第二次スパロボバトルロワイアル4

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1それも名無しだ
※初めて来た人はまずはここを読みましょう。
【原則】
前の人の話やフラグを無視して続きを書くのは止めましょう。
また、現在位置と時間、状況と方針は忘れないで下さい。
投下前に見直しする事を怠らないで下さい、家に帰るまでが遠足です。
投下後のフォローも忘れないようにしましょう。
全体の話を把握してから投下して下さい。
また、初めての人はまとめサイトのルールにもしっかりと目を通しておくと吉です。
当ロワは予約制です。
作品投下前3日以内に名前欄にトリップを入れ、使うキャラを宣言してスレに予約を入れて下さい。
【ルール】
EN・弾薬は補給ポイントを利用することで補給することができます。
補給ポイントは各キャラの所持するマップにランダムに数個ずつ記載されている模様です。
スパロボ上の補給機能持ちによる補給は不可です。
機体の損傷は、原則として機体が再生能力を持っていない限り直りません。
再生能力自体も制限で弱体化しています。
修理機能の効果も微々たるものです。
また、乗り換えの制限はありません。
【備考】
作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
おやつは三百円までです、ボルシチはおやつじゃないよ(はぁと)
スパロボでしか知らない人も居るので場合によっては説明書きを添えて下さい。
水筒の中身は自由です、がコーヒーブレイクはほどほどにして下さい。
これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
初めての方はノリで投下して下さい、結果は後から付いてくる物です。
作品の保存はマメにしておきましょう、イデはいつ発動するかわかりません。

前スレ
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1170806726/
前々スレ
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1161702283/l50

旧本スレ
第二次スパロボバトルロワイアル2
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1149764572/
第二次スパロボバトルロワイアル
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1149350054/
第2次スパロボロワイヤル企画スレ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1148890280/

旧まとめサイト
ttp://2nd.geocities.jp/s2matome/main.html
仮まとめサイト
ttp://srwbr2.nomaki.jp/index.html
2アルフィミィちゃんの観察日誌1:2007/04/08(日) 20:16:01 ID:kAPgDLXJ
第107話「暗い水の底で」まで
死亡者編
・『死亡者名(搭乗機)/殺害者名(搭乗機)』 キャラ辞典より抜粋&コメント
 なお順番は死亡順

・エクセレン=ブロウニング(搭乗機なし)/アインスト=ノイ=レジセイア(搭乗機なし)
 アインスト=ノイ=レジセイアに最初の見せしめにされ首輪を吹き飛ばされ死亡。
 このことによりキョウスケはアインスト達を倒しアルフィミィを解き放ちエクセレンを迎えに行くこと
 を覚悟する。

・メルア=メルナ=メイア(ジム・カスタム)/グ=ランドン・ゴーツ(ラフトクランズ)、流 竜馬(大雷凰)
 グ=ランドンに機体を串刺しにされ竜馬に機体を爆散されロワ参加者(除くエクセレン)初の死亡者となる。
 早々にテニアとの合流を果たすも彼女の目の前で死亡。このことがきっかけでテニアがゲームに
 乗ってしまいカティアを殺害、統夜も乗っているので彼女の死は報われない。

・グ=ランドン・ゴーツ★(ラフトクランズ)/フェステニア・ミューズ(ベルゲルミル)
 竜馬の大雷凰に機体をライジングメテオ・インフェルノで真っ二つにされる。
 それでも生存していたがテニアを挑発、そのまま彼女に撃ち殺される。
 だが彼の言葉は彼女の心に絶望を植えつける。

・ラクス=クライン EVA零号機)/ヒイロ=ユイ(レイダーガンダム)
 EVA零号機を操ってヒイロを追い詰め、説得しようとするも常識外れの攻撃により零号機を破壊され、死亡。
 版権作品初の死亡者となる。似た思考の持ち主であるリリーナとは遭遇できなかった。

・木戸 丈太郎(クロスボーン・ガンダムX2)/相羽 シンヤ(搭乗機なし)
 知恵と技術でサイコガンダムを撃破するものの、相羽シンヤがテッカマンに変身できるとは見抜けず、
 PSYボルテッカにてコクピットブロックごと蒸発させられる。
 彼が放送で名を呼ばれてもたいして影響がないことも考えると可哀想な死に様である。

・神名綾人(アルトロンガンダム)/テンカワ・アキト(YF-21)
 ロジャーとリリーナを奇襲するも、割り込まれたアキトにマーダーとみなされコクピットに拳を
 打ち込まれ死亡。だが、彼との戦闘で凰牙のENがなくなったためリリーナの死にも関与している。

・カティア・グリニャール(VF22S・Sボーゲル2F)/フェステニア・ミューズ(ベルゲルミル)
 テニアと再開するも、すでに彼女はゲームに乗っており絞殺される。テッカマンに殺られたキッドを
 除けば当ロワで生身で殺られた人、第一号である。なお、友人に殺されるという最後をとげた一番欝な
 死に方である。

・ジョシュア・ラドクリフ(クインシィ・グランチャー)/ギム・ギンガナム(シャイニングガンダム)
 アイビスと行動中に統夜に御大将を擦り付けられる。そのまま戦闘中にクインシィに邪魔され
 シャイニングフィンガーを喰らい機体が大破、アイビスと共に逃げるものの既に彼は爆死していた。
 なお、彼の死はラキに影響を与えるため彼女の今後が心配である。

・リリーナ・ドーリアン(セルブースターヴァルハラ)/相羽 シンヤ(搭乗機なし)
 機体をばらばらにされ連れ攫われテッカマンにコックピットの ハッチをこじ開けられ首を跳ね飛ばされる。
 おとなしく凰牙にENを供給していればもっと違った展開が待っていたかもしれない。

・ギャリソン時田(ガンダムレオパルド・デストロイ)/ガウルン(マスターガンダム)
 ガウルンと再び交戦、激戦を繰り広げるもガウルンの宗介の愛の前に敗れ去る。
 すごい執事だけに序盤でおしい人が逝ってしまったのは残念。

<<第一回目の放送で上記10名の死亡が伝達>>
3アルフィミィちゃんの観察日誌2:2007/04/08(日) 20:18:11 ID:kAPgDLXJ
・ユウキ=コスモ(ジガンスクード・ドゥロ) /ジョナサン=グレーン(ガンダムF91)
 ギャリソンの死を悲しみバサラの歌に心を癒されている
 最中にジョナサンの奇襲を受ける。機動性の高いF91を倒すため広範囲攻撃の
 G・サークルブラスターを放とうとするも生きていたバサラがいたため躊躇。
 そのままコクピットにヴェスバーを撃ち込まれ蒸発、死亡する。

・九鬼 正義(ドラグナー2型カスタム)/バーナード=ワイズマン(ブラックゲッター)
 ブラックゲッターの強襲を受け、あっさりと撃墜されてしまう。
 ラーゼフォン系は全滅、薄氷同盟最初の死者となった。


・アスラン=ザラ(ファルゲン・マッフ)/カテジナ=ルース(ラーゼフォン)
 カテジナに盗られたラーゼフォンと遭遇。
 バサラが乗っていると思い込んだまま交戦。だが、ドラグナ−系の力ではデウスエクス・マキナに
 一歩及ばずに機体を両断され敗北。最後に思いを親友に託しながら死亡してしまう。

・神 隼人(YF-19)/クルツ=ウェーバー(ラーズアングリフ)
 同行していたクインシィがエイジに襲いかかり、続いて現れた竜馬も加わり混戦状態に陥る。
 その中、クインシィ・ガロードに3人目を探せと言い押し切る形で離脱させた。
 さらに竜馬の説得を試みるも失敗。最後はクルツの狙撃で被弾、そのまま地表に墜落死となった。

・アルバトロ=ナル=エイジ=アスカ(ガナドゥール)/流 竜馬(大雷鳳)
 消えたラキを探している途中でクインシィに襲われる。
 途中乱入してきた竜馬によって一度は気絶するも意識を回復。
 壊れたフォルテギガスからガナドゥールを分離して、逃走を試みるが追い詰められる。
 最後は大雷鳳と正面からぶつかり合い敗れ去った。

・ヒイロ=ユイ★(搭乗機なし)/ベルナルト=モンシア(搭乗機なし)
 一度交戦をしたモンシアとG-6基地で再び遭遇する。
 モンシアがヘビーアームズを自爆させた結果、機体を失う。
 基地の状態を調べ、格納庫へ一応の確認しに行く途中にまたもやモンシアに遭遇。
 白兵戦で彼を追い詰めるも自爆に巻き込まれ帰らぬ人となる。
 なお彼の死を持って薄氷同盟は全滅となった。
 
・ベルナルト=モンシア★(搭乗機なし)/ヒイロ=ユイ(搭乗機なし)
 大破したヘビーアームズを有効利用しヒイロの乗るレイダーを破壊。
 しかし、外の様子をうかがいに行く途中に実は生きていたヒイロと遭遇する。
 子供と舐めた結果追い詰められて、ヒイロを巻きこんで自爆死する。

・孫 光龍(レプラカーン)/キョウスケ=ナンブ(ビルトファルケン(L))
 機体の整備にと立ち寄ったG-6基地でバーニィを発見。これに襲いかかる。
 戦闘中、ゼクス・キョウスケが現れて場が複雑化。
 そんな中でキョウスケと戦闘となり、念の暴走の果てにオーラコンバーターを貫かれて死亡した。


<<第二回目の放送で上記8名の死亡が伝達予定>>
以上、死者の説明を終わりますの。この調子でどんどん増えることを期待しておりますの。
4アルフィミィちゃんの観察日誌3:2007/04/08(日) 20:18:55 ID:kAPgDLXJ
生存者編
●小隊(最新エピソード時の場所と時刻)状況コメント
   ・『生存者名(搭乗機)タイプ分け』備考&一口コメント
   自衛協力型(自衛はするが友好的。対マーダー予備軍)
   無差別型(見敵必殺・問答無用)
   猫被り型(友好的に見えるが、攻撃の機会を狙っている)
   策士型(知略戦で漁夫の利狙い。攻撃は最終手段)
   対マーダー(マーダーは攻撃。他には協力的)
   自衛戦闘型(敵対するなら相手を殺す気あり)
   協力暴走型(基本は自衛協力的だが、状況によって暴走してしまう)
   平和解決型(攻撃されても話し合いで解決したい)


●カミーユ&ゼクス&カズイ(D-4/初日18:10)
  マサキ捜索隊・足が遅い組。経路はD-6の岩山から西進し深夜0時までにはG-6へ。
  カミーユがユーゼスに不信感を持たなければある程度問題は無いといえる。
・カミーユ・ビダン(メリクリウス)自衛協力型
  ユーゼスやベガに対しては少なくとも不信感は持っていない。
  彼のパイロットとしての腕もよく防御一辺倒だがメリクリウスは悪い機体ではない。
  だが、MK-UやZとまったく違う性能の機体なので全力を出せるかどうか。

・ユーゼス・ゴッツォ(アルトアイゼン)自衛戦闘型
  スパロワで主催者なのは伊達ではなく、アインストの力を手に入れようと画策中。
  サイバスターのラプラスコンピューターにも興味がある様子。
  周りの人間は協力ではなく利用するつもりである。

・ベガ(月のローズセラヴィー)自衛協力型
  月のローズセラヴィーを支給されENも満タンなためこの面子では一番攻撃力がある。
  ユーゼスのことを信用しているのが彼女にとって吉とでるか凶とでるか。


●ブンドル(G-5/初日18:20)
  サイバスターを駆り情報の収集中。
  一般人が集まりそうなA-1に向かい、保護するのが目的。
・レオナルド・メディチ・ブンドル(サイバスター)自衛協力型
  美しいサイバスターを駆り、対主催者のため首輪解除の情報を集めている。
  彼ではサイバスターの全能力を引き出せないが機動力もあり腕も良いので単独でも大丈夫。


●カテジナ(F-5/初日18:50)自衛戦闘型
  バサラからラーゼフォンを奪い取り逃走。
・カテジナ・ルース(ラーゼフォン)
  バサラから機体を強奪後、アスランを殺害。
  強化人間の性質がラーゼフォンにどのような影響を与えるかは不明。
5アルフィミィちゃんの観察日誌4:2007/04/08(日) 20:19:28 ID:kAPgDLXJ
●ユリカ(D-7/初日19:20)自衛協力型
  現在は補給ポイントで一人、ガイ(アキト)を待っている。
・ミスマル・ユリカ(無敵戦艦ダイ)
  現在はロジャーを見送りガイ(アキト)の生存を信じ、帰りを待っている。
  小柄な機体(シンヤ)に怯え、補給ポイント以外のD-7一帯を焼け野原に。
  無敵戦艦ダイでしかもEN、弾は実質無限なのでしばらくはなんとかなるか?


●シンヤ(C-8/初日19:25)無差別型
  痛手を負わされ安静にできる場所を求めている。
・相羽 シンヤ★★(搭乗機なし)
  機体はないがテッカマンなので強マーダーである。
  ロジャーを甘く見た結果、重傷を負い現在逃走中。


●ロジャー(C-8/初日19:25)
  依頼主は死んだがその依頼は引き継いでいる。しかしシンヤは問答無用で攻撃対象。
・ロジャー・スミス(騎士凰牙)平和解決型
  シンヤとの戦いをボロボロになりながらも乗り切るが決着はつかず。
  とりあえずはリリーナの埋葬と傷の手当を行うつもり。彼は首輪に気づくのだろうか?


●シャギア&オルバ&比瑪&甲児&バサラ(C-5/初日19:30)
  フロスト兄弟は比瑪と甲児を利用する気である。現在は甲児達の人のよさが幸いし穏やかムード。
バサラを拾った。その他にも機体をいくつか拾っておりナデシコの格納庫が充実してきている。
・シャギア・フロスト(ヴァイクラン)自衛戦闘型
  ディバリウムと合体しガドル・ヴァイクランとなることが可能。
  オルバと共に生き残るためにゲームには乗らない。ただし、他人は容赦なく利用する。
コスモの頭部を潰すことで首輪を手に入れたが、潰したことは現在甲児達には隠している。

・オルバ・フロスト(ディバリウム)自衛戦闘型。
  兄を裏切った弟の機体に乗せられるも兄弟間の信頼度NO.1である。
  MAP兵器持ちであり合体も可能なので強力な機体を運用する。
  シャギアと共に生き残るためにゲームには乗らない。ただし、他人は容赦なく利用する。

・兜甲児(ナデシコ)自衛協力型
  熱血単純な主人公。フロスト兄弟の所為で裏切られフラグを持っている。
ナデシコでは実力を発揮できない。甲板に新たに係留された旧ザクをもしかして使う気か?

・宇都宮比瑪(ぺガス)平和解決型
  とりあえず、ナデシコのオペレーターをやっている。ぺガスは格納庫に収納中。

・熱気バサラ(プロトガーランド)
  シャギアに故障した機体ごと拾われる。
意識がはっきりとしない状態でフロスト兄弟の会話を聞いており、今後どう作用してくるかが見もの。
ただし、現在は喉を潰しており、歌はおろか話すことさえままならない。
6アルフィミィちゃんの観察日誌5:2007/04/08(日) 20:20:00 ID:kAPgDLXJ
●ゴステロ(H-2/初日19:30)
  アムロと交戦中。
・ゴステロ(スターガオガイガー)無差別型
  力任せの利く当たり機体であるガオガイガーを支給されるもゼクス組、ユーゼス組に退けられる。
  半壊状態で分が悪いがガイガーへのフュージョンアウトをうまく使いこなせるかが勝利の鍵に。


●アムロ(H-2/初日19:30)
  シャア達を逃しゴステロと交戦中。
・アムロ・レイ(VF-1Jバルキリー(ミリア機))自衛協力型
  エースパイロット、機体も悪くはない(ただし赤い)。
  今のところ有利な状況下だがどうなるかはわからない。


●シャア&アイビス(G-2/初日19:30)
  核ミサイルの誘爆を避ける為バイタルジャンプでゴステロから逃げる。
  F-2補給ポイントに向かい、そこでアムロの帰りを待つ。
・シャア・アズナブル(核ミサイル)自衛協力型
  アムロと離れ離れになったが今はアイビスに盾になってもらう予定。

・アイビス・ダグラス(ヒメ・ブレン) 自衛戦闘型
  シャアとアムロにより欝ビスから脱却はできた模様。


●クインシィ&ガロード(B-3/初日19:40)
  協調性0のクインシィがガロードを振り回している。ゲットマシンなので非力なチーム。
  現在3人目の乗り手探して……いるのだろうか?
・クインシィ・イッサー(真ゲッター2)協力暴走型
  協調性0なので苦労人な人物としか組めない?
  エイジを襲い、竜馬と交戦。隼人の言うことをこれぽっちも聞かない。
しかし、機体のコントロールをガロードに奪われ納得いかないまま戦線を離脱。
おかげで不機嫌なご様子。

・ガロード・ラン(真ゲッター2)自衛協力型
  クインシィに振り回される。原作でもこんな感じ。
  チームワークが必要なゲットマシンに乗っているので彼がティファの元に戻れるのは絶望的か?
現在機体のコントロールを得ているものの多分奪い返されるだろう。


●リョウ(C-1/初日19:40)無差別型
  仇敵である隼人と再会。しかし、復讐を果たす寸前に横やりによって隼人を殺され怒り心頭中。
・流 竜馬★(大雷凰)
  元の世界に戻り隼人や早乙女博士を殺すためマーダーとなる。
現在は体も機体もぼろぼろの状態で、隼人を殺したクルツを追跡中。
真ゲッターはほっといていいのか、竜馬よ。
武蔵との再会した場合どうなるかは未知数である。
7アルフィミィちゃんの観察日誌6:2007/04/08(日) 20:20:36 ID:kAPgDLXJ
●ガウルン(C-5/初日19:40)無差別型
  気力115。アキトを堕落させているものが何か探る。
・ガウルン(マスターガンダム)
  ギャリソンを殺し、DG細胞により癌も克服した。
  現在のターゲットはアキトの矛盾元(ユリカ)だが他に参加者を見つければ攻撃を仕掛けるだろう。


●アキト(C-5/初日19:40)
  ユリカの元に戻るため、機体と体がぼろぼろにもかかわらずD-7に移動中。
  現在補給の傍ら、食事中。
・テンカワ・アキト★(YF-21)自衛戦闘型
  D-7に戻っている最中ではあるが機体と体の両方がぼろぼろ。
  ガウルンに狙われているが最優先で狙われているわけではない。味覚が無くて良かったね。


●クルツ(C-8/初日19:40)
  エイジの無事を祈りつつ竜馬から逃走中。目視は遮ったので逃げ切れそう?
・クルツ・ウェーバー★(ラーズアングリフ)猫被り型
  隼人を狙撃で仕留め、エイジの離脱を手伝い、竜馬から逃走中。
  エイジの死亡を知らない。状態表を見る限りラキを探す気はまだある様子。


●ギンガナム(H-8/初日20:00)無差別型
  気力80。ラキに逃げられ萎える。
・ギム・ギンガナム★(シャイニングガンダム)
  ENも補給し準備は満タンだが満足する戦いが出来ず気力は底辺。
   

●キョウスケ&ゼクス&カズイ(G-6 /初日20:50)
  マサキ捜索隊・足が速い組。チームは組んだばかりだがパイロット二人の腕は良い。
現在内部分裂の危機を孕んでいる。
・キョウスケ・ナンブ★(ビルトファルケン(L))自衛協力型
  エクセレンを殺されたにも関わらずマーダー化せず、打倒主催者とアルフィミィの開放を目指す。
孫光龍を撃破したものの、AI1の起こした行動に対して疑念を抱き始めている。
  ビルトファルケン(L)は分の悪い機体ながらもよく扱っているといえるだろう。

・ゼクス・マーキス(メディウス・ロクス)自衛協力型
  機体が愛機トールギスと性能が酷似している当たり機体。パイロットの腕もいい。
しかし、機体のコントロールを乗っ取られている。
  カズイを後ろに乗せていることはAI1の暴走も含めて先行きのわからない不安要因。

・カズイ・バスカーク(メディウス・ロクス)猫被り型
  彼単独ではマーダーに刈られるだけ。
  AI1のプログラムを起動させた為、大惨事が巻き起こる危険性を持っている。
  ちょっと調子づいてるよ、この子。


●バーニィ(G-6/初日20:50)
  気絶中。
・バーナード・ワイズマン★(ブラックゲッター)無差別型
  ゲッター線目当てのAI1の攻撃を受けた結果、機体は実質大破。
  同時に気絶する。ちなみに彼の気絶は本日二度目、戦績は一勝三敗。
  それでも生きているあたり悪運がかなり強い。
8アルフィミィちゃんの観察日誌7:2007/04/08(日) 20:21:08 ID:kAPgDLXJ
●ラキ(G-8/初日21:00)
  目的地は無いが何かできることを求めてアイビスを探している。
・グラキエース(ネリー・ブレン)自衛戦闘型
ジョシュアの仇であるギンガナム、統夜と立て続けに遭遇。
しかし、仇であることには気付かなかった為か戦闘にまでは及んでいない。
  負の感情を吸収する体質の持ち主だが、現在のところ精神は落ち着いている。
放送直後など負の感情を過剰に吸収すればどうなるかはわからない。


●統夜(G-8/初日21:00)
  朝までひとまずは交戦を避けて休憩中。
・紫雲統夜(ヴァイサーガ)策士型
  ラキとの接触で放送後からの迷いがより大きくなり、どう転んでもおかしくない状態になりつつある。
テニアを探すつもりだが、見つけたときどう動くかはまだ決めてはいない。
良機体でもあるのでそこそこ生き残れそう。


●ジョナサン★(B-4/初日21:25)
  現在B-4補給ポイントで補給し、C-6で待っている筈のキラの元へ移動中。
しかし、キラはすでにそこにはいない。
・ジョナサン・グレーン(ガンダムF-91)自衛戦闘型
  クインシィを探すため自衛戦闘型。ただし、彼女が死んだ場合はマーダー化するつもりである。
  JアークからF-91に乗り換え、鬱憤晴らしに他の参加者を殺すへたれ。


●キラ&テニア&ムサシ&マサキ&シロ&クロ&ソシエ(C-6/初日21:30)
  全体的な関係は基本的には悪くない。ただしキラはテニアを若干疑っている。
  現在の行動目的はVF-22の回収とダイの攻撃。しかし、相手が同じ対主催派だということを知らない。
・キラ・ヤマト(Jアーク)対マーダー型
  放送後、暴走する事無くロワ脱出を目指す。
  半ば無理やりにJアークに乗り換えさせられたが、相性はいい感じ。
   
・フェステニア・ミューズ★★(ベルゲルミル(ウルズ機))猫被り型
  彼女自身の戦闘能力は高くはないが猫被りマーダーとしての器量に期待できる。
  統夜を殺す事も今では構わないと感じている。
カティアの墓の近くに戻ることを内心そう思っているのだろうか?
そして、そのカティアの首輪を隠し持っている。

・巴武蔵(RX-78ガンダム)
  彼はテニアの涙に騙され利用される運命である。
  反応弾にビビッてる。

・マサキ・アンドー(なし)自衛協力型
  方向音痴なのでサイバスターには追いつけない。
  しかし、驚いたことに迷い迷ってマサキ捜索隊後発組の捜索経路に戻ってきた。
ユーゼス組が現時刻までにC-6を通過してなければ接触も十分ありうる。

・シロ&クロ(なし)自衛協力型
  マサキのオプション。彼らがいてもマサキの方向音痴は変わらない。
  マサキが死ぬと彼らは消滅する運命である。クロが小石を銜えているが多分意味は無い。

・ソシエ・ハイム(なし)自衛協力型
  ドスハードを失い、生身で動いていたのが運の尽き、エビルに間違えられ攻撃される。
  右足は折れたもののそれでも生きていて、マサキに助けられた。
勝気な性格なので状況によっては怪我を押して飛び出しそうでハラハラする。

以上、時系列順に三十六名と二匹の紹介と状況説明を終わりますの。
9それも名無しだ:2007/04/08(日) 20:25:00 ID:kAPgDLXJ
観察日誌投下終了。
微妙にずれてる……。
10それも名無しだ:2007/04/08(日) 21:22:46 ID:pDkkjufu
乙というのも私だ
11それも名無しだ:2007/04/08(日) 21:34:20 ID:O6P5qzer
乙&GJ!
今回は邪魔が無ければいいな!
12それも名無しだ:2007/04/08(日) 21:55:38 ID:xo1bb+1D
騎士乙牙、ショータァーイム!
13それも名無しだ:2007/04/08(日) 22:45:55 ID:4QkUhsfm
スパロボ呂は糞。
14それも名無しだ:2007/04/09(月) 13:35:45 ID:7lJtBqnj
>>1
現在テニアとシンヤがトップマーダーか……
ここからどう転がるかが中盤の見せ所かな。
とりあえずキラ一行とユリカの誤解フラグが気になるぜ!
15それも名無しだ:2007/04/09(月) 13:56:38 ID:NYgS+Hw+
>>1
乙!
でもところどころ間違ってるよ。
『カミーユ&ユーゼス&ベガ』が『カミーユ&ゼクス&カズイ』になってるのと、何人かタイプ分けが抜けてる。
あと、ヒイロ・カテジナ・ガウルンにそれぞれ★一個追加かな。
とりあえず気づいたのはそんなところです。
16それも名無しだ:2007/04/09(月) 19:59:59 ID:Du7w0w77
非難所で誰かが言ってた過去作の感想つけていってみない?
携帯まとめに合わせて0〜30話・31話〜60話・61〜79話・80話以降で1日たったら次みたいな感じで
どれか1話だけの感想でもいいし、30作まとめての感想でもいいし
17それも名無しだ:2007/04/09(月) 20:33:44 ID:O9ObWnZS
>>16
感想付けば少なからず書き手の皆さんにやる気が出ると思うしいいとオモ
でもあんま人いなそう…
18それも名無しだ:2007/04/09(月) 23:15:49 ID:tmwua+pV
>>16
やってみるのは面白そう
自分も書き手なんで評価されたら嬉しい
書き手個人への評価ってのも良いかもしれないし
>>17
まさかアニロワセカンドに流れてたり…なんてことはないと思いたい
19それも名無しだ:2007/04/10(火) 18:25:33 ID:h0hHV56X
いや、こういう企画が無いからレスが伸びないだけで、潜在的な住人はぼちぼち居ると思うよ。
過去作感想付けは賛成。今日と明日は0〜30話の感想付けにしようぜ。
とりあえず今から過去作読み返してくる。細かいフラグだとかの再発見も出来そうだしね。

作品がなかなか完成しないときこういうの嬉しいぜ。
過疎ってると満足しない出来のままでも投下しないといけない気分になるもんなー。
20それも名無しだ:2007/04/10(火) 21:29:41 ID:jwwpRz2T
とりあえず読み返してきてみたということで、いくつか印象的だった話と全体の感想を(全部はつけられなくてごめんなさい)
こういうの初めてだから、どんなこと述べていいかよくわからなかったから変な感想になってしまった。

>Opening
アルフィミィ、大人げないなぁ。まぁ、大人じゃないけど。
ロジャーはこのごろからキャラ立ってたんだなとちょっと驚き。
主催者に意見したロジャーとテニアの立ち位置が今じゃ全く違っているのが皮肉だなぁと。
あとは首輪って強い衝撃与えると爆発したんだな。書き手だけど見落としてた……。

>10話「赤い彗星」
>28話「Impact of The Red」
シャアとアムロ面白すぎ。それに生き生きとしたキャラを描けるのは正直羨ましいなぁと。
ここでロワにおけるシャアとアムロの印象を強烈に読み手に植え付けたのは凄いと思う(少なくとも自分は読んだとき植えつけられた)
ただ逆にいうとその分この二人というかシャアでシリアス感を出すのを難しくさせてしまった側面もあるんじゃなかなと。

>22話「憎悪」
本編初の死者話。それだけにきっと書き手さんもかなりプレッシャーあったんじゃないかなと。
メルアのあっけない死に方の無情さと竜馬の怖ろしさが印象的。
そして、テニア。この話があったからこそ今のテニアの狂い方があるんだろうなとも。
そう言う意味でも影響の大きかった作品だと思う。

>30話「仮面の作戦会議」
すっかり忘れてたけどユーゼスの嘘つきっぷりに笑った。
内容的には真面目な話で結構ユーゼスとベガさんいいコンビだなと再認識。

0〜30話まで全体の感想
当然、ほとんどの話が初登場話だったけど存外今のキャラの立ち位置の根元はやっぱここらの話の延長上なんだなと思ったかな。
統夜はやっぱりどこか優柔不断だし、フロスト兄弟はコメディーやりつつ黒いし。
結構大幅に立ち位置が変わったキャラってのはほとんどいないというのが、よかったり、残念だったり。
何が言いたいかというと先人は偉大だと……とまとまってないけど強引にまとめてみた。

さぁ、感想を書いてみたんだ誰か続いてくれ。
誰も続いてくれなかったらすっごい悲しいぞ。





21それも名無しだ:2007/04/10(火) 22:03:52 ID:CxvT2Pwq
読んできた
意外と殆どの話に動きが無かったのね
序盤ってこんな感じなんだろうけどな

って殆ど感想になってない…orz
22それも名無しだ:2007/04/10(火) 22:51:47 ID:h0hHV56X
なんかもう思いあまって全話感想に挑戦。途中でだれて変なノリになった。反省はしていない。

0話『Opening』
淡々とした語り口がロワらしい無常感を出している。
ロジャーなんかはOPで目立ったのが本編で良い感じに影響してるよなぁ……

1話『恋と呪い』
アキト&ユリカ初登場。
アキトの苦悩や次回への引きなど今後が楽しみな一作。

2話『DARK KNIGHT』
統夜初登場。統夜の語りと心理描写が良かった。
ロワを強制させられる一般人のポジションに期待。

3話『純真なる抗体、真紅の悪鬼』
ラキ、エイジ、クインシィ、クルツ初登場話。
キャラがらしく動いてて良い!

4話『天駆ける少女』
ヒメ初登場。富野節全開のこの子を書けるのは素直に凄いと思う。
ペガス活躍しねぇかな……

5話『月の戦神と黄金の指』
ひゃっほう!御大将最高ぉぉぉぉぉ!
憧れのガンダムに乗れて良かったね。

6話『悪の美学』
ブンドルとサイバスターの組み合わせが好きだw
ブンちゃんならではの悪役の美学に痺れた。

7話『仮面の舞踏会』
ユーゼスの小物感が心地よいのも私だ。
ベガさんとローズセラヴィーってのは中の人繋がりってのに最近気づいたw

8話『悩める少年』
カズイは一般人代表ともいえる。……いえた(この時点では)
ここでマサキと出会ったのがある意味彼のターニングポイントだったのかもしれない。

9話『魔神、起動!』
マジンガーZかっけええええ!
ガロードにやけに似合ってるよな。

10話『赤い彗星』
シャア吹いたwww
これが赤い彗星の立ち位置を完全に決めてしまったなw

11話『護るために』
アヤトクン……
悲壮な決意が切ない。つーかもし帰れてもサヨナラだったんだよねぇ……

12話『人とコンピューター』
ジョナサン調子乗ってるよこの子。

13話『若い、黒い、脅威』
モンシアおじさんと新米バーニィの対決は好きだった。
バーニィマーダー化はちょっと意外だったな。

14話『アンチボディ、二体』
助手ビスは二次スパの中でも特に好きなコンビだった。
ジョッシュ格好いいよジョッシュ。
23それも名無しだ:2007/04/10(火) 22:53:00 ID:h0hHV56X
15話『金髪お嬢とテロリスト』
カテジナさんのエロいスーツの映像化を期待しているのも私だ。
お嬢と執事とアフロチームはこのロワでも異色すぎるw

16話『ホワイトドール』
ソシエ嬢の誤解には吹いたw
二次スパって初期は明るい話大杉だよな

17話『邪龍空に在り』
孫海王の活躍が期待出来る作品。
悪しきオーラ力が出た時点で先は見えてたけどね……

18話『彼女の答え』
カティア話。
思えばJ勢の不幸は統夜の登場時期が酷く関係してる気がする。

19話『花言葉は「勇敢」』
甲児かっけえええ!
最後の一行に惚れた。

20話『……ぶっちゃけ、すっげー恥ずかしかった。』
フロスト兄弟ww
ネタキャラとしての道を歩みつつしっかりダークなシリアスも出来るあたり良いキャラだね。

21話『無題』
武蔵のダイ誤解フラグだぜ!
キラ一行vsユリカの一番の原因だよね

22話『憎悪』
メメメええええええ!いや、メルア好きだったんだ……。
テニアがダークサイドに堕ちたり絶望がはじけすぎてたりw
竜馬の圧倒的な強さも凄かった。上手いなー。

23話『情け無用のロンリーウルフ』
キッドのキャラは良かったなぁ……
J9メンバーが他にいればまた違ったかもわからんね。

24話『人間様をなめるなよ』
隼人渋いよな……と思ってたら
>「俺はボインちゃんが好きなんでな……敵は討たせてもらう。化物め」
この一文で不覚にもwこのセリフが言わせたかっただけだろw
24それも名無しだ:2007/04/10(火) 22:56:44 ID:h0hHV56X
25話『心に、悪魔宿りて』
シンヤ始動。サイコってのがまた……

26話『Power trip』
ゴステロ様大暴れ。ゼクス、カミーユを相手に優勢なんてこの頃のゴステロは輝いてた。
実はこのタイトル、カズイの今後を暗示してるね。

27話『マジンガーZvsゲッターロボ!』
タイトル格好いいなー。
ガロードは真ゲに対して善戦したよ……ただ相手が悪かったね☆

28話『Impact of The Red』
アムロ対光龍は序盤の名バトル。
後半のシャア・アムロの漫才は名コメディw

29話『ウルズ6』
クルツの傭兵らしい思考が良かった。
でもラキの天然にはかなわないなw

30話『仮面の作戦会議』
この仮面コンビもなかなか。
脱出に向けて最初に具体的に考え出したのこいつらなんだね。
いよいよロワも動き出した、という感じ。

全体的に、初登場で立ち位置決めただけ、ってのが多かった。
序盤から絡んでる連中は結構良いコンビばっかり。
序盤は書いてなかったから全話感想いけたけど自作入り始めたら書けなくなるな……

後続の人はこんな馬鹿のことは気にせず、単発で良いからガンガン過去作感想書いてくださいねw
25それも名無しだ:2007/04/11(水) 01:17:24 ID:2x4h5REa
他の人の感想とかぶるし一話一話つけていくのは自分には無理だけど

ユーゼスとベガの仮面コンビ
シャアとアムロの漫才コンビ
ガロードとクインシィのお姉さんと一緒組
フロスト兄弟のナデシコ組
金髪お嬢とアフロと執事
ジョシュアとアイビス

他にも0〜30話からは外れるけど
交渉人コンビ
テニアと武蔵

初期は本当にいろんな魅力的な組み合わせが数多く誕生していったのがすごいと思う。
26それも名無しだ:2007/04/11(水) 14:29:28 ID:BroC+M6u
              ,. -.:'':":~: ̄:¬ー- ,,_
        _,,,....... -┘: : : : :‐:=.ニ二_⌒ ' ーヽ、
     /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ー-、   `
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  /.;.;.;.;.;.;.;.;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,ィミ、イ l.:.!l:.:.:.l:.:.:.:.:.:.: : . ヽ:.ヽ   名前:神 隼人
  /.;.;.;.;.,/=V.:.:.:.:.:,イ/叉`ヽ/イ !:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :. lヾ:、  愛称:隼人
 /.;.;.;.;.;.ll / /.:.:.:.:./ -_  >へ ノイ:.:.:.;リ.:.:.:.:.:.:.:.:. l ヽ  声優:内田直哉
/.;.;.;.;.;.;.;.l! V{:.:.:.:.:.'ー-z       V/イ.:.:.:.:.:.:.: !.:.l   !
,:,:,:,:,:,:,:/`7オ-―¬ ̄    __ ,ィ___/.:.:.:.:.:.:. ハ:.:!
.;.;ィ;.;.:/  / |‐_     _   /-‐テ.:.:.:.:.:.:. / !:.:!
/ |:.:/  /ミ ト、-      ,,,__`/  /.:.:.:.:.:. / /:/
\!{   l ミ   >、      /  /.:.:.:.:. ; '  〃
\ \ l ミ     >- ,,,___/  /.:.:.: / /
  \ \     ,く\      ノ:.: /

登場作品:真ゲッターロボVSネオゲッターロボ

24話『人間様をなめるなよ』から登場。YF-19を支給される。
対主催を胸に二人以上で行動している参加者との接触を目的に行動を開始する。
その後、しばらく足取りは途絶えるが、ジョシュアと御大将の戦闘の上空に現れこれを記録する。
同時にゲットマシンを確認。現場に急行した結果、クインシィとガロードと接触する。
自身は古傷の影響から満足に機体を扱えないことから、ゲッターの扱いを二人に教授。
そこに近づいてきたエイジにクインシィが襲いかかったため、戦闘となりやがて混戦へと発展する。
5機6人が入り乱れる戦闘の中、クインシィとガロードを離脱させ、チェンゲ世界の竜馬と対峙したが、
クルツの長距離狙撃によって被弾し、地表に墜落死した。
出典元ではネオゲッターの開発を成功させており、首輪の解析・解除に大きな力となる人物だっただけに
退場の悔やまれるキャラであったかもしれない。
27それも名無しだ:2007/04/11(水) 23:09:29 ID:L7IWxpsu
>>26
久々の死者図鑑作成乙!
俺も感想書いて少しぐらい貢献するかな……
28それも名無しだ:2007/04/12(木) 20:08:42 ID:50Aus6js
今日は31話〜60話でいいんかね?
一日ずつでやっちゃっていいのかな?

31話『歌と現実』
ヒイロの思考と作戦がらしくて良い。
つーかスパロワではエヴァシリーズってあんまり活躍できないよね……

32話『闇色をした『王子』さま』
短い話ながらもユリカと黒アキトという結構難しいコンビを描けてる。
だが二人が出会うこと自体が死亡フラグのような気がしないでもない。

33話『The two negotiators』
ロジャーとリリーナの掛け合いが絶妙。
九鬼とのバトルも緊張感有っていいね。

34話『ブレンとグラン』
ジョシュアとブレン系の組み合わせの良さは異常。
据え置きOGとかで助手が出ることがあれば是非白鳥氏に声を当てて欲しいものだ。

35話『美しくない』
ブンドルw
確かにダイの見た目は仲間集めにゃ向いてないよな……

36話『武人ギム・ギンガナムの独白』
御大将は本編より生き生きしてますね。

37話『始まりの葬送曲』
バサラーゼフォンktkr!
アスランもキラも何かと悩むあたり実にロワ向きだ。

38話『そして騎士は走り出す』
統夜君はスルー率の高さが異常。
確かに御大将が叫びながら移動してたら近寄りたくないけどなw

39話『追悼』
ラクス埋められ話。
今だから言うけど歌について触れて欲しかったです。

40話『黄色い幻影』
綾人君が見た幻も今となっては……
奏者覚醒を期待した時期が俺にもありました。

41話『お姉さんと一緒』
くそう!ガロード羨ましすぎるぞこの野郎!
俺も依衣子姉さんにシチューふうふうしてもらってからあーんって(ry
でも黒い面もしっかり書けているあたりGJとしか言いようがない。

42話『貫く、意地』
キョウスケかっけえええええ!
赤ファルケンなんて分の悪い賭けにも程があるぜ!

43話『インターミッション』
五人を上手く繋いでくれた良作。
そしてカズイの暴走もいい感じだぜ!

44話『狂宴』
チャージなどさせr(ry
ユーゼスとベガさんのコンビは頭脳プレイも機体能力もあってかなり強力。
機体だけならゴステロもまったく負けてないはずなんだが……
29それも名無しだ:2007/04/12(木) 20:11:54 ID:50Aus6js
45話『盤の上で駒は計略を巡らせて』
フロスト兄弟の黒さが光る一作。でも最後の一言で台無しかもしれないよ兄さん。

46話『一応スゴい人達』
シャアがギャグキャラになったり黒くなったり……
でもやっぱりこいつらのカリスマ性や戦闘技術、経験はこのロワの中で大きな武器になるよな。

47話『はじめてのしゃいにんぐふぃんがー』
御大将つえええええええええ!
読んでるこっちも気力が上がった気になるから不思議w

48話『楽勝!』
バーニィ頑張れ超頑張れ。心理描写の繋ぎがあるからこそバトルが輝く。GJです。

49話『髑髏と悪魔が踊るとき』
個人的に二次スパバトルベスト3に入る力作。キッド格好良いよ……でも相手が悪かった。

50話『閃光』
あ、ヒイロとモンシアさんの因縁ってここから始まってたのか……
どちらも熟練の兵らしい戦い。こういうの好き。

51話『核ミサイルより強い武器』
テニア黒化を決定づけた一作。
武蔵はなんかもうご愁傷様。

52話『東北東に進路を取れ』
正義の主人公してるキラってなんか新鮮。
ジョナサンツンデレw

53話『死活問題』
シンヤの制限だとしたらこれほど上手いものも無いだろう。
短い話に色々つまってる繋ぎってすごくありがたいよ。

54話『淡い記憶と、現実』
統夜……J勢の報われなさは鬱過ぎる。

55話『迷いの行く先』
アスランといいヒイロといい良い感じにロワに囚われ始めてる。
引きがいい感じだな。

56話『殺意は昏き火が如く』
隼人への憎悪に燃えるリョウ。出展作の違いが面白い方向に作用しそうな一作。

57話『カフェタイム―あんたらつくづく…―』
カテジナさんコーヒー飲んでるー!?
最近の放置具合を予見していたわけじゃあるまいな……

58話『気になる、あの子』
アキトユリカの空気が良い。

59話『我が道を往く人々』
おおーうガウルン……こういう気まぐれ生粋マーダーの書きやすさは異常。
こういう補完型の話ってロワが深くなるから好き。

60話『薄氷の同盟』
薄氷同盟結成!
仇が目の前にいたり出し抜く気満々だったり面白すぎる組み合わせ。

調子に乗ってまたもや全話感想。というか感想になってないのは許して。
30話ずつだとすぐ終わるから10話ずつくらいでいいかなあと思ったり……
30それも名無しだ:2007/04/12(木) 20:33:38 ID:2U2aS0PY
31〜60話の感想いくつか見繕っていきます。ごめん、全話は自分には無理。

33話「The two negotiators」
ロジャーとリリーナのコンビ結成話。
ロジャーのスタンスがオープニングとこの話で不動のものになった気がする。
何より凄く好きな話。

34話「ブレンとグラン」
動きのない話ではあったけどそれほどぎくしゃくもせずにいいコンビだったなと思いださせられる。
自分の頭の中ではこの話の後IF 10話「流星の決意」があったことになってたり。

41話「お姉さんと一緒」
ガロード、この羨ましい奴め。かわってくれ。

44話「狂宴」
仮面コンビが息ぴったりでいい感じ。
そしてこのころからゴステロに土が……。

45話「盤の上で駒は計略を巡らせて」
フロスト兄弟、こいつら黒いよ。
黒いけど絶対どっかミスしそうな雰囲気がたまらない。

47話「はじめてのしゃいにんぐふぃんがー」
御大将、突き抜けすぎ。
>『貴様!そんなにパワーアップが好きかぁぁぁ!』
>『好きさ!』
>『実は小生も大好きだぁぁぁぁあ!』
このやり取りが大好きです。


49話「髑髏と悪魔が踊るとき」
第一回放送までのベストバトルだと個人的に思ってる。
緊迫感漲るいい戦いだった。
こんな戦闘シーンが書けるようになりたい。

54話「淡い記憶と、現実」
統夜のやりきれなさや割り切れない中、三人娘を思い出すのが切ないなと。
救いのない話の中のちょっとだけ言い話に弱いんですよ。

31〜60話全体
ほとんどのキャラが二度目以降の話になって各地で戦闘が割と頻繁に。
その分いろんな味のある戦闘が行われていて面白かった。
死者がほとんど出なかったのが残念といえば残念だったかな。

感想って二日置きに次でいいんだよね?
31それも名無しだ:2007/04/12(木) 20:46:16 ID:2U2aS0PY
>>29
自分は1日に10作ごとでも2日ごとに30作ごとでもどっちでもいいですよ
というかあまり気にせずに感想付けていってもいいんじゃないかと
32それも名無しだ:2007/04/12(木) 20:56:59 ID:Q+WZRDOK
まぁ、乗り遅れた人とかいるかもしれないしな。
別に今からだって0〜30話の感想つけていってもいい。
自由とはそういうことだ。
33 ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/13(金) 13:13:25 ID:Wn4F0BZP
ブンドルと御大将予約します
34それも名無しだ:2007/04/13(金) 22:17:12 ID:yDiyFv6f
>>33
サー、期待しています、サー!
35それも名無しだ:2007/04/14(土) 13:14:05 ID:qHY9Rmig
61話『戦場の帰趨』
モンシアさんの熟練の技術と最後まで諦めなかったバーニィの戦い超GJ。
途中で視点が崩れたのがちょっと気になったかも。

62話『混乱』
ガロードが苦労人過ぎて萌える。
最後の敵同士なのに普通に会話しちゃう御大将と統夜も好き。

63話『出会いと再会』
ユーゼス組とキョウスケの出会い。
アルトとキョウスケの再会とか小ネタも利いてて良いね。

64話『護るべきもの』
アヤトクンサヨナラ……。
ロジャーが格好良いなー。

65話『パンがなければお菓子をお食べ』
ソシエ嬢らしい行動が微笑ましい。
空腹シンヤってもしかして最弱じゃない?

66話『アンチボディー ―半機半生の機体―』
確か二次スパ最長作。内容もかなり良く、多人数を捌く能力有るのが大変羨ましい。
統夜外道まっしぐらだとかジョシュア対御大将だとか大好きです。
この書き手さん帰ってきてるのかなぁ? こっそりトリ変えて書いてるような気がする。

67話『いい人たち』
フロスト兄弟腹の中は黒いんだがやってることは善人のそれそのものw
こういう和やかなムードがあるからドロドロとした鬱展開が際だつんだよね。

68話『引き合う風』
ブンドルとマサキの出会い。
操者としてのマサキの思いが丁寧に描かれてたのが良かった。

69話『コーヒーブレイク』
コーヒー飲んじゃらめなのおおおおお!
この人の繋ぎって良質なのが多くて好き。

70話『悪運』
キョウスケの熱い思いやユーゼスの思惑が錯綜する良作。
しかしユーゼスにしろフロスト兄弟にしろマーダーっぽいけど対主催ってスタンスの人が多いね。

71話『ふりまわされる人、ふりまわす人』
ラキにしろクインシィにしろ振り回すのは女性が多い……のか?
エイジはご愁傷様です。

72話『遥か高くに翼は舞い』
ブンドルが格好良いなー。
マサキを一人にしたらダメえええええ!

73話『『歌』に振り回される人達』
ひゃっほう!カテ公最高!
ガウルンも乱入してくるわこのチームは波乱が続くなー。

74話『堕ちた少女』
うああ……テニア……。
テニアが……というかJ勢はみんなロワに囚われてるなぁ……

75話『それぞれの立場 それぞれの道』
乱戦必至な状況だなぁ……
多人数を書ける氏は羨ましい。
36 ◆C0vluWr0so :2007/04/14(土) 13:18:50 ID:qHY9Rmig
76話『血に飢えた獣達の晩餐』
実質75話と二つで一つの話。リョウ対アキト、ロジャー対シンヤと熱いバトルが続くぜ!
ソシエとリリーナかわいそうですぅ

77話『彼らの乗機は強力です』
ナデシコ組対Jアーク組。キラって対主催同士で潰し合うことが多いイメージが……。
互いに致命的な損傷は無かったもののこういう誤解は単純な損傷とは比べようがないほど重要だもんね。

78話『ガンダムファイト』
ガウルンが競り勝ったガンダムファイト。ギャリソンさんも善戦したんだけどねぇ。
この時DG細胞の扱いについて一次の教訓を活かせてたのは二次スパの良いところだと思う。

79話『第一回放送』
ちゃきちゃきって言葉を使うアルフィミィがなんか可愛い。

80話『任務・・・・・・了解』
早くも薄氷同盟崩壊しちゃったー!?(ガビーン)
でもまぁアスランだから仕方ない。

81話『煮えきらぬ者』
バーニィ……。投票したときはこういう煮え切れなさや新兵らしい不安定さを期待してたんで満足。

82話『オーガニックな機体とニュータイプの邂逅』
アムロはダメ流星やアホ彗星のお世話で大変だなぁ……。
でもこいつらにはなにかが期待できる。……気がする。

83話『殺し合い』
チョコ囓る統夜が切ない。外道なのにこういう感傷に浸るってのはギャップが良いなぁ。

84話『テニア日誌』
テニアはなんかもう凄すぎる。精神的には最強かもわからんね。
地味に首輪についても触れてるし良い作品。

85話『依頼主死すとも依頼は死なず』
タイトルが格好良いな。ロジャーはこのロワの主人公なんじゃないかってぐらいキャラが立ってる気がする。
リリーナの遺志を継いで頑張って欲しい。

86話『キラ』
正義の味方してるキラは格好良いなー。でもやってることが裏目に出てるのが不遇でたまらない。

87話『巨虫、岩を打ち抜いて』
コーヒーなんか飲んでるからそんなことになるんだぜ海王!
ハイパー化使っちゃうしここらへんから海王ヘタレ過ぎ。

88話『類(仮面)は友(仮面)を呼ぶ』
大人数の集合と分散を上手く書いてくれてGJ!
放送後の心理描写も良かった。

90話『追う鬼、追われる鬼』
ユリカさん精神にきてるねー。ソシエは前回に引き続きかわいそうな目に……。
これがキラ組のダイ打倒に関わってきてるからな。

というわけで61話から90話感想をば。
話が良い感じに転がっていって面白くなってきた。
ここらへんからフラグが生きはじめてくるから話考えるのが楽しいんだよね。

つーことでユリカ、アキト、ロジャー、ガウルン予約します。
37 ◆C0vluWr0so :2007/04/14(土) 17:13:47 ID:LUtPqLyn
ロジャー、ユリカ、アキト、ガウルン投下します。
38とある竜の恋の歌 ◆C0vluWr0so :2007/04/14(土) 17:14:39 ID:LUtPqLyn
D−8市街地。二エリアに渡って広がるあまりにも巨大な街並みはひっそりと静まりかえっている。
そこに住人の影は無く、本来なら煌々と夜の街を照らすはずの街灯も暗黙を保ったまま。
閑散とした街の更に外れにある、自然の姿を人工的に残した野外公園に巨人の影が一つ。
巨人の足下には依頼主を亡くしたネゴシエイターが一人。
ネゴシエイターの足下には物言わぬ骸が一つ。
その側には、巨人――騎士鳳牙によって掘られた穴が一つ。

ネゴシエイター、ロジャー・スミスは今は亡き依頼主、リリーナ・ドーリアンの亡骸を前に立ちつくしていた。
彼女を埋葬すべく、自らの怪我の処置もほどほどに鳳牙を走らせたロジャー。
彼の胸中にあるものは悔い。自分の至らなさのせいで依頼主をむざむざと死なせてしまったことに対する後悔の念。
もしも自分が最初の接触の時点でテッカマンエビルを名乗る男を倒せていれば――
もしも自分が即座にテッカマンエビルとリリーナ嬢を発見し、少女を救出出来ていれば――
いくら悔やんでも悔やみきれない気持ちはいくらでも募ってきた。
しかし、それで歩みを止めるわけにはいかないということも重々承知している。

「リリーナ嬢。貴女の遺志はこのロジャー・スミスが引き継ごう」

一張羅が血で濡れることも気にせず、ロジャーは少女の骸を抱き上げる。
あれほどまでに凛々しい目を持ち、気高き矜持を最後まで貫いた女性をこのままの姿で晒すことはロジャーのプライドが許さなかった。
リリーナの遺体を抱き上げた瞬間、骨折の激痛がロジャーの脇腹に走る。
本来ならば即座に治療をし、安静を保たなければいけないような重傷の身。
それでもネゴシエイターは揺るがず、堂々と胸を張り少女を抱きかかえる。

「なに――気にすることはない。依頼主死すとも依頼は死なず。ネゴシエイター、ロジャー・スミスのささやかな矜持だ」

鳳牙によって穿たれた墓穴へとリリーナの骸を丁寧に下ろしたロジャーは、少女の首にはめられた首輪をそっと抜き取った。
今現在、ロジャー達反主催を掲げる者にとって一番のネックは各々の首に巻かれた首輪だ。
この首輪が殺傷能力を持ち、あの化け物の思い通りにその効果を発揮するというのは明らかだった。
ロジャーは思い出す。
胸糞が悪くなるほどに素敵なこのゲームの参加者、その全てが集められた最初の部屋の光景を。あそこで行われた凄惨な殺戮を。
自分たちがこのままあの化け物に挑もうとも、あの悪趣味なショーと同じ光景が主催者に歯向かう無謀な反逆者の首の数だけ行われるだけだろう。
だが、この首輪さえ外せば条件はイーブンだ。
たとえあの人外の化け物が如何に強力な力を備えていようとも、お互いが対等な立場にさえ立ってしまえばいくらでもやりようはある。
そのためのネゴシエイション、そのためのネゴシエイターだ。
この首輪が主催者打倒の切り札になる――そう確信し、懐に収める。

「リリーナ嬢……。私は、貴女のような気高く美しい女性に出会えたことをとても嬉しく思う」

少女の言葉はネゴシエイターとしての誇りを思い出させてくれた。
夢物語ではあったが、少女の語る理想は夢を信じるに値するものだった。
リリーナとの出会いは、交わした言葉の一つ一つはロジャーの心に深く刻まれている。

最後に死者への祈りを捧げ、ロジャーは墓から背を向ける。
そのまま鳳牙へと乗り込むと、今度は少女の亡骸を埋め始めた。

「だからこそ――この殺し合いに乗った者は許せない。貴女の信念に反することになろうとも、交渉に値しない輩はこの拳をお見舞いしてやるのが私の主義でね」

リリーナの身体が土中に埋もれていく。
埋葬される少女の表情は、自分が死んだということさえ理解していないかのように穏やかだった。
おそらく痛みも何も感じることなく逝ったのだろう。それだけがせめてもの救いだと言うのは、死者に対してあまりにも失礼だろうか。
少女の埋葬を終え、ロジャーは墓標代わりに白石を置く。

「私は死者に縛られるわけにはいかない。君の説いた理想を叶えるためにも、そしてなにより生き残るためにだ。
 君とはここでお別れだ。ロジャー・スミスはリリーナ・ドーリアンの遺志を引き継ごう。
 だが君との繋がりはここに置いていく」
39とある竜の恋の歌 ◆C0vluWr0so :2007/04/14(土) 17:15:22 ID:LUtPqLyn
止まるわけにはいかない――そう決めた。
少女の死を思い返し、感傷に浸る暇は無い。そんな時間が有るのなら、その分一人でも多くの命を救い、前へ進み続けよう。
この無意味な争いを止めることが、完全平和主義を説いた少女への何よりの弔いなのだから。

これからの方針を考えながら、ロジャーは鳳牙を走らせる。
この傷の処置をすませた後、一度ユリカ嬢のところへ戻ろう。
彼女の乗る巨大な機体ならば、もしかするとこの首輪を解析する機材が備えられているかもしれない。
主催者に生殺与奪の権利を握られている以上、このままでは表立っての反抗は出来ない。
あのテッカマンとか名乗った男も、手応えはあった。
おそらく相応の痛手は負わせられたはずだ。なにより生身のままではそう遠くまではいけないはず。
ひとまずは仲間を集め、それぞれの身の安全の確保、そしてあの怪物を打ち倒すだけの戦力の充実を図ることが先決だ。
6時間の間に出た死者――それを殺した殺戮者たちも、徒党を組み、十分な戦力を揃えた集団には手を出せないだろう。

ある程度の方針が見えてきたとき、薬局の看板が目に入ってきた。
これは幸運と機体から降り、ロジャーは店内へと入っていく。
様々な薬の並ぶ商品棚を一つ一つ物色し、鎮痛薬や包帯、ギプスなど目当ての物を手に取ると、早速手当てを始める。

「しかし、これはまた派手にやられたな」

骨折数カ所に全身打撲、この場にあの無愛想な少女がいれば、『ロジャー、あなたって本当に――』と小言の一つでも言うだろう、と想像しながら苦笑する。
そうだ、自分はあの世界へ再び帰らなければならない。
手早く怪我の処置を終えると、ネゴシエイターは立ち上がる。
目指すは巨竜、無敵戦艦ダイだ。

「さぁ行こうか騎士・鳳牙。この争い――終わらせるぞ!」

 ◇

一転、巨竜、無敵戦艦ダイの持ち主であるミスマル・ユリカは怯えていた。
ここに来てからの仲間の名は放送で呼ばれることはなく、密かに恐れていた想い人の名もまた、呼ばれることは無かった。
しかしそれでも――このバトルロワイアルという過酷な状況は、彼女の精神を磨り減らすのに十分だった。
死者が出ないと、そう思っていたわけではない。こんな状況で……誰も彼も仲良く手を取り合ってなどということは出来ない。有り得ない。
そう、頭の中では分かっていた。……頭の中では。
だが実際にこの場で様々な人間と出会い――そして戦い――そして死んでいくこの現状。

ただ、怖かった。

彼女に戦闘経験が無いわけでも、人が死ぬときに立ち会ったことがないわけでもない。
戦艦ナデシコの艦長として多くの戦闘をこなし、ときには苦渋の決断をしなければならないときもあった。
でもそれは、そばに『あの人』がいたから。
だから彼女はどんなときでも潰れずに立ち上がり、打ち勝ってきた。
それほどユリカにとって、『あの人』の存在は大きかった。

「アキト……」

思わず口に出てしまう想い人の名前。

「アキト……」

一度口にしてしまうと、それはいつまでも止まることなく出てくる。

「アキト……アキト……アキト……」
40とある竜の恋の歌 ◆C0vluWr0so :2007/04/14(土) 17:15:53 ID:LUtPqLyn
いつの間にか少女の瞳には大粒の涙が浮かんでいた。
もう一度、彼に……テンカワ・アキトに会いたい。
このまま死んでしまうなんて嫌だ。離ればなれのまま死んでしまうのなんて嫌だ。
二人でいつまでも暮らすって……その夢を叶えぬままに死んでしまうのなんて嫌だ。
だから……だから!

その時少女はこちらに接近してくる機影に気づく。
敵襲かと身構えたが……違った。それは別れた仲間の機体だった。
既にその四肢は失く――しかしそれでもユリカを守った仲間。
ガイと名乗るあの人は、どことなく『あの人』に似ている。
『アキト』――なの?
そう問いかけたかったが、ぐっと堪える。
なんとなくだが――それは、聞いてはいけないことのような気がした。
だからその代わりに、たった一言だけ告げる。

「お帰りなさい……ガイさん」

「……ああ、……ただいま、ユリカ」

四肢をもがれたバルキリーはダイの元へと帰還する。
過去を捨てた男は過去の少女と再会し、幸せな未来を夢見る少女は未来の想い人と出会う。
それは本来有り得ない邂逅。だからこれは――このバトルロワイアルの中で起きた、とても貴重な幸せの瞬間だった。

 ◇

ユリカとアキトが再会してから遅れること数分。
ユリカを目指して北上していたネゴシエイター、ロジャー・スミスもまた、二人との合流を果たしていた。

三人は別れてからこれまでの経緯とこれからの方針について話し合う。
もちろん三人とも最終目標は主催者を倒し、生きてこの空間から脱出、元の世界に帰ること。
しかし、ロジャーがテッカマンエビルとの戦闘について話し始めたとき、ユリカが小さな悲鳴を上げた。

「そっ、そんな……! そしたらあたしは……! いやっ……いやああああ!」
「ユリカ嬢、どうした!? まず落ち着いて、それからゆっくり話してくれ」
「ユリカ、大丈夫だ。落ち着いてくれ。……俺たちがいない間に、何かあったのか?」

二人がなだめてる内に徐々に平静を取り戻したユリカは、自分の所業をぽつりぽつりと話し始めた。
その声は震えていて、その口調は怯えていて、その瞳は涙に濡れていた。

「……二人が行ってから……あたしは一人で待っていました」

「放送が始まって……リリーナさんが死んだって……!」

「そのほんの数時間前まで、あたしたちは話していて、会話をしていて……」

「それだけじゃない。他にもたくさんの人が死んでしまって」

「だからあたしは怖くて……」

ふとユリカの唇が動きを止める。一度の逡巡。それを……自らの行いを認め、吐き出すまでに少女はいくらの勇気を支払わなければいけないのか。
それでも逃げるわけにはいかない。
自分のしたことに対して責任を持てるのは自分だけだ。他の誰も肩代わりなんかしてはくれない。
そのことを分かっているからこそ、ユリカは自分の句の続きを紡ぐ。
41とある竜の恋の歌 ◆C0vluWr0so :2007/04/14(土) 17:16:25 ID:LUtPqLyn
「……人がいました。その人は何にも乗っていなくて……」

「でもあたしは怖かったんです。ロジャーさんの戦ったあの人……もしあの人なら自分は何も出来ないって。
 何も出来ずにただ死んでしまうと、そう思ったんです。でも……それは違った」

実際――ユリカが攻撃を行った相手はただの少女だった。
戦闘により使い物にならなくなった乗機から降り、助けを求めていたソシエ・ハイム。
もちろん生身で巨大ロボットと戦うことなど出来はしない。
それでもユリカが感じる恐怖は凶悪な殺戮者、テッカマンエビルから受けるものとなんら変わりないものだ。

だから――

「……あたしは、相手を殺す気で撃ち続けました。ここの上で、無尽蔵に補給されるミサイルを撃ち続けたんです!」

ロジャーとアキトは絶句するしかなかった。
そう言われれば周りの建築物は自分たちがここを離れたときより徹底的に破壊されている。
高くそびえ立っていたはずのビルは影もなく、一面が瓦礫の焼け野原となっていた。
相手が生身の人間ならば――生きてはいまい。
そして、人を殺したという事実はユリカに重くのしかかる。

「あたしは……無関係の人間を……無抵抗の人間を殺してしまったんです……!」

気づけばユリカは泣きじゃくっていた。
誰がこの少女を責めることが出来るだろうか。
少女はただ脅え、恐がり、その力を向けてしまっただけなのだから。
だが、だからこそユリカは自分の行いを許せなかった。
ユリカの目的はここからの脱出。それは一人でも多くの人間と共に行われなければならない。
それなのに、自分は人を殺してしまった。命を……散らしてしまったのだ。
本当に自分はその目的を叶えることが出来るのか?
人を救うどころか殺してしまった自分が……。

「ユリカ。確かに君のしてしまったことは決して良いことではなかったかもしれない」

そんなユリカの耳に入ってきたのはアキトの声だった。

「だが……君はそれを受け入れ、乗り越えなければならない」
「でも……あたしは……!」
「しっかりしろ! 君はそんなに弱気だったか? 臆病だったか?」
「ガイ……さん……?」
「君は強い人間だ。どんなに辛いことがあっても……それを乗り越え、更なる強さを手に入れることが出来る人間だ」
「……あたしが……強い人間?」
「そうだ。少なくとも……俺が見たミスマル・ユリカはそうだった」
「……ガイさんに何が分かるんですかっ! ほんの数時間一緒にいただけのあなたにっ!」
「確かに会ったばかりの俺が言うことじゃない。だが、少なくとも俺と出会ったときの君はそうじゃなかった。
 明るくて……こちらが眩しささえ感じるほどだった。それが本来の君なんだろう?」
「……。でも」

「まぁまぁ、二人とも落ち着いてくれ。ユリカ君の言う人間だって、まだ死んだと決まったわけじゃない。
 一度、探索してみることを提案しよう。もしかするとまだ生きているかもしれない」

ユリカとアキト、二人の会話に割って入ってきたのはロジャーの提案だった。
まだその人間が死んだと決まったわけではない。生きている可能性があるのならそれに賭けるべきだ――とネゴシエイターは主張。
確かにそれも一理あると、ユリカとアキトも賛同する。
42とある竜の恋の歌 ◆C0vluWr0so :2007/04/14(土) 17:16:56 ID:LUtPqLyn
「それでは私とガイ君の二人で探索を開始しよう。と、その前にユリカ君に一つ頼み事がある」
「え……。はい、なんでしょう?」
「ここに首輪が一つある。……リリーナ嬢の首に巻かれていた物だ。これを君に託そう。
 見たところ、ガイは戦艦というよりもむしろ移動基地としての側面の方が強いようだ。
 ならば機体の整備、ひいては開発のための設備を内蔵している可能性が高い。
 後は――分かるね?」
「……はい。私にどこまで出来るかは分かりませんが……やれるだけのことはやってみます」

ロジャーはユリカへと首輪を渡す。その後、早速ロジャーとアキトが市街の探索を始めたのだが――

「どうだガイ君? その脚部はまだ使用可能かね?」
「いや……どうやら爆撃の直撃を受けたようだ。修理するより新しく造り直したほうが早い、といった状態だな」
「そうか……こちらにあった機体も使えそうにない。どうやら収穫は殆ど無いとみてよさそうだ」

ダイの爆撃を受けた市街地のダメージは予想以上のものであり、YF-21の脚部やドスハード(これは元々運用不可だったが)など、戦力面の補充は期待出来そうになかった。
生存者の発見も絶望的かと思われたその時、ロジャーが地中へと繋がる穴を発見。
どうやら地下通路の類らしい。もしもこの穴ぐらの中へ入り込み、爆撃を避けることが出来たならば。

「たとえ生身でも生きている可能性はある――ということか」
「そういうことになるね。しかも――この通路、機動兵器が通った後がある。もしかするとその機体の持ち主に保護されたのかもしれない」
「その可能性もあるな。それで、どうするつもりだ? この奥へと探索範囲を広げるのか?」
「いや、ここは私一人で行こう。彼女を一人には出来ない。君はここへ残って周辺の警戒を頼む」
「……了解した。ユリカ聞こえたか? 今から俺がそちらへ戻る。ロジャーはこのまま地下通路の探索を続行だ」

ユリカから了解の返事が届くと、ロジャーはアキトへのプライベート回線に切り替えた。

「……ガイ君。私が言うのもなんだが、君がユリカ嬢に会ったのはここに来てからではないな?
 君はユリカ嬢とは同じ世界の人間で……しかもかなり親しい間柄と見た。彼女は君の素性を知らないのか?」
「……俺はユリカとはここで初めて出会った」
「いーや、嘘だね。これでも私はネゴシエイターだ。下手な嘘で騙そうとしても無駄だよ」
「……貴様には関係ない。これは……俺だけの問題だ」
「……そうか。なに、そう言うのなら無理に聞く気はない。少なくとも私よりは君のほうが彼女のなだめ役に向いていると分かっただけでも十分だよ……っと」

やれやれ、一方的に切られてしまったか……と、ロジャーは無愛想な仲間の行いに苦笑した。

(確かに彼ら――というより彼個人か? 深い問題があるようだ。それがこれから先、悪い方向に転がらなければ良いが……)

しかしこのような問題は他人が立ち入ったところで良くなるようなものでもない――先ほどは少しばかり余計な口出しだったかな?
と、ネゴシエイターは自分の言動を省みる。
一呼吸置いた後、鳳牙は地下通路を走り出した――。

 ◇

首輪を託されたはいいが、機器の扱いに関しては素人であるユリカがどうこう出来る物ではなく。
ラボに置かれていた研究器具も、彼女の世界とは違う科学体系に因るものだったこともあり、下手に触れば爆発する可能性を秘めている首輪の解析は、挑戦さえも出来なかった。
ダイの操艦部へと戻り、首輪の表面をなでる。あまり心地よい感触では無い。
半分機械、半分生き物、とでも言えばいいのかは分からないが、とにかく冷たい無機質な感触も、温かみのある生き物のそれとも違う不思議な感触は、ユリカが初めて見る物質によるものだった。
紅い宝石のようなものが埋め込まれ、一見装飾品のように見えないこともない。
だが、ぴったりと首に吸い付くように巻かれている首輪には、それをつけるとき必ず必要なはずの繋ぎ目が見あたらない。

「不思議だなぁ……。どうやってつけたんだろ? やっぱりこのナマモノっぽいところが伸縮したりしちゃうのかな?」

ユリカの疑問も募るばかり。
と、それまで聞き流していた通信から自分の名前が聞こえてきた。

「……ユリカ聞こえたか? 今から俺がそちらへ戻る。ロジャーはこのまま地下通路の探索を続行だ」
「えっ、あっ、はい。ロジャーさんは地下通路、ガイさんがこちらに戻るですね。了解しました」

地下通路についてなど把握出来てないこともあったがとりあえずは了解の返事を送る。
モニターにはこちらへと飛んでくるガイ機の姿が映っていた。
43とある竜の恋の歌 ◆C0vluWr0so :2007/04/14(土) 17:17:28 ID:LUtPqLyn

 ◆

「えっと……ガイさんその……先ほどはあたしも少し取り乱していたというか……」

探索から戻ってきたアキトとの沈黙の時間……それに耐えられなくなったユリカの口から出たのは、先ほどの無礼に対する謝罪の言葉だった。

「……いや、気にすることはない。さっきは俺も少々感情的になりすぎた」

それに対するアキトの返答も、思いはユリカのそれと同じ。

「……はい! でも、やっぱりこういうのは言っておかなきゃいけませんよね。
 改めて……すいませんでした、ガイさん。あたしも……二人がいない間に、考えたんです。
 ああ、ガイさんの言う通りかもしれない……って。普段のあたしはどんなんだったかなーとか。
 こんなとき……どうしてたかなー、とか」

だいぶ普段の調子を取り戻しつつあるユリカに安心し、アキトも会話を続ける。

「いつもの調子に戻ってきてるみたいだな。安心したよ」
「あ……」
「どうしたんだ?」
「いえ、その……ガイさんって、あたしの大切な人に……似てるんです。
 なんでかなー? 口調や雰囲気なんかは全然違うんですけど……。時折見せてくれる優しさ? みたいなのが」
「それは光栄だな。その彼について……少し話してくれないか?」
「えっ、いいんですか? えっとぉ……、彼、アキトっていうんです。
 小さいときからの運命の恋人っていうか……。アキトはかっこよくて優しくて……
 たまーに優柔不断なところもあるんですけど、それも彼の優しさだろうし……
 何より、あたしのこと……大切にしてくれるんです。それが……一番好きなとこかな?」

