微妙に文章のおかしいところを発見したのでお手数ですがお願いします。
>>250の中盤
×空になった左手にアザルトナイフを逆手に握り、振りかぶる。
↓
○空になった左手でアサルトナイフを逆手に握り、振りかぶる。
このようにしてください。
保守
>>258 ホントだ
でも最近再プレイしたスパロボAでは「アザルト」と表記されていたから
どっちでもいいんじゃないか?
俺O型だけどどっちでもいいよ。
指摘感謝。
正直どっちが正しいのか分からず迷走していたのが本音です。
スパロボ準拠および他の話との整合性を考え、アザルトナイフに統一したいと思います。
>>250の
>バーニアを逆噴射し、落下の速度を上げ、アサルトナイフをアルテリオンへと振り下ろす。
→バーニアを逆噴射し、落下の速度を上げ、アザルトナイフをアルテリオンへと振り下ろす。
>アサルトナイフを持つ左手に、一筋の青いレーザーが直撃した。
→アザルトナイフを持つ左手に、一筋の青いレーザーが直撃した。
>>254の機体状況の
>アサルトナイフ一本
→アザルトナイフ一本
前に修正をお願いをした点で恐縮ですが
>>255の
>空になった左手でアサルトナイフを逆手に握り、振りかぶる。
→空になった左手でアザルトナイフを逆手に握り、振りかぶる。
まとめの方、すみませんが以上のように修正をお願いします。
262 :
それも名無しだ:2006/11/26(日) 23:45:00 ID:fFNfCLuF
支援
263 :
?????:2006/11/27(月) 22:07:42 ID:liIPGxtE
浅ぃ!!もっと打ち込んで来ぃ!!!
264 :
それも名無しだ:2006/11/29(水) 21:54:22 ID:NVjj+T9n
踏み込みが足りんッ!!
265 :
それも名無しだ:2006/12/03(日) 11:49:59 ID:gweta/X0
保守
266 :
それも名無しだ:2006/12/05(火) 15:48:58 ID:xyRnurt4
保守
俺は誰だ。
俺は、一体何者だ。
自問自答を繰り返す。しかし答えなど出るはずがない。
島を発ってから、ずっとこの調子だ。
出発前にエルマに貰った写真。
それに写っていた黒いロボット。
俺はあのロボットを知っている。それは間違いない。
だが、それが何であるかまでは思い出せない。
あのロボットは何だ。
俺は何故、あのロボットを知っている。
俺は誰だ。
俺はクォヴレー・ゴードン。名前以外の記憶はない。
どうやらユーゼス・ゴッツォの手によって奪われているらしい。
改めて思い返す。ゲームの開始前に、ユーゼスから告げられた言葉を。
――君の力は制限させてもらっている。そうでないといろいろと不都合が起こるのでね。
使命、愛機、何も思い出せないはずだ――
俺の力とは何だ?奴にとって不都合、だと?
自分には、このゲームを左右する……もしくは、破綻させるだけの力があるというのか?
俺が記憶を取り戻せば、このゲームを潰す道が開けるというのか?
それは、俺の使命に繋がることなのか?
あの黒いロボットは、俺の愛機だったのか?
一刻も早く、思い出さなければならない。そんな気がする。
そうだ――ひとつ思い出した。
あの黒いロボットの名前。
ディス・アストラナガン―――
「どうかしたのか?ボーッとして」
「……いや、何でもない」
後部座席に座るトウマに声をかけられる。
どうやら俺は、また一人で考え込んでいたらしい。
『何か心配事でもあるのなら、今のうちに話しておいたほうがいい。
この先、こういう時間が取れるか、わからんからな』
「そうそう。仲間なんだから、遠慮するなって」
通信機の向こう側のイキマも一緒になって、俺を心配してくる。
アラドやゼオラも、こんな風に接してくれたのだろうか?
