【音楽流星群2】神秘の宝石騎士団【談話室6】

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807とある美術館の学芸員
初音ミクは電子の世界で、イン・シリコ(「天」と同じ不可視)の世界で、
いったいなにをしているのか。

 初めての音に なれましたか?
 あなたの 初めての音に

 世界のどこでも ワタシはうたう
 それぞれの ハジメテノオトを…

「世界のどこでも」、つまりこの世界に重なり普遍的な場、しかしわれわれには不可視の世界で、
各人それぞれの「ハジメテノオト」を歌っている。
「境界」で生きる天使そのものの姿のように思えませんか?
しかも、この天使は人間にぴったり寄り添っている。

押井守は「生きるということは、どんどん失っていくことだ」と書いていますが、
初音ミクはそれを回収し不可視な永遠の世界(イン・シリコの世界)に保存します。

 やがて日が過ぎ 年が過ぎ
 古い荷物も ふえて
 あなたが かわっても
 失くしたくないものは
 ワタシに あずけてね

ボクにはダンテの『神曲・煉獄篇』で、空を駆けながら歌っている天使のように思えます。