1 :
クロ丸:
暇だったから書いてみた。
2 :
クロ丸:2009/11/22(日) 21:36:51 ID:lwAGyvV10
今日はクリスマスイヴの1週間前。
街がクリスマスイルミネーションに染まり始めた頃の話。
P「お疲れ様、雪歩。なかなかの出来だったぞ。ダンスもしっかりと様になってたし。」
雪歩「あ、ありがとうございますぅ、プロデューサー。」
何気ないやり取りに嬉しそうな雪歩。
3 :
クロ丸:2009/11/22(日) 21:39:35 ID:lwAGyvV10
萩原 雪歩。
半年前から俺がプロデュースしているアイドルだ。
初めて会ったときは、会話のキャッチボールもできなかった雪歩が、
今や知らない人はいないというくらいの人気アイドルにまで成長した。
P「じゃ、衣装着替えて来い。外で待ってるからさ。」
雪歩「はい、わかりましたぁー。」
俺は雪歩の楽屋から出ると裏口近くまで行き、ため息を吐いた。
P「はぁー、あんなに引っ込み思案だった雪歩が5万人のファンの前で堂々と歌えるなんて・・・。」
4 :
クロ丸:2009/11/22(日) 21:45:38 ID:lwAGyvV10
初めて会った時の雪歩は小さなチワワに怯えていた。
その後にやったミーティングは声が聞こえないくらいの距離でのミーティングだった。
初めての仕事だったバックダンサーでは失敗した時は楽屋に大きな穴を掘って上司に2人して怒られたりもした。
そんな雪歩は今ではトップアイドル。
気が付けば、雪歩はだいたいの事を1人でできるようになっていた。
俺なんか必要ないくらいに・・・。
P「雪歩が1人で・・・。やばい、泣きそう・・・。」
雪歩がここまで成長してくれたのは素直に嬉しい。
けれど、それと同じくらいに寂しい。
P「娘を嫁に送る親ってこんな気持ちなんだろうか・・・。」
そんな風に1人で悟っていると雪歩が来た。
雪歩「プロデューサー、お待たせしました。事務所に帰りましょう。」
P「あ、ああ。タクシー呼んであるからそれに乗って帰ろう。」
当たり前の会話でもあんなこと考えてたから動揺してしまう。
雪歩「何かありましたか、プロデューサー? 顔赤いですよ。もしかして風邪ですか?」
雪歩に感ずかれた。
昔だったら「ま、また私なにか失敗しましたか?うぅー、こんなダメダメな私は穴掘って埋まってますぅ。」って言って俺が止めてたんだけど。
ほんとに成長したな、雪歩。
5 :
クロ丸:2009/11/22(日) 21:47:03 ID:lwAGyvV10
P「大丈夫だ。ちょっと考え事してたから知恵熱でもでたんだろ。」
雪歩「注意してくだしいね。最近流行ってますから・・・。」
P「雪歩こそ気をつけろよ。お前は時の人なんだからさ。」
俺は強がりながらもそう雪歩に言った。
雪歩「私は大丈夫ですぅ。これがありますから。」
そう言うと雪歩は暖かいお茶の入った水筒を持ち上げた。
そう言いながらも雪歩は小さくクシャミをした。
P「マフラーもしないで・・・風邪本当に引くぞ。」
そうこうしてる内にタクシーの方から迎えに来てくれた。
運転手「遅いから迎えに来ましたよ。寒いから車に乗って暖まってください。」
雪歩「わぁ、ありがとうございますぅ、運転手さん。プロデューサー、早く帰りましょう。」
そう言って雪歩はタクシーに乗り込んだ。
その後、雪歩と一緒に事務所に帰り社長にコンサートの成功を報告し、雪歩を家に車で送った。
P「雪歩、家に着いたぞ・・・って、寝てるじゃないか。雪歩起きろー。」
雪歩がいつの間にか寝ていた。
コンサートで疲れたのだろう。
6 :
クロ丸:2009/11/22(日) 21:52:13 ID:lwAGyvV10
雪歩「うぅ、・・・あ、プロデューサー。おはようございますー。」
舌足らずな声だった。
