1 :
名無しさんの野望:
【コメント(感想)】
なんかネタとか妄想とか言われてて必死で探しますた。
見つかった時はかなり感動した。で感想。
めちゃくちゃオモロイ。さすが前スレで絶賛されてただけあり。
まずグラフィックは市販コンシューマ並みで、綺麗な素材。全て自作。
絶妙のバランスの戦闘。油断すると即死。超緊迫感があり気が抜けない。
ランダムエンカウントとシンボルとを実に上手く使いわけている。
他のゲームから逸脱した新システム(ここでは言えないが)を採用し、
リアルに”キャラを育てている”という感覚を実感できる。
謎解きは難しすぎず易しすぎず、ダンジョンも凄く凝った作りとなっている。
だがなんと言ってもこのゲームの最大の醍醐味はシナリオにあると思う。
壮大な世界観、圧倒的なキャラの存在感、繊細なシナリオ。
膨大なサブシナリオによってじょじょにこの物語の真意が見えてくる。
オールコンプリートする事はたやすい事ではないが、達成すると
各キャラの驚くべき素顔が明かされるらしい。今頑張ってる最中。
クリアした人いわく、最後はかなり”あっ”と驚かされたらしいが・・・
とにかくおもしろいので一度やってみれ。すぐゴミ箱にやってもいいから。
まあシナリオは好き嫌い別れると思うが。やって損はないと思う。
あと、ルーザ死なん裏技使うと違う展開になるらしいから(笑)
オープニングは結構長いけどとばせます。とにかく一回やってみて欲しい。
というゲームです。
有志は居るのでしょうか・・・?
2get
3 :
名無しさんの野望:04/09/26 23:53:59 ID:ReU9+2BO
>>1 以前ネタでここと同じようなスレがあり。
妄想全快のストーリーを考えてはいたが、荒らされあぼん。
test
6 :
名無しさんの野望:04/09/29 01:31:08 ID:h3xDt9qe
つくろうや!!
7 :
名無しさんの野望:04/09/29 01:44:24 ID:h3xDt9qe
じゃあ、1として・・・。
物語のプロットでも作ろうかな・・・。
トム「なんだいジョン?」
この一言から物語は始まる。
ジョン「ふっふっふっ・・・。」
ジョンの不気味な笑い。
そんな、ジョンとは今まで親友で上手くやってきたはず。
それがなぜ?
ジョン「お前は出合い系サイトに入り浸り過ぎた!」
トム「そ・・・そんなの、お前だってそうじゃないか!」
時刻は三時五十七分。
この物語は、近未来の日本である。
この頃の日本は強力な独立国家になっていたのだ!!
しかし、このジョンの不気味な言動。
謎は深まるばかりである。
トム「オ・・・お前なんか、この前ナンシーといちゃいちゃしてたじゃねーか」
ジョン「そんな昔の事は忘れたなぁ・・・うひっひっひっひっ。」
そんな・・・ジョンはこんな笑い方をする奴じゃなかった。
そうだ・・・ジョンは誰かに操られているんだ!
8 :
名無しさんの野望:04/09/29 01:50:20 ID:h3xDt9qe
トム「今お前の封印を解いてやる!!」
りんぴょうとうしゃあかいじんれつざいぜん!!
そこに現れる一匹の野獣!
そう。
その名もサーベージ金時である。
(以下サ)
サ「及びでしょうか?マスター」
うやうやしく頭を下げるサーベージ。
しかしその瞳の中は怪しく光る。
サーベージはトムを通じて何を行おうとしているのか?
それはともかく、今大事なのはジョンの事である。
ジョン「負負負・・・我画名派所ン正人氏、児野世界尾紙背刷瑠物」
トム「な・・・なに!それは失われた筈の上位級言語」
(サージェストパプーン・・・)
トム「な・・・なぜお前がその言語を知っている!!」
9 :
名無しさんの野望:04/09/29 01:56:45 ID:h3xDt9qe
サ「マスター・・・お逃げ下され。サージェストパプーンは死の香り。」
トム「いや・・・俺はあの先の結末を見たい」
サ「だめです・・・あの詠唱方式は禁呪の構え。」
トム「ああ、知っているさ。だから見たいんだ。呪文の力がどこまで行くものなのか!」
サ「いけません!通常の呪文と禁呪とは訳が違います。もし、あの力を最大限に解放すれば
この地球首都TOOKYOはふっとんでしまいます。」
トム「それじゃあ、僕の家族は?」
サーベージ「多分・・・手遅れでしょう。」
トム「そ・・・そんな」
目を伏せるトム。
現実を直視したくない。
でも、現実がそこにある。
かつての友達だったジョン・・・。
その彼が、今僕に牙を突きたてようとしている!
サーベージ「この時間空間はまもなく滅びさるでしょう。あなただけが希望です。」
トム「なんだって?」
10 :
名無しさんの野望:04/09/29 02:09:49 ID:h3xDt9qe
サーベージ「あなたを一目見た時から、好きでした。」
トム「サーベージ・・・」
軽くキスをする二人。
トム「ディープキスはしないよ、また会った時に」
サーベージ「はい・・・トム様」
トム「サーベージ、今何と?」
サーベージ「トム様」
ああ・・・アレだけ反発していたサーベージが。
あれだけ僕を嫌っていたサーベージが。
今、僕の事をマスターと認めてくれた。
トム「もう、君以外に誰もいらないよ。」
サーベージ「駄目です!あなたはこの大首都、TOOKYOの最後の希望です。
この次元のTOOKYOは滅びてしまうでしょう。」
トム「じゃあ、サーベージは?」
サーベージ「おそらく、無理でしょう。」
トム「そ、そんな。駄目だよ!サーベージ」
サーベージ「私の最後の力で穴を開けます。この穴はトンネル効果であなたを過去に飛ばしてくれるでしょう。」
トム「まって・・・まってよ。」
しかし、サーベージの詠唱は止まらない。
サーベージの手が鈍く、青白く光る。
それはあたかも20000Kの焔の様に。
サーベージ「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
11 :
名無しさんの野望:04/09/29 02:18:08 ID:h3xDt9qe
サーベージの方向とともに、漆黒の穴が開く。
その穴はあたかも黒体の様に、なんでも吸い込んでしまいそうだ。
そう、光さえも。
トム『圧縮言語!この言語の使い手がまだ居たなんて。』←心の中の声
トム「それだけの力がありながら、なぜ僕を?」
サーベージ「あなたが最後の希望だからです。」
トム「僕が最後の希望?」
サーベージ「そうです。あなたは過去に行ってTOOKYOを元の世界に戻さないといけません。」
トム「ぼ、僕にはそんな役目・・・roleは無理だよ。だってこれはroleplayingじゃないんだよ!
僕は勇者じゃないんだ!」
サーベージ「はい、解っております。おりますが。あなたが好きでした。」
そういって、穴に突き飛ばすサーベージ。
穴に落ち込むトム
トム「うわぁぁぁぁ!!」
トムの叫び声ですら、外に出る前に穴に吸収されてしまった。
サーベージ「さようなら・・・です。」
サーベージの目から涙!
あの、鬼のサーベージの目から涙!!
