スパロボキャラバトルロワイアル

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663シンジ、覚醒:2005/10/07(金) 18:57:02 ID:fSaxyh5q
ジリジリと下がる大雷凰。シンジは逃げ出したいという一念で後ろを向き走り出そうとする。
「踊ってもらおうか・・・!機体が朽ちハテるホどニなァ!!」
射出されるガンスレイブが大雷凰を取り囲む。
「ハハハハハハハハハハハハ!!」
あるものはビーム砲を放ち、またあるものは噛み付くように体当たりを仕掛けてくる
たどたどしい足取りで避けようと動く大雷凰
逃げたい、ここから逃げたい、訳のわからない殺し合いを何で自分はしているんだろう?
様々な気持ちがゴチャゴチャに廻る。
足が被弾し倒れこむ。機体にダメージはないがパイロットの心が限界だった。
(逃げたい、逃げたい、逃げたい・・・!)
まるで獲物を追い詰めるのを楽しむようにディスアストラナガンが歩いてくる。
(死にたくない・・!)
どうにかならないかと周りを見回す。そして、倒れているゼンガーを見つけた。
(あの人は・・・)
彼を見捨てて逃げようと自分はしていた。また他人のことなんて見えてなかった。
ゼルエルのときに自分が思ったことも思い出した。
静かに立ち上がる大雷凰
「逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ・・・」
「逃げちゃ駄目なんだ!!!」
664シンジ、覚醒:2005/10/07(金) 18:57:48 ID:fSaxyh5q
システムの声が聞こえる。
「正規パイロットに登録。OSカスタマイズ。システムLIOH起動」
(エヴァで考えていたことをそのままやるんだ!)
「うああぁぁぁーっ!!」
プラズマコンバータを展開し、紫電を走らせ大雷凰が駆ける!!
グングン縮まっていく距離。ガンスレイブが対応するより速く、鋭く、
駆ける駆ける駆ける!!
そして、雷光の拳がディスアストラナガンに炸裂する!
吹っ飛ばされるが空中でバランスをとるディスアストラナガン。
殴ったところは大きく陥没しているが、嘲笑も変わらない。
相変わらず巨大な負の念がドス黒く渦巻いている。しかし・・・・
「逃げちゃ駄目なんだ!もう絶対に逃げ出さない!」
665それも名無しだ:2005/10/07(金) 19:30:47 ID:YW5a4Shl
停電、データ消失。
666狂気の舞踏会:2005/10/08(土) 01:06:24 ID:ouLlHGIv
「フハハハハッ!どうしたダイモス!逃げてばかりでは私に勝てんぞ!」
ポジトロンライフルを連射する、エヴァンゲリオン初号機のコックピットの中で、狂気に酔った三輪防人が叫ぶ。
「竜崎一矢!この手で貴様を殺すことができようとはな!クハハハハハハハッ!」
殺し合いという極限状態のためか、それとも生来殺人者としての気質があったのか、単純に竜崎一矢への憎しみからか、
歓喜に満ちた三輪の思考に、ダイモスのパイロットが竜崎一矢以外の人間である可能性などなかった。

「シンジのくせに!シンジの分際で!シンジごときが!」
それはダイモスの中で、やはり狂気に取り付かれたアスカも同じだった。
遭遇時に互いが互いに攻撃を仕掛け、通信回線すら開くこができ無かったせいで、誤解が溶けようはずも無かった。
だが、ダイモスはパイロットの狂気とは裏腹に一定の距離をとって、散発的な攻撃をするにとどまっている。
遭遇直後にダイモシャフトがATフィールドではじかれてからは、決して接近戦を仕掛けようとはしなかった。
「手も足も出ないとはこの事だな竜崎一矢!」
どんな攻撃だろうともフィールドがあれば防げる、つまりは負けない。
そう考えた三輪にとって、これは戦闘ですらなく自分が楽しむ為の処刑でしかなかった。だが、
「でもいいわ、もっともっと調子に乗りなさい。もう少し…もうすぐ…もうちょっと…フフフ」
劣勢であるはずのアスカの声に、狂気ではなく愉悦が混ざった。

「チッ、弾切れだと?」
撃ちつくしたポジトロンライフルをすて、エヴァ用拳銃を構える。
「ん?…くっ、くっくっっくっ、ハハハハハハハハハ!!」
笑わずにはいられなかった、ポジトロンライフルを捨てたことを確認したダイモスは、愚かにもダイモシャフトを掲げながら、
エヴァに向って突撃してくるではないか。
「馬鹿め!例え弾が切れたとしても、貴様の攻撃は効かん事にかわりない!」
走ってくるダイモスに向って拳銃を乱射する、だがろくに狙いも定めずに撃ったためほとんど当たっていない、
「チッ、これの弾もつきたか。まあいい、八つ裂きにしてからコックピットから引きずり出してくれる!
 すぐには殺さん!できるかぎり痛ぶりながら処刑してくれる!」
拳銃も投げ捨て、プログッレッシブナイフを構える。
667狂気の舞踏会:2005/10/08(土) 01:08:04 ID:ouLlHGIv
「何だと!?」
突撃するダイモシャフトをATフィールドで受けようとした瞬間、視界からダイモスが消える。
「何が起こったというのだ!?」
驚愕する三輪の背後で、この戦闘の勝利者が決まった。

背後で何か巨大なものが着地する音、いや、この場合ダイモス以外ありえないだろう、その音を聞いた三輪が急いで
振り向くと、そこには双竜剣でケーブルを切断したダイモスの姿があった。

「ほ〜んと、シンジって馬鹿ねぇ」
初めにダイモシャフトで切りかかったときケーブルが見えた、どういう理由かは解から無いがこの初号機にはS−2機関
は搭載されていない、ならばケーブルを切断すればこちらの勝利だ。
しかし、簡単にケーブルを切らせてくれるわけが無い。そこで突撃するとみせかけ、ダイモシャフトを棒高跳びの棒にみたて
エヴァを飛び越えたのだ。突撃時に危険な存在となるポジトロンライフルは、それまでに撃ち尽くさせて置く、そうすれば
エヴァ用拳銃では(マニュアルを信頼すれば)ダイモスの装甲では大した傷にはならず、安心して接近できる。
もっとも、ライフルを撃ち尽くさせたのには、他にも訳がある。
「ホント、信じられないくらい馬鹿よね。フフフ、アハハハハハハハハハハハ!」

(はやく新しいケーブルをつながなければ!)
このままでは、なぶり殺しされると判断し全力で逃げさる三輪、だがアスカのダイモスはそれを追おうとはしない。
「あらあら、そんなに慌てちゃって、情けないったらありゃしないわね。
 そんなに急いで逃げたら、どこに電源があるかすぐにわかっちゃうじゃない。そうか、シンジは本物の馬鹿だったわね」
もとよりこうすれば電源に向う事は解かりきっている。
そしてポジトロンライフルを撃ちつくした以上、電源そのものを破壊する事はたやすいという事も。
「まあ、どんなに馬鹿でもすぐにそれ位気付くわよね?でも心配しないでね、シンジはもっともっと怖がらないといけないでしょ?
 だからすぐに行くなんてそんなツマンナイ事はしないわ、しばらく待っててあげるから、私が行くまで震えてなさいよ?フフフ…」
668狂気の舞踏会:2005/10/08(土) 01:09:18 ID:ouLlHGIv
一時間後、エヴァが逃げた後を追って電源を見つけたアスカは、信じられないものを見た。
「何よ、それ…」
それはエヴァの死骸、
「どうしてよ!」
エントリープラグは破壊されている。
「シンジは私が殺してあげなきゃならないんだから!シンジを殺していいのは私だけなんだから!」
ダイモシャフトをエヴァの死骸に突き立てる、
「誰よ!誰がやったのよ!」
何度も何度もダイモシャフトでエヴァの死骸を切りつける、
「許さない!許さない!許さない!許さない!」
すでにただの肉片となったエヴァを切り刻みながら叫ぶ、
「殺してやる!殺してやる殺してやるころしてやるコロシテヤル!!」
そこに有るのは、人の形をした殺意だった。

惣流・アスカ・ラングレー 
搭乗機体:ダイモス(闘将ダイモス) 
現在位置:F-6
第一行動方針:目に付いた機体の破壊とパイロットの殺害
最終行動方針:碇シンジを殺害した者を抹殺

【時刻:17:00】
669狂気の舞踏会:2005/10/08(土) 01:11:57 ID:ouLlHGIv
「おのれ竜崎一矢!この私をコケにしおって!」
電源ユニットの前で激昂する三輪。ケーブルを刺し一安心したとたん、今までの恐怖が怒りに変わる。
「たっぷり苦しませてから殺してやる!産まれてきた事を後悔させてやる!」
「物騒な事よ」
「なっ!誰だ!?」
唐突に降りかかった声に、うろたえる三輪、
「殺気を感じて来てみたが。どうやら貴様は、このくだらん遊戯に乗った口のようだな」
「どこだ!姿をあらわせ!」
「この、馬鹿者が!ワシはここだ!ここにおる!」
一際大きなその声の方向、電源の上に4メートルにも満たないロボットが佇んでいた。
「貴様!何者だ!」
「貴様のような悪党に、名乗る名など無い!だが冥土の土産に教えてやろう…
 我が名は東方不敗、マスターアジア!そしてこの機体は零影よ!」
「マスターアジア?クククッ、私を冥土に送るだと?馬鹿め!そんな小さな機体で何ができる!」
そう叫ぶや否や、エヴァと比べて余りに小さい零影に襲い掛かる、だが
「おのれ、ちょこまかちょこまかと!」
「フハハハハハハ!どうした?どうした?」
凄まじい速度で動く零影に、三輪はまったく反応できない、
「隙だらけだぞ?せいや!」
音も無く刀を抜きさり、切りかかる零影、
「何!?」
だが、零影の斬撃はATフィールドに弾かれた、
「はっはっはっ、どうだ。このATフィールドの前では、そのような機体の攻撃など、掠り傷一つ付けることはできん!」
ATフィールドで攻撃を弾き返した事により、三輪が余裕を取り戻す。
(そうだ、負けない。負けるはずが無いのだ。この鉄壁の防御があれば私に恐れるものなど何も無い!)
670狂気の舞踏会:2005/10/08(土) 01:13:01 ID:ouLlHGIv
「だからお前は阿呆なのだ!そのようなバリアなど紙屑同然!」
「何!?」
(まさか、こちらの想像以上の武器が有るのか?)
あまり自信に満ちた言葉に危機感を覚える三輪、だが帰ってきたのは予想だにしない答えだった。
「その程度のバリア等、我が流派東方不敗の技の前では、役に立たん事を教えてくれる!」
「技だと?馬鹿が!どんな強力な武装がでてくると思えば、脅かしおって!」
「馬鹿かどうかはその身をもって知るが良い!」
そう叫び、構えを取る零影、
「ハッハッハッ、すこしはやるかと思えば、ただのボケた老人か。やれるものならやってみるが良い!」
三輪はATフィールドを完全に信頼していた、普通に考えれば、当然の事であろう。
「おうよ!ならばしかと受け止めるが良い!」
ただ相手が三輪が考えている以上に普通で無いことに、
「これが流派東方不敗!」
この時は気づきようもなかった。
「超級!覇王!電影弾!!!」

「馬鹿な!こんなことが!?」
ATフィールドが10分の1にも満たない大きさの機体の体当たりに、完全に押されていた。
「こんな事が!こんな事があるわけが無い!!」
信じられなかった、いままでバズーカやビームでさえ完全に防いできたATフィールドが、今まさに破られようとしている。
「そんな!私はこんな所で死」
その言葉がいい終わらぬうちに、零影はATフィールドを突き破り、エヴァとエントリープラグを貫いた。

「爆発!!!」

671狂気の舞踏会:2005/10/08(土) 01:14:47 ID:ouLlHGIv
「ウルべ以外にこの様な輩が…いや、この者だけとは限らぬか」
破壊したエヴァの残骸を見ながら、最初に集められた場所に年端の行かぬ子供がいた事を思い出す、
「ならばワシがやるべきことは」
決意とともに歩みだす、
「結局は修羅の道か、だがそれもよかろう」
空を見上げる
「なあ、ドモンよ」

三輪防人 
搭乗機体:エヴァンゲリオン初号機 (新世紀エヴァンゲリオン)
パイロット状況:爆発!!!
機体状況:ミンチ

東方不敗
搭乗機体:零影(忍者戦士飛影)
パイロット状況:健康体
機体状況:良好
現在位置:F-6から移動中
第一行動方針:ゲームに乗った人間とウルベを倒す
最終行動方針:打倒主催者or脱出


【時刻:16:20】
672戦う前から既に負け犬:2005/10/08(土) 05:29:11 ID:zHid4Tq5
「ええいっ! 邪魔だ、このッ……!」
『テヤンデェ!』『ミトメタクナーイ!』『ハロハロハロハローーーー!』
 コクピットを埋め尽くすハロ軍団を押し退けてヴィンデルがパイロットシートに座る事が出来たのは、実に三十分後の事だった。
「はぁ……はぁ……な、何故だ……何故私がこのような目に……」
『ボウヤダカラサ』『エゴダヨ、ソレハ!』『シュウセイシテヤルー!』
「だぁっ! やかましいわっ、おのれらっ!」
 理不尽に対する苛立ちが、ヴィンデルの神経を刺激する。その結果、普段は絶対に使わない言葉が彼の口から迸った。
 だがまあ、それも無理はないだろう。これまでシリアス一辺倒で生きて来た人間に、これは辛い。
 ……ヴィンデルの名誉の為に言っておくが、最初は彼もハロをコクピットから排除しようとしたのだ。
 しかし、それは無理な話だった。いくら必死になって捨てようとしても、ハロはコクピットから出ようとしない。
 それどころか、ヴィンデルが力ずくでハロを捨てようとすると――
『ミエルッ!!』『ソコカァッ!!』『オチロッ!!』
「ぐはぁっ!?」
 逆に、しっぺ返しを食らわされる始末。
 まるでヴィンデルの敵意を察知したかのように、ハロ軍団が総勢で攻撃を仕掛けてくるのだ。
「お、おのれ……!」
『ジュウネンハヤイ!』『ガイシュウイッショクトハコノコトカー!』『ワリキレヨ、ナ!』
 だが、ヴィンデルは諦めない。
 果て無き闘争の世界を望む人間が、逃走してはいけないのだ。
 逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!
『ヤメテヨネ。ボクガホンキヲダシタラ、ヴィンデルガカナウワケナイダロウ?』
「どやかましいわぁっ!」

 ……そして、パイロットシートに腰掛けてから更に三十分後。
『ヤッターーーー!』『アンタハイッタイナンナンダー!』『コンバインOK! コンバインOK!』
「…………もう、許して」
 ハロの放棄を完全に諦めた、哀愁漂う男の姿がそこにはあった。


【ヴィンデル・マウザー ZGMF-X09A・ジャスティスwithハロ軍団
 パイロット状況:健康、めっちゃ脱力
 機体状況:損傷なし、ただしコクピット内がハロで埋め尽くされている
 現在位置:B-5
 第一行動方針:ハロをどうにかしたい
 第二行動方針:アクセル、ラミア・ラヴレスとの合流
 最終行動方針:戦艦を入手する】

【時刻:13:15】
673黒の交錯:2005/10/08(土) 09:53:34 ID:BgFRcg7B
「ルストトルネェェェド!」
機体のすぐ横を荒々しい竜巻が通り抜ける。気が吹き飛び、砂塵が巻き上がる強力な威力。
その高い機体性能のおかげでなんとか攻撃を避け続けているものの、プレシア=ゼノキサスにとって
今の状況は悪夢以外の何物でもなかった。
「お願いです!こちらは戦う積もりなんてないんです!だから攻撃をやめ・・・きゃぁっ!」
外部スピーカーをONにしてまるで悪魔のような姿をした機体に向けて必死で呼びかけたが、
その台詞が終わる前に跳んできたミサイルがグランゾンの装甲を直撃する。
しかしミサイル程度ではグランゾンの装甲には傷一つつかなかった。改めてその装甲の厚さに驚嘆しつつ
プレシアは顔を伏せる。
(グランゾンの力・・・それは目の前で父を奪われたあたしが一番分かってる。速く、強い。ディアブロなんかと比べ物にならない)
プレシアの父――ゼオルート=ザン=ゼノサキスは剣皇と称される程の腕の持ち主であった。マサキや自分を守る為に戦ったとはいえ
その彼を労せず葬ったこの機体、グランゾンの性能はまさに悪魔の如きものなのだ。
偉大なる父の血を引くプレシア自身、魔装機を駆る腕はかなりのものがある。マサキに反発して家出した時の修行が
彼女の素質を実力へと変えた。グランゾンを動かそうと思えば、実際さして労することもない――はずなのだ。
しかし、プレシアの細い腕はグランゾンを操ることに恐怖を覚えていた。例え唐突に現れた魔神に一方的に攻撃されていたとしても。
(もう・・・いいかな。死んじゃったって。こんなゲームに参加するぐらいなら・・・)
そうプレシアが諦念に身を任せようと考えると同時に前の機体から愉悦を含んだ声が上がる。
「つまらないなぁ、もう壊しちゃっていいの?折角手を抜いてあげたのに!壊すよ?壊すよ?
タァボスマッシャァァパンチィィ!」
魔神の両拳が発射され一直線にこちらへ向かってくるのを見ながら、プレシアは目を閉じた。
(ごめんね、お兄ちゃん、お父さん・・・)
しかしいつまで経っても衝撃が襲ってこない。おそるおそる目を開けると、そこには黒い機体が身を躍らせていた。
674黒の交錯:2005/10/08(土) 09:55:32 ID:BgFRcg7B
身体が咄嗟に動いていた。悪魔の如き姿形の機体から放たれた両拳に対して思わず横腹から体当たりを食らわせたのだ。
回転しながら跳ぶ拳は強力な破壊力を持っていることが簡単に想像できたが、横からの攻撃には全く弱い。
軌道はそれ見当違いの方向へと飛んでいった。ガルド・ゴア・ボーマンは軽いため息をつく。間に合った。

