ゼノサーガのKOS-MOSとT-elosは聖女可愛い7
>>374 それでは完成したところまでうpします。
深夜。
エルザの下層通路を慎重に進む。足音が響かないように、息を潜めて。
しかし、どれだけ注意していても、隠密行動については後ろを歩くKOS-MOSの方が長けていた。
俺の足音が金属音を抑えられないのに対して、彼女は衣擦れの音さえ立てていない。
さすがはKOS-MOS、としか考えられなかった。
無言のまま通路を進み、ひとつの倉庫の前で立ち止まった。
扉に耳を近づける。何も聞こえないことを確認して、シャッターを開けた。
開き切らないうちに素早く身を滑り込ませ、すぐさま閉鎖スイッチを押す。
開閉の音を聞かれただろうか。しかし、今更どうしようもない。
電灯が付けられると、俺は大きく息を吐き出した。
それを見たKOS-MOSが近づき、顔を覗き込んでくる。
「ここへ来るときはいつも緊張していますね。そこまで過敏にならなくてもいいと思いますが」
深く青い瞳で見つめられ、今度は違う意味で緊張してしまった。
「この前いろいろあったからね。どうしても気を使ってしまって」
先日、彼女と調整槽の中であられもない姿で眠っているところを発見されて以来、どうにも居心地が悪かった。
特に皆の態度が変わったというわけではないのだが、あからさまな証拠を晒してしまったことが恥ずかしかった。
シオンにこっぴどく叱られたことも一因ではある。
「KOS-MOSにおかしなこと教えないで頂戴!」
そのあまりの剣幕に、シオンのKOS-MOSに対する愛情の深さを感じるとともに、まるで自分が性犯罪者になったかのような気がした。
こうして俺たちはあいびきの場所を変えねばならなくなり、この倉庫を選んだのだ。
「お前にも、迷惑かけたしな」
「そんなことはありません。不注意であったのは私も同じですし、それに……」
言いよどみ、少し視線を下げる。
「私も、望んだことですから」
頬が、熱くなるのを感じた。
「KOS-MOS――」
ほとんど反射的に抱きしめていた。一瞬、彼女は身を強張らせたが、すぐに弛緩していった。
体温が移動し、ぬくもりが交じり合う。
「ありがとう……」
しばし抱擁を交わした後、胸に顔を埋めて彼女が呟いた。
「お茶、入れますね」
「うん」
ここは普段からあまり使われていない倉庫だった。天井が低く、少し狭いせいかもしれない。
収められているのは小さなコンテナばかりで、中身はどれも雑多なガラクタだった。
調整室と比べれば清潔な場所とは言えないが、都合のいいこともあった。
コンテナを並び替えれば死角を作ることができ、「秘密基地」的な雰囲気を楽しむことができる。
また、私物を持ち込んでもコンテナに隠しておけば見つかることもない。
狭い船内だから油断はできないが、新たな待ち合わせ場所としては申し分なかった。
俺がコンテナのひとつから使い古しのマットレスを引っ張り出す一方、KOS-MOSは別の箱から携帯型の電気コンロを取り出した。
マットレスをコンテナで仕切った一画に運び込む。そこに座り込めば狭さは気にならなかった。
ペットボトルの水を沸かし、紅茶を淹れる。それが、新しい夜の習慣になった。
「今日はこれを持ってきた」
「まあ、ダージリンの自然栽培ものですね。ひょっとして高かったのではないですか?」
「ちょっとね。でもなかなか飲めるものじゃないし、KOS-MOSにとってもいい経験になるかと思って」
「ありがとうございます」
漂う紅茶の香りが、無骨な機械油の臭いを押しのけていく。
たとえレストランでなくても、少し苦くても、彼女と過ごすお茶の時間は貴重なひと時だった。
「時間があったら、今度どこかへ遊びに行かないか?」
「それは、デート、というものですか」
「うん。行きたいところとかある?」
「そうですね……クーカイ・ファウンデーションの、どこかへ……」
「……?」
KOS-MOSの挙動がおかしい。
抑えているのだろうが、息が荒い。口で呼吸をし、何度も姿勢を正して座り直す。
頬がやや紅潮しているのも紅茶のせいではないだろう。
何かを言いたそうにするが、目を合わせるとそっぽを向いてしまう。
こちらを窺う瞳が不自然に泳いでいた。
「KOS-MOS……具合でも悪いのか?」
「えっ、いえ、これは……そういう、わけではないんです」
言うことまで覚束なくなっている。こんなことは初めてだった。
彼女の横に座り、滑らかな頬に手の甲をあてた。少し熱いように思われる。
