「で、統夜、すまないのだが……」
アル=ヴァンがチラチラと視線を送る。
その先には。
「う゛………」
真っ青な顔をして口元を押さえるシャナ=ミア。
『絶望せよおおおぉぉぉをおををををぉぉををぉぉぉををををを!』
「くっそおおおおおお! やれってんなら、やってやるさ!」
脳内に響くヴォーダの呼び声を振り切るように叫び、
シャナ=ミアを抱え上げてトイレに向かう統夜。
その後ろでアル=ヴァンは申し訳なさそうに目を伏せる。
「ア〜ル〜=ヴァ〜ン〜、どぉ〜したのよぉ〜。
わらひの 愛 の こ も っ た 酒が飲めないっていうのぉ〜?」
もうしばらくは山猫さんの相手をするほかあるまい。
憂いは断った、あとは逝くのみ。
「…………」
トイレのドアノブが、壊れていた。
「数分前にフェステニアが破損させた。
アルコールの影響で力の加減が」
『絶望せよおおおぉぉぉをおををををぉぉををぉぉぉををををを!』
「うるさいうるさいうるさーいッ!」
折れそうになる心を必死に支え、玄関を飛び出す統夜。
空には月が煌々と輝いていた。
多分続く。
「夢」の精神コマンドが似合いそう
あと「祈り」とか「鼓舞」とか「戦慄」とか
そういえば、サブパイ補正は後何があるだろう・・・
SP回復とか?
復讐心とかついてたらやだな
機体や武器性能ではHP、EN、武器命中率、あと地形適応ぐらいか?
攻撃命中した相手の気力−2
208 :
それも名無しだ:2006/09/10(日) 20:10:54 ID:t/zHGTGP
獲得資金+経験値がUP
いわゆる『強運』
// :/:::::/::::::.!:::|:::: !::::::::、:::::::::::::::::、::ヽ::::::::ヽ
!|:::/::::::.!:::::::|:::∧::::|、::::::::!.、:::::::::::::ヽ: !:::::::::: !
i:l: ::|:/:::.!::::::ii|_:| ヽ:::!l\:::!'、\::::::::::::!::!::::::::::::.!
. |/l:::.!|, :::ヽ::::l'l:lヽ、ヽ:|l'´ヾr==ミ、:::::::|::|:::::::!::::: !
|::.!l:.!::::::lヽ|,==、 `' ヽ \:|:: !: ::: !::::::.! うるさいうるさいうるさい!
l/ `ヽ::|:::l , - 、 ll'::::!.l:::::.!:::::::.!
l`l::.!! l/ ̄ ヽ /.!::::.!:|::::::.!:::::::l
!::::.!.!ヽ ヽ ノ /::::|:::::|::.!:::::.!:::::::.!
.!::::| !::::.` ー 、._ ´ ,/ |::: !:::::|:::l::::::.!:::::::|
|:::::|.!::::.!:::::.!:::::::::`Г l-,|::::.!::::|::::::.!:::::::|
|::::::l':::::.!::::::|:::::_, -/} /:l:::::lー-: !:::::::.!
!::::::|:::::_!, .‐' ´.:.:.:!r- 、_ /.:.:.:!::::l// /`ヽ:: !
. |::::::|/ ヽヽ.:.:.:.:.:.lィーミ./.:. :.:.:.!:::.!/ / !::.!
. |:::::::! ヽ ヽヽ.:.:.:.ヽ / .:.:/ !::::| / |::::!
ああ、誰か張ると思ったw
まて、それよりもだな。
カットインは揺れ(オルゴンライフル
統夜のOPでは3人娘より控えm(オルゴンソード
カットインがあったとしても髪が揺れるか髪を掻き揚げるか位だと思うが
ぶっちゃけ揺れるほどn(ry
バカヤロウ、シャナ=ミアのカットインが入るのならそんな揺れる揺れないなんてのは関係の無い話なんだよ。
C3ベターマン勢で言うところのサクラの位置
サブパイでシャナのカットインが入るとしたら
重要なのはパイスー姿なのかドレス姿なのか、ということだ
……個人的には白のパイスーで
個人的にはカティアとメルアの中間的な大きさでかなる揺れるか
テニアよりも小さくてかわいらしく「ふるん」って揺れるのがいい
統夜と並んでカットインとかどうよ
コックピットを斜め上から移す感じで
統夜 :シャナ、あれやるぞ!
