単独で操縦するため、性能を100%引き出すのは困難。
主に攻撃面に支障。ブライシンクロンのタイムリミット、あと6時間前後
デビルガンダム関係の意識はミオとの遭遇で一新されました。
空間操作装置の存在を認識。D−3、E−7の地下に設置されていると推測
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測
ブライソードはD-6エリアに放置】
【イングラム 消滅】
□
木原マサキはC-7の市街地に撤退していた。
クォヴレーとの戦いで消耗したグランゾンでは、ユーゼスの撃退は難しいと判断したためだ。
それにあの場所で奴を殺しては面白くない。
奴の切り札、ゼスト。
それごと粉砕してこその勝利というものだろう。
補給ポイントに到着し、補給の完了を待っていると、D-6から凄まじいエネルギーを感知した。
ヴァルシオンではない。
あの機体にここまでのエネルギーは放出できない。ならば―――?
「ディス・アストラナガンとやらか」
あの女から渡された情報、あの場に残っていたクズども。
総合して考えれば、クォヴレーが乗ったのだろう。
本来の乗り手の手に渡ったということだ、このグランゾンに匹敵する機体が。
それでもなおマサキから余裕の色が消えることはない。
どのような状況であれ、クズに負けるなどということはあり得ないからだ。
「ククク…面白くなってきたな。最終章の幕開けといったところか、ユーゼス?」
そう、この宴の終焉は近い。
そして最後に嗤うのは――――――
「この俺、冥王木原マサキだ――――――――――――――!」
【木原マサキ 搭乗機体:グランゾン(スーパーロボット大戦OG)
機体状況:内部機器類、(レーダーやバリアなど)に加え通信機も異常。照準のズレ修正済み(精密射撃に僅かな支障)。
右腕に損傷、左足の動きが悪い。グラビトロンカノン残弾2/2
シュウの魂とカバラシステムを併用することで一度だけネオグランゾンの力を使うことができます。
パイロット状態:激しい怒り、疲労、睡眠不足 、胸部と左腕打撲 、右腕出血(操縦には支障なし)
現在位置:C-7 市街地北端
第一行動方針:ユーゼスを殺す。そのために奴の保険を全て暴く手段を考える。邪魔をするクズも利用して殺す
最終行動方針:ユーゼスを殺す
備考:グランゾンのブラックボックスを解析(特異点についてはまだ把握していません)。
首輪を取り外しました。
首輪3つ保有。首輪100%解析済み。 クォヴレーの失われた記憶に興味を抱いています。
機体と首輪のGPS機能が念動力によって作動していると知りました。ダイダルゲートの仕組みを知りました。
ユーゼスの目的を知りました。】
□
「ユーゼス・ゴッツォ!貴様の企みもここまでだ!」
ZOサイズを展開、ヴァルシオンに斬りかかる。
剣で受け止められる、だが。
「ぬ、ぬおおッ!?」
斬りかかった勢いのまま、突き飛ばす。
サイズで言えば二倍以上違う差があるが、今のディス・アストラナガンはその差をものともしないパワーを発揮していた。
体の奥底から力が噴き上がってくるのを感じる。
自分だけではない、アストラナガンにも。
ダイダルゲートから漏れた負の意志、そしてトロニウムエンジンを吸収したディス・アストラナガンはその性能を完全に回復していた。
ディス・レヴのかつてない安定。
クォヴレーはそこに仲間の想いを感じる。
(いっしょに戦ってくれているのか…お前たちも)
この機体と、自分。
そして仲間の意志。
恐れることなど何一つない…!
「おおおッ!」
再び斬りかかるがまたも受け止められる。
だがそれは予測の範疇。
剣を弾き、柄を回転させる。
現れる砲門。
「エンゲージ…!」
ZOサイズと一体化している複合武器、ラアム・ショットガン。
接近戦の最中に放たれる砲弾だ。
フィールドが間に合うはずもない。
「ぐおぉ…ッ!」
ヴァルシオンが吹き飛んだ。
至近距離から放たれた散弾はヴァルシオンの胸部にあやまたず直撃した。
「この…人形がッ!」
「そうだ、俺は作られた命だ。だがそれがどうした!?」
今の自分は一人ではない。その程度の言葉に揺らぎはしない。
「ガンスレイヴ、シュート!」
射出されたガンスレイヴがヴァルシオンを包囲し、四方から攻撃を加える。
「小賢しい…!メガ・グラビトン・ウェーブッ!!」
解放された重力波がガンスレイヴを撃ち砕く。
だがクォヴレーに焦りはない。
先ほどのマサキとの戦闘でもそうだった。
包囲攻撃をする意義、それは相手をその場に釘づけにできること!
そしてグランゾンと違い、ディス・アストラナガンはガンスレイヴを射出した後自由に動くことができる。
つまりユーゼスがガンスレイヴに対応している隙に―――――
「ゲマトリア修正…数秘予測」
チャージは完了している!
「メス・アッシャー!マキシマムシュート!!」
叫びとともに解き放たれたエネルギーの奔流。
その向かう先は、ユーゼスの駆るヴァルシオン―――!
「な――――――――――ッ!!」
爆音が声を遮って轟き、粉塵が視界を覆う。
直撃した確信はあったが、クォヴレーは油断せず敵の対応を待った。
この程度で仕留められるほど容易い相手ではない。
やがて風が吹き込み、煙を払う。
そこにいたヴァルシオンは下半身がほぼ消失していた。
「―――――――やって、くれたな…!」
苦々しげな声。
さすがに今の一撃は堪えたのだろう、取り繕う余裕もないようだ。
「ここまでだ、ユーゼス。もう諦めろ」
告げる。
もはやあの機体に戦闘能力はないだろう。
だからと言って見逃すつもりもないが。
「諦める…?ハハ、ハハハハハハッ!まだだ、まだだぞクォヴレー・ゴードン!そしてイングラム・プリスケン!」
タガが外れたような哄笑が響く。
まだ隠しているカードがあるのか?
身構えるクォヴレーにユーゼスが放った言葉は、驚くに足るものだった。
「この場は退かせてもらおう。なに、またすぐ相まみえるさ」
重力震を感知。転移する気か?
「逃がすか…ッ!」
追いすがろうと機体を加速させようとする。
だが、
「このフィールドは間もなく崩壊する」
ユーゼスの一言がその手を止める。
「何?ここが崩壊するだと!?」
「そうだ。ここから逃れる手段はただ一つ、君の乗るその機体だけだ」
「何故それを俺に教える。お前に何のメリットがある?」
なに、私もその機体がなければここから脱出できんというだけさ。つまり是が非でもその機体を手に入れねばならん」
「なら尚更、何故逃げる。この場で決着をつけてやるぞ」
「そうしたいが機体がこの状態ではな。私は死ぬつもりはない、勝てる状況でなければ戦わんさ」
つまり隠し持っているカードはそれこそ大物なのだろう。
それこそ今の自分すら圧倒できるほどに。
「E-7エリアだ。私はそこにいる。すぐに来たまえよ?この世界は、せいぜい保ってあと6時間というところだ」
本拠の場所を教える。確実に罠だろう。
だが相手もこの機体を必要とする以上、俺に自分だけ逃げられては困るということか。
「…いいだろう。あと6時間以内に必ず、E-7エリアへと向かおう。そこで最後の決着をつける」
「楽しみにしているよ、クォヴレー・ゴードン。ではさらばだ」
ヴァルシオンが消失する。
E-7、やつはそこにいる。そこが終幕の場所。
今すぐにでも向かいたいが、地上にはイキマがいる。
それに、ミオ・サスガ。
ヴィンデルから頼まれた少女。彼女とも合流せねばならない。
ラミアという女、シロッコ。
彼らにも接触しなければならないだろう。
かつて殺すと誓った相手、だが今考えてみれば本当にそうしなければならないのか、わからなくなった。
木原マサキは完全な黒、排除することに躊躇いはない。
だがジョーカーであるあの女、不可解な行動をしたシロッコ。
彼らは本当に敵なのか。
彼らと接触したときの自分の精神は正常な状態ではなかった。
だからこそ初対面のヴィンデルをああも憎むことができたのだろう。
見極めなければならない。
もう二度と過ちを犯さないためにも。
思考をまとめつつ、地上へと降り立つ。
色々話すことがある、イキマとは。
(見ていてくれ、みんな。俺の戦いを。俺が生きている証を)
―――――――――虚空の使者、ここに転生を果たす。
【クォヴレー・ゴードン 搭乗機体:ディス・アストラナガン(第三次スーパーロボット大戦α)
パイロット状態:正常。記憶を取り戻した。イングラムを完全に取り込んだため青髪化。
機体状況:完全に再生。EN小消費。ガンスレイヴ数機損失、再生中。
現在位置: D―6
第一行動方針:イキマと情報交換
第二行動指針:ミオと合流、謝罪する
第三行動方針:マサキの排除
最終行動方針:E−7にてユーゼスと決着を着ける。その後生き残った参加者とともにこの空間から脱出する
備考: トロニウムエンジンを取り込みました。(機体性能などに変化なし)
マサキを敵視。シロッコ、ラミアについては保留。
イングラムの消滅は薄々気づいている
空間操作装置の存在を認識。E−7の地下に設置されていると確信
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測
ラミア・ラヴレスがジョーカーであることを認識
あと6時間ほどでフィールドが崩壊することを知りました】
□
E−7にある地下施設にユーゼスは転移してきた。
半壊した状態で無茶な転移を行った代償か、ヴァルシオンは沈黙した。
もう使えないだろう。
ここにある機体は空間操作装置の防衛用として配置していたゴラー・ゴレム隊の量産機ヴァルク・ベンが10機ほど。
それに支給機体の選に漏れた機体を何機か放置していたはずだ。
機体は充分、だがパイロットがいない。
ヘルモーズが落ちた際、所有していたバルシェムも全滅したようだ。
おそらくW17も破壊されたろう。自由に使える手駒はもうないという訳だ。
状況は絶望的。
数時間もすれば生き残った参加者が群れを成して殺到するだろう。
だがそれがいい。
どのみち今のままでは完全なゼストは望むべくもない。
だが、力を取り戻したディス・アストラナガン、特異点を内包するグランゾン。
そして光の巨人の力を得たというフォルカ・アルバーグを取り込めば、ゼストは計画通り、いやそれ以上の進化を果たすことができるはず…だ。
そうだ、まだ終わったわけではない。
完全ではないとはいえゼストの力は想像を絶する。
ジュデッカやヴァルシオンなど玩具のようなものだ。
その力を持ってすれば木原マサキ、虚空の使者、修羅王などものの数ではない。
ゼストが戦闘を行える状態にすべく、調整槽へと急ぐ。
すぐ背後に迫った破滅の足音。
ユーゼスはそれに気づかないふりをし、虚勢とも言える盲信を抱く。
「ゼストさえあれば…!そうだ、全能の調停者、ゼストさえ…!」
【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:なし
パイロット状況:激しい怒り、焦燥、やや現実逃避気味
機体状況:なし
現在位置:E−7地下基地
第一行動方針:参加者たちを待ち受け、ゼストで蹂躙し、取り込む
最終行動方針:ゼストの完成
備考 基地内には空間操作装置がある
ヴァルシオンは半壊、戦闘は不可能。
基地内にはヴァルク・ベンが10機(無人機)配置
支給されなかった機体が何機か放置されている】
【三日目 11:00 あと6時間ほどでフィールドは崩壊します】
以上で代理投下終了。改行エラーが出たので、いくつかのレスを分割&再結合して投下しました
勝手な編集&ミスってたらスマンです
初めてのさるさんにビビった…
投下&代理投下乙!
ヒイロを忘れていなかったことに感動w
で、本スレ投下後に今更な指摘で申し訳ないんだが
>>201の4行目だけ、「?」が半角になってるのに気付いた
ついでに「?」や「!」の後に文章を続ける時は1文字空白を入れるのが基本だが
わざと空白入れない主義ならこのままでおk
ガンスレイヴは「自立」兵装じゃなくて「自律」兵装では?(自律回路と同じ)
あと久保はヴィンデルを信じずに殺したことが誤りだと、本当は気付いてたはず
その事実が受け入れられないから精神崩壊に拍車が掛かったわけで…
この状態でイキマを信じるのかどうかという点は置いといて
今初めて事実に気付いたような描写に関しては矛盾があるんじゃないかと
223 :
それも名無しだ:2008/03/18(火) 13:36:35 ID:dHlgRUHG BE:143997023-2BP(30)
この前出たゼストは未完成品だったのか?
試作型かなんかじゃなかったっけか。
なんかゼスト起動させて勝ち誇るけど制御できずに自滅する、
というお約束をやらかすユーゼスが見えた。
225 :
それも名無しだ:2008/03/18(火) 17:10:10 ID:dHlgRUHG BE:575986638-2BP(30)
否、DG細胞とゲッター線組み合わせてウルトラマンになる事に成功するんだけどカラータイマー破壊されてあぼーんでいいだろう
CPSは既に破損してるんだし、タイマー破壊に拘ることもなくね?
必須じゃなくなったんだから後は作者さんの匙加減次第だと思う。
とはいえ象徴的なパーツが壊れるってのは敗北を象徴していていい演出だし、そのくらいの予定調和は構わないだろう。
今さらすぎるが、このロワの主人公ってユーゼスな気がしてきた
>>225 あのウルトラマンオタクのことだからシャドーのカラータイマーシールドぐらいつけてるかもなww
229 :
それも名無しだ:2008/03/18(火) 18:41:26 ID:dHlgRUHG BE:671983474-2BP(30)
230 :
それも名無しだ:2008/03/18(火) 19:38:29 ID:dHlgRUHG BE:575985964-2BP(30)
っていうか首輪まだある奴いるよな?
いや、久保で最後。
彼が外れちゃった以上、もう首輪を付けてる奴はいないはず。
ユーゼスもさっさと久保の首輪爆破しときゃよかったのになw
>>231 首輪の爆破指令はヘルモーズとアースクレイドルからしか出せないっていうのはどうだ?
ユーゼスは用意周到だけど、自信過剰だから
自分の乗っている機体に爆破スイッチを用意するほど、入念にいざという時の備えをしないだろうし。
>>231 それを言うなら召還した時点で記憶操作なんて面倒なことせずに
ディストラだけ戴いてサクッと殺っとけば(ry
ID:dt1CyrPGさん、代理投下ありがとうございました。
初めてこういうのやってみましたが、難しいものですね。
今まで読むだけだったので、書き手の方の苦労が少しわかったような気がします。
クォヴレーの首輪外したのはまずかったですかね?
この状況だとユーゼスは爆破を躊躇わないでしょうから、颯爽と仲間のピンチに駆けつけたのに即爆破…じゃさすがに不憫と思ったんですが
>>234 いやOKだと思いますよ
この期に及ぶと首輪も面倒なアイテムですし、はずせるときにはずしておくのが無難かと
>>234 同じく賛成
久保「待たせたなイキうわああああああああああ」
イキマ「クォヴレーーーーー!!!!!!!」
こんなんじゃどう見てもギャグだしww
いや、即爆破でなくても
久保「待たせたなイキm」
ユーゼス「お〜っと、首輪爆破しちゃうぞ〜」
久保「……( ゚д゚)」
ユーゼス「爆破されたくなければ、ディストラを渡してもらおうか」
久保「……( ゚д゚ )」
イキマ「こっち見んな」
クォヴレー「そんな脅しに屈するものか!やれるもんならや(ボンッ!)」
ユーゼス「コイツ、馬鹿のチャンピオンだな」
>>239 覚醒前のカワイソス状態な久保なら、それもありえたかもしれん
首輪のことも気にせずぶち切れてそうに思える、イキマが死んだりでもしたらどうなってたことか
対ヴィンデル戦のキレ方は半端じゃなかったしな
全く関係無いのだが
>またか…!また私の邪魔をするのか!またもその青臭い正義とやらで私の前に立ち塞がるのか!
ここで
また我々の前に立ちふさがるのかノストラダムスー!を連想してちょっと吹いた。
ユーゼス撤退しすぎワラタwww
もはやポケモンで言うロケット団みたいなものだなwwwwww
ボスは決戦面までは撤退するのが常ですぜ、と衝撃プレイ中の俺が言ってみる
ここのユーゼスはゼスト完成させるまで逃げ続けるだろうから倒すにはオーバーキルかますしかないな
衝撃の長さは異常……
衝撃はもっと評価されていい
まともなスパロボで出れたの64とαだけってのが悲しいよな
まぁ使徒と戦うなんておいしいイベントもあったけど
それは衝撃違いw
スパロワに出てたらベターマンや東方不敗と人外生身最強決定戦くらいやってくれたかもしれんが
アニロワ2NDで東方不敗と戦ってるが。声同じなんだよね
東方不敗といえば、次のキャラ語りは彼だな
いやもう、何はなくともこのじじいは、死亡話の没バージョンが強烈過ぎるw
何が怖いって、師匠だったらあれもありじゃないかと思わせてしまうのがもうw
そういや師匠の次はそれに殺されたトウマかw
師匠が人類抹殺を志した頃ではなく、死後からの参戦で喜んだのは俺だけではないはず。
まぁ、師匠がノリノリだったら止められる人間が殆どいないと思うから、バランス的にもよかったのだろうけど。
没バージョンといえば、ヘルモーズ破壊も衝撃的だった。
やっぱり師匠だから許された芸当だったよな。
元々ダグ星人とかDG東方不敗とかやりたいほうだいだからなwwww
やりたい放題というかやられたい放題というか・・・。
超人ではあるが病に蝕まれたりするのにとにかく凄いとこばかりを取り出される。
それだけその凄いとこがぶっ飛び過ぎてるんだろうなぁ
しかし実際問題このじじい、対主催には何も貢献してないなw
なんせ狂いかけのアスカに完全にトドメ刺すしw
>対主催には何も貢献してない
本人のスタンスはいいのになぜか悪気なく死亡者増加の原因を作ってるなw
冥王も討ち漏らしてるし…
アスカの神経を逆撫でしまくったせいで、結果的にG−6基地の惨劇の引き金になったな
ベターマンがゼストに取り込まれたのもこのジジイが余計な忠告したせいとも言えなくもない
そしてガルドに半端にデビルガンダムの情報教えたせいで久保達が誤解し、
さらにトウマを殺したために久保は発狂、その結果ヴィンちゃんも死んだという
死者スレでも没バージョンのメイクで出てきてトウマを再発狂させ、テンカワラーメンの営業妨害になってるw
ダメだ、あまりにもダメすぎるよこのジジイwww
とことん不器用な人だなwww
で、次はそのくそじじい(笑)の不幸な犠牲者トウマかw
死に際にギリギリ体裁保ててよかったなとw
没バージョンの伝説ぶりにワロタw
死なずにアルジャーノンに感染して暴走って可能性も雑談ネタに出てたが
その場合は犠牲者はどのぐらい変わってたんだろうな
うーん、でもすぐ後にくるのが久保達だったから
プッツンしたクボブライガーにやられるのがオチだったんじゃ無いか?
犯人がはっきりした分だけ久保の精神は落ち着いたかもしれん。
まあ、どのみち久保イキマ組の不幸は変わらなさそうだなあ
ところでトウマの遺体はまだブライガーの中なんだろうか?
そろそろ埋めてやれよw…って描写がないだけで既に埋葬済みだったりする?
放送前、E−5で別働隊待ってた間に埋めるチャンスはあるにはあるな
ブライガーの中に遺体が残ったままという描写も今のところないし、後付で何とでも説明できそうだ
264 :
それも名無しだ:2008/04/01(火) 20:32:07 ID:sDi3iQbw
で今日は誰語り?
語りもいいが予約はないのか・・・
一応追いついたけど
マサキ外道すぎわろた、マサキらしいと言えばマサキらしいが
語りは千鳥かなめになるのかな?
ウィスパードで説明できないところはゲッター線の仕業でいいんだっけ?
次はな行だから普通に竜馬だったorz
竜馬か。ハッターとの熱血コンビは素敵だったぜ。
しかし、個人的に一番印象に残っているのが
ゲェェェェキガンヴァァァァァリァァァァ!!
とは、これ如何に
ハッターとの熱血コンビならこれが好き
「わかったぞ友よ!確かに急がねばならない。気合を入れよう!」
そうハッターにつげる、その顔にはどこかイタズラ小僧のようなにやけた笑みが広がっている。
「と、友よ!何かいやな予感がするのだが!?」
そうハッターが返事をした直後――
「ロォケットォォォォゥパァァァァァァァァンチィィィィィィ!!!」
ダイテツジンの腕が切り離され――
「ノォォォォォォォゥ――――」
ハッターは飛んでいった。
「よし、これで速度が上がるぞ、追いかける。」
そういって朗らかに竜馬が続く、どうやら一度言ってみたかったらしい、ご満悦のようだ。
「……私にはやらないでくださいね……あれ…」
リオがそう告げる。
他がシリアスなときにこのやり取りは笑ったなw
こいつの死亡がターニングポイントになったな
しかしTV版なのにろくにリョウと呼ばれてない件について
逆に二次のOVA竜馬が一部リョウ表記されてたりする謎
竜馬は死んでないよ。ちょっとゲッター線に拉致されてしまっただけだ。
273 :
それも名無しだ:2008/04/10(木) 11:11:40 ID:RnBW+z0P BE:767981748-2BP(30)
寧ろ連れ戻されたってのが正しいんじゃね?w
ゲッター線どんだけ竜馬好きなんだよw
あらゆる並行世界でただ一人竜馬をゲッター線に選ぶくらい好き。
むしろあらゆる並行世界の竜馬をコレクションしてるくらい好き。
コンプリートの邪魔は許さない。
いかん、ゲッター線が可愛く思えてきた……
ゲッター線はヤンデレ
279 :
ゲッター線:2008/04/13(日) 22:48:02 ID:yb5TQsXa
何故竜馬は私のもとへいようとしないのだ?
私は・・・リョーマ!
リョウの次は誰だ!?
……バグかwwwwww
バグはもう、なんつーかほんと「バグwwwwww」って感じだった。
唯一ギャグで死んだ奴だしな。
……いや柿崎とかカツもけっこーネタ臭かったけどさw
ウルベや東方不敗のような超人の活躍を見るとちょっともったいなかったかもしれない。
最初の目的も暴れられそうなものだったし。
支給機体が悪かったなwwボールwwwwwww
イングラムやクォヴレーに故意に支給しないあたりユーゼスにも良心が残っているな
しかし何故バグ……
ロム兄さんもレイナも関西弁野郎もいないのに、なんでバグ……
選出方法が早い者勝ちだったことを差し引いて考えてなお、謎すぎる……
タシロと副長がセットで出てる時点で(ry
もうすぐ前の投下から一か月たつな
ここまできたらアニロワ1stや仮面ライダーロワみたいにもう最終話ってのはいけないか?
まあ、もう少し様子を見てみよう
ていうか現状、どう転ぶんだろうな
正直ユーゼスの命運は風前の灯状態だが、マサキやラミアという不確定要素があるからなー
で、キャラ語りはバグの次は……ハチロー……
正直語ること何もないな……w
こいつもなんで選出されたのかよくわからん
みんながんばれ!
こいつを乗り切れば、次のキャラはみんな大好きスパロワ最大のアイドルの番だ!
おいおい、ハロはまだ先だぜ
>>289 素でハマーン様かと思ったのは俺だけじゃないはずだ
そういえばハイネルは?
プリンスハイネル扱いなのか?
>>289 当時ハチローのAAを改造するスレがあってだな(ry
予約はいんないなぁ……
けどあと2,3話?で終わりそうだし、山で言うともう九分方上ったって感じ?
295 :
それも名無しだ:2008/04/23(水) 01:19:11 ID:pxoo5lPH
パプテマスさんこと紅茶か……
動くとムチムチじゃなくなったりするな
ムチムチをムチムチのまま動かすのは難しいのか
悪い、実況と誤爆した
すまん、ちょこちょこ書いてるけど、まだ予約できるまで1週間くらいかかりそうだからもうすこしまってくれ
期待するぜ!
>>298 頑張れー!
自分もちょこちょこ書いてるけど、まだ穴が多いからプロット練り直しになりそう…
301 :
◆9x8FkKiQfc :2008/04/24(木) 18:58:40 ID:E/WJI/bZ
>>298ですが、全員の予約をお願いします。ちなみに、最終話ではありませんのであしからず。
ageすいませんorz
ラミア、クォヴレー、イキマ、ユーゼス予約します。
うわぁぁぁぁぁ被ったぁぁぁぁぁぁ
すいません、撤回で!
こ、このタイミングで新規の人が来た上に予約かぶりだと……!?
スパロワ、侮りがたし――!
せっかくだから両方見てみたいとか思ってしまう。揉めるだろうからそうしない方がいいんだろうけど。
9xさんが投下してしばらくたってからKXさんが没ネタを投下するとか?
予約に負けたとはいえ次回以降に流用できるネタもあるかもしれないし読み手の我が儘なんだろうけど
そうだね、終盤の力作ならやっぱりIFでもいいから
いろんなバリエーションを読んでみたいとは思う
もしやるなら何週間か空けてから投下する必要はあるだろうけど
そういや、ここのIFネタは今のところ
投下されたSSの没Ver.を再収録ってパターンみたいだけど、
IF前提での投下ってアリなんだろうか?
撤回でも破棄はしないでな
すいません、予約を破棄します。
書いてるうちに、戦いに無理があるというか、プロット事態にねじれがあったので……迷惑をかけてすいません
KXさん、道を妨げて申し上げありませんでした
では再度ラミア、クォヴレー、イキマ、ユーゼス予約します。
保守。
投下はまだかしら?
GWだし色々忙しいのかもしれないけれど何らかのアクションがあると嬉しいです
時間が合うようなら支援もしたいですし
すみませんごめんなさい、水曜日の夜まで投下できそうにないです
度重なるこの醜態に加え、貴重なGWを浪費してしまったことを本当にお詫びします
いきなりですが提案です。
スパロボロワ総合お絵かき掲示板を作りませんか?
二次スパで絵板を作ろうという意見が出まして、二次のほうでは設置する方向で話が進んでいます。
こちらと兼用してスパロボロワ総合絵板にするのも良いんじゃないかという意見もあり、
こちらの皆様に賛成していただけるのならばスパロボロワ総合絵板を作り、両まとめwikiにリンクさせようと思っています。
賛成、反対、その他ご意見をお待ちしてます。
ここからは個人的なレスですがKX氏の投下を心待ちにしているのも私だ。
時間指定してくれれば支援に駆けつけますよ。
水曜日の・・・夜・・・?
まだだ、まだ(マクロス7が始まるまで)終わらんよ!
よし! 俺は来週の水曜まで待つ事にするぜ!
>>320 初代、第二次兼任の住人なんで厳密には「こちらの皆様」じゃないんだけど、私は特に問題無いと思います。
……てゆーか、どっちか片方専属の住人って居るのかな?
どっち寄りってのはあると思うけど、両方見てる人間が殆どだとおもってたんですが。
>>323 同じキャラとかごっちゃになって混乱しちゃうから
1stが終わるまで二次スパは見ないつもりなんだぜ
マクロス7オワタ・・・俺達は、全てが遅かったというのか・・・!?
答えてくれ、ゲッター・・・ッ!?
ごめんなさい……寝 て し ま っ て たorz
今から投下します。ほんとにすいません。
今思えば、それはどこか不愉快な感覚だった。
自分の中にある何かが薄れ、徐々に消えていく。
消えていくごとに、言いようのない苦痛が脳内を蝕んだ。
それに代わって、新しい何かが刻み込まれていく。
刻まれるごとに、苦痛は引いていった。
そして苦痛が完全に消えた時――
調整完了のアラームが鳴り響き、カプセルの蓋は開いた。
私は身を起こし、重い瞼を開く。
そこで最初に目に入ったのは――仮面を被った男の姿。
そう……彼こそが、我が主。
「目覚めたな、W17。私の名はユーゼス・ゴッツォ。お前の創造主だ」
人形としてあるまじき思考であるが――
この時、呼びかけてくる主の姿に、私は得体の知れない不快感を抱いた。
だが、それもほんの一瞬。
私の中に設定されたプログラムが、次に何をすべきかを指示してくる。
「お前は我が計画のための道具として、この世に生を受けた。
お前の剣を、お前の持つ全てを――この私のために揮うがよい」
「はい……ユーゼス様」
私は主の前に跪き、忠誠の意を示した。
嫌な感じの男――
それが、私のユーゼス様に対する第一印象だった。
同時に、何故彼は、こうも悲しげな瞳を見せるのか……とも思った。
感情すら認識していなかったはずの自分が、何故あの時そうした印象を抱いたかはわからない。
そして、私とユーゼス様の長い旅が始まった。
通常時間に換算すれば、何十、何百年に相当する、長い長い旅が。
ユーゼス様が、神への階段を上るために。
バトル・ロワイアルという呪われた遊戯を始めるために。
カラータイマー。
ウルトラマンの胸にある、光の巨人の力を示す半球状の発光体。
しかし、そこにあるカラータイマーは、ウルトラマンの持つそれとは違った。
本来あるべきはずの青く輝かしい光はその中にはなく、代わりにどす黒い闇が渦巻いている。
この3日間で、ダイダルゲートを通じて哀れな参加者達から搾り取った負の波動。
殺戮の中で命を散らしていった、まつろわぬ霊達。
別の言い方をするならば――『マイナスエネルギー』。
かつてウルトラマン80が着目した、人が誰しも持つ負の情念。
それがカラータイマーに蓄えられた闇の正体である。
あらゆる手段を持って限界まで増幅させられたマイナスエネルギーは、ゼストの力の源となり、
絶大な力を発揮してくれることだろう。
だが。
「馬鹿な……」
愕然とした呟きがユーゼスの口から漏れる。
「こんな馬鹿なことがあってたまるものか!」
呟く程度では抑えきれない。悲鳴にも似た絶叫が、部屋に響いた。
動揺を、そして絶望を隠し切れない。
握り締めた拳が震える。仮面から覗く瞳には、涙すら滲んでいた。
長きに渡る悲願が、音を立てて崩れ落ちていくのがわかった。
ゼストは、完成しない。
マイナスエネルギーは、十分な量を収集できている。
今の状態でも、具現化させることはできる。力を振るうことも可能だ。
しかし、その状態を維持させることができないのだ。
ゼストの姿でいられる時間は、せいぜい3分。
これでは、地球という制限下で活動するウルトラマンと変わりはない。
原因は、器だ。
この土壇場に来て、ゼストの身体に僅かな、本当に僅かな傷跡を発見したのだ。
人間の毛穴にも満たないような小さなその傷は、計画に致命的な支障をきたすこととなった。
もしこの状態のままゼストを具現化すれば、この僅かな傷穴からマイナスエネルギーが漏れてしまう。
小さな穴からガスが漏れる風船をイメージすれば、わかりやすい。
E−4のデビルガンダムを巡る大攻防戦の終盤で見せた、アストラナガンの一撃。
マシュマーがゼストの『卵』に放ったアイン・ソフ・オウル。
あの時受けた傷が、完全に癒されていないと考えるべきだろう。
それにしても、おかしい。DG細胞による自己再生機能は正常に機能しているはずだ。
しかもそれに加え、修復のためにズフィルードクリスタルまで投入したのだ。
この程度の傷だけが今になっても癒し切れていないなど、あまりにも不自然だった。
「まさか……まだ抵抗しているというのか、亡者どもが」
項垂れていた顔を上げる。その目に憎悪を灯らせて。
そう、取り込んだまつろわぬ霊達が、修復を妨げているとしたら……?
「ふざけるな……ふざけるなよ。
お前達は死人だ……大人しく我が力となればいい……
これ以上の現世への介入や妨害など許さぬ……あってはならぬ……!」
――いや、出来る。お前は人間というものを軽んじすぎた。
「黙れッ!!」
脳裏に過ぎるイングラムの言葉。ユーゼスは目を見開いた。
「何十年、何百年……いや、数え切れぬほどの死と新生を繰り返して……
気が遠くなるような時間を費やして、ようやくここまで漕ぎ着けたのだ……
それを、お前達ごときに否定されてなるものか……!!」
認めない。絶対に認めない。
運命を。アカシックレコードを。無限力を。ウルトラマンを。
我が野望を阻んできたスーパーヒーロー達を、鋼の救世主達を。
そして――クォヴレー・ゴードン。
――ここまでだ、ユーゼス。もう諦めろ。
「冗談では、ない……!」
シヴァーの造った、欠陥品のバルシェム。
彼は力を手にし、並行世界の番人の地位を得た。
自分やイングラムが長きに渡って足掻き、望み続け、辿り着けなかった場所を、
あの人形風情は、成り行きと偶然に助けられて、平然と歩いているのだ。
許せない。
イングラムよ、お前は何故あの男に自分の全てを託した?
その行いが何を意味するかわかっているのか?
クォヴレーの存在を認めることは……自分達の今までを、全て否定することに繋がる。
それが許せるか?
例えイングラムが認めても、運命が、全てのものが認めても。
私は認めない。クォヴレーを、その存在そのものを、絶対に認めない。
「ク、ククク……まだだ。まだ諦めんぞ」
狂気を孕んだ薄笑いを浮かべ、呟く。
「諦めきれるものではない……まだ、手はあるはずだ……
あと少しで悲願に手が届く……諦められるものか……ククク、ハハハハハ……!!」
ユーゼスは気付いているだろうか。
自分が抱いている感情に、『嫉妬』という名の人間の感情が含まれていることに。
そんな醜い負の感情に身を委ねてしまっていることに。
そして……彼自身も、膨大なマイナスエネルギーの闇に取り込まれつつあることに。
* * * * * * * * * * *
世界に、違和感が混じりだす。
フィールドを覆う光の壁は徐々に色を失い、空も昼前だというのに薄暗くなり始めた。
肌に感じる空気が、僅かに震えている。
仮初の異空間が、本来の姿を曝け出そうとしているかのように。
崩壊の予兆――ラミアは漠然とながら、それを感じ取っていた。
(もしや……ユーゼス様の身に何かあったというのか?)
ラミアの表情は自然と険しさを増す。
フィールドの崩壊――空間制御を行うダイダルゲートが壊れたと見て間違いない。
破壊された、と考えるべきか。だがそれは何を意味するのか?
バトル・ロワイアルの破綻……いや、事態はそれだけには留まらない。
ダイダルゲートはアースクレイドルに設置されている。
それが破壊されたということは、即ちアースクレイドルが堕ちたと同義。
では、アースクレイドルに転移したはずのユーゼスはどうなった?
(いや、幾重もの保険を張り巡らせているユーゼス様のこと。
フォルカとの戦闘の時のように、今度も……)
沸き起こる不安を拭い去るかのように、自分に言い聞かせる。
だが、どちらにしても悪い状況に置かれていることに変わりはない。
これでユーゼスの手札がまた一つ減り、追い詰められたことは紛れもない事実なのだ。
(……それにしても、ダイダルゲートが破壊されたとして……一体、誰の手で?)
アースクレイドルに向けて真っ直ぐに機体を向かわせながら、ラミアは考察する。
フォルカ達は先程まで行動を共にしていた。木原マサキも、E−4の戦闘で消息を絶っている。
残るはイキマとクォヴレーのみだが、現状の彼らの戦力でのアースクレイドルの攻略は難しい。
ましてや、クォヴレーの崩壊寸前といわれる精神状態では――
(いや……まさか)
クォヴレーのことに思考を傾けた時、一つの可能性が浮かび上がる。
しかし彼女が考えたそれは……まさに最悪の事態を示す可能性だった。
(……急がなければ)
寒気がする。全身に冷たい汗が滲んでいた。
ラーゼフォンの飛行速度は、自然と上昇していた。
* * * * * * * * * * *
ユーゼスを撃退したディス・アストラナガンと、対峙するブライガー。
クォヴレーとイキマ、本当の意味での再会だ。
しかしクォヴレーが自分を取り戻した今、その意味合いは以前と同じだけではない。
アストラナガンとの通信が繋がり、モニターにクォヴレーの姿が表示された。
イキマは彼の姿をその目にして、改めて印象の違いを実感する。
青く染まった銀髪。まるでこれは――
「イン……グラム……?」
「俺の名前を忘れたのか?イキマ」
そう言って微笑するクォヴレーの表情は、イキマにとっては初めて見るものだった。
「クォヴレー……本当に、クォヴレー・ゴードンなのか……?」
「そうだ……全てを思い出した。記憶を、そして自分の使命を」
「……そうか」
それは仲間として、喜ぶべきことなのだろう。
その一方で、イキマの発した返事にはどこか漠然とした寂しさを孕んでいた。
クォヴレーが、自分達とはまた違う次元の存在となったことに、薄々勘付いたからだろうか。
「そしてイキマ……お前や、ジョシュア達のことも忘れてはいない」
しかし次に出たクォヴレーの言葉は、イキマ達のよく知るクォヴレーのものに違いなかった。
「フン……当然だ。あれだけ命を張って、忘れられてはたまったものではないわ」
憎まれ口を叩く。一瞬とはいえ、自分が抱いた軽い安堵を照れ隠すかのように。
「まあいい……ようやく自分を取り戻したようだな。手間取らせおって」
「余計な心配をかけた……すまなかった、イキマ」
「全くだ。その分の埋め合わせは、これから存分にしてもらうぞ」
「ああ……そのつもりだ」
微笑むクォヴレー。精神は安定している。先の状態からは考えられないほどに。
(元の鞘に戻った……か)
今まで彼が纏っていた、過剰なまでに張り詰めた空気が、今は感じられない。
これが、本来のクォヴレー・ゴードンという男なのだろう。
(これでいい。そして……俺もこの戦いが終われば、元の鞘に帰る)
自分の本来の姿――それを持っているのは、イキマもまた同じである。
クォヴレー達が人間である以上……イキマはいずれ彼らとも決別しなければならなかった。
それが、邪魔大王国の戦士としてのイキマの、彼なりのけじめだ。
そんな運命に一抹の寂しさを感じるのは、多分気のせいではないだろう――
再会の喜びもそこそこに、二人は今後の行動を検討すべく、互いの情報を交換する。
ユーゼスがE−7に転移したこと。6時間後にこのフィールドが崩壊すること。
そしてディス・アストラナガンが、現状で唯一のフィールドからの脱出の手段であること。
(残された時間は、決して多くはない……か)
イキマは空を見上げる。既に昼前とは思えぬほど暗くなっていた。
全てが確実に終焉が迫っていることを、嫌でも感じさせられる。
「それで、まずは今残っている生存者達を集めたいと思っている」
クォヴレーが本題を切り出した。
「この世界からの脱出……そしてユーゼスとの決戦に備えるためだな」
E−7で待つというユーゼスの言葉は、間違いなく罠だろう。
この上、まだ何らかの切り札を隠し持っている可能性は高い。戦力は多いに越したことはない。
「ああ。特に、フォルカ・アルバーグ……だったか。
彼の存在は、ユーゼスと戦うにあたって大きな力となる。
そして何より……謝らなければならない子がいる」
そう言うと、モニターの向こうのクォヴレーは目を伏せた。
「……ミオ・サスガか」
「俺は過ちを犯し、彼女を傷つけた。その償いは為されなければならない。
今、自分に出来るやり方で……たとえ彼女が許してくれないとしても……」
「……」
イキマは違和感にも近い必要以上の悲壮感を、クォヴレーから感じ取った。
一種の脆さすら感じさせる。まるで何かに思い詰めているような。
「クォヴレー、お前まさか……」
「!!待てイキマ!何か来る!」
イキマの疑問は、クォヴレーの声と、響き渡るアラーム音で遮られた。
「何ッ!?」
導かれるままにレーダーに目を向けると、そこには新たな反応が出現していた。
1時の方向。1体の飛行物体が、高速でこちらに接近してくる。
「馬鹿な、こいつは……!」
反応のある方角へと視線を移す。
暗くなった空には、白い色は非常に目立つ。
だがイキマにとっては、その色は限りなく黒に近いグレーでもあった。
「ラミア・ラヴレス……!」
現れた天使――ラーゼフォンを、イキマは睨み付けた。
イキマがラミアを最後に見たのは、E−4でのユーゼス戦の直前だ。
あの後ヘルモーズに帰還した彼女は、艦の轟沈と共にそのまま消息を絶っていたが……
どうやら、艦と運命を共にはしなかったらしい。
「ユーゼスの犬め……まだ生きていたか」
E−4の一件で、ラミアが自分達を欺いていたことは判明している。
そして前の時のマサキのような、ラミアへの敵意を妨げるものはもうない。
「気をつけろクォヴレー。あの女はユーゼスへの忠誠を捨てていない。
下手に動かれる前に、今ここで確実に叩いて……」
「イキマ……下がっていてくれ。彼女と話をしたい」
警戒を促すイキマ。クォヴレーの反応は、そんなイキマとは対照的だ。
アストラナガンが、前へ一歩歩み出る。
「なっ!?おい待て、危険だ!」
「彼女が本当に戦うべき敵かどうか……見極めなければならない」
「しかし、奴が間者であることは紛れもない事実なのだぞ!?」
クォヴレーは不自然なほどに理性的だった。かえって不安すら抱かせるほどに。
「……もし、スパイとしての行動が、彼女の本意ではなかったとしたら……?」
「何だと?」
「もし、彼女が何らかの洗脳を受けて、ユーゼスに従っているとしたら……?」
ラミアを信用しているのか。いや、クォヴレーと彼女にそこまでの因縁はないはずだ。
「ユーゼスとはそういう男だ。目的のためには手段を選ばない。
……イングラムも、同じように運命を弄ばれた一人だった」
どうやらクォヴレーの発言の根拠は、ラミアよりもユーゼスのほうにあるようだ。
ユーゼスの非道を知るからこそ、出た意見だということか。
「ぬぅ……」
イキマにも思い当たる節はあった。
ラミアがフォルカの質問を受けた――自分の意思を問い詰められた時に。
彼女にしては珍しく、あからさまな動揺を見せていた。
その違和感が、イキマがラミアを黒ではなくグレーと評した理由でもある。
だが、それでも。
「……いや、考えすぎだ。俺には奴の忠誠に、嘘があるとは思えん」
――……ノーだ。何故なら私は人形だからな。
――貴様……ならば死ぬしかないぞ!
――ノーと言った!人形に死への恐れなど存在しない!
マサキに追い詰められていた時、ラミアの発した力強い声。
そこには人形のものではない、彼女の確かな意思があった。
あの言葉が偽りであるとは、イキマにはどうしても思えない。
「ユーゼスにしてみれば、彼女も単なる利用対象でしかない。
少しでも可能性があるなら……俺は見極めなければならない。
もう二度と、後悔しないためにも」
「……そうか」
クォヴレーの意志は強いようだ。そこにある、彼女を救いたいという想いは本物だろう。
だがそれとは別に、イキマはクォヴレーに対し得体の知れぬ危機感を抱いた。
(クォヴレー……お前は何を恐れている?)
僅かに、ほんの僅かだけ、クォヴレーの中に見えるしこり。
少し前までの壊れかけだった精神状態に比べれば、微々たるものに過ぎない。だが……?
「……好きにしろ。だが、油断はするな。お前の死は、俺達の敗北を意味する」
「ああ……すまない、イキマ」
イキマにそう返すと、アストラナガンは再び前に歩み出て、
上空のラーゼフォンに向けて、呼びかけた。
「聞こえるか、ラミア・ラヴレス!!」
* * * * * * * * * * *
ディス・アストラナガンから聞こえてきた声は、紛れもなくクォヴレーのものだ。
その声を耳にして、ラミアは恐れていた最悪の事態が現実となったことを認識する。
即ち、虚空の使者の――主の最大の天敵の、完全なる復活。
如何なる経緯でクォヴレーとアストラナガンが邂逅を果たしたというのか。
そもそもクォヴレーは記憶を消去され、その精神も崩壊寸前ではなかったのか。
そんな状態ではディス・レヴを制御できるものではない……そのはずだ。一体何故?
しかもアストラナガンは、デビルガンダム戦で受けたはずの損傷を、全て回復させている。
いくら再生能力を有していても、あの傷は数時間で全快できるようなものではなかった。
絶対にありえない。それでもありえるとするなら――それは紛れもない完全復活の証明。
……この際、過程など問題ではない。現実に、アストラナガンは目の前にいるのだ。
本来のマスターと結びつき、その力を完全に取り戻して。
周囲の地形にその視線を移す。
中心部に広がるクレーター。恐らく数時間前の、グランゾンの転移の際にできたものだろう。
だが、それ以外にも激しい戦闘の跡が目立つ。
地表にいくつか穴が開いており、穴の奥には秘密の地下通路が覗き見える。
あの通路の先は、アースクレイドルへと繋がっているはずだ。
ラミアの前に並べられた、最悪の事態を想定させる要素のフルコース。
そして、ラミアはメインディッシュを発見した。
戦闘の跡の地面に、無造作に突き刺さった一本の剣を。
(あの剣……間違いない)
剣の名は――ディバインアーム。
無論、テンザン・ナカジマに支給された量産型ヴァルシオンのものではない。
ユーゼスが万一の事態のために用意していた、オリジナルのヴァルシオンのもの。
アストラナガンとの戦闘で弾き飛ばされてそのままになっていた、主の機体の剣。
それが何を意味するか……考えるまでもなかった。
「俺達は戦うつもりはない。お前と話がしたい」
沸き起こる敵意を察したのか。
クォヴレーの二言目は、均衡を崩したクォヴレーの精神が、持ち直ったことを示していた。
そんなクォヴレーの言葉は……逆にラミアの警戒心を一層強めることとなった。
「……後ろの仲間から聞いているのではないのか?私が、お前達を欺いていたことを」
アストラナガンの後ろに位置するブライガーに焦点を移す。
現状の生存者から消去法で考えれば、乗っているのはイキマ以外に考えられない。
ならば、イキマから聞いているはずだ。自分の主への忠誠心が健在であることを。
「それでも、俺達は争い合っている場合じゃない。もう、そんな状況ではないんだ」
「……このフィールドが崩壊するから、か?」
「そうだ。先程、ダイダルゲートが破壊された。それが何を意味するか、お前にもわかるはずだ。
このままこの地に留まり続ければ、時間と空間の歪みに飲み込まれ……」
「それがどうした」
クォヴレーを一蹴する。いちいち説明されずともわかっていることだ。
今ラミアにとって最も重要なことは、そんなことではない。
「お前に聞きたいことは、ただ一つ……」
気品すら漂わせながら、天使は荒れた大地に舞い降りる。
ディバインアームの、すぐ前に。
「……ユーゼス様は、どうした」
視線を剣に注いだまま、ラミアは口を開いた
「ユーゼス様と戦ったのだろう?知らんとは言わせん」
「それを知って、お前はどうするつもりなんだ」
「質問しているのはこちらだ。答えろ」
沸き起こる焦りと苛立ちを抑えながら尋ねる。
「……ユーゼスはまだ生きている。別の場所に転移した」
「嘘ではあるまいな。では、どこに転移したか、教えてもらう」
冷静さを保っているつもりでも、感情は隠しきれない。
だがクォヴレーの次の言葉で、その感情の流れは一旦塞き止められることになる。
「……それは、お前の真意を問い質してからだ」
「真意……だと?」
前にも誰かが、似たようなことを言っていた気がした。
「聞かせてくれ。ユーゼスに仕える事……それはお前の『意思』なのか?」
そう……フォルカと同じようなことを言っているのだ。
「お前は、ユーゼスのことをどれだけ知っている?