アンドロイドが風邪をひくわけはないが、変調をきたしているのは確かだ。
そうであれば俺にできることは少ない。
「シオンを呼んでくる」
「待ってください!」
腕を掴まれ、立ち上がりかけた体勢で制止される。
「シオンは、関係ありません」
「でも、体調が良くないなら無理しないほうがいい。KOS-MOSの体は複雑なんだし……」
先日の一件を思うとシオンを呼ぶことには抵抗を感じたが、黙っていればあとで何を言われるか分からない。
彼女の眼には奇妙な熱がこもっていた。
瞳を潤ませながら、呆けたように、まるで遠くを見るように俺を見つめてくる。
こんな彼女をかつて見たような気がするが、いつなのか思い出せない。
あまりに熱心な視線に気恥ずかしさを感じた瞬間、記憶の底が疼いた。
思い出したわけではない。彼女から漂う香りが、身の危険を感じさせた。
とにかく、ここから離れたほうがいい。
KOS-MOSのためというよりは、むしろ自分のために。
中途半端な姿勢のままじりじりと後ろへ下がる。
「私は病気ではありません」
「……いいか。人間には『未病』という言葉があるんだ。まだ病気じゃないけど、
その一歩手前の状態のことをそう言うんだ。ひょっとしたら、今のKOS-MOSがそうかもしれない。
早いうちに診てもらった方が、あとが楽になるんだぞ」
「あなたの心拍数が上がっていますね。私が診ましょうか」
彼女の手に力がこめられていく。痛くはないが、もう人の力では振り払えない。
「いや、俺はいいから、座ってていいよ」
「あなたの方こそ、どうぞ横になってください」
両腕を絡ませ、ほとんど立ち上がっている俺を引き止める。
ここで言う通りにしたらどうなるのだろう。
その好奇心と戦うのは、グノーシスを相手にするより困難なことだった。
コネクション・ギアで連絡が取れれば用は足りる。しかし、間違いなくKOS-MOSに気づかれてしまうだろう。
取り上げられてしまえばそこまでだ。
今の彼女を無理矢理にでも引き離すことは、ほとんど「攻撃」を行うのと同じだった。
俺の腕を犠牲にするのは構わないが、それ以前に彼女を傷つけることは絶対にできない。
「さあ、早くこちらへ」
鼻息も荒く腕を引っ張ってくる。抵抗しようにも徐々に痛みが増すだけだった。
「は、離してくれ………」
「座っていただければ離します」
彼女に怪我をさせずに逃げ出す方法はひとつしかない。迷う猶予はなかった。
力いっぱい腕を引くと同時に、叫ぶ。
深夜に叫ぶのは近所迷惑だよ。
「エーテルドライブ!」
発動と同時に極彩色の光が彼女を包む。
光に巻き込まれないようにできるだけ身を引いた。
「フィストダウン」ならば振りほどく隙も生まれるかもしれない。
しかし、光が治まっても彼女に変化はなかった。
それどころか妖艶な笑みを隠そうともせず、動揺する俺の手にキスをした。
「これもあなたのおかげです」
そう言って、自らの左手首に嵌められた、見覚えのある腕輪を示した。
「グラムザインか!」
完全に失念していた。状態異常を防ぐため、彼女に優先的に装備させていたのだ。
隙ができたのはこちらだった。
襟を掴まれたと思ったときには、既に体が宙を舞っていた。
上下が逆転し、視界が歪む。
衝撃と共にマットレスへ落ちる。
間髪入れず、唇を塞がれた。
いつものような、恥じらいを含むものとは正反対の、一方的で暴力的なまでのキス。
「んっ………んんっ!」
両手で頭を固定される。
彼女の舌が進入して歯茎をなぞり始めると、関節の力が抜けていくのを止められなかった。
彼女が俺の舌を捕まえ、絡みながら吸い上げてくる。
口内を隅々まで愛撫され、甘い痺れが全身を満たしていった。
ようやく唇が離された頃には、完全に「堕とされて」いた。
彼女が馬乗りになって覆いかぶさり、正面から見つめてくる。
その視線すらも避けられない。
「どうですか?……」
欲情に染まる瞳で尋ねながら、首筋をなぞってくる。
「うっ………ど、どうして………」
それだけ言うのがやっとだった。
「先日のことで気落ちしているように見えたので、元気づけてさしあげようと思いまして」
「で、でも……こんな、やり方は………くうっ」
「気持ち良くありませんか?」
「…………」
彼女の愛撫は正確で、しかも丁寧だった。
首から鎖骨周辺を撫でる一方、もう片方の手がシャツの裾から差し込まれ、胸へと伸ばされる。
そのまま、指の腹で円を描くように乳首を刺激する。
「男性でも感じる部分だと聞きましたが、本当のようですね」
それは今まで感じたことのない快楽だった。