P「おはよう、雪歩。家に着いたぞ。」
雪歩「はうぅ、ごめんなさい、プロデューサー。いつの間にか寝ていました。」
P「誤る事じゃないさ。あんなに頑張ったんだから寝ちゃってもおかしくはない。」
雪歩「プロデューサーにそう言ってもらえるとうれしいですぅ。」
P「今日はとっとと寝ろよ。疲れてんだからさ。」
雪歩「はい。あ、あの、プロデューサー。お願いがあります。」
いつもの雪歩とは違う目をしていた。
P「ん、俺にできることなら。」
7 :
クロ丸:2009/11/22(日) 21:54:16 ID:lwAGyvV10
雪歩「ク、クリスマスイヴの二十四日、プロデューサーが良ければ、夜の予定空けておいてくれませんか?」
P「なんだそんなことか。雪歩の誕生日だもんな。わかった、あけとくよ。」
雪歩「ありがとうございます、プロデューサー。では、私は帰りますぅ。おやすみなさい。」
P「おう、おやすみ雪歩。また明日な。」
そう言って雪歩は家に入っていった。
P「クリスマスイヴねぇ・・・。」
俺は彼女いない暦=年齢なので、クリスマスイヴに女の子と一緒なんてそんなロマンチックなことは一度もない。
だから、雪歩の誘いはとっても嬉しい。
P「プレゼント考えなきゃな・・・。」
そう呟きながら俺も家に帰っていった。
8 :
クロ丸:2009/11/22(日) 21:57:20 ID:lwAGyvV10
そして、一週間が流れてクリスマスイヴ当日の朝。
P「や、やっとできたー!」
あの日以降、俺は死に物狂いで頑張った。
具体的に何を頑張ったのかというとマフラーだ。
この数日間、いろいろやった。
最初の二日間は雪歩に何をプレゼントするかで一人悩んだ。
すぐにマフラーをプレゼントすることは決まった。
9 :
クロ丸:2009/11/22(日) 21:58:02 ID:lwAGyvV10
何故かって?
雪歩がいつもマフラーしてないからさ。
だから、近くの百貨店で買ってこようと思った。
思ったらすぐ行動。ってことで、百貨店に行った。
P「た、高すぎる!」
給料日前の俺の財布には無理がある金額だった。
なので、頑張って編むことにしたのだ。
残りの五日間で雪歩に気づかれないようにマフラーを編んだ。
そして、今完成したのだ!
P「少し歪(いびつ)だけど我ながら上出来だな。」
ということで、マフラーをラッピングして俺はいつもの時間に出勤した。
10 :
クロ丸:2009/11/22(日) 21:59:59 ID:lwAGyvV10
本当だったらクリスマスイヴの今日は765プロは全員休みである。
しかし、俺は雪歩のマフラーに時間を掛けたかったためにデスクワークを疎か(おろそか)にしていた。
そのツケのために今日は一人寂しく机に向かった。
11 :
クロ丸:2009/11/22(日) 22:02:36 ID:lwAGyvV10
相変わらず一人の765プロに電話が鳴った。
P「もしもし、765プロですが・・・。」
雪歩「あ、プロデューサー。事務所にいたんですか。携帯に電話しても出なかったので心配しました。」
しまった。携帯を家に忘れてきたのか・・・。
マフラーで頭がいっぱいだったから忘れてしまった。
P「悪い、雪歩。携帯を家に忘れてきてしまったから出られなかった。」
雪歩「こうして電話できたので大丈夫ですよ、プロデューサー。あ、あの今日のこと忘れてませんよね?」
こんなに頑張ってたんだから忘れるワケがない。
P「もちろん。集合はどこにする?」
雪歩「プロデューサーは今、仕事してるんですよね?だったら私がそっちに行きます。」
誕生日の人に動いてもらうのは少し癪に障るが仕事が終わりそうにないので甘えることにする。
P「わかった。じゃあ、ケーキでも買って待ってるよ。時間は19時でいいか?」
雪歩「わかりましたぁ。それじゃぁ、また後で。」
