SCEK、「PlayStation新製品ローンチングカンファレンス」を開催
新型PS3、PSPGoの韓国発売を正式発表。PSNタイトル半額キャンペーンを実施
Sony Computer Entertainment Korea(SCEK)は9月17日、ソウル市ハンガン市民公園内
レストランFRADIAにおいて「PlayStation新製品ローンチングカンファレンス」を開催した。
本発表会はハンガンの水面上に位置するレストランFRADIAにて行なわれた
本発表会では韓国において、低価格化、軽量化された新型プレイステーション 3(PS3)
とPSP goの発売日の告知と、それに伴う新たな韓国語版ローカライズタイトルのライナップ
が発表された。新型PS3の発売日は9月23日、価格は428,000 ウォン(約32,100円)。
PSP Goの発売日は10月1日、価格は328,000ウォン(約24,600円)となっている。日本での
価格設定と比較すると、PS3は日本の方が若干安く、 PSP Goは韓国の方が若干安いという
ことになる。
パッケージ販売よりオンライン販売の方が強い韓国市場は、PlayStationNetwork(PSN)を
通じてタイトル販売を展開するPSP goに期待しているようだった。本稿では発表会の内容を
お伝えしたい。
(中略)
■ 韓国市場はPlayStation Networkを通じてオンライン販売を展開するPSP goに期待
発表会後に関係者に話を聞いたところ、特に韓国のサードパーティーは、オンラインで
ゲームの販売が行なえるPSP goへ期待を寄せる声が大きかった。
韓国のコンシューマ市場は本体こそ堅調に販売実績を伸ばしているが、ゲームソフトは
全くといっていいほど売れない深刻な状況に追い込まれている。関係者によれば、ヒット
しても3,000本がせいぜいで、1万枚出れば大ヒットという状況だという。
その理由としては韓国では違法コピーが未だに活発なことが挙げられる。コピーが可能
だった旧型PSPはユーザーたちの間では、新型より高値で取引されている。さらに、韓国に
おいて200万台を突破したニンテンドーDSはマジコンの問題が解決しておらず、そのおかげ
でゲームソフトは1,000本すら届かない。SCEK、任天堂、マイクロソフトの3社とも法律的
に対応はしているが、事態は未だに改善されていないのが現状だ。特にタイトルの販売だけ
で売り上げを上げているサードパーティにとっては、非常に深刻な問題である。
PSP goでは、PSNを通じてタイトルのオンライン販売を行なうため、違法コピー行為も容易
く阻止できる上、オンラインゲームが主流である韓国にとっては、パッケージ販売よりオン
ライン販売の方が馴染んでいるという見方をしている。さらに、パッケージ作業に掛かる
費用も省くこともできるため、低価格化等の施策により多くのユーザーたちに楽しんで貰
えるという。
SCE Asiaでもその点を狙って半額割引といったイベントをアジア地域限定で行なうなど、
PSNに勝負を掛けようとしているようだ。韓国のPSNは、韓国で PS3が発売された2007年
6月16日からサービスが開始されており、現在、アジア地域全体で60万人の会員を持つ。
全世界の会員数が2,700万人であることを考えると寂しい限りだが、それだけにしっかり
普及させれば、市場が一変する可能性すらあるわけだ。
今後は、無料体験版やPSタイトルのPSP版「ゲームアカイブ」、ゲームアイテム、映像
といった多様なラインナップを拡大していく方針だという。PSP goの登場で会員やコンテンツ
数の拡大も期待したいところである。
PSP goは、コンシューマ市場が弱いアジア地域において、新たな可能性を感じさせる
プラットフォームだ。韓国だけでなく、違法コピー行為で悩まされている国々のビジネス
において大きな福音となる可能性がある。そういった面を含めて今後、PSP goの活躍に期待したい。
http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/korea/20090918_316736.html