しかし、その刹那。
ジョンの禁呪が炸裂。
ジョン「語尾五御負亜区戸李意ー!!」
・・・そして。
全てが消え去った。
そして、ビッグバンも収束し、宇宙は原始の形へと回帰した。
12 :
名無しさんの野望:04/09/29 02:31:47 ID:h3xDt9qe
その頃・・・
ここは神聖帝國サギエル
初代皇帝サギエルが建設した最大帝国だ。
現在児の帝國には、五万人の市民と、三万人の兵士。
そして一万人の貴族が居る。
ルシャエンド大陸最古の帝國だ。
サギエル三世「皆のもの。面を上げい」
男達「ひっ・・・ひぃぃぃ」
初代サギエルが建国したこの国は、代を重ねるごとに悪帝に変わって行った。
三代目にまで下ると自分の遊ぶ金欲しさに三公七民の重税をかけた。
その事でサギエル市民が反発。
いわゆる『瞳輝く時、西の空に星は見えるか』事件を引き起こした。
この時に連座精で捕らえられた市民は4人。
全員国外追放となった。
この事件がきっかけで市民のレジスタンス運動が勃発。
レジスタンスグループが夜の街を俳諧するのを許してしまう。
この事で犯罪率が低下。
政治家と商人のワイロの現場を押さえて警察に突き出す等のテロ行為に走る。
この事に恐れをなした、政治家達はある計画を立案。
その計画は、全次元を巻き込んだ壮大な物語になる事を、当時の彼らは知るよしもなかった。
13 :
名無しさんの野望:04/09/29 02:36:29 ID:h3xDt9qe
サギエル三世「お前達はわしの可愛がっているルマランドラ下院議員のワイロ現場を押さえたそうじゃな」
男達「ご・・・ごめんなさい。」
しょんぼりする男達。
その男の中で取りわけ勇敢そうな、それでいて不細工で童貞の男が前に出た。
その男の名を、ジルバード八世と言った。
この地にラジェット人が来る前の先住民の代から続いていた由緒正しき家系である。
ただ・・・彼は27にして童貞だったので、子孫が残せずにいた。
つまり、血筋が途絶えてしまう危機にあったのだ。
これを重くみた当局は急遽、彼のお嫁さんを探した。
しかし見つからなかった。
それがために、彼はレジスタンス活動に走る事となる・・・。
閑話休題
ジルバート八世「おれがーい、ジルバーーーーーーーーーート様だぜぃぃぃぇいぃえいぃ」
14 :
名無しさんの野望:04/09/29 02:43:25 ID:h3xDt9qe
サギエル「お前は世に逆らうか!!」
ジルバート八世「おっ?やるのかやるのか?やります?」
サギエル「セやpふぁ卯dfなおkdン儀エル居亜yhづいh儀オアdjふぃじゃどいjふぉじゃどいsfじおあs
イオdじゃふぃj8づyfh打吸いふぃ亜jkfj化dじょいdjぎじぇいうじあじおjぢおfjだjふ
御jぢおf時オアjぢおfじゃイオdjふぃおあジョイdjふぁおいjぢおjふぁおいじょぢjふぉいあ」
ジルバート八世「羅列言語!まだそんな古代語を仕える人間が居たか!」
驚くジルバート、逃げ惑う人々。
しかし、amazingしたジルバート八世はしばしして、落ち着きを取り戻す。
ジルバート八世「禁呪か・・・ならばこちらも禁呪で対抗するのみ!!」
手で文字を切るジルバート八世
ジルバート八世「うおおおおおおおおおおおおおおおお」
サギエル「圧縮言語だと・・・くそ、こちらも詠唱を急がねば」
しかし、二人の詠唱修了までほぼ同時刻。
先に売ったのは皇帝サギエル
サギエル「でぇぇい!!」
30000万円の光がジルバート発生を包む。
しかし、ジルバート八世はその光を餃子の皮で包み返す。
ジルバート八世「これが黄河忍法食べっぷりであり」
15 :
名無しさんの野望:04/09/29 02:46:55 ID:h3xDt9qe
ジルバート発生はサギエルの光を包み込んで食べてしまう。
ジルバート八世「こ・・・この肉汁はぁぁぁぁぁ!!!」
余りにその包みが美味しかったので、卒倒するジルバート発生。
そのままポックリ逝ってしまう。
しかし、この事がきっかでで警察は皇帝サギエルを逮捕
サギエルも「あそこまでする気は・・・」と供述。
そして、この事は男達の狙いであった。
そのまま男達はこの国の中枢を乗っ取ってしまったのだ。
後で気付いても後の祭り。
そう。
男達の天下が今やってきたのだ。
16 :
名無しさんの野望:04/09/29 03:01:55 ID:h3xDt9qe
男1「ふふふ・・・この国が法治国家でよかったわい。」
男2「しかし、サギエルは優秀な弁護士をつけてくるに違いない」
男3「その時はその時よ。弁護士を買収するのじゃ」
男達は一斉に驚き、どよめきの声をutterる。
男1「なんて事を・・・おぬしは正に星か尾崎並の策士家じゃのう。」
男1は日本の政治家を例に挙げて、男3を褒める。
彼はこういった相手の自尊心をくすぐる好意が得意であった。
男3「いやぁ、照れるなぁ。うえっへっへ」
男3が浮かれている間に、男2が冷静に言葉をつむぐ
男2「それで、このあとどうするのだ? 裁判に勝ったとして、我々が皇帝になれるとも限るまい。」
男3「そこは心配後無用。もうすでにこの城の皇帝後見人を買収してある。それに地位も約束している。
遺書等の改ざんは思いのままじゃ。」
男1「なんと・・・そこまで考えているとは。敵に回すと恐ろしいが、見方だとこれほど心強い男もおるまい」
男3「ぶへへえへへへへ」
17 :
名無しさんの野望:04/09/29 03:06:59 ID:h3xDt9qe
その時、その窓の上から正義の味方が降りてきた。
天使仮面「私の名前は天使仮面!お前らの話は全て聞いたぞ。皇帝の座を乗っ取り、この帝國を思いのままに操ろうとのその野望。
この天使仮面が許さん!!」
男1「ほほう・・・お前さんが有名な義賊、天使仮面か」
男2「知っている、平和を愛するnaked boy!」
男3「まさに、裸の大将よのぅ。」
そう。
この天使仮面。
実はこの皇帝サギエルで、軍服を傷に、裸のままで砲兵大将の座まで上り詰めた男である。
そこから裸の大将と呼ばれる様になったのだ。
男2「それで、その裸の大将が我々に何の用で?」
天使仮面「お前らの悪事は」
悪
即
懺
悔
18 :
名無しさんの野望:04/09/29 03:10:04 ID:h3xDt9qe
男達「はははっ、聞いたか皆の衆?」
男達は笑い転げる
男1「我々はこう見えても、辺境の勇者様ご一行なんだぞ?」
男2「お前ごときが勇者三人に勝てる訳ない」
男3「じゃあ、さっさとやられちゃいなさーい♪」
そういって、三人は思い思いに最強呪文を天使仮面にぶつけた。
天使仮面はその場を動かない。
腕を組んだままだ
男達「うひゃひゃひゃ、馬鹿め。それじゃあ防げまい」
しかし・・・。
男達は信じられないものを見た。
それは・・・
19 :
1:04/09/30 00:03:44 ID:UZaTtcyJ
暫く更新できない・・・。
スマソ
何このキモイスレ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::: : : : : : : ...
:::::::::::::::::::::::::::::::: : :: :: : ::: : : ヽ i
::::::::::::::::::::::: : : : :: ヽ マジデ〜?
:::::::::::::::::: : : : \ ヽ ウッソ〜
:::::: ::: : : : ∧ ∧
::::: : : :: : ∧_∧ \ Λ_Λ*‘∀‘) Λ
: : : : : .(;‘;ё;‘..)
>>1 ( ^∀^) )(^ワ
___ l⌒i⌒⊂)___ ヽ ( ) | | ∩
/ ⌒'⌒ / \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ̄ ̄
__/_____/|| ||\_____\_
_|||_____||/|| ||\||_____|||_
||| し し .|| || || || |||
||| || || ∧ ∧
( *゚ー゚ /
( (
22 :
1:04/10/04 07:53:10 ID:R4cM47w/
誰も楽しみに
してないの?
つい、してるよと言いたくなってしまうくらい悲しいスレだな・・・
25 :
1:04/10/04 22:55:01 ID:bO7TqKVL
>>18の続き
なんと、天使仮面の腕からもう一つの腕が生えてきたのだ!!
肘の辺りから、棒が一本突き出ている様な感じで・・・。
男1「そ・・・それは、失われていた腕!」
男2「ラムラタの腕・・・。」
男3「実物を見るのは初めてだ。」
男達は驚き、感嘆する。
しかし、それ以上の反応は無かった。
所詮、天使仮面も敵ではないと考えたからだ。
男2「ここは私に任せてもらおう。」
男2はマントに両腕を入れる。
そして、物凄い速度で振動させる。
男2「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」
なんと、男2は物凄い勢いでオナニーをしていたのだ!
そのちん先を相手の腕にめがけた。
そして・・・発射。
その反動で男2は軽く後ろに飛ばされた。
26 :
1:04/10/04 22:58:03 ID:bO7TqKVL
そのザーメンは天使仮面のもう一本の腕に取り付くと、子供を作成した。
そう、男2は雌雄同体である。
ザーメンの付いた、その腕から、男2が何千人単位で生えてきたのだ!!