アキトはフ、と微笑むとユリカに対して問いかける。

「一つだけ聞こう。君は今……幸せかい?」

その問いに込められた思いに気づくことなくユリカは即答する。

「はい! あたしは……とっても幸せです!」

その返事を聞いてアキトはどこか悲しげに、しかしユリカの幸せを祝福し、軽く頷いた。

「そうか……きっと、そのアキトって奴も……幸せだと思うよ」
「はい、アキトもあたしも幸せです! だって二人は愛し合ってるんだから!
 ……って、なんだかあたしのおのろけ話になっちゃってるような……」
「フフ……確かにそうだな」

忘れていた幸せの瞬間――アキトは今まで失ってしまっていた感情と、それにすぐに順応してしまった自分に驚いていた。
あの頃の自分はこうして笑っていたなと、もう思い出の中にしか存在しない自分の姿を思い出す。
このままユリカとずっと二人で……ふとそんな考えが頭に浮かんだとき。
それは叶わない夢だということをアキトは知る。

「ガイさんにはいないんですか? 大切な……人」

たとえ今会話をしている相手があの頃のユリカだったとしても。
変わらぬ笑顔がこちらに向けられていたとしても。
自分は変わってしまった。
今の自分はユリカの愛したテンカワ・アキトではない。
過去を捨てた……復讐鬼なのだ。
44とある竜の恋の歌 ◆C0vluWr0so :2007/04/14(土) 17:18:06 ID:LUtPqLyn
「ああ、……いたよ」
「あっ、やっぱり! ガイさんって一見無愛想だけど実は優しいですもんね。女の子なら放っておきませんよぉ!」
「いた。だが……もういない」
「……! す、すいません……あたし……」
「君が謝ることはない。……少し周辺を見てこよう。ロジャーの話ではまだ近くにテッカマンと名乗る好戦的人物が潜伏しているらしい。
 君はその間に休んでおくといい。何かあったらすぐ連絡するように……分かったね?」
「……はい、分かりました。……ガイさん、最後に一つだけ……聞いてもいいですか?」
「……なんだ?」
「あなたは……」

あなたは……。そこから先の言葉が続かない。聞きたいことは、言いたいことは頭の中ではしっかりと文章を作っている。

『あなたは……アキトなの?』

たったそれだけの言葉が言えない。
たった五文字。でもそれを言うことは他の言葉を百述べることよりも、千紡ぐことよりも難しかった。
言葉が続かない。ユリカの口唇は半端に開かれたまま何の音も発することは出来なかった。

「……いえ、何でもありません。気をつけて行って来てください」
「……ああ」

バルキリーは夜空を切り裂き羽ばたいていった。
ユリカは思う。自分が聞けないのは……もしかしたら心の奥底でそれを認めているからではないかと。
今までアキトのことを誰よりも見てきた自分だからこそ分かる。
やっぱりガイさんは……アキトだ。
何であんな格好をしているのか分からない。ユリカの知るアキトとは雰囲気だって全く違う。
それでも自分の全感覚は彼がアキトなんだと言っていた。

「今度ガイさんが帰ってきたら……その時こそ絶対聞こう」

少女はそう決心するとずっと張りつめていた緊張の糸をほぐす。思えば夕方戦闘になってからずっと緊張しっ放しだ。
んー、と背伸びをしてから、どっかりと椅子に座り込む。深く椅子にもたれながらユリカはじわじわと迫ってくる睡魔の存在に気がついた。
あっ、ダメ……今寝ちゃったら……でも……ちょっとくらいなら……。
気づけば少女はすうすうと寝息をたてはじめていた。

 ◇

夜闇に紛れ、ダイの動向を見張る機体が一つ。黒と赤のカラーリングが施されたそれは、獲物を見つけ、喜びに奮えていた。

「そうか……。アレがお前を堕落させているモノかい?」

ククク、とガウルンは嗤う。その目は燦々と輝き、唇は醜く歪んでいる。
まるで子供が念願のおもちゃを買ってもらったかのような喜びの顔を見せ舌なめずりをする格好は、彼の愛する軍曹に言わせれば三流の為すこと。
確かにガウルンは兵士としては三流と評されるかもしれない。だが、それはあくまで"兵士"としてだ。
こと戦闘だけに限定して言えばガウルンは超がつくほどの一流なのは間違いない。
そして超一流の戦闘狂が駆るのは、超一流の武闘家、東方不敗マスターアジアの愛機であるマスターガンダム。俊敏なその動きなら、鈍重なトカゲの一匹、即座に喰うことが出来るだろう。

「フフフ……さぁて、楽しいパーティの始まりはもうすぐだ。楽しみだねぇ……実に楽しみだ」

まだダイに手は出さない。アレを壊すのは――アイツが帰ってきてからだ。
自分と同類のあの男は、目の前でアレを壊された時どんな顔をするだろう?
決まっている。
この上なく上等な憎しみの目をこちらに向け、火がつくような憎悪を滾らせ――アイツはきっと、自分を殺しに来るだろう。
……と、いけないいけない。と、九竜は愛しいカシムの顔を思い浮かべ、逸る気持ちを抑える。

「焦るなよ、ガウルン。お楽しみはこれからだ。あの男を徹底的に壊すチャンス――それを待て。
 何、それはそう遠くない。腹を空かせてメシを待てば、いつもより美味しく頂ける理屈だぜ。
 ……まぁ、あれだけ旨そうな獲物だ。すぐに頂くのも悪くはねぇなぁ」

ククク……、と狂人は再度嗤う。
45とある竜の恋の歌 ◆C0vluWr0so :2007/04/14(土) 17:18:38 ID:LUtPqLyn

【ロジャー・スミス 搭乗機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童)
パイロット状態:体力消耗、肋骨数か所骨折、全身に打撲多数 
機体状態:左腕喪失、右の角喪失、右足にダメージ(タービン回転不可能)
       側面モニターにヒビ、EN90%
現在位置:D-7地下通路
第一行動方針:地下通路の探索及び生身の人物(ソシエ)の救助
第二行動方針:ゲームに乗っていない参加者を集める。
第三行動方針:首輪解除に対して動き始める。
最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉)
備考1:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能
備考2:念のためハイパーデンドー電池二本(補給一回分)携帯
備考3:ワイヤーフック内臓の腕時計型通信機を所持】

【ミスマル・ユリカ 搭乗機体:無敵戦艦ダイ(ゲッターロボ!)
 パイロット状態:浅い眠り、精神的にはやや不安定なまま
 機体状態:大砲一門破損、左前足損傷、腹部装甲損壊
 現在位置:D-7補給施設
 第一行動方針:ロジャーの帰還を待つ
 第二行動方針:ガイに自分の疑問をぶつける
 第三行動方針:ガイの顔を見たい
 第四行動方針:首輪解除が出来る人間を探す
 最終行動方針:ゲームからの脱出
 備考1:YF-21のパイロットがアキトだと知りませんが、ある程度確信を持っています
     アキトの名前はガイだと思っていますが若干の疑問もあります
 備考2:ハイパーデンドー電池8本(補給4回分)回収
 備考3:首輪(リリーナ)を所持】

【テンカワ・アキト 登場機体:YF-21(マクロスプラス)
パイロット状態:やや衰弱
機体状態:両手両足喪失、全身に損傷
現在位置:D-7西部
第一行動方針:無敵戦艦ダイに帰還
第二行動方針:ユリカを護る(そのためには自分が犠牲になってもかまわない)
最終行動方針:ユリカを元の世界に帰す(そのためには手段は問わない)】


【ガウルン 搭乗機体:マスターガンダム(機動武闘伝Gガンダム)
パイロット状況:疲労小、DG細胞感染、気力120
機体状況:全身に弾痕多数、胸部装甲破損、マント消失、ダメージ蓄積
        DG細胞感染、損傷自動修復中、ビームナイフとヒートアックスを装備
現在位置:D-7
第一行動方針:アキトの目の前でダイを壊す
第二行動方針:近くにいる参加者を殺す
第三行動方針:アキトを殺す
第四行動方針:皆殺し
第五行動方針:できればクルツの首を取りたい
最終行動方針:元の世界に戻って腑抜けたカシムを元に戻す
備考:九龍の頭に埋め込まれたチタン板、右足義足、癌細胞はDG細胞に同化されました 】

【初日 21:30】
46とある竜の恋の歌 ◆C0vluWr0so :2007/04/14(土) 17:28:12 ID:LUtPqLyn
またもや繋ぎで結構な長さになってしまった……。
前回の話といいユリカに死亡フラグばっか立ててますが決してユリカが嫌いなわけでなくむしろ好きな方です。
好きな子ほどいじめたくなる……ってアレとは違いますけどw
御指摘、御感想頂ければ幸いです。
47それも名無しだ:2007/04/14(土) 18:37:20 ID:tRlDZdyN
>>46
……竜†恋[Dra+KoI]?
48それも名無しだ:2007/04/14(土) 20:10:53 ID:xy6qQkxb
>>46
乙!
ユリカ包囲網がどんどん頑強に……。
以外とガウルンとクルツが接近してきているのでそっちも今後が気になったりです。
一つ疑問点があります。
地下通路が百式で結構きつめだったと思うので凰牙が入り込むのはちょっと無理ではないかと。
ロジャーが生身で降りているのなら平気なのですが。
49 ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/14(土) 21:15:42 ID:xy6qQkxb
すみません。ブンドルと御大将の予約キャンセルします。
戦闘パート書き終わってふと気づくと御大将しか喋ってない。
ブンちゃんを書くのが無理だった……orz
ご迷惑おかけしてすみません。
50それも名無しだ:2007/04/15(日) 00:57:22 ID:jfesNTyV
>>48
ギアファイター特有の正座走りすれば…って思ったがタービン片方壊れてるな。無理か
51 ◆ZbL7QonnV. :2007/04/15(日) 01:15:25 ID:FRId8BxE
初代、第二次、どっちも勢いが戻って来ているようで嬉しい限り。
この流れを失速させてしまわないためにも頑張ろうという気になった今日この頃。

そんなわけで、アムロとゴステロを予約します。
52それも名無しだ:2007/04/15(日) 06:00:48 ID:9fhQe4MV
>>50
さすがに10mくらいのサイズ差、百式の1.5倍の大きさがあったら、縦だけじゃなくて横も厳しいんじゃないかな

>>51
あなたの作品をまた拝めるのが嬉しいです
期待してます

ラジオ来るころまでこの勢いもたせたいな
53 ◆C0vluWr0so :2007/04/15(日) 07:11:00 ID:sTv91Ve4
>>47
yes つーかいとうかなこ好きw

>>48
やばい、完全に見逃してたorz
>「この機体でギリギリの地下道ニャんて中途半端ニャ広さニャ」
これがあったか……。
結構重傷なロジャーに生身で探索させるのもどうかと思うんで、地下通路探索は無しの方向で修正したいと思います。
54それも名無しだ:2007/04/15(日) 08:37:11 ID:4QG9chNS
>>51
ありゃ、とうとう
実は自分も書いてたけどやっぱ間に合わなかったか
完成できなかった自分の分まで頑張ってください!


我ながらなんという身勝手
55それも名無しだ :2007/04/15(日) 13:05:22 ID:1twEBD6N
>>51>>53どっちも頑張れ。
56獅子は勇者と共に ◆ZbL7QonnV. :2007/04/15(日) 13:21:24 ID:FRId8BxE
「ひゃーっはっはっはは! 死ねぇ! 死ね、死ね、死ね、死ねぇぇぇぇいっ!」
 その巨大な豪腕を振り回し、スターガオガイガーはバルキリーに殴り掛かる。
 技も、駆け引きも、何も無い、力と勢い任せの殴打。
 だが、ウルテクエンジンのパワーで振り回される巨大な腕は、それだけで巨大な脅威となってアムロの身に襲い掛かっていた。
「くっ……!」
 紙一重の所で攻撃を避けながら、アムロは現状の打開策について考え続ける。
 状況は最悪とまでは言わないが、かなり劣悪な事に変わりは無い。
 バルキリーの火力では、スターガオガイガーの強靭な装甲を撃ち抜く事が出来ない。まして、弾数には限りがある。
 それに対して、スターガオガイガーの攻撃はバルキリーにとって一撃で致命打となりかねない。
 つまり、このままズルズルと持久戦に持ち込まれるようなことになってしまえば、こちらに勝ち目は無いと言う事だ。
 その精神状態や過剰な攻撃性はともかくとして、ゴステロの操縦技能は決して低くない。
 アムロが攻撃を危うげなく回避出来ているのは、スターガオガイガーの攻撃手段が単発的である事が大きい。
 バルキリーの機動性に、ニュータイプとしての直感力。二つの利点を活かして回避行動を続ける事は、さして難しいわけではなかった。
 もっとも、それとて限界が無くはない。長期戦で集中力に乱れが来れば、いつかは攻撃を避け切れなくなってしまう事もあるだろう。
 もちろん、アムロとて“連邦の白い悪魔”と呼ばれたエースである。そう易々と、被弾を許すわけがない。
 だが――
「ちぃっ……! ハエみてぇに飛び回りやがって……! うざってぇんだよ、てめぇはぁぁぁぁっ!!」
 あまりにも激しく、そして執拗に繰り返される攻撃を前に、なかなか突破口を切り開く事が出来ない。それが、今の状況だった。

「どうする……いっそ、逃げるのも手だが……」
 長高々度の飛行能力ならば、おそらくバルキリーに分があるだろう。
 ありったけの弾薬を目晦ましにすれば、それで十分な隙は作れるはずだ。
 しかし、この危険な男を野放しにして、本当に良いのだろうか……?
 ……いや、良くはない。
 ニュータイプとしての研ぎ澄まされた神経が、黒い悪意を感じ取っている。
 この男は、あまりにも危険過ぎる。今の内に仕留めておかなければ、どれだけの犠牲者を生むか分からない奴だ。
 ならば……!
「使うか……? 反応弾を……!」
 バルキリーに搭載された最強の武装。その威力は、ガンポッドやマイクロミサイルとは比べ物にならない。
 それを直撃させる事が出来さえすれば、この状況を引っ繰り返す事も不可能ではないだろう。
 シャアとアイビスは、もう十分遠くに行っているはずだ。
 後は反応弾の威力に巻き込まれないだけの、十分な間合いを取れさえすれば……。

「ブロウクン……ファントォォォォムッッッ!!!」
「っ…………!」
 唸りを上げて迫る拳。それを回避した所で、アムロは機体の異常に気が付いた。
 ほんの僅かにだが、ガタがきている。
 片腕を失った状態で、無茶な回避行動を取り続けていたせいだろう。機体のバランスが、ほんの僅かに崩れ始めていた。
「まずいな……早めに勝負を決めなければ……」
 ……腹を括る。
 機体の不調が、むしろ覚悟を決めさせた。


57獅子は勇者と共に ◆ZbL7QonnV. :2007/04/15(日) 13:22:31 ID:FRId8BxE
「畜生がッ……! あの野郎、チョコマカと逃げ回りやがってぇ……!」
 バルキリーの機動性に舌を巻きながら、ゴステロは苛烈な攻撃の手を休めようとはしていなかった。
 ゴステロとて、無能ではない。あの赤い機体が何かを企んでいる事には、薄々ながら気付いていた。
 だが、それがどうした。あの機体が自分に対して有効な攻撃を与えられない事は、これまでの攻防から明らかになっている。
 ならば、焦る事は無い。勝利は、じっくりと味わうものだ。逃げる気が無いと言うならば、むしろ自分にとっては好都合というものだ。
 あの機体が何を企んでいるかは知らないが、所詮は雑魚の足掻きに過ぎない。
 そうだ……このスターガオガイガーの圧倒的な力さえあれば、あんな飛ぶ事しか能の無い機体など敵ではない……!
「おらぁぁぁぁぁぁっ!」
 GSライドのパワーに身を委ね、ゴステロは力任せの攻撃を繰り返す。
 ……だが、彼は気付いていなかった。
 勇気を力の源とするGストーン。ゴステロの歪んだ精神に触れ続けていたそれが、少しずつ輝きを失い始めていた事に……。



「なんだ……? 奴の攻撃……さっきまでと比べて、ほんの僅かに弱まっている……?」
 スターガオガイガーの熾烈な攻撃を神業的な機体操作で回避し続けるバルキリー。
 機体表面に幾つもの損傷を作りながら、これまで反撃の機会を辛抱強く待ち続けていたアムロは、だからこそ敵機の異常に気付く事が出来ていた。
 誘っているのか……?
 ……いや、恐らくは違うだろう。
 あの巨大な機体から湧き上がる悪意は、その勢いを弱めていなかった。
 恐らくは、自分でも気付いてはいない。
 ならば……仕掛ける好機は、今を置いて他に無い!

「よし……!」
 もう殆ど使い果たしてしまったマイクロミサイル。その全てを“一点”に向けて、バルキリーは一気に射出する。
 スターガオガイガー、ではない。その足元に広がる荒野に向けて、ミサイルの雨は降り注ぐ。
 轟、と大きな音を立て、砂の嵐が巻き起こる。
「なぁっ……!?」
 足場に走った衝撃と、巻き上げられた砂の煙幕。その二つに、スターガオガイガーの攻撃が思わず途絶えた。
「これで……決める!!」
 反応弾の威力と放射能汚染に巻き込まれないだけの、十分な間合いは既に取ってある。
 砂煙に隠れた巨大な悪意に、バルキリーは今まで温存していた最後の切り札――反応弾を撃ち放った。
 閃光、轟音、そして――



「うおおおおおおっ!?」
 足場を走った衝撃に、ゴステロは思わず叫び声を上げていた。
 物凄い勢いで巻き上げられた砂煙が、ゴステロの視界を覆い隠す。
 目晦ましか――なめた真似を――!
 下らない小細工に、ゴステロの怒りは膨れ上がる。
「何か企んでいるとは思っていたが、こんな煙幕程度で俺様を――――!?」


58獅子は勇者と共に ◆ZbL7QonnV. :2007/04/15(日) 13:23:12 ID:FRId8BxE
「……やったか」
 反応弾の確かな手ごたえに、アムロは安堵の溜息を吐いた。
 恐ろしい敵だった。まるで悪意と憎悪の塊のような、とてつもないプレッシャーを放つ相手だった。
 彼が何者で、どんな人生を歩んできたのか、自分には窺い知る事が出来ない。
 だが、ろくなものではないのだろうと言う事は、容易に想像する事が出来た。
 ニュータイプとしての直感が感じ取った巨大な悪意ばかりではない。あの男の戦闘技術は、間違い無く数多くの実戦を踏んだ人間のそれだった。
 戦う事……いや、相手を痛め付ける事に喜びを見出す危険人物、か……。
 もしこの場にカミーユがいれば、こう彼の事を評していただろう。
 生きていてはいけない人間、と。
「ともあれ、これでひとまずは……」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!!」
「――――――――!?」

 ――それは、完全な油断だった。
 砂煙の向こう側から雄叫びと共に現れた、先程の巨大な機体よりも一回り小さい、スマートな印象の白い機体。
 だが、アムロには分かる。あの機体に乗っているのは、先程の機体に乗っていた男と同一人物だ。
 この巨大な悪意――忘れられるわけがない!
「っ…………!」
 バルキリーを急旋回させ、アムロは迫り来る一撃を避けようとする。
 だが――遅い。
 ほんの僅かな油断を突かれて、どうしても反応が間に合わない。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!」
 ドゴォォォォォォォ…………!
 ガイガークローがバルキリーを貫き、赤の戦闘機は炎に包まれた。


59獅子は勇者と共に ◆ZbL7QonnV. :2007/04/15(日) 13:23:55 ID:FRId8BxE
 ……アムロ・レイは生きていた。
 バルキリーが破壊される一瞬前に、緊急脱出装置を起動させていたのだ。
 もっとも、それはアムロの命を数分だけ延ばす結果にしかならないだろう。
 アムロが爆破寸前の機体から脱出した事は、ゴステロの目にも映っていたからだ。
「ひゃーっはっはっはっは! しぶてえなぁ、お互いによぉ!」
 反応弾が命中する寸前に取った行動を思い出しながら、ゴステロは大きく笑い声を上げていた。
 砂煙が巻き起こった次の瞬間、ゴステロを突き動かしていたのは動物的な生存本能だった。
 ブロウクンファントムを“ヤバい”と思った方向に向けて撃ち出すのと同時に、ファイナルフュージョンを解除。
 ブロウクンファントムは反応弾に命中し、そこで巨大な爆発が起こった。
 無論、直撃を免れたとは言え反応弾の威力を至近距離で浴びたのならば、ガイガーも無事では済まなかっただろう。
 そこでゴステロにとって幸運だったのは、ステルスガオーUの存在だ。
 バリアシステムを搭載したステルスガオーUの影に身を隠す事で、ガイガーはダメージを最小限に抑える事に成功していた。
 ……もっとも、その代償は少なくない。ガイガー自体の損傷は少ないが、ガオガイガーへの再合体は不可能となってしまった。
 ライナーガオー、ステルスガオーUは反応弾の威力で完膚なきまでに破壊されてしまっていた。
 ドリルガオーは……どうだろうか。そこまで気を配る余裕が無かったので、状態は確認出来ていない。
 もっとも、そんな事はどうでもいい。
 今のゴステロにとって重要な事は、この溜まりまくった鬱憤をどうやって晴らすか。ただ、それだけなのだから。
「くっ……くくっ! くひゃひゃひゃひゃ! 今まで散々俺様をコケにしてくれやがった罰だぁ……!
 そう簡単には殺さねぇ! じっくり、たっぷり甚振ってやる!」
「っ…………!」
 ゆっくりと振り上げられる、ガイガーの足。
 ゴステロの企みに気が付いて、アムロは身を起こし走り出していた。
 どすんっ……!
 つい先程までアムロの居た場所に、ガイガーの足が振り下ろされる。
「ははっ! 上手く避けやがったなぁ! だが、次はどうだぁ?」
 無力な蟻を踏み潰そうとでもするかのように、ゴステロは逃げ惑うアムロを追い駆ける。
 ちっぽけで無力なゴミどもを、圧倒的な優位に立ち踏み潰す。そうする事でしか、ゴステロは生きている事を楽しめない。
「俺はなぁ……人殺しが! 大好きなんだよぉッ!!」
 泣け、喚け、怯えろ、怖れろ――――!
 ありとあらゆる黒い感情を発露させながら、ゴステロはアムロを追い詰める。
 ……愉しみに浸るゴステロは、だからこそ気付かない。
 獅子が、嘆いている事に。

「はぁっ……! はぁっ…………!」
 息を切らせて、アムロは走る。
 その顔に、諦めは無かった。
 あまりにも絶望的な状況の中で、それでも生き抜く事を諦めてはいない。
 ……アムロとて、馬鹿ではない。この状況を好転させる事が不可能である事は、痛いほどに理解していた。
 だが、それでも諦める事だけは出来なかった。
 それは、何故か?
「っ…………!」
 どさっ……!
 体力の限界に達した身体が、ついにアムロの足を止める。足元の小石に蹴躓き、アムロは地面に転がった。
「はっはぁ! なんだ、もう終わりかよ?」
「…………」
「ホラ、逃げてみろよ。なんだったら、泣き喚いて命乞いでもしてみるか? ひょっとしたら、俺様の気が変ったりもするかもしれないぜぇ?」
 うずくまるアムロを見下ろして、ゴステロは上機嫌な声で言う。
 無論、嘘だ。ゴステロがアムロを見逃す事など、万に一つもありえない。
 だが、その言葉に騙された馬鹿が惨めったらしく命乞いをする様子を想像すると、なかなか面白そうだった。
「……断る」
「あぁん……?」
 だが、アムロは拒絶する。
 この悪意で染まりきった男に屈する事は、そう……アムロ・レイの“勇気”が許さなかった。
「お前のような奴に命乞いをするくらいなら……最後の瞬間まで戦って死んだ方がずっとマシだ!」

 ――悪の暴力に屈せず、恐怖と戦う正義の気力。
 人、それを“勇気”と言う!


60獅子は勇者と共に ◆ZbL7QonnV. :2007/04/15(日) 13:25:12 ID:FRId8BxE
「ああ、そうかよ……なら死ぃ……!? なぁっ、なんだぁ……!?」
 突如起こった機体の異常。それに、ガイガーは動きを止めた。
『ガォォォォォォォォォォンッッ!!』
 それは、ギャレオンが見せた反逆の意思だった。
 ゴステロの意思を無視して、ギャレオンとのフュージョンが強制的に解除される。
 そして哀れ、ゴステロは地面の上に放り出された。
「なっ……! て、てめぇ、このポンコツ、何のつもりだ!? ど、どうして俺様を……!」
 ゴステロが上げる怒りの声に、だがギャレオンは応えない。
 正義の獅子が見詰める先には、勇気を示した一人の戦士――そう、アムロ・レイの姿があった。
「お前……は…………?」
 ……獅子の瞳に覗き込まれて、アムロは獅子の意思を知る。
 そして……。
『ガオォォォォォォォォォォォンッ!!』
 獅子は吼え声を上げながら、アムロの身体を――呑み込んだ!

「フュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ! ジョォォォォォォンッッッッ!!!」
「ば、馬鹿なっ……! こんな……こんな馬鹿な事があってたまるかよ!? どうしてだ……! どうして俺様の機体がっ……!」
 ギャレオンとのフュージョンを果たした、つい先程まで哀れに逃げ惑っていたはずの男。
 この場から逃げ出す事すら忘却し、ゴステロは思わず叫び声を上げる。
 どうしてこうなってしまったのか……何が悪かったというのか……!
「……お前の敗因は、たった一つだ」
「ひっ……!?」
 つい先程とは逆転した立場で、アムロはゴステロに声を掛ける。
 いくら機体が無いとは言え、見逃す気は起こらなかった。
 この男を生かしておけば、数多くの悲劇が起こる事は間違い無いからだ。
「お前は……勇者じゃなかった……」
「ま、待てっ! 俺が悪かった……! 謝る! もうしない! だから助け…………ひでぶぅぅぅぅぅっ!?」
 ……ガイガー渾身の爪先蹴りが、ゴステロの身体を吹き飛ばす。
 奇怪な叫び声を上げながら、狂気のサイボーグは絶命した。



「……よし、これは何とか使えそうだな」
 反応弾の着弾地点、ガオーパーツの残骸が転がる中、アムロは辛うじて使い物になりそうな機体を漁っていた。
 反応弾の盾に使われたステルスガオーU、元より半壊状態だったライナーガオー。この二つに関しては、完全に使用は不可能となっていた。
 だが、ドリルガオーだけは何とか破壊を免れていたのだ。
「なるほど……このパーツ、分離した状態でも腕に装着できるのか……」
 ドリルガオーがガイガーに装着可能な事を知り、アムロは「ついてるな」と呟きを洩らす。
 スピードと敏捷性に優れるガイガーだが、いかんせん破壊力に乏しい事は否めない。
 攻撃力の不足を補う事は出来ないかと悩んでいたが、どうやらこれで問題も解決出来そうだ。
 ついでに言えば、シャアの奴に核ミサイルから乗り換えさせる事も出来る。このドリル、人が乗り込む事も出来るらしい。
「よし……マッハドリル、装着だ!」
 ふと頭の中に浮かび上がった名前を呼んで、ガイガーはドリルガオーを装着する。
 思った以上に時間を食ってしまった。シャア達との合流を急がなければ……。
61獅子は勇者と共に ◆ZbL7QonnV. :2007/04/15(日) 13:25:49 ID:FRId8BxE
【アムロ・レイ 搭乗機体:ガイガー(勇者王ガオガイガー)
 パイロット状況:良好
 機体状況:機体表面に傷跡(戦闘には支障無し)
      マッハドリル(ドリルガオー)装着
 現在位置:H-2北東部
 第一行動方針:シャア達との合流
 第ニ行動方針:首輪の確保
 第三行動方針:協力者の探索
 第四行動方針:首輪解除のための施設、道具の発見
 最終行動方針:ゲームからの脱出
 備考:ボールペン(赤、黒)を上着の胸ポケットに挿している】

【ゴステロ 搭乗機体:なし
 パイロット状態:死亡
 現在位置:H-2】

【時刻 20:45】
62それも名無しだ:2007/04/15(日) 13:26:41 ID:FRId8BxE
鋼鉄アムロ、誕生編。ばんばらばばん、ばばんばんばばん♪
「アムロブリーカー! 死ねぇ!」とか言ってくれると個人的には嬉しい限り。
ちょっと斜め上の方向に暴走してしまった感があるので、むしろツッコミや問題点の指摘は望む所です。
63それも名無しだ:2007/04/15(日) 15:29:04 ID:r3uDGllk
>>62
個人的には超GJ!いやー面白かった。
こういう逆転劇は胸がスカッとするなー。
確かにギャレオン離反とかはやりすぎ感が無いこともないが俺は許せる。
元々はっちゃけたノリのところがあったしなこのロワは。
64それも名無しだ:2007/04/15(日) 15:43:12 ID:zk0dMiAc
GJ!
ギャレオンもメディウスやサイバスターみたいな不思議パワーで動く機体だから、離反は合ってもよいかも。
それでもレプリカor能力制限があるはずだから、何でもできるってワケにはいかなさそうだけど。
サイボーグでもないアムロが乗ってしまったぐらいだし。
……。
……。
……ひょっとして、アムロは既にテム・レイの手によってサイボーグに(ry

それから自分も>>63さんの書き込みを見るまで忘れていたけど、元々こういう感じで始まったんだっけ、二次ロワ。
65それも名無しだ:2007/04/15(日) 19:19:45 ID:e5BIhjb3
いつの間にか大変進んでるな………

一番安心したのがユリカとアキトの合流だったなあ。
で、次の大乱戦の舞台は確定だな。

キングジェイダー・ベルゲルミル・百式・ガンダムVSダイ・凰牙・YF-21

で、どう動いてもヤバソウなガウルンまで潜伏中……

ユリカの狙われ度数の高さは異常だぜ全く………
66それも名無しだ:2007/04/15(日) 20:37:06 ID:4QG9chNS
>>64
GJ!
シャアに続いてアムロまでwww
一つだけ気になったのは反応弾の範囲
一応ゼントラン艦も一発で沈めるものだし核兵器でもあるんだからちょっと離れたじゃ無理な気が
67それも名無しだ:2007/04/15(日) 21:09:17 ID:ABUCgWts
>>62
乙!
面白かった。
これって位置的にもしかして助手の墓吹き飛んだ?
気になったのはゴステロを倒した後、行動方針に含まれてる首輪にアムロが興味を示さなかったことかな
爪先蹴りなら首輪残ってそうだし
68 ◆ZbL7QonnV. :2007/04/15(日) 21:46:04 ID:FRId8BxE
貴重な御意見、どうもありがとうございます。
皆さんの意見を参考にして、改訂版を投下しました。
これで問題点の数々は解決されているはず……と、思いたい。
69 ◆ZbL7QonnV. :2007/04/15(日) 21:48:04 ID:FRId8BxE
すいません、大切な事を書き忘れてました。改訂版を投下したのは、まとめの避難所です。
70それも名無しだ:2007/04/15(日) 23:07:43 ID:ABUCgWts
>>69
修正、お疲れ様です
地形とルールを逆手に取った退避がよかった
71それも名無しだ:2007/04/16(月) 01:02:33 ID:63vPb0en
至近距離の反応弾をステルスガオーUだけで防ぐのはどうだろう。
一応ガオガイガーよりは弱い訳だし。
Jアークとの兼ね合いもあるし。
まあステルスガオーUは壊れたしこれっきりだしいいのか?
72それも名無しだ :2007/04/16(月) 02:18:46 ID:pjFxB5t5
>>71
一応、ステルスガオーUにもバリアシステムは付いているらしいから
プロテクトリング付ならどうとでも防げるかもしれない。

ただし、それでもJアーク以下であることが設定されているはずだから
没作品のようにJアークを反応弾の一撃で潰すことができそうにない。
二、三発ならいけるかな?
73 ◆ZbL7QonnV. :2007/04/16(月) 17:44:01 ID:3NS7Pk3D
>>71
了解しました。その辺りに関しても何か打開策を考えて、近い内に再修正を行いたいと思います。
ですが、これから数日身の回りが少々立て込む事になっておりますので、少し改訂版の投下が遅れてしまうかもしれません。
74それも名無しだ:2007/04/16(月) 19:29:59 ID:GCnhPoLD
>>49
したらばの方に投下されてたの気づかなかったんで今更感があるが感想。
文章が上手くて羨ましい。刀剣の戦いを渋く書けてたと思う。
確かにブンドル視点な割にセリフが少なくむしろ御大将よりな印象を受けました。
御大将からブンドルに視点移動したときも分からなくてちょっと混乱したり……
大きな声では言えないけれど、良く知らないキャラはオリジナル入れて伸び伸び書いた方がいいと思いますよ。
一次のイキマみたいに大きく化けるかもしれないし、致命的な間違いは指摘された時に修正してやれ!くらいの気持ちでいきましょうw

>>73
焦らずに修正してくださいね。リアルの負担になったら元も子もないですし。
75それも名無しだ:2007/04/16(月) 19:35:54 ID:wcyga8EV
>>74
化けるも何もあの二人は原作でも十分以上に光り輝いてるぜwwwwww
76それも名無しだ:2007/04/17(火) 01:52:26 ID:AWy1epqH
>>73
フュージョン後のアムロもちょっと修正加えて欲しいな
やりすぎな気がしないでもない
77 ◆ZbL7QonnV. :2007/04/17(火) 18:24:22 ID:UsfYWCR8
>>76
……えっと、すみません。どうやりすぎで、どう修正を加えればいいんでしょうか?
もうちょっと、具体的な指摘をお願いします。察しが悪くてすいません……。
78 ◆C0vluWr0so :2007/04/17(火) 18:28:21 ID:fpVDXcqj
避難所の方に『とある竜の恋の歌』修正版を投下。
ですが修正していくうちに「正直これはユリカじゃないよなぁ……」と思い始めました。
展開のためにキャラを壊してた自覚も有りますし、今回は破棄したいと思います。
ナデシコ、そしてユリカのファンの皆様方、不快な思いをさせてしまいすいませんでした。
79それも名無しだ:2007/04/17(火) 19:58:11 ID:ojDPNHan
>>77
全部の要望聞き入れること無いだろ。
こういう手合いはどんどん付け上がるだけ。
80それも名無しだ:2007/04/17(火) 22:31:48 ID:d6NIgrac
>>78
修正乙!
ユリカは原作でも鬱な側面はほとんど見せてないから書きにくいのは仕方ないかと。
でも破棄は残念です。

>>79
煽るのやめいww


中断してた過去話感想付け61〜90話。
やっぱりいくつか話をピックアップして。

62話「混乱」
66話「アンチボディー ―半機半生の機体―」
別々の作者さんが手がけた多人数の混戦。
第一回放送までに混戦は他にもあったけどこれが一番まとまっていてよかったと思う。
正直、ジョシュアがここでリタイアしたのには驚いた。

68話「引き合う風」
72話「遙か高くに翼は舞い」
68話で遭遇まで書かれたものをうまく繋げた話。
ブンドルとマサキが二話とも非常にらしくて良かった。

74話「堕ちた少女」
テニア怖いっす。

78話「ガンダムファイト」
ギャリソンさんの脱落も当時予想してんかったな。

83話「殺し合い」
いい感じに放送後の統夜の迷いが表現されていていい話だったと思う。

90話「追う鬼、追われる鬼」
まさに予想外だった一話。
これが引き金で今の包囲網が……。

61〜90話全体
いくつかの話で一話完結風ではなくて前回の終わりを直接引き継いだ話が出てきて展開も読めなくなってきてる。
そして放送前になって死者が急増。
放送直前は戦闘で、放送後は心理描写で面白かったです。


81それも名無しだ:2007/04/18(水) 01:40:41 ID:mdPJddgK
>>78
これでも食べて頑張れ
つユリカの手料理

そういえば、漫画の方のユリカはアニメよりはシリアスやっていたなぁ。
関係ないけど。
82それも名無しだ:2007/04/18(水) 05:26:03 ID:OC80NgD8
>>81
ちょっ、それクスハ汁に匹敵するぞww
書き手を潰す気かwww
83それも名無しだ:2007/04/18(水) 06:45:43 ID:TyL4LiE7
スパロボ呂は糞。
84それも名無しだ:2007/04/19(木) 20:35:11 ID:C7k0+5qu
91話『歌えなくなったカナリア』
アフロぉぉぉぉ!ジョナサンは素敵にむかつく子ですね。

92話『少女ハンター・ランドール』
ソシエ嬢が回収されて一安心したな。マサキの方向音痴はある意味便利w
ところでこれのタイトル元ネタなに?

94話『Time Over ―私の中のあなたにさよならを―』
名繋ぎ。作者氏はifの方が気に入ってるらしいけど、クルツとエイジのパートも好き。

95話『嵐の前』
Jアークの制限がいい具合。だって無限ランチャーとかあるんだぜ?

96話『MISS』
ジョナサンざまぁwww この失敗は後々響きそう。

97話『ゲスト集いて宴は始まる』
基地組の混戦始まりの一作。モンシアさんかっけえええええ!
生身戦への期待も高まる。

98話『もしも、その時は』
テニア黒いよ黒すぎるよ。キラの対主催スタイルも固まり、武蔵の道化っぷりもいい。

99話『休息』
ガウルンが良いなー。こういうキャラって話を広げてくれるから好き。
そしてあのボルシチが……

100話『マイペース二人』
色々と強いなこの二人w しかし御大将さえ煙に巻くラキは俺の嫁。

101話『青い翼、白い羽根』
アスラン……。カテジナさんのえげつなさがいい感じ。

102話『極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅』
混戦を書ききった書き手さんを尊敬するッ!
展開の良さと迫力ある描写で長さも気にせず読み進められた。

103話『例え死者は喜ばずとも』
ロジャーの格好良さとシンヤの外道さにGJ。
展開も好き。ロジャーは書き手に愛されてるよなぁ……

104話『獅子身中の虫』
基地組良いよめっちゃ良いよ。モンシアさん……生身でよくやったよあんた……。
キョウスケと海王のバトルもいい感じ。

105話『壁に耳あり、障子に目あり』
短い中に首輪回収やバサラのフロスト兄弟関連フラグを盛り込んだ、中身の詰まった良繋ぎ。

107話『暗い水の底で』
統夜ってふらふらとスタンスが定まらない感じが一般人ぽくていい。
丁寧な心理描写はロワに深みを与えてくれる。GJ。


とりあえずまとめにある最新話までの感想終了。次はifにも感想つけてみようかな?
85 ◆ZbL7QonnV. :2007/04/19(木) 20:52:24 ID:q8e0XuUJ
獅子は勇者と共に、まとめの避難所に修正版を投下しました。

……修正は行いましたが、なんだかまた明後日の方向に暴走してしまった気がします。
こういった独自展開は賛否の別れる所でしょうから、もし「やりすぎだ」との意見があれば、作品の破棄を考慮しています。
なんだかグダグダになってしまって申し訳ありませんでした。
86それも名無しだ:2007/04/19(木) 21:01:16 ID:GZwUNj6z
シャアがあんなだもん、勇者なアムロくらい全然ありだ
つーかぶっちゃけ、ツボったwww
87それも名無しだ:2007/04/19(木) 21:17:57 ID:C7k0+5qu
>>85
私は全然かまわんッ!GJと言わせてもらおう!
88 ◆ZbL7QonnV. :2007/04/20(金) 23:04:24 ID:RA1qf0n+
感想、ありがとうございます。
とりあえず一日経ちましたが特に否定的な意見は無いようですので、このまま作品の方は通させて貰う事にします。

……あと、少し今更な事かもしれませんが言いたい事が一つだけ。

>>84ッッッ! ラキは助手の嫁だ! それ以外は認めん!
どっちかと言えば助手の方が嫁っぽい気がしないでもないけど、ともかくあいつらは二人一緒だからこそ萌えるんだ!
89それも名無しだ:2007/04/21(土) 08:28:32 ID:vGIIYAI4
>>88
友よ!
90それも名無しだ:2007/04/21(土) 16:39:10 ID:foz2JdRo
>>88-89
あれ?俺がいる
91それも名無しだ:2007/04/21(土) 17:30:02 ID:RPje5N/q
助手ラキ大人気だな
かくいう自分も大好きなわけなんだが
92それも名無しだ:2007/04/21(土) 17:37:29 ID:wlux6AAK
今更だが左腕Jカイザーで抜かれたらプロテクトリングの樽も持ってかれてんじゃね?
93それも名無しだ:2007/04/21(土) 20:23:09 ID:RPje5N/q
まぁ、受けた角度と姿勢にもよるんじゃないかと言ってみる
94それも名無しだ:2007/04/22(日) 00:34:31 ID:JaIbXFU5
プラモ見る限りじゃ上か下からかするように撃たない限り左腕だけ溶けるような射線は無いように見えるな
ところで箱に説明書入ってないんだけど俺どこにしまった?
95 ◆ZbL7QonnV. :2007/04/22(日) 00:54:59 ID:lHK6GjP/
了解しました。貴重な御意見、どうもありがとうございます。
いつまでもズルズルと同じ話で引きずり続けるのは全体の進行に良くありませんので、今回の話は改めて破棄する事にします。
読み手の皆様方、本当に申し訳ありませんでした。
96それも名無しだ:2007/04/22(日) 10:02:12 ID:1xGJwLgi
>>95
あー……あの話気に入ってただけに残念です。
上手く言えませんが……とにかく頑張ってください
97それも名無しだ:2007/04/23(月) 08:09:42 ID:AvXAfnY3
>>95
頑張れ。嫌いじゃなかったぜ、彼方の作品。
98それも名無しだ:2007/04/23(月) 12:01:14 ID:HcVYlsUT
>>95
その飛んでる展開の想像力に嫉妬したもんだぜ
99 ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/24(火) 14:08:15 ID:mKvbJBuH
アイビス・シャア・カテジナ、予約します
100それも名無しだ:2007/04/24(火) 14:42:05 ID:2xexgQT5
予約ktkr
カテジナさんが…
シャアイビス逃げて!
101 ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/24(火) 20:53:01 ID:Yx/SOInq
すみません。
パソコンがデータ全部巻き込んでバグりました。
ですので予約をとりさげます。
で、それだけならまだ良かったのですが、実を申しますと仮まとめでもあったりしまして。
一から作りなおさなければならない状態に陥っていますので、暫く更新が滞ると思います。
ご迷惑をおかけしてすみません。

リカバリーしたけどキーボードがおかしい。
Fn押してないのに押したままの状態になってる。
押すと押してない状態に……激しく使い辛い
なんでだよ……ちくしょうorz
102仮まとめ ◆/4lqy.R0j. :2007/04/24(火) 20:56:05 ID:Yx/SOInq
えっと、一応仮まとめとして使ってるトリ。証拠です。

ご迷惑おかけして重ね重ねすみません。
103それも名無しだ:2007/04/24(火) 20:58:32 ID:2xexgQT5
シャア、アイビスとカテジナの絡みが想像出来ない分楽しみだったんで残念です
仮まとめは携帯版も用意されてたり
痒い所に手が届く感じで見やすかっただけに早い復活期待してます

イデの発動には気を付けて
104それも名無しだ:2007/04/24(火) 21:34:56 ID:Y0d/Q0iE
気を落とすな、これでも見て元気出すんだ
gr01.s168.xrea.com/mov/123.swf
105それも名無しだ:2007/04/24(火) 23:30:53 ID:12YM6BqX
ああ・・・ビゴーファンの俺にはステキな展開だ・・・
例え途上で力尽きても、ロジャーにはカッコイイ死に方をして欲しい・・
106仮まとめ ◆/4lqy.R0j. :2007/04/25(水) 10:27:37 ID:zoD7KkPT
昨日イデが発動した仮まとめのデータのほう、復活させました。
二月ごろのバックアップが見つかったので意外と早く作り直せてホッとしています。
いろいろ慌てふためいた結果、皆さんをお騒がせすることとなりまして申し訳ありません。

でもキーボードだけが戻らない・・・・・・orz
107それも名無しだ:2007/04/25(水) 22:42:24 ID:EKNi5Ody
>>106
常日頃から思ってましたがこの機にまとめさんに感謝の気持ちをば。
素早い更新、分かりやすい参加者現在地、乗り換えられた機体情報にフラグまとめと
二次スパ仮まとめはパロロワまとめ界の中でもトップクラスにGJだと思ってるんだぜ!
地味に過去ログを見返すのが好きなのも私だ。
キーボードどどんまいw
108 ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 21:13:48 ID:TaIuQIBK
投下できる状態まで書きなおせたので、改めてアイビス・シャア・カテジナ予約します。
109星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 22:58:46 ID:w4uvmcy8
 目の前で燃えさかる炎の濃淡は同じようでいて、一時も同じ形を留めない。
 集めてきた枯れ木を真ん中あたりで二つに折り、炎の中に投げ込む。
 焚火を眺めつつ、ぼんやりと物思いにふけっていた。
 思い出すのは、わずか数時間行動を共にし、自分の為に命を落とした青年のこと。

 最初は敵だった。襲いかかったところを気絶させられた。
 そのとき、殺そうと思えば殺せたはずだ。一人しか生き残れないルールだって知ってたはずだ。
 なのに、あいつは私を殺さなかった。
 そして、私をかばって……死んでいった。
 そう考えるのは自分の思い上がりなのかもしれない。実際はかばったのではなく、単に逃げ切れなかったのかもしれない。
 例えそうだとしても……あいつが死ぬことなんてなかったんだ。
 馬鹿だよ、あんた……。会いたい人だっていたはずなのに……。

 彼のことをラキに伝えると決めた。やると決めた。
 それで吹っ切れた。吹っ切れたはずだった――。
 けれども、やることに追われているときはともかく、少し余裕ができると頭はそのことにとらわれる。
 回り巡った思考は消極的になり、ついついそこに落ち込んでいく。
 そしてジョシュアの他にもう一人。自分たちを逃す為に身を残した男――アムロのことも気がかりだった。
 ――みんな、自分勝手だ。
 心底そう思う。
 身を犠牲にして人を庇うのも、庇って死ぬのも、気は楽だ。
 待たされるほうが辛い。残されるほうがしんどい。
 両膝を抱く手に力がこもる。うつむきがちだった顔がさらにうつむき、額がこつんと膝頭に当たった。

「アムロのことを心配しているのなら無用だ。私の知る限り、奴ほど優れたパイロットは他におらんよ。それに――」
 悩みを見透かしたかのような声が飛んできた。わずかに顔をあげて、目の前の男をぼんやりと眺める。
 そこにいるのは一匹の濡れ鼠。
 F-2の補給ポイントが湖の底だったため、強引に潜った名残だった。
 今は近場の岸で乾かしつつ、アムロを二人で待っている。
「それに?」
「それに私も奴も多くの者の犠牲の上に生き過ぎた。こんなところで死ぬなどということは許しては貰えんよ」
 目の前の男はどこか遠い目をして語る。
 多くの者と言ったが本当に心に残っている人はそんなに多くないのかもしれない。でもそれだけに大事な人だったのだろう――なんとなくそんな気がした。
「何より、私との決着をつける前に死ぬなど、この私が許しはせん」
 力強い声。そこに込められているのは一体何なのだろうか――。
110星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 22:59:44 ID:w4uvmcy8
「そっか……信頼してるんだ」
 そんな感想が知らずと口から洩れた。
 強い信頼、妄信ではない何かに裏打ちされた信頼。そしてそこにどんな感情が身を潜めているのか――予想もつかない。
 ふと自分はどうなのかと気になる。
 DCに所属していた分だけ人の生き死には並より多く見てきたという気はする。
 それでも外宇宙への夢があった分だけ前向きに生きていたと思う。
 でも、今は何が何でも生き残りたいという目標がない。
 決して死にたいわけではないけど、ここには私なんかより生きたがっている人がいる。
 それでもラキにジョシュアのことを伝えるまでは死ねない、そう思うのは我が侭なんだろうか……。
 今の私をみたら、きっとスレイはいつもの台詞を吐くのだろう、『負け犬』と。
「ジョシュアといったかな」
「えっ?」
「あまり悩むな。恨んでも悔やんでも、死んだ人間は、生き返らん。己が生き残れただけでも良しと思うことだ」
 どこか重い響き。その言葉には人生を生き抜いてきた一人の人間としての真実が込められている。そういう響きだった。
 まぁ、別に復讐を思って考え込んでいたわけではないのだけれど……。

 そんなことを考えていた時、突然の強風に襲われ、火の粉が舞った。煽られた焚火の火が消え、辺りは暗闇に包まれる。
「あらあら、灯りが見えたから、試しにきてみれば……こんなところで呑気な人たちね。いつ、誰が、あなたたちを殺しに来るのか分らないのに」
 頭上から声が降ってくる。向けた視線の先には大型機が静かに鎮座していた。
 月の照り返しを受けて白銀に輝くそれは、どこか神秘的な雰囲気を醸し出している。頭から羽根を生やしているという意匠が、神体を連想させているのかもしれない。
 だがパイロットが放っているのは、頭の上から爪先まで品定めをするかのような視線。嘲り笑うかのような口調。
 あまりにも機体の意匠からかけ離れているため、かえってそれらが際立って感じられる。思わず全身の毛が怖気立った。
「あなたたち、残念だけど……使えそうにないわね」
 逃げてごらんなさいとでも言いたげに機体の足を踏み出し、脅かしてくる。
 思わず後退りしたアイビスとは逆に、シャアが果敢にも一歩を踏み出す。
「アイビス、何故こうまで多くの争いが起こっていると思う」
「えっ?」
「病んでいるのだよ。この世界も、人の心も……。ここは私にまかせて貰おうか」
「うん」
 相手に向かって歩いていく後姿を見つめる。相手の機体の大きさに比べてその背中は、あまりにも小さかった。
111星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 23:00:40 ID:w4uvmcy8
「君は我々を使えなさそうだと言ったな。ならば、我々に用はないはず。お引取り願いたいものだな」
「あの化け物が言ったことを忘れたの? 私は生き残りたいのよ」
「あれが約束を守るとも限るまい。他の方法を考えてみても無駄ではないと思うのだが」
「現実的ではないわね。あの化け物を相手にするのより、ここであなた達を殺すほうが現実的だわ」
 圧倒的優位を自覚しているのだろう。その口調には余裕があった。
「なるほど。だが、君は分っているのか? あそこにある私に支給された機体は核ミサイルだ。あれが爆発すれば君も生きては帰れない」
 説得。その次は脅し。実に落ち着いた声で淡々とシャアは述べる。
 相手が沈黙した。表情を伺い見ることはできないが、おそらくは示された機体を確認しているのだろう。
 その隙に気付かれないように、アイビスはゆっくりと湖ににじり寄る。
「確かに核ね。でも、あなたのほうこそわかっているのかしら? 今、あなたを踏みつぶしてしまえば爆発なんてしないのよ」
 機体の手に光が灯し、笑いをこぼしながら彼女は言う。いまだに彼女の優位性は揺るがない。
「残念。寿命を縮めただけになっちゃったわね」
 その声にシャアはわずかに肩を竦ませて見せた。そして「君は何もわかってはいない」と言葉を投げかける。
「何故、私が外部シートを申し訳程度にあつらえただけのミサイルを操ることができると思う? 全てはこのパイロットスーツとメットから動かすことができるからだ。
 つまり、私は念じるだけで君を巻きこみ自爆することができるということなのだよ」
 相手の嘲笑が消えた。
 その様子を満足げに眺め、余裕を持った態度で男は言葉を繋げる。
「そこで一つ提案があるのだが、このまま我々を見逃してはもらえないか?」

 ――上手い。
 その様子を傍から見ているアイビスは、正直にそう思った。
 現状は互いの喉元へナイフを突きつけ合っている状態によく似ている。
 ただし、本物らしく見せてはいるがシャアのナイフはただの紙切れ、まがい物である。
 だからこそ核という無視できない手札を明かすことによって相手の意識をそこに縛りつけた。
 そうすることによって意識は手元の本物ナイフから離れ、相手の偽のナイフばかり気にするようになる。
 やがて重い口を開けた彼女は憎々しげに言葉を漏らす。
「そんな虫のいい話が通ると本気で思っているの?」
 虚勢と動揺の入り混じったような声。もう一押しだ。そう思った。
「そうか。ならば仕方がない――


                   ――私だけでも見逃してくれ」
「本気?」
「今ならこの樹脂マスク三点セットも付いてきて、よりお買い得だ。どうだ? 悪い取引ではないと思うが」
「それは魅力的ね」
「ボイスチェジャー機能付きの逸品だ。他人に化けることが出来る」
「こずるい人」
 混乱するアイビスを傍目に、交渉は進んでいく。
 あまりの出来事に、思考がごっそりと停止してしまったかのような感じだ。
「チャンスは最大限に活かす。それが私の主義でな」
「いいわ。あなたは見逃してあげる。でも、そっち娘は別よ」
 どこか安心したような声だったが、その内容は洒落になってない。
「いいだろう。感謝する」
「えっ? えっ?」
 口を挟む間もなく交渉は終了した。
 視界の中を、コックピットに向かって放り投げられた樹脂マスクが横切っていく。
112星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 23:01:33 ID:w4uvmcy8
「ちょっと、一体どういう」
「聞いての通りだ。後は頑張りたまえ」
 ようやく抗議するも、あっさりと突き放されて終わる。
 呆然とするアイビスの目の前を、男はゆったりと通り過ぎ、核ミサイルに乗り込む。
「一つ、言い忘れていた。この核は衝撃によって誘爆もおこる。今後も私への手出しはさけることだな」
 そして、一つ念を押すとあっさりと飛び去って行ってしまった。
 離れ行く噴射口の明かりが徐々に小さくなる。その様をなすすべもなくただ見送っていた。
 胸中に渦巻くのは『売られた』という思いだけ。
「残念。見捨てられたようね」
「うるさい! 黙れ!!」
 ジワリジワリと怒りが込み上げてきてつっけんどんに返す。なんか気持ちがささくれ立っていた。
 難題を押し付け、相手が渋ったところで一歩引いてみせる。交渉としては理に適ったやり取りだったのだが、切られた身としては納得がいくはずもない。
「やつあたり? ヒスおこしたって知らないわよ」
「黙れって言ってんのよ! おばさん!!」
「あたしはまだ17よ」
 そうして暫くぎゃいぎゃいと始まる口喧嘩。というより、一方的にアイビスが噛み付き、カテジナがそれをあしらっているだけなのだが。
 しかし、罵詈雑言を掴みかからんばかりの勢いで浴びせかけられたら、さすがに誰でも嫌気が指す。むしろよく耐えたと褒め称えたい。
「もういいわ。何であたしがあなたのヒスに付き合わなければならないの。今すぐ黙らせてあげるわ」
「やれるものならやってみろ! ブレン!!」
「……!!」
 月を映し出した湖面から、一筋の光が飛び出してくる。不意を付いた攻撃にカテジナは思わず跳びさがる。
 その様子を確認し、アイビスは湖に向って一目散に駆けた。
 補給中のブレンは湖底にいた。それがいい方向に作用し、隠れているという形になっていたのだ。
 牽制を行いつつ浮上してきたブレンが見える。躊躇なくコックピットに跳び移る。

「ブレン、いくよ!!」
 ソードエクステンションを三制射、同時に弾けるように空を駆ける。
 ――相手の動揺が消えないうちに攻撃を仕掛ける。
 牽制の三射は全てかわされた。予想外に敵の動きが早い。しかし、詰めた距離も残り幾許もない。
 躊躇することなく懐に飛び込む。それを阻止しようと腕が突き出されるのが見えた。
 ならば、まず邪魔なそれを斬り落とそうと、ソードエクステンションを振り下ろす。
 鳥の地鳴きにも似た接触音。伝わってくる手ごたえは金属のそれとは異なる。
 ――フィールド?
 予想外の違和感に困惑するのも束の間、全身の細胞が警告を発した。
 一切の確認を放棄して全速でその場を駆ける。風を切る音が耳元で唸る。
 それに構わず駆け抜け、一先ず距離を取った。
「……シールド」
 苦虫を噛み潰したような顔で呟く。
 距離を取り確認してみたところ、斬撃を弾いたのはフィールドではなくて盾。
 六角形の赤い光が寄り集まり形を形成しているそれは、これまでに見たことのない物だった。技術体系の得体の知れなさが、どうにも薄気味悪い。
 あの赤い光体は攻撃にも転用できるものなのだろうか、と頭の隅で考える。
「盾? へえ、こんなものもあったんだ。楽しくなってきたじゃないか!」
 猫が獲物を嬲り殺しているかのような楽しそうな声。
 予想外の出来事に驚かされはしたものの、自分の優位性を自覚しなおし、ジワリジワリと楽しさ込み上げてきた、そんな感じなのだろう。
 ゆっくりと差し出された手に、光が瞬くのが見えた。咄嗟に左へ跳ぶ。
 ブレンの間際を抜けた光が湖に着弾。巨大な水柱が吹きあがった。
「なっ!?」
 思わず絶句する。あまりにもあっさりとチャクラシールドを突き破ってきた。
 回避が少しでも遅れたらブレンの装甲ではもたない。一撃でもまともに当たればそれで終わり、そう直感が告げている。
 ――冗談じゃない。
 射撃で牽制を繰り返す。それを意にもかいさずに相手は光を乱射してきた。
113星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 23:02:21 ID:w4uvmcy8
 しばらくの間、光線と光りが互いの間を行き交う。肩のすぐ脇を、頭上を、腰のすぐ左を飛び交う光が抜けていく。
 それを無我夢中でかわしていた。
「どうしたの? 口数が減っているわよ」
 時折、余裕を見せつけるかのように話しかけてくるのが癪に障った。しかし、それに言葉を返す余裕すらない。
 最初に感じたように、大型機の癖に動きが機敏で捉えきれていない。放ったソードエクステンションはまだ一発も当たってはいなかった。
 機体そのものの動きというより反射が異常に鋭いという感じだ。ほとんど攻撃を仕掛けた瞬間には反応されているという気さえする。
 同時にその反応の鋭さはこっちの回避行動を圧迫している。
 唯一の救いは、周囲の暗さで光を発する相手の攻撃を見極めやすいことと、相手が弄ぶつもりであるということ。
 だけど、このままじゃいずれ――

 ――冗談じゃない!
 何度目も反芻するその言葉で、想像の先を遮る。
 まだだ。まだラキに会ってない。ラキにジョシュアのことを伝えていない。
 ――まだ……死にたくない!!
 何か、何か手があるはずだ。いままで培ってきた経験の中で、何か――GRaMXs。
 ――無理だ。
 手が震え、頭が否定した。できるわけないだろう、そう思う。今まで一度だって成功したことはないのだ。 
 GRaMXs――重力加速制御応用の急加速突撃、ならびに攻撃対象との交差射撃による空間戦術。
 その肝は最高速を保ちつつ行う急降下射撃と繰り返し行われる急加速と急停止。口で言うのは簡単だが、その機体制御は困難を極める。 
 ――冗談じゃない……。
 心底そう思う。機体を保ち切れずに墜落までしているのだ。もうあんな思いは二度としたくなかった。
 第一、ブレンは重力加速制御なんかで動いてはいない。リオン系ですらない。GRaMXsなんて土台無理な話なのだ。
 だが、相手の軌道を読み切り旋回半径に飛び込むGRaM系とRaM系に共通する基本動作――。
 ――それだけの動きならブレンと今の私でも!

 迷っている暇はなかった。今この間も相手の攻撃は容赦なく襲ってきている。このままかわし続けてもジリ貧だった。
 他に試せるものもない。飛び込んだ後はどうとでもなれだ。
 心臓の鼓動が速い。腕に力が籠る。
 『落ち着け、落ち着け』『きっと大丈夫、平気だ』そう何度も自分に言い聞かせる。
 大きく息を吸い込み、ゆっくりと長く吐き出す。しっかりと前を見据えた。
「ブレン、やるよ!!」
 今もジョシュアのようにブレンの声が聞こえてくることはない。やさしいというのもわからない。それでも声だけはかけようと決めていた。
114星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 23:02:57 ID:w4uvmcy8
 相手の放った貫通光を避けた瞬間、ソードエクステンションで制射を行う。
 牽制ではなく制射。相手を制するための射撃。
 攻撃と回避を交互に行う。神経を針の先ほどに集中させながら相手の動きをつぶさに観察する。
 反応は並はずれて鋭い。攻撃を仕掛けた瞬間に最小の動きで回避し、無駄なく攻撃に転じている。
 相手は口喧嘩を行った時とは違い、極めて冷静な操縦を行っているとも言えるだろう。
 逆に言うと、最小の動きでしか回避しようとしていない。少しでも守勢に回るのを極端に嫌っている、そういう風にも見えた。
 ――そこにつけ込み誘導する。
 大きく回避ができても小さく細かくとしか避けようとしない。ならば、予め狙いを調整することで。
 まずは三発。焦っているように見せるよう狙いをいくらかずらせた攻撃。そして、脳内で予想した動きに合わせて続けざまにもう三発。
 一度でもあてがはずれたら終わり、そういう攻撃を執拗に繰り返しながら突撃のタイミングを計る。
 手に汗が滲んでいるのがわかった。
 『焦るな』『慌てるな』、飛び出したくなる衝動を何度も何度も押さえつける。
 そして、こちらの攻撃を嫌がり下に避けたとき、さらに下方に逃げ込むよう射撃を行いつつ急加速突撃を開始する。
 一度大きく夜空に舞いあがる。
 相手が湖面に邪魔をされて逃げ場を失い、射撃に捕まる。水煙に邪魔されて着弾の状況は確認できない。
 ――構うものか!
 霧がかったように霞むそこ目掛けて、垂直降下の最高速で突っ込む。
 ソードエクステンションを下方へ真っ直ぐと伸ばした。銃口に明かりが灯り急降下射撃。
 被弾した相手がこちらに気づく。
 ――構うものか!!
「行っけえぇぇぇええ!!」
 そのまま一直線に、一切の減速なしに突貫した。
 前腕部に現出した赤いシールド、そこに刃が突き立ち、貫く。
 大きな減速感。だが、まだブレンの足は止まってはいない。腕をすり抜け再加速。しかし、感じるのは何かに包まれているような減速感。
 ――構うものか!!!
 そのまま全身を叩きつけるようにソードエクステンションを突き刺す。 
 だが、その刃は巨神まであとわずか数十cmというところで届かない。磁石が反発しあうような抵抗。
 カタカタと小刻みに揺れる刃を全力で押し込む。だが、届かない。
「アハハハ……残念。惜しかったねぇ」
 死を宣告する死神の声。表情が凍りつく。
 知らずに腰が引け、それがブレンに伝わり徐々に押し戻される。
 ――もう、逃げるしか……。
 逃げる? また私は逃げるのか?
 フィリオから、プロジェクトTDから逃げ、ギンガナムから逃げ、アムロさんを置いて逃げ、そして夢からも逃げてきた。
 それなのに、また助かりたいために逃げる。この先もずっと逃げ続ける。それでいいのか?
 バイタルジャンプで逃げるしか手は残されていない、それはわかっていた。そして、補給はすんでいる。逃げ切ることは可能だ。
 でも、それでいいのか――。

 ――いいわけ……あるか!!