P「ああ。じゃあな。」
プツッ。
そして、電話が切れた。
P「さ、飯食いに行きながらケーキ買ってくるかな。」
12 :
クロ丸:2009/11/22(日) 22:10:54 ID:lwAGyvV10
日が暮れてすっかり外が暗くなっていた。
P「六時五十分か・・・。そろそろ来るかな。」
そう思った時、事務所のドアが遠慮がちに開いた。
この開け方は雪歩だな。
雪歩「メリークリスマス、プロデューサー。」
P「メリークリスマス、雪歩。悪いな、来てもらっちゃって。」
いつもの雪歩ではなく、なかなかにオシャレな雪歩だった。
けれど、いつもどうりマフラーはしてなかった。
良かった・・・。
雪歩「あ、あのプロデューサー、私、今日料理作ってきたんですけど一緒に食べませんか?」
P「雪歩が俺のためにわざわざ・・・?」
そう問いかけると雪歩は顔を赤く染めながら小さく頷いた。
雪歩「や、やっぱりいらないですよね・・・・・・」
P「食べるに決まってるじゃないか。雪歩が俺の為に作って来てくれたんだろ。断る理由がない。」
雪歩「あ、じゃあ早速準備しますね。」
と言うと、雪歩は手提げカバンからタッパをいくつかだし始めた。
13 :
クロ丸:2009/11/22(日) 22:18:19 ID:lwAGyvV10
P「ご馳走様。雪歩、おいしかったぞ。」
雪歩の料理はお世辞抜きでおいしかった。
クリスマスに関係のないものが多かったがそこはスルーした。
雪歩「お粗末さまでした。プロデューサーにそう言ってもらえると嬉しいです。」
雪歩の笑顔は輝いていた。
俺はその笑顔を見て決心した。
P「あ、あのさ雪歩。プレゼントがあるんだ。喜んでもらえるかわからないけどさ・・・。」
そう言いながら雪歩にラッピングしたマフラーを手渡した。
雪歩「開けてみてもいいですか?」
P「ああ。」
俺の返事を聞くと早速開け始めた。
子供みたいにニコニコしながら。
雪歩「わぁマフラーですね。もしかしてプロデューサーが編んでくれたんですか?」
14 :
クロ丸:2009/11/22(日) 22:23:45 ID:lwAGyvV10
P「ああ。俺なりに頑張った・・・。ちょっと歪んでいるけどな。」
雪歩「気づいてくれたんですね、プロデューサー。嬉しいですぅ。」
P「気づいてくれたって・・・・もしかしてわざとマフラーしなかったのか?」
雪歩「そうですよ。プロデューサーに編んでもらいたかったから・・・・。」
P「全部雪歩の計算通りだったのか・・・。すごいな雪歩、こんな頼りないプロデューサーと比べられないくらい。」
俺がそう言い終わると雪歩の目から涙が・・・・。
雪歩「頼りなくなんかないですぅぅ。わ、私はプロデューサーがいなかったらダメダメなまんまだったです。け、けれど、は、半年前にぷ、プロデューサーに会えたから!
プロデューサーがいてくれたから私は・・・トップアイドルになれたんですっっ!!」
P「・・・・・・・・。」
雪歩は目を真っ赤にしながらコンサートの時よりも大きな声で叫んだ。
雪歩「わ、私は、こんな私をここまで、そ、育ててくれた、ぷ、プロデューサーがっ、だ、だ、大好きです!!!」
P「雪歩・・・・・!」
雪歩は、俺の声が聞こえなかったのか、走って事務所を出て行った。
マフラーを持ったまま・・・。
15 :
クロ丸:2009/11/22(日) 22:33:55 ID:lwAGyvV10
雪歩が事務所を出てから三十分。
俺は雪歩を探した。
公園・・・いない。
デパート・・・いない。
レッスン場・・・いない。
雪歩がいない。
俺は一旦事務所に帰ることにした。
P「雪歩・・・。」
事務所への帰り道。
雪歩は俺の事を好きだと言った。
こんな頼りない俺を・・・。
俺は?
俺は雪歩の事をどう思っているんだろう?