シャナ:はい!
二人 :インフィニティキャリバー!
とか・・・
携帯キャラ板のJスレ見てきた。
GJな職人さんのいるいいスレですね。
OGででるなら2周目以降の隠れキャラでもいいのでぜひサブパイとしてだして
欲しいですね。能力はオルゴンクラウド機能の強化とか。
>>215 だが主人公のカットインは私服と言う現実
220 :
それも名無しだ:2006/09/13(水) 00:18:47 ID:tNri8ro9
なんとー!!
>>219 統夜は上着脱いだだけなんだっけ?
カルヴィナはそのままだし。
統夜、シャナ、カティア、メルア、テニアの五人が乗り込むロボで
戦隊ロボ風なコクピット配置
>>222 戦隊ロボ風なら統夜が真ん中で左右に二人ずつという曰く言い難い状況になるのだが。
ハーレム合体だな。
戦闘前会話で敵が鬱になりそうだ
カルビ敵煽るの上手いし
統夜→主人公
シャナ→女王
テニア→妖精1
カティア→妖精2
メルア→妖精3
ジュア→「いい夢を見させてもらったぜ……」
フー→赤い髪の
アル→王子
カルビ→王女
総代→トカマク
アメリカ人で主人公機のお下がりを受けるのは誰ですか?
その配役だと最終面直前でフーが巨大化しますな
総代より強そ(ry
保守
>>200 >おかしいですよカルヴィナさん。wwwww
これイイ!!
OG参戦したら、統夜に言ってほしい。Vガンファンに叩かれるかもしれないが。
つ「きさまは電子レンジに入れられたダイナマイトだ!!
メガ粒子の閉鎖空間の中で分解されるがいい!!」
サブパイロットとしての能力は
SP回復とかSP消費ダウン(スキルパーツとの併用可)とか
経験値と獲得資金は2倍でお気に入りと幸運・努力合わせて最大4倍とか
自ターン開始時にひらめき、努力、幸運が自動でかかる
つまり予知強運がんばり屋
>>234 ひらめきはヤメレ、絶対サブキャラ3人ファンに叩かれるw
実際問題「命中0%に攻撃しない」仕様が無くなれば常時集中だけで十分鬼
それにSP10回復なんて付いた日には
ラフト限定、Fモード使い分けとか。
毎ターンランダムに敵一体の気力を−5とか
オルゴンキャノンFモードとかもしくは
3種類のFモードが全部使えるけど機体能力はそのままとか
サイトロンの出力が上がって物質再構成によるHP回復とか。
後、オルゴンクラウド発動の気力制限が120になるとか。
じゃあ、全能力値+10とEN消費減少の二つを提案するか
サイトロンを通じて相手の考えていることがわかるんだったけ?アルヴァンの記憶か感情だかをカルヴィナに伝えるときはどんな感じだったんだろ。
統夜がおにゃのこになる
>>241 アストラルサイドでの演出だからGXのティファがドームの精神を持っていたかのごとく光の玉と推測してみる。
・プリンセスメイカー
シャナ「アル=ヴァン、郷に入らば郷に従え、という言葉が統夜の国にはあるそうです。
なんでも自分の生まれた土地とは別の土地に入った時は、その土地の常識に従った方が
よいという教えだそうです」
アル「なるほど。敵を知り己を知れば百戦危うからず、とあの方も言っておられました」
シャナ「というわけで、この前日本に行った時に手に入れた品で木星の文化を学びましょう」
後日、統夜の家
統夜「ただいま・・・っと、あれ? お客さん? ・・・なんだルリちゃんか」
ルリ「どーも」
カティア「なんかお礼に来たって」
統夜「ああ、あのことか。予約するだけなら簡単なことだからなんでもないよ。
でも、ルリちゃんがわざわざあれを欲しいなんてどうしたの?」
ルリ「知り合いに欲しいという人がいたので」
カティア「あれって?」
統夜「ゲキガンガーの初回限定版DVD全話セット」
ルリ「士官昇進試験で手一杯だったので予約を代わりにしてもらいました」
統夜「で、頼まれたって誰?」
おわり
飲んでたお茶フイタ
ホシュ
そう言えば統夜ってさなんでシャナのこと忘れたんだろ。
せめて
シャナ「私ね昔君と付き合ってたんだ」
統夜「え?」
シャナ「覚えてないよね、記憶をいじられちゃって」
統夜「昔のことは思い出せないけど…」
みたいなやり取りがあっても良かったよな
>>247 フューリーの情報漏洩を防ぐためエ=セルダが意図的に忘れさせたんじゃないのかとか思ってみたり。
そうすればもう少しキャラも立ったんだがな。
ここは素直に
「統夜ちゃん……電波届いた?」
シャナに妹属性だと!