「うわあああぁぁぁぁぁあああああああ!!!」

 目の前の障壁を破ること以外何も考えてない、ただ力任せの突撃。しかし、渾身の突撃。
 アイビスも、ブレンも、全ての力をそこに注ぎ込む。
 だが、無情にも刃は届かない。ほんの少し、わずか紙切れ一枚の距離が埋まらない。
「見苦しい特攻ね……」
 もはや飽きたとでもいいたそうな声。
 ゆったりと巨神の腕に光の刃が現出し、大きく振り上げるのが見えた。
 悔しい。悔しかった。悔しくて涙がこぼれた。だが、目の前の埋まらない距離はどうにもならない。
 そして、死の宣告は最後の言葉を告げる。
115星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 23:03:39 ID:w4uvmcy8
「今終わりにしてあげるわ」
「それはどうかな」
 割って入ってきたのは聞き覚えのある声。立ち去り、逃げていったはずの男の声。
 一瞬、幻聴かと耳を疑った。だが、続く言葉で幻聴ではないと知る。
「下か!? くっ!!」
 目の前に立ちはだかり決して動かなかった抵抗が消えた。巨神が動き、逃げたのだ。
 そして、目と鼻の先を、水中から姿を現した真っピンクのボディが飛沫を散らしながら流れていく。
 風を切る、流線形の先端とそこにあつらえられた角。そして、危険を示す独特のマーク。
 見間違えるはずがない。見間違えようがない。シャア=アズナブル、彼が戻ってきたのだ。
「機体の性能の差が戦力の決定的な差ではないということを教えてやろう」

 ――速い!
 瞬く間に二機の差が詰まり、慌てた巨神が機体を翻して突撃を避けるのが見えた。
 接触寸前、あわやというところで核ミサイルは巨神の脇をすり抜ける。
「ちっ! 何故、まとわりつく。気持ちの悪い」
「どうした? 集中して避けねば、私もろとも地獄行きだぞ」
「い、言われるまでもない」
「そうしてもらいたいところだな。私もまだ死ぬわけにはいかないのだよ」
「なら、こんな無茶はやめたらどうだい!」
「そういうわけにもいかんのでな」
「くっ・・・・・・ふざけたことを!」
 上空で行われる二機のやり取り。
 核ミサイルが執拗に追い回している。巨神は誘爆を恐れて牽制を行うことすらできずに逃げまどう。
 相手の動きと技量を読み切り、余裕を与えないために接触ギリギリのところで追い回す腕――圧倒的だった。
 桁違いに鋭いと思っていたあの反応速度でさえも、一歩も二歩もシャアが上をいっている。
 あの女が攻撃と同時に反応しているとしたら、シャアは予備動作のうちに既に反応しているという感じだ。
「凄い……」
 知らずにそんな言葉が口から洩れていた。

「アイビス!」
 怒声が通信機を伝って流れてきた。それではっとする。
 気づけば目の前の戦闘に見惚れていたのだ。
「もうさっきの攻撃を一度しかけろ。私では決め手がない」
「でも……」
 口ごもる。眼の前の戦闘に割って入れるとは思えなかった。
 核ミサイルに追われることで無秩序性を増した動きを読み切る自信もない。 
「私がサポートするのだ。自信を持っていけ」
 隠してはいるが、どこか辛そうな表情。
 高速で動くミサイルに剥き出しで座っているのだ。その身体にかかる負担は想像を絶するのだろう。
「わかった。やってみる」
「二手三手先を読むよう心がけろ。私の軌道予測も忘れるなよ」
 通信はそれだけで終わりだった。シャアとて無駄口を交わしている余裕などないのだ。
116星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 23:04:21 ID:w4uvmcy8
 一度顔を拭い、上空を見上げる。 
 シャアは自分の軌道予測も忘れなと言った。つまり無秩序に追いかけまわしているように見えて、そこに何かしらの条件があるのだろう。
 外から見ていればわかるだけの何かを――。
 目を皿のようにして、目まぐるしく動き回る二機の軌道を追いかける。
 最接近する際の位置関係――違う。
 追いやる方向の規則性――違う。
 方向転換――全然違う。
 焦りと不安を押さえつけ必死に、必死に探す。
 どれだ? どこだ? どこに規則性が、ルールが、条件が――。

 ――見つけた。
 もしかしたら間違いなのかもしれない。それでも――。
(ブレン、私に付き合ってもらうよ)
(…………)
 一瞬、ブレンが相槌を打ってくれたような、そんな気がした。
 今度は射撃なしの急加速突撃。目指す先は今現在の敵機の場所よりやや北東。
 シャアは一定空域から逃さないように相手を追っている。逃げようとすれば回りこみそ転進させているように見えた。
 だから読みが正しければ、次はそこで軌道が変わるはずだ。
 読みは的中。相手は核に追われて狙った場所へと押しやられている。
 後は不意を討てるかどうか、盾さえなけば障壁は抜ける。相手が気づくか気づかないか、それだけは賭けだった。
 軌道に合わせて微調整。タイミングを合わせる。あとは――。

 ――思いっきり突っ込むだけだ。

 前回同様、ソードエクステンションを構え、最高速で突撃する。
 僅かに違うのはその軌道。上方から抉るように突っ込んだ。
 直前で気づかれ、進路を遮った赤い光のシールド。それを突き破る。だが、やはりここで速力がそがれる。
 ――まだだ。まだ!
腕をかい潜って再加速。
 纏わりつく減速感。構わずに全身全霊を込めて突き進む。ただ前に。ほんのわずかでも前に。
 だが、刃は届かない。わずか紙切れ一枚の距離が絶望的に遠い。
「諦めな。お前たちでは盾と音障壁は破れないわ」
「そうでもない。アイビス、撃て!」
 薄ら笑いを貼り付けたような声を突き破り、シャアの声が届いた。
 咄嗟にトリガーを引く。突き付けた切っ先に光が灯り、ようやく、ようやく音障壁を突き抜けた。
 そして、狂ったようにただひたすら撃ち込む。
「落ちろ! 落ちろ!! 落ちろ!!!」
 被弾した巨神が湖岸に沈み、その爪痕を大地に残す。
 そこへ間髪入れずにシャアが追いすがる。土を撒き上げ、四肢全てで大地を蹴るようにして巨神がかわす。
 土に混じった石。それを弾いた核の外装で火花が散る。
 シャアの核ミサイルがそこを抜けたときには、既に敵は離脱を始めていた。
「逃がさない!!」
「待て、アイビス!」
 追撃をかけようとしたアイビスをシャアが止める。
 核ミサイルもこれまでのように追いすがってはいなかった。
117星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 23:04:54 ID:w4uvmcy8
「何故、止めた!」
「土を掴んで逃げた。あれぐらいでは核はびくともしないが、剥き出しの私はそうはいかんのでな。
 かといって、君一人に追わせるわけにもいかん。それに、絶対的に有利な状況を覆して見せ、心理的に追い込みはしたが、実際は大した被害は与えておらんよ。ここが引き際ということだ」
 諦め切れないように逃げた方向を睨みつける。漠々たる闇があるのみで、そこには既に敵の姿はなかった。
 それからふと思い出したように声を投げかける。
「怪我は? 土を撒き上げられたでしょ?」
「大丈夫だ。大きな塊は私には当たらなかったようだ」
「そっか」
 身振り手振りをまじえて無事をアピールしてくる様子を見て、ほっと息をつく。
 そして、また別のことを思い出し、口を開いた。それもひどく刺々しく。
「何で逃げた?」
「余裕を奪うために不意を突く必要があった。彼女が冷静な状態ならば、ああも上手くは追い込めなかっただろう。
 同時に、ある程度こちらの実力を見せつけておく必要もあった。これで今後彼女は我々に手出しをしにくくなるはずだ」
 そりゃあ、誰だって核ミサイルなんかには追いかけられたくないだろう。執拗に相手をつけ狙いそうな彼女だって例外じゃないはずだ。そう思った。
「付け加えるなら、樹脂マスクはコックピットの位置を確認するための小道具だったといったところだな」
「そのせいで私は死にかけたんだけど……」
「あの程度の時間で君はやられたりせんよ。それにバイタルジャンプの存在もある。もっとも少々買いかぶり過ぎだったようだが……」
「どういう意味よ……」
「だが最後の動き、あれは自信を持っていい」
 睨みながら返した言葉にシャアは笑って見せた。

「しかし、アムロが遅いな。少々気になる……なっ!!」
 そう口にした瞬間だった。突然飛来した赤い光の矢が数本、核ミサイルを襲った。
 慌てて飛んできた方向にソードエクステンションを構える。遠距離から狙い撃ちされたのか何も見えない。だが、方角はさっきの敵が逃げたほうだった。
 甘かった、そう思う。あれほど執念深そうな相手がこのまま見逃してくれるはずはなかったのだ。
 きっと核が爆発しても平気な距離から攻撃を仕掛けてきたんだ。そう思った。
 しかめっ面で夜の闇を睨みながら声を掛ける。
「無事か?」
「逃げろ!」
 返ってきたその言葉が意味するもの、それは絶望だった。
118星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 23:06:23 ID:w4uvmcy8
 私ともあろう者が、間の抜けた失敗をしたものだ。
 おそらく相手はミサイルの噴出孔の明かりを目印に攻撃をしてきた。さっさと地上に降りるべきだった。旋回を行いつつ空中で会話などするべきではなかったのだ。
 不意を突かれたが矢は全て避けた。中には際どいものもあったが、一本たりともかすりもさせていない。
 しかし、しかしだ。際どいもののうちの一つが体の間際を抜けていった。
 その余波の熱と風圧。たったそれだけで、僅かなパイロットスーツに身を守られただけの身体は、ズタズタにされた。
 普通の機体に乗っていればなんでもないことだった。
 今は、気を失わなかったのが、ほとんど奇跡と言ってもいいありさまだった。

「逃げろってどういう意味さ!!」
 アイビスがブレンから身を乗り出し叫んでいる。無茶をするものだ、そう思った。
「わからんのか。私の体がもたんのだよ。もうじき核が地表に落ちる」
 最後の意地のようなものだけでミサイルを水平に保っていた。
 しかし、徐々に高度が落ちてる。一度、気を失えば激突は免れえないだろう。
「今、助ける!」
「どうする気だ?」
「ブレンで操縦席だけはぎ取る」
「ハハハ……無駄なことはよせ、アイビス。私がいなくなれば即座に核は落ちるのだぞ」
 大口を開けて笑う。体中が痛かった。
「だからって、見捨てられるか!!」
「アイビス、お前はジョシュアに命を託されたのだ。 お前は、彼の骸の重さを知っている。だが、託された命の重さはその比ではない。 お前はそれを背負ってしまった。
 自分を支えられる強さを持て、アイビス。お前が生き抜いていくために、ここで私を捨てて行け」
「まだあきらめるな! 決着をつける相手がいるんだろ!!」
「ブレン、優しい子だ。だが、迷うな。守るべき人間を間違えるな。跳べ!」
「待て、ブレン」
「アイビス、死ぬことだけは許さん。後は好きにしろ。行け、ブレン!」
 歪な音と共に眼前からブレンが掻き消える。
「私の命も背負っていけ、アイビス……」
 宵闇の空に一人取り残された男の呟きは、闇に溶けて消えた。
 次の世代に託す。それもまんざらではない。そんな気分だった。

 死を直前にしてみて、意外と未練は少なかった。
 ただ、アムロと決着をつけられない、それだけが残念だと思った。
 頭がくらりとする。痛みはもう感じない。
 まだだ。まだ私は生きている。生きている限り、核を落としはせんよ。そう思った。
 コロニー落としを行なった自分が、何を今さらといささか滑稽な感じがした。
 視界が暗い。あれは地表なのか。ということは、私は落ちているのか。水平に保とうと機体を起こす。
 月が目に入り、次に真っピンクの円筒形が、視界の中を下から上へ流れていった。
 浮遊感に包まれながら、月を見続けていた。

『大佐……』

 どこからか声が聞こえてくる。ひどく懐かしく優しい声。すぐ行く。ただ、そう思った。
 そして、光の海に呑み込まれた。
119星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 23:07:25 ID:w4uvmcy8
 常闇の中に灯りが燈る。その灯りを受けて、白銀の巨神がオレンジに染まっていた。
 その中でカテジナ=ルースはうっとりと恍惚の表情を浮かべている。
「あたしを追い払った。それだけで勝った気になっているなんて、甘いよねぇ」
 長距離から核を狙うことに、まったく自信がなかったわけではなかったが、不安もあった。
 ――だが、うまくいった。
 小賢しい手を使って追い回してきた男と、生意気な女を葬り去れたことが愉快だった。
 これで憂さも晴れるというものだ。
 そして、なによりも心かきむしるほど目の前の光景は素敵だった。歴史上のどんな芸術家が描いた絵画よりも魅力的だった。
 核の炎、あらゆる歴史が否定するそれは、実際に見てみると見惚れるほど素晴らしかった。
 とはいえ、いつまでも眺めているわけにもいかない。ラーゼフォンのエネルギーが底を突きかけている。補給が必要なのだ。
 それでも、もう少しだけこの愉快で美しい灯火を鑑賞していよう。そう彼女は思った。


 時を、三時間ばかり逆行させたその光は、落ちゆく夕陽のように美しく、どこか幻想的で、そして禍々しかった。
 その背筋の凍るような光景をただ呆然と眺めていた。地鳴りが耳に響いている。

 ――みんな、自分勝手だ。
 心底そう思う。
 勝手に一人でかっこつけて、勝手に死んでいく。
 助けられたほうがどんな気持ちになるかなんてまるで考えてない。
 ――みんな、馬鹿だ。
 あんたたちのやったことなんて、ただの自己満足だ。
 私なんか助けずに逃げたらよかったんだ。ジョシュアも、シャアも、私に構わなければ逃げ切れた。
 自分だ。自分の存在が人を殺している。そう思えた。
「好きにしろだって? こんな私に一体どうしろっていうのよ……」
 死ぬことを禁じられた。だが、泣くことは許されていた。



 星落ちて意志となり、小さき星に受け継がるる。
120星落ちて石となり ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 23:07:56 ID:w4uvmcy8
【カテジナ・ルース 搭乗機体:ラーゼフォン(ラーゼフォン)
 パイロット状況:精神不安定(強化の副作用出始めてます)
 機体状況:胸部に軽傷・頭部の両側の羽根が焼け焦げている・EN残量1/10
 現在位置:F-1
 第一行動方針:補給
 第二行動方針:自分が利用できそうな存在を探す
 第三行動方針:利用価値の出来ない人間は排除
 第四行動方針:利用価値が無くても大所帯はあまり相手にしない
 最終行動方針:生き残る
 備考1:カテジナはラーゼフォンの奏者として適性が無いため真実の眼が開眼せずボイスも使えない
 備考2: ブライト、ガトー、アズラエルの樹脂マスクを所持。ボイスチェンジャー機能付き】


【シャア・アズナブル 搭乗機体?:核ミサイル(スーパーロボット大戦α外伝)
 パイロット状況:死亡
 機体状況:消滅
 現在位置:F-2東部】


【アイビス・ダグラス 搭乗機体:ヒメ・ブレン(ブレンパワード)
 パイロット状況:良好
 機体状況:ソードエクステンション装備。機体は表面に微細な傷。
      バイタルジャンプによってEN1/4減少。
 現在位置:E-2北東
 第一行動方針:核の汚染を避けるためにその場を離れる
 第二行動方針:アムロと合流
 第三行動方針:ラキを探し、ジョシュアのことを伝える
 最終行動方針:どうしよう・・・・・・
 備考:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません。 】

【時刻 21:00】
121 ◆7vhi1CrLM6 :2007/04/26(木) 23:19:59 ID:yuXZlpAK
投下終了。
カテジナさんをちょっと固くし過ぎたかも。
あと核の扱いがこれでいいのか結構不安です。
感想と指摘のほう、よろしくお願いします。

本文キッカリで連投規制に引っかかっちゃった……。
122それも名無しだ:2007/04/26(木) 23:49:29 ID:MbZgl/2v
二次スパのシャアがここまでカッコ良くなるなんて!
途中でまたギャグキャラになったかと思ったら最後の最後で…
戦闘描写も丁寧に書き込まれていて良かったです
二人とも星に関係する異名をうまく使ったのも良かった
GJ&乙です
123R-0109 ◆eVB8arcato :2007/04/26(木) 23:51:50 ID:LwHB8Knz
どうも、初めまして。交流所でラジオをやっているR-0109という物です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが現在「パロロワ企画スレ巡回ラジオツアー」(毎回呼び名変わってる気がするけどまあいいや)
をやっていまして、来る4/28の21:00からここでラジオをさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?

実況スレとラジオのアドレスは当日に持ってきます。

一応交流所のアドレスです。
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1177408737/
124それも名無しだ:2007/04/27(金) 00:03:21 ID:j5awDFGI
>>121
GJ!
シャアが格好良すぎる。おいおい……ネタキャラだと思ってたら……
ここまで魅せてくれるとはな。さすがとしか言いようが無いぜ。
カテジナさんについては原作未見のためよく分からんです。
核については大丈夫だと思います。
しかしアイビスは欝展開まっしぐらだなw
125それも名無しだ:2007/04/27(金) 00:05:35 ID:2kQtCgfS
アイビス……二人の屍を越えていけるのかな
出来ればへたれてほしくはないぞ、でもへたれたらへたれたでそれは仕方ないけど……ううん;
126それも名無しだ:2007/04/27(金) 01:22:02 ID:auE2uNJb
>>121
GJ!
シャアがすげえかっこよかった
アイビス、ここから浮上できるか?


と、ここまでかいてて気付いたが
アイビスは二人のマーダーに狙われる予感がw
127それも名無しだ:2007/04/27(金) 01:41:40 ID:5vB8z5gR
アイビス……
ここでアムロやラキにまで先立たれたりしたら……
128それも名無しだ:2007/04/27(金) 02:00:30 ID:XaSmGLQX
シャ…シャアァァァァーッ!
なんとなく死にそうにないやつベストワンだと思ってたからこの展開は超意外だ!
しかしこれでカテジナはMS乗り二人撃破、アムロとキラの仇敵になったわけだな…
アイビスもまた辛い目にあったが、これって覚醒に繋がる布石だよな。
書き手さんGJだぜ
129それも名無しだ:2007/04/27(金) 06:39:54 ID:6BiqTY+3
アイビスが死神になっとる気がするぜ………

シャアの癖に格好いいなんて!!
130それも名無しだ:2007/04/27(金) 08:17:50 ID:pNawlj0+
>>121
GJ!
シャア、セコイ手で逃げたと思ったらネタキャラだったくせに魅せてくれやがって
コーヒーとは違うということか
アイビスは頑張って覚醒してほしいな

>>123
ラジオ、楽しみに待ってます!

>>126
御大将は確定として、もう一人はクインシィ?統夜?
131それも名無しだ:2007/04/27(金) 08:59:27 ID:SII28pKr
アスラン、シャアと来たら次に危ないのはゼクスだな、きっと
132それも名無しだ:2007/04/27(金) 17:38:55 ID:auE2uNJb
>>130
カテジナ
殺したと思い込んでいるのに、アイビスはまだ生きてるから
133それも名無しだ:2007/04/27(金) 20:53:38 ID:TxN08Elq
ちょっと質問があるんだけど反応弾の扱いってどうしたらいいと思う?
原作通り核ミサイルレベルの破壊力でいくのかロワ補正ってことで弱体化、使い勝手を良くするか。
反応弾絡みで没った作品が二つもある以上前者で通すべきかな?
134それも名無しだ:2007/04/27(金) 22:09:15 ID:Rn/WbbGf
IF22話
範囲:近距離で使った本人が巻き込まれた
威力:Jアークが一撃で沈み、Jアークが盾になってもある程度の損傷は受け、ガンダムだと吹き飛んだ。

IF28話
範囲:不明
威力:色々と頑張ればガオガイガーがなんとか耐え切れる

所持機体:VF-1・YF-21・VF-22(三機とも搭載されているという描写が既にある)

問題は範囲と威力と弾数なんじゃないかな
個人的には

範囲:広範囲。ただし一ブロックが壊滅するほどではない
(近距離で使えばお陀仏だが、遠距離(最低でもレーダー効かないくらいの距離は必須)で上手く使えば自滅は避けられる)
威力:高威力。没二話の間でIF28話より
弾数:機体毎に一基(例えばVF-1なら六基搭載できるが支給されたのは一基だけ)
補給:補給ポイントでも補給は不可能

このくらい使い勝手が悪くてもいいと思う
135それも名無しだ:2007/04/28(土) 00:20:35 ID:Jg/8tYHd
バランス的にはそのくらいが丁度良いでしょうねー。
結局は書き手のさじ加減によるでしょうけど。

今更ですがミス発見……orz
武蔵の一人称はおいらじゃなくて俺でしたね……誰かと混同してました。すいません。
136それも名無しだ:2007/04/28(土) 00:26:15 ID:R62nYd/Z
あれ?一人称はおいらじゃなかったか?
αシリーズは確かそうなんだが
137それも名無しだ:2007/04/28(土) 00:30:36 ID:Jg/8tYHd
>>136
まとめにある設定支援によれば俺。
αシリーズ外伝にして公式扱いの「竜が滅ぶ日」でも俺って言ってたから多分俺が正解だと思う。
138それも名無しだ:2007/04/28(土) 07:03:55 ID:A1qgJElB
>>133
まとめの反応弾の項目に通常戦闘で使われることはないって載ってる
そこから考えると、遠距離から撃ち込んで近づかずに離脱ってのが本来の用途なんじゃないかな
マクロス見てないから違ったらすまん
という訳で威力バカ高で一ブロックの1/4巻き込むぐらいでいいと思う
139それも名無しだ:2007/04/28(土) 10:58:45 ID:QxrIWhQV
>>137
アニメじゃ普通に俺もおいらも両方使ってたような記憶が。
まあ、わざわざ訂正するほどのもんでもないかも。
このへんの使い分けは原作でも結構いい加減だし。
140それも名無しだ:2007/04/28(土) 17:27:16 ID:C7MEQZdG
原作のイメージ的に鍋?被ってたらおいら、なかったら俺。

ところでカテ公は奏者の資格がないが、やっぱ原作に沿って奏者は綾人だけ?
バサラはなんかイメージ的にハマるんだが…
元祖スパロワはラミアがボイス使ってるし、ある程度融通効いてもいい気がする。
キラやゴステロが勇気ロボを動かせるんだし。
141それも名無しだ:2007/04/28(土) 18:17:22 ID:pMLy0IIs
ところでガウルンVSギャリソン戦で森火事が発生しているはずなんだが、そろそろ盛大に燃え広がっても良い頃じゃないのか?
142それも名無しだ:2007/04/28(土) 19:03:02 ID:x4zZnREJ
>>140
融通効かせて良いと思うぜ。
残念ながらカテジナさんはダメだったが、奏者の資格有りの人もいるかもしれないよくらいで。
バサラとかはいけそうだな、とは思ってた。

>>141
良い頃だな。50km四方もあるからさぞ素晴らしいことになってるだろうw
ユーゼス組、ジョナサンあたりが影響を受けそう。クインシィなんかもそっちに移動しているね。

ちょっと今日のラジオ楽しみにしてる奴挙手
ノシ
143それも名無しだ:2007/04/28(土) 19:06:17 ID:uPHdFZVD
ノシ
常住のロワがテーマになるのは初めてだから楽しみ
144それも名無しだ:2007/04/28(土) 19:15:05 ID:DAPyv6yc
ノシ
ROM専だったが実は無茶苦茶楽しみにしてた
ラジオも初めてだけどね
145それも名無しだ:2007/04/28(土) 19:23:01 ID:0y4tv/ep
ノシ
ラジオ優先でGWのスケジュールを調整してた。

>>141
ナデシコ組も広がり方によっては巻き込まれそうだな。
146それも名無しだ:2007/04/28(土) 20:25:36 ID:pV0xslHI
ノシ
夜勤休んだ俺がいるぜ
147それも名無しだ:2007/04/28(土) 20:54:02 ID:R62nYd/Z
良いよな…
俺なんてPC壊れて聞けねーんだぜ

ってやさぐれてみたが実況スレはROMってみよう
148R-0109 ◆eVB8arcato :2007/04/28(土) 21:08:40 ID:CFFUseqt
149それも名無しだ:2007/04/29(日) 19:53:20 ID:w2BWLsbk
参戦作品をスパロボでカバーしようとおもったら、何作プレイしなければいけないのかちょっと調べてみた。

・α外伝:Vガン・X・∀
・サルファ:SEED・W・マクロスプラス・ガガガ・ゴーショウグン
・MX:電童・ラーゼフォン・劇ナデ
・D:ビゴー・メガゾーン・チェンゲ・マクロス7
・J:ブレン・テッカマン・フルメタ・レイズナー・カイザー・ナデシコ・Gガン
・OGsもしくはOG2

これでほぼいけるかな?
バーニィとユーゼス以外はどれかには出てはいると思う。
6作はしんどいな。外伝とサルファが未プレイだ……。
150それも名無しだ:2007/04/30(月) 10:24:20 ID:vebddnfb
後は無印αでバーニィ、ユーゼスもいけるか……?
バーニィはあんまり原作再現されてなかった気がするけど。
ゴーショーグンもサルファでは空気だった気がするし、アイビス主人公でニルファプレイもいいかもしれんね。
まぁ原作見るのが一番なんだろうけど、アニメが嫌われ者な田舎レンタル店じゃガンダムさえまともに置いてないのが痛いな。
151それも名無しだ:2007/04/30(月) 13:11:43 ID:wDVB9/ZR
まぁバーニィ自身が主役じゃないのが痛いな。
どうしてもスパロボである程度原作把握したいならGCかXO
(アルへのビデオレターもあるし)
まぁ0080はOVAだからそこまで長く無いし、話自体も結構観れるんで
機会があったら見てみるのもいいかもしれん
152それも名無しだ:2007/05/01(火) 01:43:17 ID:H3te1lj9
>草木を糧に燃え上がる、"ガンダム"達のすぐ側に、一つの黒い人影があった。

今気づいた。
火事ってキッドが死んだときにF-6でも起こってるんだな。
G-6基地を取り巻く森だけに楽しげなことになってそうだ。
機体の壊れたバーニィには洒落にならん事態だが。


153それも名無しだ:2007/05/03(木) 22:47:36 ID:jBcxNHeY
ラーズアングリフの詳細調べてたらAとOG2で弾数が違うっぽいね。
最新話ではFソリッドカノンの弾数がOG2準拠なんだけどこのままでいいのかな?
ちなみにAが5発、OG2が8発。6発使ってるからA仕様にするなら修正必須。
個人的にはこのままOG2仕様で通したほうが良いと思うんだけど……
154それも名無しだ:2007/05/04(金) 03:57:02 ID:cz0a+Q5X
それならOG2仕様で良いと思う
155それも名無しだ:2007/05/06(日) 13:30:28 ID:z7NDEGxU
保守
156 ◆C0vluWr0so :2007/05/06(日) 21:20:41 ID:k7wp+Wjv
クルツ、シンヤ、リョウ予約します
157それも名無しだ:2007/05/06(日) 21:35:55 ID:do7K7F2j
久々の予約にwktkが止まらない
158それも名無しだ:2007/05/06(日) 22:54:25 ID:Z2XAQpzC
どう見ても地獄です本当に(ry
wktkが止まらない是
159それも名無しだ:2007/05/06(日) 23:24:37 ID:1nx7NruR
クルツ逃げて!超逃げてー!!
と言ってもリョウもシンヤも結構ボロボロだな
どうなるのか先が読めないぜ
160Take a shot ◆C0vluWr0so :2007/05/07(月) 00:05:41 ID:ywyjbxj7
相羽シンヤはこのわずか数時間の間に舐めさせられた辛酸を思い出し、ただの虫けらに過ぎない人間どもの行いに歯噛みしていた。
飄々とした態度ながらもその確かな操縦技術でシンヤの乗機を撃破した、宇宙の始末屋J9を名乗るキッドという男。
空腹に倒れていた自分をまるで迷子の子犬のように拾い上げ、人間の分際で哀れみの目を向けた白い機体の女。
突然襲いかかり、真紅のマフラーをたなびかせながら自分を足蹴にした機体。
そしてなにより――ネゴシエイター。あいつだ。
赤マフラーの機体との戦闘に割って入り、取引とは名ばかりの要求を突きつけてきた。
仲間の生首を見たネゴシエイターの顔は見物だったが、人間風情に後れをとることになるとは思いもしなかった。
一瞬の油断のせいで右足はもがれ、左腕も使いものにならない。

(――この屈辱、必ず晴らしてみせる。待っていろ、ネゴシエイター!)

とはいえ、このまま移動を続けるのは自殺行為。シンヤは怪我の処置、そして十分な食糧の確保を最優先事項だと判断する。
人気の無い市街地を片足のまま駆けるシンヤの目に入ってきたのは、一軒のコンビニだった。

「フフフ……ようやく僕にもツキがまわってきたようだね」

失血に因る吐き気と目眩にふらつく足を止め、店内に入ったシンヤが目をつけたのは包帯、消毒薬などが並ぶ薬品棚。
棚から薬と包帯を掴み取ったシンヤは、消毒薬の蓋をねじ切ると傷口にそのまま振りまいていく。
消毒薬のツンとした刺激臭が、シンヤを中心に店内に広がっていった。
まるまる一本分の薬を消費した後、包帯を無造作に右足に巻いていく。
右腕一本しか使えないシンヤにとって、この作業はいささか難しいものだった。
慣れない手つきで包帯を巻いていたが、苛立ちと共に半ば強引に処置を終わらせる。
明らかに乱雑な巻かれ方だったが、それでも最低限の止血効果は果たしているらしい。
右足から垂れ落ちていた血は徐々にその量を減らしていった。
続いてシンヤはテッカマンの超人的能力で棚のパイプを切断し、包帯で左手に縛り付ける。
テッカマンにとっては鉄パイプの簡易添え木など、あろうがなかろうが大して変わらない。
むしろ下手に固定したほうが戦闘の枷になるだろう。
ならば何故? 何故シンヤは自ら枷をつける?
全ては戒めだった。下等生物である人間とは比較の対象にすらならない存在、それがテッカマン。
その一員である自分が、人間風情に決して軽くない傷を負わされたのだ。
この枷は自らの過ちを示すためのものだ。踏みにじられた誇りを忘れぬためのものだ。
借りは返す。そのためにも、今は力を溜め込むことに専念する。
片っ端から食い物を掴み取り、シンヤは貪り始めた。
テッカマン時の急激なエネルギー消費に備えるためにも、失われた血を再び得るためにも、十分な栄養の摂取が必要だった。
限界を訴える胃の悲鳴を無視し、シンヤは食糧を体内に詰め込み続ける。
袋から出した即席麺をそのままバリバリとたいらげ、2リットルの水を一息に飲み干す。
瞬く間に店内からは食糧という食糧の全てが消え、シンヤの痩身に収まっていた。

シンヤは一呼吸置き、このバトルロワイアルが始まって以来、常に自分の行動原理の奥底にあったものを思い出す。
Dボウイ、テッカマンブレード……。『彼』を表す名は一つではなく、『彼』もまた、かつての名は捨てているらしい。
だが、シンヤにとってそれはどうでもいいことだった。
『相羽タカヤ』。シンヤにとって『彼』はただ『タカヤ兄さん』でしかなく。
自分の兄であるタカヤを超えることこそがシンヤの望み。

「兄さん……待っててね。こんな巫山戯た茶番、すぐに終わらせて兄さんのところへ行くよ……」

シンヤは唇を醜く歪ませ、くつくつと笑い出す。
やがてそれは悪意を込めた嗤いに変わり、憎悪に満ちた叫びに変わる。

「忘れるなネゴシエイター! そして全ての人間ども! 俺が……地獄を見せてやるッ!」

傷の処置は終わり、充分な栄養補給も済ませた。
休む暇など無い。一刻でも早く人間どもを皆殺しにし、自分をこの茶番に引きずり込んだ怪物に復讐をする。

(まずは、足の代わりを――)

その時シンヤが耳にしたのは、移動中の機動兵器が立てる轟音。
急ぎ店外に出て、音の主を確認する。そこには厚い装甲に覆われた巨体の影があった。
161Take a shot ◆C0vluWr0so :2007/05/07(月) 00:06:41 ID:cMKSUv8P
(ククク……本当にツキがまわってきたみたいだ。こうもおあつらえ向きの機体が向こうから来てくれるなんてね……)

シンヤが欲したのは新しい機体。この広大な戦場を駆け抜けるのはいくらテッカマンといえど無茶がある。
まして自分は片足を失っている。頑強な盾にも長距離の足にもなる目前の機体は喉から手が出るほど欲しいものだった。
ならば迷うことなどない。
シンヤは夜の闇を駆け、真紅の巨体へと近づいていった。

 ◆

「クソッ! エイジといいラキといい、どうしてこんなに自分勝手な奴らばっかりなんだぁ!」

金髪碧眼にして眉目秀麗、しかしながらその麗しい見た目とは裏腹に毒舌を吐きまくる男。

「どうして俺がこんな訳の分からない殺し合いを強要されなきゃいけねぇんだ!?
 どう考えてもこんなのは俺向きの任務じゃねぇ。
 本当なら今頃酒でもひっかけて、キャサリンかリンダと熱いささやきと口づけを……
 って、誰だよキャサリンかリンダ! クソ野郎、もうどうにでもなれだ。
 エイジとラキ、お前ら首洗って待ってろよ。俺をここまでこき使うなんて良い度胸だぜ!」

ハァ……、と思わずため息をこぼすクルツ。思えば自分はここに来てから最高最低にツイてない。

何にせよ、始まってから接触した面子が悪すぎる。
問答無用に襲ってくる赤鬼に始まり、美人だが他に類を見ない天然のラキ、普通かと思ってたがなんだかアレなエイジ。
さっき戦闘してた二機だってそうだ。殺し合いに乗る連中に良いヤツなんかいないに決まっている。
なんとかあの赤いマフラーのヤツは振りきったみたいだが……鬼が二匹かよ、コイツは洒落にならないぜ。

と、毒を吐き続ける。

クルツの現在地はC-8市街地。現在紅マフラーさんと大絶賛鬼ごっこ中。
なんとか光の壁で目視を遮り、鬼を振り切ることに成功。
ひとまず現在の状況整理と休憩を兼ねて、機体を高層ビルの谷間に潜ませながら、ここまでの道程を振り返っていたわけだが……。

何度思い返しても、怒りとも諦めともつかない感情が沸々と湧いてくるのは何故だろう?
この状況はどう考えても自分に責は無い。よって責任の全ては俺以外の誰かにあるに違いない。

そんなわけで、クルツは上記のような具合になっているのだった。

「まぁ、これ以上過ぎたことをウダウダと言ってもしょうがない。前向きにこれからのことを考えますかねぇ……っと」

クルツが最優先すべきことは生き残ること。これは、たとえ天と地がひっくり返ろうとも絶対に変わらない大原則だ。
現在のところ、明確な行動指針として存在しているのはラキの探索のみ。
エイジの安否も心配と言えば心配だが、あそこまでお膳立てをしてやった。
あれで死んでしまったんならそれはもう不可抗力だ。あいつはツイてなかったんだと思うしかない。
生きているかは五分五分といったところか――と、クルツは推測する。
エイジは、生きていれば西、つまりH-1に向かうと言っていた。
A-2から飛んでいったラキもおそらくは北へ向かっていったはず。ここ数時間のラキの動向を考えるに、どちらかというと北東では無く北西に向かっているだろう。
なら二人ともH-1からB-1の何処かにいる可能性が高い。
ここはこちらからH-1の方へ行ってやる方が合理的だろう、と考え機体を西へと向ける。
既に時刻は20時を過ぎている。A-8の禁止エリアがその効果を発揮している頃だ。
そこは通らないように気をつけようとクルツが脳内メモに書き足したその時――

クルツにとって、本日三匹目の鬼がそこにいた。



「早速だが、その機体を僕に渡してくれないかい?」
162Take a shot ◆C0vluWr0so :2007/05/07(月) 00:07:19 ID:ywyjbxj7
見ればそこには機体に乗っていないどころか、片足さえも失った男が立っている。
しかし、その見た目に反してやけに上からの物言いをする男の態度にカチンときたクルツは、

「断るね。何だって俺がそんなことをしなくちゃいけないんだ? そんなことは俺じゃなくてママンにでも頼みなよ」

と、挑発的な言い方で返事をする。

「ふん、人間風情がこの僕に口答えを出来るとでも思っているのか?」
「ああ、思ってるさ。だいたいアンタこそ何様のつもりだよ。人にものを頼むときは下手に出て媚びへつらいなさいと習わなかったか?」
「知らないのなら教えてやる。僕はテッカマンエビル。人とは比べ物にならない超高次元の存在さ」
「はん、慣れない殺し合いでイカレちまったのか? そんな安っぽいSF――」
「なら力ずくで奪うまでだね! テェェェェェェック・セェェェェェッェェェェェット!!」
「おい、お前、会話のキャッチボールをするつもりが無いだろ……って、オイ!?」

そこには人の姿をしたものはいなかった。いるのは悪鬼――テッカマンエビルのみ!
目前で行われた、タネも仕掛けも無い変身ショーに唖然とするクルツに投げつけられたのは槍。
ワイヤーが括り付けられたテックランサーは、ラーズアングリフの左肩を抉る。
瞬時に手首を返しランサーを手に取ったエビルは、高らかに宣言する。

「さぁ、どうする人間! 俺は決めたぞ! 全ての人間どもに地獄を見せる!!」

チッ、と舌打ちをしながらクルツは機体の状況を確認。
不意をつかれた。左肩は完全にアウトだ。
腕はなんとか動くが得意の精密射撃までは期待出来ず、肩部から放たれるマトリクスミサイルも撃てなくなった。

更にエビルの猛攻は続く。
失った右足の代わりに槍とワイヤーを巧みに扱いながら、ラーズアングリフとの距離を徐々に詰めていく。
接近するテッカマンにカウンター気味に放たれるリニアミサイルランチャー。
ミサイルをガトリング銃のように撃ち続けるクルツは、確実な手応えを感じた。
しかし、テッカマンの俊敏はクルツの常識を超えていた。
ミサイルの雨の軌跡を見極め、必要最低限の動きで避けていくエビル。

ラーズアングリフは長距離戦に特化し、それを極めた機体。
相手の射程外から銃弾を撃ち込み、攻撃させないまま勝つ。
必殺のフォールディングソリッドカノン、広範囲掃討兵器ファランクスミサイル、汎用性に優れたリニアミサイルランチャー、マトリクスミサイル。
だが超長距離に特化した結果、接近戦における弱体化もまた著しいものになっていた。
接近戦では何の変哲もない強化合金製ナイフだけが頼みの綱。
長距離砲の反動に耐えるべく設計された頑強な装甲も近距離ではただの鈍重な枷にしかならない。
ぶっちゃけて言うと……接近戦では雑魚である。

「この野郎!」

既に相対距離は20メートルを切った。
この距離ではシザースナイフを除いた全武装が使用不可。
加え、クルツもプロの傭兵として前線部隊で活躍する身といえど、本来は後方からの援護がメイン。
再度言おう。この機体とパイロット、接近戦では雑魚である。

テッカマンの槍撃をシザースナイフでなんとかいなすが、瞬時に二撃目が繰り出される。
まともに動かない腕はいらないと、左腕で受け止める。
完全に機能が停止する左腕。
クルツは右腕のリニアミサイルランチャーを構えると――後方に向けて発射。
背後のビルが音を立てながら、クルツとエビルの元へ崩れ落ちる。
巨岩を避けるべくエビルがバックステップをした瞬間に、ラーズアングリフも全力で後方へ退避。
即座にビルの合間に隠れ距離をとることを選択するクルツだったが……

(コイツはやばい。あのスピード、半端じゃないぜ。今のように懐に入られたら、今度こそ終わりか?
 戦場で必要なのは瞬時の判断と的確な分析。考えろ、クルツ・ウェーバー)
163Take a shot ◆C0vluWr0so :2007/05/07(月) 00:07:56 ID:ywyjbxj7
あのテッカマンと名乗る男――アイツの最大のアドバンテージはそのスピード。
まるで瞬間移動だ。いくら俺の射撃の腕でもワープするヤツを相手に一撃必殺とはいかない。
……! 待てよ、アイツの回避運動を思い出せ。
アイツは一つ一つのミサイルの弾道を見極め、最低限の動きで俺の攻撃を避けていた……。
何故だ? あのスピードならちょこまかと避けずとも俺のところまでひとっ飛びのはず。
つまり、アイツにはそれが出来ない理由があったということか?
それだ、そいつが鍵だ! そこに――生き残る目がある!
後は――それを見極めるだけ。


クルツの思考を阻むようにテッカマンが再度の接近。
ビルの谷間を縫うように跳びかかってくるエビルに対し、牽制のマトリクスミサイルを二発放つ。
空中で散開した五本のミサイルがテッカマンに迫る。
これを難なく避けるエビル。だがその目前にはさらに五本、もう一組のミサイルが近づいていた。
しかしエビルには直接当たらずに目前で爆発。道路のアスファルトを盛大に撒き上げる。

「目眩ましか。案外ちゃちな手を使うんだな?」

エビルは強者だけが持てる余裕の笑みを浮かべる。
その目は獲物をいたぶるケモノのものだった。

 ◇

(ようやく光が見えたぜ……!)

今の時間差攻撃である程度把握出来た。
相手は一度に長い距離を移動できない。
それがあの足の怪我に関係しているのかは分からないが、回避時に見せる俊敏な動きは一度に10メートルが限界だと推測。
そして一度回避してから体勢を立て直すまでにおそらく半秒は要する。
そこを叩く!

クルツは自らテッカマンの眼前へと飛び出した。
月が煌々と照らす中対峙する一機と一人。

「自分から機体を持ってきてくれたのかい? それは良い心がけだね。
 もっとも……今更そんな殊勝な態度を見せてくれても、君が無惨に殺されることに変更は無いよ」
「そうかい、そりゃー良かったな。俺にはそんな残忍な未来は想像出来ないね。
 せいぜいお前が泣いてワビを乞う姿しか考えられないぜ」
「言うねぇ人間ごときが。その口……今すぐ閉じさせてあげるよ!」

クルツの目の前からエビルが消失した。
いや、違う。超高速移動で一瞬のうちに視界から消えたのだ。
エビルの槍撃がラーズアングリフの胸部装甲を貫く寸前、クルツは後方へバーニアを噴かし回避。

(この半秒で距離を取る!)

そのままバーニアの出力を限界まで上げ、全速で距離を空けていくラーズアングリフ。
後方への移動と共にマトリクスミサイルを射出。ミサイルが5本、尾を曳きながらエビルの元へ吸い込まれる。
エビルはワイヤーを伸ばし、ビルの壁面へと打ち付ける。
そのままワイヤーを収縮させ、ミサイルの矢を避けるが……

「お前のクセ、見切ったぁ! これでお終いにするぜ!」

未だ体勢の整わぬエビルに放たれたのは暴力的なまでの数のミサイル。
先ほどまでの砲撃を矢とするならこれは雪崩。
広範囲掃討兵器、ファランクスミサイル。
本来数十メートル四方を焼け野原に変えるほどの砲撃は、対テッカマン用に弾道計算を書き換えられその範囲は五分の一以下になっていた。
だが、面積当たりの威力は一気に数倍に跳ね上がる。
数十本にも及ぶミサイルの濁流が、テッカマンエビルへと降り注ぐ。
一瞬の後、轟音。テッカマンの取り付いていたビルごと巻き込む大爆発は、周囲に瓦礫と粉塵を盛大に撒き散らす。
164Take a shot ◆C0vluWr0so :2007/05/07(月) 00:08:28 ID:ywyjbxj7
「ミッション・コンプリート……。だぁああああ、もうビックリ人間ショーの相手をすんのはゴメンだぜ……」



「それは残念だね。僕はまだまだ遊び足りないってのに」

クルツに戦慄が走る。今聞こえてきた声は……間違いない。

「おいおい……そりゃ反則だろ……?」

瓦礫の中からテッカマンエビルが這い上がってくる。
あれだけのミサイルを受けたにも関わらずその外見に大きな負傷は見られない。

「まぁ、確かに痛かったよ。でもそれだけだ。
 あの程度の攻撃でテッカマンを倒せると思ったのかい!?」

自らの劣勢を感じたクルツは機体を走らせ、戦場からの離脱に専念。
だがテッカマンは振り切れない。ラーズアングリフと併走し、攻撃を仕掛けてくる。

「ハハハハハハハ! さっきまでの威勢はどうしたんだい!」

ランサーがパイロットブロック目掛けて投擲される。
分厚い装甲に阻まれクルツの座る操縦席までは届かなかったものの、深い爪痕が胸部に残る。
反撃のリニアミサイルランチャーとマトリクスミサイルもテッカマンにはかすりもせず夜のビル街に突き刺さるだけ。
当てられない。それが分かっていてもクルツは撃ち続ける。生きるために。帰るために。
だが――現実はいつでも残酷だった。
クルツの砲撃を難なく避け、ワイヤーに取り付けられたランサーを銛のように扱いラーズアングリフに投擲。
機体の損傷は出来る限り少ないまま自分の物にしたいというエビルの狙いに気づいたクルツは、コクピットブロックへの攻撃を予測。
あらかじめ軌道が分かっているため、すんでのところで回避に成功する。
すかさず反撃のミサイルを放つ。
しかしテッカマンの運動性の前には、少々の弾幕では妨げにはならなかった。
再びビル群に吸い込まれていくミサイル。

「銃の腕は大層下手くそのようだね。そんなことではこの僕に勝てやしないよ」
「うるせぇ! 誰に向かって口を聞いてやがる!」

ミサイル。
回避。
投擲。
回避or防御。

この繰り返しが永遠に続くかと思われたその時――マトリクスミサイルの残弾が尽きた。

「なっ……!? こんな時に弾切れかよ!」
「もらったぁ!」

クルツからの砲撃が止んだ一瞬を逃さず、エビルは更なる追撃を決行。
エビルからテックワイヤーが射出され、ラーズアングリフの左肩に突き刺さる!
ワイヤーを巻き取りながら瞬時に距離を詰めるエビルに対し、クルツは左腕の破棄を決断する。
シザースナイフを構え、左腕全体を胴体から切断。
そしてリニアミサイルランチャーを構え直すとテッカマンごと左腕を攻撃する。
ラーズアングリフはそれ自体が『歩く火薬庫』と称される全身重火器の機体。
肩にマトリクスミサイルを内蔵した腕部は、それだけで一つの爆弾のようなものである。
ラーズアングリフの左腕はテッカマンを巻き込み盛大に爆発した。
165Take a shot ◆C0vluWr0so :2007/05/07(月) 00:09:01 ID:ywyjbxj7
(……! やるなら、今か!?)

いくら左腕が爆弾そのものだったとしても、先ほどのファランクスミサイル一斉掃射を超える破壊力は無い。
テッカマンはまだ健在のはずだ。
切り札であるアレを使うなら――今。
だが、もし外したら? 残り二発しか無いアレを無駄に消費することになったら?
クルツの中で一瞬の迷いが生じる。

――迷ってる暇があるならっ! 撃つしかねぇ!!

切り札――Fソリッドカノンを構えるラーズアングリフ。
テッカマンとの充分な距離を確認。照準を合わせる。
いかにテッカマンといえど、ラーズアングリフ武装の中で最大射程最強威力を誇るFソリッドカノンの直撃を受ければひとたまりもないはずだ。
汗に濡れた手でトリガーを引く。
高速加速された砲弾はまっすぐにテッカマンへと向かい――

 ◇

現実は、無慈悲だ。
Fソリッドカノンは、テッカマンを穿てなかった。
クルツの中で生じた一瞬の迷いが勝負を決めた。その一瞬でエビルは3メートル右へ移動。
それだけで、充分だった。

「くそっ……、くそぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
「残念だったね……。まさかあんな隠し玉を持っているとは夢にも思わなかったが、もう終わりだよ。
 さぁ、今度こそ本当の終わりにしよう」
「やっ、やめろ! やめてくれ! 機体ならいくらでも渡す!
 なんだってする! だから命だけは助けてくれ!」
「ククク……さすがは人間だ。いざ最後の時となれば平気で命乞いをする。見栄もプライドも捨ててね」

戦いは終わった。これから始まるのは真の勝者と敗者とを決するための最後の時間。
最後まで生き残った者が唯一無二の勝者という、この殺し合いの大原則。
負けた者は死ぬ。ただそれだけ。

だが――

「助けてくれっ! お、俺は故郷に許嫁がいるんだ! この戦争が終わったら結婚しようって約束してんだ!
 生き残れたら、とっておきのバーボンを奢ってくれると言った上司もいる!
 金ならいくらでも用意する! 命だけは助けてくれ!





                  ……なーんて言うとでも思ったか?」

勝負は――最後の最後まで分からない!

「ふん、この期に及んで負け惜し――っ何!?」

夜の闇に包まれた街が、テッカマンエビルに向かって崩壊する。
エビルは周囲を見渡す。360度全方位からビルが倒れ込んでくる。逃げ場はない!
166Take a shot ◆C0vluWr0so :2007/05/07(月) 00:09:33 ID:ywyjbxj7
「さぁ、ここで種明かしだ。俺が無駄に弾を撒き散らしたとでも思ってたのか?
 そいつは残念。このクルツ様があんなに何発も外すわけがねぇだろうがアンポンタン。
 弾は外してたんじゃねぇ。『埋め込んでた』んだよ。
 後はタイミングを見計らって……ドカンだ!」

Fソリッドカノンを口火に次々と埋め込まれた砲弾が爆発し、ビルを崩壊させていく。
エビルに残された逃げ場はただ一つ。満月の浮かぶ空。
落下してくる破片を足場に上空へと跳び続ける。
ビル群が完全崩壊を終える瞬前、エビルは何ものにも遮られない中空へと躍り出た。
地上を見ると――真紅の影が、砲身を構えこちらに向けているのが目に入る。

「お前の敗因は二つ。一つは機体を得るために攻撃の手を緩めていたこと。
 そしてもう一つ……それはこのクルツ・ウェーバー様を見くびっていたことさ!」

既にテッカマンは空中。いかに俊敏だろうと、空では全く意味を成さない。
そしてクルツは狙撃手。慣性のままに宙を飛ぶ標的など止まっているのと変わらない。

「そこなら逃げも隠れも出来ねえぜ!」

Fソリッドカノン最後の一発が放たれる。
高速加速された砲弾はまっすぐにテッカマンへと向かい――命中した。
兄への想いのままに生き続けたテッカマンは、テッカマンとしての短い生を終えた。
人からテッカマンへ生まれ変わるとき、相羽シンヤは一度死んだ。
二度目の死が一度目と違うこと、それは兄への想いもまた、永遠に消えてしまったことだった。

 ◆

再び静寂を取り戻したビル街。そこでクルツ・ウェーバーは深いため息をついていた。

「ハァ〜、しっかしなんでこう俺ってツイてねーんだ?」

クルツはテッカマンを撃破した直後のことを思い出す。

 ――――――

強敵の撃破にホッとしたのも束の間、すぐに新たな来客がやってきた。
センサーに感知した熱源反応。それが示す機体の正体に気がついた時、クルツは即座にラーズアングリフを瓦礫に紛らせ、通信、センサーを除く全電源を落とし、考え得る限りの隠蔽を施した。
それもそのはず。その機体とは……

「野郎おおおおおおおおおおお! どこへ行きやがったあああああああああああああああ!」

完全に撒いたと思った紅いマフラーの機体だったのである。
おそらくこの騒ぎを聞きつけて、急ぎ馳せ参じたのであろう。

(冗談じゃねぇ! 弾も無い、腕も無いでどうやってアイツとやりあえってんだ!)

まともに相手は出来ないと判断したクルツはとにかく隠れることを選択。
しばらく赤マフラーは周辺の探索を続け、北西の方角へ去っていった。

 ――――――

「さて……どうするかな」

予想外のことが続きまくり、全く思う通りに事が進まない。
弾薬も殆ど無い。補給は出来る限り早く済ませたい。
しかしあの赤マフラーがうろついてる限り下手に動くのは避けたいし、どうせなら休めるときに休んでおきたい。
167Take a shot ◆C0vluWr0so :2007/05/07(月) 00:10:17 ID:ywyjbxj7
「よし、後一時間はここで休む。それから……近くで分かる補給ポイントはB-1か……」

22時行動開始。B-1補給ポイントで補給、ついでにエイジの安否も確認。
エイジが無事だろうがなんだろうがラキは探す。期限は……次の放送まで。
それでラキが死んじまってたら探索打切。その後の行動はその時考える、と。

さて……疲れたことだし、この一時間はせいぜい全力で休むとするかね……


【クルツ・ウェーバー 搭乗機体:ラーズアングリフ(スーパーロボット大戦A)
パイロット状況:冷静、脇腹がちょっと痛い
機体状況:Fソリッドカノン、ファランクスミサイル共に残弾0、左腕消失、残弾1/5、胸部損傷
現在位置:C-8 市街地北部
第一行動方針:目一杯休む
第二行動方針:B-1補給ポイントにて補給
第三行動方針:エイジ、ラキの探索
第四行動方針:ゲームをぶち壊す
第五行動方針:駄目なら皆殺し
最終行動方針:ゲームから脱出】

【相羽 シンヤ(テッカマンエビル) 搭乗機体:無し
パイロット状況:死亡
機体状況:機体なし
現在位置:C-8市街地北部】

【流 竜馬 搭乗機体:大雷鳳(バンプレストオリジナル)
パイロット状態:怒り、衰弱
機体状態:装甲表面に多数の微細な傷、頭部喪失、右肩外部装甲損壊 、腹部装甲にヒビ、胸部装甲に凹み
現在位置: C-8北西部
第一行動方針:クルツを追う
第二行動方針:サーチアンドデストロイ
最終行動方針:ゲームで勝つ
備考:ゲッターサイト(大鎌)を所持】

【残り34人】

【初日 21:00】
168 ◆C0vluWr0so :2007/05/07(月) 00:16:38 ID:ywyjbxj7
投下完了しました。
……アレ? これって正直リョウがいらn(ry
三人の混戦を期待してた人すいません。
終盤リョウに暴れてもらおうと考えてたんですが、投下直前にテンポを考慮して削除&修正、結局チョイ役になってしまいました。
いっそ完全に消した方が後続の人たちが書きやすいかもしれませんね……。
問題点、疑問点有りましたらビシビシ御指摘下さい。あとリョウの有無についても。
169それも名無しだ:2007/05/07(月) 00:40:44 ID:XL3zqby1
>>168
GJ!
形勢をひっくり返す最後の一手。
予想が付かずにドキドキでした。
それにクルツがらしくていい。
竜馬はいないよりいたほうがクルツがギリギリだったってのが際立っていいと思います。
一点だけ失礼しますと、テッカマンは空を飛べますのでラストはちょっといじったほうがいいかもしれません。
170それも名無しだ :2007/05/07(月) 01:06:21 ID:sKl4CVAk
>>168GJ
クルツのチンピラさとクールさがよくでていました。

問題点は>>169と同意見。

テッカマンのスピードを見切ったクルツがなんとかして
当てたでも、なんとかなるかもしれない。
171 ◆C0vluWr0so :2007/05/07(月) 21:18:23 ID:MoWq6k6Z
>>169-170
感想ありがとうございます。
やっぱりツメが甘かったorz
修正版をしたらばの方に投下しました。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30868/1149349532/79-86

・最後の一手に関する描写とクルツの思考を加筆・修正
・推敲不足で視点があやふやだったり読みづらかった部分を修正

後者の方は些細な変更なので大筋には関係なし。
前者についてこの修正で大丈夫かどうかの判断をお願いします。
それと仮まとめ管理人さんへ。
これをまとめに載せる時は、レスとレスの間を一行空けてくださるようお願いします。
172それも名無しだ:2007/05/07(月) 21:57:50 ID:sKl4CVAk
>>171GJ
クルツがんばったよクルツ。
自分はこれでいいと思いますよ。
173それも名無しだ:2007/05/07(月) 23:18:30 ID:Fx1l/3tL
まあ、Fソリッドカノンの命中補正は凄まじいからな。
クルツが使えば鬼に金棒だろう。

しっかしシンヤも粘ったな。負けると思ったら勝ったり、
絶対勝つだろと思われる場面で引き分けたりと運が良いのか
悪いのか良く判らん奴だった。奴の最大の不幸は拳で語る
ネゴシエーターと敵対し過ぎた事か。
174それも名無しだ:2007/05/07(月) 23:44:27 ID:jDv023J9
機体が欲しいと欲をかいてクラッシュイントルードどボルテッカ使わないから……。
175それも名無しだ:2007/05/08(火) 00:05:47 ID:0QDrVF7C
しかしやつは大変なものを盗んでいきました。
そう、一軒のコンビニの食糧すべてをです。
176それも名無しだ:2007/05/08(火) 00:08:08 ID:Yr/TXWWJ
クルツ辛勝か。葬式の準備をしてたので予想を裏切られたな。
いやしかしGJ!
クルツの予想は正しいが確認するとそれでもかけ離れた場所にラキがいて笑った。
逆方向からやってきそうな気もするけど。
シンヤの絶頂期はキッド倒したところとリリーナの首を刎ねたところだったな。
何はともあれ合唱。
177それも名無しだ:2007/05/08(火) 00:12:21 ID:ZCdneCkf
>>176
>合唱
バサラ「……ッ!(訳:俺の歌を聞けぇ!)」
ラーゼフォン『La〜〜〜〜〜』
ラクス「一生懸命歌います、どうか楽しんでいってくださいね」
178それも名無しだ:2007/05/08(火) 00:18:06 ID:Yr/TXWWJ
>>177
素で間違えたけどスルーするだろって思ってたら突っ込まれて吹いたww
せっかくだから死者スレに久々に投下してくれと思ったけど、上二名(?)生きてるんだよな
179それも名無しだ:2007/05/08(火) 17:06:58 ID:orOVU+9G
ところでさ、変身するときの掛け声は
「テックセッター」じゃないっけ?
180それも名無しだ:2007/05/08(火) 19:47:22 ID:YIEi6VfR
アイバ兄弟は無駄に良い声で「テックセッターー(語尾を伸ばす感じで)!」だな
181 ◆C0vluWr0so :2007/05/08(火) 21:45:19 ID:+a2dBA8n
「なら力ずくで奪うまでだね! テェェェェェェック・セェェェェェッェェェェェット!!」
     ↓
「なら力ずくで奪うまでだね! テックセッタァァァァァァ!!」

まとめさん、みなさん、度々すいません。
上記のように修正をお願いします。
182 ◆960Bruf/Mw :2007/05/10(木) 21:23:45 ID:bygAfRrz
ユーゼス・ベガ・カミーユ・キラ・テニア・ムサシ・マサキ・ソシエ、予約します。
183それも名無しだ:2007/05/10(木) 21:26:38 ID:Ph5CTIDT
>>182
大人数予約にwktk
頑張ってください
184それも名無しだ:2007/05/10(木) 21:39:31 ID:IVtJl7ic
大人数の大混戦か?期待してます
185それも名無しだ:2007/05/10(木) 23:07:34 ID:XxWM+cjZ
ニコニコ動画とようつべでゲッター(真・ネオ・新)全話見たけど、何気にブラックゲッターは強い気がしたw
中の人が外道&相手が生物だったからかもしれないけど。
186それも名無しだ:2007/05/10(木) 23:35:09 ID:Ph5CTIDT
ゲッター見たこと無いことに気づいた。
所謂スパロボ厨だからまともに原作見たことあるの少ないな……
187それも名無しだ:2007/05/12(土) 00:28:27 ID:uzFqM+cg
ネオとアークを除いて、竜馬自身がゲッター線の加護を受けている節があるので、
今回もその辺がどう作用するかが楽しみ。

真と新のラスト、時空の狭間で永遠に戦い続けてる辺り、久保に近いものがあるかも。

真は何と戦いに行ったかよくわからなかったけど。
188それも名無しだ:2007/05/12(土) 14:07:28 ID:fREIF9yZ
>>185
だってあれ確かドラゴン並に強化されてんじゃなかったっけ?
189広がる波紋 ◆960Bruf/Mw :2007/05/13(日) 21:55:51 ID:b3u19O6G

19:40 D-6地区北部――

 甲高い電子音が鳴り、通信が入ったことを告げてくる。
 通信元を一瞥しただけで確認するとユーゼス=ゴッツォは視線を外の宵闇へと走らせた。
 そこにいるはずのメリクリウスの姿は闇に遮られて確認できない。
 溜息を小さく一つ。そして、手を伸ばし通信を繋げる。
「私だ。カミーユ、見つかったのか?」
 現在、ユーゼスとベガにカミーユを加えた三人はマサキ=アンドーの捜索の為に動いている。
「いえ……。ただ起動兵器が一機、岩山の影に確認できます」
 モニターに前方の岩山を映すが、それらしきものは見咎められない。
 三人の位置関係は、探索範囲を確保するため、ベガのローズセラヴィーを先頭に正三角形を描くように布陣。
 有事に備えて互いを通信圏内に納めながらも、出来る限り三角形を大きく広げて移動している。
 その為、カミーユが見つけた起動兵器はユーゼスの位置からは岩山の死角となっていた。
「こちらからでは確認は無理のようだな。状況は?」
「遠すぎてよく分かりませんね。距離的にレーダーに反応してもおかしくないのですが、反応もありません。おそらく起動状態にないのだと思います」
「ふむ。既に乗り手が死亡しているか乗り捨てられた可能性が高いな。とは言えパイロットの生死が不明な以上、このまま通り過ぎるわけにもいくまい」
 話しながらも脳裏でいくつかの可能性――例えば、パイロットが技術者である可能性などを推定し、考えをまとめていく。
「私とカミーユで接触。ベガには警戒に当たってもらおう」
 状況は自分の目で確認する。同時に、ベガよりも同行してからの時間の浅いカミーユを目の届く範囲に留め、観察をしてみることに決めた。
190広がる波紋 ◆960Bruf/Mw :2007/05/13(日) 21:56:46 ID:b3u19O6G

20:20 D-6地区中央岩山麓――

「無人だな……。これをどう思う?」
 岩山の裾野、岩壁に隠すように放置されていた20m程の紺の機体。
 そのコックピットに滑り込みながら、振り向きもせずにユーゼスは質問を投げかけた。
 背後でわずかに考える気配を見せた後、連れ立つ少年が答え始める。
「そうですね。細かいのは調べてみないと分かりませんが、大きな」
「ほう、VF-22S・SボーゲルUと言うのか……便利だな」
 シートに腰掛けた途端に情報が首輪から流れ込んできて、思わず感嘆の声が漏れた。
 それに遮られて一瞬カミーユの声が止まる。そんなカミーユの様子に頓着せずに「どうした? 続けてくれ」とユーゼスは続きを促した。
 若干戸惑った様子を見せながらも気を取り直し、続きを口にし始める。
「大きな損傷はみあたらない。より性能のいい機体を手に入れ乗り換えたと見るのが妥当でしょう。
 戦闘の痕跡が見られないことから、たまたま複座式だった仲間の機体に同乗させてもらっているという線が濃いと思います」
 ――なるほど。血の巡りは悪くないようだな……悪くない。
 手元では機体の状態チェックを素早く行いながら、人知れず仮面の下で笑みが浮かんだ。
「悪くない答えだが、複座と言うのは少々突飛だな。
 私があの化け物の立場なら複座など許しはしない。サブパイロットなど不都合なだけだからな。
 パイロットは殺されたと考えるほうが自然だ」
「でも、それでは機体の状態の説明が」
「最後まで私の意見を聞きたまえ」
 反論を口に出しかけたカミーユを制して続きを口にする。
「なるほど。確かに殺して奪ったにしては機体がキレイ過ぎる。ここまでで致命傷を負うような出来事に遭ったとも考えられ難い。
 だが、君の言うように仲間がいたと考えると状況は変わってくる。こうは考えられないか――」
 そこで一先ず言葉を区切る。仮面の下に隠された瞳は楽しげに笑い、これから起こる反応をつぶさに観察しようとしていた。
「――その仲間が油断したパイロットを殺したと」
 驚愕の色がカミーユの顔に浮かんだ。それを満足そうに眺めながら、ユーゼスは続きを口ずさむ。
「友好的な姿勢を示してきた。協力を持ちかけてきた。
 最初の場で犠牲になった女性とそばにいた男、野次を飛ばした少女と隣にいた別の少女のことを考えれば、旧知の間柄だった可能性も考えられる。
 おそらくはそういったことを利用し近づいてきたのだろう」
 感情の色を出さぬ声で言い切った後、目の前の少年の様子を確認し確信する。
『頭は悪くはない。が、所詮は甘ちゃん坊やだな』と――
「だが、この推論には確証付ける証拠がない。私は今からそれを探しに周囲を見回ってくる。君は機体のチェックを頼む。終わったらベガを呼んでおいてくれ、話し合いが必要だ」
 指示を残してコックピットから抜け出る。いまだに動揺の治まらないカミーユの脇をすり抜けてその場を後にした。
 推論が正しければ存在するはずの死体――そして、首輪を見つけ出すために。
191広がる波紋 ◆960Bruf/Mw :2007/05/13(日) 21:57:32 ID:b3u19O6G

21:00 D-6地区中央岩山麓――

 周辺の探索を終えたユーゼス、機体チェックを済ませたカミーユ、哨戒から戻ってきたベガの三人はVF-22の付近に集う。
「――という訳だ。
 続いて周辺の状況を説明する。見つかったのは起動兵器の足跡が三機分。一機は残されている機体のものとしても、ここにいた者は今最低でも二人組みで行動している。
 足跡のサイズから推し量るに大きさは二機とも20m前後。足跡の方角からこの二機は西へ向かったのはまず間違いない。
 最後に、墓。何かが埋められた痕跡と誂えられた石から見て、ほぼ間違いない」
 ユーゼスがそれまでの経緯と周辺で確認したことを告げる。続けてカミーユがVF-22の状態を、ベガが近辺の様子を話した。
 一先ず全員の報告が終わった時、「変ね」とベガが呟き、「確かに」とユーゼスが相槌を打つ。
「ただ単に殺すのが目的なら、ご丁寧に埋める必要などない。
 ならば、わざわざ手間をかけて埋めた目的はなんだ? 憐れみか? 慈悲か? それとも――」
「――隠蔽か」
 口を挟んできたベガを見、頷くとユーゼスは説明を続ける。
「その通りだ。つまりは遺体を見られると何かしらの不都合があるということ。君らの反感を買うことを承知で言おう」
 言葉を区切る。間を取り、ベガとカミーユ――二人の表情を確認したうえで波紋を呼ぶであろう言葉を投げかけた。
「私は墓を掘り返すつもりだ。可能ならば――」
『――首輪も手に入れたい』と地面に書き綴る。
「墓を暴いてまでして、手に入れるものじゃない」
 厳しい視線と共にカミーユが立ち上がる。
『私は設備とサンプルさえあれば、この首輪を解除できる自信がある。その為の施設は既に押さえに行って貰っている。後は首輪だけなのだ』
「どうしてそんな理屈でしか物事を捉えられないんですか!」
「軽蔑してもらって構わんよ。だが、これだけは押し通させてもらう」
 ユーゼスも立ち上がり正面からカミーユを見据える。
「あなたって人は、死んだ人間のことは考えられないんですか!!」
「死者を悼む気持ちは私にもある。だが、死んだ者よりも生きている者を私は優先する」
 視線が絡み、ぶつかり合う。互いに引く姿勢は見当たらない。
「そんな大人、修正してやる」
 砂土を踏みしめる音が鳴り、カミーユが大きく踏み込む。正拳が真っ直ぐに放たれる。
 その瞬間、二者の間に青い影が素早く割り込み、拳を難なく受け止めた。
「少し落ち着きなさい。どちらの理屈も間違っていないわ。ただ私たちが今考えないといけないのは、死んだ人たちを憐れむことよりも、どうやって悲劇を減らしていくかでしょ。 だから――」
 ゆっくりと諭すように綴られていた言葉が一度途切れ、そして苦渋の決断を下すような声に変わる。
「だがら仕方ないわ」
 その一声にカミーユの顔色が変わり、掴まれていた腕を振り払う。
「もう、勝手にしろ!!」
そして、その場に背を向けて走り出した。
「カミーユ、待ちなさい!!」
 声に振り返ることなく消えていく。その姿を眺めていたベガに背後から声がかかる。
「君はカミーユの方に行ってやれ。私は墓を掘ってくる」
 その泰然とした台詞を合図にベガは走り出し、ユーゼスは墓へと向かい歩き出した。
192広がる波紋 ◆960Bruf/Mw :2007/05/13(日) 21:58:10 ID:b3u19O6G

21:25 D-6地区カティアの墓――

 人の寄り付かない墓所に一人仮面の男が立っている。
 その奇妙な仮面には目が六つあしらわれた意匠が施され、全体は上下に細長く白い。
 場所と男の格好がいっそう不気味さを引き立たせていた。
「クックックッ……」
 男は笑い土を掘る。自らが行うこの非人道的な行為。それを最終的に黙認させる形をとらせたことで、ベガとカミーユ、二人の心に負い目を負わせたと確信して。
「クックックッ……」
 男は笑い土を掘る。墓の下にある遺体。その首元に残されているであろう首輪を思って。
「クックックッ……ハハハ」
 男は笑い土を掘る。土とは違う弾力に豊んだ感触。それが手元に伝わり、目的のものに行き着いたことを確信して。
 一心不乱に土を掻き分ける。肌と思しきものに手が触れた。
 伝わってくる熱を持たない肌の――例えるならばゴムのような感触。ただの肉塊の感触。それすらも彼には喜びの対象でしかない。
 手首を掴み、力任せに遺体を土から引き抜く。その拍子に二つの眼球が転げ落ち、そして、絶句した。
 掘り出した遺体。その鮮度は悪くなく夜ということも手伝って腐敗は進行していない。外傷も少なかった、ただ一点を除いては――。
 頭部がごっそりと削げ落ちていたのだ。
 トマトを勢いよく落とした状態とでも言おうか、これが頭かと言うほど潰された頭は、頭蓋が割れ、磨り潰された脳が飛び散り、脳液と血液が土を湿らせていた。
 だがユーゼスが絶句したのはそんな遺体の状態にではない。彼の求めていたもの首輪がないのだ。
 遺体を放り捨て、穴に飛び降りて湿った土を狂ったように掻き分ける。
 だが、そこに求めるものの姿はなく、彼は諦めざるおえなかった。
 辛うじて体つきから女性と分かる遺体を墓に戻し埋めなおす。そして、後ろ足で砂をかける様にしてその場を後にすると、考えをまとめ始めた。
 遺体の状態が悪く、首輪もない。十中八九、殺害者が首輪を持ち去ったのは間違いない。
 埋めたのは遺体を隠すためだと考えると、隠したいのはおそらく首輪と遺体の状態。
 それを見ず知らずの他人に隠す必要はない。ならば、隠したい相手は同行者か……。
 可能性としては、友好的な態度をとる20m前後の機体に乗った二人組み。その組み合わせは偽善者と善人。そして、偽善者は善人に殺害と首輪を隠している。
 アルトまで戻ってきたところで、コクピットに乗り込みハッチを閉める。ベガもカミーユもまだ戻ってきてはいないようだった。
 ――馬鹿なやつだ。
 そう思った。隠さなければならない首輪など使いどころが難しく、所持がばれれば自らの立場が危うくなりかねない代物。
 隠し持つのではなく堂々と所持できる状態でこそ意味がある。つまりはそれだけのことが思いつかない者か、あるいはそこまでの状態に持っていく才覚のない者。
 ――所詮は他人を駒として使うだけの脳のない者か。
 手を伸ばし、四角コンソールの横に並ぶスイッチ群の一つを押した。ダイヤルを回し周波数を合わせていく。
 やがて通信はベガの仮面へと繋がった。
「ベガ、移動する。マサキ=アンドーを探す為にもこれ以上の時間のロスは好ましくないだろう。カミーユにはVF-22に乗るように伝えてくれ」
 元の世界では可変機に乗っていたというカミーユがあれに乗るのが丁度いい。そう思った。
193広がる波紋 ◆960Bruf/Mw :2007/05/13(日) 21:58:43 ID:b3u19O6G
【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:アルトアイゼン(スーパーロボット大戦INPACT)
 パイロット状態:良好(修理できなくて困ってるのも私だ)
 機体状態:左腕損失、ダメージ蓄積 (整備によりやや軽減)
 現在位置:D-6西部
 第一行動方針:サイバスターとの接触
 第二行動方針:首輪の入手・解除
 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒
 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る
 備考:アインストに関する情報を手に入れました】


【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー)
 パイロット状態:良好(ユーゼスを信頼)
 機体状態:良好
 現在位置:D-6西部
 第一行動方針:マサキの捜索
 第二行動方針:首輪の解析
 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒
 最終行動方針:仲間を集めてゲームから脱出
 備考:月の子は必要に迫られるまで使用しません
 備考:アインストに関する情報を手に入れました】


【カミーユ・ビダン 搭乗機体:メリクリウス(新機動戦記ガンダムW)
 パイロット状況:良好、マサキを心配
 機体状況:良好
 現在位置:D-6西部
 第一行動方針:マサキの捜索
 第二行動方針:味方を集める
 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒
 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊】

【初日 21:40】
194広がる波紋 ◆960Bruf/Mw :2007/05/13(日) 21:59:23 ID:b3u19O6G

22:15 D-6地区中央岩山麓――

 ユーゼスたちと入れ違いに現れたキラ達は警戒はトモロに任せ、一度バラけて周辺を探索。そして、再び残された機体の近くに集まり、持ち帰った情報を検討していた。
「機体が違う?」
「ああ、あれはカティアの機体じゃねえ。誰かが乗り換えて行っちまったんだ」
 キラのあげた声にムサシが渋った声で返事を返す。
 その様子を傍目に機体を眺めていたクロがマサキに声をかけた。
「マサキ、あれはメリクリウスじゃないかニャ」
「ああ、カミーユだ」
「そうニャ。ゼクス達といたカミーユが乗っていったのニャ」
「だから心配はいらねえ。大丈夫。信用のおけるやつだ」
 そう締めたマサキの横から、ゾッと背筋の凍るような声でテニアは割り込む。
「そう。そのカミーユって言うのがカティアの墓を暴いたのね」
 誰かに罪を擦り付ける絶好の機会だ――そう思った。
『確認しに行ったカティアの墓、そこには掘り返したと見られる痕跡が残っていた』とテニアに同行し墓の状態を確認したソシエが告げる。
「そんなはずはねえ。カミーユはそんなことをするやつじゃ」
「そんなことをする奴ないって? どうしてそんなことが言えるのよ。
 そりゃあなたには助けてもらったし、信用はしてるけど、ホンの数時間しか一緒にいなかった人のことなんて、完全に理解できるはずなんてないじゃない。
 ロランなんて数年間ずっと自分がムーンレイスだって隠してたんだから」
「いや、それでも俺が見たあいつはそんなことをする奴じゃなかった。大体なぁ、墓なんか掘り返すメリットがねえじゃねえか」
 納得がいかないといった感じのマサキが反論を返した。それに真っ向からソシエも言葉を返す。
「あるわよ、馬鹿。今私たちの首に何が付いているのかよく考えてみないよ」
「グッ。だとしてもカミーユがここに来るまでの間に、誰か来たかもしれねえじゃねえか」
「誰がって誰よ?」
「そりゃ、誰かだよ……」
「ほら、答えられないじゃない」
「何だよ」
「何よ」
「まぁまぁ落ち着いて、二人とも」
「そんなことはどうだっていい!!」
 ソシエとマサキの言い争いを見かねて割り込んだキラに被せて叫んだ。
「カティアの墓を暴いた奴がいる! カティアの首輪を奪った奴がいる!! 私はそいつを絶っ対に許さない!!!」
 肩を怒らせ、拳に力を込め、血走った目をして、ありったけの声で叫んでやった。
 周囲に重い空気が流れ、全員が押し黙る。
「とにかくまだカミーユの仕業と決まったわけじゃないんだから」
 暫くして重い雰囲気に耐えかねたようにキラが言葉を口にした。それに救われたようにムサシも言葉を続ける。
「おいら思うんだが、今カティアの機体に乗っている奴の仕業と考えたほうが簡単じゃないか。それはカミーユかもしれねえし、違う奴かもしれねえ」
 続いて二三人がポツポツと話す。そして、最後に気まずい雰囲気の流れる話し合いをキラが締めた。
「行き先が分からない以上、考えてもしかたない。今はとりあえず後回しにしてダイを止めるほうを優先しよう。いいね、テニア」
 赤毛の少女はその言葉に答えを返さず、背を向け機体に向かってただ歩き出した。足音大きく、怒りを踏みしめるように。
195広がる波紋 ◆960Bruf/Mw :2007/05/13(日) 21:59:58 ID:b3u19O6G
【共通認識】
・無敵戦艦ダイ、およびそのパイロットを危険だと判断。

【キラ・ヤマト 搭乗機体:Jアーク(勇者王ガオガイガー)
 パイロット状態:良好・ジョナサンへの不信
 機体状態:ジェイダーへの変形は可能?・左舷損傷軽微良好(補給修復開始)
      EN、弾薬共に80%まで回復
 現在位置:C-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:テニアがもしもゲームに乗っていた場合、彼女への処遇
 第三行動方針:このゲームに乗っていない人たちを集める
 最終行動方針:ノイ=レジセイアの撃破、そして脱出】
 備考:Jアークは補給ポイントでの補給不可、毎時当たり若干回復。】

【フェステニア・ミューズ 搭乗機体:ベルゲルミル(ウルズ機)(バンプレストオリジナル)
 パイロット状況:非常に不安定
 機体状況:良好・マニピュレーターに血が微かについている・ガンポッドを装備
 現在位置:C-6
 第一行動方針:どのように行動を取ればうまく周りを騙せるか考察中
 第二行動方針:とりあえずキラ達についていく
 第三行動方針:参加者の殺害
 最終行動方針:優勝
 備考1:武蔵・キラ・マサキ・ソシエ、いずれ殺す気です
 備考2:首輪を所持】