その気遣いはありがたいが……
「すまない。だが、本当に大丈夫だ」
記憶については、自分でも不明瞭なままなのだ。今話した所で、余計な混乱を生むだけでしかない。
それに盗聴されている可能性を考えれば、迂闊に口に出すのはまずい。
一段落落ち着いて、自分でもある程度整理がついてから、全てを話そう。
今は何より、この首に突きつけられた爆弾を取り除くことが最優先だ。
俺とトウマ、イキマの三人は、現在G−6にある基地施設へと向かっている。
ここに向かったと思われる、味方となってくれるかもしれない二人組と接触するために。
改めて、エルマから貰った写真を見返してみる。
ディス・アストラナガンに追われる戦闘機・アルテリオンと、白いバイク。
セレーナの情報によると、どうやらこの二機の操縦者達は、G−6基地で首輪の解析を行うつもりだったらしい。
詳細は不明だが、そのうちの片方は、イキマと因縁を持つ司馬遷次郎博士である可能性がある。
司馬遷次郎博士――その実体は、マシンファーザーと呼ばれるコンピューターであるとのことだ。
写真に写ったバイクには、よく見ると人は乗っていない。代わりに何やら、機械らしき物が積まれている。
(イキマの話から察するに……このバイクに積まれた機械が、司馬博士である可能性が高いか)
果たして彼らは無事にG−6基地に辿り着いたのだろうか。
第三回放送で呼ばれなかったことからも、この時のディス・アストラナガンの襲撃からは逃れているのは確かだろうが。
とにかく、今は彼らがG−6基地で解析を行っていると信じて向かうしかない。
この首に付けられた忌々しい枷を解くことができそうな人物は、現状では彼らしか心当たりがないのだから。
「イキマ、あんたの方こそ大丈夫なのか」
俺はイキマに問い返した。
イキマは、司馬博士とは互いに敵対する者同士だったという。
蟠りがないというはずはないだろう。だが……
『打倒主催を決めた時点で、いずれは通らねばならん道だとわかっていた。
心配はいらんよ』
イキマの返事には迷いはなく、確かな決意を感じさせられた。
「クォヴレー、イキマなら大丈夫だ。過去はどうあれ、今のあいつなら……」
「ああ……そうだな」
トウマの言葉に、俺は頷いた。
今、イキマは過去のしがらみを断ち切り、新たな一歩を踏み出そうとしている。
俺達には、それを見守ることくらいしか出来ないだろう。
ここまでの道中で、イキマは俺達に自分の過去を聞かせてくれた。
彼は、全てを俺達に話してくれた。
司馬博士との関係を、鋼鉄ジーグと呼ばれた戦士を、彼らと幾度となく刃を交えてきたことを。
そして……ここに来る前の彼の素性を。
彼の所属する邪魔大王国は、人類に敵対する存在であること。
邪魔大王国のために、彼は数え切れない虐殺や非道を過去に行ってきたことまでも。
俺もトウマも、それには驚いた。
出逢ってまだ間もないが、イキマの人格から、そんな人物であるとは考えもしなかった。
確かに、顔色は悪いし、ジョシュアやトウマの言う所の「悪人面」という面構えではあるが……
このゲームで俺達と出逢う事がなければ、彼は悪しき存在として人々を脅かしていたのだろうか。
正直、イキマの悪党姿自体、全く想像がつかない。
だがもし今の彼が、俺達人間と接することによって、彼の中の何かがこのゲームで変わった結果ならば。
それは……この救いのない殺し合いの中で生まれた、数少ない奇跡なのかもしれない。
援護に入る
272 :
それも名無しだ:2006/12/09(土) 14:34:57 ID:SBIhsjzb
保守
273 :
それも名無しだ:2006/12/13(水) 17:58:21 ID:QZoHCUOu
保守
274 :
それも名無しだ:2006/12/15(金) 16:51:38 ID:IM/70toP
支援
275 :
それも名無しだ:2006/12/18(月) 21:34:33 ID:TCfUNhNo
支援するのも私だ
復活してたのか。がんばれ
277 :
それも名無しだ:2006/12/22(金) 21:14:23 ID:e4vihewM
保守
この基地外スレまだあったのか
279 :
それも名無しだ:2006/12/28(木) 21:07:56 ID:HbSapvKE
保守
この手のスレは糞
ゾフィー
ほしゅ
“君は今、このマシンファーザーの解析に成功した。
まずは祝辞を述べさせて貰う。おめでとう。
これの解析装置に目をつけた着眼点。
そして装置に仕掛けていたストッパーを取り除いた、その技術。
どういった経緯でそこに至ったかは知らぬが……ここは、見事だと誉めておこう。
その栄誉を称え、ささやかな褒美を用意した。
解析装置を起動させてみたまえ。
新たな機能が、多数追加されているはずだ。
それらの機能は、これから君が行うであろう首輪の解析を、大きく促すことになるだろう。
首の爆弾の恐怖から逃れられるのも、時間の問題かもしれんな?