萌えるじゃないか!
>>253 アル=ヴァン従兄上様をお忘れか?
妹属性はフツーに持ってると思ってたが。
>>252 つまりアル=ヴァンは変t
テニアなら火の玉スパイクぐらい余裕。
だからカルビに千鶴役は無r
>>217 やべえ、そうなったら俺シャナ一択だよw
今北 ざっと読んだがクオリティタカスwww
幼馴染でお姫様なんておいしいキャラなんだから
もうちょい日が当たってもいいと思うんだけどねぇ
設定はあっても出番が少なかったのが難点かと。
この前買ったJガールズの同人誌でもオチにしか出てこなかった。
カティア「疲れたー」
メルア「もう歩けませんー」
テニア「ほらほら二人とも、情けないぞ!」
カティア「そんなこと言ったってー」
メルア「いくらハイキングって言っても、これじゃほとんど登山ですよ〜」
シャナ「それにしても統夜、何故こんな所にしたんです?」
統夜「ん、いや。何となくだけどさ。地図見てたらここがビビッと」
アル「電波か」
統夜「黙れ、付き人」
カティア「それにしたって、ちょっとハードすぎです、統夜」
メルア「あとどれくらいですか〜?」
統夜「確かあと1キロくらいで休憩場所があるはずだ」
カティア「ええ!? あと1キロも歩くんですか!?」
メルア「しんじゃいますよぉ〜」
テニア「日頃から運動してないからそーいうことになるの! 情けないなあ、シャナだって弱音吐いてないってのに!」
カティア「あれ? そう言えばシャナさん、どうしてそんなに疲れてないの?」
シャナ「は、はい? そ、それは日頃の行いがいいから……」
アル「…………む? シャナ様、その足下の……」
統夜「足下?」
シャナ「アル=ヴァン・ランクス! 婦女子の足をねめ回すとは、騎士の名が泣きますよ!」
アル「も、申し訳ありません!」
メルア「……今の反応〜。何か隠しているんですね〜?」
シャナ「な、何も隠しては……」
カティア「なーにーをー隠しているのーシャナさーん」
シャナ「カ、カティアさん、て、手つきが怖いですよ?」
統夜「ん? シャナ、なんだこのコード?」
シャナ「統夜! そ、それは……!」
アル「シャナ様。それはまさか、歩兵用の小型オルゴンエクストラクターでは」
テニア「小型オルゴンエクストラクター? 何、それ?」
アル「フューリーの一般兵士が宇宙での活動をするために使う、まあ音のしないブースターみたいなものだ」
カティア「へええ?」
シャナ「あ、あああアル=ヴァン・ランクス! 僭越ですよ! 控えなさい!!」
アル「いや、しかし姫様、こういったことはよろしくないと思いますが」
カティア「だから全然疲れてなかったのね!」
メルア「卑怯ですー」
シャナ「で、でも……」
統夜「ダメだよ、シャナ。ズルするのは良くない。どうしてもダメだったら俺かアル=ヴァンが背負ってやるから、ちゃんと自分の足で歩かなきゃ」
シャナ「すみません……」
テニア「統夜! もうアタシ一歩も歩けない!」
統夜「聞こえなかった」
テニア「ひ、ヒドいよ統夜……」
統夜「とにかく、これは没収。アル=ヴァン、どうやって外すんだ、これ」
アル「腰の脇にあるスイッチを押せばいい。赤いスイッチだ」
統夜「オーケー、これだな?」
シャナ「きゃあっ!」
統夜「ちょっと……シャナ!?」
テニア「統夜! 何やってんだ!?」
統夜「いや、俺は何も……うわっ!?」
シャナ「と、統夜、すみません。くすぐったくて……!」
――カチ
シャナ「え?」
統夜「何?」
アル「紫雲統夜、どのスイッチを押した?」
統夜「えーと……青」
アル「それは強制離脱スイッチだ」
――バシュウウゥゥ!!
