ここは幻想郷…
そちらの世界で忘れ去られたもので溢れている。
君は妖怪の山の技術屋である河城にとりにピクニックに誘われ、無名の丘に来ていた。
にとり「あ〜歩いたねぇ。少し休憩しようか」
丘と言っても少々傾斜角が大きいので歩くと予想以上に疲れるのだ。
俺「そうだな。そう言えばお弁当を持ってきているんではなかったかい?今食べるのはどうだろう?」
にとり「そうだね。見晴らしもいいしここで食べよう!」
ぐるりには花が咲き誇っていて、とても幻想的だ。
本来なら共存しない様々な花が共に咲いている。
綺麗な花もあれば、そうでない花も。
まるで今の君のようだ。
君は汚い。
俺「さっそく食べようではないか。」
にとり「うん♪」
深緑のリュックからこれまた深緑の包みを取り出すにとり。
俺「開けていいかい?」
にとり「どうぞ。」
君は深緑の包みを手にとり、丁寧に開いていく。
深緑とは対照的なオレンジ色の弁当箱が姿を現した。
対照的。
蓋を開けてみる。
俺「これまた豪華なお弁当だね。」
にとり「へっへ〜ん!なんたって昨日の夜から仕込みをしていたからね♪感謝してよね♪」
照れくさそうに鼻を少しこするにとり。
俺「…チッ」イラ
俺「感謝しろだぁ?別に頼んだ覚えはねぇよ。」
にとり「えっ?どうしたの急にぃ!冗談キツいよ!」アセアセ
俺「冗談じゃねぇよゴラァ!おめぇさっきから聞いてりゃ上から目線でもの言いやがってよぉ!!」
俺「そういう所がきめぇんだよボケナスが!」ヒュングシャァァッ
にとり「あ、ぉ弁当…」ジワッ
目頭を濡らしながら呟いき、拾おうとする。
君はそれが気に入らなかったようだ。
俺「テメェ俺の事より弁当優先すんのかよ!?」ガシッ
君はにとりの胸ぐらをつかみ、デタラメに引き寄せた。
にとり「うぇ…そういうことじゃないよぉ…」ポロポロ
俺「調子ぶっこいてんじゃねぇぞハゲ野郎!おめぇ調子よりアンパンこいてんじゃねぇの?なぁ?」
ちなみにアンパンとはシンナーのことである。
にとり「あ、アンパン?何そr」
俺「うぁおお゛お゛!!いちいちうっせえんだよゴラァ!」バキッドカッ
君は胸ぐらをグイと引き寄せて饅頭のように白い右頬を思い切り殴った。
にとり「あう!うぐぁ!げふ…うっ、血が…」
真っ白な頬が真っ赤になってしまった。
俺「おい、紫。いるんだろ?バール持って来いや!」フヒヒ