ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米ゲームソフト大手のエレクトロニック・
アーツ(EA)(Nasdaq:ERTS)は5日、新たに設立した「EAカジュアル・エンターテインメント」
部門の社長にキャシー・ブラベック氏(44)が就任したと発表した。改革に向けてジョン・
リッチティエッロ新最高経営責任者(CEO)が打ち出した最初の動きとなる。
新部門の設立は、急速に変化するゲーム市場で機動性の向上を狙った組織改革の
第一歩。業界がソニー(NYSE:SNE)、米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)、任天堂(7974.OK)の
新世代ゲーム機へ移行するなか、EAは近年、売り上げ減少と赤字に苦しんでいる。
4月に同社トップに就任したリッチティエッロ氏は最近、社内の「説明責任と敏捷性」を
高めるための組織改革を行うことを投資家に予告していた。
それに向けたEAによる最初の試みは、社内のゲームを幅広く集め、カジュアル・エンター
テインメント部門に統合することだ。カジュアル・ゲームとは、「プレイステーション3」などに
代表される、多大な時間を要する没入型の高機能ゲーム機器とは異なり、通常は携帯電話や
パソコン、携帯型ゲーム機器などさまざまな機器を使用して短い時間で容易に遊べる単純な
ゲームのことを指す。カジュアル・ゲームの利用者は「筋金入りの」ゲーム愛好者よりは、
女性や年齢層のより高い人が多くを占める。
ブラベック氏はインタラクティブ・ゲームソフト開発会社の米アクティビジョン(Nasdaq:ATVI)の
元幹部。今後はこれまでEA内のさまざまなグループに散らばっていたプロジェクトをまとめ、
各種機器向けのゲーム開発・制作を監督する。
ブラベック氏はインタビューで、この組織改革により、今後は異なる部門の数多くの幹部からの
承認が不要となり、買収するにしても今までより容易になると指摘。「より素早く動けるようになる」
と語った。
EAはほかにどのような組織改革を予定しているかについては、コメントを避けた。
NIKKEI NET
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