イサムの為なら何をも厭わぬと誓ったものの、彼と会い方針を聞かなければどうしようもない。
そう思ったガルドは高機動型ブラックサレナの速さに任せ戦場をひた走っていた。いくつもの戦いを横目で見たが、彼にとっては関係ない。
しかし何故か今回は無意識のうちに戦闘に介入していた。高い索敵能力があるのか、映像と音声だけは拾っていた、そのせいか。
まだ年端もいかないであろう女の声、そして凶器に満ちた哄笑。決して戦おうとしない少女の機体。
戦わざる相手に向けて容赦の無い攻撃を浴びせていた自らの姿を知らない内に思い出していたからなのかもしれない。
そう行動の理由を冷静に分析しながらも、ガルドは再びため息をついた。あの魔神の“ご機嫌”を損ねる行動を取った以上、
奴との戦闘は避けられない。進んで殺すつもりはないが、イサムの為に動く前に殺されるつもりは毛頭ない。
(そうと決まれば先手を取る!)
魔神に向かって突進しながら、素早く青い巨躯を硬直させている機体への通信を開く。
「大丈夫だ、お前は逃げろ」


突然入ってきた通信から聞こえてきたのは落ち着いた男の人の声。プレシアはその冷静な言葉の響きに包まれるような思いを抱いた。
自分を助けてくれた人。そしてわき目も振らず悪魔のような機体へと突進していった。何故そんなことをしてくれるんだろう?
プレシアの問いに彼が答えるはずもなく、その黒い体が敵へとぶつかる。大きく軌道を逸らされた両拳が戻ってきていない所への体当たりに
魔神はなすすべも無くぶっ飛ばされた。すぐに尻尾をはためかせながら体躯を翻してバランスを崩した所に再び突進。
エネルギーフィールドらしきものを張って体当たりしているらしく、相手のダメージはかなりのものに見える。
逃げろ、そう言われたことをプレシアはようやく思い出した。しかし身体がその命令を拒否している。助けてくれた人に任せて逃げる。
そんなことはできない。できるはずがない。立ちふさがって、この忌まわしき機体に命を奪われた父の姿を思い出す。
戦う勇気はとても無かったけど、このまま逃げることなんてできない、そう思ってプレシアは操縦桿を握る。
眼前では三度目の体当たりによって魔神がとうとう大地に倒れていた。と、そこにやっと両拳が戻ってくる。
それと同時に魔神から禍々しき気が立ち上る様が見えた。
「てめぇ、よくもやってくれたなぁ!許せるか?許せねぇよなあ、こんなことされたらよぉ!」
体当たりによって生じた傷が次々と塞がっていく。傷が勝手に塞がるなんて!
どうしようもなく嫌な空気を感じたプレシアは、未だ開いていた回線に向かって叫んだ。
「早く逃げて!あの機体は危ない!」
プレシアの必死の叫びが聞こえたのか、黒い機体はこちらへ向けて直ぐに方向転換する。
「逃げるのは、お前もだ」
再び男の声。こんな緊迫した状況なのに、プレシアは思わず元気良く答えた。
「はい!」


段々と獲物が遠ざかるのを見ながらラッセル・バーグマンは唇を噛み締めた。傷がふさがるにはもう少し時間がかかる。
「だが、あの黒い奴は俺の手で殺す。この屈辱、忘れるわけにはいかない・・・!」
立ち上がり、直ぐに後を追おうとした時、スピーカーが音を拾った。
「お前は戦闘を望まぬ相手に対して攻撃を仕掛けていたようだな。その卑劣な所業、特別指導する」
675黒の交錯:2005/10/08(土) 09:56:53 ID:BgFRcg7B
【プレシア=ゼノキサス 搭乗機体:グランゾン(スーパーロボット大戦OG)
 パイロット状況:健康 ちょっと安心している
 機体状況:良好
 現在位置:D-2から南東に向けて移動中
 第一行動方針:マジンカイザーから逃げる
 第二行動方針:ガルドについていきたい
 最終行動方針:決めていない】


【ガルド・ゴア・ボーマン搭乗機体:高機動型ブラックサレナ(劇場版ナデシコ)
 パイロット状況:良好(自分の行動にやや戸惑い)
 機体状況:良好
 現在位置:D-2から南東に向けて移動中
 第一行動方針:プレシアを見守る?
 第二行動方針:イサムの障害の排除(必要なら、主催者、自分自身も含まれる)
 最終行動方針:イサムの生還】

【ラッセル・バーグマン :マジンカイザー(サルファ準拠)
 現在位置:D-2
 第一行動方針:ブラックサレナを壊す
 第二行動方針:すべてを壊す
 最終行動方針:生き残る】

【チーフ 搭乗機体:テムジン747J(電脳戦機バーチャロンマーズ)
パイロット状況:良好(怒っている)
機体状況:良好
現在位置:D-2
第一行動方針:目の前の機体を特別指導する
第二行動方針:ゲームからの脱出(手段は問わない)
備考:ハッターに気付いてはいるが、探す気は無し。また、チーフは機体内に存在】

時刻【15:30】
676明日はこっちか?:2005/10/08(土) 14:52:49 ID:GNS1LD2y
「タイヤの跡、だと?」
ボールを溶解させてから、バク・ニューマンはひとまず森に潜伏しつつ移動していた。
そのとき見つけたものがこれである。土に印された2条の轍は、どうみても自動車の走った跡であった。

(もしや、バトル族のマシンロボの類か? 追ってみるか・・・)

跡をたどり始めてすぐ。バクは草むらに本が落ちているのを発見した。
何気無しに拾ってみると、どうやら機体のマニュアルのようである。機体名は、「ブライサンダー」。
本を開いたバクは、思わず爆笑しかけた。その記述を信じるのなら、その機体は紛れもなくただの自動車である。

「くく、ずいぶんとはずれを引いた奴もいたもんだなぁっ。これじゃあ奪う価値もねぇ」
そう言いつつも一応最後まで目を通すバク。ただの車だって、ロボットに変形しないとは限らないではないか。

そしてバクは、それに気が付いた。後ろから2ページ目、これでもかというくらいに小さく、目立たなく記された一文。

[巨大ロボットへの変形機構あり。キーワードは、『ブライシンクロン・アルファ』『ブライシンクロン・マクシム』以降の操作は機体のコンピューター参照のこと]

それを見たバクの表情は、少しづつ笑みへと変わっていった。
「これなら奪ってやる価値もあるなぁ? 車のまま移動してるんなら奪うのも簡単そうだな!」

まずパイロットをこの毒手の犠牲にする。そんな妄想に浸りつつバクは駆け出した。


【バグ・ニューマン 搭乗機体:なし
 パイロット状態:良好
 ブライサンダーのマニュアル入手
 現在位置:C−6
 第1行動方針:ブライサンダーを奪う。
 最終行動方針: 生き残る。 】
677明日はこっちか?:2005/10/08(土) 14:54:48 ID:GNS1LD2y
すいません、時間記入忘れ。

【16:00】
678覚 −mezame−:2005/10/08(土) 18:45:46 ID:UunWGhn/
立ち並ぶ朽ちたビル、その一つに彼、ベターマン・ラミアはいた。
ゲーム開始早々襲い掛かってきたB・Dとの戦闘でベターマン・ネブラへと変身し、体力を消耗した彼は、
相手の着ていたパワードスーツ、ボン太君を身につけ、ビルに身を隠し眠りについた。


「・・・」
スーツの中で目覚めるラミア。
これからどうするべきか、それはもうリミピッドチャンネルで得た情報で決まっていた。
(元凶なりし力…)
彼自身ユーゼスがおこなうゲームに興味は無かった、だが彼のリミピッドチャンネルがそれを、
人間がアルジャーノンと呼んでいるモノの存在を感じている。
アルジャーノンの発生、それの意味するものは、
(再び産まれたのか・・・カンケルが)
カンケル、ベターマンに対しベストマンと呼ばれ、人を「人類を越えた新たな人類」、「完全なる個体」
へと進化させた結果生まれる生命体。
「完全なる個体」、故にカンケル以外の生命に意味は無く、カンケルはカンケル以外の生命を駆逐する。
「・・・」
今の己にカンケルに対抗できるオルトスの実は無い、だからといって逃げるわけには行かない、
カンケルはカンケル以外の全ての命の敵なのだから。
「・・・」
まずはカンケルを探しながら、アルジャーノンに発症したものを滅ぼす、うまくいけばフォルテの実が
手に入るかもしれない。フォルテの実が三つそろえば、カンケルに対抗できるオルトスに実が生成できる。
「ふもっふ!」
アルジャーノンの気配の方向へ、ラミアは走り出した。


ラミア 搭乗機体:ボン太君スーツ(フルメタルパニック! B・Dからルート)
パイロット状態:良好
機体状態: 良好(血まみれ、赤いがシャア専用ではない)
現在位置:D−4
第1行動方針:アルジャーノンが発症した者を滅ぼす
第1行動方針:オルトスの実を生成する
最終行動方針:カンケルを滅ぼす
備考:フォルテの実 残り1個 アクアの実 残り2個 ネプラの実 残り3個

【時刻 17:30】
679不信と決意:2005/10/09(日) 04:31:02 ID:fwvw6mWg
 砂漠の中をはしる一筋の道を、三つの影が移動している。
「でも良かった・・・ラト、貴方が無事で」
「ゼオラこそ無事で良かった。・・・アラドも大丈夫だよ、きっと」
 先を行く二機の機体には、楽しげに会話する少女たち。
「・・・・・・・・・」
 そして、その後を追う紺色の機体には老齢の男性が乗っている。
彼、タシロ・タツミは殺し合いという現状に、激しい憤りを感じていた。
あの場に居た参加者たちの中には、彼女らのような少女・少年達が大勢、混じっていた。
(彼らを、殺し合わせてはいけない・・・)
タシロは心の底からそう思う。
 確かに自分の指揮していた艦にも、うら若き少年少女たちが居た。
地球を守るためとはいえ・・・未来ある若者たちに、辛い戦いをさせていた。
だが、こんな馬鹿げた『ゲーム』を強制するなど到底、許すことは出来ない。
「止めねばならん・・・」
 そう、この命が尽きるような事になっても・・・だ。
ただ、その決意とは別に、タシロの胸には一つの不安が存在していた。
と、突然前方の機体から通信がはいる。
「タシロさん、聞いてますか?」
 それは銀髪の少女からの通信。
彼は思考を中断させると、二人に聞いてなかったことを詫びた。

「いえ、大丈夫です。それで、ラト・・・ラトゥーニと話し合ったんですけど・・・」
 銀色の破壊神の中で、
「東の廃墟を経由して、ハイウェイ沿いに南へ移動しませんか?」
 機体と同じ色の髪を持った少女は、
「廃墟に誰か隠れてるかもしれませんし・・・」
 自らの本心を隠し続ける・・・
(アラドを早く見つけなきゃアラドだったらどこかに隠れるはずアラドだったらきっとそうする)

「うむ・・・私も、その意見に賛成するよ」
 タシロは少女達の言葉に同意しつつ・・・彼は胸の内での不安を大きくさせていた。
その不安とは先程出会った少女へむけたもの・・・
有体に言えば、その少女――ゼオラ・シュバイツァーに対する不信感であった。
 無論、少女の恋人を思う気持ちは本物のように感じる。
ただ、彼女の機体につけられた傷と、言動の矛盾。
(その後に、少女は殺戮者に襲われたと説明していたが・・・)
なにより、艦長として幾つもの修羅場を潜ってきた、自分の軍人として勘が・・・
彼女の目つきに、態度に、言葉に危険だと警鐘を鳴らしているのだった。
(いかんな・・・仲間を疑って、どうする・・・)
タシロは軽く頭を振ると、少女達に続いて東へと移動を開始した・・・
680不信と決意:2005/10/09(日) 04:31:36 ID:fwvw6mWg



【タシロ・タツミ 搭乗機体ヒュッケバインmk-3ガンナー(パンプレオリ)】パイロット状況:良好
 機体状況:良好(ゼオラに不信感)
 位置:B-1から移動開始
 第一行動方針:湖の廃墟を経由して南へ
 第二行動方針:ラトゥーニ、ゼオラと協力しつつ仲間を捜す
 最終行動目標:ゲームから可能な限りのプレイヤーとともに生還
        (いざというときは、自分が犠牲になる覚悟がある)】

【ラトゥーニ・スゥボータ 搭乗機体V2アサルトバスターガンダム(機動戦士Vガンダ)】
 パイロット状況:良好
 機体状況:良好
 位置:B-1から移動開始
 第一行動方針:湖の廃墟を経由して南へ
 第二行動方針:タシロ、ゼオラと協力しつつリュウセイとアラドを捜す
 最終行動目標:ゲームから可能な限りのプレイヤーとともに生還】

【ゼオラ・シュバイツァー 搭乗機体:ゼオライマー(冥王計画ゼオライマー)
 パイロット状況:身体には異常なし
 機体状況:左腕損傷大、次元連結システムは問題無し
 現在位置:B-1から移動開始
 第一行動方針:湖の廃墟を経由して南へ
 第二行動方針:タシロ、ラトを利用してアラドを捜す
 最終行動方針:アラド以外の排除(利用可能な者は最大限に利用)】

【時刻:14:00】
681それも名無しだ:2005/10/09(日) 10:31:48 ID:ZNMsiaXU
十字路に着いて、とりあえず十字路の右に行ってみるリュウセイ。すこし行くと
「ウルトラマンのカラータイマーが欲しい!!」とか壁一面に書いてあった。
今度は左に行くと妙な鷹のマークの壁画と「ショッカー万歳!」と大きく壁に書いてあった。
仕方ないから十字路の最後の一方に行ってみる。
「おっ、今度は当たりか?」
そこには蒼い粒子を光らせながら渦巻く水のようなものがあった。
奥にはうっすら「旅の扉 経過3時間」と書いてある。
とりあえず少し触ってみようとフェアリオンの手をそれに突っ込んだ瞬間!
「う、うわあああああ!?」
フェアリオンはどこかに引きずり込まれた・・・・・・・

ズシーン・・ズシーン・・
重低音を響かせながらビッグオーが歩いている。
確かにビッグオーの移動速度は速いとはいえない。しかしもう日も暮れだしているが、
遠くで爆発音はしてもまったく誰にも会わない。
実はこれクォヴレーにやったのと同じで嫌がらせだ。その名もユーゼスマジック。
参加者の最初の、本当に最初の行動は無自覚的にイングラム以外の方向に進むようにしていたのだ!!
ユーゼスの考えたゲームに影響しない程度では究極の嫌がらせである。
さらに人は戦闘のような緊張状態が2,3時間続いたあとはボーっとして日頃出さない本音が出たりするものだ。
「こういう場所を散歩したいものだな・・・」
普段聞けないイングラムのどこか抜けた独り言が首輪を通して聞こえてきた。
戦艦内で仮面の下にストローを通してビールを飲みながらニヤニヤするユーゼス。
さっきから聞こえてくる独り言をつまみに酒をチビチビ飲んで楽しんでいるのだ。
ユーゼスの飲んだ量がビール瓶3本になったころだろうか、
突然ビッグオーの前に光が集まり・・・・光から妖精のような可憐な機体が現れた。
咄嗟のことで一瞬あせるイングラム。しかし相手も同じ様子のようだ。
「く、いきなりかよ!来るならきやがれ!!」
通信を通して聞こえる声はよく知っているものだった。
「リュウセイ?」
「え!?その声は・・・・イングラム教官?」
そしてユーゼスはコップを地面に叩きつけた・・・・・・・・
682それも名無しだ:2005/10/09(日) 10:35:43 ID:ZNMsiaXU
【リュウセイ・ダテ 搭乗機体:フェアリオン・S(バンプレオリジナル
 パイロット状態:良好
 機体状態:良好
 現在位置:G-1
 第1行動方針:仲間を探す
 最終行動方針:無益な争いを止める(可能な限り犠牲は少なく】


【イングラム・プリスケン 搭乗機体:メガデウス(ビッグオー)(登場作品 THE BIG・O)
 パイロット状態:良好
 機体状態:良好
 現在位置:G-1
 第1行動方針: 最後まで勝ち残る
 最終行動方針:ユーゼスを殺す】

683それも名無しだ:2005/10/09(日) 11:06:14 ID:ZNMsiaXU
あ、時間は4時45分です
684生きる意志1:2005/10/09(日) 11:39:08 ID:2JvmMAtm
 どれほどの距離を飛んだだろう。気が付けば、眼下の景色は岩山から平原へと姿を変えていた。
アラドは、モビルアーマー形態のエピオンを停止させてサブモニターに目を走らせる。
モニターに移るのは後方、自分が飛んできたルートの向こう。
「リョウトさん…」
やはり戻ろうかと思い、その考えを頭を振って打ち消す。
今戻ったら、リョウトが続けている孤独な戦いを無駄にすることになる。
彼を信じようと思い、再び前へと進む。
 岩場に比べれば低いとはいえ、ミノフスキー粒子濃度はまだ高い。
そのため、なんとか生きているレーダーはほとんど使い物にならない。また、メインカメラが壊れているため
サブカメラからの情報だけが頼りとなる。そしてアラドは、再び進み始めても後方を気にすることを止めない。
 だから、すぐには気が付かなかった。
 左手側から襲ってきた衝撃で初めて、アラドは赤く染め上げられた機体の接近に気が付いた。

 メガ粒子砲の直撃を受けたモビルアーマーは傾ぎ、失速していくのが目に見えて分かる。アムロはスラスターをふかし
高く飛び上がると、ビーム・ショットライフルのトリガーを二度引く。一発目で姿勢を立て直した敵機の軌道をふさぎ、二発目はスラスターに向けて
正確に飛んでいく。当たる、とアムロは確信した。
 しかし、その銃弾は敵機の真横をすり抜ける。モビルアーマーではできないような微細な動きで回避されたのだ。
「そんなっ!」
アムロは目を見開き、敵機の動きを見つめる。モビルアーマーだったはずの機体が、モビルスーツへ変形を遂げていた。
そして、そのモビルスーツの姿は、アムロを驚嘆させるに十分だった。
「ガンダム…! でも、僕が乗っていたガンダムとは随分違う」
そう思ったとき、敵のガンダム―エピオン―はこちらへと一直線へ向かってくる。
「くっ、相手がガンダムだからって! やってやるっ!」
言いながら、アムロは再びメガ粒子砲をチャージしつつビーム・ショットライフルを構えた。