ペニスに受ける刺激と違い、射精への昂揚は感じられない。
しかし、体の芯まで、脳の奥まで脱力するような痺れが走る。
シャツが剥ぎ取られ、胸板に舌が這わされた。
柔らかな質感が胸や腹を這い回り、鳥肌が立つ。
「こんなに硬くなって……」
「ふああっ!」
乳首に吸い付かれ、情けない声が出るのを抑えられなかった。
女性ほど大きくはない突起を、彼女は熱心にしゃぶり続けた。
空いている側も指先で挟み、優しく揉むように動かしてくる。
どう我慢していいのかさえ分からない。
左右を交互に舐められ続け、腰や脇の下など皮膚の薄いところをなぞられる。
出口がないままに与えられ続ける快楽が精神をとろけさせていく。
ふいに、彼女が離れた。
両脚を押さえつけたまま、ベルトを外し始める。逃げる気力はもうなかった。
ズボンと下着を同時に下ろされ、ペニスが露わになる。
「ちゃんと感じて頂けてるんですね」
全く触れられていなかったにもかかわらず、そこは大きく隆起していた。
しなやかな指が触れ、両手で優しく包み込まれる。
もうそれだけで、限界が近くなっていた。
腰を引こうにも、両脚の上に乗られているせいで全く動けない。
彼女の手がゆっくりと上下に動き始める。
しごくというより、マッサージを受けているかのような感覚だったが、
敏感になった体は先走りの粘液をとめどなく溢れさせた。
そのぬめりがさらに刺激を高めていく。
「はあぁ……」
彼女はため息をつきながら快感に打ち震えるペニスを眺めている。
こんなに目の色を変えている彼女は見たことがない。
明らかに異常な状態にあることが分かっていても、彼女の興奮する姿は欲望をかきたてられるものだった。
何だか分からないが、彼女は昂っている。
責められているのはこちらなのに、その反応を嬉しく思ってしまうのだ。
そうすると、自然とペニスがびくびくと震えてしまう。
「はむぅ………」
突如、ペニスが暖かい粘膜に包まれる。
「くうぅ……!」
弱い部分を知り尽くした舌が動き回り、的確すぎる愛撫が加えられていく。
弾力のある舌が這い回る度に唾液が塗り広げられ、さらに動きを滑らかにしていく。
それに伴い、ぴちゃぴちゃという音が室内に響き始める。
頭全体を使って竿から亀頭をしごく。途中で裏筋をなぞることも忘れない。
それは快感を与えるためというよりも、舐めたいから舐めているという感じだった。
そして、陰嚢を優しく揉まれながら雁の溝を擦られたとき、突然快感の波が襲った。
「――――――っ!!」
抵抗する暇も与えられず、快感が白い粘液となって先端から噴出していった。
少し頭を引いて射精を受け止めるKOS-MOS。
何度か見ている光景ではあるが、この時ばかりは違った。
「受ける」というより、「吸い出す」勢いでペニスを扱われるのは初めてだった。
射精が終わっても彼女はなかなか口を離さない。
敏感なままの亀頭や竿に再び唾液を絡ませ、残った残滓を舐め取っていく。
口淫による丁寧な陰部洗浄は背筋が寒くなるほど卑猥な姿だった。
「ごちそうさまでした……」
ペニスは全く衰えておらず、逆にさっきよりも硬度を増しているように思われた。
全身の血液が集中しているのではないかと感じられる一方、手足は全く動かせないほど骨抜きにされていた。
息もたえだえになった俺の体を抱きしめ、彼女は唇を塞いでくる。
かすかに、生臭い吐息。
自分の放った味が彼女の味と混じりあい、目が眩む。
青い瞳から目を背けることができない。
「満足していただけましたか?」
うなずくためにはかなりの努力が必要だった。
終わったというのに、彼女は抱きついたまま離れようとしない。
俺の体に頬ずりをし、腕や腹を撫で回してくる。
その間も彼女の腰がゆっくりと動き、腹の間で挟まれた肉棒へじわじわと快感を与えてくる。
「そうなのですか? ……ここはまだ落ち着かないようですが」
笑みを浮かべたまま動き続け、もうあからさまにペニスを摩擦してくる。
激しくはないが間歇的に快感が襲うため無視することはできなかった。
「そんなにされたら、また……」
再び溢れ出す先走り汁が粘着質な音を立て始める。
体を離すと、二人の腹の間で透明な糸が引いていた。
その様子を確かめた彼女は俺の上で座り直すと、腰を浮かせた。
自らスカートの下に手を伸ばし、前後の金具を外していく。
取り外された下着の股間部には、はっきりと薄黒い染みが広がっていた。
現在完成しているのはここまでです。
続きは来週になる予定です。
>>381 倉庫は防音が効いていると思ってください。