奴が為そうとしていることを、どれだけ理解できている?」
しかしクォヴレーの言葉は、フォルカのそれとは微妙にニュアンスが違っていた。
フォルカにはなかった何かが、クォヴレーの言葉の中に確かに存在している。
「……回りくどい前置きはいい。はっきりと言ってもらおう」
その正体を確かめるべく、ラミアは単刀直入に問いかけた。
「ユーゼスと手を切るんだ。でなければ、お前は必ず後悔することになる。
何も知らずにあの男に加担しているのなら、尚更だ」
彼は明確に、ユーゼスからの離反を勧めていた。
ユーゼスの否定。そこから展開される理論展開。
それが、あくまでラミアの意思に判断を委ねたフォルカとの違いだ。
「何も知らずに、か。まるでお前は知っているかのような口振りだな」
「そうだ、知っている。記憶を取り戻し……イングラムの記憶を受け継いだことで、
俺は同時にユーゼスの過去も知った。……あの男の人間性も」
「……そういうこと、か」
イングラムはユーゼス様と同じ記憶を有している。
そのイングラムと同じ記憶を持つクォヴレーもまた然り、ということだ。
ユーゼスの内面に、どれだけ深く踏み込めているか。
そこに、クォヴレーとフォルカの認識の違いが出たのだろう。
「お前がどういった経緯でユーゼスに従っているかは知らない。
だが、それがどうであろうと……奴の下にいる以上、それは決してお前のためにならない」
「用が済めば、いずれ捨てられるから……か?」
クォヴレーが言わんとしていることはわかっている。
事実、ラミアは一度捨て駒として散ることを許可された。
この先、同じ葛藤にぶつかるであろうことも目に見えている。
「それをわかっているなら……!」
「ああ……そうだな」
ラミアは、クォヴレーの言葉を肯定した。
「多分……お前が言っていることは正しいのかもしれん」
ラミア自身も驚くほど、敵である相手の意見を素直に受け入れている。
「私が求めているものは……恐らく、ユーゼス様の下にはないのだろうな」
「ラミア……」
任務という名の糸が切れ、自由を手にしたピノキオは、自分の在り方を考える機会を得た。
修羅と少女、二人のジェミニィに支えられ、答えを探す旅に出た。
だが、本当はもっと早い段階から気付いていたのかもしれない。
ユーゼスという名の鯨の腹の中には、求めている答えはないのだと。
主は自分をただの駒としてしか見ていない。それ以上の役割は自分は望まれていない。
このまま仕え続けていれば――自分は、いずれ苦しむことになるだろう。
本当の意味で、自分を探したいと思うなら……
きっと、あの方の下から離れるのが、一番簡単な道かもしれない。
「だったら……迷うことはないはずだ。
ユーゼスの所にいてはいけない……俺達と共に行こう」
クォヴレーの言葉には、恐らく浅ましい打算や裏はない。
彼らはそういうものだ。通じる所は、多分フォルカやミオと同じ場所。
そしてラミアも、彼らに自分の居場所を見出してもよかった。
「……それは、できない」
しかしラミアは、彼の誘いをはっきりと断った。
クォヴレーの言葉を受け入れた上で、彼らと共に行くことを良しとしなかった。
今一度、思い返そう。
最初にこの地に降り立った時、何故彼女はイングラムを討とうと動いたのか?
ジョーカーとしての任を一時放棄してまで、何故そう考えたのか?
グランゾンに危険を感じた時、何故彼女は命令に背く覚悟で、グランゾンを討つ決意をしたのか?
マサキに追い詰められた時、何故最後までマサキの勧告を拒んだのか?
自らの死の危険を省みず、何故やり過ごすための嘘をつくことすら拒んだのか?
ジュデッカが撃墜され、ユーゼスが死んだと認識したあの時の脱力感は、本当は何だったのか?
自由を得ながら、それでも主に代わりゲームを進行しようとした真の理由は?
フォルカに問い詰められた時、ミオに勇気付けられた時。
あの時、どうしてラミアは彼らの持つ温かさに身を委ねなかったのか?
そうしたほうが、ずっと楽だったはずだ。きっと彼らは受け入れてくれただろう。
にも拘らず……何故ラミアは、あえて茨の道を選んだのか?
そして、フィールドの崩壊が始まった時。
ここの戦闘の跡を目の当たりにした時。ディバインアームを見つけた時。
虚空の使者の完全な復活を確信した時。
それらの時に抱いた、計り知れない不安と恐怖と危機感は、何だ?
「何故なら……私はユーゼス様の僕だからだ」
主の全てを受け入れられたわけではないし、言いたいことも山ほどある。
多分、これが辛い選択となるであろうことも理解している。
だがそれでも、ラミアはユーゼスと共に往く道を選んだ。
例え、その先に待つものが自らの破滅に繋がるとしても、だ。
ユーゼスはラミアの主であると同時に、親でもあり、ひいては家族でもあった。
ユーゼスの下こそが彼女の帰る場所であり、居場所であった。
そう、ラミアにとってのかけがえのない存在、それがユーゼスだった。
「なん……だと……?」
呆然と立ち尽くすアストラナガンを尻目に、ラミアは続ける。
「そしてお前は、ユーゼス様に危害を及ぼす敵……。
こうしてお前と対峙して、話して……確信した」
ラミアの迷いを完全に断ち切ったのは、皮肉にもクォヴレーとアストラナガンの存在であった。
ユーゼスと敵対する、というだけならフォルカ達とて同じことだ。
だがクォヴレーの場合、彼らとは立ち位置が違う。
並行世界の番人という特殊な存在。主の存在そのものを許さない、宿敵。
主の手の内すらも知り尽くした、最大にして最悪の天敵なのだ。
D-6の惨状は、その認識を加速させるには十分だった。
「我が主、ユーゼス・ゴッツォの命をお守りするため。
クォヴレー・ゴードン……やはりお前は、ここで死んでもらう」
主の行方は、後でイキマに吐かせればいいだけの話だ。
この男だけは消しておかねばならない。自分の全てを賭けて。
「馬鹿な!利用されていると、捨てられるとわかっていて、何故ユーゼスに従う!?
ユーゼスに利用され続けるだけの『人形』で、お前は満足なのか?」
食い下がるクォヴレー。だが彼の言う事は、ラミアにとっては既に通過した道でしかない。
「人形……そうかもしれんな。だが、その糸は切れた」
糸の切れた人形はあくまで人形……しかし自由だと、ラミアは思った。
だが自由だと思える意思があるのなら、もう人形のカテゴリに収めることはできない。
では、何だ?
「人形から、任務という名の操り糸が切れたら……
兵士から任務を取れば何が残る?」
ずっと昔、誰かに問いかけた気がする言葉を、同じようにクォヴレーに問いかける。
「何が……?」
質問の真意を理解できず、クォヴレーは答えられない。
別に、答えなど期待していない。ラミアは答えを知っているのだから。
「人間が、残る……!」
まるで昔から知っていたかのように、答えは自然と口に出来た。
「そうだ。これはW17のプログラムではない。いや、例えそうだとしても……
その是非などもはや問題ではない。これは……紛うことなき今の私の意思」
命じられたからではない。自分でそうしたいと思ったから、この道を選んだ。
彼女は高らかに表明する。
「これは、人間――ラミア・ラヴレスとしての意思だ――!!」
そこにいるピノキオは、もう人形ではなかった。
「ラミア……お前は……」
先の言葉を続けられないクォヴレーを尻目に、ラーゼフォンは突き刺さった
ディバインアームの柄に手を添える。
「改めて、自己紹介をせねばなるまい……」
そのまま剣を引き抜き、そして頭上に掲げる。自らの存在意義を証明するかのように。
「私はラミア・ラブレス。ユーゼス様に作られた、あの方の剣でございます」
芝居がかった口調で、宣戦を布告する。
ラーゼフォンはそこで初めてアストラナガンに向き直り、ディバインアームの剣先を突きつけた。
「では―――さようなら」
すいません、一旦ここで切ります
後半は今晩投下します、ほんとに何度もすみません
投下ktkr
焦らしプレイktkr
全裸で待ってる
>>320 俺も両方見てるからあんまりどうこう言えないけど、別に総合にしてもいいんじゃないかと思う
というより、あえて別々にする理由が無いような
ラミアかっけえぇぇぇ。
久保は好きだけど偽善者っぽいなw
ちょwwwここで中断www
仕方無い、夜までボソンジャンプするか
投下GJ!
ちゃんとした感想は後半投下後につけさせてもらいますが、ラミア格好良すぎ。
あの名台詞をこう使うとは……
後半にもwktkです。
昨夜は投下待ちして結局投下30分前に寝落ちしてたというねorz
今夜は早めに寝ないとマジで死ねそうなので告知から一日も経っていませんが絵板のURLを晒しときます
とりあえず目立った反対意見もないようですし大丈夫ですよね?
http://www2.atpaint.jp/srwbr/index.htm ちなみに
>>343も俺です。決して感想を怠慢してるとかそういうことじゃないんでー
リアルタイム投下に立ち会いたかったけれども眠気が限界です、残念
さて今日もマクロスFまで支援待機だ
俺の住んでる地域じゃマクロスやってないよコンチクショウ
つか、なんかむちゃくちゃ眠い……投下まで起きてられるか……?
>>344 絵板設置乙です。早速一枚投下されたようで何より。賑わうことに期待します。
クッ・・・援護はまだなのか!?
もう今夜は来なさそうだな・・・寝るか
フッ…朝日が眩しいぜ…
さて今日はどうか・・・
土曜になったが。
せめて報告は欲しいところ
すいません。
自分のPCの調子が悪く(電源が入らない)投下できません。
今携帯から書き込んでいます。
トリはPCに記憶させていたので携帯からではわかりません。
僕と証明できない…。
データはUSBに入っているので
明日ネカフェで軽く仕上げてから投下します。
すみません、リアルの事情で投下すら出来ない状態でした。報告遅れて申し訳ない。
>>337の続き、投下します。
E−7基地の一室で、コンソールを叩く音が響く。
ユーゼスは何かに取り憑かれたように、ゼスト修復の手段を模索していた。
傷穴は一向に塞がる気配を見せない。
本当に、魂達が悪足掻きをしているとでもいうのか。
これから6時間にも満たない時間で、自己修復できる保証はなかった。
(ならば、私の手で直接修復に着手すれば……いや、時間が足りん)
既にゼストの調整は最終段階に入っている。
傷一つの修復のために調整を中断し、今から後戻りすることなど出来ない。
もう時間がないのだ。修復と調整の両方を完全に終えるには、6時間では到底足りない。
(どうする……どうすればいい……?)
とりあえず、この場を凌ぐ方法はある。
新たな別個の機体を、ゼストに取り込むことだ。
取り込んだ機体をゼストの依り代とし、一時的に器として代用する。
修復までの時間稼ぎ……最低でも、この6時間を持たせるくらいは容易なはずだ。
問題は、その依り代となる機体だ。
最低限、ゼストのパワーに耐えられるだけの力を持っていなくてはならない。
ベストはやはりディス・アストラナガンだ。
ディス・レヴを動力とする冥界の神ならば、ゼストの器として相応しくすらある。
グランゾンでもいい。光の巨人の力を得た修羅王でも、可能かもしれない。
そのいずれか一つでも取り込むことができれば、今のこの問題は解決する。
だが、今ゼストを起動している一番の理由は、そもそも彼らに対抗するためということを忘れてはならない。
ゼストで戦える時間は、僅か3分。いかにゼストが強大な力を持っているとしても、
その3分間で、彼らのうちの1体でも確実に捕えられるという保証はない。
今のように、また亡者どもに阻まれる可能性も否定できないのだ。
特にグランゾンはまだ切り札を隠し持っているフシが見受けられたし、
光の巨人の力を得たという修羅王に至っては、未だその全貌を掴めていない。
今のゼストで、正面から無策のまま挑むには、あまりにも分が悪い。
ここまでの成果の全てを、無謀な賭けのチップに使うほどユーゼスは酔狂ではなかった。
では、他に代用できる機体はあるか?
この際何でもいい。空いた風船の穴を、一時的にでも塞ぐことができれば。
基地に残っているヴァルク・ベンなどは、論外。
だが、選考漏れした機体の中にある、強力な特機なら、あるいは――
その時。
「む……!?」
ユーゼスは、通信機のランプが点灯しているのを発見した。
「これは……生きていたのか!?」
驚愕と共に、仮面の下の口元が吊り上がる。
点灯しているのは、特殊回線――『ある機体』への直通回線が、稼働していることを示すランプだ。
「そうか……生きていたか、W17……ククク……ハハハハハハッ!!!」
箍が外れたような笑い声が、部屋の中に響いた。
まだ、運には見放されていない。
私には、最高の保険がまだ残されていた――!!
* * * * * * * * * * *
白と黒。天使と悪魔。光と闇。
ぶつかり合う二つの力は、その全てが相反していた。
力だけではない。両者の信じるものさえも、もはや交わることがないように思えた。
ラーゼフォンの右手に握られたディバインアームが、勢いよく振り下ろされる。
それをZ・Oサイズで受け止めるアストラナガン。
「くっ……!」
得物と体格の差が、じりじりとアストラナガンを押し込んでいく。
「どうした、そんなものではあるまい……それとも余裕のつもりか、アストラナガン!」
先の戦いでヴァルシオンを吹き飛ばした時のパワーが、今のアストラナガンからは見られない。
「ッ……言ったはずだ、お前と戦うつもりはない!」
「私にはある、お前を倒す理由がな!」
ラーゼフォンの空いている左手に光が集まり、剣が形作られる。
間髪いれずに相手の胴体目掛けて、光の刃を横薙ぎに切り払った。
「ちっ!」
背後に跳び、紙一重で避けるアストラナガン。光は宙を切った。
それでもラーゼフォンは追撃の手を緩めない。すぐさま距離を詰め、斬りかかる。
剣の扱いは、ラミアに分があった。加えて、ディバインアームと光の剣の二刀流。
クォヴレーは接近戦を不利と悟るや否や、上空へ急上昇し、ラーゼフォンより離脱を図る。
「逃がさん!」
追いすがってくるラーゼフォン。振り切れない。
レプリカとはいえ、ラーゼフォンの性能は限りなくオリジナルに近づけられている。
いかに力を取り戻したディス・アストラナガンといえど、決して油断できる相手ではない。
「クォヴレー……どうした!?何故ガン・スレイヴを使わん!?」
その戦いぶりを見るに見かねたか、地上からイキマの叫びが聞こえてくる。
彼の言う通り、クォヴレーは明らかにラミアに対し攻撃を躊躇っていた。
対するラミアも、アストラナガンの不自然な躊躇に警戒し、隙の大きな大技を控えている。
必然的に戦いは、地味な小競り合いの繰り返しとなっていた。
「クォヴレー!!聞こえているのか!?」
「わかっている!だが、彼女もまた……ユーゼスの犠牲者だ」
「私が犠牲者だと?」
クォヴレーの言葉に反応したのはラミアだ。その声には不快感が孕んでいる。
「ラミア、やはりお前はこれ以上ユーゼスの所にいるべきではない!
それだけの強い意志を持っているなら、尚更だ!」
その呼びかけに、ラーゼフォンは左掌から光を撃ち放つことで返す。
「このままユーゼスの下にいれば、お前は不幸な結末を迎えることになる!」
放たれた光に対し、アストラナガンは回避運動を取りつつラアム・ショットガンで迎撃。
戦闘は接近戦から、中距離での射撃合戦へと移行する。
「知った風な口を……!」
「知っているんだ!奴の野望の踏み台として、どれだけの犠牲が生み出されたかを!」
クォヴレーは知っている。イングラムの記憶から繋がる、ユーゼスの過去を。
ユーゼスのエゴの踏み台として、どれだけの者達が理不尽に踏み躙られていったことか。
それは彼の部下すら例外ではない。そもそも彼にとって、部下など利用対象でしかない。
ある世界におけるヤプール、ゴッドネロス、ウルベ・イシカワ、神官ポー。
またある世界のレビ、ラオデキヤ、大将軍ガルーダ……そしてイングラム自身も。
もっと広義に捉えるなら、その数はもはや数え切れるものではない。
ラミアも、遅かれ早かれ同じ運命を辿ることは目に見えていた。
「彼らと同じ末路を、お前にも辿らせたくはない……」
説得は絶望的だ。それでもクォヴレーは諦めない。ヴィンデルが自分に対しそうしたように。
「そして、お前にこれ以上の過ちを犯させるわけにはいかない!!」
しかし今の彼女には呼びかけるだけでは通用しない……その現実も理解していた。
だから――ラミアを止める。
光弾と銃弾がぶつかり、爆発が巻き起こった。
爆風と煙が一瞬だけ両者の視界を妨げる。
――好機。
「俺は、お前をッ!!」
その刹那を見逃さず、クォヴレーは勝負に出た。
「ユーゼスの呪縛から、解き放つ!!」
そこで初めて放出される、ガン・スレイヴ。
蝙蝠達はクォヴレーの意思に従い、ラーゼフォンの動きを封じるように動く。
これは倒すためではなく、救うための一手。
しかし――敵を討つ意思がない以上、それは決してチェックメイトとなり得ない。
「……呪縛から解き放つ……だと?」
ラミアの口から漏れた呟きは、自らを貶められた怒りに満ち溢れていた。
クォヴレーの『説得』は、確かにラミアのことを思っての言葉だったのだろう。
ただし……ラミアにしてみれば、それは最大級の『侮辱』に他ならなかったのだ。
逆鱗を触れられたラミアは、最大級の『侮辱』に最大級の『皮肉』で返す。
「仲間の呪縛に囚われ……無抵抗の人間を嬲り殺したお前が言うことか」
「――!!」
ぞっとするほど冷たい声が、クォヴレーの思考回路を凍りつかせた。
傷跡が深く抉られる。クォヴレーの全思考を、一瞬でも停止させられる程度に。
その一瞬と同時に、ガン・スレイヴもまた動きを止めた。
そこに生まれる隙を見逃すラミアではない。
クォヴレーが我に返った時、ラミアは既にガン・スレイヴの包囲網を突破していた。
さらに、全てのガン・スレイヴを、そしてアストラナガンをも、攻撃射程範囲内に収めていた。
「思い上がるな、虚空の使者ッ!!」
クォヴレーの目に飛び込んできたのは――見開かれたラーゼフォンの、黄金の瞳。
「これは私の意思!!そしてッ!!」
それから――大きく開かれた、ラーゼフォンの口。
「私の……望みだぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
ラミアの魂の叫びが、ラーゼフォンの猛き歌声となって響き渡った。
歌声は衝撃を伴い、アストラナガンへと押し寄せる。
その途中で、放ったガン・スレイヴが、次々と衝撃に呑まれ爆散していく。
「なっ――」
避けられない。そう判断するや否や、アストラナガンは即座にディフレクトフィールドを全開にする。
しかし――防ぎきれない。
「ぐっ……」
全身の装甲が軋む。装甲の一部に皹が入り、砕けた。
ダメージはコックピット部装甲にも及び、中の搭乗者に相応の苦痛を与えるには十分だった。
「ぐ……あああぁぁぁぁぁぁっ!?」
やがて、歌声は止まった。
悪魔の全身から力が抜け、手から鎌が滑り落ちる。
すぐ後に、悪魔もまたそれを追うようにして、力なく地面へと落ちていった。
搭乗者が意識を失ったか。
(やったか?……いや!)
ラミアに油断はない。
同じようにラーゼフォンの歌声を受けたあの男は、しかしそのまま終わりはしなかった。
最期の瞬間までユーゼスに牙を剥き、反撃の狼煙を打ち上げて見せた。
クォヴレーがこれで終わるとは思えない。ましてや、あの男の遺志を継いでいるとなれば。
(とどめはこの手で、確実に刺す……!)
ディバインアームを腰に当て、居合いの構えをとる。
ラミアの、ラーゼフォンの鋭い眼光が、手負いの悪魔を貫き――
次の瞬間。
天使は風を、そして光を超えた。
「奥義……光刃閃!!」
彼女のもう一つの愛機の、必殺の一撃。
その全身を一本の白き矢と変えたラーゼフォンは、一直線に悪魔へと向けて飛ぶ。
悪魔はそれに対応する素振りを見せない。
仮に対応できたとしても、この状態から光刃閃のスピードから逃れることなど不可能だ。
今の悪魔に、破魔の矢に抗う術はない。
勝敗は、決した。
――しかし。
その手の鉄杭が、悪魔の心臓を貫くことはなかった。
「何ッ……!?」
ラーゼフォンの刃は、異物によって阻まれる。
満身創痍で、まともに戦えないものだとばかり思っていた、赤い異物に。
「クォヴレーを……やらせるわけにはいかん……!」
ラミアの刃は、天使と悪魔の間に割り込んできたブライガーの胴体を貫いていた。
「イキマ……かッ!」
迂闊だった。悪魔を討つことに固執しすぎて、彼の存在を蔑ろにしていたか。
ブライガーの介入の可能性は、十分に考えられたというのに。
(そう、だな……お前達ならば、そうするはずだ……)
身を呈し仲間を庇う姿に、ラミアの奥底から何かがこみ上げてくる。
不快な感覚はない。ただ、それでいて――胸の奥がちくりと痛み、どこか後ろめたかった。
「ふ……ふふふ……!」
ブライガーから聞こえてくる不敵な笑い声に、現実に引き戻される。
感傷に浸っている場合ではない。
本能的に危険を察知し、ラミアの背筋に寒気が走り抜けた。
(まずい、離脱を――ッ!?)
串刺しにしたブライガーから剣を引き抜こうとするも――抜けない。
見れば、ブライガーの両手は、自らに突き刺さったディバインアームをしっかりと掴んでいた。
「なッ!?」
「悪いが、俺はクォヴレーのように甘くはないのでな」
イキマの口元に、壮絶な笑みが浮かぶ。
両肩の大砲の先端が、光った。
「地獄に……付き合ってもらうぞ……!」
そして――
轟音が、鳴り響く。
同時に、一筋の光が、空へと向けて昇った。
ブライカノンが、火を噴いたのだ。
アストラナガンが、地に叩きつけられる。
「ぐ……っ!」
その衝撃で、クォヴレーの飛んでいた意識が戻った。
どれだけの間眠っていたのか。
いや、現実には彼が意識を飛ばしていたのはほんの数秒にも満たない。
だが、今のラミアを前に、その隙は致命的だ。
「く、そっ……!」
朦朧とする頭を振って強引に覚醒させる。
そして、ラミアがいるであろう空へと視線を移した時――
最初に目に飛び込んできたのは、上空より落ちてくるブライガーの姿だった。
「イキマ!?」
直後、アストラナガンのすぐ横に、ブライガーの巨体が大きな音と共に落下する。
その姿は、酷いものだった。
ディバインアームが腹に突き刺さり、ブライカノンの砲身も砕けている。
目を覆いたくなるほどの痛々しい姿に、クォヴレーは顔面を青ざめさせた。
「イキマ!!しっかりしろ!!」
喉を痛めんばかりの勢いで呼びかけるクォヴレー。
「返事をするんだ!!イキマ!!」
最も恐れる可能性を過ぎらせる。今度こそ、紛れもなく自分のせいだ。
自分の戦いが、甘さと躊躇いが、仲間を危険に追いやることになってしまった。
不安、恐怖、それらが綯い交ぜになったものが、クォヴレーを包み込んでいく。
「……みっともない声を上げるな、鬱陶しい」
しかしブライガーから返ってきたのは、いつもと何ら変わらぬ調子の、イキマの声が。
「イキマ!?無事なのか!?」
「馬鹿がっ!気を抜くな!」
安堵の声を上げるクォヴレーに、即座にイキマの檄が飛ぶ。
「まだ戦いは終わっていないのだぞ!」
イキマの言葉に、クォヴレーは再び空を見上げた。
暗い空に、白い影が一つ。その金色の眼球が、自分達を見下ろしている。
ラーゼフォンは、未だ健在だった。
あの至近距離の砲撃からよく逃れられたものだと、ラミアは思う。
離脱自体はそう難しくはなかった。
ブライガーが握っていたのは、その腹に刺さったディバインアーム。
ならば、ラーゼフォンはそこから手を離せばいいだけのこと。
それからすぐにブライガーの前方――ブライカノンの軸線上から逃れた。
それでも、タイミングとしてはギリギリ……ほんの1ミリ秒でもラミアの判断が遅れていれば、
ラーゼフォンはあの光に呑み込まれていたことだろう。
ブライガーはピクリとも動かない。元々ダメージを受けていた機体だ。
光刃閃の一撃がとどめとなったようだ。今度こそ、もう放置しても問題はないだろう。
視線をずらし……本命、アストラナガンへと向ける。
ラーゼフォンの歌をまともに受けたはずのアストラナガンだが、既に立ち上がろうとしていた。
フィールドを全開にして防いでいたとはいえ、あれを受けてまだ動けるのは流石というべきか。
自分を、ラーゼフォンを見据えるアストラナガンに、メガデウスの姿が被る。
やはり、今ここで完全に叩き潰さねばならない。私の持てる、全ての力を持って。
歌声のダメージが響いたか、アストラナガンは満足に動けない。討つなら、今だ。
ラーゼフォンの両の腕に光が迸り、一対の武具を形作る。
左手には弓、右手には矢。悪魔を射抜く、必中の光。
弓に矢を番え、引き絞る。
ふいに、心が痛んだ。
あの、イキマがクォヴレーを庇った時に感じたものと、同じ痛みだ。
それと共に、脳裏に一人の少女の顔が浮かんだ。
今のラミアを形成した最後のきっかけとなった、あの娘の顔が。
(すまない、ミオ。やはり、お前はそちらで……私はこちら側だったようだ)
自分の選択が、結果的に彼女を裏切る形となってしまったのが心残りか。
これで、自分はもう戻れないような気がした。
だが、後悔はない。これが彼女の選んだ道だから。
「――さらばだ」
別れの言葉を告げる。
目の前の宿敵に。人の温かさを教えてくれた少女に。きっかけを与えてくれた修羅王に。
そして――『名も思い出せぬ多くの仲間達』にも。
引き絞られた矢は、アストラナガンに向けて――
『……こえ……か。W…7』
突如聞こえてきた声が、ラミアの思考と手を止めた。
(!?その声……!)
通信機から聞き覚えのある声が流れてくる。
それは紛れもなく、自分が捜し求めていた主の声。
ラミアがその身を案じ続け、再会を望んでいた主の。
「ユーゼス様!?ご無事であられにございましたか!?」
思わず声を上げる。言語機能の障害で些か空気を台無しにしつつ。
『ようやく繋がったか。フォルカを取り逃がし、生き恥を晒しているようだな。W17……』
「申し訳なかっちゃったりするでごわす、ユーゼス様」
『……構わん、普通に喋れ。それに、今は任務の失敗は問わぬ。
何にせよ、お前が無事であるのは僥倖だった』
雑音交じりの中聞こえてくるユーゼスの物言いは、相変わらず冷え切っている。
ラミアの無事を喜んでいるようだが、それはあくまで彼女に利用価値があるからに過ぎない。
そしてラミアもまた、彼がそういう人間であることは十分理解していた。
やはり、主の中に自分の求めるものはなく、自分の選んだ道は険しいであろうことを再認識する。
『今や通信もままならぬ状況だ。用件だけを伝える。
私は今、E−7にいる。大至急、こちらに来てもらう』
「了解した。クォヴレーの始末後、すぐにそちらに向かう」
『その必要はない。奴にそれ以上手を出すことは許さん』
とどめを制止するユーゼスの命令に疑問を抱く。イングラムの時と同じだ。
以前の彼女なら大人しく命令に従っていただろうが……今は違った。
「無礼を承知で言わせて貰うが……あの男を放置するのは危険ではないか」
『ほう……人形風情が、この私に意見すると言うのかね?』
正面から自分の意を主に申し出る。対するユーゼスは感情を崩さない。
「あの男は力と記憶を取り戻した。その危険性を考慮した上での意見だ。
後顧の憂いを完全に断つためにも、ここで確実に始末すべきではないかと」
引き下がらないラミア。それは命令に従うだけのバルシェムのものではなかった。
『フフフ……そうか。そういうことか。ククク……』
突然ユーゼスは笑い出す。
人間のような口を利くバルシェムに怒るわけでもなく、むしろ心底愉快そうに。
「ユーゼス様?」
『ああ……すまない。お前がそこまでの領域に到達したことに、少々嬉しくなってな』
彼らしくもない発言に、ラミアは眉を顰めた。
解せない。彼は人形でしかないバルシェムに、人間らしさなど求めてはいないはずなのに。
疑問を抱くラミアを意に介することなく、ユーゼスは続ける。
『とにかく、奴は放置して構わん。今はむしろ、あれを破壊されては不都合なのでな。
敵はもはやあの男だけではない。私に刃向かう全ての敵に対抗するためにも、
今は一刻も早くお前の力を要する』
「しかし……!」
『ここでお前と、そしてラーゼフォンを失うわけにはいかぬ。
それともお前の独断で、私を不利に追いやるつもりか?』
そうまで言われては、引き下がるしかなかった。
ラミアにはそれ以上の反論を行えるほど、事態を把握できていない。
「……了解。ですが、後で事情は聞かせて貰いますですことよ」
ラミアの最後の言葉に返事をすることなく、通信は切れた。
溜息が、ひとつ漏れる。いつものことだ。
一番知りたかった情報であるユーゼスの消息、そしてその居場所は判明した。
そしてクォヴレーも放置しろと、命令を受けている。
もう、この場に用はない。
眼下のアストラナガンとブライガーを、ラミアはどこか複雑な表情で一瞥する。
「命拾いしたな……番人」
そう一言呟くと、ラーゼフォンは、E−7へと向けて飛び立った。
南東の空に飛び去る天使を、クォヴレーは呆然と見送っていた。
(どういうつもりだ?とどめは刺せたはずだ)
アストラナガンのダメージは、決して小さなものではなかった。
ラーゼフォンの歌声をその全身で受けたことで、傷のない箇所などほとんど存在しない。
装甲のあちこちに皹が入っている。砕けている箇所も所々存在する。
フィールドを全開にしていなければ、確実に分子崩壊を起こしていただろう。
既に損傷は自己修復が始まっているが、短時間で癒しきれる傷ではない。
(ユーゼスとの決戦を前にして、なんというザマだ……!
俺が……甘かったのか……?)
明らかに自分のミスだ。ラミアを倒すことを躊躇わなければ、こうはならなかった。
彼女を止めようと説得したはずが、火に油を注いだだけの結果で終わった。
最悪だ。機体に余計な損傷を与え……あまつさえ仲間をも窮地に立たせるとは。
「イキマ、大丈夫か?」
「大したことはない……もっとも、ブライガーは完全に動かんようだがな」
ブライガーに深々と刺さったディバインアームに目を移す。
少しでも刺さり所が悪ければ、イキマの命も失われていただろう。
そうでなくても、急所こそ外れていたとはいえ……あの攻撃で爆発しなかったのが不思議なくらいだ。
「……すまない、イキマ。俺はまた、過ちを犯したらしい……」
謝罪するクォヴレー。その顔は悔しさに歪められ、噛み締めた唇からは血が垂れていた。
「甘い考えで戦ったばかりに、お前を危険に……!」
「ふん……つまり俺の行為は、完全に道化だったと言いたいか」
自分を責め続けるクォヴレーを止めたのは、イキマの苛立たしげな声。
「イキマ……?いや、俺はそんなつもりで言ったのでは……」
「ふざけるな。そんなに過ちを犯すのが怖いか、臆病者が」
クォヴレーはまたも無意識のうちに、何もかもを自分ひとりで背負い込んでいた。
それを察したが故か。イキマの言動はいつになく棘が強い。
「その程度の覚悟では、あの女が説得できなかったのも当然だろうよ」
「なんだと……どういう意味だ……!」
流石にクォヴレーも、そうまで言われては憤る。
だが次の一言で、クォヴレーは押し黙らざるを得なくなった。
「わからんか?ならはっきり言ってやる。
……いつまでヴィンデルのことを引きずっているつもりだ」
「っ……!そんなことは……」
ない、と言い切れなかった。
彼の魂が許してくれたとしても、彼の命を、可能性を奪い取ったことは紛れもない事実。
まだ、彼の死を乗り越えきれてなかった。そんな自分に気付き、クォヴレーは目を伏せる。
「……言っておく。あの女は手強いぞ。迷いがない。
それも、迷いを捨てたのではなく……乗り越えた口だ」
イキマの言っていることは、クォヴレーにも理解できる。
ラミアの戦いには意思あるものの誇りすら感じられた。
「あれは、半端な覚悟で説き伏せられるような相手ではない」
「そう……そう、だな」
迷いを乗り越えた上で、自らの意思でユーゼスに従うことを選んだ。
それを過ちなどと否定されて、怒らぬ者がいるだろうか。
「俺は……ラミアをユーゼスという呪縛から解放させたいと思っていた。
だが、本人がそれを呪縛ではなく、自ら望んでいたなら……
彼女をユーゼスと引き離すことが、彼女の意思に反するのであれば……俺は……」
「さあな。何が正しいかなど、俺にはわからんよ。
それよりも……だ」
哲学や禅問答を語るほど余裕はない。イキマはそこまでの話を一旦中断し、仕切り直す。
「ラミアは南東に向けて真っ直ぐに飛び去った。方角から考えて、向かったのはE−7だろうな」
「……何?」
そう言われて、初めてその不可解さに気付く。E−7は、ユーゼスのいる場所だ。
心乱しすぐに気付かなかったが、ラミアのこれまでの行動を考えると、明らかにおかしい。
「待て、奴は最初、俺にユーゼスの居場所を尋ねていたぞ」
「そうだ。ここに来た段階で、ユーゼスの生死すら把握できていないようだった。
だが、奴はユーゼスのいる方角へと向かったのは事実だ。
……そもそも、お前を殺すとあれだけ息巻いていたあの女が、突然それを放棄したのもおかしい。
確実にお前にとどめを刺す機会があったにも拘らず、な」
ラミアの違和感を次々と指摘するイキマ。
どうやら彼のほうが、感情に先走り気味のクォヴレーよりも幾分冷静なようだ。
それにしても、イキマはいつになく雄弁だった。
「あの女の機体に直接、ユーゼスから連絡が入ったのかもしれんな。
奴のスパイという役割から考えても、ありえる話だ」
「ユーゼスが、ラミアを呼び寄せたというのか……!」
新たな可能性の浮上に、クォヴレーは危機感を抱く。
今になって、何のためにラミアを呼び寄せたのか?
ラミアに何らかの利用価値を見出したと考えるのが普通だ。では、それは何だ?
単純に自身の護衛か、あるいはユーゼスが態勢を整えるための時間稼ぎか。
もしくは、彼の野望のために――
「行け、クォヴレー」
イキマが言った。
「この期に及んでも、まだあの女を助けたいのだろう?
貴様らの甘ったるい思考には、もう慣れたわ」
半ば呆れた様子を見せるイキマ。それでも、そこに不快感は存在していないようだった。
「だが、お前は……」
「俺のことはいい。どの道、ブライガーはもう動けんよ。
遅かれ早かれ、ミオ達がこちらに向かってくるだろう。その時に拾ってもらう。
急げ。ラミアとユーゼスが接触すれば、もう取り返しはつかんぞ」
「しかし……俺に、ラミアの生き方に干渉する資格があるのか……?」
踏ん切りがつかない。まだ、迷いが残っている。
ラミアをこのままにしておけば、いずれ彼女は不幸な結末を迎えるだろう。
だがラミアがそれを覚悟しているなら、それを望んでいるなら――
自分が、それに口を出すことができるのだろうか。
「クォヴレー、俺がお前に言えるのは一つ……」
そんなクォヴレーに、イキマの導く声が届く。
「間違いを恐れるな。それだけだ」
「イキマ……」
「自分を信じろ。後悔のない選択をすれば、それでいい。
……少なくとも俺は、そうしたつもりだ」
目を閉じ、イキマは語り続ける。
「俺はお前達人間の敵だ。祖国、邪魔大王国への忠誠も捨ててはいない。
にも拘らず、今俺がお前達と共にいることは、祖国への裏切り行為に等しい。
そのことで苦悩したこともあった……いや、今だって葛藤を続けている」
クォヴレーは声一つ発せず、黙ってそれを聞いていた。
自分自身の過去と向き合い戦い続けてきたという点では、彼もまた同じだったのだ。
「だがな、この選択で……俺は後悔したことはない。
何故なら……ここまで歩いてきた道は、間違いなく自分の意思で選んだ道、だからだ」
そう言って笑うイキマを、クォヴレーは強いと感じる。
「もっとも……元を糺せば、あのアルマナという巫女のおかげなのだがな」
アルマナ。よく知っている少女の名前だ。
その目で彼女の亡骸を弔いながら、自分は情けなくも彼女のことを思い出すことができなかった。
だが、彼女もきっとこの世界で、自分の信念を曲げずに抗ったのだろう。
彼女の想いはイキマに受け継がれているのが、何よりの証明だ。
「まあ……そういうことだ。俺にできて、お前にできんはずはない。
自分の信念くらい……貫いて見せろ」
「自分の意思……信念で、か……」
「お前は、あの女を助けたいのだろう?ならば、本気でぶつかってやるのだな。
ただし、過ちを犯さぬためではなく、自分の意思を乗せて、だ」
「……そうだな」
イキマも、アルマナも、αナンバーズの仲間達も、そして恐らくラミアもやってきたことだ。
自分にも出来るはずだ。いや、やってみせねばならない。
アストラナガンは立ち上がり、ラーゼフォンの飛び去った南東の空に向き直る。
「行ってくる」
自分の中で燻っていたものが、吹っ切れたような気がした。
「ああ。どんな形でもいい……あの女と、決着をつけて来い」
イキマの言葉に、アストラナガンは親指を立てて返す。
そして、ラーゼフォンを――ラミアを追って、空へと飛び立った。
彼女を追う理由は、過ちを恐れてや止めるため、ではない。
自分自身の意思を、彼女にもう一度ぶつけるためだ。
記憶を奪われこの殺し合いに放り込まれて、不安に苛まれた果てに、過ちを犯した。
その経験は、クォヴレー・ゴードンという個に大きな影響を与えた。
それは当然のことだ。時の流れと共に、人は変わっていく。
本人の意思や、その善し悪しに関係なく。そして、昔の自分に戻ることは出来ない。
傍から見れば、彼の変化は弱くなったとも取れるかもしれない。
だが、それだけではない。この戦いの中で得られた強さもある。
(ありがとう、イキマ。
そしてトウマ、リュウセイ、ジョシュア――
俺はお前達と出会えたことを、誇りに思う――!)
クォヴレーは誓った。恐れも迷いも疑いも捨て、自分の信じた道を貫くことを。
どこまでも貫いて見せよう。これから先、どんな苦難が待ち受けていたとしても。
「まったく……世話のかかる」
一言呟いて、イキマはシートに深く背を預けた。
そして大きく深呼吸を一つすると、右手を腹に当てる。
(やせ我慢も、限界……か)
腹を触った手を顔面に掲げた。べっとりと、赤い液体が付着していた。
(さっきの一撃で、傷口が完全に開いたか……)
剣鉄也の襲撃を受けた時の傷だ。
開ききった傷口からは夥しい量の血が流れ、シートのほとんどを赤く染めていた。
イキマ自身の意識も薄れつつあり、視界には霞がかかっていた。
(ふふ……無様だな。二心を抱いた愚者の末路としては、似合いか)
自嘲気味に笑う。もう助からないことは、とうに承知していた。
(いや……その前に、やっておかねばならんことがある)
懐からメモ帳を取り出す。前にE−1で仲間との作戦会議でも使用した、
終わる前に、これまでに得た情報を書き残しておかなければならない。
こちらに向かっているであろう、ミオ達のためにも。
メモ帳を開けて……一緒に挿んでいたペンが見当たらないことに気付く。戦いの最中で落としたのか。
コックピット内を探せば多分見つかるだろうが、そんな余力ももうなかった。
やむを得ず、イキマは自分の指をペンの代わりにする。インクは、自らの血だ。
クォヴレーの復活に成功したこと。
ユーゼスがE−7に移動し、クォヴレーとラミアもまたそこに向かったこと。
その他、可能な限りの情報を用紙に書き連ねた。
(さて、と……)
最後の一仕事を終え、イキマは再びシートに背を沈めた。
霞がかった視界は、やがて白一色になり何も見えなくなる。
――もう、夢が終わる。
長いようで、あまりにも短い夢だった。
だが、その夢は百の年月にも相当する輝きがあった。
(いい夢を……見させてもらった……)
笑うイキマの表情は、穏やかだった。
自分にもこういう表情ができるものかと、イキマ自身も驚くほどに。
アルマナ。ジョシュア。トウマ。クォヴレー。リュウセイ。セレーナ。エルマ。
リョウト。ガルド。シロッコ。ミオ。フォルカ。マイ。そして、イングラム。
これまでに出会った人間達の顔が、走馬燈となって脳裏を駆け抜けていく。
何もかもが、懐かしく思えた。
だが、夢は覚めるもの。
自分は、アルマナやジョシュア達と同じ所に逝くことはないだろう。
何故なら、自分は決して人間達とは相容れることのない存在なのだから。
(さらばだ、俺のかけがえのない仲間達よ……)
夢の中の仲間達に、別れを告げた。
この瞬間、反逆の牙を掲げ人間と共に戦った戦士イキマは、消滅した。
そして、邪魔大王国の悪しき戦士、イキマへと立ち戻る。
(ヒミカ様……どうか、お許しを)
敬愛する女王の姿が、さらにアマソ、ミマシらの姿が、瞼の奥に浮かぶ。
祖国に戻れなかったことだけが、最後の悔いか。
だが、案ずることはない。もう、宿敵である鋼鉄ジーグはいないのだ。
我らを阻むものはもういない。邪魔大王国の勝利は、約束されたも同然なのだから。
最後に浮かんだのは、今は亡き、その宿敵の姿。
(フフフ……そちらで決着をつけるか、ジーグよ……)
宿敵の姿は、すぐにイキマの前から消えていく。
その消える姿を追うかのように、イキマの意識も闇へと消えていった。
悲劇の中で、一つの奇跡が生まれ、輝いた。
それはこれまでに起きたことのない、そしてこれから先も決して起こりえることはないであろう、
小さく、儚く、しかし確かにそこに存在した奇跡。
今静かに、それは終わりを告げた。
【イキマ 死亡】
※イキマの死体の手に、情報の書かれたメモ帳が握られています。
「ユーゼス様……!」
通信からの指示に導かれE−7に到着したラミアは、ユーゼスの姿を発見するのに時間はかからなかった。
彼は機動兵器にも乗らず、生身を晒していた。
いつどこから襲われてもおかしくないこのフィールドにおいて、それはあまりにも無防備すぎる。
「来たか、W17。待ちかねたぞ」
そんなラミアの心配を他所に、ユーゼスの態度は淡々としたものだった。
無警戒な……いや、警戒する必要すらないと言わんばかりに。
「もう、あまり時間がない。邪魔が入る前に、始めさせてもらうぞ」
「始める……?一体何を……
いや、ユーゼス様、その前にお話が……」
「その必要はない」
主の状況を把握し切れていないラミアを、ユーゼスは一蹴。
ゆっくり説明する時間すら惜しいといった様子だ。
「お前が知りたがっていることは、今から全てわかる」
そう言って、ユーゼスは右手を頭上に掲げる。
「そう、この私と一つになることでな」
右手には何かが握られていた。
それは、『エスプレンダー』と呼ばれるアイテム。
高山我夢がウルトラマンガイアの光を収納するために作った変身アイテムが、そのオリジナルだ。
ただし、ユーゼスが手にしているエスプレンダーの中には、地球(ガイア)の光はなく――
代わりに、黒く禍々しいマイナスエネルギーの闇が渦巻いている。
この闇は、カラータイマーの中で蠢いていたあの闇。
この3日間で集めた、全てのマイナスエネルギー、それがそのままエスプレンダーの中に収納されていた。
そう――このエスプレンダーこそが、ゼストの変身アイテム。
「ユーゼス様?」
掲げられたエスプレンダーが輝いた。いや、輝くという表現は正確ではない。
何故なら、輝いたのはゼストの『闇』なのだから。
エスプレンダーに収納された、光にも似た闇が発動する。
闇は全てを包み込んだ。ユーゼスの身体を。
そして――ラーゼフォンをも。
「ユーゼス様!?これは一体――」
ラミアがその先の言葉を口にすることはなかった。
いともたやすく、彼女の全てが闇に食らい尽くされていく。
「W17……いや、ラミア・ラヴレスよ。
お前は今まで、私によく尽くしてくれた」
視界の全てが、白とも黒とも取れぬ色で塗り潰される。
「人としての自己の確立……お前は私が望んだとおりの、
いや……それ以上の進化を成し遂げて見せた」
その色の向こう側から、主の声が微かに聞こえてくる。
「お前に、最後の任務を与える。
お前の全てを……今、この私に捧げよ」
光のような闇の中に、ラミアの意識は溶け込んでいった。
最後に一言、ユーゼスの呟きが彼女の耳に届けられて。
――さあ、回れ……運命の歯車よ。
* * * * * * * * * * *
何も見えない。
何も聞こえない。
全身の感覚がなくなっていく。
深い、あまりにも深い闇の中。
どこまでも、どこまでも堕ちていく。
身体が……いや、私の全てが、溶け込んでいく。
不思議な気分だった。
それはどこか心地よくて、そして懐かしかった。
私が本当に還るべき場所は、ここだとでもいうのだろうか。
これが、ユーゼス様が最後に私に望んだものなのか。
全てが、闇へと消えていく。
その感覚に、私は身を委ね始めていた。
身も心も、私の中で生まれたものも、全てが黒く塗り潰されて――
「ラミアさん!ちょっと待った!待ったぁぁっ!!」
突然聞こえてきた、聞き慣れた声に、意識が戻る。
目を開けると、そこには――ビルトビルガーの姿が、モニターに映し出されていた。
そう、この声はアラド・バランガだ。
「ラミア!暴れるだけ暴れといて、さっさとおさらばしようなんざ甘えんだよ!」
赤いゲシュペンストから響く、荒っぽい女性の声。カチーナ中尉だ。
その後ろに付き従う、もう一機のゲシュペンスト。彼女の背中を守る、ラッセル・バーグマンのものだ。
「ラミアさん、これからが大変なんですよ。壊すよりも、創って、守っていく方が何倍も……」
「お願いです……!もう自爆なんてやめて下さい……!」
ブリットとクスハの声。彼らの言葉に、自分が何をしようとしていたのか思い出す。
ああ、そうだった。
もう、戦いは終わったのだ。インスペクター、アインスト、そしてシャドウミラーとの戦いは。
そして、私は自らの機能を停止しようとしていた。
Wシリーズの、そしてシャドウミラー最後の生き残りとして。
でも、彼らはそれを良しとしない。
「何故、君は死に急ごうとする? この世界は君を受け入れたと言うのに」
「最初は敵だったかも知れねえ。でも、今は違うだろ?」
ギリアム少佐。マサキ。
「ラミアちゃん……最後は自分の意思で私達と一緒に戦ってくれたじゃない」
「それとも……残った自分の可能性を自分自身の手で消そうって言うの?」
エクセ姉様。アイビス。
彼らは、私を受け入れてくれている。地球人、いや人間ですらないこの私を。
「それは……私も同じだ」
「素性なんて関係ねえぜ。……仲間なんだからさ」
「あなたはラミア・ラヴレス……もうW17じゃない……」
ヴィレッタ大尉。リュウセイ。ラトゥーニ。
「もし自分の心変わりを心配しているのなら、気にするな。
その時は……おれ達がお前を止めてやる」
そして……キョウスケ中尉。
「だから、戻ってこい」
目から、熱い液体が流れ出ていることに気付く。
そう……これが、涙か。
知恵のリンゴを食べたアダムとイブは、楽園から追放された。
だから私は、自分の足で次の楽園を探した。
彼らのいる場所は、その探していた楽園の一つなのだろうか。
いや……そんな理屈など、どうだっていい。
私は、ここにいてもいいのだ。
私は答えた。
もう少し……変わっていく自分を見るのも悪くない……と。
もう少し……この世界にいようと思います、レモン様。
数々の敵を打ち破った巨大な力を持ちながら……
闘争を日常とする世界を良しとしない者達が支える世界で……。
突然すぎる覚醒だった。
ラミアは全てを理解した。いや、思い出したと言ったほうが正しい。
バルシェムとして生を受けた時に抱いた、あの不快感。
何かが消えていくかのような、不可解な苦痛。
その全ての謎が、氷解した。
あれは、『本当の記憶』が消えていく痛みだったのだ。
――目を覚ませ、ラミア!お前は、もう人形ではないはずだ!