アイドルとプロデューサーという関係のせいで考えたことがなかった。
雪歩は俺がプロデュースしているアイドル。
それだけ?
俺の中の雪歩はそれだけなのか?
・・・・・・・・・・。
16 :
クロ丸:2009/11/22(日) 22:42:15 ID:lwAGyvV10
そう考えているうちに事務所の近くのいつもの橋まで来ていた。
そこには一人だけ人がいた。
P「・・・・・。」
P「ゆ、雪歩・・・・・・・!」
そこには橋で泣いている少女・・・雪歩がいた。
俺の叫んだ声で雪歩が振り向いた。
雪歩「ぷ、プロデューサー・・・。」
俺は雪歩に走って近づいた。
P「雪歩。話聞いてくれるか?」
そう言うと雪歩は泣きながら頷いた。
P「俺は雪歩に大好きって言われて嬉しかった。そして、そう言われて初めて俺の中の雪歩ってなんだろうって考えた・・・。」
雪歩は小さく頷きながら聞いてくれている。
17 :
クロ丸:2009/11/22(日) 22:46:20 ID:lwAGyvV10
P「雪歩と一緒いるこの時間がとっても楽しかった。嬉しかった。そんな気持ちがだんだんと雪歩の事を好きにさせていった。
けれど、雪歩が俺の事を嫌いかもしれないって思うと告白なんてできるわけなかった。けれど雪歩が好きだった。
そんな悪循環にいつの間にかなっていた。だからそんな悪循環を打破するために無意識のうちに雪歩を女の子じゃなくて、
仕事の同僚としてしか接しないようにしていたんだ。雪歩との関係、そしてなによりも雪歩に迷惑かけないために。
だけど、だけど・・・・。」
俺は我を忘れて精一杯の大きな声で。
P「俺は萩原雪歩が大好きだっーーーーーーーーーー!!!」
雪歩はさっきよりも涙を流していた。
18 :
クロ丸:2009/11/22(日) 22:51:52 ID:lwAGyvV10
雪歩「プロデューサー、あったかいですぅ。」
P「俺も暖かいよ、雪歩。」
十分くらいたってやっと雪歩が泣き止んだ。
俺が告白した後、雪歩が走って抱きついてきた。
そして、俺は泣き止むまで雪歩を呼んだ。
雪歩「プロデューサー、私の中でのプロデューサーは私だけのアイドルでした・・・。」
雪歩はいきなり話し出した。
俺は雪歩を抱きしめながら頷きながら話を聞いた。
雪歩「けれど、今のプロデューサーは私の中で白馬の王子様です・・・。」
P「じゃあ、俺の中の雪歩はお姫様だな・・・。」
そう言って、俺は雪歩の唇に自分の唇を重ねた・・・。
P「ハッピーバースデイ、雪歩。そして、メリークリスマス。」
19 :
名無したんはエロカワイイ:2009/11/22(日) 23:25:21 ID:aLV7KkSw0
台本形式死ねよ
20get
22(σ・∀・)σゲッツ
これは,その比較的小さい個体の双頭を硬質化させた大鎌形態である。
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┃ l l、 / ‐--く l ! ┃
┃ ! ! ゝ'´ , -‐ '" ̄ ヾ、 ) l ! ┃
┃ l l i´ __... -‐'' __.. - '"_..... --‐ 、_ゞ l l ┃
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┃ /`ゝ ! !. '"____.......__ __.... -‐ '": : : . \. ,' l ┃
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┃ / / { ヽ`丶: : : : : : : : : : ; ; ; : : : : : : : : : : : : . i l | | くヽ ┃
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┃ \ \ 〉、 /rv'1 ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /', l | | ヽ.ゝ. ┃
┃ \ \ / ', i..! ゙i ヽ、! : : : : : :ノl : : : : : : : : : : : : :/ i l | レ > '"ヽ ┃
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┃ ', l { ! l ┃
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25 :
名無したんはエロカワイイ:
マフラーすら変えない給料ってどうよ?
括弧つかってまでふりがなはいらないんじゃね?
挿絵はよかった