685生きる意志2:2005/10/09(日) 11:40:22 ID:2JvmMAtm
「やめろっ、こちらに戦意はないっ! 俺はアラドだ、アラド=バランガっ!」
呼びかけても、相手は攻撃の手を止めない。名前に反応しなかったということは、ゼオラが乗っているとは考えにくい。
「くそっ、こいつも問答無用かよ」
相手の的確かつ素早い攻撃をなんとか避け、ヒートロッドを振るう。狙いは相手のライフルだ。熱をまとって伸びる鞭は真っ直ぐに伸びていく。
しかし、相手はそれをサイドステップで回避する。そのまま腕を思い切り右に振る。ヒートロッドが荒々しい動きで赤い機体―サザビー―を
追う。サザビーは真上に跳躍し、それを避ける。
「こいつ、速い!」
エピオンは強引な動きで腕を振り上げて追撃をしようとしたとき、サザビーの腹部にある輝きに気が付く。
大振りな動作をしたため、まともな回避行動は不可能。そのまま体勢を立て直さず、スラスターを全開にして横っ飛びに飛ぶ。
「おわぁぁっ!」
なんとか直撃は避けたものの、着地に失敗して右肩から地面に突っ込むことになる。衝撃がコクピット内を襲い、アラドの体が激しく揺さぶられる。
「つぅ…っ」
頭部に痛みを感じる。メット越しにとはいえ、頭に受けた衝撃は小さくはない。額がじりじりと熱を伴った痛みを訴えてくる。
その痛みを堪え、アラドはエピオンの破損状況をチェックする。ディスプレイに表示された破損箇所を見て、息を飲む。
「ちくしょう、左脚部とヒートロッドが吹っ飛んじまったか」
呟いたとき、目に不快感を感じた。熱い何かが目に入ったのだ。そしてその何かはゆっくりと落ちて口に入る。
鉄っぽい味が舌に広がる。血だった。自分が血を流している。その事実は、アラドに死の足音を強く実感させる。
 少し前、ヴァルシオン改と戦ったときと同様の想いがアラドを支配する。死への絶望。恐怖。そして。
「死ねない…! 俺はっ!」
その身をを囮にして逃がしてくれたリョウトのために。自分を待っているゼオラのために。
生きたいという強い想い。それ込めて叫ぶ。そうやって負の感情をすべて押し流そうとして、アラドは吼える。
 瞬間。0と1の数字がメットを埋め尽くす。
 エピオンは一瞬で、予測演算を終えた。

686生きる意志3:2005/10/09(日) 11:41:28 ID:2JvmMAtm
『うおぉぉぉぉぉっ!』
開かれた回線から、目の前の敵の雄たけびが聞こえる。再び浮上したエピオンは、緑色の輝きを放つビームソードを構えて突撃をかけてくる。
「憎しみや怨念じゃない。この感じは、もっと純粋な…」
相手の生きようとする想いを、アムロは感じ取る。その想いはとても純粋で、強さを持っている。しかし
「僕だって同じだ。生きて帰るんだ、みんなところにっ!」
その想いはアムロとて同じだった。そして、その想いをサザビーは受け止める。
バックパックに搭載されたファンネルが飛び立ち、迫りくる敵へと向かっていく。ファンネルが向かう先、エピオンの損傷度をアムロは確認する。
「あのガンダム、メインカメラがやられてるようだな。なら、これも効果的に使えるはずだ」
アムロは呟くと、別のトリガーを引く。射出されたものを見てから、スラスターに光をともした。

 飛んできた6基のファンネルは、エピオンにまとわりつくと執拗な攻撃を加えてくる。
あるものは正面から、あるものは回り込んでビームを撃ってくる。それを、アラドは無駄のない動きで回避する。
加速と制動を繰り返し、巧妙にビームの嵐をすり抜ける。
「このっ! 邪魔すんじゃねぇよっ!」
巨大なビームソードを大きく薙ぎ、一振りで3基のファンネルを切り払う。その隙に、残りの3基のビームを受ける。
スラスターの一部と左腕部が吹き飛ぶ。コクピットに伝わる強烈な振動を無視し、無理矢理加速をかける。
サザビーの姿を近くに捉えると、アラドは頭に描き出される無数の可能性に対応するように動く。
ビームソードを勢いに任せて振りぬく。その途中で出力を引き上げ、リーチを伸ばす。
しかし届かない。
サザビーは大きく下がり、それを回避していた。同時に、こちらに放たれたものを確認する。
ビームの銃弾を見切り、投げられた大きなシールドを斬り飛ばす。ファンネルの銃撃を右肩と右脚部に受けるがそれを無視し、赤い機影を追う。
見つけた機影は、いつの間にかこちらとの距離が離れていた。そちらに向けてスラスターを全開にする。
破損したスラスターは、自らが放つ衝撃に耐え切れず自壊を始める。
「届け、届けっ」
後ろからビームの砲撃が迫りくる。アラドはモニターを見ることなく、自壊を続けるスラスターに鞭打ってそれを避け続ける。
「届けぇぇぇぇっ!!」
ビームソードの出力を最大まで上げる。長大な刀身を思い切り振り下ろす。
赤い影は回避の素振りを見せないまま真上から両断され、爆ぜた。その手ごたえのなさに、アラドははっとする。
「ダミー!?」
 慌てて背後を振り返る。
 すぐ側に、サザビーがビームトマホークを構えていた。それは確実に、コクピットへと向かっている。
巨大化させたビームソードでは、この近い距離では迎撃が出来ない。スラスターは、既に言うことを聞かなかった。
回転し、蹴り飛ばしてやろうと思うが、両足がすでに破損していることに気が付く。 
 サザビーの動きが、やけにスローモーションに感じられた。
 それに反し、思考速度は落ちない。
「ゼオラ、ごめん…。俺、今度こそ…」
ゆっくりと、ビームトマホークが動く。背後から、装甲が溶ける音と嫌な臭いがする。
「約束、守れなくて、ごめんな…」
 そして、アラドの意識は真っ白く塗りつぶされて、途切れた。

「ひとつ…」
ゆっくりと落ちていくガンダムエピオンの姿を、アムロは見下ろしていた。残ったファンネルがサザビーのところに戻ってくる。
重厚な音を立てて地に伏したガンダムから、あの強い意志はもう感じ取れない。それは、敵パイロットの死を意味していた。
アムロは肩で息をして、呟く。
「生きるんだ。生き残ってやる…」
そして、アムロは再び移動を開始した。さながら、赤い悪魔のように。

【アムロ・レイ 搭乗機体:サザビー(機動戦士ガンダム 逆襲のシャア)
 パイロット状態:疲労
 機体状態:シールド、ファンネル3基破壊。他無傷
 現在位置:B-7からB-6へ移動中
 第1行動方針:目立つ動きを取って敵を釣り出す
 最終行動方針:ゲームに乗る。生き残る】

【アラド・バランガ 搭乗機体:ガンダムエピオン(新機動戦記ガンダムW)
 パイロット状態:死亡
 機体状態:大破(ビームソード使用可)
 現在位置:B-7】

【時刻:15:40】
687修羅と囁きと〜マイ〜:2005/10/10(月) 04:28:43 ID:+O9B3pAP
空が青い。
殺し合いなんてウソの様に晴れ渡っている。
「リュウも…この青い空を見ているのかな…?」
自分と同じ空を彼も見ていると思うと少しだけ、気が楽になる。
そう思いマイはこの何処までも広がる空をR−1越しに見つめつづけていた。
688修羅と囁きと〜フォルカ〜:2005/10/10(月) 04:29:15 ID:+O9B3pAP
風が気持ちいい。
殺し合いなんてウソのように心地よく頬に風が当たる。
「だが…こうしている間にも…戦いを望まない人が修羅と化す…」
自分と同じ様に心地よい風を感じている人々が殺し、殺される。
そう思うとフォルカは自分の無力感に押しつぶされそうになる。
「…俺は修羅王に言ったんだ…殺しあわなくても人は生きていけると!!それを証明してみせると!!」
自分が乗る機械仕掛けの飛竜のスピードを上げる、心地良かった風が、今度は痛みに変わって行くのが分かる。
689修羅と囁きと〜マイ〜:2005/10/10(月) 04:30:21 ID:+O9B3pAP

「…!?」
R-1のセンサー音により我に返るマイ。
自分の直ぐ近くに自分の下へ近寄る機体が居る事を示している。
「…敵?…けど…!!」
殺し合いをする気で自分に接触を試みるつもりなのかもしれない。
逆に向こうも戦闘を好んでいないのかもしれない。

どちらにしても兎に角接触を試みなければ始まらない。
G-リボルバーの安全装置を解除して、センサーが示す地点をモニターに移す。
「…これは…竜?」
そこには、大空を駆ける、美しい白竜が写されていた。
690修羅と囁きと〜フォルカ〜:2005/10/10(月) 04:31:38 ID:+O9B3pAP

この会場に入ってから初めて自分以外の機体を見た。
やはり…と言うか自分の機体は他の機体に比べ小さい。しかも今の形態では生身を晒しているというトンでもない状態。
そう、フォルカは思った。
「無闇に接触を試みるのは危険か…?」
だが、話してみなければ分からない。
本当は通信機で話す事が出来ればいいのだが、この機体には元々通信機がついなかったのか、外付けのお世辞にも使えるとは言い難いレベルの通信機しかついていない。
ある程度まで近寄らないと音声通信を聞くのさえままならない状態だ。
「…そうだな…」
向こうの射程ギリギリだと言うところまで近寄り、その上空をグルグルと回りだす。
そうやって敵意は無いと言う意思表示をする事にした。
691修羅と囁きと〜マイ〜:2005/10/10(月) 04:32:15 ID:+O9B3pAP

「…敵意は…無い…のかな?」
距離を置き、自分の周りをグルグルと飛びつづける飛竜、攻撃するのならばとっくに攻撃をしているだろう。
しかし通信回線はオープンにしているのだが、反応は無い。
「どういうつもりだろう…罠…?けど…ウグッ!!」
そう悩んでいるマイに突如激しい頭痛が襲い掛かる。
『何をためらっているのだ?ここは殺し合いの場なのだぞ…?』
そして、頭の中に響く、地獄の使者の声。
「ううっ!!うあ・・あああ!!」
『ごらん、あの邪竜を…お前が近寄るのを待っている、お前の命を食らおうと待っている…さあ…』
頭痛は止まらない、囁きも止まらない。
「ああっ!!あああああ!!!」
『そう…お前はそれでいい…あの邪竜はお前の命を狙っているんだよ…?さあ!引き金を!!』
安全装置を外したG−リボルバーを飛竜に向ける。
「ああああ!!う…ぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」
そして 引き金を 引いた。
692修羅と囁きと〜フォルカ〜:2005/10/10(月) 04:32:49 ID:+O9B3pAP


今まで動きが無かった相手の機体から放たれる弾丸。
自分の機体のサイズが幸いしてか、その弾丸は間一髪のところでエスカフローネの横にそれる。
「くぅっ!!此方は闘う意思は無いのに!!!!」
今まで飛竜として運用していたエスカフローネ、それを人型──戦闘モードにする。
そして、相手──R−1に向かい剣を構える。


「ならば!!近寄って…」


フォルカは駆ける、敵意を向けているR-1に向かって。

693修羅と囁きと〜マイ〜:2005/10/10(月) 04:33:31 ID:+O9B3pAP

『ほらごらん?邪竜が本性をあらわした…ホラごらん?あの禍禍しい姿を…アレはお前を死へといざなう悪魔の使い…』
囁きがマイを惑わす、地獄の使いの囁きが。
「うわぁあ!!うわ!!く、くるなぁぁぁぁぁああああ!!!」
その囁きの目論見どおり、マイは狂ったかの様に人型になった飛竜に向け、弾丸を放つ。
ただ、サイズが小さすぎて中々当たらない。
「来るな!来るな!来るなァアァァァ!!」
狂った様に、そう、正に悪夢に魘されているかのように打ちまくる。
その内の一発が相手の機体の剣に当たる。
その衝撃で、唯一の武器と言ってもいい、剣が中を舞う。
だが、それに怯まずに尚自分に近寄ろうとする機体。
「な、何で止まらないの!!」
『それは悪魔の使いだからさ…さあ、早くアイツを倒してしまえ…』
「うわ!来るなあぁぁぁ!!う、うわぁぁぁぁぁぁあ!!」
694修羅と囁きと〜フォルカ〜:2005/10/10(月) 04:34:15 ID:+O9B3pAP

「ちぃ…腕が痺れる…!!」
このエスカフローネ、機体のダメージを操縦者にダイレクトに伝えるマシーン。
先ほど剣で受けた弾丸の衝撃が自分の腕に直接来る。
「だが…もう少し、もう少しなんだ!!」
もう少し近寄れば通信機の有効範囲に付く。
「うおおおおお!!」
弾丸の嵐を避けながら機体に近寄っていく。
通信機が使える距離まで50…40…25…20…15…
「はぁぁぁぁぁぁあっっ!!真!!覇・光・拳!!!」
そして、相手の機体──R−1のG−リボルバーに向けて閃光を放つ拳を放つ。
リボルバーは空中を舞う。
そして通信を開ける。
「聞いてくれ!!俺は!!戦うつもりは!!無い!!!」
695それも名無しだ:2005/10/10(月) 04:35:25 ID:+O9B3pAP

『聞いてくれ!!俺は!!戦うつもりは!!無い!!!』
今まで反応が無かった通信機が反応する。だが、マイはもうそんな事は関係は無かった。
「ウソを付くな!!来るな!!来るなぁあ!!」
機体からゴールドメタリックナイフを取り出し、近寄ってきたエスカフローネに向け、それを放つ。
『本当だ!信じてくれ!!君と戦う気は無い!!』
「ならば!!それを証明してみせてよ!!」
元々接近戦は余り得意では無い方のマイ、ナイフの攻撃はいとも簡単に避けられる。
「私に…証明させて見せてよ!!」
そして、再び頭の中で囁きが聞こえる。

『そうだ…お前に殺されると言う形でのみしか証明できないんだよ…』

と…
696修羅と囁きと〜フォルカ〜:2005/10/10(月) 04:36:28 ID:+O9B3pAP

「証明…か…難しい事を言ってくれる…」
このまま逃げるという選択肢はあった。それはとても楽で、一番確実な手であった。
だが、フォルカはその選択肢はしなかった。
通信の様子を見るに、怯え、錯乱する少女を投げて置いたら確実に誰かが死ぬ。あの少女の手によりやられるか、それともあの少女がやられるか。
フォルカは思う。ならば修羅王ならどうする?
修羅王なら間違いなくこの少女を自分の手で倒すという選択をするだろう。
その業を自分で背負う。そうする事で悲劇の連鎖を自分で止める。
先ほどのナイフ捌きを見たら、接近戦ならば自分に部がある。不可能ではない。
しかし、フォルカはその選択肢も選ぶことは無かった。

「修羅王!見ているか!これが俺の証明の仕方だ!!!」

誰に言うわけでもなくそう叫んだ後、その場から離れ、エスカフローネを飛行型に変身させた。


「誰も戦わなくてもいい、戦わなくてもいい道を探すと!!俺は修羅王と約束したんだぁぁぁぁ!!」
697修羅と囁きと〜マイ〜:2005/10/10(月) 04:37:38 ID:+O9B3pAP
「くぅ!何で!何で私を殺そうとする!何で!!」
再び飛竜型に変形し、R−1に近づいていくエスカフローネ。
「くそう!!来るな!来るなぁぁぁぁっ!!」
頭部のバルカンを飛竜に向けて放つ。
だが、怯まない。
「と、止めを…止めを刺しにくる!!」
早くあの飛竜を止めないと、そう思いセンサーを調節する。

そこには

信じられない物が写っていた。

「…ア…あ…!?」

飛竜の首元に、先ほど通信していた男が立っていた。

先ほどのバルカン方がかすったのか、頬に血を染めながら。

両手を広げ。

此方を見据えて。

立っていた。

バルカンの雨を恐れず。

敵意が無いと言わんばかりに。

両手を広げ。

何も言わずに。

立っていた。

698修羅と囁きと〜フォルカ〜:2005/10/10(月) 04:38:19 ID:+O9B3pAP

バルカンの雨が止む、そしてR-1の動きがピタリと止む。
賭けに成功したようだ。
正直危険な賭けだった。
幾ら修羅界で鍛えた体といえど、バルカン1発でも食らえば無事ではすまなかった。
だが、これしか方法は思いつかなかった。
実際、数発は肩や頬を掠めていった、それだけなのに血が止まらない。

「分かって…くれたか…」

そしてそのままR-1に近寄り、その肩に着陸する。
それに答える様にR-1のコクピットが開かれる。

そのコクピットの中には、先ほど通信していた一人の少女が座っていた。
先ほどみたいに錯乱した様子は無く、ただ疲れたかの表情をしていた。
そして、フォルカの姿を見た後。
「…リュウ…」
と、呟いた後、ふっと椅子に倒れこんだ。
「お、おい…!?なんだ…気を失っただけか…」
そう、ほっと肩を撫で下ろす。
さて、これからどうするか…
戦いを何とかしたいのは確かだが、このままこの少女をほっておくわけには行かない。
そして、自分も怪我の治療をしたい。
「どこか…休めるところを探すか…」
そう呟くと同時に、気を失っている少女を抱え、怪我をしているとは思えないスピードで廃墟の中で休める所を探し出した。

699修羅と囁きと〜マイ〜:2005/10/10(月) 04:38:53 ID:+O9B3pAP

まどろみの中、声が聞こえる。

あの仮面の男と、私が何かを喋っている。

何を話しているんだろう…分からない…聞こえない…

ただ…私がここに来た理由が…色んな人が…ここに来た理由が…そこにある気がする…




【マイ=コバヤシ 搭乗機体:R-1(超機大戦SRX) 
 現在位置: E-1 廃墟内
 機体状況:G−リボルバー紛失
 第一行動方針:気絶してます。
 第二行動方針:仲間を捜す(リュウセイ優先)
 最終行動方針:ゲームを脱出する
 備考:レビ状態かどうかは次の書き手さんにまかせます】