【巴武蔵 搭乗機体:RX-78ガンダム(機動戦士ガンダム)
 パイロット状態:カラ元気でも元気、ダイに対する激しい怒り、VF-22に対する怒り
 機体状況:良好・オプションとしてハイパーハンマーを装備・反応弾を所持
 現在位置:C-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:統夜を探しテニアを守る
 第三行動方針:信頼できる仲間を集める
 最終行動方針:主催者を倒しゲームを止める
 備考1:テニアのことはほとんど警戒していません
 備考2:キラと行動を共にする場合は反応弾を彼に任せてもいいと思っています。】

196広がる波紋 ◆960Bruf/Mw :2007/05/13(日) 22:00:29 ID:b3u19O6G
【マサキ・アンドー 搭乗機体:無し
 パイロット状況:良好、シロとクロも健康
 機体状況:
 現在位置:C-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:カミーユに対する疑いを解く
 第三行動方針:サイバスターを追いたい
 第四行動方針:サイバスターを邪悪な者には渡さない
 第五行動方針:味方を集める
 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊
 備考:謎の小石はクロが銜えています。
     地下道はマサキ達が確認できている範囲では一本道です】

【ソシエ・ハイム 搭乗機体:無し
 パイロット状況:右足を骨折、気力回復
 機体状況:
 現在位置:C-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:VF-22を危険視
 第三行動方針:新しい機体が欲しい
 第四行動方針:仲間を集める
 最終行動方針:主催者を倒す
 備考:右足は応急手当済み】

【初日 22:30】
197 ◆960Bruf/Mw :2007/05/13(日) 22:05:12 ID:b3u19O6G
投下終了。
混戦を期待していた方、すみません。
誤解を広げることを中心に話を組み立てるのが精一杯でした。
そして思ったのが大人数の会話ってしんどいなと……。
指摘とか感想とかよろしくお願いします。
198 ◆960Bruf/Mw :2007/05/13(日) 22:09:53 ID:b3u19O6G
>>195-196の全員の現在位置をD-6岩山に訂正お願いします。

書き直し忘れてた。アホだ、俺。
199それも名無しだ:2007/05/13(日) 22:53:30 ID:HFAVMVsO
投下乙ー
乗り捨ててあるメルクリウスはマサキかソシエが使えばいいんじゃね?
200それも名無しだ:2007/05/13(日) 23:06:00 ID:9FAFyLrB
GJ!&乙〜
今までそんなに目立たなかったカミーユが良い感じに目立ってきて良かった
ユーゼスは非道でテニアはテニアでやっぱり黒いなw
徐々に積み上げられる誤解への布石が秀逸だと感じました
大人数間のやりとりは一人一人ちゃんと役割があって良かったと思います
201それも名無しだ:2007/05/13(日) 23:32:13 ID:8FBjHk0J
ドロドロの人間模様






だがそれが良い
202それも名無しだ:2007/05/14(月) 00:24:42 ID:BNGcT509

ユーゼスがメリクリウス捨ててほとんどボロなアルトアイゼンに乗ってったのが気になるかな
でもまあユーゼスだしな
203それも名無しだ:2007/05/14(月) 07:25:12 ID:0OUAv5Jw
ボロボロなアルト乗り捨てなかった事だけに違和感感じるな……
ゼクス辺りがメリクリウスの防御力は我々の生命線だとか言ってたし。
204それも名無しだ:2007/05/14(月) 15:36:31 ID:6YcXhrxh

ところで細かいことだけど反応弾は武蔵じゃなくて
キラが所持しているんじゃなかったっけ?
205それも名無しだ:2007/05/14(月) 15:45:59 ID:IL6Vsl1h
>>204
そこは結構曖昧なところだな
武蔵がキラに渡した描写があったのは没った話だけだから、今はどっちが持っていてもおかしくない状態だと思う
206それも名無しだ:2007/05/14(月) 18:04:39 ID:K2dl4LBj
GJ!
ここ周辺の人間模様はドロドロしすぎだなw
今まであまりスポットが当たってなかったカミーユが目立ってて良い感じ。
ユーゼスやテニアなどのステルスも効果的に作用してるから今後の展開が楽しみだな。
207 ◆960Bruf/Mw :2007/05/14(月) 20:09:40 ID:zD7XREj6
感想とご指摘ありがとうございました。
ところどころ難があるようなので、修正版を後日投下させていただきたいと思います。
ただ今回思っていたより時間が足りなくて個人的に書き直しておきたいところとかもあります。
ですから、申し訳ありませんが、ちょっと遅くなるかもしれないです。すみません。

208それも名無しだ:2007/05/14(月) 21:20:50 ID:LUq37Cmi
>>207

神よ、あなたの光臨する日を待っている。
209それも名無しだ:2007/05/16(水) 11:10:33 ID:1Ud5ziWG
そういえばまとめさんにお願いが
携帯サイトの参加者追跡のSS表がユリカ以降見ることが出来ません
半分辺りで区切ってくれると嬉しいのですが
210広がる波紋(修正版) ◆960Bruf/Mw :2007/05/17(木) 02:21:24 ID:ONVD9jmk

19:40 D-6地区北部――

 甲高い電子音が鳴り、通信が入ったことを告げてくる。
 通信元を一瞥しただけで確認するとユーゼス=ゴッツォは視線を外の宵闇へと走らせた。
 そこにいるはずのメリクリウスの姿は闇に遮られて確認できない。
 溜息を小さく一つ。そして、手を伸ばし通信を繋げる。
「私だ。カミーユ、見つかったのか?」
 現在、ユーゼスとベガにカミーユを加えた三人はマサキ=アンドーの捜索の為に動いている。
「いえ……。ただ起動兵器が一機、岩山の影に確認できます」
 モニターに前方の岩山を映すが、それらしきものは見咎められない。
 三人の位置関係は、探索範囲を確保するため、ベガのローズセラヴィーを先頭に正三角形を描くように布陣。
 有事に備えて互いを通信圏内に納めながらも、出来る限り三角形を大きく広げて移動している。
 その為、カミーユが見つけた起動兵器はユーゼスの位置からは岩山の死角となっていた。
「こちらからでは確認は無理のようだな。状況は?」
「遠すぎてよく分かりませんね。距離的にレーダーに反応してもおかしくないのですが、反応もありません。おそらく起動状態にないのだと思います」
「ふむ。既に乗り手が死亡しているか乗り捨てられた可能性が高いな。とは言えパイロットの生死が不明な以上、このまま通り過ぎるわけにもいくまい」
 話しながらも脳裏でいくつかの可能性――例えば、パイロットが技術者である可能性などを推定し、考えをまとめていく。
「私とカミーユで接触。ベガには警戒に当たってもらおう」
 状況は自分の目で確認する。同時に、ベガよりも同行してからの時間の浅いカミーユを目の届く範囲に留め、観察をしてみることに決めた。

211広がる波紋(修正版) ◆960Bruf/Mw :2007/05/17(木) 02:22:12 ID:ONVD9jmk

20:20 D-6地区中央岩山麓――

「無人だな……。これをどう思う?」
 岩山の裾野、岩壁に隠すように放置されていた20m程の紺の機体。
 そのコックピットに滑り込みながら、振り向きもせずにユーゼスは質問を投げかけた。
 背後でわずかに考える気配を見せた後、連れ立つ少年が答え始める。
「そうですね。細かいのは調べてみないと分かりませんが、大きな」
「ほう、VF-22S・SボーゲルUと言うのか……便利だな」
 シートに腰掛けた途端に情報が首輪から流れ込んできて、思わず感嘆の声が漏れた。
 それに遮られて一瞬カミーユの声が止まる。そんなカミーユの様子に頓着せずに「どうした? 続けてくれ」とユーゼスは続きを促した。
 若干戸惑った様子を見せながらも気を取り直し、続きを口にし始める。
「大きな損傷はみあたらない。より性能のいい機体を手に入れ乗り換えたと見るのが妥当でしょう。
 戦闘の痕跡が見られないことから、たまたま複座式だった仲間の機体に同乗させてもらっているという線が濃いと思います」
 ――なるほど。血の巡りは悪くないようだな……悪くない。
 手元では機体の状態チェックを素早く行いながら、人知れず仮面の下で笑みが浮かんだ。
「悪くない答えだが、複座と言うのは少々突飛だな。
私があの化け物の立場なら複座など許しはしない。サブパイロットなど不都合なだけだからな。
パイロットは殺されたと考えるほうが自然だ」
「でも、それでは機体の状態の説明が」
「最後まで私の意見を聞きたまえ」
 反論を口に出しかけたカミーユを制して続きを口にする。
「なるほど。確かに殺して奪ったにしては機体がキレイ過ぎる。ここまでで致命傷を負うような出来事に遭ったとも考えられ難い。
 だが、君の言うように仲間がいたと考えると状況は変わってくる。こうは考えられないか――」
 そこで一先ず言葉を区切る。仮面の下に隠された瞳は楽しげに笑い、これから起こる反応をつぶさに観察しようとしていた。
「――その仲間が油断したパイロットを殺したと」
 驚愕の色がカミーユの顔に浮かんだ。それを満足そうに眺めながら、ユーゼスは続きを口ずさむ。
「友好的な姿勢を示してきた。協力を持ちかけてきた。
 最初の場で犠牲になった女性とそばにいた男、野次を飛ばした少女と隣にいた別の少女のことを考えれば、旧知の間柄だった可能性も考えられる。
 おそらくはそういったことを利用し近づいてきたのだろう」
 感情の色を出さぬ声で言い切った後、目の前の少年の様子を確認し確信する。
 『頭は悪くはない。が、所詮は甘ちゃん坊やだな』と――
「だが、この推論には確証付ける証拠がない。私は今からそれを探しに周囲を見回ってくる。君には機体のチェックを頼もう。終わったらベガを呼んでおいてくれ、話し合いが必要だ」
 指示を残してコックピットから抜け出る。いまだに動揺の治まらないカミーユの脇をすり抜けてその場を後にした。
 推論が正しければ存在するはずの死体――そして、首輪を見つけ出すために。

212広がる波紋(修正版) ◆960Bruf/Mw :2007/05/17(木) 02:23:19 ID:ONVD9jmk

21:00 D-6地区中央岩山麓――

 周辺の探索を終えたユーゼス、機体チェックを済ませたカミーユ、哨戒から戻ってきたベガの三人はVF-22の付近に集う。
「――という訳だ。
 続いて周辺の状況を説明する。見つかったのは起動兵器の足跡が三機分。一機は残されている機体のものとしても、ここにいた者は今最低でも二人組みで行動している。
 足跡のサイズから推し量るに大きさは二機とも20m前後。足跡の方角からこの二機は西へ向かったのはまず間違いない。
 最後に、墓。何かが埋められた痕跡と誂えられた石から見て、ほぼ間違いない」
 ユーゼスがそれまでの経緯と周辺で確認したことを告げる。続けてカミーユがVF-22の状態を、ベガが近辺の様子を話した。
 一先ず全員の報告が終わった時、「変ね」とベガが呟き、「確かに」とユーゼスが相槌を打つ。
「ただ単に殺すのが目的なら、ご丁寧に埋める必要などない。
 ならば、わざわざ手間をかけて埋めた目的はなんだ? 憐れみか? 慈悲か? それとも――」
「――隠蔽でしょうね」
 ――やはりこの女は使える。
 口を挟んできたベガを見、満足そうに頷くとユーゼスは説明を続ける。
「その通りだ。つまりは遺体を見られると何かしらの不都合があるということ。君らの反感を買うことを承知で言おう」
 言葉を区切る。間を取り、ベガとカミーユ――二人の表情を確認したうえで波紋を呼ぶであろう言葉を投げかける。
 二つの手駒に対する観察はまだ終わってはいない。持ちうる手札のスペックは可能な限り確認しておくべきなのだ。
「私は墓を掘り返すつもりだ。可能ならば――」
『――首輪も手に入れたい』と地面に書き綴る。
「墓を暴いてまでして、手に入れるものじゃない」
 厳しい視線と共にカミーユが立ち上がる。
『私は設備とサンプルさえあれば、この首輪を解除できる自信がある。その為の施設は既に押さえに行って貰っている。後は首輪だけなのだ』
 その様子を事細かに観察しながら、理屈で揺さぶりをかける。
「どうしてそんな理屈でしか物事を捉えられないんですか!」
「軽蔑してもらって構わんよ。だが、これだけは押し通させてもらう」
 ユーゼスも立ち上がり正面からカミーユを見据える。
「あなたって人は、死んだ人間のことは考えられないんですか!!」
「死者を悼む気持ちは私にもある。だが、死んだ者よりも生きている者を私は優先する」
 視線が絡み、ぶつかり合う。互いに引く姿勢は見当たらない。
「そんな大人、修正してやる」
 砂土を踏みしめる音が鳴り、カミーユが大きく踏み込む。正拳が真っ直ぐに放たれる。
 その瞬間、二者の間に青い影が素早く割り込み、拳を難なく受け止めた。
「少し落ち着きなさい。どちらの理屈も間違っていないわ。ただ私たちが今考えないといけないのは、死んだ人たちを憐れむことよりも、どうやって悲劇を減らしていくかでしょ。 だから――」
 ゆっくりと諭すように綴られていた言葉が一度途切れ、そして苦渋の決断を下すような声に変わる。
「だがら仕方ないわ」
 その一声にカミーユの顔色が変わり、掴まれていた腕を振り払う。
「もう、勝手にしろ!!」
 そして、その場に背を向けて走り出した。
「カミーユ、待ちなさい!!」
 声に振り返ることなく消えていくカミーユ、その姿を追おうとして一歩を踏み出せずにいるベガを後ろから眺めていた。
 そこへ背を向けたまま、ベガが訥々と話し始める。
「……ユーゼス、あなたの理屈は間違っていません。信用もしています。だから、あなたの行為に反対はしません。ですが、私はあなたほど物事を割り切って考えることも」
 言葉は一度途切れ、そして小さく「できません」と続いた。
「君はカミーユの方に行ってやれ。必要が生じたら連絡を入れる。私がこれから何をするのかは……分かるな?」
「……はい」
 ポツリと言葉を返し、そしてすぐにベガはその場から消えた。その姿を泰然と眺めつつ思う。
213広がる波紋(修正版) ◆960Bruf/Mw :2007/05/17(木) 02:24:01 ID:ONVD9jmk
 ――決まりだな。
 ベガとカミーユ、所詮二人とも常識に縛られているだけの馬鹿な駒に過ぎない。
 常識とは成人までに身につけた偏見のコレクションのこと。同時に、身勝手な自己主張を正当化するときに使うこと以上の意味を持たない言葉だ。
 なるほど、確かにベガは聡明で、カミーユも頭の鈍いほうではない。だが、それは平凡の枠を出ない。
 相手が常識外の存在なのだ。それを出し抜くためにはやはり常識の外の住人でなければならない――。
 ――だがそれは、一人いれば事足りる。私自身がそうであればいいだけの事だ。
 ならばやはり駒は平凡であればこそ使いやすい。そして、善人であればあるほど使い道も多い。
 ――だが、カミーユ、奴はいずれ捨て駒として使ったほうがいいのかもしれんな。
 感情的でありすぎる。ベガほど自分を律せるほどには精神が成熟しきっていない。その為、手綱を握り続けるのは少々困難部分がある。
 普段ならそんな者の一人や二人泳がせてみるのも一興なのだが、置かれている状況が状況であった。
 だが別段これといって自分から手を下す必要性も感じなかった。放っておいても暫くはベガが勝手にあれこれと世話を焼くだろう。
 あとはどこかで何かの折に手を離すだけ、たったそれだけで見捨てられた人間は死んでいく。人とはそういうものだ。
 ――精々それまでは役に立ってもらおうか。
 そう結論付け、一人ユーゼスは墓へと向かい歩き出した。

214広がる波紋(修正版) ◆960Bruf/Mw :2007/05/17(木) 02:24:46 ID:ONVD9jmk

21:25 D-6地区カティアの墓――

 人の寄り付かない墓所に一人仮面の男が立っている。
 その奇妙な仮面には目が六つあしらわれた意匠が施され、全体は上下に細長く白い。
 場所と男の格好がいっそう不気味さを引き立たせていた。
「クックックッ……」
 男は笑い土を掘る。墓の下にある遺体。その首元に残されているであろう首輪を思い、土を掘る。
 土とは違う弾力に豊んだ感触。それが手元に伝わり、目的のものに行き着いたことを確信し、一心不乱に土を掻き分ける。
 肌と思しきものに手が触れた。
 伝わってくる熱を持たない肌の――例えるならばゴムのような感触。ただの肉塊の感触。それすらも彼には喜びの対象でしかない。
 手首を掴み、力任せに遺体を土から引き抜く。その拍子に二つの眼球が転げ落ち、そして、絶句した。
 掘り出した遺体。その鮮度は悪くなく夜ということも手伝って腐敗は進行していない。外傷も少なかった、ただ一点を除いては――。
 頭部がごっそりと削げ落ちていたのだ。
 トマトを勢いよく落とした状態とでも言おうか、これが頭かと言うほど潰された頭は、頭蓋が割れ、磨り潰された脳が飛び散り、脳液と血液が土を湿らせていた。
 だが、ユーゼスが絶句したのはそんな遺体の状態にではない。彼の求めていたもの首輪がないのだ。
 遺体の損傷箇所を考えれば、十中八九、殺害者が首輪を持ち去ったのは間違いない。
「興醒めだな……」
 辛うじて体つきから女性と分かる遺体を墓に蹴り落とす。不快さを隠そうともせずに乱雑に土を戻し埋めなおす。
 そうして遺体を土の下に埋め終わると、実にあっさりとその場を後にする。
 不快感からか足早に歩きつつ、頭で情報の整理を始めた。
 埋められていたのは、おそらく遺体そのものを隠すため。ならば、隠したかったのはおそらく首輪と遺体の状態。
 それを見ず知らずの他人に隠す必要はない。とすれば、隠したい相手は同行者か……。
 可能性としては、友好的な態度をとる20m前後の機体に乗った二人組み。その組み合わせは偽善者と善人。そして、偽善者は善人に殺害と首輪を隠している。
 ――馬鹿なやつだ。
 隠さなければならない首輪など使いどころが難しく、所持がばれれば自らの立場が危うくなりかねない代物。
 隠し持つのではなく堂々と所持できる状態でこそ意味がある。つまりはそれだけのことが思いつかない者か、あるいはそこまでの状態に持っていく才覚のない者。
 ――所詮は他人を駒として使うだけの脳のない者か。
 その程度の者に邪魔をされたということが、酷く不愉快だった。
 アルトまで戻ってきたところで、コクピットに乗り込みハッチを閉める。ベガもカミーユもまだ戻ってきてはいないようだった。
 元の世界で可変機を扱っていたというカミーユをVF-22に乗せ、自分はメリクリウスを乗機としよう。
 ぼんやりとそんなことを考えながらシートに寄りかかり、一息つくと仮面を外し支給された食料品に手を伸ばす。
 この世界で顔を隠し続けることに意味はない。だがそれでも人前で仮面を外す気なども毛の先ほどもなかった。
 そうした姿勢を貫く以上、食事を取れるタイミングは自然と限られてくる。今はそういう数少ない機会の一つだった。
215広がる波紋(修正版) ◆960Bruf/Mw :2007/05/17(木) 02:25:29 ID:ONVD9jmk
【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メリクリウス(新機動戦記ガンダムW)
 パイロット状態:良好
 機体状態:良好
 現在位置:D-6西部
 第一行動方針:サイバスターとの接触
 第二行動方針:首輪の入手・解除
 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒
 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る
 備考:アインストに関する情報を手に入れました】


【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー)
 パイロット状態:良好(ユーゼスを信頼)
 機体状態:良好
 現在位置:D-6西部
 第一行動方針:マサキの捜索
 第二行動方針:首輪の解析
 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒
 最終行動方針:仲間を集めてゲームから脱出
 備考:月の子は必要に迫られるまで使用しません
 備考:アインストに関する情報を手に入れました】


【カミーユ・ビダン 搭乗機体:VF-22S・SボーゲルU(マクロス7)
 パイロット状況:良好、マサキを心配
 機体状況:良好、反応弾残弾なし
 現在位置:D-6西部
 第一行動方針:マサキの捜索
 第二行動方針:味方を集める
 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒
 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊】

【初日 21:40】

216広がる波紋(修正版) ◆960Bruf/Mw :2007/05/17(木) 02:26:11 ID:ONVD9jmk

22:05 D-6地区中央岩山麓――

 ユーゼスたちと入れ違いに現れたキラ達は警戒はトモロに任せ、一度バラけて周辺を探索。そして、再び残された機体の近くに集まり、持ち帰った情報を検討していた。
「機体が違う?」
「ああ、あれはカティアの機体じゃねえ。誰かが乗り換えて行っちまったんだ」
 キラのあげた声にムサシが渋った声で返事を返す。
 それを横耳で聞きつつ、栗毛のショートカットの少女は大きく背伸びをして主に捨て置かれた機体を見上げた。
 それは話に聞いていた濃紺の機体ではなく。真っ赤な角の付きのずんぐりとした機体。片腕がなく損傷が酷いため、きっと置いていかれたのだろうと思った。
「しっかし、またえらくボロイの置いていきやがって」
「当たり前だニャ。ボロじゃニャいのをワザワザ置いて行く馬鹿はいないのニャ」
「ちょっと、これから私が乗るのにあんまりボロボロ言わないでよね」
 その一言で場がどよめき、視線が一斉にソシエに集中した。
「な、何よ……」
 思わずしどろもどろになる。
「ああ、すまねえ……って、お前、怪我してんのに乗る気かよ」
「このくらい平気よ。それによく見たら真っ赤で可愛いじゃない」
「そうはいかねえ。こいつには俺が乗る。怪我人なんか乗せられるか」
 元来が勝気なソシエお嬢様は、怪我程度ではひかない。「止めといたほうが無難だ」「マサキに任せろ」という声が盛んに飛んできたが、それでもなお自分が乗ると主張を続ける。
「迷子の挙句、一戦もしないうちに行動不能にしてしまう誰かさんに乗られたら、機械人形もたまったものじゃないわ」
「てめえはそのお陰で助かったんじゃねえか!」
「何よ!!」
「何だよ!!」
 そんなこんなで、マサキとソシエが火花を散らしていたそのときだ。
「そんなことはどうだっていい!!」
 突然、怒気をはらんだ声が飛んできて、二人は思わず首を竦めた。
「カティアの墓を暴いた奴がいる! カティアの首輪を奪った奴がいる!! 私はそいつを絶っ対に許さない!!!」
 恐る恐る振り返ったその先に、肩を怒らせ、拳に力を込め、血走った目をしたテニアの姿があった。
 周囲に重い空気が流れ、全員が押し黙る。
「おい、どういうことか説明しろ。テニアと一緒に墓に行ったんだろ?」
「だから、カティアさんのお墓を掘り返した奴がいるのよ」
「本当かよ、それ」
 コソコソと小声で聞いてくるマサキに、小声でヒソヒソと返す。
 そうこうしている内に重い雰囲気に耐えかねたようにキラが言葉を口を開く。
「テニアが怒るのも分かるけど、手がかりがない以上、考えてもしかたがない。今はとりあえず後回しにしてダイを止めるほうを優先しよう。いいね、テニア」
 途端に鋭い眼光でにらめつけられ、思わず一歩後退さるキラの姿が見えた。
「おいら思うんだが、今カティアの機体に乗っている奴の仕業なのはほぼ間違いないんだから、それが目印になるんじゃないか」
 それまで黙り込んでいた武蔵が割り込む。テニアを除けば唯一カティアと会ったことがあるだけに何か思うところがある、そんな口ぶりだった。
 続いて二三人がポツポツと意見を出すが、結局は行き先が分からない以上、墓荒しは後回しにしてダイを追うということに決まり散会。
 赤毛の少女は怒りを踏みしめるように機体に帰っていき、栗毛の少女はどさくさに紛れて赤い機体をマサキに奪われたことに釈然としない気持ちであった。

217広がる波紋(修正版) ◆960Bruf/Mw :2007/05/17(木) 02:26:58 ID:ONVD9jmk
【共通認識】
・無敵戦艦ダイ、およびそのパイロットを危険だと判断。
・VF-22を危険だと判断。

【キラ・ヤマト 搭乗機体:Jアーク(勇者王ガオガイガー)
 パイロット状態:良好・ジョナサンへの不信
 機体状態:ジェイダーへの変形は可能?・左舷損傷軽微良好(補給修復開始)
      EN、弾薬共に80%まで回復
 現在位置:D-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:テニアがもしもゲームに乗っていた場合、彼女への処遇
 第三行動方針:このゲームに乗っていない人たちを集める
 最終行動方針:ノイ=レジセイアの撃破、そして脱出】
 備考:Jアークは補給ポイントでの補給不可、毎時当たり若干回復。】

【フェステニア・ミューズ 搭乗機体:ベルゲルミル(ウルズ機)(バンプレストオリジナル)
 パイロット状況:非常に不安定
 機体状況:良好・マニピュレーターに血が微かについている・ガンポッドを装備
 現在位置:D-6
 第一行動方針:どのように行動を取ればうまく周りを騙せるか考察中
 第二行動方針:とりあえずキラ達についていく
 第三行動方針:参加者の殺害
 最終行動方針:優勝
 備考1:武蔵・キラ・マサキ・ソシエ、いずれ殺す気です
 備考2:首輪を所持】

【巴武蔵 搭乗機体:RX-78ガンダム(機動戦士ガンダム)
 パイロット状態:カラ元気でも元気、ダイに対する激しい怒り、VF-22に対する怒り
 機体状況:良好・オプションとしてハイパーハンマーを装備・反応弾を所持
 現在位置:D-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:統夜を探しテニアを守る
 第三行動方針:信頼できる仲間を集める
 最終行動方針:主催者を倒しゲームを止める
 備考1:テニアのことはほとんど警戒していません
 備考2:キラと行動を共にする場合は反応弾を彼に任せてもいいと思っています。】


218広がる波紋(修正版) ◆960Bruf/Mw :2007/05/17(木) 02:28:36 ID:ONVD9jmk
【マサキ・アンドー 搭乗機体:アルトアイゼン(スーパーロボット大戦INPACT)
 パイロット状況:良好、シロとクロも健康
 機体状況:左腕損失、ダメージ蓄積 (整備によりやや軽減)
 現在位置:D-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:カミーユに対する疑いを解く
 第三行動方針:サイバスターを追いたい
 第四行動方針:サイバスターを邪悪な者には渡さない
 第五行動方針:味方を集める
 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊
 備考:謎の小石はクロが銜えています。
     地下道はマサキ達が確認できている範囲では一本道です】

【ソシエ・ハイム 搭乗機体:無し
 パイロット状況:右足を骨折、気力回復
 機体状況:
 現在位置:D-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:VF-22を危険視
 第三行動方針:新しい機体が欲しい
 第四行動方針:仲間を集める
 最終行動方針:主催者を倒す
 備考:右足は応急手当済み】

【初日 22:30】
219 ◆960Bruf/Mw :2007/05/17(木) 02:33:48 ID:ONVD9jmk
修正版投下終了。
多分、これで大丈夫だと思います。
反応弾は>>205の方が言われているように移動した描写がないので保留で武蔵に持たせています。
とはいえ次の話でキラが持っていても不自然ではないと思いますが。
220それも名無しだ:2007/05/17(木) 07:18:01 ID:CFoF00Fx
本編には問題無いと思うんだ。
ユーゼスの良さが出てるし。

けどさ、マサキの行動方針が前回のまんまだぜー
221それも名無しだ:2007/05/17(木) 08:14:52 ID:L5ZimdN8
>>219
修正乙
でもさ、
INPACTOじゃなくIMPACTO
NではなくMなんだぜ
222それも名無しだ:2007/05/17(木) 09:39:58 ID:v0VmoSms
>>221
Oはわざと?
223それも名無しだ:2007/05/17(木) 19:21:50 ID:L5ZimdN8
うあああああああああああっっっ!!!
IMPACTだよ俺の馬鹿っ!!



誰か俺を口汚く罵ってください………
224それも名無しだ:2007/05/17(木) 19:35:05 ID:N89Hwx7g
>>223
お前初めてかここは?力抜けよ。

修正乙!
キラ組の面々がらしくなってて良い感じ。
225 ◆960Bruf/Mw :2007/05/17(木) 21:43:53 ID:QMhRmGGo
状態覧見落とすとは……まぬけだ、俺。
指摘ありがとうございました。
マサキの状態を以下に訂正お願いします。

【マサキ・アンドー 搭乗機体:アルトアイゼン(スーパーロボット大戦IMPACT)
 パイロット状況:良好、シロとクロも健康
 機体状況:左腕損失、ダメージ蓄積 (整備によりやや軽減)
 現在位置:D-6
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:サイバスターを追いたい
 第三行動方針:サイバスターを邪悪な者には渡さない
 第四行動方針:VF-22を倒す
 第五行動方針:味方を集める
 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊
 備考:謎の小石はクロが銜えています。
     地下道はマサキ達が確認できている範囲では一本道です】
226仮まとめの人 ◆/4lqy.R0j. :2007/05/18(金) 01:05:56 ID:w6bNNIbb
>>209
報告遅れましたがだいたい半数で区切った版を作ってみました。
これで見れると思いますが、念のためご確認いただけると助かります。

ついでだから作りかけのおまけ(多分携帯不可)
画像素材が欲しいと思う今日この頃。
ttp://srwbr2.nomaki.jp/flash.html
227それも名無しだ:2007/05/18(金) 13:21:18 ID:jtb/hk49
>>226
あまりにもGJ過ぎて全俺が感動した。
画像ぼちぼち探してみようかと思ったけど、サンライズの厳しさは異常だからなぁ。
下手に提供したらあぼーんされそうで怖いぜw
228それも名無しだ:2007/05/18(金) 17:21:44 ID:gTubyUvo
>>226
お疲れさまです。
各参加者の台詞に寒気がした。

>>227スパロボ画像でどうにかしてもいいのでは?
229それも名無しだ:2007/05/19(土) 13:15:52 ID:feL2hLhy
今更ですけどまとめの機体データで間違いがあったんで報告します。

スターガオガイガーの全長を31.5mから38.5mに修正願い。
31.5mはガオガイガーの全長ですね。

ソース ここのスターガオガイガーの項目参照
ttp://www3.osk.3web.ne.jp/~siraisi/GaGaGa/archives/00_gggwordtop.htm
230 ◆C0vluWr0so :2007/05/19(土) 16:22:16 ID:ARRHxJsj
ユリカの練習のために過去作を書き直したものをしたらばに投下してみました。

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30868/1149349532/87-94

正直うまくキャラが掴めないので皆様のアドバイスが欲しいです……。
とりあえずJをナデシコルートで再びプレイ中なんですが、どうも周りのキャラとの絡みが多くて、
独りぼっちで不安、恐怖を抱えてるときにときにどんな行動をとらせれば自然なのかいまいち掴み切れてません。
こういうときユリカならこうするんじゃね?みたいな具体例、もしくはそこらへんが分かる原作エピソードなんかがあれば紹介してくれませんか?
231それも名無しだ :2007/05/19(土) 18:10:58 ID:HOCueXSD
>>230乙。
前のままでも今のままでも、ユリカは違和感はないと思います。
ロワ状況に酷似したことに立ち会った経験はないし。

見たままを言うと、ユリカは艦長職ゆえか原作でも単独行動はあまりしない。
アキトがらみだと私情がからむけど、それ以外は結構まとも。
神経は結構ずぶとく、火星で現地の民間人を虐殺する結果になっても
アキトに救いは求めなかったり、博打に近い作戦でも実行してのける
根性を持っている。

アニメでも、びびッたユリカを見れるのは幼少期ぐらいではなかろうか?
最終話で遺跡を破壊するためにナデシコと共に一人で自爆しようしたから、
以外に責任感があるのは見て取れる。

ユリカって微妙に扱いにくい人物なんじゃなかろうか?
素であんな人格だし、二次創作で性格が分かれているし。
232それも名無しだ:2007/05/19(土) 19:50:44 ID:KeGLGwyc
原作で一番沈んでいるのは6話ラストあたりかな
火星の民間人潰した話
今だとニコニコで見れるよ
他には鬱になってるとこは見たことない気がする
233それも名無しだ:2007/05/19(土) 20:00:03 ID:vH5yk+i5
生き残る為とはいえ救出目的のはずの火星の生き残りをデストーションフィールドで潰しちゃって、
その後洗面所だったか流しだったかで吐いていたシーンの事?

ただのあーぱー娘じゃないけど、だからと言ってあーぱーを装っている智略家って訳でもなくて……。
確かに扱いにくいキャラかもしれない。
234それも名無しだ:2007/05/19(土) 23:33:46 ID:hFJg9g2e
修正?乙。
前のと比べるとユリカが行動的になっててらしいんじゃないかな。
ロワであることを考えると、前話のソシエ攻撃の時点でやや錯乱気味だったしこんなもんだと思いますよ。
でも原作基準でいくとほとんど鬱らないような娘なんだよなぁ……。
個人的にはロワである以上多少キャラが変わるのは全然ありだと思います。

つーかこれって書き手さんが納得したんなら本編採用なのかな?
前の話を破棄したのもユリカ関係が原因っぽいしさ。
235 ◆C0vluWr0so :2007/05/20(日) 11:13:35 ID:P8WXmTBz
>>231-234
アドバイスありがとうございます。
結構把握がしづらい……というか動かしづらいキャラなのかな。
鬱っぽいとこは昔見た6話の記憶を頼りに書いてたんですが、スパロボに染まった身としては鬱ユリカはちょっとないな、という矛盾。
とりあえずもう一度ナデシコ見てみます。
お騒がせしてすいませんでした。

>>234
とりあえず自分の中でのユリカ像+ロワという状況を考えて書き直したんで、個人的に納得できないとこはありません。
本編採用ってのは考えずに練習のために書いたんですが、これで大丈夫だと皆さんに判断して頂けたなら採用ということになる……のか?
236それも名無しだ:2007/05/20(日) 13:00:15 ID:wHJ5XyD0
ユリカって訳判らないキャラだもんな。

アキト絡み→公私共に駄目になる
仕事に集中→周りがついてけないぐらい優秀

シンプルにするとこんな感じか?あと、運が良い。
237それも名無しだ:2007/05/20(日) 13:50:40 ID:hx/iztz/
なんか曖昧なままだとまとめさんが困るだろうからはっきりさせよう。

1、作者さんは本編採用でも別にかまわないかどうか
2、住人的に本編として採用してもいいかどうか

どっちも譲り合ってる現状なんでそれぞれが意見出したほうがいいと思う。
両方大丈夫なら本編採用でいいと思うんだが、どうだろう?

ちなみに自分は採用でいいと思う。
238 ◆C0vluWr0so :2007/05/20(日) 13:59:28 ID:P8WXmTBz
>>237
自分としては全然構わないです。
むしろ嬉しいくらい。
239 ◆C0vluWr0so :2007/05/20(日) 15:04:18 ID:P8WXmTBz
予約無しですが投下します。
さるさんってロボゲ板にもあるのかな……?
240 ◆C0vluWr0so :2007/05/20(日) 15:05:15 ID:P8WXmTBz
「これでっ……墜ちやがれえええええ!」

ゴステロの怒号と共に放たれた勇者王必殺の拳が、空を翔るバルキリーへと襲いかかる。
暴力的なまでの力を持つ拳撃の威力は十全。バルキリーの装甲などは一撃で貫くだろう。
だがしかし、それはまともに当たればの話。

「そこかっ!」

バルキリーは空中旋回し、スターガオガイガーの拳を苦もなくかわす。
天性の操縦センスと豊富な戦闘経験、そしてニュータイプの力――それらが備わったアムロには、ただの力任せの攻撃は当たらない。
だが、それだけだ。

「ちょこまかちょこまかとうざってえんだよッ! オラオラオラオラァァァァァ!」

更に続くスターガオガイガーの猛攻。
それに対して正確無比な回避運動を続けるバルキリーだったが、反撃は無い。
スターガオガイガーの強硬無比な装甲の前には、バルキリーの通常武器では決定打にはなり得ない。
その如何ともし難い事実がアムロに回避の一手を取らせていた。

お互いに決定打となる一発が無いまま、時間だけが過ぎていく。
既に戦闘が始まってから一時間近い時間が経過し、戦場もH-2からH-1へとその場を変えていた。
シャアとアイビスを安全に逃がすというアムロの目的は、ほぼ完全に成されたと言っても良いだろう。
だが、このままこの敵を放置し、逃げ出すわけにはいかない。
アムロが見たところ、このパイロットは正常な判断能力を失くし、破壊衝動のままに暴走を続けている。
しかし敵パイロットの操縦スキルは低いどころか、エースパイロットのそれと比べても遜色無いものだ。
異常なまでの破壊衝動、エースパイロットの技量、そして攻守共に万全な強機体。
このまま放置すれば、間違いなくこの戦場に悪意を撒き散らし、多くの戦いをもたらすことになるだろう。

(出来れば首輪を確保したかったが……そうとも言ってられないな)

直撃こそ無いものの、強力なパワーの余波と無理な回避運動の影響か、徐々にではあるがバルキリーの状態が悪くなってきている。
戦いが長引けば長引くだけ、たった一発の直撃で墜ちるバルキリーが不利だと判断したアムロは、機体を北へと飛ばす。

「ヒャハハハッ! 逃がすかよぉ!」

自機から離れ出した戦闘機に対し、ゴステロは追撃を選択する。
しかし、高々度での戦闘を想定して設計されたバルキリーとの距離は縮まるどころか次第に広がり始めてた。
かと思うとバルキリーは速度を落とし、また距離を縮める。
獲物であるはずの相手に遊ばれている――そのことに気づいたゴステロは怒りを爆発させた。

「くぉのやろおおおおおお! 死にやがれえぇぇぇぇぇ!」

力任せにブロークンファントムを繰り出すも、バルキリーにはかすりもしない。
ゴステロの怒りは、ただ募っていくのみだった。

(さぁ来い……ここで決めてみせる!)

無論この挑発的行動もアムロの狙い。
より激しい怒りを以て、ただでさえ鈍っているゴステロの判断力を更に下げるのがその目的だった。
アムロの考えた作戦を成功させるには、相手の油断と隙をつく必要がある。
これはそのための下準備。
次にアムロは弾薬の残量をチェック。
通常武装が決定打にならないと判断した時点で回避に専念し始めたため、弾薬は半分残っている。
これだけあれば、一瞬の隙を強引に作ることも可能だろう。

そこまで確認したアムロの視界に入ってきたのは、夜闇の中輝く光壁。
そのずっと先には壁が二枚垂直に交わる姿が確認出来た。
勝負を決するのは、地図の最北東に位置し、A-1、A-8、H-1、H-8の四つのエリアを結ぶここ。
アムロはスロットルを倒し込み、一気にスターガオガイガーとの距離を離しにかかった。
そして二枚の壁が交差する一点、その直前で機体をバトロイドに変形、停止させ、地上に降り立つ。
241 ◆C0vluWr0so :2007/05/20(日) 15:06:41 ID:P8WXmTBz
「ようやく追いつめたなぁ。さぁ……ぶっ殺してやるぜぇぇぇぇ!」

やや遅れバルキリーに追いついたゴステロは、舌なめずりをしながら感情を昂ぶらせていく。
その歪んだ表情からは抑えきれない憎悪と激怒が滲み出ていた。
それに対しアムロは、

「やれるものならやってみればいい。その機体は飾りか?」

と、挑発的な態度を崩さない。

…………プチン、と音が聞こえた気がした。

「……そんなに死にてぇのかよぉぉぉぉぉぉ! お望み通りぶっ殺してやるぅぅぅぅぅ!!」

怒りが頂点に達したゴステロはスターガオガイガーをバルキリーへと突撃させる。
バルキリーを遙かに超える質量を持つスターガオガイガー。
巨体の突進が巨大なパワーを産み出し――更にGSライドが輝き、勇者の力は完全な破壊の力に転換された。
産み出された超パワーは右拳の一点に集中し、バルキリーを撃ち貫く破壊の鎚に変わる。
だがしかし、超加速を続ける勇者王の射線の先にいるのはただのパイロットではない。
連邦の白い悪魔と恐れられ、幾度もの大戦を潜り抜けてきた真の戦士である。

「――見える! ここだっ!」

勇者王の突撃が最高速に乗る一瞬前に、アムロはバルキリーに残されたありったけの武装を放つ。
だがスターガオガイガーから迸るエネルギーは、ホーミングミサイルを始めとするバルキリーの攻撃を寄せ付けない。
アムロの攻撃はその殆どが直撃することなく寸前で爆発。
しかし、ホーミングミサイルとガンポッドが撒き散らす爆煙がスターガオガイガーを包み、ゴステロの視界が一瞬遮られた。
半瞬の後、スターガオガイガーは爆煙の中から飛び出す。
その先には、バルキリーがいるはずだった。――だった。

「なにぃっ!?」

一瞬と半瞬の間隙、ゴステロが目を離したのはその一刹那のみ。
だが、そのわずかな間に戦況は一変した――バルキリーが、いない!

「どこだっ! どこへ行きやがった!?」

ゴステロの叫びが一人空しくこだまする。
それに応えるかのようにスターガオガイガーの背面に衝撃が走った。

「なにぃ! 後ろだとっ!?」

振り返ろうとするゴステロの視界に入ったのは、人の形に姿を変えたバルキリー。
その右腕がスターガオガイガーの背中を押している。

「このまま……押し切ってみせる!」

スターガオガイガーの強固な装甲にはバルキリーでは太刀打ちできない。
最後の切り札、反応弾もあったが、あまりにも高すぎるその威力と攻撃範囲は自機さえも巻き込んでしまう危険性をはらんでいた。
本来の反応弾の使用目的は、宇宙空間での対大型艦の撃滅。広大な宇宙空間で充分な距離を取って初めて使える代物だ。
ならば距離を取ればいい――そう考えるのは、単純過ぎるというものだろう。
この空間の持つ特殊な性質の一つ、極端な電波妨害は通信の障害になるだけではない。
長距離におけるミサイル誘導、及びそれに類する攻撃の制御に関する電波までも遮断する性質を持っていた。
そのため、反応弾を長距離から撃つことは不可能。
下手に撃てば制御が出来なくなった途端に爆発し、バルキリーを巻き込む可能性がある。
つまり、バルキリーがスターガオガイガーに対抗出来る武装は皆無、ということである。

だが、対抗出来る武装は無くとも――対抗する手段はある。
242 ◆C0vluWr0so :2007/05/20(日) 15:07:34 ID:P8WXmTBz
「ぐぅぅぅ! 止まりやがれぇぇぇ!!」

GSライドとウルテクエンジンによって最大まで加速されたスターガオガイガーは止まらない。
慣性のまま直進するその先にあるものは光の壁。
更にその奥にあるものは――禁止エリア。
アムロの作戦、それはゴステロをスターガオガイガーごと禁止エリアに叩き込むというもの。
如何に装甲が厚かろうが関係ない。ただ押し込むだけで、ゴステロの首輪は爆発する。
今までの攻防の全ては、その状況に持ち込むための準備だった。
案の定ゴステロはアムロの挑発的な態度に激昂し、一直線に突撃を試みた。
残弾の殆どを費やし一瞬の隙を作ったアムロは、瞬時に地上での移動に長けたガウォークへと変形し、ゴステロの背後に回り込み。
そのまま、禁止エリアに向けてスターガオガイガーを押し込む!

「たかが機体一つ……バルキリーで押し込んでみせる!」
「こぉのやろぉぉ!!」

だが、ゴステロもただでは終わらない。
行き場を無くした拳を地面に突き刺し、減速を試みる。
粉塵と土煙を上げながら、スターガオガイガーのスピードは徐々に落ちていく。

壁まで、残り100メートル。

バルキリーに異変が起きた。
度重なる急激な回避運動に悲鳴を上げていたエンジン。その出力が落ちていく。
それに対し、スターガオガイガーはその出力を上げていく。
GSライドが輝き、ウルテクエンジンが唸りを上げ、勇者王はその名に恥じない力をその身に漲らせていった。

「後少し……後少しなんだ! 保ってくれバルキリー!」
「へっ! 残念だったな……!」

燦然と輝く壁のたった10メートル前で、バルキリーは力尽きた。

スターガオガイガーは減速し、

停止し、

反転した。

「お前に俺はやれねぇよぉ! 死にやがれぇぇ!!」

再びバルキリーに向かって拳が放たれる。
一筋の流星の如く伸びる一撃を受けながら、バルキリーは自ら背後へと飛び衝撃を受け流す。
しかし、たとえ力の半分を受け流せたとしても、勇者王の一撃はバルキリーの装甲を貫くに十分。
満足に動かない機体を、それでもアムロは執念と共に動かしていく。

「ひゃはははは! もう諦めちまいな! どうせお前はこの俺様から逃げられやしないんだからよぉ」
「それでも……俺は諦めない! 最後のその時まで人は生きることを諦めたりしないんだ!」
「そうかい。その心意気はリッパだが……そのまま終わっちまいな!」

再度放たれた拳撃を前に、アムロは避けられない死を予覚した。
思えば、自分は人を殺しすぎた。
終わらない争いを止めるため――そして、生き残るため。
一年戦争の頃の自分と、この殺し合いを強要され、生き残るために他者を殺す人間と、一体何が違う?
戦わなければ生き残れない。
だから殺す。
それは、生物全てに共通する道理だ。
生きるために、食べるために殺す。
住むために、眠るために、他者を殺し、そして生きのびる――それが、人間本来の生き方だったのではないのか?


『……それは違うぞ、アムロ』
243 ◆C0vluWr0so :2007/05/20(日) 15:08:30 ID:P8WXmTBz
なっ……! その声、シャアか!?
『確かに、私もお前も命を奪いすぎた。だが、私はそれを間違いだとは思っておらんよ』

何故だ! ララァを失ったお前がそれを言うのは!
『命とは、消えるものではない。受け継がれるものなのだ。
 ララァの魂は私の血肉となった。そして……私の命も、また誰かの礎となるだろう』

――! シャア、まさか……!
『さらばだ、アムロ。再び会うことは無いだろうが……
 私はお前を好いていたよ。お前なら……あるいは人の光を導けるのかもしれない』

待てシャア! お前は……!
『立てアムロ! ここで終わるお前では無いはずだ!』



――瞬時、アムロの意識は覚醒した。
バルキリーを貫くはずの拳は……

「てめぇ……! 一体なにもんだぁっ!」
「フッ……。醜きを討ち、美しきを助ける者だ」

白銀の機体の構える白き剣によって阻まれていた。

 ◆

眼前の機体の織りなす剣技――あまりにも鮮やかな太刀筋と抜きの速度に、アムロは圧倒されていた。
一太刀舞えば獅子が転び、二太刀抜けば装甲が破れる。
先ほどまでアムロを圧倒していた剛力を華麗に受け流し、翻弄するその技量。
白銀の機体が近接戦闘に長けた機体だろうということを考慮しても、その搭乗者の才覚はただものではない。
そのままスターガオガイガーを圧倒するかと思えたその時――
白銀の機体は踵を返し、こちらに向かいながら通信を入れてきた。

「そちらの機体、状況は? 動けるのなら即座にこの場を離れることを提案しよう。
 出来ることならば、貴君の協力を願いたい」
「こちらアムロ・レイ。貴君の援護、心から感謝する。
 こちらの機体の状況は万全とは言い難いが、離脱程度なら問題ないはずだ」
「そうか。ならば行動は迅速に行おう。……急がなければ、あの機体が追いついてくるかもしれないからな……」

アムロが聞く男の声はいささか疲れたものだった……何故?
答えは簡単。
ここに来るまでに、サイバスターはある機体に追われ続けていたからである。
その機体とパイロットとは……

「な に ぃ っ 、 ア ム ロ ・ レ イ だ と ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! !」

「なっ、何なんだあの機体は!? ガンダムなのか?」
「クッ、追いつかれたか……」

白き装甲に身を包んだ機体。その頭部にはガンダムタイプであることを示す二対の角が存在していた。
ガンダムファイト第13回大会ネオジャパン代表MF、シャイニングガンダム――
ガンダムファイトにて猛威を振るったその右腕は、肘から先を切断され無惨な断面を晒している。
だがその代わりに、ガンダムは全身にかつてないほどのエネルギーを纏わせていた。
搭乗者の感情の高ぶりをそのまま機体にフィードバックするシステムを備えたシャイニングガンダムは、そのポテンシャルを最大限に発揮し始める。

「黒歴史に名高いその戦技、しかとこの目に焼き付けさせてもらおうかぁ!」

気迫と共に放たれたギンガナムの咆吼がその場に響く。
244 ◆C0vluWr0so :2007/05/20(日) 15:09:48 ID:P8WXmTBz
「小生の名はギム・ギンガナム! アムロ・レイよ!
 名門の誉れ高いギンガナム家の名の下に、貴殿に決闘を申し込む!!」

――そして、しばしの沈黙。

「……は?」

ややあって間抜けな声が返ってくる。
それはあまりにも唐突な展開に呆然とするしかないアムロの呟きだった。

「アムロといったか。あの男を知っているのか?」
「いや、あのパイロットについては皆目見当もつかない。
 あの機体は俺の知るものに酷似しているが……君が危険視していたのはあれなのか?」
「そうだ。ここに来る途中で遭遇した。厄介な相手だったために振り切ってきた……つもりだったのだが」


「フフフ……アムロ、アムロ・レイか。
 黒歴史の中の無数の戦乱……その中でも最強の力を持った真の戦士とこのような出会いをするとは。
 あの異形もなかなか憎い演出をしてくれるではないか!」

握る拳に力がこもり、熱き血潮が滾っていくのを感じながら、ギンガナムは眼前の機体に目を向ける。
夢にまで見た相手との邂逅……2500年もの長きに渡り真の闘いを求めてきた武人は、燃えに燃えた。

「ふぅぅぅぅぅっ、ぬぅぅぅぅぅぅぅっ!
 さぁシャイニングガンダムよっ! ガンダムの名を世に知らしめた勇者に、我らの力を見せつけてやろうではないかぁっ!!」

ギンガナムの叫びと共に、シャイニングガンダムはその身を黄金に染めていく。
怒りではなく、純粋な喜びと戦意によって高められた感情のうねりが、ガンダムに力を与えていく。
そしてギンガナムがアムロに飛びかかろうとした瞬間、

「お前ら……俺を馬鹿にするんじゃねぇっ!」

ゴステロの拳が、ガンダムを襲った。
突然の乱入者二人に完全にペースを乱されたゴステロは、怒りの拳を無造作に振るう。
しかし、ギンガナムはこれを察知。ぎりぎりのところでスターガオガイガーの拳を避ける。
シャイニングガンダムは身体を反転させ、スターガオガイガーと正対した。

「貴様、武人の闘いに横槍を入れるとはどういうことかと知っての行いかっ!」
「武人だぁ? けっ、そんなもの関係ねぇ! 俺は俺のやりたいようにやるんだよぉっ!」
「ならば……王者アムロ・レイと戦う前の前哨戦といくぞ!」

ギンガナムは左腕をぐっと手前に引き、右腕をスターガオガイガーに向けて、高々と突き出す。
対するゴステロは、構えなど無用とばかりに先ほどバルキリーに向けてしたように右腕に力を注ぎ込んでいく。
共に片腕を亡くした者同士、互いに狙うは一撃必殺。
両者は睨み合い、そして一瞬の後――激突した。
ギンガナムの憧れと情熱と正義の込められた左拳と、ゴステロの狂気と憎悪と悪意の込められた右拳が衝突。
激しい音を立てながら火花を散らす二人の間には、ある一つの思い以外は存在しない。

――ただ相手を倒す。

慢心など欠片もない。気を抜けば押し負けるということは、本能的に悟っている。
そして両者の力は完全に拮抗していた。
ぶつかり合ったまま、一歩も動かない。否、動けない。
そして同時に考える。
この状況を打破するには――

(( 更に大きな力でねじ伏せる! ))
245 ◆C0vluWr0so :2007/05/20(日) 15:10:48 ID:P8WXmTBz
「うおおおおおおおおおお!
 もっとだ! もっと輝けシャイニングぅぅぅぅ!!」
「クソやろおおおおおおお!
 力がたりねえんだよおおおおおおおおお!!」

ギンガナムとゴステロ、互いに力を求め、吼える。
シャイニングガンダムとスターガオガイガーは共に心の力を糧に更なる力を得る機体。
しかし、二つには大きな違いがあった。
シャイニングの求める感情の高ぶりはギンガナムに存在したが、スターガオガイガーの求める勇気はゴステロには存在しない!
ここにきて、力の均衡が崩れ始める。
スターガオガイガーは、じりじりと後退していた。
そして、互いの拳に込められた力の差異は更に大きくなっていく。
シャイニングの輝きがより一層激しくなった時、スターガオガイガーの右拳は砕けていた。

「なにぃっ!? おっ、俺がこんなところで……!
 エイジっ、エイジいいいいいいいい!!」

シャイニングガンダムの左拳はスターガオガイガーの右拳を打ち砕いた勢いそのままに胸部装甲に抉り込み。
溜め込まれたエネルギーはスターガオガイガーの内部で炸裂した。

そして――勇者王は崩れ落ちた。

「フフフ……ハハハハハハハ!
 この我が身に走る喜びは演習では得られない! 命を賭けた実戦でしか味わえない!
 小生は……勝ったぞおおおおおおお!!」

一人、ギンガナムの勝鬨のみがこだまする。
……そう、『一人』。

「さぁ次はアムロ・レイ、貴殿と……っと、いないだとおお!?」

ギンガナムとゴステロが一閃交えていた間に、サイバスターとバルキリーは戦場からの離脱を果たしていたのだった。
ギンガナムがいくら叫ぼうとも返事一つ返ってきやしない。

「だが……まぁ良いとしよう。この獅子の姿をした機体も、月での演習では手に入らない喜びを教えてくれた。
 アイビス=ブレンといいアムロ・レイといい、この場には小生の積年の夢を叶えてくれる者たちが数多揃っている。
 ……この調子ならば、シャア・アズナブルなどもいるやもしれんなぁ。
 ククク……楽しくなってしまうではないかぁ!」

ギンガナムは笑う。自分の夢、黒歴史との邂逅を果たし。
その男の表情は、これ以上ないというほどに満ち足りていた。

 ◆

場所は変わってA-1。
一際高くそびえ立つビルの影で、二つの機体がその身を休めている。
その内の一機VF-1Jバルキリーの中で、アムロは先の戦いから離脱する間際に見た、あってはならない光景を思い出す。

――あれはまさに夜中の夜明け。

間違いない。西南の方角に見えたあの光は核だ。

(シャア……やはりお前は……)

おそらく、シャア・アズナブルという存在はこの世から消えてしまった。
それはアムロに言い様のない喪失感をもたらす。
敵として、味方として、常にアムロにプレッシャーを与えてきた男シャア・アズナブルはもういない。

「……俺は、何をしているんだ……!」
246 ◆C0vluWr0so :2007/05/20(日) 15:12:06 ID:P8WXmTBz
シャアとアイビスだけにしたのがそもそもの間違いだったのか?
自分がもっと速くゴステロを倒し、二人の下に駆けつけられたなら二人を助けることが出来たのではないか?

「くそっ!」

苛立ちと共に拳を振り上げる。だが、その拳が振り下ろされることは無かった。

(ここで……終わるわけにはいかない。ブレンの力なら、あるいはアイビスだけでも核から逃れられた可能性がある。
 アイビスを見つけ出す。これ以上こんな憎しみの連鎖を続けさせてたまるか!)

と、その時、白銀の機体――サイバスターから通信が入った。

「アムロ・レイ。思うところもあるだろうが……ひとまず私の話を聞いて貰えないだろうか」
「……ああ。まずは助けてくれたことの礼を言わせてくれ。君の援護がなければ今頃俺の命は無かったかもしれない。
 しかし、君は何故俺を助けた? あの状況ならばあのライオンのようなロボを助けてもおかしくはなかったはずだが……」

アムロの問いに、何よりも美を愛する悪はさも当然と返答を返す。

「何、あのライオンの動きには美がない。対し、君の操縦には言い様もない美を感じた。
 まるで一級の美術品のような気品、賞賛に値するものだ。理由などそれだけだよ。
 そして覚えておきたまえ。
 レオナルド・メディチ・ブンドル。この下卑た殺し合いを終わらせる者の名だ」


【アムロ・レイ 搭乗機体:VF-1Jバルキリー(ミリア機) (マクロス7)
 パイロット状況:疲労、喪失感
 機体状況:左腕肘から先を消失、弾薬の殆どを消費、エンジン不調(簡単な整備で復調可能)
 現在位置:A-1
 第一行動方針:ブンドルとの情報交換
 第二行動方針:アイビスの捜索
 第三行動方針:首輪の確保
 第四行動方針:協力者の探索
 第五行動方針:首輪解除のための施設、道具の発見
 最終行動方針:ゲームからの脱出
 備考:ボールペン(赤、黒)を上着の胸ポケットに挿している
    シャアの死亡を悟っています】

【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL)
 パイロット状態:良好、主催者に対する怒り
 機体状態:サイバスター状態、ダメージ微少
 現在位置:A-1
 第一行動方針:アムロと情報交換をし、脱出への協力をしてもらう
 第二行動方針:A-1周辺の参加者を捜し、保護する(特に技術者を)
 第二行動方針:基地の確保のち首輪の解除
 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ
 備考:ハイ・ファミリア、精霊憑依使用不可能】

【ギム・ギンガナム 搭乗機体:シャイニングガンダム(機動武闘伝Gガンダム)
 パイロット状態:テンション最高潮(気力150)
 機体状態:右腕肘から先消失、胸部装甲にヒビ、全身に軽度の損傷
 現在位置:H-1
 第一行動方針:倒すに値する武人を探す
 第二行動方針:アムロ・レイ、アイビス=ブレンを探し出して再戦する
 最終行動方針:ゲームに優勝
 備考:ジョシュアの名前をアイビス=ブレンだと思い込んでいる】

【ゴステロ 搭乗機体:スターガオガイガー(勇者王ガオガイガー)
 パイロット状態:死亡
 機体状態:大破
 現在位置:H-1】
247 ◆C0vluWr0so :2007/05/20(日) 15:15:32 ID:P8WXmTBz
【残り33人】

【初日 21:20】

予約無しになってしまいましたが投下完了しました。
予約して即投下の方がまだ良かったかも……
矛盾点、問題点ありましたら遠慮無くどうぞ。
248それも名無しだ :2007/05/20(日) 16:46:06 ID:UCiocwFS
>>247投下乙
とくに大きな矛盾点はありませんでした。
249それも名無しだ :2007/05/20(日) 16:48:12 ID:UCiocwFS
ごめん。途中で切れた。
アムロの声に響くシャアが悲しい。

>>237自分も採用の方向で。
250それも名無しだ:2007/05/20(日) 18:44:01 ID:IyQc5er4
おお、これはこれは。
ようやくブンドル局長の戦闘がキター。

と思ったら御大将まで………GJ過ぎてどう反応していいか判らねえwww

俺も>>237でいいんじゃないかなと思う。振り回しっぷりとか特に
251それも名無しだ:2007/05/20(日) 19:15:25 ID:ufy/RiwR
これは……面白さ、という点では文句なしのGJを送りたい。
シャアとアムロの会話が泣ける。ユリカのもキャラに矛盾は無いと思います。
252それも名無しだ:2007/05/20(日) 23:06:17 ID:pUih2EyG
>>247
シリアス展開にグッと引き込まれていたのに御大将登場で爆笑してしまった。
GJです!
でもシャアはしんみりくるな……。
アムロには今後頑張って欲しい。
>>237には異論なし!
253それも名無しだ:2007/05/20(日) 23:18:31 ID:pUih2EyG
>>247
一つ言い忘れ。
タイトルは?
254それも名無しだ:2007/05/20(日) 23:20:41 ID:Pzw3XePd
>>247
予約無しだったのが逆にブンドルやギンガナムの登場といった驚きが生まれたので良かったと思います
しかし御大将…シャアはもう居ないんだよ…

>>237
自分も通しで良いと思います
255 ◆C0vluWr0so :2007/05/21(月) 05:56:15 ID:vlfPvd41
>>253
タイトルの存在がガチで頭から消えてた……
「失われた刻を求めて」でお願いします。
256それも名無しだ:2007/05/21(月) 19:50:38 ID:i+WBt/E0
Jアーク組vs無敵戦艦ダイ組がほぼ間違いなく起こりそうな現状でふと気づいた。
この二組で生存者登場回数ベスト8がユーゼス以外揃い踏み。
一緒に行動してるんだから当たり前といえば当たり前だけど、ちょっと驚いた。

登場回数上位勢
1、キラ    10(4+6)
2、アキト    9(7+2)
  ユリカ    9(7+2)
  ロジャー  9(6+3)
5、ユーゼス  8(6+2)
  シンヤ   8(6+2)
  マサキ   8(5+3)
  ソシエ    8(4+4)
  テニア    8(4+4)

257それも名無しだ:2007/05/21(月) 19:59:42 ID:W9kWqfGU
ネゴシエイター!!ショーーーターーーーイム!!
258それも名無しだ:2007/05/21(月) 20:53:31 ID:lfB2eXtN

               _,,,,,,,,,,,,,_
             ,,r;:r""      ヽ、
          ,r'" "     ,r''"`   ヽ、
         ,r"  /   ,,r ,r"rヾ、`ヽ、 ヽ、
        ,|、_ (_   _ (_,r"'"  ヽ、 `ー、i
         ,|ヾl`'ー`ヽ!`i'"      ゙i、  _,〕
         tヽ|     ゙i、      ヾー[」-!、    名前:シャア=アズナブル
         ヾ|     ゙i、,|  _,,,;;;=''"`  ヽノ、 〕    愛称:赤い彗星、大佐、ロリコン
          !i,‐-;;;;;;、,゙i、r'"-,ニlア    |i、゙`イ|    声優:池田 秀一
.          `i;-、ニlア i、 "      |、ヾ|l|゙
.           ゙i,    |:|         | ゙i, ノ,
            ゙l、  `!_,,.       | ゙i |
             ゙!、  ,,,,.. -'''    /  | .|
              ゙i、   --    ,r'   ゙i_!-;
               `!、     ,r"_,,,r-'''ニ-‐''゙i
              rヾ、`ーr‐''ニ""-‐'"     ヽ,.........,___
             __λ i,ヾ| i''"       _,,.r-t"_,r'"_:_:_
    ____,......r-i'",r'ヽ | |:| |     _,,--'"   ~ヽ、:::::  !.
  < ̄ j'"ー'''''j;, ̄ ̄  `i | |:| |  _,,r''"        ヽ、:::::  `t、/
    冫>、i :::::,r'"      i i,r ノ_,,r'"           ヽ、:::::.. /
   |,イ'" ::,r"        ト,i",r'"              ヽ、 :::/
   /::::,r'" __     // |     r'" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/    ヽ/


出展:機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

10話「赤い彗星」より登場。開始早々アムロと合流し、順調な滑り出しを見せた。
だが、その初登場はシーンは核ミサイルに乗っているという笑撃のシーンであり、アムロとの会話も「機動戦士ガンダムさん」を髣髴とさせるものであった。
続く28話「Impact of The Red」でもハイセンスなギャグ展開を繰り広げ、ギャグキャラとしての立ち位置を揺るぎないモノにする。
その後もほぼ平穏無事なまま第一回放送をむかえる。
近場にジャンプアウトしてきたブレンをNTの感性で感じ取り、偽名を名乗りつつアイビスと接触。彼女を励まし一緒にジョシュアを墓に埋めた。
その直後襲ってきたゴステロを撒くために足止め役のアムロと別れ、アイビスと合流地点へと向かう。
その合流地点でアムロを待っているときに、カテジナの操るラーゼフォンの襲撃を受けるが、巧みな話術で一人で逃走。
しかし、アイビスの窮地に舞い戻りその卓抜した操縦技術でカテジナを圧倒、ラーゼフォンを退けた。
だが、最終的には油断した隙に仕掛けられた攻撃の余波を受け、アイビスに後を託してこの世を去ることとなる。
そして死後、窮地に陥っていたアムロをNTならではの共振で励ましてロワ世界から消えた。
死亡話でギャグキャラから脱却し、その本来の魅力を魅せてつけてくれた彼に対し、死を惜しむ声も多い。 
259それも名無しだ:2007/05/21(月) 21:24:47 ID:KNq3bRHE
>>256>>258
Jアーク組とダイ組の戦いは中盤の目玉になりそうだから書いてる人多いってのは安心かな。
そういえばナデシコ組もJアークを危険視してるんだっけ。
戦艦組は誤解フラグが多いなw

死亡者図鑑作成GJ!
シャア……あんたは最後まで輝いてたぜ!
260それも名無しだ:2007/05/21(月) 23:11:54 ID:dGfadloD
クソッ、何で死んで欲しくキャラばっかり死ぬんだよう……
海王……シャア……お前達がいなくなった今、誰に期待すりゃいいんだ……

ここで御大将までいなくなったら俺泣いちゃうぞ。

一応、今最強の死亡フラグおっ立ててるのはダイ組の面々だな。
相手がやば過ぎ。しかも複数。何かしらの乱入でもなければ詰みだぞ絶対。
261それも名無しだ:2007/05/21(月) 23:39:05 ID:GgkgxR0n
シャアの遺影、超イケメンでなけるぜ……

>>260
逆に考えるんだ
Jアーク、ダイ、ナデシコ、三大巨頭の内一つを潰すチャンスだと
というかJアークとダイに迎合でもされたら大変なことになるな……
262それも名無しだ:2007/05/22(火) 01:51:43 ID:jHVPOK1H
ダイはまあ武蔵の誤解だけで敵認定してるからな…
キラが通信(説得)仕掛けたら割とあっさり和解しそうであるんだが。
263それも名無しだ:2007/05/22(火) 03:04:47 ID:GptUJwfU
ソシエが殺されかけたことも思い出してあげてください
264それも名無しだ:2007/05/22(火) 07:07:24 ID:5OEOdPkb
仮に和解できたとしよう。
だが、ガウルンもいるんだ……何があっても戦闘は避けられまい………
265それも名無しだ:2007/05/22(火) 16:01:17 ID:GptUJwfU
7対1でフルボッコされるガウルンの姿が頭をよぎった
まさかね……
266それも名無しだ:2007/05/22(火) 22:52:57 ID:Hsn0FbUA
そういやあ、何気に薄氷同盟の連中の仇は誰かしらに
討たれてるな。
267それも名無しだ:2007/05/23(水) 18:14:18 ID:Jc4QE2QF
薄氷同盟と言うより、むしろ薄命同盟だったよなぁ。
268それも名無しだ:2007/05/23(水) 18:22:31 ID:vD8UHEsu
薄幸同盟でも可だな
269それも名無しだ:2007/05/24(木) 02:07:51 ID:9YtxV7ZW
アスランもヒイロ(こっちは微妙か)も敵討てなかったしなあ
270それも名無しだ:2007/05/24(木) 15:03:09 ID:zt3aWjfx
ロジャーも仇討ち失敗したしな。
仇討ちフラグ持ってるキャラで双方生きてるのって今いるっけ?
271それも名無しだ:2007/05/24(木) 15:39:01 ID:9YtxV7ZW
仇が生きてるのはキョウスケとラキくらい?
キョウスケは相手主催者だから心配いらないけど
272それも名無しだ:2007/05/24(木) 18:07:37 ID:8Ow7ds/7
アムロもシャアの仇討ちがあるか?
カテジナさん倒せそうな機体はあまりないけど
アイビスもジョッシュとシャアの仇が累積してるな
273それも名無しだ:2007/05/24(木) 18:21:08 ID:lajALJGC
リョウとクルツは互いに仲間を殺し殺されな関係だな
今はクルツが一方的に逃げ回ってるけど
後は……バサラがジョナサンに対してアフロの仇討ち?
274それも名無しだ:2007/05/24(木) 18:46:09 ID:ZnlFBU79
一応、統夜とテニアもメメメの仇竜馬が生きてるんだよな。テニアは討つ気なさそうだけど。
そして、統夜はカティアの仇テニアが……いやそんな単純な関係じゃないか。
J勢は本当にドロドロですな。

クルツは市街地もどるつもりだから、リョウと無事(?)再会できるか怪しいな。
だって、アムロとブンドルが待ち構えてるんだぜ。
核ミサイルなんか狙撃したもんだからこんなところで誤解フラグが……いや、面白いけどな。
275それも名無しだ:2007/05/24(木) 20:08:56 ID:quAs8RAg
そういえばカテ公には奏者資格が無くてゼフォンの力を引き出せない事になってけど、ゼフォンを使いこなせそうな参加者って誰が居るだろうか。
やっぱり芸術系の技能持ちって事を考えるなら、バサラとブンドルが鉄板なんだろうけど。

……ゼクスと御大将は、ゼフォンに乗せたら酷い事になりそうだ。
276それも名無しだ:2007/05/25(金) 01:16:18 ID:O31M4MYW
仇って言うなら、アスラン殺されたキラもじゃね?
そんな俺はアムロinガイガーとキラinジェイダーでコンビネーション決めてくれると信じた時期もありました…
奏者の資格って芸術的なもんか?むしろその魂からくる、ってイメージなんだけど。
277それも名無しだ:2007/05/25(金) 08:34:32 ID:1djtkWQx
魂って言葉聞くと脊髄反射的に御大将が思い浮かんだ。
きっとこの人に乗られるともう手がつけられない暴れっぷりを発揮しそうだ。

仇討つほうも討たれるほうも生きてても、仇に対する情報を持っている奴が少ないんだよな。
今現在で仇が誰か完全に認識してるのって、
アイビス→御大将・カテジナ・統夜(?)
竜馬→クルツ
キョウスケ→主催
このくらいじゃね?
んで、もうちょいなのが、クルツ→竜馬。
278それも名無しだ:2007/05/25(金) 14:29:19 ID:ryYVp1+s
クインシィからしたら御大将はグランチャーの仇なんでは?
279それも名無しだ :2007/05/25(金) 19:17:11 ID:WiXPFtL0
過疎ってるので、呟いてみる。

