開発者が語るタクティクスオウガ
95年10月6日、期待の新作ソフト『タクティクスオウガ』がついに発売される。
発売を目前に控え、製作を終えられたスタッフの方にいくつかお話をうかがってみた。
お応え下さったのは、シナリオ、ゲームデザイン、監督を務めた松野泰己氏である。
●語り手 松野泰己(クエスト)
クエスト開発部チーフを務める。代表作『伝説のオウガバトル』、『タクティクスオウガ』。
「タクティクスオウガの見どころって、どこですか?」
見どころっていうか、結局こだわった点になるんですけど、キャラクターのアニメーションですね。
例えば戦闘シーンでは、敵の攻撃をよけるにしても、盾を装備しているユニットは盾でよける、
剣しか装備してなければ剣でよけると。
またヴァルキリーが槍を使う場合、クルッと回してから突くんですけど、
このクルッと回す動作は、槍が得意なヴァルキリーだけの動作なんです。
同じように、ナイトが剣を使うアニメーションは他のと違います。
ここにこだわらなかったら、一年前に(ゲームを)出せたんじゃないかって思ってるんですけど(笑)。
こんな細かいところにこだわっても商品価値が上がるわけではないんですが、僕らが楽しんで作ってるので。
ウチの開発スタッフはアクションやシューティングが好きな人間が多いんで、
ユニットの動きにはアクションゲーム並の労力が、かかってるんです。
「ユーザーに対して、何かメッセージはありますか?」
エンディングにいたるまでの経過を楽しんで頂きたいと。
ゲームが進めば進むほど、どちらを選んだらいいか悩んじゃうような選択肢が出てきます。
そこら辺は、あえて狙って入れてみたんですけど。変な言い方になるかもしれませんが、
安心して自分がベストだと信じた選択をして下さい。
選択によってシナリオが分岐することもありますが、どう進めてもそれなりのボリュームのシナリオを用意してありますし、
どの選択が正しいってこともないんです。
これを選びなさいってことは、絶対にしたくありませんでしたから。
(続き)
「プレイする際のコツを教えていただけませんか?」
そうですねえ、ユニットの育て方でしょうか。このゲームはある意味育てゲーなんですよ。
レベルが上がれば上がるほど、どう育てたかによってユニットの能力にプレイヤーごとの差が出てきます。
だからユニットを上手に育てた人と、ちょっとミスった育て方をした人とでは、
バトルフィールドの難易度が結構変わってしまうんです。
育て方のコツですか?最初からユニットに何をやらせるか決めて、その役割に必要な能力を伸ばしてあげることです。
方針を持たないで、その場の成り行きだけで育てていくと、ちょっとつらいでしょうね。
「開発を終わって、感想とか思ったこととかお聞かせ下さい。」
まず、今回は気持ちよく(制作を)終えられたんでよかったなと。
開発スタッフはみんながんばったし、何よりもチームワークが本当に良かったんです。
だからそういった意味では、次への布石としての自身をつけました。
もちろん今回やり残したことっていうのは多いんですけど、とりあえずユーザーの方々に、
次も期待してくださいねって言えるかなと。
「で、その次作なんですけど?」
まだ全然決まってません(笑)。とりあえず少し充電してから考えようかなと。
ただ僕個人としては、今回のタクティクスオウガは(プレイするのに)気合が必要なゲームなんで、
次はもうちょっと軽目な、空いた時間にちょこちょこっと遊べるようなゲームを作ってみたいなあと思っています。
全く未定の話なんですけど(笑)。
以上 Vジャンプブックス ゲームシリーズ タクティクスオウガ 上 より記事抜粋