統夜「うわあああああああ!?」
シャナ「きゃあああああああ!!」
メルア「……統夜さんたちが、まるで穴のあいた風船みたいに谷底へ……」
カティア「……って黙って見てる場合じゃないでしょ!? 統夜ーーーーっ!!」
アル「大丈夫だ。あれはどんなことがあっても使用者を守るように作られている。とは言え……」
カティア「なんなんですか!?」
アル「この高さを上ってくるだけの推進力は持っていないな。仕方あるまい、急ぎ休憩所まで向かって、本部に連絡をとろう」
カティア「統夜たちを置いていくんですか!?」
アル「ヘリを寄越してもらう。何かあっても統夜がいれば大丈夫だ。それに、ここにいても助けるのが遅くなるだけだが?」
カティア「……行くわよ! テニア、メルア」
テニア「さっきまでへたってたのに」
メルア「統夜さんならきっと大丈夫ですよ」
カティア「二人きりなのよ! 何か起こらないとも限らないでしょう!!」
テニア「え、そんな心配? ……大丈夫だと思うけど。統夜なんだし」
カティア「統夜なんてまだまだ子どもなんだから! 一時の感情に任せてってことも……!」
テニア「そうかなあ」
メルア「でも急いだ方がいいのはホントです」
テニア「うん、まあそうだね」
統夜「こんな所に家があるなんて。……表札は……朽ちていて読めないな。きっともう人もいないだろ」
シャナ「なんだかすごく懐かしい感じがするところですね……」
統夜「懐かしい、か。そうだな。昔ながらの家って感じだけど」
シャナ「…………」
統夜「ここ……なんだか来たことがある気がする」
シャナ「……!」
統夜「シャナ!?」
統夜「何処に行ったんだ、シャナ……うわっ!?」
――ドサッ
統夜「痛て……これは……ザフトの重金属粒子砲か。……道理で、随分荒れてる訳だ。ここも戦場になったんだな」
シャナ「統夜」
統夜「シャナ? 心配してたんだ。いったい何処に?」
シャナ「あっちに小川があるのです」
統夜「小川? シャナ、なんでそんなこと知ってるんだ?」
シャナ「統夜は……覚えていないのですか?」
統夜「覚えて? あ、シャナ?」
シャナ「行きましょう」
統夜「行くって何処に……。シャナ? 待てって」
統夜「ここは……」
シャナ「覚えていませんか、統夜。この景色」
統夜「俺は……ここに来たことがある」
シャナ「そう。そして約束をしたんです。三人で。この美しい景色を守ると」
統夜「約束。三人……?」
シャナ「私と、統夜。それから」
統夜「……母さんだ」
シャナ「思い出しましたね、統夜」
統夜「シャナと初めて会った年だ。そうか、だからここに来ようとしてたのか、俺は」
シャナ「あの時は、あなたのお父様が、私をここに連れてきてくれたのです。ずっとガウ=ラの中にいては気が滅入るから、と」
統夜「俺は母さんと、母さんの実家に帰っていた。そうか……ここが……」
シャナ「優しい方でした」
統夜「うん」
シャナ「統夜と私をここに連れてきてくれて」
統夜「ああ」
シャナ「統夜。私は約束を果たせませんでした。美しい景色を守るって。ここにまたみんなで来れるようにと約束したのに。ここも戦場になってしまって……」
統夜「シャナ、君のせいじゃない」
シャナ「……そうでしょうか」
統夜「それに……」
シャナ「…………?」
統夜「あの時の小川はまだ、こうして残っている。少し変わってしまったけど、俺たちには直せる。直せるはずだ」
シャナ「統夜……ええ、そうですね……」
統夜「そうだ。あの家、なんとか直せないかな? 掃除して少し修繕すれば、まだ使えそうだ。アル=ヴァンたちが助けに来るまでしばらくかかりそうだし」
シャナ「そうですね。それはとてもいいアイデアです」
統夜「そうと決まれば、戻って物置探してみよう。何か工具があるはずだ」