(そ……ん、な……)
あの時のキョウスケ・ナンブの呼びかけが、ラミアの中に響く。
そう、全てを思い出した。
バルトール事件の最終局面。
ODEシステムに取り込まれたラミアは、バルトールを操りハガネを攻撃した。
そこを、キョウスケのアルトアイゼン・リーゼにより救出され――
その直後、ユルゲン博士のバルトールの不意の攻撃を受け、その意識を飛ばした。
(そうだ……あの時、私は死んだ。死を迎えたはずだった)
だが、彼女は意識を取り戻す。ユーゼスの研究室のカプセルの中で。
その時点で、既にラミアはバルシェムとして生まれ変わっていた。
ユーゼスの忠実な僕として、それまでの記憶の全てを封印されて。
(わ、た、し……は……)
彼らとの記憶は心地よくて、懐かしかった。
ユーゼスに仕えた長い期間に比べれば、彼らと過ごした時間はあまりにも短い。
しかしその記憶は、その想い出は、そこで自分の中に生まれたものは、
数百年の時間に匹敵できるほど、光に満ち溢れていた。
ラミアは思い出した。自分が真に帰るべき場所を。
ハガネ、ヒリュウ改、クロガネ……あの仲間達のいた世界こそ、自分の居場所だということを。
――忘れるな!お前の居るべき場所を……!
(……違う)
――ラミア、聞こえているかッ!お前の居場所……おれが守るぞ!
(違う……違うッ!!)
だが、その記憶は――今のラミアには、底無しの絶望へと導く切符を意味する。
アラド。ゼオラ。ラトゥーニ。
新教導隊の、自分の家族も同然の部下達。
リュウセイ。マイ。リョウト。リオ。ラッセル。ゼンガー。ラージ。
共に多くの死線を潜り抜けてきた、かけがえのない仲間達。
そして、アクセル・アルマー。ヴィンデル・マウザー……
誰もが、自分が自分であり続けるための、かけがえのない存在だ。
そんな彼らに対し、ラミアは何をした?
そう……ユーゼスの命令のままに、ラミアは仲間達を『殺し合わせた』のだ。
並行世界だとか、自分達のいた世界とは別の存在だとか、そんなことは問題ではない。
自分のよく知る者達を、家族のような親しい者達を、ラミアは何の疑問もなく
ユーゼスに売り渡したのだ。その事実に何も変わりがあろうか。
――リョウト・ヒカワの、自分の壊した少年の笑みが、生々しく浮かび上がる。
(違う、こんなはずはない。こんな、ことが……)
受け入れられない。受け入れたくない。
自分がこの手で、仲間を死に追いやったなど。
だが、今抱いているこの感情は何だ?
それは紛れもなく、この記憶が真実である証。
(嘘だ……嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だッ!!!)
狂ったように、ラミアはそれを否定する。
それは、罪から目を背け、逃げ出す哀れで無様な子羊そのものだった。
その様は、少し前までのクォヴレーに似ていた。
彼女らしくないといえば、その通りかもしれない。
先程クォヴレーに見せた強さからは程遠い、弱々しい有様だった。
しかし、それは当然のことだ。
『その程度の』絶望であれば、どれほど楽だったことか。
そもそも彼女の絶望は、それだけでは済まされない。
仲間を裏切った?壊した?殺し合わせた?死に追いやった?
そ ん な 生 温 い も の で は な い の だ。
彼女にはこの記憶を受け入れることは出来ない。
是が非でも、逃げ出さなければならない理由があったのだ。
(違う……違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!!!
こんなものは私ではない、私であるはずがない!!!)
だって、受け入れてしまったら……
――私の、ユーゼス様への忠誠はどうなる?
受け入れることはできない。認めたくない。
認めてしまえば、今までの自分を全て否定することに繋がる。
ラミアの中に生まれた自我を、ユーゼスに尽くしてきた彼女の全てを。
ラミアにとって、そんなことは許されない。
彼女の中のユーゼスへの忠誠は……紛れもなく本物なのだ。
バトル・ロワイアルを行うために、主と共に歩み続けてきた時間。
ハガネやヒリュウ改の仲間達への想いに匹敵するだけのものが、そこにはあった。
(嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だウソダウソダウソダウソダ)
ユーゼスはラミアに多くは語らなかった。
ただ、いつも悲しげな瞳をしていたことは、彼女の中に焼きついている。
そんな主を見て、無意識のうちに主の秘めた悲しみを感じ取っていたのか。
きっかけこそ、植え付けられたプログラムだったとしても。
ユーゼスに従うことは、彼女が確かに抱いた意思。
それを、否定することなど出来るはずがない。
(あ……ああ……)
しかし――
仲間達の記憶もそうだ。否定することなど出来るはずがない。
(ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!)
二つの記憶がぶつかり合う。
そのどちらの記憶も、想いも、彼女にとってはホンモノだった。
一つの器に、ホンモノの想いが二つ。
器を巡って、二つの想いは互いに傷つけあう。
アクセルやクォヴレーのように、それらが混ざり溶け合うようなことはない。
二つの記憶は、あまりにも反対の方向を向きすぎていたから。
片方を立てれば、もう片方が立たず。どちらか片方に、必ず矛盾が生まれる。
相反する二つの記憶は、同時に存在することは絶対に許されない。
傷つけて傷つけて、傷つけ合って。
その果てに辿り着いた時――
『人間』である彼女には、自壊する以外の道はなかった。
(私は……ワタシ、ハ……)
壊れていく。ラミア・ラヴレスの全てという全てが、音を立てて崩れていく。
もう、その存在を維持することすら出来なくなる。
ワタシハ――
ワタシハ、ダレダ?
それがラミアの、最後の意思だった。
完全に崩壊した意思は、やがて闇に塗り潰されていく。
彼女が堕ちていくのは、決して抜け出せることのない、絶望の最下層だった。
* * * * * * * * * * *
そもそもラミア・ラヴレスは、存在そのものが極めて異質であった。
本ゲームの参加者は、各々別個の世界から選出・召還されている。
ユーゼスの手が加えられた木原マサキさえも、オリジナルの人格・記憶を忠実に移植したものだ。
そんな他参加者と比べると、ラミアは明らかに浮いていた。
ユーゼス製作のバルシェムとして存在し、人格こそある程度受け継いでいるものの、
オリジナルとは全く別の記憶を持った、根本的に別の個体。
67の参加者の中で、何故彼女だけがこういった例外的な処置を取られたのだろうか?
この場を借りて、真相を明かそう。ラミア・ラヴレスの、本当の正体を。
ラミアは、元々は一参加者として召還されていた。
60人以上の参加者の中でも、ラミアは最初期に召還されたサンプルだったのだ。
しかし時間軸の都合上、ラミアは致命傷を受けた状態で召還されることになる。
バルトール事件終盤、ODEシステムに取り込まれたヴィルヘルム・V・ユルゲンの
バルトールに攻撃を受けた直後の時間から、ラミアは召還された。
ここで困ったのは、召還した本人であるユーゼスである。
これから殺しあってもらおうというサンプルが、いきなり瀕死状態というのはよろしくない。
サンプルの召還には、いちいち莫大なエネルギーを要する。
故に、ゲームに使えないからといって安易に破棄する手段に出るのは、なるべく避けたかった。
ユーゼスは、生命活動を停止する寸前のラミアから脳回路だけを抽出し、
彼女の姿を模したバルシェムに移植するという方法に出る。
この移植の際に、ユーゼスは二つの案を思いついた。
一つは、『彼女の記憶を消し、自分の忠実な手駒として使用』。
そして、もう一つ……
『マイナスエネルギーが集まらなかった場合の保険』、だ。
バトル・ロワイアルの進行のための手駒として働いてもらう。
参加者の中には、ラミアのよく知る者達も多く存在する。
記憶を失った彼女に、彼らを殺し合いに引きずり込んでもらうのも面白い。
サンプル達の召還、ジョーカーとしての暗躍、殺し合いの進行。
そして、取り返しが付かない段階まで進行させた上で――
彼女の本来の記憶を戻したら、どうなるだろうか?
自分が地獄に引き込んだサンプルが、自分にとってどんな存在か、思い出させたら――
反吐が出るような、恐るべきまでの悪意に満ち溢れていた。
その保険が発動した結果が、今ここにある。
ラーゼフォンと共に、ラミアは極上のマイナスエネルギーをゼストに提供する。
絶望という言葉では生温いほどの、極めつけの負の波動は、ゼストへの大きな力と
なると共に、ゼストとラーゼフォンを結びつけるための接着剤の役割も果たした。
ラーゼフォンは、所詮レプリカだ。その真の力は、オリジナルに及ぶものではない。
だがレプリカとはいえ、ラーゼフォンはゼストの力を一時的に預ける器としては十分。
ラミアは最期に最高の形で、ユーゼスに貢献することになったのだ。
こうして極めて悲惨な最期を遂げたラミアだが、ユーゼスは彼女に未練などなかった。
元々、駒としてしか認識していない……いや、駒としても大して信用はしていなかった。
W17、ラミア・ラヴレスが自我を持ち、創造主に対し疑問・反抗の意を抱く可能性を、
彼女を創造した当初から、ユーゼスは想定していたくらいである。
当然である。彼女は実際に自我を持ち、その上所属組織シャドウミラーを離反した前科を持つ。
裏切りの危険性を孕んだ人材を全面的に信頼する馬鹿はいない、それだけの話だ。
そんな彼女が、自我を持つ可能性は予測できていたことではあったが……
しかし、それでも予測しきれなかった点が一つだけあった。
それは、ラミアのユーゼスに対する忠誠だ。
あれほどまでの強いプログラムは、ユーゼスは組み込んでいない。
そのラミアのユーゼスへの想いが、予測以上のマイナスエネルギーを発することとなったのは
皮肉な話ではある。
随分と久しぶりだと、ユーゼスは思った。
意思を持ちながらも、裏や二心なく、純粋に自分に接してくれた者は。
今までユーゼスの下についてきた者は、その誰もが自分を蹴落とそうと企む、
信用を置くことのできぬ者達か、あるいは洗脳されているかのどちらかだった。
本当の意味で仕えてくれた部下は、ラミアが初めてだった。
過去にIFを考えたところで、それは無意味だ。
だが、あえてそれが許されるのであれば。
――もし彼女のような存在が、あの時から私の傍らにいたとしたら。
――私は、違う道を歩めたのだろうか。
――なぁ……ギャバンよ。
かつての友を、もう二度とめぐり合うことのない友の名を、ユーゼスは呟いた。
――お前は最高の人形だったよ。これで我が野望は、大きく前進する――
本当の部下であり、あるいは友でもあったかもしれない彼女に、賛辞を送る。
それは毒も皮肉もない、ユーゼスの最大級の賛辞だった。
ただ、その言葉がラミアにとって幸せなことだったかどうか。
確かめる術は、もはや無い。
【ラミア・ラヴレス 死亡】
* * * * * * * * * * *
E−7の中心部に、光の柱が立ち昇った。
闇の属性にも等しい、マイナスエネルギーの濁流。
それは、数十キロ離れた場所からもはっきりと把握できるであろう、
限りなく巨大で、禍々しい輝きに満ちていた。
その場に到着したクォヴレーは、あまりに異様な光景を前に、ただ立ちすくむばかりだった。
(なんだ……この寒気は……!?)
手が震えている。背筋に冷たいものが走る。
前にも、同じような感覚を味わったことがあった。
そう……霊帝ケイサル・エフェスと対峙した時の感覚と同じだ。
光の中に、巨大な一つのシルエットが見えた。
見覚えがある。
あれは……ラーゼフォンだろうか。
「ラミア、なのか……?いや、違う……」
どこかラーゼフォンにも似たそれは、しかしクォヴレーの知るラーゼフォンとは違った。
それは、全てを超越した神の姿。
巨大な翼。白銀の身体。
そして、その顔は――
「イン……グラム……?」
機械仕掛けの神が、この地に舞い降りる。
それは、所詮は紛い物でしかない。
だが、たとえ紛い物でも、その姿は全てを調律――否、調停するものには相応しい、
禍々しさと神々しさに満ちた輝きを発していた。
ゼスト、降臨――
【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:真聖ラーゼフォン(ラーゼフォン)
パイロット状況:???
機体状況:胸にカラータイマー装着。ゼストの力で満たされている。
現在位置:E−7
第一行動方針:参加者たちを待ち受け、ゼストで蹂躙し、取り込む
最終行動方針:ゼストの完成
備考:真聖ラーゼフォンの顔はユーゼスの素顔=イングラムの顔です】
【クォヴレー・ゴードン 搭乗機体:ディス・アストラナガン(第三次スーパーロボット大戦α)
パイロット状態:戦慄。記憶を取り戻した。イングラムを完全に取り込んだため青髪化。
機体状況:全身の装甲各部に損傷中〜大。EN中消費。ガンスレイヴほぼ全機損失、再生中。
現在位置:E−7
第一行動方針:目の前の事態に対処
第二行動指針:ラミアと決着をつける
第三行動方針:ミオと合流、謝罪する
第四行動方針:マサキの排除
最終行動方針:ユーゼスと決着を着ける。その後生き残った参加者とともにこの空間から脱出する
備考:トロニウムエンジンを取り込みました。(機体性能などに変化なし)
マサキを敵視。シロッコについては保留。
イングラムの消滅は薄々気づいている
空間操作装置の存在を認識。E−7の地下に設置されていると確信
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測
ラミア・ラヴレスがジョーカーであることを認識
あと6時間ほどでフィールドが崩壊することを知りました】
【残り 5人】
投下終了。
重ね重ね、ご迷惑をおかけしました。
イキマ、まさかこいつがここまで良い奴になるだなんて誰が予想できただろう。
ラミア、前半読んでラミアカッコいいとか思っていたらこれだよ! なんという欝。ユーゼスまさに外道!
しかし、イングラム顔の神聖ラーゼフォン……どんどんすごいことになっていく。
残り5人でいよいよクライマックス突入。今度こそ今年中には終わるな。 ……終わるよね?
投下GJ!
イキマ……お前はよく頑張った、よくやった。
気づけばこのロワの中でも一、二を争うほど好きなキャラになってたな……
ジョシュ、久保をはじめとした反逆の牙組との友情が印象に残ってる。
その一方で人間との付き合い方に疑問を持ったりやけに人間くさかったw
ラミアはイングラムとの決闘や第四回放送までの暗躍っぷりから完全に悪役と認識してたけど、
人形から逸脱した意志を見せ始めたころからだんだん好きになっていった。
そこにきて今回の覚醒ですよ。今まで少しずつ積み重ねられてきたフラグが一気に爆発した感じでリレーっていいなぁと思った。
展開こそ鬱だったもののどちらの死もこれまでの展開が綺麗に昇華されてて凄く良かったです。
そしてついにラスボスその1が登場か……この先どうなるのか非常にwktk
投下乙
イキマぁあああああああああ
銀河旋風もついに途絶えたか・・・
ゼストは正直扱いにくかったが神聖ゼフォンならイメージしやすいな
これで次回は最終話か? とにかくGj
前半のラミア覚醒に興奮してたんだが、まさかこんな結末になるとは思わなかった。
このやりきれなさといい、真聖ゼストに繋げる巧みなクロスオーバーといい、
心の底からGJと言わせていただきたいです。
そしてそろそろ久保が死ぬか?とwkt…もとい覚悟完了してたらイキマが…。
キャラの一人歩きから約2年半、このロワを最も支えてきた人物だけに、
感慨深すぎて今は涙しか出てこない。
派手な活躍は少なかったけど、為すべきことは全うしたという感じ。
あと、地味だけど久保の無意識な上から目線っぷりも絶妙だったw
割と好きなだけに、短所が再現されていると逆に妙な安心感がある。
なんていうか、KX氏が「差」の異名を持つ所以が再確認できたような気がするw
この熱血から欝への突き落としっぷり、実にGJ。
そしてイキマに涙。ほんとに、このロワをよく支えてきてくれたよ。
ラミアの悲惨な末路も別の意味で涙。
ところで何気に久保、大ピンチじゃね?
ラミアにやられてボロボロの状態で一人真ゼフォンの前に立たされてw
しかもケイサル戦前半のビビり状態か?これはやばい。フォルカ急げ。
つまりGONG鳴って大逆転フラグと
ゼストのタイム制限ってないの?
スパヒロ厨っぽいからせめてスパヒロ厨らしくそこらへん詳しく書いてもらいたい
ゼストは元々時間制限ないからな
新しく制限がつくでもない限り、書かんでいいでしょ
ところでラーゼフォンって転移機能ついてなかったっけ
お絵かき掲示板の真聖ラーゼフォンSUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
仕事速いな、超GJ!!
この調子でイキマとラミアの死亡者図鑑にも期待だ
おお……ありえんくらいにかっこいいぞ神聖ラーゼフォン。
なんというか、ラスボスの風格が凄い。これがラスボスって言われたら納得してしまうw
本当に終わりが近づいてきたな…。
ラミアはあれだけの仲間フラグをことごとく回避して逝ってしまったか…。
ラミア愛してたぞ!!!
これで終わりか?いや、始まりなのだ!
スパロワはむしろ死んでからが本番。イングラムしかり、東方不敗しかり!
そう思わせてくれぃ……
とうとうイキマが逝ったか……あの世ではジーグに全滅されないように頑張ってくれ
ラミアはまだなんかやりかしそうな気がするな
ユーゼスを除いて残るはOGキャラ三人、版権二人か
版権はマサキとシロッコという策士キャラ
OGはミオ、フォルカ、クォヴレーという正義キャラとバランス偏ってるなw
そういやエルマってR-1に乗ってたなら破壊されたんだっけか?
破壊確認はされてなかったはずだが
>>394 確かにラミアはまだからんできそうではあるな。
人格分裂だか二重人格化だかしたり。
>>392 アルマナも死んでからの存在感が大きかったと思う
思えばイキマは結果的にアルマナの最期の願いのとおりに生きたんだな
バランの件は仕方なかったとして、元は悪の幹部なのに協力型対主催にして殺害数0って…
>>395 マサキは序盤から風格が漂ってたからな。
逆にシロッコとかフォルカは空気扱いで生き残れた。
ミオはDGに取り込まれたのが大きかったな。
久保は何故生き残れたかわからん。
こいつも何度も死亡フラグがあった気がするが…
強いて言うならユーゼスとのフラグ解消のためか。
ミオはゲッター線に、フォルカはゾフィーに、
マサキはシュウとかなめに、そして久保はイングラムに、
それぞれ接触し本ロワの真実に触れることに成功している
まさに最終決戦を行うに相応しいお膳立てがそれぞれに整えられて……
あれ?やっぱり誰か一人置いてけぼり食らってる人が(ry
逆に考えるんだ、ただ1人トンデモ補正なしで生き残ってるシロッコは真の天才だと(ry
いや待て、
>>400で挙げた全ての補正を圧倒的に凌駕する最強の補正、
コーヒー・紅茶補正というものがあるじゃないかw
つーか、あのユウキ厳選紅茶を持ってる限り
ほんとに絶対に死なないような気がしてならないwww
シロッコとマサキはこの上ラスボスフラグもあるしな
今の機体は正直ここまで来たらお荷物感があるし一発逆転もあるかも
シロッコがラスボスって懐かしいなwww
スパロボでは数少ない版権ラスボスだからなwww
懐かしのウィンキイ時代だな。
今の生き残り組もウィンキイ補正がかかったら弱体化しそうだ
逆にボス補正のユーゼスはすごいステになりそうw
シロッコはデビルガンダムに搭乗したこともあるぞwww
コーヒーの人気に嫉妬
昔のスパロボのクロスオーバーはカオスだったな。
だがそれがいい!
今のスパロボは原作の雰囲気を壊さないように必死すぎ…
Zではシンが大活躍できます
多分
そういえばスパ祭のPVのタシロは面白かったな
なんで種死はキラ撃墜のシーンが一番盛り上がるのかとw
とうとうユーゼス含めてあと6人まで来たか。
主催者が脱落してマサキがラスボスってのも面白いかもしれんな。
シロッコは空気だなあ。機体含めて。
ミオも機体のせいで活躍できるかどうか。
これからどうにかなったりする余地はあったか?
神ゲッターとか神カイザーとか。
カイザーブレードもダメ出しくらったし、単純な戦力という面では現状役に立つか疑わしい。
パワーアップフラグもさして無いしなー。どっかに使える機体放置されてないか?
一応、ユーゼスのいた基地にそれなりの機体が残ってるっぽいが
そこまで辿り着けるか?いや、ユーゼスには生存認識されてないし、あるいは・・・
全く意味はないけど
残ったキャラをるろ剣で例えてみた
久保…剣心
ミオ…操
マサキ…斎藤一
フォルカ…比古清十郎
シロッコ…蒼紫
ユーゼス…シシオ
ごめん、意味は無いんだ。
なんとなく思い付いただけだ。
>>409 つーかZは、久しぶりにコーヒーが出るんじゃないか?w
α以降ずっとどの作品でも過去の人だったろあいつwww
やっぱサングラスの人とは格が違うからなw
>>399 初期機体を考えるんだ
マサキ:レイズナー(強機体)
フォルカ:エスカフローネ(マイナー機体)
ミオ:ボスボロット(雑魚機体)
久保:ブライサンダー(雑魚機体)
シロッコ:ダンガイオー(強機体だがマイナーな上に戦闘であっさり雑魚化)
実はマイナー機体&雑魚機体乗りは序盤を乗り切れば生存率が高い
あ、あれだよ。バグはある意味己の肉体が支給機体みたいなもんだから。
>>412 使えそうなのはこんなところか
龍王機以外微妙なのばかり
・両腕なしダンガイオー
・自己治癒中龍王機
・コアファイター(V2)
・両腕なし大雷凰
・スカーレットモビル
・ギャリィウィル
・ゼオライマー(次元連結システムがあれば)
アッガイだったハマーン様も
>>417に話があるそうです
>>420 つ 回収してる時間
基地に放置されてるのくらいしか現実的には無理だ
何も強機体に乗るばかりが活躍じゃないさ
序盤しかり終盤しかり
>>412 カイザーはサルファじゃHP回復付きだったけどここだとどうなんだっけか。
今になって魔モードでその辺うろついてたりしないかね。
>>423 むしろミオがユーゼス説得
→マサキがゼスト乗っ取りラスボス
っていう妄想をしていた。
>>425 ユーゼス説得は無理だろうな。
取り込まれたラミアを、ってのはあるかもしれんが。
しかしあんな死に方したラミアを説得などできるのだろうか
並大抵の説得じゃ立ち直らせられんぞ、あのどっちつかずな状態は
正直、空気だから運良く生き残ったとしかシロッコは思えんwww
派手なバトルは全部近場でも総スルー、フラグ的にも放置民だからおいしいものはまるでなし、戦力としても微妙www
いざやる気出せばそれがすでに死亡フラグというか
強みだった首輪解除ももう役に立たないしな
ラミアの説得なあ、久保はバルシェムだった自分のこと引き合いに出せば良かったんじゃないかな
でもやっぱ説得するとしたらアラドやリュウセイっていう共通の仲間もいる久保じゃないかと
ラミアのあれは二重人格フラグな気もするが。
いっそ体ごと分裂するとか。
まあ、どっちにしても説得以前にラミアはもう死んでるわけだけどな・・・
むしろ久保、今はそれより自分の命が危ないw
そろそろエンディングだな
真聖ユーゼフォン・クォヴレー・フォルカ・ミオ・シロッコ・マサキ予約します。
最終回ではありません。
おおおおおおお!?予約キター、頑張れっっ!!
これは今月中には完結するかも知れんね
>>433 つ 信頼 期待
>>431 まあそこはそれ、ラミアの意思が残ってるのに賭けてみる的な展開もありかなと。
実際まともにやり合って倒せるかどうか怪しいし。フォルカの神化も残ってるとはいえ
使っちゃったらマサキで詰むしな。まあネオグラ化のことはみんな知らないわけだが。
>>433 真聖ユーゼフォンワロスwww
つ 激励 信頼 応援
>>433 つ 友情 献身 応援 執筆を邪魔されないように みがわりもつけるぜ!
>>435の俺が言うのもなんだが、おまいらこれじゃ逆にプレッシャーかけてるぞw
このプレッシャー……シャアか!?
スパロワの力を信じるんだ……!
たとえどんな展開になろうとリレーしてきたこのスレは……負けない!
uiさんで完結じゃなくても、第2、第3の書き手と続き、必ず完結するまで戦うだろう!
だから、uiさんは安心して書いてほしい。ちゃんとバックアップしますよ、俺らは。
誰か死ぬんじゃないかと今からwktkガクブルだぜ
イキマとラミアの死でいい感じに緊迫感がっっ
まあ、冥王とフォルカはまず死にそうにないが
コーヒーは間違いなく死なないな
いやわからんぞ。
奴の生存フラグであるユウキ紅茶が戦闘中に紛失するような事が
あれば即死亡フラグだw
しかし改めて読み返すと、ユーゼスって時間や手間かけて綿密に計画立ててるのに
そのことごとくを、よりにもよって死んだ連中の干渉でほぼ全て潰されてるのなw
さすがにここまで死者にフルボッコされまくられては、同情せざるをえないw
ていうか死者干渉も繰り返されてるし、そろそろこのネタ自重したほうがいいのかもしれない
ただゼストネタとかが死者の魂を扱うものだから仕方ないとも取れるんだぜ。
ディスレヴもあるしな
実際に物理的な現象までは起こしてないからまだ許容範囲
そもそも闘鬼転生でもっかい九州されたみたいだし、生きてる側から干渉しないともう無理だろう
そして現れるグリッターゾフィーフェニックスブレイブ
>>449 同意
最近は死んでも敗者復活戦が保障されてて当たり前、
みたいな感覚になってきてる気がする
個人的には、キャラ一人一人の死をそんな風に安く扱ってほしくない
ロワでもここまで人数が減るのは珍しいのかな?
ここらで一発キャラ図鑑投下。誰かイキマも頼む。
/ / !ヽヽ. ヽ ',/,.ィi !、 ', ヽ ヽヽ ヽ
/ / , ! ヽヽ '、i/イ ! ! ヽ ',. ヽ、 ヽヽ. ヽ
,' !. 1! l`ヽ ヽ! .レ l ! ヽ ヽ. ', ヽ\ ヽl i ',
! /! !.! !、ヽ\r'_,ィ ,.! ヽ `'l l、 \ _ ノ./!
. レ ! !l l‐`'"`´ ! .! ', ヽ ヽ、 .! !\ `ー-´-くl
l .l リ | ! i '、ヽ _ヽ` l ヽ \、 ー |
! l l-、-.、 ! l _,ゝ',、‐`ヽ.| ! \ ヽ` ー- !
l l .,' .,'_‐ヽ、 .| !='‐'二ヽ_ヽ、 \ .|`ヽ、ヽ `ー-- !
. ', |,' /‐rj;ヽ、 !l .ヘ´ィj:::l ゞ-`'iー`ニー- i`' l` ー- .{
. ヽ,' .∧ _i_;:ン ヾ ゞ‐'‐'´ | .! ,.1 ! ! ',、
l' ! ', ノ ヾ | .!'´! l ', '、 ',ヽ
i ,' '、 ヽ ,.! i、 , ', ', '、ヽ
! .l | ヽ ,.‐- 、 ,.': ! ,' ト、 ! ', '、. ヽヽ
l ! i l \ ''' /:: ! ,' ィ´'、 ', ヽ ヽ ヽ\
. i ! ,i |. ヽ、 /:: i ,'´ ヘ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ
', '、/ ,' ! `,.ー,.-ィr,_ー-、- 1 iヽ / ヽ 、 \ ヽ \ \\
ヽ ヾ , ‐'"´ ̄ ハ. !l rヽ.ヽ l ! ノ `ヾーヽ- ..,\ ヽ \.\
/ヽヽ' / `ヾ- ニ!_,!イ i´ ,. イ ヾ- ``'ー .、 `ヽ`ヽヽ
///ヾ、 /  ̄ // -‐ '" / `ヽ ヽ ヽ ヽ
名前 ラミア・ラヴレス
愛称 ボインちゃん
声優 平成ウルトラセブンに出演経験があるのを見逃さないのも私だ
登場作品<スーパーロボット大戦OG外伝>
各原作から召還された他参加者と違い、彼女はユーゼスの生み出したバルシェムとしての登場となった。
初登場は『水面下の状景』。しばらくはユーゼスと漫才のようなやり取りを繰り返しつつ、
ゲームの進行を見守っていたが、『The Game Must Go on』においてセレーナのタイムリミットが
過ぎたと同時に、彼女はラーゼフォンと共にジョーカーとして舞台に降り立った。
だが彼女が最初に行ったのは、危機感を抱いていたイングラムの抹殺。
その行為はユーゼスに咎められ、以後はジョーカーとしての任務を忠実にこなしていく。
D-8においてクォヴレーにブライシンクロンの情報を与えた後、B-1でジャイアントロボを回収、
リオを失ったリョウトにそれを与え、さらにガルドとチーフにその情報を教えるなど、
ゲームを進行させるべく暗躍。その後ゼストの卵を回収、さらに対主催陣営に潜り込むべく
『”W”スパイ』でシロッコと接触。その流れで『それでも一体この俺に何ができるっていうんだ』で
クォヴレー達と接触するも、首輪を外したマサキが、危険視していたシロッコのグランゾンを奪い逃亡。
『超重次元戦奏曲』でイキマと共にマサキを追い、D-6にて戦闘に入る。その最中、次元の乱れに巻き込まれ
三人はE-4に転移。『限りある永遠の中で』でフォルカ達と遭遇することになる。
フォルカの質問に窮するラミアだが、突然会場に降り立ったユーゼスの命令で、一旦ヘルモーズに帰還。
『糸の切れた人形』でユーゼスの死の誤認と任務からの開放により、本格的に自我が芽生え始める。
『命あるもの、命なきもの』で生きていたユーゼスにフォルカと刺し違えることを命じられ、
彼女は自らの存在意義に悩みつつもヘルモーズに突入してきたフォルカと戦闘。
だが試作型ゼストの起動がきっかけとなり、ラミアは人形であることを拒んで、
フォルカやミオ、シロッコらと共闘、試作型ゼストを倒すことになる。
『それぞれの『意思』』において一時情緒不安定に陥るも、ミオの言葉により立ち直り、
自らの意思を認めたラミアは答えを得るべく単身ユーゼスの下へと向かった。
そして『彼らの選択』でクォヴレーと対峙したラミアは、ユーゼスに対する強い忠誠心を再確認し、
自らの意思で、ユーゼスを守るためにクォヴレーを倒すことを決意。
イキマに致命傷を与え、クォヴレーを撃破寸前まで追い込んだが、ユーゼスからの通信により
戦闘は中断。とどめを刺すことなく、E-7へ向かう。しかしE-7に到着した彼女を待っていたのは、
ユーゼスの野望の生贄として、ゼストに取り込まれバルシェムとしての生を終えるという結末だった。
死の間際、彼女は真実と記憶を取り戻す。
その残酷な現実に、彼女の中に芽生えた二つの自我は、壊れるしかなかった。
何故かセレーナの敵役バルシェムという、ほぼオリキャラとしての参加となった彼女だが、
戦いの中で自我を生み出し一人歩きを始める様は確かにラミア・ラヴレスだった。
…もっとも、死亡話で本人であったことが判明するのだが。
結果的に、それら全てが最後の欝展開への布石となってしまうのだから、パロロワは侮れない。
図鑑乙!
文章の長さに愛を感じるw
スパロボだし霊魂は付き物だぜ、まぁ霊はあくまでアシストで生きてる奴がなんとかするのが基本だが
しかしこうして見ると、ラミアはもう霊魂ネタも抜きで退場させてやるべきのような気がする
なんか余程上手くやらない限り、どう転んでも今までの流れが台無しになりそうな気がしてきた
すいませんが延長させてください。
もちろん仕上げる気ではありますが、日曜の夜までと期限を区切って、間に合わなければ予約を破棄します。
報告乙
日曜まで・・・三日しかないが大丈夫か?
頑張れ、負けるなっ!
時間かけてでも納得のいく形に仕上げて欲しいっ!
終盤のこのクライマックス、俺達はいつまででも待ち続けるっ!!
投下までの間、何かネタでも探して雑談するか
とりあえずこれまでのキャラの死に様でも語ってみる?
おいおい、まだキャラ語りが途中だぜ?
>>289によれば次はスパロワ最大のアイドル救世主の出番だ!
ハマーン様のことですね、わかります
…つか、何でみんなそんなにシロッコの話をしたがらないんだw
この時期に下手に話題を出すと動かしにくくなるかも、ってのもあるんだろうけど…
もしそういう事情なら、コーヒーは完結まで後回しにしてハマーンでも俺はおkだが
今日の夜が……決戦か
ユーゼスはどうなってしまうんだ、神化、ネオ化はついに現れるのか!?
誰かが死ぬんじゃないかと気が気ではないぜ
本当に誰が死んでもおかしくない
ユーゼスも含めてw
471 :
それも名無しだ:2008/05/26(月) 00:01:00 ID:Tx7QMbVW
予約は破棄か
糞スレアゲんな馬鹿
自分の力量を把握できず書ききることが出来ませんでした。
長期間キャラを拘束してしまい申し訳ありません。
うーん、間に合いませんでしたか……
もうすこしでできるというのなら、もうちょっと延長してみるのはどうでしょうか?
それが無理でも書きあがったところまででも投下するべきですよ、折角書いたもの埋もれさせておくのはもったいない!
終盤だし仕方ない、気にするな
ここまで来れば、多少の延長なんて微々たるもんだぜ
>>473 予約を一週間延期もしくは書けた所まで投下するといいよ。
双方にとって最悪なのはせっかくの努力を零にすること。
>>474-
>>476 もっと延長してもいいとかw
これが初めてでもないし破棄するって宣言してたんだからそうするべきだろ
終盤だからってルール無視していいってかw
延長……というか、新たに予約が入らない限り、現状どうにもならんし
前のが投下されてまだ二週間だぞ?
どうにもならんってほどの状況じゃないだろ
つか、別に他に書くって名乗り上げる人もいない。
今まで一杯SSを書いて引っ張ってくれてる一人であるui氏なら、信用できるから別に少々多少延長してもなんとも思わないよ。
むしろ、もう1週間かかってもしっかり仕上げて欲しい。
ルール無視も、何をいまさら。今までもそうだったじゃん。
信用ある書き手さんを信じて待つことは何よりも重要だよ。
信用があればルール超えてもいいってわけじゃないと思うが。
現状いないってだけでこれから書きたいっていう人出るかもしれないし。
書くなって言ってるわけじゃない。自分で破棄するって言ってる以上一旦破棄してもらって、時間経っても誰も名乗り上げないなら再度予約してもらえばいい
んじゃ、 あとどのくらいでできそうなのか? また現状できたところまでが区切りよくて投下できるのか?
を聞いてからでも十分だろう。
あと3日あれば、とかならあと3日かけて書いて投下してもらったほうがいいし、
ちょっと区切りが悪くても、落とすためのそこらの修正なら1,2日あれば直せますよなら1,2日待って投下してもらったほうがいい
すくなくとも、「現状いないし、いるかも誰かも分からない、もしかしたら新人書き手が1週間予約して書くのを待つ」より、
「もうちょっと延長してもらって実績のある信頼できる書き手さんに書き続けて投下してもらう」ほうが有意義だと思うけど。
信用できる、多くの貢献をしてくれた書き手一人が、9日分かけて書いたものをそうやって無為にする行動を、
ばっさり口にできること自体俺には信じられん。ぶっちゃけ、正気を疑うんだが。
書くってどれだけ大変か分かるか? 書いたものを誰にも見せず伏せる辛さが分かるか?
>書くってどれだけ大変か分かるか? 書いたものを誰にも見せず伏せる辛さが分かるか?
読む方からしたら評価するのは内容だけで、どれだけ苦労したなんて言われたら引くわ
大体本人ができなかったって言ってるのに、周りが出来てるとこまでで良いから投下しろとかそれこそ書き手より自分の気持ち優先してるんじゃないのか?
>>482 水子抱える辛さは分かるよ…
俺も書きたいネタがある以上、悔いの残らないように精一杯書いてもらいたい
ただ、ルール云々よりも、周囲であんまり延長延長と騒ぐと
ui氏も他にネタ温めてる別の書き手さん達も却って動きづらくならないか、
それだけ心配してる
書き上げられそうになった時点であらためて再予約って形にするのが
誰にとっても一番プレッシャー少なそうな気がする
杞憂&お節介だったら申し訳ない
>ID:UYubjikd、荒らしは
スルー
が一番。
ここには、スパヒロ厨だのなんだの厨付けしたり、
>>310みたいなことを言って妨害しようとしてる荒らしがいるってのは分かってるでしょうに。
このスレに長く付き合ってるなら
>>477とか失笑モンなんだからつられなさんな。別に、さらに延長なんてここではよくあること。
かまえばかまうほど今みたいにレススつけてつけ上がるだけだよ。それに、スレの空気も悪くなる。
第一、ルールは、円滑に進めるためのものであって、ルールのためにルールがあるわけじゃない。
今は、最終決戦突入って言う特別な状態なんだからそういうのも仕方ないって常識で考えたら分かること。
ここまできたら下手したら予約荒らしかもしれない信頼ゼロの新人に入る余地なんてない。
今すぐ書きたい!って2,3作投下した書き手さんが言うならともかく、そうでないなら別に問題なんてあるはずもない。
◆uiAEn7XS/.氏是非投下してください、期待してます。
ん〜、新人を歓迎しないって言うのは違うと思うけどな。
ui氏は今まで積み上げてきた実績があるから延長もありかと思うけど。
多分新人は来ないと思うけど
一旦予約破棄して書き上げてから改めて予約→投下するのがベストかもね。
そもそもこういうことは読む側が決めることじゃないだろ。
書いてる本人が破棄って言ってるんだからこの時点での予約は白紙。
書き進めてまた予約してくれるかもしれないし、ひょっとしたら別の人が書くかもしれない。それでいいじゃない。
それにしてもこんなに人いたんだな…… お前らいつもどこに隠れてるんだよ! 俺いつも寂しいんだぞ!?
あんま俺らが延長延長騒ぐべきじゃないな
投下できない と書き手さんが判断したからにはそれに従うべきだと思う
もしかしたら詰めの部分を誤って全直しになったのかもしれんし
リアル時間が足りなかっただけかもしれん
どっちにしても途中までじゃ本来書きたかったところには辿り着けないし、
あくまで書き手さんの意思に任せるべき
ui氏、申し訳ないですがもう一度だけ意思表明お願いします
時間があれば書けるのか、すぐの再予約は厳しいのかあたりをどうか
まぁ俺もいろいろ言ったけど書き手の意見をまずは聞きたいところだね。
その上で書き手の意見をなるべくなら尊重する方向にしたい。
本人が破棄するって言うなら、そうさせてあげたら?
もちろん俺は破棄してほしくないし、この先いつ完結するのか不安だけれども
まあどう転ぶにしても、今はゆっくり待つしかないさ
それまで何か雑談でもしようぜ
イキマの死と共にブライガーも動かなくなったようだが
改めて思い返すと、ブライガーってシチュエーションに恵まれてたよなぁ
最高のタイミングでのブライシンクロン発動に、最悪の形で発射されたブライカノン……
ほんと、いい仕事してた
ただ待つのもなんだから、イキマの図鑑書いてみた
誰かAA頼む
ハニワスレにもなかった…
名前 イキマ
愛称 ハニワ
声優 ダイナミック系悪役キャラ大行進
登場作品<鋼鉄ジーグ>
第31話「幸せの材料」でノルス・レイを駆り登場。アルマナと遭遇する。
当初はあくまで鋼鉄ジーグ打倒を目指し、「争いを止める」という彼女の主張を
小馬鹿にしていたが、人ならぬ自分をも信じ死ぬまでその姿勢を貫こうとした
彼女の想いに打たれ、その仇を討とうとする。
「決意の森」にてジョシュアと出会い、行動を共にする。宿敵である司馬宙の
死を知り、また人間への認識が己の中で変化していく中で、葛藤しながらも
信頼関係を築いていった。
また、アルマナの遺体を埋葬しようとした際、彼女を殺したと誤解したトウマの
攻撃を受けるが、それが縁となり後にイングラムの遺志を受け継ぐ同志として
再会することになる。
中盤、「それぞれの仲間の絆と事情」にて鉄也の駆るガイキングの襲撃を受け負傷。
助けに入ったセレーナからの情報で司馬遷次郎が首輪の解析を行っていると知り、
和解の道を模索するためにジョシュアらと別れ、トウマ・クォヴレーと共に
G-6基地を目指すが、そこで待っていたのは当の遷次郎の死だった。
相次ぐ宿敵の死に喪失感を覚えるものの、それがトウマの死により精神の
安定を欠いていくクォヴレーを支える、という決意にも繋がっていった。
第4回放送にてジョシュアら別働隊の全滅が報じられる中、グランゾンを奪い
逃走する冥王をラミアと共に追撃。さらにユーゼスとも交戦する。
しかしフォルカによってユーゼスは撃退できたが、合流したミオ・シロッコから
クォヴレーがユーゼス打倒の鍵を握っていること、そして彼の精神が暴走し始めて
いることを聞かされ、ディス・アストラナガンを駆り説得に向かう。
アースクレイドルにて冥王とユーゼスの戦闘に巻き込まれながらも、ついに
クォヴレーに自分を取り戻させることに成功。そして、自責の念に迷い続ける
彼を叱咤し、最後の決戦の地へ向かわせると、役目を終えたかのように
静かに息を引き取った。
本人の思惑はさておき、アルマナの遺言の通り誰も殺さず、争いを止めさせることに
尽力する結果となった。
巧みな善人化補正のマジックもあってか、スパロワにおいて最も愛された
キャラクターと言っても過言ではない。
当初は「幸せの材料」=ハッピーマテリアル=魔法先生イキマ!というネタでの
登場だったようだが、それがこんなに化けることになるとは…まさか書いた人も
予想していなかったであろう。
ミ`--、__,--''彡|
ミ `-、,-' 彡
..ヽヽ`Д´)'
/~~~〉 〈/つ 相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している
ノ ノ| |...