男2「そのまま私に窒息するがよい」
男2はそう冷たく言い放つ。
天使仮面は、数千人の男2に挟まれ、ついに息を引き取った。
国民が、その死を悼み、国葬をとりしきったのはまた先の話である。
それはともかく、天使仮面に打ち勝った、男達はさっそくその矛先を西に向けた。
そう、西の大帝国、ガーランド帝國を打つためである。
何このキモイスレ
28 :
1:04/10/05 00:46:44 ID:um8ZMWRE
男1「ガーランド帝國に行く前に・・・血の粛清を!!」
男2・3「我らレジスタンスが帝國をわが手に!!」
こうして、彼らの元の支配層である貴族達の粛清が始まった。
これが教科書に言う、『3・27サバイテントの変』である。
これにより、神聖帝国サギエルの貴族人口は10分の1以下になる。
・・・この変が始まってから、21日後。
ガーランド帝國が機先を制して動く事になる。
>>1よ
>>5に書いてあるように板違いだ。もう諦めろ・・・
30 :
1:04/10/05 00:51:48 ID:um8ZMWRE
ガーランド帝國・・・。
人口約874万でルシャエンド大陸で二番目に大きな帝國である。
主に畜産国家であり、その収入の七割の税金をその産業でまかなっている。
帝都サンダックには、常に10万の兵を100年間養える程の食庫があるという。
ガーランド帝國皇帝は皇帝ルビガンタである。
彼は一代でこの帝國を築き上げ、今まさに東の古帝サギエルを併呑しようと企んでいたのだ。
31 :
1:04/10/05 01:02:45 ID:um8ZMWRE
ルビガンタ「ついにレジスタンスが宿願を果たしたようじゃのう」
側近1「はい、ただいまサギエルでは粛清の嵐が吹き荒れている模様。」
側近2「亡命希望の貴族も続々我が帝國に逃げてまいってます。」
ルビガンタ「うむ。貴族は全部受け入れろ。この皇帝ルビガンタの名の下に」
側近達「はっ」
ルビガンタ「それと、サギエル領内に潜入した草はどうした?」
側近2「1000人の草がサギエル領内に潜入した模様。従来のと合わせますと1500人に」
ルビガンタ「くくく・・・くくくく・・・。」
ルビガンタは皇帝の威厳を保つために笑を堪える・・・が堪える事ができない。
そうだ、サギエルはもうじき我が手に落ちるのだ。
ルビガンタ「我主力を東に向かわせろ。進行方向は真西だ。一直線で領内に入るぞ!」
そこで、宰相キジニストが嘴を挟む。
キジニスト「では・・・あの計略の手配をしておきます。」
ルビガンタ「うむ、それではガンダダ将軍に先兵隊1000を授け、直ぐに進発させろ!」
キジニスト「皇帝の・・・仰せのままに。」
キジニストは礼をし、すぐさま準備に取り掛かる。
彼の目は、赤く、光芒を放っていた。
32 :
1:04/10/05 01:13:58 ID:um8ZMWRE
ガンダダ「では、ついに進発するのですね?」
ガンダダとキジニスト。
二人は船上に居た。
庭園の庭の池の屋形船。
秘密を相談するには絶好の場所だった。
キジニスト「汚れ役だし、危険だ。それでもやれますか?」
ガンダダ「是非やらせてくれ。俺が今あるのも、貴方様のお陰だ。俺は恩返しがした。」
キジニストの目じりに涙が光る。
キジニスト「すまぬ・・・。もし成功すれば、褒美は思いのままにするぞ。」
ガンダダ「褒美とかその様な事ではなく、仕官の恩。それに将軍まで引き立ててくれた恩。我命を捧げるに惜しくは無い。
ただ、子供の事が」
キジニスト「子供の保障はする、わしが、必ずだ!」
ガンダダ「はっ!それでは、そろそろ進発します。」
キジニスト「うむ。語武運を」
ガンダダは、キジニストを一顧するともう振り返らなかった。
そのまま宿営地まで泳いでいく。
やべぇ、マジで泣けてきた…
誰かここを良スレにしてやってくれ。誰か
34 :
1:04/10/05 01:28:41 ID:um8ZMWRE
ガンダダは宿営地に入る。
その足は、軽やかで、死を感じさせる匂いはしなかった。
そう。
これが覚悟を決めた男の足音なのだ。
大隊長1「ガンダダ将軍!」
ガンダダ「騎馬隊1000を至急に東門へ集めよ。目標はサギエル」
大隊長「はっ・・・はっ!!」
大隊長は直ぐに銅鑼櫓へ駆け込んでいく。
やがて銅鑼が鳴り響く。
東門へ集合の銅鑼だ。
ガンダダはゆっくり向かう。
ゆっくりと・・・ゆっくりと。
東門・・・へ
誰jかヨウカンマンかヘーベルハウス連れてきて
36 :
1:04/10/05 01:36:48 ID:um8ZMWRE
人込みでごった返す東門。
その中にガンダダの妻と子供が立っていた。
ガンダダは彼女らに任務を言っていない。
おそらく通常の哨戒任務だと思っているのだろう・・・。
だろうが、彼女の瞳には憂いが写っていた。
女の勘なのだろう。
妻がカンダダに駆け寄る。
そして手を握り
「どうか・・・どうかご無事で」
それだけ言うと、彼女は振り向き人込みの中に紛れ込んでいった。
武門の妻が女々しくあってはならない。
夫が死ぬのは国のため、仕方が無い。
むしろ、その誉れを喜ばなければならない。
でも、彼女にはそんな模範的な妻を演じる事はできなかった。
それだから、本当は叫んででも止めたかった。
しかし・・・。
夫はこの国が好きで、この国の為になる事をしている。
そう考えると、彼女にはそれ以上引き止める事はできなかった。
ガンダダは妻に握られた手を開いた。
体温を逃がすまいと、慎重に。
その手にはお守りが入っていた。
武運開陳のお守り。
ガンダダ『そうだ・・・このお守りは縁起が良い。生きて帰るぞ・・・絶対に』
37 :
1:04/10/05 01:44:53 ID:um8ZMWRE
ガンダダは東門に集まった精鋭を見た。
みんな良い顔をしている。
死地へ向かう男の顔だ。
そんな男達を死なす訳にはいかない。
ガンダダは作戦を成功させなければならなかった。
さもないと、彼らは全滅してしまうのだから・・・。
ガンダダ「しんぱーーーーーーつ!!」
ガンダダの号令一下、1000の騎馬隊は東門を進発した。
背に民衆の喚起と期待を乗せて。
カンダダは振り返らなかった。
振り返ると帰れない気がした。
だから振り返らなかった。
38 :
1:04/10/05 01:57:24 ID:um8ZMWRE
東門を出て五キロ先の小高い丘。
ガンダダはその丘の頂上に騎馬馳せた。
ガンダダ「進軍停止!!」
すぐさま1000の騎馬兵は歩みを止め、列を成した。
ガンダダ「恐らくお前達は、この進軍が通常哨戒任務だと思っているだろう。しかし違う」
兵士達の間からざわめきが起こる。
それに勝る声で、ガンダダは訓示を行う。
ガンダダ「今から、サギエルに進軍する!目標は国境境の壁塞『グリンパッセナ』」
その刹那、兵士達のざわめきが冷める。
全員が全員の耳を疑った。
たった騎馬隊1000であの壁塞を攻める?
そんな馬鹿な・・・と
ガンダダ「グリンパッセナは我らの先達を何度も屠って来た、憎むべき墓標である。
我等は、彼ら英霊をあの地から解放せねばならぬ!!」
39 :
1:04/10/05 02:07:56 ID:um8ZMWRE
ガンダダ「君達の親類の中で、あの壁塞に関わってないものは居ない。あれは我らが憎悪の結集なのだ。」
ガンダダは周りを見回し、一呼吸をおいた。
兵士達は諦めの顔と覚悟の顔が半分づつである。
ガンダダ「みなは、あの壁塞が憎くないのか?いや、憎いはずだ!君達の優しかった親類のおじさん。
おばさん。そして良く褒めてくれた先生。みんなあの壁塞の下で冷たく横たわっているのだ!」
ガンダダは抜剣し、先を東へ向けた。
ガンダダ「みなの恨みを晴らすために、私に力を借してくれ!我に策ありだ!」
ガンダダは兵士達を見回した。
みな覚悟を決めた、男の顔をしていた。
ガンダダ「私に力を貸すものは丘を超えて付いて来い。お前達を英雄にしてやる!
貸さないものは仕方が無い。帰って家族を大事にするが良い。手続きはもう行ってある。
軍令違反にはならぬ・・・。」
ガンダダは声を絞り上げると、丘の向こうへ消えた。
何人が付いてくるのだろうか?