【フォルカ=アルバーク 搭乗機体:エスカフローネ (天空のエスカフローネ)  
 パイロット状況:頬、右肩、左足等に多数の負傷(戦闘には余り支障無し)
 機体状況:剣に相当のダメージ
 現在位置:E-1 廃墟内
 第一行動方針: 怪我の応急処置、目の前の少女が目を覚ますまで松
 最終行動方針:殺し合いを止める 】
700かくして勇者は地に墜ちる 1/2:2005/10/10(月) 04:46:06 ID:uZ9GGzIB
「・・・キラ・ヤマトといったか・・・そのまま両手を頭部に当て、機体を停止させろ」
「そ、そんな事できるわけないじゃないですか!」
 目の前に佇む巨体。そこから発せられた要求にキラ・ヤマトは憤った。
だが、それにも構わず男は言葉を続ける。
「悪いが、敵対の意思がないと言われて
 そうですかと信じるほど、こちらはお人好しじゃないんでな」
「て、鉄也よぉ、そんな言い方しなくても・・・」
「ボスは黙っていろ」
 テツヤと呼ばれた男は、連れの言葉にも耳を貸さず強い口調を緩める様子はない。
キラは少しの逡巡のあと・・・諦めたように手を頭に当てた。
「・・・これでいいですか?」
「機体を停止させろと言っている」
「そ、それはいくらなんでも、やりすぎだわさ」
 テツヤのあまりの言葉に相方――確かボスとかいったか――がたしなめに掛かるが、
あまり効果がある様子はない。
キラはゴッドガンダムの内部で溜息をついて空を仰いだ。
そして・・・キラは広がる青空の一点に『それ』を見つけた。
「おい、誰が動いていいと言った。これ以上動くと、攻撃を開始するぞ」
 男の言葉の最中にも、黒い影はだんだんと大きくなってゆく・・・そして・・・
「鉄也よぉ、いい加減にしないと・・・」
 その言葉を遮るようにして、黒い機影から発せられた攻撃が三人のいる場所を襲った。


「ななななな、なんなんだわさ!」
「・・・くっ!」
 突然の攻撃。鉄也は軽く舌打ちすると土ぼこりの舞う中、上空に向けてサウルガイザ―を放つ。
無論、こちらの攻撃に応じるように、相手からの反撃が襲い掛かった。だが・・・
(多方向からの同時攻撃!? 敵は複数か!)
四方からの同時射撃。予想範囲外の攻撃にガイキングの装甲が削られてゆく。
「ボス、無事か?」
「そ、装甲に穴があきそうだわさ!」
 その言葉に、鉄也は再び舌打ちする。このままでは、数に押し切られてしまう。
「ボス、ここは危険だ。退くぞ!」
「さっきの奴はどうするんだわさ!?」
 鉄也は一瞬、言葉に詰まる。上空の敵に気を取られて、すっかり忘れていた。
あの機体の機動性なら無事だと思うが・・・まさか、この攻撃で・・・
「うあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
 その時、鉄也の思考を停止させるかのごとく、白い煙を裂いて彼は姿をあらわした。
701かくして勇者は地に墜ちる 2/2:2005/10/10(月) 04:46:56 ID:uZ9GGzIB
 読みは完璧だった。上空の機体の攻撃により、あの男は明らかに混乱していた。
そして、攻撃による粉塵は確実に相手の視界を奪っている。
「うあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
 キラは雄たけびを上げながら、戦車のキャタピラを蹴り、跳躍。
手にしたビームサーベルを、相手の胸元に突き立てる。
そして、そのままもう一方のビームサーベルで、相手の右腕を斬りさいた。
 モビルトレースシステムを通じ、確かな手ごたえを感じたが、それを省みることはしない。
キラは相手の機体の、竜のような胸元を蹴りつけ・・・
その反動でサーベルを引き抜くと、土煙の中へと消えた。


「糞ッ!」
 してやられた・・・戦闘のプロである、この自分が・・・
「だ、大丈夫なのか、鉄也?」
 ボスの言葉に舌打ちしながら鉄也は怒鳴る。
「いいから、さっさとこの場所から離脱しろ!」
 彼に言われるまでもなく、ダイタンクは全速で北へと向けて離脱し始めていた。
(キラ・ヤマト・・・貴様だけは許さん・・・)
その振動に揺られる剣鉄也の目には、憎悪の光が宿っていた。



 煙がはれ・・・眼下に何も存在しないことを確認したクルーゼは、
忌々しそうに首を振り、放っていたガンスレイブを自機へと戻した。
「MS一機すら壊せないとは・・・ディスアストラナガンよ!
 貴様の憎しみはこの程度ではないだろう!もっとだ!もっと憎しみを!」
 そう言って、狂ったような笑い声を上げるクルーゼ。
逃げていった機体の一つに、仇敵であるキラ・ヤマトが乗っていた事にも気づかず・・・
狂気に囚われた男はいつまでも笑い続けていた・・・
702かくして勇者は地に墜ちる 3/3:2005/10/10(月) 04:47:58 ID:uZ9GGzIB
【キラ・ヤマト 搭乗機体:ゴッドガンダム(機動武道伝Gガンダム)
 パイロット状況:良好
 機体状況:損傷軽微
 現在位置:D-3から逃走中
 第一行動方針:安全な場所への逃走
 第二行動方針:自分の安全の確保
 最終行動方針:生存】

【剣鉄也 搭乗機体:ガイキング(後期型)(大空魔竜ガイキング)
 パイロット状況:良好、キラ・ヤマトに憎悪の念
 機体状況:装甲が中破、胸部に穴、右腕を切断
 現在位置:D-3から逃走中(ダイタンクの上にガイキングは乗っている)
 第一行動方針:安全な場所への逃走
 第二行動方針:キラ・ヤマトへの復讐
 最終行動方針:主催者の打倒】

【ボス 搭乗機体:ダイターン3(無敵鋼人ダイターン3)
 パイロット状況:良好、鉄也が心配
 機体状況:装甲が中破(ダイタンク形体)
 現在位置:D-3から逃走中(ガイキングを上に乗せている)
 第一行動方針:安全な場所への逃走
 最終行動方針:主催者の打倒】


【ラウ・ル・クルーゼ 搭乗機体:ディスアストラナガン(第3次スーパーロボット大戦α)
 パイロット状況:良好、苛立ち
 機体状況:良好
 現在位置:D-3上空
 最終行動方針:参加者全ての抹殺】

【時刻:14:00】
703修羅と囁きと〜補足〜:2005/10/10(月) 04:51:10 ID:+O9B3pAP
【時刻 16:00】
704近くて遠くて:2005/10/10(月) 14:06:20 ID:dnCpYQpI
「では、頼んだぞフォッカー君」
「任せてください、司馬先生」
ゲームを終らせるために協力する事になったロイ・フォッカーと司馬遷次郎の二人は、移動の際にあえて
平原を移動し、アルテリオンは上空、ダイアナンは地上を行く事にした。

「君は上空で警戒していてくれ、原因は不明だがセンサーがあまり役に立たないこの状況では、
 目視のほうが頼りになる。平原を進めば、めったに奇襲されるという事もないだろう」
「しかし、司馬先生。それでは貴方が危険なのでは?東の森を進んだほうが良いと思いますが」
「いや、それは逆だよフォッカー君」
反対したフォッカーを、遷次郎は生徒に講義でもするかのように話しかける。
「確かに森の中を進めば発見はされにくくなる、しかし君の機体は森の中では性能を十分に生かす事は
 難しいだろう。それに私とはぐれ無いように、比較的低空の飛行になってしまう分、対空攻撃を受けやすい。
 その場合、相手には君が丸見えだが、君は相手を補足できないという状況になりかねん。
 私の機体は見ての通り戦闘向けとはいえん、ならば主戦力であるアルテリオンが不利な状況に陥るほうが
 はるかに危険なのだよ」
「しかし、貴方の機体が破壊されれば元も子も無いのでは?」
「なに、平原を進むと行っても森から遠く離れるわけではなく、しばらくはつかず離れずの位置で進む事にする。
 これなら私は森の方向にだけ警戒すれば良い、いざとなれば森に逃げ込むこともできる」

(見た目通りにただの学者じゃないって事か)
上空で警戒するフォッカーはダイアナンを見ながら、自分が想像以上に頼もしい仲間を得た幸運に感謝した。


が、実は余り幸運とも言えなかった。
705近くて遠くて:2005/10/10(月) 14:08:00 ID:dnCpYQpI
【ロイ・フォッカー 搭乗機体:アルテリオン(第二次スーパーロボット大戦α)
 パイロット状態:良好
 機体状況:良好
 現在位置:A-5からB-4に移動
 第一行動方針:首輪を手に入れる(マーダーを逆に殺すか、死体から回収)
 第二行動方針:ユーゼス打倒のため仲間を集める
 最終行動方針:柿崎の敵を討つ、ゲームを終わらせる】

【司馬遷次郎(マシンファーザー) 搭乗機体:ダイアナンA(マジンガーZ)
 パイロット状態:良好 
 機体状態:良好
 現在位置:A-5からB-4に移動
 第一行動方針:信用できる仲間を集める
 第二行動方針:首輪を手に入れて解析する
 最終行動方針:ゲームを終わらせる】

【時刻 16:30】

706初めての「死」:2005/10/10(月) 14:08:30 ID:75fuod++
「・・・こりゃ驚いたぜ。どっかのお嬢ちゃんじゃねぇか」
イサムがそう形容したのも無理がない。まるで透き通るような白い髪と肌。綺麗だがどこか鋭い金色目。
しかし見かけに反して出てきた言葉は
「私お嬢ちゃんじゃありません、少女です」
結構キツイ言葉だった。

それからしばらく信頼してもらえるよう必死に説得を試みるイサム。しかし中々ルリは応じない。
「こうなりゃしかたねぇ!」
そう言ってエンジンを切りコクピットから降りてしまう。しかも
「この通り丸腰だ!ゲームに乗る気はねぇ!」と言いながら手を上げてしまっている
もしルリがゲームに乗っていれば間違いなく死んでいるだろう。
だが・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・分かりました」
機体を得るために機体を汚さず手にしたいとしても、流石にこれはやりすぎだろう。
幾らなんでもこれは殺すには不合理すぎる。少しイサムを信頼したルリは彼とはやや離れた場所にワイヤーを降ろした。
何か不信なそぶりを見せたらすぐにコクピットに戻れるようにはなっているが、イサム向き合う。
「どうにか信用してくれたみてぇだな。」
「少しですが」
ストレートなキツイ言葉が即答で返ってくる。なんだか空気が重い。少し困るイサム。
少し考えた挙句出た言葉は
「俺の名前はイサム・ダイソン。お嬢ちゃんは?」
「ホシノ・ルリです。あと私お嬢ちゃんじゃありません、少女です」
「・・・・・・・」
とまぁこんな感じでどうにかコミュニケーションをとる2人
707初めての「死」:2005/10/10(月) 14:09:24 ID:75fuod++
一方その頃・・・・・・・
「前方遠距離ニ機動兵器ノ反応2。戦闘ハ確認デキズ」
「ほう・・・以前の戦闘の可能性はどうだ?」
「周囲ニ熱源発生ノ可能性0。機体の損傷オヨビパイロット確認デキズ」
「ククッそうか。そいつらはゲームに乗ってないクズのようだな。しかも機体から降りているか・・・
最大速度で接近するぞ、レイ。何か確認されるたびに逐一報告しろ」
「READY」

しばらく素性に関して話していた2人。ルリが何かの接近に気付いた
「ダイソンさん。なにか近付いてます。」
そう言ってコクピットに戻るルリ
「なんだって!?」
イサムはコクピットにすぐ戻ろうとするがコクピットに戻るより早く蒼い機体は彼らの前に降り立つ。
急いでビーム砲をそちらに向けようとするルリ。しかし彼女が狙いを定め終わるより前に、
蒼い機体のコクピットが開く。そして、中から出てきたのは・・・・
「待ってくれ!!殺し合いをする気はないんだ!!」
気弱そうな高校生くらいの少年だった。
708近くて遠くて:2005/10/10(月) 14:09:57 ID:dnCpYQpI
「ねえ、マシュマーさん。こうな〜んにも無い所じゃ誰かに狙われたら危ないし、森に入って進まない?」
その時A-4地点からA-5地点に向う二つの影、マシュマー・セロのネッサーとミオ・サスガのボスボロットが、
危険を避けるために森の中へ移動したため、互いに仲間を求めるもの同士、余りに近くに居ながらその存在に
気付かなかったのだ。さらに、
「ミオさんの言うことも最もですね。待っているだけというのもなんですし」
ただ待っているだけ問う状態ではいけないと思ったハヤミ・ブンタが、湖の中を探索し始めてまもなく、
やはりフォッカーと遷次郎がその場所を通り過ぎてしまったのだった。
無論、両者ともその存在に気付く事は無かった。
709初めての「死」:2005/10/10(月) 14:10:36 ID:75fuod++
しばらくマサキに質問をぶつける2人。
「・・・・じゃあその機体の傷は襲われた時の傷なんだな?」
「ええ、そうです。赤い飛行機のような感じのロボットに襲われて・・・」
「その機体のことを詳しく教えてください」
「携帯型の機関銃と言うんでしょうか、それと曲がりながら追ってくるミサイル。
それに、バリアみたいなのを張って殴ってきました。あとは・・・・」
「で、そいつをまいて全速で逃げてきたんだな?」
「はい・・・」
彼が嘘をついているようには見えないと2人は考えた。
「んじゃ、さっきは挨拶が途中になってたな。俺はイサム・ダイソン」
「ホシノ・ルリです」
「僕は木原マサキです」
3人は、自分はどういう世界にいて、どういう経緯でここに飛ばされたかをお互い話した。
もっともマサキは全てが嘘だが・・・・・
(乗っている機体のデータが欲しいところだな)
マサキは話題を誘導するよう話し出した。
「あの・・・今からどうします?仲間を探すにしても襲われたらとても僕、戦えないですよ?」
「俺の知り合いに良く似た奴が最初の部屋にいた。とりあえずアキトってのとそいつを探そうぜ。
どう動こうにも仮面野郎の手の中ってのも腹が立つがな」
「でも、動かないとどうにもなりません」
「ダイソンさんは高速戦闘とかが得意なんですよね?」
そう言ってレイズナーのマニュアルを取り出す。切り札(V-MAX)はマニュアルにはのっていない
ため渡しても問題ないからである。マニュアルをペラペラとめくるイサム
「俺はこっちの方がいいかもな」
スカイグラスパーのほうを指差す。
「俺のD-3ってのは話し道理ならルリちゃんのほうが向いてるしな」
マニュアルを交換する2人。
「よし!」
マニュアルを閉じるイサム。
「ダイソンさん、もう覚えたんですか?」
「大体な、あとは実際に動かして覚えるってやつだ」
そう言ってイサムが乗り込もうとコクピットに身を乗り出しだしたときだった。
710初めての「死」:2005/10/10(月) 14:11:43 ID:75fuod++
ポンと、本当に軽い音がした。
「「えっ」」
イサムからすれば、わけがわからなかった。突然首輪が爆発した。時間がゆっくりに見える。
視界を覆う赤い血。そして混濁し暗転していく意識・・・・・・ふとミュンとガルドの姿が浮かぶ。
(しゃあねぇ・・・・・・ガルド・・・・・ミュンのこと・・・・・・頼んだ・・・・・ぜ)
どさり。そして地面に血が広がっていく・・・・
ルリからも変わらないものだった。突然さっきまで元気に話していた人が死んだ。ヤマダ・ジロウのときも
戦場で戦っていた時も死人は出た。「死」を知っていると思っていた。でも知っているだけだった。こんなに近くで死を見たことはなかった。わけが分からなかった。足が、肩が震える。そしてそれが一瞬アキトと重なった。
「い、いや・・・」
日頃絶対にルリから聞けない直接的な恐怖の声が漏れる。少しだけ後ずさり、肩がマサキに当たる。
「マ、マサキさ」
首輪の上の辺りに強烈な一撃が加えられ、ルリの意識は刈り取られる。
さっきまでと一変し、邪悪な笑みを浮かべるマサキ
「ほぅ・・・・他人の機体に乗ると首輪が爆発するのか。しかし、使える駒が一人減ってしまったな」
まるでイサムの死をなんとも思わぬ様子、いや本当に何にも思ってないだろう。
彼から見れば命すら自分で造れる道具に過ぎないのだから。
「こちらはしっかり抑えなければな・・・」
足元のルリを見てマサキはそうつぶやいた・・・・・・・
711初めての「死」:2005/10/10(月) 14:12:36 ID:75fuod++
【イサム・ダイソン 搭乗機体:ドラグナー3型(機甲戦記ドラグナー)
 パイロット状況:死亡
 機体状況:良好 】

【ホシノ・ルリ 搭乗機体:スカイグラスパー(機動戦士ガンダムSEED)
 パイロット状況:気絶、混乱
 機体状況:良好
 現在位置:C-6
 第一行動方針:アキトを探す
 最終行動方針:アキトと共にゲームからの脱出】

【木原マサキ 搭乗機体:レイズナー/強化型(蒼き流星レイズナー)
 パイロット状態:絶好調
 機体状態:ほぼ損傷なし
 現在位置:C-6
 第1行動方針:使えるクズを集める
 最終行動方針:ユーゼスを殺す】

15時00分
712近くて遠くて:2005/10/10(月) 14:13:47 ID:dnCpYQpI
「ブンちゃんたっだいまー!」
元気よくミオが湖に向って叫ぶ(と、言っても通信機にだが)、ほどなくしてドッゴーラが湖からでてくる。
「ああ、お帰りなさい。で、どうでした?」
「うむ、川はドッゴーラが潜れるのに十分な大きさだった、これで共に行動する事ができるというわけだ」
マシュマーがそう答えた時、ドッゴーラの手に何かがあることに気付いた、
「何だそれは?」
「ああ、これですか。ミオさんが湖に何か隠されているかもって話してたじゃないですか?
 待ってるだけというのもなんでしたから、いろいろ探してみたんですよ」
ドッゴーラが手に持ったそれを地面に置く、
「すっご〜い!これって日本刀じゃない!」
そう、それは日本刀だった、ただし長さは10メートル近くあった。ご丁寧に鞘まである。
「このサイズ…MS用か?どうせならビームサーベルとまではいわんが、ヒートサーベルぐらい…」
「何言ってんのよマシュマーさん!日本刀よ日本刀!武士の魂よ!」
「何、武士!ではこれが噂に聞くサムライブレードなのか!?」
武士という言葉に、目の色を変えるマシュマー、
「武士とは東洋最強の騎士!その武士が使ったとされる伝説のサムライブレードが私の目の前に!」
その反応に満足し、うんうんとうなずくミオ、
「それじゃあこれは私が使うね」
「いかん!これは騎士たる私が使ってこそ光輝くというものだ!」
これまでに無い迫力で訴えるマシュマーに、ミオはただ一言答えた、
「どうやって?」

己の機体を見るマシュマー、その手、というかヒレ。それはもう見事なまでのヒレだった。
その用途はたった一つ泳ぐ事。間違えても何かを持つようにはできてはいない。
713近くて遠くて:2005/10/10(月) 14:14:51 ID:dnCpYQpI
「あの、すいませんマシュマーさん…」
「いや、ハヤミ・ブンタ。君のせいではない…」
そう言ってはいるが、意気消沈しているのは誰の目から見ても明らかだった。
「こりゃかなりの重症ね…そうだ!ブンちゃん、ちょっとこっち!」
「なんですか?」
「あのね…」
「え?それはちょっと…」
「いいからいいから、これもマシュマーさんを元気付けるためだって」
「はぁ、わかりました…でも止めたほうがいいと思いますが」
「大丈夫だって!」

「そうさ、私にはネッサーがある、バリアもついているんだぞ。十分じゃないか…ハハハ」
「ねえねえ、マシュマーさん」
後ろからミオの声が聞こえる、振り向くマシュマー
「何だ…ぶわっはっはっはっはっはっ!」
そこでマシュマーが見たものは!?