(__),_)_
ジーグはいっぱいあるのにイキマは・・・
図鑑乙!むぅ、改めて読み返すと何たるカオスだw
そしてWikiの更新も実にGJ
ui氏の予約が期限切れて今日で三日目だが12時までに氏が来なかったら予約は破棄したらどうかな
リアルの都合で見れないのかもしれないが、このままだと宙ぶらりんな状態で停滞するし
待ちたい気持ちはあるけども、何ら反応がないままずっと待ち続けるのもどうかと思う
「今ある程度できてる」ならそれを投下してもらうのもいいけど、「ほとんど出来てない」なら延長して催促するのも逆にプレッシャーになる気がする
いや、どうかなじゃなくて一回本人が来て書きあがらなかったって言ってるんだから既に予約は破棄だろ。
「今ある程度できてる」ならそれを投下してもらうのもいいけどとか、いいわけないだろ。他人の都合押し付けてどうする。
俺も読みたいとは思うが、本人が投下するのに納得してないものを無理やりださせたら駄目だろ。
既に予約は破棄だろ。
ui氏の再予約が早いか、新たな書き手が早いかってところだな。
ここ予約破棄した場合、他の人がリレーするまで取り消したキャラを予約することは出来ないってルールあったっけ?
>>498 事実上ないに等しい。
終盤にさしかかって書き手過疎が進行してるからそんなこと言ってられない。
書き手過疎かー
なんか上の方で新人はNGみたいなこと書かれてるがそれはどうなん?
それこそ妄言だろ。現に2話前の悪魔転生は新規さんが書いた物だし。
新人NGなんて馬鹿な話があるわけがない
ユーゼス・クォヴレー・フォルカ・ミオ・シロッコ・マサキ予約
予約キタ。期待期待(*´ω`*)
>>503 期待and支援。
漫画ロワスレで勉強が現れて意味深なこと言ってたから
予約荒らしじゃないことを期待しておく
じゃあ俺は祈っておく
wikiを更新してくれてる方、実にGJ!
キャラごとに追跡をしやすくなってるぜ
>>507 恐縮です
今となっては書き手さん方の支援にはならなさそうなので、もっと早くやればよかったと反省中
でも最終話間近ってことで、読み返す人や他ロワから読みに来る人もいるんじゃないかと
週明けには作業完了させる予定ですが、順番間違い等あったらご指摘or修正お願いします
管理人様、でしゃばってすんません…
そういえばゲッター様の世界に行った竜馬が、ユーゼス打倒の為に力を貸してくれるかと思った事もあったっけなあ。
なまじ生きてるから死者大活躍の回にも出番無かったし、この最終決戦で急に出て来たら今更感がありすぎるし……。
それとゼフォンがラスボス化したおかげで、肉体を吸収された意味の無くなったベターマンも哀れだよなぁ。
……この状態でも、ウィウェレの実を与えれば復活したりするんだろうか。
流石に死者復活はスレ的にもご法度だろうから
一時的に死者の方々よろしくユの字に影響を与える一因になる程度に
収めるべきかと
竜馬復活は反主催の状況によっては有りだと思ったが
今更復活させたらユーゼス涙目にも程があるし、それは二次に期待しようぜ
>>511 横やり程度ならやってほしいかもな。
ミオの機体をなんとかしたりとか。
ミオ「ブラックサレナの外殻取ったら、真ゲッターが出てきたー」
シロッコ「何故!?」
シロッコ涙目。ていうか、ねーよw
>>509 ベターマン含めた諸々を吸収したゼストの力を一時的にラーゼフォンに収めてるだけだから
無駄、って事は無いと思うが。ユーゼフォンの中で頑張っているかも知れんぞ。
>>510 ゼストはゲッター線吸いまくったデビルガンダムで出来ているから復活は場合によっては可だと思う
そんな場合はそうそうないとも思うがな
保守
すごく今さらだが
シュウとイングラムの死に様は違和感を感じるな…
そうかねえ
確かに原作を考えればそう思えるのかもしれんけど(特にシュウ)
強キャラが問題なく生き残るわけじゃなし、イングラムなんか実に
熱かったじゃないか。スパロボではしょっちゅう操られてすかしてるけど
本来のSHOの主人公だと燃える奴だからな
こいつがあっさり死ぬかぁ!?とか、こいつがここまで生き残るかぁ!?
ってのもこういうのの醍醐味だと思うけれどね。
>>519 前者はバグ、後者はイキマだな
まあ最近のに比べると初期の作品はあっさりしてる感はある。
というより最近のが綿密すぎるだけなのかも知れないが
ロワに限ったことじゃないけど、大事なのは生き死によりもその過程がどう描かれるかだと思う
そういった意味でも、イングラム死亡話は今でも個人的ベスト3に入る名作
序盤は勢いとハッタリ勝負なところがあるから、シュウやバグに関してはネタだと笑って済ませとけw
強キャラ・強機体ばかりが残っても面白みがないし
シュウは死後マサキと絡んだから意味があるとしてバグマジ無駄死にw
シュウは自分が死んでしまう時に召喚されたんで、ルオゾールに蘇らせる為にとっとと死んだんだと思ってた。
ほら、暗示とか残ってると嫌だし。
今日の4時か……wktk
>>517 昔、パロロワ全盛期にスパロワだけじゃなく
パロロワ全体の雑談をするスレがあって
その中で神作品挙げる議題には必ずイングラム死亡話があがってたよ。
イングラムは最初からユーゼスとフラグ立てて反撃の狼煙をあげただけで死んでいったから違和感を覚えただけで
死ぬ話は好き
シュウはもうどうしようもない…
安藤のほうのマサキがいれば展開違ったかもしれんが
まあ、バイクに乗った無力な人間に一方的に殺そうとした時点で
もう言い訳のしようがないw
そういや、現状でマサキの切り札・ネオグランゾンに気付ける可能性のある奴は
実際にネオグラを見たことあるミオだけなんだよな
そのグランゾンに乗ってる奴の名前がマサキと知ったら、何を思うのか楽しみだ
ところで予約期間って何日なの? ずっと三日ぐらいだと思ってたんだけど。
一週間
厳密に言えば予約期限は切れてるものの、今夜くらいまでは大目に見てもいいんじゃないだろうか
それ以上ずれ込むようなら延長申請なり弁解なりするのがマナーというものだろうけど
>>526 シュウ死亡話は筆者がシュウ大嫌いだったかマサキ大好きだったかだろ…
まぁ後者だろうけど
>>533 期限を過ぎても連絡が無いし、予約しても良いと思う。
ここで、一つ提案。
一週間と予約期間が長い上に、クライマックスで全員予約が必至な今の状況。
こういった予約取り消しが何度も起こるようでは、いつまで経っても話が先に進まない。
だから予約をした人は、できれば現在の進行状況を数日置きに報告してほしい。
もし予約期限に間に合わないようなら時間の融通を利かせられるだろうし、取り消しの可能性がある事を知っておく事も出来るようになる。
悪い提案じゃないとは思うんですが、どうでしょうか。
だったら予約してみたい・・・んだが
>>534 賛成でs
>>535 行っていいと思うよ
>>534 基本賛成だけど、状況報告を書き手に強制させすぎてモチベーション下げちゃうことが無いようにしようぜ!
予約取り消しが続いて焦れてるだろうけど、あと少しなんだから焦りすぎずにいこう
それではユーゼス・クォヴレー・フォルカ・ミオ・シロッコ・マサキ
予約します
>>537 頑張ってください、期待してます!
……それにしても、ユーゼスが一番最初に名前書かれるのか。
流石、自重しない主催者だけはある。
ほ
し
の
か
543 :
それも名無しだ:2008/06/08(日) 21:38:24 ID:V05wh58t
に
待てぃっ!!
な、何奴だ!
な、何奴だ!と聞かれたら
答えてあげるが世の情け
だ が 断 る
このロム・ストールが最も好きな事のひとつは
俺の名を問う悪党に
「貴様らに名乗る名はない」と断ってやる事だ・・・
それではみなさんご一緒に
ほ し の か に
…星の蟹?
(Γ・∀・)Γ~~ほーしーのーかーにー
何で一文字書かれただけでこんな続々とwww
そんなお前らが大好きです
>>548 いやいや、名乗っちまってるだろ?w
ロム「……成敗!!」
ひでぶww
一時投下スレに投下しました
多分超展開ってやつなので、問題がありそうなら修正します
超GJ!
超展開どころか王道展開でいいと思うぞ、マジで。
正直、使者干渉はもういいよ……と思っていたが、逆にこの展開は新鮮&「おお! こうきたか!」と思わされた。
なんというか、全員きっちり役目が振られてて本当に最終決戦の1つとして凄いよかったよ。
前に比べて文も格段によくなってるし、もうとにかくGJ! 俺のテンションが「ハイ」って奴だ
……っとテンション上がりすぎで指摘忘れ。
指摘というほどではありませんが、ユーゼスの2人称は、「君」ではなく「お前」だったと思います。
ケチ付けるようで悪いけれど、再生怪人軍団の中でテンザンは「全ての人の魂の戦い」で
プレシア達と一緒に協力してるシーンがあったから悪霊化しているのはちょっと違和感が…。
むしろ、このロワにおいては狂気塗れで死んでいったリョウトの方が悪霊化している方が自然かも。
ほんと、長かったなぁ……ようやくここまで来たのか……。
まだ仮投下だし詳しく感想はつけないが、これはGJと言わざるを得ない。
でもな、どうしても、どうしても言わせて欲しいことがあってな……
ラッセルはちょっと変な病気にかかっていただけで本当は良い人なんだよー!
ジャックもなんでかマーダーになってたけど別に悪い人じゃないんだよー!
というかヴァルク・ベンに誰の魂が乗っているのかは適当にぼかしておいたほうが良いんじゃないかな。
扱い的にもスパロボでの「一般兵」か「エリート兵」みたいなものだし、こいつらの視点からの描写もないし。
あと投下スレの
>>324でシロッコが「マーダー」って言葉使ってるけど、こういうロワの用語的なものは作品の中では使わない方がいいと思う。
乙です!!
まだ仮投下の段階ですが本当にGJです! 遂に終わりが見えてきた……
ソウルゲインも驚愕の神化を遂げ、これで残るフラグはネオ・グランゾン。
そして紅茶。さりげなく備考欄が増えているのがなんともww
誤字等の指摘では、虎龍王への合体は『龍虎合体』ではなく『虎龍合体』ですよ。
GJだ。だがな、どうしても違和感が拭えない。
紅茶さんちょっと格好よすぎじゃね?こんなの俺のシロッコじゃない!!
と思ってしまったんだ。許してくれ。
読み応えありました、乙です!
ヴァルクの中身に違和感があるとすればハイネル兄さんもだな
でも「これ以上の死者干渉ネタはちょっと…」な流れを逆手に取った発想は凄く面白いし、
スパロワらしさとスパロボらしさの両方を巧く活かしていると思う
キャラを特定している割に戦闘時に具体的な描写もないし、かといっていちいち描写すると
少々くどい気もするから、鉄也とフェルナンド以外(ヤザン等)は匂わせる程度でいいかもね
>>561 なんか本来のキャラが思い出せないぐらいロワ補正が定着してるなw
まずは乙でした。読み応えがあり終盤にふさわしい感じでした。
まぁ問題になってるヴァルクの中身は
>>562さんも言われているように
話の中心になっている鉄也・フェルナンド以外の面子はぼかしても
良いように思います。(実際半数のヴァルクは冥王に特に描写無く
消されてますしw)
シロッコとヤザンみたいに直接関わった事がある人間のみ、動きから
何か感じる程度でいいかと。
いいかと。
(´Д`;)
改行ミスっていいかとが2回入力されてるすいませんorz
>>555 上の点を直せばおkなんじゃないか?
いよいよ最終戦か長かったな、しかしOG最強クラスが三機もいるせいで
版権機体がかなりしょぼく感じるなw
ゼストゼフォンはもはやロワオリジナルだしw
ご指摘どもです。
大体は修正したのですが、
>>557のユーゼスの二人称。
これはユーゼスが状況に余裕があるときは見下すような感じで「君」というんではないかと思ってたんです。
初期のクォヴレーとユーゼスの話でも「君」となってたんでそれに倣ったんですが、「お前」に修正した方がいいでしょうか?
わざと見下すニュアンスで言わせてるなら、演出としていいんじゃないかと思うよ
元々、立ち振る舞いが芝居掛かってるキャラだし
それより久保の方が二人称は「君」でなく「お前」って言う気がする
>>566 αをやって確認しました、確かに余裕ぶっこいてるときは「君」を使ってます。
いちゃもんみたいな指摘すいませんorz
ですから、俺の指摘は無視してくれて結構です。
久保は、確かにサルファだったら「お前」でした。
手直しと若干の追加が終わったので、夜七時くらいに本投下します
投下します
「まず、クォヴレー・ゴードンとディス・アストラナガンが接触、記憶を取り戻した」
「そこに木原マサキとユーゼスも立ち会った」
「うむ。そしてこの空間がもはや崩壊の危機にあるとユーゼス自らが宣言した」
「ああ。そして………」
メモを読み終えた三人は情報の整理を行っていた。といっても、話しているのはシロッコとフォルカのみだったが。
二人の男は話を止め、ミオを見やる。
彼女はメモを読み終えてからまだ一度も言葉を発してはいなかった。
その顔は痛みに耐えているようであり、悔やんでいるようでもあった。
「…そして、ラミア・ラヴレスが来襲しクォヴレー達と戦闘になった。結果、イキマは………」
ブライガーの傍らには事切れたイキマの姿があった。
つまりは、そう。
「ラミアちゃんが、イキマさんを殺した。そうなんだよね?」
「そうだ。彼女が選んだ道は、ユーゼスの剣となることだったのだろう」
シロッコは内心そうなる可能性は高いと踏んでいたため、この結末を見ても冷静でいられた。
だがフォルカとミオは違う。
彼女自身の意思に委ねたとはいえ、止めはしなかったのだ。ユーゼスの元へ行くことを。
こうなったのは自分たちにも責任の一端はあると考えているのだろう。
だが今はそんな感傷に浸っている場合でもない。
「二人とも、後悔は後にしたまえ。クォヴレーはどうやらラミアを追ってE-7に向かったようだ。我々も後を追うぞ」
イキマのメモにはクォヴレーとその乗機、ディス・アストラナガンこそが脱出の鍵とあった。
今、彼に死なれるようなことになれば、たとえユーゼスを倒してもここから元の世界に帰還できない。
地球に巣食う俗物を駆逐し、新たな世界を構築しようとするシロッコにとっては到底看過できない事態だ。
「思うところは私も同じだ。だがそれはここで悔やんでいても解決するものではあるまい?
E-7にはクォヴレーが、そしてラミアがいる。直接会いに行こうではないか」
「うん………そうだね。ちゃんと、話をしなきゃ、ね」
「…ああ、だが、少し待ってくれないか? 彼を………イキマを、弔ってやりたいんだ」
「すまないが却下だ。この空間は間もなく崩壊する。埋葬したところで意味はない」
しかしシロッコはどこまでも現実的だった。
「だが、彼をこのままにして行くなど!」
「時間がないと言っているんだ。彼を埋葬している間にクォヴレーが殺されるようなことになれば、それこそ彼の遺志を無下にしているのではないかね?」
ちょっと! あの機体って!」
D-6。
激戦の跡を窺わせる大地、倒れ伏す赤の巨人。
ミオ、シロッコ、フォルカの三人がここに現れたのは全てが終わった後のこと。
主のもとへ飛び去ったラミアを追い、また新たな仲間を迎えるためにここに来た。
「クォヴレーさん………の、機体だよね?」
そこにいた…、いや、「在った」のはもはや立ち上がることなき正義の旋風。
ミオからすればブライガーはヴィンデルを殺した、どちらかと言えばあまり好意的には見られない機体。
イキマからクォヴレーの状態に関する大方の事情は聞いたものの、そう簡単に納得できるものではない。
…だがそんな気持ちを一時忘れさせるほど、大破したブライガーの姿は衝撃的だった。
「どう、なってるのこれ? イキマさんはどこ?」
「………ふむ、落ち着きたまえミオ。とりあえずは調べてみよう。あの機体にもう戦闘力はないだろうしな。フォルカ、構わんな?」
「………ああ」
さすがの修羅王にも予想外の光景らしく、声に戸惑いがある。
シロッコはそんな二人を尻目に、ジ・Oをブライガーの近くに降着させた。
「………なるほどな。我々は一足遅かったようだ」
イキマが遺したメモには、ここで起こったことの全てが記されていた。
「まず、クォヴレー・ゴードンとディス・アストラナガンが接触、記憶を取り戻した」
「そこに木原マサキとユーゼスも立ち会った」
「うむ。そしてこの空間がもはや崩壊の危機にあるとユーゼス自らが宣言した」
「ああ。そして………」
メモを読み終えた三人は情報の整理を行っていた。といっても、話しているのはシロッコとフォルカのみだったが。
二人の男は話を止め、ミオを見やる。
彼女はメモを読み終えてからまだ一度も言葉を発してはいなかった。
その顔は痛みに耐えているようであり、悔やんでいるようでもあった。
「…そして、ラミア・ラヴレスが来襲しクォヴレー達と戦闘になった。結果、イキマは………」
ブライガーの傍らには事切れたイキマの姿があった。
つまりは、そう。
「ラミアちゃんが、イキマさんを殺した。そうなんだよね?」
「そうだ。彼女が選んだ道は、ユーゼスの剣となることだったのだろう」
シロッコは内心そうなる可能性は高いと踏んでいたため、この結末を見ても冷静でいられた。
だがフォルカとミオは違う。
彼女自身の意思に委ねたとはいえ、止めはしなかったのだ。ユーゼスの元へ行くことを。
こうなったのは自分たちにも責任の一端はあると考えているのだろう。
だが今はそんな感傷に浸っている場合でもない。
「二人とも、後悔は後にしたまえ。クォヴレーはどうやらラミアを追ってE-7に向かったようだ。我々も後を追うぞ」
イキマのメモにはクォヴレーとその乗機、ディス・アストラナガンこそが脱出の鍵とあった。
今、彼に死なれるようなことになれば、たとえユーゼスを倒してもここから元の世界に帰還できない。
地球に巣食う俗物を駆逐し、新たな世界を構築しようとするシロッコにとっては到底看過できない事態だ。
「思うところは私も同じだ。だがそれはここで悔やんでいても解決するものではあるまい?
E-7にはクォヴレーが、そしてラミアがいる。直接会いに行こうではないか」
「うん………そうだね。ちゃんと、話をしなきゃ、ね」
「…ああ、だが、少し待ってくれないか? 彼を………イキマを、弔ってやりたいんだ」
「すまないが却下だ。この空間は間もなく崩壊する。埋葬したところで意味はない」
しかしシロッコはどこまでも現実的だった。
「だが、彼をこのままにして行くなど!」
「時間がないと言っているんだ。彼を埋葬している間にクォヴレーが殺されるようなことになれば、それこそ彼の遺志を無下にしているのではないかね?」
「それは!………そう、だが」
それが正論と分かっていても、やはりフォルカには簡単に納得できはしない。
命が紙のごとく軽い闘争の中に生きる修羅だからこそ、命をまっとうした者に敬意を払うのは当然と考えるのだから。
「フォルカさん、行こう。ここで私たちがするべきことは立ち止まることじゃないよ」
そんなフォルカに前に進めと促すのは、同じくイキマの死に悲しんでいたミオだ。
「きっと、イキマさんは私たちにクォヴレーさんを支えてほしいって思ってたはずだよ。だから私たちは先に進まなきゃいけない」
二人の視線を受け、言葉を続ける。
「だから、行こう。クォヴレーさんを助けに。そしてラミアちゃんともう一度話すために」
「………ああ、そうだな。イキマの意志を継ぐのなら、ここで時間を使うのは彼の戦いを侮辱することになる」
フォルカの声に覇気が戻る。ミオは決意に満ちた顔で頷き、乗機へと駆けていく。
「強いな、彼女は」
ミオにどこか感嘆とした視線を向けながらシロッコが呟き、フォルカもつられて微笑んだ。
「イキマさん、ごめん。でも必ずクォヴレーさんを助けてみせるよ。だから見守っててね」
ブラックサレナのコクピットでミオは呟く。
悔やむ気持ちは重すぎるほどにある、それでも今はその気持ちを抑えなければならない。
「全部終わったら、お墓、作ってあげるね。それまでちょっとだけ待って、………?」
モニターに、ブライガーから少し離れたところに何か光るものが映った。
拡大して見えたそれは、狼の意匠が刻まれた剣。
「あれ、たしか…そう、ブライソード」
かつてこの手の中にあったブライガーのマニュアルに記載されていた武器。
「持って行けって言ってるの? イキマさん」
死してなお、反逆の意志は消えない。ミオにはあの狼がそう言っているように思えた。
「ではこの剣は私が持とう。ミオの機体は手が短いし、フォルカにはむしろ邪魔だろうしな」
ジ・Oの背部にはグラビトンランチャーとともにブライソードが装着された。
シロッコの言うとおり、彼の機体が一番上手く扱えるからだ。
「うん。イキマさんも一緒に行こうって言ってるんだよ、きっと」
「この剣には彼の魂が込められている。きっと俺達に力を貸してくれるさ」
フォルカの言葉に呼応するようにブライソードが煌めいた。
銀河旋風はまだ途絶えてはいない、そう叫ぶように。
□
「イン……グラム……?」
E-7に到達したクォヴレーが対峙したもの。
それは意志を持った人形の駆る天使ではなく、自らのオリジナルたるイングラムの顔の巨人。
全てを調律する機械仕掛けの神、その紛い物にしてあるいはそれ以上の力を手に入れたモノ、真聖ラーゼフォン。
神々しいとさえ言えるその威容は、かつてクォヴレーが相対した死霊の王、霊帝ケイサル・エフェスに匹敵するほどのプレッシャーを放っていた。
「あの機体は………ラーゼフォンか? だが、あの顔は一体」
「ようこそ、虚空の使者。全ての終わりにして始まりの場所へ」
「貴様…ユーゼスかッ!」
「君は運がいい。新たな神の誕生に立ち会えたのだからな。
さあ、見たまえ。これが真聖ラーゼフォン、いや全能の調停者、ゼストの姿だ!」
声とともに巨人は翼を広げ―――――――――
「うおおっ!?」
翼から迸るエネルギーは風を生み、嵐となってディス・アストラナガンを木の葉のように吹き飛ばした。
「なんて力だッ………!」
羽ばたくだけで凄まじい力を放ったラーゼフォンを見据え、機体の体勢を立て直したクォヴレーは気付く。
あれがラーゼフォンだというなら、一人、ここにいなければならない人物がいる。
「貴様、ラミア・ラヴレスはどうした! その機体がラーゼフォンだというなら彼女はどこにいる!」
「どこに? ここにいるとも。あれはもはや私と一つになったのだ」
「一つに?………まさか、取り込んだのか、彼女を!?」
かつてイングラムが自身にそうしたように。いや、おそらく融合したのではなく―――吸収。
その意思など関係なく、一個のパーツとして
「貴様………!」
「何を怒っているのだ? 君にとってあれは敵だろう。イングラムを殺した、な」
「そんなこと…わかっているさ! だが、彼女に自らの『意志』があった! それは貴様に取り込まれるためのものではなかった!」
「ふん、人形の意思などもはやどうでもいいのだよ。肝要なのはゼストの糧になるかどうか、それだけだったのだから」
その言葉を聞いた途端、クォヴレーの腕は意識するよりも早く動いた。
これ以上やつに喋らせるな………! その意思をメス・アッシャーに込め放とうとした、その瞬間。
―――――避けろ―――――
背筋を貫く悪寒、これまた意識するより早く操縦桿を押し倒す。
ディス・アストラナガンの翼が光を吐き出し、その体を大きく弾き飛ばす。
空いた空間を間髪入れず黒色の球体が駆け抜ける。まるでブラックホールのような球体が。
その球体の向う先は真聖ラーゼフォン。
だが天使はおもむろに手を翳し、そこに光が集まり障壁となる。
球体と障壁が激突。
凄まじいエネルギーが撒き散らされた。
数瞬の後、そこには依然変わりなく佇む真聖ラーゼフォンの姿。
「楽しそうじゃないか、ユーゼス。俺も混ぜてもらおうか?」
響く冥王の声。
ユーゼス、クォヴレーの位置と三角形の場所にグランゾンが現れる。
「それが貴様の切り札というわけか」
「これはこれは。君まで神の誕生を祝いに来てくれたのかね?』
「ハッ、笑わせる。ここで俺に殺される貴様が神を名乗るなどな」
状況は構図だけ見るなら数時間前と同じ。
クォヴレー、マサキ、そしてユーゼス。
誰もが己以外の二人を排除しようとする三すくみの状況。
だがクォヴレーにはあの時と違い焦りはなく、まずは敵の出方を見るために自分から仕掛けない。
対照的に今にも仕掛けようとするグランゾン。
「ふむ。相手をするのはやぶさかではないが………」
だがユーゼスは戦うそぶりを見せなかった。
「あいにく私はここから飛び立つための準備があるのでね。君たちにはしばし、彼らと遊んでいてもらおうか」
そのユーゼスの言葉が流れた瞬間―――――――
眼下の大地が爆発した。
「ッ―――なんだ!?」
ディス・アストラナガンを後退させる。
ユーゼスは何もしていない。もちろんマサキも。
だが今、レーダーには新たに9つの機動兵器の反応が出現していた。
「この機体は!?」
クォヴレーにとって馴染みのある機体、ゴラー・ゴレム隊の量産機、ヴァルク・ベン。それが9機、地表の施設から飛び出しラーゼフォンを囲うように陣を組む。
『・・・・・・・・・・・・・・・・!!!』
それらが放つプレッシャーは、パイロットが並のバルシェムではないと確信させるほどに強いものだった。
「なんだ、この感じは……!? アストラナガン!?」
ディス・アストラナガンが目前の9機を警戒しているように、勝手に出力を上げていく。
「ほう、その機体はわかるようだな。いかにも、これらに乗っているのはバルシェムではない」
マサキも状況を把握できていないのか、後方に下がり構えている。
「マシュマー・セロにより檻から解き放たれ、フォルカ・アルバークによって形を得た魂たち。彼らは死してなお私に反旗を翻した」
続くユーゼスの言葉。もはやクォヴレーにも答えはわかりかけていた。
「だが、彼の手を掴まなかった者もいる。そう、この箱庭の世界で怒りや憎しみを持って戦い、その思いを浄化することなく果てた者たちだ」
ディス・アストラナガンが警戒するはずだ。
その力を糧としながらも、常に取り込まれる危険を孕んでいるもの。
「ゼストに取り込まれた彼らは輪廻転生の輪に還ることもできず、どこにも向かえない魂となった」
かつて霊帝とまみえたときに幾度も戦った。
「だから、再び器を与えたのだよ。戦うための器、怨霊としての形をな!」
生ある者を憎み、喰らう。救われることなき、まつろわぬ魂。
「ネシャーマだというのか………! 貴様、どこまで腐った真似を!」
クォヴレーの中に怒りが止め処なく溢れる。
ラミアだけでなく、終わりを迎えた魂までも弄ぶ所業に。
「もちろん、生前と同じ強さと言うわけではないが。遊び相手としては十分だろう?」
真聖ラーゼフォンが翼をはためかせ、上昇していく。
「逃がすか、クズがッ!」
その瞬間、沈黙を保っていたマサキが動いた。
ワームホールを展開、ワームスマッシャーを撃ち放つ。
全方位からラーゼフォンを貫かんとする無数の光弾。
だがそれは―――――
「無駄だ」
即座に密集した9機のヴァルク・ベンがディフレクトフィールドを展開した。
ワームスマッシャーの威力なら充分にフィールドを貫ける。
だがそれは一機ならの話。
幾重にも展開されたフィールドの前に、光弾の嵐はあえなくその輝きを散らす。
「チッ…負け犬が群れをなした程度で調子に乗ってくれる。いいだろう、まずは貴様らから冥府へ送り返してやる!」
この9機を突破しなければユーゼスへは到達できない、そう考えたのはマサキも同様だったようだ。
こちらにまで注意を払う余裕はないのか、グランゾンはクォヴレーに仕掛けることなく離れた空域へ移動していく。
「彼らは生前、いずれもエースと呼ぶにふさわしい技量の持ち主だった。まあ、そうでない者も若干混じってはいるが………」
グランゾンの後を五機のヴァルクが追って飛び去った。
これでクォヴレーが相手取るのは四機。
ディス・アストラナガンは本調子ではないとはいえ、勝てない相手では―――――――
「そうそう、言い忘れていた。ゲストはまだいるのだよ」
思考を見透かすような言葉、それが耳を通り過ぎるかどうかという刹那の時間。
ディス・アストラナガン目掛けて多数のミサイルが飛来した。
「ミサイルだとッ―――!?」
とっさにディフレクトフィールドを展開、一瞬の時間を得て後退。
フィールドの網にかからなかったミサイルはラアム・ショットガンで迎撃。
なんとか危機を脱したクォヴレーは、直ちに索敵を開始する。
ヴァルク・ベンの武装は両肩のカティフ・キャノンに接近戦用のオウルブレード、そして複合武装ツインホイールバスター。
ミサイルは搭載されてはいない。
つまりこの攻撃をしてきたのはヴァルク・ベンではないということだ。
ほどなく一つの反応を捉える。
地上からこちらを狙う影。見知ったフェイスタイプ、一目でわかる重厚な火器群。
「あれは…ガンダムか!」
ZZガンダム。本来あるべき世界でその機体はそう呼ばれていた。
「彼は死霊の中でも特に戦うことに執着する魂でね。君も知っている男だ」
『おおおおおおおぉぉぉぉ………おああああああああああぁぁぁッ!』
ディス・レヴを通じ、ガンダムから意志が…強烈な殺意が伝わってくる。
―――この殺意を、クォヴレーは知っている!
「この感じはっ………剣鉄也か!?」
かつて自らと仲間たちの前に立ち塞がった強敵。
戦うことに全てを捧げた悪鬼。
その悪意は死してなお、クォヴレーを威圧するに充分なものだった。
四機のヴァルク・ベンが、ZZガンダムが。
狼が獲物を狩るように、一斉に砲撃を撃ち放つ。
「ッ―――――――――!!」
撤退はない。この怨霊たちを相手に背中を見せればそこで終わりだ。
ディス・アストラナガンが駆ける。迫りくる過去を振り払うために。
□
今や超神となったユーゼス。
その全てを見渡す瞳で、眼下で舞い踊る二つの機体を観察する。
クォヴレー・ゴードンと木原マサキ。
計画を壊す因子たる二人は今、怨霊が抑えている。
ラーゼフォンという器を得た今、転移機能を持つディス・アストラナガンを無理に取り込む必要はなくなった。
もちろん取り込めば更なる力とはなるのだが、今となっては虚空の使者にその価値はない。
そう、あの男に与えるべきは同化ではない。
その使命、意志を最後の一欠けらまで踏み潰すことだ。
自分とイングラムが求め、歩むことができなかった道に易々と踏み込んだ男。
ゼストとなった今、その拘りも些事でしかないとわかってはいる、が。
「そう……奴の存在を消し去ることにより、我々の長き因縁もようやく終焉を迎えるのだ………イングラム」
もう一人の自分、影たる存在。その運命をここで閉じるために。
「そして木原マサキ。奴ももはや用済み…だが、何をするかわからん男でもある。念には念を入れて、確実に滅ぼさねばな」
そのためにはここでマサキを殺してはいけない。
この空間は強き意志を持つ死者の魂に一時的とはいえ力を与えてしまう。
ネシャーマとなった者たちのように操ることもできないだろう、木原マサキとはそういう男だ。
放っておいてもこの空間は崩壊するが、それまでまだいくらかの猶予がある。
ならいっそ、ここに満ちるエネルギーを励起させ、強制的に崩壊へと導けば。
「さあ………歌え、ゼスト! 禁じられた歌を! あまねく世界を破壊し、再生へと導くその歌を!」
真聖ラーゼフォンがその口を開く。そして――――――
「ラァァァァァァァァァァ―――――――――――――――――――――ッ!」
そして、歌声が世界を脈動させる。
□
シロッコ、ミオ、フォルカ。
三人がE-7へ辿り着いたのはイキマのメモを発見して数十分後のことだった。
クォヴレーの危機へ参じるべく、全速力で向かってきたのだ。
だがそこで彼らを待っていたのは、天使が歌い、悪魔と魔神、死霊と悪鬼が激突する戦場。
「な………なに、あれ………? 人、の顔………?」
かつてデビルガンダムに取り込まれた少女、ミオ・サスガ。
そのときの感覚はまだはっきりと覚えている。その感覚が教えている。
あの天使が放つ気は、デビルガンダムと同質のものだ、と。
「これは、また………凄まじい眺めだな。世界が終るというのはこういうものなのかもしれん」
「あれは………」
さすがのシロッコも動揺し、修羅王は途方もない危機がここにあると確信する。
ニュータイプの感覚、修羅として直感、新たに得た念動力。
それらが示すまでもなく、生ある者なら誰だろうとわかる根源的な恐怖。
「戦ってる…あれは、ディストラちゃんに………グランゾン!?」
「クォヴレー・ゴードンと木原マサキか。だが、あの機体たちは? もはや我々以外に生存者はいないはずだが」
「無人機…ではないな。動きに確固とした意志がある。誰かが乗っているのは間違いない」
傍目にも二人は謎の機体群に押されている。
「助けなきゃ!」
シロッコが止める間もないスピードでブラックサレナが飛び出していく。
「ミオ!…やれやれ、フォルカ。行けるか?」
「無論だ…!」
ソウルゲインが走り出す。一拍遅れてジ・Oも続いた。
□
戦い始めてどれくらいの時間が経ったのか?
それすらもわからないほど、この戦場は過酷なものだった。
半壊したとはいえ、ディス・アストラナガンの力は量産機など寄せつけはしない。
だが現実は、敵を一機とて撃墜することができず逆に細かな損傷が増える一方だ。
ガンスレイヴはまだ再生せず、左腕はガンダムが放った極太のビームにもぎ取られた。
そして追い打ちとばかりに、フィールドを出力することが難しくなってきた。
機体の再生にエネルギーを回す分、常時バリアを展開するだけのエネルギーが確保できないのだ。
「だが、諦めるものか………!」
闘志は尽きていない。そうだ、まだ戦える―――決意を新たにしたそのとき。
ZZガンダムが跳んだ。
単体では飛行できないのかもっぱら地上から火器をばら撒くだけで、接近戦はヴァルク・ベンが行っていた。
それがここに来て急に仕掛けてきたということは。
「来るか!」
勝負を仕掛けてきた。
剣鉄也、死霊となったとはいえ戦いに臨んでこの男を前に油断することは死に直結する。
ZZガンダム、ガイキングとは比べ物にならないがそれでも豊富な火器を持つ機体。
特に額のメガ粒子砲の威力はただ事ではなく、当たればその場で終わりだ。
いつでも回避できるよう、推進系に細心の注意を向ける。
跳躍したZZガンダムのビームライフルが火を噴いた。
迫る二条の光芒、クォヴレーはフィールドで防ぐことよりも回避を選ぶ。
敵機のいない空間に退避。そこに二機のヴァルクがキャノンを乱射、残った二機がツインホイールバスターを振りかぶり突撃してきた。
「遅い!」
だがかつてアインと呼ばれていたクォヴレーは、ヴァルク・ベンという機体を知り尽くしている。
キャノンの射程、発射間隔。ホイールが最大限にその力を発揮する間合い。それらが手に取るようにわかる。
砲弾の雨をフィールドで受け止め、接近してきた二機のホイールをZOサイズで切り払う。
その勢いのままZOサイズをショットガンに変形、間を置かず放つ。
散弾は二機のヴァルクに食らいつき、より近距離にいた一機が耐え切れず胴体を吹き飛ばされた。
ついに一機を撃墜。だがクォヴレーの脳裏に違和感が残る。
「…? ガンダムはどこだ!?」
ヴァルク達より先に跳んだZZガンダムが初撃しか仕掛けて来なかった。地上に降りたのかと思い眼下を見やるも、そこにガンダムの姿はなく。
「どこにいった…?」
周囲を旋回する三機のヴァルク。レーダーを見やれば6つの光点。
「ッ!? 6つ…だと!?」
一機を落としたから反応は4つが正しいはず、それなのに。
このときクォヴレーは周囲のヴァルク、そして地上にいるはずのZZガンダムを警戒し、上方向への注意を一瞬怠った。
だから、気付かなかった。上空から迫る三つの戦闘機の存在に。
「があああああッ!?」
降り注ぐミサイルとビームの雨。
とっさにフィールドを展開したものの、その全てを防ぐことはできずいくつか直撃を受ける。
衝撃で地表に落着、その眼前で三機の戦闘機が合体した。
変形を終え、現れたZZガンダムの額に光が煌めき――――――
「こんな、ところで………俺はッ―――――!」
操縦桿に腕を伸ばす一瞬が永遠に感じられた。
あの光が俺を殺すのか…そう思った瞬間、極光が解き放たれ―――――
「吹っ飛べええええええぇぇぇぇぇっ!」
ZZガンダムが吹き飛んだ。
額からメガ粒子を放出したままあらぬ方向へ吹き飛ぶZZガンダム。
その光はあと一秒遅ければディス・アストラナガンを貫いていた。
装甲の塊のような黒い機体。それがクォヴレーを死の運命から救ったのだ。
「お前…は、誰だ? 俺を、助けたのか?」
「クォヴレーさん………だよね?」
「ミオ………ミオ・サスガか?」
会わなければ、謝らなければならないと思っていた少女。だがさすがに戦場で出逢うとは思ってもいなかった。
二の句が継げないクォヴレー。その瞬間機体は停止しており、それは当然致命的な隙だった。
三機のヴァルク・ベンが我先にと殺到する。だが、彼が迎撃の姿勢を取る前に。
「はぁぁぁぁぁぁっ!」
蒼い影がクォヴレーの前に割り込んだ。
打ちかかってきたヴァルクを一機、勢いのままに蹴り飛ばす。
吹き飛ぶヴァルクの向かう先には別のヴァルク。
衝突し、装甲の破片を撒き散らしつつもろともに吹き飛んでいく。
そして残った一機のホイールバスターを、蹴りの回転を活かし肘のブレードでいなす。
敵機の態勢が崩れた隙を逃さず、その腹部へと蒼いエネルギーを纏った拳を叩き込む。
フィールドを紙のように貫かれヴァルク・ベンが爆散した。
見るも鮮やかな一連の動きに、クォヴレーは目を奪われる。
凄まじい技量。数秒の攻防でまざまざと見せつけられた。
「無事かね? クォヴレー・ゴードン」
通信。ミオでも眼前の蒼いヒゲの機体でもない。それにこれまた知った声だ。
「………パプテマス・シロッコか?」
「ふむ、無事のようだな。間に合ったようでなによりだ」
クォヴレーからすれば敵か、味方か、定かではなかった男。一時は殺すと誓った相手ではあったが、
「………礼を言う。おかげで助かった」
今のクォヴレーにシロッコと敵対する理由はない。
「ほう…記憶を取り戻したというのは本当だったようだな。以前とは別人のようだ」
冷静な素振りで返しつつも、シロッコはこのクォヴレーの反応に内心胸を撫で下ろしていた。
正直なところ、シロッコは彼に銃を向けられても仕方のないことをした。
その力が完全に発揮されているなら、ジ・Oで対処できるかはかなり怪しいところ…というか、無理だ。
だが今のクォヴレーは安定している。話も通じるということだ。
「では早速だがクォヴレー。この状況の説明を願いたいな。」
イキマの死は伏せつつ尋ねる。せっかく安定しているのに、また暴走されてはたまらない。
「ああ。だが、その蒼い機体は…?」
「この機体はソウルゲイン。そして俺はフォルカ・アルバークだ、クォヴレー」
若き修羅王が答える。顔を合わせるのは初めてだが、クォヴレーにとっては知った名だ。
「フォルカ………お前が。光の巨人の力を得た修羅王か」
「ッ! ゾフィーのことを知っているのか?」
「イングラムから引き継いだ知識の中にお前がいたからな。大体のことは知っている」
「そうか…説明の手間は省けるな。なら次はそちらの番だ。あの天使…はなんだ?」
「そしてあれらの機体のパイロット。生存している参加者でもなく無人機でもない。ユーゼスの手駒は我々がすべて始末した。なら誰が動かしている?」
シロッコは油断なく残存する二機のヴァルクとZZガンダムを牽制している。
ガンダムと戦う…そのことに若干の皮肉を感じながらも。
支援
「ん…? あの動き………」
心なしか知っている気がする。あの機動は――――――
「あれに乗っているのはゲームに乗った死者の魂。正確には、ネシャーマという死霊だ」
続くクォヴレーの言葉に納得する。あの動き、知っているはずだ。
「とすると、あれはヤザン・ゲーブルか。度し難いな、死霊となってまで戦いを求めるとは」
「死んだ人まで戦わせてるっていうの………!? そんなの、ひどすぎるよ!」
しかしミオはシロッコほど割り切ることができず。
「なんとかできないの!? クォヴレーさん!」
「………無理だ。彼らはもう死んでいるんだ。囚われた魂を解放するには、機体ごと消滅させるしかない」
「そんな………」
「………それで、あの天使は? 見たところ、ラーゼフォン…ラミアの機体と似通っているが」
ミオに代わりフォルカが口を開く。
「彼女は………ユーゼスに取り込まれた。この世界に満ちた負の意志を集め、ラーゼフォンに注いだ結果生まれたのがアレだ」
「取り込まれた………!? 彼女は無事なのか!?」
「………もう、生きてはいないだろう」
息を呑むミオとフォルカ。
シロッコだけが冷静に状況を分析する。
「そして、あそこで戦っているグランゾンには木原マサキが乗っている。戦っているということは、目的は打倒ユーゼスということか?」
「おそらくはそうだろう。だが奴は俺達を味方とは見ていない。邪魔になればすぐさま牙を剥いてくるぞ」
「ふむ………ではユーゼスは何をしているのだ? 自らが戦えばいいものを、歌っている…ように見えるのだがね」
「それは俺にも………」
「ようこそ、パプテマス・シロッコ、フォルカ・アルバーク。そして、ミオ・サスガ。会えて嬉しいよ。これで役者は揃ったというところかな?」
「………なッ!?」
シロッコは大いに焦る。秘されたカード、ミオの生存を知っている?
死亡したと放送で自ら名前を呼んだのに。
「そこの男に聞いたろう? ラミア・ラヴレスは私が取り込んだ。すなわちそれは記憶も同化したということだ」
真聖ラーゼフォンがこちらを見ていた。だが歌は鳴り止むことはなく。
「私が何をしているか気になるかね? 何、大したことではない。
風船とて空気を入れてしばらく放っておけばいずれは萎むだろう?
だったらいっそ華々しく破裂させてみたいと思うのは人の性ではないか、と私は思うのだよ」
風船。萎む。破裂―――――
「まさか、貴様―――ッ!」
シロッコが動揺から脱し一早く気付く。それがどれだけ危険なことなのかも。
「どういうこと、シロッコさん!?」
「この空間はいずれ崩壊する。だが奴は、人為的にそれを早めようとしているのだッ!」
「そう心配することもないさ。空間が崩壊したとして、すぐに君らがどうにかなる訳ではない。次元の挟間を漂うことにはなるだろうがね」
次元の挟間。どう考えても安全という響きはカケラもない。
「ユーゼス! ゾフィーから聞いた! お前が望む平和はこんなやり方で手に入れるものではないはずだ!」
フォルカが叫ぶ。ただユーゼスを倒せばそれで終わる、そうは考えられないから。
「ゾフィー…そうか、彼が君を救ったというわけか」
「平和とは力があれば成せるものではない! こんなことをしてもお前の理想を実現することはできない!」
「平和…か。もういいのだよ、そんなもの」
だが答えはフォルカの予想していたものではなく。
「何だと………?」
「ゼストの力は新たな世界を構築することすら可能なのだ。私が望む、私だけの世界をな」
「ユーゼス、話を…っ!」
「フォルカ・アルバーク、君に会わせたい人物がいる」
「…何?」
繋がらない会話に戸惑うフォルカ。
「君にもっとも縁のある男さ」
ラーゼフォンの指が伸びる。その先にはヴァルクの出撃により露出した地下施設への通路。
その暗き穴から、弾丸のような勢いで何かが飛び出した。
『フォルカ………フォルカァァァァァァァァァァァッ!』
野生動物を思わせる四足歩行、鋭い牙、縞模様の装甲。
まさしく「虎」といえる機体。
「なにあれ…虎?」
呆れたようなミオの声。純機械製のモビルスーツが専門のシロッコも気持ちは同じ。
「ただ見た目を真似ただけではなさそうだな…!」
だがそのプレッシャーは並ではなく、油断すればすぐさま噛み付いてきそうな気配を放っている。
「今の『声』は………フォルカ、あの機体を知っているか?」
「…いや、知らないが。何故俺に?」
だがクォヴレーは他と違う意を持った。剣鉄也のときと同じく、ディス・レヴを通じ声が聞こえたのだ。
そう、フォルカを呼ぶ声が。
「その機体の名は虎王機、百邪を滅する古代の機人だ。そしてそれを操るのは………」
悠然と告げるユーゼスの声は嗜虐に満ちていた。
「フェルナンド・アルバーク。知らぬとは言うまいな? フォルカ・アルバークよ」
□
いる!
近くにフォルカが!
殺す殺す殺す、そうだ、殺してやるぞフォルカッ!
今度こそ必ず貴様を………貴様を………フォルカァァァァァァァァッッ!