シャナ「はい。……統夜?」
統夜「ん、どうした?」
シャナ「もう一つの約束は覚えていますか?」
統夜「もう一つの約束?」
シャナ「……いえ、ふふ。何でもありません」
統夜「?」
シャナ「統夜、もう一つの約束を思い出したら、必ず私に会いに来てくださいね?」
統夜「今教えてくれないのか?」
シャナ「それより早く行きましょう?」
統夜「わ、シャ、シャナ。そんなに引っ張るなって」
統夜「うわー! すっげー!」
シャナ「ここを、見せてくださるつもりだったのですか?」
母「ええ。綺麗でしょう? 私のお気に入りの場所。シャナちゃん、気に入った?」
シャナ「はい!」
統夜「シャナ、あそこの川、おりてみようぜ!」
シャナ「あ、トーヤ、まって!」
母「統夜、シャナちゃん……」
シャナ「おばさま?」
母「この景色を守ってね。そしてできたら、あなたたちの子どもにも見せてあげて。地球はこんなに綺麗だって、ね?」
シャナ「おばさま……はい! わかりました!」
統夜「シャナー!」
シャナ「まってよ、トーヤ!」
統夜「シャナ。子どもってけっこんしないとできないんだぞ。そういうの、やすうけあいっていうんだ」
シャナ「やすうけあいってなあに?」
統夜「え? えっと……よく分かんないけど。できないことをやくそくすることかな」
シャナ「できないかな……でもシャナ、おばさまとやくそくしちゃった……」
統夜「な、なくなよ! えっと……そ、そうだ! じゃあシャナが大人になったとき、けっこんできてなかったら、ぼくがけっこんしてやるよ!」
シャナ「トーヤ? ホント?」
統夜「あ……ああ! もちろん!」
シャナ「"やすうけあい"じゃない?」
統夜「きしはいちどしたやくそくはぜったい守るんだ」
シャナ「……うん。じゃあシャナ、トーヤのおよめさんになる。トーヤ、ぜったいむかえに来てね」
統夜「シャナがけっこんしてなかったらだよ」
シャナ「トーヤがくるまで、ぜったいけっこんしないもん」
夢を、見ていた。
何も知らずにいられた頃。
己に課せられた業の重さに気付かずにいられた頃。
「エ=セルダさま〜!」
小さな体を優しく抱き留める大きな腕。
けれど、どこかその瞳は悲しげで。
やがて懐かしい面影はぼんやりと薄れていき、
穏やかな笑みを浮かべる少年へと入れ替わっていく。
「ん……統夜?」
「お早う、シャナ=ミア」
月夜に照らされた統夜の返事でシャナ=ミアの意識は覚醒する。
そして、統夜の笑顔の後ろに広がる星空から、自分の置かれている状況を理解した。
即ち、膝枕。
「○×#$%&=*+@―――――ッ!?」
パニックを起こして起きあがろうとした矢先、世界がぐにゃりと歪む。
転びそうになったところを慌てて統夜が抱き留め、ペットボトルを差し出す。
「はいはい、落ち着いて落ち着いて……」
「んっ……」
背中をさすられペットボトルの水を飲み込みながら、ぐらつく頭で状況を整理する。
直前まで膝枕されていたこと、統夜の家からここまでお姫様抱っこされていたこと、
そして先ほどとっさに抱き留められたことが脳裏をよぎり、思わず頬が熱くなる。
ええっと、他には……
「あらぁ〜紫雲君、また新しい娘? 駄目よぉ、男の子ならちゃんと責任とってあげないと」
「スイマセン、今はそれどころじゃないんで!」
「いらっしゃいま……うわ、やばいぞ統夜! 勘定は後でいいから水持ってけ!」
「恩に着ます!」
(ただいまお見苦しい映像、音声が流れております。ヴォーダで死合っている
ジュア=ムとゴステロの二人、及び総代の絶望を背景にお楽しみ下さい)
「よぉよぉ兄ちゃん、綺麗な嬢ちゃんつれてるじゃねえか」
「ナイトマスターよりウルズ6へ、トーン61番を頼む」
大 ・ 迷 ・ 惑 !
