「物忘れ外来」を開いている京都市内の病院が、患者向けに携帯型ゲーム機を貸し出し、
お年寄りらに好評だ。計算や音読などで脳を刺激するソフトを用いており、
担当医師は「受診や認知症予防のきっかけになれば」と期待している。
右京区の「内田病院」(内田實院長)。形成外科などが専門だが、2週間に1度、
専門医を招いて認知症などを診断する物忘れ外来も開いている。
導入したのは任天堂の携帯型ゲーム機「ディーエス」。画面にペンで直接触れることで
操作でき、中高年にも扱いやすいことから10台購入した。使用するソフトは同社が
東北大教授と共同開発した脳のトレーニングゲームで、足し算や単語の記憶、
古文の音読などを反復する内容。繰り返し挑戦することで脳を刺激したり、
看護師ら周囲との会話を促すなどの効果に着目。診察待ちや入院中の患者に貸している。
ゲームに挑戦した男性(77)は「操作しやすいので苦手な印象はない」と気に入った様子。
担当の木原武医師は「認知症の治療効果を裏付けたわけではないが、
前頭前野を刺激することやコミュニケーションをはかることで脳の残存機能を引き出し、
発症や進行の予防を期待できる」としている。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005081600042&genre=K1&area=K1H