さて、これをどう生かすかは、君の判断に委ねさせてもらおう。
このゲームのイレギュラーとして、さらなる殺し合いに精を出すもよし。
首輪の解析データをもとに、他者を弄ぶもよし。
あるいは……この私に抗うためのきっかけとして、使用するもいいだろう。
このチャンスをどう使おうが、君の自由だ。
ただ、一つだけ言っておく。
首輪を外した所で、枷が一つ外れただけにすぎない。
君達を管理する術は、他にいくらでも存在する。
今の君達では、私に抗うには全てが及ばぬ。
私に挑むつもりならば……それを心に踏まえておくがいい。
折角手にしたチャンスだ。つまらぬ使い方でふいにしてくれるなよ。ククク……
さて、最後にもう一つ、付け加えておこう。
このゲームの参加者の中に一人、私の送り込んだスパイが存在する。
それもまた、肝に銘じておくがいい。
それでは、引き続き殺し合いを楽しんでくれたまえ。
お前達のさらなる憎悪と絶望を期待している――”
静まり返った基地の一室から、コンソールを叩く音だけが鳴り響く。
解析室。
そこには首のない死体がひとつ転がり。
そして、彼――木原マサキが黙々と解析作業を続けていた。
その室内のディスプレイには、首輪の解析結果が映し出されている。
表示された解析率は既に85%に達しようとしていた。
速い。遷次郎と二人がかりで作業していた時以上のペースで、解析は進んでいる。
司馬遷次郎のボディ……小型版マシンファーザーの解析機能があるからこそだ。
ストッパーを外した後、機能が追加されバージョンアップした解析装置。
それは、それまで遷次郎と共に使用していた時とは比較にならないほど高性能だった。
滞りなく作業は進む。今のところ、異常は何も感じられない。
解析結果と遷次郎に仕込まれた首輪の残骸を照合させても、ピタリと一致する。
疑いようがないほど、気味が悪いほどに。
(ふん……全てはあのユーゼス・ゴッツォの手の上、ということか)
ストッパーを解除したと同時に流れた、ユーゼスのボイスメッセージ。
それは、彼らの行動が全て予測されていたことを示していた。
(全く持って、手の込んだ嫌がらせをしてくれる――)
マサキは忌々しげに顔を歪め……しかし、すぐに思い直し口元を吊り上げた。
(だが……)
マサキはユーゼスに対し、自分と通じる何かを感じ取っていた。
必要最低限の種を蒔き、それによって人の運命を狂わせ……そんな哀れなピエロ達を利用しつくす。
全てを見下し、嘲笑いながら、己の目的を遂行する。
自分と同じ類の人間だ――マサキは確信する。
(……詰めが甘いな、この男)
ボイスメッセージから、彼はユーゼスの言葉の節々から必要以上の自己主張の強さを感じ取った。
それは、裏で糸を引き全てを操る策士としては好ましい傾向ではない。
例えるなら、最後の詰めの段階でわざわざ表舞台に現れ、聞いてもいないマジックの種明かしをご丁寧に説明し勝ち誇るタイプだ。
己の感情を、あるいは人としての弱さを捨てきれず、隠しきれず。
そこを突かれて、惨めに敗北する……三流の策士にありがちな話である。
(この詰めの甘さが生み出す隙を見出せば……この男を制することは、さほど苦ではないかもしれん。
とはいえ……その隙を突くためには、こちらも周到な準備が必要だな)
マサキは考える。
メッセージに込められた、必要以上の情報。バージョンアップした解析装置。
ユーゼスは参加者達をある一つの結末へと導こうとしてる……マサキにはそう思えた。
その結末とは何か。ユーゼスの真の目的は?このゲームを通じて、彼が行おうとしていることは?