40 :
1:04/10/05 02:18:39 ID:um8ZMWRE
ガンダダが丘を下りきった。
そして振り返る
馬の蹄の鼓動。
振動。
そして覇気。
これは1000や2000のものではなかった。
8000や10000の兵に相当する様な、そんな要素があった。
全兵士が丘から降りてきた。
もはや逃げ出そうとするものは一兵も居なかった。
全軍が火の玉になった瞬間だった。
ガンダダは直ぐさま号令をかけた。
ガンダダ「全軍、進発!目標はグリンパッセナ!!」
兵士「おおー!!」
41 :
1:04/10/05 03:52:08 ID:um8ZMWRE
{・・・二日後、グリンパッセナ壁塞、司令室}
影「サギエルの首都メルヴィナはレジスタンスの手に落ちた模様。」
司令官グーティル「・・・ふむ」
グーティルは自慢の顎鬚を摩りながら影の報告を聞く。
彼にはこの様な情報源を持っており、その情報力が今の彼の地位を作り上げたといえる。
影「政権移譲に際しての一・二等市民の反応は平生そのものです。」
グーティル「特に布令は無いのか?」
影「はい、緘口令その他何も布いてはおりません。」
グーティル「革命が半端に終わったのかもな。」
影「はい、それがために市民は態度を表せない。そんな感じがしました。」
グーティル「ふむ」
影「ニ・三等市民の反応は前述の通りです。」
グーティル「旧支配層は?」
影「一等区域に戎厳令を発布。さらに1000名のレジスタンスを巡回させています。」
グーティル「そうか・・・」
影「戎厳令の為に買い物にですら、外に出れません。今の所、食料・物資はレジスタンスが各家庭に支給しております。」
グーティル「いわば・・・全貴族は全てレジスタンスの人質と言える訳だな」
影「はい」
42 :
1:04/10/05 04:12:03 ID:um8ZMWRE
グーティル「メルヴィナは一月前に陥落したにも関わらず、早馬一つ送ってこない。」
影「はい・・・残念ながら、レジスタンスの情報封鎖は殆ど完璧です。仲間も殆ど殺されました」
グーティル「少なくとも、レジスタンスは軍・情報の掌握に成功したといえるだろう。驚く程スムースに」
影「しかし、早馬が一つも無いとは・・・。」
グーティル「つまり・・・だ。メルヴィナ陥落を知っているのは、お前と私だけ・・・か。」
影「はい。そうで・・・」
その瞬間、影の首と胴は永遠の別れを告げていた。
グーティル「これで、この事を知っているのは私一人・・・だな。クックックッ」
はーっはっはっはっ。
グーティルはその日一番笑った。
おなかが捩れるくらいに。
43 :
1:04/10/05 04:14:56 ID:um8ZMWRE
メルヴィナがレジスタンスの手に落ちた事を兵士達に伝えるわけにはいかない。
なぜなら、兵役は貴族層だけがもつ名誉ある任務だからである。
つまり、兵士全員が貴族の子息や兄弟にあたる訳である。
この事が伝われば、兵士に恐怖が伝わり掌握できなくなるだろう。
しかし・・・逆に言えばこれはチャンスである。
出方によれば、グーティルは貴族達の英雄になる事も出来るからである。
グーティルはその策を練っていた。
その時
兵士「グーティル様、大変です。」
グーティル「何だ?」
思考を邪魔されて、相当不機嫌な声になっていたのだろう。兵士が泣きそうな顔をしている。
グーティル「かまわん・・・言えっ」
兵士「に・・・西に砂塵。敵軍と思われます。」
そこに、別の兵士が割り込む
兵士2「旗印を確認。ガーランド帝國軍です。」
グーティル「むぅ・・・『動きが早い・・・な。ガーランドの情報収集力も大したものだ』」
さらに
兵士3「砂塵の大きさより判断して、騎馬隊が約3000と思われます。」
グーティル『3000か・・・3000でこのグリンパッセナを落とそうと・・・いや。』
グーティル「恐らく、奴らは先遣隊だ。数日もしない内に本体が来るだろう。その前に奴らの機先を制しとく
全軍・・・出撃だ。用意せい!」
兵士達「はっ」
兵士達は各持ち場へ散らばる。
響き渡る銅鑼の音。
グリンパッセナで再び、両帝国軍が交わらんとしていた。
>>1 r;ァ'N;:::::::::::::,ィ/ >::::::::::ヽ
. 〃 ヽル1'´ ∠:::::::::::::::::i
i′ ___, - ,. = -一  ̄l:::::::::::::::l
. ! , -==、´r' l::::::/,ニ.ヽ
l _,, -‐''二ゝ l::::l f゙ヽ |、 ここはお前の日記帳じゃねえんだ
レー-- 、ヽヾニ-ァ,ニ;=、_ !:::l ) } ト
ヾ¨'7"ry、` ー゙='ニ,,,` }::ヽ(ノ チラシの裏にでも書いてろ
:ーゝヽ、 !´ " ̄ 'l,;;;;,,,.、 ,i:::::::ミ
::::::::::::::::ヽ.-‐ ト、 r'_{ __)`ニゝ、 ,,iリ::::::::ミ
::::::::::::::::::::Vi/l:::V'´;ッ`ニ´ー-ッ-,、:::::`"::::::::::::::;゙ , な!
:::::::::::::::::::::::::N. ゙、::::ヾ,.`二ニ´∠,,.i::::::::::::::::::::///
:::::::::::::::::::::::::::::l ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /
::::::::::::::::::::::::::::::! :|.\;::::::::::::::::::::::::::::::/ /
45 :
1:04/10/05 12:52:00 ID:um8ZMWRE
ガンダダ「進軍止め。展開!」
ガンダダ率いるガーランド軍はグリンパッセナの西方2キロの所で開陣。
戦闘準備に入った。
さらに前に馬止め用の防護柵を作成した。
こちらがこの人数では打って出てくるだだろうと考えたからだ。
ガンダダ「皆の者・・・君達の命を一時、私に預けてくれ!」
グーティル「ふむ・・・こちらの出方を伺ってるな」
罠の匂いは感じていた。
しかし、それを考慮してもあの寡兵ではこの壁塞は落ちる事はありえない。
出撃だ。
グーティル「300ずつ、二隊に分かれて南北から挟む形で行く。質問は?」
グーティルは辺りを見回す。
しかし、単純明快な作戦。だれも挙手しない。
グーティル「よし、出撃だ!」
46 :
名無しさんの野望:04/10/05 16:29:41 ID:CoCHlPme
詰まらん
何考えてるんだか
もっと面白いのを考えろよ。
なんで300+300の兵で1000の兵に立ち向かうんだ?
登場人物の描写が少な過ぎて面白くない。
50 :
1:04/10/06 02:53:09 ID:bD0xN799
「ガンダダ様、敵兵が討って出てきました。」
その報告に、ガンダダは瞑目した。
『ついに来るべき時が来た。』
ガンダダは高ぶる心を落ち着かせつつ、冷静に勤めた。
やはり戦は何度経験しても、心がかき乱される。
だからこそ、平常心にいないと軍を死地へ向かわせてしまう。
ガンダダはそういう戦観があった。
特に今回は寸分違わずに作戦通りに事を運ばないといけない。
深呼吸を一つ付く。
そして覚悟を決めた。
「君達の命を我に預けよ。全軍、指示通りに動く様に!」
「おおー!!」
「突撃!!」
その号令一下、ガンダダの手勢1000はグーティルの手勢に向かっていった。
51 :
1:04/10/06 03:05:58 ID:bD0xN799
サギエル軍が動き出したのを見て、グーティルは左手を高く掲げた。
その地点から分水嶺のごとく、ガーランド軍は二手に分かれる。
グーティルは北方を率いた。
左手にサギエル軍を見ながら旋回していく。
『これで相手は目標を失い、騎馬の勢いは殺される。』
グーティルはそう読んだ。
しかし、サギエル軍の勢いは止まらない。
そのままグリンパッセナの方向へ向かっていく。
そのままサギエル軍と行き違いになってしまった。
「くっ・・・1000の手勢で何をするつもりか?!」
グーティルは右手を上げて、円を描いた。
その地点を中心に、半円起動を描き、後方よりサギエル軍を追う形となる。
南方の分軍も少し遅れて、同じ運動をする。
「何をするつもりか・・・お手並み拝見だな。」
52 :
1:04/10/06 03:20:33 ID:bD0xN799
「ガンダダ様」
打ち合わせと違う敵の動きに、不安になった副将がガンダダを見上げた。
ガンダダはそれを察し答えた。
「敵を叩くという方針に変わりは無い。作戦を成就するためにな。」
と口端を吊り上げた。
ガンダダが何かを確信する時は口端を吊り上げる癖があった。
その事を熟知している副将は気持ちが楽になった。
「砦に近づいたら、騎馬の勢いを殺さずにこのまま反転する。」
ちらっと後ろを見る。
最初の状態より、少し隊列が細くなっている事に気が付いた。
「こちらも二軍に分かれよう。私が合図したら、君は左回り反転し、相手の後ろへ回り込め。
私は右回り反転し、相手の中腹を叩く。頭は残しておけ。」
「はい」
指示を聞いた副将は、それを部隊長に知らせるために、速度を落とし馬群に飲まれていった。
「壁塞まであと二分って所か・・・間に合えば良いが。」
53 :
1:04/10/06 03:29:29 ID:bD0xN799
その時、ガンダダはふとお守りを見たくなった。
帝都サンダックで、妻に手渡されたお守りだ。
妻のあの悲しそうな表情。
彼女は気付いていたのだろうか?