少しはレイズナー組のことを思い出してください。
まだ遺影が作られていません、と言ってみる。
AAが見つからない。
280それも名無しだ:2007/05/25(金) 19:40:08 ID:dp/DLQpI
ゴステロなら見つかった。
エイジは見つからなかったら世紀末救世主で代用すればいいんじゃないかな?
                    ____
                   , ' .|:|  |  ̄ ` t
                  f . |:|  |    ヽ
                  │ .|:|  |    i`
                  ィ , −、人,i、!,, i
                ノ__,|-f i ヽ  ゛i 、ゝ
                   j-.(ο)/ , .ィ iヽヽ
        ___、_      ,_ ィL .Y,」' `=ソ |i )ヽ
       ,ー,   ` ー-:";/  ||`V <_>  r'||ノ、   κ
      7"       `";( r `i |`t -==-' i || ,,>ー'" ' ̄ `-、
     /  -―  、    j |  |ヽ、 """ / f'         ヽ
     ( /     ヽ __j⌒ ゝ-j__ ヽ__ノ/ ,ノ| ;       /`ー゛
      ゝf     ::;;V ( ノ;;;;::::| r' ノ-- −' | ;      f'   i
       i:::/   ::::;;;/j  i;;;::::::;`' r      .| ;      ::|;:   l
       .>    :::::;i ヽ ノ;;;::::;;;:::ノ     .::| ;     ::::|;;:    t
       /    :::;;> 、 ヽ,_, /...    :::;;ノ| ;     ::::::|;;;:   i
      /    / `ヽ`イ_ /| `|    :;| |     ::::::|;;;:   ヽ、
     /   /l       / | |     :;|  |      :::::|;;:::     `、
     /           /  | |    :;|  |    ;  :::|;:::::     ヽ
    /           /  | |    :;/  |    ;:  ::|;:::::      `、
               /    | ヽ  ;:;ノ  j   ;::::;;;  ::|ヽ;:::      ヽ

281 ◆7vhi1CrLM6 :2007/05/25(金) 20:37:58 ID:y3HNBdcL
ゼクス・カズイ・キョウスケ、予約します。
282それも名無しだ:2007/05/25(金) 20:43:10 ID:LwNoGsBH
予約wktk
今回バーニィはスルーの方向ですかい?
283それも名無しだ:2007/05/25(金) 21:03:23 ID:y3HNBdcL
>>282
バーニィは気絶中なんでお休みの方向で書いてます。
284それも名無しだ:2007/05/25(金) 21:19:18 ID:niX3Dvl7
バーニィ、起きてもゲッター炉のやられたブラックゲッターの中じゃどうしようもない
しかも基地は半壊で火の手に囲まれてかけてるときたもんだ
ピンチってレベルじゃねーぞ
285火消しと狼 ◆7vhi1CrLM6 :2007/05/27(日) 19:20:33 ID:bj2/vkRl
「避けろ!!」

 基地上空で爆発したレプラカーン、黒煙を棚引かせてアスファルトの地表に墜落したブラックゲッター、その二つ物体が起した轟音を突き破りゼクスが叫んだ。
 咄嗟にビルトファルケンが地を蹴りサイドに大きく跳ぶ。ほぼ同時に発射されたディバイデッド・ライフルが間際を駆け抜け、基地の格納庫を一つ吹き飛ばした。
 その様子を一瞥し、戻した視界が急速に迫ってくるメディウス・ロクスを捉え、歯噛みしながら、キョウスケは叫んだ。

「ゼクス、状況を説明しろ!」
「機体の制御が効かん上に、ファルケンの識別パターンが赤に設定されている」

一つの機影がとぶように間合いを詰めてくる。苦々しい表情を浮かべ、互いの拳が届く距離、そこに躊躇なく踏み込んだ。
機体の体捌き、振り上げられたコーティング・ソードの動き。それらを見極め、一撃を避けたはずのファルケン――その装甲表面で火花が散った。

「くっ! 早い!!」
「キョウスケ!!」
「制御が効かんではすまされん。どうにかしろ!」

 執拗に迫ってくるメディウス・ロクスの猛攻を退けながら叫ぶ。

「今、やっている。クソッ! 解除不能だと……なんなのだ、これは!!」
「仕方がない。多少手荒だが、機体を落とさせてもらうぞ」

 基地をこれ以上壊すのは本意に反する。
その都合上求められているのは、素早くかつ的確にメディウスの暴走を止めることだった。

「そうしてくれ。機体の制御権がサポート用の人工知能に移っている。だが、しかし――」

 一度そこで言葉は区切られた。メディウスが映し出されたモニター。その端に開かれたウインドウに、ゼクスの困惑した表情が映っている。

「――『AI1』だと……これは一体?」
「メディウスのデータを探っても無駄ですよ、ゼクスさん。この機体の存在はあなた達の存在を遥かに超えている」

 ゼクスから発せられた疑問に答えるようにカズイの声が割り込んできた。
それに気をとられたのも束の間、襲ってくる剣戟に意識を戻す。
掻い潜るようにしてメディウスの懐に飛び込み、スラスターを全開。瞬く間にすれ違い、距離を広げようと高速で退く。
ゼクスの上に新たに開いたウインドウ。そこに映し出されたカズイの顔を睨み付けた。

「何をたくらんでいる、カズイ=バスカーク」
「この機体を壊す気なんでしょ? させませんよ。せっかく手に入れた僕の力だ」
「機体を止めろ、カズイ」
「凄んでも無駄です。メディウスは……いえ、AI1は僕のコントロール下を離れています。
そして、あなたのデータと次のステップに進むためのエネルギーを欲しがっているんですよ。
あなたの腕を見せてもらいますよ、キョウスケさん!!」
286火消しと狼 ◆7vhi1CrLM6 :2007/05/27(日) 19:21:40 ID:bj2/vkRl
 追いすがってくるメディウス。そのディバイテッド・ライフルの制射にオクスタンライフルで答え――

「生憎だが、俺は芸のない男でな。お前に見せてやれる腕などない!!」

――反転、そして、フルブースト。キョウスケは一瞬で距離をふいにした。

「多少古臭い武装だが、当たればでかい!!」

 ついた勢いのまま大きく腕を振り、ブーストハンマーを打ち出す。
 鎖が音を立てながら伸びていったそれは、鈍い音を立ててディバイデッド・ライフルに弾かれた。
 勢いを削がれた鉄球がゆっくりと宙に浮かび上がる。
 その光景に舌打ちを一つで、ハンマーに取り付けられたブースターを点火。
 しかし、轟音と共に撃ち込んだその先には既にメディウス・ロクスの姿はない。
 レーダーに目を走らせる隙もなく、直感が危険を知らせる。咄嗟に全てのブースターを逆噴射。勢いを削いで地を蹴り、強引に軌道を変えた。
 その眼前を音もなくコーティング・ソードの切っ先が走り抜ける。
 そのまま、基地に立ち並ぶ倉庫群を利用。追いすがるメディウスの視界を遮り、抜けた瞬間にオクスタンライフルを放った。
 ――いないだと!?
 撃ち放たれた弾丸が虚しくアスファルトに穴を穿ち、同時にゼクスの声が耳を突く。

「退がれ!!」

 咄嗟に飛びのいた地面に高出力のディバイデッド・ライフルが撃ち込まれ、盾に使った倉庫が飲み込まれて消える。

「上か」

 上空に悠然と佇むメディウスの姿を認め、苦々しく呟いた。
 メディウス・ロクスとビルトファルケンの機動性はほぼ五分。しかし、火力と馬力には格段の差。眼前にはぽっかりと空いた大穴がそれを証明していた。
 そして、あの動き……。ゼクスのサポートがなければ確実にやられていた――そういう実感が骨身に染みて汗となり、全身から吹き出してくる。
 この段階でキョウスケ=ナンブは覚悟を決め、同時にメディウス=ロクスを制することを諦めた。

「ゼクス=マーキス、悪いが覚悟を決めてもらう!!」
「私に構うな、キョウスケ=ナンブ! 自分が生き残ることのみを考えろ!!」
「無駄ですよ、キョウスケさん。AI1は学習し進化する。あなたには止められません!」

 三者の叫びを合図に残弾の半数に当たるスプリットミサイルを散布する。

「カズイ=バスカーク、俺の腕が見たいと言ったな。見せてやる。これが俺とファルケンの――」

 地上のファルケンから空中のメディウスに向けて、ミサイルの花が咲く。
 そして、同時に風を斬って飛ぶ翼が展開され――

「――切り札だ!!」

――それまでに倍する速度で隼は、獲物目掛けて一直線に襲い掛かった。
 メディウス・ロクスを蕾の中に納めるようにミサイルの花が収縮し、密度を増す。その最も密度の薄い部分は正面。すなわちメディウスとファルケンを結ぶ直線。
287火消しと狼 ◆7vhi1CrLM6 :2007/05/27(日) 19:22:49 ID:bj2/vkRl
 そこにキョウスケは躊躇なく踏み込む。書き換えられたOSにより荒々しい動きを手に入れた隼が速度を上げていく。
 ――さあ、逃げ場はないぞ、カズイ=バスカーク!!
 そして、ちょうど隼が最大戦速にのった瞬間、それは起こった。
 最初はゆったりとした動きだった。それを見て包囲網が縮みきる前に一点突破を行う場所を計っているのかと思った。
 だが、違った。そう気づいたときには既に、ディバイデッド・ライフルは直線上のマイクロミサイルの飲み込み、間際に迫っていた。
 咄嗟にオクスタンライフルのEモードで相殺。行き場を無くしたエネルギーが一瞬だけ中間で燻り、すぐさま爆発を起こす。
 無茶な回避と爆発の衝撃に翻弄され、機体フレームが悲鳴をあげているファルケンには、爆煙を裂いて現れたメディウス・ロクスに対抗する手段は残されていなかった。
 ディバイデッド・ライフルの銃身そのものの突端を叩きつけられて、ファルケンの体がくの字に折れ曲がる。
 そのまま流れるような動きでアスファルトの地面に叩きつけ、地面に擦りつけるようにして、焦げ臭い匂いと火花を散らしながらメディウス・ロクスは突き進む。
 そして、最後に一度ファルケンの体を大きく頭上に差しあげ、格納庫の一つに叩きつけた。



 轟音と共に砕け散った格納庫の破片が舞い上がる。
 瓦礫に埋没したファルケンの体には大小無数の傷。そして、背面の翼のいくつかはおかしな具合に捻じ曲がっていた。
 舞い上がった破片が装甲に降り注ぎ、乾いた音を立てる。
 その音を耳にしながら、カズイ=バスカークは茫然と目の前の光景を見ていた。
 ――圧倒的じゃないか……。
 元々の世界であのノイ=レジセイアを打ち負かしたという歴戦の兵。
 その男自らが切り札だと明言した攻撃を、真っ向から迎え撃ち、叩き潰した。

「これが……僕の力?」

 信じられないといった風にポツリと呟く。その言葉が耳に入り、唐突に少年は自覚する。
 ――そうだ! これが僕の力だ!!
 遅れてやってきた衝動が身の内を駆け巡り、体は喜びに打ち震え、狂笑となって唇の隙間から漏れた。

「ハハ……ハハハハハハハハ!! これは力だ! 僕の力だ!!
 これなら僕は誰にだって勝てる! ゼクス=マーキスの技術を身につけたAI1は無敵だ!!
 あの怪物にだって、キラにだって勝てるんだ!!」

 少年は自覚する。自分が手にした力は比類ないものであるということを。
 少年は確信する。自分はもはや怯え震えている憐れな贄ではなく、捕食する側であるということを。
 だがしかし、少年は気づいていなかった。狂気に染まり、普段の自分を失ってしまったということを。
 そんな少年の耳にくぐもった笑い声が聞こえてきた。

「ククク……」
「何です? 何が可笑しいのですか、ゼクスさん」
「ククク……ハッハッハッハッハ!!!
 いや、すまない。実に皮肉なものだと思ってね」

 一頻り大声をあげて笑った後、ゼクスは落ち着いた声で話す。どこか馬鹿にされているようでその声が癇に障る。
288火消しと狼 ◆7vhi1CrLM6 :2007/05/27(日) 19:23:30 ID:bj2/vkRl
「どういうことです?」
「なに、一つ昔話を思い出したのでね。なるほど、AI1は学習し進化するか……。
 他愛もない話だが、少しだけ話をさせていただこうか」

 そう言ってゼクスは、一人訥々と彼の世界の一つの歴史を語り始める。

「昔あるところにモビルドールというものがあった。
 パイロットを必要とせず、人工知能によって制御された人型機動兵器――命令に忠実で命を持たない戦争の道具だ。
 それは優れたパイロットのデータを有し、例え戦争が起ころうとも人の血が流れることのない理想的な兵器。そう信じられていたよ。
 しかし、人々はそれを否定した。何故だと思う?
 戦争が権力者のゲームになるのを嫌ったからだ。自らの手を汚さぬ戦争に意味はない。
 人々はそんなシステムになど負けはしない。それは歴史が証明している。
 それと同じ力を振り翳して無敵だなどと……。フフ……実に滑稽だな、カズイ。
 私の技術だけを模倣しただけのメディウスでは、誰にも勝てはせんよ」
「減らず口ですね」
「減らず口かどうかはあの男を退けてから判断してもらおうか」

 その声に誘導されるようにして、機能を停止し眼前に横たわるファルケンを眺める。
 AI1にエネルギーを吸収させるために吹き飛ばしはしなかったものの、あれだけ激しく振り回し、攪拌して衝撃を与えたのだ。
 機体はともかく、中の人間が無事であるとは思えない。それを確認して鼻で笑うようにして言葉を返す。

「無駄ですよ。キョウスケさんは今からメディウスの糧となって……それで終わりです」
「どうかな? あの男はそんなに柔ではないと思うが……」

 メディウスが横たわるファルケンに一歩近づく。
 ほぼ同時にファルケンが再起動を果たし、間髪入れずにオクスタンライフルが火を噴いた。

「なっ!?」

 咄嗟に飛びさがり距離を置く。そして、力強く立ち上がったファルケンを確認して、憎々しげに言葉を吐き捨てる。

「思っていたよりも頑丈ですね」
「往生際は悪いほうでな」



「すまんな、ゼクス。時間稼ぎ、礼を言っておく」
「必要ない。それよりも私を機械人形に囚われた道化にしてくれるなよ」

 話しながらも機体各部の損傷を手早くチェックしていく。順調に起動をしているのを確認して一先ず問題はないと結論付け、正面に向き直った。
 空中で静止しているメディウス・ロクスはまずは様子見といった感じでこちらに正対していた。
 突然、視界の中のその姿が不意に歪み、意識が遠のきかける。崩れかけた体を気力で支え持ちこたえさせた。
289火消しと狼 ◆7vhi1CrLM6 :2007/05/27(日) 19:24:26 ID:bj2/vkRl
 ――これは……きついな。
 意識がはっきりしたり、歪んだりしている。そんな中でほんのわずかな間の逡巡。
 ――時間もあまりない。どの道、俺にやれることなどこれだけか……つくづく不器用な男だ。
 『分の悪い賭けだ』と、自嘲気味に笑う。同時に、『悪くない』そう思った。
 目を閉じて、大きく息を吸い、長くゆっくりと吐く。
 心気を澄ませ、鋭い眼光で上空のメディウス・ロクスを睨み付けた。

「悪いが、もう一勝負付き合ってもらうぞ、カズイ=バスカーク!!」
「逃げてもいいですよ、キョウスケさん。逃げても無駄ですけどねぇ!!」

 もはや返す言葉はない。返答の代わりに放ったのはスプリットミサイルの残弾全て。ミサイルの花が再び空に咲いた。
 同時にビルトファルケンの背面ブースターを大きく展開。

 ――MODE:Twin Bird Strike Change:Single mode――

 緑の燐光をその場に残し、傷ついた隼は夜気を裂いて雄々しく空に舞い上がる。

「無駄ですよ。その動きは一度見せてもらいました。AI1には通用しません」

 ミサイルの花包まれていくその先で、ファルケンに照準を合わせ真っ直ぐに伸びた銃口から、重厚に迸る力の奔流が放たれ、道を作る。

「見せてもらったのはこちらも同じだ!」

 間髪入れずにオクスタンライフルをぶつける。前回同様、行き場を無くしたエネルギーが一瞬だけ中間で燻り、爆発。
 その中心に二つの機体は何の躊躇もなく飛び込んだ。肚に響く、獣のような咆哮をあげる。
 ファルケンの振り回すブーストハンマーとメディウスの突き出すディバイデッド・ライフルがすれ違い、互いがそれをかわす。
 凄まじい勢いで二機が真正面から激突し、金属同士が轟音を奏でた。
 一瞬だけ中間でせめぎあい、そして隼は押し負け、徐々に後ろへ後ろへと押し流されていく。
 キョウスケ=ナンブの踏み込みの鋭さ、ビルトファルケンの最高速。それは決してメディウス・ロクスに劣るものではない。
 しかし、重量と装甲の厚さと馬力に如何ともしがたい差が存在していた。

「さぁ、メディウスの糧となれ!」

 少年が勝者の余裕を持って終わりを告げる。それをキョウスケは跳ね除けた。

「悪いが、読みどおりだ!!」
「負け惜しみを!!」
「ハンマー、ブースト!!」

 ハンマーに取り付けられたブースターに明かりが灯る。
 メディウスの後ろでただ風に流されていたそれは軌道を変え、二機を中心に大きな円を描き始める。
 そして、その半径を徐々に狭め、鎖が音を立てながら二機を雁字搦めに巻き上げた。

「待たせたな、ゼクス=マーキス」
「まったくだ、キョウスケ=ナンブ」

 男が言い、男が答える。鎖に絡め取れた中、オクスタンライフルは正確にコックピットに突きつけられていた。
290火消しと狼 ◆7vhi1CrLM6 :2007/05/27(日) 19:26:36 ID:bj2/vkRl
「躊躇をするな。あの化け物の蒔いた種を一つ潰せるのだ。私もろともメディウスを葬り去れ!」
「ああ――」
「ま、待て!!」

 男は覚悟を述べ、少年は叫びを上げる。そして、もう一人の男は終わりを告げた。

「――今、終わりにしてやる!!」

 引き金に指が係り、引かれる。立て続けに銃声が響き渡り、何発目かの弾丸がメディウス・ロクスを貫通した。
 同時に二機に絡みついていた鎖が砕け、ブーストハンマーの残骸と穴の空いたメディウス・ロクスは、重力に身をまかせてゆっくりと落ちていく。
 やがてそれは自らが空けた大穴に飲み込まれて見えなくなり、小さな爆発を一つ起こして消えた。
 その過程を静かに見届けた後、隼は地に降り立つと比較的損傷の少なそうな格納庫を選んで潜り込む。
 ファルケンの機体を停止し、体をシートに預け、ぼんやりとコックピットの天井を見上げる。

「22時、基地制圧完了。ユーゼス達の到着まであと二時間……か」

 疲れた声の呟きが空間を濁して消えた。



【キョウスケ・ナンブ 搭乗機体:ビルトファルケン(L) (スーパーロボット大戦 OG2)
 パイロット状況:頭部に軽い裂傷、左肩に軽い打撲
           軽度の脳震盪(一時間程度の休憩で回復)
 機体状況:胸部装甲に大きなヒビ、機体全体に無数の傷(戦闘に異常なし)
        背面ブースター軽微の損傷(戦闘に異常なし)
        背面右上右下の翼に大きな歪み、EN60%
        スプリットミサイル残弾ゼロ、オクスタンライフル残弾B2発W1発
 現在位置:G-6基地格納庫
 第一行動方針:機体状態の確認
 第二行動方針:ユーゼスと合流まで休憩
 第三行動方針:ネゴシエイターと接触する
 第四行動方針:信頼できる仲間を集める
 最終行動方針:主催者打倒、エクセレンを迎えに行く(自殺?)
 備考:アルトがリーゼじゃないことに少しの違和感を感じています】

【ゼクス・マーキス 搭乗機体:メディウス・ロクス(スーパーロボット大戦MX)
 パイロット状況:死亡】

【カズイ・バスカーク 搭乗機体:メディウス・ロクス(スーパーロボット大戦MX)
 パイロット状況:死亡】

【残り31人】

【初日 22:10】
291火消しと狼 ◆7vhi1CrLM6 :2007/05/27(日) 19:27:27 ID:bj2/vkRl
 もしもキョウスケの状態が万全であったならば、それに気づいたかもしれない。
 基地が停電状態に陥っていたこと、最後の爆発がどこかおかしかったこと、どれか一つでも気づいていれば、それの可能性に行き当たったのかもしれない。
 しかし、キョウスケはそれに気づかなかった。
 戦闘の最中、カズイ=バスカークはこう言った。
 『AI1は学習し進化する』と、『ステップに進むためのエネルギーを欲しがっている』と。
 そう、ゲッター線を取り込んだAI1はエネルギーを欲していた。
 そしてそのエネルギーをビルトファルケンに求め、敗れ去った。
 だがしかし、エネルギーは他にも存在する。例えば広大なG-6基地のエネルギーを一手に引き受ける発電施設。
 そう。AI1はそれに目をつけた。
 大穴の最深部でディバイデッド・ライフルを放ち、基地の地下にあるそこに進入すると巣くったのだ。
 そして、AI1は学習し進化する。
 本来の世界ではアルベロ=エストの操作技術を学び、TEエンジンを得ることで行った進化。
 それをゼクス=マーキスの操作技術とゲッター線で代用し、AI1の進化は今ゆっくりと始まった。


【メディウス・ロクス(第二形態移行中) (スーパーロボット大戦 MX)
 機体状況: コックピット前面から背面向けて貫通している穴。修復中。進化中。
 備考1:基地の発電施設のエネルギーを取り込んでいます。発電施設は壊れたわけではないので、メディウス・ロクスの形態の移行が終われば、基地に電力は戻ります。
 備考2:進化と修復は同時に行われていますが、現状だと完了まで四時間ほどの時間が必要です。
 備考3:パイロット不在のままでは動きません。
 備考4:なんかゲッター線とか取り込んでいますが、第二形態はMXに準拠します】

【初日 22:10】
292 ◆7vhi1CrLM6 :2007/05/27(日) 19:30:40 ID:bj2/vkRl
投下終了。
カズイ、ちょっと狂わせ過ぎたかな……。
そして、キョウスケがファルケンをアルトとしてしか使ってない気がひしひしと。
感想とかご指摘とか、よろしくお願いします。
293それも名無しだ:2007/05/27(日) 19:42:36 ID:Iaz3iwfV
予約来た時点では無難な繋ぎかと思ってたから良い意味で裏切られたぜ……
>>292マジGJです。
キャラに関しては全然おkだと思います。
カズイはAI1初出話からこうなるのは見えてたし。
ゼクス格好良すぎる……セリフ一つ一つに魂を見たぜ。
それに戦闘が上手くて興奮した。というか最近バトルのクオリティが高い気がするのは俺だけ?
294それも名無しだ:2007/05/27(日) 21:46:05 ID:/ZEEYWQJ
>>292
乙&GJ!
上でも言われてますが戦闘描写が良い
カズイの狂いっぷりは以前から少しずつ来てたので大丈夫だと思います
ゼクスとキョウスケは出会ってから少ししか経ってないのに良い信頼関係が結ばれてたなあ

>>293
確かにそうだね
読み応えのある作品が投下されて良い流れ

自分が以前書いた作品読み返すと足元にも及んでないなあ
精進せねば…
295 ◆ZbL7QonnV. :2007/05/27(日) 21:47:40 ID:JGv7Qti2
>>292
ゼクスとキョウスケの掛け合いが格好良いな〜。やっぱ、こういう歴戦の戦士同士の会話は魂が震えるね。
……しかし、この基地戦で随分死人が出たな。しかもバーニィやAI−1の出方次第では、ますます多くの死者が出そう。
だけどミッテ先生が居ない現在の状況なら、正義に目覚めたAI−1がアインスト打倒を志す可能性もあったりするわけで。
ともかく、これからも基地では重要なイベントが続出する事は間違い無いんだろうな。

それと感想は以上ですが、登場人物無しで予約を入れたいと思います。
296それも名無しだ:2007/05/27(日) 22:16:25 ID:K2WVsWf6
乙!
ゼクスのモビルドールの語りに痺れたw
AI1は今後出会う人間次第で変わるものと思いたい……。
297Night of the Living Dead ◆ZbL7QonnV. :2007/05/27(日) 23:43:11 ID:JGv7Qti2
 ごうごうと燃え盛る炎に呑み込まれ、全てが灰の中に消え去ろうとしていた。
 木も、草も、花も、なにもかもが燃え落ちていく。
 この場で起きた戦いの痕跡を消し去ろうとするかのように、炎の顎は飽く無き暴食を続けていた。
 ……だが、それは如何なる悪魔の導きか。
 その燃え盛る火よりも尚紅い機体は、炎の中より起き上がろうとしていた。

 ガンダムレオパルドデストロイ――
 本来ならば炎の中に消え逝くはずだったそれは、まるで墓場の底から蘇るゾンビのように、ゆっくりと立ち上がり始めていた。
 パイロットであるギャリソン時田の命は、既に無い。マスターガンダムとの死闘によって、とうの昔に失われている。
 だから今現在機体を操縦しているのは、彼であろうはずもなかった。
 だが、それならば誰が?
 この劫火に覆い尽くされた森の中、レオパルドを操縦しているのは誰なのか?
 ……その疑問に対しては、こう答える他にない。
 かつてギャリソン時田であり、そして今は不死の怪物になった者、と。
 そう。レオパルドのコクピットに居るのは、DG細胞に侵食されてゾンビ兵と成り果てた、ギャリソン時田その人であった。
 あの時――マスターガンダムに敗れ去った後、ガウルンに植え付けられたDG細胞は、レオパルドを汚染する事に成功していた。
 それも、コクピット内部に放置されていたギャリソン時田の死体ごとである。
 その結果、ギャリソンの死体はゾンビ兵に変化。DG細胞の自己再生機能によって回復したレオパルドと共に、今一度の“生命”を得る事に成功したのである。
 もっとも、それはギャリソン本人にとっては、望まざるべき事だろう。
 かつての記憶も感情も無く、ただ目に付く物を破壊する事しか出来ない、DG細胞の操り人形。
 そんなものに身体を作り変えられて、喜ぶ人間など居ようはずもない。
 だが、皮肉なものだ。DG細胞に全身を犯された今のギャリソンは、もはや何を思う事も、何を感じる事も無い。
 ただ、死体を弄ばされているに過ぎないのだから……。

「……………………」
 装甲に穿たれた無数の傷跡が、ゆっくりと銀の細胞に覆われていく。
 ずしん、ずしんと重厚な足音を轟かせながら、ガンダムレオパルドデストロイは燃え盛る森を後にしていった……。



【ゾンビ兵 搭乗機体:ガンダムレオパルドデストロイ(機動新世紀ガンダムX)
 パイロット状況:DG細胞感染
 機体状況:ダメージ中、コクピット損傷、全武装弾数残少
      ヒートアックスとビームナイフは非装備、DG細胞感染
 現在位置:B-5密林(大規模な火災が発生中)
 第一行動方針:破壊
 最終行動方針:???
 備考:DG細胞の働きにより、機体に自己再生機能が備わりました
    エネルギーと弾薬は自己再生機能により少しずつ回復していきます
    ゾンビ兵を排除すれば、レオパルドを他の人間が操縦する事も可能です
    DG細胞に感染した存在(ガウルン、マスターガンダム)に対して反応を示す可能性があります
    機体の形状が変化するほどの自己進化は行いません
    ギャリソン時田の記憶や戦闘経験は完全に失われています】

【初日 20:30】
298それも名無しだ:2007/05/27(日) 23:47:17 ID:K2WVsWf6
ますますカオスにwww
これぞ第二次って感じだけど。
299それも名無しだ:2007/05/27(日) 23:49:20 ID:JGv7Qti2
短い繋ぎ話ですが、ガンダムレオパルドデストロイ投下しました。
レオパルドのDG細胞感染疑惑とD−5エリアの火事、ちょっと放置するには惜しいフラグだったので。
300それも名無しだ:2007/05/28(月) 00:10:22 ID:SfClyAFb
>>299
どんな形であれ死者の活動はどうかと思う
前にもDG細胞の議論が有った
過去ログのロワ2の最初の方で確認できるはず
その辺りから考えても、今回の話はちょっとどうかと思うんだけど
301それも名無しだ:2007/05/28(月) 00:39:22 ID:Ph0o9NYa
>>299
昔の議論でDB細胞の影響は軽い機体修復機能までにしておこうってのが、たしかあったのでちょっと。
それにこれだとマスターの方で死んだ参加者も復活可能になりそうですし。
機体そのものに修復機能がついている以上、極端な話粉々に壊しても三日後くらいにゾンビ兵ごと復活してくる可能性があるので。
やはり感染していても、機体修復までに留めておいたほうがいいと思います。
302 ◆ZbL7QonnV. :2007/05/28(月) 00:50:53 ID:WwkX3alM
了解しました、作品を撤回します。

……どうも俺は細かい理屈を考えず、ノリと勢いで混沌とした方向に突っ走りたがる傾向があるようだ。
それが良い方向に行く事もあるけど、やっぱり少しは自重した方が良いって事か。反省。
303それも名無しだ:2007/05/28(月) 00:56:06 ID:Ph0o9NYa
>>302
あなたの作品は良質の繋ぎが多くて結構好きです。
没になったけど統夜の話とかコーヒーの話とか。
今回は残念でしたが、また次の機会に頑張ってください。
304それも名無しだ :2007/05/28(月) 08:59:32 ID:GG8zljT8
>>299
DG細胞をくっ付けているから、適当な人員が調べるまでは火事の中をなんとか生き残るさ。
むしろ、火事を取り込む。

なにはともあれ、投下乙。また次の機会を狙ってください。
305それも名無しだ:2007/05/28(月) 13:32:02 ID:riWYk4Fw
G-6の混戦に関わった8人中6人死亡か。
バーニィとキョウスケが生き残るとは、さすが強運コンビ。
D-7もきな臭いし他の場所で死人が出ないとは限らないから、次の放送までに半数きりそうだね。
306それも名無しだ:2007/05/28(月) 20:15:19 ID:a6Yu3VXr
ううーん……話はすげえGJなんだぜ。

でも、AI1が何で特別な部分が1つも無いビルファル相手に
動いたのかだけが引っ掛かる。
307それも名無しだ:2007/05/28(月) 20:22:44 ID:EUUheivu
>>306
更なる戦闘データを得るために……じゃないかな?
キョウスケの戦闘技術をトレースさせてもらうみたいなことをカズイが言ってるし。
308 ◆7vhi1CrLM6 :2007/05/28(月) 21:00:48 ID:B7kV097I
>>306
一応自分の腹づもりでは、

・そもそもAI1が欲したのはゲッター線とオーラコンバーター。
・でも実際手に入れたのはENの切れかけた黒ゲのゲッター線だけ。
以上の二点が前話の状態。

・ゲッター線自体が進化を促進させる側面を持つので、ゲッター線だけでも次のステップに進化可能。
・ただし、その変化に必要なエネルギー(何でもいい)が不足。
以上の二点が加えた自分の解釈。

で、それを補うのに基地のエネルギー源だけでも良かったのですが、出来る限りエネルギーを集めたかった。
それで、たまたま近くにファルケン(別に何でもよかった)がいたから、ついでにデータ収集も兼ねて襲撃した。
とこういうつもりで書いてました。説明不足だった点、お詫びさせていただきます。

というわけで以下修正失礼します。
>>291
修正前:
 『AI1は学習し進化する』と、『ステップに進むためのエネルギーを欲しがっている』と。
 そう、ゲッター線を取り込んだAI1はエネルギーを欲していた。
 そしてそのエネルギーをビルトファルケンに求め、敗れ去った。
 だがしかし、エネルギーは他にも存在する。例えば広大なG-6基地のエネルギーを一手に引き受ける発電施設。
 そう。AI1はそれに目をつけた。
 大穴の最深部でディバイデッド・ライフルを放ち、基地の地下にあるそこに進入すると巣くったのだ。

修正後:
 『AI1は学習し進化する』と、『次のステップに進むためのエネルギーを欲しがっている』と。
 ゲッター線を取り込んだAI1はエネルギーを欲していた。それはエネルギーであれば何でもよかった。
 ただ自身の形状を、質量を変えるほどの変化を遂げるにはブラックゲッターから奪ったエネルギーの総量は少なすぎたのだ。
 ゆえにエネルギーを貪欲に欲していた。
 そしてそれをビルトファルケンに求め、敗れ去った。
 しかし、エネルギーは他にも存在する。
 例えば広大なG-6基地のエネルギーを一手に引き受ける発電施設。
 AI1は初めからそれを視野に入れていた。
 それでもファルケンのエネルギーを求めたのは、行きがけの駄賃のようなものに過ぎなかったのだろう。
 データを収集したいという欲も働いたのかもしれない。
 その結果として痛手を被ったのだが、あくまでそれは結果論でしかない。
 ゆえにパイロットが死亡したという一点を除いて、大筋に変化はなかった。
 大穴の最深部でディバイデッド・ライフルを放ち、予定通り基地の発電施設への道を空けるとそこに巣くったのだった。
309それも名無しだ:2007/05/28(月) 21:00:57 ID:SfClyAFb
よく考えたら
「エロいライダースーツを着たカテジナさんを見て、ピンクの棒状のものを出して追っかけるシャア」
ってセクハラじゃね?
だからどうしたということはない。
310それも名無しだ:2007/05/29(火) 00:13:28 ID:C2sDAQCL
今日で二次スパ一周年!
おめでとー!!
311それも名無しだ:2007/05/29(火) 17:04:04 ID:wEmDPA6C
>>310
2年も経っちまったのか……。
喜んでいいんだか、悲しんでいんだか、なんかよくわかんね。
312それも名無しだ:2007/05/29(火) 18:36:27 ID:p1wu6ALe
おめでとー
単純計算で三日に一本くらいか
でも最近の死亡ペースなら結構いい感じの進行な気がする
313それも名無しだ:2007/05/29(火) 22:55:27 ID:DDYp5wPa
久々にのぞいてみたら死者スレが再起動しててビックリだ。
そして、絶望先生の相変わらずの扱いに全俺が泣いたwww
314それも名無しだ:2007/05/30(水) 00:31:15 ID:tbOU3Apo
……おぞましい事に気が付いた。
カテ公はシャアのマスク三点セットを手に入れているわけだが、今の姿でそれを身に付けようものなら
“エロいライダースーツを着た、むちぷりの中年親父”という絶対に見たくない化け物が完成してしまうのか。
315それも名無しだ:2007/05/30(水) 00:59:04 ID:LWYZUqsX
しかもボイスチェンジャー機能付ときたもんだ。
百歩譲ればアズラエルくらいはどうにか見れ……ないな。
316それも名無しだ:2007/05/31(木) 17:16:18 ID:ZU7E3JwB
ブライト、ガトー、アズラエルのマスクか。
アムロはマスクの存在を知っているから良いとして、カミーユやギンガナムのマスクに対する反応が気になるな。
カミーユはブライトと知り合いだから真贋の区別が付くだろうし、ギンガナムは「ソロモンの悪夢、勝負!」みたいな展開になる可能性が高い。
まあ、ギンガナムの事だから、UC最凶のガンダムキラーことカテジナさんが素顔で接触した場合でも当然勝負を挑んで来るんだろうが。

……そういえば、キラはアズラエルの顔を知ってるんだったっけ?
317それも名無しだ :2007/05/31(木) 18:34:06 ID:eb57DbDp
ブライトのマスク→カミーユ、ギンガナム
ガトー→ギンガナム、カミーユ(アングラで(ry)
アズラエル→キラ(知っているかは微妙、知っててもブルーコスモス)

モンシアさんの存在がつくづく惜しい。
318それも名無しだ:2007/05/31(木) 18:46:16 ID:9toS+YKG
カテジナさんも知ってるかもしれない……かもしれない程度だけど。
つーかアムロ、カミーユ、カテジナさん、御大将あたりがα外伝ばりにクロスオーバーしてくれるのを期待してるのは俺だけじゃないはず。
一人仲間はずれバーニィ哀れ
319それも名無しだ:2007/05/31(木) 19:38:29 ID:6+LM6xNE
>>318
他の三人が話がアレなだけにカミーユが空気に感じられるwww
原作的にはCCAのアムロよりよっぽど濃いキャラしてるんだけどな
320それも名無しだ:2007/05/31(木) 20:57:25 ID:eKsSvduW
一歩間違えれば勇者王ジーグになってたからなwww

あーくそっ、未だにあのネタ気に入りすぎてたまらんw
321それも名無しだ:2007/05/31(木) 21:32:29 ID:gPyrmjLg
原作カミーユが結構書きづらいせいもあると思う。
一回原作見て書こうとして、ヒメと同じくらい掴めなくて挫折したし。

あの話はニコニコのせいで鋼鉄アムロは外見がキラで脳内再生されてたwww
322それも名無しだ:2007/05/31(木) 21:34:15 ID:gPyrmjLg
間違えた。勇者王ジークか。
まっ、どっちでもいいか。
323それも名無しだ:2007/06/03(日) 00:10:41 ID:bZ2z/nbg
アンケート結果出てるけどやっぱり順当って感じだね。
名勝負はシンヤvsキッド、迷勝負は御大将vs海王だなw
324それも名無しだ:2007/06/03(日) 09:39:46 ID:DRjIJHnu
ジョシュア死亡話はもうちょっと票入るからと思ったけどまぁ確かに順当やね。
二票入ればTOP3なのが過疎を露にしててちょっと寂しかった。
325それも名無しだ:2007/06/05(火) 11:03:00 ID:Ujv9viWS
保守代わりに死者図鑑


                    ,ィr─イ,--- 、
               /⌒ヽ!::::::::::〃::::::::::::::`゙ヽ、
            , -''´::::::::::::::::::::::::::::::----::、:::::::::\
           // ̄ ̄`:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ー-、ヽ
          r'´___:::::::::::::::::://:::::::::::::\::::::::::::::`ヽ ``
        ///::::::::/::::://::::::::::::::::::\::\:::::::::::::ヽ
       〃r'::::/:::::/::/::::::::::|:::::::::::|::::ヽ:::::\:::::::::::|
         |::/:::::/::/:::::::;ィ':::::|:::::::::::|::::::::ヽ:::::::\:::::|
          l}::::::/::::/:::::::://::::/!:::::::::::|::|:::::::ヽ:::::::::ト、::|
         リ::::|:::/::::::::/ /:::://::::::::::::|ハ:::::::::::ヽ:::::| ヽ!
         ヽ|/| /ヽ /∠ /:::::::::::/, -ヘ::::::::::ト、::|
          レl//l TTぃ;;ハ/:::::::/ァ';:rテ!ヽ::::::| ヽ|
            ヽ、|  ` ̄`/::::/ i___` ̄ ハ::::/   !
            ヽ   //─'´   ` ̄ヽl::/   ___
              ヽ/ ̄  |   l -- | ̄Y ̄|  |  名前:ヒイロ=ユイ
              |  ,′  | _ |     |   |_|  |  愛称:ヒイロ
            ,. -''´|__ | ´ ̄ |   |   |  /     j  声優:緑川光、グリリバ
         ,.ィ´ |   |  |   |   |   |__/ ,---'′
      / {   |___|  |   |   |   /  _/、
     /  /!T´: :|  ヽ、__L____人---^ニニイ.: : :| ヽ、
    /  / |: :|: : :|  /  ̄| ̄/  /   /: : : :|  l
  /  /   l: : |: : :| /   / /   /     /: :/: : |  |
 /   /    |: : |: : :|/   /    /    /: :/: : : :|l   |
/   /     /: : :|: :/   /    /   /: : :/: : : : :||  '、

登場作品:新機動戦記ガンダムW

31話『歌と現実』から登場。その初登場から、『ATフィールドの内側からポジトロンライフルを爆破』からの
『一点集中射撃』という荒業でEVA零号機に乗るラクスを撃破する。
続く50話『閃光』で、モンシアを持久戦に誘い込むが失敗。結局、逃がしてしまうこととなり、この時からモンシアとの腐れ縁が始まった。
以後、アスランと膠着状態に陥っているときに、割って入った九鬼の提案に乗って二人と『薄氷同盟』を組むことになる。
しかし、まさしく薄氷で放送直後ラクスの敵討ちを決意したアスランが離脱。
さらに移動先のG-6基地で九鬼が死亡したことによってあっという間に同盟は瓦解した。
また自身も、G-6基地でモンシアの罠に嵌り機体を失う。
戦友にあたるゼクスの基地到着にも気づかぬまま機体を失ったモンシアの自爆に巻き込まれて帰らぬ人となった。
原作では自爆する側であるのに対して、二度も自爆に巻き込まれた挙句、それが死因になるとはなんという皮肉であろうか。
なお彼の死をもって薄氷同盟は全滅となる。
そんな同盟に対し『薄氷というより薄命同盟だったな』という住民の声も寄せられた。
326それも名無しだ :2007/06/05(火) 20:48:12 ID:sGnAu14Z
>>325
327それも名無しだ:2007/06/06(水) 00:12:32 ID:1GNAdcRG
久々に来て、自分が未成年のころに書いた話を読むと死にたくなる。
328それも名無しだ:2007/06/06(水) 01:58:39 ID:olNnfIlt
>>327
たしかに昔自分が書いた話って後になって読むと身悶えしたくなるほど恥ずかしかったりするね。
どの話の書き手さんか分からないけど、良かったらまた一作落としていってくれるとうれしいな。
329それも名無しだ:2007/06/06(水) 02:47:00 ID:zL4OuQg8
>>327
某所で行われたアンケートによればパロロワ住人の三割が未成年らしいぜ?
俺も書き手デビューした頃のを読むと叫びたくなるけどw
330それも名無しだ:2007/06/08(金) 00:47:09 ID:CVZ+QLZy
>>327
俺何か初めて投下したの中2ん時だぜ?ww
視点はふらついてるわ、装飾表現多いわで今じゃ恥ずかしくて直視出来ない
331 ◆ZbL7QonnV. :2007/06/09(土) 17:32:30 ID:47HbrkOg
ギンガナム予約します。
……先に断っておく。ぶっちゃけ、ネタに走ると思う。
332それも名無しだ:2007/06/09(土) 17:34:05 ID:FbiEQkYW
>>331
ぶっちゃけ、ネタは大好きだから全然おーけーw
御大将にwktkして待ってます
333それも名無しだ:2007/06/09(土) 19:13:30 ID:BswjAlhH
予約来た!
ネタ全然大丈夫です。
むしろ御大将からネタをとったら何が残るのかと。
334それも名無しだ:2007/06/09(土) 22:07:42 ID:PdwigKYx
子安であるがゆえに期待。
335爆熱! ゴッド晩ごはん!! ◆ZbL7QonnV. :2007/06/09(土) 22:43:41 ID:47HbrkOg
「くっ……くくっ、はぁーっはっはっはぁ!
 よもや、黒歴史に名高い伝説のニュータイプ、アムロ・レイと一戦交える機会を与えられようとは……!
 いや、それだけではない! 小生と互角に渡り合ったアイビス・ブレン!
 先程の獅子に、巨大化する赤い虫! そして紫雲統夜にクインシィ・イッサー!
 黒歴史に名を刻まぬ未知の兵どもに、モビルスーツならざる未知の機体!
 心が震える! 血が煮え滾る! 小生の闘志が真っ赤に燃えるぅぅぅぅぅぅぅッッ!」

 歓喜。いや、それとも感動と言うべきだろうか。
 ともあれギム・ギンガナムは溢れ出る激しい興奮を抑えようともせず、叫ぶような哄笑を上げ続けていた。

「アムロ・レイもいたのだ。もしかしたら、ドモン・カッシュやマスターアジアも、この戦に招待されておるのやもしれん!
 もしそうであれば、望む所よ! このシャイニングフィンガーを以ってして、キング・オブ・ハートに土を付けてくれる!
 うむ、実に楽しみだ! ハハ、ハハハ……!!」

 そういえばと、思い出す。
 これまでは気にも留めていなかったが、先の放送が流れた時にも知った名前は幾つかあった。
 リリーナ・ドーリアンに、ラクス・クライン。黒歴史の中で平和を唱えた、惰弱極まる女ども。
 この二人が真っ先に死んだと言う事は、それ即ち平和などと言うものが何の意味も為さない事を意味している、という事に他ならない。
 彼女達の唱える平和など、やはり小娘の奇麗事に過ぎんのだ。
 きっと、この殺し合いの場ですら奇麗事を貫こうとして、聞く耳持たずに殺されたのだろう。
 愚かな事だ。戦いに身を委ねさえしていれば、死なずに済んだかもしれないものを。
 だが、彼女達は死を以って、平和を説く事の無意味さを証明してくれたのだ。
 そう、自分は間違っていなかった。戦いこそが、人の性なのだ……!

「さて。アムロ・レイは逃したが、他にも手馴れの戦士が近くにいるやもしれん。
 まずは探索を……と」
 次なる強敵を求めて移動しようとするギンガナム。だが、興奮が若干落ち着いてきた事によって、ようやく彼は気が付いた。
 ぐぅ……。
 腹の虫が、鳴っている。
「ふむ……これは小生とした事が迂闊であったな……」
 戦いに身を入れ込むあまり、自分の身体に注意が回っていなかった。
 これまで多くの激戦を続け様に行ってきた事により、ギンガナムの身体は本人が思っている以上に消耗していた。
 これまでは気力で保たせていた所もあったが、それも永久に続くわけではない。
 ただでさえ、モビルファイターの操縦には体力を使うのだ。これからも激戦が続く事を考えれば、少しは身体を休めるべきかも知れない。
 消耗した状態で戦を挑むなど、強敵に対して無礼というものだろう。
「よし、腹が減ってはなんとやらだ。ここらで何か腹に入れておくのも良いだろう」
 モビルトレースシステムをカットして、ギンガナムはどっかりと腰を下した。
 そしてノイ・レジセイアに支給された食料品の中から適当に一つ――
 ビニールで包装されたパンを取り出して、包装から取り出したそれを何の気無しに口の中に放り込む。
336 ◆ZbL7QonnV. :2007/06/09(土) 22:44:34 ID:47HbrkOg



 ――その瞬間、盛大に噴出した。


337爆熱! ゴッド晩ごはん!! ◆ZbL7QonnV. :2007/06/09(土) 22:45:53 ID:47HbrkOg
「ぐわぁぁぁぁぁぁッッッッ!?
 な、なんだこれは! 唇が熱い! 舌が痛い! 小生の喉が真っ赤に燃える、水が欲しいと轟き叫ぶぅぅぅぅぅぅぅっぅッッッッ!!」
 それは、激痛すら伴う超絶的な辛味だった。
「お、おのれ、レジセイア! よくも小生にこのような……と、何ィ!?」
 あまりの辛さにのた打ち回りながら、パンの包装に目を向けてみると、そこには“爆熱ゴッドカレーパン”の文字。
 そう、つまりこれは……このパンは……。
「…………はっ。ははっ、はははははっ!
 そうか……なるほど、そういう事か…………!」
 黒歴史の中で語られてきた、人類の果て無き闘争の記録。
 それを飽く事無く読み解き続けてきたギンガナムであればこそ……
 ガンダムファイターと呼ばれる強者達の戦いを知るギンガナムであればこそ、それが何を意味するのか、理解する事が出来ていた。
 そう……“爆熱”で“ゴッド”と言えば、あの男に関係する物以外に考えられない……!
「流石なり、ドモン・カッシュ! この小生に対する挑戦状……しかと受け取った!」
 もはや“殺人的”と呼べるほどまでに昇華された、激辛カレーパンの破壊力。
 だが、それもキング・オブ・ハートの必殺技に例えられるほどのものと考えれば、むしろ闘志が湧き立つというものだ。
「だが、小生は負けん! 断じて、負けはせんのだぁぁぁぁぁッッッッ!」
 こんなカレーパン如きに屈する無様を晒すようなら、ドモン・カッシュを打ち破ろうなど夢のまた夢である。
 決意も新たに、ギンガナムはパンに齧り付く。
 そう……その殺人的な威力を込めたカレーパンを、水の助けを借りず食い尽くす為に……!



 ……だが、彼がこの事実を知ったら、どんな顔をするのだろうか。
 そのパンがドモン・カッシュとは全く何の関係も無い……と言うか、それ以前に未来世紀で作られた物ですらないという事実を……。



【ギム・ギンガナム 搭乗機体:シャイニングガンダム(機動武闘伝Gガンダム)
 パイロット状態:テンション最高潮(気力150)
 機体状態:右腕肘から先消失、胸部装甲にヒビ、全身に軽度の損傷
 現在位置:H-1
 第一行動方針:倒すに値する武人を探す
 第二行動方針:アムロ・レイ、アイビス・ブレンを探し出して再戦する
 最終行動方針:ゲームに優勝
 備考:ジョシュアの名前をアイビス・ブレンだと思い込んでいる
    爆熱ゴッドカレーパンをドモン・カッシュに縁の食べ物と思い込んでいる】

【初日 22:00】
338それも名無しだ:2007/06/09(土) 22:47:22 ID:47HbrkOg
投下終了。
まぁ、ちょっとした電波が来たので、こんなのひとつ書いてみました。
339それも名無しだ:2007/06/09(土) 23:02:19 ID:FbiEQkYW
最初にスレタイ見たときリアルにプリン吹きそうになっちまったじゃねーかw
投下GJ!御大将www
ここで陣台高校ネタとはさすがです。
リリーナやラクスあたりを絡めたり細かいとこもツボ。
シリアスもギャグもお任せな御大将に嫉妬の色を隠せないw
340それも名無しだ:2007/06/10(日) 00:46:37 ID:zn7NoMXf
超GJ!

あと、個人的には
平和のために兵器を捨て去るよう、最後まで外交努力し続けたリリーナと
平和のために、交戦中の兵器を片っ端から破壊しようと
テロに走ったラクスが同列になっているのが皮肉っぽくてなんかウケたw
341それも名無しだ:2007/06/10(日) 07:11:15 ID:STD3axpG
GJ!
ドモンの挑戦状とはさすが御大将の発想は違う。
予想の斜め上をいかれたぜ!
342それも名無しだ:2007/06/10(日) 16:29:32 ID:SAONcjpX
御大将wwwwww
このクロスオーバーは素晴らしいw
343それも名無しだ:2007/06/10(日) 20:20:05 ID:/ssrNcX6
ぶはぁGJ!!
流石コーヒーの始祖、あんたのギャグセンスはぶっちぎり最高だぜ!!
344それも名無しだ:2007/06/11(月) 02:50:06 ID:z5EHJmIp
>>343
始祖とか言うと、Dボゥイの親父さんみたいだな。
345それも名無しだ:2007/06/11(月) 06:51:17 ID:H8QLpwcC
あんまり笑わすんじゃねえwwww
朝の眠気吹っ飛んだじゃないかwwww

でも、ギャグ一辺倒に行き辛い感もあるから御大将は凄いよな
346それも名無しだ:2007/06/12(火) 16:09:55 ID:IoMaiClO
鼻からオロナミンCが出たwwwww

そろそろ600なんだがageて構わないか?
347それも名無しだ:2007/06/13(水) 15:44:38 ID:ro6+cwtx
OK
348それも名無しだ:2007/06/15(金) 01:38:26 ID:fNW+zAs+
マサキって地下世界までのマサキですよね?
349それも名無しだ:2007/06/15(金) 13:21:46 ID:OqDg8dBZ
炭酸鼻に行くとつらいよね・・・
350それも名無しだ:2007/06/15(金) 16:00:52 ID:RNcMeCZu
>>348
地下世界までと言われてもいまいち自分はピンとこないけど。
マサキの時間軸なら、出展がα外伝になってるから、シュウを追いかけて地上に出てきた時期よりは後じゃないかな。
魔操あんま詳しくないから変なこと言ってたらごめん。
351それも名無しだ:2007/06/15(金) 20:55:56 ID:+aop7S0u
イスマイルやガッツォーの事について言及したり、ジノの事を知ってたりするから、魔装機神の後半以降から来てるのは確実。
その辺り書いたの俺なんだが、もしマズいんであれば修正する。
イスマイルとガッツォーはデュラクシールとエウリードに置き換えれば済む話だし、ジノ関連も「気障な野郎だぜ」くらいのリアクションにすれば良いだけだから。
352それも名無しだ:2007/06/15(金) 22:17:36 ID:uTyH6x/m
>α外伝が出展
だとしたら、ユーゼス知ってなきゃおかしくね?
353それも名無しだ:2007/06/15(金) 22:33:54 ID:xBKNAJuV
ユーゼスはラプラスコンピュータとか知ってるからな。
マサキもユーゼス知ってていいんじゃね?
なんか要修正なとこあったっけ?ニアミス繰り返してるからマサキはユーゼスの存在知らないよな?
354それも名無しだ:2007/06/15(金) 23:40:15 ID:I8tWcCav
オープニングで見かけてなかったら、知らんだろうな。
しかし、マサキ見つけた途端、ユーゼス組が空中分解起こしそうだ。
対主催グループはほんと不仲ですね。
355それも名無しだ:2007/06/16(土) 20:53:05 ID:u++Yxeog
>>354見て対主催グループっぽいのまとめてみた。下にいくほど危険度高めな感じ。
忘れてるフラグなんかも多そうなんで適当に追加してくれると嬉しい。

【アムロ、ブンドル組】(技術者)
一番安泰ぽい。二人とも高い操縦技術を持ち、アムロは首輪解析スキル持ち(?)
サイバスターのラプラスコンピュータもあり、対主催の要になり得る。

【ユーゼス、カミーユ、ベガ組】(技術者)
各々それなりの機体で特機、可変機、バリア持ちとバランスも良い。
ユーゼスの首輪解析スキルは参加者中でも随一。
捜索対象のマサキとの出会いが一番の崩壊フラグだというのは皮肉が効いてるな……

【ナデシコ組】(解析装置、首輪)
戦艦ナデシコを擁し、ガドル・ヴァイクランもかなりの強機体。
フロスト兄弟も今のところは目立った行動をするつもりは無さそう。
解析装置、首輪ともに揃っているのはかなりのアドバンテージ。
しかしバサラはフロスト兄弟の本性に気づきかけているし、もしガロードと出会ったら……

【Jアーク組】(解析装置、技術者?)
キラとトモロならば首輪解析も可能か?
Jアークは設定上二次スパ最強ユニットの一つだし、戦力だけなら最大の集団かも。
しかしテニアは裏切る気満々。ナデシコ組から誤解されている。
現在の攻撃目標無敵戦艦ダイは同じ対主催集団だということには気づいていない。
不安材料も最多の集団である。

【ダイ組】(解析装置、首輪)
なんだかもう狙われすぎである。
Jアーク組から狙われ、ガウルンから狙われ……
交渉人に期待したいところだがMr.ネゴシエイターじゃ……
それでも……それでもユリカの強運なら……!

どれも一歩間違えれば空中分解必至。
だがそれがいいのも私だ。
356それも名無しだ:2007/06/16(土) 22:44:24 ID:PCCpIVDY
>>355
乙!
見ようにってはJアーク組は首輪・解析装置・技術者と三拍子揃ってるんだな。
テニアが黙って首輪を差し出すとは思えないけど。

ところで甲児ってNASA行った後の賢い甲児だっけ? 
それとも行く前のバカな甲児だっけ?
357それも名無しだ:2007/06/16(土) 23:30:25 ID:uXvQjjKe
>>356
出典はカイザーだから、もれなくバカな方なんだぜ
358それも名無しだ:2007/06/17(日) 00:17:05 ID:oQJ4XbqG
>もしガロードと出会ったら……
よく知っているからこそ兄弟が真顔で「兄弟で殺しあいたくないからゲームぶっ壊したい」と言えば
「確かにフロスト兄弟が兄弟同士で殺しあいたくないのは当然だな」一発で信用してくれるんじゃないの?
359それも名無しだ:2007/06/17(日) 00:51:29 ID:Zddd0+uu
同意。それよりもフロスト兄弟は、ニュータイプのアムロやカミーユと出会った時の方が暴走する危険は高い。
もしくは兄弟の片方が死んだ場合、残った方は優勝して死者の復活を願うようになるだろうし。
360それも名無しだ:2007/06/17(日) 01:24:03 ID:17q4PbEr
>>359
あの兄弟はNT能力の感知は出来ないみたいだし、今の所はアムロもカミーユもサイコミュ兵器持ちの機体に乗っていないから
自己申告で「俺はニュータイプだ!!」とでも言わなきゃ気が付かないって。

憎むべきNTだとは気が付かずに「ふふふ、せいぜい利用させてもらうとしよう」「そうだね、兄さん」とかなる可能性が高い。
逆にNTへのわだかまりを捨てるってイベントが起こってもそれはそれで美しい展開だし。
361それも名無しだ:2007/06/17(日) 07:12:51 ID:GEN98Eu9
というよりサイコミュ兵器搭載の機体自体が出てないしな。
そっち方面は精々F91のバイオセンサー止まりだから
アムロとシャアがアイビス見つけたときみたいな会話をしなければばれなさそうだな。
もしくは御大将がフロスト兄弟の前で余計なこと口走らなければ大丈夫そう。

362それも名無しだ :2007/06/17(日) 12:30:58 ID:MlRiPJDo
サイバスターのハイファミリアをファンネルと勘違いするフロスト兄弟。
ただし、マサキが乗らなければ実現不可能。
363それも名無しだ:2007/06/17(日) 18:48:27 ID:DPGCCIhK
最初作ってたのとまったくの別物になってしまったけど
とりあえず完成です……多分。

ttp://srwbr2.nomaki.jp/flash.html
364それも名無しだ:2007/06/17(日) 19:39:36 ID:fmlLwP/H
>>363
超GJ!
やべぇ格好良すぎるぜ……!
ここまでのモノを作れる技術とセンスには脱帽。
俺の書いたセリフが使われていることに感動したぜw
365それも名無しだ :2007/06/17(日) 23:36:36 ID:MlRiPJDo
かっこええ
366それも名無しだ:2007/06/18(月) 12:56:29 ID:OKBWwAH+
>>351-353
マサキの出典の方を魔装機神に変えた方が速いしよくね?
これまでずっと魔装機神関連の話だけでα外伝絡みの要素がまったく無いと思うんだが
367sage:2007/06/18(月) 16:05:49 ID:Fw6cqkfi
エイジのAA候補その一

           _,.yトーゞrッヽv,、_,.
         ,rk´ミ、''ナ;;爻'、ー;;〃彡;,.     
        vf戈ハトシ〈'"リ゙、ヾ、;;jリ、〃、     
       Yメ从k;;、;;ij;;;ii;ヾ;ッ;仆、ヾくソ    
       }ソリ"i!;;;;;l;;i;;、;;:;:;;:;';;;};;iリドシゞ,    
       ツ;;;;;;;;;;ト、;;_リ;;;i!;;ト;=;、t;;;l;;ヒ'     
       ヲ;i!、:::r',;、=;'、;"リ,、=;''"リ;ij´      
        };lヾ;;j  ̄´.〃l゙ ̄´ ,';ィ′
 r‐、       7;;;;|',    =、j,.   /仆、
 } ,! _      ゞ;|:ヽ   ,:ニ> /:: レ ソ\,.、- ' "´;; ̄::
 j _,!ノ )" ̄>.ニト、:\` "'' ///,r/:::::::_,..、''' ..,,
フ ,、'-‐'l" ̄リ;/::;;/::} `:::`:ー'/'∠;:/`゙ヽ・.‐´
‐' 冫‐i '"フ:;/::;;;{! `r‐'"フ´〃シ:;;/ " ヽ、. リ'"  ,、_,
. '",.ィ/ ̄_:;/::;;イ `'ー ''/ヲリ/;/r'/,r─‐-、 (∴,、-''"
  '二⊃ヾ/.:;;/ `ー-‐/Ξ/ッ/rレヘ{ | ̄|  `''"
368それも名無しだ:2007/06/18(月) 16:08:02 ID:Fw6cqkfi
名前をsageてた俺バカス
エイジのAA候補その2
                      ,,,;;;;;;;;彡彡;;之 ヽ
        ,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ    な 地 き
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |     ま 獄 さ
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙   イ;;;;{ミヽ∠ノ     ぬ す ま
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡   ';;;;;;ヾ,,', ヽ      る ら に
 <彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´         |;;;;;;〈 |.| }     い.   は
  ノノイ;;;;;;之"゙"''"´  |、  _,,、:::::        |;;;;;ノノリ;∠     //
   イ彡l|;;;;ヽ ゙::::::::   j _,、 -)゙ヽ::...       |;;/- /;;/ミヽ   ・・
   l|//l|;;;l~、'、 ::::   ゙''::ヽ,/          |(,,ノ;;;ヽ〉ミ/
    リノイ;ヽヽ'、     `゙'、l__,,、、、,,_,,     / l||;;;;;;;;|∠_
    "´ノ|;;;;`'-;',     (t -'''ヘヘ)}}    リ  リ;;;;;;;/从ミ | / ̄\/\/ ̄\
      |/l|;;;;;;;;ヽ    レ- '''""´     /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
      l|l||;;l|;;;;;;;;'、   ,,、;;''";; ̄::   ,/:::::"  ヽl|リ;;;r''、リ
       ヽl |;;;;;;;;;\    "  `゙   /::::::"    レ',、-ー゙''""゙''ー、    ,,、- ''
        //|;;;;;;;', \  〈     / :::::::   ,、 '´        ゙'> ''"
          (从l|;;', ヽ, ヽ:::ノ/   :::::: ,、 '´        ,、 '´
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369それも名無しだ:2007/06/18(月) 16:09:40 ID:Fw6cqkfi
エイジのAA候補その3

: : : : : : : : : : : : : :l′  l: : : : : : : : : : : : : : :: : : : :|/     : : : : : : : : : : : : : : :: : : : :     l !゙
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: : : : : : : : : : : : : l    l: : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : : : : : i ヽヾ:、゙!_:!゙、l /ヽ!!_:!ヾi/   
: : : : : : : : : : : : : l    l: : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : : : : lヽj ヽl、iヽlヽl=ヽ:ヽヽl_,,,,.-::==
: : : : : : : : : : : : : l    l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ .l  ヽ、ゞ:ソ,ソ  ヽl ヽ、ゞ:ソ,ノ
: : : : : : : : : : : : : |    l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ( トヽ|     ̄    .:::i    ̄  
: : : : : : : : : : : : : |    l : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : /⌒ i 、 !l        u:::::|
: : : : : : : : : : : : : l     l: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/  . . . . .ハ        :::::!
: : : : : : : : : : : : : l     l: : : : : : : : :______/  : : : : :: : /、       '´         u i
: : : : : : : : : : : : : l    l: : : : : : :/ヾ   /   : : : : : : / i ヽ      r ‐ -,      /
: : : : : : : : : : : : : l    l: : : : :/   ヾ  /     : : : : : :/.i   .\     -      /
: : : : : : : : : : : : : l    l: : : :/    ヾ .\:    : : : : |         、   ==     
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /      |  ヽ    : : : |          ` 、__ イ
370それも名無しだ:2007/06/18(月) 20:37:01 ID:liZ639yT
>>368に一票w
371それも名無しだ:2007/06/18(月) 21:06:54 ID:9kHL/Vu0
せっかくなので書かせてもらった。
ってかエイジ、名前長いよ。


                      ,,,;;;;;;;;彡彡;;之 ヽ
        ,,,,,,,,,,,,,;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;| l;;;;;;;リ)リ;;;;;;|l;;;;(ミ彡/、 Z
l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三∠ノ フ    狙 地 僕 名前:アルバトロ=ナル=エイジ=アスカ
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ ∠ |     わ 球 の 愛称:世紀末救世主
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙   イ;;;;{ミヽ∠ノ     れ は 名 声優:井上和彦
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡   ';;;;;;ヾ,,', ヽ      て    は
 <彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´         |;;;;;;〈 |.| }     い.   エ
  ノノイ;;;;;;之"゙"''"´  |、  _,,、:::::        |;;;;;ノノリ;∠     る    イ
   イ彡l|;;;;ヽ ゙::::::::   j _,、 -)゙ヽ::...       |;;/- /;;/ミヽ   //    ジ
   l|//l|;;;l~、'、 ::::   ゙''::ヽ,/          |(,,ノ;;;ヽ〉ミ/   ・・
    リノイ;ヽヽ'、     `゙'、l__,,、、、,,_,,     / l||;;;;;;;;|∠_
    "´ノ|;;;;`'-;',     (t -'''ヘヘ)}}    リ  リ;;;;;;;/从ミ | / ̄\/\/ ̄\
      |/l|;;;;;;;;ヽ    レ- '''""´     /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
      l|l||;;l|;;;;;;;;'、   ,,、;;''";; ̄::   ,/:::::"  ヽl|リ;;;r''、リ
       ヽl |;;;;;;;;;\    "  `゙   /::::::"    レ',、-ー゙''""゙''ー、    ,,、- ''
        //|;;;;;;;', \  〈     / :::::::   ,、 '´        ゙'> ''"
          (从l|;;', ヽ, ヽ:::ノ/   :::::: ,、 '´        ,、 '´
           `゙゙゙''',   ゙'' ー '''"    ::::/         /

登場作品:蒼き流星SPTレイズナー

3話『純真ななる抗体、真紅の悪鬼』より登場。
支給されたフォルテギガスで空を飛んでいたところ、クインシィに襲われるラキを見つける。
どうにも見過ごせなくて彼女を助け、ブレンのバイタルジャンプでその場を離脱する。
思えばラキを助けたことから彼の話と苦労は始まった。
ジャンプアウト直後は驚いたクルツのミサイルの一斉射撃を浴びる。
さらに半ば強引に気を許せないクルツの同行が決定。
そのクルツと共に、ジョシュアを探して西へ東へと自由気ままに流離うラキに振り回されるはめとなった。
そんなこんなで放送直前までは一応穏やかにすごしていたのだが、ラキがジョシュアを探して消えたことにより、
彼女の捜索の為にクルツと二手に分かれることとなる。
だが、これがいけなかったのかクインシィの襲撃を受け、さらに乱入してきた竜馬の不意打ちによってによって一時気を失った。
その後、混乱が続く戦場をクルツのサポートを受けつつ離脱を試みるが失敗。
最後は竜馬の駆る大雷凰とヒートダイブで真っ向から激突し、力及ばずに敗れる結果となった。
主人公なのに終始振り回されっぱなしのいいとこなし終わった感があるのは少々残念である。
372それも名無しだ:2007/06/19(火) 17:01:43 ID:qnF5vbTt
ちょwwwグラドスから逃げることなんてこれっぽっち
も考えてなさそうな顔しとるwwwwwwww
この顔で言われたらみんな黙るわ
373それも名無しだ :2007/06/20(水) 01:19:36 ID:sBfCJPba
エイジ濃いよエイジ
374それも名無しだ:2007/06/20(水) 19:55:54 ID:R00RiXVm
質問、ジェネレイティングアーマーってどんな感じのもの?
装甲表面を覆っている類のものか、Iフィールドやディストンションフィールドのようにバリア状に展開しているものかを知りたいのですが。
375それも名無しだ:2007/06/20(水) 20:16:04 ID:ObgxTpYe
>>374
GGGアーカイブによるとバリアの類らしい。

したらばの資料スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30868/1162394504/
ここの>>6見ると幸せになれるかも。
376それも名無しだ:2007/06/20(水) 20:21:57 ID:R00RiXVm
助かります。
アーマーって名前ついてたから混乱してた。
377それも名無しだ:2007/06/21(木) 01:56:52 ID:R9I3Rss5
>>375
このサイトは熱いな
378それも名無しだ:2007/06/21(木) 19:37:12 ID:Hf/H+vAi
>>371
個人的には大好きだったんだけどなぁ、フォルテギガス。
全支給機体中でも屈指の戦闘力を持ってるはずなのに、どうして全く見せ場に恵まれなかったんだろうか。

やっぱり、SPT(10m以下の小型機)に乗っていたエイジにとって、51mのフォルテは使い勝手が悪すぎたのかねえ。
主な攻撃方法もビームソードとビームハンマーで、ナックルショットやレーザードライフルとは使用方法が全く異なっていたしなぁ。
379それも名無しだ:2007/06/22(金) 02:26:41 ID:jpl9q6Pj
ちょっと気になったんで調べてみたんだが、やっぱり声優の被りが多過ぎだ。

子安武人:シンヤ、ゼクス、ギンガナム
飛田展男:カミーユ、孫、ペガス
塩沢兼人:キッド、ブンドル
水谷優子:アルフィミィ、エクセレン
緑川光:ヒイロ、マサキ
村田秋乃:ソシエ、比瑪
森川智之:シャギア、キョウスケ
渡辺久美子:カテジナ、クインシィ
380それも名無しだ:2007/06/22(金) 17:50:53 ID:qbKvDipl
まぁ、相手も真ゲと竜馬in大雷凰だったし
意外とガナドゥールを修理すればなんとかなるかもしれんぞ
破損状態の確認はとれてないし、近くにアムロいるし
381それも名無しだ:2007/06/22(金) 18:13:20 ID:mnniPaGb
アムロは連邦一のハンマー使いだしな
382それも名無しだ:2007/06/22(金) 20:18:05 ID:I7+gG8mJ
>>379
いずれ声優ネタを使いたいのも私だ
カテ公と姉さんとかブレン関連もあるし絡ませたら面白そうだよなー
383それも名無しだ:2007/06/22(金) 21:09:54 ID:8hSV/9B7
ちょっと暇だったんで殺害数でも纏めてみた。つーかまとめの死者リストを弄っただけだがw
名前の前が現在の生存状況、括弧内が被害者。

一位・三人殺害
生【キョウスケ】(海王、ゼクス、カズイ)

同率二位・二人殺害
生【テニア】(絶望、カティア)
生【御大将】(ジョシュア、ゴステロ)
生【カテジナ】(アスラン、シャア)
生【クルツ】(隼人、シンヤ)
死【ヒイロ】(ラクス、モンシア)
死【シンヤ】(キッド、リリーナ)

同率八位・一人殺害
生【アルフィミィ】(エクセレン)
生【アキト】(綾人)
生【ガウルン】(ギャリソンさん)
生【ジョナサン】(コスモ)
生【竜馬】(エイジ)
生【バーニィ】(九鬼)
死【絶望先生】(メメメ)
死【モンシア】(ヒイロ)

