鉄拳2・3の盛り上がっていた頃を懐かしむスレ

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16俺より強い名無しに会いにいく
学生の頃、ゲーセンに、「ポストマン」と呼ばれるおじさんが居た。
30歳くらいの郵便局の配達員で、配達ヘルメットを小脇に抱えて、仕事帰りに
ゲーセンに来てたから、そういうあだ名になったんだ。
無言で、無愛想だったけど、誰よりも格闘ゲームが強かった。


ポストとまともに対戦できるのは、「アルフィー」ってあだ名の兄ちゃんだけだった。
20歳くらいの兄ちゃんだ。髪が長いという理由で、子供たちにアルフィーって呼ばれたた。
新しいゲームが出ると、俺たちが知らない必殺技をいっぱい使っていて、
出し方を質問すると、親切丁寧に教えてくれた。
アルフィーの兄ちゃんは、毎日昼過ぎから、ずーっとゲーセンにいて、
学校帰りに小中学生にとにかく人気があったんだ。


夕方になってポストマンが店に来ると、アルフィーはCPU戦を捨てゲーする。
近くにいる子供に、「やっていいよ」と言って席を譲るんだ。
でも、近くの子供たちは、やりたがらないんだ。
何故なら、これから、もっと面白いことが始まるからさ。

ポストとアルフィーは、小声で何かを話した後、
スパ2の対戦台に座って対決を始める。

二人は、どちらが勝っても大歓声が上がる、とっても白熱した試合を
毎日10試合くらいするんだ。

もう晩ご飯の時間だけど、この対戦を見るのが面白すぎて、
子供たちは、みんな家に帰れない。
帰らないと、親に叱られると解っていても帰れない。

学校でも、俺たちは毎日ポストマンとアルフィーの話をしてた。
彼らは、本当にオイラたちのヒーローだった。
「どっちが強いか?」って議論でケンカが始まるくらいみんな興味津々だった。

「ポストマンのほうがつよいよー」
「それは、アルフィーがザンギ使ってたからだよ、ガイル使ったら負けないよ」
「お前こそ、ポストマンのサガットみたことあるのかよー!本気の時しかつかわないんだぜ」

小学生の頃は、本当にこんな会話ばかりしていたのに、
高校生になると・・・・・

「なあ、ガキの頃ゲーセンにいたアルフィーって覚えてる?」
「あー、覚えてるよ、あの髪長い上島竜平みたいな奴でしょ」
「この前彼女とプリクラ撮りにゲーセンいったらアルフィーまだスト2やってたw」
「えー、あいつまだゲーセンであそんでるのかよw」
「なんか、髪の毛長いから、すぐ判ったw頭薄くなってたけどw」
「うわ、なんか想像しただけで吹いたw」

「俺、ガキの頃アルフィーに弟子にしてくださいっていって断られたw」
「マジでwいまから弟子にしてもらってこいよw」
「やだよ恥ずかしいw」

「ホント、ゲームしか興味なかった頃は、俺らどうかしてたよなあ」
「まあ、恥ずかしいけど良い思い出だよな」
「俺らもどうかしてたけど、あの時代もどうかしてたんだよ」