次に子供の顔が浮かぶ。
そして、今まで仲良くしていた人の顔が次々に浮かぶ。
『これが走馬灯か?・・・くそっ、演技でもない』
ガンダダは大きく首を左右に振った。
「俺は勝つ。」
口に酸っぱいものがこみ上げつつ、そう呟くと副官が左手に戻ってきた
「作戦を伝えてまいりました。手勢は指示通りに動くでしょう。」
「よし!あと一分だ。」
『動きが無い・・・あのままでは壁にぶつかるぞ。もしかして、自爆して壁を壊すつもりか?』
グーティルは、サギエル軍に動きが無い事をいぶかしんでいた。
大体、この様な寡兵でこの壁塞に攻めてくる事自体軍略に悖る事である。
したがって何か奇策を打ってくると読んだのだが、今の所は正攻法そのもので挑んできている。
『何がなにやら解らん・・・。』
54 :
1:04/10/06 03:45:38 ID:bD0xN799
「そろそろだな、副官耳を」
ガンダダは副官の耳元で指示を伝える。
副官は小さく頷いた。
指示を伝えた後、ガンダダは右により転回準備を始める。
「行け!」
『副官』は合図と同時に中腰乗り状態になり、右手を大きく上げる。
同時に軍隊が大きく二手に転回した。
「そう来たか。」
グーティルは相手があくまで正攻法で望むのに驚きつつも、サギエル軍の挙動に注視していた。
合図したと思われる人物を特定するために。
左手に手を大きく振りかざして叫んでいる人物が見えた。
『あいつが指揮官だな』
そう推理した刹那
「全軍続け!」
グーティルは左方の分軍目指して突入した。
>>1 お前、「プロット」って何なのか小一時間検索して来い。
少なくとも、こういうのはプロットと言わない。
お前の脳内妄想垂れ流し小説はチラシの裏にでも書いてろ。
(・∀・)ネコミミモード♥
かなり恥ずかしい馬鹿だな・・・
あのな、ゲームの「シナリオ」なんてものは演出でしかないんだよ
後付けでいいんだよ
遊ばせるシステムがまず有って、ファンタジーだの歴史物だのの背景は
味付けなんだよ、純粋に言えばシステムの理由付けや理屈あわせでしかないのよ
>>1は出来の悪いエロゲ好きな中学生か?
58 :
名無しさんの野望:04/10/06 12:19:44 ID:EpVHADWF
>>1 空気嫁よ。
この糞馬鹿が。
よめねーからてめーは厨房なんだよ。
>>57 禿同だが、中学生に失礼かもな。
きょうびの中学生は
>>1より大人だぞ
ageてしまった。
ごめんなさい。
暫定名スレ
61 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/07 00:15:37 ID:yatWsq+0
「てんかーい!」
サギエル軍副官ハーティスは右手を大きく振り回しながら、雷鳴の如き声を上げた。
小柄な体からは想像もできないその声はグーティルに多少のプレッシャーを与えながらも、
勢いを殺すまでにはいたらなかった。
一方ガンダダは身を低くし、馬との密着度を増しながら粛々と転回する。
『ハーティス、無事でいろよ』
走りつつ、副官の方を一瞥すると、壁塞を右手に見ながら南下する形となった。
城壁の上を見やる。
城壁の高さは約30メートル位、厚さはざっと10Mとあろうか。
ガンダダは暗部(スパイ等)がもたらしたグリンパッセナの図面を頭に描きながら、
実物と比べ合わせイメージをより強固に固めていった。
「いくぞ!」
右手の武官達に目配せする。
武官は頷くとすぐさま後ろの馬群に飲み込まれていった。
ガンダダはマントを脱ぎ、兜を脱ぎ捨てた。
そこには、そのマントの中に納まっていたとは考えられない程の筋骨隆々な肉体が表れた。
上腕ニ頭筋、三角筋、広背筋、尺側手根伸筋、大腰筋、大髄ニ頭筋・・・。
全ての筋肉が完璧なまでに鍛え上げられていた。
62 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/07 00:33:55 ID:yatWsq+0
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ガンダダは思い切り息を吐く。
「すぅぅぅぅっぅぅぅぅぅぅっぅぅぅぅぅぅ!!」
次に思い切り息を吸い、丹田に力を込める。
「ぬぅぅん!!」
掛け声と同時に手で複雑に印を作り、紋を切る。
その刹那、ガンダダの筋肉が倍程にバンクアップされた。
「ふしゅゆぅぅぅぅぅ〜」
後ろに下がった武官はガンダダ専用の弓屋輸送担当の兵士に彼の命を伝えた。
兵士はすぐさま馬を加速させて、先頭を目指す。
「しかし、武官殿」
兵士が上目遣いで武官に伺った。
「なんだ?」
「前から聞きたかったのですが、この弓は道具を使って弦を引くのではなかったでしょうか?」
「そうだ、よく勉強してるな」
武官は先頭を見ながら褒めた。
褒めて伸ばすのはこの隊の方針だ。
「それで、いつ弦を引いて発射準備するのかなと思っていて・・・それで昨日その命令が下るだろうと思って無かったので。」
「うん」
「それで質問ですが、弦を引かなくて良いのでしょうか?」
「君は・・・新人君かね?」
武官は兵士を見て微笑んだ。
「そ、そうです。」
63 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/07 00:48:41 ID:yatWsq+0
「それじゃあ、知らないのもありえるか・・・ガンダダ将軍は結構名の通った人だと思ってたけどな。」
「すいません。」
兵士は頭を下げた。
「いやいや、確かにこの弓は機械的に弦を引かないと使えない・・・あの人を除いてはね。」
武官は顎で前を指す。
そこには、オークを思わせる様な筋肉隆々の人物が馬上にいた。
「!」
武官はその兵士の様子を面白そうに眺めながら続ける。
「あれが、ガンダダ将軍だよ。あの人が本気を出すとああなるんだ。ああなれば誰も敵わない。」
「そそ・・・それでは。」
矢担当の兵士が両手で矢を差し出す。
「それは爆矢といって、1キログラムの矢の先の容器に、4キロの火薬を詰めた物だよ。」
「ひっ!」
「弓の中腹に線が出ているだろ?それが導火線だ。」
「こ・・・こんなもの打つなんて無理ですよ。」
「それが出来るのが・・・ガンダダ将軍なんだ。」
武官がそう言い終えた時には、もう先頭に追いついていた。
「ガンダダ様、持ってまいりました。」
ガンダダは無言で右手を差し出す。
兵士は慌てて弓を差し渡した。
次に左手を差し出す。
爆矢を差し渡す。
「我剛神弓の力、とくと見るがよい!」
言うが早いが、ガンダダは弓矢を構えた。
兵士は驚き、落馬しそうになった。
64 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/07 01:22:54 ID:yatWsq+0
ガンダダが弓を構えるのを見て、壁塞から弓が飛ぶ。
しかし、弓はこちらに届く直前で地に落ちた。
「あ・・・明らかに射程範囲外だよな。」
心配そうな兵士とは対照的に、武官は余裕をもって眺めていた。
ガンダダは目で武官に合図する。
すぐさま武官は導火線に火をつけた。
ガンダダは再び目を壁塞に戻し、図面のイメージと照らし合わせた。
グリンパッセナは城壁の高さへの奢りと、防衛線の有利さとも相まって、
壁を挟んだ大通りの近くに武器庫がある。
そんなポイントが存在していた。
それは、正門を過ぎて南に100メートルほど駆けた所に位置していた。
ガンダダは馬を走らせながら頭内で算盤をはじく。
『馬の時速は約30キロ、つまり秒速約8メートル、100メートル駆けるのに約13秒』
やがて、ガンダダの目の前に壁門が見えてきた。
城壁を真右に見た時、ガンダダは時を刻み込む
「1・・2・・3・・・」
馬の蹄の音がゆっくりなる。
ゆっくりゆっくり、集中している。
周りがゆっくり動く。
ガンダダは最大限に集中していた。
何も聞こえない。
そのまま12秒目を刻んだ。
そして
「ぬうんっ!!」
ブン!
