(サイレン)永井頼人(悲惨ナンバー1)

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45名無したんはエロカワイイ
沖田×永井出来たお
でもどっちかってーと、沖田←永井で永井ちょっと乙女チックwwww
まあ、初期のエグエグ泣きの時のこと考えたらこんなもんかなと。
沖田の性格がイマイチ把握出来てないのでその辺りは生暖かい目で見てくれ

ちょっと801テイストなんで免疫のないヤツは華麗にスルーしろよ
46沖田×永井 1/4:2006/03/18(土) 01:11:29 ID:qNjZYdoD
軽く宙に身体が浮いたと思った瞬間機体が激しく揺れ動く。
激しい揺れに耐えながらも目の前にある計器を見渡し有り得ない状況に声が詰まった。
グルグルとデタラメに動く針に蒼白になりながらも隣にいる沖田さんを見る

「やばいな・・操縦きかねぇ・・・」

眉を顰めながら操縦桿を握り締めて沖田さんが漏らす。
きかないって・・・・。落ちちゃうってこと?
その言葉に目を見開く俺に心配すんなと笑いかける。

「大丈夫だ 任せとけ」
「沖田さん・・・」

後ろで三佐が無線で指示を仰いでいる。
無線機の物凄いノイズと共に再び激しい揺れが襲い機体は闇に飲み込まれていった。
47沖田×永井 2/4:2006/03/18(土) 01:13:37 ID:qNjZYdoD
「・・いて・・ぇ」
身体のあちこちから鈍い痛みが走り気がついた。
「俺・・・生きてる?」
無事にどこかの島に不時着したみたいだ。
身体を起こそうとしたら自分の身体の上に覆いかぶさっている誰かの体温を感じた。
ズルリと力なくその身体が横にずれて大きな金属片が突き刺さっているのが目に入った。
迷彩柄の生地をドス黒く染め上げていた。
焦げる匂いとオイルの匂い、それとむせ返るくらいの血の匂いがあたりに充満している。
覆いかぶさる身体に手を這わすとヌルリとした感触に鳥肌が立ち慌てて手を引っ込めたが、
それが誰の身体で、誰の血か知って愕然とした。

「お・・・きた・・・さん?」

ポタポタと流れる生暖かい血とその匂いに思考が止まる。
何で?とか、どうして?とか、流れる血に全て飲み込まれていく。
そして落ちた瞬間の映像が頭に駆け巡った。
衝撃で目の前の計器が破壊され金属片が突き出てきた。
揺れる足場に避けることが出来ずに覚悟を決めた時、横から庇うように覆いかぶされたのを思い出した。
48沖田×永井 3/4:2006/03/18(土) 01:16:14 ID:qNjZYdoD
震える手で沖田さんの身体を起こすと意識があるのか閉じていた瞼がゆっくりと上げられた。

「永井・・・ 大丈夫か?」

俺の顔を確認して荒い息でそう問う沖田さんに頷く。喉が震え、声が出なくてただ頷くことしか出来なかった。
血だらけの腕が俺を確認するように伸ばされて咄嗟に掴んだ。
その手の冷たさに驚いた。いつもの沖田さんの手じゃなかった。
訓練でミスをして落ち込んでいる俺を慰めるようにいつも頭を撫でてくれた暖かい手じゃなかった。

「そうか、良かった・・・」

俺の手に触れ荒い息のまま笑う。
何時もと同じ笑顔で俺に笑いかける。

「偉そうに 任せとけとか いいながら このザマか・・・」
「喋んないで下さいっ!今、傷を塞ぎますから!」

沖田さんが話すたびに血がドロリと流れて行く。慌てて傷に目をやる。
思ったより深く刺さり多量に血液を流していて施しようがない状態を物語っていた。
それでも、何とかしなくてはと自身を叱咤する。
医療用のキットが積んでいることを思い出しそれを取りに行くからと沖田さんに告げ立ち上がろうとした瞬間腕を掴まれた。

「沖田さん?」
「いい」
「いいって 何言って・・・ 傷を塞がないとこままじゃっ!」
「自分の 状態くらい・・わかる から」

途切れ途切れの息使いの中そう言われた。
起こそうとしている身体を支えると大きく息をついてごめんなと呟く。
いきなり謝罪されて戸惑う俺に沖田さんは苦しそうに話を続ける。

「約束 守れそうに ないな」
「約束?」

先日、田舎から送ってきた食材で鍋をすると言う約束をしたのを思い出した。
他の隊員にも声を掛けるのだが結局はいつも二人で食べていた。
この美味さが解らないなんてマダマダ甘いよなと誘いを断った隊員たちの愚痴を言いながら箸をつける。
49沖田×永井 4/4:2006/03/18(土) 01:18:29 ID:qNjZYdoD
そうだ、約束していた。
そんな小さいことで謝罪されて目の奥が熱くなった。
震える手で沖田さんの冷たい手を握り締める。そんなことで謝らないで欲しいと。
色んな想いが込み上げて視界が涙で揺らいでいく。ポタリと落ちる涙に男のくせに泣くなと言われた。
その言葉に流れそうになる涙を必死で押し込める。

「お袋さんに ちゃんと 礼言って おいてくれ よ」
「はい」
「あんまり 上官に 逆らうな」
「はい」
「無茶 すんなよ・・」
「はい」
「・・・・・いままで・・・ありがとうな・・・」

ゆっくりと瞼が閉じられ握っていた手がスルリと落ちていく。
泣くなと言われたのに我慢出来なかった。
声もなく涙だけが次から次へと流れ落ちて沖田さんの迷彩服に染みを作っていく。

「死なないで・・・下さい 沖田さん、目開けて下さい」
力の無い身体を揺さぶって縋りつく。
厳しい訓練の中いつも優しくしてくれた、不甲斐ない俺のフォローを黙ってやってくれた。
いつもいつも側にいてくれたのに・・・。

俺を一人にしないで下さい・・・。
暗い暗い得体の知れない深い闇が辺りを包み俺の声はその闇へと溶けて行った。

おわり