ブロードバンド推進協議会が主催するオンラインゲームの国際カンファレンス
「アジアオンラインゲームカンファレンス 2007 東京(AOGC 2007 Tokyo)」にて、
コーエー執行役員の松原健二氏による講演「オンラインゲーム beyond:可能性は
どこまでか?」が行われた。
松原氏は、コーエーにて『信長の野望Online』、『大航海時代Online』、『真・三國
無双BB』といった数々のオンラインゲームのプロデュースを担当。日本における
オンラインゲーム開発の第一人者として活躍している。
本講演では、まずはじめに昨年行われた「AOGC 2006」の松原氏の講演内容
「変化と成長を続けるオンラインゲーム市場で勝ち抜く戦略」を振り返りつつ、
次世代コンシューマハードの現状を確認した。
昨年の講演で松原氏は、次世代ハードにおいてオンラインゲームが成功する
ためには、「課金、マッチング、コミュニティ形成といったオンラインゲームを支援
するシステム」、「次世代ハードの普及速度」、「オンライン対応コンテンツ」という
3つの条件が必要と述べた。これを受け、今年の講演ではXbox 360、PS3、Wiiの
現状を分析していった。詳細は下記の通り。
■Xbox 360
Xbox 360の日本国内における販売台数は25万台と、次世代ハード3機種の中では
最少。だが、世界では1,040万台と確実にシェアを獲得している。松原氏によると
日本と世界のゲームコンテンツ市場規模は1:4の割合で、Xbox 360の販売台数の差は
非常に大きく、国内のデベロッパーとしても悩みの種になっているという。
だが、Xbox 360は「Xbox Live」をはじめとしたオンラインサービスが定着しており、
オンラインゲームのプレイ環境としての強みを持っている。また、カプコンが自社
開発したミドルウェア「MTフレームワーク」やマイクロソフトが提供するミドルウェア
「XNA」など、メーカーが自分で開発環境を整えることができるのも特徴となる。
■PS3
2006年11月の発売から4カ月、現在の国内販売台数は60万台となるPS3。3月末
までに世界出荷台数300万台を予定しているものの、オンラインゲームをプレイする
環境としてのクリティカルマスには達していない。松原氏は、PS3の大きな動きは2007年
末になるだろうと予想していた。
技術面では、PS3に搭載されている画期的なCPU「Cell」について触れた。「Cell」は
1つのCPUに異なる種類のプロセッサを組み合わせた「ヘテロ型マルチコアCPU」だが、
現状ではこの「Cell」の性能を充分に引き出したソフトウェアは存在しないとのこと。
「Cell」の性能をどこまで出せるかが、今後のPS3のロードマップになる、と語った。
また、先日インテルが実験的に開発した最新の「ホモ型マルチコアCPU」(同じ種類の
プロセッサのみで構成されたCPU)の話題について、今後「ヘテロ型マルチコアCPU」と
「ホモ型マルチコアCPU」の競争が発生する可能性を話した。
■Wii
最後のWiiは、発売後2カ月で国内販売台数が140万台を突破。世界市場では3月末
までに累計600万台を出荷と、日本国内、海外の両市場においてアドバンテージを取って
いる。松原氏は、Wiiの成功の理由を「明確な差別化」にあると分析。加えて、ゲーム以外の
特徴となる「Wii チャンネル」および「Wii Connect24」に注目していると話す。
まず「Wii チャンネル」は、現在放映されているTV-CMに関し、ゲーム以外のコンテンツの
マーケティング戦略・プロモーション広告に優れていると評価した。一方の「Wii Connect24」
については、スイッチを切ったスタンバイ状態でオンラインにつながるという仕様により、
「今までにないオンラインサービスの可能性を持っている」としていた。
以下、詳細は下記 URL で
電撃オンライン
http://www.dengekionline.com/data/news/2007/2/23/ae5b1b3734dc16933e577a7adff67cbb.html