「ふんどし!」
ドッゴーラのテールラッドが、ボスボロットにまるでふんどしの様に巻きついている光景だった。

「はっはっはっはっ…って遊んどる場合か!何を考えているのだ貴様達は!!」
「いや、僕は止めたんですけどね…」
「いいじゃない、元気になったみたいだし」

…やっぱりフォッカーは幸運だったかも。
714近くて遠くて:2005/10/10(月) 14:15:38 ID:dnCpYQpI
【マシュマー・セロ】支給機体:ネッサー(大空魔竜ガイキング)
機体状況:良好
パイロット状態:良好(強化による不安定さは無くなった?)
現在位置:A-5(川に沿って東へ)
第一行動方針:ハマーンと仲間を探す
最終行動方針:ハマーンを守り、主催者を打倒する

【ミオ・サスガ】支給機体:ボスボロット(マジンガーZ)
機体状況:良好  MS用の日本刀(ガーベラストレート)を背中に背負っている
パイロット状態:良好
現在位置:A-5(川に沿って東へ)
第一行動方針:仲間を探す
最終行動方針:主催者を打倒する

【ハヤミ・ブンタ】支給機体:ドッゴーラ(Vガンダム)
機体状況:良好
パイロット状態:良好
現在位置:A-5(川に沿って東へ):水中
第一行動方針:仲間を探す
最終行動方針:ゲームからの脱出

【時刻 17:30】
715近くて遠くて 修正:2005/10/10(月) 15:00:46 ID:dnCpYQpI
【ミオ・サスガ】支給機体:ボスボロット(マジンガーZ)
機体状況:良好  MS用の日本刀(ガーベラストレート)を背中に背負っている
パイロット状態:良好
現在位置:A-5(川に沿って東へ)
第一行動方針:仲間を探す
最終行動方針:主催者を打倒する

上のミオ・サスガの状態を

【ミオ・サスガ】支給機体:ボスボロット(マジンガーZ)
機体状況:良好  MS用の日本刀を背中に背負っている
パイロット状態:良好
現在位置:A-5(川に沿って東へ)
第一行動方針:仲間を探す
最終行動方針:主催者を打倒する

に修正
716近くて遠くて さらに修正:2005/10/10(月) 21:03:40 ID:biNzPsYq
>>712>>715までは放棄します。
議論スレでの提案も無く、武装を拾わせるという勝手な事をして申し訳有りませんでした。
717正反対の思考:2005/10/10(月) 22:24:51 ID:Ct7gsnB5
 岩山の向こうに見えた巨大な影を見つけるや否や、司馬宙はそちらへとベミドバンを走らせていた。
その後ろを地面スレスレで飛ぶのはRX-7ナウシカだ。
そのパイロット、ギレン・ザビは前を走る男に声をかける。
「突然慌ててどうした?」
「さっき見えたあのでかいヤツ、あれは幻魔要塞ヤマタノオロチだ。イキマの野郎に違いないぜ」
「…ふむ、なるほど」
ギレンは宙の言葉に首肯しつつ、思考を巡らせる。
(この男、さほど頭は回らないようだな。
それにしても、だ。あれを相手にするとなると戦力不足は否めんな)
あの奇妙な形をした機体は、戦艦クラスの大きさだった。どう考えても自分の機体はパワー不足だ。
宙の機体はパワーはありそうに見えるが、空中戦は得意そうには見えない。
それに、宙が言うにはあれは要塞らしい。普通に考えれば、たった二機での突破は不可能だろう。
 そんなことを考えながら、ギレンは宙の後ろを飛ぶ。宙は、迷うことなく足を進めていく。
そびえ立つ岩山の群れが、眼前に迫ってきていた。
「少しここで待て」
ギレンが声をかけると、宙は足を止める。
「なんだよ」
いらただしげな声を耳にしながらも、ギレンは冷静に答える。
「私が偵察に行ってこよう」
「そんなもん必要ねぇ。正面からぶっ飛ばすだけだ」
宙の言葉に、ギレンは内心溜息をつく。本当に頭が回らない男だ、と。
「そのイキマとやらが数多くの仲間を連れているかもしれんぞ。
そうでなくても、ここは隠れるにはもってこいの地形だ。他に何が潜んでいるか分からん」
「イキマに手を貸す奴は俺の敵だ。そいつも相手になってやるだけだぜ」
今度は、本当にギレンは溜息をついた。あくまでも力押しという姿勢は、弟の姿を思い起こさせる。
「力押しでは戦いには勝てんよ。いいかね? 我々の勝利とは生き残ることだ。
無謀に突撃し、命を落とすなどとあってはならんのだよ」
返答はすぐにはやってこなかった。ギレンがシートに深く腰掛け、宙を切り捨てようかと考え始めたとき、声が返ってくる。
「…分かった。あんたの言うとおりだな。ここで待ってるから偵察は任せたぜ。危なかったらすぐに戻ってこいよ」
「ああ、そうしよう。ではな」
ギレンはそう言うと、岩山の影に隠れるようにして移動を開始する。
(司馬宙とあの向こうにいる人物。出来る限りどちらも手駒として使いたいが、な。
あの戦艦に乗っていたのがイキマとやらでないことに期待しよう)
そう考えながら、ギレンは慎重に進んで行く。岩山を越えて飛行することも可能だが、目立つ動きは避けたい。
時間は、かかりそうだった。

【ギレン・ザビ 搭乗機体:RX-7ナウシカ(フライトユニット装備)(トップをねらえ!) 
 現在位置:C-6の岩山に差し掛かったところ
 第一行動方針:敵戦力の偵察
 第二行動方針:可能な限り手駒を増やす
 最終行動方針:まだ決めてない】

【司馬宙 搭乗機体:ベミドバン(第3次スーパーロボット大戦α) 
 現在位置:C-6の岩山直前
 第一行動方針:ギレンが戻るまで待機
 第二行動方針:ヤマタノオロチ(イキマと思っている)の破壊
 最終行動方針:主催者打倒】

【時刻17:20】
718近くて遠くて異文化コミニュケーション:2005/10/11(火) 05:40:51 ID:zSP1zH4P
「ブンちゃんたっだいまー!」
元気よくミオが湖に向って叫ぶ(と、言っても通信機にだが)、ほどなくしてドッゴーラが湖からでてくる。
「ああ、お帰りなさい。で、どうでした?」
「うむ、川はドッゴーラが潜れるのに十分な大きさだった、これで共に行動する事ができるというわけだ」
マシュマーがそう答えた時、ドッゴーラの手に何かがあることに気付いた、
「何だそれは?」
「ああ、これですか。ミオさんが湖に何か隠されているかもって話してたじゃないですか?
 待ってるだけというのもなんでしたから、いろいろ探してみたんです。
 まあ、結局役に立ちそうなものはなかったんですが、なにも無しというのも寂しいので、
 適当に魚が居そうな所に向けて、ネットを発射してみたんです」
ドッゴーラが手に持っていたネットを地面に広げる、
「へ〜、適当って言うわりには結構いろいろいるじゃん。マシュマーさん、これってなんて魚か知ってる?」
「宇宙生まれ、しかも小惑星で育った私が、魚の種類に詳しいわけなかろう…」
マシュマーの言葉にブンタが怪訝な顔をした。
「あの、宇宙生まれって…マシュマーさんはもしかして異星人なんですか?」
「…ブンちゃん、今時お年寄りにもそのギャグは通じないわよ。
 まあ、確かに最近は異星人が攻めてくるような時代になっちゃったみたいだけど。
 初めて異星人がいるってニュースを見たときには、さすがに私もあきれたなぁ。
 私的には古典的タコ型火星人だと面白いんだけど。
 マシュマーさん軍人なんでしょ?なにか知らない?」
今度はマシュマーが疑問の声をあげる、
「異星人?何を言っとるのだ?そんなもの本当にいるわけなかろうが」
「え?でも僕は、異星人の暗黒ホラー軍団と戦う為に、コンバットフォースからスカウトされたんですが?」
「あ、暗黒ホラー軍団って…ブンちゃん、そのネーミング最高!エアロゲイターよりよっぽどいいわよ!」
ツボに入ったのかケラケラ笑うミオを見て、ますますわけが分からなくなるブンタ、
719近くて遠くて異文化コミニュケーション:2005/10/11(火) 05:43:18 ID:zSP1zH4P
「あの、エアロゲイターってなんですか?」
「なに言ってるのよブンちゃん、前に大統領がテレビで言ってたじゃない」
それを聞いたマシュマーは、疲れた様子で答えた、
「いくら無能な連邦政府とはいえ、そんなことやるわけなかろうが。
 まったく…ハヤミ・ブンタ、貴様もそんなことだから異星人と戦うなどという戯言に騙されるのだ」
「マシュマーさんこそ。もう大統領が発表したんだから、それほど重大な秘密ってわけじゃないんでしょ。
 ケチケチしないでなんか教えてよ?」
「テレビの見すぎだ。ちょっと考えれば異星人など嘘に決まっているとわかるだろう?」
「もう、マシュマーさんったら頑固なんだから。あ、わかった!」
「何がだ?」
「教えて欲しかったら、私の身体を差し出せっていうんでしょ!マシュマーさんのH!」
「な、何を言っている!き、騎士たる私がそのような事!」
「冗談にきまってるじゃない。そんなに慌てるなんて、もしかしてちょっと期待した?」
「な!大体お前のような貧弱…」
「あ〜!ひっどーい!レディに…」
「何処にレディ…」
「それでも騎士…」

「あの〜、ミオさん?少しお聞きしたい事があるんですが」
ひとしきり二人がじゃれあった後、ブンタがミオに話しかける、
「何、ブンちゃん?」
「今、昭和何年か言ってくれませんか?」
「昭和?そんなの大昔じゃない?せめて新西暦って言ってくれないと」
それを聞いて、再びマシュマーが納得のいかない顔をする。
「しんせいれき?なんだそれは?今は宇宙世紀0089年ではないか」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
720近くて遠くて異文化コミニュケーション:2005/10/11(火) 05:45:05 ID:zSP1zH4P
話し合いの結果
・三人とも産まれた時代が違う
・かといって過去や未来というわけではない、歴史が違う
・しかし、地球各地の名称や、第2次大戦あたりまでの歴史は同じ
・無論三人とも嘘は言っていない

結論
マシュマー「よくわからん!」
ブンタ「世の中には不思議な事があるんですね」
ミオ「スゴイ、フシギ…略してSFね!」

…やっぱりフォッカーは幸運だったかも。

【マシュマー・セロ】支給機体:ネッサー(大空魔竜ガイキング)
機体状況:良好
パイロット状態:良好(強化による不安定さは無くなった?)
現在位置:A-5(川に沿って東へ)
第一行動方針:ハマーンと仲間を探す
最終行動方針:ハマーンを守り、主催者を打倒する

【ミオ・サスガ】支給機体:ボスボロット(マジンガーZ)
機体状況:良好
パイロット状態:良好
現在位置:A-5(川に沿って東へ)
第一行動方針:仲間を探す
最終行動方針:主催者を打倒する

【ハヤミ・ブンタ】支給機体:ドッゴーラ(Vガンダム)
機体状況:良好
パイロット状態:良好
現在位置:A-5(川に沿って東へ):水中
第一行動方針:仲間を探す
最終行動方針:ゲームからの脱出

【時刻 17:30】
721それも名無しだ:2005/10/12(水) 12:59:03 ID:tYMjglvd
あげ
722合流へ:2005/10/12(水) 17:34:33 ID:Dx3tkuyh
「・・・こりゃ驚いたぜ。どっかのお嬢ちゃんじゃねぇか」
イサムがそう形容したのも無理がない。まるで透き通るような白い髪と肌。綺麗だがどこか鋭い金色目。
しかし見かけに反して出てきた言葉は
「私お嬢ちゃんじゃありません、少女です」
結構キツイ言葉だった。

それからしばらく信頼してもらえるよう必死に説得を試みるイサム。しかし中々ルリは応じない。
「こうなりゃしかたねぇ!」
そう言ってエンジンを切りコクピットから降りてしまう。しかも
「この通り丸腰だ!ゲームに乗る気はねぇ!」と言いながら手を上げてしまっている
もしルリがゲームに乗っていれば間違いなく死んでいるだろう。
だが・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・分かりました」
機体を得るために機体を汚さず手にしたいとしても、流石にこれはやりすぎだろう。
幾らなんでもこれは殺すには不合理すぎる。少しイサムを信頼したルリは彼とはやや離れた場所にワイヤーを降ろした。
何か不信なそぶりを見せたらすぐにコクピットに戻れるようにはなっているが、イサム向き合う。
「どうにか信用してくれたみてぇだな。」
「少しですが」
ストレートなキツイ言葉が即答で返ってくる。なんだか空気が重い。少し困るイサム。
少し考えた挙句出た言葉は
「俺の名前はイサム・ダイソン。お嬢ちゃんは?」
「ホシノ・ルリです。あと私お嬢ちゃんじゃありません、少女です」
「・・・・・・・」
とまぁこんな感じでどうにかコミュニケーションをとる2人
723合流へ:2005/10/12(水) 17:35:28 ID:Dx3tkuyh
一方その頃・・・・・・・
「前方遠距離ニ機動兵器ノ反応2。戦闘ハ確認デキズ」
「ほう・・・以前の戦闘の可能性はどうだ?」
「周囲ニ熱源発生ノ可能性0。機体の損傷オヨビパイロット確認デキズ」
「ククッそうか。そいつらはゲームに乗ってないクズのようだな。しかも機体から降りているか・・・
最大速度で接近するぞ、レイ。何か確認されるたびに逐一報告しろ」
「READY」

しばらく素性に関して話していた2人。ルリが何かの接近に気付いた
「ダイソンさん。なにか近付いてます。」
そう言ってコクピットに戻るルリ
「なんだって!?」
イサムはコクピットにすぐ戻ろうとするがコクピットに戻るより早く蒼い機体は彼らの前に降り立つ。
急いでビーム砲をそちらに向けようとするルリ。しかし彼女が狙いを定め終わるより前に、
蒼い機体のコクピットが開く。そして、中から出てきたのは・・・・
「待ってくれ!!殺し合いをする気はないんだ!!」
気弱そうな高校生くらいの少年だった。