まさかのキョウスケトップw
二次スパはマーダーが豊富で一次のアムロ、鉄也みたいな突出したマーダーがいない感じ。
誰が頭一つ抜けるか予想するのが目下一番の楽しみ。
384それも名無しだ:2007/06/22(金) 21:28:36 ID:3KSYnmYX
一時期は死亡者リストに載っていたというのに・・・
キョウスケ・・・なんて恐ろしい子・・・!
385それも名無しだ:2007/06/23(土) 22:16:19 ID:uvMVH9Fy
G-6基地で一気に三人殺しだからな、キョウスケは。
竜馬と御大将も暴れまわっている割には殺せてないしね。
殺害成功率でいくとカテジナさんとクルツあたりが意外と頑張ってるんだよな。
マーダーはテニア・御大将・竜馬・ガウルンあたりの今後に自分は期待してる。
386それも名無しだ:2007/06/23(土) 22:43:08 ID:88/rNzJC
メルアは総代の攻撃で即死してなければ、竜馬にトドメを刺されたと取る事も出来るんだよな。
それと総代のトドメをテニアに取られてしまったのもあって、竜馬が実際に殺した数は少なくなってしまっている。
387それも名無しだ:2007/06/24(日) 18:36:14 ID:KtO+47A3
機体で見ると現在頑張ってるのはリアル系の方が多いかなあ。
388 ◆7vhi1CrLM6 :2007/06/24(日) 18:53:42 ID:WMHFX42l
戦艦三隻とガウルン、予約します。
間に合わないかもしれないけど、OGs発売までに書き上げたい自分がいる。
389それも名無しだ:2007/06/24(日) 19:41:35 ID:WuqZ4vXd
シャギア、オルバ、ヒメ、甲児、バサラ、キラ、ムサシ、テニア、マサキ、ソシエ、
ユリカ、ロジャー、アキト、ガウルンってことですか旦那ぁぁぁぁぁぁぁ!
これはどう考えても死人必至、戦艦三隻の誤解フラグは半端じゃないぜ……!
390それも名無しだ:2007/06/25(月) 05:04:51 ID:nwW5/mUD
>>388
旦那、細かいし人も少ないし信頼の厚い方だから言いたくが予約期限三日ですぜ
まあ一週間でも二週間でも待ちやすがね!
391それも名無しだ:2007/06/25(月) 22:58:57 ID:coVq4nEE
>>390
最後の一言で余計なことを言ってしまったみたいですみません。
忠告、ありがとう。
頑張って三日以内に仕上げます。


392それも名無しだ:2007/06/26(火) 07:14:58 ID:Ts6OVZ14
おいおいwwwww

確かにダイとJアークだけじゃ圧倒的な図しか見えないからこれも
致し方無しか。ナデシコとダイが手を組みそうな気もするが、
3つ巴になるかも……ああ、妄想止まらんな
「また揺れだしたニャ」
「マ、マサキ、早く何とかするニャ」

 機体が猛烈に震え始め、黒と白、二匹の猫が悲鳴をあげて頭を抑えた。
 それに言い返しつつマサキは手元の操縦に集中する。

「少しは黙ってろ!」

 『絶対的な火力と強固な装甲による正面突破』をコンセプトに作り上げられた試作機アルトアイゼン。
 その極端すぎる設計思想はベースとなったゲシュペインストの機体バランスを著しく損ね、特殊な能力は必要ないとはいえその扱いは難しい。
 それに加えて各部に受けた損傷が、操縦性の悪さに拍車をかける結果となっていた。
 今現在のアルトの乗り心地は、例えるなら急発進と急ブレーキしかできない車が未舗装の岩山を走っているようなものである。
 ようするに乗り心地が最悪なのだ――機動兵器に乗り心地を求めるのもどうかとも思うが。

「まったく……扱い辛いったらありゃしねぇぜ……」
「私が代わってあげましょうか?」
「結構だ。まだ諦めてなかったのか」
「ソシエ、代わるニャ。今すぐ代わるんだニャ」
「なっ! シロ、お前裏切る気か!!」

 ふと耳にカチャリと陶器が立てる音を聞いた気がした。

「お前、何か飲んでるのか?」
「コーヒーよ。だって、暇なんですもの」



 そんなこんなでマサキとソシエが機体争奪戦を繰り広げている一方で、キラは自身に違和感を覚えていた。
 腹の中に何か重い石のようなものを抱え込んでいる気がする。
 ホンの少し前まではなかったはずの感覚だった。
 なんだろうと思って、その正体を手探りで探してみる。程なくしてその正体に気づいた。
 ――ああ、これは重圧だ。
 アークエンジェルに乗っていたころ、仲間を、友達を守ろうとして覆いかぶさっていたものにとてもよく似ている。
 でも、これは仲間とか、友達とか、そんなものじゃない。もっと高圧的で傲慢な物体。
 今度、守らなければならないものは、反応弾という名の核だった。
 それをキラが受け持つことになったのは、必然と言えば必然であった。
 これまでのように行き当たりばったりで行動しているのではない。無敵戦艦ダイを敵と見定め、距離を詰めているのだ。
 そんな中、いつまでも収納する場所もないガンダムの小脇に抱えさせておくには、あまりに非常識な代物だった。
 だから武蔵の申し出を納得し、キラは二つ返事で受け入れた――受け入れたはずだったのだが、意識のどこかに嫌なものを抱え込んでしまったという重石が圧し掛かっている。
 理屈じゃない。他にいい方法がなかったから自分が抱え込んだだけで、嫌なものは嫌なのだ。

「敵影二。前方に四足歩行型大型戦艦と人型機動兵器」

 トモロの声にハッとして、思考の波から意識を戻し、モニターを確認して目指す敵機の存在を確認する。
 鎌首をもたげた二頭の巨大なトカゲ、まず間違いはない。

「トモロ、皆に伝達を。あと同時に武蔵さんとソシエに確認を取って」

 今は悩んでいる暇はない――そう思い、悩みは一先ず押し込めることに決めた。



 周囲一面は焼け野原だった。
 大きなビルも小さなビルも今はただの瓦礫となりはて、無残な姿を足元にさらしている。
 視線を上げてみる。
 モニターに、二、三十キロ程も離れた場所にある岩山が映った。
 本来ならば宵闇に遮られて見えないはずのそれも、機械的に処理され補正された視界には関係がない。
 だから、岩山と重なるように移動していたそれらに、ロジャーはすぐに気が付いた。
 ――大きい。
 抱いた感想はそれだった。
 目を惹かれたのは一隻の戦艦。周囲に展開している三機が小人のようにしか見えない。
 そのあまりの大きさに気を呑まれかけて、ふと隣に佇む戦艦を思い出して苦笑いを浮かべた。
 たしかに大きい――が、単純に大きさだけで言えばダイのほうがはるかに大きい。
 こうやって見上げてみるとこの戦艦の巨大さは心強かった。
 視線を遠方の戦艦に戻す。真っ直ぐにこちらへ向かっているのか、その影は先ほどよりも幾分大きい。
 ――女性の眠りを妨げるのは趣味ではないのだが、仕方があるまい。

「ユリカ君、来客だ。そろそろ起きたまえ」

 通信機越しに呼びかけ、通信機越しに気持ち良さそうな寝息が帰ってきた。
 思わず苦笑いを漏らし、ややあって途方に暮れる。
 ――肩でも揺さぶって起こしたいところだが、通信機越しではそうもいくまい。
 ふと、こんなときにあのアンドロイドはどうやって自分を起こしていたのかを思い出し、含み笑いをする。
 くぐもった声が漏れ、また途方に暮れた。
 さすがに、今からここでけたたましくピアノが弾けるはずもない。ピアノもない。人に聞かせるほどの腕もない。
 ――さて、どうしたものか……。
 そうして、あれこれ思案を張り巡らせているうちに、モニター内の影はむくりと起き上がり、一つ大きく伸びをした。

「ようやくのお目覚めかな、ユリカ嬢」
「ロジャーさん、おはようございます」

 手早く髪を整えながら屈託のない笑顔で挨拶をしてくる彼女を見とめて、対照的に苦笑いを浮かべる。

「寝起きのところ悪いが、お客さんだ。私はこれから交渉に向かう。
 君には一先ず下がっていてもらおうかと思うだが、いかがかな?」
「じゃあ、私はお留守番ですか……分かりました。では、交渉は専門家の方にお任せします。失敗した場合はどうします?」
「ネゴシエイションに値しない相手には、鉄の拳をお見舞いするのも私の主義でね」
「じゃあ、交渉に失敗したらこちらの指定するポイントまで敵機を引き付けてください」
「構わないが、どうするつもりだ?」
「私に任せてください。考えがあります」

 やけに自信満々に彼女は答える。
 額に赤く浮かんだ袖の痕を見て、ロジャーはどこまで期待すればいいのやらと、何度目かも分からない苦笑いを浮かべた。



 ダイから離れ、一人凰牙を走らせつつロジャー=スミスは自問する。
 相手は三機と一隻、少なく見積もっても四人の参加者。
 対してこちらは二機と一隻……いや、一機出払っているので一機一隻の二人。
 この状況でいかにして対等な立場で交渉を始めるか、それを一瞬だけ考え、一笑にふした。
 ――馬鹿馬鹿しい。
 対等な立場と言えば聞こえはいいが、今頭を過ぎったのは互いが機体に乗った状態。
 銃をその手にいつでも引き金を引けるという状況。
 そこにあるのは距離だ。銃を突きつけたままの言葉を誰が信じるものか。
 ロジャー=スミス、お前に誇りを取り戻させた少女は一体何をした?
 彼女はただ見せつけたのだ。
 信念のためには、たとえ敗れるとわかっていても己を貫く、そういう精神の高貴さをだ。
 ――ならば彼女の代弁者として、私も見せねばなるまい。
 凰牙を停止させ、ギアコマンダーを引き抜く。
 そして、コックピットを開け放つと一人夜の草原へと足を踏み出した。
 ひやりとした夜気が肌に気持ちいい。
 視界に映るのは、青白い月夜とそれに照らし出された草原。
 その中にぽつんと一人放り出されて、我ながらちっぽけな存在だと自嘲する。
 同時に、悪くない――そう思った。
 振り向き凰牙を一度見上げ、また正面に向き直る。暗がりに慣れ始めた目が白亜の戦艦を捉えた。

「宙に浮かぶ方舟とはまたご大層なものだな」
 一度足元を確かめるように一歩を踏み出し、しっかりとした感触を確かめる。
 そしてそのまま二歩目を踏み出し彼は歩き始めた。真っ直ぐに前だけを見つめ、怖気づくことなく。
 まずは距離のない対等の席に着かせる――そのことだけを考えて――



 狂人は一人身を潜め、笑っていた。
 見つけた獲物、さらにそれに近づいてくる獲物。
 そう彼にとっては全ては獲物でしかない。何を考え、何を思い動いているのか、それらは一切関係ない。

「ひい、ふう、みい……合わせて六匹か。クク……大漁だねぇ」

 まるで品定めをするかのように一人一人に視線を合わせ、舌なめずりしながら数え挙げていく。
 これは面白いことになる――そう彼の嗅覚が告げていた。
 そういった野生の勘はこれまでの人生で当たることも多かったが外れることもままあった。
 だが、こときな臭い臭いに関しては外したことはない。だから彼は動き出す。
 その結果、六匹全てが彼の敵に回るか、獲物同士での潰しあいが起こるのか、それはどちらでもいい。
 ブラインドに使っていた瓦礫を抜け、視界が開ける。
 目の前の三機が三機ともネゴシエイターに気を取られこちらに気づいていない。
 ――あのトカゲだけは奴の為に取っておくとして、後は……戴いちまうとするか。
 歪んだ笑みが口元に浮かぶ。
 一番の近場にいた獲物を選び、ホンの戯れ程度に声をかけて突撃する。

「よぉ、楽しそうなことやってるじゃねぇか」

 他の獲物がこちらに気づく。叫び声があがる。獲物がこちらを振り向く。
 振り向いた獲物の間合いにガウルンは紫の光跡を残しながら躊躇なく踏み込んだ。

「遅せぇんだよ、バーカ」



 何を考えたのか機体から降りてきた黒尽くめの男を見て、まずいって思った。
 え? なんでかって? 
 知った顔だったから。アタシだけじゃなくてみんなが知ってる顔。
 目の前の男が説明のときに、一歩も引かない毅然とした態度を貫き通したことは、誰だって覚えている。
 だからむやみに手が出せない。まして丸腰だったらなおのこと。
 その証拠に、後方のキラはわかんないけど、一緒に先行してきた武蔵とマサキはどうすればいいのか分からずに迷っている風だった。
 そうこうしてる間に事態はどんどん悪くなってった。こっちに向かって堂々と歩いてきた黒尽くめの男が言ったんだ。

「私の名はロジャー=スミス。ネゴシエイターを生業として者だ。
 君たちの代表者と話がしたい。誰か一人機体から降りてきてはくれないか?」

 アタシはやられたって思ったよ。
 だって、この男は話し合いに着たんだ。そりゃあ盾が増えるのはいいことだけど、それにも限度ってものがある。
 最後にはみんな殺さなきゃいけないんだ。アタシ一人で五人も六人も殺せるなんて思っちゃいない。
 理想としては、盾は多すぎず少なすぎず。最終的にはみんなボロボロ、アタシは元気ってのがベスト。
 だから、やたらと仲間が増えすぎるのも考え物だったんだ。

「テニア、避けろ!!」
「危ねぇ!!」

 そのとき、武蔵とマサキが突然叫んだんだ。でも考えることに集中していて、アタシの反応は遅れた。
 顔を上げたそのときには、もう既にその紫の光は迫っていて、それが視界いっぱいに広がったかと思うと物凄い揺れがアタシを襲ってきた。

「遅せぇんだよ、バーカ」
 でも、その揺れは一瞬でおさまって、恐る恐る目をあけてみるとそこには頭部を潰され黒煙を上げるガンダムとそれによく似た黒い奴が立っていたんだ。

「罠だ!」

 誰かが短く鋭く叫んだ。
 そして、黒い奴が動かなくなった武蔵のガンダムを持ち上げて投げ飛ばすのが見えた。
 投げ飛ばされたガンダムはまるで玩具の人形に飛んでいって、市街地のビルを巻き込んだんだ。
 アタシには何が何だか分からなかった。
 でもアタシはそのとき――この混乱に乗ることに決めたんだ。



 ――この状況はなんだ?
 ロジャー=スミスは茫然とその場に立ち尽くしていた。
 一瞬前まで彼はその場で交渉をしており、それは白い機体から『少し話し合いたいから待ってくれ』という返答を貰うところまで漕ぎ着けていた。
 少なくともこちらの話に耳貸さない輩ではない、と一息ついたところだった。
 一機の黒い機体がその場に割り込んで来て、瞬く間にその場は戦場と化した。

「なんなのだ、これは――」

 声に出して呟く。誰かが罠だと叫び、勾玉を背負った機体の銃口がこちらに向けられる。
 それを察知したのかダイから砲撃が飛び、爆音が背後で炸裂する。

「一体、貴様はなんだというのだ!!」

 そんな背後の様子に一切構うことなく、予期せぬ乱入者を睨み付け、衝動に任せるまま叫ぶ。
 そして、固く握りしめたギアコマンダー――それを天に突き上げ、彼は呼んだ。

「騎士凰牙、スクランブルッ!!」

 ギアコマンダーに赤い光が灯る。それに呼応するように凰牙が動き出す。
 そして、彼は乗り込み、いつもの台詞を有らん限りの声で叫んだ。

「騎士凰牙! ショウタァーイム!!」



 戦場が混乱を始めたころ、後方ではJアークもまた動き始めていた。
 交渉中に黒い機体が乱入し、武蔵のガンダムが損傷。マサキがこれとの交戦。
 誰かが罠だと叫び、テニアがダイの砲撃を受け、交渉を持ちかけてきた機体もまた動き出した。
 それがキラとトモロが確認した戦況の全てであった。

「トモロ、敵戦艦との通信は」
「圏外だ」
「仕方がない。前進して無敵戦艦ダイを叩こう」
「いいのか?」
「いいんだ。あれを放っておくわけにはいかない。それに――」

 戦場に砲撃を始めた無敵戦艦ダイはとめねば被害は拡大していく。
 罠だと言うのが本当かどうかはわからない。だが、ソシエが砲撃を受けたという現実とムサシの話がある。
 そして、今現実に仲間がその砲撃に晒されている。
 白か黒かの二択であればキラから見た彼らは黒に近かった。
 あの化け物に対する反抗を企てている以上、自分たちがここで倒れるわけにはいかない――そんな思いもあった。
 だから現状をズルズルと引き摺り、悪戯に被害が拡大する前に動き出す必要がある。

「――今ここで僕たちが倒れるわけにはいかない」
397支援:2007/06/27(水) 19:03:25 ID:rDuC5GYk
 


 元々、武蔵・マサキ・ソシエの三人には無敵戦艦ダイに対する不信感が充満していた。
 だからだろうか。ガウルンの奇襲から咄嗟にテニアを庇った武蔵は、気づくと『罠だ!』と叫んでいた。
 頭部を破壊され、メインカメラを失ったガンダムの中、武蔵はそれをわずかばかり後悔していた。
 幾らなんでも気が逸りすぎだったという思いがある。
 だが、それを伝えるのもままならない状況におかれていた。
 メインカメラを潰されたあとに、どこかに投げ飛ばされた。それは分かっている。
 そして、そのときに打ちつけられた衝撃でガンダムの機能が停止した。同時に通信機能も。
 現在、武蔵は真っ暗なコックピットの中、首輪から得た知識だけを頼りに復旧作業中である。
 手元さえ見えない暗闇。慣れない機体。向かない作業。うかうかしてられない状況。当然苛立ちが募る。

「あっ! 間違えちまった……」

 そして、募った苛立ちは、ちょっとしたことで爆発する。

「だいたいおいらにこんな作業はむかねぇんだ。機械なんてものは叩けば治ると昔から相場が決まってらぁ」

 そう言って、コンソールに当り散らした。鈍い音が狭いコックピットに響き、腕が痛んだ。
 同時に低い唸り声のような駆動音をたててシステムが復旧する。サブカメラに切り替えたモニターに爆走してくる大きな足が映った。

「はい?」

 目を擦ってもう一回、モニターを眺める。一心不乱に邁進してくる大きな足が映った。
 それが頭上に高々と振り上げられ、大きな足の裏がしっかりと見えた。
 叫び、動かし、咄嗟に脇に飛んでそれを避ける。

「あぶねぇ。踏み潰されるとだった」

 ホッと一息ついて、状況を確認しようとレーダーに目を落とす。
 次の瞬間、突然の地震、足元が崩れ落ちる。背を地下道に叩きつけられて、意識が明滅する。
 そして、見上げた空からは老朽化でも進んでいたのか大量の瓦礫が降り注ぎ、ガンダムは地に埋もれた。



 数十の火気群が一斉に火を吹き、数百の弾丸が二隻の戦艦の間で交錯する。
 その大半は自身の目的を達成する前にぶつかり合い爆発し失われていったが、それでもいくらかはそこを抜けて飛来した。
 その内の一つ、反中間子砲の直撃を受けて右のメカザウルスが悲鳴をあげ、胃液を撒き散らす。
 怒った左のメカザウルスがその口からミサイルを吐き出したが、それは対空レーザーに迎撃されて爆発する。
 お返しとばかりに撃ち込まれたミサイルランチャーが左のメカザウルスの喉元で爆発してよろめき、その反動でユリカはブリッジの床に顔から突っ込む形でこけた。

「うう……痛い……」

 鼻頭がじ〜んと痛む。その青い大きな瞳を潤ませながら痛みを堪えている間にも、第七波・第八波がダイに直撃して、尺取虫のような姿勢のまま体がブリッジの宙に浮かんだ。
 再度、鼻頭が床に直撃する。ものすごく痛い。
 だがまあ、いつまでもそうはしていられないのでガバッと身を起こすと、モニター一面を埋め尽くしている被害状況に目を通す。
 目を通している間にも文字はどんどんと増えていく。把握した状況の中で主砲全壊の四文字が凄く痛かった。
 現在の状況を一言で言い表すなら『物凄く分が悪い』である。
 火力そのものは大差ない。装甲の厚さでは若干ダイに分がある。だが、敵戦艦のバリアの存在が頭を悩ませている。
 そのバリアを抜けるのは、おそらく体当たりと主砲だけなのだが、前述の通り主砲は全壊。
 というか、いきなり目の前にワープしてきたESミサイルとかいう反則くさい攻撃で、真っ先に潰された。
 体当たりも相手が空を飛べる以上、下手に接近して艦直上にでもこられた日には目も当てられない。艦直上はダイの死角なのだ。
 というわけで現在、距離を詰めようと近寄ってくる敵に対して、応戦しながら後退を続けているのが現状であった。
 その現状をどうにかすべく打てる手が二つ。一つは通信圏外のガイに対する救援信号。
 他の参加者を集めてしまう危険も孕んでいる為、戦闘開始直後に30秒だけ既に行った。
 しかし、依然としてガイが戻ってくる気配はない。
 そして、もう一つは――
 ゆれる戦艦の中地図とレーダーを交互に見比べる。現在地と五機の位置を確認し、いけるとユリカは踏んだ。

「転進してください。これより無敵戦艦ダイは作戦ポイントまで後退します!」

 指揮を執るような口調で言い放ったあと、ややあって慌てて自分で操艦を始める。
 その手つきは不慣れでどこか危なっかしい。


 無敵戦艦ダイが動きを変えた。
 それまでこちらに頭を向け砲撃を行いながら、後ずさりをするように後退していたのだが、いきなり後ろを振り返り一目散に駆け始めたのだ。
 意図が読めずに困惑するキラにトモロが声をかける。

「キラ、まずいぞ。敵戦艦の進行方向に三人ともいる」
「踏み潰す気なのか」
「その可能性が高いと思う」

 キラは歯噛みした。Jアークの数倍を誇る巨体に踏み潰されればMSサイズの機動兵器などまずひとたまりもない。
 慌てて指示を飛ばす。

「トモロ、砲撃を敵戦艦の足に集中して! それでもまだ動く場合は――」
「動く場合は?」

 人を殺したくはない。彼らが完全に敵だと決まったわけでもない。
 でも止めなければならない。だから――

「――僕も覚悟を決めます」


 ビルを行く手を阻むもの全てをなぎ倒し無敵戦艦ダイが爆走する。
 その後ろをJアークが追いすがり、砲撃を脚部に集中させる。
 メカザウルスの足の肉が吹き飛び、抉られ、傷口から黒いオイルのような体液が勢いよく飛び散る。
 轟音、そして爆発。片割れの右後ろ足が吹き飛んだ。
 嘶く様な悲鳴が廃墟に木霊する。しかし、その歩みは止まらない。
 残り1km――ユリカはもう少しだと思った。
 残り500m――ダイが動かないガンダムの脇を駆け抜ける。
 残り300m――それた反中間子砲がダイの横腹に命中し、腸がはみ出した。
 残り200m――キラはJクォースを射出する。
 残り100m――キラが艦橋爆破を、人を殺す覚悟を決める。
 そして、残り0m――ユリカはダイをジャンプさせた。

「えいっ!」

 全長約400m重量8万tの無敵戦艦ダイが10mばかり宙に浮かぶ。
 そして、直ぐに落下に転じたそれは轟音と凄まじい振動を生じさせて地表と下水道・地下道を踏み抜いた。
 地響きが周囲に轟く。振動が伝播していく。
 無敵戦艦ダイがちょっと跳ねて着地したというたったそれだけのことで、これまでの戦闘の激しさと相まって周辺一体に大崩落が発生した。



 鉄の塊が唸りをあげて迫ってくる。咄嗟に左右のブースターを調節し、横にかわす。
 回り込み攻撃に繋げるつもりで小さくかわしたはずだったが、その動きは大きすぎて次の動きには繋がらなかった。

「よぉ、どうした? もうおしまいか?」

 稚拙な回避運動。それにも関わらずいまだにマサキが撃墜されていないのは、猫がネズミを甚振るようにガウルンが遊んでいるからに違いがない。
 頬を伝った汗が顎の先から滴り落ち、水音を立てた。
 だが、マサキは笑う。
400支援:2007/06/27(水) 19:07:57 ID:rDuC5GYk
 
「ヘヘ……。大体分かってきたぜ。こいつの扱い方がな」
「そうかい。そいつは結構。だったら、褌締めてかかってきな。もう遊んじゃやらねぇぞ」

 アルトアイゼンの機体コンセプトは『絶対的な火力と強固な装甲による正面突破』
 それを可能にせしめている最大の要因は、並みの特機相手なら当たり負けしない、PTとしてはおよそ規格外なほどの推進力である。
 ゆえに細かい動作はアルトアイゼンには向かない。どこまで大雑把に力強く、それがアルトアイゼンという機体である。
 だからマサキは――

「ああ、言われなくてもやってやらぁ!」

 ――真っ向から急加速で突進した。
 相手の懐に躊躇なく踏み込み、そのまま機体ごと叩きつけるようにしてリボルビング・ステークを突き出す。
 それをガウルンはヒートアックスで杭を受けながし、それを手放すと拳の部分を掴んだ。
 最大戦速で突撃してきた片腕のないアルトアイゼン。
 それをがっちり四つに組むような体勢で受けとめたマスターガンダムが、後ろへ後ろへと押し流されていく。

「クク……いいねぇ。そうこねぇと食いでがねぇってもんだ。なら――」

 足がしっかりと大地を捉え、マスターガンダムのブースターが唸りを上げる。
 出力が上昇し、二機の動きが止まった。

「――力比べといこうじゃねぇか」
「野郎、望むところだ!」

 創造を絶する化け物揃いの格闘家たち。その中でも最強との呼び声高い東方不敗の愛機マスターガンダム。
 その性能はMFの中でも群を抜けており、推進力一つ取ってもアルトアイゼンに決して劣るものではない。
 二機のエンジンが唸りを上げる。せめぎ合い。互いのブースターの起こす燐光が闇夜に浮かび上がった。
 上昇を続ける二機の出力。均衡を保っていたかに思えたが、先にガタが来たのはアルトアイゼンのほうだった。
 ほんのわずかばかり押され始めたかと思うと、それは直ぐに抗いようのない抵抗に変わった。
 機体が大地を削りながら押し流され、草原を突き抜けて市街地へと入り込む。
 背面をビルに叩きつけられ、壁面にずぶずぶとアルトが沈んでいく。

「どうした? それで精一杯か?」

 抵抗を続けるエンジンが悲鳴をあげる。限界だ。ゴステロ戦で一度は機能停止寸前まで追い込まれた機体。
 ガタは既に来ていたのだ。このままでは遠からずオーバーロードで機能不全に陥るのは目に見えている。

「マサキ、このままだとエンジンがもたないニャ」
「は、はやく何とかするニャ」
「うるせぇ! 少し黙ってろ!」
「ちっ! どうやら、本当に限界のようだな。なら――」
「ちぃっ!」
「――死ぬしかねぇな」

 言葉と同時に左腕の残骸を掴んでいる手が紫に発光していく。
 目の端でそれを確認して、首筋を蛇の冷たい舌で舐められたかのような寒気がマサキを襲った。
 咄嗟に残された右肩のスクエア・クレイモアのハッチをオープン。大量のベアリング弾を撃ち放つ。
 火薬が炸裂する音、金属同士がぶつかり合う音、ビルが粉塵を巻き上げ瓦解する音、それらが木霊した。

「やったかニャ?」
「いや、まだだ。あの野朗、攻撃をやめて咄嗟に逃げやがった」

 立ち込めた粉煙の中にゆらりと影が浮かぶ。足音だけが妙に大きく響いてくる。
 レーダー上の敵機を示す光点がゆっくりと接近して来ていた。

「おいおいズルはいけねぇな。悪い子には――」
 通信。陰湿な声が耳に届き、相手の動きが変わった。マスターガンダムが、煙幕を裂いて姿を現す。
 ベアリング弾の直撃を受けた左肩の装甲が、ボコボコに凹んではいるものの左腕の運動に問題はなさそうに見えた。
 舌打ちを一つして、咄嗟に回避運動。だが――出力上がらない。

「――ペナルティーだ!」

 不気味な紫に発光した手の平が迫る。スロットルを限界まで引き絞る。
 ――駄目だ。かわしきれねぇ。
 視界が発光する紫一色に塗りつぶされ、そう覚悟したときだった。突然、足元で地響きが轟き、地の底が抜けた。
 突然の落下に混乱する中、クロが咥えていた青い石ころが目の前を横切る。
 ――ああ、そう言えば返しそびれちまってたな。
 一瞬、そんなことが頭を掠めた。
 三、四十メートル下の穴の底に着地。見上げた視界に大量の瓦礫とマスターガンダムの姿が入る。
 声を上げる間もなく押しつぶすように大量の瓦礫が降り注ぎ、マサキの意識はそこで途絶えた。



 構えられたマシンナリーライフルからエメラルドグリーンの光球が飛び出す。その数は三。
 それの一つ目を避け、二つ目を右腕のタービンで弾き、そして三発目の直撃を受けて凰牙はバランスを崩した。
 体勢を立て直すのもそこそこに地を蹴り、その場を飛び退く。瞬間、爆音が轟き大地が抉られた。
 巻き上げられた土くれが降り注ぐ中、ロジャーは叫ぶ。

「何故、我々と君たちが戦わなければならない」
「あんたたちはアタシらの敵だ!」

 心の底から憎しみが篭ったような声。返答と同時にまた一つ放たれた光球を、宙に向かって飛ぶことでかわす。

「それは違う。君たちはあの主催者に従うのを良しとしなかった者たちではないのか!
 そうであるならば我々は仲間なはずだ!!」

 さらに空中で左足と右腕のタービンを使い三つの光球を弾く。
 一息ついたその瞬間、弾いた光球の影から二つの勾玉が現れ、その直撃を受けて凰牙が市街地に落下した。
 巻き添えを食らった瓦礫のビルが倒壊する。

「だったら! だったら、なんでソシエを攻撃した!!」

 ――どういうことだ。
 誤解がある。誤解がどこかにある。
 ここまでの戦闘に発展したのは何も一人の乱入者為だけではない――そのことにようやくロジャーは気づく。
 慌ててビルの残骸を跳ね除け見上げた視界に、月を背にした機体のシルエットが浮かび上がった。
 腰のところでフラフープのように回転を続ける円環。そこから残り四つの勾玉全てが射出される。
 不規則に軌道を変え襲い掛かってくる計六つの勾玉。それを仰向けのまま四つ捌き、二つが直撃した。
 装甲が軋む音が耳に聞こえる。だが、損傷自体は対したことがない。
 ――まだいける。
 ようやく交渉の糸口を掴んだロジャーはあきらめない。
 そして、凰牙を立て直そうとして異変に気づいた。

「なぜだ! 何故動かない!!」

 凰牙が動かない。同時に薄気味悪い気配を感じて周囲を見渡した。
 動きを止め、その場で回転を始めた六つの勾玉がそれぞれ陰陽紋を描き出している。
 そして、その中央――すなわち凰牙が位置している場所にひときわ大きな陰陽紋を模った力場が発生していた。
 瞬間、全身の細胞が沸騰したかのように泡立つ。
 ――一体何が起こっているのだ!!
 状況は分からない。この状況を理屈で理解できるメモリーをロジャーは持たない。
 だが、理屈ではなく本能が危険だと知らせていた。

「動け、凰牙!」
 だが、依然として凰牙は凍りついたように動かない。力場に自由を奪われ完全に空間に固定されている。
 周囲で旋回を始めた六つの陰陽紋が一つの円を形作り、徐々にその輪を狭め始めた。
 冷たい汗が頬を伝い首筋に流れ落ちていったそのとき、大きな地響きと轟音が大地を震撼させた。
 はっとしてレーダーを確認する。何の偶然か凰牙とダイを含めた五つの点が、最初ユリカに指定された範囲内に収まっている。
 ――まずい。これは……。
 そう思った瞬間、大地が割れる。周囲の情景全てがそこに呑み込まれ始める。
 ロジャーも、廃墟と化したビルも、幾らか原型を留めていたビルも、一切が関係ない。
 割れ目は存外浅く、三、四十メートルの落下で背を大地に叩きつけられた。衝撃に意識が明滅する。空を見上げる。
 本当に怖いのは落下ではなく大量降り注ぐ瓦礫。

「な、なんなの。これは!!」

 うろたえるテニアの声が耳に届く。上空から崩れてくる瓦礫に巻き込まれ、凰牙同様大地に呑み込まれるベルゲルミルの姿が最後に見えた。



 ――やった。大成功!
 そう思った瞬間、突然飛来した火の鳥が、右のメカザウルスの頭を吹き飛ばした。
 断末の声を一つ上げること叶わず消し飛んだそれを見て、一瞬目の前が真っ白になる。
 その真っ白な視界に何の前触れもなく一つのミサイルが姿を現した。
 あまりの状況の変化に脳が対応しきれず、思考が止まった。
 目の前で徐々にミサイルが大きくなっていく。それは真っ直ぐこちらに迫ってきているからだという事にやっと気がつく。
 既に、よけるのも、叩き落すのも、着弾をずらすのも無理。何も間に合わない。
 そう思ったとき、上方から一筋の閃光がミサイルを射抜いた。
 耳を劈くような轟音。衝撃でガラスが千の破片となって降り注ぎ、閃光に目がくらんだ。

「ユリカ、無事か?」

 耳に聞き覚えのある声が届く。目を瞬かせて見上げた夜空に、黒い戦闘機の姿を見つけ、彼女は元気一杯に答えた。



 目の前に廃墟が広がっていた。
 敵戦艦が少し跳ねて着地したかと思った次の瞬間、大地に亀裂が走り、あっという間に広がったそれは立ち並ぶビル群を巻き込んで瓦礫の山に変えた。
 そのときから、マサキとテニア、それに武蔵の反応も消えている。
 ――どうして……こんなことに……。
 Jクォースが帰還する。火の鳥のような姿をしたそれは纏った炎を消し去り、本来の錨のような姿に戻ると元通り艦首におさまった。
 それを虚ろな目で眺めたあと、視線を上げてみる。
 そこには二つある頭の内の一つが消し飛び、八つの足の内二つを消し飛ばされ、腹からは腸がはみ出た一隻の戦艦の姿があった。
 艦橋からは煙も上がっている。
 そして、その上空にはESミサイルによる艦橋爆破を防いだ戦闘機が一つ。
 ――どうしてなんですか……何故そんなことを……。

「あなた達は……何故そんなことを平然と出来る!」

 声に出して叫んだ。瞬間、激情が身の内で暴れ回り、それに身を任せるまま照準をダイに合わせる。
 そして、引き金を引こうとしたその瞬間――

「グラビティブラスト!!」「シュートォー!!!」
「ガドル!!!」「……」

 二条の閃光が飛来し、ジェネレイティングアーマーを貫通したそれらは右舷で爆発を起こした。

 重力波がナデシコの前面中央部に収束され、一筋の帯となって発射される。
 そして、飛来する無数の火気群を呑み込みつつ突き進んだそれは、大部分をジェネレイティングアーマーに阻まれながらも貫通したいくらかの重力波がJアークの右舷装甲で爆発した。
 次の瞬間、Jアークの無数の火気群がこちらを向き、一斉に砲撃を開始する。
 二隻の戦艦の間を幾十の光の筋となって駆け抜けたそれらは、ナデシコの船体に触れる前にディストンションフィールドで阻まれ爆発を起こした。

「へへへーんだ。そんなもの効くかよ。こいつはお返しだ。グラビティー・ブラストオォォ!!!」
「無理よ。大気圏内でグラビティー・ブラストの連射はダメみたい。次の発射まで後50秒」

 比瑪の反論とともに不可という文字が甲児の周りに無数に浮かび上がった。
 それと格闘しながらどうにかならないのかと愚痴を飛ばす甲児を無視して、比瑪はダイへの回線を開いた。

「こちらは機動戦艦ナデシコ。応答願います」

 やや間が空いて、正面モニターに若い女性の顔が映った。
 最初、信じられないとでも言うような顔をしていたその女性は、気を取り直すと元気一杯に挨拶を行う。

「こちらは無敵戦艦ダイ艦長ミスマル=ユリカです。ブイッ!」
「……は?」

 勢いよく笑顔で突き出されたピースを目にして甲児があっけに取られる。

「私はオペレーターの宇都宮比瑪。ブイッ!」
「兜甲児だ。ブイッ!」
「シャギア=フロストだ。よろしく頼む。ブイッ!」
「オルバ=フロスト……」

 天然で返した比瑪にやや遅れて甲児もそれにならい、通信回線に割り込んできたフロスト兄弟も簡単な自己紹介を終える。
 念のために触れておくと、今現在ナデシコはこれでもJアークとの交戦中である……一応。

「貴艦の援護に感謝します」
「あなたのお仲間はどれ?」
「この戦艦とそこに飛んでいる戦闘機、それと赤と黒の30m弱の機体がこちらの味方です」
「上に乗ってる黒いのは?」
「へっ? 上??」

 突然、通信が途切れノイズが走る。モニターが一面砂嵐に見舞われた。

「通信途絶。無敵戦艦ダイ、反応ロスト。何が起こっているの!!」

 いきなりの状況の変化に比瑪の声が上ずる。外部モニターの映像に無残に艦橋を破壊されたダイの姿が映った。

「ナデシコはこのまま敵戦艦の牽制。私とオルバは救助に向かう。
 知り合いだからといって、甘えるな。あの戦艦は我々と我々以外の参加者を襲った。
 戸惑うな。分かっているな!!」

 シャギアが叫び、ヴァイクランとディバリウムが急行する映像がモニターに流れる。
 そのモニターを呆然と眺めながら、比瑪は「なんでなのさ」と小さく呟いた。



 北西の空、まだ遠いところに現れた戦艦を見てアキトは言葉を失った。
 純白をベースに、ところどころアクセントとして塗られた赤。
 アキトの知る世界において、稼動中のナデシコBとは異なるその赤が主張している。
 間違いなく自分が三年前に乗り込んだあの戦艦だと――。
 そして、そこに気を取られたこと――そのことが一つの明暗を分けた。
「よぉ、ずいぶんと遅かったじゃねぇか」
「……誰だ」

 聞き覚えのない声がコックピットに響く。
 日向には向かない日陰の湿り気を帯びた暗い声。思わず肌が怖気立つ。
 小さく含み笑いをし、男は言葉を続ける。

「つれねぇなぁ……。と言っても初対面だからしかたがねぇか。
 ガウルンだ、覚えておきな。嫌でも直ぐに忘れられなくしてやるがな」

 さりげなく機体を旋回させ、位置を探る。
 ――居所は地表か? いや違う。
 もっと近いどこからか響いてきているような気がした。

「……何処にいる」
「俺か? クク……俺は――」

 体中の肌という肌から汗が噴き出すのを感じた。
 頭の中で脳が早く見つけろと騒いでいる。直感が急がなければ取り返しがつかなくなると叫んでいる。
 鼓動が早鐘を打つ。

 ――急げ。急げ! 急げ!! 急げっ!!!

「――ここさ」

 見つけた。それを視認した瞬間、アキトは叫んだ。
 ダイの艦橋に黒い機体がいた。四つん這いに這い蹲り、振り上げたビームナイフの刃を下に突きつけながら。

「遅せぇんだよ、バーカ」

 ビームの刃に切り刻まれて、艦橋がバラバラに解体される。
 切断されたケーブルが火花を散らし、粉々になったガラスが、鋼材が、月の光を青白く反射させながら落ちていく。
 その落下していくものの中に、綺麗な長く青い髪を棚引かせ、ゆっくりと落ちて行く少女の姿が見えた。
 次の瞬間、YF-21は急加速し最高速度でそこを目指す。
 速すぎる速度――地表に激突し機体は大破するかもしれない。だがそれでもアキトに戸惑いはない。
 目に映る人影が大きくなる。間に合う、そう思った。
 コックピットを開け放つ、風圧で体が引き千切られるかのような錯覚を覚える。
 艦橋の残骸が降り注ぐ中に入り込む。一度ユリカを見失い、一つ大きな残骸を抜けた。
 ――見えた!
 速度を一気に落とす。体が前に流される。構わずに手を伸ばす。
 すれ違いは一瞬、失敗すれば二度目はない。
 見える、はっきりと。青い髪、きめ細かな肌。もう少しだ。
 ユリカの名前を叫ぶ。ユリカもアキトの名前を叫ぶ。
 互いに伸ばした腕。指の先が触れて――
 そして、急速に二人の距離は離れていった。瞬く間に小さくなったユリカの姿が、瓦礫の中に消える。地表に土煙が立ち昇った。
 慌ててYF-21を旋回させようとして、アキトは眼前に迫った地表に気づいた。
 近い。既にかわせない。
 咄嗟に不時着を試みる。YF-21の胴体が瓦礫で磨れ耳障りな音を立てる。不規則な振動がコックピットを揺らす。
 そして、そのまま爪跡を残しながら突き進んだYF-21は一つの大きな瓦礫にぶつかって止まった。
 衝撃で仮面が砕けたことにも気づかずに、コックピットを飛び出す。
 体のあちこちが痛んだが、気にもとめない。頭を締めているのは、たった一つのことだけ。
 五感の不明瞭な体でどこをどう走り、どうやってそこにたどり着いたのか――それをアキトは覚えていない。
 だが、気づくと一心不乱に瓦礫の山を掻き分けていた。
 掘る。ただひたすら掘る。爪が剥がれ、指先から血が滴り落ちた。
 手が何か柔らかいものに触れる。青い糸のような髪が目に入る。
 急いで掻き分けた瓦礫の中にユリカはいた。戸惑いも恥じらいもなく胸に耳をあてがう。

 ……トクン……トクン
 ――生きている――

 体を揺すり呼びかける。返事はない。顔色が悪い。出血が激しい。
 手当てできる何か、それを見つけてこようと思い立ち上がりかけた。
 その時、服を引っ張られた。
 振り向く。目が合い。苦しそうなその顔が微笑む。
 小さな慎ましい唇が開き、言葉を紡いだ。

「やっぱり、アキトだ」

 突然、目の前に黒い壁が現れた。
 ――何だ……これは?
 もう何が何だか分からなかった。
 上から声が聞こえる。見上げてみると壁だと思ったのは、黒い巨人の足だということが分かった。

「悪いな。ついうっかり踏んじまったか」

 この男の言っている意味が理解できない。
 服に何かぶら下がっているような違和感を覚える。
 みてみると、そこには肘から先だけが残されたユリカの腕がぶら下がっていた。
 ちょっとした時間、頭が理解するという行為を拒絶した。

「ユ……リカ…」

 口から漏れたその言葉を皮切りに、脳は活動を再開する。
 何が起こったのか理解した。理解したがわからなかった。それが現実だとは思わなかった。思えなかった。
 この状況を否定できる材料、何かしらの救い。それを求めて脳が奔走する。
 やがてそれは一つの言葉に行き着いた。

『――死んでしまった方を生き返らすことから――』

 アルフィミィ――その少女に行き当たったとき、アキトの体はその場から消えうせた。



 フェステニア=ミューズは、暗い土の中で目を覚ました。
 重い頭を揺すって前後の状況を思い出そうとするが、ビルの倒壊に巻き込まれた後の記憶は残っていなかった。
 機能を停止させているベルゲルミル起動させる。

「えっ……」

 光が灯ったモニターが伝えてきたのは、どうも瓦礫に埋まっているらしいということだった。
 隙間なく周囲に瓦礫が溢れているのを見て、途方に暮れた。
 ――この状態でどうしろって……。
 とはいえ、いつまでもそうしているわけにはいかないので、試しに右腕を動かしてみる。

「あれ? この建物スカスカだ」

 覆いかぶさっていた瓦礫が、砂で出来ているのかと思うほど簡単に砕け、自由に動かすことができた。
 よく見ると機体の損傷もほとんどない。
 それは落下の際に自律的に散布されたマシンセルが、周囲に降り注いだ瓦礫の構造を破壊して脆くした結果だった。だが、テニアはそのことに気づかなかった。
 とりあえず動くのだからと、あまり深く考えずにマシンナリーライフルを上の瓦礫に向けて発射する。
 積み重なった瓦礫は倒壊することなく淡い緑に輝く光球に呑み込まれて消えた。
 そんな感じで穴を空け、テニアは地上を目指して動き始めた。
407支援:2007/06/27(水) 19:18:33 ID:rDuC5GYk
 
408それも名無しだ:2007/06/27(水) 19:20:19 ID:azvKPcTU

409 ◆7vhi1CrLM6 :2007/06/27(水) 19:22:11 ID:InjwTQZv
支援ありがとうございます。
さるさんにひっかかってしまいました。
次は状態表ですがひとます続きからしたらばに投下させていただきます。
410支援:2007/06/27(水) 19:23:12 ID:rDuC5GYk
>>409
したらばに落とし終わったら代理投下しましょうか?
411 ◆7vhi1CrLM6 :2007/06/27(水) 19:31:11 ID:InjwTQZv
すみません。
よろしくお願いします。
【キラ・ヤマト 搭乗機体:Jアーク(勇者王ガオガイガー)
 パイロット状態:困惑・ジョナサンへの不信
 機体状態:ジェイダーへの変形は可能?・左舷損傷、EN、弾薬共に50%
 現在位置:D-7市街地上空
 第一行動方針:ナデシコを退ける
 第二行動方針:仲間の無事の確認
 第三行動方針:テニアがもしもゲームに乗っていた場合、彼女への処遇
 第四行動方針:このゲームに乗っていない人たちを集める
 最終行動方針:ノイ=レジセイアの撃破、そして脱出】
 備考:Jアークは補給ポイントでの補給不可、毎時当たり若干回復。】


【フェステニア・ミューズ 搭乗機体:ベルゲルミル(ウルズ機)(バンプレストオリジナル)
 パイロット状況:非常に不安定
 機体状況:良好・マニピュレーターに血が微かについている・ガンポッドを装備
 現在位置:D-7市街地瓦礫の下
 第一行動方針:とりあえず地表へ出る
 第二行動方針:騒ぎを大きくする
 第三行動方針:どのように行動を取ればうまく周りを騙せるか考察中
 第四行動方針:とりあえずキラ達についていく
 第五行動方針:参加者の殺害
 最終行動方針:優勝
 備考1:武蔵・キラ・マサキ・ソシエ、いずれ殺す気です
 備考2:首輪を所持】


【巴武蔵 搭乗機体:RX-78ガンダム(機動戦士ガンダム)
 パイロット状態:気絶中、カラ元気でも元気、ダイに対する激しい怒り、VF-22に対する怒り
 機体状況:頭部喪失、メインカメラ全壊、装甲全体に無数の凹み
      オプションとしてハイパーハンマーを装備・反応弾を所持
 現在位置:D-7市街地瓦礫の下
 第一行動方針:ダイを倒す
 第二行動方針:統夜を探しテニアを守る
 第三行動方針:信頼できる仲間を集める
 最終行動方針:主催者を倒しゲームを止める
 備考1:テニアのことはほとんど警戒していません
 備考2:キラと行動を共にする場合は反応弾を彼に任せてもいいと思っています。】


【ソシエ・ハイム 搭乗機体:無し
 パイロット状況:空気、右足を骨折、気力回復
 機体状況:無し
 現在位置:D-7市街地上空
 第一行動方針:VF-22を危険視
 第二行動方針:新しい機体が欲しい
 第三行動方針:仲間を集める
 最終行動方針:主催者を倒す
 備考:右足は応急手当済み】
【ロジャー・スミス 搭乗機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童)
 パイロット状態:気絶中、体力消耗、肋骨数か所骨折、全身に打撲多数 
 機体状態:左腕喪失、右の角喪失、右足にダメージ(タービン回転不可能)
      側面モニターにヒビ、EN80%
 現在位置:D-7市街地瓦礫の下
 第一行動方針:アキトの帰還を待つ
 第二行動方針:ゲームに乗っていない参加者を集める
 第三行動方針:首輪解除に対して動き始める
 第四行動方針:ノイ・レジセイアの情報を集める
 最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉)
 備考1:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能
 備考2:念のためハイパーデンドー電池二本(補給一回分)携帯
 備考3:ワイヤーフック内臓の腕時計型通信機を所持】


【ガウルン 搭乗機体:マスターガンダム(機動武闘伝Gガンダム)
 パイロット状況:疲労小、DG細胞感染、気力135
 機体状況:全身に弾痕多数、左肩・胸部装甲破損、マント消失、ダメージ蓄積
      DG細胞感染、損傷自動修復中、ビームナイフとヒートアックスを装備
 現在位置:D-7市街地
 第一行動方針:近くにいる参加者を殺す
 第二行動方針:アキトを殺す
 第三行動方針:皆殺し
 第四行動方針:できればクルツの首を取りたい
 最終行動方針:元の世界に戻って腑抜けたカシムを元に戻す
 備考:九龍の頭に埋め込まれたチタン板、右足義足、癌細胞はDG細胞に同化されました 】


【シャギア・フロスト 搭乗機体:ヴァイクラン(第三次スーパーロボット大戦α)
 パイロット状態:良好、合体が破られてショックを受けている
 機体状態:EN25%消耗、損傷軽微
 現在位置:D-7市街地
 第一行動方針:ガウルンとJアークの排除
 第二行動方針:ヒメと甲児の信頼を万全のものに
 第三行動方針:ヒメと甲児を利用し、使える人材を集める
 第四行動方針:意に沿わぬ人間は排除
 第五行動方針:首輪の解析
 最終行動方針:オルバと共に生き延びる(自分たち以外はどうなろうと知った事ではない)
 備考1:ガドル・ヴァイクランに合体可能(かなりノリノリ)、自分たちの交信能力は隠している。
 備考2:首輪を所持】


【オルバ・フロスト搭乗機体:ディバリウム(第三次スーパーロボット大戦α)
 パイロット状態:良好
 機体状態:EN25%消耗、損傷軽微
 現在位置:D-7市街地
 第一行動方針:ガウルンとJアークの排除
 第二行動方針:ヒメと甲児の信頼を万全のものに
 第三行動方針:ヒメと甲児を利用し、使える人材を集める
 第四行動方針:意に沿わぬ人間は排除
 第五行動方針:首輪の解析
 最終行動指針:シャギアと共に 生き延びる(自分たち以外はどうなろうと知った事ではない)
 備考:ガドルヴァイクランに合体可能(かなり恥ずかしい)、自分たちの交信能力は隠している。】
【兜甲児 搭乗機体:ナデシコ(機動戦艦ナデシコ)
 パイロット状態:良好
 機体状態:EN30%消耗、相転移エンジンによりEN回復中、ミサイル5%消耗
 現在位置:D-7市街地上空
 第一行動方針:Jアークを倒す
 第二行動方針:ヒメ・フロスト兄弟と同行
 第三行動方針:ゲームを止めるために仲間を集める
 最終行動方針:アインストたちを倒す
 備考1:ナデシコの格納庫にプロトガーランドとぺガスを収容
 備考2:ナデシコ甲板に旧ザクを係留】


【宇都宮比瑪 搭乗機体:ナデシコ(機動戦艦ナデシコ)
 パイロット状態:良好、ナデシコの通信士
 機体状態:EN30%消耗、相転移エンジンによりEN回復中、ミサイル5%消耗
 現在位置:D-7市街地上空
 第一行動方針:Jアークを止める
 第二行動方針:甲児・フロスト兄弟に同行
 第三行動方針:依々子(クインシィ)を探す
 最終行動方針:主催者と話し合う。】


【パイロットなし 搭乗機体:ぺガス(宇宙の騎士テッカマンブレード)
 パイロット状態:パイロットなし
 機体状態:良好、現在ナデシコの格納庫に収容されている
 現在位置:D-7市街地上空】


【熱気バサラ 搭乗機体 プロトガーランド(メガゾーン23)
 パイロット状況:神経圧迫により発声不可、気絶中
 機体状況:MS形態
      落ちたショックとマシンキャノンの攻撃により、故障
 ナデシコの格納庫に収容中
 現在位置:D-7市街地上空
 第一行動方針:新たなライブの開催地を探す
 最終行動方針:自分の歌でゲームをやめさせる
 備考:自分の声が出なくなったことにまだ気付いていません】


【ミスマル・ユリカ 搭乗機体:無敵戦艦ダイ(ゲッターロボ!)
 パイロット状態:死亡
 機体状態:艦橋大破、主砲全壊、メカザウルス中破
 備考1:ハイパーデンドー電池8本(補給4回分)は無事
 備考2:首輪(リリーナ)は艦橋の瓦礫に紛れている】

【二日目0:00】
 何か丸くて柔らかいものが頬に触れている。それに顔をゆさゆさと揺さぶられて、意識が眠りの底から持ち上げられた。
 聞きなれた声、誰かが何か言っている。耳を澄ましてみた。

「マサキ、起きるニャ」
「マサキ〜、マサキ〜」

 ――何だ。クロとシロか、もう少し寝かせてくれ。
 そう思った次の瞬間、丸くて柔らかいもの周りから棘のようなものが生えてきて、

 ザシュ!!

 勢いよく引っかかれた。頬に五本の爪痕が走り、思わず飛び起きる。

「てめえら、何しやがる!!」
「マサキが悪いんだニャ。なかなか起きないのが悪いんだニャ」
「シロ、後で覚えておきやがれ」
「知らないニャ」
「それよりもマサキ、様子が変なんだニャ」
「変って、何が?」

 アルトアイゼンを起動する。苦しそうな唸り声をエンジンが上げたが、どうにか起動することができた。
 機体状況に軽く目を通し、スイッチを入れると周囲のモニターに次々と明かりが灯っていく。
 そこに映し出された外の様子を見てクロが変だと言った理由を理解した。
 継ぎ目一つない平坦な床。うっすらと発光しているドーム状の天蓋。これではまるで――

「おい、シロ! クロ!! これは一体どういうことだ? ここはまるで最初に集められたドームみてえじゃねぇか」

 いくら方向音痴だとはいえ、迷子でこれはあまりに無理がありすぎる。

「ソシエを助けたときに拾った石が突然輝いて、気づいたらここだったんだニャ」
「あとはおいら達にもさっぱりだニャ」
「その石は?」
「いつの間にかなくなってしまったニャ」

 ソシエが倒れていた地下道――そこでクロが拾って来た青い鉱石。
 それが関わっているとしか思えなかった。
 改めて周囲を見回す。一人の男が倒れているのを見つけた。
 薄暗いドームで真っ黒な服を着込んでいるその男は、ぱっと見には見つけづらかったのだ。
 マサキは気づかない。その男がA級ジャンパーと呼ばれることを。青い鉱石はチューリップクリスタルという名だということを。
 その男が、アルフィミィを強くイメージしたことによって、チューリップクリスタルが反応し、ジャンプフィールドが形成された。
 その結果、巻き添えでここに跳ばされたのだということを気づくはずもなかった。
 周囲に危険がないようなら機体を降りて声をかけよう――そう思い、もう一度、注意深く周囲の様子を探る。
 危険は見当たらない。
 ホッと一息ついた拍子に汗が目に入り、一瞬目を閉じた。
 そして、目を開けるとそこには、一人の少女が何の前触れもなく姿を現していた。
 後ろで一つにまとめた蒼い水色の髪に栗色の瞳。少女という言葉がぴたりと当てはまる華奢な体。
 未成熟な子供特有のふっくらとした両頬には二対の赤く丸い化粧が施してあり、柔らかな唇には髪の色に合わせた蒼の紅が差してある。
 どことなく神秘的な雰囲気を醸しだしている少女。それが一人佇み、微笑んでいた。

「残念ですの。あなたはルールを破ってしまいましたの」
 背筋が寒くなる。説明の『実験台』と称され殺された若い女性、その最後の姿が頭を過ぎった。

「まってくれ! これは事故だ!! 俺たちだって、何でここに飛ばされたか分からねぇんだ!!!」
「言い訳は男らしくありませんの」
「それにあんたが説明したルールには触れてねぇ。ここは禁止エリアには含まれてねぇはずだ」

 少女が小首をかしげ、虚空を眺めた。
 その仕草は記憶を辿っているようにも、何か考えているようにも見える。
 暫くそのままでいた後、マサキたちを正面から見据えて、優しげに少女は微笑んだ。

「そのようなこと私の知ったことでは知りませんの」
「横暴だニャ」

 思わず野次が飛ぶ。
 目の前の少女は表面上は友好的に見えるが、こちらの言い分を聞き入れるつもりはないように思えた。
 目を閉じて、大きく深く空気を吸い込み、長くゆっくりと息を吐く。

 ――瞼の裏にいろんな人の顔が浮かぶ――

 リューネ、ウェンディ、プレシア、ゼオルート
 テュッティ、ヤンロン、ミオ、モニカ、セニア

 ――すまねぇ――

 ゼクス、カミーユ、カズイ
 キラ、ムサシ、テニア、ソシエ

 ――悪い、後は頼む――

 そして、シュウ――

「うっ……」

 倒れている男がうめき声を上げて、起き上がる気配を見せた。
 怪訝そうな顔でこちらを眺めていたアルフィミィの注意がそちらに向けられる。

「クロ、シロ! 覚悟を決めろ」
「ニャ!?」
「ここで奴を倒しておけば、これ以上の悲劇は防げるかも知れねぇんだ。
 俺はここで全身全霊を賭けてこいつを倒す! いくぜっ!!」

 ガタのきているアルトアイゼンの機関がフル稼働し唸りを上げる。そして、急加速。
 振り上げられたステークがアルフィミィに迫り、唐突にその動きを止めた。
 いつの間にか現れた黒い機体。そいつが鉤爪でアルトの右腕を床に縫い付けている。
 アルトに力負けしないだけのパワー、完全に右腕を固定され前に進めない。

「おいたは、許しませんの」
 ブースターが唸りをあげる。前に進もうと足掻く。エンジンが焼け付き、焦げ臭いが漂う。
 固定された右腕と前に進もうともがく胴体の間で、肩口が音を立てて裂け始めた。
 ケーブルが伸び、断線し、火花が散る。それでも頑強なアルトの内部フレームが、基本骨格が腕を繋ぎとめて動けない。
 胸の前にアルフィミィの両の手が添えられ、小さく開く。

「悪い子には、御仕置きですの」
「まだだ! まだ終わっちゃいねぇ!! 俺がどうなろうと構いやしねぇ!!!
 だから……、だから、アルトアイゼン、お前の力を貸してくれ!!」

 断線したケーブル。飛び散る火花。一つの火花がアルトの内部で弾け、クレイモアの炸薬に火がついた。
 ハッチは閉じたまま。暴発。右肩が跡形もなく消し飛ぶ。
 だがしかし、これで前に進める。

「さようならですの」

 アルフィミィの手と手の間がゆっくりと狭まっていく。
 無駄だ。もう遅い。もう止められない。
 例え今殺されても、鎖を解き放たれたアルトはこの勢いのまま突っ込む。

 ――俺の勝ちだ――

 少女の両の手が合わさり、ポンと小さな音が鳴った。続いて、小さな炸裂音が響いた。



 目が覚めて最初に目にした光景は、黒い機体とそれ右腕を固定されている赤い機体だった。
 赤い機体が前に進もうともがいている。そんな印象だった。
 赤いのは『古い鉄』の名を持つアルトアイゼンと言い、黒いのは『継ぎはぎ』の名を持つラピエサージュと言う。だが、そんなことをアキトが知る由もない。
 それをぼんやりと眺めている。
 強引に突き進もうとする胴体と縫い留める右腕の間で、張力に耐えられなくなった装甲に亀裂が奔り、赤い機体の右肩が避け始める。黒いオイルが血のように噴き出す。
 ふと赤い機体が目指す先が気になって、ぼんやりと視線を動かしてみた。
 そこに立つ一人の少女を見て、まどろみをたゆたっていたアキトの意識は急速に覚醒した。
 同時に爆発音。肩から先が吹き飛んだ赤い機体が少女に迫る。
 少女が両手を小さく一度、叩いた。
 赤い機体がバランスを崩して倒れ始める。しかし、ついた勢いは止まらない。
 黒い機体が赤い機体の襟首を掴み、押さえつける。だが、それでもまだ止まらない。
 倒れこみ、床に二三度打ちつけられたアルトの頭が、その額の角が、床を削り爪痕を残しつつも突き進む。
 そして、それは勢いを削がれながらもアルフィミィの胴を貫いた。
 アキトは叫んだ。何を叫んでいるのかは自分でも分からない。ただ叫んだ。
 目の前で、求めたたった一つの希望が消え去った。
 膝を折り、その場にうなだれる。立ち上がろうという気さえ、もう起こらない。

「ホログラフィックでしたの。何をしても無駄ですの」

 耳に声が届く。ややあって、ゆっくりと靴音がこちらに向かってきて、止まった。思わず顔を上げる。
 見上げたそこには傷一つなく微笑む少女の姿があった。
 そして、気がついたときにはもうアキトは口走っていた。

「頼む! お願いだ! ユリカを……ユリカを救ってくれ……」
【テンカワ・アキト 登場機体:なし
 パイロット状態:やや衰弱、精神不安定
 機体状態:なし
 現在位置:不明
 第一行動方針:ユリカを救ってくれ(そのためには自分はどうなってもいい)
 最終行動方針:ユリカを元の世界に帰す(そのためには手段は問わない)】


【マサキ・アンドー 搭乗機体:アルトアイゼン(スーパーロボット大戦IMPACT)
 パイロット状況:死亡
 機体状況:両腕損失、エンジンが限界、起動不能
 備考:謎の小石はチューリップクリスタルでした】

【残り29人】

【二日目1:00】



代理投下完了。
感想は後からゆっくり書かせていただきますので一つ重箱の隅でもつつかせてもらうと、
状態表で武蔵が反応弾所持したままになってましたよー
419 ◆7vhi1CrLM6 :2007/06/27(水) 19:53:22 ID:InjwTQZv
市街地の話は砲撃にさらされたり、竜馬とかシンヤが暴れまわっていたので、このくらいいけるかなと軽い気持ちで書かせていただきました。
最後のパートは結構やり過ぎで色々な意見があると思います。
展開が展開ですので、破棄も修正も視野に入れている状態です。
皆様、ご意見よろしくお願いします。

>>418
代理投下ありがとうございました。
規制が解けたらまたムサシの状態表、直させていただきます。
420それも名無しだ:2007/06/27(水) 20:26:09 ID:VZFJ4r4m
なんという乙……
俺としては最高のGJを送りたい
いいねーいいねー乱戦乱戦盛り上がりまくり、アキトの運命はいかに!?
ていうかシャギアwwwwブイっておまwww
421それも名無しだ:2007/06/27(水) 20:38:14 ID:+akUas2G
これはやばい、マジでテンション上がってきた。
これだけの人数を書いてしまう貴方が神か?超GJ。
先がどうなるか最後まで分からない展開にハラハラしっぱなし。
地上では乱戦が続くしアキトは単独で主催サイドへ。妄想が広がるわー。
しかも何気に俺の書きたかった展開に繋げられそうなのが個人的にツボw
アキトを○○○○○とかテニアが○○○とか……ちょっと妄想をプロットに落とさねば。
その前にクインシィ姉さんたちも書きたい……俺が後三人欲しいぜw
422それも名無しだ:2007/06/27(水) 22:06:03 ID:PWv3vJDX
フロスト兄弟、いやシャギア自重しろwwwww

ユリカ、よく頑張った。最善を尽くしたと思うぞ。
相手が悪すぎたってだけで……ガウルンいなけりゃ多分
大丈夫だっただろうな。

最高にGJなんだが、1つだけしっくり来ない部分が。
ユリカを再び失ったアキトがあんなに冷静でいられるのだろうか。
ぶっちゃけ発狂してもおかしくない気がする。
423それも名無しだ:2007/06/28(木) 11:34:43 ID:0KgSMDKH
ボソンジャンプってたしか普通の人間はディストーションフィールドが無いと死ぬんじゃないっけ
あと、チューリップクリスタルを会場に放置しといて事故で飛んできたからルール違反ってのは
さすがにアルフィミィ外道過ぎだと思う
マサキ殺すなら
「送り帰そうとしたが、マサキがこれをチャンスとばかりに襲ってきたので仕方なく爆破」とか
「アキトを救助しようとしたら、発狂しかけだったアキトに殺されてしまう」
とかでいいんじゃないかと思う

まぁなにはともあれ乙でした
何故ラピエサージュ?とは感じたけど面白いからアリだと思う
個人的にはオージとかのが嬉しかったけどな!
424それも名無しだ:2007/06/28(木) 11:40:59 ID:y65O7pmz
乙としかいいようがない。
修正はともかく、なんという展開……これは次がwktk
425それも名無しだ:2007/06/28(木) 16:48:40 ID:sqY+KYad
>>419
なんという混戦
戦艦グループ同士で街ぐるみの潰し合いになるとは
基地といい、クルツの暴挙といい、施設のある場所は本当ろくなことにならないw
ラピエサージュは出すと後が大変そうな気もするなあ
残ったアキトが新機体を与えられるなんて事になりかねないし
せいぜいアルトや現場で大破した機体修理してくらいの方がいいかも
一応舞台にも手付かずの強力な機体あるし

>>423
> ボソンジャンプってたしか普通の人間はディストーションフィールドが無いと死ぬんじゃないっけ
強力なディストーションフィールドが無いと潰れて死ぬんだっけ
たしかアニメでも何かのジンタイプのジャンプに巻き込まれた補充パイロットが潰れてたな
後から出たゲームでジャンパー設定されてて生き残ってる場合もあるそうだが
マサキとアルトアイゼンはアルフィミィ到達時点で残骸になってた方がいいかもしれない
426 ◆7vhi1CrLM6 :2007/06/28(木) 22:56:55 ID:ZOgMPJsO
たくさんの感想とご指摘ありがとうございました。
アキトにボソンジャンプ・ラピエサージュと問題点が多いようなので、
今週中を目途に修正させていただきたいと思います。
展開がちょっと変わるかも。

>>423
>何故ラピエサージュ?
ラピエサージュを選んだのは、あっちの世界のエクセレンであるレモンが、
アルト・ヴァイスを始めとするATX計画を参考にカスタマイズした機体ということで、
設定的にアルフィミィとアルトに絡ませてみるのも面白いかなと思ったからですね。
単純に好きな機体だったこともありますが。
427それも名無しだ:2007/06/28(木) 23:24:51 ID:sMfyLE12
>>426
修正ふぁいとー
>>421で続きがどうちゃら〜って調子に乗ってたのは俺ですけど、展開変わっちゃうのは気にしないんで思う存分やっちゃってください
428それも名無しだ:2007/06/29(金) 11:40:10 ID:Kf56/MqY
OGsやってて出遅れたけど乙&GJ!
いやあこの大人数で良い感じに戦場してるわ
しかしナデシコ勢はこんなときでもほのぼのしてるなw

修正頑張って下さいね
429それも名無しだ:2007/06/30(土) 23:21:06 ID:z7mN5IM5
http://www.nicovideo.jp/watch/sm536705

ひょっとしてスポット参戦じゃなくなったのかな?
誰か、キョウスケ乗せてくれw
430 ◆7vhi1CrLM6 :2007/07/01(日) 03:50:17 ID:IAfZKfDD
避難所のほうに修正版投下しました。
前半はほとんど修正なし、後半は途中から書き直しました。
展開の変化に伴ってタイトルも変えています。
アキトの心情は現実からの逃げという感じで書いたつもりです。
ご意見、よろしくお願いします。
431それも名無しだ:2007/07/01(日) 10:51:15 ID:QBWqN6fj
>>430
修正乙です。
後半のフロスト兄弟関連の加筆が良い感じです。
ここでテニアと絡めてくるとは……
D-7地獄過ぎるw
ちょっと質問。マサキはボソンジャンプの影響で死んだの?
それともガウルンにコクピットブロックもぎ取られたときに死亡?
アルトにコクピットハッチが無い以上後者かしら?
432それも名無しだ:2007/07/01(日) 13:22:16 ID:Kc8hpePX
ボソンジャンプ関係の質問
スパロバJでアキトがル・カインを過去に飛ばしたりとか、
スパロボWでナデシコと共にヴァルストークが一緒に火星にジャンプしているのだが、
どうしてディストーションフィールドが備わってない機体でボソンジャンプをしたりさせたりして
中の生身の人が生きていたのか、誰か知らない?
433 ◆7vhi1CrLM6 :2007/07/01(日) 19:48:15 ID:LDmpo6Xr
>>431
メメメの死亡と同じで瓦礫が死因か、ボソンジャンプが死因かの明確な描写はしてないでどちらでも構いませんが、
一応はハッチ?ぎ取られて瓦礫に潰されたというつもりで書いてました。
よって殺害数はガウルンに加算されると思います(見方によってはユリカかもしれないけど)

>>432
脚本書いた人の都合くらいしか思いつかない。
そういえば何でだろう……。
434431:2007/07/01(日) 20:27:35 ID:GWufFDSb
>>433
回答ありがとうございます。
マサキの現在位置が載ってなかったんで、もしアキトがアルトアイゼンに乗る展開になったら
死体の扱いをどうするべきか疑問に思ったんで質問させて貰いました。
とりあえずD-7に埋まっていると言う感じでいいんですよね?