□
「フェルナンド………だと?」
フェルナンド・アルバーク。
フォルカの義弟にして、共に機神拳を学ぶ親友であり、また腕を競い合うライバルだった男。
フォルカの修羅神、ヤルダバオトと双子の関係にある豪撃の修羅神・ビレフォールの操者。
彼はフォルカとの勝負に敗れ、しかしフォルカが掟に反しとどめをささなかったことでその矜持を傷つけられた。
だが幾度ものフォルカとの闘争の果て、ついに分かり合うことができた。
このゲームで出逢うことこそなかったが、出逢っていたならきっとまた共に戦うことが出来たはずだ。
ラミアの告げた言葉に一時は動揺したものの、フェルナンドとの絆は容易く途切れるものではない、そう思っていた。
だが。
『ガアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!』
獰猛な虎の咆哮が響き渡る。
まるで自らを操るものの声を代弁するかのように。
虎王機は深くその四肢をたわませ、貯め込んだ力で脚を蹴り出した。
弾丸のように駆け出すその勢いはまさに疾風、目にも止まらぬ勢い。
「―――――ッ!」
反応出来たのは操縦者の動きを機体にほぼ100%フィードバックする機体、ソウルゲインのみ。
フォルカの反射神経は虎王機の動きにすらも対応してのけた。
振り下ろされる右前脚を両腕で受け止める。
人型と違い、四足歩行する機体ゆえに後ろ脚だけでは上手くバランスが取れなくなる虎王機。
虎王機が左前足を引く。だがそれが突きだされる前に、ソウルゲインは体を回し虎王機の持ち上がった懐に潜り込む。
「おおおおッ!」
腰を上げ、虎王機の体を浮かせ、腕を引いて投げ飛ばす。
轟音。
背中側から大地に叩きつけられた虎王機は痛みに呻くように震え、倒れ伏す。
「さすが修羅王、見事な体術だ。慣れぬ機体とはいえ、超機人をこうも容易くあしらうとはな」
「あれにフェルナンドが乗っているだと? 面白くもない冗談だ。機神拳を修めたものがあの程度で倒れるものか」
よくも友の名を騙ったと、憤るフォルカ。
「慣れぬ機体で、といっただろう? まあたしかに、彼が君とソウルゲインを相手取るには虎王機では役不足だな」
だがユーゼスの声に焦りの色はない。
「だから、こうしよう」
真聖ラーゼフォンが指を弾いた。
音ではない何かが空間を駆け抜け、そして。
「…あれは!」
空間に亀裂が走り、空が割れる。
そこから出てきたのは巨大な龍。虎王機と対となる超機人、龍王機。
かつてヤザン・ゲーブルが駆り、幾度もの闘争に臨んだ機体。
その最期はH-4にて相良宗助に撃破され、グルンガストの下敷きとなって大破。
コクピットには大穴が空き、とても操縦できそうにはない。
だが機体そのものは一日もの時間があったからか、ほぼ完全に復元していた。
「ふむ、ここまで復元できていれば問題はないな」
と、ユーゼス。
「空間を超えて機体を引き寄せた…!?」
ミオやクォヴレーはまだしも、あくまでまっとうな機械技術が発達した世界出身のシロッコにしてみればまさに常識外の光景だ。
シロッコとてこの舞台に招かれてから、常識なんてものは既に何度も破壊されているがそれでも驚嘆を隠すことはできなかった。
「この機体は龍王機と言ってね。そこの虎王機と同じく、元は百邪を滅する超機人なのだが…今彼らの意志は私の支配下にあるという訳だ」
龍王機はユーゼスの元を離れ、虎王機の傍らへと降下する。
「この二機の真価は二人の強念者を得た時こそ発揮される。だが、今の私ならその強念者なき意思を操ることなど造作もないことだ」
その距離は縮まり、やがては零に―――――
「必神火帝、天魔降伏」
同時にユーゼスの口から「力ある言葉」が響き―――――
「虎龍、合体」
龍と虎は、一つになる。
―――オオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ―――
閃光が奔り、咆哮が響き渡る。
先の虎王機のものよりはるかに力強い声。
「合体………した!?」
呻く声は誰のものか。
光が収まった後、そこに「立って」いたのは龍でも虎でもなかった。
そう、「立って」いた。二本の足でしっかりと。
「これが超機人・虎龍王。かつて私とは異なる『私』を追い詰めた、強力な機体だ」
虎の頭、龍の胸。力強くしなやかに伸びた手足。
人型となった虎が戦意に満ちた眼差しをフォルカに向ける。
「虎王機ではフェルナンド・アルバーグの闘技を活かすことはできなかった。だがこれならどうかね?」
虎龍王は先程と同じく身を屈める。来る―――――誰もがそう思った瞬間。
虎龍王の体がブレる。次いで衝突音が響き、虎龍王がミオ達の視界から消えた。
「消えた!?」
「待て、ソウルゲインもいないぞ!」
ミオとクォヴレーの前に立っていたソウルゲインがいない。
「後ろだ!」
フォルカの位置を感じ取ったシロッコが叫び、三人は機体を振り向かせる。
数百mは離れたかというところ、そこでソウルゲインが虎龍王に圧し掛かられていた。
「ソウルゲインを連れて一瞬であそこまで移動したというのか………!」
見れば、二機の位置までの地面がまるで爆発したかのように掘り返されていた。
凄まじい脚力、数秒前の残像すら残し得るほどの。
呆然とする三人、そこに動きのなかったZZガンダムが躍り込む。
ハイパービームサーベルを抜き放ち、ブラックサレナの背後から斬りかかった。
「油断するな、ミオ!」
切っ先が届く寸前、間一髪でディス・アストラナガンがディフレクトフィールドを展開。
動きの止まったZZガンダムをジ・Oのビームライフルが牽制する。
「ククク、そうだ。気を抜いてもらっては困る。君たちにもダンスの相手はいるだろう?」
ユーゼスが言うと同時、静観していた二機のヴァルク・ベンも再び接近してくる。
「二人とも、今はフォルカのことは気にするな! まず我々の安全を確保する!」
シロッコが号令し、ミオとクォヴレーは頭を切り替える。
フォルカは負けない。あの技、そしてソウルゲインという機体。
むしろあっさり虎龍王を倒してこちらの援護にすらやってくるかもしれない。
その強さを肌で感じていた二人はシロッコに倣い、フォルカの心配よりも眼前の敵へと向き直った。
□
木原マサキとシュウ・シラカワの創りし魔神・グランゾン。
今マサキの前には五機の機動兵器が立ち塞がっていた。
グランゾンの真の力…開放すればこんなザコなど一瞬で葬り、なにやらたいそうな姿になったユーゼスに一撃を加えることもできるだろう。
だが今はその時ではないとマサキは確信する。
シュウはグランゾンの力を解放できるのは一度きりと言っていた。
今のユーゼスは…そう、まだ力の底を見せてはいない。有り体にいえば倒せる確証がないのだ。
もし凌がれれば消滅するのは自分だ。そんな結果、認めるわけにはいかない。
だからマサキは機を待った。ユーゼスが何をしようとしているか大体の見当はつく。
ここに来るはずの他のクズを待ち、やつらをぶつけることによってユーゼスの力を見極めるのだ。
今同じ場所で戦っているディス・アストラナガン、そしてあのフォルカ・アルバークという男。
クズの割には中々の力を持っている。やつらならユーゼスの罠に自ら飛び込み、その全貌を丸裸にしてくれることだろう。
利用し、踏みにじり、使い捨てる。マサキにとって他者とはその程度の存在だ。
「だからといってクズに付き合うのは業腹だが………」
この五機のヴァルク・ベンは、メインイベントが始まるまでのちょうどいい時間つぶしだ。
「俺を退屈させるなよ、負け犬どもッ!」
□
強い。
一撃でソウルゲインの巨体を浮かすこのパワー。
一瞬たりとも止まることなく走り続けるこのスピード。
変幻自在の足さばきによる分身歩法。
そして何よりも。
「ガァアアアアアアアアアアッ!」
「ク――――この拳はッ!」
何よりも、そう。虎龍王の繰り出す拳。
間違えるはずもない、これは紛れもなく機神拳。
拳、手刀、肘、膝、足刀、果ては撃ち出す闘気。すべてが必殺であり、無駄な流れが何一つ存在しない。
これほどの技、如何なる方法でも模倣など不可能だ。
己と抗し得る腕を持つ機神拳の使い手―――――そんな者はただ一人しかいない。
「フェルナンド………なのか…!?」
嘘だ。違う。そんなはずはない―――そんな思いは虎龍王の一手ごとに霧散していく。
理屈ではなく、体が。機神拳を修めた体が無意識に確信していく。
敵手はフェルナンド・アルバーク。
もはやフォルカの中でその認識は確固たるものだった。
『フォルカァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!』
声が聞こえる。マイから託された念動力を介し、フェルナンドの思念が伝わってきた。
憎悪、そうとしか表せないほどに強烈な思念。ラミア・ラヴレスが言ったことは本当だった。
フェルナンドはフォルカと和解する前の時間からここに来たということ。
だがフォルカは訝しむ。
たしかにフェルナンドは自分を憎んでいた。だがいくら違う時間から召喚されたとはいえ、ここまで憎しみに支配されてはいなかったはずだ。
傷つけられた「プライド」、フェルナンドはそれを癒すためにフォルカに勝利することを求めた。
しかしこの『フェルナンド』はまるで「殺すこと」しか頭にないようだ。
その証拠に、虎龍王は幾度も「武器」を振るっている。
雷光のごとき速度で振り回されるヌンチャク、拳ともに打ち出されるドリル、音すらも置き去りにして突きこまれる槍。
機神拳を練功する過程でこれらの武具を扱うことはあった。心得はフォルカにもある。
が、実際に使うかと言えばそれは絶対にない。
機神拳とはそれ単体で最強なのだ、武器など使えば拳は鈍る。
なのに今のフェルナンドは拳への誇りを失くしたかのように、ただフォルカを粉砕しようとするのみ。
「何故だ、フェルナンド…!」
フォルカは知らぬことだが、このゲームでのフェルナンドの乗機はズワウス。
乗り手のオーラ力を高めるオーラバトラーの一機であるズワウスは、復讐に燃えるフェルナンドのオーラ力…覇気を爆発的に増大させた。
………そして覇気だけでなく、その憎しみまでも燃え上がらせた。
フォルカではなくゼンガー・ゾンボルトに敗れたことにより、その憎しみは浄化されることはなく、怨霊となって今再びフォルカの前に立っている。
怨霊、そうとわかっていてもフォルカは呼びかけることを止められはしなかった。
フォルカの声に応えることもなく拳のラッシュを放つ虎龍王。
いくら再生能力を有するソウルゲインと言えど、再生するより早く砕かれれば一巻の終わり。
同じく拳の乱打にて迎撃を図るものの、拳に混じり時折閃くヴァリアブルドリルがソウルゲインの拳を抉る。
「ッ…このままでは………!」
フォルカがようやく覚悟を決める。
フェルナンドに呼びかけるにしても、まずは動きを止めてからだ。
そして手加減する余裕などありはしない…だから。
「行くぞ………ッ!」
振り下ろされる踵を横から殴りつけ、一歩後退し肘のブレードを展開。
再度踏み込んだその姿は何重にも分かれ、無数のソウルゲインが虎龍王目掛け殺到する。
「はあああああああああああッ!」
舞朱雀、ここにアクセル・アルマーがいればそう言ったことだろう。
修羅の本能は機体に最適な攻撃法を瞬時に選び出す。
全方位から迫り来る刃の嵐。だが虎龍王はむしろ悠然と構えている。
「もらったぞ、フェルナンド…!」
この瞬間、たしかにフォルカは勝利を確信したが、油断はしていなかった。
そして激突―――――膝をついたのは、ソウルゲインだった。
「が………っ!」
ソウルゲインのコクピットに血飛沫が飛散する。
激突の間際、虎龍王が手に取ったのはランダムスパイク。
振り回されるその射程はソウルゲインのブレードよりも長く、いわばフォルカは自ら暴風圏に飛び込んだ形。
だがそれだけならまだ疾走の勢いのあったソウルゲインに分があった。
明暗を分けたのは、操者。
フェルナンドがフォルカを殺すことを第一としていることに対し、フォルカは機体の中枢に当てることを避けた。
手加減してはいないが、フェルナンドを殺す…「もう一度」殺すことになっても意味がない、そんな判断の結果だった。
カウンターの要領でヌンチャクに滅多打ちにされ、ソウルゲインの装甲はほぼ全域が破損していた。
対して虎龍王はいくらかの刃に切り裂かれたものの、損傷と言えるほどのものはない。
フォルカにとどめを刺すべく虎龍王が歩み寄る。
ソニックジャベリンを掲げ、ソウルゲインの胸部目掛けて振り下ろす。
―――――だがその先端はソウルゲインを貫きはしなかった。
「フェル…ナンド………」
ソニックジャベリンが貫いたのはソウルゲインの左腕。間一髪のところでフォルカが腕を持ち上げたのだ。
「お前を………止める……………!」
意識は朦朧としている、だがやられるわけにはいかない。
ここで負ければフェルナンドが次に狙うのはミオ達だ。
親友が仲間を殺す―――――やらせはしない、絶対に!
支援
虎龍王は攻めず、槍を捻り抜き大きく後ろに跳ぶ。ソウルゲインが立ち上がり、その際左腕が脱落した。
これが最後の勝負――――――お互いが無意識にそうと悟る。
「コード…、麒麟………ッ!」
ソウルゲインのリミッターを解除、フルドライブ。
「オオオオオオオオオオォォォォォッ!」
咆哮と共に可視できるほどの覇気が虎龍王を包む。
静寂は一瞬、同時に地を蹴る。
片腕のソウルゲインが青龍鱗を放つ。修羅の覇気を糧に放たれた光弾は蒼い奔流となって虎龍王を飲み込んでいく。
「ソウルゲイン…もう少しだけ、俺に付き合ってくれ………!」
光の中心、そこいる虎龍王目掛け拳を繰り出す。
手応え、だが虎龍王の体を捉えたものではない。同じタイミングで虎龍王も拳を放ったのだ。
ソウルゲインは片腕、虎龍王は両腕。
だがフォルカは、ソウルゲインは、己が全てをこの攻勢にかける。
「はああああああああっ!」
溢れる闘気。交わされる拳の速度は天井知らずに増していく。
「勝つのは…俺だッ! フェルナンドォォッ!」
ラッシュの応酬を制したのは片腕のソウルゲイン。
ソウルゲインの一撃に虎龍王の一撃は拮抗できず、両腕の手数でなんとか均衡していた状態。
そこから更に拳にエネルギーを集中させたソウルゲインが押し勝ったのだ。
「でやあっ!」
宙高く虎龍王が打ち上げられる。
「貫け、覇龍………!」
フォルカが残る力全てを龍と成し放つ。
天を駆け昇る覇龍が虎龍王を砕く…その瞬間。
「捉えたぞ、フェルナン―――――がぁッ!?」
――――――ソウルゲインの脇腹に、もう一つ「腕」が生えていた。
その「腕」は虎龍王が打ち上げられる最中に放ったタイガーナックル。
虎龍王に集中していたフォルカは、龍を迂回し接近する虎の爪に気付けなかったのだ。
覇龍が掻き消え、虎龍王が降り立つ。タイガーナックルが引き抜かれ、本体へと戻る。
虎龍王が迫る。だがフォルカにはもう指先一つ動かす気力も残されていない…
虎が咆哮した。
拳を受け、ソウルゲインが宙に浮く。
次に来たのはランダムスパイク。空中で乱撃を受け、叩き落された。
ソウルゲインが大地に激突する刹那、虎龍王がその下に滑り込む。
荒ぶる虎の四肢が暴風となってソウルゲインに喰らいつく。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォッ!!」
風に揺れる木の葉のように翻弄されるソウルゲイン。右腕と下半身が引き千切られ、離れる前に一瞬で細切れに砕かれた。
右腕を引き絞る虎龍王。雷光のスピードで突き出されたドリル。
それがソウルゲインに到達するより早く、フォルカの意識は闇に落ちた。
□
「三対三…か。数の上では互角だが………」
虎龍王と対峙するフォルカ。
一方でミオ・シロッコ・クォヴレーもまた強敵と向かい合っていた。
「ガンダムタイプが一機、ゴラー・ゴレムの量産機が二機。侮れる相手ではないぞ」
先ほどまで単騎で交戦していたクォヴレーは、敵手が油断ならない相手だということを知っている。
「特にあのガンダム。あれを操っているのは剣鉄也のネシャーマだ、手強いぞ」
「あー、あの人かぁ…。で、でも機体はあの鬼みたいな機体じゃないし!」
ミオは彼を知っている。デビルガンダムに取り込まれていたとき、鉄也がそこにいたからだ。
「剣鉄也だと…? キラとゼオラを殺した男か!」
シロッコは、というか彼が率いていた集団は鉄也によって壊滅させられた。
あのときは死んだふりをすることによってなんとかやり過ごせたが…さすがにこの状況ではそうもいかない。
「ゼオラ!?………そうか、やつがゼオラを………ッ!」
シロッコが何気なく漏らした言葉、それはクォヴレーの心に怒りの火を灯す。
全ての元凶はユーゼス…わかってはいる。
だが、掛け替えのなかった友の仇がそこにいるという事実は、彼に使命を一時忘れさせるほどの衝動を生んだ。
「…たしかに機体は違うが、腕が尋常じゃあない。油断はするな」
胸中の激情を押し隠しクォヴレーが告げる。今は感傷に浸る時間ではない。
機体や状況がどうであろうと、あの男は必ずこちらの予想を超える一手を放ってくる。
「ふむ…クォヴレー、君の機体の状態は芳しくないようだな?」
「やつに手酷くやられたからな。戦力としては半減したかそれ以下だ」
悔しげなクォヴレー、だがシロッコは彼の先ほどのZZガンダムへの対処を思い出す。
「フッ、あれだけできれば充分だ。さて、ミオ、クォヴレー。私の指示に従う気はあるかね?」
「シロッコさんの指示?」
「どういうことだ」
「数は同じ、腕も同等。なら集団戦で勝敗を分かつのは連携ということだ。
私はこれでも船団を率いたこともある男でね、指揮にはいささか自信がある」
一拍置いて、
「わかった! どうすればいい?」
と、ミオ。クォヴレーも、
「了解だ。どのみち今の俺では満足に戦えん。手並みを見せてもらおう」
と返す。
「よし、まずはミオ、君がアタッカーだ。君の機体は重装甲を生かした格闘戦が本領だ。突っ込んで駆け抜けろ」
「あいさー!」
「次にクォヴレー、君の機体はバリアを展開できるな。ならば君は最後尾、私の後ろについてくれ」
「了解だ」
「私がミオの後ろにつく。では行くぞ!」
ブラックサレナ、ジ・O、ディス・アストラナガンが隊列を組み前進する。
「いっけー!」
ミオの威勢のいい声とともに、ブラックサレナがディストーションフィールドを展開、左翼のヴァルク・ベンに向けて突進する。
ヴァルク・ベンはカティフ・キャノンで迎撃。
だがブラックサレナのフィールドと装甲を突破できず、フィ―ルドを展開する間もなく弾き飛ばされる。
「いいぞ、ミオ! そのまま進め!」
ブラックサレナが駆け抜け、二番手のジ・Oがグラビトンランチャーを放つ。
重力の塊は展開されたフィールドを圧迫し、ガラスのように砕け散らせる。
そこへ三番手、後方をフィールドでカバーしていたディス・アストラナガンがZOサイズを振りかぶる。
「もらったぞ………!」
態勢が崩れフィールドも突破されたヴァルクに成す術はなく、一気に両断された。
もう一機のヴァルクとZZガンダムが介入する間もない、それほどの早業だった。
「これぞかの有名なジェットス―――わぁっ!」
ミオの言葉を遮り、ZZガンダムのハイメガキャノンが駆け抜ける。
慌てて回避したミオ、牽制のメス・アッシャーを放ちつつクォヴレーが怒鳴る。
「油断するなと言っただろう!」
「ごめんなさーい…」
クォヴレーの叱責に微妙に凹みながら謝るミオ。
「でもさ、こういうときって掛け声とか欲しくない?」
「「要らん!」」
二人に同時に切り捨てられ、ミオのテンションがちょっと下がる。
「ジ・Oが黒かったら完璧なのに…」
「もう一度仕掛けるぞ! まずはバリアを持つ方からだ!」
ミオの声をスルーしたシロッコが下した号令とともに、三機はまた一列となって動き出す。
だが今度はZZガンダムが黙っていなかった。
ヴァルクに向かう三機、その横腹からビームライフル、ダブルキャノン、ミサイルランチャーとありったけの火器を撃ち放つ。
「くっ・・・小賢しい!」
ディス・アストラナガンのフィールドが隊列を覆っているため、深刻な損傷はない。
だが隊列は乱れ、ヴァルクにアプローチする機会を逸してしまった。
シロッコは憤るが、その頭脳はあくまでも冷静に状況を分析する。
―――連携攻撃を仕掛けている間は隙ができる。その隙はZZガンダムには格好のチャンス。ならばヴァルクに攻撃をかけつつZZガンダムにも仕掛ける―――
流れるように思考し結論を出す。
「クォヴレー、交代だ! 私が最後尾につく!」
「交代? それではフィールドがお前までカバーしきれないぞ」
「構わん、私に策がある!」
「…了解した」
ジ・Oとディス・アストラナガンが入れ替わる。
「ミオ、行け!」
「はいよー!」
ブラックサレナが駆け、ヴァルクがツインホイールバスターを構える。
猛回転するホイールはディストーションフィールドを切り裂き、ブラックサレナの装甲に火花を散らした。
ハンドカノンを放ち、なんとか離脱する。
「ごめん、後お願い!」
次に飛び込んだディス・アストラナガン。
高速で移動していてはメス・アッシャーが使えないので、ラアム・ショットガンを撃つ。
フィールドは散弾を受け止めたが、次いで振るわれたZOサイズによって切り裂かれる。
「シロッコ、任せた!」
同じ位置に留まっていてはZZガンダムに狙われる、だから一瞬たりとて動きは止められない。
そして退避したミオとクォヴレーはシロッコのジ・Oを見やり絶句した。
なんとジ・Oは『後ろ向きのままヴァルクに迫っていた』のだ、その両腕に構えたビームライフルでZZガンダムを牽制しつつ。
ZZガンダムから横槍が入らなかった理由がこれだった。だが、そのままでどうやってヴァルクを撃破するのか。
二人が隙を作ったとはいえ、ジ・Oが振り向くその一瞬で持ち直されるだろう。
そうなればジ・Oの前にはヴァルク、後ろにZZガンダム。結果は明らかだ。
間に合わないと確信しつつ、ミオとクォヴレーが再度仕掛けようとする。
だが、ジ・Oの、パプテマス・シロッコの動きは二人の予想を上回る。
ヴァルクに最接近したジ・Oはそのまま宙返りを行った。
ヴァルク・ベンを棒に見たてて、その頭上を走高跳のように背面跳びで抜けていく。
「これで二機目だ」
ジ・Oが着地し、シロッコが静かに呟く。そして爆散する最後のヴァルク・ベン。
ミオとクォヴレーはジ・Oの背面に二本のマニピュレーターが突き出ているのを見る。
その腕は力強くビームサーベルを保持している。
ジ・OはZZガンダムを牽制しつつ、宙返りの最中この隠し腕に持ったビームサーベルでヴァルク・ベンを切り裂いていったのだ。
凄まじい技量、研ぎ澄まされた感覚が成せる神業。神業、ではあったのだが。
「うわあ、キモい! すごいけどキモい! 何その腕!」
「それは…また微妙な格好だな」
両足の間から後ろに突き出た腕にビームサーベルを構えるジ・Oは、傍で見ていた二人からしても異様だったようだ。
「ええい、うるさいぞ! 勝てばよかろう、勝てば!」
隠し腕を格納しつつシロッコが叫ぶ。一応この機体を設計したのは彼なのだから、二人の言葉に少し傷ついたことは内緒だ。
実際、いかにシロッコといえあのような狂気じみた機動を準備なく行うのは難しい。
その種はヘルモーズにてジ・Oを発見したとき、ついでとばかりにコクピットに放り込んでおいた強化パーツ・T-LINKセンサー。
ヘルモーズでの巨人との戦いでは設置する暇はなかったが、その後の情報交換の際取り付けておいた。
これにより拡大した感覚で敵機の位置を鮮明に認識していたからこそ、躊躇いなく打てた博打だった。
「とにかく、これで残るはあのガンダムだけだ! 一気に決めるぞ!」
誤魔化すように叫び、ZZガンダムに向き直るシロッコ。
と、そこにユーゼスの声が割り込む。
「いやぁ、いいものを見せてもらった。さすがは木星帰りのニュータイプ。見事な指揮、見事な曲芸だ」
いかにも観戦していた、という声。
「待っていろ。すぐにこのガンダムを始末して、お前をそこから引きずり降ろしてやる」
クォヴレーの声には鉄也への怒りとユーゼスへの苛立ちがあった。
「ほう…始末、ね。その二人の力を借りてかね?」
「………どういう意味だ」
「何、君は仲間に固執するあまり視野が狭くなっているのではないか、と思ってね」
ユーゼスはとても楽しそうに言葉を続ける。
「君は気付いていないようだが。ここには一人、足りない役者がいるだろう?」
一人足りない。考える、その言葉の意味を。
ここにいる者。自分、ミオ、シロッコ、フォルカ。そしてマサキ、ユーゼス。
ラミアはもういない。ならもう一人とは―――
「―――――――――――イキマ?」
そう、D-6に残してきたイキマ。別れ際、ミオ達に拾ってもらうと言っていた。
だがここにイキマはいない。ミオ達はいるのに。
「ミオ、シロッコ。イキマはどうしたんだ?」
悪寒を抑えられない。いや、彼は無事だ。きっとそうだ。どこかで休んでいるに違いない。
「イキマ、さんは………」
だが答えるミオの声は震えていた。彼女は最後まで言わず口ごもる。
「シロッコ!」
「…クォヴレー、彼は」
重々しく口を開くシロッコ。だが彼が真相を語る前に。
「君は先程から何度もジ・O の背中を見ているはずだ。何故気づかない?」
ユーゼスが決定的な事実を告げる。
ユーゼスが決定的な事実を告げる。
そこにあるのはブライソード。目に入りつつ、それがそうだとは認識しなかったもの。
この剣がここにある、ということはミオ達がイキマと接触したのは確実。
だがイキマはおらず、二人は口を開かない。
「嘘だ………」
「死んだのだよ、あの男は」
「嘘だ……嘘だ………!」
「ラミアの攻撃から君を庇ってな」
「嘘だッ! 信じるものか、イキマが死んだなんて!」
「…やれやれ。虚空の使者ともあろうものが情けない。これではやつはまさに犬死にだったようだな」
―――――頭の中で何かが切れる音がした。
「貴様ァァ―――――――――――――ッ!」
鉄也がゼオラを殺した。イキマが死んだ。俺を庇って死んだ。犬死に。
それらの事実がクォヴレーの中に降り積もり、爆発する。
真聖ラーゼフォン目掛け、ディス・アストラナガンが飛翔する。
その瞬間クォヴレーはミオ、シロッコの存在を完全に忘れ去り。
同時にZZガンダム、剣鉄也の存在も失念していた。
後方の警戒などまったくしないディス・アストラナガンに、ZZガンダムから放たれたビームの束が襲いかかる。
「――――――――――ッ!!」
光芒はディス・アストラナガンの翼を一瞬にして消し去り、悪魔を大地へ叩き落とした。
「クォヴレーさん!」
ミオの悲鳴。シロッコはZZガンダムの挙動に注意を払わなかった自分を悔やむ。
「行け、ミオ!」
だが今クォヴレーを死なせるわけにはいかない。もちろん、また暴走させるわけにも。
「このガンダムは私に任せろ。行って、クォヴレーと話すのだ!」
「えっ、話すって」
「今彼が暴走すれば全て終わりだ! それに君も言いたいことがあるのだろう!?」
常にない必死な声で叫ぶシロッコ。ここで舵を間違えれば本当に終わってしまう。
「………わかった! ここはお願い!」
ブラックサレナがディス・アストラナガンを追って飛ぶ。
ZZガンダムが狙い撃つ前に、ジ・Oが射線に割り込む。
「しばらく私に付き合ってもらおうか、剣鉄也…!」
時間稼ぎなどシロッコの好むところではない。だが、プライドにかけて「ガンダム」に敗れるつもりはない―――――
奇しくも同じ世界、だが違う時代に存在するはずの二機がぶつかり合った。
□
E-7地下施設。
ブラックサレナはディス・アストラナガンを抱えてここに降下した。
話すにしても地上では落ち着けない。フォルカやシロッコは心配だが、それ以上に今のクォヴレーを放っておくとまずい。
「クォヴレーさん! 大丈夫?」
返事はない。
ミオは機体から降り、ディス・アストラナガンへと駆け寄る。直接コクピットを開けてみるつもりだった。
「ん…わぁっ!」
その途中、壁際に一機のヴァルク・ベンが設置されていた。
すわ敵かと慌てたミオだが、そのヴァルクに動く気配はない。
「人…乗ってないんだ。多分あの怨霊も…」
つまりこれは正真正銘の無人だ。警戒の必要はない。
「そだ、それよりクォヴレーさん!」
ミオはこの機体に一度乗ったこともあるから、どこがコクピットかも知っていた。
開いたコクピット、クォヴレーは操縦桿に身を預けるように気を失っていた。
なんとかコクピットから抱え出し、地面に寝かせる。特に怪我はないようだ。
「―――う、うう………」
ほどなくクォヴレーは目を覚ました。
「クォヴレーさん! 大丈夫!?」
「ミオ…? ここは、どこだ?」
「地下の基地だよ。上は危ないからとりあえずここに運んだの」
「そうか…ありがとう、世話になったようだ」
ミオは以前あった時とは別人のような対応に戸惑う。戦闘中ならまだしも平時にこうではギャップが大き過ぎて不気味ですらあった。
「いやー、気にしないで。その、それよりも………」
手を振り、話を変える。
「………イキマのことか」
「…うん。イキマさんは、これをあたし達に残してくれたの」
そう言って差し出したのは、血で書かれたメモ。
目を通したクォヴレーは、これがイキマの「遺書」なのだと悟る。
「そう………か。イキマは、本当に…」
メモを握り締めるクォヴレーの顔は今にも自害しかねないほど思いつめているように見えた。
「あの、クォヴレーさん…」
ミオが声をかける。
「クォヴレーさんのせいじゃ」
「俺のせいなんだ」
だがクォヴレー自身の声に遮られた。
「俺が、中途半端な覚悟でラミアを説得しようとしたから彼女を追い詰めた。そしてそのツケは俺ではなく、イキマが被った………」
「………」
「すべて、俺のせいなんだ」
ミオがゆらりと立ち上がる。
「そうだ、お前にはヴィンデルのことも謝らなければならない。俺があの時もっと冷静だったなら、彼は死ぬこともなかった」
クォヴレーは俯いていたから気付かなかった。
「虚空の使者としてユーゼスを止めるべき立場の俺が記憶を奪われるなどあってはならないことだったのに。
そうだ、俺がユーゼスを止められていれば、こんなふざけた殺し合いはそもそも起きもしなかったはずだ」
口を挿まないミオの顔、そこにあったのは紛れもない「怒り」。
「俺さえしっかりしていれば、こんな、」
そこまで言ったところで、ミオが座りこむクォヴレーの襟を取る。
「…ミオ?」
やっと顔を上げたクォヴレー、だが視線がミオを捉える前に。
「大雪山おろぉぉぉぉぉぉぉしっ!」
クォヴレーの体はきりもみしながら宙高く舞っていた。
「がはっ…」
クォヴレーは背中から地面に落ちた。激痛で呼吸が止まる。
「合気道三段を舐めるなよ〜!」
ミオは拳を高らかに掲げガッツポーズを取る。
実際、今の投げはバルシェムたるクォヴレーの身体能力も持ってしても受け身すら取れないほど鋭いものではあった。
「な…何を………?」
痛みよりも戸惑いが勝ったのか、咳を吐きながらもクォヴレーは尋ねる。
「…いや、そうだな。俺はこうされても仕方無い―――――」
「黙れっ!」
次は頬を張られた。
「さっきから黙って聞いてりゃー、俺のせいだー俺が悪かったーって。
挙句の果てには俺さえしっかりしていればこんなことは起きなかった?
それはそうかもしれない。でもね、ここであたし達が出逢ったことは無駄なことなんかじゃない!」
クォヴレーは頬を抑え呆然としている。
「マシュマーさんにブンちゃん、ハロちゃんにアクセルさん。
プレシアにシュウ、ヴィンデルさん、フォルカさん、シロッコさんにラミアちゃん、それにイキマさん。
みんな、自分の意志で生きようとしてた」
ここで出逢った、あるいは元からの知り合い。その半数以上がもういない。
「こんな殺し合いなんて誰も望むわけない。でも、あたし達が出逢ったことには意味がある!」
そう、たとえ傍にいなくても。彼らはこの胸の中に生き続けている―――
「みんながあんたに、あたし達に託したんだ! 生きることを、ユーゼスを止めることを!」
だからこそ、許せない。自分一人ですべてを背負おうとするこの少年を。
「だから、立ってよ! 諦めないでよ!…苦しいのはわかるよ、あたしだって苦しい。
でも、悔やんでるだけじゃ何も変わらない、変えられないよ!」
いつしかミオの頬を涙が伝っていた。
偽らざる本心、だがこれはクォヴレーと同時に、自分に向けた言葉でもあった。
「………イキマさんも、ヴィンデルさんもきっと、今のあなたを見たらがっかりするよ」
その言葉を受け、クォヴレーは顔を伏せる。
それきりミオは口を閉じ、数分が経った。
「…あたし、行くね。シロッコさんとフォルカさんを助けなきゃ」
ブラックサレナへと歩き出すミオ。もう、言うべきことは全て言ったから。
コクピットへ乗り込もうとした瞬間、
「待て、ミオ。俺も行く」
クォヴレーの声が聞こえた。
「…イキマに言われたんだ。覚悟が足りない、間違いを恐れるな…と」
ミオが振り向いたとき、彼はゆっくりと立ち上がるところだった。
「イキマは信念を貫いたんだ。トウマやジョシュア、リュウセイやヴィンデルも、きっと」
胸に手を当て、想いを確かめるように。
「だから、俺も。いや、俺がその意志を止めてはならない。いつか、誰かに俺の意志を託すときが来るまで」
ディス・アストラナガンが一人でに動き出す。満身創痍の身ながら、それでも主のもとへと地を這って手を伸ばす。
「ああ…行こう、アストラナガン。俺達の使命を果たすために」
その手に触れ、今度こその決意を手に入れる。
「ミオ。一緒に戦ってくれ。俺一人では、少し荷が重そうだ」
最後の言葉はどこかおどけた調子で。答えるミオの声はもちろん―――
「………合点承知! 行こう、クォヴレー!」
もう、怒りなんて綺麗さっぱりどこかに行ってしまっていた。
□
「ん………ちょっと待ってくれ」
「どしたの? 早くしないとシロッコさんがやられちゃうよ」
「このヴァルクは無人みたいだな。使えそうだ」
「使うって…乗り換えるの? でもディストラちゃんが」
「乗り換えるんじゃないさ。見てればわかる」
「見てれば…? うわ、それ触手? そんなモノまであるんだ…?」
「…含みがある言い方だな。まあいい、下がっていろ。始める」
「――――――――――――――――わぁ、コンゴトモヨロシク…ってやつ?」
□
迫るZZガンダム、閃く光刃。受け止めたのは、同じくジ・Oが展開したビームサーベル。
だがZZガンダムとジ・Oの出力には致命的な差があった。
スペック上で言えばZZガンダムのジェネレーター出力は7,340kw、ジ・Oは1,840kw。
圧倒的と言えるスペック差。だが、モビルスーツの戦いはスペックだけで決まるわけではない。
赤い彗星が量産機であるザクでもってガンダムという時の超高性能機に抗したように、技量次第でいくらでも結果は変わる。
だが、肝心かなめの技量がさほど変わらなければ―――モノを言うのはやはりスペックだ。
「不慣れな機体で…よくやるものだッ…!」
ミオを送り出したシロッコは不本意ながらもZZガンダムと一騎討ちを演じていた。
機体の性能はZZガンダムが遙かに凌駕している。
だが操縦はモビルスーツに一日の長がありニュータイプでもあるシロッコに分がある、はずだった。
「ここまで異世界の兵器に順応するのが早いとはな…キラとゼオラが容易く殺されるわけだ」
そう、鉄也はZZガンダムの扱いに「慣れて」きているのだ。
あのガイキングという特機と比べあまりにも違う設計思想で開発されたモビルスーツ、その効率的な操縦を戦闘の中で見出している。
「だが、私とてガンダムに敗れるわけにはいかんのだよ…!」
敵機はどことなくエゥーゴの旗印、Zガンダムに似通っている。
戦闘機への変形機構、フェイスタイプ。もしかしたら本当に後継機なのかもしれない。
ならば尚更負けられない。あの機体に敗北するということはZガンダムに敗北すると同議、シロッコはそう確信する。
ブライソードを抜き、両手で構える。隠し腕にはビームライフル。
モビルスーツの出力ではブライソードビームこそ使えないが、このジ・Oの全長に迫る質量なら並の装甲など紙同然。
仕掛けるタイミングをうかがうシロッコ。だが先にレーダーが新しい反応をキャッチする。
「遅いぞ、フォルカ………!?」
反応が来たのはフォルカが戦っていた方位。てっきりソウルゲインがあの虎型特機を撃破して戻ってきたのかと思ったが。
そこにいたのは予想に反し虎龍王だった。腕に胴体だけとなったソウルゲインを掴んでいる。
「フォルカが負けた…!?」
その驚愕は隙となり、一瞬ZZガンダムへの注意がそれる。
「―――――ッ!」
ギリギリで機体を後退させたものの、飛び込んできたZZガンダムのビームサーベルはジ・Oの右足を溶かし去った。
「ぬかった…!」
ジ・Oは基本的に宙間戦闘を行うことを念頭において作られている。単体での飛行機能はないし、変形も不可能。
ここが宇宙だったなら足はさほど重要ではないが、重力のある地上では話は別だ。
足は機動力とバランスの要。もはやジ・Oは羽をもがれた鳥も同然。
「こんなところで――――――――――ッ!」
再び襲い来るZZガンダム、今度は防げそうにない。
だが。
不意に来襲した黒い物体が、ZZガンダムにまとわりつく。
物体…蝙蝠を模したオールレンジ兵装はまるで生きているかのように巧みに動き、至近距離でZZガンダムに光弾を放つ。
「無事か、シロッコ」
「シロッコさん、生きてる!?」
今度こそは仲間の声。シロッコは心の底から安堵した。
「うむ、いいタイミングだ。もう少し遅くとも良かったがね?」
もちろんそんな気持ちはおくびにも出さないが。
どうやらミオはクォヴレーの説得に成功したようで、彼はすっかり落ち着いている。
戦場に復帰したブラックサレナとディス・アストラナガン。だが、シロッコの中に違和感が生まれた。
「…クォヴレー、君の機体はその、そんなに元気だったかね?」
そう、装甲、翼、あらゆる部分にダメージを追っていたディス・アストラナガンは今や完全に復元していた。
「何、道中にご馳走があったんでな。拝借してきたのさ」
「すごかったよー。こう、メキャってなってグシャってなってガキーン!って」
「意味がわからん…そうだ! そんなことより、フォルカがやられた!」
虎龍王はソウルゲインを掴んだまま、こちらを品定めするように見ている。
操縦者がフォルカのみを狙っていたのだから、敵かどうか測りあぐねているのかもしれない。
「―――、シロッコ、俺が奴の相手をする。ミオ、お前は剣鉄也を頼む。ジ・Oの足では奴の動きについていけない」
「わ、わかった! 気合い入れてくよー!」
ブラックサレナがZZガンダムに向かっていく。
「シロッコ、ミオの援護を。それと、フォルカに呼びかけてくれ」
クォヴレーの指示が飛ぶ。
「しかしフォルカはもう…」
「死んではいない。感じるんだ、彼の魂はまだあの機体とともにある」
ディス・アストラナガンを敵と認めたのか、虎龍王が牙をむき出して唸る。
そのままソウルゲインの胴体を投げつけてきた。
「シロッコ、任せたぞ!」
胴体だけとはいえその大きさはディス・アストラナガンとほぼ同等。まともには受けられない。
弱めに展開したディフレクトフィールドで受け止め、勢いを殺しジ・Oの方に落とす。
あとはシロッコに任せ、クォヴレーは戦闘に意識を切り替えた。
□
「……カ!フォルカ! しっかりしろ、フォルカ・アルバーク!」
声が聞こえる…己を呼ぶ声が。
「ぐ…うう………」
「フォルカ! 気がついたか?」
「シロッコ………? 俺、は………?」
朦朧とする意識を必死に繋ぎ止める。そうだ、まだ戦いは終わっていない。
「そうだ、フェルナンドッ…! シロッコ、ミオは!? クォヴレーは!」
「落ち着け。二人とも無事だ。…今のところは、だが」
意識が鮮明になると同時、激痛が体を襲う。見れば至る所に鋭い破片が突き刺さっている。
それはソウルゲインの欠片。衝撃によって割れ飛んだコクピットの破片だ。
「ぐ…動け、ソウルゲイン! どうした、何故立たない!?」
「フォルカ、立てないのは当然だ。今やソウルゲインは胴体しかない」
シロッコの声が聞こえる。それは通信機を介してではなく、機体に直接触って振動で声を届けているのだと気付く。
反応しないハッチを蹴り開く。
外に出たフォルカは、ソウルゲインがもはや死に体だということを悟った。
両腕は肩から欠落し、下半身もきれいになくなっている。ヒゲのような突起の付いた頭部もあちこちが抉れ、蒼いはずの装甲は亀裂が縦横に走り黒く見えるほど。
傍らのジ・Oも片足がない。フォルカに呼びかけながら、時折ビームライフルやグラビトンランチャーでZZガンダムと戦うブラックサレナを援護している。
そして己を破った虎龍王、フェルナンドは少し離れたところでディス・アストラナガン、クォヴレーと砲火を交えていた。
「俺は…負けたのか」
「そうだな。というかそのケガでよく生きていられるものだ」
シロッコの言葉に、修羅はこの程度で死にはしない、と自嘲する。
「まあ、機体を失った君ができることはもうあるまい。ここで大人しくしていることだ」
ジ・Oがブライソードを杖に立ち上がる。
「どこへ行くんだ…? その足ではもう…」
「援護くらいはできるさ。子供にだけ戦わせておくとロクなことにならん」
フォルカは不意に戦場へ向かおうとするシロッコの背中に声をかける。
「…シロッコ。聞きたいことがある」
「何だね? 手短に頼む」
「俺が間違っていたのだろうか? フェルナンドをあそこまで追い詰めたのは俺だ」
悪魔と興じる虎を見て息をつく。
「元いた世界ではわかりあえた。ならここでも…そう思った俺は間違っているか?」
答えが欲しかったわけではない。ただ気持ちを吐き出したかったのだ。
「そんなことは知らんよ。他人の私が口をはさむことではない」
そしてそれはシロッコにしてみればまさにどうでもいいことだった。
「ただ。この状況で君は本当に迷いなく戦ったかね?」
「迷い…?」
「クォヴレーが言っていただろう。『機体ごと消滅させるしか魂は解放させられない』と」
たしかにそう言っていた。死霊にもっとも近しい彼の言葉、嘘ではないはずだ。
「君がどう思おうと、君の友はすでに死んだ。
なら、その亡骸に対し君がしなければならなかったことは、手を差し伸べることではなかった。私はそう思うね」
言い終わると同時、スラスターを吹かしジ・O はブラックサレナの援護に向かって行った。
「俺が、しなければならなかったこと…」
残されたフォルカはシロッコの言葉の意味を考える。
生きているなら、手も取り合える。だが今のフェルナンドにはもうフォルカへの憎しみしかない。
復讐を果たしたところで、その魂は安らがないのだ。
なら、本当に成すべきは―――――
「俺が、フェルナンドを倒さなければならなかったんだ」
「その通り。今頃気づいても遅いがね」
独り言に答えが返ってきた。
「ユーゼス…」
「見事なものだったよ、修羅同士の果たし合い。私が止めなければ君は今頃挽き肉になっていたろうさ」
「お前が止めた…?」
「そう、フェルナンド・アルバークの意志に干渉してな。君の得た光の巨人の力、ここで失うのは惜しい」
つまり、あの戦いすらフォルカとフェルナンドだけのものではなかったということだ。
「貴様…どこまでも………ッ!」
ゾフィーに聞かされたユーゼスという男は、決して完全なる邪悪ではないということだった。
だがこの瞬間フォルカを満たした感情は怒りだった。友をどこまで侮辱するというのか…!
「ふん、機体のない君に何ができる? まさか素手でゼストを止められると思っているわけではあるまい」
「機体ならあるさ………!」
言ってフォルカは倒れ伏すソウルゲインへと乗り込む。
「ソウルゲイン? まだそのガラクタが動くと思っているのかね」
ユーゼスの嘲笑。だがフォルカはこの機体の可能性を信じていた。
「ユーゼス、貴様が求めたのは平和へと至る力だったはず。だが今の貴様は、手に入れた力に溺れているだけだ!」
そしてゾフィーから託された光の巨人の力。
―――――――使うべき時は今!―――――――
「力でしか力を止められぬのなら……力を以て道を正さねばならぬのなら………!
俺も……さらなる力を求めよう………!」
ソウルゲインをどこからか現れた光の粒子が包み込む。
フォルカはその光が、マイの、イキマの、自分たちに想いを託し散っていった魂たちだと確信する。
「なんだ…この力は!? ソウルゲインが人の意志を集めている……!?」
「ソウルゲイン…『蒼い身体に魂を獲するもの』よッ! 俺の覇気をくれてやるッ!
だから………示せ、俺と、お前の! 新たなる姿と力をッ!
無限の争覇を乗り越える、本当の『力』を証明するためにッ!」
「フォルカ・アルバーク、貴様! ウルトラマンの力を………ッ!」
「託された意志を明日へと繋ぐために! 争覇の先に望む未来があることを信じてッ!
今一度! 俺は阿修羅の道を往く――――――――――ッ!!」
閃光が弾けて―――――――
「―――――――――――バカな」
ユーゼスの声が震える。
「貴様、それは、その機体は―――ッ!」
光が収まった後、その中心に立つのはソウルゲイン――――ではない。
逆立つ真紅の角、龍の顎のごとき両腕、純白の体躯、そして朱に染まった頭髪。
かつてフォルカを操者に選び、修羅界を、そして混沌の地球を駆け抜けた猛撃の修羅神。
ヤルダバオト。その神化した姿がここにあった。
「ソウルゲインの再生能力、光の巨人の力―――バカな、それでも修羅神を創造するなど!」
「わからないか………ユーゼス」
新生したソウルゲイン―――猛撃の修羅神ヤルダバオトの中で、フォルカが呟く。
「たしかにこれは俺の乗っていたヤルダバオトではない。その形を借りただけの紛い物だ。だが………」
もはや恐れも迷いもない。
「マイの、ゾフィーの、人々の想いを束ね生まれたこのヤルダバオトッ!!」
怨念に囚われたフェルナンドの魂を解放し、仲間を救う…!