そして、その目論見を崩すための、彼の裏をかくための手段はあるか。
(あの男のことを少しでも詳しく知る必要がある。
奴のことを知る参加者を捜すか、あるいは――スパイとやらと接触するか)
思考を巡らせる。
この会場からの脱出、ユーゼスに対抗するための力の入手……
やるべきことは山積みだ。反逆への道はまだ遠い。
(手立てが整わぬまま、首輪を外すのは返って危険かもしれんな……)
マシンファーザーさえあれば、首輪の残りの解析にはさほど時間はかからないだろう。
しかしボイスメッセージが流れた時点で、自分達が首輪の解析を試みていることは、既にユーゼスにも伝わっている可能性は高い。
その状況で首輪を外すことは、主催者に対し明確に宣戦布告を行うも同然となる。
首輪以外の管理する術、というものも気にかかる。
それ以前に、この解析結果がフェイクである可能性も未だ否定されたわけではない。
不安要素はあまりにも多い。
だが、それでも冥王は笑っていた。
それは、この神を気取る仮面のピエロの持つ醜い人間性を、見抜いたが故か。
その時、解析室に通信音が鳴り響いた。マサキの思考と解析作業は中断される。
『マサキ、レーダーが反応をキャッチした。反応は二つだ』
新たな客の来訪を告げるヤザンの声。
今さら言うまでも無いが、この会場においては、レーダーなど気休め程度の効果しか得られない。
つまり、来客はもう既に基地のすぐ近くまで接近していることになる。
「来たか……」
客を出迎えるべく、椅子から立ち上がる。
さあ、来たのは誰だ。
ゲームに乗った殺戮者か。反主催を考える身の程知らずか。
あるいは――チーフ、トウマ、クォヴレー。自分の本性を知る者達か。
「ククク……」
不敵に笑う。これから行われる来客との駆け引きに心を躍らせ。
(いいだろう……今は貴様の上で存分に踊ってくれる。
だが……最後に笑うのは、この俺だ――)
ひとつの嵐が過ぎ去った。
あらゆる負の情念が吹き荒れた、嵐が。
疑心、憎しみ、狂気……それらは、残っていた希望の光と純粋な想いを踏み躙り。
そして悪意のみを最後に残し、基地には静寂が戻った。
だが、今また静寂は破られ……新たな嵐が吹き荒れようとしている。
その嵐のあとには、果たして何が残るのか。
それは、今はまだ誰にもわからない。
【木原マサキ 搭乗機体:レイズナー/強化型(蒼き流星レイズナー)
パイロット状態:絶好調
機体状態:左腕断裂 背面装甲にダメージ
現在位置:G-6基地(通路)
第一行動方針:基地に迫る参加者への対応
第二行動方針:首輪の解析、及び解析結果の確認
第二行動方針:ユーゼスを欺きつつ、対抗手段を練る
最終行動方針:ユーゼスを殺す
備考:マシンファーザーのボディ、首輪4つ保有(フォッカーの首輪を回収しました)
首輪85%解析済み(フェイクの可能性あり) 解析結果に不信感。
スパイの存在を認識。それがラミアであることには気付いていない】
【ヤザン・ゲーブル 搭乗機体:アルテリオン(第二次スーパーロボット大戦α)
パイロット状態:全身打撲、右足骨折(鉄パイプを当て木代わりに応急処置済み)
機体状況:良好(補給は終えている)
現在位置:G-6基地(通路)
第一行動方針:マサキの護衛。マサキに歯向かう者の排除
最終行動方針:首輪解析に成功すれば主催者打倒。失敗すればゲームに乗り、優勝】
【三日目 0:00】
【木原マサキ 搭乗機体:レイズナー/強化型(蒼き流星レイズナー)
パイロット状態:絶好調
機体状態:左腕断裂 背面装甲にダメージ
現在位置:G-6基地(解析室)
第一行動方針:基地に迫る参加者への対応
第二行動方針:首輪の解析、及び解析結果の確認
第三行動方針:ユーゼスを欺きつつ、対抗手段を練る
最終行動方針:ユーゼスを殺す
備考:マシンファーザーのボディ、首輪4つ保有(フォッカーの首輪を回収しました)
首輪85%解析済み(フェイクの可能性あり) 解析結果に不信感。
スパイの存在を認識。それがラミアであることには気付いていない】
【ヤザン・ゲーブル 搭乗機体:アルテリオン(第二次スーパーロボット大戦α)
パイロット状態:全身打撲、右足骨折(鉄パイプを当て木代わりに応急処置済み)
機体状況:良好(補給は終えている)
現在位置:G-6基地
第一行動方針:マサキの護衛。マサキに歯向かう者の排除
最終行動方針:首輪解析に成功すれば主催者打倒。失敗すればゲームに乗り、優勝】