「ご、ごめんなさい……」
「いや、いいんだ。慣れてるから」
そう言う統夜は少し遠い目をしていた。
「そういえば、さっき寝惚けて父さんのこと呼んでたみたいだけど?」
「えっ?」
はっとなるシャナ=ミア。
「ええ……昔の夢を見ていました。
エ=セルダ様は、私にとっても父のような存在でしたから」
そう言って、シャナ=ミアは自分の故郷である月を見上げる。
幼い自分を抱きかかえる大きな体と、優しい笑顔。
時には、皇女に仕える騎士として。
時には、幼い自分を叱咤する父親として。
彼女にとって、エ=セルダ・シューンという存在は計り知れないほど大きなものだったのだ。
「……父さんって、どんな人だったの?」
「えっ?」
意外そうに目を丸くするシャナ=ミア。
「正直言って、覚えてないんだ、父さんのこと。
年に何度か帰ってくるだけで、両手で数えるくらいしか会った記憶がないから」
「あっ……」
統夜の寂しげな笑顔に含まれる感情に気付かぬほど、シャナ=ミアとて鈍感ではない。
エ=セルダが統夜の下へ帰れなかったのは、彼女にも原因がある……と言うよりむしろ、
フューリーの長たる彼女こそが最大の原因であったと言っても過言ではない。
統夜にしてみれば、色々と思うところがあるのは想像に難くない。
フューリア皇女シャナ=ミア・エテルナ、一生の不覚。
「ええ、是非。語りましょう、彼の騎士のこと―――」
微笑みと共に皇女が語るは、偉大なる壮年の騎士の物語。
時に優しく、時に厳しく己に人の上にたつべき者としての心得を授かったこと。
従兄から語られる、彼女の知らぬ大戦の幾多の武勇のこと。
総代騎士グ=ランドンと、昼夜を問わず己の騎士道について議論していたこと。
大きな背中に隠れる、彼の者の息子のこと。
覚悟と寂しさが綯い交ぜになった背中―――それが彼女が見た彼の最後の姿であったこと。
「……どうしたのですか、統夜?」
「えっ?」
話を聞くうちに、統夜は自然と口元が綻んでいるのを自覚していた。
一瞬、自分の考えを口にするべきか迷ったが―――
この際、正直に言ったほうが良いと判断する。満面の笑顔と共に。
「好きだったんだ、父さんのこと」
「えっ、ええっ!?」
思わず声がひっくり返り、両手が頬に行く。
その行動だけでネタは割れたようなものだ。
あまりに解りやすすぎる態度に、統夜は苦笑するしかない。
「私が、エ=セルダ様の事を……?」
まるで自分に問いかけるように呟くシャナ=ミア。
ほんの微かに残る、甘い胸の疼き。
恋と呼ぶにはあまりに幼く、淡い想い。
今となっては、ぼんやりと遠く霞む幻。
prrrrr! prrrrr!
幻想に浸る彼女らを現実に引き戻したのは、統夜の携帯電話の着信音だった。
真顔に戻って着信を受ける統夜。
「はい、もしもし……あ、宗介。状況はどうだ……了解した、これから戻る。(pi
落ち着いたみたいだってさ、戻ろうか」
「あっ、はい」
ベンチから立ち上がり、シャナ=ミアの手をとる統夜。
思わずどきりとして手を強張らせるシャナ=ミア。
そんな彼女の胸の内をを推し量ってか、統夜は悪戯っぽい笑みと共にこう切り返した。
「フューリーが姫君、シャナ=ミア・エテルナ・フューラ様。
僭越ながら妃殿下をエスコートする役目を申しつけ下さいませ。
騎士エ=セルダ・シューンが子、統夜・セルダ・シューンの下に」
恭しく、それでいてわざとらしく芝居がかった礼をし、シャナ=ミアの手の甲に口付ける統夜。
その一点の澱みもない動作に思わず息を飲むシャナ=ミアだったが、
すぐに呆れたように、そして少し怒ったように肩を竦める。
「もう、そんなこともエ=セルダ様の記憶から引っ張り出してきたのですか?」
「あはは、どっちかって言うと俺の趣味かな。
一回やってみたかったんだ、こういうの」
もう、と頬を膨らませるシャナ=ミア。
しかし、その顔はまんざらでもなさそうに綻んでいた。
そして、翌日。