「この確かな想い、誰にも………そう、貴様にも、フェルナンドにも! 砕くことなどできはしないッ!!」
そして、怒れる修羅神が紅蓮を纏い咆哮と共に疾走する。
□
剣鉄也にはもう殺意しかない。
自我はないに等しく、ただ、殺戮を求める本能に従い戦い続けていた。
この機体、ZZガンダムの挙動は完全に掌握した。
今鉄也はブラックサレナとジ・O、二機を向こうに回し互角…いや優勢といえるほどの戦いを展開していた。
ジ・Oは足が片方なくどうしても鈍重だ。そのジ・Oを庇うため、狙えば自然にブラックサレナが射線に割り込んでくる。
もうそろそろこいつらにも飽きた。片付けよう――――――
ありったけのミサイルをジ・Oを覆うように撃つ。
ジ・Oは驚くべき精度でミサイルを迎撃するが、数が違いすぎた。いくつかが弾幕を抜け、直撃するコースを辿る。
また、ブラックサレナが割り込んだ。だがそれが今の攻撃の狙い。
爆風からジ・Oを守るため、ブラックサレナがフィールドを展開。もちろん動きは止まる。
ビームライフル、ダブルキャノンを乱射し更に足を止める。
爆風が晴れると同時、ハイメガキャノンのチャージが完了した。
敵機は同一線上。そして酷使されたフィールドは掻き消える。
―――――――もらった――――――――
もはや言葉もなく鉄也は嗤う。
二つの命が、瞬きを止める―――――――その寸前。
『!!!!!!!!!??』
何かがぶつかった? 対処しようとした時、だがすでにZZガンダムは真っ二つに断ち割られていた。
こうして、剣鉄也は二度目…いや、三度目の死を迎えたのだった。
□
激しい銃火を交わす虎龍王とディス・アストラナガン。
ディス・アストラナガンは中遠距離での射撃戦を得意とする機体。
対して虎龍王は接近戦に無類の強さを発揮する。
寄せ付けまいとするディス・アストラナガン、肉薄しようとする虎龍王―――その均衡は一瞬で崩れた。
虎龍王は、牽制に放ったガンスレイヴをランダムスパイクで叩き落とし、その隙に放ったメス・アッシャーをヴァリアブルドリルで正面から強引に切り裂いてくる。
ついに己の間合いへと踏み込んだ虎龍王、クォヴレーは覚悟を固めZOサイズを展開する。
接近戦の技量は負けている、接近戦は危険―――だがここで後退すれば一気に押し込まれる!
「死中に生を見出すのみだ………!!」
……だが、メス・アッシャーの光が消え去った後、覚悟していた虎龍王の攻撃はない。
ディス・アストラナガンと虎龍王の間に真紅の雷神が割り込んでいた。
「無事か? クォヴレー」
「フォルカ! 無事だったのか」
「ああ。こいつは俺に任せてくれ」
フォルカはそう言い、虎龍王の注意を自らに向ける。
クォヴレーはディス・アストラナガンを後退させる。ミオとシロッコの元へ。
「二人とも、大丈夫か?」
「………生きてるよ〜」
「こちらもだ…いささか疲れたがね」
二機に大きな損傷はない。
「やつは…剣鉄也は?」
ZZガンダムがいない。辺りを警戒するも、
「その辺にほら、破片飛び散ってるでしょ? それだよ」
ミオの言葉に促されて確認して見れば、確かにZZガンダムとおぼしきパーツが散乱している。
「倒したのか…だがこの状況でどうやって?」
「ん〜、あたしらも危なかったんだけど。こいつはヤベェェーーー!ってところでフォルカさんが助けてくれたんだ」
「いいタイミングだったよ。目にも留らぬとはああいうことだな」
そう、フォルカのヤルダバオトは今にもハイメガキャノンを撃たんとするZZガンダムを背後から強襲、神雷のごとき蹴りで一撃のもと撃ち砕いて行った。
「だが、ソウルゲインは大破していたはずだ。あの機体はどこから現れたんだ?」
あの機体はソウルゲインではないことは一目でわかる。それ以上の力を有していることも。
あれほどの機体、近くにいれば気づかぬはずがない。それがクォヴレーは気になった。
「私に言わせれば君の機体も似たようなものだが。
まあ、どうでもいいんじゃないかね? 重要なのは敵か味方か、それだけだ」
達観したようにシロッコが言う。
「だねぇ。フォルカさんが乗ってるんだし無問題だよ!」
ミオは…まあいつもどおりに。
「…そうだな。今は、あいつが勝つことを信じよう」
クォヴレーも考えることはやめた。
今はユーゼスを追い詰めることだけ考えればいい。
そして視線をフォルカ達に向ける。まさに今、決着が着こうとする瞬間だった。
□
拳が激突する。だが先ほどと違い、押し返されたのは虎龍王の方だ。
覇気を纏う龍の顎は虎の拳を易々と撃ち砕いた。
「フェルナンド…俺も、覚悟を決めたぞ」
虎龍王が吠え、ランダムスパイクを振り回す。
先は目で追えなかったその先端を、ヤルダバオトは容易く掴み、引き寄せる。
「武器に頼らぬ機神拳の極意…忘れたとは言わせんぞ、フェルナンドッ!」
ランダムスパイクは半ばから千切れ飛んだ。
つんのめった虎龍王を迎えたのはヤルダバオトの膝。
顎を蹴り上げられ、虎の顔が屈辱に歪む。
「全力で来い、フェルナンド! 俺に全てをぶつけてみろ!」
フォルカの裂帛の気合に虎の、いやフェルナンドの闘志が燃え立つ。
「ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
虎龍王の両手に凄まじい覇気が集まる。
覇気は二匹の龍となり、ヤルダバオト目掛けて解き放たれた。
真覇・機神豪撃拳。フェルナンドに声が出せたなら、そう叫んだはずの技。
覇龍はヤルダバオトを天へ打ち上げる。追って飛ぶ虎龍王、勢いを殺さず連撃を放つ。
「オオオオオオオオォォァアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
咆哮、乱打はさらにスピードを上げ回転数を上げていく。
そして締めにありったけの覇気を拳に集め、放つ。
時空すら歪ませるほどのエネルギーはたしかにヤルダバオトを捉えた。だが、
「見事だ、フェルナンド…だがな」
その拳がヤルダバオトを貫くことはなかった。
ヤルダバオトの拳が虎龍王の拳を受け止めている。
「その機体には意志があるという話だったな。
その意志をねじ曲げ、ただの道具として使う今のお前に、俺を倒すことなど出来はしないッ!!」
先ほどの連撃、フォルカはすべて紙一重で受け止めていた。
もしフェルナンドの機体がビレフォールであったなら、たとえ神化したヤルダバオトと言えども全てを受けきることはできなかったろう。
機体と操者の微妙な感覚のズレ。並の者なら影響のないそれは、修羅同士の戦いでは致命的な差となる。
そしてそれこそが、虎龍王と真に心を繋いでいないフェルナンドの、ユーゼスの限界。
「俺の番だ、フェルナンド…! 真覇、極奥義ッ!!」
ヤルダバオトの全身が震える。力を解き放つための一瞬の停滞。
「行け! 双覇龍!」
虎龍王と同じく、両拳から覇龍が飛ぶ。
――フェルナンド・アルバーク。
「でぇりゃあっ!」
二匹の覇龍が虎龍王を空に巻き上げ、エネルギーの結界を構成し、ヤルダバオトがそれを追って飛ぶ。
―――義弟。生まれたときから共にあった。
「でえええええええええいっ!」
拳の、蹴りの乱撃を加え、機神双獣撃…獣面の衝撃波を浴びせる。
――――親友。共に機神拳を学んだ。
「つおおおおおおおおおおおおおっ!」
殴り、吹き飛んだ先に一瞬で回り込みまた殴り飛ばす。
―――――仇敵。掟に逆らい、矜持を傷つけたために憎まれ、争いあった。
「うおりゃあっ!」
覇気を凝縮、特大の覇龍を撃ち放つ。
――――――戦友。最後にはわかり合い、共に修羅王へと挑んだ。
覇龍が何度も虎龍王を打ち据える。そしてヤルダバオトもその覇龍に飛び込んだ。
胸に去来する万感の思いを拳に込めて―――――――叫ぶ。
「………フェルナンド! お前を縛る怨念の鎖、この拳で引き裂いてやるッ!!」
覇龍が口を開く。そこに駆け上がってきたヤルダバオトが覇龍と一体になり―――――
「真覇ッ!! 猛撃烈破ァァッ―――――――――――――――――!!」
虎龍王を、一片の欠片も残さず撃ち砕いた。
□
「さらばだ…フェルナンド」
修羅の争覇が終わった。今やフェルナンドの残滓は、この体で鈍く疼く痛みのみ。
フェルナンドの魂は解放されたのか? それはフォルカにはわからない。
だが最後の瞬間、真覇猛撃烈破を放つ直前、声が聞こえた気がした。
―――――ありがとう―――――と。
あれはフェルナンドの声だったのか、それともユーゼスに操られていた虎王機と龍王機の声だったのか。
「フェルナンド…いや、また会えるか。俺も、いつかお前と同じところに逝くのだから」
そのときはまた、拳を交わそう。憎しみではなく、ただ想いを伝え合うために――――――そう、フォルカは心に刻み込む。
だが、今はそのときではない。今は、ただ―――――
「これで、残るはユーゼス。貴様だけだ」
フォルカの横にミオが、シロッコが、クォヴレーが並び立つ。
死霊はすべて退けられ、今やユーゼスに至る道は開かれている。
「決着をつけるぞ、ユーゼス!」
「クククク…クハハハハハハハッハハハハハハッ! ああ、楽しませてもらったよ、実にいい余興だった」
「余興だと…!?」
「私とて死霊ごときで君たちが倒せるなど思ってはいないさ。
最初に言っただろう? 私には準備があると。おっと、言ったのはクォヴレー、君にだけだったかね?」
毛筋ほども焦りのない声。
「おや、あちらも終わったようだ。これで段取りは整ったかな?」
あちら…グランゾン、木原マサキ。
遠く離れた空域でヴァルク・ベン五機と戦っていた彼も、怨霊のマシンを全滅させ、こちらに向かってきている。
「さあ、では始めよう。これが終わりの始まりだッ!」
真聖ラーゼフォンが両手を広げる。
「ラァァァァァッ―――――――――――――――――――――――――――!」
再びの歌声が響き………『世界』が一気に砕かれた。
「何だ…何が起こった!?」
「ちょっと、どうなってるの!? ここ…宇宙!?」
ブラックサレナ、ジ・O、ディス・アストラナガン、ヤルダバオト。
四機が今まで立っていた大地は今やどこにもなく、そこはどこまでも続く深淵なる空間。グランゾンの姿もあった。
真聖ラーゼフォンの歌が響いた瞬間、まるでガラスが割れるように空間が弾け飛び、周囲の光景は一変したのだ。
「ここは…まさか!?」
ただ一人、クォヴレーのみがここがどこかに思い当たる。
「なんだ、知っているのかねクォヴレー!」
「ここは、ゲートの中だ…!」
「ゲート? 何それ!?」
説明しようとするクォヴレー、だがそれより早く。
「そう、ここはどこでもあってどこでもない場所。次元にひしめく無数の世界、その通路といったところだ」
虚空より真聖ラーゼフォンが現れた。
「先ほどまでの箱庭はその存在意味を失い消滅した。ここが我々の最後の闘技場だ」
一瞬で一つの世界を破壊した―――途方もないその力。
「ここがお前の墓場ということか、ユーゼス。なかなかおあつらえ向きじゃないか」
マサキは不敵に笑い、
「ここで決着をつけるか…いいだろう、ユーゼス。虚空の使者として貴様を討つ!」
クォヴレーは使命を果たす時が来たことを悟り、
「よ、よーしっ、あんたなんかケチョンケチョンのボッコボコにしてやるんだからっ!」
ミオは恐怖を決意で塗り込めて、
「俗物め。ここらで私を利用したツケを払ってもらおうか」
シロッコは密かにその力に取って代わることを狙い、
「ゾフィーから託された想い…この拳にてお前に届けよう!」
フォルカはただ、拳に誓う。
五人それぞれの思い、それを受けユーゼスもまた。
「さあ、かかって来いッ! 貴様らが最後に立ちはだかる『運命』なら、それを打ち砕き唯一無二の超神となるのも―――この私だッ!!」
―――――そして、最後にして最大の争覇の宴が始まる。
【三日目 13:00】
【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:真聖ラーゼフォン(ラーゼフォン)
パイロット状況:気力150 最高に「ハイ」
機体状況:胸にカラータイマー装着。ゼストの力で満たされている。
現在位置:次元の挟間
第一行動方針:マサキ・クォヴレー・フォルカ・シロッコ・ミオの抹殺
最終行動方針:ゼストの完成
備考:真聖ラーゼフォンの顔はユーゼスの素顔=イングラムの顔です】
【クォヴレー・ゴードン 搭乗機体:ディス・アストラナガン(第三次スーパーロボット大戦α)
パイロット状態:記憶を取り戻した。イングラムを完全に取り込んだため青髪化。迷いを振り切った 首輪なし
機体状況: ヴァルク・ベンを吸収したことによりほぼ復元 EN小消費
現在位置:次元の挟間
第一行動方針:ユーゼス、マサキを倒す
最終行動方針:ユーゼスと決着を着ける。その後生き残った参加者とともにこの空間から脱出する
備考:トロニウムエンジンを取り込みました。(機体性能などに変化なし)
マサキを敵視。
イングラムの消滅は薄々気づいている】
【ミオ・サスガ 搭乗機体:ブラックサレナ(劇場版機動戦艦ナデシコ)
パイロット状況:強い決意。首輪なし。
機体状況:EN中消費。装甲が少し破損。中のエステバリスカスタムのモーターが磨り減っているため、なにか影響があるかも
現在位置:次元の挟間
第一行動方針:ユーゼスを倒す。マサキは…?
最終行動方針:ユーゼスの打倒。最後まで諦めず、皆のことを決して忘れず生きていく。
備考:ディス・アストラナガンの意思(らしきもの?)を、ある程度知覚できます
イングラムが知覚したことを、ミオもある程度知覚できる(霊魂特有の感覚など)
フォルカと情報を交換しました。
マサキの危険性を認識、また生存を確認】
【フォルカ・アルバーク 搭乗機体:神化ヤルダバオト(バンプレストオリジナル)
パイロット状況:首輪なし
機体状況:EN小消費
現在位置:次元の挟間
第一行動方針:ユーゼスを止める。マサキは…?
最終行動方針:殺し合いを止める。
備考1:フォルカは念動力を会得しました。
備考2:ソウルゲインはヤルダバオトの形に神化しました。
備考3:ミオ・シロッコと情報を交換しました】
【パプテマス・シロッコ 搭乗機体:ジ・O (機動戦士Zガンダム)
パイロット状況:軽度の打ち身(行動に支障はなし)、首輪なし
機体状況:右脚部消失。右隠し腕消失。ビームライフルをいくつか所持。
グラビトンランチャー所持。ブライソード所持。
コクピットにT-LINKセンサー設置。もしかしたら他にもガメてるかも。
現在位置:次元の挟間
第一行動方針:ユーゼスを倒す。できればその力を手に入れたいが、最優先は生還
第二行動方針:マサキを排除
最終行動方針:主催者の持つ力を得る。(ゼストの力に興味を持っている?)
補足行動方針:これが終わったら最高級紅茶を試す
(ミオと、まあフォルカとクォヴレーにも賞味させてやらなくもないな)
備考:マサキを危険視。
フォルカと情報を交換しました。
T-LINKセンサーはNT感覚の鋭敏化・空間把握能力拡大の効果があります
ユウキ・ジェグナン厳選最高級紅茶葉(1回分)を所持】
【木原マサキ 搭乗機体:グランゾン(スーパーロボット大戦OG)
機体状況:内部機器類、(レーダーやバリアなど)に加え通信機も異常。照準のズレ修正済み(精密射撃に僅かな支障)。
EN中消費、全身の装甲にダメージ、右腕に損傷、左足の動きが悪い。グラビトロンカノン残弾1/2
シュウの魂とカバラシステムを併用することで一度だけネオグランゾンの力を使うことができます。
パイロット状態:胸部と左腕打撲、右腕出血(操縦には支障なし)首輪なし
現在位置:次元の挟間
第一行動方針:ユーゼスを殺す。邪魔をするクズも利用して殺す
最終行動方針:ユーゼスを殺す
備考:グランゾンのブラックボックスを解析(特異点についてはまだ把握していません)。
首輪3つ保有。首輪100%解析済み。 クォヴレーの失われた記憶に興味。
機体と首輪のGPS機能が念動力によって作動していると知りました。
ダイダルゲートの仕組みを知りました。ユーゼスの目的を知りました。】
投下終了です。
ご指摘いただいた点とマサキのパート、ジ・Oに九課パーツ、フォルカの心情などを追加しました。
支援どうもありがとうございました
本投下乙でした!
今から所用で外出しなければならないので、感想は後ほど
シロッコwホンとに他にもガメてやがったwww
いやぁ、熱い。これぞ王道、これぞ熱血。熱く滾る血潮で頭が沸騰しそうだよおっ!!
で、水をさすようで悪いけど、一個指摘があってね。
>>610の「最後にはわかり合い、共に修羅王へと挑んだ」って部分。
フォルカとフェルナンドの出典のCOMPACT3では、フェルナンドは和解した直後にフォルカ達を助けるために修羅王に挑んで死んじゃって、仲間にはならなかったんだよ。
なので「共に修羅王へと挑んだ」ってのは削るか変えたほうがいいと思います。
投下乙です! 仮投下から更に手が加えられて、いい感じです
しかしシロッコ、お前は何時の間にそんな物を入手していたんだww そしてその上まだガメてる可能性があるのかww
ユーゼスは「最高にハイ」で、冥王は切り札を隠したまま。これからが楽しみにもなる、素晴らしい作品でした。
>>621 完全に外伝準拠で考えてましたorz
最後にはわかり合い、共に修羅王へと挑んだ。→最後にはわかり合い、また友と呼べるようになった
に修正します。それと
>>571はミスです申し訳ない
熱い。熱すぎるよ!GJ!
ただはじめの3ページ分は修正版?と一時投下版?がごちゃ混ぜになってるんじゃないかな?
主催者がラスボスかw
ジョジョロワの荒木以来だなw
>>624 修正版なんですが、読みにくかったのでその後からスペース入れてました
最初からやっとけばよかったですね。すいません
>>625 いや、冥王がいる以上まだわからんぞ。
このまま対主催エンドになるという保証もないのだ。
がんばれマサキ、ここまで自力でのし上がってきた意地を見せろッ!
シロッコもガメてる物次第では可能性ゼロではないが
サラ落とされた時にマジギレした男が
今更ミオ達を裏切るとは考えにくいか
投下GJ!
フォルカとフェルナンドの因縁の対決、凄く良かった。
シロッコが格好いいのに違和感を覚えてしまうあたり完全に毒されてるなぁ俺……w
そして遂に最終決戦。感慨深いぜ。
投下お疲れ様です
再生怪人は予想外でした
しかしフェルナンド君まるでライバルのようだ
あらためてGJ!
前回も感じたんですが、新人さんとは思えないほど戦闘描写が秀逸。
今までのフラグを丁寧に活かしているせいもあってか超展開ながらも破綻もなく、
逆に長く続いたリレーが漸く終わるんだな、と嫌が応にも盛り上がってきます。
ところでコーヒーがいつになく大活躍なんだが……死亡フラグなのか!?
それから俺の記憶が正しければ、久保はここ3話連続で被弾→気絶のコンボを披露しているw
最終決戦も、一人で一気に行くのか、皆で2,3回に分けるのかも気になるところ。
やっぱりなんだかんだ言っても、相当長丁場になるだろうし。
どっちにしろ次スレは必要になるな
予約が入ったら立てるのがいいだろうか…
>>619 >九課パーツ
一瞬、タチコマAIでも搭載したのかとオモタw
後のフラグはゲッター線とネオグラ化あたりかね。
冥王はどう出るかね。ラスボス倒した後にネオグラで隠しボスってお約束で来るか
それとも意表をついてグレートゼオライマー化するとか。
ラスボス、つまりユーゼスが倒れた後にネオグラがラスボス……
ああっ!主催者の因縁フラグやゾフィーフラグで生き続けてきた久保とフォルカに突然死相が!!
そしてここにきて急にミオに生存フラグが立ってきたぞ!?
ゼストラーゼフォンはケイサルと同等くらいか?
完全体なら超越しているはずだけど不明だな
神聖ラーゼフォンより強いぐらい?
そもそも神聖ラーゼフォンがどんだけ強いのか、映像でもいまいちわかり辛い……
というか、ロワで強さ議論なんてナンセンスだろ
結局は書いた人の描写次第なんだから
作品カラーのせいか、PONは戦闘力よりも形而上的な面を強調して描かれてたからなあ
「調律」に関してはCPSの因果律調整ってことで問題なさそう
でもラーゼフォンを取り込んだので神聖ラーゼフォンの姿+能力を持ってるだけで
中身は完全体のゼストなんだから、それも能力の一端でしかないはず
つか銀色ボディの巨人つながりでゼストを神聖PONにしたKX氏すげえ
欠点はぱっと見だと全裸っぽく見えてしまうところだがなw
スレ間違ったorzスマソ
>>641 神聖ユーゼフォンの歌って何歌ってんだろうな
元ネタ視たこと無いんだが、原作ではきちんと歌詞付きで歌ってんの?
ンッン〜〜♪実に!スガスガしい気分だッ!
歌でもひとつ歌いたいようなイイ気分だ〜〜フフフフハハハハ
というワケで一曲歌ってしまうのも私だッ!
♪ラーララララーララララー ラーララララララ ラーララララララ
むね〜につけ〜てるマ〜クはリュウセイ〜じま〜んのゼス〜トで〜
最高に「ハイ!」ってやつなのも私だアアアアアアハハハハハハハハハハーッ
PONってあとは黒い線が入ればもうそのままウルトラマンだよなあw
しかし、1vs4の敵味方入り乱れての大乱闘ってのは書く側からしたらつらそうだな、
どうにかして2vs1とかに分割するのも何もない宇宙空間じゃ難しいし。
>◆VvWRRU0SzU氏
今気が付いたんだけど、タイトルは?
半日でwwwこのクオリティとかwwwww「半日も」とかwwwwww
あんた本当に人間か!? むしろウルトラマンか!?
『仮』仮投下っていうぐらいだしこれから若干手直し入るのかも知れんが、それにしたって尋常じゃねぇwww
ちょwww
まだあの決戦が投下されて70時間も立ってないのに……今wikiチェック用にドキュメントに貼り付けたら分量55kとかあるすけどw
つい2,3日前から話を練って書いてそれがあのクオリティで55kとか速いってレベルじゃねーぞw
超GJ、俺は別にこのままでもいいと思うよ。さあユーゼスに死臭が漂って参りましたwww
もう少し詳しくリョウト戦を書いてほしいかな?
せっかく満を喫して出てきたのに、次のシーンで粉砕されてるのはw
>>650 ( ゚д゚)ポカーン
あ、あれ・・・? 俺投下してまだ三日しか経ってないよね・・・?
速いなんてもんじゃ(ry
>>649 すいません、タイトル考えてませでした
覇龍 煌めく 刻 です
やべぇ速過ぎるw
展開そのものについては特に過不足もなく丁度良いと思います
我儘を言えば
>>653氏と同じようにリョウト戦があると嬉しいのですが、テンポを削ぐ危険性を考えると現状のままでも良いかとも……
ここまで度々ブレていたユーゼス像に対する補完や最終話に向けての収束など、とにかくGJとしか言いようのない出来でした
本当にお疲れ様です&仮投下、本投下にも期待!
>>650 あんたって人は──!!
なんつーか……もうね…………お見逸れ致しました、GJ!
フラグの回収や整合性の取り方などはこれ以上ない形でまとまってるし、
ほとんど無駄がないので削るとこも見あたらない
次の書き手さんへの配慮もしっかりなされていると思う
強いて言うなら、もしリョウト戦を加筆するならば、話の焦点がぼやけない程度がいいんじゃないかと
あと、ユーゼフォンはスレの雑談内だけの愛称にしておいた方がいい気もする
要望とは別に、気になった箇所2点
・ディストラの羽根とメス・アッシャーの砲身て別パーツじゃね?
・久保回想時:ヴィレッタのことも、時々でいいから思い出して(ry
GJ…力の限りGJ!
ユーゼフォンは俺もコーヒー吹いたwその単語は俺のツボなんだぜw
あと目はユーゼス準拠ならグレーになるんでないかな
スパヒロでは灰色っぽいとユの字スレ辺りで結論出てた
モニターによって青がかったようにも無彩色にも見えるようだが
ヴァルシオーネ以上に表情豊かなのに男だってだけでこんなに萌えねえのか…と
あの世でリュウセイがorzしてる様子が目に浮かんだのは俺だけでいい
GJ!
ロボマニアとしか思われてないリュウセイ哀れw
そういや活躍は一人になった後だったな
隊長、あの状態であれだけ頑張れるってことはヤプール戦はやっぱり逃げたんですか
リョウト戦はこのままでいいと思うな俺は
あの三人相手だと特に深い繋がりもないし、VS復活怪人は前の話でもやってるし、今までフラグ積み立ててついに登場、ってわけでもないし
ぽっと出の奴にあんまり出張られても困るというか面白くないというか。
だったらいっそリョウト自体削ってもよくね?って気もする
あり得んとは思うがプロとリョウトを同時に出して
「あ、間違えた」なユーゼスを見たかった……
>>659と同じくリョウト関連はこのままでもいいに一票かな。
入れるなら、既にボロボロにされたヴァルクが最後の攻撃を放つ局面あたりからでいいんじゃないかと思う。
話のテンポ的に。
マサキがこっそり出るタイミング窺ってたと思うと・・・
正直そんな待つキャラでもないからネオ化したらさっさと乱入してくんじゃね?
ネオ化する過程とそこで何に時間食ってたかを見たいな
>>663 待ってたわけでもなく、乱入してきた時点で既に決着はついていた、でもいいのではないか
なんかだんだん時間とか空間の概念が曖昧になってきてるし
むしろ読み手の想像・次の書き手の展開を膨らませるための余地として置いといてもいいかも
マサキ「真聖マサキフォン!」
動力は次元連結システム
あとは多くても
ユーゼスvs冥王で1話、そのあと勝者vsフォルカ、ミオ、シロッコ? で1話……
本編完結までは多くても2話くらいか? いや、まとめて次の1話で一気に行っても別におkだけど。
しかし、シロッコが帰ってしまいそうな感じが払拭できないwww
シロッコは生還が最優先だからなぁ。
だが、此処まで来て帰ってしまう、というのも勿体無い。どうなることやら。
最終決戦も、展開次第では三つ巴もあり得るな。
そういや真聖ユーゼフォンの羽根って黒なんだな
アストラ&ディストラが黒いからユーゼスはてっきり白だと思ってたが、
スパヒロのゼストって黒かったんだっけ?
羽根生えてた憶えはあるのに色が思い出せない…
SHOでも羽の色は黒だったよ
誰かがゼストの8頭身の絵を描いてたはずだな?
ゲーム中の二頭身の奴ならyoutubeやニコニコとかで見られるんじゃね?
そういやリョウトはリオの方にはいかずに悪霊側なのか。
合わせる顔がなかったとかかねえ。
あれだけ好き勝手にやったらしょうがないだろw
まあリョウトも同情すべき点は多いんだがなぁ
牙組の件も冷静に考えてみたら吹っかけてきたのは全部向こうからだしw
ひとつ、ロワにおけるカワイソスキャラでも語ってみるか
カワイソスと言われて最初に浮かんだのがバグの死に様だった訳だが
三輪に乗られたうえ東方不敗に殺された初号機
>>673 同じように好き勝手やってたゼオラは向こうでアラドといるのにw
と言っても結局致命傷受けてたラトにとどめ刺しただけで
他には殺ってはいなかったんだっけか?
ラッセルに最終話で活躍の場をあげて下さい
善悪分離してるという可能性もあるぞ
そもそもゼストが集めたのは負の感情だけなわけだし
きれいなリョウトはリオと一緒にいるのかもしれん
そしてその逆もしかり
苦しみながら死んだプレシアの絶望とかレビ化を知った時のリュウセイの怒りとか
東方不敗の殺意とかそれ見たトウマの恐怖とかもゼストにしっかり採取されてるだろうから
その気になればそいつら召還することも……とか。鉄也やリョウトに比べれば些細なもんだろうが
>>677 カツ(笑)を一撃の下に粉砕しております
そういえばカツのぞうさんを昇天させていたっけ
このロワのリオリョウとアラゼオって比べると面白いよなあ。
シンジとアスカなんかも酷いといえば酷いけど。
過去スレで散々言われてそうだ。
まあ、正直ゼオラも悪霊で出しても良かった様な気はするんだがw
>>671 ニコ動で確認してみたが、あれはメタリックな黒なんだな
もしスパヒロ版が黒じゃないなら、ディストラ吸収した段階で黒化してもいいんじゃね?と
思ったが見当違いだったか
>>683 ゼオラは闘鬼転生の中にいたからなあ
で、意外にも三輪ちゃんが悪霊化してない件w
特に大幅に改編が必要な指摘も特になかったので、投下します。
リョウトは、最後少々攻撃とかを挟む程度にしてあります。あと、細部もいろいろと修正。
世界が終わった。
コワレ逝く世界は、数多の亡骸とともに塵へと帰る。
神降ろしの儀式のため生まれた、そのための理想郷――プレーン・ワールド。
役目を果たしたモノはただ去るのみ。
新たな世界の産声を聞くのに、古き世界は必要ない。
嗚呼、美しき新世界よ。我が声を聴け。新たな世界に光と祝福を。
嗚呼、素晴らしき新世界よ。我が祝詞を受けよ。新たな世界に平穏と安息を。
――例え、血と肉と呪詛と憤怒の上に成り立つ世界としても。
……どこでもない場所で、6つの光が右へ左へと舞い踊る。
異様な場所だった。
『其処は何処か?』
――敢えて言語化し、共通点をあげるとするならば『宇宙』。
上もない。下もない。右も左もない。重力のような力の指向性もない。
だが、宇宙ともまた別個たるもの。
なぜならば、ここには星がない。銀河がない。命がない。
ただ、広がる闇の中、光の線が前から後ろへと駆け抜けていく。
ここが、どれほどの広さかですら理解することはできない
距離感をはじき出すために必要な比較対象物すら乏しく、ただただ不変に変わらぬ空間。
ここは世界にあらず。
広がり、縮み、寄り添うように人間が持つ時間という概念そのもの。
空間という概念すら本来存在しない空間という矛盾。
言葉とは、人間がお互いの認識を分け合うための道具。
ならば、どんな世界の人間も認識できぬはずのモノを言語化し、表現することはできない。
ここはどこでもあってどこでもない場所。次元にひしめく無数の世界の、狭間の狭間。
――故に、すべてに繋がる可能性を持つ。
すべての、始まりにすら繋がっている。
「おおおおッッ!!」
修羅王は獅子神の如く髪を振り乱し、まっすぐにゼストへと拳を繰り出す。
電光よりも速い踏み込み。
大地という概念無き場所を踏み抜き、生み出される加速は、視ることすら難しい。
ヤルダバオトの猛拳を、ゼストの右の拳がボールでも受け取るように掴む。
「砕けろ!」
グランゾンの胸より紫電が何度となく弾け、音という概念無き場所に轟音を鳴り響かせる。
稲妻が収束し、虚無色の光が閃くと、全てを吸い込む空洞を形成する。
集団〈クラスター〉の名が示す通り、重力球の中に重力球を内包する――ブラックホールクラスター。
それが、ゼストの体内に直接転移する。
ゼストは左手を軽く振って、空間転移のために必要な粒子跳躍の経路を断つ。
転移途中の一撃は、ゼストの間近で出現するが、ゼストの動きを鈍らせることはなかった。
「こぉんのおー!」
「落ちてもらおうか」
ブラックサレナのグラビティ・フィールドを利用した突撃。
ジ・Oのグラビトンランチャーの重力衝撃砲。
どちらも、届く前にゼストの体を守るように伸びた黒翼が弾き飛ばした。
「行け……ガンスレイヴ!」
だが、その隙をついて、複雑怪奇な軌跡を描きながら、ガンスレイヴがゼストの全身に牙を突き立てる。
あるものは、鋭角的に肩へ。あるものは、弧を描くように背後へ。あるものは、弾丸のようにまっすぐ胸へ。
だが、末路は同じ。全て、ゼストの放つ衝撃波で、欠片すら満足に残らず破壊される。
「空輪脚!」
交差する神と修羅。
ヤルダバオトの繰り出す、刈り取るような回し蹴りは、ゼストの頬へと叩きこまれた。
ゼストに変わりない。蹴りが直前で当たっていない。顔の前に展開された黒い障壁が、完全に食い止めている。
先ほどまで、こんなものはなかった。
その場しのぎで適当に張られた黒いフォトンシールドが、蹴りの威力を上回っているのだ。
「ほう……『ガイア』を基にしているだけあって、フォトンの発生は速いようだな」
自分でも驚いていると言わんばかりのユーゼスの声。
「クズが!」
ヤルダバオトごとゼストを切り裂こうと、グランゾンが大剣を横薙ぎに振るう。
ワームスマッシャーのシステムを利用した、空間ごと相手を断つ、必断の剣。
フォルカが拳をひねって外すと、上方へ飛ぶ。直後、襲い来る空間の断絶。
しかし、あっさりとゼストは切り裂かれた空間ごとグランワームソードをつまみあげた。
グランゾンは、どこかへ空間転移して、即座に距離をとる。
「来いっ! 双覇龍!」
直後、ゼストの右斜め前方から、巨大な光波の双龍がうねりながら激進する。
顎〈アギト〉を広げ、ゼストの何倍もの全長の巨龍が食い掛かろうとした。
本来なら、獲物を飲み込み空へと舞い上げる龍たちが、ゼストの前で停止。
黒い壁が、龍が顎を閉じることも動くことも許さない。
指を一度ゼストが弾く。それだけで、黒い奔流が、一頭の龍の上顎と下顎を分断した。
さらに、残った竜の両顎を手でつかむ。そして力任せに引きちぎった。
生命力そのものである光を、黒い闇が蹂躙する。
引き裂いた直後、ジ・Oの火器を使った連射の爆炎がゼストを包み込む。
二機による光の尾を引き放たれるレール・ショットガンと、32mmハンドガンの援護付きだ。
事実上、手持ちの火器による武器による一斉発射。
ゼストの放つ黒い疾風が煙を晴らす。当然、無傷。
ブラックサレナが、フィールドをまとって突撃する。
さらに、グランゾンが空間跳躍利用したエネルギー波を放つ。
ヤルダバオトの両拳が唸りをあげ、相手に打ち込もうと振われる。
ディス・アストラナガンのZ・Oサイズが銀光を輝かせ、両断しようとする。
ジ・Oが足止めするべく、足を失っても宙間をスラスターで駆け巡り、けん制する。
打つ、撃つ、放つ、振るう、繰り出す、歪める、刺す、断つ。
届かない。
「これほどとは……どうやら、想像以上に力の差がつきすぎていたようだ」
ユーゼスが嘯く。
全員が、そのユーゼスの嘲りを無言で受け止めた。受け止めるしか、なかった。
どれだけ果敢に攻撃しても――
どれだけ重ねるように攻撃しても――
どれだけ繰り返し、繰り返し攻撃しても――
一撃たりともゼストには届かない。
グランゾンのマイクロブラックホールと空間断裂が。
ブラックサレナのフィールドアタックとハンドガンが。
ヤルダバオトの双覇龍と機神拳が。
ジ・Oのビームライフルとブライソードが。
ディス・アストラナガンのZ・Oサイズとガンスレイヴが。
まったく、届かない。
圧倒的な反射速度と身体能力で、点の攻撃は受け止められる。
圧倒的な光波量と収束度のフォトンシールドで、面の攻撃を受け止められる。
遠距離も、近距離もない。
圧倒的な絶望。
ゼストは、まだ反撃もしていないというのに、だ。
「どうした、あえて私は手を出していないのだぞ? 何を絶望している。もう終わりか?」
「舐めるなっ! 神気取りのクズ風情が!」
唯一、グランゾンだけが動いた。
剣を振り上げ、ゼストに切りかかる。
ワームスマッシャーを並行起動し、全方位からの攻撃に加えての空間断裂。
届かない。
ゼストを覆う、殻のような黒い障壁は欠片も揺るがない。
「木原マサキ……所詮造物主を超える人形は存在しないのだ」
ゼストの腕に漆黒のフォトンが絡み付く。
手に沿うように伸びる黒光は、肘から指先までの倍ほどの大きさの剣に変わった。
瞬間、一閃。
空間ごと断つグランワームソードが、ゼストの手刀で剣ごと断ち切られた。
いや、それに留まらず、グランゾンの両腕を粉々に粉砕し、吹き飛ばす。
「ぐ……あああああッッ!?」
見えない壁にぶつかり、蹲るグランゾン。
度重なる損傷に加え、ついに両肘から先を失ったその姿は、酷くくすんでいた。
幾多の世界で、最悪の紫蒼の魔神として存在していた影は……ない。
「……理解したか? あれだけの戦闘力を持つグランゾンも、ゼストの前では塵にすぎん」
「ふざける……なよ……」
グランゾンの胸部装甲が開かれ、コントロール・コアが前方に展開される。
胸からあふれる何十という重力波が、360°オールレンジでゼストへ降りかかる。
しかし、黒いフォトンシールドはあっさりとグラビトロン・カノンを遮断した。
「……お前にもう用はない。次元の隙間で永遠に漂うがいい。コード・アポロン」
小さく、ゼストが胸の前で十字を切る。
黒いフォトンはグランゾンを包み込むと、急激に収縮し――跡形もなく消え去った。
「次元移動と空間転移ができようと……グランゾンでは抜け出ることはできん」
グランゾンから視線を切り、4人にユーゼスが語りかける。
「……何故、私の邪魔をする? 貴様らは私が何を望んでいるか知っているのだろう」
「並行世界を支配し、自分の望む世界に作り替える。
……それがお前の目的だ。俺は、決してそんなことを許さない」
とりつく間もない突き放すクォヴレーの言葉に、ユーゼスが失笑を漏らした。
「ヴィンデル・マウザーが言っていたが……世界征服とは手段だ。あくまで目的ではない。
手段の善悪と目的の善悪は別だ。それに聞かせてもらおうか、並行世界の番人。
では、お前は今世界全てを支配している存在が、正義とでも言うのか?」
深く、深く深くユーゼスが息を吸う。
「自分勝手な神の理論で、世界を滅ぼすような存在が正義か!?
確固たる意志もなく、その場しのぎで人を救いはしても、全体を考えぬ存在が正義か!?
宇宙すべての命を自分の勝手な判断で奪う……命の意味すら知らない存在が正義か!?
答えてみろ! 並行世界の番人、『アカシックレコード』の番犬!」
一度吐き出した言葉は、もう止まらない。
「お前は次元移動を禁忌とし、世界を乱すならば、と排撃する!
ならば、世界を乱すとはなんだ!? そこにいる修羅王も知っているだろう!
滅びに瀕した世界は、例えその先に戦乱が待つとしても生きるためには世界の壁を越えなければならない!
お前たちは、そんな世界に生まれてきた運が悪かった、だからおとなしく死ねとでも言うのか!?」
ユーゼスは、断言する。
ユーゼスはそのために無限螺旋を歩む決意をしたのだから。
ユーゼスが、ユーゼスであるために必要なモノ。
「私は、絶対の調停者として宇宙に君臨する!」
負の思念が、ゼストの核。
ゼストは『アカシックレコード』で理不尽に踏みにじられた人々の絶望。
ゼストは『アカシックレコード』で理不尽に未来を奪われた人々の慟哭。
ゼストは『アカシックレコード』に信じた正義を悪と断ぜられ滅ぼされた人々の憤怒。
闇に生き、闇の力を使い、偽善を切り裂く。
正しき怒りを胸に、憎悪の空より来たる使者――ゼスト。
「争いや破壊のすべてを悪とは言わん、戦争は時に発展に寄与する。破壊あってこその創造だ。
平和や友好をすべて悪とも言わん、平和があってこそ安心、平穏がある。
……だが、塵も残さず宇宙を破壊するのも、無理やりすべての思念を統合し平和にするのも間違っている」
「お前は……文字通り神になるつもりか? たかが人の身で」
「たかが」という部分にたっぷりと皮肉を込め、シロッコはユーゼスに問いかけた。
「……私は人間の持つ『弱さ』を知ったうえで、『弱さ』を捨てて超越する。
故に、争いが起こることに絶望しない。私が手を出すのは、一人の愚行で、世界を穢したときだけだ。
争いなら当事者同士でやればいい。ただ、環境を崩し、平穏に生きる人間に干渉したときだけは容赦しない」
「つまり……スペースノイドとアースノイドのような戦いには干渉しないというわけか?」
シロッコの言葉に、ユーゼスは即答する。
「地球を破壊しない限りは……だ。
どうだ? 修羅王、お前たちのように世界が崩壊することもなくなる。
大きな価値観がぶつかり合えば、人間は必ず戦いが起こる。まして、世界の壁を超えるとなればなおさらだ。
だが、その必要もない。世界は決して終わることなく続いていく。
大きな戦乱は起きず、いつの日か、世界の壁を超えるのは平和の交流として禁忌ではなくなる」
大きく、ユーゼスが――ゼストが目を伏せ大きくうなずく。
「理想とは思わんか?」
「……なるほど、確かに理想かもしれない」
「ならば、そこをどいてもらおうか。神の力で弱き人間を蹂躙するのはいささか気が引けるのでな」
「だが、それはお前が本当に信頼できるなら、だ!」
振り払うように、腕で空を右から左にヤルダバオトが切る。
「お前は、力を手にした時、確かに「もはやどうでもいい」と言った。
今でこそ、奥に潜んでいるが……ユーゼス、お前も人間! 弱さを捨てて神になどなれない!」
ジ・Oが、ビームライフルを再度構える。
「まったく同感だ。自分の弱さを捨て、人の上に立てるというのがすでにエゴにすぎんよ。
仮に今そうだったとしても、永遠に権力欲を捨てて生きられるような賢人にも見えんな」
ディス・アストラナガンが、煌々と赤い悪魔の瞳を輝かせる。
「お前が思ったことは、イングラムを通じて知っている。言っていることは昔と同じだ。
だが、あの時と違うのは……時間で、お前は歪んでいるということだ」
三者三様の、ユーゼスの拒絶。
ユーゼスを認めるようならば、最初から誰もここにいない。
最後に、ミオが、3人とはまた違う言葉を言い放つ。
「たしかにユーゼス、あんたの言ってること、正しいかもしれない。
けどさ、ならこんなことやっちゃいけないんだよ。守るために、壊すなんて間違ってる。
何回も違う世界で人生繰り返せるんなら、他人を奪わない方法でそれを教えればよかったんだよ、きっと」
ミオが告げられた言葉に、ゼストの動きがピタリと停止する。
一瞬で、ゼストから表情が消え……きれていない。僅かに苦虫を噛むような顔を横にそらした。
ユーゼスは一旦間を置き、次々と言葉を並び連ねる。
目を閉じ、酷く感情の起伏を抑えた声でありながら、染み出すように心が漏れていた。
「……そうか。それは、いささか残念だ。私の真実を知りえるものは数少ない。
故に、それを知って共に歩むものを探すのも悪くないと気まぐれに思ってみたが……無駄だったようだ」
ゼストが、翼を広げ、胸の発光球の前で手を合わせた。
見開かれる瞳の色は、ユーゼスのアイカラーであるライトグレーではない。
くすみなく輝く金――完全に覚醒したラーゼフォンの「真理の眼」が解放される。
「来いッ! ヴァルク・バアル!」
ゼストが、天へ腕を掲げる。
空へ突き出された腕に一瞬でフォトンを収束させ、フォトンの奔流が激しい風を起こす。
一瞬で時空間に穴があき、その中から紫色に結晶化した機動兵器が出現する。
全身にこびりついた結晶の隙間からは、地肌の黄色と黒の塗装が見えていた。
「ネシャーマか!?」
「これが私に残された最後の機動兵器。乗っているのは……リョウト・ヒカワ」
この会場に来て、誰よりも絶望と狂気に彩られた青年の魂。
向こうでは、剣鉄也がいた故に使えなかった。2人を同一の戦場に放り出せば、同士討ちは必至だったからだ。
ユーゼスの手持ちの中では最高のバルマー技術で作られており、ズフィルードクリスタルと最も相性がいい。
故に、時間がかかっても出撃を劣らせ、ズフィルードの結晶に浸食し、とっておいたのだ。
DG細胞とも混ざり合ったズフィルードは、見る間にヴァルク・バアルを浸食し、生まれ変わらせた。
今のヴァルク・バアルは……言うならばヴァルク・ズフィルードとでも呼べる代物だ。
「クォヴレー・ゴートン以外は好きにしろ。お前の恨んだリュウセイとレビの魂も……お前の、目の前にある」
【う……ああああああああああ!! リュウセェェェェ!!】
ディス・レヴを持たない3人にもはっきり聞こえるような錯覚を起こすほどの、リョウトの怨讐。
まっすぐ……フォルカに向かって突撃してくる!