状態欄一部修正。ヤザンの詳しい居場所は次の人にお任せします。
289 :
それも名無しだ:2007/01/18(木) 14:25:28 ID:6ZFQ2NKa
期待age
宇宙警備隊隊長ゾフィー
HOSYU
大きな月が草原を照らしている。
その横に巨大戦艦が浮かんでいなければ、名月といって差し支えないだろう。
時折、風が草木を揺らして、その音が波の様にあたり一帯に染み渡っていく。
その中で草原の真ん中にうずくまる男が一人。
「あ〜、快便快便」
トイレットペーパー代わりに使った広葉樹の葉を捨て、トウマ・カノウは立ち上がる。
手を洗う水がないので、ズボンの尻の部分で手をゴシゴシと擦った。
『トウマ、終わったら早く戻って来い』
トウマのそばに置かれたワルキューレの通信機から、仲間の声が聞こえた。
彼らはここから100メートル程離れた場所に機体を止めて待機している。
「ったく、仕方ないだろうが」
リュウセイ達と別れ、地図の南端に当たる部分にワープしてからすぐのことだ。
トイレに行きたい。
トウマがそう言った瞬間、仲間たちは非難を口に出すことはなかった。
その分、表情のほうにありありと「緊張感がない」、「早くしろ」などといった本音が漏れていたが。
「こんなもん、生理現象なんだから非難される覚えはないぜ。
だいたい、あいつらやリュウセイとかセレーナだってみんな同じだろ。
ここに来てから二日間も、出ないほうがおかしいんだよ。
そもそも機体にトイレぐらい付けろっての。
…待てよ、セレーナ?…いやいやトウマ・カノウ、変なことを考えるな。
セレーナのあのスーツって、トイレの時は全部脱がなきゃいけないの?とか彼女に失礼だ。
だいたいお前にはミナキという心に決めた女が…」
『おいトウマ』
炸裂する妄想癖にストップをかけたのはクォヴレーからの通信だった。
素っ頓狂な声を上げそうになるのを堪えて、何とか取り繕った返事を返す。
「…何だ?」
『今、お前を待ってる間にブライガーの機能を色々と調べていて分かった事がある。
このことでお前たちに相談したい事があるから、ブライガーの中に来てくれ。イキマもな』
そして、トウマの返事を待たずに通信は切られてしまった。
「何なんだよ、いったい…ま、行ってみりゃわかるか」
ワルキューレに跨り、アクセルを開けてギアを踏む。
飛び出すような加速で走り出すと、仲間達との距離を見る見るうちに縮めていく。
いいバイクだ。ここが巨大ロボットが跋扈する殺し合いの場でなければの話だが。
トウマの吐いた、やれやれといわんばかりのため息が風の中に消えていった。
ブライガーにワルキューレを格納してからコックピットへ向かう。イキマは先に来ていたようだ。
操縦席に座るクォヴレーはトウマの姿を見るなり、さっそく話を始めた。
「待っていたぞ。早速だが、このブライガーはどうやら単独での大気圏への突入、離脱が可能らしい。
おそらく本来は惑星間移動するための宇宙船の形態がメインなんだろう。
自動車は地上、ロボットは戦闘用といった具合だ」
そこまでハイテクならトイレぐらい付けろとトウマは心の中でツッコミを入れた。
クォヴレーの説明は続く。
「大気圏離脱のための出力をスピードに換算すると、時速25000km以上…
つまりマッハ20を超える速度が出せるということになる」
は?…マッハ20?いまいちピンとこない。
「俺たちのいるこのフィールドを一周するなら一分だ」
言葉がない。今までチンタラ移動していたのがアホらしくなる。
「ならば俺のギャリィウィルをブライガーに担いでもらって飛べば、G−6まですぐということだな」
イキマのいうとおりだ。ブライガーには24時間のタイムリミットがある。急ぐに越したことはない。
「…待てよ。宇宙船ってブライスターのことだよな。じゃあ、あの形態でもマッハ20で飛べるのか?」
そうでなければ宇宙船としては機能しないだろう。
トウマは脳裏に浮かんだ疑問をクォヴレーにぶつけた。
「そうだな…初めて変形した時、高速で逃げる鬼のロボットを楽々と追いかけることができたからな。
音速の壁は間違いなく超えていたはずだ。可能性は高い。
あの時はジョシュアが奴に捕らわれていたからな。
下手に近づくことはせずに、ただ追いかけることしかできなかったが…」
もしフルパワーなら――。
これは当たりだ。ブライスターならタイムリミットも無い。逃げに徹すれば誰も追いつけないだろう。