しばらくマサキに質問をぶつける2人。
「・・・・じゃあその機体の傷は襲われた時の傷なんだな?」
「ええ、そうです。赤い飛行機のような感じのロボットに襲われて・・・」
「その機体のことを詳しく教えてください」
「携帯型の機関銃と言うんでしょうか、それと曲がりながら追ってくるミサイル。 それに、バリアみたいなものを張って殴ってきました。あとは胸がこう尖っていて、大きさは大体20mくらいでした」
「で、そいつの右手に盾はなかったか?」
「え?は、はい。あったような気がします。」
「マイクロミサイルは背中から出たんだな?」
「マイクロミサイルかは知りませんが確かに背中からでした。どうしたんですか?」
「・・・・いや、何でもねぇよ。んじゃ、さっきは挨拶が途中になってたな。俺はイサム・ダイソン」
「ホシノ・ルリです」
「僕は木原マサキです」
3人は、自分はどういう世界にいて、どういう経緯でここに飛ばされたかをお互い話した。
もっともマサキは全てが嘘だが。
724合流へ:2005/10/12(水) 17:36:02 ID:Dx3tkuyh
「あの・・・今からどうします?」
「俺の知り合いに良く似た奴が最初の部屋にいた。とりあえずアキトってのとそいつを探そうぜ。
どう動こうにも仮面野郎の手の中ってのも腹が立つがな」
「でも、動かないとどうにもなりません。探すにしてもむやみに動くのは危険ですし。」
「あの、通信機とかないんですか?」
「コミュニュケはありますが、ここにきてからアキトさんとつながってません。
中継してくれるオモイカネがないので」
「オモイカネ?」
「さっき話したナデシコの中枢システムです。」
「中枢システムか・・・・あっ、イサムさんのD-3は索敵や電子戦が得意なんですよね?」
「そうらしいが、いったいどうしたんだよ?」
「マニュアルを見せてくれませんか?うまくいけばアキトという人と連絡が取れるかもしれません」
そういってイサムのD-3のマニュアルを舐めるように高速で読んでいく。
「やっぱりだ・・・イサムさん、D-3の端末をこっちに出してください。
ルリちゃんはあの戦闘機の情報を整理していらないデータを削除してください」
「どうするんですか?」
「D-3には錯乱のためにさまざまな周波数で通信ができる。だから、その通信機に合わせたもの設定してから
戦闘機に移して、それをレイズナーのレイを一時的な中枢として通せば・・・・・」
「どうなるんだ?」
「通信ができます」
「それならさっさと取り掛かかろうぜ!!」
準備をする3人。
「換装に関してのデータをすべて削除しますね。」
ルリはてきぱきと準備を進め、
「レイ、並列計算に移行してくれ」
さすがは天才科学者。秋津マサトの性格のふりをしていても仕事が速く、
コミュニケとの接続もすばやくこなす。
「ここを・・・こうして、だ、」
「ダイソンさん遅いです。」
突然こんなことをすることになったことを考えれば決して彼は遅くない。むしろ速いかもしれない
しかしいくらなんでも電子の妖精と稀代の超天才に比べれば遅すぎるのであろう。
「端末に触れるだけなら大丈夫なんでしょうか?」
「コクピットに乗るわけでもないし大丈夫でしょう。」
「なら僕たちがやりますよ」
「あ?ああ、頼むぜ」
彼の30分を28秒で終わらせる2人。イサムはあいまいに笑うしかない状況である。
「これで、終わりです。」
結果 3分で終わっちゃいました。
725合流へ:2005/10/12(水) 17:37:09 ID:Dx3tkuyh
早速コミュニュケのウインドウを立ち上げるルリ
『アキトさん、大丈夫ですか?』
やや砂嵐のようになっているが、あわてるアキトが映っている。向こうからすれば突然だったためだろう。
『ああ、アクセルさんに助けてもらったから大丈夫だったよ。でも通じなかったコミュニュケがどうして・・・・』
俺、俺だよ、ヤッホーといわんばかりに後ろで手をふるアクセルが映っている
『ほかの人と協力して起動させました。』
イサムとマサキを映すルリ
『アキトさん、今どこにいるんですか?』
『:今は、ええと』
『G-5にいるんだな、これが』
かわりに答えるアクセル。
『G-5ですか?私たちが今C-6ですから・・・川に沿ってお互い移動すれば暗くなる前に会えそうですね』
『川に沿って西に行けばいいんだね?分かった』
『では、また』
コミュニュケを切るルリ。
「じゃ、川を目指していきましょう」
「ええ」
「ああ、準備はいいぜ」
そして3人は移動を始めた
(ククク・・・思った以上に順調だな)
マサキは内心高笑いを浮かべていた・・・・・・・
726合流へ:2005/10/12(水) 17:40:25 ID:Dx3tkuyh
【アクセル・アルマー :クロスボーンガンダムX1(機動戦士クロスボーンガンダム)
 現在位置:G-5川の近く (西へ)
 パイロット状況:良好 (会話中に疲労は回復)
 機体状況 :損傷なし
 第一行動方針: 記憶を探す
 第二行動方針: アキトの仲間探しに付き合う
 最終行動方針: ゲーム脱出、記憶を取り戻す

【テンカワ・アキト 搭乗機体:νガンダム  (逆襲のシャア)
 パイロット状況:軽い打撲程度 (アクセルとの接触によって精神状態は回復)
 機体状況:全身ボロボロ、右腕無し、腰部分のフレーム多少歪む
 現在位置:G−5 (西へ)
 第一行動方針:アクセルの記憶探しを手伝う
 第二行動方針:ルリを探す
 最終行動方針:ゲームから脱出

【イサム・ダイソン 搭乗機体:ドラグナー3型(機甲戦記ドラグナー)
 パイロット状況:健康
 機体状況:良好
 現在位置:C-6 (川へ、その後は東に移動)
 第一行動方針:仲間を探す
 第二行動方針:ゲームに乗った相手からの逃亡(戦力が整っていればやられたらやり返す)
 最終行動方針:ユーゼスをぶん殴る】

【ホシノ・ルリ 搭乗機体:スカイグラスパー(機動戦士ガンダムSEED)
 パイロット状況:健康
 機体状況:良好
 現在位置:C-6 (川へ、その後は東へ移動)
 第一行動方針:アキトを探す
 最終行動方針:アキトと共にゲームからの脱出】

【木原マサキ 搭乗機体:レイズナー/強化型(蒼き流星レイズナー)
 パイロット状態:秋津マサトのような性格のふりをしている。絶好調
 機体状態:ほぼ損傷なし
 現在位置:C-6(川へ、その後は東へ移動)
 第1行動方針:使えるクズを集める
 最終行動方針:ユーゼスを殺す】
727それも名無しだ:2005/10/14(金) 16:02:16 ID:aesdzR7e
保守
728決意の森:2005/10/14(金) 21:04:57 ID:xHQrvkkV
 ジョシュアは悩んでいた。
森の中を探索して一時間以上たつが、
未だ、誰かと出会うことが無かったからだ。
 確かに、誰かに襲われなかったのは僥倖であろう。
だが彼の目的を達するには、
誰かと遭遇する必要があるのも、また事実だった・・・
(どうする?できるだけ戦闘は避けたいが・・・)
 選択肢は二つあった。
一つ目は当初の予定通り、森を出て平野を進む方法。
これなら他の参加者を探すのは容易い・・・
が、ゲームにのった人間に見つかりやすいと言う難点もある。
二つ目は、禁止エリアになるまで、この森の中に潜み続けるという方法。
仲間を探すのには不都合だが、自身の安全は大きい。
「・・・やっぱり、森を出て・・・」
 そう呟くのとほぼ同時に・・・レーダーに反応が現れた。
(やっと、一人目と遭遇か)
 ジョシュアは緊張の面持ちで身構える・・・
そこに現れたのは、青い女性的なフォルムをした機体だった。


「バランもしくは司馬という名に、心当たりは無いか?」
 目の前に立つ機体に、イキマは問い掛けた。
少しの沈黙の後、通信機から謝罪の言葉が返ってくる。
「そうか・・・ならば用は無い」
 そう言って、踵を返そうとするイキマに再び、男の声がかかった。
「待ってくれ。俺と一緒に主催者を倒さないか?」
 その言葉にイキマは歩みを止める。
(主催者を倒す・・・だと?)
「信用できないかもしれないが、俺は殺し合いなんてする気は無い!」
「・・・本当に、そんなことが出来ると思ってるのか・・・?」
 男の言葉に、イキマは思わずそう問い返していた。
「たしかに、分の悪い賭けだと思う・・・けど、俺にしか出来ないのなら・・・!」
「・・・悪いが、俺にはやる事がある」
 イキマの言葉に男は残念そうに、そうか・・・と呟く。
その言葉を聞き流しながら、イキマは続ける。
「だから・・・だから、その後・・・お前の言う賭けとやらに付き合ってやろう」
「い、いいのか?」
 続けられた言葉に、男は驚いたように問い掛けてくる。
「俺も、あの主催者が気に食わなかったからな・・・それに・・・」
「・・・それに?」
 問いかけに首を振り・・・イキマは男に自己紹介を始めた・・・


(それに・・・そうじゃなきゃ、俺は後悔するだろうからな・・・きっと)
729決意の森:2005/10/14(金) 21:05:31 ID:xHQrvkkV
【ジョシュア・ラドクリフ 搭乗機体:ガンダム試作2号機(機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)
 パイロット状況:健康、核に重圧(仲間が出来たことで多少緩和?)
 機体状況:良好
 現在位置:G-4森の中
 第一行動方針:イキマの探し人(バラン、ジーグ)を共に探す
 第二行動方針:主催者打倒の為の仲間を探す
 最終行動方針:イキマと共に主催者打倒】

【イキマ 搭乗機体:ノルス=レイ(魔装機神サイバスター)
 パイロット状況:健康
 機体状況:損傷なし
 現在位置:G-4森の中
 第一行動方針:ジョシュアと共にバランを探す
 第二行動方針:アルマナを殺した男の殺害
 第三行動方針:ジーグ(司馬宙)の打倒
 最終行動方針:ジョシュアと共に主催者を倒す】

【時刻:16:20】
730それも名無しだ:2005/10/15(土) 01:09:00 ID:yjWJ6yz8
あげ
731砂上の接近1:2005/10/15(土) 18:14:48 ID:7dwM+zgj
「くっ、ようやく追いついたが…」
ハマーンは舌打ちをする。砂地にて、逃げた機体になんとか追いついた。
それはいいが、こちらの接近に気付いた相手はすぐさま攻撃を開始してきた。
だが、その攻撃に敵意は感じられない。あるのは怯えだけだ。そのためか、攻撃はでたらめでハマーンのアッガイにはかすりもしない。
早めに通信を行いたかったが、まだ距離が遠い。矢継ぎ早に繰り出される攻撃を避けるのはたやすい。
しかし、アッガイの性能ではそれをかいくぐり接近することは困難だ。
このまま避け続ければ、そう遠くないうちに相手は弾切れを起こすだろう。しかしハマーンはその考えをすぐに破棄する。
 こんな派手な戦いを続ければ、別の参加者がやってくるかもしれない。
それがゲームに乗った者、それも熟練したパイロットや高性能な機体がやってきたならこちらに勝ち目はほぼないだろう。
もしそうでなくても、弾切れを起こした相手に再び逃げられると追いつくのが難しい。だから――
「……だから、何だと言うのだ」
そこまで考えて、ハマーンは小さく首を横に振り、苦笑を浮かべる。細かい理屈は後付けに過ぎない。
 ただ、怯える子供を放っておけないだけだ。このような理想も理念もない殺し合いを強要された子供を、捨て置けないだけだ。
「守ってみせるさ」
呟くと、ハマーンは一気にアッガイを前進させる。飛来するミサイルを回避し、可能な限り距離を詰める。
 それでも遠いということは、分かっていた。前方から更にミサイルが迫り来る。
 滅茶苦茶な軌道を見切り、一つの弾頭を確実に捉え、それが真上を通り過ぎる瞬間を狙ってバルカンを撃ち放つ。
上手く、爆発するように。そしてすぐにアッガイの体を丸めさせ、狭いコクピットで出来る限りの対ショック姿勢を取る。
それが終わったとき、タイミングを計ったかのように爆音が後ろから響いた。
 その爆風はアッガイを強く押し、転がるようにして距離を詰めていく。コクピットに襲い来る震動の中、モニターに目をやる。
巨大な砂煙の向こうに佇むシルエットは近づいている。強引に制動をかけ、全身にかかる慣性に耐えながら通信回線を開く。
「こちらに戦闘の意思はない。直ちに攻撃を停止してくれ」
ようやく止まったアッガイは、既に相手の眼前へと辿り着いていた。ハマーンは油断なく様子を窺う。
 晴れていく砂煙の中、目の前の重厚な機体は攻撃を止めていた。
732砂上の接近2:2005/10/15(土) 18:17:18 ID:7dwM+zgj
 相手の機体特性によっては再度南下し、水中を拠点にして動きたかった。
しかし隣を歩く機体、ジャイアントロボはとても水中戦向きの見た目ではない。
 それに何より。
(直接しがみついて操作の指示を出すのでは水中には潜れんな)
仕方なく、北の市街へ向かうことにした。
他に何者かが潜んでいる可能性は水中より高いと思えるが、何も隠れるところのないこの場よりマシだろう。
『ごめんなさい、ハマーンさん。いきなり攻撃しちゃって…』
自己紹介を互いに終えた後、ジャイアントロボのパイロット、ハチローはハマーンにそう言う。
ハチローは話し相手が出来たことで、パニックから少しは立ち直っていた。
「気にするな。このような状況では仕方あるまい」
言いながら、ハマーンは自機の損傷をチェックする。
あのような無茶苦茶な方法で接近をした割に、損傷は背部装甲板だけで済んだのは幸運だった。
それを終えると、ちらりと少年の顔を窺う。落ち着きを取り戻したようだが、まだその表情には不安と疲労が残っている。
その不安の影を拭い去るように、ハマーンは穏やかな声で告げる。
「大丈夫だ。安心しろ。私がついているのだからな」
『…うん、ありがとう』
「ともかく、身を隠す場所を見つけたらそこで休息を取ろう。疲れているだろう」
ハチローと会話をしながら、ハマーンは思う。そうは言ったが、流石に戦力が心許ない、と。
(速やかにマシュマーと合流したいところだな)
ハチローの機体と比較すると、明らかに自分が引いた機体は外れだと思う。モビルスーツだったのがせめてもの救いだった。
「いくらなんでもアッガイより使える機体を支給されているはずだろう」
思わず呟いた言葉には、マシュマーとその機体への望みが込められていた。

【ハマーン・カーン 搭乗機体:アッガイ(機動戦士ガンダム)
 パイロット状況:健康
 機体状況: 背部装甲板破損。内部系統に問題はなし。
 現在位置:B-2から北の市街へ移動中
 第一行動方針:ハチローとともに北の市街へ向かう
 第二行動方針:マシュマーと合流
 最終行動方針:ゲーム脱出】

【ハチロー 搭乗機体:ジャイアント・ロボ(ジャイアント・ロボ THE ANIMATION)
 パイロット状況:疲労
 機体状況:弾薬を半分ほど消費
 現在位置:B-2から北の市街へ移動中
 第一行動方針:ハマーンとともに北の市街へ向かう
 第二行動方針:ハマーンの支持に従う
 最終行動方針:どうするべきかよく分からない】

【時刻:15:15】
733ハッターのミス:2005/10/16(日) 03:29:27 ID:gjNH7nk0
ダイテツジンは、高台を囲む森の上空を飛んでいた。
腕にはハッターをぶら下げている。
「しかし、本当に大丈夫なのか?」
「ノープロブレムだ、友よ。武器などこの手足だけで十分。」
竜馬の心配に拳を掲げて応えるハッター。
話は少し遡る。


(あのロボット…確かイッシー・ハッターといったな)
小島の北端に一体のロボットがいた。
ボディービルダーの鍛えられた筋肉のような上半身の装甲と、頭部の青いテンガロンハット。
竜馬には特徴的な外観をしたそのロボットに見覚えがあった。主催者に一言目から食って掛かった奴だ。
こいつなら仲間にできるかもしれない。そう判断し、ダイテツジンを降下させる。
「俺の名はイッシー・ハッター!貴様、何者だっ!?」
上空から飛来したロボットに対し、身構えるハッター。
「俺は流竜馬。敵意はない、話をしたい。」
「話し、だと?」
竜馬の予想通り、敵ではないと聞いてハッターは拳を下ろした。
「俺にはやらなければならない事がある。その為には、一刻も早くこのゲームから脱出しなければならない。それで、協力してくれる相手を探している。」
「うむ。俺も、このふざけたゲームを始めたあのユーゼスという男を成敗するために、仲間を探している。」
734ハッターのミス:2005/10/16(日) 03:31:03 ID:gjNH7nk0
「あいつを成敗する?」
竜馬はハッターの全身を眺めて、声を書けることにしたもう一つの理由を言った。
「…武器も無いのにか?」
「武器ならば、このトンファーが」
持ち上げた腕を見て気づく。
本来そこに装備されているはずのドラマチック・トンファーが、無い。
「…いや、このテンガロンハットも」
はずそうとするが、溶接されたかのように頭にがっちりとくっ付いている。
そのまま帽子に手をかけたポーズで固まる。
「…」
「あいつから何か渡されなかったのか?」
ハッターは、返事をすることができなかった。


その後、一時的に行動を共にすることにした2人は、竜馬の最初の予定通り北に向かっていたのである。
(ハッターがダイテツジンにしがみ付いているのは、そのほうが海を渡るのに楽だったから)
「その、『友』というのは」
『やめてくれ』と言おうとして、竜馬は口を止めた。
ハッターも気づいたようである。
「友よ、何か見えるぞ。」
「ああ…建物、か?」
まだ遠いので良く分からないが、高台の上に建造物らしきものが見える。
「どうする?」
「…行ってみるか。何かあるかもしれん。」
竜馬はダイテツジンを高台へと向けた。
735ハッターのミス:2005/10/16(日) 03:32:45 ID:gjNH7nk0
【イッシー・ハッター 搭乗機体:アファームド・ザ・ハッター
 パイロット状態:良好
 機体状況:良好 ただし武装なし(スーパーソニックテンガロンは頭に完全固定)
 現在位置:H-6の上空→G-6へ
 第一行動方針:高台の上の建物を調べる
 第二行動方針:仲間を集める
 最終行動方針:ユーゼスを倒す】


【流竜馬 搭乗機体:ダイテツジン(機動戦艦ナデシコ
 パイロット状態:良好
 機体状況:良好 ハッターをぶら下げているために片腕使用不可
 現在位置:H-6の上空→G-6へ
 第一行動方針:高台の上の建物を調べる
 第二行動方針:他の参加者との接触
 第三行動方針:接触した相手が話の通じる相手ならば協力する、戦意があるようなら排除する。
 最終行動方針:ゲームより脱出して、帝王ゴールを討つ。】

【時刻:14:30】
*おまけ
「…?なんですの、このコンテナは。」
「せめてこれくらいは使わせてあげようかと思ったのだが…どうやらいらないらしい。」
格納庫の片隅に奇妙なコンテナがあった。
『一時預かり品』と書かれたその中に、ハッターのトンファーは残されていた。
「使うかね?」
「…遠慮しておきますですわ。」

736これまでのまとめ:2005/10/16(日) 03:59:29 ID:oH16IZsw
名簿 >229>291に2名追加(マサキと竜馬)