「まずい……!」
その怨嗟の量を感じ、前に出ていたクォヴレーが対応しようと銃を抜く。
しかしそれよりも速く、ゼストはディス・アストラナガンの正面に回り込み、銃身を掴み上へと向けさせた。
顔が触れ合うほどに……いやディス・アストラナガンとゼストが額をぶつけた状態で、ユーゼスがささやく。
「……決着をつけよう。我々にふさわしい場所で」
それは……お互いだけの戦いを望むユーゼスの意思。
あまりにも長すぎたユーゼスの道程の果てにあるものが、自分であることをクォヴレーも理解する。
クォヴレーは、もう一人のイングラム。
イングラムは、もう一人のユーゼス。
ならば、クォヴレーもまた、もう一人のユーゼス。
ユーゼスが、全ての点で対極に位置する自分自身。
イングラムと同じユーゼスの顔は、何よりもイングラムとのつながりを感じさせる。
クォヴレーの真っ青な髪が、クォヴレーとイングラムを結ぶ縁〈よすが〉であるように。
「いいだろう、これで……すべてを終わらせるぞ、ユーゼス」
ひとりでに滑り出す言葉。
まるで、自分が喋っているというより、誰かが自分を通じて話しているかのようだ。
だが、これは、誰かの意思であるのと同時にクォヴレー自身の意思。
ゼストと、ディス・アストラナガンが虚空へ溶けて消えさる。
―――風が、吹いた。
2人が転移した先は―――かつて2度、両者がぶつかり合った場所。
すなわち、『ユートピア・ワールド』。1度目のゼストが生み出し、半端に壊れて残った世界。
この世界の目的は……イングラムとの決着。そのためだけに生み出された世界。
究極のコロッセオ。
イングラムとユーゼスが戦った記憶の場所。
かつて、『アールガン』と『ゼスト』が戦った場所。
かつて、『アストラナガン』と『ジュデッカ』が戦った場所。
そして、『ディス・アストラナガン』と『ゼスト・ラーゼフォン』がこれから戦う場所。
「懐かしいな……何もかもが懐かしい。そうは思わんか? ――クォヴレー」
「ここが……ユートピア・ワールドか」
ただひたすら、殺風景に白い荒野が続いているかと思えば、幾何学的な模様の白い浮遊階層が並んでいる。
何本もの六角形と四角形に彩られた石柱が、森のように立ち並んでもいる。
全てが白一色だが、白と言える範疇で複雑なグラデーションがなされている。
透明度も、ガラスに近いようなものから、淀んだものまで、不規則にそびえる姿はただ、圧巻だ。
「長かった……本当に長かったよ。今もこの瞬間が、夢に感じられるほど」
「だが、それも、もう終わりだ。今回もお前の負けですべて終わる」
「相変わらず変わらないな。……イングラム」
ゼストとディス・アストラナガンが、石柱の森に、音もなく着地した。
お互い、何本もの石柱の隙間から相手の姿を確認する。
「お前は、何も変わらない。お前は私を誰より知っているからこそ、私を否定する」
ユーゼスが……ゼストが小さくため息をついた。
「お互い、1つだったものを分けたせいかもしれんな。
本来オリジナルであった私の手を離れ、一人の人間として確立されようともそれは変わらない」
「ユーゼス、お前は―――」
クォヴレーは知っている。
かつてのゼストは、あくまでゼストにユーゼスが乗り込むことで動いていた。
しかし、今回は何かが違う。あまりにも、ゼストとユーゼスがシンクロしすぎている。
「――完全に『ゼスト』になったのか?」
「ああ、そうだよ。もう私は文字通り人間ではない」
あっさりとユーゼスはクォヴレーの問いを肯定する。
もはや、ユーゼスとゼストを区別するものは何もない。
「霊帝のような存在になり果てて……お前はどこにいくつもりだ?」
「無論、神……いや神を超えた神へ」
「もう……戻れる場所はない。お前は、本当に永遠に繰り返すつもりか? ……こんな戦いを」
「元より帰る場所などない。帰りを待つ者も、並んで立つ者もない。
…………進むことが戦いと言うならば私は永劫戦い続けよう」
訣別の言葉。もとより交わるはずのない道に、これ以上の言葉は無意味。
ただ、未来は勝者のために。
両者ともに、同時に翼を展開。一瞬で爆発的推進力を手にし、音の壁を容易に突き破る。
先手を打ったのは、クォヴレー。
轟く銃声とともに、電撃と実弾を同時に発射する超電磁レール・ショットガンの閃光。
ユーゼス……いやゼストは、素早く90度の角度で上昇し、散弾の雨を回避する。
さらに、追撃でディス・アストラナガンの周囲で援護に徹する大量のガンスレイヴが、赤い光を吐き出し続ける。
火力に全てを集中させたその掃射は、もはや爆撃だった。
石柱が砕けて粉として空を舞い、白い平面がえぐり取られる。
ゼストは翼を使うことを放棄していた。石柱側面を足場代わりに利用し、柱の森を駆け抜ける。
「―――いくぞ」
ラアム・ショットガンの残弾を、数秘変化で、『ない』状態から『ある』状態に変える刹那。
ゼストの腕の横から黒い光が伸び、弦を張る。
どれだけ障害物があろうと関係ないと、ディス・アストラナガンだけを標準し矢を番えた。
進路上の柱をすべて粉砕し、闇色の閃光が数瞬前までディス・アストラナガンがいた場所を打ち抜く。
「……もらうぞ」
直上へ翼を使い飛び上ったディス・アストラナガンはすでに空高い位置に。再びショットガンを発砲する。
ゼストは、第二射を放とうとしていたが、中断してダークフォトンを盾として生成しなおす。
矢から盾に再生成するのに、タイムラグはほぼゼロだ。
「無駄だ。それではこのフォトンを貫くとはできん」
ゼストは常識を逸脱するほどのフォトンを体内に保持している。
それこそ『無限』と言ってもそれほど間違いではないほどに。
だがそんなことはクォヴレーも最初の空間で知っている。
むしろ、今見る点は一つ。
「何故、盾を作った?」
そう、ここだ。ユーゼスは、あのまま撃てばよかったのだ。
どうせ、ゼストならばあの程度ならば大したダメージにもならないはず。
それを何故、わざわざ防いだのか?
しこりの如く残る違和感。
しかしそれを氷解させてくれる暇をユーゼスは与えない。
「続けるぞ」
距離を取るべく、森を駆け巡る。
ゼストの腕の周囲に、等間隔で12発の矢が発生した。
まっすぐに、ディス・アストラナガンを射抜くべく腕をゼストが伸ばすと、立て続けに光が射出される。
支援
「く―――っ!」
ディフィレクトフィールドが、そのうちの4本を受け止め、6本を逸らした。
しかし、残った2本が、左肩を貫通し、黒い血のような緩衝材が派手にまき散らされる。
足を止める余裕はない。崩れたバランスを整えることもせず、スラスターが火を噴き続けた。
さらに次々繰り出される光の矢。
番えて撃つ大型の矢に比べて威力は低い分、速度や連射性は段違いだ。
足を止めれば、一瞬で全身を打ち抜かれる。
決して間を空けず、撃った場所から順次補充し、際限無く降り注ぐ矢の嵐。
まだ、左手が動くことを確認し、右手で左手首を押えてどうにか固定する。
そのまま、ショットガンが再び火花とともに散弾を撃ち出した。
腕が、肩の位置から反動であり得ない方向を向くが、どうにか左手からこぼれた銃を右手でつかむ。
ゼストは、矢を撃つのをやめて、突き出していた腕を横に薙いだ。
風を巻いて起こる、竜巻のような回転するオーラフォトンが散弾の雨を弾き飛ばす。
さらに、竜巻のフォトンを纏ったまま、ディス・アストラナガンへ突っ込んでくる――!
「ディーン・レヴ、力を解放しろ!」
ディス・アストラナガンの左胸が暗い赤に発光すると、光が血のように体を伝って左腕の切断面へ。
一気に、左腕ごとZ・Oサイズを出現させる。両手で保持すると、思いきり振り上げた。
液体金属をすべて使い、斬艦刀に匹敵する大きさまで膨れ上がった肉厚の刃。
最早、処刑台のギロチンのようなZ・Oサイズを、先んじてゼストに叩きつける。
「無駄だ―――」
回転にそって、Z・Oサイズが横にそれる。だが、これはわかっていた結果だ。
鉄壁の防壁をまとい、突撃する相手の『外周部』に攻撃を仕掛けても、弾かれるのは当然。
それでも、相手は今のZ・Oサイズを防ぐため、防御に力を傾斜させた。
クォヴレーの発想――回転が激しくなるほど、ある一点は脆くなる。
Z・Oサイズは、振り下ろすと同時に放棄した。
すでに、ディス・アストラナガンの手には別の兵器が握られている。
「それは……回転軸だ!」
激しく吹き荒れる大型の台風ほど、台風の目は大きくなり、無風へ近づく。
ラアム・ショットガンの引き金を、三回連続で引く。
本来ショットガンでは不可能な連打を可能とする銃神の相棒だからこそできることだ。
「まだだ」
ゼストは、回転するフォトンを、逆らわずに開放する。
制御を失ったフォトンは、行き場を失い外周方向へ無差別に拡散し――結果的に盾となる。
爆発する黒の本流に、あおり受けてディス・アストラナガンが、50m以上吹き飛ばされた。
どうにか、態勢を整え、石柱に激突することを避け、爆発の中心を確認する。
光が薄れ、姿を現したゼストは―――
「………やる。だが、それでこそだ」
「やはり……そういうことか」
ゼストの、右腕から青い血が流れ、指先に滴っている。
肘のあたりを左手で抑えていることから、そこが出血部だろう。
無言でにらみ合う両者だったが、ほんの一呼吸ほどの時間をおいてクォヴレーが切り出した。
「ゼストは……いや、ゼスト、お前は不完全なんだな」
その言葉に、皮肉げに口の端をゼストがつり上げる。
「その通りだ。代替物としてラーゼフォンの肉体を借りているが……
それでも、あくまで力が流出しないように抑えるのが限界だった」
クォヴレーは理解する。
何故、あれほどゼストが防御に固執していたか。
答えは、簡単だ。
ゼスト自身が、極度に脆いから。
ゼストのフォトンストリームは圧倒的だ。攻守において、まさに最強の矛であり最硬の盾。
だが、そんな……異世界から負の心をくみ上げるディスレヴすら凌ぐ力を、やすやすと制御できるはずがない。
力の制御と、自由に動ける過度の拘束のない肉体。
ゼストの体は、極限のバランスの上に成り立っているのだ。
故に、ラアム・ショットガンでも損傷する。さらに、再生能力も存在しない。
無敵であるが故に、逆にモビルスーツのビームライフルですら倒せる可能性がある。
最強の矛と最硬の盾を手にした結果、ゼストが今背負っている矛盾だ。
「あの時、お前が仕掛けなかったのも……」
「そうだ。私でも、お前たち全員と戦うとなれば、危険だったからだ」
最初にゲートの中に転移したとき、ゼストが戦わなかった理由が、これだ。
5人をまとめて相手にして攻守にフォトンを割けばどうなるか、など言うまでもないだろう。
「……もっとも、気まぐれもあるがな。いまさら命を捨てる理由もあの3人にはないだろう」
ゼストが、二度三度と手を握る。動きに支障はなさそうだ。
どうやら、表面をかすった程度で、出血の割に、ダメージはないらしい。
「私を止めるのはお前の役目だろう? ……なら、もうお前と私だけでいいはずだ」
「……ああ」
両者が頷き合う。
「お互い手札も明かしたところで第二幕と行くとしよう」
ゼストの血が、一瞬で光子に変わり蒸発する。
可視できる、威圧感すら与える光の濁流が刃の形に収束する。
肘から指先まで伸び、さらに拡張し、両腕に光の剣が装着された。
ディス・アストラナガンは、落ちていたZ・Oサイズを拾い、通常の形態にまで戻す。
片手で腕を垂らして構えを取ることで、準備は完了。
天にゼスト。地にディス・アストラナガン。
「……行くぞ。最期まで」
深い碧のスラスターの輝きが、突風を起こし、生物のように羽ばたく。
ゼストを断つため、全速で空を疾走する黒い銃神が、鎌を振りかざす。
霊帝を倒したときと同じ、100%の力を発揮した心臓の生み出す推進力は、今までとは比肩できない。
「……無限螺旋はここで終わる」
ゼストは、迫るディス・アストラナガンを睨み付けている。
けして逃げない。正面から撃破するという確固たる意志が、クォヴレーには見える気がした。
ビームサーベルやZ・Oサイズに比べて、ラーゼフォンが生成する剣は短い。
しかるに、ラーゼフォンを受け継ぐゼストの剣もまた長いといえるサイズではない。
ゼストが、両剣を交差させ、上段から振り下ろされるZ・Oサイズを受け止める。
手を震わせ、一気に切断しようとするが、ゼストはびくともしない。
やはり耐久力を除く基本的なスペックでは、ディス・アストラナガンですらゼストには劣っている。
「切り裂け、Z・Oサイズ!」
だが、純粋な機動性は劣っていない。
瞬発的な速度で光速の99%で進む宇宙怪獣を超えるディス・アストラナガンならば、遅れはとらない。
ディス・アストラナガンが鉄也との戦いで見せた、光を駆け抜ける奇跡は、偶然ではない。
上から、右脇腹へ叩き込む――ゼストはフォトンを纏った右の翼で受け止める。
翼の上を滑る勢いを利用し、回転しながら今度は足を狙う――ゼストは下段に構えた右の剣で受ける。
左手に滑り出されていたショットガンを、超ショートレンジで発砲――ゼストは、銃身の下へ身をかがめる。
屈めたゼストに、鋭い膝蹴りを見舞う――ゼストは、左の剣でディス・アストラナガンの足を落とす。
落ちた足を、逆の足で引っ掛け、ゼストへ蹴り飛ばす――ゼストは、左の翼で飛んできた足を切り裂く。
十六分の三秒経過、足の再生を完了し右肩を展開する――ゼストは、腕に光を貯め、交差する。
「数秘予測、ゲマトリア修正……メス・アッシャー!」
「受けろ……! シャイニング・ブレード!」
エメト(真理)からメス(死)へ強化された虚無への闇と、
光の巨人が放つ巨大かつ絶対の光波刃が虚空で激突する。
「く……あああああっ!」
「うおお、おおおお!?」
必滅の一撃がぶつかり合ったことで空間がたわみ、破壊の牙が周囲にまき散らされる。
周囲数kmの石柱や浮遊階層が崩れゆく中、両者は自分の結界を生み出し、瓦礫の嵐を遮断する。
クォヴレーとゼストが考えたことは奇しくも同じ。
「「おおおおおっ!」」
ディフィレクトフィールドとフォトンシールドを纏ったまま両者は嵐の中武器を振りかざす。
ぶつかり合うたびに、防壁が僅かに中和されあい高い音を奏でていた。
ガラスがぶつかり合うのに近い音を立て、Z・Oサイズと、光の剣がぶつかり合う。
怒涛のごとき、お互いの猛攻。相手だけを見つめ、全力で攻め続ける。
下がることは、今は不要。ただ、前に出て証明するのみ―――己の存在を!
もはや、けん制程度にしか遠距離攻撃は使用していない。
チャージの隙などなく、事実上矢継ぎ早に繰り出せる攻撃だけが両者の手札。
ゼストは、防御にフォトンを回す以上、分散したフォトンを射出したくない。
ディス・アストラナガンは、ゼストの光波を破るため、相手の不意を打つしかない。
両者の都合がかみ合った結果が、空間全てを使った苛烈な近接戦闘だった。
銃神と超神が飛翔する。
一瞬でこの擬似空間の天蓋まで登り上がり、一箇所に留まることを知らず縦横無尽に駆け巡る。
両手の光の剣を駆使し、変わらず鉄壁の防御を守るゼスト。
ディス・アストラナガンは、片手にZ・Oサイズを、もう一方にラアム・ショットガンを保持する。
セストは両手を剣としか使えず、同時に光波を利用した攻撃を繰り出せない。
けれど、ディス・アストラナガンの刈り取るような鋭い斬撃は、ゼストに届かない。
抑制された状態のゼストと、全力全開で戦うディス・アストラナガン。
それで、やっと互角かどうか。
振り下ろされるよりも早く、ゼストが距離を詰め、Z・Oサイズを押し返す。
世にも珍しい鎌と短剣による鍔迫り合い。だが、その交錯もまた一瞬。
一瞬後には、お互いが次の一手を繰り出しているからだ。
「……そこだ、食らい付け」
自律思考を可能とするガンスレイヴの死角からの射撃が、ゼストを襲う。
三基の移動砲台が放つ真っ赤なレーザーカノン。
だが、ゼストは振り向くこともせず、翼を操作して、小悪魔たちをなぎ払う。
原形を崩すどころか光に呑まれて塵も残さず消えるガンスレイヴに、小さくクォヴレーは唇をかむ。
ひたすら拮抗状態が続く。
どちらかが流れを寄せようとすれば、確実に敵対するものがそれを阻む。
五分と五分が続くのではなく、微妙に揺れる戦いの流れが、いつも元に還ってしまうのだ。
ショットガンを発砲。回避しようとわずかにゼストが下がったことにより、最適の距離が作られる。
すなわち、鎌の切っ先が、遠心力を乗せて相手の体にぶつかる距離に。
腰を一気にひねり、横薙ぎにZ・Oサイズが振るわれる。
閃光を切り裂くほどの速さで放たれた斬撃は、ゼストの左肩に吸い込まれていく。
だが、いかな超人も防ぎ切れない一撃を、神を超えた神であるゼストは確実に裁いていた。
続けさまに繰り出される剣戟を、ゼストは一つ一つを見て、防いでいく。
ゼストの翼が、延び、Z・Oサイズをからめ捕る。
武器を手放すという思考にたどり着くまでの僅かなタイムラグ。
それが、命取り。
「く……ぅ―――」
ゼストの右の剣が、ディス・アストラナガンを捕らえた。
メキメキと音を立てて、装甲を削り、砕きコクピットに迫るゼストの短剣。
到底、手を使って抜くことはできないと判断したクォヴレーは迷うことなく機体を暴発させる。
……すなわち、胸部を展開せずエネルギーを解放し、爆発を起こすことで強引に剣を吹き飛ばすのだ。
「なん、だと――?」
流石にこれはゼストにとっても予想外だったのか、目を見開いている。
その間に胸部を再生させながら後ろに跳躍。胸を押さえながらZ・Oサイズを構えなおす。
そして、両者が同時に膝をつく。
「ぐ……おぉ」
ゼストが痛みに呻き、腕を押えて右膝をつく。
先ほどの爆発で、攻勢に回していたフォトンを貫通し、腕がひび割れるように亀裂が入っている。
隙間から止め処なくこぼれる青い血が、地面を真っ青に染め上げた。
「……まず、い。再生が――」
ディス・アストラナガンが、胸に空いた穴を抑え、左膝をつく。
だが、超神の腕を使用不可なほどに破壊した代償も、また大きい。
ディーン・レヴがほぼ全壊し、汲み上げるエネルギー量が大幅に低下。
再生までに必要な時間……そのエネルギーを片肺で生み出すにはまだかかる。
「これで、互角ではなくなった……ということだ」
ゼストが荒い呼吸の中、声を絞り出した。
「そう、だな……」
ゼストは右手をぶらりと下げたまま、左手の剣と、伸ばした翼をすべてディス・アストラナガンに向ける。
クォヴレーは、ディス・アストラナガンの翼は無事であることを確認する。
瞬間、空間が爆発した。
いや、違う。あまりにも加速した翼の鉄鎚が、地面を叩いた衝撃だった。
クォヴレーは、ギリギリのタイミングながらも側面へ機体を走らせ回避する。
胸を押さえていた血濡れた手で、ショットガンを掴んでカウンターに発砲。
「右……いや左か」
ゼストは、翼のフォトンを解除し、手に再度フォトンを移動。剣ではなく盾を構える。
「飛べ! Z……Oサイズ!」
翼で生まれた死角であり、同時にゼストが防御に力を腕に移動させた瞬間。
その陰から、落としたZ・Oサイズが独りでに、猛回転でゼストへ飛ぶ。
さらに、翼の陰からゼストに殺到する黒い弾丸。
「まさか、クォヴレー、貴様――」
「落ちろ! ゼスト――!!」
翼が届く直前、ゼストにとってディス・アストラナガンの背面が死角になる時に射出したガンスレイヴ。
彼らは忠実にクォヴレーの思念をくみ取り、そこに『あえて』落としていた鎌を体に引っ掛け投げ飛ばした。
再度、全身にフォトンを行き渡らせるゼスト。
第一に到達したZ・Oサイズを、手刀で粉砕する。
第二に到達したガンスレイヴを、竜巻に似たフォトンの衝撃波で粉砕する。
第三に到達したショットガンの第二射、第三射をさらに前面に張った障壁で阻む。
「三手……お前は防御するしかなかった」
クォヴレーは、ディス・アストラナガンを移動させない。
肩が上下に開き、内蔵された砲身が露出する――ただし、右肩のみ。
左の心臓がつぶされた以上、左の銃砲を使用できない。
だが、それで十分だ。
「ディスレヴ開放、システムエンゲージ……シュート!」
モニターに舞い踊るヘブライ語が、次々に書き換えられ、出力される。
数価変化/ゲマトリア修正/ディスの火起動 = ダークマター生成
ダークマターの構成物質アキシオン……超重力の申し子。
制御を放棄し、生成される巨大重力圏が、生成された障壁ごとゼストを飲み込む。
一瞬、その場に座り込んでいたディス・アストラナガンの体が浮き上がる。
基本概念として1Gで固定されていた重力が、 強引に作られたグレート・アトラクターで、歪んだのだ。
「この程度で、この程度では私は終わらん……!」
重力∞倍の、元ある空間を容易に引き裂き、ねじ切るブラックホールの中。
障壁を全開にしてゼストは抵抗する。
いや、逆にフォトンを周囲に放散し、ブラックホールを対消滅させようとしていた。
今、クォヴレーにできることは、見守ることのみ。
「この……程度で私が落ちるもの……か―――」
パンと、風船がはじけるのによく似た音が鳴る。
―――消失するブラックホール。
光も飲み込む闇の領域を、黒い闇のフォトンが上回ったのだ。
「どうやら……私の、勝ちのようだな、並行世界の番人」
憔悴しきり、肩で息をするゼスト。
だが、その顔は勝利に対する確信に満ち溢れていた。
クォヴレーの回答は、一つ。
クォヴレーは絶対の自信を持って、ゼストに断言する。
「さらに一手。合わせて四手……お前は防御するしかなかった」
顔を歪めるゼストの前で、ディス・アストラナガンが悠然と立ち上がる。
その胸に相変わらず空洞があいている。
しかし、胸の奥で燃える赤い光が強く存在を主張していた。
完全にとは言い難くとも、心臓が再生した雄姿がそこにある。
最強の、黒い死神の復活。
「だから、間に合った。お前の負けだ、ゼスト。いや……ユーゼス!」
ゼストの表情が、凍りつく。
そう、ひとたび傷つき、均衡が崩れれば有利になるのはディス・アストラナガンなのだ。
ダメージが癒えることなく蓄積するゼストと再生するディス・アストラナガン。
神と悪魔の、大きな差異。
クォヴレーが見つけた、唯一の突破口。
「まだ繰り返すか? 勝てないと知って……同じことを」
露骨に不快をあらわにするゼストは、はっきりとそのことを口にする。
「半端に高い位置からの言動はやめてもらおうか……実に不快だ」
ゼストは、なおも構えをとる。
クォヴレーも、そうするであろうことは知っている。
こんなことであきらめるような相手でないのは、はるか昔から理解している。
「……お前とイングラムの差だな。
血を吐き、苦しんだ末にたどり着いた者と、偶然手にした者……当然と言えば当然か」
「何を……言っている?」
「お前はまるでわかってないということだ。イングラムの役目と記憶を引き継いだ?
笑わせる。お前に私とイングラムの何が分かる? 傲慢な物言いはやめてもらおうか」
ユーゼスの目が、これまでになく、感情の色を移す。
仮面の下に隠れていた感情が、クォヴレーにまっすぐにぶつけられた。
理想を語る男としての心ではない。真に、ユーゼスという一人の男としての感情。
「黙ってもらおう、紛い物! お前はイングラムでは断じてない!
お前は……私が決着をつけることを望んだ相手ではなかった。イングラムは認めても、私はお前を認めん!」
クォヴレーの背中に、強烈な悪寒が走る。
因果律を外れたとはいえ、生命体の持つ本能は残っている。
ゼストから放たれるプレッシャーは形がないにも関わらず、体を押しつぶされる気がした。
「これが最期だ! こんなもののために、私は歩んでいたのでない!」
ゼスト―――否、ユーゼスの咆哮が、『ユートピア・ワールド』を揺るがす。
空に舞い上がったゼストの背後で、フォトンが収束する。
何もない天を切り裂き、黒い翼が伸びていく。地平線見渡す限り空を上下に分断する黒いライン。
黒い雷光が、空を埋め尽くす。激しい閃光と共に世界に響きわたるユーゼスの神託。
「ユーゼス、お前は……、……もう分かった」
クォヴレーは悟った。ユーゼスの複雑な心の一端を。
故にクォヴレーは知った。自分では、ユーゼスを倒すことはできても救うことはできないと。
いや、自分のせいでユーゼスは救われることはなくなったかもしれない。
けれど、今の自分は並行世界の番人……TIME DIVERなのだ。
戦う。
今できるのは、たったそれだけ。
ターゲットに永久〈とわ〉の安らぎを。刃向かう愚者に静寂を。
裁きの日訪れても戦う――定めのままに。
「ディス・レヴよ……その力を解放しろ!」
黒い雷光を押しのけるように、ディス・アストラナガンの上空に赤い魔方陣が展開される。
同時に、最終封印を解き、胸部装甲を引きはがす。
――――ヲヲヲヲヲヲヲヲヲォォォオオオヲヲ………
ディス・レヴとディーン・レヴが呼び寄せた怨霊たちが、歓喜と呪詛を混ぜ合わせた声を上げる。
巨大な、白く淡い光を放つ球体がディス・アストラナガンを包んでいく。
ネガの反転の如く、その内部では黒は白に、白は黒に逆転している。
球体が爆ぜると同時、それは空の魔方陣へと吸い込まれた。
ユーゼスが、胸の前――カラータイマーの前に手をかざし、力を集中させた。
エネルギー源から直接くみ上げるフォトンストリームは、嵐となって吹き荒れる。
血のように赤い魔方陣から、一条の光がゼストへ降り注ぐ。
光の中に10個の『星』を秘めた、絶対絶滅の……銃神のもつ究極の力。
「ファイナル・ゼスト! ビィィィィィム!!」
「アイン・ソフ・オウル……デッド・エンド! シュートォォオオっ!!」
ゼスの胸から放たれた銀河を滅する無辺無尽光と、恒星の群れが、世界を白と黒に染め上げ激突する。
ゼストのいる側はどこまでも黒く、ディス・アストラナガンのいる側はどこまでも白く。
お互いの生み出した世界を浸食しあいながら。
太陽の14乗という高密度で生み出された中性子星は、それだけで地球の何億倍という質量を持つ。
だが、ゼストから離れる黒光の濁流もまた、それに匹敵するものだった。
世界の枠を軋ませる両者の一撃。
音が死に、大気が死に、念が渦を巻き、鬩ぎ合う。
「馬鹿な……ゼストが……ダイダルゲートがディスレヴに劣ると言うのか!?」
「まずい……制御……しきれない……!?」
徐々に、ゼストの領域が削られ擦り減っていく。
リミッターを解除し、同質の力を吸い上げて注ぎ込むゼストとディス・アストラナガンの共鳴。
それが結果としてディス・アストラナガンの心臓の拍動を高め、さらなる力を引き出していた。
白い闇の中、ディス・アストラナガンの煌々と燃える瞳がゼストを射抜く。
――――ヲヲヲヲヲヲヲヲヲォォォオオオヲヲ………ヲヲヲオヲヲオオヲヲオヲオヲヲオヲヲ!!
ディス・アストラナガンが、フェイスガードを顎の力で引きちぎり、口を露出させた。
霊帝を超えた相手と出会い、二連心臓の力を限界すら超えて汲み上げ、破壊に変化させていく。
腐爛し輝く眼。
魂すら凍てつかせる咆哮。
広げた漆黒の翼。
天に掲げられる血塗られた腕。
それはまさに………邪神と呼ぶに相応しい。
「静まれ……ディス・アストラナガン! このままではあちらにも危害が及ぶ……止まってくれ!」
このまま臨界突破の状態を維持すれば、確かにゼストは倒せるかもしれない。
だが、次元境界的にすぐ側にいるフォルカたちにも、多大な影響が出てしまう。
どこか遠くの次元に吹き飛ばされる程度では済まない。
最悪、因果地平の彼方に吹き飛び、死ぬこともできず何もない世界の住人となる可能性もある。
強制的に止められるが……そんなことをすればディスレヴの出力はゼロになる。
その瞬間、すべてが終わる。どうにかしてなだめるしかない。
「何故……何故なんだ。何故、俺の言うことをきかない!」
「……まだ、わからないのか」
ゼストが、光の中必死に耐えながらクォヴレーに語りかける。
「お前は並行世界の番人だ。お前の役目は私を倒すこと」
ゼストは苦しいはずなのに、遠い彼方を見るように鬩ぎ合う境界面を見つめている。
「純粋に、ディス・アストラナガンはそれを実行しているだけだ。……全てを犠牲にしてな」
少しずつ、少しずつゼストの世界が消えていく。
「お前も、私も永遠に迷宮を彷徨う囚人に過ぎん。……何を悩んでいる。
仲間など……泡沫の夢に過ぎない。一瞬で過ぎ去り、決して隣に並ぶことはない」
もう、最初の互角の時に比べれば、半分までゼストの世界は減っていた。
「お前はそんな存在のために番人たる役目を放棄するのか?」
「――――――!」
完全に押し込まれた形となったゼスト。
クォヴレーは考える――自分が今ここに立っている理由を。
クォヴレーは思い返す――霊帝との戦いを。ここに来てからの行動を。
クォヴレーは忘れない――仲間たちの思いを、背中を、顔を。
あの世界の仲間たち……
よく馬鹿なことをやって、なじめない自分を助けてくれたアラド。
そんなアラドのパートナーで、記憶のない自分を支えてくれたゼオラ。
どこか抜けたところはあったが、最後まで筋を通したバラン・ドバン。
だれよりも思いやりに長けた念動力の巫女であるアルマナ。
仲間を失っても戦い続けた戦友SRXチームの面々。リュウセイ、マイ、ライ、アヤ。
イングラムの影としてSRXチームを支えたヴィレッタ
この世界の仲間たち……
短い間だが、助けてくれたセレーナやガルド。
相変わらずの熱血漢でロボマニアだったリュウセイ。
だれよりも冷静で、周りのまとめ役として話しかけてくれたジョシュア。
暑苦しくもあったが、何苦しい時に折れない闘志で自分を励ましてくれたトウマ。
そして、最後まで、自分のことを心配していたのに、最後まで自分は迷惑かけまいとしていた……イキマ。
イングラムから受け継いだものではない、自分の掴んだ……今の自分を創った仲間たち。
「ユーゼス、俺はお前とよく似ていたんだ。記憶を失ってここに来て……今わかった。
手にしたものをこぼしたくないばかりに、それ以外すべて疑って……否定して。
理解した上でも、冷静になっても、それでも回りが見えなくて。
少し他人ができないことができるからと、全てを背負えるような錯覚をする」
クォヴレーは、ミオに投げ飛ばされた時を思い出す。
……ああ、あの時は痛くて息が止まるかと思ったな。
―――さっきから黙って聞いてりゃー、俺のせいだー俺が悪かったーって。
挙句の果てには俺さえしっかりしていればこんなことは起きなかった?
それはそうかもしれない。でもね、ここであたし達が出逢ったことは無駄なことなんかじゃない―――
「ユーゼス、それがお前の目指した到達点か?」
「……その通りだ」
「誰もいない孤独な場所が、か?」
「孤独ではない、孤高だ」
「ユーゼス、独りは寂しいだろう?」
「……何?」
最期に……小さくクォヴレーは笑った。
強制的に止められる最終限界点は目の前だ。
「後は頼む……俺の仲間たち。
ユーゼス、お前と俺の違いは一つだけ。他者を――――」
クォヴレーの結論、それは―――――
【クォヴレー・ゴードン 死亡確認】
支援
「………馬鹿な、お前は……死を選んだというのか」
ディス・アストラナガンから放たれた瘴気が消えた瞬間、ゼストの力は一瞬で周囲を焼き尽くす。
地面には、残骸のようなディス・アストラナガンが、朽ちた姿で横たわっていた。
呆然と、ただただ立ち尽くすことしかゼスト……いやユーゼスにはできない。
「私を倒すという役目はどうした? そんなところで何を寝ている!? 起きろ!」
ディス・アストラナガンの胸をつかみ、強引に眼前に引き寄せる。
……力を使い果たしたディス・アストラナガンは案山子のように為されるがままだ。
「認めん……こんな結末、私は断じて認めない」
乱暴にディス・アストラナガンの体を揺すると、その首が力なく折れ、大地に転がった。
もうその赤い瞳は何も写していない。
ユーゼスは、勝った。
ついに超神となり、宿業の相手を打ち破った。
「今ならお前の世迷言も聞いてやる。お前と私の差はなんだ?
他者がなんだというのだ? ―――答えろ、クォヴレー・ゴードン!」
応える声は、ない。あるはずがない。それは、ユーゼス自身知っている。
いつ、どんな時も感じていたもう一人の自分の存在が感じられない。
それが、死を何よりもユーゼスに感じさせる。
「う………おおおおおおおおおおおおおああああああああ!!」
ユーゼスが哭いた。
こんな結末、望んでいなかった。
ただ、イングラムと戦いで、全力で乗り越えたかっただけなのに。
イングラムというもう一人の自分を超えなければ、前に進む意味がなかった。
だから、ここまでゼストの光臨と決着に拘ったというのに。
自分が理想にたどり着く直前で、必ずイングラムは立ち塞がった。
それを超えてこそ、超神になる意義がある。
だというのに……これは何だ?
「イングラムの紛い物が、仲間のために………
何故だ、イングラム。何故お前は全てをクォヴレーに託した」
支援
やはり、応える声はない。
「お前は言っていただろう。
『この世界でも……どの世界でもユーゼスを倒すのは俺の役目だ』と。
だと言うのに、お前が先に消えてどうなる。私はまだここにいるぞ?」
もう、真の意味でユーゼスを知る人間はいない。
話で聞くことはできても、知識として理解することはできても、所詮それは歴史にすぎない。
その時、誰が何を抱いたか? どのような思いを胸に逝くのを見送ったか?
もっとも重要な部分を、ユーゼスと共有できる人間は……もうない。
ユーゼスは、乗り越えた。
……『並行世界の番人』を。
ユーゼスは自由だ。
もはや、だれからも干渉されることはない。
誰にも依って立つ必要がない、完全なる自立。
隣に並ぶ者はいない。
永遠に生き続けるユーゼスにとって、他人など列車の窓の外の風景と同じだ。
自分が動かずとも……過ぎ去り消えていく。
今までもそうだった。
誰もが、あっという間に過ぎ去っていった。
いちいち失うたびに心を動かしては、正気でいられないほどに。
いや、嘘だ。
一人だけいたのだ。
自分を知り、自分と永遠を共有し戦う存在が。
ユーゼスは乗り越えられなかった。
……『イングラム・プリスケン』を。
本当の意味での、孤独。
これから歩む、螺旋を描かない新たな未来には、誰もいない。
「なに、を……私は悩んでいる。これが、私の選んだ道だ。結末だ。
……これから、始まるのだ。新しい、神話が。全てが……」
ユーゼス、独りは寂しいだろう?
幻聴に、ユーゼスは思わず耳を押さえた。
頭の中に反響するクォヴレーの声。
「お前も……イングラムも、何故他者を求める? 他者のため全てを投げ打つ?」
ユーゼスは飽き果てるほどの流転で見続けた。
親しい他者の死で、心を乱し変わっていく人間たちは、掃いて捨てるほどいた。
親しくなればなるほど、別れは辛く心をかき乱すものであることは傍観者のユーゼスでも現象として理解できる。
生命体にとって死は最大のストレスだ。
ならば、もはや他人とはいえない存在の死も、最大のストレスといえるだろう。
だから、ユーゼスは誰にも心を許さなかった。
自分は理想をかなえるために生きているのだ。
変わっては、今まで積み立ててきた道のりの意味がなくなってしまう。
死は、自分にとって無意味だ。
自身が死んでもまた次の舞台が自動的に用意され、自分は配置される。
他者が死んでも、書き割りに過ぎないユーゼスの心を動かすことはない。
だというのに、今の自分は何だ。ラミアの死を感じ、何を考えた?
あろうことか、過去もしも側にいてくれる人がいたならば、などと無意識に考えていたではないか。
それでも自分を心から信じ、共に進もうとした人間もいままで、何人かはいた。
だが、ラミアのときのように、それらの手を振り払って騙し利用し切り捨てたのは自分なのだ。
「これでは……喜劇だ……滑稽なだけだ……!」
なんてことはない。
頑なに今の自分を守り、差しのべられていた救いの手を振りほどいた自分。
変わることを恐れ、拒絶してきた。……自分の理想を言い訳に。
なんてことはない。
何故クォヴレーもイングラムも他人を受け入れたのか、なんてことの答えは一つ。
傷つくことを恐れず、変化を受け入れていたからだ。だから、イングラムはクォヴレーに道を譲った。
「なるほど、だれからも否定されるわけだ……私の理想は」
最初は、たしかに理想を叶えることが目的だった。
だが、途中から折れ曲がり、人を拒絶するための理由となった。
拒絶の道具にしているものが、受け入れられると考えること自体愚かしい。
「だが……いまさら戻れはしない」
それこそ、今やめては、いままで死んでいった者たちを愚弄することになる。
さんざん殺しておいて、やめるなどという選択肢は残されていない。
ゼストの手から放たれた白い光が、ディス・アストラナガンを優しく包む。
光の中で、ディス・アストラナガンが解けていく。
「私は、私に還る。……一つに戻る時が来たようだ」
ディス・アストラナガンを溶かした光が、ゆっくりとカラータイマーに吸い込まれていく。
ゼストの体に、黒いラインが刻まれていく。……まるで光の巨人のように。
姿は神聖ラーゼフォンのままだというのに、それだけで酷く様変わりしたように見える。
使えなくなっていた右腕を確認する。
ひび割れていた隙間は、黒いラインが覆うように修復しており、もはや問題はない。
根本的な肉体の脆弱さは、調整が必要なので改善されたわけではないが、前よりは安定している。
「……! 黒い、十字架………」
少し眉をあげ、瞳を開ける。
右手の手のひらには、十字に亀裂が入っていたのだろう。
それを埋めるため、手に刻まれた模様は……紛うことなく十字架だった。
一度、右手を握る。
十字架を、強くつかむように。
途端、流れ込む果てしない記憶の断片の数々。
取り込んだ二人の、欠片だ。
「………懐かしい記憶だ」
ゴッドネロスと戦うガイアセイバーズ。
神官ポーをけしかける自分の姿。
SRXの姿のまま封印されたRシリーズの姿。
レーザーブレードを振りかざす宇宙刑事たち。
もう、満足に思い出すことも難しい記憶が、次々と鮮明に押し寄せる。
「……知らない記憶か」
SRXの後継機が、空間を割き、ガドルヴァイクランと戦っている。
真・龍王機と戦いを繰り広げるマシンたち。
星を切り裂くヴィジョン。
これは、クォヴレーの記憶だろう。
共通点は一つ――どの戦いも、決して二人とも独りではなかったことだ。
酷く空虚だ。
ラミアを取り込んだ時を思い返す。
ゼストを確保した瞬間、身を覆った虚脱感の正体は、擦り切れた良心の囁きだったのか。
その後すぐのクォヴレーたちに対する皮肉の数々を思い返す。
思えば、あの時不自然なほど自分は高揚していた。……いや、無自覚的に無理に感情を高揚させていた。
あれは心に入り込む虚無を隠すための、演技だったのかもしれない。
「自分を隠し、偽って……何になる」
自分は戦うことを拒否していたのではないか。
理由をつけてネシャーマたちを彼らにぶつけた。
自分らしくもない、煽るような言動を繰り返し、向こうから仕掛けてくるように促した。
ゲート内でも、自分からは最低限しか攻撃しなかった。
次々と解けていく感情の縄。
感情の裏側にあったものが、整然と浮き上がる。
イングラムを失った時の寂寥感は、孤独からわき上がったものだ。
ヴァルシオンでクォヴレーに敗北した時のゼストへ執着は、『彼らに負けた』という事実から目をそらすため。
記憶を奪い、デスゲームに巻き込んでも、決して2人に勝った気がしなかった。
ゼストに関する心の動きも。
今までの変遷全て。
どれもこれも……説明がつく。
結局、自分は……どうしようもないくらい矛盾している。
理想のためと言っておきながら、イングラムとの決着に、無駄に拘っていた。
そして、いざイングラムを本当に失えば、喪失感に苛まれる。
――――……が必要だった。
「……くだらん」
――――………人が必要だった。
「本当にくだらん」
――――…………他人が必要だった。
「いまさら……そんなものがなんになる」
――――……………を信じ、受け止めてくれる他人が必要だった。
「そんなものは、私の理想の足枷に過ぎん」
――――………………自分を信じ、受け止めてくれる他人が必要だった。
「私は……泣いているのか?」
頬をつたうものを、そっと指で触り、驚いた。
『例え……仮面を纏っても、心の弱さは隠せないのだ……』
「その声は……」
ユートピア・ワールドの中、霧が集まり、ゼストによく似た姿を形作った。
色は、銀と赤……ホンモノの光の巨人の象徴する色。
「そうか……君も私と同じように因果律を書き換える力を得たのだったな……ゾフィー」
『いつも、私は君を心配していた。久しぶりだ、ユーゼス』
私を止めるため、禁断の力を手にした以上、通常の因果律の輪に還れるわけがない。
おそらく、それが理由でここに幽閉されていたのだろう。
どうにか、いつもの仮面を心にかぶる。……私は変わらない。泣いてなどいない。
「なるほどな……フォルカが言っていた。君に力を借りたと。……私を救うなどと戯言も言っていたがな」
『ユーゼス……』
「そんなことはもうどうでもいいのだよ。それよりどうだ? この姿は。あの時に勝るとも劣らない。
完全に融合した私は、本当に君たちと同質の存在になったのだ。もう、君たちに憧れることもない」
『……度の越えた強がりはよすんだ。見ていて……つらい』
ゾフィーに向かって掌を突き付ける。
「……口のきき方を考えてもらおう。フォルカに力を明け渡した君を倒すことなど雑作もないのだよ」
『それで君の気が済むのならやればいい。私たちは……罪を償わねばならないのだから』
「………ッ! その何もかも分かったような態度が気に食わないと言っているのだ!
お前たちはまだ私より高い場所にいるつもりか!?
私を誰かが救うのではない、私が誰かを救うのだ! 私がお前たちに代わり平和を守る!」
『……原因を作った私たちには、君を救う資格はない。だから……私は……』
「黙れ!!」
手から放たれた光の矢が、ゾフィーを貫通する。
しかし霧のようにぼんやりとした存在であったゾフィーは、そのまま空気の中に拡散して消えるだけだった。
もう、気配は感じない。この世界から遠くには行けないはずだが……どこに消えたのか。
「……もう、すべて終わりだ。これで……すべて終わった」
ゲート内の空間に長時間いることはできない。
フォルカ、ミオ、シロッコは何処かの世界に飛ばされ……そこで平穏をつかむだろう。
いや、フォルカは次元転移で自分の世界に戻るだろうし、ミオも召喚で帰れる可能性がある。
ジ・Oのバイオセンサーなら、最初から自分の世界を狙って落下できるかもしれない。
木原マサキは、因果地平の彼方に幽閉した。
あそこから脱出することはグランゾンでは絶対に不可能だ。
無駄な力の誇示をする気はもうなくなった。
完全な……勝利。もはや自分を脅かすものはない。
筈だった。
「……!? な、なんだというのだ、この揺れは?」
ユートピア・ワールドが揺れる。
断層など何もなく、自陣など起こるはずもない世界が突然激震を始めたのだ。
世界の崩壊など起こるはずがない。この世界は戦うために作った特別。
ウルトラ6兄弟の力を結集して放つ、宇宙すら容易に崩壊する一撃を受け止めたこの世界が、何故?
「まさか、あれで勝った……などとは思っていないだろうな? ユーゼス」
白い空に、黒い空間の断裂が走る。
そこから聞こえてくる、傲岸不遜な男の声。
忘れるはずもない、その声は………
「木原……マサキ……!」
空間をこじ開け、金と蒼の腕がこちら側に露出する。
馬鹿な……腕は落としたはず。それに、あのグランゾンに再生機能など搭載していない。
いや、そもそもグランゾンでは、因果地平から帰ってこられる筈がない。
ならば何故!?
「ククク……ハハハハハ……ハァーハッハッハッハッ!
