ええ、ありがたく書かせていただきますとも♪
アイビス「…で、何この衣装」
ツグミ「何って、サンタ衣装」
スレイ「いや、何で私とアイビスがトナカイで、ツグミとイルイがサンタクロースなんだ?」
ツグミ「適材適所。ほら、私運転出来ないし」
アイビス「運転って…まあアルテとベガで配るのはわかってたけどさ」
イルイ「真っ赤なお鼻のー アイビスさーんーはー」
ツグミ「ほらイルイも上機嫌。さ、行きましょ」
スレイ「納得いかん…」
ツグミ「じゃ、リストの100件、キッチリ配ってねー」
スレイ「やれやれ…とっとと終わらせて熱い風呂にでも入るとするか」
ご丁寧に角まで付けたベガリオンを、先に見送る。
イルイ「ツグミーッ、スレイーッ、頑張ってねーっ」
アイビス「よし! じゃ、あたしたちも行こっか」
イルイ「アイビス」
アイビス「ん?」
イルイ「その格好、もこもこしてて、可愛いよ?」
アイビス「そ、そう?」
ぽふぽふと、綿の詰まったおなかのとこをさすられる。
イルイ「お鼻も赤いし、これで暗い夜空も安全だね」
アイビス「…息苦しいんだけど、これ、やっぱ付けとかなきゃダメ?」
イルイ「だめ」
アイビス「あ、そですか…」
キッパリ言われた。
こういうのは雰囲気が大事だと、サンタのおじさん(?)に言われたので、
サンタ帽子を被ったアルテリオンで、静かに、そのままゆっくりと、飛行する。
手分けしてしまった後で言うのもなんだが、
これって、ベガリオンに引っ張らせるようにして飛んだほうが、よかったんじゃないかなとか思った。
ピンポーン♪
イルイ「メリークリスマス」
アイビス「メリークリスマース」
コンコン、ガチャ。
イルイ「メリークリスマス」
アイビス「メリークリスマース」
ピンポーン、ピンポーン
イルイ「メリークリスマス」
アイビス「メリークリスマース」
アイビス「…ふう、これで24件目終了。結構大変だね」
イルイ「あそこのおうちも、ケーキ食べてたね」
アイビス「うん。ふふっ、あの子、お口にクリームつけてたね。イルイもケーキ食べたい?」
イルイ「ううん、今日はサンタさんだから。アイビスも今日はがまんの一日だよ?」
アイビス「…え、でも、くれるのなら貰ってもいいんじゃないの?」
イルイ「プレゼントをあげるサンタさんが、プレゼント貰っちゃだめだよ…」
アイビス「しっかりものだなぁ…」
使命感に燃えてるのだろうか、今日のイルイはやる気に満ち溢れてるようだ。
イルイ「メリークリスマス」
アイビス「メリークリスマース」
子供たちにどんどんプレゼントを渡していく。
やっぱり子供はかわいい。目を丸くして喜んでくれる。イルイも嬉しそうだ。
中には、プレゼントのおもちゃより、アルテリオンがほしいって泣き出す子もいて、ちょっと苦笑いした。
配り始めて2時間ほど経って、残す仕事もあとわずか。
残りは丘の上の教会の子供たちの分。
ふもとの広場にアルテリオンを降ろし、雪の丘をきゅっ、きゅっ、と足跡をつけて登る。
アイビス「寒いねー、あともう少しだから、頑張ろうね、イルイ」
イルイ「うん。…ねえ、アイビス」
アイビス「ん?」
イルイ「サンタさんのお仕事が終わったら、ね?」
アイビス「うん」
イルイ「終わったら、その…」
きゅっ、と、トナカイ着ぐるみのひづめの先を握られる。
イルイ「…クリスマスパーティー、しようね?」
アイビス「うん! さすがサンタさん! そうこなくっちゃ!」
イルイを持ち上げて高い高いする。
イルイ「あ、アイビス、あの、ちゃんと終わってからだよ? 全部終わったら、ケーキ食べてもいいからね?」
アイビス「了解了解! さっきのケーキ屋さんまだ開いてるかな? イルイは何のケーキがいい?」
イルイ「…ええっと、んー、アイビスといっしょのでいいよ?」
アイビス「ショートケーキでしょ? モンブランに、チョコプティングに、レアチーズもいいなぁ…」
イルイ「トナカイさん、よだれよだれ」
ぽふぽふと、またおなかのとこをたたかれた。
アイビス「おおっといけねえ、さ、頑張ろう!」
イルイ「うん!」
お仕事が終わったらケーキパーティーだ!
さあ、元気に行こう!
アイビス&イルイ「メリークリスマス!」