爆矢は普通の矢とは明らかに異なる発射音を立て、弧を描きながら悠々壁の向こうへ消えていった。
65 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/07 02:34:46 ID:yatWsq+0
ハーティスはサギエル軍が全力でこちらに追ってくるのを見た。
思惑通りである。
サギエル軍はこちらに指揮官がいると思い違いしているのであろう。
ランダムに左右に進路軸を傾けつつに北上する。
そして手筈通りにサギエル軍の後ろを伺う。
向こうもジグザグで追えば、隊列の幅が縮まる。
そこに隙を見出し、後ろを付く体制である。
「ガンダダ様が壁砦で作戦遂行するまで30分・・・その間粘らねば。」
グーティルは相手が直線的に北上しないのを見て罠の匂いを感じ取った。
しかし、また追いつくチャンスでもあった。
相手が細かく針路変更している限りこちらの北上速度の方が大きいからだ。
グーティルは右腕を上げた。
後ろの方から数十騎の騎馬が追いつき弓を構える。
「全速力だ!」
グーティルが指示すると、騎馬はグーティルを追い越しどんどんガーランド軍に迫っていった。
「打てっ!」
グーティルの指示とともに、百数十の矢がサギエル軍背部を襲った。
66 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/07 03:13:34 ID:yatWsq+0
「あちらさん、きなすったな」
ハーティスは後ろの様子を伺いながら呟いた。
この隊の背中には厚さ1センチの鉄板が入れてある。
相当重い分、あの程度の矢では貫けはしないだろう。
しかし進軍速度が落ちる。
さらにジグザグに逃げているためになおさらである。
「あと、ニ・三分で追いつかれるな。」
その位置にこられると、矢が鉄板を貫くに十分な威力となる。
しかし、それはガーランド側にとってもチャンスである。
「そろそろ・・・例の準備を」
ハーティスは武官に目配せする。
武官は減速し、後ろに下がっていった。
「逃げ・・・か?」
グーティルはサギエル軍の背後を弓で脅かしているにも関わらず、反撃してこない。
これは逃げているというと捕らえられるが、その割にはジグザグ移動している。
誘っている様な逃げている様な、混乱を誘う行動であった。
グーティルは判断せねばならなかった。
先程の状況と現刻の状況そして未来の状況。
過去・・・
「そういえば・・・」
グーティルは後ろを振り向いた、じっと目を凝らした。
もう一方の分隊が見えない。
「しまった、こんな単純な手に!」
67 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/07 03:23:44 ID:yatWsq+0
『しかし・・・分隊といってもせいぜい1000だろう。その程度ではグリンパッセナは落ちない。』
グーティルは前を見据えつつ、優先順位をつけようとした。
『グリンパッセナは落ちない。故に分隊は後回しで良い。
って言ってもこちらは陽動隊で本体ではない可能性が高い。しかし、今引き返すと後ろを付かれる。』
心は決まった。
『分隊を叩いて後、グリンパッセナに引き返す。』
そうと決まれば様子見の必要は無い。
罠があろうとなかろうと関係が無い。
とにかく前の部隊を屠るのが先決だ。
「我が隊は全力で敵の左後ろを付く。後ろの部隊は右後ろから付け!」
武官は直ちに後ろの隊に伝えに行った。
「よし、行くぞ!」
グーティルは抜刀して、馬速を上げた。
「追いついてきたな。」
サギエル軍の速度がさらに上がった。
恐らく30秒後に部隊の接触があるだろう。
「前は頼む。」
武官に先導を頼み、ハーティスは隊尾に下がっていった。
68 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/07 03:51:40 ID:yatWsq+0
ハーティスはすぐさま後ろの武官に追いついた。
「用意は?」
「できました。」
「じき追いつかれる、工作隊、行くぞ。」
ハーティス達工作隊は隊尾に急いだ。
「我が名はサギエルの将軍グーティル。」
後ろでは、さらに速度を速めたサギエル軍とガーランド軍がこの戦最初の衝突を行っていた。
グーティルがサギエル軍後尾の兵4人を瞬時に屠ると、手勢が一気に襲いかかり、馬上の主を屠っていった。
どどっ・・・どさどさっ
サギエル兵士の体が地に落ち、高速で前から後ろへ流れる。
30を数えた所でさらに進度を上げ、さらに屠ろうとした。
グーティルはとっくに、ガーランド軍がジグザグではなく、直線的な逃げに変更しているのに気付かなかった。
そして、ハーティスが隊尾に追いついた。
「くっ」
自分の計算が違っていたせいで、犠牲者が出た事に痛ましい思いがした。
隊尾に追いついた者。
グーティルには見覚えがあった。
二隊に分かれる時に指示を下した『ふり』をしていた
「貴様が隊長か?」
69 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/07 04:06:25 ID:yatWsq+0
「そうだ。我が名はガンダダ将軍が右腕ハーティス。貴殿は?」
「我こそは神聖サギエルの将軍にして、グリンパッセナ長官・・・」
グーティルは弓を矢に番えた。
「グーティルだ。」
名乗りと同時に矢を放つ。
矢はハーティスの右頬をかすかにかすった。
「挨拶は終り、次は外さん。」
グーティルは二の矢を番える。
「よし、かかれ!」
グーティルはハーティスに狙いを定めたまま、左右に命令する。
これでハーティスは指揮がとりにくいはず。
そしてそれが致命的な遅れをとる事になる。
『お手並み拝見』
口端も弓系にしなった。
ハーティスは身をかがめていた。
その時、グーティルの号令を聞いた。
グズグズしてはいられない。
意を決すると起き上がり、隊後尾の中央に移動し始めた。
後ろから矢が飛ぶ。
今度は遠くを掠めた。
『さっきのは偶然か』
ハーティスは胸を撫で下ろした。
しかし、左右の移動は常に行い弓に備えた。
後ろからは蹄の音が間近に迫っている。
刀独特の殺気が後ろから感じられた。
しかし・・・しかしもう少しであった。
「もっと近づけ・・・。」
後ろを凝らしながら機をみた。
70 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/07 12:35:05 ID:yatWsq+0
「よし、今だ!」
ハーティスは半身を起こし号令を下す。
兵士が一斉に後方に網を投擲する。
「うわあああ!」
「うおおっ!」
「(><)」
網がサギエル騎馬兵の馬の足を捕らえ、断末魔と供に落馬していく。
「飛べっ!!」
グーティルが短く命令を下す。
ぶんっ!
グーティルの馬が網を飛び越え、弓矢でハーティスに狙いを定める。
『先程は大きく外してしまった・・・が次は外さん!』
第二擲を指示するためにハーティスが立ち上がったのを見はからい、矢を放った。
「第二擲!」
ハーティスがそう指示を下し右手を上げた瞬間、喉元から熱いものがこみ上げてきた。
「!」
喉元を探ってみる。
大きな棒が立っている。
「・・ティスさま・・・・・・さま・・・」
皆の声が遠くから聞こえてくる気がした。
目の前が真っ白になり、全身を激しく打つ痛みを感じた。
それが、ハーティスが最期に感じた感覚であった。
|1/ |1/
/ ̄ ̄ ̄`ヽ、
/ ,, ヽ
/ 丿 \ |
| (●) (●) |
/ | さすがのムーミンも
/ ^ |
{ /| |
>>1には
ヽ、. /丿ノ |
``ー――‐''" | 呆れ果てているようです
./ . | |
(⌒―| | ゛―^⌒)
. ̄ ̄|  ̄ ̄| ̄
.| |
!、 /
ヽ、 / 、
ヽ、 、 /ヽ.ヽ、
| | | ヽ.ヽ、
(__(__| ヽ、ニ三
72 :
名無しさんの野望:04/10/08 00:22:27 ID:ImE6xlbl
凄いスレみたいなんでageておきますね
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ____ ┃
┃ /∵∴∵∴\ ┃
┃ /∵∴∵∴∵∴\ ┃
┃ /∵∴∴,(・)(・)∴| 今 日 は こ こ ま で ┃
┃ |∵∵/ ○ \| ┃
┃ |∵ / 三 | 三 | 読み飛ばした ┃
┃ |∵ | __|__ | ┃
┃ \| \_/ / ┃
┃ \____/ ┃
┃ 2ちゃんねる ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
74 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/08 01:42:51 ID:Y5PB1jNH
「敵将討ち取ったぞ!」
その雷鳴の如き声は、前方のガーランド軍を萎縮させるのに十分だった。
「ハーティス様が・・・」
「そんな」
ザワザワ・・・ザワザワ・・・。
動揺が軍全体に広がるのが見て取れる。
グーティルは勝利を確信した。
「敵は動揺してるぞ! 一気に畳み掛けろ!」
蛇が卵を飲みこむ様に、サギエルの騎馬群がガーランド軍を後ろから飲み込んでいく。
ガーランド軍の統率が取れなくなるのは時間の問題だった。
まさにその時。
どーん!
