ミケランジェロってどうよ

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117美紀
そですね。私もミケランジェロは工房作家ではなかったと思います。
彼は昔ながらの職人気質の人間で、自分はあくまで「職人」であって、
「芸術家」としての意識は低かったんじゃないかな。

画家や彫刻家の社会的地位が発生してきたこと自体ルネサンス期のことで、
それまでの作家はあくまで職人としてのクラフトマンで、地位が低かったんですよ。
中世の作家たちは多くの地域を巡っては彫刻や彩色をして回る生活をしていたので、
よってヨーロッパ一円をひとつの文化圏として、離れた地域でもスタイルや流派が似ていることがあります。

絵画・彫刻が「芸術」としての地位を得るのは
キリスト教世界に中世からある考え方で「自由七学芸」というものがあって
神学などのキリスト教的学問ではないものの、優れた学問と言われている7教科があり、
それを根拠として芸術の地位を向上させたためです。
自由七学芸とは、文法・論理学・修辞学・幾何学・算術・天文学・音楽で、
例えば遠近法との関連性から算術を論拠にクラフトではなく学問であることを証明
しようとしていったのです。その立役者の一人としてレオナルドなどが挙げられます。