移動手段としても有効性はとてつもなく高い。
「だがこれは推測だ。ユーゼスが何か制限を設けている可能性もある。試してみないことには分からん」
だから何故マニュアルを捨てたのかと。今さら言うことでもないのかもしれないが。
「方向よし。周囲に敵影らしきものもなし。準備はいいぞ」
地図とモニターを見比べながら確認作業を行うイキマ。
「では発進だ」
クォヴレーの声とともにブライガーは飛び立った。
見る見るうちに周りの景色が後方へスクロールしていく。
「マッハ1…2…3…ここまでは順調だ。次で一気にフルパワーで飛ぶぞ」
「なあ、このまま加速したらG‐6なんか、あっという間に通り過ぎちまわないか?」
「ならUターンすればいいだけだ。これなら戻るのに大して時間もかからんだろう」
トウマの疑問にイキマが答えた。
「そういうことだな…こいつの性能を試しておくいい機会だ。行くぞ、しっかり捕まってろ!」
景色が溶ける。
急加速のGに対して身構えてみたものの、たいした衝撃も無い。
よほど高性能な慣性制御装置が働いているのか、つくづくトンデモなロボットだ。
「すげえもんだな」
もはや芸も無く感心するしかない。
耳障りなアラームのような音が聞こえたのはその時だった。
何だ?どこか計器の異常か。
耳を澄ますと…何やら襟元から聞こえてくる。
「首輪が鳴ってるぞ!!」
見ればイキマもクォヴレーも同様だ。
首輪のランプが赤く点滅し、三人分のアラームがコックピット内に鳴り響く。
「イキマ、どうなってる!禁止エリアにでも入ったか!?」
「そんなはずはない!近づいてすらいないはずだ!」
「なら、何で!」
三人の頭の中が疑問符で埋め尽くされる。
何故。
何で。何が。
それを吹き飛ばしたのは、首輪から聞こえてきた音声。
まるで留守番電話のメッセージのように事務的な、どこかで聞いたような女の声だった。
「制限速度をオーバーしているでございますです。直ちにスピードを落としませんと首輪が爆発しちゃったりしますですことよ」
「…何ィィィィィィ!!??」
「おいクォヴレー、ブレーキ!!」
「…わかってるっ!」
現在ブライガーは空中で静止している。
スピードを落としたことで首輪のアラームも止まった。
…なんだかひどく疲れた気がする。だいたいこんな仕掛けでなくとも、最初から動力部分にリミッターでも取り付ければいいだろう。
このブライガー、変形の事といい操縦方法といい、支給した者に悪意があるとしか思えない。
いや、この殺し合いをやらせる時点で悪意云々の次元ではないのだろうが。
「…なあクォヴレー」
「……何だ」
「あのユーゼスってやつ、お前に相当恨みがあるんじゃないのか」
「なんとなく心当たりがある気はするが…俺は記憶がない」
「それを言うなら記憶にないだろ。…間違っちゃいないけどよ」
「そうだな…」
そろって苦笑い。
「さて…どこだここは。イキマ、分かるか?」
「少し待ってくれ…G‐5あたりだな。少し北にずれて通り過ぎたようだ。…ん?何かいるぞ!」
問答無用の敵か、それとも戦いは避けられる相手か。
夜の闇のせいではっきりしない。
かなりサイズは大きいが、いきなり攻撃をしてこないあたり話は通じそうだ。
「っていうか、動かないぞ…?」
トウマの言うとおり、よく見てみると仰向けに倒れたままで、ぴくりとも動かない。
通信で呼びかけても返事はない。
「パイロットは死んだのかもしれないな。近づいてみよう」
クォヴレーはブライガーでゆっくりと用心深く近づいていく。
あの機体そのものの損傷は軽微のようだ。
ならばパイロットは何故反応しないのか。
余程打ち所が悪かったのか…実は生きていて不意打ちを狙っているのか。
肉眼で確認できる距離まで接近する。
するとコックピットのハッチが開いたままだ。
中に人は…いない。
「どうやら無人のようだな。…トウマ?」
「こいつは…」
トウマはその機体を知っていた。正確にはその系譜に連なる機体をだが。
それはかつて憧れたゼンガー・ゾンボルトが駆った機体。
トウマと共に戦うことはなかったが、守るべきもののために望まぬ戦いにあえて身を投じた少女の機体。
そのプロトタイプたる存在――超闘士グルンガスト。
【反逆の牙組・共通思考】
○剣鉄也、木原マサキ、ディス・アストラナガン、ラミア・ラヴレスを特に警戒
○ガイキングの持つ力(DG細胞)が空間操作と関係があると推測
○ディス・アストラナガンがガイキングの力(DG細胞)と同種のものと推測