これまでに出た人達
>248>280>342>544-545>644-645

追加分
>660-661 時刻14:30
クォヴレー(ブライサンダー) C-5 トウマと共に仲間を探す
トウマ(ワルキューレ) C-5 クォヴレーと共に仲間を探す
>666-668 時刻:17:00
アスカ(ダイモス) F-6 目に付いた機体の破壊とパイロットの殺害
>669-671 時刻:16:20
三輪(エヴァ初号機) F-6 東方不敗の超級覇王電影弾で爆発、死亡
東方不敗(零影) F-6から移動中 ゲームに乗った人間とウルベを倒す
>302
ヴィンデル(ジャスティスとハロ軍団) B-5めっちゃ脱力中 ハロをどうにかしたい
>673-675 時刻:15:30
プレシア(グランゾン) D-2から南東に向けて移動中 マジンカイザーから逃げる
ガルド(高機動型ブラックサレナ) D-2から南東に向けて移動中 プレシアを見守る?
ラッセル(マジンカイザー) D-2 ブラックサレナを壊す
チーフ(テムジン747J) D-2 目の前の機体を特別指導する
>676-677 時刻:16:00
バグ・ニューマン(無し) C-6 ブライサンダーを奪う(ブライサンダーのマニュアル入手)
>678 時刻:17:30
ラミア(ボン太君スーツ:B・Dからルート、元の機体は大破) D-4 アルジャーノンが発症した者を滅ぼす 
(フォルテの実 残り1個 アクアの実 残り2個 ネプラの実 残り3個)
>679-680 時刻:14:00
タシロ艦長(ヒュッケバインmk-3ガンナー) B-1から移動開始 湖の廃墟を経由して南へ(ゼオラに不信感)
ラト(V2アサルトバスターガンダム) B-1から移動開始 湖の廃墟を経由して南へ
ゼオラ(ゼオライマー) B-1から移動開始 湖の廃墟を経由して南へ(タシロとラトを利用する)
737これまでのまとめ:2005/10/16(日) 04:00:45 ID:oH16IZsw
>681-683 時刻:16:45
リュウセイ(フェアリオン・S) G-1 仲間を探す
イングラム(ビッグオー) G-1 最期まで勝ち残る
>684-686 時刻:15:40
アムロ(サザビー) B-7からB-6へ移動中 目立つ動きを取って敵を釣り出す
アラド(エピオン) B-7 ビームトマホークでコクピットを潰され、死亡
>687-699 時刻:16:00
マイ(R-1) E-1廃墟内 気絶中
フォルカ(エスカフローネ) E-1廃墟内 怪我の応急処置、目の前の少女が目を覚ますまで待つ
>700-702 時刻:14:00
キラ(ゴッドガンダム) D-3から逃走中 安全な場所への逃走
鉄也(ガイキング・後期型) D-3から逃走中 安全な場所への逃走(キラを憎悪)
ボス(ダイターン3) D-3から逃走中 安全な場所への逃走(鉄也を心配)
クルーゼ(ディスアストラナガン) D-3上空 参加者全ての抹殺(キラを最優先)
>704-708 時刻:16:30
フォッカー(アルテリオン) A-5からB-4に移動 首輪を手に入れる(マーダーを逆に殺すか、死体から回収)
マシンファーザー(ダイアナンA) A-5からB-4に移動 信用できる仲間を集める
>717 時刻:17:20
ギレン(RX-7ナウシカ) C-6岩山付近 敵戦力の偵察
宙(ベミドバン) C-6岩山付近 ギレンが戻るまで待機
>718-720 時刻:17:30
マシュマー(ネッサー) A-5(川に沿って東へ) ハマーンと仲間を探す
ミオ(ボスボロット) A-5(川に沿って東へ) 仲間を探す
ブンタ(ドッゴーラ) A-4水中(川に沿って東へ) 仲間を探す
>706-711 時刻:15:00?
アクセル(X1) G-5川の近く(西へ) 記憶を探す
アキト(νガンダム) G-5川の近く(西へ) アクセルの記憶探しを手伝う
イサム(ドラグナー3型) C-6(川へ、その後は東に移動) 仲間を探す
ルリ(スカイグラスパー) C-6(川へ、その後は東に移動) アキトを探す
マサキ(レイズナー/強化型) C-6(川へ、その後は東に移動) 使えるクズを集める
>728-729 時刻:16:20
ジョシュア(試作2号機) G-4森の中 イキマの探し人(バラン、ジーグ)を共に探す
イキマ(ノルス=レイ) G-4森の中 ジョシュアと共にバランを探す
>731-732 時刻:15:15
ハマーン(アッガイ) B-2 ハチローとともに北の市街へ向かう
ハチロー(ジャイアント・ロボ) B-2 ハマーンとともに北の市街へ向かう
>733-735 時刻:14:30
ハッター(アファームド) H-6上空よりG-6へ 高台の上の建物を調べる
竜馬(ダイテツジン) H-6上空よりG-6へ 高台の上の建物を調べる

残り55名

【死亡】12名
柿崎速雄(見せしめ)/ 一色真(←フェルナンド)
カツ・コバヤシ(←ゼオラ)/ ジャック・キング(←セレーナ)
アルマナ・ティクヴァー(←ウルベ)/ ラージ・モントーヤ(←リオ)
B・D(←ラミア)/ テンザン・ナカジマ(←リョウト)
フェルナンド(←ゼンガー)/ シュウ・シラカワ(←木原マサキ)
三輪防人(←東方不敗)/ アラド・バランガ(←アムロ・レイ)
738これまでのまとめ:2005/10/16(日) 04:02:38 ID:oH16IZsw
ごめん、>706-711を>722-726に修正
739眠る悪魔:2005/10/17(月) 03:53:36 ID:Uq24d4/8
 深い闇の中で、"それ"は静かにまどろんでいた。
確かにあの時、"それ"は二人の男女によってその身を滅ぼされたはずだった。
それが何故・・・一部とはいえ、ここに存在しているのか・・・
知る者は、今この場には居ない。
そこにあるのは一人の男と・・・ただ"それ"のみだった。


 その老齢の男は焦っていた。彼が仕えていた姫君。
彼女を何としても、みつけださなければいけない。
だが、先程の襲撃以降、一人として他人に出会うことも無く、
実に数時間もの間、彼は少女を探して彷徨っていた。
(姫様・・・必ずや、ここから救い出して見せますぞ・・・)
・・・男は川沿いを走り続ける・・・少女を救う、その一心で・・・


その焦りを、"それ"は敏感に感じ取っていた。
本当に僅かながらの揺らぎ。
本体を失っている"それ"が、男に抗うにはほど遠いものの、
彼の強靭な精神を、少しずつ削りとるには充分な揺らぎ。

彼の精神が折れるその時まで・・・"それ"は静かにまどろみ続ける・・・



【バラン・ドバン 搭乗機体:獅王争覇グランドガンダム(Gガンダム)
 パイロット状況:良好、多少の焦り
 機体状況:装甲を一部損傷(自己修復中)
 現在位置:E-5川沿い
 第一行動方針:アルマナを探す
 最終行動方針:主催者打倒もしくはゲーム脱出
 備考:DG細胞による自己修復機能が機体についています
    よほどの事がおこれば、DG細胞にのっとられるかも?】
740それも名無しだ:2005/10/19(水) 09:25:48 ID:rUu7Hv6/
保守
741それも名無しだ:2005/10/19(水) 20:21:44 ID:CJeCreYU
それも私だ
742それも名無しだ:2005/10/21(金) 15:24:15 ID:ceLg98q9
保守
743それも名無しだ:2005/10/23(日) 18:00:04 ID:vwmbfb15
744幻の戦闘教義零番!:2005/10/24(月) 08:22:43 ID:QucaNvla
「俺を指導するんじゃなかったのか、ええ?」
光子力ビームがテムジンのすぐ隣にあった岩を吹き飛ばす、
「現在通常出力における攻撃の効果は軽微、ターボ攻撃でなければ敵に被害を与える事は困難と判断」
いかなる時にも冷静に戦況を分析するチーフだが、この時の彼には焦りがあった。
「しかしVコンバータに異常有り。出力が上がらないこの状態では攻撃後、数秒の機能停止は必死」
テムジンのVコンバータは原因不明の異常に見舞われていた。

「俺を指導できるのはなぁ!中尉だけなんだよぉぉぉ!!!」
テムジンが放たれたギガントミサイルを避ける、それは無茶苦茶に攻撃しているだけに見えるが
「良い攻撃だ…俺が指導教官なら合格点をつけるところだな」
時間差で放たれたターボスマッシャーパンチを、ジグザグに移動しながら逃れたチーフがつぶやく。
一見正気を失って見えるラッセルだが、その操縦技術に曇りは無い。また普段の堅実な戦法だけでなく、
機体の力に任せた物ではない、大胆な攻撃をも仕掛けてくる。
「あの装甲では戦闘教義指導要項13番でも倒しきれるとは限らない…ならば」
ターボスマッシャーパンチが腕にもどる瞬間を狙い、パワーボムを投げる、
「このノーコン野朗!当たらねえよ!」
ボムはマジンカイザーの頭上を通り抜ける軌道を取っている、だがそれは決して狙いを外したわけではない
「MARZ戦闘教義指導要項零番!」
すかさずビームライフルを放つ、目標は自分が投げたパワーボム、

「何!?」
カイザーの頭上に来たボムをビームが貫き、爆風で一瞬ラッセルの視界が完全に閉ざされる。
「てめぇ…いねぇ!何処行きやがった!?」
その一瞬でテムジンの姿は消えていた。
745幻の戦闘教義零番!:2005/10/24(月) 08:23:56 ID:QucaNvla
「MARZ戦闘教義指導要項零番、戦略的撤退。しかし、己の機体の不備に気付かんとは…指導物だな」
南の廃墟に身を隠し、自嘲気味につぶやくチーフ。
「今のVコンバータの状態では単独行動は極めて危険」
しかし、うかつに他の参加者と協力関係を結ぶわけにもいかない。ならば、
「…これよりハッターの探索を開始する」
今の状況で確実に信頼できる相手はハッターぐらいしかいなかった。



「動作は正常、出力は増設ユニット『スーパー32X』をつけてもまだオリジナルには及ばんか…」
ヘルモーズ内部。テムジンのVコンバータより送られたデータをユーゼスが確認している。
「いや、正確にはあれもレプリカだったな…」
テムジンのVコンバータは、ユーゼス自信が作った物にすりかえられていた。
「オリジナルたるアファームドのデータと照らし合わせれば、探索のメドが立つか。
 時空因果律制御機構…タングラム」
タングラム、運命そのものに干渉し未来を自在に変更可能なシステム。それはユーゼスが理論を構築した、
クロスゲート・パラダイム・システムと同等か、或いはそれ以上の力をもつ物。
電脳虚数空間にいるタングラムは、ユーゼスが干渉できない数少ない物の一つである
「だがそれも保険にすぎん…」
746幻の戦闘教義零番!:2005/10/24(月) 08:25:25 ID:QucaNvla
【ラッセル・バーグマン :マジンカイザー(サルファ準拠)
 現在位置:D-2
 第一行動方針:ブラックサレナを壊す
 第二行動方針:すべてを壊す
 最終行動方針:生き残る】

【チーフ 搭乗機体:テムジン747J(電脳戦機バーチャロンマーズ)
 パイロット状況:良好
 機体状況:Vコンバータがユーゼス作『メガドライブ』(増設ユニット付き)に変わり、出力が落ちている
 現在位置:D-3
 第一行動方針:ハッターとの合流
 第二行動方針:ゲームからの脱出(手段は問わない)
 備考:チーフは機体内に存在】


時刻【16:30】
747合流、そして放送:2005/10/24(月) 13:35:02 ID:VspXwDN3
移動し始めて約2時間……..
5人は何事もなく合流に成功した。

「ルリちゃん!」
「アキトさん!」
夕日を背に少女と青年が再会する。
バックにはボロボロの機体。それは映画のワンシーンのようでとても幻想的であった……….

「「「・・・・・・・・・」」」
それをなんか遠い目で眺める3人の男たち。
「一人身は・・・」
「つらいですね・・・・」
イサムとマサキがつぶやく。
「二人ともがんばってぇん♪」
「死ね」
「くたばれ、地獄に落ちろ」
「うわ、ひでぇ」
「っていうかマサキお前・・・」
「いえ、なんでもないですよ」
(しまった、あまりの気色悪いさについ本音が・・・)
顔をそむけながら言うマサキ
「まぁ俺は帰ればいるけどな」
イサムには確かに(?)ミュンがいるからか少し余裕がある。
「なんだとぅ!?うらやましいじゃないか畜生め!」
そう言いながらマサキに肩をまわす。
「いえ、ぼくにも美久が・・・」
「なにぃ!?あんたにもいるのか!?」
「は、はい・・・・」
離れて2人を交互に指差すアクセル
「別にいいさ!俺だって記憶が戻ればそりゃ
グラマーの彼女がいるに違いないだろうからな、これが!」
そんなこんなでコミュニケーションを深めた3人であった。
748合流、そして放送:2005/10/24(月) 13:36:13 ID:VspXwDN3
少し暗くなり、輪になって話し合いを始める5人
「ではこれからですが・・・」
司会をしているのはルリ。
男が4人いて司会が務まるのが一人もいないのも情けない限りである。
話し合いの結果、
「2時間交代で見張りをします。D-3がもっとも高性能なので、
D-3の端末をつかいますのでイサムさんは端末を下ろしておいてください。
あと橋の下とはいえ見つかる恐れがありますのでここでも気を付けましょう。」
「おっけー、それでいいんだな、これが」
「ええ」
「さっき一緒に来るとき思ったけど、あの機体もうやばいんだな、これが」
「え?」
「誘爆とかの恐れはないと思うけど、戦闘は結構きついと思うさ」
「戦闘についても話とかないといけませんね・・・」
さらに話し合いが続き、
「じゃ、戦闘はこんな感じでいいんだな?」
「はい、分かりました」
「じゃあ次に・・・・」
そう言いかけたときだった
〜〜〜♪〜〜♪
音楽が空から流れ出した・・・・・・・・・・・・
749合流、そして放送:2005/10/24(月) 13:38:47 ID:VspXwDN3
【アクセル・アルマー :クロスボーンガンダムX1(機動戦士クロスボーンガンダム)
 現在位置:E-5
 パイロット状況:良好 (会話中に疲労は回復)
 機体状況 :損傷なし
 第一行動方針: 記憶を探す
 最終行動方針: ゲーム脱出、記憶を取り戻す

【テンカワ・アキト 搭乗機体:νガンダム  (逆襲のシャア)
 パイロット状況:軽い打撲程度 (アクセルとの接触によって精神状態は回復)
 機体状況:全身ボロボロ、右腕無し、腰部分のフレーム多少歪む
 現在位置:E−5
 第一行動方針:アクセルの記憶探しを手伝う
 第二行動方針:とりあえずなし
 最終行動方針:ゲームから脱出

【イサム・ダイソン 搭乗機体:ドラグナー3型(機甲戦記ドラグナー)
 パイロット状況:健康
 機体状況:良好
 現在位置:E-5
 第一行動方針:仲間を探す
 第二行動方針:ゲームに乗った相手からの逃亡(戦力が整っていればやられたらやり返す)
 最終行動方針:ユーゼスをぶん殴る】

【ホシノ・ルリ 搭乗機体:スカイグラスパー(機動戦士ガンダムSEED)
 パイロット状況:健康
 機体状況:良好
 現在位置:E-5
 第一行動方針:とりあえずなし
 最終行動方針:アキトと共にゲームからの脱出】

【木原マサキ 搭乗機体:レイズナー/強化型(蒼き流星レイズナー)
 パイロット状態:秋津マサトのような性格のふりをしている。絶好調
 機体状態:ほぼ損傷なし
 現在位置:E-5
 第1行動方針:使えるクズを集める
 最終行動方針:ユーゼスを殺す】

時間  放送時間
750第一放送 午後六時。:2005/10/24(月) 19:40:41 ID:Yg2nepJu
ジャカジャカジャンジャン!ジャジャン!
殺し合いの場にはあまりに似つかわしくない軽快な音が鳴った。

「・・・私はこの様な音を流せとは言っていないが」
 気を取り直し、軽く咳き込む。
「ゴホン、まぁ良い、聞こえているかな参加者の諸君」
 まぁ、聞こえないのは既に死した者だけだが。
「ああ・・・耳さえ貸してもらえればよいから、殺し合いながらでも結構だよ。
 では、これより死亡者と禁止エリアの発表を行う。心して聞きたまえ」

「まずは、皆が待ち望むこれまでの死亡者発表と行こうか・・・」
…アラド・バランガ
…アルマナ・ティクヴァー
…一色 真
…柿崎 速雄
…カツ・コバヤシ
…シュウ・シラカワ
…ジャック・キング
…テンザン・ナカジマ
…B・D
…フェルナンド・アルバーグ
…三輪防人
…ラージ・モントーヤ
「以上、12名だ。・・・なかなかの結果じゃないか。
 その調子で、快適な殺し合いを楽しんでくれ」

「続いては禁止エリアだ。今から二時間後、D-3とE-7は進入禁止となる。
 進入すると、君たちの首輪が起動するので注意することだな・・・」


「・・・それから、今後の放送は十二時間毎に行うこととする、精々聞き逃さん様にしたまえ」

 仮面の奥で邪悪に微笑むユーゼス。
「さて…これからどうなるか、楽しみなところだな…」
【PM 06:00】
751壊れたつがい:2005/10/24(月) 20:14:42 ID:CH7/6PHH
「ア、アラドが死んだ?嘘・・・・・嘘よ!」
廃墟に白髪の少女の声が響いた。ゼオラは目を手で覆いうなだれる。、
彼女の頬には涙を伝っていたが、瞳は悲しみにも絶望にも似て似つかぬ狂気の目であった。
「アラドが・・・・ううっ・・・」
その隣にいたラトゥーニも涙こそ堪えているものの深い悲しみの顔をしている。
深い悲しみを見せた。アラドという人物と恐らく親しかったののだろう・・・
その横にいた老人、タシロは慰めにもならないとわかっていても声をかける。
「ゼオラ君、ラトゥーニ君。今は悲しいかもしれないが君たちが生き残ることこそがアラド君への・・・」
「アンタに何がわかるって言うのよ!!」
語りかけているタシロにゼオライマーの手が向けられる。その手から衝撃波が走った。
「危ないっ!」
一瞬だった、ラトゥーニのガンダムがそのシールドでガンナーを庇ったのだ。
しかしさすがに加減無しの衝撃波は100%防ぎきれず、2機は後方へ吹き飛んだ。
「アラドが死んだ?ラトも死んだ?・・・いやああああああああああああああああああ!」
ゼオラは狂ったような悲鳴をあげ、吹き飛んでいく二機の反対方向へゼオライマーを疾走させた。

【タシロ・タツミ 搭乗機体ヒュッケバインmk-3ガンナー(パンプレオリ)】パイロット状況:不明
 機体状況:Gインパクトキャノン二門使用不可、前面の装甲がかなりはがれる
 位置:B-1廃墟
 第一行動方針:不明
 最終行動目標:ゲームから可能な限りのプレイヤーとともに生還
        (いざというときは、自分が犠牲になる覚悟がある)】

【ラトゥーニ・スゥボータ 搭乗機体V2アサルトバスターガンダム(機動戦士Vガンダ)】
 パイロット状況:不明
 機体状況:盾が大きく破損(おそらく使い物にならない) アサルトパーツ一部破損
 位置:B-1廃墟
 第一行動方針:不明
 最終行動目標:ゲームから可能な限りのプレイヤーとともに生還】

【ゼオラ・シュバイツァー 搭乗機体:ゼオライマー(冥王計画ゼオライマー)
 パイロット状況:恐慌状態
 機体状況:左腕損傷大、次元連結システムは問題無し
 現在位置:B-1から疾走中
 第一行動方針: ???
 最終行動方針: ???