いい顔だ、何が起こってるのか、いまいちわかっていない……無知なクズらしいイイ表情だぞ!」
粉々に空間の一部を砕き、その全貌が露わになる。
「馬鹿な……! それは……」
高位の神の後光のように金の輝きを背負い、グランゾンより蒼が強い姿。
グランゾンの装甲をさらに高めると同時、サイバスターにも劣らぬ機動力を確保した力。
カバラ・システムを使い、機動兵器の枠を超え神性を手に入れた魔神皇。
「ネオ・グランゾンだと……!?」
ここに、もう一柱の神が降臨する。
【現在位置/ユートピア・ワールド 3日目 ???】
【ゼスト(ユーゼス・ゴッツォ)=真聖ラーゼフォン(ラーゼフォン)
パイロット&機体状況:胸にカラータイマー装着。体に黒でウルトラマンモチーフのラインが入っている。
怪我は、ディス・アストラナガンを取り込んだ際完治しました。
第一行動方針:ネオ・グランゾンに対処
最終行動方針:ゼストの完成
備考:さまざまなことに関して、かなり悟りました。
備考:真聖ラーゼフォンの顔はユーゼスの素顔=イングラムの顔です】
【木原マサキ 搭乗機体:ネオ・グランゾン(スーパーロボット大戦OG外伝)
機体状況:ネオ化。 完全回復。
パイロット状態:ネオ化の影響で完治しています。
第一&最終行動方針:ユーゼスを殺す
備考:グランゾンのブラックボックスを解析(特異点についてはまだ把握していません)。
首輪を取り外しました。
首輪3つ保有。首輪100%解析済み。 クォヴレーの失われた記憶に興味を抱いています。
機体と首輪のGPS機能が念動力によって作動していると知りました。ダイダルゲートの仕組みを知りました。
ユーゼスの目的を知りました。】
「よけろ! また衝撃波が来るぞ!」
誰よりも前に出て戦っていたフォルカが、後ろにいたシロッコたち二人に声をかける。
直後、ヴァルク・バアルの全身より生み出された魔方陣から、オメガウェーブが全方位に放たれた。
「くっ――!」
衝撃波の渦にグラビトン・ランチャーを叩き込む。
するとその場所だけは衝撃波がねじ曲がり、すっぽりジ・Oとブラックサレナが通れるくらいの穴をあけた。
急いでそこにもぐりこみ、けん制でビームライフルを放つ。
結晶が砕けるが、即座に再構築し、増殖、強化……いや進化していく。
もうほとんどヴァルク・バアルとしての原型は残っていない。
その姿は……知る人がいればこう言い表しただろう、『ズフィルード』と。
【うああああああああああっっ!!】
リョウトの叫び声が、ゲート内部を震わせる。
叫びと共に突き出される右腕が、何かをつかむように広げられた瞬間、ヴァルク・バアルが発光する。
その光は、天使の姿に酷似していた。
「く、まだ落ちんか!?」
理解できない出来事だらけの中、ようやくつかんだシロッコの真理。
何をするかは不明だが、明らかにそのまま行動を許してはまずいことになる。
それに素直に従って、ビームライフルを標準し、叩きつける。
しかし、体に当たったビームライフルは相手の結晶をそぎ落としただけ。
手に向けて放たれた一撃は、不可視の力に阻まれて歪曲する。
「散れ! 固まるのは危ういぞ!」
シロッコは、相手を止めることを半ばあきらめ、回避することを前提に指示を出す。
フォルカたちも返事をするのも惜しいと急いで拡散する。
直後、来た。
「……!? なんだ! 何故だ、なぜ動かんジ・O!」
完全に固定され、まるで動かないジ・O……いや自分。
機体だけでなくコクピット内にいる自分まで、指一つ動かせないのだ。
どうにか、眼球だけを動かしてヴァルク・バアルの手の中を凝視する。
―――あれは……ジ・Oだと!?
そう口にしたかったのは山々だが、それすら満足にできなくなっていた。
相手の手の中には、小さなジ・Oが映っていた。しかも、武器や道具を持つ手まで再現して。
指に力を入れる様子で、手の中の空間を狭めるヴァルク・バアル。
その様子にシンクロし、自分のいる周囲の空間がたわみ、歪んでいく。
――空間ごと再現し拘束、圧縮している!? 信じられん!
シロッコに知る由もないが、これは『偶像の原理』を利用したズフィルードの力だ。
『偶像の原理』とは、オリジナルの姿を真似し、その力や源質を封入すること。
……例えばガンエデンの力を光として重ねることでズフィルードがこの力を行使するように。
だが、これは逆も言える。
つまりミニチュアの世界――この場合ズフィルードの手の中のジ・O――を再現する。
そして再現した世界で起こる事象を現実に移行させるのだ。
高位アインストも使用するこの力の名は――『ジーベンゲバウト』。
たった1機で、全長10km以上の大きさを誇る巨人艦隊数万機をたたき落とすズフィルードの神罰。
「シロッコさん、だいじょぶ!?」
動けなくなった様子を見て何となく危険な気配を感じたのだろう。
ブラックサレナがズフィルードの行為を阻むため突撃する。
しかし、
「ちょっ……――」
当たり前の話だが、手は2つあるのだ。
反対側の手の中にブラックサレナの姿が映し出された途端、ブラックサレナまでもが完全に停止する。
半端にミオの言葉も途切れたままだ。
手を本格的に閉じ始めたのを見て、焦る2人を背に、白い矢がヴァルク・バアルに突き刺さる!
「うおおおおおおお!!」
ヴァルク・バアルの動きを止めるべく、拳を一心不乱に打ち込むフォルカ。
しかし、再生、再結晶化を行うヴァルク・バアルはそれでもなお姿勢を崩さず、拳を握ろうとする。
――頼むぞ、これが最後の希望だ……
やはり口に出せずとも、食い入るように両機を見つめる。
フォルカの拳が、相手を破壊するのが先か、はたまたヴァルク・バアルが自分を握りつぶすのが先か。
もう、すべてはここにかかっている。
そして―――
【うああああああ、あああああ、ああ!?】
ついに、もだえ苦しむヴァルク・バアル。
フォルカの拳がヴァルク・バアルを貫いたのは……次の瞬間だった。
その途端、硬直が溶けて体が自由になる。
「終わったか……」
フォルカの拳が、ヴァルク・バアルを粉々にするのを見て、シロッコは息をつく。
しゃべれることのありがたみを感じ、なんとなく喉をさすってしまった。
「まったく、慣れたつもりだったがそれでも驚かされる」
「本当に……これで終わったの……」
ジ・Oの側にいるブラックサレナの中から、ぐったりした声が漏れる。
「進化再生する、空間ごと握りつぶす……どんな技術で再現しているのか途方もつかんよ。
木星から戻り、世界のすべてを俯瞰したつもりになっていたが私も甘いようだ」
「ってそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!? あの二人はどこに消えたのか探さないと……」
「……無理だろうな。我々には、次元を超える力などもたん」
フォルカも、ヤルダバオトを走らせ、二機の側に近付いてくる。
そして、二人に話を切り出すが……あっさりシロッコはそれを蹴散らす。
「俺の力なら、超えられるかもしれん、やってみる価値は――」
「……使った後は、戦えんのだろう。これ以上戦力が減っては行けはしても勝てんよ。
それに、どこか適当な世界に飛ぶのでは意味がない。二人がどこに行ったか見当がつくのかね?」
どうしようもないほどの正論を受けて、フォルカが沈黙する。
そこそこ以上に頭は切れるようだが、やはり見通しが甘いというか……まだまだだな、とシロッコは嘆息する。
「我々がとるべき選択は2つ。
クォヴレーを待ち、ここで待機する。……しかし、危険も多い。ユーゼスの口ぶりではどうなるかもわからん。
もう一つは、フォルカの力でどこかに転移することだ。……もっとも、元の世界に戻るのは絶望的だが」
この状況を打破する第3の選択肢を考えているのか、諦めて絶望しているのか黙り込む2人。
シロッコは、二人を急かすべく口を開く。
なにしろ、ここのことが詳しくわからない以上、次の瞬間崩壊する可能性だってあるかもしれないのだ。
「私としては後者を選びたいところだがね。奴の言うように、こんなところで魂だけになるつもりもない」
「だが、それではユーゼスが……」
「フォルカ・アルバーグ。我々は万能の神ではないのだよ。できることとできないことがある。
言われたもの、託されたものが必ず果たせるとは限らない」
やれやれ、どこまでもユーゼスを救う気のようだ。
それはいたって結構なわけなのだが、少し気負いすぎるところがあるのが難点だ。
これが若さか、と頭を押さえる。
後者の選択を選ぶには、フォルカの助力が必須なのだ。
彼を説き伏せねば話にもならない。
短いが、事情が事情だ。これで考えるのは切り上げてもらうべく口を開こうとしたとき、
『そこまでは……わたしが案内しよう』
「誰だ!?」
反射的にビームライフルを声がするほうに突き付ける。
すると、そこにいたのは………
「ゾフィー!?」
赤と銀の流星模様と、胸の中心に輝く太陽。機動兵器に匹敵する大きさの巨人が立っている。
これが、ユーゼスの目指した……『ウルトラマン』!?
しかし、その姿は不安定だ。質の悪いビデオのノイズのように、時々ぶれている。
胸の星も、光を放つというより、今にも消えそうに点滅を繰り返していた。
「あの世界から出られたのか?」
『いや、違う。どうにか、力を振り絞って、世界の狭間に出るのが……今の私では限界だった』
ゾフィーの右腕が、風に飛ばされる砂のように散っていく。
『ユーゼスは……今ユートピア・ワールドにいる。私が……いたあの世界に』
「……そして、お前はそこに飛ばしてくれると?」
『……君たちにも事情がある。押し付けはしない。だから、一人一人選択してほしい。
三度なら、私のすべてを振り絞れば可能なはずだ……』
「選択?」
ゾフィーが静かに首肯した。
『君たちがいた世界、君たちのいた時間に帰るか……ユーゼスの世界に行くか』
三人が、息をのむ。
三人の最後の決断は―――
【ミオ・サスガ 搭乗機体:ブラックサレナ(劇場版機動戦艦ナデシコ)
パイロット状況:強い決意。首輪なし。
機体状況:EN中消費。装甲が少し破損。中のエステバリスカスタムのモーターが磨り減っているため、なにか影響があるかも
現在位置:次元の挟間
第一行動方針:???
最終行動方針:ユーゼスの打倒。最後まで諦めず、皆のことを決して忘れず生きていく。
備考:ディス・アストラナガンの意思(らしきもの?)を、ある程度知覚できます
イングラムが知覚したことを、ミオもある程度知覚できる(霊魂特有の感覚など)
フォルカと情報を交換しました。
マサキの危険性を認識、また生存を確認】
【フォルカ・アルバーク 搭乗機体:神化ヤルダバオト(バンプレストオリジナル)
パイロット状況:首輪なし
機体状況:EN小消費
現在位置:次元の挟間
第一行動方針:???
最終行動方針:殺し合いを止める。
備考1:フォルカは念動力を会得しました。
備考2:ソウルゲインはヤルダバオトの形に神化しました。
備考3:ミオ・シロッコと情報を交換しました】
【パプテマス・シロッコ 搭乗機体:ジ・O (機動戦士Zガンダム)
パイロット状況:軽度の打ち身(行動に支障はなし)、首輪なし
機体状況:右脚部消失。右隠し腕消失。ビームライフルをいくつか所持。
T-LINKセンサー装備。
グラビトンランチャー所持。ブライソード所持。もしかしたら他にもガメてるかも。
現在位置:次元の挟間
第一行動方針:???
第二行動方針:マサキを排除
最終行動方針:主催者の持つ力を得る。(ゼストの力に興味を持っている?)
補足行動方針:これが終わったら最高級紅茶を試す
(ミオと、まあフォルカとクォヴレーにも賞味させてやらなくもないな)
備考:マサキを危険視。
フォルカと情報を交換しました。
ユウキ・ジェグナン厳選最高級紅茶葉(1回分)を所持】
nc氏、代理投下をしてくださったSaUaOEcE氏、本当にお疲れさまです
時間が無くまだ読めてませんので感想は後ほど書かせてもらいますが、なんかもー凄くテンション挙がってきたw
あらためまして、GJ……なんて言葉じゃ足りないぐらいです
ありがとう、こんなユーゼスを見せてくれてありがとう、そんな気分
俺、ユーゼスこんなに好きだったのかと気付かされた
SSを読んで泣いたのなんか何年ぶりだろうなあ……
各キャラの心理描写や台詞回し、戦闘シーンのクォリティはもちろん、フラグの活かし方も見事でした
あと申し訳ありません、代理投下でコピぺミスして
>>727の1行目に空白行を入れ損ねましたorz
責任取って自分で修正するつもりではいますが、もし他にwiki収録なさる方がいたらご留意願います
ところで容量そろそろやばくね? 次スレ立てた方がいいかな
ほんと、すごいな。
もともとユーゼスのことは好きだったけど、これ読んだら今までとは違う意味でユーゼスのことが好きになった。
なんていうか、凄く不思議な気分だ。
あー、スーパーヒーロー作戦やりたくなってきたー!
>>743 とりあえず今はまだいらないんじゃないかな。
誰かが予約して投下するって時に容量が足りないようならそのときに立てたら良い。
あの頃のユーゼスを思い出せたよ。GJ
投下、超GJ!
今までブレがちだったユーゼスだったけど、今回の話で凄く好きになった
しかしなぁ……「救い」というのがどういう形になるのかなんとなく分かったけれど、ユーゼスを許して良いのかどうか複雑だ
なんつーか、単純な勧善懲悪ではなくなった分難しいなぁ……
ならば、救いが見えかけた瞬間に惨めに死なせれば、ある意味両立できるぜw
748 :
それも名無しだ:2008/06/17(火) 23:32:05 ID:E/QnHrJZ
しかしここまで活躍する主催者も珍しいw
GJ!泣けるでえ!しかも3日でって早(ry
ユーゼスの描写が非常に丁寧で引き込まれた
久保にキレる辺りが特に好き
俺こんなに醤油好きだったんだなーと再発見したよw
いいもん読ませてくれて感謝、俺的には当ロワ屈指の名作です
つか確実に伝説になるよなこの主催者w
……しょうゆ?
::| 从
::| 从从
::| 从从从
::|. / |.| ヽ.
::|. / |.| ヽ
::|-〈 __ || `l_
::||ヾ||〈  ̄`i ||r‐'''''i| |
::|.|:::|| `--イ |ゝ-イ:|/
::|.ヾ/.::. | ./
::| ';:::::┌===┐./ スパロボの話だから直接手は出せないが私が戦えばゼストなんて一撃だ。
::| _〉ヾ ヾ二ソ./
::| 。 ゝ::::::::`---´:ト。
::|:ヽ 。ヽ:::::::::::::::::ノ 。 `|:⌒`。
::|:::ヽ 。ヾ::::::/ 。 ノ:::i `。
::|:::::::| 。 |:::| 。 /:::::::|ヾ:::::::::)
::|::::::::| . 。 (●) 。 |:::::::::::|、 ::::〈
ユーゼスが主人公って言われたら全力で同意するぜ俺
たとえ寺田でもこのユーゼスは超えられなさそうだw
久保もここへ辿り着くまで紆余曲折あったけど、
この時のために生き残ってきたんだなって自然に思える
>たとえ寺田でもこのユーゼスは超えられなさそうだw
クオリティすごいのは確かだが、正直二次創作でそういうこと言いだすってどうなのよ
気に障ったらすまんかった
ゲームの表現方法の制約もあるんだろうけど、寺田っつーかスパロボのライターは
あんまりキャラ1人の懊悩や慟哭をじっくり掘り下げて描くタイプじゃないと思うんだ
プレイしつつ、そこだけ物足りなさを感じてたもんだから
掘り下げが過ぎると版権目当てのユーザーには苦痛でしかないからね
版権がかき揚げの具ならプロデューサー考案のオリジナルは小麦粉だよ
だから味付けは最低限、あくまでも接着剤としての扱いに留めないといけない
>>750 SHOユ
>>746 ここまで来て普通にユーゼスとの和解エンドはちょっと……って俺も思っちゃうなあ
最終的に少し救いが見えるか、ぼんやり救われたことが示唆されたくらいにして欲しい。
久保も記憶を失って仲間頼りに迷走しまくったからユーゼスの気持ちも理解できたし、
最期だからこそ仲間に託して散るってのも凄いよかった。本当に久保の空回り全てここにあったって感じ。
本当にGJ! 自己リレーじゃない限り最終話もあんたなら任せられるぜ。
これからアカシックレコードの介入はあるかな。
反アカシックレコードなケイサルと同等以上の存在になろうとしてるユーゼスがいるし
ヴォルクルスも怨念の集合体だそうだから同質の存在といえそうだし。
どっちかがもう一方を吸収でもしたらやばそうだし対抗するために
クォヴレーの代わりにミオ達の中の誰かを新しい平行世界の番人に、とか。
三人いるから真ゲッターか真ゲッターG、でなけりゃイデオンあたりを送り込んだりとか。
さすがに外部からの介入はなぁ
ここまで来た以上、このユーゼス含めた生き残り5人の手で決着つけてほしいわ
それにディストラ吸収された以上もう番人どころじゃないし
ところでネオグラ、第4次最終面でゼゼーナンにやったみたいなKYな真似はしないだろうな
これだけいろいろ吸収して完成したゼストをあっさり上回る、なんてふざけた真似されたら
それこそ今までの話やユーゼスの苦労は何だったんだと全てが台無しになるぞw
ゾフィーが出てきてる時点で外部介入に何の問題も(ry
>>758 外伝仕様のネオグラなら何の問題も(ry
それはそうと一週間で200レスだと・・・?
それだとフォルカ一人でフルボッコできちゃうな……
しかも念動力とゾフィーの力も持っているし……
グラビトンランチャーやブライソード以上の威力があってジ・Oが扱える武器って何かあったっけ?
最悪、ネオグランゾン戦に突入するんだからボロボロのジ・Oでは活躍どころか最初に血祭りにあげられる役になりかねないので、
何か言い訳をつけてティタニア(Gジェネオリジナル)かジ・OII(ジオンの再興)に乗り換え…なんてのを考え付いたけれど
スパロボじゃないじゃないか、とすぐに思い出してしまった。
>>758 とはいえミオとシロッコの機体があれだとなあ。
νガンダムとサザビーが戦ってる所に壊れかけのボールで出てくようなもんだし
役に立たれても逆に困るというか。
今から何とかするには竜馬あたりに出張ってもらわんと。
そこでシロッコクローン召喚ですよ
なんか、お前の代わり決着つけに行ってやるから何かよこせと駄々をこねるシロッコの姿が見えるんだが
ジ・Oはまだマシだ、何かまだガメてるし切り札として作用させられる
シロッコのパイロット能力+彼自身が開発した愛機というフォローもできる
問題はミオのブラックサレナだ……
手が融通効かんから他に武器も持てない、そしたら武装は体当たりとしょぼいハンドガンだけ
ミオ自身の能力も大したことないし、機体も乗って間もないから性能は引き出しきれそうにない
そもそもザムジードやディアブロと違うタイプの機体だから相性も良いとは言い切れない
プラーナの高さも意味ないし、唯一のメリットだった「生存気付かれてない」もおじゃんだ
……本気で使い道に悩むぞ、これ。どう動かしても足手まといにしかならん……
もうサコミズみたいにミオに隊長が憑依でいいよwww
そもそもシロッコはアイテム何点かがめてるからそれ持って帰ることにして最終戦に参加しないでもいいけど、ミオは帰るとおかしいしな
外部から干渉しすぎないようにするなら
出来ることはこの程度だ、と竜馬が崩壊した戦場から
適当な機体を二体修復して持ってきてくれる、って程度かな?
ミオにマジンカイザー、シロッコにゼオライマーあたりで。
グラビトンランチャーとT-LINKセンサーだけじゃ
オーラバリアやスイカバーアタックをするブチ切れカミーユに勝てる気がしないw
まだ隠し持っているなにかに期待
超大作の後アレですが
シロッコ・ユーゼス・マサキ・ミオ・フォルカ
予約します
ゼストの体が脆いって設定は、火力で劣るジ・Oや
ブラックサレナへの配慮らしいので、
その2名を差し置いてネオグラでゼストをボコったり、
強機体で力押しするような展開にしてしまったら、それが無駄になってしまう気もするが…。
今回の話の余韻も含めてさ。
実は外部介入って一つも無いよね
ゲッター線もゾフィーもユーゼスが持ち込んだものだし
正確にはゾフィーはユートピアワールドに取り残されてただけだけど
それにCPSの影響下においてはユーゼスはアカシックレコードよりも上位存在だし
外部介入は無いほうが自然だな
実質、最終的にはユーゼフォン、ネオグランゾン、ヤルダバオトの三つ巴か。
何故かその3体を比較すると、最高水準機体とはいえ設定スペックは
ヤルダバが一歩劣るはずなのに、ネオグラが一番弱そうに見えるのは
OG外伝のせいだろうか・・・ww
ラーゼフォンってスパロボだとどんくらいの強さなの?MXやってないから分かんないんだ
ネオグラが弱いのは同意、これがLOEから出てきてたら文字通り最強だったのに
ゲーム上の強さはともかく、設定上は旧シリーズもOGもネオグラの強さ同じでしょ
αは違いかねないが
グランゾンの時点で地球に落ちてきたコロニー消滅させたりオーラロード開かずにドレイク軍を強制送還したんだっけ
αのあれはアストラと一緒にやったんじゃなかったか?
うろ覚えだが
そういや、ネオグラは時間制限とか無いんだっけか?
一応ネオグラは原子レベルまで分解させる縮退砲があるから弱くないはずなんだけどなぁ…
パイロットはフォルカが断トツで抜けてて、機体は他の二人なんだよな
スパロボ的に考えるとフォルカ無双wwシロッコ避けまくりwwミオ脱力うめぇwwと余裕そうなんだが
>>784 一度だけ、という制限をわざわざ設けてるからにはあるとは思うが。
あるいは待機状態の燃費が悪いとかそういう類の問題である可能性もあるけど。
>>776 武器の威力はいいとしても他の機体性能とダメージが……
ジOなんて重力下じゃもうろくに動けもしないし。
ぞフィーの選択に帰してくれと答えるのも死亡フラグな気がするし。
ミオがダジャレでユーゼスとマサキの気力を下げる
↓
カバラ、CPS使用不可
↓
ユートピアワールド崩壊
↓
ウマー
個人的にはあっさりネオグランゾンがユーゼフォンを倒して
ネオグランゾンラスボス化もありだと思ってる。
ユーゼスも今回の話で底が見えてきたし
これ以上掘り下げられないだろうしね。
掘り下げられないからそこで終わり、ってのは違うと思うんだ
そもそも掘り下げ自体が目的じゃなくて味付けの一つに過ぎないんだから
むしろユーゼスはここからでしょ
それに機体の強さだけがキャラの長所じゃないよ
強機体で戦うことでしか魅力をアピールできないなんて人として悲しい
シロッコはともかく、ミオの強さは戦闘力云々を超越したところにあると思ってる
だからここまで生き残ってきたんだろ
シロッコだってなにかやるかもよ
紅茶飲みながら特攻とか
つまり
「私だけが紅茶を飲めぬはずがない……紅茶も一緒に持って行く……」
となるんですね。
それは浅ましすぎるww
>>791 かつてのフォルカとヤルダバオトがまさにそういう「魅力」だったんたよ……
だからC3プレイヤーはOG外伝フォルカ&ヤルダバオトのC3ばりの強さを喜んだ。
偶然飲んでた紅茶吹いたじゃねぇかwwww
俺の安いティーパック紅茶返せ!!wwwww
ティーパックなど邪道だ!!
>>791 しかし空気を読まない最強さは冥王の魅力の中でも大きいのは事実なわけで
それに、戦闘力の乏しいミオ達がいかにユーゼフォンを倒すか
と
戦闘力の乏しいミオ達がいかにユーゼフォンを倒した冥王を倒すか
では大差ないと俺は思う
ま、面白ければどんな道でも良いさ
実はネオグラはビームサーベル一突きで死ぬぞおおおおおお!
なんて事にならずにディス・ユーゼフォンとガチでやり合ってくれれば他には何も要らない
コーヒーがこれからラスボスに・・・という道も・・・あるあ・・・ねーなwwww
フォルカがすっかりOG外伝仕様になっちゃってC3しかやってない俺涙目。なんやねん覇龍って
外伝のヤルダバオト、ところどころ赤くて何だか中途半端に神化したみたいであんまり好きじゃないんだが
>>793 そういえばコーヒーにはまだそれがあったな
サイコフレームでも手に入れていればユーゼスの魂を連れ去ることも不可能では……
精神崩壊したユーゼフォンをどうするかという問題が残るがなww
しかし本当にネオグラがゼスト圧倒したら本当にユーゼスの立場というか
ここまでの話が全てピエロ化してしまうので自重して欲しいわな
あとシュウも調子こいて余計な介入してくるのも勘弁
そもそもネオグラ、ゼストとかみたいに因果律を操作できるわけでもないし
ユーゼスの精神面の隙をついて、とかいう展開なら……むしろ可能性高そうだな
今のユーゼスは悟ってるようで結構危険だ
でも冥王も脆い一面を持ってるフシがあるんだよな、かなめとの接触シーンとか見てると
別にネオグララスボス化でもいいと思うけどな
803 :
それも名無しだ:2008/06/19(木) 20:14:14 ID:vlzQnkN7
正直、ネオラスボス化はつまらん。
それこそ今まで積み立てた分蹴っ飛ばしていきなりラスボスポジにつかれても本気で困る。
第一、ここまでやって強化したゼストを、シュウ一人が力で生まれたネオが倒すとかいくらなんでも……
ゼストの体を乗っ取って復活したゾフィーがラスボスとか
思い返せば色々怪しいところがあるしw
というか。
どんな風になったらいいか今ここで言うべきじゃあない
それだけ次のSSの展開を摘み取る可能性があるし
気持ちはわかるんだがおとなしくキャラ語りでもしないか
ゾフィー「ユーゼス・・ユーゼス・・・共に行こう」と光の中から登場
兄さんの歌と共に光臨されるわけですねw
・・・・どんなに神がかった登場をしても最期は頭が燃えてカラータイマー
突き刺されてる兄さんが安易に想像できてしまう(´・ω・`)
ゾフィー兄さんは、映像化されていない作品だと途端に強キャラに変貌するからなあwww
漫画といい小説といい、兄さん超強いし、スパロワでもいいところをもっていってくれるぜw
なんと言うんだろうか…「ウルトラ兄弟屈指の実力者であるゾフィーが手も足も出ずに敗れるなんて!」
という演出の為に負ける役を押し付けられているんだろうけれどね、ゾフィー。
>>803 ネオグラが勝てないとなると、後はヤルダバが勝てるかどうかしかないんじゃ……
>>806 違うよ、ゼストが追い詰められて後一歩のところで現れて
メビウス最終回のごとくとどめの一撃にだけ参加するんだ
そしてエンディング、光の国に帰ったゾフィーが兄弟達に一言
「 ユ ー ゼ ス は 私 が 倒 し た 」
キャラ語りって次誰だっけ?
確かハ行辺りだったはず
今話題の数割を独占してるあの方じゃなかったかな?
ハマーン様か。そんなに独占してたかな……
……まあ、そろそろ真面目にパプテマス様を語ってみるとしようか。
しかし真面目にといってもこいつ……コーヒー以前の最初からずっとお笑い担当のような気がするんだがw
なんでこんなネタ一色のキャラになってしまったんだw
キラの師匠になったあたりからじゃないか?
ダンガイオーという強くも弱くもない機体を手にいれたのも原因だと思う
ダンガイオーは割と強いだろ。
というよりMSとかをはじめとするリアル系に比べると
総じてスーパー系は強く設定されてる気がする
ガイキングが強かったのにびっくりした記憶がある
>>815 スペックが高くても使いこなせなくては意味がない
ニュータイプ能力でちょっとだけ扱えるダンガイオー、これを微妙と呼ばず何と呼ぶ
ダンガイオーは弱くは無いんだがとんでもなパワーが無いからなあ
原作アニメでもギルと相打ちっちゃってるし・・・
サイキック能力の無い搭乗者じゃ本領発揮も出来ないしねえ
本来四人乗りの超能力者専用マシンだからなぁ。
>>818 あれは、むしろリベンジを果たしたギルの執念を評価すべきだと思う。
そういえばSHOだとラスボス戦突入直前にユーゼスの目の前で装備確認やメンバー変更出来たんだよな
全部終えるまで随分待たせた記憶がある
おかげでもしシロッコが決戦前に紅茶飲ませろとか言い出しても許可してくれそうなイメージがw
なんだその心残りの清算はw
鉄也がガイキングでキラやゼオラを殺戮してる時にメチャクチャビビって気配殺してる様子想像すると面白くて仕方がない
死んだフリが空気化の始まりであり、ネタキャラ化の始まりでもあり…
久保・ミオに連携攻撃の指示してるシーンで、
なんかキラとゼオラを手玉に取ってたあの頃を思い出したの俺だけか
久保が壊れてた頃は、ゼオラを利用したり命惜しさに見捨てたりしたのが
いつバレてくびり殺されるのかと思ってたが、なんだかんだでバレもせずに平和に落ち着いたなw
現在の対主催の格とか最終決戦の緊張感をコーヒーが一人で落としてるような気がするのは考えすぎかw
主にネタ・ギャグ的な意味合いでwww
まあ、ネオグラは元に戻るかもしれない、て弱点あるし
誰がラスボスでもどうにかなるんじゃないか?
と、今気がついたんだが。
ネオグラって今完全回復してるけど万一元に戻った場合って損傷どうなるんだろう?
>>825 完全回復したんだから、グランゾンに戻っても元々の損傷がぶり返す、ということは無いと思う。
そういえば、マサキがブイブイいわせているグランゾンも、ちょっと前まではコーヒーが乗っていたんだよな。
あの頃は、ここまで強力な機体には見えなかったんだぜww
元に戻ればもう動かないって可能性もあるぜ?
ネオ化で力使い果たしてな
俺は第四次とかEXの印象からかグランゾンは攻撃力高いけど後は微妙、って印象しかないんだよなw
あの頃のグランゾンって回避微妙・防御微妙・バリア無い・シュウも防御系精神ほぼ無いだったし。
EXでグランゾンに糞弱い補正がかかってても、裏技でネオ化させれば無双になる。それほどネオグラは凄い
まあ、所詮は裏技だ
通常のスパロボで仲間になったなら、他の機体が敵から味方になって弱体化することを考えると
HPとか10分の1くらいまで抑えられてそうなw
裏技って言っても
PARとかの類じゃないぞ。
あくまで仲間になったとき用に設定された能力で無双できるってこと。
改めてコンプリートボックスの攻略本見て圧倒的だと思った。
魔装機神で味方になった時のネオグラはかけらも自重してなかったがな。
ネオグラ以外の最強武器がサイバスターの乱舞の太刀と
ザムジードの五郎入道正宗で初期攻撃力4500なのに
ブラックホールクラスター5500の祝大砲7000てなにさ。
しかも両方ともMG(魔装でのEN)消費なし、プラーナ消費なし、
弾数20で気力+5から撃てるとか。
なんにしてもネオグラはいつもみたいに調子乗らず空気読んで
最低限くらいは自重してほしいけどな
機体が機体だけにどうも不安で仕方ない
ここまで来たからには自重せずに行ってほしい気もするような。
そもそもゼストが自重して弱体化されたからなぁ
すまん。上の発言は忘れてくれ
どうやら俺は第四次の最終話のがっかり感を思い出してしまったようだ
よく考えたらどんな展開でもいくらでも面白くできるだろと思い直した
こんなこともあろうかと、シロッコがグランゾンに爆薬を仕込んでおきました
絵版のディストラに惚れたので中の人図鑑投下
イ ,. .-∠. .-ー. .- 、 __ /
/:{/: ::/ : : : -:ー.‐:--_‐ ´
_ {:.rー く _ :ー: :--: : :_: 二二ヽ、
/:r:< ` :ー..- 、... ー:.、`:ー 、 `
ノイ:\: .\: 、:_`:.ー: 、: . ヽ:.. : {:.. : }:}
/ィ . {:{ト、: ..\ー ニ、_>ヽ、_ー-ヽト、:{ _
// {:{: :l l! -弐_ーヽ_ィ:ォテナヽーヽく:::ーミ二´
l′ ヽ}: トヽ代:ィハ´ヽ  ̄` ヽトト }::::::::}jノ
ノ'´ト:トト ̄ く l!イ::l::r '
ノノ从 f=ヽ _ ∠Lイ:Lーァ
/ /ハ::\ ー_' ヽ ̄ ̄ ̄ ̄〉´
′`ーj}ヽ / 〉 / _ -,_
/ ー 丁!‐ ´ ノ _ ィ -_〉 -‐ァ7-/ / `ヽ
` ー- 、 / ,} く、 / / / / / / /ヽ.|
_. ィァ V/ 〉 _jヘ _//´ィ / / / / / ヽ!
_ノ / /_ノ_ r ニ / ィ7ヽ {-'-{ i / /⌒ヽ
r 7/ i j/ _ _ -{ {´ ノ}  ̄ j i { | riハ
j r{!| /jヽ{⊥、/jヽ.V´ ー' く _ /ノ、_ l |l{ ヽ
{ ! !j |! j´ V }/_ - j/ l l ̄, -、― ‐ l l ヽ、 ヽ
V jー' ― ト-r'/_ - / / l ノl\ ヽ ー、ヽー ト、
|ヽ/ | - ヘrV / `T / \ ⌒ヽ、` ' \
名前 クォヴレー・ゴードン
愛称 久保 フラグクラッシャー そマブ
声優 アイマスのプロデューサー
登場作品<第3次スーパーロボット大戦α>
第2話「ルール説明〜開始」より登場。その立場上ユーゼスにはかなり嫌われており、
記憶を奪われる等の執拗な嫌がらせを受けての参加となった。
序盤はブライサンダーに搭乗。自動車・バイクの弱機体コンビとしてトウマと行動を共にする。
また、マサキの襲撃という窮地を救ってくれたイングラムの声に既視感を覚え、
記憶の手掛かりを求めて彼との合流を目指す。再会は叶わなかったが、その遺志の下に
集まったリュウセイらと共に、ゲームの破壊を目指すこととなる。
感情で突っ走るトウマを冷静にサポートする反面、内心では記憶がないことに焦りと不安を
抱いており、中盤以降は次第にトウマら仲間達に無意識に依存し、彼等を守ることに
執着するようになっていく。
やがて首輪解除の手掛かりを求めて向かったG-6基地でトウマが死亡。悔恨と憎悪で
精神不安定に陥っていく中、間を置かず第4回放送にて別働隊の全滅を知る。
さらに仲間に加わったガルドがマサキに殺され、イキマとも引き離されたところへ
ミオとヴィンデルが記憶の鍵を握るディス・アストラナガンと共に接触。
だが情報の錯綜により己の愛機をデビルガンダムだと思い込んだため彼らを敵と誤認。
また別働隊殺害の疑惑を向けられたシロッコの行動が引き金となり、狂乱のうちに
ヴィンデルを虐殺。極度の疑心暗鬼と仲間を失う不安、記憶の混乱からついに精神の
均衡を失い、イキマを生かし他の参加者全てを屠るための暴走が始まった。
ちなみに奉仕マーダーの暴走というパターンはゼオラと似ているが、サルファ版の彼女が
クォヴレーの母親的存在であることも忘れてはならない。
アースクレイドル付近を彷徨ううちにマサキ、ユーゼスと遭遇。一時は戦闘不能に陥るも、
イキマの尽力とイングラムや死んだ仲間達の魂の導きにより、記憶と精神の安定を取り戻す。
記憶を失った状態で過酷なゲームに投入されたため、徐々に以前とは異なった人格が
再形成されていったが、覚醒後は再び本来の人格に近づいた。
一方で再形成後の人格の影響も残っており、己の無力さがさらなる過ちに繋がることを
恐れるあまり前進を躊躇っていたが、ミオやイキマから物事を1人で背負い込む愚かさを
諭され、迷いを振り切る。
そして、かけがえのない仲間の存在こそが自分を支えてきたアイデンティティの証であり、
同時にユーゼスに欠けていたものだと気付いた彼は、死を以てそれをユーゼスに示し、
救いの道を拓いた。
本ロワにおいてはまさにフラグの塊であり、イングラムとの因縁→機体変形→鬱化→誤解
→暴走→記憶覚醒→ミオと合流→主催者との因縁と、途中の死亡フラグを除いたかなりの
フラグを地道に消化しての最期となった。もうフラグクラッシャーなんて呼ばせない。
あと、顔と髪色がユーゼスだったりパイスーがウルトラマン(色違い)だったりする辺りに
凄まじいネタ臭を感じる。
乙です。
それにしてもまともなAA久しぶりに見たきがする
死者名鑑乙です。
>>841 ラミアはまもとまだったと思うぞ?
イキマは大分アレだったがw
他に見つからなかったんだからしゃーねーだろw
イキマよりアレな奴なんてゴロゴロしてるだろw
バグとかウルベのAAなんて関係有るんだか無いんだかw
かなり今さらな話なんだが、クォヴレーが記憶取り戻す話でリョウト出てるよな?
その、どっちかと言えばきれいなリョウトが。
これで怨霊化ってちょっと無理じゃね?
>>845 >>679で解決
闘鬼転生の時の人数からしてほぼ全員があそこにいただろうから、
瞬間瞬間の負の感情を収集してゼストのエネルギーに変換しつつ、
ある程度強い残留思念だけネシャーマ化させてるとか俺は勝手に妄想してた
ということはプロもキラと今頃掘りあって(ry
ざんねん、ここのプロは正常(?)なプロだ
いーやそんなプロがいるわけがない
キラきゅんにシンジきゅんにきれいなリョウトきゅん
よりどりみどりだなプロ
……ってたまにはホモネタ以外の鉄也さんプリーズ
プロは意外と人間出来てないからな、だから凶悪マーダーになってしまったのだろう
そういえば三輪長官が良い霊になってたのには吹いたw
今回のプロにはボスがいるじゃないか
プロの暴走はあんな遺言残したせいでもあるから気まずい空気が流れそうだw
>>851 三輪長官も堅物軍人なだけで、時々は正論も言ってたんだぜ元はww
ゲームではかなり悪人くさく描かれてるがww
そう考えたら、合法的に人を殺せる楽園だといって嬉々としてゲームに乗る
三輪って、何かキャラ違うような
まあ、三輪に限らず最初は結構その辺いい加減だったけどな
いよいよ明日が投下日な訳だが
ここ終わったら第三次始めるのん?
第二次終わらせてからかもしれんけど、こことあそこはなんか独立してる気がするんだけど
終わる前から三次の話なんて不毛だぜ
まあただでさえ書き手不足ななわけだし、二次が終わるのを待って、
じっくりと双方の反省点を整理してからでも遅くはないんじゃない?
イキマとかハチローみたいにその時々の旬のキャラがいるからやってみてもいいかも。Z発売前後で状況も変わるだろうし。
まあ、次回が最終話とは限らないし、エピローグもあるかもしれない。
とりあえず投下をwktkしながら待とうぜ
ハ、 ∧ ハ /\ /\ /\
,{! ヾ } / !i ヽ ___/\/ \/ \/ \/ |_
. |ソハ !} jレi \
} !/¨ 〃 '{ /
ト{´{ .ハ} r'"´} !{ \ 今日の 23:30:15 ッ!
FY'弍{ }' 斥ァ`}ハ /
ヾ{:i /ノ〉` !rソ  ̄|/\/\ /\ /\
. ヽ /'f=ヘ ハト、 _/\/ \/ \/
,ノ´f\='/ノ!ヽ\._ \
/ノ !|`ヽ三イ ヽノノ `'ー-、._ /
/ r'/ | /::|,二ニ‐'´イ -‐''" /´{ \ これは期待しても構いませんねッ!?
{ V ヽ.V/,. -‐''"´ i / |/
ヽ { r‐、___ i / ∩  ̄| /\/\ /\ /\
} .ゝ二=、ヒ_ソ‐-、 i__,. '| r‐、 U \/
. | 〉 ,. -',二、ヽ. `ニ二i___ |:| l| |
|'}:} ,/|毒|\丶 i ,::'| 'ー' {
|ノノ |,ノ:::::|ト、 \ヽ ! i }`i´ r|
|_>'ィ毒::::ノ 丶 ハ し-' | ! | |
┌≦:::::::::::::/ lハ | ) U
/ィf冬::::::イ |::.. j: }lハ. |∩ '゙}
冥府に咲く花に200kmをW0が一時間かからないと記述してあるが遅すぎないか?
あと暫定ランクのサザビーってなんであんな位置高いの?
あと
グランゾン=ディス>ゼオライマー
だと思うんだが
グランゾンは最近落ち目です
ただでさえネオグラとアストラで互角疑惑もあるし
F完結編ではゲストのザコにすらピンチに陥るからな
ところで次スレ立てといたほうが良くない?
>>859 制限無しのゼオライマーはかなりの強機体だろ。
メイオウ攻撃は原子レベルの破壊力を持つ上に
次元連結システムでエネルギーは無限。
更に最大の特徴である自己修復システムは
コックピットが破壊されてもパイロットごと瞬間再生してくれる。
次元連結システムを反転させれば敵の攻撃を吸収することも可能。
何この厨設定www
永続的に動けるだけで瞬間的なエネルギーが無限なわけじゃないけどね
>>863 エンジンは永久機関なんだけれど激しい動きをしなければならない戦闘状態が長く続くと
増える分よりも消費する分の方が大きくなって最終的にはエネルギー切れを起こしてしまう。
FSSのモーターヘッドについて、FSS1巻だとこんな感じで説明されてたけれどこれに近い?
なるほど、溜め込めるエネルギー量は無限ってわけじゃないってことか
永久機関っていうとやたら強いイメージが付随するけど、確かにこの2つは別に同義じゃないな
FSS1巻って改訂前のにも載ってる?実家帰って探してみようかな
>>862 ヒント1:美久がいない
ヒント2:レプリカ
つか、あの暫定ランク、正直載せなくても良いんじゃないか?
あんまり意味が有るもんでもないし
あとさ、SSの目次の登場キャラの部分、死者の名前が赤字で表記されてるけど、あれ凄いネタばれだよね……
いいや違うねッ! それこそが『幸福』であるッ!
独りではなく、全員が未来を「覚悟」できるからだッ!
「覚悟した者」は「幸福」であるッ!
悪い出来事の未来も知る事は「絶望」と思うだろうが、逆だッ!
「こいつが死ぬ」とわかっていても、「覚悟」があるから幸福なんだ!
「覚悟」は「絶望」を吹き飛ばすからだッ!
なんでスパロボにジョジョが紛れ込んでるんだww
ランク初めてこのロワに来たときに見ただけだし気にしなくていいんじゃないか
設定だけ見ればグランゾンやディストラをぶっちぎってガイキングが最強に立つからなw
ちょっと調べたんだがゼロって大気圏離脱とかできるらしいんだが
この速度を出せる機体が200kmを一時間はやはりおかしいと思う
この部分だけでも修正するべき
>>871 ここの機体は全てがオリジナルってわけじゃない。
むしろユーゼスの作ったコピー機体のほうが多いという設定だったはず。
オリジナルと同じ性能ではないのだろうよ。
「制限速度をオーバーしているでございますです。
直ちにスピードを落としませんと首輪が爆発しちゃったりしますですことよ」
なだけかもしれんぞ
あ……もしかして予約期限切れた?
というか以前に進行状況の報告をしてもらおうという話をしていたのに有耶無耶になってしまってたな
考えたくはないがつい最近もこんな流れがあったような気がする・・・
>>867 初めて読んだときのこと思い出した
予め死ぬのが分かってなかったら手を出せなかったかも試練
覚悟は大事、うん
暫定ランクは序盤に書き手さんが大雑把な位置づけを把握するための参考程度だろうね
というかサザビーのあの位置は不自然極まりない
設定ともゲーム中の能力ともいまいちかみ合わないあのランキング
確かにあのランクは微妙だな。
マジンカイザーは上のランクに行っていい気がするし
逆にエヴァ初号機は暴走ありでも一つ下のランクの気がする。
後は、零影は搭乗者に恵まれただけであって
Gガンダムとそんなに変わりないと思うな。
サザビーなんかはジャスティスと同程度だろ。
狂機体: グランゾン、ヴァルシオン改、グランドガンダム、シズラー黒、ディスアストラナガン、ゼオライマー、マジンカイザー
強機体: ガイキング、エヴァンゲリオン初号機、ゴッドガンダム、ラーゼフォン
当たり機体: 王機、ビッグオー、ベミドバン、ブライガー、V2アサルトバスターガンダム、ダイテツジン、大雷凰、ダンガイオー、ダイモス、
ダイターン3、零影、サーバイン、ズワウス、Gロボ、ジャスティスガンダム、νガンダム、サザビー、ヤマタノオロチ、
ブラックサレナ、グルンガスト、ガンダムエピオン、ウィングガンダムゼロ、ガンダムデスサイズヘルカスタム
平均機体: レイズナー、ブリッツガンダム、フェアリオン、メカザウルス・グダ、VF-1Aバルキリー、ヒュッケバインmk-V、ノルス=レイ、
ドッゴーラ、テムジン、ザーメ・ザウ、クロスボーンガンダムX1、ガンダム試作2号機、エスカフローネ、M9、
ARX-7<アーバレスト>、ウォーカーギャリア、RX-7ナウシカ、R-1、アッガイ、アファームド・ザ・ハッター、アルテリオン
外れ機体: ファイアーバルキリー、ビッグモス、ドラグナー3型、ダイアナンA、魚竜ネッサー、スカイグラスパー、ボン太君スーツ
ご愁傷様: ボール、ボスボロット、ワルキューレ
主観でざっと暫定版を作ってみた。
同じくくりでの強さの順列まではつけてない。
何かあったら変更よろしく。SS自体にはもはや関係ないかもしれんがなんとなく気持ち悪いので。
そうだな、俺が言いたいのはそういう括りをつけること自体がいらないって事かな
だから変更も何もそんなランキングに何の意味もないと何度言わせれば・・・
ボスボロットがサザビーに勝ったようにスペックなんてそこまで気にするもんじゃないだろ
>>881 当たり機体と平均機体の括りが大雑把すぎるな。
もう少し細かく分けたいところだ。
ウィングゼロは強機体じゃね?
だからあくまで書くときの目安だと(ry
ランク付けすること自体に意味はないし、そこにこだわると創作の面白さを見失うぞ?
ウイングはゼロシステムを完全に使いこなせれば強機体に入るかも
逆にゴッドはパイロットの能力依存が強いから搭乗者にかなり左右される気がする
まぁEVAとPON、ガイキンは設定的にも強機体になってもよさげ
なんかグランドガンダムが狂機体にいるのが違和感あるんだが、デビルガンダム
の間違いかいな?
ところで、予約はどうなったのだろうか?
本人から何の連絡も無いのは困惑するばかりだ。
ロワによってはまとめサイトに載せる時作者も明記して
鳥で検索すれば過去にどのSSを投下した人か判るようになってるんだけど
作者別に追いたいって思う人は少ないのかな
>>773さんと同じメンバー… って全員か。
再予約します。明後日までには仮投下できるかも。
再予約キタ━(゚∀゚)━!
期待応援祝福して待ってます
新規トリか・・・。
疑うわけじゃないけど、予約荒らしじゃないことを祈る。
スパロボのロワなんだから
フル改造して強化パーツつけまくったジムと
無改造、精神コマンドなしのイデオンがバトルすればジムが勝つくらいでいいよ