グーティルの後方、グリンパッセナの方から爆音が聞こえてきた。
「ま・・・まさか。グリンパッセナが」
「グーティル様」
武官が不安そうに見つめた。
内心の不安は同じで顔にでそうだったが、司令官である以上落ち着き払ってないといけない。
さらにグーティルは決断もしなければならなかった。
『こちらはもう瓦解寸前で後ろを付く余力がないだろう。よし』
グーティルは決断した。
「全軍転進!グリンパッセナへ戻るぞ!」
76 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/08 01:54:27 ID:Y5PB1jNH
どーん!
グリンパッセナからけたましい音がこだました。
壁上の兵士が慌てている様子が伺える。
「ガンダダ様、当たりましたよ!」
脇の兵士が嬉しそうに声を上げる。
周りの兵士も同様に喚起の声を上げた。
これで武器庫は火事になるだろう。
その隙に、グリンパッセナ内部に進入した暗部が色々と暗躍する手筈になっている。
「全軍転進回れ右!」
自分の仕事を終えたガンダダは、すぐさま分軍の救援に行った。
ガンダダの頭の中では、分軍は今も北上して逃げている筈であった。
「目の前に敵影・・・恐らくガーランド軍です。」
武官の声を聞くまでも無く、グーティルは前の敵影を確認していた。
それはすさまじい程の速さでこちらに向かってきている。
「抜刀、引弓!」
正面衝突を避けれないと判断し、すぐさま白兵戦闘の準備にかかる。
グーティル軍兵士は全員抜刀し、刃を口に咥えると弓矢を構えた。
グーティルが射ると、他の兵士が一斉に射る手筈である。
77 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/08 02:10:28 ID:Y5PB1jNH
「ガ・・・ガンダダ様!」
転回・北上して数秒もたたない間に目の前に砂埃が見えた。
「ぐっ」
この地点で敵か味方かの判別が付かないために呻いた。
敵ならば攻撃しないと一方的に先制攻撃を受ける。
味方ならば、攻撃したら同士討ちになる。
ガンダダは焦った。
「あれは敵です。」
横から武官が確信に満ちた目でガンダダを見上げる。
「根拠は?」
「ハーティス様の隊にしては砂埃が多い気がします。それに・・・弓を構えているのが見えます。」
「構えているのか?」
「はい、それに全員剣を咥えて・・・あっ!」
その瞬間武官の右頬を矢が掠めた。
すぐさま、反射的にガンダダは声を出していた。
「ふせろぉぉぉぉぉぉ!!」
声がやまないうちに、百数の弓矢がほぼ直線的に飛んできた。
不幸も、こちらは矢の運動と反対方向に駆けているために、弓なりの矢が直線的になるのだ。
ガンダダ以下部下は必死に馬上に背を落とす。
しかし、このままじゃいけなかった。
このままでは、相手の刃の餌食になる。
しかし今から抜刀しても恐らく間に合わない。
勝負の趨勢は見えたかに思われた。
オナニー乙
79 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/08 02:33:23 ID:Y5PB1jNH
グーティルは弓を射た。
それに続いて前方に百数の弓が襲い掛かる。
射終わると弓をしまい、口に咥えていた刃を構えた。
相手は馬上に伏せている。
こちらの弓が断続的に届いている以上はあの体勢を維持せざるを得ない。
つまり、衝突する直前まで抜刀も出来ずにあの姿勢の訳である。
まさに、『切ってください』といわんばかりであった。
あとは無防備な敵将を打てば、この戦いに終止符が打たれる。
それなので、グーティルは敵将を探した。
数秒もしない内にそれらしき人物を見つけた。
筋骨隆々の禿頭で体の無数の傷が歴戦を物語っている勇士。
右斜め前にそれを確認したからだ。
他の兵士とは、体の鍛え方もオーラも明らかに違っていた。
『名の将軍だろう・・・ここで討ち取るのも惜しいが、これも宿命』
グーティルは刃を握る右腕に力を入れた。
ガンダダは伏せながらも、こちらに駆けてくる一騎を見逃さなかった。
艶良く漆塗られた胸当てと肩当。
その清雅を物語る金色の兜に赤塗りの面。
そして、胸当てまで届かんとする立派な顎鬚。
兵士にしては、そして一介の武官としては立派過ぎる格好である。
格好で判断するのは根拠に乏しいが、あれが敵将である事をガンダダの勘が告げていた。
ガンダダは深呼吸し、バンクアップの準備をする。
あの敵将に、乾坤一擲の一撃を叩き込むため。
80 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/08 02:50:26 ID:Y5PB1jNH
グーティルは確認していた。
相手が武器を持たず、ただ馬上に伏せているだけだという事を。
筋肉は確かに鍛え上げられている。
しかし、あの体勢から、しかも武器も持たずにどうにかできるものではない。
なすすべも無く切られる。
切れる・・・はずだった。
そしてグーティルがガンダダとすれ違い様に刃を落とした瞬間。
ごうっ。
グーティルは胸当てに、鐘付きで付かれた様な衝撃を感じていた。
「うっ」
胸が詰まった。息が出来ない。浮遊感がある。
「なぜ景色が周っているのか?」
何もかも理解の範疇を外れていた。
ただ、景色がゆっくりと回転していた。
空と雲が下へ流れて・・・上から地面が見えて・・・。
どうっ!!
グーティルは前から地面にしたたかに撃ちつけられた。
「グーティル様!!」
すぐさま武官や兵士が下馬してかけ寄ってきた。
グーティルは乱暴に担がれ、馬の背に乗せられた。
そして、交戦地から遠ざかるのを人事の様に認知していた。
82 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/08 03:07:52 ID:Y5PB1jNH
「ぬおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ガンダダはグーティルの接近を見計らいバンクアップした。
すぐさま右手でアッパーを放つ。
がごん!
その拳はグーティルの漆黒の塗るしの胸当てを半ば貫通した。
グーティルが空中で弧を一回描き地面に落ちる間に、ガンダダは背中の棒を抜いた。
長さ3メートル、重さ50キロのガンダダの愛用の武器『瞬天棒』である。
これを食らった相手は瞬時に天に上る事かこの名前の由来である。
「ぬぅぅっぅぅっぅぅぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
地面を震わす様な大声で、敵に突進しながら腰を始点に棒を回しに回した。
ドドどどどどどすんどすんどすん・・・
棒に触れた敵が、人形の様に落馬していく。
ガンダダは味方を鼓舞するために、敵を威圧するために、叫び単身駆けた。
大将が落馬するのを見た前線の兵は、ガンダダのその鬼神の様を見て、恐慌を抱きグリンパッセナに逃げるのが多数だった。
少数の勇気ある兵士はグーティルを救出したが、やはりグリンパッセナに逃げていった。
その前面の兵の様子と、鬼神ガンダダを見て、恐慌をきたして逃げるものが多数居た。
すると群集心理が働き、サギエル軍は全面的に瓦解し始めた。
大将が指揮を出せない状況と、ここで無理して命を落とす事もない使命感の薄さもそれを手伝った。
「ひっ・・・ひぃぃぃぃぃ」
「き、鬼神だぁぁぁ」
サギエル兵は情けない声を上げながら、グリンパッセナに逃げていった。
ガンダダは深追いをしなかった。
それよりも、当面の作戦が一応成功した事で満足していた。
それ以上に、自軍の実況見分もしたかったからだ。
83 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/08 03:24:30 ID:Y5PB1jNH
「そうか・・・」
ガンダダがハーティスの戦死を聞いたのは、状況修了二時間後、分隊と合流してからであった。
ハーティスは忠実に片腕として働いてくれた。
知恵が足りない時は知恵を出してくれた。
機嫌が悪いくて部下に当たった時は、フォローしてくれた。
重臣との会談で論難された時に叱咤激励して慰めてくれた。
武官のリストラの際には代わりに肩を叩いてくれた・・・。
そのハーティスがもう居ない。
ガンダダにとって、受け入れがたい事実であった。
戦闘を行えば必ず死ぬ。
でも、彼に限って・・・それが通用しないのは重々わかっていた。
そう考えていた。
しかし、それはあたりまえに引っくり返された。
「本陣に帰るぞ。」
ガンダダは勤めて毅然とものを言った。
しかし、誰の目から見ても憔悴しきっているのが解っていた。
ガンダダは気を使われているのを感じた。
士気に関わる重大な事だ。
「俺も・・・将軍失格だな。」
自嘲するしかなかった。
しかし作戦は動き出している。もう止められない。
ハーティスを弔うには、最早作戦成功しかなかった。
84 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/08 03:28:14 ID:Y5PB1jNH
『ハーティス・・・見ていてくれ。必ず計略を成就し、大陸を統一し、ガーランドの名の下に平和をもたらす。』
「はっ!」
ガンダダは勢い良く駆けた。
彼の横ではハーティスが駆けていた。
在りし日はこうやって駆け競い合ったものだ。
ガンダダが速度を落とす。
ハーティスはさらに速度を上げる。
ハーティスはガンダダを追い越し、そのまま空へ駆けて行った。
やがて見えなくなった。
しかし、ガンダダは消え後をずっとずっと眺めているのだった。
('A`)
ノヽノヽ =3 プゥ
くく
涼スレの予感
う〜さぶいー((((;-Д-)))
記憶!記憶!妄想・妄想!