>>432
実はA級ジャンパーだったル・カインさm(ry
スパロボで原作設定を変えるのは日常茶飯事だからボソンジャンプ関連が改変されてたと考えるのが自然なのか?
こういう自由なところはロワでも見習って上手く融通効かせたいとは思うんだけどリレーって性質上難しいんだよなぁ……
435それも名無しだ:2007/07/01(日) 20:35:38 ID:ZZUqfhu1
>>430>>433
乙です
個人的な意見なのですが、追加された描写も良かったけどリレーの幅を持たせる意味で修正前の終り方の方が良かった気が
追加分が起の部分に当たってるように見えたので
436 ◆7vhi1CrLM6 :2007/07/01(日) 20:36:28 ID:LDmpo6Xr
>>434
マサキの死体に関しては都合のいいように解釈していただいて構いません。
アルトの中にあるのかもしれないし、D-7に埋まっているのかもしれない。
こうなっているんだって固めてしまうよりも、動かせた方が次の人が書きやすいと思いますので。
>>435
ナデシコ組が顔見せ程度の出番だったのと武蔵の扱いがちょっと酷かった気がしたので、
加えたパートでしたが、やっぱり繋ぎにくい状態になっていましたか。
了解です。再修正行いました。

ボソンジャンプ後のテニアから状態票前までのパートを以下に修正します。

 フェステニア=ミューズは、暗い土の中で目を覚ました。
 重い頭を揺すって前後の状況を思い出そうとするが、ビルの倒壊に巻き込まれた後の記憶は残っていなかった。
 機能を停止させているベルゲルミル起動させる。

「えっ……」

 光が灯ったモニターが伝えてきたのは、どうも瓦礫に埋まっているらしいということだった。
 隙間なく周囲に瓦礫が溢れているのを見て、途方に暮れた。
 ――この状態でどうしろって……。
 とはいえ、いつまでもそうしているわけにはいかないので、試しに右腕を動かしてみる。

「あれ? この建物スカスカだ」

 覆いかぶさっていた瓦礫が、砂で出来ているのかと思うほど簡単に砕け、自由に動かすことができた。
 よく見ると機体の損傷もほとんどない。
 それは落下の際に自律的に散布されたマシンセルが、周囲に降り注いだ瓦礫の構造を破壊して脆くした結果だった。だが、テニアはそのことに気づかなかった。
 とりあえず動くのだからと、あまり深く考えずにマシンナリーライフルを上の瓦礫に向けて発射する。
 積み重なった瓦礫は倒壊することなく淡い緑に輝く光球に呑み込まれて消えた。

「うん。ちょっと狭いけど、どうにか出られるかな」

 機体を起こし、テスラドライブを起動させる。穴の底でベルゲルミルがふわりと浮かび上がった。
続いて、テニア・武蔵・フロスト兄弟の状態票を以下のものに修正します。

【フェステニア・ミューズ 搭乗機体:ベルゲルミル(ウルズ機)(バンプレストオリジナル)
 パイロット状況:非常に不安定
 機体状況:良好・マニピュレーターに血が微かについている・ガンポッドを装備
 現在位置:D-7市街地
 第一行動方針:騒ぎを大きくする
 第二行動方針:どのように行動を取ればうまく周りを騙せるか考察中
 第三行動方針:とりあえずキラ達についていく
 第四行動方針:参加者の殺害
 最終行動方針:優勝
 備考1:武蔵・キラ・マサキ・ソシエ、いずれ殺す気です
 備考2:首輪を所持】


【巴武蔵 搭乗機体:RX-78ガンダム(機動戦士ガンダム)
 パイロット状態:気絶中、カラ元気でも元気、ダイに対する激しい怒り、VF-22に対する怒り
 機体状況:頭部喪失、メインカメラ全壊、装甲全体に無数の凹み
        オプションとしてハイパーハンマーを装備
 現在位置:D-7市街地瓦礫の下
 第一行動方針:テニアを守りきる
 第二行動方針:ダイを倒す
 第三行動方針:統夜を探しテニアを守る
 第四行動方針:信頼できる仲間を集める
 最終行動方針:主催者を倒しゲームを止める
 備考1:テニアのことはほとんど警戒していません】


【シャギア・フロスト 搭乗機体:ヴァイクラン(第三次スーパーロボット大戦α)
 パイロット状態:良好、合体が破られてショックを受けている
 機体状態:EN25%消耗、損傷軽微
 現在位置:D-7市街地
 第一行動方針:ガウルンとJアークの排除
 第二行動方針:ヒメと甲児の信頼を万全のものに
 第三行動方針:ヒメと甲児を利用し、使える人材を集める
 第四行動方針:意に沿わぬ人間は排除
 第五行動方針:首輪の解析
 最終行動方針:オルバと共に生き延びる(自分たち以外はどうなろうと知った事ではない)
 備考1:ガドル・ヴァイクランに合体可能(かなりノリノリ)、自分たちの交信能力は隠している。
 備考2:首輪を所持】


【オルバ・フロスト搭乗機体:ディバリウム(第三次スーパーロボット大戦α)
 パイロット状態:良好
 機体状態:EN25%消耗、損傷軽微
 現在位置:D-7市街地
 第一行動方針:ガウルンとJアークの排除
 第二行動方針:ヒメと甲児の信頼を万全のものに
 第三行動方針:ヒメと甲児を利用し、使える人材を集める
 第四行動方針:意に沿わぬ人間は排除
 第五行動方針:首輪の解析
 最終行動指針:シャギアと共に 生き延びる(自分たち以外はどうなろうと知った事ではない)
 備考:ガドルヴァイクランに合体可能(かなり恥ずかしい)、自分たちの交信能力は隠している。】
439それも名無しだ:2007/07/02(月) 12:22:37 ID:R+jdbVyL
>>432
きっとアレだよ。V-MAXレッドパワーのおかげ。
440それも名無しだ:2007/07/03(火) 22:34:29 ID:w9gEF/LI
正直もったいなかったIF展開前編(第一回放送まで)
【一位】IF 10話「流星の決意」 2票
【二位】IF 4話「偽名」 1 票
     IF 6話「三年間の幸せ」 1票
    IF 11話「絶望の中の太陽」 1票

正直もったいなかったIF展開後編(第一回放送後IF30話まで)
【一位】IF 28話「獅子は勇者と共に」 4票
【二位】IF 20話「さらば優しき日々よ」 2票
【三位】IF 23話「Ground zero」 1票

6月のアンケート結果でも貼ってみる。
みんな勇者王アムロ大好きだなw
441それも名無しだ:2007/07/04(水) 02:49:30 ID:0Fg4ANlp
>>440
見返してみるとIF話でもいい話多いな。
そっちに分岐してた場合も見てみたかったって話が多い。
そして、今月はアンケート休みか、ちと残念。

ちょっと気になって調べてみた。
生存者の傾向

バンプレオリ系6/13
ガンダム系10/18
その他13/23

どこもほぼ半数が死亡。意外とバランスが取れててビックリだ。
でも気づくと一次とバンプレオリの生存者数が並んでいる不思議。
442それも名無しだ:2007/07/04(水) 09:04:47 ID:6vfkOsEU
勇者王アムロ、最初普通に進んでた分後半の破壊力が凄いからw

アムロ劣勢・どう切り抜けるんだ
→さすがアムロ!でも機体を失い絶体絶命どうする!?
→ガイガーがアムロの勇気に反応!(あれ?なんかここから変なノリに)
→「フューーーージョン!!!」(ちょwwwおまwwwwww)
→「お前は勇者ではなかった!」(アムロ自重)
→「マッハドリルセット!!」(ここで脳内で「ひろしのテーマ」が流れだしダァーとかトォーとか叫ぶアムロが(ry)
443それも名無しだ:2007/07/04(水) 21:35:09 ID:K5oatPG0
>>441
一次って終盤辺りから半分くらいバンプレオリジナルが占めてたしなぁ。
元々の人数が違うとはいえ、こういうところで差別化出来てるのって良い傾向だと思う。
なんか雰囲気が違うんだよな。俺は両方大好きだけど。
444それも名無しだ:2007/07/05(木) 19:59:48 ID:9k6Izps5
>>441を見て気になった富野作品の生存率

Z:1/1
逆シャア:1/2
V:1/1
∀:2/2
ブレン:3/3
計:8/9

この異常な生存率は一体なんだwww
445それも名無しだ:2007/07/05(木) 20:29:15 ID:gnCQnYrn
>>444
ギャリソンさんやアフロのこともたまには思い出してやってください……
というかジョナサンがあまりに書かれて無くて吹いた。
去年の11月から放置プレイっすかw
446それも名無しだ:2007/07/05(木) 22:04:37 ID:9k6Izps5
>>445
すっかり忘れてた……orz
なら、8/11か
ジョナサンは放送前もゴステロの次くらいに動きがなかったからな
やっぱ書くのが難しいのだろうか?
447それも名無しだ:2007/07/05(木) 22:12:12 ID:zqw8M4vY
ブレン勢は富野の中でも特に電波分が強いから難しい。
単体ならまだ書ける気がするけど比較的普通の奴と組んだらまともに会話させられる気がしないw
少し前からジョナサン救済策考えてるんだけど上手い落とし所が見つからないんだよなー
448 ◆ZbL7QonnV. :2007/07/05(木) 23:22:54 ID:U4ZpdDLO
前の話から間隔空いてないんで少し気が引けるんだけど、アキト予約してもいいかな?
449それも名無しだ :2007/07/06(金) 04:28:00 ID:3EhJ0uCe
重要なのはやる気があるうちに投下することだ!
よって全然イエスだねっ!
日本語おかしいけどイエスだねっ!!
450それも名無しだ:2007/07/06(金) 07:01:00 ID:7nSjZBQu
オッケー!
ドンと来い!!
アキトがどうなるのか楽しみに待ってる
451愛を取り戻せ ◆ZbL7QonnV. :2007/07/06(金) 08:29:04 ID:cIYa6qjn
「……まさか、ここまで辿り着く事の出来る人間が居たとは思いませんでしたの」
 穏やかな微笑みを浮かべたまま、ゆっくりとした口調で蒼の少女――アルフィミィは言った。
 彼女にとっては突然の招かれざる闖入者である、テンカワ・アキト。
 ともすればルール違反にも受け取られかねない反則技を使って、この異空間に辿り着いた彼に向ける眼差しは、しかし何故か優しかった。
 だが、それは無力な幼子を見下ろす目だ。上の立場から下を見る、絶対的な優位からの視線だった。
「頼む……っ! 第一回目の放送で、確かに“死者を生き返らせる事も可能”だと言ったはずだ!
 ユリカを……ユリカを救ってやってくれ! あいつは、こんな所で無惨に殺されて良い人間じゃないんだ……!
 俺はどうなっても構わない! だからユリカを……!」
 万に一つの望みを託して、アキトは悲痛な叫び声を上げる。
 だが、それに対する少女の答えは、あくまでも無慈悲なものだった。
「それは、出来ませんの」
「な、何故だっ!?」
「一度脱落した参加者を復活させてしまっては、ゲームになりませんの。
 だから、あなたの望みを叶えてあげる事は出来ませんの」
「だがっ!」
「それに、あなたは勘違いしてますの。
 ご褒美を貰えるのは、あくまで殺し合いに勝ち残った最後の一人。でも、まだゲームの参加者は三十人近くも残ってますの。
 もし願いを叶えたいのなら、最後の一人になるまで勝ち残らなくてはダメですの」
「っ…………!」
 ゆっくりと諭されて、ようやくアキトは冷静な思考を取り戻す。
 そうだった。願いを叶える事が出来るのは、この殺し合いで最後まで生き残った一人だけ。それ以外の人間は、全て殺し尽くさなくてはならないのだった。
「でも、あなたの望みは分かりましたの。もしあなたが最後の一人になった時は、ミスマル・ユリカの蘇生を約束いたしますの」
「ほ、本当か……!?」
「嘘は、つきませんの。でも……」
「でも……?」
「そのボロボロの身体で、しかも機体を失ったあなたに、最後の一人になるまで勝ち残る事が、本当に出来ると思っていますの……?」
「っ…………!」
 ……わかって、いた。
 YF−21を失った今、アキトは殆ど無力化されているようなものだった。
 この欠陥を抱えた身体でも戦う事が出来たのは、YF−21の機体特性に拠る所が大きい。
 それ以前に自分の身体が完全であったとしても、機動兵器を用いた殺し合いが行われている状況下で、生身の人間が一体何を出来ると言うのか。
 決まっている。何も出来ずに殺されるだけだ。
 つまり、救えない。
 テンカワ・アキトは、ミスマル・ユリカを救えない。
 火星の後継者を名乗る連中に、人生を狂わされたあの時と全く同じだった。

 ズサッ……!

 絶望に打ちひしがれて、アキトの身体が倒れ込む。
 手に、足に、全く力が入らなかった。
 目の前が暗くなり、耳鳴りさえも聞こえ始める。
 だが、そんなアキトを見下ろす目は、その優しさを損なってはいなかった。
452愛を取り戻せ ◆ZbL7QonnV. :2007/07/06(金) 08:30:24 ID:cIYa6qjn
「……いい事を思いつきましたの」
 アルフィミィの視線が、アキトから外された。
 その視線が行き着く先は、キョウスケ・ナンブの愛機、アルトアイゼン。
 彼女自身にも因縁の深いそれを見ながら、アルフィミィは何事かを小声で呟き始めた。
 その呟きに応じる形で、ゆっくりとアルトが底無し沼のような“闇”に呑み込まれていく。
 もっとも、それは僅か数秒の事だった。アルトを一旦呑み込んだ闇は、すぐにアルトを吐き出した。
 ……だが、闇の中から吐き出されたアルトは、その姿を大きく変えていた。
「蒼、い……?」
「こちらの方が、あなたには似合うと思ったですの。
 それに、これなら一度壊れた機体を修復した事もバレませんの。
 きっと、みんな“色違いの機体を支給された人間が居る”と思うはずですの」
 紅から蒼に塗り替えられた、無骨で攻撃的なその機体。傷一つ無く修復されたそれを見て、アルフィミィは満足気な表情を見せていた。
「俺に……?」
「これは取引ですの。首輪の爆破条件を追加する事と引き換えに、あなたにあの機体をプレゼントしてもいいですの」
「首輪の……爆破条件……?」
「はいですの。ボソンジャンプは、このバトルロワイアルを進行させる上で望ましくない力ですの。
 もし、その力を使って会場外に逃げ出されてしまったら、こちらとしても困った事になってしまいますの。
 だから特例として、首輪の爆破条件に“ボソンジャンプの使用”を追加したいと思いますの。
 でも、ペナルティを課すだけでは、ちょっと不公平ですの。だから……」
「……いいだろう。その取引に応じてやる」
 最後まで言わせず、アキトは少女の言葉を遮る。
 そこまで聞けば十分だった。
 十分過ぎる程に、良く分かっていた。
 これが悪魔との取引で、そして自分は悪魔との契約書にサインするしか、他に選択肢など無いのだと。
「聞き分けの良い人は嫌いじゃないですの。それじゃあ、特別にオマケも付けておきますの」
「オマケ……?」
「お薬ですの。これを服用すれば、その身体でも三十分は普通に戦う事が出来ますの。
 でも、副作用として薬の効き目が切れてから約一時間、地獄の苦しみを味わう事になってしまいますの」
「……ずいぶん、用意が良いんだな」
 皮肉気な声で言いながら、アキトは薬を手に取った。白い錠剤状の薬が合計六粒、手の中にある。
「取引成立、ですの。それじゃあ機体に乗り込み次第、ランダムで会場内の何処かに転移するですの」
「……………………」
 少女の弾む声を聞きながら、アキトは嫌悪に表情を歪ませる。
 だが、それが少女に向けられたものなのか、それとも少女との取引に応じた自分に向けられたものなのか、アキト自身にも区別は付かなかった。



(怖かろう……)
 ……ああ、怖い。
 死ぬ事ではない。ユリカを救えず死ぬ事を思うと、なにより怖くてたまらない。

(苦しかろう……)
 ……ああ、苦しい。
 他人を犠牲にした上で生き返っても、ユリカは喜んだりしないだろう。
 もし生き返ったユリカが全ての事実を知って嘆き哀しむ事を思えば、胸が苦しくてたまらない。

(例え鎧を纏おうと、心の弱さは守れないのだ!)
 ……認めるよ。俺は、弱い。
 だから、こんな道しか選べなかった。そして、今も迷っている。
 正義にはなれず、だけど外道にも徹しきれない、そんな中途半端な奴だよ、俺は。
 だけど、それでも……。
 それでも、俺は……。

「……ユリカ。きっと、俺は地獄に堕ちるだろう。
 だけど……それでも、君には生きていて欲しいんだ……幸せになって欲しいんだ……。
 どうか、俺の事は忘れてくれ……。
 俺が傍に居なくても、君には……」
453愛を取り戻せ ◆ZbL7QonnV. :2007/07/06(金) 08:32:09 ID:cIYa6qjn
 その言葉を最後に、アキトの意識は断絶する。
 彼が再び目を覚ます先には、再び訪れる殺し合いの世界。
 だが、一度目と違うのは、アキトの心に冷たい殺意が宿っている事だった。

 ――かくして明日を見失った男は、再び殺戮の世界に舞い戻る。



【テンカワ・アキト 搭乗機体:アルトアイゼン(スーパーロボット大戦IMPACT)
 パイロット状態:マーダー化
 機体状態:カラーリングを蒼に変更されています
 現在位置:不明
 第一行動方針:優勝
 最終行動方針:ユリカを生き返らせる
 備考:首輪の爆破条件に“ボソンジャンプの使用”が追加されました
    謎の薬を六錠所持しています】

【二日目 1:30】
454それも名無しだ:2007/07/06(金) 08:34:22 ID:cIYa6qjn
アキト投下。
予想されるツッコミどころ(機体の完全修復はやりすぎ&薬は都合良すぎ)は分かっているので、代替案は用意してます。
その辺りに関する否定意見が多いようなら、近い内に修正版を投下するつもりですので、感想ご指摘お願いします。
455それも名無しだ:2007/07/06(金) 16:47:11 ID:criSUPYt
GJ!
個人的には凄ぇアリだとか思ってしまったw
蒼アルトを見たキョウスケの反応が楽しみだ。
456それも名無しだ:2007/07/06(金) 18:35:36 ID:rR+c5vUz
おおGJ!うおーんアキトぉぉぉぉ

せっかくだから機体名表記もナハトにしちまおうぜ、とうとう正式登場したんだしw
457それも名無しだ:2007/07/06(金) 18:49:06 ID:criSUPYt
参考に今回のナハト

http://www.nicovideo.jp/watch/sm557230
458それも名無しだ:2007/07/06(金) 19:39:19 ID:dXlpOvvl
GJ!

むしろ、中途半端な機体に
乗るよりも、話の展開が熱くなるから機体の完全修復については問題ないと思う

薬もメリットは、普通の人間並みに戦えるようになる、ってだけだし
致命的な欠陥もあるわけで、修正するほどじゃないかと
つーか、そうでもしないと黒アキトにアルトの操縦は無理無理

しかし、代替案も気になるから没スレに投下してほしいのも私だ。
459それも名無しだ:2007/07/06(金) 19:46:32 ID:dXlpOvvl
>>458
色違いでゲーム上能力はほぼ変わらないとはいえ、中身は別物だしなぁ

さすがに機体名変更はやりすぎじゃね?
460それも名無しだ:2007/07/06(金) 20:30:59 ID:kJ1IxZed
投下GJ
やっぱりアキトはマーダー化か……
最後の独白が切ないなぁ。
俺としては機体完全修復ってのも含めて全然OK。
アキトには頑張ってもらったほうが話が面白くなりそうだしね。
461それも名無しだ:2007/07/06(金) 23:44:43 ID:ATb8tgh3
いや待て、この蒼アルトはもしかして「向こう側」のゲシュペンストMK-Vではあるまいか!?
あれはアインストが変質させたもんだから、アルフィミィがくれたもんならなおさら・・・!




ちょうどOGsやってたもんだから、つい
462それも名無しだ:2007/07/07(土) 00:13:27 ID:NNHmaNKO
OGsでヴァイサーガの全高分からないかな?
とりあえず発売記念にラーズアングリフの解説書いてみた。
まだOGsのOG2やってないけど。
【機体名】ラーズアングリフ
【全高】20.6m
【重量】105.2t
【主武装】(弾数はスパロボAのもの)
シザースナイフ
このナイフ、只のナイフじゃあない。「シザーズ」ナイフだ。
なんとナイフが二本くっついてハサミ状になっているのだ!
でもGBAじゃ分かんないよ。
ちなみに唯一のP兵器。
マトリクスミサイル
推進力を持った大型の入れ物に小型のミサイルを詰め込んだ物。
肩部のシールドのハッチから発射される。
Aでは射程3〜6と穴がある。
弾数4、一回の戦闘で二発ずつ撃つので八発所持してる……ハズ。
リニアミサイルランチャー
携行のミサイルランチャー。穴四つの回転砲頭からミサイルを連発できる。
Aでは射程1〜5、弾数110で比較的使いやすい武器。
Aの戦闘演出では両手に持って片方から10発ずつミサイルを撃っている。
つまり二百発のミサイルをなんらかの形で携行して……多分そんな訳はない。
ファランクスミサイル
バックパック左部に乗っているミサイルランチャーから雨あられと撃たれるミサイル。
弾数は演出20発位×弾数6でいっぱい。
とにかく適当にいっぱい。
Aでは射程4〜7でやっぱり穴があるがFソリッドカノンの次に強い。
OG2では何故か放射状の範囲を持つマップ兵器になっている。
フォールディングソリッドカノン(Fソリッドカノン)
右肩に乗っかってる折り畳み式のでっかいキャノン砲。
ラーズアングリフ固定の最強装備。
OG2では射程は3〜10とびっくりするぐらい長い。
Aだと射程5〜8と穴もびっくりするぐらいデカい。
弾数は5発。
【特殊装備】
シールド
携行シールド。
Aでの耐久力は1500。
リアル系と数値比較するとあまり高いほうではない。
ジャマー
いくら装甲の厚いラーズアングリフとはいえこの至近距離でミサイルを食らえば……何ぃ!?
ビームコート
いくら装甲の厚いラーズアングリフとはいえこの至近距離でビーム(ry
【移動可能な地形】 空:× 陸:〇 水:〇 地:×
【備考】
赤い鈍重そうな機体。
頭部の形状からコックピットの位置モロバレ。
足にキャタピラ付いてます。
463 ◆ZbL7QonnV. :2007/07/07(土) 01:26:27 ID:RAOf15Qe
多くの感想ありがとうございます。
とりあえず否定的な意見は出ていないようなので一安心しました。

ちなみに代替案ですが「アキト、レオパルドのコクピット内に転送」→「DG細胞感染」と言う流れでした。
なので、はっちゃけ具合で言ったら、代替案の方が上ですね。

それと代替案を通した場合、アルトがアルフィミィの傍に残される事になりますので、
そこからアルフィミィの記憶復活フラグを立てるつもりだったりしました。
464それも名無しだ:2007/07/07(土) 11:19:28 ID:sxVX62RP
>>463
うわ、そっちの案もアキト的にえげつなくて面白そうだ

つーかアキトまじでカワイソス
他のキャラとか、あるいはアキト死んでユリカ残るってならまだしも
劇場版アキトが残るってのはマジきついぜ
せめて何らかの救いは・・・

ユリカが死んで、そんなもんあるわけないよなぁ
465それも名無しだ:2007/07/07(土) 13:40:00 ID:NNHmaNKO
やべ、>>462間違いだらけだ

シザースナイフ
このナイフ、只のナイフじゃあない。
×「シザーズ」ナイフだ。
○「シザース」ナイフだ。

リニアミサイルランチャー
携行のミサイルランチャー。穴四つの回転砲頭からミサイルを連発できる。
×Aでは射程1〜5、弾数(110)で比較的使いやすい武器。
○Aでは射程1〜5、弾数10で比較的使いやすい武器。

466それも名無しだ:2007/07/07(土) 17:43:59 ID:lYCXvsAa
>>462
設定支援GJ!
ちなみに二次スパのラーズアングリフはAとOG2の設定が入り乱れておりますw
初出はA扱いなんだけどFソリッドカノンが8発仕様になってたりするんでそこらへん気をつけてください>書き手の皆様
今月の電撃ホビーに詳しい設定とか載ってたんでそれ見ると更に詳しくわかるかも。
Fソリッドカノンがあんな風についてたなんて初めて知ったよ。
467それも名無しだ:2007/07/07(土) 18:32:07 ID:lYCXvsAa
ついでに一個提案があるんだけどさ、書き手別感想みたいなヤツをつけてみないか?
それで書き手さんの創作意欲が湧いてくれるんなら是非やってみたいんだが。
とりあえずアンケート候補の条件、全体で5作以上または放送後3作以上投下した書き手さんのリスト作ってみた。
抜けあったらごめんなさい。

◆7vhi1CrLM6氏:
◆960Brut/Mw氏:
◆9NAb4urvjA氏:
◆C0vluWr0so氏:
◆caxMcNfNrg氏:
◆Nr7qwL8XuU氏:
◆T6.9oUERyk氏:
◆ZbL7QonnV.氏:
◆ZimMbzaYEY氏:

問題は感想の有無で誰か特定出来てしまいそうなところなんだが……
そこらへんは上手くごまかしてみようぜw
468それも名無しだ:2007/07/07(土) 19:34:29 ID:m+LcmZCo
>>467
いいね。
やるんだったらのるよ。
自分はごまかせる気はしないけどなww

何書いた書き手さんかぱっとみだと分からなかったから、独断と偏見で適当に代表作っぽいものを二話ずつ挙げてみた。

◆7vhi1CrLM6氏:108話「星落ちて石となり」/113話「火消しと狼」
◆960Brut/Mw氏:99話「休息」/102話「極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅」
◆9NAb4urvjA氏:82話「オーガニックな機体とニュータイプの邂逅」/92話「少女ハンター・ランドール」
◆C0vluWr0so氏:106話「大いなる誤解」/109話「Take a shot」
◆caxMcNfNrg氏:16話「ホワイトドール」/50話「閃光」
◆Nr7qwL8XuU氏:66話「アンチボディー ―半機半生の機体―」/76話「血に飢えた獣達の晩餐」
◆T6.9oUERyk氏:41話「お姉さんと一緒」/62話「混乱」
◆ZbL7QonnV.氏:20話「……ぶっちゃけ、すっげー恥ずかしかった。」/116話「愛を取り戻せ」
◆ZimMbzaYEY氏:61話「戦場の帰趨」/74話「堕ちた少女」
469それも名無しだ:2007/07/07(土) 19:51:31 ID:NNHmaNKO
>>466
そういえばエイジ死亡話しでその辺りの話合いしたっけ
サンクス

フォールディングソリッドカノン(Fソリッドカノン)
弾数5。ただし今ロワではFソリッドカノンの弾数はOG2の8発の仕様になっている。

って追記してみる
後の人が困らないように
470それも名無しだ:2007/07/07(土) 20:03:05 ID:AhlAJMe/
ちなみに、OGSでは15発になっております。>Fソリッド
おかげでツエーのなんのって……
471それも名無しだ:2007/07/07(土) 20:31:12 ID:lYCXvsAa
>>468
言ったな?んじゃ俺から感想投下させてもらうぜ。

◆7vhi1CrLM6氏:
個人的に最近の二次スパの柱だと思ってる。SSに華があり、特にキャラの台詞回しが良い。
シャア、ゼクスなどの熱い死に様だけでなくユリカのような鬱展開も書けるバランスの良い書き手さん。
迅速なまとめやFLASH作製など作品投下以外でもGJな仕事多し。

◆960Brut/Mw氏:
99話「休息」105話「壁に耳あり、障子に目あり」110話「広がる波紋」などロワらしい面白いフラグを撒いてくれる書き手さん。
しかし、102話「極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅」のように山場の戦闘もピカイチ。
作を重ねる毎に成長が見える今後に期待できる書き手でもある。

◆9NAb4urvjA氏:
シャア、アムロ、アイビスという個人的に大好きだったパーティ結成話を書いてくれた作者さん。
マサキとソシエのダイ誤解フラグもこの書き手さんの話から始まったんだぜ!

◆C0vluWr0so氏:
109話「Take a shot」112話「失われた刻を求めて」で派手な戦闘を見せてくれた書き手さん。
マーダーばかり死んでるので対主催寄り?と邪推したがD-7大決戦の土台を作るなどどちらにも手厳しい。

◆caxMcNfNrg氏:
8作という投下数で序盤の二次スパを支えてくれた書き手さん。
繋ぎが中心だがヒイロvsモンシアのような渋い戦いもGJ。

◆Nr7qwL8XuU氏:
66話「アンチボディー ―半機半生の機体―」76話「血に飢えた獣達の晩餐」などのようにクオリティの高い戦闘を描き、序盤の二次スパを戦闘の面で支えてくれた書き手さん。
とある事情で今は書いてないけれど、また書いてくれるってあたい信じてる!

◆T6.9oUERyk氏:
10話という二次スパ最多投下数を誇る書き手さん。ガロードと依衣子姉さんの話を多く手がけていた。
この人の作品はキャラが生き生きとしていて一人一人に愛着が湧いてしまう。

◆ZbL7QonnV.氏:
二次スパ屈指の繋ぎ職人。飛び抜けたセンスから産み出されるギャグ話が印象的だが、確かな筆致でキャラの心情を描き、物語に深みを与えてくれる書き手さん。
没ネタではあるが勇者王アムロや修羅統夜は今見ても惜しい。

◆ZimMbzaYEY氏:
二次スパ目玉の一つであるJ勢のドロドロ展開の決め手になった一作、「堕ちた少女」の作者さん。
「戦場の帰趨」ではいぶし銀な秀逸戦闘描写を見せてくれた。


書き手にも世代交代ってあるんだなぁと読み返しているうちに思った。
放送前後で書き手がかなり入れ替わってる印象を受けた。


>>470
それはやばいな……
俺のユウキが大活躍しちまうじゃないか
472それも名無しだ:2007/07/07(土) 22:26:04 ID:m+LcmZCo
のると言った以上書かなければならないので書いてみた。

◆7vhi1CrLM6氏:
今の二次スパの柱。戦闘ものが好みなようで手がけた話には戦闘が多い。
戦闘は熱いものが多い。その中でもキョウスケとゼクスの掛け合いは凄かった。

◆960Brut/Mw氏:
面白そうな種を撒いていく人。ガウルンをアキトのストーカーにしたのもこの人。
その一方でクスハ汁とボルシチをアキトに食わせたりと小ネタを仕込むのも忘れない。
オーソドックスにいろいろと出来る書き手さんだと思う。

◆9NAb4urvjA氏:
第一回放送の直ぐあとに大勢現れた書き手さんの中で、実は結構期待してた。
なので姿が見えなくなったのは少し寂しい。

◆C0vluWr0so氏:
◆7vhi1CrLM6が柱ならばこちらは二次スパの土台。フラグを育て、魅力のある展開の下作りが巧みな人。
キャラに寄った文章が巧みで、クルツvsシンヤでは臨場感溢れる戦闘を書いてくれた。
生き生きと人間らしくキャラを書けるのは本当に凄いと思う。
「Take a shot」が好きなので、今一番期待している人。

◆caxMcNfNrg氏:
短い話の中にフラグを撒いていくのが凄く上手い。
ユーゼスとベガさんの繋ぎが中心で、細かいところでロワを動かしてくれたのはありがたかった。

◆Nr7qwL8XuU氏:
大人数を捌くのが巧み。
「アンチボディー ―半機半生の機体―」では多人数を集めて近場で数人を動かし、「血に飢えた獣達の晩餐」では集まりつつあった参加者を見事にばらけさせた。
他にも、「テニア日誌」でその後たびたび書かれているテニアの独白風の文体を最初に書いたりしている。
『みなさん、こんばんわ』から始まるあの話は、それだけインパクトが強くて怖かった。

◆T6.9oUERyk氏:
クインシィとガロードコンビが中心で、その話が微笑ましい。
そのキャラをそのキャラらしく書くということにかけては随一だと思う。
その一方で最初の混戦に手をつけたチャレンジャーでも。
切実にカムバックを望んでいます。

◆ZbL7QonnV.氏:
幾ら展開を予想しても(いい意味で)斜め上どころか突き抜けた展開に持っていくお方。
先の読めなさでは他の追随を許さない。
それでも住人のハートをがっちりキャッチした話に仕上げるのはさすがとしか言いようがないです。
発想力にばかり目が行きがちだけど、しっかりした文章がその下地になっているのが凄い。

◆ZimMbzaYEY氏:
「堕ちた少女」がやはり印象的。
補給ポイント破壊という思い切ったこともされていて、これが意外と今後影響してくるんじゃないかと思っていたり。

書いているうちに書き手さんの感想書いているのか代表作の感想書いているのかちょっとわかんなくなってきた。
こんなのでよかったのかな。
473それも名無しだ:2007/07/07(土) 22:30:55 ID:m+LcmZCo
◆7vhi1CrLM6にさんを付け忘れた……orz
他意はないです。ごめんなさい。
474それも名無しだ:2007/07/09(月) 00:45:49 ID:zqm+oIAU
今久しぶりに見てきた。

ちょwwソシエ 空気ってwww
475死人の呪い ◆960Bruf/Mw :2007/07/10(火) 20:59:28 ID:xfv/BCdL
暗い闇の中にわずかに黄色がかった明るい茶色の天体を見つけて、アイビスは目を輝かせた。
自身の半分以上の大きさを誇る衛星――冥府の川の渡し守カロンを従者に携えたその天体は冥府の王プルートの名を持つ準惑星。
旧世紀に一度は太陽系最果ての惑星としてその名を連ねながらも惑星の名を剥奪されたといういわくつきの星である。
しかし、かつて太陽系の惑星であったという事実は、今も人々の意識の奥底に色濃く残っている。
その為か、冥王星こそが太陽系の最果てであり、そこから離れることが外宇宙に旅立つことの第一歩だという意識が知らず知らずのうちに宿っていた。
だからだろうか、胸が高鳴る。夢が現実へと変わる瞬間が目の前に迫っているのだ。
居住ブロックを増設されいくらか大きさを増したアルテリオンが、冥王星の重力を利用してその衛星軌道上を大きく回り始める。
そして、ついた遠心力でその軌道を抜けると太陽系の外へと飛び出した。
後ろに過ぎ去っていくその星の姿を忘れないように心に焼き付けて、前を向く。
もう視界を遮るものは何もない。
目の前には夢にまで見た光景が広がっている。
現実は決して優しいものではないだろう。この先、想定すらしてなかった事態が発生することもあるだろう。
でもきっと乗り越えていける。このアルテリオンと私とツグミと――
突然、警報がけたたましく鳴り始めた。エンジンに苦しげな音が混じりアルテリオンが訴えかける。
速度が急速に低下し、そして、何かに引っ張られるかのように後退を始めた。
――冥王星の重力につかまった? ありえない。
月よりも小さい冥王星の重力にいまさらつかまるはずはない。そんな距離ではない。
第一その重力を利用して太陽系の外へ出たのだ。
だが、他に何も思い当たる節がない。唯一考えられる事態が冥王星の重力だった。
恐る恐る引き寄せられていく先を振り返る。
目に映ったのは黄色がかった明るい茶色の星とそこから伸びている黒々とした何か。
靄のような霞のようなそれは、暗い宇宙でもはっきり見て取れるほど暗い色を湛えていた。
不意に足に痛みが走った。同時に黴のような臭いが鼻につく。
――黒い靄・・・・・・違う。
足首を掴んでいるのは――
――人の手。
咄嗟に悲鳴を上げて払いのける。出来るだけ遠くへ逃げようとして、足に力が入らずに転んだ。
掴まれていた足首が焼け付く程熱く、それでいて氷のように冷たい。
それでもその場からどうにか離れようと体がもがく。床に手をつき、起き上がろうとして、また転んだ。
「アイビス」
思わず振り返る。
476死人の呪い ◆960Bruf/Mw :2007/07/10(火) 21:00:52 ID:xfv/BCdL
 そこにはさっきの靄のようなものは既になくなっていて、代わりに一人の青年が立っていた。
 青みがかった黒い髪。若干釣り目気味で意志の強そうな目元。
 その青年は、年齢に不相応な程の落ち着いた空気を漂わせていた。
「ジョ……シュア?」
 逃げ出すことも立ち上がることも忘れて、茫然とその姿を見ていた。
「なあ、アイビス。俺、一人は嫌だよ」
 青年が歩いてくる。深い悲しみを湛えた目をしていて、見ていると苦しくなる。
 転んだままのアイビスに手が差し出される。何の疑いもなくそれを掴んだ。
「なんで……なんで、お前だけ生き残っているんだ」
「えっ?」
「一緒に来てくれないか?」
「ジョシュア、何を? 痛っ!」
 手に痛みが走る。掴んでいる腕がいつの間にか黒い靄に変わっていた。
「一緒に……」
「いやっ!!」
 腕を振り解き、尻餅をついたような体勢のまま後ろへ後退さる。
 青年は追いかけてくるでもなく、ただ何故そんな態度をアイビスが取るのか分からないという顔でこちらを見ていた。
 背に何か当たって痛んだ。
 ――壁……違うっ!! この熱いのか、冷たいのか、分からない痛みは……。
「アイビス、我侭は関心できんな」
 降ってきた声に顔を上げる。金髪オールバックの男の顔が覗き込んでいた。
 額には斜めに走った短い傷跡が見える。
「君の命は彼と私の上に成り立っている。拒む権利など君にあるはずがなかろう」
「いや……いやだ」
「アイビス、一緒に行こう」
 気づくと目の前にジョシュアが立っていて、前をジョシュアに後ろをシャアに挟まれる形となった。
 そこを横に犬のような格好で這い進みながら逃げ出す。
 背中越しにため息と『仕方がない』という声が聞こえてきた。
 途端に床が抜け、無明の闇にずるずると引きずりこまれる。あの黒い靄のようなものが伸び、胴にくるくると巻きつき、悲鳴を上げた。
「いやだ。いやだ!」
 精一杯、空に向けて手を伸ばす。人のような形をした黒い靄がその先に見えた。
 その瞬間、激しい怒りが心の中で顔を出した。
「ふざけるなっ! 私は頼んじゃいない。一言だって守ってくれと言っちゃいない。
 あんた達が勝手に私を守って、勝手に死んでいったんだ!
 なのに一人は嫌だ! 私に拒む権利はないだって!! ふざけるなっ!!!」
 悲しそうな表情をただ浮かべている二つの靄を睨みつけ、闇をしっちゃかめっちゃかに掻き回して暴れ回る。
 だが、その行為は意味を持たず、体が下から徐々に淡いものに変わって行っていた。
 そうして体全体が淡いものに変わってしまったとき、アイビス=ダクラスという個は失われ、その場に三つの靄だけが取り残されていた。

477死人の呪い ◆960Bruf/Mw :2007/07/10(火) 21:02:16 ID:xfv/BCdL
 目が覚めた。コックピットの低い天井が目に入る。
 息切れを起こしながら視線だけを左右にゆっくりと動かして、長々と息を吐いた。
 もしかしたらシャアが生きていて現れるかもしれない、そんな望みを抱いて待っているうちに眠ってしまっていたようだった。
 冷静に考えればそんなことがあるはずがないことは分かっていた。それでもその思いつきに縋っていたかったのだ。
 上体を起こす。
 額に浮かんでいた玉のような汗が目に入り込んできて、体中から噴出している汗に気づく。
「気持ち悪い……」
 コックピットから這い出て、廃墟へと足を降ろす。
 後ろから吹き抜けて行った冷たい夜風が、火照った体に気持ちがいい。
 一度大きく伸びをすると周囲を見回し、湖の方向を見当付けると一人歩き出した。
 瓦礫の町並みを抜けていった先で不意に開けた場所に出た。目の前は波を立てている湖面――ビンゴだ。
 崩れたりしないか気をつけながら、瓦礫を伝って、水際まで移動する。
 大きな瓦礫の上でしゃがみ込み、すくってみた水は冷たく澄んでいた。
 ――飲めるかな?
 手の平の水を眺めながら真剣に考えてみる。
 暫くして答えなんかでやしないことに気づいて、顔を洗った。
 空を見上げてみる。綺麗な月が顔を出していた。
 だが、知らない星だ。地球の月に似ているようで細部が異なる。
 周囲の星々の配置も知っているものではなかった。
 ため息を吐き出して考えるのをやめた。とりあえずは綺麗な月夜なのだ。
 別に期待していたわけではなかったけど、瓦礫の水辺ではなくて綺麗な砂浜だったら良かったと、思考が横飛びに跳ねた。
 ――そういえば、A-2の湖は砂浜だったかな。
 昼と夕方の間、四時ごろに上陸した砂浜を束の間思い出す。
 ――あのときはジョシュアと市街地を目指していて……ジョシュア。
 思考がそこで止まった。
 つい今さっき見た夢が脳裏に蘇り押し寄せてきた。
「なんで、お前だけが生き残っているんだ……か」
 ポツリと呟く。
 ――ジョシュアも、シャアも、そんなことを言う人じゃなかった。
 会って間もなく、幾らも話さないうちに死んでいった二人だったが、そんなことくらいは分かっていた。
 ――二人とも助かって良かったと言ってくれるような人なのに……何で……何で。
「何であんな夢を!!」
 何であんな夢を見たのか自分でも分からなかった。
 夢で見た二人の姿は自分の知る現実と酷く食い違っている。
478死人の呪い ◆960Bruf/Mw :2007/07/10(火) 21:03:42 ID:xfv/BCdL
 そして、夢の中で自分が叫んだことは――。
 ――あれが私の本心……。
 疑念が渦を巻く。
 『違う』と喉が張り裂けそうなほど叫びたかった。『あんなのは私じゃない』と声を枯らして叫びたかった。
 でも、出来なかった。
「痛っ!」
 右手に痛みが走る。
 夢の中でジョシュアが触れたそこを知らず知らずのうちに掻き毟っていた自分に気づいた。
 手の甲に数本爪痕が走り、血が滲み出ている。
 暫くそれを眺めた後、湖にそっと手を浸ける。滲んだ血が水に溶けて消えた。
 あの醜さが自分の本心だと認めている心がある。その一方で否定している心もある。
 脳内の議論は平行線。答えなど出るはずもなかった。
 ふとこのまま湖の中に消えてしまえば楽になるんじゃないか、そういう考えが頭を過ぎった。
 そういう目で夜の水面を眺めると、それは言いようもなく魅力的で、抗いがたいものに感じられてくる。
 思わず一歩を踏み出そうとした途端、
『アイビス、死ぬことだけは許さん』
一つの言葉が蘇りブレーキをかけた。
 水際に佇んだまま前にも進めず、後ろにも下がれない。どうしていいのか分からなくなり、ただ呆然と揺れる水面を眺めていた。
 それからどのくらい時間がたったのだろう。気づくと湖面に黒々とした巨大な影が射していた。
 見上げてみるとブレンがそこに浮かんでいる。
 表情というものがないこの巨人の顔から、何かを読み取ることはアイビスには出来ない。
 それでもこのときはどこか寂しげで悲しげなようにその姿は見えた。
「心配かけてごめん、ブレン。ゆっくり休んだし動こうか」
 無理やりに笑顔を作って言う。本当はもっと休んでいたかった。
 寝たといっても寝ようと思って寝たのではなく、気づいたら寝ていたといった感じのもの。それもほんの二三十分。
 心身ともに疲れ果てた体には何の慰めにもなっていない。
 でもそれでも、動こうと言ったのはブレンを気遣ってではなかった。
 もう一度眠りにつくのがただ怖かっただけだった。


【アイビス・ダグラス 搭乗機体:ヒメ・ブレン(ブレンパワード)
 パイロット状況:憔悴、手の甲に引掻き傷(たいしたことはない)
 機体状況:ソードエクステンション装備。機体は表面に微細な傷。
      バイタルジャンプによってEN1/4減少。
 現在位置:E-2東部
 第一行動方針:F-2を避けてアムロと合流
 第二行動方針:ラキを探し、ジョシュアのことを伝える
 第三行動方針:寝るのが怖い
 最終行動方針:どうしよう・・・・・・
 備考:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません。 】

【初日22:10】
479それも名無しだ:2007/07/10(火) 21:07:38 ID:99nIvPrN
GJ!
ブレンのキャッチフレーズを思い出して切なくなった。
「頼まれなくたって生きてやる」だっけ。アイビス・・・。
480 ◆960Bruf/Mw :2007/07/10(火) 21:08:07 ID:xfv/BCdL
予約してなかったけどアイビス投下。
なんの動きもない話なので内面を少しいじってみました。
欝まっしぐらですみません。
おかしい所があればご指摘よろしくお願いします。
481それも名無しだ:2007/07/10(火) 21:09:52 ID:N+mAGvDm
>>480
投下GJ!サプライズ投下万歳!
アイビス……鬱との親和性が高すぎるよこの娘
あまりにも可哀想だ

だ が そ れ が い い
482それも名無しだ:2007/07/10(火) 21:31:03 ID:Lyi1W/5p
>>480GJ

欝ビスかわいいよ欝ビス。
蛹から蝶に変えるか、それとも鳴いて撃たれるか。
どうころんでも良さそうだ。

とりあえず、アムロは早く合流して欝主人公の先輩としてぶってやれ。
483それも名無しだ:2007/07/12(木) 19:35:48 ID:E++cp7Pl
ちょww死者スレにララアが普通に紛れとるwwww
484それも名無しだ:2007/07/12(木) 23:02:20 ID:jvU8/9CB
さすがララァ・・・
この女が絡めばどんな超展開でも許容できそうな気がするぜw
485それも名無しだ:2007/07/13(金) 00:29:34 ID:UKsFsluc
これはシュテルンレジセイアなんて石コロ一つアムロパワーで押し返すんだよフラグか
486 ◆C0vluWr0so :2007/07/13(金) 00:40:31 ID:uvbKtZwl
ガロード、クインシィ、ジョナサン予約しますね。
富野節が再現できなくて泣きそうです。
487それも名無しだ:2007/07/13(金) 01:08:23 ID:Wr+AMViW
8ヶ月の沈黙を破ってジョナサンキター!!
がんばれ!超がんばれ!!
488 ◆C0vluWr0so :2007/07/13(金) 01:12:51 ID:uvbKtZwl
>>487
11月くらいから放置プレイだっけ?
ブレン勢は電波というかなんというか……書くの難しいね。

ついでに>>471-472さん、感想ありがとうございます。
今度のはその感想から貰ったエネルギーで書いてるようなものですし。
489それも名無しだ:2007/07/13(金) 02:06:30 ID:/ST/aVau
ジョナサン…コーヒーも飲んでないのに空気なジョナサンがやっと…
アレだな。機体を無駄に乗り換えると空気になるな
490 ◆C0vluWr0so :2007/07/13(金) 20:27:39 ID:TY8b7MQM
「それじゃガロード……ゆっくりと、話を聞かせて貰おうじゃないか」

B-1の戦闘から離脱し、周囲に敵影が無いことを確認。そのまま真ゲッター2を自動操縦に切り替えたガロードが聞いたのはクインシィお姉さんの刺々しい言葉だった。
切れ長の目を吊り上げて、せっかくの美貌も台無しだ。
……いや、こういう表情も意外と悪くな――

「ガロード! 聞いているのか!」

……やっぱりそれは無しで。だって今のお姉さんは、怒りに震える唇やうっすらと青筋を立てている額など、真ゲッター顔負けの顔をしているのだ。
例えばここに十人の子供がいたとしたら、七人は泣き出すような顔だ。
残りの三人のうち二人はすたこらさっさと逃げ出すだろうし、真っ正面から今のお姉さんに立ち向かえるのは一人いるかいないかといったところか。
ならガロードはどうだろう?
正直に言って、泣き出したい気分だった。逃げ出せるものなら逃げ出したい。
しかし、そういうわけにもいかない。勇敢にもガロードは、クインシィと真っ正面から向き合う覚悟を決めるのだった。

「……どうも俺って、ここに来てから振り回されてばかりだなぁ……」
「何か言ったか、ガロード?」
「い、いいえいいえ! それでお姉さん、話って……まぁ、何かは分かるけどさ」
「分かっているのなら何故敵に背を向けた? 勇の手がかりと! それを邪魔した男からもだ!」
「それは謝るよ。でも……それでも俺は、あそこから逃げたことを後悔してない」

きっぱりと言い放つガロードに、クインシィは納得のいかない顔を見せる。
クインシィにしてみれば、あの青い機体はこの不可思議な世界で勇に繋がる数少ない手がかり。
そのまま打ち倒し、勇の居所を吐かすことが出来れば愛しい弟とすぐに会えたかもしれないというのに……
それだけではない。途中で乱入してきた首無しの機体。
あれはクインシィの癇に障った。どこが、というわけではない。
勇の手がかりを横から打ち伏したこと。戦っていた自分ではなく神隼人しか気にかけていなかったこと。
それでも自分と互角以上に組み合ったこと。その全てがだ。
だからこそクインシィは気に入らない。やられたままでいるのはオルファンの女王の気質が許さない。
すぐにでも駆け戻り、屈辱を晴らしたいのだが、少年――ガロード・ランは、そんなクインシィに真っ向から反するのだ。

「……何故だ。どうしてガロードはそう言い切れるんだ?」
「神さんが言ってただろ? ゲッターは俺たちが信じられないような力を秘めている。
 けれど、その力のためには三人目の操縦者が必要だって。だから神さんは俺たちに三人目を捜せと
言った」
「それでは理由にならない! ゲッターは今のままでもやれる子だ、あのままでも首無しと勇の手がかりと二つとも相手に出来た!」
「確かにそうかもしれない。でもそれだけじゃ駄目なんだよお姉さん。それだけじゃ……あの怪物をどうにかすることなんか出来やしない。
 俺たちよりもゲッターのことを知っていた神さんはそれが分かってた。だから俺たちに三人目を捜すことを優先させたんだ」

(勇も……、ガロードも……ッ! どうして私を否定するんだッ!?)

ガロードの言葉に、クインシィは内心歯噛みする。確かにガロードの言い分も分かる。
いくらゲッターだろうが今のままでは並行世界さえ操るあの主催者たる怪物には敵わないだろう。
だが、クインシィとガロードには決定的な違いがあった。
ガロードは元の世界への帰還を目的にしている。しかしクインシィは違う。
彼女が本当に望んでいるのは愛しい弟、勇。優しかった勇だ。

「……なぁお姉さん。弟さん――勇って言ったっけ」
「そうだ」
「俺も一緒に捜すよ。絶対にお姉さんと勇を会わせてやる」
「え……」

ガロードの予想外の申し出に、一瞬だけ、少女の顔がクインシィ・イッサーから伊佐未依衣子のものに戻る。
そして――

「――お姉さん、機影だ! 進行方向に一つ!」
「なんだと?」
491 ◆C0vluWr0so :2007/07/13(金) 20:28:20 ID:TY8b7MQM
一瞬見せた優しい面影は、レーダーに映る一つの機影にかき消された。
前方数十キロ先に十数メートルほどの決して大きくはない影が一つ。
地中を進む真ゲッター2ならば、このままやり過ごすことも可能だろう。
接触するのか見逃すのか、どうせ返事は決まっているだろうと思いながら、ガロードはクインシィに判断を仰ぐ。
クインシィは、ガロードの確認を鼻で笑うと、はっきりとした声で告げた。

「もちろん分かっているんだろう、ガロード?
 ――接近するぞ、速度を上げろ!」
「はいよ!」

 ◆

時刻は21:30、場所B-4。ようやく補給を終えたジョナサンは舌打ちを一つ。
思っていた以上に時間を食ってしまったことに軽い苛立ちを覚えながら、ジョナサンは現在の状況を確認する。
キラと別れてから三時間以上が経っている。ここからC-6に戻るには、どう急いでも一時間はかかるだろう。
つまり四時間。それだけの時間をキラはソロバン――トモロとかいったか――と過ごすわけだ。

(それはグッドじゃないな。あのいけ好かないソロバンがキラに何を吹き込むか分かったもんじゃない。
 ともすれば俺を置いて勝手に何処かに行ってしまうこともあるか……)

だが現状をいくら嘆こうと、100km以上の距離が縮まるわけでもない。
ええい、勝手なことをしてくれるなよ、とオルファンに祈りながら操縦桿に手を伸ばしたときだった。
突然地が割れ、こちらの二倍はあるような巨体が姿を現した。
全身にドリルが付いた――というよりむしろ全身がドリルという異質の姿にさすがに度肝を抜かれるが、呆けるのは一瞬だけ。
即座に臨戦態勢に入り、F91を空に飛ばしながら牽制代わりのマシンキャノンを放つ。
しかし敵の巨躯にとって、マシンキャノン程度は豆鉄砲のようなものらしい。
数発の銃弾が敵機の装甲を掠めるが、さしたる損傷は与えられない。
(クッ……! 硬いな。それに大きい)
まともにやり合えばこちらの分が悪い。大人と子供の喧嘩のようなものだ。地力の差は如何ともし難いだろう。
下手な攻撃は意味がない。そう考えたジョナサンはバーニアを噴かし回避に専念しようとする。
だがその時ジョナサンは気づいた。

(……? あれはこちらを攻撃する気が無いのか?)

見れば敵機はこちらに攻撃を仕掛けるもなく、その場に立っていた。
キラと同類の人間かとも思ったが、どうやらそれとも違うようだ。
ある程度の高度を保ったまま相手の出方を見ている内に、ドリルから通信が入る。

「待ってくれ! こっちは戦うつもりはないぜ。
 まずは話を聞いて……って、お姉さんちょっと待ってくれよ、お姉さんに任せたら――」

――成程、合点がいった。どうやら相手はあの一機に複数人乗っているらしい。
確かにあれだけのサイズなら複数のパイロットを乗せる余裕はありそうだ。
しかしどうするか。複数人でいるということ、通信の中身から考えるに相手はすぐに殺し合いをする気は無いようではある。
だがこのゲームの意図、そしてジョナサンの目的からすると参加者の数減らしというのは出来るときに出来る限り進めておきたい。
(まぁ、このガンダムであの巨体を倒すのを『出来るとき』とはいわないな……)
半ば自嘲気味に苦笑すると、ジョナサンはひとまず接触することを決める。
相手と協力するにせよ、相手を利用するにせよ、交渉は必要である。
返す文言を頭に思い浮かべながら通信機のスイッチに手を伸ばしたときだった。

「だからお姉さんに任せたらまとまるものも――」
「五月蠅い! 私を誰だと思っている? 私はクインシィ・イッサーだ! オルファンの女王として――」

その声を聞くと自然に笑みがこぼれた。
(やってくれるじゃないか……運命ってヤツもな!)

「久しぶりだなクインシィ! 女王がバロン、ジョナサン・グレーンはお前に会いたがっていたぞ!」
「な……! ジョナサン・グレーンなのか!?」
「え、あれれ? あの人ってお姉さんの知り合いなの? もしかして俺って一人置いてけぼり?」
492 ◆C0vluWr0so :2007/07/13(金) 20:29:27 ID:TY8b7MQM
 ◇

クインシィとジョナサンが互いの確認を終えた後の接触は、おおむねスムーズに進んだ。
余談ではあるが、クインシィがガロードにジョナサンのことを全く話していなかったと聞いて、ジョナサンは少しばかり浮かない顔をしたそうである。余談終わり。

「……それでクインシィ、お前は勇のことを捜しているんだな?」
「そうだ。勇のブレンごとな。……それで、どうするつもりだ?」
「決まっている。俺はクインシィのバロンだ。ついていくさ」
「それじゃそのキラって奴はどうするんだよ? まさかこのまま別れちまうつもりなのか?」

ジョナサンの返答にガロードが質問を重ねる。
ジョナサンがさも当然という顔で頷くのを見て、ガロードは何となくだがジョナサンのことを好きになれそうにないと感じた。
そしてガロードは一つの提案をする。

「ならさジョナサン……あんたのガンダム、俺にくれないか?」

「ハ? それは一体どういう意味だ?」
「俺はあのガンダムに乗って、一回B-1に戻りたいと思ってる」
これにはクインシィの方が反応した。
「どういうつもりだガロード? お前も私のそばにはいたくないと……そういうことなのかッ!」
「どうしたもこうしたも……って、後半明らかに論理飛躍してるよお姉さん!
 俺は別にお姉さんのこと嫌いじゃないし、それとこれとは理由が別だ。とりあえず、手分けをしようって言ってるんだよ。
 俺は神さんを迎えに行く。ついでに勇の手がかりって奴にも会えたらラッキーかな。
 そんでお姉さん達はその間にゲッターでキラって奴のところに行ってくれないか?
 単純に考えれば、二手に分かれた方が勇に会える確率も二倍って寸法だぜ」

悪くない話だろ? そう話すガロードの顔を眺めながらジョナサンは冷静に計算する。この話に乗った時のメリットとデメリットをだ。
まずメリット。クインシィと二人きりになれることだ。いや、違う。
もし分かれた両方が仲間との合流に成功した場合、得られる戦力は大違いだろう。
クインシィの優勝を目的としているジョナサンにとって、あまり強すぎる集団が出来るのは避けたいところだが、まずはクインシィと自分の安全の確保が必要だ。
強集団に入り込み、まわりの面子に盾になってもらうというのは悪い作戦じゃない。
油断している頃を見計らって行動すれば、切り捨てることも難しくない。

そしてデメリット。これは単純に今現在の戦力がダウンすることだろう。
だが、このゲッターというマシンなら、たいていの機体とは渡り合えるに違いない。これは無視しても良いレベルの問題だ。
むしろ問題はガロードという存在がいないクインシィだろう。
この二人は出会って間もないというが、ジョナサンには分かった。
クインシィはガロードに依存し始めている。これは良くない兆候だ。
(クインシィの悪い病気……というところか。勇に対しても、ガロードに対しても……)
だがここでガロードとクインシィを切り離すことは後々のメリットに繋がる。
本当ならガロードのような存在は早めに排除したいところだが、無闇に自分が手を出しクインシィの不信を買うこともない。
ガロードが単独行動の最中に死んでくれるのなら――そちらの方が良いのだ。

どう考えてもデメリットよりもメリットの方が大きい。そう判断したジョナサンは賛成の意を表する。
二人の意見に押され、クインシィもガロードの案に納得した。
そして二人は機体を乗り換える。
ガロードのいたジャガー号にはジョナサンが、ジョナサンの乗っていたF91にはガロードが乗り込む。
493 ◆C0vluWr0so :2007/07/13(金) 20:32:53 ID:TY8b7MQM
「フン……このゲッター、なかなか良いマシンのようだな。アンチボディとは違う……だがオーガニック的な何かを感じる」
「それじゃガロード、ここで一旦お別れだ。お前にオルファンの加護があることを祈ってやる、感謝しろ」
「ああ、それじゃお姉さんもジョナサンも、俺のことキラって奴によろしく言っといてくれよ。
 合流場所は……C-8、でどうだい?」
「了解だ」

ガロードは操縦席に身を落とし、モニター越しに映る月を見た。
その詳細は異なっていて、地球から見える月とは違うもののように思える。
だがそれを言うならこのパイロットシートの感触だって、計器の一つ一つだって、自分が乗っていた『ガンダム』とは違っている。
ここでもガンダムに乗ることになるなんてな、と苦笑。
しかしその目はまっすぐ前を向き、瞳には少年の運命を象徴するよう月が映り込んでいた。

「よーし……それじゃ行くぜ! ――ガンダムF-91、発進!」


【ガロード・ラン 搭乗機体:ガンダムF−91( 機動戦士ガンダムF−91)
 パイロット状態:全身鞭打ち・頭にたんこぶその他打ち身多数。
 機体状態:微細な傷(戦闘に支障なし)
 現在位置:B-4
 第一行動方針:B-1にて神隼人との合流
 第二行動方針:勇、及び勇の手がかり(エイジ)の捜索
 最終行動方針:ティファの元に生還】

【クインシィ・イッサー 搭乗機体:真ゲッター2(真(チェンジ)ゲッターロボ〜地球最後の日)
 パイロット状態:疲労小
 機体状態:ダメージ蓄積
 現在位置:B-4
 第一行動方針:ジョナサンと共にキラのところへ
 第二行動方針:勇の撃破(ユウはネリーブレンに乗っていると思っている)
 第三行動方針:ギンガナムの撃破(自分のグランチャーを落された為逆恨みしています)
 最終行動方針:勇を殺して自分の幸せを取り戻す】

【ジョナサン・グレーン 搭乗機体:真ゲッター2(真(チェンジ)ゲッターロボ〜地球最後の日)
 パイロット状態:良好
 機体状態:ダメージ蓄積
 現在位置:B-4
 第一行動方針:クインシィと共にキラと合流
 第二行動方針:キラが同行に値する人間か、品定めする
 第三行動方針:強集団を形成し、クインシィと自分の身の安全の確保
 最終行動方針:クインシィをオルファンに帰還させる(死亡した場合は自身の生還を最優先)
     備考:バサラが生きていることに気付いていません。

【初日22:30】
494 ◆C0vluWr0so :2007/07/13(金) 20:35:52 ID:TY8b7MQM
投下完了。
ブレン勢は突拍子も無いことを考えてプロットを狂わせるので大変怖かったです。
富野節というかただの電波台詞になってしまった気がする……
矛盾点、誤字脱字など見つけられたら遠慮無く御指摘下さい。
495それも名無しだ:2007/07/13(金) 20:45:35 ID:FwOJ1M7k
ゲッターは「地球最後の日」じゃなくて「世界最後の日」だと思うんだぜ。

それにしても、ようやくガンダムパイロットがガンダムに……!
これまで地味だったガロードだけど、今後の活躍に期待大。
496それも名無しだ:2007/07/13(金) 23:46:58 ID:6XuD7ND4
久々にこいつら見たな。

ガロードとジョナサンは存在忘れかけてたぜ、GJ。
497それも名無しだ:2007/07/14(土) 07:33:56 ID:M34Jo0z9
GJ!
タイトル忘れてますぜ、旦那。
F91にガロードか。
御大将が見つけたら絶対襲いかかるなwww
ジョナサン……もうキラはそこにはいないんだ。
498 ◆C0vluWr0so :2007/07/14(土) 16:20:12 ID:xuw9QFkD
>>495
指摘ありがとうございます。そのままコピペしてたんで気づかなかったぜ。
お手数ですが仮まとめさん、まとめに載せる時に>>493のクインシィとジョナサンの状態表を修正していただけないでしょうか?

