アスラン「急げ!ラクスの野望を早く止めないと世界が破滅してしまう!」
アスランに急かされて急ぐシン、ルナマリア、ステラ達。
シン「島の地下にこれほど巨大な空間があるとは・・・」
ルナマリア「巨大な地下空洞を改造したらこうなりました、って感じよね」
シン達が格納庫に到達したのを見計らったかのように、奥からラクスの声が響く。
「鬱屈した精神は何も生み出さなしません。我々に降伏しろともいいません。
もはや貴方達にはその資格はありませんので」
ラクスの声に応じて、ストライクフリーダムに乗ったキラ、アカツキに乗ったカガリが出てくる。
ルナマリア「ジェネシスはもうこっちが落としたわよ!降伏するのはどっちの方よ!」
ラクス「ならば、これを見てもまだ降伏しろと言えますか?」
どこに隠していたのか、奥からムラサメがゾロゾロと現れる。
ラクス「シン、あなたのしつこさには敬意を表したいくらいです。あなたの妹、マユ一人のために
ここまで戦い抜くとは」
シン「違う!俺はマユや家族のためだけに戦ってるんじゃない!これ以上マユのような不幸な
人間を増やさないために、みんなのために戦って居るんだ!」
ラクス「もう一つ言っておきますと、アスカ一家殺害の犯人は、キラ・ヤマトです
シン、これで後悔することなく妹の元に行くことができますね」
キラ「今更しょうがないじゃない。あれは戦争だっんだし」
シン「やはり・・・貴様が、貴様がやったのか!」
アスラン「ラクス、貴様も墜ちたものだな」
カガリ「墜ちた?我々の理想を理解できぬ裏切り者が何を言う」
アスラン「今のシンは怒りに我を忘れるような奴じゃない。むしろ、その怒りを力に変えられるように
なった。今のシンはもうお前らが考えているような昔のシンではない!」
ルナマリア「だって、今のシンはもう一人じゃない」
ステラ「私も今まで一人ぼっちだった。でも、シンと出会うことで自分を取り戻せた。
今、『人形』としてではなく、一人の人間として戦っている」
キラ「ラクスもカガリも、博愛を以て世界を治めようとしている。それが何で分からないんだ。
だからお前達は『悪』なんだよ!」
ルナマリア「博愛って、全ての物に対する平等な愛じゃないの?あんた達が博愛を拠り所に
しているんだったら、立場が違うだけで『悪』としているあんたの発言は矛盾してるんじゃないの?
あんたらの持ってるのは、ただ単にオーブと言うだけで他者より優位に立っていると思い込んでる
錯覚とも言える誇り高さだけよ」
カガリ「私は今の世界に失望している。最近の大衆のモラルの低下を嘆いている。
前の大戦の痛手から世界が復興の兆しを見せたのも、我々が相互信頼社会を築き上げたようと
しているからだ。他人を信用することで軍事力にかかる費用を他に回すことができるからだ。
しかし、最近楽に生きようとする自分の利益しか考えない人間が増えてきた。
相互信頼社会がもはや成立し得ない今、世界を立て直すには思想の統一が必要だ。
皆が同じ考えを持つことで、すべての人が幸せを享受出来、情報伝達のロスも無くなるのだ。
すべてが計画通りうまくいく。それこそがオーブ千年王国の建設理念だ」
シン「貴様は、それを追い求めた他の国の末路について何も知らないのか?
結局は権力者による『血の弾圧』でしかない。そんな世界で幸せになれるのは
ほんの一握りの人間だけだ!何故お前達は過去から学ぼうとしないんだ!」
ルナマリア「あんたは自分の所だけが良ければそれでいいと思っているから、そう言う事を平然と口に出来るのよ」
アスラン「目先の事しか考えない奴が千年王国などとは片腹痛いな」
ステラ「自分の事しか考えない人・・・まさに貴方達の事じゃないの!」
ラクス「・・・ならば、どちらが目先のことしか考えていないのかここで決着を着けましょう!
キラ、カガリ、ムラサメ隊、行きなさい!」