○剣鉄也らの背後の力(デビルガンダム)が空間操作装置と関係があると推測
○空間操作装置の存在を認識。D−3、E−7の地下に設置されていると推測
○C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測
○アルテリオン、スカーレットモビルのパイロットが首輪の解析を試みていることを認識
ただしパイロットの詳細については不明
○木原マサキの本性を認識
○ラミア・ラヴレスがジョーカーであることを認識
○再合流の予定時間は翌朝5時、場所はE−1橋付近
【クォヴレー・ゴードン 搭乗機体:ブライガー(銀河旋風ブライガー)
パイロット状態:やや精神的に疲労、リョウトの憎悪に対し危惧。
機体状況:良好
現在位置:G-5
第一行動方針:G-6基地へ向かい、首輪の解析をしているアルテリオン・スカーレットモビルのパイロットと接触
第二行動指針:ヒイロと合流、主催者打倒の為の仲間を探す
第三行動方針:なんとか記憶を取り戻したい(ディス・アストラナガンとの接触)
最終行動方針:ユーゼスを倒す
備考1:本来4人乗りのブライガーを単独で操縦するため、性能を100%引き出すのは困難。主に攻撃面に支障
備考2:ブライカノン使用不可
備考3:ブライシンクロンのタイムリミット、あと16〜17時間前後
備考4:ブライスター及びブライガーは最高マッハ25で飛行可能。
ただしマッハ5以上で首輪に警告メッセージ。30秒後に爆発。スピードを落とせば元に戻ります】
【トウマ・カノウ 搭乗機体:ブライガー(銀河旋風ブライガー)
パイロット状態:やや精神的に疲労、怪我は手当て済み
機体状況:良好
現在位置:G-5
第一行動方針:G-6基地へ向かい、首輪の解析をしているアルテリオン・スカーレットモビルのパイロットと接触
第二行動指針:ヒイロと合流、及び主催者打倒の為の仲間を探す
最終行動方針:ユーゼスを倒す
備考1:副司令変装セットを一式、ベーゴマ爆弾を2個、メジャーを一つ所持
備考2:ブライガーの操縦はクォヴレーに任せる
備考3:ワルキューレは現在ブライガーに搭載されている】
【イキマ 搭乗機体:ギャリィウィル(戦闘メカ ザブングル)
パイロット状況:戦闘でのダメージあり、応急手当済み。リョウトの憎悪に対し危惧。
機体状況:良好
現在位置:G-5
第一行動方針:G-6基地へ向かい、首輪の解析をしているアルテリオン・スカーレットモビルのパイロットと接触
第二行動方針:司馬遷次郎と和解し、己の心に決着をつける
第三行動方針:主催者打倒の為の仲間を探す
最終行動方針:仲間と共に主催者を打倒する】
【二日目22:30】
グルンガストをどうするかについては次の方にお任せします。
夜は更けていた。
明かりが無い場所で一人の男は悩んでいた。
結果・・・彼はG6基地へと向かう事に決めた。
待機よりも進行を選んだ方が良いと判断したのだ。
自分の機体、グランゾンをノソリと動かす。
慎重に行動するという方針を立てたのでまっすぐ行けばいいというわけにはいかなかった。
今いる場所はE2である。
渦に入らずあの後G6に動いた方が良かったかもしれないと彼は思った。
周囲を警戒しながらゆっくりと進む。
グランゾン自体機体は大きめだ。
動きは素早くないから的になる。
それ故慎重に行動しなければならない。
地下通路から出た後、彼は状況を再確認した。
レーダーに敵は映ってはいない。
熱源も無い。
ゆっくりと機体をF2に進ませようとした直後、それは起こった。
突然足元に衝撃が発生したのだ。
機体に衝撃が走り、彼は痛みに耐えた。
罠か。それとも待ち伏せされていたのか。
「誰だッ!?」
無線で周囲に呼びかける。
「そこの人・・・今私を踏みそうになったわよ。あなたはゲームに乗っているの?」
少女の声がした。
マシュマーは下を見た。
そこにはグランゾンの踵の傍に横たわるR1の姿があった。
「おっとこれは失敬、お嬢ちゃん。」
「失敬では済まさないわ。」
R1がをグランゾンをロックする。
その様子に戦慄を覚えたシロッコは先に蹴りを仕掛けた。
バーニアをフル噴射してそれを避けた少女は牽制の為にバルカンを連射した。
エースパイロットでしか出来ない精密射撃によってグランゾンの足は少し後ろに下がった。
「中々元気の様だね。これならどうかな?」
シロッコは傍で動かなくなっていたアーバレストを掴むと軽く握った。