記憶!KI・O・KU!残像!残像!
サーベージ金時はどこ行ったん?
ガンダダ役のガンダム
グーティル役のダディクール
サギエル役の子安
ハーティス役の子安
登場人物ってこんくらい?
>>88 サーベージ金時は近世界のTOOKYOが滅びた際に一緒に滅びたんだと思います。
>>89 登場人物を私っぽく纏めると
トム:レイアースっぽく、異世界ネタであるならば本編の主人公と思われる。現在異世界のどこかにいるのでは?
ジョン:TOOKYOを禁呪で吹き飛ばした人。生死不明
サーベージ金時:トムのサーバント。トムを救うために次元ホールを作りトムを逃がす。生死不明
ルマランドラ下院議員:収賄の現場をレジスタンスに抑えられる。実力の程は不明だが、皇帝に可愛がられていたらしいので、それなりにあるだろう。
ジルバート八世:ジルバート家の八代目当主?黄河忍法の使い手。サギエル三世の技を餃子の皮に包み込むが、美味しさのあまり昇天してしまう。
サギエル三世:一番上の表記が三世で、以下三世が抜けているが作者が忘れているだけだと思われる。国民に三公七民の重税をかける人の皮を被った悪魔の様な人
男1〜3:謎の男達。男2は雌雄同体らしい。
ルビガンダ:ガーランド帝国皇帝。その他は知らん。
キジニスト:ガーランド帝国宰相。ガンダダにグリンパッセナを落とす策を授ける。
ガンダダ:ガーランド帝国の将軍。バンクアップにより筋力が約二倍になる。物凄く強そう。
グーティル:神聖帝国サギエルの将軍にしてグリンパッセナ長官。野心家だがなんだか弱そう。
ハーティス:ガンダダの腹心。身分は不明。グリンパッセナ攻城戦でグーティルの矢にあえなく戦死。
しまった!ここは糞スレだ(ry
>>1 ライトノベル板でやれば?
いや、煽りじゃなくてマジで。
>>94 ジエンだろ、察してやれ
哀れすぎてヤジれない
96 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/09 01:43:00 ID:1SCNi5s0
ハーティス隊がガーランド軍を引きつけている間にガンダダがグリンパッセナを爆撃。
それに気付いて混乱した、もしくは引き返してきたガーランド軍を両面から叩いて、敵将を捕らえる。
その後グリンパッセナと交渉を持つ。
これが作戦の流れであった。
しかし、ガーランド軍の進軍が予想よりも早かった事が作戦の破綻をきたしたのだ。
一応緒戦で勝ちを得れたが、ハーティスを失い、さらにグリンパッセナと交渉する手段も失い、
戦略的には負けに近い内容である。
ガンダダは憔悴しきっていた。
ハーティスを亡くした事はもちろんの事、作戦が失敗した事が重くのしかかった。
この作戦をしくじる事は、大恩のある宰相キジニストの立場を危うくするからである。
宰相の椅子はただでさえ狙われやすいのだが、枢密院を中心とした反キジニストのグッシール派が
キジニスト追い落としに取り掛かる事は目に見えていたからだ。
しかもグッシールは皇帝ルビがンダと姻戚関係にある。
現在キジニストが宰相の座を守っているのは、彼の脅威の政治的バランスと実務能力のお陰であった。
しかし、この作戦失敗という致命的ミスを犯してしまえば、彼の失脚はほぼ間違いないだろう。
ガンダダはミスが許されなかった。
97 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/09 02:05:24 ID:1SCNi5s0
「どうするか?」
ガンダダは思わず呟いた。
彼は疲れると、思った事を口に出す癖がある。
彼もそれは自覚している様で、この様な日は酒を飲んで寝るのが常だった。
グリンパッセナから5キロ離れた本陣にたどり着い時には、手勢は800騎にまで減っていた。
騎馬も前のめりにキャンターするものが多かった。
人馬供に物凄い疲労をきたしていた。
陣では火を炊き、食事と酒を飲んだ。
しかし、戦友が死んだ悲しさから盛り上がれはしなかった。
やがて誰かのすすり泣く声が聞こえてきた。
それは全員に伝播し、物凄い嗚咽の渦となった。
ガンダダは立ち上がった。
「今日、ハーティスはじめ、可愛い部下200人が旅立たった。」
兵士達はガンダダを見みた。
「敵軍は過去に我々の先祖を辱めているばかりでなく、今日に至るも我々を苦しめた。
よって我々は鉄槌を下そうとした。それが我々の権利だからである。」
全員がガンダダの声に聞き入っていた。
「しかし彼らは、先祖を貶めるだけでは飽き足らずに、我らも貶めようとした。
彼らの様な厚顔無恥の輩があの・・・あの憎っきグリンパッセナの上から、せせら笑っているのだ。
我々の先祖を土足で踏みつけながら、50年余笑い続けてきたのだ!」
全員がガンダダを睨み付ける。
恨みを思い出し、床にこぶしをぶつけるものもいる。
98 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/09 02:17:19 ID:1SCNi5s0
「我々は正当な権利を行使した。しかし、神はまた試練を与えた!
今日苦戦したのは試練を乗り越える課程である。
そのために、今日200人の英雄が散った。
散りはしたが、本日勝利を得た。
神は答えてくれたのだ。
過去においてグリンパッセナで勝利を得た者はいない。
我々は最初の勝利者である。
つまり、神は我々を認めたのだ。
認めたのであるから、次は勝てる。
見よ炎を!」
ガンダダは瞬天棒を炎に向けた。
「今神が下した印を示してやる。」
ガンダダは炎に向かい歩き出した。
1メートルはあろうかという炎である。
その炎の中へ、ガンダダは歩き入った。
そして笑いながら出てきたのだ。
「この通りわしは何ともない。これが神の印である。
これが、グリンパッセナが落ちる事の証である!!」
瞬天棒をグリンパッセナの方へ指し示す。
その瞬間、兵士から歓声が巻き起こった。
悲しみを怒りと希望に変え、さらなる団結が行われたのである。
「明日は進発だ。各自、良く寝とけよ!!」
「おおっ!!」
兵士達にはもう焦燥感は無かった。
99 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/09 03:11:18 ID:1SCNi5s0
ガンダダは寝室に入った。
簡易ベッドに腰を下ろし、具足を脱いだ。
そして横になる。
しかし心は休まらなかった。
作戦が頓挫した以上、明日の行動を考えねばならない。
作戦では、次の段階は交渉だが、こちらには取引するカードが無かった。
このままでは交渉も出来ない。
しかし、何もしない事は許されない。
結果を出さなければならない。
『・・・』
何も思いつかない。
普段なら思考が煮詰まった時、横にはハーティスが居て何か知恵を出してくれるのだが、もういない。
「くそっ」
考えが順々巡りになる。
「キジニスト様位に頭が良ければ・・・キジニストさま・・・」
ガンダダはキジニストの言葉を思い返してみた。
『今回の作戦は情報を武器に使う・・・』
「情報が武器・・・そうだ!」
ガンダダはがばと起き上がった。
「おい!誰か!」
すぐさま武官が駆け込む
「はい、何か?」
「進発するぞ、直ぐに準備をせい!」
なぜこの糞スレが削除されないのが疑問だ
みんな削除依頼出すのもメンドイんだろ、というかかかわりたく無いと言うか
>>1が猿オナニーペースでシコシコやってるからDAT落ちしないし
メンドイだろうけどスレ自体、板違いだから
誰か削除依頼よろ
105 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/09 07:37:25 ID:1SCNi5s0
迷惑かけてすいません。
そして、迷惑ながらも存在を許してくれてありがとう御座います。
それでは移転致します。
106 :
1 ◆h8ZzBXntBQ :04/10/09 08:03:40 ID:1SCNi5s0
>>1 おまえに消費されるスレのほうが勿体無いから駄目です
無駄にするのはお家に置いてあるティッシュと広告の裏だけにしてください。
もう来るな
109 :
名無しさんの野望:
age