【Wii】戦国無双3 173討

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339恋心(戦国無双 / 左三)のサンプルです!
左近とあるじとの間では気まずい沈黙が続いている。

三成がどんな腹積もりでこの部屋を訪ねてきたのかはともかく、こんな夜半に、
こんな左近のような男の前に無防備な姿を晒す危険を、彼は理解していない。

以前の左近であれば、そして相手が三成でなければ、
今頃は既に己の体の下に引き込み、思うさまその肢体を貪ってもいることだろう。

薄い小袖の衿もとから覗くしろい肌に、そうとは気付かれぬよう目を細めた左近は、
はあ、とわざとらしいため息をついて見せた。

「……なんだ」
「いえ、ね。殿は思いのほか、大胆なことをなさる」

「? どういう意味だ」
「そのままですよ――こんな夜中に、思いを寄せるという男の部屋なんか、訪ねるもんじゃありません」

「何を言っておる!」


さっきからこんなやり取りのくり返しだ。
なぜ来た、夜這いだ、の押し問答で、さっぱり話が前に進まない。

残念ながら思いは秘めても枯れた訳ではない、
思う相手とこんな時間に一緒にいれば、理性が揺らいでいくのが自分でも分かってしまう。

それゆえ早く立ち去って欲しいのに、彼の方ではどう考えているのか梃子でも動く気配はなく、
それどころか、あるじはきりきりと柳眉を逆立てている。

色っぽさなど皆無の様子だが、逆に彼らしくてほほ笑ましく感じられるのは、惚れた弱みだろうか。