>>497
タイトル忘れ二回目\(^o^)/
『我が道を走る人々』でよろしくお願いします。
499それも名無しだ:2007/07/15(日) 17:26:44 ID:m0LGtN2g
>>498
自分勝手な面子だなぁ。
キラと首尾よく合流できたらソシエを乗せれそうだ。


実は昨日、3人ほどの人間が富野節でゲッター線と会話している夢を見た。
500それも名無しだ:2007/07/15(日) 19:19:24 ID:P+60zh9W
そういえばユリカはD-7から一歩も出ないまま死んでいったけど
他に移動距離が短いのって誰がいるっけ?
逆に動き回ってるのはどこら辺だろう?
501それも名無しだ:2007/07/15(日) 19:48:42 ID:j/JbzMyg
「優勝のご褒美で誰かを生き返らせたくてマーダー化」はフロスト兄弟になると思ったのに
アキトとは結構意外だったかも。
502それも名無しだ:2007/07/15(日) 20:11:24 ID:vf3NDKj4
>>500
俺の記憶ではバーニィとかあんまり動いてない気がする。
基地とか市街地とか使いやすい場所の近くでスタートした奴は基本的にあんまり動いてなかったはず。
今仮まとめが落ちてるっぽいので確認出来ないんだけど。
よく動いてるのは……ラキとか竜馬が動き回ってる印象があるなぁ。

>>501
まだフロスト兄弟だって可能性はあるんだぜ?
というかそんな展開のプロットはあることにはある。
そこまでいくのに3パートは必要だから多分無理だろうけど。
503それも名無しだ:2007/07/15(日) 20:51:08 ID:iDlvF1HA
ユーゼス組とかクインシィ・ガロードあたりがあんまり動いてない気がするな。
たしか二組とも放送まで最初のブロックから一歩も出てなかったと思う。
動きまくってるのはやっぱラキと竜馬とあと御大将もかな。
なんとなくやけどね。

フロスト兄弟今戦火の真っ只中に今いるからな。
バイクラン・ディバリウム・凰牙・マスターガンダム・ベルゲルミル・ガンダムと機体も飛びぬけたのはいないし・・・…多分。
だから戦い方しだいで誰が倒れてもおかしくないかと。
あれ? 武蔵が生き残るビジョンが見えてこない……気のせいだよな。


504それも名無しだ:2007/07/16(月) 10:16:47 ID:sdSe+wJH
残念ながら、俺も誰かが「武蔵いぃぃぃぃぃっ!!」と叫ぶ光景しか見えてこない。
505それも名無しだ:2007/07/16(月) 12:52:55 ID:8kzo0zyk
武蔵「ふう、死ぬかと思ったぜ」
506それも名無しだ:2007/07/16(月) 16:36:49 ID:2ESVHxsJ
そこまでいくとむしろ逆に生き残りそうな

なんとか竜馬と接触してくれムサシィィィィ
507それも名無しだ :2007/07/16(月) 19:23:03 ID:DlTAJbwr
ガンダムにはコアファイターがくっついているから、達磨になってもなんとかなるさ。

そういえばシャイニングにもコアランダーがついてたっけ?
508それも名無しだ:2007/07/16(月) 19:42:43 ID:rjvY3U38
ずっと瓦礫の下で隠れてたら生き延びれると思う。
ただムサシより先にテニアが死ぬ気が微塵もしないのは何でだろう。

>>507
そういえばそんなものもあったな。
コアランダーって飛べたっけ? 
地べた走ってるイメージしかない。
509それも名無しだ:2007/07/16(月) 20:08:09 ID:5zDj3oVu
>>508
>瓦礫の下で
1stのコーヒーのことかーっ!?
510それも名無しだ:2007/07/16(月) 20:58:20 ID:NPxUdjFN
ムサシはとりあえずガンダムの核融合炉を取り出して暴走させてだな
でもガンダム自爆させても人が死ぬ気が微塵もしないのは何故だろう
511それも名無しだ:2007/07/16(月) 21:21:57 ID:NiX+DFUx
ナデシコの格納庫からたまたま偶然落下してきた優しいペガスがきっと巻き添えになってくれるさ
512それも名無しだ:2007/07/16(月) 21:48:27 ID:kUIn7qUC
>>510
WとSEEDのせいだな。
513それも名無しだ:2007/07/17(火) 22:02:26 ID:mEiIIA9l
まったく需要を無視して各書き手のSS総量を出してみた。上位十人限定で。
括弧内は作品数、二行目はその人の最長作。原稿用紙は20×20で換算。
当然誤差はあるんで細かく気にしないでね。
ちなみに10KBって5000字くらいです。上位陣すげぇw

◆C0vluWr0so氏 (7) 104.51KB 原稿用紙換算191枚と3行
111話「とある竜の恋の歌」23.36KB

◆7vhi1CrLM6氏 (4) 92.56KB 原稿用紙換算165枚と9行
115話「鍵を握る者 噛合わない歯車」40.67KB

◆Nr7qwL8XuU氏 (6) 71.66KB 原稿用紙換算123枚と19行
66話「アンチボディー ―半機半生の機体―」26.25KB

◆960Brut/Mw氏 (6) 66.86KB 原稿用紙換算116枚と11行
102話「極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅」25.12KB

◆ZimMbzaYEY氏 (5) 50.95KB 原稿用紙換算91枚と8行
74話「堕ちた少女」13.57KB

◆T6.9oUERyk氏 (10) 48.93KB 原稿用紙換算90枚と2行
64話「護るべきもの」9.20KB

◆IA.LhiwF3A氏 (4) 45.30KB 原稿用紙換算77枚と0行
49話「髑髏と悪魔が踊るとき」16.08KB

◆ZbL7QonnV.氏 (9) 41.51KB 原稿用紙換算74枚と5行
72話「遥か高くに翼は舞い」12.20KB

◆Fk59CfYpJU氏 (1) 26.67KB 原稿用紙換算42枚と5行
33話「The two negotiators」26.67KB

◆WgWWWgbiY6氏 (2) 26.12KB 原稿用紙換算48枚と9行
104話「獅子身中の虫」15.85KB

第二次スパロボバトルロワイアル (119) 900.31KB
上位10名合計       (54) 575.07KB
514それも名無しだ:2007/07/18(水) 02:22:20 ID:/V2KH4qW
100KBの大台に乗っている人と平均20KB超えてる人がいる……ビックリだ
IF作含めたら◆ZbL7QonnV.さんはTOP5入りしそうだな
515それも名無しだ:2007/07/18(水) 21:24:42 ID:RTdP2El7
生存者を適当にまとめてみた。
観察日誌風にしようかと思ったけど次スレが意外と近いのでやめに。
気絶中や休憩中が意外と多くてビックリです。
一番誤爆しちゃいけないとこに誤爆してしまったorz
迷惑かかったらごめん。

20:50
・バーニィ…気絶中。機体は実質大破。
21:00
・クルツ…22時まで休憩。その後B-1に移動予定。
・竜馬…クルツを追いかけてるけど見失っている様子。
・カテジナ…利用価値のある人間を探してる。使えなさそうなら平気で殺す。
・ラキ…アイビスを探してふらふらと放浪中。
・統夜…朝まで水中で休む様子。テニアを探す気かも?
21:20
・ブンドル&アムロ…まずは情報交換。後はA-1周辺の参加者を集める気?
21:40
・ユーゼス&ベガ&カミーユ…マサキ探して西進中。24時までにG-6基地へ移動予定。
22:00
・ギンガナム…お食事中。食い終わったら多分好敵手(ベストはアムロかアイビス)を求めて動き出すと思う。
22:10
・アイビス…疲れてるけど寝たくない。アムロとの合流目指して移動開始。ラキを探してる。
・キョウスケ…G-6基地制圧完了。機体のチェック後、ユーゼスとの合流まで休憩予定。
22:30
・ガロード…まずはB-1に移動して隼人の様子を確認。その後、C-8でクインシィと合流予定。
・クインシィ&ジョナサン…C-6でキラと合流して、C-8でガロードと合流予定。勇とネリーブレンを探している。
0:00
・キラ&ソシエ…ナデシコと交戦中。
・テニア…瓦礫のしたから地上へ。騒ぎの拡大を合作中。
・甲児&比瑪…Jアークと交戦中。相手はジョナサンだと思ってる。
・フロスト兄弟…目下の攻撃目標はガウルン?
・ガウルン…大暴れ。多分、またまだ暴れる。
・ムサシ&ロジャー&バサラ…前二人は瓦礫の下で、バサラはナデシコ内のプロトガーランドで気絶中。
1:30
・アキト…ロワ空間のどっかに帰ってきたはず。ボソンジャンプは禁止。
516それも名無しだ:2007/07/18(水) 21:58:01 ID:KUl4pFlS
>>515
まとめGJ
現在大混戦のD-7もだがB-1にも人が集まりそうな予感。
上手くばらして書きやすくしたいところだけど……
やりたいことが多いけどなかなか形に出来ないなー。
首輪解除フラグも育てたいんだが。
517それも名無しだ:2007/07/21(土) 14:12:23 ID:+68/arVu
首輪解除の為の施設の基地がボロボロなんだよなあ
まあ、ナデシコにJアークと代わりになりそうな戦艦あるけど
現在はその両方が敵対関係だし…
518それも名無しだ:2007/07/21(土) 20:43:59 ID:CZ/GN7Iq
でも結構首輪回収してるからな。
どこかの組が解除まで持っていってくれるはず……
519それも名無しだ:2007/07/22(日) 20:15:47 ID:1A3Xjbv4
ナデシコとJアークもどっちか沈みそうな気がしないでもないしな。
ダイって艦橋は破壊されたけど施設は無事だったりせんかな?
あれだけでかいと無事な部分もあったりすると思うんやけど。
520それも名無しだ:2007/07/22(日) 20:54:20 ID:SGTeZFyt
>>519
成程、そういうのもあるかもな。
ダイの詳しいスペックが分からないからはっきりとは言えないけど。
艦橋以外のメカザウルス部分にも設備があれば……
というか今更だが、11人を書ける人がいるのか心配になってきたぞ。
気絶連中を上手くスルーしたとしても……ここの書き手さんならどうにか出来るか?
521それも名無しだ:2007/07/22(日) 21:26:05 ID:1A3Xjbv4
気絶のけて八人か。
ナデシコ(甲児+比瑪(+バサラ))対Jアーク(キラ+ソシエ)の戦艦対決とフロスト兄弟、ガウルン、テニアの三つ巴(地下にムサシとロジャー)で場所が若干離れてるみたいだから切り離せないこともないかな。
一次のG-6基地でアスカ・シンジ戦とイサム・フォッカー・冥王戦が切り離せたみたいに。
一応有視界内みたいだから一方の話に影響は強いだろうけど。
522それも名無しだ:2007/07/24(火) 16:17:53 ID:QAQvv6TS
そういや、スパロワは絵板とかってないの?
523それも名無しだ:2007/07/24(火) 19:49:51 ID:ea2vNpsl
>>522
一次はあったけど過疎ったか管理が行き届かなくなったかで潰れてたはず。
その時は携帯厨だったから詳しくは知らないんだけど。
それに絵板があっても絵師様がいないと話にならないんだぜ……
524それも名無しだ:2007/07/25(水) 01:56:56 ID:mZ5dP0Kp
絵板作るのか?また過疎るだろう
それよかイラスト募集してここか避難所かに
投下してもらったほうがいいんじゃまいか
そしたら少しは活性化するだろうし
525それも名無しだ:2007/07/25(水) 07:00:23 ID:kkDKFMtG
絵板ね。
あってもいいけどなくても困らんわな。
ただもし作るんならスパロワ総合絵板ぐらいにはせんと二次だけじゃ過疎るとは思うな。
まあ一次に断りもなしに総合絵板には出来ないし、そもそも作るのかどうかは知らんけど。
526それも名無しだ:2007/07/25(水) 21:49:09 ID:1FPTJd9z
というわけでイラスト描いてくれる方はいつでも投下してくださいな。
そういう支援は書き手の皆様のモチベーションUPにつながるはずですよ、と。
527それも名無しだ:2007/07/27(金) 23:49:31 ID:TWss2Ax9
まったく何の意味もない睡眠時間(含む気絶)ランキング
アイビスは実質一二時間ぐらい寝てると思う

バサラ  5時間5分+α 18:55〜
ソシエ   2時間      19:30〜21:30
モンシア 1〜2時間    17:40〜?(19:50以前)
ガウルン 1時間20分   16:00〜17:20
バーニィ 1時間+α   15:30〜16:30・20:50〜
アイビス  2、30分+α 〜14:00・気絶(66話)・睡眠(117話) 
クルツ   ―        21:00〜
統夜    ―        21:00〜
ロジャー  ―        0:00〜
武蔵    ―        0:00〜
ガロード  ―        気絶(27話)
カティア   ―        睡眠(74話)
テニア   ―        気絶(115話)
528それも名無しだ:2007/07/28(土) 19:46:03 ID:vlu/Xz3h
バサラの眠りっぷりに……
バーニィもなかなか起こされそうにない気がするな。
キョウスケは休む気満々だし。
統夜は場所があれだから本当に朝まで寝そうw
529それも名無しだ:2007/07/28(土) 20:12:55 ID:5boOSC98
バサラってゲーム開始から12時間経過だから半分近く寝てるのかww
統夜は……なんでラキに見つかったんだっていうような場所だもんな
530 ◆C0vluWr0so :2007/07/29(日) 21:19:33 ID:0DJYgSaM
ユーゼス、カミーユ、ベガ予約しますね。
夏休み?そんなものありませんよ、ファンタジーやメルヘンじゃないんだから。
531それも名無しだ:2007/07/29(日) 21:26:54 ID:fGBm7XtD
久々の予約キター!!
どっかで空中分解しそうなユーゼス組、楽しみです。
532それも名無しだ:2007/07/30(月) 18:50:18 ID:1EznLaYY
>>530
何が起こるのかwktkしながら待ってる。


こいつのAAなんか見つかんないだろーなって思いつつ探してみたら、簡単に見つかったので、死亡者名鑑投下してみる。

       ,. -‐ '"´ ̄,、`__r'、-.、
.     ,. '´    (ヽ-ヽ-.、 ヽ`ヽヽ
  _,./        `ー 、 `''  .ヽ!`
. ,i_/, '      -'ニ,`ー'      \ ,. -‐- ..,_
 i,.ィ´   /      `ヽ、     , -`ー.、 ,.-―'-.、
..( /r'   (  ,.. -― '''' ‐ヽ' .、  , '´     'く    \ 名前:カズイ=バスカーク
 (./   r'" ´         `"''ッ        ',      愛称:
  !i   '、       _,.-‐    !      .!      声優:高戸靖広
  i! ,、 r‐''''ゝ、-‐ _ヽ"´‐'''"   /|      |
  ` `''r`"´ .ヽ´ i   ,.-;  ,.'i .!      !
     /    /`ー`--=、'_ ∠ノ .l      .!
.    /     !  ヽ>ーir' ヽ,r.i       ',
   /     !.   ヽ  .ll   ll i.       ',

登場作品:機動戦士ガンダムSEED

8話『悩める少年』より登場。ゲーム開始早々マサキと出会い、一緒に迷子となる。
その結果、戦場に紛れ込み、(意図してなかったことだが)ゼクスとカミーユを助けたことから、彼らと同行することに。
この際、百式はマサキに譲り渡し、自身はゼクスの駆るメディウス・ロクスにサポートという形で乗り込むことになった。
このとき、AI1の存在に気づいたことを契機に彼は徐々に狂い始めることとなる。
その後、ブンドルを追ってマサキがグループから離脱。直後に別の対主催グループと合流。
そして、マサキを追うために二部隊に分裂と同行メンバーが入れ替わっていき、最終的にはゼクス・キョウスケと三人組でG-6基地を目指すこととなった。
その道すがらに訪れた第一回放送でラクスの死を知り、彼の狂気は加速を始める。
到着したG-6基地は混戦模様に陥っており、ゼクス・キョウスケ両名の尽力によって膠着状態にまで持って行くも、基地内部の爆発を皮切りに再び混戦に。
カズイはその中でメディスの制御権をAI1に移すことに成功する。
その結果、ブラックゲッターを撃墜し、ゲッター線をメディウスに取り込むことに成功。
続けざまにキョウスケの駆るビルトファルケンに襲い掛かり、これを圧倒する。
だがしかし、最終的には一度は追い詰めたファルケンのオクスタンライフルにコックピットを貫かれ、ゼクスを巻き添えに死亡した。
なおこの一連の騒動に絡んだ8人中6人が志望しており、キョウスケ・バーニィという強運持ち2人しか生き残らなかった。
このあたりに、この騒動の激しさを垣間見ることが出来る。
カズイも強運持ちだったならば、もしかすると生き残ることが出来たのかもしれないが、言ってもすでに詮無き事である。
533それも名無しだ:2007/07/30(月) 18:55:18 ID:1EznLaYY
ちと日本語おかしかった。

>なおこの一連の騒動に絡んだ8人中6人が志望しており、キョウスケ・バーニィという強運持ち2人しか生き残らなかった。

これを以下に修正お願いします。
>なおこの一連の騒動に絡んだ8人中6人が志望。結果として生き残った二人は強運持ちであったが、この二人でさえ死ぬ展開は存在していた。
534それも名無しだ:2007/07/30(月) 20:42:16 ID:X3fQGfp7
>>532-533
投下GJ
カズイも時と場所が良ければAI1で大暴れしてたかもしれないんだよな
そんな話も見てみたかったかも……
ところで
×志望→○死亡
じゃないかしらー
535 ◆C0vluWr0so :2007/07/31(火) 06:01:11 ID:QxcXeN/t
暗い森の中――二機と一機は移動を続けていた。
ユーゼス・ゴッツォ、ベガ、カミーユ・ビダンの三人である。
飛行可能なバルキリーを交え、その陣形は平面的なものから立体的なものに変型していた。
カミーユが空から広範囲を偵察し、地上のユーゼスとベガが空から見えない森の中をカバーする。
空のバルキリーを頂角に、巨大な三角形を作っている、と言えば想像できるだろうか。
D-6の岩山で機体を乗り換えた後は、わずかな休憩さえ取らずに探索を続けていた三機だったが、その結果は芳しくない。
捜索対象のマサキは見つからず、幸か不幸か他の参加者に会うこともなくおおよそ二エリアを移動している。

(最初のあの場にいた者の数は50〜60人。そして今、その数は更に減っている。
 64に仕切られたこのゲーム盤の広さから考えても、この探索結果は仕方がないと言えるだろう。
 だが――それでは駄目だ。それではあの異形に打ち勝つことは出来ない)

仮面の奥に真意を隠し、ユーゼスは考える。このバトルロワイアルというゲームの勝者になるには何を為せばよいのかを。
勝利の最低条件――それは、生き残ることだ。
最初の六時間で十の命が散っていった。それから四時間が過ぎている。
あの小娘の言う『褒美』に心を動かされ、殺戮に走る者も出てくるだろう。
現にユーゼスも、殺人の狂気に酔いながら力を奮う人間に襲われている。
その時は撃退することが出来たが、敵機の性能はこちらの機体を凌駕していた。
まともにぶつかっていれば、負けていたのはこちらだっただろう。
そんな機体が、最大でまだ見知らぬ参加者の数――つまり数十機存在しているかもしれないという可能性は、極小ではあるが無視できない。
それらから身を守り、主催者への反乱の準備を整えるのが目下の目的だ。
しかし、その道程は困難を極めるだろう。
もし状況が差し迫れば――不本意ではあるが、正規の勝利条件、つまりこのゲームの優勝を狙う心づもりもある。
だがそれは、最低の勝利だ。

ならば最高の勝利とは?
それは主催者の異能を我が物とし、無事に生き残ることだ。
あの力が手に入れば――人を捨て――超人を超え――超神へと――

「神の座もそう遠くはない。そして全てを我が手に……」

仮面の奥の真意を笑みとして僅かに洩らしながら、ユーゼスは嗤った。

 ◆

「――こちらベガ。特に何もないわね。そっちはどう? カミーユ」
「ええ、上からも何も。――けど、」
「けど?」
「厭な気分です」

何だか、気持ちが悪い――そうカミーユは言った。
感受性が強く、そういうものを感じやすい子なのだとベガは思う。
戦場にいてはいけない――呑まれ、呑み込み、死んでしまうタイプだと。

「……無理はしないで。辛い時はいつでも言ってちょうだい」
「大丈夫ですよ、子供じゃないんですから」

若干の苛立ちを言葉に込めながらカミーユは答える。
それ自体子供の物言いであることに彼は気づいていない。だからそのまま言葉を重ねる。

「それにベガさんも……結局はユーゼスの言いなりじゃないですか。俺はあの人を認めたくない。
 頭では分かっていても、やれないことがある。でも、それを平気でやってしまう人がいるんだ」

敵意とまではいかない。けれどはっきりと否定の意味合いを込めて少年は語る。
今までの疲れもあるのだろう。だがカミーユがユーゼスを否定するのはそれだけが理由ではない。
彼の鋭利な感性が、仮面の男の行いを許さないのだ。
頭が許しても――心が受け入れない。そのままぶつかるには鋭すぎる心を、カミーユは持っていた。
だからといってカミーユがユーゼスに対して何かをする、というわけでもない。
せいぜい溜まった鬱憤をベガに吐き出す程度だ。
536 ◆C0vluWr0so :2007/07/31(火) 06:01:56 ID:QxcXeN/t
「――そうね。私は彼の言葉を行動の指標としている。それは認めるわ。
 けれどそれは彼の言いなりになったということではない。それは、『信頼』、というのよ?」
「信頼ですか。随分安っぽい信頼ですね。少なくとも僕は、会って数時間ほどの人間を信用できるほど甘くはないですよ。
 だいたい、大人はそうやって知ったような口を聞くから嫌いなんです」

カミーユの言葉に、ベガはクスリと笑い、こう言った。

「なぁんだ。やけに突っ張ってると思ったら――やっぱりまだまだ子供ね、カミーユ君?」
「……だから、大人ぶった人と話すのはいやなんだ」
「そうでしょうね。そこが子供と言っているのよ。そして私は、少なくとも貴方よりは大人だわ。
 だから大人として、貴方を受け止める義務がある」
「……僕の知っている大人は自分のことに精一杯で、他人のことまで気が回る人なんていやしなかった。
 いたとしてもほんの一握り――父さんと母さんだってその一握りには入ってなかった」

ベガの言葉に、カミーユは絞り出すような声で返事をする。
普段のカミーユならこんな風に自分について語るということはしなかっただろう。
けれど彼は疲れていた。この殺し合いが始まってからの疲れだけではない。
その前から、ガンダムに乗ったあの日から始まった争いと、それに関わる人間の全ての業に。
だから、彼はベガと話したのかもしれない。

「父さんも母さんも俺を置いて死んでいった。大人はいらないことばかりして俺たち子供のことなんか考えやしないんだ。
 あんたはそんな大人たちとどう違うって言うんだよ!?」
「……そうね、確かに違わないかもしれない」
「だったら――!」
「だから、間違っているのは大人ではなく、貴方の方よ」

二人の間に沈黙が走る。少しの間を置いて口を開いたのはベガだった。
それは先ほどまでの諭すようなものではなく、もっと優しさを含んだ――まるで母親のような口調だ。

「どこが間違っているかはあえて言わないわ。自分で気づかないと意味がないもの。
 それに私は、貴方なら分かると思うから、ね?」
「……母親でもない人にそんな話をされたくないですよ」
「なら私は貴方の母親にだってなるわよ。……ちょっと、格好つけすぎかしら?」

そう言って苦笑いをするベガを見て、カミーユはほんの少しだけ、心が軽くなったような気がした。
或いはベガの姿に、ずっと求めていた『母親』を見つけたのかもしれない。

「僕は、両親に親をやって欲しかったのかもしれない……」
「え? ごめん、ちょっと今なんて言ったのか――」
「いえ、なんでもありません。……少しだけ、心が晴れました。ありがとうございます。
 ただ、それとあの人のやることを聞くってのは別問題です。……やっぱり僕は、ユーゼスさんのことを素直には信じれない」
「そんなものよ。誰かと違えた考えを元通りにするというのはとても難しいことだから。
 ……たとえそれが血を分けた家族だったとしてもね」

ふと視線を落としてベガは答える。
自分の言うことは偽善に過ぎない、その場しのぎの言葉なのかもしれない。
実際に、自分は実の兄アルテアと敵対し――未だに彼の考えを理解することが出来ないのだから。
何故アルテアがあんな風に変わってしまったのか、ベガはその理由を知らない。
仕方がないといえば仕方がないだろう。人は他人の心を完全に理解することなど出来ない。
そんなことが出来る人間がいれば、それはもう人間ではない。新しい別の何かだ。

「さぁ、話はこれでおしまいにしましょ。まだまだ私たちがしなければいけないことは多いわ。
 けれど……一つ一つ潰していくしかないから。まずは行動しないとね」
「はい。――あれは、火?」

上空を飛ぶバルキリーの視界に炎が入ってくる。進行方向からは若干北にずれている。地図上ではB-5に相当する位置だ。
カミーユの呟きに反応したベガから疑問の声が上がり、カミーユが返答する。
537 ◆C0vluWr0so :2007/07/31(火) 06:02:37 ID:QxcXeN/t
「前方で火災が起きてます。地上からは確認できませんか?」
「こちらからは無理ね。ユーゼス、そちらは?」
「今確認できた。カミーユ、上空から火災の状況を教えてくれ。それから、この火災が人為的なものかどうかの判断もだ」
「はい。こちらから見る限りでは数km四方に広がっています。火がついてから数時間は経っていると思います。
 おそらくは戦闘に因るものでしょう。森のど真ん中でいきなり火災が発生するとは考えられませんし……」
「ああ、私もそう思う」

ユーゼスは再度思う。……やはりこの少年、血の巡りは悪くない。落ち着いていれば、という条件はあるが。
問題は良識という枷だ。ベガもカミーユも良識に囚われ、最適な選択をすることが出来ないタイプ。
ベガはまだマシな方ではある。多少のことならば割り切り、切り捨て、最低限のことは出来るだろう。
しかしカミーユはその未熟さも相まって、判断に難がある。手駒としては使いづらいことこの上無しだ。
だから再度試す。

「カミーユ、君はどう思う? 私たちは火事の原因を調査するべきだろうか?
 戦闘が行われたということは、そこに人がいたということだ。
 火災が発生したということは、それだけ戦闘が激しかったということだろうな。
 私の目的は――」
そこまで言って、ユーゼスは自分の首輪を指さし、モニターの向こうにいるカミーユにその様を見せつける。
「分かっているだろう?」

……ここでまだ駄々をこねるようであれば、今後の動きに支障をきたす。
もしカミーユが首を横に振るのならそれまでだ。この少年に利用価値は無いと判断する。

「……僕は」
カミーユは唇を噛み、歯がゆそうな表情をしながらも言った。
「それが僕たちにとってプラスになるのなら……反対はしません」

(ほぉ……)
意外だった。数十分前と同様に、ただ意固地に反対をするものだと予想していたからだ。

「けれど、貴方の行動を肯定もしません。僕は自分の気持ちを全力で抑え、貴方の行動を全力で見逃すだけです」
「なら君の言葉の後半を全力で聞き逃すのも私だ。お互いに言いたいことはあるだろうが、今私たちはチームだ。
 互いのためにならない言動は慎むべきだろう。君が協力してくれることをありがたく思うよ、私は」

時間も余裕があるわけではない、行くのならば早急に動こう――ユーゼスの促しに従い、三機は進路を北へ変更した。
火災の中心、そこに待っているものも知らずに。

 ◆

「ベガ、カミーユ、機体の状態には気をつけろ。一つの不備が命取りになる。こんな状況ではなおさらな」

三機は燃え盛る炎の中を進んでいる。各機とも高音の中でも短時間なら行動できる程度の耐熱処理はされている。が、それはあくまで短時間の話だ。
出来る限り手早くことをすませたい。それは三人の共通認識だった。

「そろそろ炎の中心に着くはずです、もし戦闘があったのならこの周辺で――」

あった。
炎の中に一機だけ倒れていた。通信を試みるが、機体からの返事はない。
更に近づき機体の状況を確認する。無惨な有様だった。各部が破壊され、その内の一つはコクピットブロックを穿っている。

「この状態じゃパイロットの生存は絶望的ね……」
「そうだな……マサキ・アンドーとも違うのだな、カミーユ?」
「ええ、機体がまるっきり違います。……ガンダムタイプか」
「ならば……」

ユーゼスの声に、カミーユは通信を切り、機体を上空へと移動させる。
その代わりにベガが機体――ガンダムレオパルドデストロイへと近づき、コクピットを取り外す作業に取りかかる。
538 ◆C0vluWr0so :2007/07/31(火) 06:03:18 ID:QxcXeN/t
「カミーユはだいぶ物分かりが良くなったようだが――君のおかげかね?」
「私はただ、あの子と向き合ってあげただけです。そう言われるほどのことはしていませんよ」
「謙遜することはない。君がカミーユにとって良き存在になってくれることを期待するぞ」

……その間に、私は先へ行かせてもらう、という言葉を呑み込み、ユーゼスはローズセラヴィーによって取り出されたコクピットブロックを注視する。
そしてメリクリウスのマニュピレータで慎重に外装を剥いでいった。
中にあったものは、潰れた肉だった。しかし純粋なミンチではない。
潰れていたのは腹から下の部分のみ。胸から上の部分は殆ど無傷で残っている。
(……ついているな)
上半身が無傷ということは首輪もまた完全な状態で残っているということだ。
首輪の無事を確認したユーゼスは、首輪を得るために無造作に死体を握り潰そうとした。
異変はその時起きた。
メリクリウスによって全身を潰される間際に、
(――死体が動くだと!?)
完全に生命を失っているはずの肉が腕だったものを動かした。
メリクリウスの握撃を妨げるようにだ。
もちろん機動兵器の握力には敵わずそのまま潰れはした。
だが――

(今のは何だったのだ?)

ユーゼスには首輪の他に疑問も残った。死体は全身を潰された後はピクリとも動かない。
当たり前だ、死体なのだから。なら先ほどの現象は?
ユーゼスの疑問に答えるものはない。
ただ、メリクリウスの手の中で、首輪があるだけだ。
この時ユーゼスが死体に気を取られていなければすぐに気づいただろう。
その首輪が自分たちのそれとは違うものになっているということを。
539未知との遭遇 ◆C0vluWr0so :2007/07/31(火) 06:03:59 ID:QxcXeN/t
【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メリクリウス(新機動戦記ガンダムW)
 パイロット状態:良好、目の前で起きた現象に疑問
 機体状態:良好
 現在位置:B-5
 第一行動方針:サイバスターとの接触
 第二行動方針:首輪の入手・解除
 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒
 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る
 備考:アインストに関する情報を手に入れました
    首輪を手に入れました(DG細胞感染済み)】


【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー)
 パイロット状態:良好(ユーゼスを信頼)
 機体状態:良好
 現在位置:B-5
 第一行動方針:マサキの捜索
 第二行動方針:首輪の解析
 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒
 最終行動方針:仲間を集めてゲームから脱出
 備考:月の子は必要に迫られるまで使用しません
 備考:アインストに関する情報を手に入れました】


【カミーユ・ビダン 搭乗機体:VF-22S・SボーゲルU(マクロス7)
 パイロット状況:良好、マサキを心配
 機体状況:良好、反応弾残弾なし
 現在位置:B-5
 第一行動方針:マサキの捜索
 第二行動方針:味方を集める
 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒
 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊
 備考:ベガに対してはある程度心を開きかけています】

【初日 22:30】
540未知との遭遇 ◆C0vluWr0so :2007/07/31(火) 06:07:57 ID:QxcXeN/t
投下完了。
こういう方向からのDG細胞関与は大丈夫だろうか……
矛盾点、誤字脱字などあれば指摘お願いします。
541それも名無しだ:2007/07/31(火) 12:54:34 ID:hh5J5TUm
GJ!
進路上にある百式を絡ませた展開を予想してたから、いい意味で予想を裏切られた。
ベガママンとカミーユの絡みも良かった。
ユーゼスはいよいよ黒くなってきたな。
DG細胞は個人的にはO.K。
ただDG細胞感染のアインスト不思議首輪って解析可能なんだろうかって不安はあるかな。

一点だけ質問。
死体に気を取られていなかったら首輪の違いにすぐ気づいていたってことは、外見上に変化があったってことですか?
それとも自己修復でも行っていたのでしょうか?
542それも名無しだ:2007/07/31(火) 12:58:17 ID:hh5J5TUm
あと書き忘れてましたが誤字が一箇所

>>537の◆の少し後
×高音→○高温
だと思いました。
543 ◆C0vluWr0so :2007/07/31(火) 20:59:45 ID:wgvQdkrG
>>541
感想ありがとうございます。
不思議首輪に関しては基本的に後続の人任せです。一応自分でもネタはあるんですけどね。
首輪解除の鍵にも失敗要因にも出来るんじゃないかなーという感じで振ったネタですし。
首輪の変化ですが自分としては外見に変化が起きている、という考えで書いていました。
具体的にどのような変化かは考えていません。これも後続の人が書きやすいように書いて頂ければ結構です。

>>542
誤字指摘ありがとうございます。
その通り高温ですね……お手数ですがまとめさん、まとめ収録の際に修正お願いします。
544それも名無しだ:2007/07/31(火) 21:35:41 ID:aeVnq0HL
>>543
嫌がらせかいww
DG細胞感染首輪か。
特性がズフィルードクリスタルやAI1と似ているからG-6に向かうユーゼスが持っているの面白そうですね。
あとはガウルンの首輪も変化してそうな気が。
何はともあれGJ!

一つの首輪(アインスト細胞)にDG細胞・マシンセルを感染させてAI1に吸収という電波が飛んできたww
545それも名無しだ:2007/08/01(水) 01:50:40 ID:9XGxwlTV
>>543
ユの字爆弾抱ちゃったw
一次でDG細胞使って好き勝手やった報いか
それでも、それでもズフィルードクリスタルの知識があるユーゼスならなんとかしてくれる!
546それも名無しだ:2007/08/01(水) 05:36:55 ID:TQATiZ3x
 
547それも名無しだ :2007/08/01(水) 12:00:19 ID:NI/75BK4
ユの次ってスパヒロだとDG細胞も扱ってたんだっけ?

なにはともあれ>>543GJ.
548それも名無しだ:2007/08/01(水) 12:04:28 ID:roGI/2gS
>>547
SHOにおいて、ゼストはデビルガンダムで出来ています。(マジ)
549それも名無しだ:2007/08/01(水) 21:08:08 ID:tQHz3l5e
じゃあユーゼスはここでもゼストを作ろうとする可能性がないこともないのかww
550それも名無しだ :2007/08/03(金) 19:40:47 ID:vw90cC/g
50kbぐらいしか残っていないから次の作品が来たら次スレがいるな。
551それも名無しだ:2007/08/03(金) 19:51:56 ID:6ot3Vy9e
>>550
50kbって結構でかくないか?
ここは最長作でも40kbくらい、20kbいってるのも十作無いんだからまだ大丈夫だと思うんだが……
確かにそのくらいの大作がきてくれたらめっちゃ嬉しいけど。
552それも名無しだ:2007/08/03(金) 21:26:15 ID:WAJRct5d
50kbってとIF31話くらいの量だな。
七月以降に投下された作品は短編ばかりだから二・三作くらいは平気だじゃないかな。
観察日誌の準備くらいはしておいてもいいんじゃない?
553 ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/04(土) 22:19:04 ID:jIpXQerG
ブンドル・アムロ・クルツ・御大将・アイビス、予約します。
もしかしたら後であと一人追加するかもしれません。
554それも名無しだ:2007/08/04(土) 22:29:01 ID:hcIVuET5
>>553
これは期待!
頑張ってくださいねー
追加されるとしたら現在その方向に移動してるあの子かな?
555Unlucky Color ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/06(月) 20:41:44 ID:lzlRTalA
 時計の針はまだ十時をわずかに回ったばかりだというのに、眼下の街は不気味なほど静まりかえってた。
 『ゴーストタウン』、その言葉がぴたりと当てはまる静けさ。明り一つない街並み。
 人がいなければ、灯りをともす者もいない。その必要もない。

 ――まるで我々の置かれた状況そのものだな。

 人という生き物だけが奇妙にも明りを求め、必要とする。暗闇を嫌い、怖れる。
 サイバードを一度大きく旋回させ、周囲を見渡す。どこまでも続く無明の闇。
 何も見えはしない。

 ――今の我々は暗い闇の中に放り出された迷い子。
 右も左もわからず、ただ明りを求めてさ迷っている。だが――

 機首を右に切り、進路を南へと取った。
 南北に市街地を縦断する大きなストリート沿いに機体を走らせる。しばらく飛ばすとずっと遠くに小さい光が見えた。

 ――私は明りを見つけてみせた。例え小さくとも、美しく輝く一筋の光を。

 近づいていく。ビルの壁面の一部が崩れている。そこに一体の戦闘機が体の半分ほどを隠していた。
 光は隙間から漏れている。
 機体を変形させ、漏れた光を隠すように着陸させる。サイバスターから降りると、隙間からビルの内部へと潜り込んだ。
 内部は意外と広く、何よりも吹き抜けになっている為に天井が高かった。本来は百貨店か何かのロビーなのだろう。
 視線を動かしてみる。一番明るいところで、カウリングを外され、剥き出しとなったVF-1のエンジンルームが鈍い光を反射していた。
 その前に男が一人立っている。オイルに塗れた作業着を着込み、右腕にはラチェット・レンチを持っていた。
 声をかけようと近づいていく。既に気づいていたのか、先に向うの口が開いた。

「状況は?」
「周囲20kmに人はいないようだ。何も見つからなかったよ」

 答えながら右手のラチェット・レンチに視線を落とす。

「ん? これか? 作業着と一緒に8階の売り場から貰って来た」
「それは盗ってきたというのではないかな?」
「買ってきたのさ。代金は出世払いでね」

 おどけてみせたアムロに対してふっと頬を緩める。これはまあ礼儀みたいなものだ。
「それで?」まじめな顔を作り直して続きを促す。

「エンジンは突貫作業でどうにかなるだろう。幸い工具も見つかったし、思ったほど痛んじゃいなかった。
 だけど、残弾が心もとないな。次の戦闘を乗り切るのに十分な量が不足している」
「それならば心配はいらない。私の地図にはB-1の補給ポイントが記されている」
「そうか……なぁ、ブンドル」
「ん?」
「君の考えはさっき聞いた。戦いに向かない者を助け、首輪を外し、あの化け物に叛旗を翻す。
 それ自体は俺の考えと食い違っちゃいない。だが、具体的にはどうするつもりだ?」
「そうだな。まずは殺しあうことを良しとしない者たちを集め、三四人程度の集団を複数形成する。
 それで好戦的な者から受ける被害は大分減るだろう」
「三四人程度に留める訳は?」
「肥大化した集団は身軽さを失う。
 それに互いが互いを把握できる人数であったほうがいい。内部崩壊を目論む者が動きにくくなる」
「なるほど。しかし、そこまでする余裕があるのか?
 この勝負、スピードが命だ。時間を置けば置くほど事態は悪化するぞ。最悪手詰まりになる可能性も低くはない」

 アムロの言ったことは重々承知している。だからこそ自分のみで全容を掴むことは既に諦めていた。
 全てが出来るとも思ってはいない。だが、最善は探求し続けるべきだろう。
556Unlucky Color ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/06(月) 20:43:11 ID:lzlRTalA
「小集団を遊ばせておくつもりはない。情報収集を担当して貰おうかと思っている。
 具体的には首輪と技術者、設備、最初に実験台となった女性の知己である男、他あらゆることに関してだな」
「現状であの化け物に関する情報を持っているのは、おそらくあの男だけというわけか。
 それで君自身はどうする?」
「私は単機で行動し、集団を作って回る。だが、一先ずは君の護衛だな」

 せっかく見つけた技術者。現時点で最も優先しなければならないことは、その保護である。
 再び単機で動き出すのは、アムロを中心に小集団を作り上げてからの話であった。
 その言葉に目の前の男は苦笑いをこぼし、次の瞬間、西を向いて緊張の色を浮かべた。
「どうした?」いぶかしんで聞いてみる。

「近づいてくる。この感じ、あのギンガナムとかいう男か」
「あの品位に欠ける男か……確かか? いや、待て。君は何故それがわかる?」
「感じる。直感のようなものだ。根拠はなにもない。この感覚を人に上手く伝えることも難しい。
 だが、嘘は言っていない。だから、俺を信じてくれとしか言いようがない」

 互いの視線がぶつかり合う。決して反らさず、真っ直ぐ射抜くような視線。
 嘘をついている者のする目ではないな。それにここで嘘をつく意味もあまりない。

「間違いないのだな」
「この無邪気な敵意、奴に間違いない」
「いいだろう。君に賭けているこの身だ。信用しよう」

「助かる」溜息とともに言葉は吐き出された。

「サイバスターで出てくる」
「……すまない。僕も補給を済ませたらすぐに駆けつける」
「ふっ……期待はしておくよ。だが無理はするな」
「お互いにな」

 一瞬だけ頬を緩ませ、すぐに表情を引き締め直した。

「補給ポイントの情報は転送しておく」

 踵を返し、壁面の隙間をすり抜けて、路上に出る。室内の明りになれた目に、夜の闇は暗かった。
 その暗がりの中にサイバスターだけがぼんやりと白く浮かび上がっている。
 それを一度見上げ、一歩を踏み出した背中に声が飛んできた。

「死ぬなよ」
「このレオナルド=メディチ=ブンドル、ここで朽ち果てる気は毛頭ないさ」



 一体のバルキリーがビルの谷間を縫うように疾走する。

 ――時間がかかり過ぎだ。

 時刻は午後十一時を既に回っている。ブンドルが動いてから既に三十分以上が経過していた。
 エンジンの調整、それに時間をとられすぎた。
 いや、全工程を合わせて一時間程度で仕上げたことは称賛されてしかるべき速さだろう。
 だがしかし、遅すぎる。
 B-1に急行。補給を済ませて、ブンドルの応援へ。どう考えても一時間遅れではすまないだろう。
 一際大きな通りに沿って直進。三つ先の交差点を左折。直ぐに右折。
 徐々に速度と高度を上げていき、大きな高層ビルの脇を滑るようにして左に折れた。
 突如、視界が開ける。
 崩れたビル。ところ構わず散乱する瓦礫の山。
 何かが爆発した跡。
557Unlucky Color ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/06(月) 20:45:15 ID:lzlRTalA
 ――戦場跡だ。

 眉を顰めるも、構うことなく上空を突っ切っていく。
 前方に遠いところにそれぞれ青と黄色の20m強の機動兵器。そしてさらに遠いところに赤い奴がもう一機。
 見覚えがある。あの時、遠距離から核を狙った奴だ。そいつだけが起動している。
 補給ポイントが近い――

 ――邪魔だ!!

 横目で残弾を確認。一戦を交える量はない。
 ファイター形態――戦闘機へと変形させて降下。ビルの谷間へ滑り込んでいく。
 風を切る音。急速に接近する地面。高度五。機首を持ち上げて機体を水平に保つ。
 すれ違う道路、ビル、車。
 轟音が聞こえた。降り注ぐガラスと瓦礫の雨。
 構うことはない。
 エンジンが爆発的に吹き上がり、すり抜ける。
 両側に迫るビルの壁面。その先に赤い機体――見えた!
 トリガーに指をかける。どんどん加速する。

 ――一瞬だ。一瞬に全てを叩き込んでみせる。

 真っ直ぐにビルの間を走り抜けていく。
 反応。敵機が向きを変える。だがもう――

「遅いっ!!」

 叫ぶ。引き金を引く。
 ガンポッドにマイクロミサイル。残弾の大多数を叩き込んだ瞬間に、操縦桿を倒して上昇。
 そして、離脱。上空で旋回に入った。
 爆発の中心。まだ煙が立ち込めるそこから三発のミサイルが姿を現す。

「ちぃっ!!」

 舌打ち一つ。同時に再加速。
 旋回軌道から抜け出し、再び街並みへ潜り込む。
 一発がビルの壁面で爆発。後二発。
 上昇。フルスロットル。加速しろ。もっと早く。
 後方を振り返る。さし迫る二基のミサイル。
 3・2・1。タイミングを計る。いまだ!!
 バトロイド形態――人型に変化。空気抵抗が急激に増し、速度が一気に殺がれる。
 体が前に大きく流され、ベルトが食い込んだ。
 飛びそうになる意識を堪える。
 二基のミサイルが両脇をすり抜けて、前方に躍り出た。
 ガンポットが火を吹き、ミサイルが爆発。
 周囲を見渡す。
 ミサイルがさらに数基。数を確認している暇はない。
 だが、予想通りだ。
 目まぐるしく舵を切り、回避。そのまま狙いを定め、一つずつ迎撃。
 最後の一基の結果を見ずにファイターへ移行。急降下。
 高度二十で中間形態――ガウォークへと姿を変えると、ビルの谷間へと姿を隠した。
 レーダーを確認。敵機の反応は消えてはいない。

「くそっ! 仕留め損なった!!」

 腹立たしげに吐き捨てる。
558支援もつけるぜ!:2007/08/06(月) 20:46:15 ID:EQDKDb2Z
 
559Unlucky Color ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/06(月) 20:46:56 ID:lzlRTalA
 初撃で片をつけるつもりだった。つけなければならなかった。それが出来なかった。
 残弾はもう空に等しい。
 だが逃げるという選択肢はなし。
 もう一度、レーダーに目を向ける。敵機に動きがないことを確認して、ハッチを開けて、ビルに飛び移った。
 屋上に上がる。肉眼で赤い機体を確認できた。
 ビルの谷間に隠れるように陣取りながらも、その特徴的な長い砲身を展開させている。
 おそらくはこちらが顔を出したその瞬間を狙っているのだろう。
 厚い装甲に、俊敏さに欠ける重い体。戦車の延長上のその姿からも、そういう気がした。



 ビルの谷間に潜む赤い機体――ラーズアングリフの中で、クルツはガナドゥールに通信を続けていた。
 H-1に向かうと言ったエイジのガナドゥールがここに横たわっている。
 そのことから返答がないおおよその理由は検討がついていた。だがそれでも通信を続ける。
 そうしなければならないほど、クルツの置かれた状況は切羽詰っていた。

「エイジ! エイジ!! 聞こえていたら返事をしろ……クソッ! 駄目か」

 補給ポイントを求めてやってきたここで突然、赤い小型機に襲われた。
 以前、こっちから攻撃を仕掛けた相手だ。
 その機体は、ビルの谷間を縫い、信じられない速さで接近してきた。こちらの施した防御策をものともせずに。
 舐めるように低空を飛んできたあの動き、今思い出してもゾッとする。
 ジャマーで相手の火力を半減できたのは幸いだった。それがなかったら、間違いなくお陀仏だった。
 無論、転んでもただで起き上がるクルツ君じゃねぇ。
 上空へ離脱した相手に向かって追撃をかけ、対応に追われて動きを止めた瞬間を見計らい、ありったけの有り金をつぎ込んだ。
 そこが大枚叩いた賭け所だったわけだが、これが見事に大負け。
 賭け金全部持ってかれちまって、財布の中にははした金が少々。
 これじゃ、可愛い娘ちゃんをお茶にも誘えやしねぇ。
 今は見栄えばかりは取り繕って、空のFソリッドカノンで牽制をかけちゃいるが、エイジ大先生にでも頼らないと、どうにもならないといった感じだ。
 もっともその望みもたった今潰えたばかりなのだが……。

「クソッ……あの馬鹿。俺の努力を無駄にしちまいやがって……」

 あいつを逃がすためにしてやったお膳立ても、あいつにかけた言葉も、全てが徒労に終わった。
 『一発殴り返す』それもまた夢に消えた。
 拳を握り締める。噛合った奥歯が音を立てる。脇腹が……鈍く痛んだ。
 しばしの静寂。そして――

「だああぁぁぁあああ!!! 悩むのは終わり! 止め!! 終了!!!
 こんな辛気臭いクルツ君、女だって向うから逃げちまう。
 まずはこの状況をどうにかする! 全てはそっからだ!!」

 今、奴は動く気配がねぇ。考えるなら今のうちだ。
 赤だ。赤が悪い。今日の俺は赤と徹底的に相性が悪い。
 赤鬼に始まり、赤マフラー、戦隊ヒーロー物のレッド、今対峙している小型機。
 挙句の果てには、乗ってる機体からはいてるパンツまで全部真っ赤だ。って、何考えてる。
 そういうことじゃねぇ。冷静に、落ち着いて考えろ、クルツ。
 弾は? まだ少しだけ残っている。シザースナイフだってある。この空の砲身だっていざとなれば、鈍器にくらいはなる。
 ほらみろ、まだまだ戦いようはあるじゃねぇか。今にギャフンと言わせてやる。
 だから――

「この赤い機体を捨てる。そこから始めるか……」
560支援だけとは思えんが……:2007/08/06(月) 20:48:28 ID:EQDKDb2Z
 
561Unlucky Color ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/06(月) 20:49:19 ID:lzlRTalA
 時刻はやや前後して、アムロがクルツに接触する少し前、A-1地区では二つの機体が対峙していた。
 一人の男が怒声を上げている。

「アムロ=レイを何処へ隠した!!!」

 通信機を通じて流れ込んできた大音量のがなり声に眉を顰める。
 しかし、割とあっさりとブンドルに返答をよこした。

「ここから南東の方角。彼は中央の廃墟を目指した……とでも言っておこうか」
「それは本当なんだろうなぁ」
「無論、嘘だ」

 『単純な奴め』そう思いつつ、あっさりと言葉を翻す。
 ギンガナムの顔に皺が寄り、鬼のような表情に変わっていくのが見えた。

「貴様、小生を愚弄するつもりか!!」
「気に障ったのなら謝ろう。だが君のような者に、巧緻に長けた情報戦の機微を期待しても無駄なこと。
 だから、分かりやすく説明させてもらったまでだ。どうする? 私の吐く事全てが本当のこととは限らんぞ」
「知れたこと。貴様を捕らえて吐かせる!! それだけだ!!!」

 挑発するように頭を指先で指し、あからさまに不愉快な表情を浮かべてみせた。

「なるほど。見くびっていたよ。一応使える頭は残っていたようだな。
 だが、それは最も醜悪な答えだ。実に美しくない」
「ならばどうする?」
「そうだな……では、私は逃げるとしよう。君と話をするのは不愉快だ」
「逃すと思うか!! このギム=ギンガナムがなああぁぁぁぁああああああああああ!!!」

 ギンガナムがビームソードを抜き放ち、裂帛の気合と共に急加速で突撃する。
 それに応じるようにして西洋風の幅広の剣を抜き放ち、構える。
 赤味懸かった燐光の軌跡が夜空に浮かび上がる。高速で叩きつけられるビームソード。
 月光を反射して一瞬白銀に煌き、受け止める刃。
 両者の間で火花が散る。押し合い。そして、鬩ぎ合い。

「さあ! アムロ=レイの居所、吐いて貰うぞ!!」

 腹部に蹴りが入り込み、相手を遥かに上回る体格を誇るサイバスターが、弾き飛ばされた。
 体勢を立て直す間もなくギンガナムが襲い掛かる。それを剣を逸らして受け流す。
 剛剣と呼ぶに相応しい太刀筋。まともに受けていてはサイバスターの方がもたない。
 さらに二撃、三撃と受け流し、四撃目で懐に飛び込んだ。相手の出頭を抑えた相面。
 しかし、剣先で絡め取られ、弾かれる。そして、そのまま圧するような一撃が伸びてくる。
 それを半身になってかわし、ぱっと退いた。退き際に籠手を打つ早業。だが浅い。
 一拍置いて息をゆっくりと吐く。
 やはり一朝一夕にいく相手ではない。

「君は少し品性といったものを身に着けるべきだな」
「武門の家柄にお行儀の良い作法など不要。そのようなものはなぁ。
 人の顔色伺ってこそこそ生きていく奴だけが見につけていればいいんだよ」
「獣め。どうやら君と私は相容れぬ存在というわけだ」
「同感だ、レオナルド=メディチ=ブンドル」
562Unlucky Color ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/06(月) 20:50:54 ID:lzlRTalA
 闇夜に蒼と赤、二つの燐光が浮かび上がり、二機は突撃する。
 大振りな、しかし、極めて俊敏な一撃が頭上から降ってくる。
 それに臆することなく踏み込み、擦れ違い様に抜き胴を放った。手ごたえが軽い。空を斬ったような頼りない感触が手元に残る。
 だが、それに構うことなくブンドルはスタスターを噴かせると、その場からの離脱を始めた。
 瞬く間に後方へとガンダムの姿が遠ざかったかに思えたその瞬間、一際大きな燐光が浮かび上がる。

「小生から逃げ切れると思うなよおおおぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!!」

 耳を劈くような大音量。あまりの不快さに、思わず通信機を切った。
 大きく溜息を吐き、ホッと一息をつく。獲物は針にかかった。後はどこまで引っ張れるかが勝負だった。



 瓦礫に埋もれた街並み。その廃墟の路地裏を青年は駆けていた。走りながらも、横目で敵機を確認する。
 赤い小型機がビルの隙間から姿を現したり、隠れたりしていた。動く気配は今のところない。

「いいか。頼むから、そこから動くんじゃねぇぞ」

 戦況が膠着状態を見せている今しかチャンスはない。再び戦況が動き出せば、生身で路地を走り回っている自分など一瞬でおしゃかである。
 いいとこ瓦礫の下に身を隠し、潰されないように祈っているのが精々であろう。
 だから、クルツは全速力で駆けている。折れ曲がった鉄筋を潜り、巨大なコンクリートの塊を飛び越え、必死で駆けているのだ。
 路地を右に曲がる。ゴミ箱を足に引っ掛けて、盛大に中身が撒き散らされた。だが、気にも止めない。
 このまま真っ直ぐ。
 路地の奥。見えた。
 あと少し。駆け込む。
 目的地に到着したとき、シャツは汗でぐっしょりと濡れ、息は切れ切れだった。
 だが、休んでいる暇はない。
 振り返る。赤い小型機はまだ動いてはいない。

 ――良し! 良い子だ。

 目の前の黄色い機体に這い上がる。コックピットに飛び降り、ハッチを閉めた。
 一瞬、脳内に様々なイメージが湧き上がり、体を奮わせた。

「クッ! 今のは……操縦方法? こいつのか!!」

 疑問を持つよりも先に起動させる。全ては後回しだ。
 周囲覆うパネルに次々と外部の映像が映し出されていく。赤い小型機はまだ動かない。

「いいぞ、気づくなよ」

 ストレーガの射撃武器は二つ。中距離武装のライトニングショットと中遠距離武装のエレクトリックキューブ。
 ここでクルツはエレクトリックキューブを選択した。
 ストレーガの両手の間に雷が迸る。やがてそれは形を変え、キューブ状の物体に固化した。
 準備は整った。相手はまだこちらに気づかない。

「エイジ、お前の置き土産使わせてもらうぜ!!」

 一度深呼吸。心を落ち着かせる。
 さあ、第二ラウンドの始まりだ。
 跳ね起き、牽制のライトニングショット。逃げ場を奪う。
 そして、ワンテンポ遅れてエレクトリックキューブを撃ち出した。
 キューブはゆっくりと赤い小型機に吸い込まれていき、中央で爆発。稲光を撒き散らしながら溜め込まれた稲妻が放出される。
563警戒するまでもない、支援だ:2007/08/06(月) 20:51:05 ID:EQDKDb2Z
 
564その時、支援は発動した:2007/08/06(月) 20:52:52 ID:EQDKDb2Z
 
565Unlucky Color ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/06(月) 20:53:38 ID:lzlRTalA
 ――無茶をするのは一度きりだ。ここに賭ける。

 乗り込んだ時点で理解していた。
 ストレーガの本質は格闘戦。自分には合わない。
 だからここで確実に止めを刺す。そのためには、苦手だろうがなんだろうが拳を叩き込む必要があった。
 キューブが消滅するタイミングで突撃。
 黒焦げになった敵機を左腕で掴み、コックピットに右拳を叩き込む。
 装甲を突き破ったその先で放電。爆発が起こり、赤い小型機は四散した。

「ああ〜、やっとこさ終わった。
 んじゃ、ま、早いとこラーズアングリフの補給を始めて、休憩っと行きますかね」

 踵を返して、ラーズアングリフに近づき、乗り移る。自分向きでないストレーガに乗り続けるつもりはなかった。
 補給ポイントに向けて一歩踏み出した瞬間、目の前のストレーガが吹っ飛んだ。
 二条の蒼白い閃光。
 訳が分からない。
 振り返る。青い機体――ガナドゥールの姿見えた。
 訳が分からない。
 全速で後退。今のラーズアングリフに交戦する能力はない。
 おそらく応戦しないことで、こけおどしのFソリッドカノンも見抜かれただろう。
 でも、こいつは一体なんだ? 何処から現れた?
 距離が詰まる。ガナドゥールの肩口から何かが射出されるのが見えた。
 小型の機械が無秩序な軌道を描きながら接近してくる。
 ビルを盾にしてそれを避ける。

 ――分かった。こいつはあいつだ。

 さらに距離が詰まる。赤銅色の厚いビームの刃をその手にそいつは迫って来る。

 ――こいつ、俺と同じことを考えていやがった。

 小型の機械に足場を崩され仰向けに倒れこむ。
 理解したところでもう遅い。死の時は眼前まで迫っていた。
 足元まで迫ってきたガナドゥールが、仁王立ちでこちらを見下している。
 妙に冷めた気持ちになっている自分がいることに気づいた。
 冷静に自分の死を観察している自分がいる。

「早くやれよ。打つ手なし……お前の勝ちだ……」

 言葉が通じたのか、ガナドゥールが刃を大きく振りかぶる。
 心が落ち着いている。視野が広い。
 ラーズアングリフの背中に潰されている瓦礫の形、大きさ。ガナドゥールの向うに見える大きな月。
 そこに影を落としている一つの機体。みんな見える。
 そうあの機体のシルエットは――
 振り下ろされる刃。それを轟音と共に弾いた。
 ガナドゥールを蹴飛ばし、起き上がり、そして、空に通信を繋げる。
 そうあの機体のシルエットは――

「来るな!! 逃げろ、ラキ!!!」

 体当たり。受け流され、前のめりに倒れこむ。
 起き上がろうとした瞬間、二本の角を生やした拳が降ってくるのが見えた。
 ああ、ここで俺は本当に死ぬんだな――そう思った。
566後は支援で補えばいい!:2007/08/06(月) 20:55:00 ID:EQDKDb2Z
 
567Unlucky Color ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/06(月) 20:55:23 ID:lzlRTalA
 拳が『轟』と唸りをあげて地面に叩き込まれた。
 それは岩盤を砕き、砂柱を現出させたが、肝心なものの姿はそこにはなかった。
 いびつな音を立てて、間に何か別の機体が割り込んできた気がした。
 アイビスの乗っていたブレンに似ていた気がする。だが、あまりに一瞬のことで確信はなかった。
 大きく息を吐く。
 気持ちを切り替えるとコックピットの後部を振り返った。
 一人の青年がそこに横たわっている。
 動く気配はない。動くはずもない。
 おそらくは破片が跳ねたのだろう。後頭部に穴が開いている。
 そこから脳漿と血液の入り混じったピンクの液体が流れ出していた。



【アムロ・レイ 搭乗機体:ガナドゥール (スーパーロボット大戦D)
 パイロット状況:疲労、喪失感
 機体状況:頭部全壊、全体に多大な損傷
 現在位置:B-1
 第一行動方針:ブンドルの応援
 第二行動方針:アイビスの捜索
 第三行動方針:首輪の確保
 第四行動方針:協力者の探索
 第五行動方針:首輪解除のための施設、道具の発見
 最終行動方針:ゲームからの脱出
 備考:ボールペン(赤、黒)を上着の胸ポケットに挿している
     シャアの死亡を悟っています】


【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL)
 パイロット状態:良好、主催者に対する怒り
 機体状態:サイバスター状態、ダメージ微少
 現在位置:B-2西部
 第一行動方針:ギンガナムを見当違いの方向に連れて行く
 第二行動方針:アムロと合流
 第三行動方針:A-1周辺の参加者を捜し、保護する(特に技術者を)
 第四行動方針:基地の確保のち首輪の解除
 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ
 備考:ハイ・ファミリア、精霊憑依使用不可能】


【ギム・ギンガナム 搭乗機体:シャイニングガンダム(機動武闘伝Gガンダム)
 パイロット状態:テンション最高潮(気力150)
 機体状態:右腕肘から先消失、胸部装甲にヒビ、全身に軽度の損傷
 現在位置:B-2西部
 第一行動方針:ブンドルを捕まえてアムロの居場所を吐かせる
 第二行動方針:倒すに値する武人を探す
 第三行動方針:アムロ・レイ、アイビス=ブレンを探し出して再戦する
 最終行動方針:ゲームに優勝
 備考:ジョシュアの名前をアイビス=ブレンだと思い込んでいる】
568Unlucky Color ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/06(月) 20:57:04 ID:lzlRTalA
 キャノピーを開けるとクルツはラーズアングリフから飛び降りた。
 何をどうやったのか、そこは周囲一面の砂地で、市街地は見る影もなかった。
 正面に鎮座している機体を見上げる。
 ラキのブレンに非常に似ている。似ているが、良く見ると違うことが分かった。
 おそらくは同系の機体なのだろう。
 エイジはラキの機体ごといなくなったとき、跳んだと表現していた。
 たぶん、俺が助けられたこれがそうなのだろう。
 あれこれ考えているうちに、コックピットから少女が降りてくるのが見えた。
 赤毛のショートカット、胸はないがスレンダーな体形で、美人に分類されてもいいレベルだろう。

「助かった。礼を言う。クルツ=ウェーバー軍曹だ。よろしく」

 にっこりと笑って右手を差し出す。
 次の瞬間、差し出した右手は音を立てて弾かれた。
「なっ!」驚く間もなく、胸倉を掴まれ機体の装甲に背中を打ち付けられる。
 肺が潰れて息が一瞬止まり、蛙の潰れたような声が出た。そして、咳き込む。
 文句を言おうとして、言葉を呑み込んだ。
 今にも噛み付きそうな、餓えた狂犬のような顔をした女がそこにはいた。
 歯を剥き出しにして、肩を怒らせ、鋭い目線で睨みつけている。鬼のような顔というのは、きっとこういうのを言うのだろう。
 この行動は、クルツがVF-1を撃墜する場面を見られていたことに起因しているのだが、そのことに気づくはずもない。
 鬼の形相のまま彼女は言う。低く、ドスの利いた声で。

「別にあんたを助けたわけじゃない。あんたにはラキについて知っていること全部話してもらう」



【クルツ・ウェーバー 搭乗機体:ラーズアングリフ(スーパーロボット大戦A)
 パイロット状況:疲労
 機体状況:リニアミサイルランチャー残弾わずか
       マトリクスミサイル・ファランクスミサイル・Fソリッドカノン残弾0
 現在位置:B-2
 第一行動方針:状況把握
 第二行動方針:補給を行う
 第三行動方針:ラキの探索
 第四行動方針:ゲームをぶち壊す
 第五行動方針:駄目なら皆殺し
 最終行動方針:ゲームから脱出】


【アイビス・ダグラス 搭乗機体:ヒメ・ブレン(ブレンパワード)
 パイロット状況:憔悴、手の甲に引掻き傷(たいしたことはない)
 機体状況:ソードエクステンション装備。機体は表面に微細な傷。
       バイタルジャンプによってEN1/2減少。これ以上の長距離ジャンプは不可。
 現在位置:E-2東部
 第一行動方針:クルツからラキのことを聞き出す
 第二行動方針:ラキを探し、ジョシュアのことを伝える
 第三行動方針:寝るのが怖い
 最終行動方針:どうしよう・・・・・・
 備考1:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません。
 備考2:アムロはクルツに殺されたと勘違いしてます】

【初日23:40】
569 ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/06(月) 21:03:47 ID:lzlRTalA
投下終了。
支援ありがとうございました。
ガロードの進路上にいろんな人ばら撒いてみました。
ちょっと後半の戦闘がいまいちだったかもしれない。
矛盾点などありましたら、ご指摘よろしくお願いします。

おまけ(ラストのアイビスの台詞没案)
 「べ、別にあんたを助けたわけじゃないんだから。あんたにはラキについて話してもらわなきゃいけないから……。
 だから仕方なく助けただけなんだからね」
570それも名無しだ:2007/08/07(火) 03:26:35 ID:SoNphDWW

ひとつだけ言わせてくれ


スタスター噴いた
571それも名無しだ:2007/08/07(火) 06:35:57 ID:k9ZTCFT9
>>569
投下GJ!
キャラがらしくて良かった。ストレーガとガナドゥールの再登場にD厨の俺歓喜w
ガロードの進路上にギンガナム……面白いことになりそうw
572それも名無しだ:2007/08/07(火) 09:05:39 ID:r7UW6yMB
なんかすごいのキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ひゃっほう、GJだぜぇ!
573それも名無しだ:2007/08/07(火) 16:41:46 ID:2eTZKJ7b
欝ビスこわかわいいよ欝ビス。
クルツは酷い目にあってるけど自業自得。
574それも名無しだ:2007/08/07(火) 17:54:51 ID:CezpFj8m
エイジの首輪無事っぽいから次回のアムロの動向に期待
御大将はガロードと出会ったらきっと気力限界点突破するな
その前に走り疲れてばててるってオチもありそうやけどwww
575それも名無しだ:2007/08/07(火) 18:48:21 ID:o+o5QeCW
次スレに向けてちょっとテンプレいじくってみた
文字多くなったからリンク張ると足りなくなるかもしれない
問題、不備等があったりしたら報告していただければ直します
あまりにクドいとかそういう場合は勿論スルーしていただいて結構です

※初めて来た人はまずはここを読んでください。
【原則】
リレー企画ですのでこれまでの話やフラグを一切無視して書くのは止めましょう。
また、現在位置と時間、状況と方針の記入は忘れずに。
投下前に見直しする事を怠らないで下さい、家に帰るまでが遠足です。
投下後のフォローも忘れないようにしましょう。
初めて話を書く人はまとめサイトに行ってルールや過去のお話にしっかり目を通しましょう。
当ロワは予約制です。投下する前にスレでトリップを付けて使うキャラを宣言しましょう。
予約の期限は三日です。
【ルール】
EN・弾薬は補給ポイントを利用することで補給することができます。
補給ポイントは各キャラの所持するマップにランダムに数個ずつ記載されています。
機体の損傷は、原則として機体が再生能力を持っていない限り直りません。
再生能力も制限で弱体化しています。
特定の機体がスパロボのゲーム内で持っている「修理装置」「補給装置」はありません。
DG細胞が登場していますが、機体の過度の変質、死者のゾンビ化は制限により禁止されています。
機体の再生、感染、「生きている人間」の身体の補強のみが行われるようです。
マシンセルによる機体の変質や環境操作も制限を受けています。
唯一メディウスロクスのみ機体が変質していますが、これはスーパーロボット大戦MXの展開に準拠したものです。
乗り換えは自由です。
参加者へロワ参加者の名簿は支給されていません。
【備考】
作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
おやつは三百円までです、電気やゲッター線は好きに食べてください。
スパロボでしか知らない人も居るので場合によっては説明書きを添えて下さい。
水筒の中身は自由です、酒が怖くてパイロットが出来るか。
これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
作品の保存はマメにしておきましょう、イデはいつ発動するか分かりません。
576 ◆7vhi1CrLM6 :2007/08/07(火) 19:09:56 ID:zEoXG5Ec
ご感想、ありがとうございました。
ご指摘いただいた>>562のスタスターをスラスターに修正させていただきます。
あと、クルツの状態票を以下に修正。

【クルツ・ウェーバー 搭乗機体:ラーズアングリフ(スーパーロボット大戦A)
 パイロット状況:疲労
 機体状況:左腕消失、胸部損傷、リニアミサイルランチャー残弾わずか
 マトリクスミサイル・ファランクスミサイル・Fソリッドカノン残弾0
 現在位置:B-2
 第一行動方針:状況把握
 第二行動方針:補給を行う
 第三行動方針:ラキの探索
 第四行動方針:ゲームをぶち壊す
 第五行動方針:駄目なら皆殺し
 最終行動方針:ゲームから脱出】


>>575
ご苦労様です。
大まかそれで大丈夫だと思います。
いじるとしたらDG細胞とマシンセルの項目をまとめるかどうかだと思いますが、細かいほうが好きか、短いほうが好きかの好みの範疇だと思いますので、このままで問題ないのではないでしょうか。
577それも名無しだ:2007/08/08(水) 19:27:46 ID:ZEoM2iru
OGsでヴァイサーガの全長がようやく判明した。
ってことで、既に解説書かれてるけど補足を。

【機体名】ヴァイサーガ
【全高】43.9m
【重量】130.8t
【備考】
(ダイレクト・フィードバック・システムの補足)
「ダイレクト・フィードバック・システム」とはパイロットの思考を直接機体に伝えるシステムである。
ソウルゲインとは異なり、体の動きを機体に反映する「ダイレクト・アクション・リンク・システム」はヴァイサーガには搭載されなかったようである。
(ソウルゲインは両者を併用している)
その為、追従性・反応速度ではソウルゲインに比べて一歩劣っている。
その代わりに、推進装置が強化されてるので、最大速度は同機を上回るものとなっている。
ちなみに装備している剣の名前は「五大剣」というらしい。
578それも名無しだ:2007/08/08(水) 22:13:16 ID:uC4NwZ+H
>>577
支援乙。
統夜もそろそろ活躍させたいなぁ……
いや、プロットはあるんですよ?ただ時間と状況が……

それと仮まとめさん、最新話のアイビスの現在地が間違っているようです。
579それも名無しだ:2007/08/09(木) 21:38:06 ID:ZB86DYSX
そろそろ次スレを考えなきゃいけないと思うんだけど、観察日誌書いてる人いる?
いないなら俺が書こうか?

それと誰かディバリウムとヴァイクランの資料くれ……
ニコとかつべで探してるんだけど見つからない。
サルファは所持してるんだけど傷付きだから戦闘アニメ見れない俺涙目w
580それも名無しだ:2007/08/09(木) 22:21:50 ID:TmDn7DEp
>>579
前回書いたから今回は他の人のが読みたいってことで、自分は書いてないわ。
ってことで、観察日誌お願いします。

あとその二機の資料はサルファ持ってないのですまんとしか言えない。
ついでに我侭言うならメディウスの第二形態の資料も欲しい。
MX売っちゃったし、動画も第一形態とラスボス状態しか見つからない……orz
581それも名無しだ:2007/08/10(金) 21:13:57 ID:MtvROMRB
超主観でキャラとか機体把握が出来るスパロボまとめてみた

キャラ
J≧D=外伝>ニルファ>サルファ>R
機体
サルファ=J=OGs≧D>ニルファ=MX

とりあえず今の生き残りキャラ&機体限定で考えてる。
Jは現在の生き残りの三割近く把握できるからお薦め。
つーかキャラだけならJ、D、外伝の三作でかなり把握できるね。
Wはしてないから分からないんだけど。
582579:2007/08/11(土) 05:03:48 ID:LbeU9Weg
観察日誌も完成して、いつでも新スレが立てられる状態ですの。
それで仮まとめさんに質問なんですが、このスレが落ちた場合、まとめの過去ログページに影響は出ないでしょうか?
自分も所用で17日から一週間ほどネット出来ない環境になるので、出来ればその前に新スレ作成を……と思ったのですが、
下手に新スレに移行すると仮まとめさんがこのスレの終盤のログを取得する前にdat落ちしてしまうのではないかと思いましたので。
もしそうなら対策案として、

・観察日誌を避難所に投下して、まとめさんがログ取得した後に俺以外の人が新スレ作成
・新スレを立てるが、このスレは空白保守で残す
・新スレを立て、その後にこのスレのdatをうp

などを考えてます。
583それも名無しだ:2007/08/11(土) 17:15:38 ID:jlg1NuSx
>>582
お疲れ様です
新スレ立てた後に保守でいいんじゃないでしょうか
もし新しい話書いてる人がいたら容量が心許無いでしょうし
584仮まとめの人 ◆/4lqy.R0j. :2007/08/12(日) 20:27:13 ID:2t+55CQA
>>582
すみません。遅くなりました。
過去ログですけれど、一様ここまでの分は私のほうでとってあります。
今日以降はしばらくPC触れない日も増えてきますが、触れない内にスレが落ちるという期間ほどまとまってではないので多分平気だと思っています(まとめの更新作業はまた別ですが)
ですので、都合の良いタイミングで新スレを立てていただいて大丈夫ですよ。
お気遣い頂き、ありがとうございました。
585それも名無しだ:2007/08/12(日) 23:57:16 ID:S3PgJ19V
>>584
回答ありがとうございます。
それでは適当なタイミングでスレ立てしたいと思います。
586それも名無しだ:2007/08/14(火) 22:46:45 ID:yYh/kzxo
Wが出る前にロワ始まったからWのキャラは出て無いだろ常考。
まぁ版権という意味では別だろうが。
587581:2007/08/14(火) 23:17:19 ID:FIQzzIpP
>>586
>>581です。とりあえず版権で考えてました。

・勇者王ガオガイガー
・フルメタル・パニック!
・機動戦艦ナデシコ
・機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-
・機動戦士ガンダムSEED
・宇宙の騎士 テッカマンブレード
・マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍
・ゲッターロボG
・真ゲッターロボ(原作漫画版)

生き残り限定でもここらへんが出てましたので。
588それも名無しだ:2007/08/15(水) 00:03:45 ID:TX0tKb3g
第二次スパロボバトルロワイアル5
ttp://game11.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1187103340/

ちょっと早かったかもしれないけど次スレです
589それも名無しだ:2007/08/15(水) 01:18:28 ID:FEBuB4ZE
死ね
590それも名無しだ:2007/08/16(木) 19:39:53 ID:71BaX/D0
                  _,..-──- ..,_
               _,..r'´        `ヽ、
            ,r-' ´    ;'  ,; ::::::............  ヽ
.           vi'       i y' ::::_,,.-― :::::::... i!
           ヾ !     i! ; _,r─ 、ー- 、 :::: l 名前:ベルナルド=モンシア
           ヽ,入    i! _r' ::::::::::::::..ヽ、.,_ :::: l  愛称:モンシア、中年オヤジ
            l  `ー一 '  ..:::::::::::::::::: i"::.`::: !  声優:茶風林
              j  ,    ..:::::::::::::::::::: /`` _,r'-,._
            l-、 .i  ,! .:::::_,.-ー二ユ ヽ:::: l ' `l ;;;,`ヾ,、
            ヾrヽ',、 '_ィ='r-u´-, ::::::::: l::: } i ト、 ;;;;;;,ヾ.、
       __ , .. -‐l :::`/ '.::::`ー ̄.:::::    j::: l 'y'  !;;;;;;;; l .l.
   ,r‐=、'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, \.l 、:::::::.,      ,r''l:: 「.:::::: /,;;;;;; / l  r───────────
  .l   ヽ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; r! :::_r-'-── 、   l::,j :: /;;;;; /.::/   | 
  !    ヽ, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; r`T、_,ィ-ニフ´ !  ,l ',r',;;;;;; /.::::: l   `y──────────‐
,.-'"ヽ    ゙、 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l i、`r- , ̄     j ;;;;;;; _,.r' ::::::::::: l
    ヽ    ト、;;;;;;;;;;;;;; l ヽ, i,     _,.r '_,,. -'´_   :::::::::: j
     ヽ、  i ヽ, ;;;;;;;;;;;;, ! `-`ー‐ '´-='_,..-‐'´ l .::::: /

出展:機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY

13話「若い、黒い、脅威」より登場。
開始早々バーニィの駆るブラックゲッターと遭遇。そのまま戦闘となる。
支給されたヘビーアームズ改の重装備を活かし撃退するも、ブラックゲッターの健在を確認。
ブラックゲッターを危険視し、追撃することを決める。
続いて遭遇したのはヒイロの乗るレイダーガンダム。
レイダーガンダムの高い機動性に苦戦するも、ミサイルの同士討ちを利用した策により劣勢を覆し、痛み分けの形となる。
二つの戦闘を終え、弾薬も残り少なくなったためにG-6補給ポイントへ向かう。
だが、そこで再びブラックゲッターと戦闘に。完全に勝負を決めるが最後の最後で詰めの甘さがたたり、ヘビーアームズ改は大破してしまう。
しかし生身になってからもモンシアさん大活躍。
基地に移動してきていたヒイロのレイダーガンダムを自爆トラップで行動不能にし、トイレでげろげろ。
基地内部で同じく生身のヒイロと肉弾戦になり、自らの不利を悟ったモンシアはニトログリセリンを爆発させ、ヒイロもろとも爆死となる。
バーニィ、ヒイロとの因縁が印象深いキャラクター。中年オヤジの渋さに惚れ直したスレ住人も多いはず。
591それも名無しだ:2007/08/16(木) 19:41:05 ID:71BaX/D0
        ,、-''''" ̄ ̄ヽ--''ヽ、
       /≡≡≡ミミミミ|彡ノ\
     /ミ三三二二ミミヾ‖ノノノノ\
    /ミミ彡三三二ミミヾミ‖/ノノノノ‖
  /三三彡彡ソ'''" ̄ ̄""''''''''''\彡彡|
  (彡彡/"~~           ヾ彡彡.》   名前:孫光龍
  .ヾ三/               \ソ.‖   愛称:海王
 _、_|ソ.  \               》》》   声優:飛田展男
. / V    'ー-、,_      _,、-''    Vヽ、
..|/V _=ニVニ\   /~ニVニ=__. |/ヽ|
‖/ |\ ~"''--"~ヽヽ  / '''---''''''''  /|.)|
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   V|  \_/  ○  Y )      ' .∧
   | |       \/       / .|
  /| \   '--/ニニヽ--'   / └、
 /ヽヽ  \   ~''---'''"   /-'  /∧
. / \\  \   |      ノ / // ヽ
Y   \\ \\__|__,,,/~/ //    ト

出展:第三次スーパーロボット大戦α

17話「邪龍空に在り」から登場し、いきなりレプラカーンをハイパー化させかけるという死亡フラグを披露してくれた。
自分より力のある者の下で生き残るという原作通りだが小物そのものの行動理念のもとに行動を開始する。
最初に会った他の参加者はアムロ&シャアのコンビ。核ミサイルの勇姿に爆笑し、戦闘を仕掛ける。
原作では核さえ防いだオーラバリアでバルキリーの攻撃をことごとく無効化し、ずっと海王のターン!状態だったが、あっさりと逃げられてしまう。
しかし孫さんはレプラカーンのスペックに至極御満悦。
若干消耗しながらも続いて戦ったのは御大将ことギム=ギンガナムの駆るシャイニングガンダム。
不利を感じた光龍はレプラカーンへと念動力を注ぎ、更なるパワーアップを図る。
だがギンガナムの超パワーアップ(=スーパーモード)の前には敵わず、パワーアップ合戦はギンガナムに軍配が上がった。
そしてシャイニングガンダムに吹っ飛ばされたレプラカーンは、A-8山中の穴に閉じこめられてしまう。
だがここで慌てないのが海王クオリティ。ピンチを逆に考え、休息のためにコーヒーブレイク。
エスプレッソの香りが光龍の心に一時の平穏を与えるのだった。
だがその平穏も長くは続かない。次の禁止エリアにA-8が指定されたことにコーヒーを噴き出し、奥の手のハイパー化で巨岩を砕き脱出する。
次に向かったG-6基地ではバーニィのブラックゲッターと戦闘に。
有利に戦局を進めるが、乱入してきたキョウスケのビルトファルケンと戦闘になる。
ハイパー化の力に溺れた光龍は、ビルトファルケンのブーストハンマーにオーラコンバーターを貫かれ、爆死。
登場時はステルスも出来る典型的な小悪党マーダーとして活躍を期待していたが……
コーヒーを飲んだこと、海王と勘違いされたこと、地獄のG-6基地へと向かってしまったことが彼の運命を大きく変えてしまった。
なお、AAが見つからなかったため、孫海王のAAを代理使用。


夏休みなので(?)死者図鑑二連発。
592それも名無しだ
図鑑投下乙。

モンシアさんはヒイロに運命を弄ばれすぎたな。