EAの大型買収：アナリストの懸念をよそに株価は上昇

　Electronic Artsは米国時間10月11日、同社がElevation PartnersからBioWareと
Pandemic Studiosを、現金およびその他の補償により、総額8億6000万ドルで
買収すると発表した。株式市場からの最初の反応は好意的なもので、10月12日
午前中の同社の株価は、過去52週間の最高値である61.28ドルを付け、4.4％上昇した。
しかし、アナリストからの反応は若干複雑なものだ。

　10月12日朝の投資家への通知で、Pacific Crest SecuritiesのEvan Wilson氏は、
この買収によってEAはアクションアドベンチャー分野でよりよい足がかりを得ると
しながらも、買収費用について率直に疑問を呈した。同氏はBioWareとPandemicの
買収にかかる金額は、RedOctane（1億5000万ドル）、Criterion（6800万ドル）、
Mythic（7600万ドル）、Bizarre（同氏は4000万ドルと推定している）、Havok（1億1000万ドル）、
GLU Mobile（2億1000万ドル）、Harmonix（1億5000万ドル）を合わせた金額に
相当すると指摘する。

　「この価格はまた、（EAのCEOであり、Elevation Partnersの元役員であるJohn）
Riccitiello氏と（BioWare、Pandemicの親会社である）VG Holdingsとの関係についても
疑義を生じる」とWilson氏は書いている。「同氏は本買収に関する取締役会の
最終決議から棄権しているが、われわれはRicitiello氏の存在なしにEAがVG Holdingsを
買収したとは思わないし、もししたとしてもこの価格ではなかっただろう。われわれが
業界筋から入手した情報では、この議決は割れている。Riccitiello氏は本買収によって
ある程度利益を得るが、むしろElevationの利益が大きく、同氏が大規模ゲーム
パブリッシャーを構築するという仕事を部分的にしか終えずにEAに戻っていることから、
Elevationの他のパートナーに対する譲歩に見える」（Wilson氏）

　Wedbush Morgan SecuritiesのアナリストMichael Pachter氏もまた、Riccitiello氏は
この取引から最大490万ドルの利益を得る立場にあるとして、同氏がElevation Partnersと
結びついていると指摘する。しかし、同氏はまた、EAは利益相反の可能性があるとの
情報開示を米証券取引委員会（SEC）への書類で行っており、この取引は公平なものに
見えるとしている。

　「この買収は高価なものだが、われわれは相応の効果を生むと考えている。
これら2つの開発会社は過去7年間毎年平均3本のゲームを出しており、3億ドルの
売り上げを上げるためには、1作品につき平均約1億ドルを販売する必要がある。
これは大きな数字ではあるが、これまでのいくつかの作品については数億ドル単位の
ものになっている。これらの2つの開発会社の将来の業績がこれまでの業績を
反映したものになるとすれば、EAの年間3億ドルの売り上げというゴールは
達成できる見込みが高い」（Pachter氏）


Game Spot Japan
http://japan.gamespot.com/news/story/0,3800076565,20358803,00.htm

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