「おさけののみすぎはいけませんよね」
「ハイ、スイマセン、ゴメンナサイ」
「いや、べつにおこってるわけじゃないんですよ?」
「ハイ、スイマセン、ゴメンナサイ」
棒読みである。
完膚無きまでに棒読みである。
眩いばかりの営業スマイルの統夜と、全力で尻尾を伏せて縮こまるカルヴィナ。
その笑顔からキラキラと輝く殺気が見え隠れしているのは気のせいではあるまい。
それが何よりの証拠には、三人娘はさっきから奥の部屋に引っ込んで出てこない。
その光景を見て、シャナ=ミアは思った。
この男だけは敵に回すまい、と。
271 :
姫様は思春期:2006/10/03(火) 12:36:50 ID:MzXb52ze
『レジャーパーク』
シャナ「統夜様、日本にはまだ王制が残っているのですか?」
統夜「王制? いや、そんなこと無いけど。なんで?」
シャナ「……今日出かけたとき、『姫』や『女王』という言葉を目にしたのですが」
統夜「たぶんテーマパークか何かの広告だろ、それ」
シャナ「そうなのですか……日本では鞭で打たれることがレジャーなのですね」
統夜「ちょっと待て」
『読書』
宗介「何故そんなことをするんだ? 俺には理解できん」
甲児「プレゼントだよ、プレゼント」
宗介「この書物を与えることがか?」
ボス「そうなのよん。俺らから統夜へのささやかなプレゼント。イッシッシ」
宗介「ならば直接与えればいいのではないのか?」
甲児「バカだなぁ。こういうのは机の中から出してみて、びっくりするのが楽しいんじゃないか」
宗介「……俺には理解できん」
シャナ「テニアさん、統夜様はどちらでしょう?」
テニア「今パン買いに行ってるよ。どうしたの?」
シャナ「統夜様に借りていた参考書をお返ししたいのですが……」
テニア「あ、じゃあ机の中に入れとけばいいんじゃない? 言っておいてあげるよ」
シャナ「そうですね、それではお願いします」
甲児「統夜ー俺たちからのプレゼント、受け取ったかー?」
統夜「何の話だ?」
甲児「またまたトボケちゃって」
統夜「相良、どういうことだ?」
宗介「すまないが、俺には理解できん」
統夜「?」
統夜「ただいまー。……ん? 鞄が置きっぱなしだ……テニアたちは部活だから、シャナのか? ……何だこの本?」
『月刊エロ天国』
統夜「!?」
gj!
なんだこの流れはGJ
274 :
それも名無しだ:2006/10/04(水) 11:03:09 ID:t4qdcS3F
>>271 翌日憤怒の形相で甲児とボスをマウントポジションでボコる統夜と
それを慌てて止めるシャナ姫を幻視した。
上げ
聞いた話だが、他の三人娘スレにはTTT、KKK、MMMというものがあるそうな
どういう意味だろう?
教えてプリーズ
トリニトロトルエンとクークラックスクランとマガジンミステリールポルタージュ
ちなみにSSSは突撃隊
とってもとってもテニアちゃん
きっっときっとカティアちゃん
もっともっとメルアちゃん
……ふむ……
Sから始まるいい感じの言葉……
好き好きシャナ=ミア姫
世界を面白おかしくするシャナ姫の団
略してSOS団
俺の中では
とってもチャーミーなテニアたん
可憐で綺麗なカティア姉さん
魅了する胸の持ち主メルアちゃん
清楚で素直なシャナ=ミア姫
284 :
それも名無しだ:2006/10/07(土) 23:54:09 ID:K0VQzqZl
ボケ担当 テニア
突っ込み担当 カティア
色気担当 メルア
客 シャナ=ミア、アル=ヴァン、絶望
シャナの旦那 紫雲統夜
>>280 なんかまぶらほに出て来そうな名前だなw
>>285 ブリッドが主人公の声優やったギャルゲ原作アニメじゃないのか?
原作ゲームはやったことないので作中にも出てくるのかはしらねーが。
んー・・・
>>清楚で素直なシャナ=ミア姫
それだ!!
Kキレる!
Kキレるよ!!
Kカルヴィナさん!!!