アーバレストの機体が軋む音がした。
「人質ねぇ。その前にアナタがゲームに乗っているかどうかを教えなさい。」
「実に偉そうな態度だねぇ。そんな態度を取ったらこの機体は・・・」
シロッコは掴んでいたアーバレストを今度はぶら下げた。
更に頭を掴んでいたのを今度は腕を指で摘んでいる。
「汚いわね・・・・。」
そういいながら少女はアーバレストの腕に標準を定めた。
(T−LINKシステム・・・エネルギーをバルカンに装填・・・)
ズダダダという音とともに銃弾が発射されそれらは全てアーバレストの腕に命中し、機体は落下した。
「この機体は無人なのか?それとも?」
少女は答えなかった。
T−LINKシステムの作動は彼女の体に負担を掛けていたのだ。
今の彼女ではリュウセイと一緒に行動しても足手まといになるだけだ。
休憩すればその心配は無いのだが今目の前に仕掛けてきた相手がいる。
「あなたはこのゲームに乗っている・・・のね。」
「いや・・・私はこのゲームを終わらせたいのだ。首輪を解析してね。」
シロッコの言葉は彼女には届かなかった。
現に少女はシロッコに先程踏まれそうになったのだ。
もう少し目覚めるのが遅かったら・・・。
「私を踏もうとしておいてそれ?冗談も休み休み言いなさい!」
本当の事を言ったのにそれが相手に信じてもらえない場合もある。
それがシロッコにとっての悲劇だった。
「冗談も何も・・・それに君の機体が小さい方が悪いのでは無いかね?ん?」
「小さい・・・?」
それは少女にとって禁句だった。
「ああ小さいじゃないか。グランゾンが大人だとしたら君の機体は子供の様だ。」
「うるさぁぁぁい!」
少女がTリンクシステムを最大限に稼動させた。
ウィィィィィンという音とともに機体の出力がどんどん上がっていく。
そして・・・臨界直前まで高まったエネルギーがその拳に宿された。
「むう・・・これは危険だ。不本意だがブラックホールクラスター!」
グランゾンの胸部にどんどんENが溜まっていく。
(マーダー達に感づかれる可能性があるな・・・・最低出力で行くか。)
少女に恐怖は無かった。
ただ自分の胸が小さいと言われた(と思い込んだ)事による怒りがあった。
「Tリンクナックルー!」
R−1がグランゾンの胸部に飛び込んでいく。
(・・・そのエネルギーを今のグランゾンにぶつけるのか?この状況でッ!?)
「発射ー!」
「しねぇ!」
閃光。
そして亀裂。
R1のTリンクナックルがグランゾンの胸部にめり込み・・・行き場を無くしたエネルギーは・・・グランゾンの内部で発散された。
「ぐおおお!」
R1,グランゾン両者とも吹き飛ばされた。
意識が遠のく中、少女は思った。
(リュウセイ・・・)
シロッコも同様に意識が遠のいていた。
「意外だった。あんな作戦に出るとは・・・グフッ。」
そして、そんな激闘があったにも関わらずリュウセイは未だに眠り続けていた。
【リュウセイ・ダテ 搭乗機体:ARX-7アーバレスト(フルメタル・パニック)
パイロット状態:全身に激しい痛み、左腕を骨折、気絶中
機体状態:全身に損傷、ENほぼ空 右腕破損※エルマもオーバーヒートで、倒れています
現在位置:E-2 】
【マイ・コバヤシ 搭乗機体:R-1(超機大戦SRX)
パイロット状況:気絶
機体状況:G−リボルバー紛失。全身に無数の傷(戦闘に支障なし)
ENゼロ。バランサーに若干の狂い(戦闘・航行に支障なし)
コックピットハッチに亀裂(戦闘に支障なし) T-LINKシステム起動中
現在位置:E-2
第一行動方針:???
備考:精神的に非常に不安定】
【パプテマス・シロッコ 搭乗機体:グランゾン(スーパーロボット大戦OG)
パイロット状況:気絶
機体状況:内部機器類、(レーダーやバリアなど)に加え通信機も異常、右腕に損傷、左足の動きが悪い
胸部に亀裂 縮退砲使用不可
現在位置:E-2
第1行動方針:2人が起きるのを待つ。利用できない場合排除も考える
第2行動方針:G-6基地への移動
第3行動方針:首輪の解析及び解除
最終行動方針:主催者の持つ力を得る
備考:首輪を二つ所持、リュウセイとチーフの話を全て聞いていたため、かなりのことを知っています】
>>297 時間の項を
二日目22:30から>二日目23:00に修正します。
まとめの人、ご面倒をおかけします。
時間の項を
二日目 22:45分に修正します
304 :
それも名無しだ:
保守