【時刻:18:10】
752独 −kodoku− :2005/10/24(月) 23:16:29 ID:tTz1qWdb
「しかし、君一人では危険ではないか?」
「お願いです、タシロさん…ゼオラと二人だけで話がしたいんです」
ゼオラが錯乱してから2時間、二人は廃墟に立ち尽くすぜオライマーを見つけた。
しかし迂闊に刺激を与えれば再び恐慌状態に陥るか、最悪ゼオラの精神が崩壊する危険性も否定できない。
「ゼオラと…死んだ…アラドも私の大切な家族なんです、だから…だから…」
目に涙を貯めるラトゥーニを見ては、タシロも折れざるをえなかった。
「わかった、君には負けたよ」
「タシロさん!」
「だが、少しでも危ないと感じたならすぐに逃げるんだ。
 先ほどの様子では、彼女の精神が危ういところにあるのは間違いない」
「はい…」

「アラド…アラド…アラドぉ」
ゼオライマーのコックピットで、泣き疲れたゼオラは放心状態になっていた。
「どうして…私…なんで…どうしたら…」
そのため、近づいてくるV2ガンダムにまったく気付かなかった。
「ゼオラ…私、ラトゥーニよ。お願いコックピットをあけて、二人で…話し合いましょう…」
「ラト?」
精神が磨り減った状態では、少女が無事だった事すらどうでもよくなっていた。いや、
(なんで…生きてるんだろう?アラドは死んだのに)
ふと疑問が沸き起こる、
(そうだ、アラドは死んだのにラトが生きてるなんて不公平じゃない)
そしてそれは理不尽な怒りとなった。理屈にすらなっていないが、だが今のゼオラにとってそんなことは
どうでも良かった。
「・・・」
腰に下げた銃を見る。かって目の前の少女を撃った銃を…
753独 −kodoku−:2005/10/24(月) 23:17:20 ID:tTz1qWdb
「わかったわ、今ハッチを空けるね」
「ゼオラ!」

めいっぱいの笑顔で迎えてあげよう、だってこれで最後なんだもの…

目の前のハッチがゆっくりと開いて行くのを見ながら、銃の安全装置を外す、

「え?」
ハッチが開いた瞬間ラトゥーニはゼオラに抱きついた、
「ちょっと、ラト?」
まったく考えていなかった展開に戸惑うゼオラ、
「ラト…貴方」
ラトゥーニ・スゥボータは泣いていた。その小さい体でゼオラを抱きしめながら、ただ泣いていた。
「ゼオラ…私達、一緒だよ」
「え?」
震える声で少しずつ言葉を紡ぐ、
「アラドも、ぜオラも、私も…一緒…だから」
「ラト…でも、アラドは…」
そう、アラド・バランガは死んだ、もう会う事はできない…
「でも…一緒なの!私達の中でいつも一緒な!だから、一人にならないで…一人に…しないで」
「ラト…」
自然に涙が溢れてくる。

そうだ、一人じゃないんだ…私には、まだラトがいる…アラドとの記憶も、思いも、私達の中にある…
754独 −kodoku−:2005/10/24(月) 23:18:27 ID:tTz1qWdb
「ごめん…ごめんね、ラト」
「いいの…ゼオラ…ずっと、ずっと一緒だから」
「うん、うん…ずっと一緒よ」
泣きながら、互いに抱きしめあう
「うん、だからゼオラ…殺してあげるね?」
「え?」

銃声が、コックピットに響いた。

「え?え?」
何が起こったの?
「ラト、それ…私の銃」
何故私の銃がラトの手にあるの?
「ラト、私…どうなってるの?」
どうして私は血を流してるの?
「ラ…ト…」

目の前のゼオラだったモノをラトゥーニは涙を流しながら見つめている、
「これで、アラドと一緒だよね?」
その表情が笑顔に変わっていく、何処までも幸せそうで、そして何かが壊れた笑みに。


アルジャーノン
原因、及び感染経路不明とされる奇病。
アルジャーノンに発症した者は気分の高揚、及び異常な破壊衝動の発露など、様々な症状が現れる。

「ラトゥーニ君、無事か?今のはいったい!?」
離れた場所に待機していたタシロが、銃声を聞きつけて飛び出して来た。
「ゼオラが…ゼオラが…自分を」
「何だと!?」

特異な点として、感染者は複雑な技術作業を行う事もでき、また極めて平常に振舞う事も可能である。


そして確実に言える事は唯一つ…人が死ぬという事である。
755独 −kodoku−:2005/10/24(月) 23:19:15 ID:tTz1qWdb
【タシロ・タツミ 搭乗機体ヒュッケバインmk-3ガンナー(パンプレオリ)】
 パイロット状況:正常
 機体状況:Gインパクトキャノン二門使用不可、前面の装甲がかなりはがれる
 位置:A-1廃墟
 第一行動方針:不明
 最終行動目標:ゲームから可能な限りのプレイヤーとともに生還
        (いざというときは、自分が犠牲になる覚悟がある)】

【ラトゥーニ・スゥボータ 搭乗機体V2アサルトバスターガンダム(機動戦士Vガンダ)】
 パイロット状況:アルジャーノン発症
 機体状況:盾が大きく破損、 アサルトパーツ一部破損
 位置:A-1廃墟
 第一行動方針:破壊
 最終行動目標:破壊】

【ゼオラ・シュバイツァー 搭乗機体:ゼオライマー(冥王計画ゼオライマー)
 パイロット状況:死亡
 機体状況:左腕損傷大、次元連結システムはレプリカではあるが損傷無し。】


【時刻:20:30】
756壊れたつがい:2005/10/24(月) 23:54:30 ID:5AdwWvP8
「ア、アラドが死んだ?嘘・・・・・嘘よ・・・・」
廃墟に白髪の少女の声が響いた。ゼオラは目を手で覆いうなだれる。、
死ぬ間際でもないのに今までの記憶が走馬灯のように駆けていく。
記憶といってもスクールでの厳しい訓練、人体実験つらいことばかり思い出した。
しかし、その中にある小さな思い出、オウカ姉さま、ラト、そしていつも一緒にいた
アラドがいたからこそ、いままでやっていけたのかもしれない。
今、彼女は自分のアラドへの感情を本当に理解した。「恋」だったのだ。
気付けたのは良いが、自分が恋していたアラドはもう会えない、虚無と絶望が彼女を包んだ
(死のう)
彼女はそう思った。でも、アラドは自分を守れなかった私を許してくれるだろうか・・・
そうだ、アラドへの手向けをしなければいけない。悲しみが段々薄れていく。逆にある決意が頭に浮かんだ。
(アラドを殺した奴、アラドを殺したこのゲームの主催者、そしてそれを止めなかった他人。)
(みんな殺してやろう。)
いつの間にか彼女の頬に伝っていた涙は止まった。しかし瞳は悲しみにも絶望にも似て似つかぬ狂気の目であった。
757壊れたつがい:2005/10/24(月) 23:56:50 ID:5AdwWvP8
「アラドが・・・・ううっ・・・」
その隣にいたラトゥーニも涙こそ堪えているものの深い悲しみの顔をしている。隙を見せている。
攻撃するなら今だ。しかし、ラトとの交流も深かったので、どうしても、撃つのをためらってしまう。
(ラトは・・・・どうしましょう・・・)
彼女の迷っている時。タシロは悲しんでいる少女二人をどう接すればよいか考てえいた。
彼女たちは深く悲しんでいる。死亡者放送の最初からショックを受けていたことから、
アラドという人物と親しかったののだろう・・・ここで声をかけても慰めにもならないは知っている。
むしろ反感を買うかもしれない。しかし、これ以上犠牲者を増やさないためにも、行動を起こさねばならないのだ。
タシロは注意を払いつつ、タシロは意を決し声をかける。
「ゼオラ君、ラトゥーニ君。今は悲しいかもしれないが君たちが生き残ることこそがアラド君への・・・」
タシロの言いかけの言葉が、元来精神操作などで不安定なゼオラの憎悪に火をつけた。
(あいつ、気安くアラドのことを・・・・許せない・・・・!)
ゼオラは考えるのを中断し、半ば脊髄反射的にガンナーにゼオライマーの手を向けた。
「アンタに・・・アンタに何がわかるって言うのよ!!」
その手から衝撃波が走った。そのスピードは速く今の近距離で避けられるものではない。
(くっ、やはり私が浅はかだったか・・・・・)
彼女はゼオラ君はやはり、精神的に不安定な状態だったようだ。直感的に死を悟ったタシロは自分の迂闊さを悔いた。
「危ないっ!」
一瞬だった、ラトゥーニのガンダムがそのシールドでガンナーを庇ったのだ。シールドは一瞬で大きくひび割れ、砕けた。
しかしあの強固そうな盾でも加減無しの衝撃波は100%防ぎきれなかったようだ。
758壊れたつがい:2005/10/25(火) 00:02:36 ID:xbQsnvwN
「きゃあああああ!」
「うおおおおおっ!」
2機は轟音と共に砂埃を上げ後方の廃墟へ吹き飛んだ。高い砂埃がボロボロのストリートに上がる。
「えっ!?ラト・・・ラトォォォォォ!」
ゼオラはあの攻撃では二人は死んだだろうと思った。しかし、今ラトを殺す気はなかった。
今度は自分の手でただ一人残った仲間を手にかけてしまった。どうしようもない悲しみがゼオラを突き抜けた。
「アアッ、アアッ、アラドが死んだ?ラトも死んだ?・・・いやああああああああああああああああああ!」
ゼオラは狂ったような悲鳴をあげ、さらにボロボロとなった廃墟の反対方向へゼオライマーを疾走させた。
しばらくして、砂埃と瓦礫の中から二機のロボットが姿を表した。ガンダムは動いていない
タシロは安全を確認すると、すぐガンナーを降りガンダムのコックピットをあけた。
ラトゥーニは頭部から血を流しているものの、ただ気絶をしているだけのようだ。
ラトゥーニをコックピットから出し、横にさせるが、タシロの顔には安著の表情は見えない。
「いかんな、今の彼女を放っておけばさらに犠牲者が出るかもしれん・・・・・」
幸いにも自分をかばってくれたラトゥーニは気を失っているだけのようだ。
一刻も早く彼女を止めなければいけない。こうなってしまった責任を感じつつ、タシロはそう思った。
759壊れたつがい:2005/10/25(火) 00:04:21 ID:5AdwWvP8
【タシロ・タツミ 搭乗機体ヒュッケバインmk-3ガンナー(パンプレオリ)】パイロット状況:上半身打撲
 機体状況:Gインパクトキャノン二門使用不可、前面の装甲がかなりはがれる
 位置:B-1廃墟
 第一行動方針:精神不安定なゼオラをどうにかする。
 最終行動目標:ゲームから可能な限りのプレイヤーとともに生還
        (いざというときは、自分が犠牲になる覚悟がある)】

【ラトゥーニ・スゥボータ 搭乗機体V2アサルトバスターガンダム(機動戦士Vガンダム)】
 パイロット状況:被弾の衝撃により頭をぶつけ気絶、少し頭部出血。(一時間もあれば目覚める)
 機体状況:盾が大きく破損(おそらく使い物にならない) アサルトパーツ一部破損
 位置:B-1廃墟
 第一行動方針:リュウセイと仲間を集める。
 最終行動目標:ゲームから可能な限りのプレイヤーとともに生還】

【ゼオラ・シュバイツァー 搭乗機体:ゼオライマー(冥王計画ゼオライマー)
 パイロット状況:精神崩壊  (ラトとタシロは死んだと思っている)
 機体状況:左腕損傷大、次元連結システムは問題無し
 現在位置:B-1から疾走中
 第一行動方針: ???
 最終行動方針: ???

【時刻:18:20】
760それも名無しだ:2005/10/25(火) 01:15:09 ID:9P+jkCt+
>>752>>755を破棄します。
議論スレをちゃんと確認していなくて申し訳ありませんでした。
761死者殺し 1/2:2005/10/25(火) 02:26:17 ID:fcmNb74L
 薄暗くなってきた廃墟の中で、フォルカは沈痛な面持ちで虚空を眺めていた。
先程の、放送。主催者から発信されたそれを聞き、彼は二重のショックを受けていた。
「12名もの人間が・・・」
 死んだ。否、殺された。確かにこの状況に混乱し錯乱して、他者を襲った者もいただろう。
先程の少女・・・いまだ眠る彼女のように。だが・・・数が多すぎる。
いるのだ。この状況を楽しんでいる、人間が。
そして、その人物が殺したであろう名前の羅列の中に・・・聞き覚えのある名前が一つ。
「フェルナンド・アルバーグ・・・」
 よく知った名前・・・だが、あの男のはずは無い。
なぜなら彼は、確かに死んだはずなのだから。
何者にも、死者は殺すことは出来ないのだから・・・それならば・・・
「・・・・・・・・・」
 フォルカは友と同じ名の人物の為に・・・目を瞑り、祈りを捧げた。


『・・・マデノシボウ・・・ピョウ・・・』
 何かが・・・あの男の声が聞こえる・・・
(・・・何を言っているんだろう?)
『・・・マコト・・・キザキハヤ・・・コバヤシ・・・シュウ・・・』
頭がぼんやりとする・・・何が何だかわからない・・・ただ・・・
(コバヤシ?・・・マイ・コバヤシ・・・私の、名前)
『・・・アルバーグ・・・ミワモリヒト・・・』
名前が沢山・・・なんだろう?私も、呼ばれた。
『イジョウ、ジュウニメイ・・・ナカナカノケッ・・・』
私は、何を、していたんだっけ?
それに答えるかのごとく・・・ひとつの単語が、耳に入った。
『・・・コロシアイ・・・』
コロシアイ?ころしあい・・・殺し合い。
(そう、私は殺し合いをしていた・・・?)
わからない・・・先程の放送で、名前を呼ばれた気がする・・・何故?
名前を呼ぶ、理由は?あの声は、何と言っていた?
(までの、しぼう・・・しゃ・・・はっぴょう?)
しぼうしゃ、はっぴょう・・・死亡者、発表。
つまり、あの名前は死者の名前なのだ。
そして・・・マイ・コバヤシ。私。
私は呼ばれた・・・?・・・私は、死んだ?
「あ・・・あ・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 叫んだ。気持ち悪くて。あたまがいたくて。
だれかが、かたをゆすっている。だれ?
『落ち着け!大丈夫だ!』
「ああああああ・・・あ、あ・・・?」
 赤毛の男の人が、目の前にいた。
どこかで見た気がするが、思い出せなかった。

 彼が差し出した水を受け取り、口に含む。ぬるかった。
「・・・落ち着いたか?」
 その問いにコクリと頷く。多分・・・大丈夫だ。
「俺は、君を殺すつもりなんか無い・・・
 君だって、殺し合うつもりは・・・」
 突然、彼の言葉が止まる。そして、笑顔で私に尋ねた。
「そう言えば、名前を聞いてなかったな・・・君の名前は?」
762死者殺し 2/2
 名前、私の名前、マイ・コバヤシ・・・死人の名前。
じゃあ・・・ココにいる私は誰?・・・私は・・・私の、名前は・・・
「・・・大丈夫か?無理する必要は・・・」
「レビ・・・レビ、トーラー・・・」
 口をついて、名前が出た。私の、名前。
「レビか。いい名前だな・・・よろしく頼む、レビ」
「あ、ああ・・・」
 自らの名前に、違和感を感じる・・・
私の戸惑いを感じたのか、目の前の男が心配そうな顔をむける。
「・・・もう少し休んだ方がいいな・・・」
 そう呟くと、男はこちらに背を向け、床に置いてあった寝床を整え始めた。
(・・・・・・そうだ・・・少し、休もう・・・私は疲れてるんだ・・・)
休んだら、この違和感も、頭痛も、気持ち悪さも、消えているだろうから・・・
(休んで・・・体調が良くなったら、探しに行こう・・・)
何を?誰を?
(もちろん、リュ・・・)

「っと、忘れてた。俺はフォルカ、フォルカ・アルバーグだ。よろしく頼む」
 その言葉を聞き・・・私は一気に現実に引き戻される・・・
アルバーグ・・・放送で、呼ばれた名前・・・死んだ、人間・・・
(きもち、わるい・・・)
違和感の、正体がわかった。死んだ人間が、ココにいてはイケナイ。
死者が、言葉を喋っていては・・・イケナイ。

・・・私は、石を拾うと、目の前で蠢いている、死体めがけて、振り下ろした。



 紅い・・・手が紅く染まっている。真っ赤に染まったソレで、操縦桿を握り締める。
機体を西へと動かしながら・・・私が考えるのは一つの問い掛け・・・

私は・・・だれ?



(リュウに、会いたい・・・)




【マイ=コバヤシ 搭乗機体:R-1(超機大戦SRX) 
 現在位置:E-1から西へ
 機体状況:G−リボルバー紛失
 最終行動方針:リュウセイに会う】


【フォルカ=アルバーク 搭乗機体:エスカフローネ (天空のエスカフローネ)  
 パイロット状況:死亡
 機体状況:剣に相当のダメージ。それ以外は問題なし】