ってのも考えた
KKK団……
ヤバさが、まさに名が体を表してるな。
ひでー
空気読まずに投下
「なぁシャナ?」
二人きりの金曜の夜。
食後のティータイムと洒落こんでいたシャナ=ミアに統夜が声をかけた。
この二人きりと言うのがまたクセモノで、土・日・月と休みが続く三連休に、カティア・メルア・テニアの三人は千鳥かなめに料理を教わりに行った。
シャナ=ミアは都合とかより知り合いの、しかも一番身近な統夜の家に逗留しだして数週間。
どうやら統夜が酷く男性としての魅力に溢れていると気付き出した時期だ。
そんな事はおいておく。
シャナ=ミアがカップを静かに置くと、統夜が続いて口を開く。
「明日辺り、紅葉狩りに行かないか?」
「紅葉・・・狩り?」
この時シャナ=ミアの脳裏には、銛で紅葉の葉を貫き、『紅葉とったどー!』と叫ぶ某芸人の姿があったらしい。
「紅葉狩りってのは、秋に紅葉した木の葉を見て楽しむものなんだ」
「成程、それは風流ですね」
勘違いが具現化しなくて一安心のシャナ=ミア。
「ほら、あいつらが一緒だと紅葉狩りどころじゃないだろう?」
「確かに・・そうですねぇ」
「シャナ=ミアが嫌なら一人で行くけど」
「いえ、同行します統夜」
今は二人きりなんて本当に短い時間の話だ。
それが一日とは言え、デートまで出来るのだ。
シャナ=ミアは、柄にもなく鼻唄なんか歌いながら翌日の準備を始めた。
以下任せた
誰もレスしないから自分で続きを書いてみる
電車を乗り継ぐこと一時間、それからバスで二十分弱。
さして有名ではないが、統夜は昔父に連れてきてもらった山に到着した。
山は季節がらもあり、燃えるような紅一色に染まっていた。
懐かしさを含めた目でそれを見上げる統夜と、偉大なる感動に口が開かないシャナ=ミア。
二人は、一歩、また一歩と山へ足を踏みいれた。
「ここはね」
「どうしました統夜?」
「ここは、昔父さんに連れてきてもらった山なんだ・・」
「エ=セルダ様に?」
「あぁ。父さんは山が好きだった。人を愛していた。自然を愛していた。そして何より地球を愛していた、俺の自慢だよ」
「・・・解ります。彼の優しさ、強さはフューリーの誇りです」
歩く度、しゃくしゃくと音を立てる落ち葉。
日も優しく、風もない。
一年弱に渡る戦乱の後、これだけの平和な世界を守れたと統夜は誇れた。
「お従兄さま・・フー・ルー・・ジュア=ム・・・グ=ランドン・・多くの人を失いましたね・・」
「トールも・・バルザックも・・皆が何かを守るため、信念の元に命を落としました」
「だからこそ私は・・」
はらはらと紅葉が舞う。
静寂の時。
二人はだんまりしたまま、山の中腹辺りに辿りついた。
統夜がリュックからレジャーシートを取り出して、敷いた。
「紫雲統夜。私は、私には、貴方の力が必要なのです」
「俺にアル=ヴァンの代わりが務まるか?」
「貴方には・・」
シャナ=ミアが薄く微笑んだ。
日溜まりの様に、優しく暖かい微笑み。
「私の拠であって欲しい。泣きそうな時に励まして欲しい。楽しい時に共に笑って欲しい。・・・有限のこの命を・・・」
シャナ=ミアが統夜の顔を真っ直ぐに見た。
「有限のこの命の果てる時まで、側にいてほしいのです」
刹那、風が騒いだ。
統夜の口から漏れた言葉は何か―知る義は、ない。
グだグだです。
グダグダです。
シャナファンの方にはごめんなさいとだけ
捏造カプ?
うむ、GJなり
グゥレイトゥ!
>>この時シャナ=ミアの脳裏には、銛で紅葉の葉を貫き、『紅葉とったどー!』と叫ぶ某芸人の姿があったらしい。
何でんなもん知ってんの姫様
保守
298 :
それも名無しだ:2006/10/16(月) 12:25:30 ID:3AAo7B8U
(*ノωノ)
なんで伸びないんだよこのスレ!
だってよ!だって!「幼馴染み」で「お姫様」よ!?
三人娘にも劣らない萌えポイントじゃないの!
残念ながら描写が圧倒的に少ないんだ